JP2644641B2 - 建設機械の油圧駆動装置 - Google Patents
建設機械の油圧駆動装置Info
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- JP2644641B2 JP2644641B2 JP18480191A JP18480191A JP2644641B2 JP 2644641 B2 JP2644641 B2 JP 2644641B2 JP 18480191 A JP18480191 A JP 18480191A JP 18480191 A JP18480191 A JP 18480191A JP 2644641 B2 JP2644641 B2 JP 2644641B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホイール式油圧ショベル
等の建設機械の油圧駆動装置に係わり、特に、ロードセ
ンシング制御される油圧ポンプの吐出圧力と複数のアク
チュエータの最大負荷圧力との差圧に基づく制御力を分
流補償弁に付与し、流量制御弁の前後差圧を制御する油
圧駆動装置に関する。
等の建設機械の油圧駆動装置に係わり、特に、ロードセ
ンシング制御される油圧ポンプの吐出圧力と複数のアク
チュエータの最大負荷圧力との差圧に基づく制御力を分
流補償弁に付与し、流量制御弁の前後差圧を制御する油
圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧駆動装置として、例えばDE
−A1−3422165(特開昭60−11706号に
対応)、特開平2−118203号公報等に記載のよう
に、ロードセンシング制御(以下、適宜「LS制御」と
いう)される油圧ポンプの吐出圧力と複数のアクチュエ
ータの最大負荷圧力との差圧に基づく制御力を圧力補償
弁に付与し、流量制御弁の前後差圧を制御するものがあ
る。ここで、LS制御とは、油圧ポンプの吐出圧力が複
数の油圧アクチュエータの最大負荷圧力よりも一定値だ
け高くなるよう油圧ポンプの吐出量を制御するものであ
り、これにより油圧アクチュエータの負荷圧力に応じて
油圧ポンプの吐出量を増減し、経済的な運転が可能とな
る。
−A1−3422165(特開昭60−11706号に
対応)、特開平2−118203号公報等に記載のよう
に、ロードセンシング制御(以下、適宜「LS制御」と
いう)される油圧ポンプの吐出圧力と複数のアクチュエ
ータの最大負荷圧力との差圧に基づく制御力を圧力補償
弁に付与し、流量制御弁の前後差圧を制御するものがあ
る。ここで、LS制御とは、油圧ポンプの吐出圧力が複
数の油圧アクチュエータの最大負荷圧力よりも一定値だ
け高くなるよう油圧ポンプの吐出量を制御するものであ
り、これにより油圧アクチュエータの負荷圧力に応じて
油圧ポンプの吐出量を増減し、経済的な運転が可能とな
る。
【0003】ところで、油圧ポンプの吐出量には上限、
即ち最大可能吐出量があるので、複数のアクチュエータ
の複合駆動時、油圧ポンプが最大可能吐出量に達する
と、ポンプ吐出量の不足状態が生じる。このことは一般
的に油圧ポンプのサチュレーションとして知られてい
る。サチュレーションが生じると、油圧ポンプから吐出
された圧油が低圧側のアクチュエータに優先的に流れ、
高圧側のアクチュエータに十分な圧油が供給されなくな
り、複数のアクチュエータの複合駆動ができなくなる。
即ち最大可能吐出量があるので、複数のアクチュエータ
の複合駆動時、油圧ポンプが最大可能吐出量に達する
と、ポンプ吐出量の不足状態が生じる。このことは一般
的に油圧ポンプのサチュレーションとして知られてい
る。サチュレーションが生じると、油圧ポンプから吐出
された圧油が低圧側のアクチュエータに優先的に流れ、
高圧側のアクチュエータに十分な圧油が供給されなくな
り、複数のアクチュエータの複合駆動ができなくなる。
【0004】このような問題を解決するため、上記DE
−A1−3422165に記載の油圧駆動装置では、流
量制御弁の前後差圧を制御する各圧力補償弁に、ポンプ
吐出圧力と最大負荷圧力との差圧(以下、適宜「LS差
圧」という)に基づく制御力を開弁方向に作用させ、こ
の制御力で前後差圧の目標値を定めるようにしている。
この構成により、油圧ポンプのサチュレーションが生じ
ると、これに対応してLS差圧が減少するので、各圧力
補償弁における流量制御弁の前後差圧の目標値も小さく
なり、油圧ポンプからの圧油が低圧側アクチュエータに
優先的に流れることが阻止される。これにより、油圧ポ
ンプからの圧油は流量制御弁の要求流量(弁開度)の割
合に応じて分流されて複数のアクチュエータに供給さ
れ、適切な複合駆動が可能となる。
−A1−3422165に記載の油圧駆動装置では、流
量制御弁の前後差圧を制御する各圧力補償弁に、ポンプ
吐出圧力と最大負荷圧力との差圧(以下、適宜「LS差
圧」という)に基づく制御力を開弁方向に作用させ、こ
の制御力で前後差圧の目標値を定めるようにしている。
この構成により、油圧ポンプのサチュレーションが生じ
ると、これに対応してLS差圧が減少するので、各圧力
補償弁における流量制御弁の前後差圧の目標値も小さく
なり、油圧ポンプからの圧油が低圧側アクチュエータに
優先的に流れることが阻止される。これにより、油圧ポ
ンプからの圧油は流量制御弁の要求流量(弁開度)の割
合に応じて分流されて複数のアクチュエータに供給さ
れ、適切な複合駆動が可能となる。
【0005】なお、この場合、圧力補償弁は結果的に、
油圧ポンプからの圧油を確実に分流して複数のアクチュ
エータに供給するので、本明細書中ではこの圧力補償弁
を「分流補償弁」と呼ぶ。
油圧ポンプからの圧油を確実に分流して複数のアクチュ
エータに供給するので、本明細書中ではこの圧力補償弁
を「分流補償弁」と呼ぶ。
【0006】また、上記特開平2−118203号公報
に記載の油圧駆動装置では、LS差圧に基づいて複数の
分流補償弁のそれぞれの駆動手段が付与すべき制御力と
して個別の値を演算する手段と、分流補償弁のそれぞれ
に対応して設けられ、それぞれ、前記個別の値に応じた
制御圧力を発生し、これを分流補償弁の駆動手段に出力
する複数の制御圧力発生手段とを備え、LS差圧に基づ
く制御力を電気油圧的に分流補償弁に作用させることに
より、上記と同様の目的を達成し、かつ分流補償弁に個
別の圧力補償特性を与えて操作性及び作業効率を改善し
ている。
に記載の油圧駆動装置では、LS差圧に基づいて複数の
分流補償弁のそれぞれの駆動手段が付与すべき制御力と
して個別の値を演算する手段と、分流補償弁のそれぞれ
に対応して設けられ、それぞれ、前記個別の値に応じた
制御圧力を発生し、これを分流補償弁の駆動手段に出力
する複数の制御圧力発生手段とを備え、LS差圧に基づ
く制御力を電気油圧的に分流補償弁に作用させることに
より、上記と同様の目的を達成し、かつ分流補償弁に個
別の圧力補償特性を与えて操作性及び作業効率を改善し
ている。
【0007】ところで、LS制御では、負荷の異なる2
つのアクチュエータを同時に駆動した場合、油圧ポンプ
の吐出圧力と高負荷側のアクチュエータの負荷圧力との
差圧(LS差圧)は、当該負荷圧力またはポンプ吐出圧
力が変化しても上記のように所定値に保たれるが、ポン
プ吐出圧力と軽負荷側のアクチュエータの負荷圧力との
差圧は当該負荷圧力又はポンプ吐出圧力の変化に応じて
変化する。
つのアクチュエータを同時に駆動した場合、油圧ポンプ
の吐出圧力と高負荷側のアクチュエータの負荷圧力との
差圧(LS差圧)は、当該負荷圧力またはポンプ吐出圧
力が変化しても上記のように所定値に保たれるが、ポン
プ吐出圧力と軽負荷側のアクチュエータの負荷圧力との
差圧は当該負荷圧力又はポンプ吐出圧力の変化に応じて
変化する。
【0008】また、分流補償弁(圧力補償弁)は、油圧
ポンプの吐出圧力と当該分流補償弁が係わるアクチュエ
ータの負荷圧力(以下、「自己負荷圧力」という)との
差圧が変化すると、内部の弁スプールに作用するフロー
フォースの影響でハンチングを生じ易い。この問題を解
決するため、WO90/13748号公報では、ポンプ
圧力と自己負荷圧力との差圧に基づく開弁方向の付加的
制御力を圧力補償弁の弁スプールに付与する構成を提案
している。この構成により、圧力補償弁は、ポンプ圧力
と自己負荷圧力との差圧が増大すると流量制御弁の前後
差圧が増大し、したがって流量制御弁の通過流量も増大
するという「正の勾配特性」を持ち、安定した流量制御
が可能となる。
ポンプの吐出圧力と当該分流補償弁が係わるアクチュエ
ータの負荷圧力(以下、「自己負荷圧力」という)との
差圧が変化すると、内部の弁スプールに作用するフロー
フォースの影響でハンチングを生じ易い。この問題を解
決するため、WO90/13748号公報では、ポンプ
圧力と自己負荷圧力との差圧に基づく開弁方向の付加的
制御力を圧力補償弁の弁スプールに付与する構成を提案
している。この構成により、圧力補償弁は、ポンプ圧力
と自己負荷圧力との差圧が増大すると流量制御弁の前後
差圧が増大し、したがって流量制御弁の通過流量も増大
するという「正の勾配特性」を持ち、安定した流量制御
が可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
分流補償弁は、ポンプ吐出圧力と自己負荷圧力との差圧
と流量制御弁の通過流量との関係につき正の勾配特性が
与えられており、これにより安定した流量制御が可能と
なる。しかしながら、分流補償弁がこのように正の勾配
特性を持つということは、同時に駆動される2つのアク
チュエータの負荷圧力の差が小さくなった場合、ポンプ
吐出圧力と軽負荷側のアクチュエータの負荷圧力との差
圧が減少するので、軽負荷側のアクチュエータへ供給さ
れる圧油の流量が少なくなることであり、このために、
建設機械がホイール式油圧ショベルであり、アクチュエ
ータの1つが走行モータである場合は以下のような問題
を生じる。
分流補償弁は、ポンプ吐出圧力と自己負荷圧力との差圧
と流量制御弁の通過流量との関係につき正の勾配特性が
与えられており、これにより安定した流量制御が可能と
なる。しかしながら、分流補償弁がこのように正の勾配
特性を持つということは、同時に駆動される2つのアク
チュエータの負荷圧力の差が小さくなった場合、ポンプ
吐出圧力と軽負荷側のアクチュエータの負荷圧力との差
圧が減少するので、軽負荷側のアクチュエータへ供給さ
れる圧油の流量が少なくなることであり、このために、
建設機械がホイール式油圧ショベルであり、アクチュエ
ータの1つが走行モータである場合は以下のような問題
を生じる。
【0010】ホイール式油圧ショベルにおいて、走行し
ながらフロントアタッチメントを動作させる走行複合動
作を行う場合、平地や降坂走行時の走行モータの負荷圧
力が比較的低いときは、走行が軽負荷側となる場合が多
く、このときは、ポンプ吐出圧力と走行モータの負荷圧
力との差圧は比較的大きい。これに対し、登坂走行時に
は走行モータの負荷圧力が高くなるので、走行モータが
高負荷側となり、ポンプ吐出圧力も高くなって、ポンプ
吐出圧力と走行モータの負荷圧力との差圧は比較的小さ
くなる。このため、上記の分流補償弁の正の勾配特性に
基づく流量特性から、平地や降坂走行時の走行モータの
負荷圧力が比較的低いときと、登坂走行時の走行モータ
の負荷圧力が高くなるときとでは、走行モータとフロン
トアタッチメントのアクチュエータへの分流特性に差が
生じ、前者の場合は後者に比べ走行モータに多くの流量
が流れ易くなる。それゆえ、平地や降坂走行時にフロン
トアタッチメントが十分に動くようにするためには、走
行の分流補償弁の目標補償差圧を小さく設定することが
必要であるが、このように設定すると、登坂走行時には
走行の分流補償弁が絞り過ぎた設定となり、走行モータ
への供給流量が極端に少なくなって、走行が止まってし
まうという問題がある。
ながらフロントアタッチメントを動作させる走行複合動
作を行う場合、平地や降坂走行時の走行モータの負荷圧
力が比較的低いときは、走行が軽負荷側となる場合が多
く、このときは、ポンプ吐出圧力と走行モータの負荷圧
力との差圧は比較的大きい。これに対し、登坂走行時に
は走行モータの負荷圧力が高くなるので、走行モータが
高負荷側となり、ポンプ吐出圧力も高くなって、ポンプ
吐出圧力と走行モータの負荷圧力との差圧は比較的小さ
くなる。このため、上記の分流補償弁の正の勾配特性に
基づく流量特性から、平地や降坂走行時の走行モータの
負荷圧力が比較的低いときと、登坂走行時の走行モータ
の負荷圧力が高くなるときとでは、走行モータとフロン
トアタッチメントのアクチュエータへの分流特性に差が
生じ、前者の場合は後者に比べ走行モータに多くの流量
が流れ易くなる。それゆえ、平地や降坂走行時にフロン
トアタッチメントが十分に動くようにするためには、走
行の分流補償弁の目標補償差圧を小さく設定することが
必要であるが、このように設定すると、登坂走行時には
走行の分流補償弁が絞り過ぎた設定となり、走行モータ
への供給流量が極端に少なくなって、走行が止まってし
まうという問題がある。
【0011】本発明の目的は、正の勾配特性を有する分
流補償弁を備えた油圧駆動装置において、いかなる走行
状態でも好適な走行複合動作が行える建設機械の油圧駆
動装置を提供することである。
流補償弁を備えた油圧駆動装置において、いかなる走行
状態でも好適な走行複合動作が行える建設機械の油圧駆
動装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給
される圧油によって駆動される少なくとも第1及び第2
の油圧アクチュエータと、これら第1及び第2のアクチ
ュエータに供給される圧油の流れをそれぞれ制御する第
1及び第2の流量制御弁と、これら第1及び第2の流量
制御弁の入口と出口の間に生じる第1の差圧をそれぞれ
制御する、正の勾配特性を有する第1及び第2の分流補
償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第2
のアクチュエータの最大負荷圧力との第2の差圧に応答
して油圧ポンプから吐出される圧油の流量を制御するポ
ンプ制御手段と、前記第1及び第2の分流補償弁に設け
られ、それぞれ、前記第1の差圧の目標値を設定する駆
動手段と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第
2のアクチュエータの最大負荷圧力とから前記第2の差
圧を求める第1の手段と、少なくとも前記第1の手段で
求めた第2の差圧に基づいて、前記第1及び第2の分流
補償弁のそれぞれの駆動手段が付与すべき制御力として
個別の値を演算する第2の手段と、前記第1及び第2の
分流補償弁のそれぞれに対応して設けられた第1及び第
2の制御圧力発生手段であって、それぞれ、前記第2の
手段で求めた個別の値に応じた制御圧力を発生し、これ
を前記第1及び第2の分流補償弁の駆動手段にそれぞれ
出力する前記第1及び第2の制御圧力発生手段とを備え
た建設機械の油圧駆動装置において、(a)前記油圧ポ
ンプの吐出圧力に基づいて、前記第1の分流補償弁の駆
動手段が付与すべき制御力として前記第2の手段と異な
る値を求める第3の手段と;(b)前記第1の分流補償
弁の駆動手段が付与すべき制御力として、前記第2の手
段で求めた値と前記第3の手段で求めた値のうち、前記
第1の差圧の目標値が大きくなる方の値を選択して前記
第1の制御圧力発生手段に出力する第4の手段と;を備
える構成としたものである。
め、本発明は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給
される圧油によって駆動される少なくとも第1及び第2
の油圧アクチュエータと、これら第1及び第2のアクチ
ュエータに供給される圧油の流れをそれぞれ制御する第
1及び第2の流量制御弁と、これら第1及び第2の流量
制御弁の入口と出口の間に生じる第1の差圧をそれぞれ
制御する、正の勾配特性を有する第1及び第2の分流補
償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第2
のアクチュエータの最大負荷圧力との第2の差圧に応答
して油圧ポンプから吐出される圧油の流量を制御するポ
ンプ制御手段と、前記第1及び第2の分流補償弁に設け
られ、それぞれ、前記第1の差圧の目標値を設定する駆
動手段と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第
2のアクチュエータの最大負荷圧力とから前記第2の差
圧を求める第1の手段と、少なくとも前記第1の手段で
求めた第2の差圧に基づいて、前記第1及び第2の分流
補償弁のそれぞれの駆動手段が付与すべき制御力として
個別の値を演算する第2の手段と、前記第1及び第2の
分流補償弁のそれぞれに対応して設けられた第1及び第
2の制御圧力発生手段であって、それぞれ、前記第2の
手段で求めた個別の値に応じた制御圧力を発生し、これ
を前記第1及び第2の分流補償弁の駆動手段にそれぞれ
出力する前記第1及び第2の制御圧力発生手段とを備え
た建設機械の油圧駆動装置において、(a)前記油圧ポ
ンプの吐出圧力に基づいて、前記第1の分流補償弁の駆
動手段が付与すべき制御力として前記第2の手段と異な
る値を求める第3の手段と;(b)前記第1の分流補償
弁の駆動手段が付与すべき制御力として、前記第2の手
段で求めた値と前記第3の手段で求めた値のうち、前記
第1の差圧の目標値が大きくなる方の値を選択して前記
第1の制御圧力発生手段に出力する第4の手段と;を備
える構成としたものである。
【0013】上記油圧駆動装置において、好ましくは、
前記第1の分流補償弁の駆動手段は前記第1の圧力発生
手段で発生した制御圧力を閉弁方向に作用させる手段で
あり、前記第4の手段は、前記第2の手段で求めた値と
前記第3の手段で求めた値の小さい方の値を選択する最
小値選択手段である。
前記第1の分流補償弁の駆動手段は前記第1の圧力発生
手段で発生した制御圧力を閉弁方向に作用させる手段で
あり、前記第4の手段は、前記第2の手段で求めた値と
前記第3の手段で求めた値の小さい方の値を選択する最
小値選択手段である。
【0014】また、前記第3の手段は、前記第1の分流
補償弁の駆動手段が付与すべき制御力として、前記吐出
圧力が小さいときは前記第1の差圧の目標値が小さく、
吐出圧力が大きくなるにしたがって該第1の差圧の目標
値が大きくなる値を演算する。
補償弁の駆動手段が付与すべき制御力として、前記吐出
圧力が小さいときは前記第1の差圧の目標値が小さく、
吐出圧力が大きくなるにしたがって該第1の差圧の目標
値が大きくなる値を演算する。
【0015】
【作用】以上のように構成した本発明において、第4の
手段で、第1の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制御
力として、第2の手段で求めた値と第3の手段で求めた
値のうち、第1の差圧の目標値(目標補償差圧)が大き
くなる方の値を選択して第1の制御圧力発生手段に出力
することにより、油圧ポンプの吐出圧力が高いときの第
3の手段で求められる値を第1の差圧の目標値を大きく
する値に設定しておけば、油圧ポンプの吐出圧力が高い
ときには、第1の分流補償弁の目標補償差圧が大きくな
り、絞り過ぎの状態が解消され、したがって、第1のア
クチュエータを走行モータとした場合、登坂走行時にポ
ンプ吐出圧力が高くなっても、走行モータには十分な流
量の圧油を供給でき、いかなる走行状態でも好適な走行
複合動作が行える。
手段で、第1の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制御
力として、第2の手段で求めた値と第3の手段で求めた
値のうち、第1の差圧の目標値(目標補償差圧)が大き
くなる方の値を選択して第1の制御圧力発生手段に出力
することにより、油圧ポンプの吐出圧力が高いときの第
3の手段で求められる値を第1の差圧の目標値を大きく
する値に設定しておけば、油圧ポンプの吐出圧力が高い
ときには、第1の分流補償弁の目標補償差圧が大きくな
り、絞り過ぎの状態が解消され、したがって、第1のア
クチュエータを走行モータとした場合、登坂走行時にポ
ンプ吐出圧力が高くなっても、走行モータには十分な流
量の圧油を供給でき、いかなる走行状態でも好適な走行
複合動作が行える。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、本発明を油圧シ
ョベルに適用した場合につき、図面を参照して説明す
る。
ョベルに適用した場合につき、図面を参照して説明す
る。
【0017】図1において、本実施例の油圧ショベルに
適用された油圧駆動装置は、原動機21及び原動機21
によって駆動される1つの可変容量型の油圧ポンプ、即
ち主ポンプ22を含む油圧源20と、主ポンプ22から
吐出される圧油によって駆動される複数のアクチュエー
タ、即ち旋回モータ23、走行モータ24、ブームシリ
ンダ26、アームシリンダ27、及びバケットシリンダ
28と、これら複数のアクチュエータのそれぞれに供給
される圧油の流れを制御する流量制御弁、即ち旋回用方
向切換弁29、走行用方向切換弁30、ブーム用方向切
換弁32、アーム用方向切換弁33、バケット用方向切
換弁34と、これら流量制御弁に対応してその上流に配
置され、流量制御弁の入口と出口の間に生じる差圧、即
ち流量制御弁の前後差圧ΔPv1,ΔPv2,ΔPv4,ΔP
v5,ΔPv6をそれぞれ制御する圧力補償弁、即ち分流補
償弁35,36,38,39,40とを備えている。
適用された油圧駆動装置は、原動機21及び原動機21
によって駆動される1つの可変容量型の油圧ポンプ、即
ち主ポンプ22を含む油圧源20と、主ポンプ22から
吐出される圧油によって駆動される複数のアクチュエー
タ、即ち旋回モータ23、走行モータ24、ブームシリ
ンダ26、アームシリンダ27、及びバケットシリンダ
28と、これら複数のアクチュエータのそれぞれに供給
される圧油の流れを制御する流量制御弁、即ち旋回用方
向切換弁29、走行用方向切換弁30、ブーム用方向切
換弁32、アーム用方向切換弁33、バケット用方向切
換弁34と、これら流量制御弁に対応してその上流に配
置され、流量制御弁の入口と出口の間に生じる差圧、即
ち流量制御弁の前後差圧ΔPv1,ΔPv2,ΔPv4,ΔP
v5,ΔPv6をそれぞれ制御する圧力補償弁、即ち分流補
償弁35,36,38,39,40とを備えている。
【0018】また、油圧源20は、主ポンプ22が最大
可能吐出量に達するまでの範囲で、主ポンプ22の吐出
圧力Ps とアクチュエータ23〜28の最大負荷圧力P
Lmaxとの差圧ΔPLSに応答して吐出圧力Ps がその差圧
ΔPLSよりも一定値だけ高くなるように主ポンプ22の
吐出量を制御する、ロードセンシング制御方式のポンプ
制御装置41を備えている。
可能吐出量に達するまでの範囲で、主ポンプ22の吐出
圧力Ps とアクチュエータ23〜28の最大負荷圧力P
Lmaxとの差圧ΔPLSに応答して吐出圧力Ps がその差圧
ΔPLSよりも一定値だけ高くなるように主ポンプ22の
吐出量を制御する、ロードセンシング制御方式のポンプ
制御装置41を備えている。
【0019】流量制御弁29〜34には、それぞれ、ア
クチュエータ23〜28の駆動時にそれらの負荷圧力を
取り出すためのチェック弁42a,42b,42d,4
2e,42fを備えた負荷ライン43a,43b,43
d,43e,43fが接続され、これら負荷ライン43
a〜43fは更に共通の最大負荷ライン44に接続され
ている。
クチュエータ23〜28の駆動時にそれらの負荷圧力を
取り出すためのチェック弁42a,42b,42d,4
2e,42fを備えた負荷ライン43a,43b,43
d,43e,43fが接続され、これら負荷ライン43
a〜43fは更に共通の最大負荷ライン44に接続され
ている。
【0020】分流補償弁35〜40はそれぞれ次のよう
に構成されている。分流補償弁35は、旋回用方向切換
弁29の出口圧力が導かれ、分流補償弁35の弁体を開
弁方向に付勢する駆動部35aと、旋回用方向切換弁2
9の入口圧力が導かれ、分流補償弁35の弁体を閉弁方
向に付勢する駆動部35bと、分流補償弁35の弁体を
力fで開弁方向に付勢するばね45と、パイロットライ
ン51aを介して後述する制御圧力Pc1が導かれ、分流
補償弁35の弁体を閉弁方向に制御力Fc1で付勢する駆
動部35cとを備え、駆動部35a,35bにより分流
補償弁35の弁体に旋回用方向切換弁29の前後差圧Δ
Pv1に基づく第1の制御力が閉弁方向に付与され、ばね
45と駆動部35cとにより分流補償弁35の弁体に第
2の制御力f−Fc1が開弁方向に付与され、第1の制御
力と第2の制御力のバランスにより分流補償弁35の絞
り量が定まり、旋回用方向切換弁23の前後差圧ΔPv1
が制御される。ここで、第2の制御力f−Fc1は旋回用
方向切換弁23の前後差圧ΔPv1の目標値(目標補償差
圧)を設定する値となる。
に構成されている。分流補償弁35は、旋回用方向切換
弁29の出口圧力が導かれ、分流補償弁35の弁体を開
弁方向に付勢する駆動部35aと、旋回用方向切換弁2
9の入口圧力が導かれ、分流補償弁35の弁体を閉弁方
向に付勢する駆動部35bと、分流補償弁35の弁体を
力fで開弁方向に付勢するばね45と、パイロットライ
ン51aを介して後述する制御圧力Pc1が導かれ、分流
補償弁35の弁体を閉弁方向に制御力Fc1で付勢する駆
動部35cとを備え、駆動部35a,35bにより分流
補償弁35の弁体に旋回用方向切換弁29の前後差圧Δ
Pv1に基づく第1の制御力が閉弁方向に付与され、ばね
45と駆動部35cとにより分流補償弁35の弁体に第
2の制御力f−Fc1が開弁方向に付与され、第1の制御
力と第2の制御力のバランスにより分流補償弁35の絞
り量が定まり、旋回用方向切換弁23の前後差圧ΔPv1
が制御される。ここで、第2の制御力f−Fc1は旋回用
方向切換弁23の前後差圧ΔPv1の目標値(目標補償差
圧)を設定する値となる。
【0021】その他の分流補償弁36〜40も同様に構
成されている。即ち、分流補償弁36〜40は、それら
の弁体を流量制御弁30〜34の前後差圧ΔPv2〜ΔP
v6に基づく第1の制御力でそれぞれ付勢する対向する駆
動部36a,36b;38a,38b;39a,39
b;40a,40bと、力fで弁体を開弁方向に付勢す
るばね46,58,59,50と、パイロットライン5
1b,51d,51e,51fを介して同様に後述する
制御圧力Pc2,Pc4,Pc5,Pc6が導かれ、それぞれの
弁体を制御力Fc2,Fc4,Fc5,Fc6で閉弁方向に付勢
する駆動部36c,38c,39c,40cとを備えて
いる。
成されている。即ち、分流補償弁36〜40は、それら
の弁体を流量制御弁30〜34の前後差圧ΔPv2〜ΔP
v6に基づく第1の制御力でそれぞれ付勢する対向する駆
動部36a,36b;38a,38b;39a,39
b;40a,40bと、力fで弁体を開弁方向に付勢す
るばね46,58,59,50と、パイロットライン5
1b,51d,51e,51fを介して同様に後述する
制御圧力Pc2,Pc4,Pc5,Pc6が導かれ、それぞれの
弁体を制御力Fc2,Fc4,Fc5,Fc6で閉弁方向に付勢
する駆動部36c,38c,39c,40cとを備えて
いる。
【0022】また、分流補償弁35〜40は、WO90
/13748号公報に記載のように、油圧ポンプ22の
吐出圧力とそれぞれのアクチュエータ23〜28の負荷
圧力(自己負荷圧力)との差圧に基づく開弁方向の付加
的制御力を弁スプールに付与する構成となっており、こ
れにより、ポンプ吐出圧力Ps と自己負荷圧力PL との
差圧Ps −PL が増大すると流量制御弁29〜34の前
後差圧が増大し、流量制御弁の通過流量Qが増大すると
いう「正の勾配特性」が与えられ(図9参照)、ハンチ
ングを生じることのない、安定した流量制御を可能にし
ている。なお、その構成の詳細はWO90/13748
号公報に記載されているので、ここでは説明しない。
/13748号公報に記載のように、油圧ポンプ22の
吐出圧力とそれぞれのアクチュエータ23〜28の負荷
圧力(自己負荷圧力)との差圧に基づく開弁方向の付加
的制御力を弁スプールに付与する構成となっており、こ
れにより、ポンプ吐出圧力Ps と自己負荷圧力PL との
差圧Ps −PL が増大すると流量制御弁29〜34の前
後差圧が増大し、流量制御弁の通過流量Qが増大すると
いう「正の勾配特性」が与えられ(図9参照)、ハンチ
ングを生じることのない、安定した流量制御を可能にし
ている。なお、その構成の詳細はWO90/13748
号公報に記載されているので、ここでは説明しない。
【0023】ポンプ制御装置41は、図2に示すよう
に、主ポンプ22の斜板22aを駆動し、押しのけ容積
を制御する油圧シリンダ装置52と、油圧シリンダ装置
52の変位を制御する制御弁53とからなり、制御弁5
3は、主ポンプ22の吐出圧力Ps とアクチュエータ2
3〜28の最大負荷圧力PLmaxとの差圧ΔPLSを設定す
るばね54と、アクチュエータ23〜28の最大負荷圧
力PLmaxが管路55を介して導かれる駆動部56と、主
ポンプ22の吐出圧力Ps が管路57を介して導かれる
駆動部58とを備えている。最大負荷圧力PLmaxが上昇
すると、それに応答して制御弁53が図示左方に駆動さ
れ、油圧シリンダ装置52を図示左方に駆動し、主ポン
プ22の押しのけ容積を増大させて吐出量を増大させ
る。これにより、主ポンプ22の吐出圧力Ps はばね5
4により定まる一定の値だけ高い圧力に保持される。
に、主ポンプ22の斜板22aを駆動し、押しのけ容積
を制御する油圧シリンダ装置52と、油圧シリンダ装置
52の変位を制御する制御弁53とからなり、制御弁5
3は、主ポンプ22の吐出圧力Ps とアクチュエータ2
3〜28の最大負荷圧力PLmaxとの差圧ΔPLSを設定す
るばね54と、アクチュエータ23〜28の最大負荷圧
力PLmaxが管路55を介して導かれる駆動部56と、主
ポンプ22の吐出圧力Ps が管路57を介して導かれる
駆動部58とを備えている。最大負荷圧力PLmaxが上昇
すると、それに応答して制御弁53が図示左方に駆動さ
れ、油圧シリンダ装置52を図示左方に駆動し、主ポン
プ22の押しのけ容積を増大させて吐出量を増大させ
る。これにより、主ポンプ22の吐出圧力Ps はばね5
4により定まる一定の値だけ高い圧力に保持される。
【0024】本実施例の油圧駆動装置は、更に、図1及
び図3に示すように、主ポンプ22の吐出圧力Ps とア
クチュエータ23〜28の最大負荷圧力PLmaxとを導入
し、両者の差圧ΔPLSを検出し、対応する電気信号X1
を出力する差圧検出器59と、主ポンプ22より吐出さ
れる圧油の温度Th を検出し、対応する電気信号X2を
出力する温度検出器60と、主ポンプ22の吐出圧力P
s を検出し、対応する電気信号X3 を出力する圧力検
出器58と、差圧検出器59、温度検出器60及び圧力
検出器58からの電気信号X1 ,X2 ,X3 を入力して
上述した制御力Fc1〜Fc6の値を演算し、対応する電気
信号a,b,d,e,fを出力するコントローラ61
と、分流補償弁35〜40に対応して設けられ、コント
ローラ61からの電気信号a,b,d,e,fをそれぞ
れ入力する電磁比例減圧弁62a,62b,62d,6
2e,62f、電磁比例減圧弁62a〜62fにパイロ
ット圧を供給するパイロットポンプ63、及びこのパイ
ロットポンプ63から出力されるパイロット圧の大きさ
を規定するリリーフ弁64を含む制御圧力発生回路65
とを備えている。電磁比例減圧弁62a〜62fは電気
信号a〜fにより作動し、コントローラ61で演算した
制御力Fc1〜Fc6の値に応じた制御圧力Pc1〜Pc6を発
生し、これをパイロットライン51a〜51fを介して
分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40cにそれぞ
れ出力する。
び図3に示すように、主ポンプ22の吐出圧力Ps とア
クチュエータ23〜28の最大負荷圧力PLmaxとを導入
し、両者の差圧ΔPLSを検出し、対応する電気信号X1
を出力する差圧検出器59と、主ポンプ22より吐出さ
れる圧油の温度Th を検出し、対応する電気信号X2を
出力する温度検出器60と、主ポンプ22の吐出圧力P
s を検出し、対応する電気信号X3 を出力する圧力検
出器58と、差圧検出器59、温度検出器60及び圧力
検出器58からの電気信号X1 ,X2 ,X3 を入力して
上述した制御力Fc1〜Fc6の値を演算し、対応する電気
信号a,b,d,e,fを出力するコントローラ61
と、分流補償弁35〜40に対応して設けられ、コント
ローラ61からの電気信号a,b,d,e,fをそれぞ
れ入力する電磁比例減圧弁62a,62b,62d,6
2e,62f、電磁比例減圧弁62a〜62fにパイロ
ット圧を供給するパイロットポンプ63、及びこのパイ
ロットポンプ63から出力されるパイロット圧の大きさ
を規定するリリーフ弁64を含む制御圧力発生回路65
とを備えている。電磁比例減圧弁62a〜62fは電気
信号a〜fにより作動し、コントローラ61で演算した
制御力Fc1〜Fc6の値に応じた制御圧力Pc1〜Pc6を発
生し、これをパイロットライン51a〜51fを介して
分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40cにそれぞ
れ出力する。
【0025】電磁比例減圧弁62a〜62f及びリリー
フ弁64は、好ましくは1点鎖線66で示すように、1
つのブロックに集合体として構成してある。
フ弁64は、好ましくは1点鎖線66で示すように、1
つのブロックに集合体として構成してある。
【0026】コントローラ61は、図4に示すように、
電気信号X1 ,X2 ,X3 を入力する入力部70と、記
憶部71と、記憶部71に記憶したテーブルデータを用
い、同記憶部に記憶した制御プログラムにしたがって制
御力Fc1〜Fc6を演算する演算部72と、演算部72で
求めた制御力を電気信号a〜fとして出力する出力部7
3とを備えている。
電気信号X1 ,X2 ,X3 を入力する入力部70と、記
憶部71と、記憶部71に記憶したテーブルデータを用
い、同記憶部に記憶した制御プログラムにしたがって制
御力Fc1〜Fc6を演算する演算部72と、演算部72で
求めた制御力を電気信号a〜fとして出力する出力部7
3とを備えている。
【0027】コントローラ61の演算部72で行われる
演算の内容を機能ブロック図で図5に示す。図中、ブロ
ック74は分流特性演算部であり、記憶部71に予め記
憶してある演算テーブル80,81,83,84,8
5,86を読みだし、差圧ΔPLSに対応する制御力Fc1
〜Fc6及び油温Th に対応する補正計数Kを演算する。
演算テーブル86で求めた補正係数Kは、乗算ブロック
87,88,89でそれぞれ演算テーブル83,84,
85で求めた制御力Fc4〜Fc6と乗算され、これら制御
力の値を温度補正する。
演算の内容を機能ブロック図で図5に示す。図中、ブロ
ック74は分流特性演算部であり、記憶部71に予め記
憶してある演算テーブル80,81,83,84,8
5,86を読みだし、差圧ΔPLSに対応する制御力Fc1
〜Fc6及び油温Th に対応する補正計数Kを演算する。
演算テーブル86で求めた補正係数Kは、乗算ブロック
87,88,89でそれぞれ演算テーブル83,84,
85で求めた制御力Fc4〜Fc6と乗算され、これら制御
力の値を温度補正する。
【0028】ブロック76は遅延部であり、分流特性演
算部74で求めた制御力Fc1〜Fc6は、それぞれ一次遅
れ要素90〜95のフィルタをかけられた後、電気信号
a〜fとして出力される。
算部74で求めた制御力Fc1〜Fc6は、それぞれ一次遅
れ要素90〜95のフィルタをかけられた後、電気信号
a〜fとして出力される。
【0029】以上の構成により、流量制御弁29〜34
の任意の1つまたは複数を操作したとき、差圧ΔPLSの
電気信号X1 及び油温Th の電気信号X2 に対応した個
別の制御力Fc1〜Fc6が求められ、これら制御力に相応
する電気信号a〜fにより電磁比例減圧弁62a〜62
fが駆動され、制御力Fc1〜Fc6に相応する制御圧力P
c1−Pc6が分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40
cに出力される。駆動部35c〜40cはこの制御圧力
により分流補償弁35〜40に閉弁方向の制御力Fc1〜
Fc6を付与し、結果として分流補償弁35〜40には第
2の制御力f−Fc1,f−Fc2,f−Fc4,f−Fc5,
f−Fc6が開弁方向に付与され、分流補償弁35〜40
に個別の圧力補償特性が与えられる。
の任意の1つまたは複数を操作したとき、差圧ΔPLSの
電気信号X1 及び油温Th の電気信号X2 に対応した個
別の制御力Fc1〜Fc6が求められ、これら制御力に相応
する電気信号a〜fにより電磁比例減圧弁62a〜62
fが駆動され、制御力Fc1〜Fc6に相応する制御圧力P
c1−Pc6が分流補償弁35〜40の駆動部35c〜40
cに出力される。駆動部35c〜40cはこの制御圧力
により分流補償弁35〜40に閉弁方向の制御力Fc1〜
Fc6を付与し、結果として分流補償弁35〜40には第
2の制御力f−Fc1,f−Fc2,f−Fc4,f−Fc5,
f−Fc6が開弁方向に付与され、分流補償弁35〜40
に個別の圧力補償特性が与えられる。
【0030】分流特性演算部74の演算テーブル80〜
85に設定した差圧ΔPLSと制御力Fc1〜Fc6の関係を
図6に示す。
85に設定した差圧ΔPLSと制御力Fc1〜Fc6の関係を
図6に示す。
【0031】図6において、(A)は、演算テーブル8
0に設定した差圧ΔPLSと旋回モータ23に係わる分流
補償弁35に付与されるべき制御力Fc1との関係を示
す。ここで、ΔPLS0 は、ロードセンシング制御方式の
ポンプ制御装置41により保持される主ポンプ22の吐
出圧力と最大負荷圧力との差圧、即ち制御弁53のばね
54(図2参照)が設定するロードセンシング補償差圧
であり、fo はそのロードセンシング補償差圧ΔPLS0
に対応する制御力Fc1の値である。Aは旋回モータ23
の最大速度を決める最小差圧、即ち旋回モータ23に係
わる最大流量補償差圧であり、fcはこの最大流量補償
差圧Aに対応する最大流量補償制御力である。fはばね
45の力である。なお、f−fo は、ロードセンシング
補償差圧ΔPLSO が確保されているときに分流補償弁3
5に付与される第2の制御力に相当するが、この値は、
これにより設定される旋回用方向切換弁23の前後差圧
ΔPv1の目標値がロードセンシング補償差圧ΔPLS0 に
ほぼ一致するように定められている。また、2点鎖線は
ばね45の特性を示す基本関数である。
0に設定した差圧ΔPLSと旋回モータ23に係わる分流
補償弁35に付与されるべき制御力Fc1との関係を示
す。ここで、ΔPLS0 は、ロードセンシング制御方式の
ポンプ制御装置41により保持される主ポンプ22の吐
出圧力と最大負荷圧力との差圧、即ち制御弁53のばね
54(図2参照)が設定するロードセンシング補償差圧
であり、fo はそのロードセンシング補償差圧ΔPLS0
に対応する制御力Fc1の値である。Aは旋回モータ23
の最大速度を決める最小差圧、即ち旋回モータ23に係
わる最大流量補償差圧であり、fcはこの最大流量補償
差圧Aに対応する最大流量補償制御力である。fはばね
45の力である。なお、f−fo は、ロードセンシング
補償差圧ΔPLSO が確保されているときに分流補償弁3
5に付与される第2の制御力に相当するが、この値は、
これにより設定される旋回用方向切換弁23の前後差圧
ΔPv1の目標値がロードセンシング補償差圧ΔPLS0 に
ほぼ一致するように定められている。また、2点鎖線は
ばね45の特性を示す基本関数である。
【0032】図6(A)において、差圧ΔPLSが最大流
量補償差圧Aより小さい場合は、制御力Fc1は、基本関
数の特性に沿って差圧ΔPLSの減少に応じて増加し、差
圧ΔPLSが最小流量補償差圧B以下になると、制御力F
c1は差圧ΔPLSの減少に係わらずばね45の力f以下の
最大値fmax に制限される。また、差圧ΔPLSが最大流
量補償差圧A以上では、制御力Fc1は差圧ΔPLSの増加
に係わらず一定fcである。
量補償差圧Aより小さい場合は、制御力Fc1は、基本関
数の特性に沿って差圧ΔPLSの減少に応じて増加し、差
圧ΔPLSが最小流量補償差圧B以下になると、制御力F
c1は差圧ΔPLSの減少に係わらずばね45の力f以下の
最大値fmax に制限される。また、差圧ΔPLSが最大流
量補償差圧A以上では、制御力Fc1は差圧ΔPLSの増加
に係わらず一定fcである。
【0033】図6(B)は、演算テーブル81に設定し
た差圧ΔPLSと走行モータ24に係わる分流補償弁36
に付与されるべき制御力Fc2との関係を示す。2点鎖線
は図6(A)と同様ばね46の特性による基本関数を示
す。図6(B)の関係において、制御力Fc2は基本関数
の勾配よりも小さい勾配で差圧ΔPLSの減少に応じて増
加する。また、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧A以上で
は、制御力Fc2は図6(A)と同様差圧ΔPLSの増加に
係わらず一定である。
た差圧ΔPLSと走行モータ24に係わる分流補償弁36
に付与されるべき制御力Fc2との関係を示す。2点鎖線
は図6(A)と同様ばね46の特性による基本関数を示
す。図6(B)の関係において、制御力Fc2は基本関数
の勾配よりも小さい勾配で差圧ΔPLSの減少に応じて増
加する。また、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧A以上で
は、制御力Fc2は図6(A)と同様差圧ΔPLSの増加に
係わらず一定である。
【0034】図6(C)は、演算テーブル83aに設定
した差圧ΔPLSとブームシリンダ26に係わる分流補償
弁38に付与されるべき制御力Fc4との関係を示す。2
点鎖線は図6(A)と同様ばね48の特性による基本関
数を示す。図6(C)の関係において、制御力Fc4は、
図6(B)に示す制御力Fc2,Fc3の特性の勾配に比べ
て更に小さい勾配で差圧ΔPLSの減少に応じて増加す
る。また、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧A以上では、
制御力Fc4は図6(A)と同様差圧ΔPLSの増加に係わ
らず一定である。
した差圧ΔPLSとブームシリンダ26に係わる分流補償
弁38に付与されるべき制御力Fc4との関係を示す。2
点鎖線は図6(A)と同様ばね48の特性による基本関
数を示す。図6(C)の関係において、制御力Fc4は、
図6(B)に示す制御力Fc2,Fc3の特性の勾配に比べ
て更に小さい勾配で差圧ΔPLSの減少に応じて増加す
る。また、差圧ΔPLSが最大流量補償差圧A以上では、
制御力Fc4は図6(A)と同様差圧ΔPLSの増加に係わ
らず一定である。
【0035】図6(D)は、演算テーブル84a,85
aに設定した差圧ΔPLSとアームシリンダ27及びバケ
ットシリンダ28に係わる分流補償弁39,40に付与
されるべき制御力Fc5,Fc6との関係を示す。2点鎖線
は図6(A)と同様ばね49,50の特性による基本関
数を示す。図6(D)の関係において、制御力Fc5,F
c6は、全体的には基本関数の特性に沿って差圧ΔPLSの
減少に応じて増加し、差圧ΔPLSが最小流量補償差圧B
以下になると、図6(A)に示す関係と同様、差圧ΔP
LSの減少に係わらずばね49,50の力f以下の最大値
fmax に制限される。差圧ΔPLSが最大流量補償差圧A
以上では、制御力Fc5,Fc6は図6(A)と同様差圧Δ
PLSの増加に係わらず一定である。
aに設定した差圧ΔPLSとアームシリンダ27及びバケ
ットシリンダ28に係わる分流補償弁39,40に付与
されるべき制御力Fc5,Fc6との関係を示す。2点鎖線
は図6(A)と同様ばね49,50の特性による基本関
数を示す。図6(D)の関係において、制御力Fc5,F
c6は、全体的には基本関数の特性に沿って差圧ΔPLSの
減少に応じて増加し、差圧ΔPLSが最小流量補償差圧B
以下になると、図6(A)に示す関係と同様、差圧ΔP
LSの減少に係わらずばね49,50の力f以下の最大値
fmax に制限される。差圧ΔPLSが最大流量補償差圧A
以上では、制御力Fc5,Fc6は図6(A)と同様差圧Δ
PLSの増加に係わらず一定である。
【0036】図7に、演算テーブル86aに設定した油
温Th と補正係数Kとの関係を示す。この関係は、油温
Th が所定温度Th0よりも大きい場合には補正係数が1
であり、油温Th が所定温度Th0よりも低下するにした
がって補正係数Kが徐々に1よりも小さくなる。ここ
で、所定温度Th0は、回路を流れる圧油が主ポンプ22
から吐出される流量に大きな影響を与えない程度の粘度
を有すると考えられる温度である。
温Th と補正係数Kとの関係を示す。この関係は、油温
Th が所定温度Th0よりも大きい場合には補正係数が1
であり、油温Th が所定温度Th0よりも低下するにした
がって補正係数Kが徐々に1よりも小さくなる。ここ
で、所定温度Th0は、回路を流れる圧油が主ポンプ22
から吐出される流量に大きな影響を与えない程度の粘度
を有すると考えられる温度である。
【0037】また、図5に戻り、遅延ブロック76にお
いて、一次遅れ要素90〜95は、アクチュエータ23
〜28毎にそれらの動作に最適の時間遅れを与える時定
数T1 〜T6 に設定されている。このうち、走行モータ
に24に係わる分流補償弁36に対応する遅れ要素91
の時定数T2 は他の時定数T1 ,T4 〜T6 に比べて極
端に大きくされ、分流補償弁36に付与されるべき制御
力Fc2の値の変化に対して大きな時間遅れが与えられる
ようになっている。
いて、一次遅れ要素90〜95は、アクチュエータ23
〜28毎にそれらの動作に最適の時間遅れを与える時定
数T1 〜T6 に設定されている。このうち、走行モータ
に24に係わる分流補償弁36に対応する遅れ要素91
の時定数T2 は他の時定数T1 ,T4 〜T6 に比べて極
端に大きくされ、分流補償弁36に付与されるべき制御
力Fc2の値の変化に対して大きな時間遅れが与えられる
ようになっている。
【0038】以上のような演算テーブル80a〜86a
及び一次遅れ要素90〜95を備えることにより、特開
平2−118203号公報に記載のように、旋回とブー
ム上げの複合動作、走行から走行とブーム上げの複合動
作への移行等の操作に際して、それぞれ最適の分流特性
を与え、操作性及び作業効率が改善され、かつ寒冷地、
冬期の早朝、夜間等の作業を円滑に行うことができる。
また、遅延ブロック76の個別の時定数の設定によって
更に操作性及び作業効率が改善される。なお、この内容
の詳細は特開平2−118203号公報を参照のこと。
及び一次遅れ要素90〜95を備えることにより、特開
平2−118203号公報に記載のように、旋回とブー
ム上げの複合動作、走行から走行とブーム上げの複合動
作への移行等の操作に際して、それぞれ最適の分流特性
を与え、操作性及び作業効率が改善され、かつ寒冷地、
冬期の早朝、夜間等の作業を円滑に行うことができる。
また、遅延ブロック76の個別の時定数の設定によって
更に操作性及び作業効率が改善される。なお、この内容
の詳細は特開平2−118203号公報を参照のこと。
【0039】再び図5に戻り、ブロック77は走行用制
御力演算部であり、記憶部71に予め記憶してある演算
テーブルを読み出し、主ポンプ22の吐出圧力Ps に対
応する制御力Fctを演算する。補正テーブル81で演算
され、一次遅れ要素91を経由した制御力Fc2は、ブロ
ック77で演算した制御力Fctとブロック78の最小値
選択部で小さい方の値が選択され、電気信号bとして出
力される。
御力演算部であり、記憶部71に予め記憶してある演算
テーブルを読み出し、主ポンプ22の吐出圧力Ps に対
応する制御力Fctを演算する。補正テーブル81で演算
され、一次遅れ要素91を経由した制御力Fc2は、ブロ
ック77で演算した制御力Fctとブロック78の最小値
選択部で小さい方の値が選択され、電気信号bとして出
力される。
【0040】ブロック77の演算テーブルには、図8に
示すようなポンプ吐出圧力Ps と制御力Fctとの関係が
設定されている。すなわち、その演算テーブルには、ポ
ンプ吐出圧力Ps が小さきときには制御力Fctが大き
く、ポンプ吐出圧力Ps が大きくなるにしたがって制御
力Fctが小さくなる関係に設定されている。
示すようなポンプ吐出圧力Ps と制御力Fctとの関係が
設定されている。すなわち、その演算テーブルには、ポ
ンプ吐出圧力Ps が小さきときには制御力Fctが大き
く、ポンプ吐出圧力Ps が大きくなるにしたがって制御
力Fctが小さくなる関係に設定されている。
【0041】次に、以上のように構成した本実施例の動
作を説明する。流量制御弁29〜34の任意の1つ又は
複数を操作すると、主ポンプ22からの圧油が分流補償
弁及び流量制御弁を通って対応するアクチュエータに供
給される。このとき、主ポンプ22はポンプ制御装置4
1によりロードセンシング制御され、主ポンプ22の吐
出圧力と最大負荷圧力との差圧ΔPLSは差圧検出器59
で検出され、対応する電気信号X1 がコントローラ21
に入力される。同時に、油温が油温検出器60で検出さ
れ、対応する電気信号X2 がコントローラ61に入力さ
れる。これにより、前述したように、分流特性演算部7
4の演算テーブル80〜86から電気信号X1 ,X2 に
対応した制御力Fc1〜Fc6が求められ、個々のアクチュ
エータに対応してそれぞれ最適の分流特性が与えられ
る。
作を説明する。流量制御弁29〜34の任意の1つ又は
複数を操作すると、主ポンプ22からの圧油が分流補償
弁及び流量制御弁を通って対応するアクチュエータに供
給される。このとき、主ポンプ22はポンプ制御装置4
1によりロードセンシング制御され、主ポンプ22の吐
出圧力と最大負荷圧力との差圧ΔPLSは差圧検出器59
で検出され、対応する電気信号X1 がコントローラ21
に入力される。同時に、油温が油温検出器60で検出さ
れ、対応する電気信号X2 がコントローラ61に入力さ
れる。これにより、前述したように、分流特性演算部7
4の演算テーブル80〜86から電気信号X1 ,X2 に
対応した制御力Fc1〜Fc6が求められ、個々のアクチュ
エータに対応してそれぞれ最適の分流特性が与えられ
る。
【0042】また、油圧ポンプ22の吐出圧力Ps が圧
力検出器58により検出され、対応する電気信号X3 が
コントローラ21に入力され、走行用分流補償弁36に
対しては、分流特性演算部74の演算テーブル81で通
常の通り差圧ΔPLSに対応した制御力Fc2を演算すると
共に、走行用制御力演算部77でポンプ吐出圧力Psに
基づき制御力Fctを演算し、最小値選択部78でFc2,
Fctの小さい方の値が選択され、電気信号bとして出力
される。その結果、走行モータに係わる分流補償弁36
にはそれに対応した目標補償差圧が設定される。
力検出器58により検出され、対応する電気信号X3 が
コントローラ21に入力され、走行用分流補償弁36に
対しては、分流特性演算部74の演算テーブル81で通
常の通り差圧ΔPLSに対応した制御力Fc2を演算すると
共に、走行用制御力演算部77でポンプ吐出圧力Psに
基づき制御力Fctを演算し、最小値選択部78でFc2,
Fctの小さい方の値が選択され、電気信号bとして出力
される。その結果、走行モータに係わる分流補償弁36
にはそれに対応した目標補償差圧が設定される。
【0043】ここで、演算部77のテーブルには、上記
のように、ポンプ吐出圧力Ps が小さきときには制御力
Fctが大きく、ポンプ吐出圧力Ps が大きくなるにした
がって制御力Fctが小さくなる関係が設定され、最小値
選択部78で最小値選択が行われる。その結果、演算部
77のテーブルは上限値リミッタテーブルとして機能す
る。
のように、ポンプ吐出圧力Ps が小さきときには制御力
Fctが大きく、ポンプ吐出圧力Ps が大きくなるにした
がって制御力Fctが小さくなる関係が設定され、最小値
選択部78で最小値選択が行われる。その結果、演算部
77のテーブルは上限値リミッタテーブルとして機能す
る。
【0044】すなわち、平地や降坂走行時にはポンプ吐
出圧力Ps が低く、演算部77のテーブルでは制御力F
ctとして最大値Fctmax またはその付近の大きな値が演
算され、最小値選択部78では、この制御力Fctと差圧
ΔPLSから求めた制御力Fc2との小さい方の値を選択す
るので、このときは制御力Fc2が支配的となる。登坂走
行時にも同様に両者の値が演算され、最小値選択される
が、このときはポンプ吐出圧力Ps が高く、演算部77
のテーブルでは制御力Fctとして小さな値が演算される
ので、平地や降坂走行時とは逆に、演算部77で求めた
制御力Fctが支配的となる。
出圧力Ps が低く、演算部77のテーブルでは制御力F
ctとして最大値Fctmax またはその付近の大きな値が演
算され、最小値選択部78では、この制御力Fctと差圧
ΔPLSから求めた制御力Fc2との小さい方の値を選択す
るので、このときは制御力Fc2が支配的となる。登坂走
行時にも同様に両者の値が演算され、最小値選択される
が、このときはポンプ吐出圧力Ps が高く、演算部77
のテーブルでは制御力Fctとして小さな値が演算される
ので、平地や降坂走行時とは逆に、演算部77で求めた
制御力Fctが支配的となる。
【0045】以上のように、登坂走行時には制御力Fct
が支配的となることにより、次の作用効果が得られる。
が支配的となることにより、次の作用効果が得られる。
【0046】前述したように、本実施例の分流補償弁3
5〜40は、同時に2つのアクチュエータを駆動したと
きの軽負荷側の分流補償弁のフローフォースによるハン
チングを防止するため、ポンプ吐出圧力Ps と自己負荷
圧力PLとの差圧Ps −PLが増大すると流量制御弁29
〜34の前後差圧が増大し、流量制御弁の通過流量Qが
増大するという「正の勾配特性」が与えられている。こ
の特性を図9に示す。分流補償弁がこのような正の勾配
特性を有するとき、同時に駆動される2つのアクチュエ
ータの負荷圧力の差が小さくなると、ポンプ吐出圧力P
s と軽負荷側のアクチュエータの負荷圧力PL との差圧
Ps −PL が減少するので、軽負荷側のアクチュエータ
へ供給される圧油の流量Qが少なくなる。
5〜40は、同時に2つのアクチュエータを駆動したと
きの軽負荷側の分流補償弁のフローフォースによるハン
チングを防止するため、ポンプ吐出圧力Ps と自己負荷
圧力PLとの差圧Ps −PLが増大すると流量制御弁29
〜34の前後差圧が増大し、流量制御弁の通過流量Qが
増大するという「正の勾配特性」が与えられている。こ
の特性を図9に示す。分流補償弁がこのような正の勾配
特性を有するとき、同時に駆動される2つのアクチュエ
ータの負荷圧力の差が小さくなると、ポンプ吐出圧力P
s と軽負荷側のアクチュエータの負荷圧力PL との差圧
Ps −PL が減少するので、軽負荷側のアクチュエータ
へ供給される圧油の流量Qが少なくなる。
【0047】一方、ホイール式油圧ショベルにおいて、
走行しながらフロントアタッチメントを動作させる走行
複合動作を行う場合、平地や降坂走行時の走行モータの
負荷圧力が比較的低いときは、走行が軽負荷側となる場
合が多く、このときは、ポンプ吐出圧力と走行モータの
負荷圧力との差圧は比較的大きい。これに対し、登坂走
行時には走行モータの負荷圧力が高くなるので、走行モ
ータが高負荷側となり、ポンプ吐出圧力は高くなり、ポ
ンプ吐出圧力と走行モータの負荷圧力との差圧は比較的
小さくなる。すなわち、図9に示すように、平地や降坂
走行時にはポンプ吐出圧力Ps と走行負荷圧力PL との
差圧Ps −PL がΔP1 であったものが、登坂走行時に
はΔP2 と減少する。このため、走行用の分流補償弁の
目標補償差圧(制御力Fc2)が同じとすれば、走行モー
タに供給される流量もQ1 からQ2 へと減少し、この目
標補償差圧を平地や降坂走行時にフロントアタッチメン
トが十分に動くように小さく設定した場合、走行モータ
への供給流量が極端に少なくなって、走行が止まってし
まうことがある。
走行しながらフロントアタッチメントを動作させる走行
複合動作を行う場合、平地や降坂走行時の走行モータの
負荷圧力が比較的低いときは、走行が軽負荷側となる場
合が多く、このときは、ポンプ吐出圧力と走行モータの
負荷圧力との差圧は比較的大きい。これに対し、登坂走
行時には走行モータの負荷圧力が高くなるので、走行モ
ータが高負荷側となり、ポンプ吐出圧力は高くなり、ポ
ンプ吐出圧力と走行モータの負荷圧力との差圧は比較的
小さくなる。すなわち、図9に示すように、平地や降坂
走行時にはポンプ吐出圧力Ps と走行負荷圧力PL との
差圧Ps −PL がΔP1 であったものが、登坂走行時に
はΔP2 と減少する。このため、走行用の分流補償弁の
目標補償差圧(制御力Fc2)が同じとすれば、走行モー
タに供給される流量もQ1 からQ2 へと減少し、この目
標補償差圧を平地や降坂走行時にフロントアタッチメン
トが十分に動くように小さく設定した場合、走行モータ
への供給流量が極端に少なくなって、走行が止まってし
まうことがある。
【0048】本実施例では、上記のように登坂走行時の
ポンプ吐出圧力Ps が高くなる状態では、演算部77で
求めた比較的小さな制御力Fctが選択され、走行モータ
に係わる分流補償弁36の目標補償差圧を大きく設定す
る。このため、分流補償弁36が絞り過ぎられず、走行
モータ24に十分な流量の圧油が供給され、所望の走行
速度を得ることができる。
ポンプ吐出圧力Ps が高くなる状態では、演算部77で
求めた比較的小さな制御力Fctが選択され、走行モータ
に係わる分流補償弁36の目標補償差圧を大きく設定す
る。このため、分流補償弁36が絞り過ぎられず、走行
モータ24に十分な流量の圧油が供給され、所望の走行
速度を得ることができる。
【0049】したがって、本実施例によれば、平地や降
坂走行時には十分にブームやアームのフロントアタッチ
メントを動かすことができると共に、登坂走行時には走
行が停止することなくフロントアタッチメントを動かす
ことができ、いかなる走行状態においても好適な走行複
合動作を行うことができる。
坂走行時には十分にブームやアームのフロントアタッチ
メントを動かすことができると共に、登坂走行時には走
行が停止することなくフロントアタッチメントを動かす
ことができ、いかなる走行状態においても好適な走行複
合動作を行うことができる。
【0050】なお、以上の実施例では、分流補償弁は、
分流特性演算部74で演算された制御力が閉弁方向に作
用し、ばね45〜50の付勢力との釣り合いで目標補償
差圧を設定する構成としたが、特開平2−118203
号公報の第17図に示すように、当該制御力が開弁方向
に作用し、この制御力のみで目標補償差圧を設定する構
成であっても良い。この場合は、特開平2−11820
3号公報の第18図に示すように、分流特性演算部の演
算テーブルに設定する関係は、差圧ΔPLSが大きくなる
にしたがって制御力も大きくなるように差圧と制御力の
関係を設定すれば良く、この場合も、上記実施例と同様
に本発明を適用し、同様の効果を得ることができる。
分流特性演算部74で演算された制御力が閉弁方向に作
用し、ばね45〜50の付勢力との釣り合いで目標補償
差圧を設定する構成としたが、特開平2−118203
号公報の第17図に示すように、当該制御力が開弁方向
に作用し、この制御力のみで目標補償差圧を設定する構
成であっても良い。この場合は、特開平2−11820
3号公報の第18図に示すように、分流特性演算部の演
算テーブルに設定する関係は、差圧ΔPLSが大きくなる
にしたがって制御力も大きくなるように差圧と制御力の
関係を設定すれば良く、この場合も、上記実施例と同様
に本発明を適用し、同様の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、平地や降坂走行時には
十分にフロントアタッチメントを動かすことができると
共に、登坂走行時には走行が停止することなくフロント
アタッチメントを動かすことができ、いかなる走行状態
においても好適な走行複合動作を行うことができる。
十分にフロントアタッチメントを動かすことができると
共に、登坂走行時には走行が停止することなくフロント
アタッチメントを動かすことができ、いかなる走行状態
においても好適な走行複合動作を行うことができる。
【図1】本発明の一実施例による建設機械の油圧駆動装
置の概略図である。
置の概略図である。
【図2】図1に示すポンプレギュレータの詳細回路図で
ある。
ある。
【図3】制御圧力発生回路の詳細図である。
【図4】コントローラのハード構成の概念を示す図であ
る。
る。
【図5】コントローラの演算機能を示すブロック図であ
る。
る。
【図6】図5に示す分流特性演算部における演算テーブ
ルの差圧ΔPLSと制御力との関係を示す図である。
ルの差圧ΔPLSと制御力との関係を示す図である。
【図7】図5に示す分流特性演算部における演算テーブ
ルの油温ThLと補正係数Kとの関係を示す図である。
ルの油温ThLと補正係数Kとの関係を示す図である。
【図8】図5に示す走行用制御力演算部における演算テ
ーブルのポンプ吐出圧力Ps と制御力Fctとの関係を示
す図である。
ーブルのポンプ吐出圧力Ps と制御力Fctとの関係を示
す図である。
【図9】分流補償弁の正の勾配特性を説明する図であ
る。
る。
22 油圧ポンプ 23〜28 アクチュエータ 29〜34 流量制御弁 35〜40 分流補償弁 41 ポンプ制御装置 35c〜40c 駆動部 58 圧力検出器 59 差圧検出器(第1の手段) 61 コントローラ 65 制御圧力発生回路 74 分流特性演算部(第2の手段) 77 走行用制御力演算部(第3の手段) 78 最小値選択部(第4の手段)
Claims (3)
- 【請求項1】 油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給
される圧油によって駆動される少なくとも第1及び第2
の油圧アクチュエータと、これら第1及び第2のアクチ
ュエータに供給される圧油の流れをそれぞれ制御する第
1及び第2の流量制御弁と、これら第1及び第2の流量
制御弁の入口と出口の間に生じる第1の差圧をそれぞれ
制御する、正の勾配特性を有する第1及び第2の分流補
償弁と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第2
のアクチュエータの最大負荷圧力との第2の差圧に応答
して油圧ポンプから吐出される圧油の流量を制御するポ
ンプ制御手段と、前記第1及び第2の分流補償弁に設け
られ、それぞれ、前記第1の差圧の目標値を設定する駆
動手段と、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第
2のアクチュエータの最大負荷圧力とから前記第2の差
圧を求める第1の手段と、少なくとも前記第1の手段で
求めた第2の差圧に基づいて、前記第1及び第2の分流
補償弁のそれぞれの駆動手段が付与すべき制御力として
個別の値を演算する第2の手段と、前記第1及び第2の
分流補償弁のそれぞれに対応して設けられた第1及び第
2の制御圧力発生手段であって、それぞれ、前記第2の
手段で求めた個別の値に応じた制御圧力を発生し、これ
を前記第1及び第2の分流補償弁の駆動手段にそれぞれ
出力する前記第1及び第2の制御圧力発生手段とを備え
た建設機械の油圧駆動装置において、 (a)前記油圧ポンプの吐出圧力に基づいて、前記第1
の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制御力として前記
第2の手段と異なる値を求める第3の手段と; (b)前記第1の分流補償弁の駆動手段が付与すべき制
御力として、前記第2の手段で求めた値と前記第3の手
段で求めた値のうち、前記第1の差圧の目標値が大きく
なる方の値を選択して前記第1の制御圧力発生手段に出
力する第4の手段と; を備えることを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置
において、前記第1の分流補償弁の駆動手段は前記第1
の圧力発生手段で発生した制御圧力を閉弁方向に作用さ
せる手段であり、前記第4の手段は、前記第2の手段で
求めた値と前記第3の手段で求めた値の小さい方の値を
選択する最小値選択手段であることを特徴とする建設機
械の油圧駆動装置。 - 【請求項3】 請求項1記載の建設機械の油圧駆動装置
において、前記第3の手段は、前記第1の分流補償弁の
駆動手段が付与すべき制御力として、前記吐出圧力が小
さいときは前記第1の差圧の目標値が小さく、吐出圧力
が大きくなるにしたがって該第1の差圧の目標値が大き
くなる値を演算することを特徴とする建設機械の油圧駆
動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18480191A JP2644641B2 (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 建設機械の油圧駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18480191A JP2644641B2 (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 建設機械の油圧駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0525839A JPH0525839A (ja) | 1993-02-02 |
JP2644641B2 true JP2644641B2 (ja) | 1997-08-25 |
Family
ID=16159536
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18480191A Expired - Fee Related JP2644641B2 (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 建設機械の油圧駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2644641B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4009862B2 (ja) | 2003-09-30 | 2007-11-21 | オムロン株式会社 | 多光軸光電センサ |
JP6640650B2 (ja) * | 2016-05-18 | 2020-02-05 | 日立建機株式会社 | 建設機械 |
-
1991
- 1991-07-24 JP JP18480191A patent/JP2644641B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0525839A (ja) | 1993-02-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |