JP2536360B2 - クロルシラン類の精製方法 - Google Patents
クロルシラン類の精製方法Info
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Description
積化に対応し得る高品質のシリコン単結晶を製造するた
めの原料として好適な高純度のクロルシラン類を得るこ
とができるクロルシラン類の精製方法に関する。
半導体デバイスの原料となるシリコンインゴットの製造
法の主流は所謂ジーメンス法であり、この方法では原料
のトリクロルシラン等のクロルシラン類を水素と共に高
温下で還元分解することにより、棒状種結晶にシリコン
を析出させてインゴットを得るものである。また、デバ
イス工程中でシリコンウェハ上にエピタキシャル層を形
成する際にはジクロルシラン又はトリクロルシランや四
塩化ケイ素を原料として用い、これら原料を水素と共に
高温下でウェハ上にCVD成長させるものである。
につれて原料シリコンウェハ、シリコンインゴットの高
品質化に対する要求が益々強くなっており、このためシ
リコン単結晶原料として使用されるクロルシラン類にも
やはり高純度化の要求が高まっている。
存在してデバイス特性上支障をきたす物質は、主に電気
特性上P型アクセプターとなる周期律表3族化合物(硼
素、アルミニウム)、N型ドナーとなる周期律表5族化
合物(リン、砒素)である。これらはいずれも原料クロ
ルシラン類に含まれ、製造過程のシリコン結晶析出時に
結晶中に固定化されるものである。
応式に示すように金属ケイ素と塩化水素又は塩素とから
製造されいる。
l4) Si+3HCl → SiHCl3+H2 Si+4HCl → SiCl4+2H2 (またはSi+2Cl2→ SiCl4)
はその製造原料である金属ケイ素に由来するものであ
り、金属ケイ素中に数百ppb〜数百ppmの割合で含
まれる。この不純物は上記クロルシラン類の製造に際
し、金属ケイ素と同様に塩化水素又は塩素と反応し、塩
素化物としてクロルシラン類に同伴混入されるものであ
る。
シラン類から不純物金属(金属塩素化物)を除去するこ
とが必要であるが、これら不純物金属元素の中でも硼素
化合物はシリコン結晶中で偏析係数が1に近く、しかも
その塩素化物の沸点がクロルシラン類と比較的近いこと
から、いったん結晶中に取り込まれた後では経済的に有
効な手段で除去精製することが非常に難しい。しかも、
半導体デバイスのベースとなるシリコン単結晶インゴッ
ト、ノンドープエピタキシャルシリコン単結晶層におい
ては、硼素含有量が1/10〜1/100ppb原子レ
ベルの高品質が要求されるため、このような極限低濃度
領域では通常化学薬品の純度向上に用いられる蒸留精製
という手段ではクロルシラン類から不純物としての硼素
を両物質に多少の沸点差があろうとも除去することは困
難であり、それ故高純度化が難しいという問題がある。
例えばシリカゲルによる吸着精製(ドイツ特許2546
957)、N,S含有複素環化合物との付加物生成によ
る精製(英国特許1241108)、窒素含有ルイス塩
基有機ポリマーとの付加物生成による精製(米国特許4
224040)等の方法は提案されている。
素をクロルシラン類から除去する方法としては有効に使
用し得るが、四塩化二硼素を除去するという点では満足
し得るものではない。従って、クロルシラン類から四塩
化二硼素を効果的に除去することができる方法が要望さ
れており、今後の一層の高純度化要求に対して満足に対
応できるクロルシラン類の精製方法の開発が望まれる。
事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、クロルシラン類を水
銀灯の照射下で又はラジカル発生剤の存在下で塩素と反
応させることにより、四塩化硼素が簡単に効率よく三塩
化硼素に変換され、このため上記反応後は通常の純化方
法で三塩化硼素を分離し、クロルシラン類を精製し得る
ことを見い出した。
沸点は下記の通りである。 ジクロルシラン 8.3℃ トリクロルシラン 31.8℃ テトラクロルシラン 57.6℃ 三塩化硼素(BCl3) 12.5℃ 四塩化硼素(B2Cl4) 55℃
テトラクロルシランと沸点が近く、蒸留によっては分離
し難い。また、ジクロルシラン−B2Cl4、トリクロル
シラン−B2Cl4は沸点差が多少あるとはいえ、蒸留操
作では1/10〜1/100ppbレベルにまでの除
去、高純度化が難しい。
クロルシラン類に水銀灯の照射下に又はラジカル発生剤
の存在下で塩素と反応させた場合、 B2Cl4 + 2Cl2 → 2BCl3 の反応が効率よく進行し、B2Cl4を容易にBCl3に
変換し得ること、従ってその後は従来法に従ったBCl
3除去法が有効に採用し得、それ故本発明の方法によれ
ば、四塩化二硼素の完全な除去が可能となり、クロルシ
ラン類中に不純物として含有する硼素化合物を効率良く
満足に除去し得ること、従ってこの方法は四塩化二硼素
含有のジクロルシラン、トリクロルシラン又はテトラク
ロルシラン、中でも四塩化二硼素含有テトラクロルシラ
ンの精製に非常に有効であること、しかもこの精製方法
で得られるクロルシラン類は半導体デバイスの高集積化
に対応し得る高品質のシリコン単結晶を製造するための
原料として好適であることを知見したものである。
硼素を含むクロルシラン類を水銀灯の照射下で又はラジ
カル発生剤の存在下で塩素と反応させ、四塩化二硼素を
三塩化硼素に変換させた後、クロルシラン類をこの三塩
化硼素と分離することを特徴とするクロルシラン類の精
製方法を提供する。
と、本発明の精製方法において対象となるクロルシラン
類は、四塩化硼素を不純物として含むジクロルシラン,
トリクロルシラン,テトラクロルシランなど、及びそれ
らの混合物である。
シラン類を水銀灯の照射下に又はラジカル発生剤の存在
下で塩素と反応させるものであるが、この場合クロルシ
ラン類に反応させる塩素の使用量は、クロルシラン類に
不純物として含まれる四塩化二硼素含有量が低濃度であ
るので、実用的処理速度を得るために理論当量の5倍当
量以上であることが好ましい。
トリクロルシランを精製する場合には、これらクロルシ
ラン自身も同条件で塩素化され、高次塩素化体となるの
で塩素の使用量は理論当量の50倍当量以上であること
が好ましいが、いたずらに大きくすることは目的クロル
シランの高次塩素化体へのロスが増加する場合がある。
から製造されるクロルシラン類には四塩化二硼素が数十
ppb〜数十ppmの濃度で含まれているので、回分操
作を行う場合には塩素の使用量は最大でも塩素をクロル
シランへ飽和溶解させ得る量で十分であり、連続操作の
場合には飽和溶解分相当の塩素をクロルシランと同時に
フィードすればよい。
カル反応の開始剤として用いられるベンゾイルパーオキ
サイド等のパーオキサイド化合物、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物などが使用可能である。しか
し、このようなラジカル発生剤は、その分解物が混入す
るおそれがあるため、水銀灯を用いることが好ましく、
特に2W/リットル以上の反応容積に対する光強度をも
つ高圧水銀灯が好適である。
圧下では各クロルシランの沸点以下の温度で、また加圧
下では各クロルシランの沸点以上の温度で行うことが好
ましい。これは不純物である四塩化二硼素と塩素との反
応がラジカル反応で進行し、気相ではラジカルの寿命が
短いことから液相で行うことが望ましいためである。
ル発生剤を使用したラジカル反応なので室温付近でも十
分な速度で反応は進行するため、上記条件内であれば温
度的制約はない。更に反応時間は30分以上2時間以下
とすることが好ましく、反応時間が30分に満たないと
一部四塩化二硼素が残存する場合があり、2時間を越え
ても反応上の支障はないが設備が過大となり、経済性に
劣る場合がある。
公知の方法で分離精製することができる。この場合、ク
ロルシラン類が四塩化ケイ素である場合には生成物であ
る三塩化硼素と四塩化ケイ素の沸点差が45℃と他のク
ロルシランに比べて大きいので、通常の蒸留操作により
実用レベルの高純度化が可能である。また、ジクロルシ
ラン、トリクロルシランの場合には三塩化硼素との沸点
差が小さいので蒸留操作では高純度化が不十分であり、
前述の公知技術(ドイツ特許2546957、英国特許
1241108、米国特許4224040等)を採用し
て分離除去することが好ましい。なお、四塩化ケイ素の
場合にも勿論同様の技術を組み合わせると蒸留操作によ
るものよりも一層の高純度化を達成することができる。
れば、クロルシラン類から四塩化硼素を満足に除去し
得、半導体デバイスの高集積化に対応し得る高品質のシ
リコン単結晶を製造するための原料として好適な高純度
のクロルシラン類を得ることができる。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
含んだトリクロルシラン500gに塩素ガスを導入し、
塩素を飽和状態で溶解させた。この液に100W高圧水
銀灯を1時間照射した後、ガスクロマトグラフで分析し
たところ、四塩化二硼素のピークは消失し、代わりに三
塩化硼素のピークが70ppm検出された。
含んだトリクロルシラン500gにドイツ特許第256
957号に従い50gの水分含有シリカゲルを加え、5
時間放置した後、ガスクロマトグラフで分析したとこ
ろ、46ppmの四塩化二硼素が検出され、三塩化硼素
は検出されなかった。
含んだトリクロルシラン500gに米国特許第4224
040号に従い50gの10%ポリビニルピリジンコポ
リマーを加えて5時間放置した後、ガスクロマトグラフ
で分析したところ、47ppmの四塩化二硼素が検出さ
れ、三塩化硼素は検出されなかった。
させ、トリクロルシランと四塩化炭素の混合物を得た。
この混合物を蒸留分離し、純度99.9%の四塩化ケイ
素を得た。ガスクロマクグラフ分析で検出された不純物
は0.1%のトリクロルシランであり、不純物としてB
Cl3、B2Cl4はガスクロ検出限界以下の含有量のた
め検出されなかった。
に塩素ガスを導入し、塩素を飽和状態に溶解させた後、
100W高圧水銀灯を1時間照射した。この液を蒸留塔
にかけ、初留分3kgを留去した後、6kgの主留分を
得、残りは釜残渣として留出させなかった。
リアー中、石英製ベルジャー内で1150℃に加熱した
シリコ−ン単結晶種棒上にシリコン多結晶を析出させ
た。得られたシリコン多結晶ロッドを6回の真空フロー
ティングゾーン精製にかけた後、抵抗測定でP型700
0Ω−cmの値を得た。この抵抗値から換算される硼素
含有量は0.04ppb原子であり、十分実用に供し得
る純度であった。
られた実施例2と同様の99.9%純度の四塩化ケイ素
10kgを塩素ガス処理及び光照射をせずに蒸留塔にか
け、3kgを留去した後、6kgの主留分と釜残渣を得
た。
に多結晶析出、6回の真空フローティングゾーン精製、
抵抗値測定を行い、P型600Ω−cmの値を得た。こ
れによる換算硼素含有量は0.45ppb原子であっ
た。
られた実施例2と同様の99.9%純度の四塩化ケイ素
10kgを10%ポリビニルピリジンコポリマーが10
0g充填されたカラムに通した後、実施例2と同様の蒸
留精製、多結晶析出、6回の真空フローティングゾーン
精製、抵抗値測定を行い、P型2000Ω−cmの値を
得た。換算硼素含有量は0.14ppb原子であった。
Claims (1)
- 【請求項1】 不純物として四塩化二硼素を含むクロル
シラン類を水銀灯の照射下で又はラジカル発生剤の存在
下で塩素と反応させ、四塩化二硼素を三塩化硼素に変換
させた後、クロルシラン類をこの三塩化硼素と分離する
ことを特徴とするクロルシラン類の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3340181A JP2536360B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | クロルシラン類の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3340181A JP2536360B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | クロルシラン類の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05147922A JPH05147922A (ja) | 1993-06-15 |
JP2536360B2 true JP2536360B2 (ja) | 1996-09-18 |
Family
ID=18334500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3340181A Expired - Fee Related JP2536360B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | クロルシラン類の精製方法 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3901090A4 (en) * | 2019-01-22 | 2022-09-21 | Tokuyama Corporation | PROCESS FOR PRODUCTION OF REFINED CHLOROSILANE |
-
1991
- 1991-11-29 JP JP3340181A patent/JP2536360B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05147922A (ja) | 1993-06-15 |
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