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JP2534280B2 - 亜鉛系複合めっき金属材料およびめっき方法 - Google Patents

亜鉛系複合めっき金属材料およびめっき方法

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Publication number
JP2534280B2
JP2534280B2 JP62284248A JP28424887A JP2534280B2 JP 2534280 B2 JP2534280 B2 JP 2534280B2 JP 62284248 A JP62284248 A JP 62284248A JP 28424887 A JP28424887 A JP 28424887A JP 2534280 B2 JP2534280 B2 JP 2534280B2
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JP
Japan
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plating
zinc
metal
plated
based composite
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JP62284248A
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JPS64298A (en
Inventor
和彦 森
憲 宮脇
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP88101488A priority patent/EP0277640B1/en
Priority to AU11257/88A priority patent/AU604526B2/en
Priority to KR1019880001084A priority patent/KR910002103B1/ko
Priority to CN198888100692A priority patent/CN88100692A/zh
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐食性およびその他の特性に優れた亜鉛系
複合めっき金属材料および複合めっき法に関するもので
ある。主として本発明は亜鉛もしくは亜鉛基合金をめっ
きした鋼材に関するものであり、さらに詳しく述べるな
らば耐食性および塗装密着性、加工性等のその他の諸性
質に優れた亜鉛電気めっき鋼板、並びにその製造方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
電気亜鉛めっきは、防錆めっきとして主として鋼板に
対して実施され、亜鉛めっき鋼板上のZn被膜の犠せい防
食作用を利用することにより、主として自動車、家電等
の分野で広く使用されて来た。電気亜鉛めっきは溶融亜
鉛めっきなど他のめっき法に比較し、めっき被膜の均一
性、加工性、平滑性などの点に優れており、薄目付が可
能などの利点がある。しかし、近年自動車ボデー用を中
心として、さらに耐食性その他の性能向上の要求が高ま
るにつれ、純Znめっきよりもさらに高性能なZn系電解め
っき法の開発が重要性を増している。
これらの要請に応え、電気亜鉛めっき鋼板の耐食性や
塗料密着性などの表面特性を改善するためにめっきの分
野で行なわれてきた技術開発は二つの方法に大別され
る。その一つであり、既に広く採用されている複合電気
めっき技術は、Znと共析が可能なものとしてSn,Pb,Ni,M
o,Mn,Fe,Cu,Co,Cd,などの金属のイオンを添加しためっ
き浴を用いる合金めっき法である。他の一つは、有機樹
脂もしくは無機材料を添加した分散めっき法である。無
機材料としては、アルミナ、シリカなどの浴に不溶性な
化合物の微粒子が浴に懸濁・分散されて使用される。
通常の亜鉛めっき鋼板においてなめっき層を構成する
Znと素材のFeとの電位差が大きいため、めっき層の犠牲
防食効果は優れているものの、逆に亜鉛めっき層の溶解
速度が速いので長期にわたる防錆を目的とする場合は極
めて厚いめっき層を形成する必要があった。この問題点
に対処すべく現在用いられているNi,Co,Feなどの合金Zn
めっき法は、Znよりも電気化学的に貴な金属をZnととも
に析出させることにより、素材とめっき層との電位差を
適度の差に制御し以って犠牲防食電流を適当な範囲に調
整してめっき層の腐食速度を最小限に制御するという考
え方に基づき、電気化学的な犠牲防食効果を主として意
図するものである。従って、亜鉛基合金めっきは通常の
亜鉛めっき鋼板に比較して同一目付け量ではより長期の
耐食性があると言われている。しかしながら、この技術
では、貴な金属の含有率をあまり高めると犠牲防食効果
が低下し、穴あき腐食などが発生し易くなることから、
耐食性向上に限界があった。また、亜鉛基合金の優れた
防食効果を奏するためには各成分が均一に溶出すること
が必要であるが、実際には電位的に卑な亜鉛が優先的に
溶出する。このためめっき層は次第に貴な合金成分比率
が高くなり、ついには合金成分の電位となるので素材の
鉄に対する犠牲防食効果が失われ、これが上記した穴あ
き腐食などをもたらす原因になると考えられる。
また、分散めっき法は、シリカ、酸化チタン等の微粒
子を分散させた液からめっきを行い、これらの微粒子を
めっき層中に取り込み、その電気伝導度を低下させるこ
とにより、めっき層の腐食速度を最小限に抑制しようと
するものである。この技術には、微粒子を効率良くめっ
き層中に取り込むことが難しい欠点があった。さらに、
分散粒子は、めっき液中で溶解しないよう、化学的に安
定で不活性なものを使用する必要があり、このため複合
粒子の効果は主として物理的な保護作用のみとなるた
め、その耐食性向上にも限界があった。
ところで、AlはZnと共析可能な金属ではない(鉄鋼便
覧、第3版、VI巻、第419頁、図10、27参照)が、Alを
めっき浴中において特殊な形態とすることにより、めっ
き層内に分散した金属Al粒子が腐食に際し溶解し易い性
質を利用し、めっき面の腐食に対し、化学的または電気
化学的に防錆性を高めたZn−Al複合電気めっき鋼板を得
る技術が知られている。すなわち、特公昭54−30649号
公報によると、Alが1.5〜70重量%分散含有されたZn−A
l複合電気めっきを、Al粉末けん濁Znめっき浴を攪拌し
ながら形成する技術が開示されている。この公報の技術
は合金化めっきと分散めっきの両方に共通する性格を有
するが、かくして得られためっき構造は特徴的のもので
あって、Zn−Al複合電気めっき層の表面側に、Alが富偏
析しており、このAlが耐食性等を向上させるものと説明
されている。さらに特開昭60−125,395号公報による
と、希塩酸に可溶なアルミニウム化合物Al2O3換算で0.0
1〜3重量%含有するZn−アルミナ系複合めっきを、正
に帯電されたアルミナゾルを添加しためっき浴を用いて
形成する技術が開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のように合金めっきは添加される貴な金属により
Znの犠牲防食作用が弱められる傾向を内在しているた
め、単にめっきを合金化するのみでは耐食性向上に限界
があった。
また微粒子の分散めっきでは、カチオン界面活性剤な
どによるかあるいは微粒子自身の性質に基づきプラスに
帯電した粒子径5mμ〜50mμの微粒子が、その電荷によ
り陰極表面に電気泳動し、電極表面で電荷を失い析出す
る。析出しためっき金属は電極構成材料の金属と金属結
合により結合するのに対し、電極表面に析出した粒子は
電極表面との単なるファンデルワールス力で物理的に吸
着しているにすぎないので、粒子径の半分以上が析出し
てくるマトリックス金属中に埋め込まれた状態になるま
では、電極表面から容易に脱離しうる状態にある。従っ
て従来の分散めっき法は: 共析粒子径の1/2以下でのめっき厚では、共析めっき
は得られない; 共析粒子の脱離確率が高いので高い共析率を得る事が
困難であり、一定の共析率を得ようとする場合には、共
析成分の浴中含有量を著しく高くしなければならない; 高速めっき条件(高電流密度めっき)では強力な攪拌
が必要となるため、共析率が低下する; 粒子径が大きくなるほど重力の影響を受け、例えば電
極を水平状態でめっきした場合に、上面と下面のめっき
層の比較において、下面における共析率が低下するなど
の影響がでる; 固形物を含むため、浴成分の均一性の維持、装置メン
テナンスなどが繁雑となる; などの欠点があった。
本発明は、新しい複合電気Znめっき技術を開発するこ
とにより、従来の亜鉛めっき技術の持つ問題点を原理的
にもたず、特に、高速めっきが必須の条件となる亜鉛め
っき鋼板の製造に適しており、さらに高耐食性、塗装性
などに優れた複合めっき金属材料の製造方法を提供する
ことを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、電気亜鉛めっきにより金属材料表面に被
着される金属Zn皮膜中に水酸化物やリン酸塩などの金属
化合物を分散共析させたZn系分散複合めっきを浴中に不
溶性複合粒子を添加することなく、めっきと同時に浴中
から共析させ複合皮膜を形成する従来になかった複合め
っき方法を開発した。
本発明は、めっき浴中に固形物を存在させる必要がな
くまた複合めっきの複合成分となるAl+++などがイオン
の形で存在し、陰極におけるH+の放電によるpH上昇にと
もなって水酸化物などが析出する機構であるため、この
析出反応は電極表面の極く拡散層内のみで生じ、析出し
た水酸化物、リン酸塩などの電極表面との結合は、電極
表面の吸着水との水素イオン結合および電荷を失ってい
ないアルミニウムイオンと電極との電気的引力などを介
在してなされ、単なる物理的結合の場合よりも強い結合
になることから、攪拌などの物理的な外力によって析出
物が脱離する確率は著しく低いことが理解される。従っ
て本発明は従来の分散めっきのもつ〜の短所を原理
的に持っていないゆえに、従来の微細分散めっきとの比
較において、極めてすぐれているといえる。特に高速め
っきが必須条件となる亜鉛めっき鋼板の製造にあたって
は優位性が高い。本発明に係る亜鉛系複合めっき金属材
料は、電気亜鉛もしくは亜鉛基合金めっき層中に、アル
ミニウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウ
ム、チタン、ジルコニウム、クロムおよびタングステン
からなる群から選択された少なくとも1種の金属のイオ
ンの陰極沈でん反応により析出した前記金属の化合物
を、当該金属換算で0.002〜10重量%含有することを特
徴とする。
本発明において、以下詳しく説明する金属化合物のZn
めっき中の含有量を金属換算で0.002〜10重量%とした
のは、0.002重量%未満では複合めっきの効果が認めら
れず、10重量%超ではZnがめっき被着できなくなるから
である。
本発明において、「陰極沈殿反応」とは陰極界面での
H+の消費によりpHが上昇することによって、電解液中の
金属イオンが水酸化物などとして陰極に析出することを
指す。本発明は、この反応によりめっき皮膜中に化合物
を複合化することを大きな特長とするものである。以
下、この反応をより詳しく説明する。
すなわち、アルミニウムイオンを含有するめっき浴の
pHをAl(OH)の沈殿平衡pH付近またはこれよりもやや
低いpHに調節したうえで、被めっき体鋼板を陰極として
電解することにより、陰極表面のpHが上昇し、陽極・陰
極間の電位により陰極界面に移動したアルミニウムイオ
ンがOH-と反応して生成したAl(OH)またはAl(OH)
・nH2O粒子を含むZnめっき皮膜が形成される。なおAl
(OH)・nH2O粒子に若干の浴中成分が吸着されて共析
していることも考えられる。
浴中に酸化剤を含有する場合は上記したアルミニウム
の場合と同様の過程で皮膜形成が起こるが、電解時の陰
極界面におけるpH上昇が、主として酸化剤の反応により
H+が消費されまたはOH-が発生することによって起こる
点で相違する。すなわち、皮膜形成反応は、金属Znの
析出反応、陰極界面におけるH+の消費、複合粒子析
出反応が同時並行的に進行することによって行なわれ
る。
金属Znの析出反応、 Zn2++2e-→Zn 陰極界面におけるH+の消費 2H++2e-→H2↑ 2H++NO3 -+2e-→H2O(NO3添加の場合) 2H++H2O2+2e-→2H2O(H2O2添加の場合) 複合粒子析出反応 Al3++3OH-→Al(OH) Ca2++2OH-→Ca(OH) Mg2++2OH-→Mg(OH) Sr2++2OH-→Sr(OH) Ti4++4OH-→Ti(OH) Zr4++4OH-→Zr(OH) Cr3++3OH-→Cr(OH) W6++5OH-+e→W(OH) この場合主反応であるZn2+の還元析出は通常の亜鉛
めっきと同様に進行するが、これと並行して酸化剤の陰
極界面での電気化学反応が生じ、電解時の陰極界面に
おけるpH上昇が起こり、これに伴い複合粒子の反応が
進行するため、複合皮膜の形成がおこる。なお、アルミ
ニウムの複合析出は酸化剤によりさらに促進される。
酸化剤としては、例えばNO3 -,NO2 -、SeO3 -などの酸素
酸、BrO3 -,IO3 -,ClO3 -,などのハロゲン酸を使用するこ
とができる。浴中で分解しない安定性および少量で所望
量の共析が得られる反応性を考慮すると、NO3 -が好まし
い。これらの酸素酸およびハロゲン酸は具体的には酸の
形態あるいは金属の塩もしくはアンモニウム塩の形態で
めっき浴中に添加される。
また、酸化剤としては、例えば、H2O2などの過酸化
物、Na2SiO3・H2O2・H2O,またはNaO2・H2O2・H2Oなどの
過酸化水素付加物、MgO2,CaO2などの金属過酸化物など
も使用することができる。以上の化合物は単独であるい
は任意に選択された2種以上の組合わせで酸化剤として
使用することが可能である。さらに上記した以外の酸素
酸、過酸化物、過酸化水素付加物および金属過酸化物で
あっても所望の作用を営む化合物は使用可能である。
以下、アルミニウムを複合しためっき皮膜の特徴ある
構造について説明する。
このめっき皮膜はZnめっき層中に水酸化アルミニウム
等のゲルの非常に微細な粒子が複合した構造を持つ。こ
の皮膜を十分に自然乾燥、加熱または減圧により乾燥す
ると陰極沈でん反応生成物の粒子が脱水反応を受け、Al
(OH)・nH2OもしくはAl(OH)が次第にnを減少し
あるいはAl2O3に化合物変化が起こる。かかる変化に伴
って陰極沈でん反応生成物の粒子が収縮すること、水和
水、物理的・化学的吸着水が蒸発することなどにより多
数の微細な空隙を持つアルミナゲル粒子が亜鉛めっき層
内に複合形成された皮膜構造がえられる。上記したよう
な皮膜構造は、本発明によって形成されるめっき皮膜に
特徴的なものであり、すぐれた耐食性を持つ一つの要因
となっている。耐食性が向上する理由としては、(イ)
皮膜中のアルミナゲルが吸水して保護皮膜を形成するこ
と、(ロ)一旦高温で焼成したアルミナを分散させる場
合は、アルミナは酸に対して溶解が遅いという問題があ
るが、本発明のアルミニウムイオンの陰極沈でん反応に
より析出するアルミニウム化合物は酸、アルカリにきわ
めて易溶な性質を持つアルミナゲルであるため、再溶解
したAl3+の作用により、Znの腐食によって生じるZn(O
H)が導電性のZnOになる反応をすみやかに抑制するこ
と、(ハ)乾燥により空隙が形成される場合は犠牲防食
作用で溶解したZn2+が、従来の単純亜鉛めっきではめっ
き保護層とならずに外部へ消失し易かったのに対し本発
明はめっき層中に微細な空隙があることから、ここにZn
2+が捕捉され保護層を形成すると考えられることが挙げ
られる。これらの耐食性向上効果は、ともに従来のZn-
アルミナ分散めっき法では充分に得ることができないも
のであり、本発明法による特殊な皮膜構造及び陰極沈で
ん反応により形成されたゲル状アルミニウム化合物が容
易にイオン化する性質を持つことによって充分に可能に
なったものである。
また、亜鉛−Al化合物複合めっき皮膜の多孔質で実表
面積が大きき特性を利用し、有機、無機シーリング剤で
後処理し、さらに諸性能を向上させることが可能である
ため、表面処理鋼板、高耐食塗装鋼板の構造にも適して
いる。
さらに、その他の機能性を生かした用途として、内、
外装用黒色めっきや、潤滑油、プレス油等を含浸させて
強加工鋼板、冷間加工用表面処理としての使用など巾広
い用途がある。
以下、本発明に係る複合めっきを行なう好ましい方法
の一例を説明する。
Znめっき浴としては、Znの硫酸塩、塩酸塩、その他の
一般に使用される酸性Zn浴を用いることが可能である。
Zn2+として2〜150g/を含むものが好ましい。
めっき液中のアルミニウム、クロム、カルシウム等の
金属イオンの濃度は、所望の耐食性向上効果が得られる
量以上とし、かつ浴中で金属イオンが水酸化物等となっ
て沈殿し、あるいはゲル状物質を生成し亜鉛のめっき析
出を妨害する傾向が表われる量以下とする。この上限下
限範囲内の量は、pHにもよるが、Al3+、Ca2+、Cr3+、Mg
2+、Sr2+の場合は、0.01〜50g/である。またW6+、Ti
4+、Zr4+の場合は、0.1g/〜20g/である。
アルミニウム等の金属イオンの添加方法としては、硝
酸塩、塩化物、硫酸塩、その他の可溶性金属塩ならば使
用できるが、金属粉末等を浴に添加して溶解したり、陽
極としてZn−Al等の合金を使用する方法によっても同様
の効果が得られ酸化剤の量は少ないと効果がなく、多過
ぎると皮膜密着性が低下するので、酸化剤の種類により
かかる現象が起こらないように適宜使用量を定める。
まためっき液のpHは1.5〜5.5の範囲であれば使用でき
るが、アルミニウム等のイオンの添加量、及びその他の
添加剤の有無によってAl(OH)の沈殿pHが変動するた
め望ましいpHも異なる。通常のZnめっき浴で使用される
pH安定化、導電性向上の目的で使用される添加剤は従来
法と同様に使用することができ、ホウ酸、塩化アンモニ
ウム、クエン酸、フッ化物、Na2SO4、などを添加するこ
とができる。
以上の本発明の説明では亜鉛めっきは通常の純亜鉛め
っきであるとして説明を行なったが、亜鉛基合金めっき
との金属化合物複合めっきも同様に可能である。すなわ
ち、酸化剤を使用しない場合は、Ti,Zr,Co,Ni,Ca,Mg,Cr
などの各種金属イオンをめっき浴に添加すると亜鉛とと
もに金属状態で析出する。酸化剤を使用する場合は、特
許請求の範囲に記載されたイオン価をもつと水酸化物等
の化合物として共析するが、これ以外は金属状態で析出
する。Fe,Ni,Coはイオン価に関係なく金属状態で析出す
る。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
〔実施例〕
前処理としてアルカリ脱脂した冷延鋼板(SPCC)を5
%H2SO4で酸洗した後水洗し以下の条件で行なった。メ
ッキ液の攪拌はエアーポンプによる空気吹込みで行い、
陽極に純Zn板を使用し、試験板(冷延鋼板)を陰極とし
て電解した。また、液温は50℃とし、電流密度20A/dm2
で30秒間通電した。めっき浴のZn濃度は20g/とした。
実施例1〜4は亜鉛マトリックス中にアルミニウムの
複合析出を試みた例である。
比較例1 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200g/ 硫酸ナトリウム 100g/ 硫酸 4g/ pH3 (実施例1) 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200g/ 硫酸ナトリウム 100g/ 硝酸アルミニウム9水和物 1〜100g/ 硫酸 4g/ pH3 (実施例2) 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200g/ 硫酸ナトリウム 100g/ 硝酸アルミニウム・9水和物 3〜300g/ 硫酸 25g/ pH1.8 (実施例3) 浴組成 塩化亜鉛 150g/ 塩化ナトリウム 50g/ 塩化アルミニウム 0.5〜10g/ ホウフッ化水素酸 5g/ pH2.8 特性の判定は次のとおり行なった。
i)皮膜構造はSEMにより、空隙の有無を調べた。
ii)耐食性(無塗装)は塩水噴霧(JISZ2371)での赤サ
ビ発生までの時間を示した。
iii)耐食性(E・D板)はカチオン電着塗料(関西ペ
イント(株))にて15μm塗装した後、クロスカットを
いれ、480時間、塩水噴霧試験後のカット部からのふく
れ巾(片側最大)で示した。
4…0〜1mm 3…1〜3mm 2…3〜6mm 1…6mm以上 また、上記i)に加えて空隙の存在割合を測定するかさ
比重測定法により皮膜構造決定をいくつかの試料につい
て行なったところ2〜6.9のかさ比重が得られた。な
お、試料を7%HCl溶液に3分間浸せきし、浸せき前後
の重量を測定することにより、めっき重量(g/m2)を求
め、電磁膜厚計により膜厚(μm)を求め、めっき重量
を膜厚で割って、比重を求めた。結果を第1表に示す。
以下説明する比較例2,3および実施例4〜8は酸化剤
の使用による金属化合物析出を試みた例である。
比較例2 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200g/ 硫酸ナトリウム 100g/ 硫酸 4g/ 比較例3 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200g/ 硫酸ニッケル・6水和物 100g/ 硫酸ナトリウム 100g/ 硫酸 4g/ (実施例4) 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200 g/ 硫酸ナトリウム 50 g/ 硝酸ナトリウム 0.5g/ 水酸化アルミニウム 2.9g/ 硫酸 4 g/ pH3 (実施例5) 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200 g/ 硫酸ナトリウム 50 g/ 硫酸ナトリウム 1.0g/ 硫酸クロム 12 g/ 硫酸 3 g/ (実施例6) 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200 g/ 臭素酸ナトリウム 0.1g/ 水酸化アルミニウム 5.8g/ 硫酸 5 g/ (実施例7) 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200 g/ ヨウ素酸カリウム 0.2g/ 硫酸コバルト・7水和物 30 g/ 硫酸 5 g/ 硫酸マグネシウム 10 g/ (実施例8) 浴組成 硫酸亜鉛・7水和物 200 g/ 硫酸ニッケル・6水和物 134 g/ 過酸化水素 0.2g/ 硫酸 2 g/ 水酸化アルミニウム 2.9g/ 第1表と同じ方法で測定した耐食性の結果を第2表に
示す。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、耐食性、塗装
密着性、加工性など特に耐食性に、優れた複合めっき皮
膜が得られる。すなわち、本発明は、従来の複合電気亜
鉛めっきの持つ二大問題点である貴金属含有量を高める
と犠せい防食効果が低下する合金めっきの欠点と、微粒
子の共析効率が低いという分散めっきの欠点を解消し、
耐食性、塗装性、加工性、後処理性などに優れ、かつ連
続生産性、経済性の高い電気Zn系複合めっきを提供する
との利点を持つ。さらに、複合めっきでありながら、粒
子懸濁液を使用しないため、浴管理が容易で、経済性が
高い利点も合わせ持っている。このような利点は、Znめ
っき鋼板、特に高い耐食性、塗装性などを要求される自
動車用めっき鋼板や、塗装鋼板、各種表面処理鋼板用め
っきとして好適である。また、本発明のめっき皮膜の他
の用途として、この黒色均一な外観を利用した建築、家
電などの外装品用黒色処理や、皮膜の多孔性を利用し、
これに潤滑油、加工油等を浸潤させることにより潤滑成
分の保持性を良くした冷間加工用材料の表面処理へも応
用することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気亜鉛もしくは亜鉛基合金めっき層中
    に、陰極沈でん反応によって析出したアルミニウム、カ
    ルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、チタン、ジ
    ルコニウム、クロム、およびタングステンからなる群か
    ら選択された少なくとも1種の金属の水酸化物または水
    和水酸化物を、当該金属換算で0.002〜10重量%含有す
    ることを特徴とする亜鉛系複合めっき金属材料。
  2. 【請求項2】電気亜鉛もしくは亜鉛基合金めっき層中
    に、陰極沈でん反応によって析出したアルミニウムの水
    酸化物または水和水酸化物を、当該金属換算で0.002〜1
    0重量%含有する亜鉛系複合めっき金属材料を乾燥する
    ことによって、多数の微細な空隙を存在せしめたことを
    特徴とする亜鉛系複合めっき金属材料。
  3. 【請求項3】Al3+イオンを0.01〜20g/含有する酸性Zn
    めっき液中にて、被めっき金属材料を陰極として電解す
    ることにより、亜鉛もしくは亜鉛基合金めっき層中にア
    ルミニウム化合物を共析させることを特徴とする亜鉛系
    複合めっき方法。
  4. 【請求項4】Al3+、Ca2+、Mg2+、Sr2+、Ti4+、Zr4+、Cr
    3+およびW6+からなる群から選択された少なくとも1種
    の金属イオンと、酸化剤とを含有するpH1.5〜5.5のめっ
    き浴を用いて、被めっき体を陰極して陰極電解し、亜鉛
    もしくは亜鉛基合金の析出と同時に前記金属のイオンを
    水酸化物または水和水酸化物として共析させることを特
    徴とする亜鉛系複合めっき方法。
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