JP2528542B2 - デ―タ記録用デイスク・フアイル及びその負圧スライダ用積層サスペンシヨン - Google Patents
デ―タ記録用デイスク・フアイル及びその負圧スライダ用積層サスペンシヨンInfo
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Description
ダ−サスペンション・アセンブリに関し、特に「負圧」
または「セルフ・ローディング」スライダと共に使用す
る積層サスペンションに関する。本発明は、さらに、デ
ィスクが回転していない時は、スライダ−サスペンショ
ン・アセンブリが負圧スライダの一部分のみをディスク
表面と接触した状態に保つようにしたディスク・ファイ
ルに関する。
データ・トラックを有する少なくとも1つの回転ディス
ク、それらの色々なトラックからデータを読出しあるい
はそれらのトラックにデータを書き込むためのヘッド
(またはトランスデューサ)、及びそのヘッドを所望の
トラックまで移動させて読取りまたは書込み動作の間そ
のトラックの中心線上に維持するためのヘッドに取り付
けられたヘッド位置決めアクチュエータよりなる情報記
憶装置である。トランスデューサは、回転するディスク
より発生する空気のクッションによってディスクのデー
タ面に近接して支持される空気ベアリング・スライダに
取り付けられている。スライダはサスペンションによっ
てヘッド位置決めアクチュエータの支持アームに結合さ
れている。
との間の距離が変動しないようにすると共に、回転中の
ディスク上における運動方向に対するスライダの縦揺れ
(ピッチング)及び縦揺れ(ローリング)に対して柔軟
性を与え、首振り運動(ヨーイング)に対して抗力を作
用させる。従来のディスク・ファイルにおいては、サス
ペンションはスライダに対して荷重または力を作用さ
せ、この荷重に対して、スライダの空気ベアリング面と
ディスク表面との間の空気ベアリングの力を釣り合わせ
るようになっている。そのため、スライダは、ディスク
のデータ面に極めて近接し、しかもデータ面に接触する
ことのない位置に保たれる。サスペンションは、通常、
一端部がアクチュエータ・アームに取り付けられたロー
ド・ビームと、このロード・ビームの他端部に取り付け
られてスライダを支持するたわみエレメントよりなる。
ロード・ビームはスライダを中立位置よりディスクの表
面側へ偏らせる弾性ばね作用を及ぼすのに対し、たわみ
エレメントは、スライダが空気ベアリング面と回転中の
ディスクとの間の空気の薄い層の上で一定の姿勢を保つ
のに必要な柔軟性を与える。このようなサスペンション
は、本願出願人の米国特許第4,167,765号に記載されて
いる。また、このようなサスペンションと共に使用する
従来技術のスライダについては、一例が本願出願人の米
国特許第3,823,416号に記載されている。
においては、スライダはサスペンションのたわみエレメ
ントにエポキシ接着剤によって機械的に固着されてい
る。トランスデューサとディスク・ファイルの読取り/
書込み用エレクトロニクス部品間の電気的接続は、サス
ペンションのロード・ビームの長さ方向に沿ってたわみ
エレメント及びスライダまで及ぶよう布設されたより線
によって行われる。より線の端部はスライダ上のトラン
スデューサ・リード線にはんだ付けまたは超音波ボンデ
ィングされている。従来技術におけるもう一つのサスペ
ンションの形態としては、パターン・リード線が形成さ
れたベース層と絶縁被覆層とからなる複合構造あるいは
積層構造のものがあり、例えばIBMテクニカル・ディス
クロージャ・ビュレティン(Technical Disclosure Bul
letin),Vol.22,No.4(1979年9月刊行)の1602〜1603
頁や特開昭53−74414号公報(昭和53年7月1日付)及
び特開昭53−30310号公報(昭和53年3月22日付)等に
記載されている。上記特開昭53−74414号公報に記載さ
れた積層サスペンションにおいては、スライダは積層サ
スペンションにエポキシ接着され、トランスデューサ・
リード線はサスペンション上に形成されたリード線には
んだ付けされている。本願出願人の米国特許第4,761,69
9号には、従来のスライダ用のサスペンションであっ
て、スライダと積層サスペンションとの機械的接続及び
トランスデューサと積層サスペンション上のリード線と
の電気的接続を共にはんだ球(ソルダー・ボール)接続
により行うようにした積層サスペンションが記載されて
いる。
国特許第3,855,625号に記載されているような「負圧」
または「セルフ・ローディング」スライダがある。従来
のスライダと共に使用されるサスペンションに対して、
負圧スライダ用のサスペンションにおいては、負圧スラ
イダをディスクのデータ面近傍に保持する「ローディン
グ」力はできる限り小さくすることが望ましい。それ
は、スライダがスライダ自身とディスクとの間に負圧を
生じさせ、これによってスライダをデータ面の近傍に保
持するようになっているためである。本願出願人の米国
特許第4,286,297号には負圧スライダ用のサスペンショ
ンの一例が記載されている。
問題点の一つは、スライダがディスク表面に少しの間で
も静止接触状態になると、スライダはその後並進運動に
抵抗したり、ディスク表面にくっついたりする固着の傾
向があると言うことである。この「固着」は静止摩擦力
やディスク潤滑剤により生じる粘性剪断力及び表面張力
等を含む様々な要因によって発生する。非常に滑らかな
無潤滑ディスク表面を有するディスク・ファイルの場合
においても、その滑らかなディスク表面とスライダ表面
との間の界面における分子間引力が強力なために、この
ような固着が生じる場合がある。このような固着に対す
る一つの技術的解決策は、何らかのロード/アンロード
機構を用いて、ディスクの非回転時にスライダが決して
ディスク表面に接触することがないようにすることであ
る。本願出願人の米国特許第4,141,049号には、負圧ス
ライダをディスク表面に対してロード/アンロードする
機構が記載されている。また、本願出願人の米国特許第
4,670,804号には、伸縮することによりスライダをロー
ド/アンロードするようにした負圧スライダ用の積層型
サスペンションが開示されている。
するもう一つの問題は、例えばディスク・ファイルの出
荷時等にスライダがディスクに突然ぶつかる結果生じる
ヘッドやディスクの損傷である。
持用積層サスペンションを具備したデータ記録用ディス
クファイルにおいて、負圧スライダ上の読取り/書込み
トランスデューサがディスク表面に接触しないようにし
且つ固着作用をなくすようにして負圧スライダを支持す
る積層サスペンションを具備したものである。本発明に
よる積層サスペンションは、両面がパターン化金属層に
接着された平形の可撓性シート材で形成されている。こ
のサスペンションはアクチュエータの支持アームに取り
付けるためのアーム部、スライダを取り付けるスライダ
部、及びアーム部とスライダ部を相互に結合するリンク
部よりなる。上記のパターン化金属層のうち、第1金属
層はステンレススチールとすることが望ましく、アーム
部及びこのアーム部と切り離されたリンク部を有する。
即ち、これらのステンレススチール層のアーム部とリン
ク部は、上記の可撓性シート材の非常に小さい長さの一
部分によって「後方」ヒンジが形成されるよう互いに切
り離されている。第2金属層は、好適には銅で形成さ
れ、スライダ上のトランスデューサをディスク・ファイ
ルの読取り/書込み用エレクトロニクス部品と電気的に
接続するためのパターン化導体を含んでいる。上記のヒ
ンジ部分に対応する銅(またはステンレススチール)の
部分は、積層サスペンションのリンク部を小さなローデ
ィング力によってディスク表面の方へ偏らせる(近付け
る)ことができるよう曲げ加工されている。これと同様
の第2のヒンジ部が積層サスペンションのリンク部とス
ライダ部との間にも設けられており、この第2ヒンジ部
の銅(またはステンレススチール)も「前方」ヒンジを
形成するよう上記同様に曲げ加工されている。その結
果、ディスクが回転していない時は、スライダの一部
(例えば一縁部)しかディスク表面に接触せず、これに
よって固着の問題を解消することが出来る。一方、ディ
スク・ファイルがターンオンされ、十分な速度に達する
と、サスペンション及びスライダの両面間の静圧差が前
方ヒンジのばね力に打ち勝って、スライダをディスク表
面との間に空気ベアリング作用関係が生じる位置まで吸
引する。
スクのデータ面をアクセスするよう、上記のようなスラ
イダ−サスペンション・アセンブリ2つを単一の支持ア
ームに取り付けて用いる場合は、両アセンブリはディス
ク表面から離反する向きの運動が拘束されるよう互いに
十分近接させて配置する。このような運動の拘束は、デ
ィスク・ファイルが突然衝撃に曝された時、ヘッドの損
傷を防止するよう作用する。
ンの一実施例の3つの主要構成要素、即ち平形の可撓性
シート10、第1金属層12及び第2金属層14が描かれてい
る。可撓性シート10はプラスチック材、好ましくはポリ
イミドで形成されており、剛性の支持アームを取り付け
るためのアーム部20、負圧スライダを取り付けるための
スライダ部22、及びアーム20とスライダ部22を相互に連
結するためのリンク部24を有する。リンク部24は長手方
向ギャップ25によって2つの部分に分割されている。こ
のリンク部24の2つの部分間のギャップ25はスライダ−
サスペンション・アセンブリの使用時におけるスライダ
のローリング運動能力を良くする効果がある。
れ、ポリイミドのシート10の片面に接着されている。こ
のステンレススチールの第1金属層12はシート10のアー
ム部20、スライダ部22及びリンク部24に対応させそれぞ
れ位置を合わせて形成されたアーム部30、スライダ部32
及びリンク部34を有する。リンク部34はシート10のギャ
ップ25によって長手方向沿いに分割された2つのリンク
35及び36を有する。これらのリンク35、36は、第1金属
層12をシート10の接着した状態において第1金属層12の
アーム部30の対応エッジ40、41との間にそれぞれ間隙を
隔てて配置されるエッジ部37、38を有する。この積層サ
スペンションの完成された状態においては、リンク35、
36はアーム部30より切り離されているため、エッジ部3
7、38あるいは40、41の近傍の可撓性シート10の部分が
後方ヒンジ部43を形成し、そのためスレンレススチール
のアーム部30を剛性の支持アームに固定した状態におい
て、ステンレススチールのリンク35、36はアーム部30に
対して曲げることが出来る。第1金属層12のスライダ部
32とリンク35、36の端部との間にも、これと同様の可撓
性材料の前方ヒンジ部47が形成されており、そのためリ
ンク部に取り付けられたスライダは、全体的に剛性のリ
ンク35、36に対して曲げることが可能である。図示実施
例においては、2つのリンク35、36を有するリンク部34
を用いたが、リンクを1つとし、ヒンジ部43、47に対応
する位置に同様のヒンジを設けた場合も、図示実施例と
同様のスライダのピッチ方向におけるコンプライアンス
を確保することが出来る。
記第1金属層12の反対側の面に接着されている。この銅
の第2金属層14もシート10の各対応部分に位置を合わせ
て形成されたアーム部50、スライダ部52及びリンク部54
を有する。銅層(第2金属層)の一部、即ち導線部51、
53、55及び57はスライダ上のトランスデューサとディス
ク・ファイルの読取り/書込み用エレクトロニクス部品
間の電気的接続のために用いられる。アーム部50とリン
ク部54との間は導線部51、53、55及び57によりつながっ
ている他は図示のように切り欠かれており、エッジ58、
59が存在する。さらに、完成状態の積層サスペンション
においては、ヒンジ部43、47にある導線部51、53、55及
び57の部分は曲げ加工またはプレストレス加工されてい
る。このようにヒンジ部の銅をプレストレス加工する結
果、積層体には僅かに曲げが生じる。そのため、積層サ
スペンションはこれらのヒンジ部において曲げに対する
抗力を持ち、その結果リンク35、36及びシート10のスラ
イダ部22並びにこれに取り付けられたスライダには僅か
なばね力が与えられる。この実施例においては、ヒンジ
部の銅をプレストレス加工したが、ステンレススチール
に曲げ加工を行うようにしてもよい。ステンレススチー
ルを曲げると、その部分の銅が変位(変形)する結果、
同様に僅かなばね力が生じる。また、スライダの下側に
シムまたフィラーを付加して、スライダをディスク表面
に対して位置決めした時に銅に同様の変位を生じさせ、
上記同様のばね力を生じさせることも可能である。以下
に第3A図、第3B図及び第9A図乃至第9D図を参照しつつ詳
しく説明するような方法で負圧スライダをディスクに対
してロード、アンロードすることが出来るのはまさしく
この特徴によるものである。
の構成部分からなっているかの如く第1図に図示し、説
明したが、実際には各々一体状のステンレススチール層
及び銅層を一体状のポリイミド・シートに接着した積層
体を形成した後、その積層体の両面をエッチングして第
1図に示すようなステンレススチール及び銅のパターン
を形成する。一体状のステンレススチール層及び銅層は
デュポン(Dupont)社製のモデルWAのような通像の接着
剤または液状のポリイミド・ベース接着剤によってポリ
イミド・シートに接着することができる。あるいは、ど
ちらかの一体状金属層に液状ポリイミドを塗布し、次い
で他方の一体状金属層をその液状ポリイミド上に置き、
これらの金属層を両側から押圧してポリイミドを硬化さ
せ、両金属層に密着させるようにしてもよい。金属層の
エッチング及びポリイミド・シート中のギャップの形成
はフレキシブル・ケーブルの製造において用いられてい
るような通常の技術により行うことができる。このよう
にして積層サスペンションを作ったならば、サスペンシ
ョンを固定治具に取付て、ヒンジ部43、47に僅な曲げを
加える。この曲げ加工を行うと、銅の導線部の上記ヒン
ジ部にまたがる部分が変位して、これらの部分に所要の
ばね力を生じる。
アーム60に取り付ける2つの積層サスペンション62、64
及びこれらの各サスペンション62、64にそれぞれ取り付
ける2つの負圧スライダ66、68が分解図で示されてい
る。支持アーム60は、通常のステンレススチールまたは
セラミック材で形成することができる。支持アーム60が
セラミック材の場合、サスペンション62、64の第1金属
層(第1C図の12)は、例えば子ねじ(図示省略)、レー
ザ溶接、エポキシ接着等、通常の技術によってアーム60
の両面に固着する。第2A図乃至2C図のスライダ−サスペ
ンション−アーム・アセンブリをディスク・ファイルに
組み込んだ状態においては、前縁部77、空気ベアリング
面70及び後縁部72の読取り/書込みトランスデューサ71
を有するスライダ66は1枚のディスクのデータ記録面を
アクセスし、後縁部74に読取り/書込みトランスデュー
サ73を有する他方のスライダ68は同じディスク・スタッ
クの隣のディスクのデータ記録面をアクセスする。
り付け、支持アーム60に固定した積層サスペンション62
及び64を、その動作時におけるディスク82、92のデータ
面80、90との位置関係により示す。ここで、スライダ−
サスペンション・アセンブリの動作をサスペンション62
によって説明する。隣のサスペンション64がこれと同様
に動作するということは容易に理解できよう。ここで
は、外縁部75または前縁部77のみがディスク表面(デー
タ面)80と接触しているスライダ66の位置をディスク8
2、92が回転していない時のスライダ位置であると仮定
する。ヒンジ部43における第2金属層の導線部51、53、
55、57(第1A図)により及ぼされるばね力は、サスペン
ション62のリンク部及びスライダ部をディスク表面80の
方へ偏らせるように作用する。これによって負圧スライ
ダ66に必要なローディング力が得られる。同様に、スラ
イダ部とリンク部の間のヒンジ部47における導線部51、
53、55、57により及ぼされるばね力はスライダ66をサス
ペンションのリンク部の面からディスク表面80の側へ曲
げる向きに作用する。このようにして、スライダ66の空
気ベアリング面70はディスク・ファイルの非動作時には
ディスク表面80と接触しない。その結果、ディスク・フ
ァイルのスタートアップ時にスライダ66とディスク表面
80の固着が見られることはない。ディスク・ファイルを
始動してディスク82、92が回転し始めると、サスペンシ
ョン62の両面間及びサスペンションのスライダ部の空気
ベアリング面70とその裏側との間の静圧差がスライダ66
及びサスペンション62をディスク表面80の方へ移動させ
る。ディスクが空気ベアリング面70に負圧空気ベアリン
グ効果を生じさせる十分な速度で回転している時は、前
方ヒンジ部47のばね力より上記靜圧差が大きくなり、ス
ライダはディスク表面80に対し空気ベアリング動作関係
に保たれる。ディスク・ファイルがターンオフされ、デ
ィスクの回転が遅くなって空気ベアリング効果がなくな
ると、前方ヒンジ部47のばね力が復元作用を及ぼし、こ
れによってスライダ66はディスク表面80より離れる向き
にアンロードされるが、その際外縁部75はディスク表面
80に接触したままの状態に保たれる。
の外縁部75(第3A図)または前縁部77(第3B図)だけが
ディスク表面80と接触するよう初期ロール角またはピッ
チ角を有するように説明したが、スライダ66が初期ピッ
チ角及びロール角を共に持つよう、ヒンジ部47において
導線部51、53、55、57(第1A図)にプレストレス加工を
行うことも可能である。その場合は、ディスクが回転し
ていない時空気ベアリング面70の一部のみ、例えば縁部
75と77の間の角部(第2A図)のみがディスク表面80と接
触する。
ペンション62及びスライダ66の場合と同様である。従っ
て、両スライダ66、68は、各々のディスク面に対してロ
ードすると、第8図に示すような位置を取る。第3A図乃
至第3B図及び第8図から明らかなように、本発明によれ
ば、ディスク間におけるスライダの間隔を極めて密にす
ることができる。スライダの間隔をこのように密にする
と、スライダの運動が拘束されるので、ディスク・ファ
イルが急激な衝撃に曝された場合においても、スライダ
はヘッドやディスクに損傷を与えるに十分な速度を得る
ことができる。
れている。第4図には、第1A乃至1C図の実施例の第2金
属層14に相当するパターン化銅層102を有するポリイミ
ド製の平形可撓性シート100が示されている。この銅層1
02は導線部103、104及び上記実施例と同様のばね力を及
ぼす非通電のばね部105を有する。
ン・アセンブリを第5図に示す。第4図乃至第7図の実
施例の第1図の実施例との主な相違点は、いずれもシー
ト100に接着されたアーム部106、リンク107、108、及び
スライダ部109(第6図)を有する付加ステンレススチ
ール層が設けられている点である。銅層102のばね部105
は、スライダ110をその対応ディスク表面に向けて押す
力が生じるよう、プレストレス加工され、ヒンジ部112
においてリンク部107、108に僅かなばね力を作用させ
る。
テンレススチールよりなる第1金属層が図示されてい
る。この第1金属層は、上記の付加ステンレススチール
層のアーム部106及びリンク108にそれぞれ対応するアー
ム部116及びリンク部118を有する。(第1金属層はリン
ク107に対応する位置に設けられた同様のもう一つのリ
ンク(図示省略)を有する)。
ーム部106のエッジ部(縁部)122と直接的に位置を合わ
せたエッジ部120を有する。このように両エッジ部の位
置を合致させた結果、ヒンジ部112は実質的には全く長
さを有しない。このヒンジ部112においては、サスペン
ションの長さ方向にはポリイミド材がないから、この方
向に置けるサスペンションの剛性が改善される。この特
徴はスライダ110に取り付けられたトランスデューサに
よるトラックの正確な追跡を確保する上において重要で
ある。ヒンジ部114(第6図)においても、リンク118と
スライダ部109の対応エッジの位置が互いに合致してい
るため、同様の無長ヒンジが見られる。これらの無長ヒ
ンジは、前述の製造工程を一部として、ステンレススチ
ール層及び銅層をマスクを用いてエッチングすることに
より形成される。ここで第7図により説明したような無
長ヒンジは第1図の実施例にもある。特に、ヒンジ部43
においては、ステンレススチール層12のエッジ40、41は
それぞれ銅層14の切り欠き部のエッジ58、59と位置が直
接的に合致している。
実施例を2つ説明する。第9A図乃至第9D図はこれらの実
施例における後方ヒンジ部43の拡大図である。これらの
実施例の技術は前方ヒンジ部47にも適用可能である。第
9A図に示すように、銅層14はサスペンションに変位(変
形)を生じさせるように成形して、スライダをディスク
の間にロードした時(第9B図)、銅層14が圧縮を受けて
ディスクに対しローディング力を作用させるようにする
ことができる。あるいは、第9C図に示すように、ステン
レススチール層12に曲げ加工を施すことによりサスペン
ションに同様の変位を生じさせるようにしてもよい。こ
の場合は、スライダをディスクの間にローディングする
と(第9D図)、サスペンションが変形する結果、銅層14
が内向きに圧縮を受け、ディスクに対してローディング
力を及ぼす。
・アクチュエータ、即ちアクチュエータとこれに取り付
けたアーム・アセンブリをディスク上のデータ・トラッ
クに直角な正確な半径方向に移動させるアクチュエータ
用として構想されたものであるが、本発明はスライダを
総じて半径方向に形成された円弧状パスに沿って移動さ
せるロータリー・アクチュエータ用に適用することも可
能である。例えば、本発明のサスペンションをインライ
ン・サスペンション、即ちサスペンションの長手方向が
アクチュエータの回転軸と交わり且つほぼ支持アームと
同一直線上にある直線と一致するようなサスペンション
を用いるロータリー・アクチュエータ用として用いるに
は、アーム・アセンブリは、スライダを90゜回転させて
それぞれ読取り/書込みトランスデューサ71、73を有す
る縁部72、74をアーム・アセンブリの外端に位置させる
以外は第2A図乃至2C図と同様のものを用いればよい。そ
して、ヒンジ部47における銅層の導線部(第3A図)は第
3A図に示すのと逆向きに曲げ加工して、アクチュエータ
に最寄りのスライダの縁部をディスク82のデータ面80と
接触させるようにする。
シートと第2金属層がアーム部からスライダ部まで連続
しているが、第1金属層はアーム部とリンク部が分離し
ていてこの分離部にヒンジを与える。導線部は第2金属
層自体であり、このためヒンジ部は弱い外力で曲がる。
長手方向の剛性は第1金属層により与えられる。この構
成は静止時にはスライダを弱い力でディスクに押しつけ
(セルフローディング)ディスクを損傷する事がない。
ディスク表面に押し当てるのに適当である。回転時に負
圧スライダがディスク表面上で浮上するときにこのヒン
ジは適当なバイアス力を与える。ヒンジによるバイアス
力はヒンジ部を予め適当に曲げることによって与えられ
る。
角でディスク表面にセルフローディングし、回転開始時
にディスク表面に吸着されることなく円滑に浮上する事
が出来る。従って、本発明のサスペンションはヘッド及
びディスクの損傷の原因を有効に排除する。
おける3つの層を示す説明図、第2A図乃至2C図は本発明
の一実施例における2つの積層サスペンションの分解斜
視図で、2つのスライダと1本の支持アームが示されて
いる。第3A図は各々2つの積層サスペンションを互いに
背中合わせに取り付けた支持アームの側面図で、これと
共に1対のディスクを断面図にて示す。この図はディス
ク・ファイルの非動作時におけるスライダ−サスペンシ
ョン・アセンブリの状態を示し、スライダの外縁部がデ
ィクと接触するようにヒンジが形成されている。第3B図
は各々2つの積層サスペンション及びスライダを互いに
背中合わせに取り付けた支持アームの端面図で、これと
共に1対のディスクを断面図で示す。この図はディスク
・ファイルの非動作時におけるスライダ−サスペンショ
ン・アセンブリの状態を示し、スライダの前縁部がディ
スクと接触するようヒンジが形成されている。第4図は
本発明による積層サスペンションの他の実施例における
蒸着によりパターン状銅層を形成した平形可撓性シート
の平面図、第5図は積層サスペンションの他の実施例の
平面図、第6図は第5図の積層サスペンションの部分側
面図、第7図は第6図の側面図に示すサスペンションの
ヒンジ部の拡大図、第8図は互いに背中合わせ取り付け
たスライダ−サスペンション・アセンブリのディスクに
ロードした状態または動作状態を示す拡大図、第9A図及
び第9B図は銅層を曲げ加工することによりサスペンショ
ンのヒンジ部の銅をプレストレスするようにした本発明
の一実施例の説明図、第9C図及び第9D図はステンレスス
チール層を曲げ加工することによりサスペンションのヒ
ンジ部の銅をプレストレスするようにした本発明の他の
実施例の説明図である。 10……可撓性シート、12……第1金属層 14……第2金属層、20……アーム部 22……スライダ部、24……リンク部 30……アーム部、32……スライダ部 34……リンク部、35,36……リンク 37,38……エッジ部、40,41……エッジ部 43,47……ヒンジ部、50……アーム部 51,53,55,57……導線部、 52……スライダ部、54……リンク部 58,59……エッジ部、60……支持アーム 62,64……積層サスペンション、 66,68……負圧スライダ、 70……空気ベアリング面、 71,73……トランスデューサ、 75……外縁部、77……前縁部 80,90……データ面、82,84……ディスク 100……可撓性シート、102……銅層 103,104……導線部、105……ばね部 106……アーム部、107,108……リンク 109……スライダ部、110……スライダ 112……ヒンジ部、116……アーム部 118……リンク、122……エッジ部
Claims (9)
- 【請求項1】同心円状データ・トラックよりなるデータ
面を有する少なくとも1つのディスクと、このディスク
にほぼ垂直な軸のまわりでこのディスクを回転させるた
めの手段と、上記データ・トラックにデータを書込みあ
るいは上記データ・トラックよりデータを読出すため
の、上記データ面の近傍に保持された負圧空気ベアリン
グ・スライダに取り付けられたトランスデューサと、上
記トランスデューサが上記データ・トラックをアクセス
することができるよう上記ディスクに対して半径方向に
上記スライダを駆動するスライダ・アクチュエータ手段
と、このスライダ・アクチュエータ手段に取り付けられ
た支持アームとを有するデータ記録用ディスク・ファイ
ルにおける上記支持アームと上記スライダを結合するた
めの積層構造のサスペンションにおいて: 上記支持アームへ取り付けるためのアーム部、上記スラ
イダへ取り付けるためのスライダ部、及びこれらのアー
ム部とスライダ部との間のリンク部に区分される非導電
材料製の平形可撓性シートと; 上記可撓性シートの片面に固着された第1金属層であっ
て、上記可撓性シートの上記アーム部に固着されたアー
ム部、及び上記可撓性シートの上記リンク部に上記アー
ム部より間隙を隔てて固着されたリンク部を有する第1
金属層と; 上記可撓性シートの他方の面に固着された第2金属層で
あって、上記可撓性シートの上記アーム部から上記可撓
性シートの上記スライダ部までの間に及ぶ上記トランス
デューサへの電気的接続を行うための導線部が該第2金
属層内に形成され、かつ上記第1金属層の上記アーム部
と上記リンク部との間の間隙に相当する位置において上
記導線部を除いて切り欠きが設けられた第2金属層と; からなり、上記スライダを上記可撓性シートのスライダ
部に取り付けて、上記可撓性シート及び第1金属層の上
記アーム部を上記支持アームに取り付け、且つ上記スラ
イダをディスク表面に対して位置決めした時上記第1金
属層の上記アーム部と上記リンク部との間の間隙にある
上記可撓性シートのバネ作用により上記スライダをディ
スク表面におし付ける力が作用することを特徴とする負
圧スライダ用積層サスペンション。 - 【請求項2】上記第1金属層の上記アーム部と上記リン
ク部との間の間隙にある上記第2金属層の部分が、上記
スライダがディスク表面に対して位置決めされた時上記
スライダをディスク表面におし付ける力を作用させるよ
う曲げ加工されていることを特徴とする請求項1記載の
サスペンション。 - 【請求項3】上記第1金属層が上記可撓性シートの上記
リンク部と曲隙を隔てて上記可撓性シートのスライダ部
に固着されたスライダ部を有し、第2金属層の上記導線
部が、上記可撓性シートの上記リク部とスライダ部との
間にこのスライダ部をリンク部に対して曲げさせるため
のヒンジ部を与えることを特徴とする請求項1記載のサ
スペンション。 - 【請求項4】上記第2金属層の上記切り欠きにおける上
記アーム部のエッジが、上記第1金属層の上記リンク部
の間隙部のエッジと一致する位置でこれと平行になって
おり、これにより上記エッジ部において上記可撓性シー
トに直線状の折り曲げを与えることを特徴とする請求項
1記載のサスペンション。 - 【請求項5】上記第2金属層の上記切り欠きにおける上
記リンク部のエッジが、上記第1金属層の上記アーム部
の間隙部のエッジと一致する位置でこれと平行になって
おり、これにより上記エッジ部において上記可撓性シー
トに直線状の折り曲げを与えることを特徴とする請求項
1記載のサスペンション。 - 【請求項6】上記第2金属層の上に固着された第3金属
層を含み、この第3金属層が上記第1金属層の対応アー
ム部及びリンク部にそれぞれ位置を合わせたアーム部及
びリンク部を有することを特徴とする請求項1記載のサ
スペンション。 - 【請求項7】上記間隙部にある上記第1金属層のアーム
部またはリンク部のエッジが、上記第3金属層のそれぞ
れリンク部またはアーム部のエッジと一致した位置にあ
り、これにより上記エッジ部において上記可撓性シート
に直線状の折り曲げを与えることを特徴とする請求項6
記載のサスペンション。 - 【請求項8】上記シートのスライダ部に固着され、上記
第2金属層の上記導線部に電気的に接続されたトランス
デューサが取り付けられた負圧空気ベアリング・スライ
ダを有することを特徴とする請求項1記載のサスペンシ
ョン。 - 【請求項9】上記ディスクと同様の第2ディスク、上記
サスペンションと同様の第2サスペンション、及び上記
スライダと同様の第2スライダを有し、上記のサスペン
ション及びこれに取り付けられた上記のスライダと背中
合わせの関係となるよう、上記第2サスペンションに上
記第2スライダを固着し、上記支持アームに取り付けた
ことを特徴とする請求項8記載のディスク・ファイル。
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