JP2525318B2 - 合成無機ビルダ― - Google Patents
合成無機ビルダ―Info
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Description
する。さらに詳しくは、イオン交換能に優れ、耐水溶性
を有する合成無機ビルダーに関する。
配合するビルダーには、現在までに多くのキレート剤、
ビルダー、沈澱剤、分散剤等が報告されている。近年、
トリポリ燐酸塩は、湖沼等の閉鎖系水域の富栄養化への
懸念から使用が減少し、特開昭50−12381号公
報、特開昭51−12805号公報に代表される結晶性
アルミノ珪酸塩が多く用いられている。
交換容量を有しているが、水に溶解するため、その利用
が限られていた。それを解決する手段として、珪酸ナト
リウムを加熱脱水、焼成して、粉末化する方法が特開昭
60−239320号公報に、また同様の手法で珪酸ナ
トリウムの珪素の一部をアルミニウムで同型置換する方
法が特開平3−93649号公報に開示されているが、
いずれも耐水溶性が不十分で、イオン交換能も低い。ま
た、水熱合成により得られる結晶性の珪酸カルシウムア
ルカリ水和物が特公昭61−59245号公報に開示さ
れているが、耐水溶性は充分であるが、イオン交換能は
低く、実質的に洗剤用ビルダーとして適さない。さら
に、粒子形状が粗大の長繊維状あるいは雲母状であるた
め水への分散性が悪く、実質的なイオン交換能はさらに
低下する。またDD−279234A1公報には水熱合
成により得られる結晶性のマグネシウム含有シリケート
が開示されているが、イオン交換能が極端に低く、実用
上洗剤用ビルダーとしては適用できないと言う問題が指
摘されている。
基づき、陰イオンの形による分類に従って分類すること
ができる(Friedrich Liebau,“St
ructural Chemistry of Sil
icates”p72,Springer−Verla
g,1985年発行)。即ち、例えば、代表的な無機ビ
ルダーであるNa2 O・Al2O3 ・2SiO2 の組成で
示される4A型ゼオライトはSiの1部がA1に同型置
換したテクトケイ酸塩構造に、また、Na2 O・2Si
O2 の組成で示されるジメタケイ酸塩(層状シリケー
ト)はフィロケイ酸塩構造に分類される。さらに、Ca
O・MgO・2SiO2 ・nH2 Oの組成でしめされる
メタケイ酸塩(輝石、Diopside)およびNa2
O・SiO2 の組成で示されるメタケイ酸塩(メタケイ
酸ソーダ)は、イノケイ酸塩(ポリシリケート)構造に
それぞれ分類される。
る酸素の架橋酸素数(Si−O−Si)で分類でき、そ
の架橋酸素数が4、3、2、1、0に対応して、それぞ
れQ 4 、Q3 、Q2 、Q1 、Q0 ユニットに分類される
(Y.Tsunawaki,N.Iwamoto,T.
Hattori and A.Mitsuishi,
J.Non−Cryst.Solids,vol44,
p369(1981))。テクトケイ酸塩構造の場合は
架橋酸素数が4であるからQ4 ユニットのみから、フィ
ロケイ酸塩構造の場合は架橋酸素数が3であるからQ3
ユニットのみから、イノケイ酸塩構造の場合は架橋酸素
数が2.0〜2.5であるからQ2 ユニットのみあるい
はQ2 ユニットとQ3 ユニットとから形成される。ここ
で、Q2 ユニットのみからなるシリケート、Q2 ユニッ
トとQ3 ユニットとからなるシリケートのように少なく
ともQ2 ユニットからなるシリケートは、鎖状構造であ
るといわれている。これに対して、Q3 ユニットのみか
らなるシリケートは層状構造であるといわれており、両
者は構造的に明確に区別されている。
る無機ビルダーである前記のケイ酸塩化合物をみると、
Q4 ユニットから形成されるテクトケイ酸塩構造をもつ
4A型ゼオライトは、理論的に高いカチオン交換能を示
すものの、水中への分散性が悪く洗浄剤への配合量が限
定される。また、Q3 ユニットから形成されるフィロケ
イ酸塩構造をもつ層状シリケートとしては、前記のよう
な特開昭60−239320号公報、特開平3−936
49号公報に記載のものが挙げられるが、これらは前記
のように水中での分散性は、その水和特性故に優れる
が、逆に水中への溶解量が大きくなり、カチオン交換能
が4A型ゼオライトに比べて小さく、洗浄剤用ビルダー
としては不十分である。
イ酸塩構造をもつ輝石はカチオン交換能はほとんど示さ
ず、無機ビルダーとしては不十分である。また、イノケ
イ酸塩で、高いカチオン交換容量をもつ組成(Na2 O
・SiO2 )が結晶性のメタケイ酸塩として存在する
が、水中への溶解性が著しく、その構造が破壊されるた
め、実際上のカチオン交換能は極端に低くなり、無機ビ
ルダーとして適さない。以上のように、耐水溶性、イオ
ン交換能がともに優れる無機ビルダーを得ることは困難
であり、これらを改善した無機ビルダーの開発が求めら
れている。
ともに、耐水溶性を有する合成無機ビルダーおよびその
水和物を提供することにある。
無水物が一般式、xM2 O・ySiO2 ・zM' O(但
し、MはNa及び/又はKを示し、M' はCa及び/又
はMgを示し、y/x=0.5〜2.0、z/x=0.
005〜1.0である。)で表される組成からなる合成
無機ビルダーであって、900cm-1〜1200cm-1
の範囲についてのラマン散乱スペクトルにおいて、少な
くとも970±20cm-1に主たるシフトピークを示す
合成無機ビルダーに関する。
ySiO2 ・zM’Oで示される組成をもち、陰イオン
の形による分類に従えば、イノケイ酸塩構造に分類さ
れ、且つ、Q2 ユニットのみあるいはQ2 ユニットとQ
3 ユニットとから形成される結晶性ケイ酸塩化合物であ
る。換言すれば、本発明の合成無機ビルダーは少なくと
もQ2 ユニットを有し、鎖状構造を有するものである。
は、ラマン分光測定により同定できる。図1に、FT−
ラマン分光(日本電子製、形式:JRS−FT650
0、励起光:YAGレーザー、波長=1064nm、検
知器:InGaAs)により測定したラマンスペクトル
例を示す。
を有する結晶性のイノケイ酸塩化合物(実施例61、図
1(a)を参照)であるため、フィロケイ酸塩構造をも
つ層状シリケート(比較例1、図1(b)を参照)と明
らかに異なる散乱ピークパターンを示し、970±20
cm-1にQ2 ユニットに由来する主たるシフトピークが
少なくとも存在する。ここで、主たるシフトピークと
は、900〜1200cm-1の範囲についてのラマン散
乱スペクトルにおいて、実質的に識別できる明確なシフ
トピークを指す。一方、Q3 ユニットに由来するシフト
ピークは、1070±30cm-1に観察される。従っ
て、本発明のビルダーであるケイ酸塩化合物は、Q2 ユ
ニットのみあるいはQ2 ユニットとQ3 ユニットとによ
り構成されているため、900〜1200cm-1の範囲
において、970±20cm-1のみ、または970±2
0cm-1と1070±30cm-1にシフトピークを有
し、また、結晶性であるためQ0 ,Q1 ユニットに由来
するシフトピークは実質的に存在しない。Q2 ユニット
とQ3 ユニットとにより構成されている場合には、後述
の実施例のラマン分光測定より得られた散乱ピークパタ
ーンが示すように、Q2 ユニットに由来するシフトピー
クとQ3 に由来するシフトピークの強度比は0.1〜1
00となる。ここで、シフトピークの強度比は1070
±30cm-1に表れるシフトピークの高さに対する97
0±20cm-1に表れるピークの高さの比より算出され
たものである。
るにもかかわらず、水中での高い構造安定性をしめすの
は、Ca及び/又はMgイオンを適量シリカネットワー
ク中に含有させているためであり、このことは後述の実
施例におけるカチオン交換能及びSi溶出量の測定結果
から明らかである。
有する本発明の合成無機ビルダーは、無水物の組成が一
般式、xM2 O・ySiO2 ・zM’Oで表わされるも
のである。ここで、MはNa及び/又はKを示し、それ
ぞれ単独でもNa及びKの両成分であってもよく、特に
制限されるものではないが、カチオン交換容量の点から
好ましくはNa及びKの両成分よりなる場合である。こ
の場合のK/Naのモル比は0.01〜10.0が好ま
しい。
れ単独でもCa及びMgの両成分であってもよく、特に
制限されるものではない。Ca及びMgの両成分よりな
る場合、Mg/Caのモル比は0.01〜10.0が好
ましい。
2.0であり、好ましくは1.0〜1.85である。y
/xが0.5未満では耐水溶性が不十分であり、2.0
を超えると、イオン交換能が低くなり、無機ビルダーと
して不十分である。z/xは0.005〜1.0であ
り、好ましくは0.01〜0.8、更に好ましくは0.
02〜0.6である。z/xが0.005未満では耐水
溶性が不十分であり、1.0を超えるとイオン交換能が
低く、無機ビルダーとして不十分である。x、y、zは
前記のy/xおよびz/xに示されるような関係であれ
ば、特に限定されるものではない。なお、前記のように
xM2 Oが例えばx′Na2 O・x″K2 Oとなる場合
は、xはx′+x″となり、これはzについても同様で
あり、zM’Oが例えばz′CaO・z″MgOとなる
場合は、zはz′+z″となる。また、本発明の無機ビ
ルダーにおいては、水和物であってもよく、この場合の
水和量はH2 Oのモル量換算として通常0〜20であ
る。
得られるものであって、前記一般式に示されるようにM
2 O、SiO2 、M' Oの三成分よりなっている。従っ
て、本発明の合成無機ビルダーを製造するには、その原
料として各成分に対応する物質が必要になるが、本発明
においては特に限定されることなく公知の化合物が適宜
用いられる。例えば、M2 O成分、M' O成分として
は、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水酸
化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的に
は例えば、M2 O成分の原料としては、NaOH,KO
H,Na2 CO3,K2 CO3 ,Na2 SO4 等が、M'
O成分の原料としては、CaCO3 ,Ca(O
H)2 、MgCO3 ,Mg(OH)2 ,MgO,ドロマ
イト等が挙げられる。SiO2 成分としてはケイ石,ケ
イ砂,クリストバライト石,カオリン,タルク,溶融シ
リカ,ケイ酸ソーダ等が用いられる。
的とする合成無機ビルダーのx、y、zとなるように所
定の量比で混合し、通常300〜1300℃、好ましく
は500〜1000℃、さらに好ましくは600〜90
0℃の範囲で焼成して結晶化させる方法、及び同様に混
合後、一旦1100℃〜1600℃で溶融してガラス化
物を得た後焼成する方法、更に溶融後水ガラス化し焼成
する方法が例示される。この場合、加熱温度が300℃
未満では結晶化が不充分で耐水溶性に劣り、1300℃
を超えると粗大粒子化しイオン交換能が低下する。加熱
時間は通常0.1〜24時間である。このような焼成は
通常、電気炉、ガス炉等の加熱炉で行うことができる。
また、焼成後、必要に応じて粉砕し所定の粒度に調製さ
れる。粉砕機としては例えばボールミル、ローラーミル
等を用いてなされる。このような製造方法により、前述
のような構造上の特徴を有する本発明の合成無機ビルダ
ーを得ることができる。
を調製するには、公知の方法により容易に行うことがで
き、特に制限されるものではない。例えば、前記のよう
にして得られた合成無機ビルダーの無水物をイオン交換
水に懸濁して水和させ、乾燥せしめて粉末化する方法が
挙げられる。
ビルダーまたはその水和物は、イオン交換容量として少
なくとも100mgCaCO3 /g以上、好ましくは2
00〜600mgCaCO3 /gを有するものである。
本発明においてイオン交換容量とは、実施例で示す後述
の測定方法により得られるカチオン交換能の値をいう。
但し、500mgCaCO3 以上の場合は塩化カルシウ
ム溶液の量を200mlにして測定した値である。本発
明において耐水溶性とは、無機ビルダーの水中での安定
性を意味する。従って、耐水溶性に劣るとは、水中での
無機ビルダーの安定性が悪く水中でのSi溶出量が増大
することを意味する。一方、耐水溶性に優れるとは、無
機ビルダーの水中での安定性が高く、水中でのSi溶出
量が非常に少ないことをいう。本発明の合成無機ビルダ
ーにおいて、水へのSi溶出量はSiO2 換算で通常1
20mg/g以下であり、好ましくは90mg/g以
下、より好ましくは60mg/g以下であり、ほとんど
が実質的に水に不溶である。なお、本発明において実質
的に水に不溶であるとは、試料2gをイオン交換水10
0g中に加え、25℃で30分攪拌した場合におけるS
i溶出量がSiO2 換算で通常100mg/gより少な
いものをいう。
カリ能を示す。ここで、アルカリ能とは、酸に対して緩
衝作用を示す能力をいい、本発明の合成無機ビルダーで
は、0.1重量%イオン交換水分散液1000mlに
0.25規定の塩酸を15ml添加しても9〜12のp
Hを示す。また、アルカリ緩衝効果についても、特に優
れており、炭酸ソーダや通常の無定形珪酸ナトリウムと
比較してもアルカリ緩衝効果が優れるものである。本発
明の合成無機ビルダーは、前記のように優れたイオン捕
捉能を有するため、これを配合した洗浄剤組成物は、優
れた洗浄性能を有する。
に優れたイオン捕捉能を有するため、これを配合した洗
浄剤組成物は、優れた洗浄性能を有する。このような洗
浄剤組成物は、少なくとも前記の合成無機ビルダーおよ
び/またはその水和物を含有するものである。また、こ
の洗浄剤組成物は、特に限定されるものではないが、衣
料用洗剤、柔軟剤、食器用洗剤、歯ミガキ、身体用洗浄
剤、金属用洗浄剤等として用いられる。前記の合成無機
ビルダーおよび/またはその水和物の配合量は特に限定
されないが、通常0.1〜90重量%、好ましくは0.
5〜80重量%、さらに好ましくは1〜75重量%であ
る。0.1%重量未満であると充分な洗浄性能を発現せ
ず、90重量%を越えると分散性が不良となる。なかで
も衣料用洗浄剤としての本発明の無機ビルダーの配合量
は、通常0.5〜70重量%、好ましくは1〜60重量
%、さらに好ましくは2〜55重量%である。0.5重
量%未満であると、無機ビルダーの性能が組成物として
発現されず、70重量%を越えると、洗浄剤に含まれる
他の成分の配合量が制約され、洗浄剤としての成分バラ
ンスに支障をきたす。
活性剤を含有し、該界面活性剤としては、一般的に洗浄
剤に用いられるものであれば特に限定されるものではな
い。具体的には、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活
性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる
群より選択される一種以上である。例えば、陰イオン界
面活性剤の中から複数選択する場合のごとく同一種類の
みから選択してもよく、また陰イオン界面活性剤と非イ
オン界面活性剤の中からそれぞれ選択する場合のごとく
各種のものを複数選択してもよい。
各種添加剤を適宜配合することができる。この場合も一
般的に洗浄剤に用いられるものであれば特に限定される
ものではない。例えば、ゼオライト、トリポリリン酸ソ
ーダ、メタリン酸ソーダ等の他の無機ビルダー;非晶質
アルミノケイ酸塩、非晶質ケイ酸塩、炭酸ソーダ、非晶
質シリカ、粘土鉱物、漂白剤、酵素等を配合することが
できる。
有してなるが、該洗浄剤組成物の製造方法は、特に限定
されることなく、従来より公知の方法を用いることがで
きる。例えば、高嵩密度洗剤を得るための方法として
は、特開昭61−69897号公報、特開昭61−69
899号公報、特開昭61−69900号公報、EP5
13824A号明細書に記載の方法が挙げられる。
本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実
施例等によりなんら限定されるものではない。尚、本実
施例及び比較例における測定値は、次に示す方法により
測定した。 (1)カチオン交換能 実施例1〜36および比較例1〜7においては、試料
0.1gを精秤し、塩化カルシウム溶液(濃度はCaC
O3 として1%)50ml中に加え、25℃で60分間
撹拌した後、5種C番の濾紙を用いて濾過を行う。その
濾液10mlを取って濾液中のCa量をEDTA滴定により測
定し、その値より試料のカルシウムイオン交換容量を求
めた。実施例37〜63においては、試料0.1gを精
秤し、塩化カルシウム水溶液(濃度はCaCO3 として
500ppm)100ml中に加え、25℃で60分間
撹拌した後、孔サイズ0.2μmのメンブランフィルタ
ー(アドバンテック社、ニトロセルロース製)を用いて
濾過を行い、その濾液10ml中に含まれるCa量をEDTA
滴定により測定した。その値より試料のカルシウムイオ
ン交換容量(カチオン交換容量)を求めた。 (2)Si溶出量 試料2gをイオン交換水100g中に加え、25℃で3
0分間撹拌し、その後遠心分離を行い、その上澄みを孔
サイズ0.2μmのメンブランフィルターを用いて濾過
を行なう。濾液中のSi濃度をプラズマ発光分析(IC
P)により測定し、SiO2 換算としてSiの溶出量を
求めた。 (3)ラマンピーク強度比 フーリエ変換ラマン分光光度計(日本電子(株)製,J
SR−FT6500、励起光:YAGレーザー、波長=
1064nm、検知器:InGaAs)を用いてラマン
分光測定を行ない、得られたラマン散乱スペクトルにお
いて、Q2 及びQ3 に帰属する散乱の強度をそれぞれ、
970±20cm-1と1070±30cm-1に現れるシ
フトピークのピークトップの値として、Q2 /Q3 の相
対強度比を求めた。
重量部に水酸化ナトリウム23.1重量部を加え、ホモ
ミキサーにより、撹拌を行い水酸化ナトリウムを溶解し
た。ここに、微粉砕した無水炭酸カルシウム14.3重
量部を加え、ホモミキサーを用いて混合した。混合物を
ニッケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気中
1時間焼成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して、本発
明の無機ビルダー1を得た。この粉体のカチオン交換能
は264CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶出量は、5
9.1SiO2 mg/gであり耐水溶性に優れたものであっ
た。また、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折
パターンは、焼成前の混合物とは異なる回折パターンを
示し、新規な結晶構造を示す物質であった。また、ラマ
ン散乱スペクトルのQ2 /Q3 強度比は6.67であっ
た。
ことにより、表1に示す組成となるようにした以外は実
施例1と同様にして無機ビルダー2〜8を得た。得られ
た粉体についてカチオン交換能及びSi溶出量を測定
し、その結果を表1に示したが、無機ビルダー1と同様
にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優れたものであっ
た。また、得られた焼成体の粉末X線(CuKα)回折
パターンは、いずれも焼成前の混合物とは異なる回折パ
ターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であった。
ッシュパスのケイ石粉と水酸化カリウムを用い、無水炭
酸カルシウムを用いて、表1に示す組成となるようにし
た以外は実施例1と同様にして無機ビルダー9〜16を
得た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶
出量を測定し、その結果を表1に示したが、無機ビルダ
ー1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優れた
ものであった。また、得られた焼成体の粉末X線(Cu
Kα)回折パターンは、いずれも焼成前の混合物とは異
なる回折パターンを示し、新規な結晶構造を示す物質で
あった。
イオン交換水中に1時間分散させ、0.2μmのメンブ
ランフィルターで濾過し、フィルター上の残渣を100
℃で16時間乾燥させ、それぞれ実施例2、12で得ら
れたものの水和物である無機ビルダー17、18を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表1に示したが、無機ビルダー
1と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優れたも
のであった。また、得られた焼成体の粉末X線(CuK
α)回折パターンは、いずれも焼成前の混合物とは異な
る回折パターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であ
った。
重量部に水酸化ナトリウム23.1重量部を加え、ホモ
ミキサーにより、撹拌を行い水酸化ナトリウムを溶解し
た。ここに、微粉砕した無水炭酸マグネシウム12.0
重量部を加え、ホモミキサーを用いて混合した。混合物
をニッケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で、空気
中1時間焼成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して、本
発明の無機ビルダー19を得た。この粉体のカチオン交
換能は260CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶出量
は、59.6SiO2 mg/gであり耐水溶性に優れたもの
であった。また、得られた焼成体の粉末X線(CuK
α)回折パターンは、焼成前の混合物とは異なる回折パ
ターンを示し、新規な結晶構造を示す物質であった。ラ
マン散乱スペクトルでは、900〜1200cm-1の範
囲でQ2 に由来するシフトピークのみを認めた。
えることにより、表2に示す組成となるようにした以外
は実施例19と同様にして無機ビルダー20〜26を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表2に示したが、無機ビルダー
19と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優れた
ものであった。また、得られた焼成体の粉末X線(Cu
Kα)回折パターンは、いずれも焼成前の混合物とは異
なる回折パターンを示し、新規な結晶構造を示す物質で
あった。
メッシュパスのケイ石粉と水酸化カリウムを用い、無水
炭酸マグネシウムを用いて、表2に示す組成となるよう
にした以外は実施例19と同様にして無機ビルダー27
〜34を得た。得られた粉体についてカチオン交換能及
びSi溶出量を測定し、その結果を表2に示したが、無
機ビルダー19と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に
共に優れたものであった。また、得られた焼成体の粉末
X線(CuKα)回折パターンは、いずれも焼成前の混
合物とは異なる回折パターンを示し、新規な結晶構造を
示す物質であった。
のイオン交換水中に1時間分散させ、0.2μmのメン
ブランフィルターで濾過し、フィルター上の残渣を10
0℃で16時間乾燥させ、それぞれ実施例20、30で
得られたものの水和物である無機ビルダー35、36を
得た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶
出量を測定し、その結果を表2に示したが、無機ビルダ
ー19と同様にカチオン交換能及び耐水溶性に共に優れ
たものであった。また、得られた焼成体の粉末X線(C
uKα)回折パターンは、いずれも焼成前の混合物とは
異なる回折パターンを示し、新規な結晶構造を示す物質
であった。
外は実施例1と同様にして本発明の無機ビルダー37を
得た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶
出量を測定し、その結果を表3に示したが、カチオン交
換能及び耐水溶性に共に優れたものであった。この粉体
のカチオン交換能は270CaCO3 mg/gと高く、かつ
Si溶出量は、48.3SiO2 mg/gであり耐水溶性に
優れたものであった。また、ラマン散乱スペクトルのQ
2 /Q3 強度比は0.16であった。
ソーダ(SiO2 / Na2 O=2.14,水分44.9
%)を用いて表3に示す組成となるようにした以外は実
施例1と同様にして本発明の無機ビルダー38を得た。
得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出量を
測定し、その結果を表3に示したが、カチオン交換能及
び耐水溶性に共に優れたものであった。この粉体のカチ
オン交換能は251CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶
出量は、91.1SiO2 mg/gであり耐水溶性に優れた
ものであった。また、ラマン散乱スペクトルのQ2 /Q
3強度比は0.14であった。
水炭酸マグネシウムを用いて表3に示す組成となるよう
にした以外は実施例38と同様にして本発明の無機ビル
ダー39を得た。得られた粉体についてカチオン交換能
及びSi溶出量を測定し、その結果を表3に示したが、
カチオン交換能及び耐水溶性に共に優れたものであっ
た。この粉体のカチオン交換能は321CaCO3 mg/g
と高く、かつSi溶出量は、96.5SiO2 mg/gであ
り耐水溶性に優れたものであった。また、ラマン散乱ス
ペクトルのQ2 /Q3 強度比は0.50であった。
1,水分22.1%)100重量部に水酸化ナトリウム
1.8重量部、無水炭酸カルシウム0.9重量部水酸化
マグネシウム1.5重量部を加え、ボールミルを用いて
混合した。混合物をニッケル製坩堝に適量採り、600
℃の温度で、空気中1時間焼成し、急冷後得られた焼成
体を粉砕して、本発明の無機ビルダー40を得た。得ら
れた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出量を測定
し、その結果を表3に示したが、カチオン交換能及び耐
水溶性に共に優れたものであった。この粉体のカチオン
交換能は242CaCO3 mg/gと高く、かつSi溶出量
は、87.4SiO2 mg/gであり耐水溶性に優れたもの
であった。また、ラマン散乱スペクトルのQ2 /Q3強
度比は0.11であった。
ネシウムの添加量を変えることにより表3に示す組成と
なるようにした以外は実施例40と同様にして本発明の
無機ビルダー41を得た。得られた粉体についてカチオ
ン交換能及びSi溶出量を測定し、その結果を表3に示
したが、カチオン交換能及び耐水溶性に共に優れたもの
であった。この粉体のカチオン交換能は299CaCO
3 mg/gと高く、かつSi溶出量は、1.5SiO2 mg/g
であり耐水溶性に優れたものであった。また、ラマン散
乱スペクトルのQ2 /Q3 強度比は0.17であった。
炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムを実施例40と同
様の操作により表3に示す組成となるように混合し、こ
の混合物を1300℃の温度で20時間溶融した後、急
冷することによりカレットを得た。100メッシュパス
のカレット1重量部にイオン交換水4重量部を加えたも
のをニッケル製坩堝に適量採り、600℃の温度で、2
時間焼成し、急冷後得られた焼成体を粉砕して、本発明
の無機ビルダー42〜44を得た。得られた粉体につい
てカチオン交換能及びSi溶出量を測定し、その結果を
表3に示したが、カチオン交換能及び耐水溶性に共に優
れたものであった。
ムを、無水炭酸カルシウムに加え無水炭酸マグネシウム
を用いて表3に示す組成となるようにした以外は実施例
1と同様にして本発明の無機ビルダー45〜46を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表3に示したが、カチオン交換
能及び耐水溶性に共に優れたものであった。
リウムを、無水炭酸カルシウムに加え水酸化マグネシウ
ムを用いて表3に示す組成となるようにした以外は実施
例38と同様にして本発明の無機ビルダー47〜48を
得た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶
出量を測定し、その結果を表3に示したが、カチオン交
換能及び耐水溶性に共に優れたものであった。
リウムを用いて表3に示す組成となるようにした以外は
実施例40と同様にして本発明の無機ビルダー49〜5
3を得た。得られた粉体についてカチオン交換能及びS
i溶出量を測定し、その結果を表3に示したが、カチオ
ン交換能及び耐水溶性に共に優れたものであった。
ムを、また無水炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムを
用いて表3に示す組成となるようにした以外は実施例3
1と同様にして本発明の無機ビルダー54〜58を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表3に示したが、カチオン交換
能及び耐水溶性に共に優れたものであった。
ムを、また無水炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムを
用いて表3に示す組成となるようにした以外は実施例4
2と同様にして本発明の無機ビルダー59〜63を得
た。得られた粉体についてカチオン交換能及びSi溶出
量を測定し、その結果を表3に示したが、カチオン交換
能及び耐水溶性に共に優れたものであった。また、実施
例61で得られた無機ビルダー61について、日本電子
(株)製フーリエ変換ラマン分光光度計(JSR−FT
6500N型)を用いてラマン分光測定を行なった際
に、得られたスペクトル(図1(a))を比較例1で得
られたジケイ酸ナトリウム(Na2 Si2 O5 )のスペ
クトル(図1(b))と比較して、図1に示す。図1よ
り、無機ビルダー61は970±20cm-1にQ2 ユニ
ットに由来する主たるシフトピークがみられることか
ら、鎖状構造を示す物質であることが示唆された。
重量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウム
を溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、70
0℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕を
行い比較ビルダー1を得た。この粉体のカチオン交換能
は、224CaCO3 mg/gであった。また、Si溶出量
は、133SiO2 mg/gであり耐水溶性に劣るものであ
った。耐水溶性に劣るのは、比較ビルダーの水中での構
造安定性の機能を有するCa又はMgが含有されていな
いためと判断される。
6重量部を加え、ホモミキサーを用いて水酸化ナトリウ
ムを溶解した。これを、ニッケル製坩堝に適量採り、7
00℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕
を行い比較ビルダー2を得た。この粉体のカチオン交換
能は450CaCO3 mg/gと高かったが、Si溶出量
は、324SiO2 mg/gと耐水溶性に劣るものであっ
た。
に示す組成になるようV型ミキサーで混合し、これをニ
ッケル製坩堝に適量採り、700℃の温度で空気中1時
間焼成した。急冷後、粉砕を行い比較ビルダー3を得
た。この粉体のカチオン交換能は462CaCO3 mg/g
と高かったが、Si溶出量は、531SiO2 mg/gと耐
水溶性に劣るものであった。
ートクレーブ中、180℃で20時間水熱合成し、表4
に示す組成の比較ビルダー4を得た。表4に示すように
この粉体のSi溶出量は、少なく耐水溶性に優れたもの
であったが、カチオン交換能は、175CaCO3 mg/g
と低くカチオン交換能が不充分なものであった。耐水溶
性に優れているにもかかわらず、カチオン交換能が低い
のは、比較ビルダーの水中での構造安定性の機能を有す
るCaが過剰に存在するため、カチオン交換サイトが減
少したことによるものと判断される。
ウムを混合し、300mlのオートクレーブ中、180
℃で20時間水熱合成し、表4に示す組成の比較ビルダ
ー5を得た。表4に示すようにこの粉体のSi溶出量
は、少なく耐水溶性に優れたものであったが、カチオン
交換能は、62CaCO3 mg/gと低くカチオン交換能が
不充分なものであった。耐水溶性に優れているにもかか
わらず、カチオン交換能が低いのは、比較ビルダーの水
中での構造安定性の機能を有するMgが過剰に存在する
ため、カチオン交換サイトが減少したことによるものと
判断される。
組成となるように混合したものを、ニッケル製坩堝に適
量採り、650℃の温度で、空気中1時間焼成した。急
冷後、粉砕を行い比較ビルダー6を得た。表4に示すよ
うにこの粉体のカチオン交換能は200CaCO3 mg/g
以上となったが、Si溶出量は309SiO2 mg/gと多
く耐水溶性に劣るものであった。
ルシウム、水酸化マグネシウムを表4に示す組成となる
ように混合したものを、ニッケル製坩堝に適量採り、7
00℃の温度で、空気中1時間焼成した。急冷後、粉砕
を行い比較ビルダー7を得た。表4に示すように、この
粉体のSi溶出量は少なく、耐水溶性に優れたものであ
ったが、カチオン交換能は200CaCO3 mg/g以下で
あり、カチオン交換能が不充分なものであった。
本発明の無機ビルダーを含有する本発明品を、配合1−
Cは含有しない比較品を示す)を以下の方法により製造
した。即ち、粉末原料(珪酸ソーダ、炭酸ソーダ、芒
硝、非晶質シリカ、無機ビルダー1−A、1−B)を攪
拌式転動造粒機(レディゲミキサー)に入れ、ポリオキ
シエチレンドデシルエーテルとポリエチレングリコール
を添加し、平均粒径352〜407μmの粉末洗浄剤を
得た。ここで用いられる無機ビルダー1−A、1−Bは
それぞれ前記の実施例2、5で得られた無機ビルダーで
ある。
剤(配合1−D、1−Eは本発明の無機ビルダーを含有
する本発明品を、配合1−Fは含有しない比較品を示
す)を製造した。ここで、無機ビルダー以外の成分の水
性スラリーを60℃で作製し、噴霧乾燥機によって乾燥
粉末とした。これを遠心転動造粒機(ハイスピードミキ
サー)にいれ、若干の水を添加して造粒し平均粒径36
0〜388μmの粉末洗浄剤を得た。
A〜1−Fを用いて、以下の方法によって洗浄テストを
行った。 (1)泥汚れ汚染布(人工汚染布):鹿沼園芸用赤玉土
を120℃±5℃で4hr乾燥後粉砕、150Mesh(100μ
m)パスのものを120℃±5℃で2hr乾燥後、土15
0g を1000リットルのパークレンに分散し、金巾#2023
布をこの液に接触、ブラッシングし、分散液の除去、過
剰付着汚れを脱落させる(特開昭55−26473 号公報)。 (2)皮脂/カーボン汚れ汚染布(人工汚染布): (モデル皮脂/カーボン汚れ組成) カーボンブラック 15% 綿実油 60% コレステロール 5% オレイン酸 5% パルミチン酸 5% 液体パラフィン 10% 上記組成物1kgを80リットルのパークレンに溶解分散
し、金巾#2023布を浸漬して汚れを付着させた後パーク
レンを乾燥除去する。
トルに10cm×10cmの綿の泥汚れ汚染布又は皮脂/カーボ
ン汚れ汚染布(人工汚染布)を各5枚入れ、ターゴトメ
ーターにて100rpmで次の洗浄条件で洗浄した。 (洗浄条件) 洗浄時間 10分 洗浄濃度 0.133 % 水の硬度 4° 水 温 20℃ ススギ 水道水にて5分間 (4)洗浄試験の評価方法:洗浄力は汚染前の原布及び
洗浄前後の汚染布の460nm における反射率を自記色彩計
(島津製作所製)を用いて測定し、次式によって洗浄率
(%)を求めた。 洗浄率(%)=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/
(原布の反射率−洗浄前の反射率)×100 得られた結果を表7に示すが、本発明の洗浄剤組成物を
用いることにより、優れた洗浄性能が認められた。
本発明の無機ビルダーを含有する本発明品を、配合2−
Cは含有しない比較品を示す)を洗浄剤組成物の調製例
1と同様の方法により製造した。但し、無機ビルダー2
−A、2−Bはそれぞれ前記の実施例20、23で得ら
れた無機ビルダーである。
剤(配合2−D、2−Eは本発明の無機ビルダーを含有
する本発明品を、配合2−Fは含有しない比較品を示
す)を製造した。
A〜2−Fを用いて、試験例1と同様の方法によって洗
浄テストを行った。得られた結果を表10に示すが、本
発明の洗浄剤組成物を用いることにより、優れた洗浄性
能が認められた。
で得られた無機ビルダー3−A〜3−Gを用いて、表1
1〜表16に示す組成からなる洗浄剤組成物を以下の方
法により製造した。即ち、配合3−1〜3−14におい
ては、無機ビルダー以外の成分を60%固形分水性スラ
リーにし、これを噴霧乾燥して得られた粒子に無機ビル
ダーを混合した。配合3−15〜3−25,配合3−3
9〜3−68では、無機ビルダー以外の成分からなる6
0%固形分スラリーを噴霧乾燥し、得られた粒子を攪拌
型造粒機に入れて、更に配合量相当の無機ビルダーを入
れて造粒を行った。配合3−26〜3−38では、粉末
原料を攪拌式転動造粒機に入れ、液状非イオン界面活性
剤を徐々に投入しながら、混合造粒した。これらのよう
にして、平均粒径200〜500μmの粉末の洗浄剤組
成物を得た。
又は無機ビルダーを用いないこと以外は、前記の配合例
と同様にして表11〜表15に示す組成からなる洗浄剤
組成物を製造した。
Na・2H2 Oを用い、洗浄率および洗浄前後のpHが
配合3−61〜3−68と同等になるように配合量を調
整したこと以外は、配合3−61〜3−68と同様にし
て表16に示す組成からなる洗浄剤組成物を製造した。
た洗浄剤組成物を用いて、以下の条件で洗浄試験を行っ
た。 (人工汚染布の調製)10cm×10cmの木綿布に下
記組成の油脂と微量のカーボンブラックで汚染して調製
した。 綿実油 60% コレステロール 10% オレイン酸 10% パルミチン酸 10% 液体及び固体パラフィン 10% (洗浄条件)2槽式洗濯機(東芝(株)製,銀河)を使
用して、洗濯時間10分、温度20℃、使用水3°DH
(Ca/Mg=3/1)、流水すすぎ8分、洗剤濃度
0.133%で洗濯を行った。 (洗浄率の算出)原布及び洗浄前後の550mμにおけ
る反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定し、次
式によって洗浄率D(%)を算出した。その結果を表1
1に併せて示す。 D=(L2 −L1 )/(L0 −L1 )×100(%) L0 :原布の反射率 L1 :洗浄前汚染布の反射率 L2 :洗浄後汚染布の反射率
るものと併せて下記に示す。 LAS-Na:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム AS-Na :アルキル硫酸ナトリウム AOS-Na:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム AOS-K :α−オレフィンスルホン酸カリウム α-SFE-Na :α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウ
ム塩 CMC-Na: カルボキシメチルセルロースナトリウム塩 ES-Na:アルキルエーテル硫酸ナトリウム TAED: テトラアセチルエチレンジアミン
得られた洗浄剤組成物を用い、洗浄条件のみを下記のよ
うに変えて、試験例3と同様に試験を行った。 (洗浄条件)全自動洗濯機(松下電気産業(株)製,愛
妻号)を使用して、温度20℃、使用水3.5°DH
(Ca/Mg=3/1)、洗剤濃度0.0833%で、
標準コースにて洗濯を行った。その結果を表12に併せ
て示す。
得られた洗浄剤組成物を用い、洗浄条件のみを下記のよ
うに変えて、試験例3と同様に試験を行った。 (洗浄条件)ターゴトメーターを使用して、回転数10
0rpm、洗濯時間10分、温度20℃、使用水3°D
H(Ca/Mg=3/1)、洗剤濃度0.0833%で
洗濯を行った。その結果を表13に併せて示す。
得られた洗浄剤組成物を用い、洗浄条件のみを下記のよ
うに変えて、試験例3と同様に試験を行った。 (洗浄条件)全自動洗濯機(米国Whirlpool
製,Model LA5580XT)を使用して、温度
35℃、使用水8°DH(Ca/Mg=2/1)、洗剤
濃度0.1%で標準コースにて洗濯を行った。その結果
を表14に併せて示す。
で得られた洗浄剤組成物を用い、洗浄条件のみを下記の
ように変えて、試験例3と同様に試験を行った。 (洗浄条件)全自動洗濯機(BOSCH社製WFK400
0,ドラム式)を使用して、温度60℃、使用水16°
DH(Ca/Mg=2/1)、洗剤濃度0.8%で標準
コースにて洗濯を行った。その結果を表15に併せて示
す。
合比較例3−11〜3−12で得られた洗浄剤組成物を
用い、試験例3と同じ洗浄条件で同様に洗浄試験を行っ
た。その結果を洗浄剤組成物の全配合量、使用量、濃縮
度、および洗浄前後のpHとともに表16に併せて示
す。
る洗浄剤組成物は、従来より洗浄剤用ビルダーとして用
いられているゼオライトを用いた場合(配合比較例3−
1,3,5,7,9)と同等の洗浄率を示すことが判明
した。また、無機ビルダーを用いない場合(配合比較例
3−2,4,6,8,10)と比較すると洗浄率はかな
り向上していた。また、表16の結果より、本発明にお
ける洗浄剤組成物(配合3−61〜3−68)は従来の
配合(配合比較例3−11〜3−12)と比較して少な
い使用量で同等の洗浄性能を得る事ができる。これは本
発明における無機ビルダーが、イオン交換能とアルカリ
能に優れた多機能のものである為であり、その使用によ
って、従来の配合ではビルダーとアルカリ剤を別々に相
当量用いていたものを、その合計量よりも少ない配合量
で同等の洗浄性能を得る事ができるためである。
交換能及び耐水溶性に共に優れたものであるため、例え
ば洗剤に用いられる水軟水化剤、アルカリ調整剤として
有用である。従って、これを含有する洗浄剤組成物は、
洗浄効果が優れるとともに、洗浄剤の濃縮化に適したも
のである。
トルを示すものである。図中(a)は実施例61で得ら
れた無機ビルダー61についてのものであり、(b)は
比較例1で得られたジケイ酸ナトリウム(Na2 Si2
O5 )についてのものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 無水物が一般式、xM2 O・ySiO2
・zM' O(但し、MはNa及び/又はKを示し、M'
はCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜2.
0、z/x=0.005〜1.0である。)で表される
組成からなる合成無機ビルダーであって、900cm-1
〜1200cm-1の範囲についてのラマン散乱スペクト
ルにおいて、少なくとも970±20cm-1に主たるシ
フトピークを示す合成無機ビルダー。 - 【請求項2】 970±20cm-1の主たるシフトピー
クが、1070±30cm-1のシフトピークに対して
0.1〜100の強度比を有するものである請求項1記
載の合成無機ビルダー。 - 【請求項3】 カチオン交換容量が200〜600Ca
CO3 mg/gである請求項1記載の合成無機ビルダ
ー。 - 【請求項4】 水へのSi溶出量がSiO2 換算で12
0mg/g以下である請求項1記載の合成無機ビルダ
ー。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の合成無機ビ
ルダーの水和物。
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