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JP2518794B2 - 隔壁付き中空体及びその製造方法 - Google Patents

隔壁付き中空体及びその製造方法

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JP2518794B2
JP2518794B2 JP5196474A JP19647493A JP2518794B2 JP 2518794 B2 JP2518794 B2 JP 2518794B2 JP 5196474 A JP5196474 A JP 5196474A JP 19647493 A JP19647493 A JP 19647493A JP 2518794 B2 JP2518794 B2 JP 2518794B2
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JP
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hollow
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勝春 木下
秀樹 齊藤
滋正 梶原
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管体又は中空軸のよう
な長い中空体の内部に複数の通路を作るための手段に関
する。
【0002】
【従来の技術】管又は軸に複数の通路を形成する手段と
しては、図11に示すように軸aにガンドリルで複数の
穴bを穿設するもの、図12に示すように管体c中に
らな仕切り板dを圧入するもの(特開昭63-57805) 、図
13に示すように管体c中に凹みをもつ内管eを圧入す
るもの(特開平4-134104) 、などが知られている。
【0003】しかし、図11のものは、長尺物の場合は
加工が困難で高価になり、図12の場合は、仕切り板d
の側縁と管体cの内面の接触面を、長い中空体の全長に
わたって密封することは困難であり、図13のものは、
側面に開口fを設けて内管e内を外部に連通させる場合
に、両管c,e間の隙間f1で両管c,eが連通してし
まい、例えば内管eから白矢印のように管体c内へ流体
が洩れ易く、この洩れを防止する手段を施すのは容易で
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、中空体の内
部に、複数の通路相互間で洩れが生じない隔壁を、簡単
に設ける手段を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明における前記課題
の解決手段のうち、構造上の第1の解決手段は、請求項
1に記載したとおり、横断面に曲がり部を設けた隔壁
が、中空体内に弾発力を保持して圧入され、該隔壁の両
側縁部が中空体の内面に圧接し、該両側縁部と中空体と
が該隔壁に対して同じ側に谷部を形成し、該隔壁の両側
縁部が前記谷部側で中空体の内面にろう付けされている
ことを特徴とする。
【0006】同じく第2の手段は、請求項2に記載した
とおり、請求項1において、中空体の少なくとも端部に
長手方向の固定溝を設け、横断面に曲がり部を設けた隔
壁を中空体に挿入し、該隔壁の一部を前記固定溝に嵌合
したことを特徴とする。
【0007】また、製造方法上の第1の解決手段は、請
求項に記載したとおり、横断面に曲がり部を設けた隔
壁を、中空体内に弾発力を保持して圧入し、該隔壁の両
側縁部と中空体とが該隔壁に対して同じ側に谷部を形成
するように該両側縁部を中空体の内面に圧接させ、該谷
部を上向きにしてワイヤ状の金属ろう材を載置し、少な
くとも該谷部の近傍をろう付け温度以上に加熱すること
を特徴とする。
【0008】同じく第2の解決手段は、請求項に記載
したとおり、隔壁の両側縁部と中空体とが該隔壁に対し
て同じ側に谷部を形成するように横断面に曲がり部を設
けた該隔壁を、中空体内に挿入し、該谷部を上向きにし
てワイヤ状の金属ろう材を載置し、少なくとも該谷部の
近傍をろう付け温度以上に加熱することを特徴とする。
【0009】
【作用】前記請求項1の手段によれば、隔壁の曲がり部
で生じる弾発力及び伸縮性により、該隔壁の側縁部は、
中空体の内面に順応して圧接し、位置決めがなされ、
谷部に施されるろう付け部によって液洩れ防止され
る。
【0010】請求項2の手段によれば、中空体に設けた
固定溝によって、隔壁が中空体に対して正確な位置に固
定される。
【0011】請求項3及び4の手段によれば、隔壁と中
空体の内面で形成される谷部に載置された金属ろうは、
加熱されることにより溶けて該谷部はもとより該谷部
ら接触面に導かれ毛管作用で接触面全体に広がり、1回
の加熱で完全なろう付けがなされる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は第1実施例を示し、中空軸1は、例えば開
弁作用調節型のエンジンのロッカアーム軸として使用さ
れるもので、外径20mm,内径12mm,長さ340mm程
度の寸法をもち、隔壁2で仕切られた二つの通路には、
異なる系統の油圧が供給され、管体に穿設した流出口1
aから流出して所要部分に油圧が分配される。
【0013】隔壁2は、弾発力をもつ板材、例えば鋼板
で作られ、中空軸1と同一の長さをもち、横断面山形に
曲げられている。該隔壁2の幅は、中空軸1の内径より
少し広く作られ、該隔壁2を中空軸1内に圧入したと
き、曲がり部分の弾発力で側縁部2a,2aが中空軸1
の内面に圧接してオイルの流通が遮断され、二つの独立
した通路が形成される。
【0014】中空軸1の内面と隔壁2の側縁分2aの接
触面は、前記のとおり圧接することにより、油密を保つ
ことができるが、第2実施例以下に示すように、ろう付
け又は接着剤による接着等の接合手段を用いることがで
き、前記の圧接と接合手段を併用すれば接合時の加工が
容易になる。
【0015】図2の第2実施例は、横断面山形に曲げら
れた隔壁2の側縁部2aにろう付けを施すものであり、
この隔壁2を、図2(a)に示すように側縁部2a、2
aを下向きにして中空軸1に挿入すると、両側縁部2a
と中空軸1の内面との間に、それぞれ上向きの谷部3が
形成される。図2(b) に示すように谷部3にワイヤ状の
金属ろう材4を載置し、加熱炉や高周波加熱装置でろう
付け温度以上に加熱するか、外面からバーナで加熱する
と、ろう材4は溶けて谷部3の底の中空軸1と側縁部2
aの接触面間に流入し、毛管現象で接触面全体に広が
る。このワークを自然冷却させると、金属ろう材4は固
化して図2(c) に示すようにろう付け部4aが形成され
て完全にろう付けされ、二つの油路5,6が作られる。
【0016】次に、図3の第3実施例では、隔壁7は、
両側の側縁部7aのみが湾曲されて台形となっているも
ので、第2実施例と同様に、上向きの谷部3の底にろう
付け部4aが形成される。
【0017】図4の第4実施例は、隔壁8に鞍部8aと
その両側に二つの山形8bが形成され、該山形8bの外
側の谷部に金属ろう材が載置され、加熱、冷却されてろ
う付け部4aが形成される。この実施例においては、鞍
部8a上の油路5を下の油路6より大きくすることがで
きる。
【0018】図5の第5実施例は、隔壁9の中央の山形
9aの両側に段部9bと傾斜部9cを設けたもので、傾
斜部9cの外側がろう付け部4aとされている。この実
施例は、油路6が油路5より大きくされている。
【0019】図6の第6実施例は、中空軸1の内面に長
手方向の2本の固定10が刻設されており、ここに略
台形の隔壁11の両側縁部11aが嵌合され、その上方
の谷部がろう付けされている。この実施例においては、
両側縁11aが固定10で保持されているので結合強
度が高い。
【0020】前記各実施例のうち、図3〜6の実施例の
ように隔壁と穴面の接続点が略直径線上のあるものは、
隔壁を挿入したとき圧縮されて弾発力が生じる幅に該隔
壁を作り、隔壁を強制的に挿入又は圧入すると、保持作
用が生じて作業中に隔壁のずれがなく、またろう付け部
の隙間も小さくなる利点がある。
【0021】図の第実施例は、4本の油路を形成す
るもので、台形の2枚の隔壁15、16を図のように組
付けて、矢印Cを上向きにしたときの上向きの谷部をろ
う材17C1、17C217C3でろう付けし、次に矢印
Dを上向きにしたときの上向きの谷部をろう材17
1、17D2でろう付けする。
【0022】以上、中空軸の内部を仕切る例について説
明したが、流体輸送専用の管にも同一の条件で実施する
ことができる。
【0023】次に、図8、9は第3実施例に近似した中
空軸1を、2弁型の開弁作用調節型エンジンにおけるロ
ッカ軸19として用いた例を示し、油路5は穴20、凹
部21で外面に開放され、油路6は、穴22、凹部23
で外面に開放されている。
【0024】ロッカ軸19には、第1ロッカアーム2
4、第2ロッカアーム25、第3ロッカアーム26が回
動自在に嵌合され、第3ロッカアーム26はエンジンの
一つのシリンダの一方の吸気弁27に関連し、第2ロッ
カアーム25は同シリンダの他方の吸気弁に関連してい
る。
【0025】各ロッカアーム24〜26の一方の切替ア
ームに設けたシリンダ内にはピストン24a、26aと
ばね装置25aが設けられ、ロッカアーム25、26の
他方の切替アームに設けたシリンダ内にはピストン26
bとばね装置25bが設けられる。
【0026】カム軸28には、高さ、形の異なるカム2
9、30、31が設けられ、第1ロッカアーム24とカ
ム29、第2ロッカアーム25とカム30、第3ロッカ
アーム26とカム31が、それぞれスリッパを介して当
接している。
【0027】各ロッカアームのシリンダ内に油圧が供給
されないときは、各ピストンは図の位置にあって、第
2ロッカアーム25はカム30で揺動し、第3ロッカア
ーム26はカム31で揺動し、カム30、31の高さに
応じた小さい揺動運動を行い、小さい開弁運動が行われ
る。
【0028】次に油路5から穴20を経てピストン26
bの右側に油圧が作用すると、ピストン26bは左行し
て左部が第2ロッカアーム25のシリンダ内に進入し、
第3ロッカアーム26と第2ロッカアーム25は一体と
なり、高い方のカム30で二つの吸気弁が開閉する。
【0029】更に、油路6から穴22を経てピストン2
6aの右側に油圧が作用すると、ピストン26a、24
aはそれぞれ左行して、ピストン24aの左部は第2ロ
ッカアーム25のシリンダ内に進入し、ピスント26a
の左部は第1ロッカアーム24のシリンダ内に進入す
る。このため各ロッカアーム24、25、26は一体に
なり最大のリフトをもつカム29によって駆動され、二
つの吸気弁は最大の開閉作用を行う。
【0030】この使用態様において、ロッカ軸19の隔
壁8は、両側縁部がろう付けされているので油洩れがな
く、確実に切替え動作を行うことができる。
【0031】次に、図10に示す第実施例は、中空軸
1に対する隔壁33の位置決めを容易にしたもので、該
隔壁33の一端には図10(c)に示す一対の耳部34
を突設し、中空軸1の一端に図10(b)に示す一対の
固定溝35を設け、中空軸11内に隔壁33を他端側か
ら挿入して耳部34を固定溝35に係合させる。この係
合により隔壁33の回転方向の位置ずれは防止される。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなとおり、請求項
1及び2の手段によれば、中空体を仕切る隔壁横断
曲がり部を設けたから、該隔壁を中空体に弾発力を保
持した状態で挿入することができ、その位置決めができ
ると共に、側縁部が中空体の内面に順応して密着し、
側縁部と中空体の内面で形成される谷部がろう付けされ
ているので、少量のろう材を用いるだけで高い気密性を
もつ二つの通路が形成される。
【0033】また、請求項3及び4の手段によれば、
壁と中空体の内面で形成された谷部を上向きにして金属
ろう材を載置し、少なくとも谷部近傍を加熱することに
よって、側縁部と中空体内面の接触部に金属ろうを流動
させることができるからろう付けが容易であり、1回の
加熱でろう付けすることが可能である。また、中空体内
部へ隔壁及びろう材を挿入した後は、該中空体内部に手
を加える必要がないから、ロッカアーム軸の如く高剛性
をもたせるために中空部を小径にした中空体であって
も、単に加熱するだけで完全な固着及び密性が容易に
得られる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の斜視図
【図2】 第2実施例の工程図
【図3】 第3実施例の正面図
【図4】 第4実施例の正面図
【図5】 第5実施例の正面図
【図6】 第6実施例の正面図
【図7】 第7実施例の正面図
【図8】 完成品の使用例を示す図8の8−8線断面
【図9】 同上一部縦断面図
【図10】 (a)第8実施例の完成品、(b)(c)
単品図
【図11】 従来例の斜視図
【図12】 従来例の斜視図
【図13】 従来例の斜視図
【符号の説明】
1 中空軸 2、8、9、11、12、15、1
6 隔壁 2a 側縁部
3 谷部 4 金属ろう材 4
a ろう付け部 10 固定溝 17C13、17D12 金属ろう材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−274192(JP,A) 特開 昭51−67244(JP,A) 特開 平4−187955(JP,A) 実開 昭60−37686(JP,U) 実開 昭57−67179(JP,U) 実開 昭60−58985(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面に曲がり部を設けた隔壁が、中空
    体内に弾発力を保持して圧入され、該隔壁の両側縁部が
    中空体の内面に圧接し、該両側縁部と中空体とが該隔壁
    に対して同じ側に谷部を形成し、該隔壁の両側縁部が前
    記谷部側で中空体の内面にろう付けされていることを特
    徴とする、隔壁付き中空体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、中空体の少なくとも
    端部に長手方向の固定溝を設け、横断面に曲がり部を設
    けた隔壁を中空体に挿入し、該隔壁の一部を前記固定溝
    に嵌合したことを特徴とする、隔壁付き中空体。
  3. 【請求項3】 横断面に曲がり部を設けた隔壁を、中空
    体内に弾発力を保持して圧入し、該隔壁の両側縁部と中
    空体とが該隔壁に対して同じ側に谷部を形成するように
    該両側縁部を中空体の内面に圧接させ、該谷部を上向き
    にしてワイヤ状の金属ろう材を載置し、少なくとも該谷
    部の近傍をろう付け温度以上に加熱することを特徴とす
    る、隔壁付き中空体の製造方法。
  4. 【請求項4】 隔壁の両側縁部と中空体とが該隔壁に対
    して同じ側に谷部を形成するように横断面に曲がり部を
    設けた該隔壁を、中空体内に挿入し、該谷部を上向きに
    してワイヤ状の金属ろう材を載置し、少なくとも該谷部
    の近傍をろう付け温度以上に加熱することを特徴とす
    る、隔壁付き中空体の製造方法。
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