JP2516234B2 - 板ガラスの成形方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は軟化点近くまで加熱した板ガラスを水平状態
で成形する方法及び装置に関する。

（従来の技術） 自動車用ウインドガラスを成形する方法として、最近
ではトングによって板ガラスを吊下げて左右の成形型で
プレス成形する方法よりも、軟化点近くまで加熱された
板ガラスを搬送ローラによって水平状態のままリングモ
ールド或いは下型上まで搬送し、板ガラスを自重又は上
型との間で曲げ成形するようにしている。

ところで上述のようにリングモールド等の成形型によ
って板ガラスを成形する場合、板ガラスと成形型との位
置が正確に一致しないと、型当り不良を生じる。このた
め従来にあっては特公昭57−54455号に開示されるよう
に、板ガラスの搬送ゾーンに板ガラスの前端部が当接す
るストッパを設け、板ガラスの位置合せを行うようにし
ている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した従来例にあっては板ガラスの前端部をストッ
パに当てるようにしているため、板ガラスに歪が生じ易
く、また板ガラスの搬送速度を速くすることができな
い。更に板ガラスの前端部をストッパに当てただけでは
搬送方向に対する捩れは修正できても幅方向のずれを修
正することはできない。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本発明は、搬送ゾーンに搬送
中の板ガラスの捩れ量及び幅方向のずれ量を検出するセ
ンサーを設け、上記捩れ量及びずれ量に応じた量だけ修
正装置によって成形型或いは成形型への移載装置を回転
及び移動せしめるようにした。

（作用） 成形型を基準として板ガラスの位置を修正するのでは
なく、搬送中の板ガラスを基準として成形型の位置を修
正することで、従来のストッパ等の板ガラスの位置を強
制的に修正する部材が不要となり、歪も発生しにくい。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図は本発明に係る成形装置の平面図、第２図は第
１図のＡ方向から見た側面図であり、成形装置は加熱炉
１の下流側を搬送ゾーン２、この搬送ゾーン２の下流側
を成形ゾーン３とし、これら搬送ゾーン２及び成形ゾー
ン３には加熱炉１から搬出された板ガラスＧを水平状態
で搬送する搬送ローラ４…を所定間隔で配設している。

また、搬送ゾーン２の搬送ローラ４…間には搬送中の
板ガラスＧの搬送方向に対する捩れ量及び幅方向のずれ
量を検出するセンサー5,6,7を設けている。これらセン
サー5,6,7は多数の光ファイバーを搬送方向と直交する
方向つまり搬送される板ガラスＧの幅方向に配列してな
り、センサー5,6については搬送方向を基準として同一
の位置で、且つセンサー５については板ガラスＧの左側
前端部が通過する位置に、センサー６については板ガラ
スＧの右側前端部が通過する位置に配置し、更にセンサ
ー７については板ガラスＧの一側後端が通過する位置に
配置している。而して、板ガラスＧの搬送方向に対する
捩れ量はセンサー5,6のうちの一方が板ガラスＧの前端
部を検知した後、何秒後に他方のセンサーが板ガラスＧ
の前端部を検知したか、つまり両センサー5,6の検知時
間差によって検出し、また板ガラスＧの幅方向のずれ両
はセンサー７を構成する光ファイバーのうち、どの光フ
ァイバーまでが板ガラスＧを検知したかによって検出す
る。尚、板ガラスＧの捩れ量及びずれ量を検出する手段
については上記のものに限るものではない。

一方、成形ゾーン３には、成形型としてのリングモー
ルド８及び上型９を配設している。

そして、リングモールド８は修正装置10上に設けられ
ている。この修正装置10は、基台11上に搬送方向と直交
する向きのレール12…を設け、これらレール12…に支持
プレート13下面に設けたスライダー14…を係合し、基台
11上に固設したサーボモータ15の回転を減速機16及びカ
ップリング17を介してボールネジ18に伝達し、このボー
ルネジ18に螺合するナット19を備えた支持プレート13が
搬送方向と直交する方向に移動し得るようにしている。

また、支持プレート13の中央にはブッシュ20を介して
旋回軸21を貫通支持し、支持プレート13下面に固着した
減速機付サーボモータ22のピニオン23と旋回軸21の下端
に嵌着したギヤ24とを噛合せしめ、旋回軸21の上端部に
取付けたテーブル25が水平面内で旋回し得るようにして
いる。更に、旋回テーブル25の回転はディスクブレーキ
26にて停止せしめられるとともに、テーブル25上には保
持フレーム27を立設し、この保持フレーム27によって前
記リングモールド８を支持している。

更に成形ゾーン３に設けられた搬送ローラ４…のう
ち、リングモールド８内に位置する搬送ローラ4a…につ
いては、独自にシリンダユニット28によって昇降動する
ようになっている。

以上の如き構成の成形装置を用いた成形方法を以下に
述べる。

先ず加熱炉１内を通過することで軟化点近くまで加熱
された板ガラスＧは搬送ゾーン２の搬送ローラ４上に送
り出される。そして搬送ローラ４によって板ガラスＧは
水平状態のまま搬送されるわけであるが、この搬送途中
で前記センサー5,6,7によって搬送方向に対する板ガラ
スＧの捩れ量及び幅方向のずれ量が検出される。この検
出量は制御装置30に入力される。

そして、これら捩れ量及び幅方向のずれ量に相当する
量だけ制御装置30からの信号によりサーボモータ15,22
を駆動してリングモールド８を回転及び幅方向に移動せ
しめる。つまりリングモールド８を幅方向に移動せしめ
るにはサーボモータ15により、水平面内で回転しせめる
にはサーボモータ22を用い、リングモールド８上に搬送
されてくる板ガラスＧを位置ずれなく載置する。尚、板
ガラスＧをリングモールド８に受渡す手段は、搬送ロー
ラ４…から搬送ローラ4a…上まで板ガラスが搬送されて
きたら、搬送ローラ4aの回転を停止した後、シリンダユ
ニット28の作動で搬送ローラ4a…を下降せしめて、リン
グモールド８上に板ガラスＧを移載する。

この後、板ガラスＧを自重若しくは上型９を用いてプ
レス成形した後、次工程へ搬送する。

尚、実施例にあっては、搬送ローラから直接リングモ
ールド等の成形型へ板ガラスを搬送する例を示したが、
吸着盤等の移載装置を用いて搬送ローラ４上の板ガラス
を成形型に移載するようにしてもよい。そして、このよ
うな構成とした場合には、板ガラスの検出姿勢に合せて
吸着盤を回転及び移動させた後、板ガラスを吸着し、こ
の後吸着盤の姿勢を元に戻した後に成形型上に板ガラス
を載置するか、吸着盤で板ガラスを吸着した後、リング
モールド又は吸着盤を板ガラスの姿勢に合せて回転及び
移動せしめた後、吸着を解除してリングモールド（成形
型）上に板ガラスを載置するようにしてもよい。

（発明の効果） 以上に説明した如く本発明によれば、リングモールド
等の成形型に合せて、板ガラスの向きを修正するのでは
なく、板ガラスに合せてリングモールド等の成形型又は
移載装置を回転及び移動せしめるようにしたので、従来
の如くストッパを板ガラスに当てることがなくなり、歪
が発生せず、更に板ガラスを高速にて搬送するので成形
サイクルを短縮できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る成形装置の平面図、第２図は第１
図のＡ方向から見た側面図である。 尚、図面中、１は加熱炉、４は搬送ローラ、5,6,7はセ
ンサー、８はリングモールド、13は支持プレート、25は
テーブル、Ｇは板ガラスである。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水平状態で搬送される板ガラスを成形型上
   に移載し、板ガラスを自重又は上型との間で曲げ成形す
   るようにした成形方法において、前記水平状態での搬送
   中に搬送方向に対する板ガラスの捩れ量及び幅方向のず
   れ量を検出するとともに板ガラスを基準として、前記成
   形型又は成形型への移載装置を検出した捩れ量及びずれ
   量だけ回転及び移動せしめるようにしたことを特徴とす
   る板ガラスの成形方法。
2. 【請求項２】板ガラスを水平状態で搬送する複数の搬送
   ローラを配した搬送ゾーンの下流側に板ガラスが載置さ
   れる成形型を設けた成形装置において、前記搬送ゾーン
   には搬送方向に対する板ガラスの捩れ量及び幅方向のず
   れ量を検出するセンサーを設け、また前記成形型は修正
   装置によって前記板ガラスの捩れ量及びずれ量だけ回転
   及び移動せしめられるようにしたことを特徴とする板ガ
   ラスの成形装置。