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JP2515750B2 - 風力発電装置の制御方法 - Google Patents

風力発電装置の制御方法

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Publication number
JP2515750B2
JP2515750B2 JP61181409A JP18140986A JP2515750B2 JP 2515750 B2 JP2515750 B2 JP 2515750B2 JP 61181409 A JP61181409 A JP 61181409A JP 18140986 A JP18140986 A JP 18140986A JP 2515750 B2 JP2515750 B2 JP 2515750B2
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wind
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JP61181409A
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基明 出口
郁夫 渡辺
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05BINDEXING SCHEME RELATING TO WIND, SPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS, TO MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS COVERED BY SUBCLASSES F03B, F03D AND F03G
    • F05B2270/00Control
    • F05B2270/10Purpose of the control system
    • F05B2270/1016Purpose of the control system in variable speed operation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Landscapes

  • Wind Motors (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、風速変動に従って風車の回転数を変化させ
る可変速制御運転を主体とした風力発電装置の制御方法
に係り、特に風車のロータもしくは発電機の回転数情報
を基に、不規則な風況変化条件下に、有効エネルギー取
得を可能とするプログラム制御方法に関するものであ
る。
(従来技術) 従来から風力発電装置として、プロペラ型、ダリウス
型等の入力部を備えた各種方式のシステムが知られ、そ
の発電機としては直流発電機、同期発電機、誘導発電機
が主として採用されている。
そして、かかる従来の風力発電装置では採用する発電
機側の特性に合わせた制御方法が用いられ、風車側のブ
レードなどの特性に対しては必ずしも適した運転状態と
は言えず、設計上においても無理がかかることが多い。
その中でも、小型のものでは直流発電機を採用したも
のが多いが、各要素を組合せたに過ぎず、その構造、制
御の面で十分に満足できるものでない。
また定回転制御を前提としたものには同期発電機を採
用したものが多いが、この制御方式では風車ブレードの
効率特性を考慮することができず、また、入力エネルギ
ーの変動分を定回転制御のために無駄にしていることか
ら、大きな変動荷重を受けるとともに有効エネルギー取
得を維持できないといった問題を有する。
さらに、他の電源との系統直結を図ることを前提とし
たものには、誘導機を用いたものが多いが、この場合に
も同期機を用いた定回転制御方式と同様の問題点を有
し、また、誘導機のすべり−トルク特性はゲインが高い
ことから、風車ブレードのピッチ制御を行うとき、制御
システムの応答性が高く求められ、そのためのパワーが
大きくなり実用的でない。このため、容量の大きな誘導
発電機を採用しなければならず、それに伴なって起動風
速が高くなったり、突風(ガスト)に対する風車の保護
も困難となり、設置場所が制約されるといった難点を有
していた。
一方、風力発電装置は、風速変動に従って回転数を変
化させる可変速運転のものと、系統連系を前提としたも
のでは風車ブレードのピッチ角制御を前提とした定回転
運転のものとがある。この定回転運転によるものは、運
転モードの設定や制御のアルゴリズムも比較的、簡単で
ある反面、上述したごとく、エネルギー取得の効率が低
下し易く、さらには変動荷重が大きいこと、軌道特性が
良好でないこと、ピッチ角制御の精度、応答性が高く要
求されことなどの不具合を有する。
そこで、これら可変速と定回転のそれぞれの運転特性
を考慮した上で、上記問題点を解消でき、さらに、どの
様な発電機を採用しても、その制御アルゴリズムの基本
的な変更は必要とせず容易に対応することができ有効エ
ネルギー取得が可能な制御方法の実現が望まれていた。
(発明の目的) 本発明は、上記要請に応えるもので、風車のロータも
しくは発電機の回転数情報を基に発電機出力との所定の
関係を持つプログラム制御による可変速制御を行うこと
により、発電機の種類に左右されることなく、不規則に
変動する風況条件下において高いエネルギー取得率を維
持することができるとともに起動特性を向上することが
でき、また、変動荷重を軽減し、風車のブレード、タワ
ーなどの構造物の設計条件の変化に容易に対応すること
ができ経済性が高く、さらには風車ブレードのピッチ角
制御が容易で省パワー化が図れる風力発電装置の制御方
法を提供するものである。
(発明の構成) 本発明は、風速変動に従って風車の回転数を変化させ
る可変速制御運転を行う風力発電装置の制御方法におい
て、定格出力域に達するまでは発電機もしくは風車のロ
ータの回転数と出力とを設定された関係に保つプログラ
ム制御による定周速比もしくはそれに近い可変速運転を
行い、定格出力域に達した後は風車ブレードのピッチ角
制御により該回転数の変動を所定の許容範囲内に保つと
ともに出力を一定に保つ可変速運転を行い、上記プログ
ラム制御による回転数と出力との設定関係は、該回転数
が定格回転数に近づくまで風車のパワー係数の大きい値
を保つ定周速比制御と、該回転数が定格回転数に達する
前から風車の周速比を低下させる方向に回転数と出力と
の関係を変化させることにより該回転数の変動を所定の
許容範囲に保つ負荷制御とのアルゴリズムを有したもの
である。
この制御方法により、発電機の種類に応じて基本的な
制御アルゴリズムを変更しなくとも風車ブレードの特性
に合わせてエネルギー変換効率の高い周速比を追従する
可変速運転を行い、広い回転数範囲に亘って、変動入力
である風力エネルギーを風車のロータ、発電機などの慣
性系に蓄えることができるため、荷重変動の緩和が図
れ、低風速からの起動が可動で、さらには構造物の設計
条件、特性に容易に適合させることができる。
(実施例) 本発明の制御方法を実施した風力発電装置の基本構成
を第1図に示す。
同装置は、風力エネルギーPwを軸動力に変換する風車
1と、上記軸動力を電力に変換する動力−電力変換器
2、具体的には発電機と周波数変換器(コンバータな
ど)と、風車1の回転数に応じて予め設定された出力指
令信号により上記動力−電力変換器2の出力電力を制御
する制御装置3とにより基本的に構成される。そして、
風車1のロータ回転数を回転数センサ4にて検出し、制
御装置3において、後述することができプログラム制御
のための予め設定された回転数と出力との関係(マッ
プ)を有した出力指令発生器5により定められた出力指
令信号PREFと、出力検出回路6にて検出した動力−電力
変換器2の電気エネルギーの出力信号Pとを比較手段7
にて比較し、その差信号を制御装置3の出力として制御
増巾器8によって操作信号を動力−電力変換器2に与え
るようにしている。
特に、本発明では、詳細は後述するが、上記マップに
よるプログラム制御において可変速制御もしくはそれに
近似した制御を行うことにより、略一定の周速比での運
転もしくは風況の変化によるトルク変動を若干の範囲で
許容することにより慣性系にエネルギーを蓄わえる運転
を行なうことによりエネルギーの有効取得を図る。
以下に、その原理についてプロペラ型の風車を例に挙
げて説明する。
プロペラ型の風車による出力の基本特性は次式で表わ
される。
出力P=1/2ρv3πR2Cp …(1) ρ:空気密度、v:風速、Cp:パワー係数、R:プロペラ半
径、ω:角速度 パワー係数Cp=2P/ρπR2v3 …(2) 周速比TSR=ωR/v …(3) ここに、風車として最大の効率を得るには、パワー係
数Cpの最高値を常に保つ制御を行なえばよく、これによ
りエネルギーの最大有効取得が可能となる。
風車のパワー係数Cp特性は、風車ブレードのピッチ角
βによって、各々最大点を有し、しかも(2)(3)式
より周速比TSRの関数として表わせる。したがって、風
車ブレードのピッチ角βをある値に設定すると、パワー
係数Cpが最大となる周速比TSRは定まる。
いま、パワー係数Cpが最大となる周速比TSRをμmaxと
すると、 μmax=ωR/v v=ωR/μmax …(4) ω=2πN/60 …(5) ただしN:風車回転数(rpm) (4),(5)式より v=R/μmax・πN/30 …(6) (1),(6)式より P=1/2PπR2Cp max(RπN/30μmax) =1.8×10-3ρR5Cp max(1/μmax3)N3 …(7) この(7)式より、風車の出力Pは回転数Nの3乗に
比例することが判り、回転数Nを情報として定周速比制
御を行なえば有効エネルギー取得が可能となることが判
る。
これら風車のパワー係数Cp,出力P,トルクTの回転数
Nに対する特性を第2図に示す。同図において、横軸に
は回転数Nを、縦軸には各風速v1〜v7におけるパワー係
数Cp(実線),出力P(鎖線),トルクT(一点鎖線)
の特性曲線を示し、ラインPLは定格負荷を示す。同図か
ら判るように各風速V1〜V7におけるパワー係数Cpの最大
値(Cp max)が得られる回転数Nにおいて出力Pは最大
値を示し、したがって、Cp maxを保つことにより出力P
は曲線(イ)の特性が得られ、その時のトルクTは曲線
(ロ)の特性となる。つまり、パワー係数Cpを最大値に
保つことにより、風車の回転数Nによって出力Pのレベ
ルは一義的に定まることになる。なお、第3図におい
て、Nvcは発電を開始するカットイン風速(vc)に対応
するカットイン回転数、NvLは風車の定格出力が出る定
格風速VLに対応する定格回転数である。
次に、本方法のアルゴリズムによる風力発電装置の基
本制御チャートを第3図により説明する。同図におい
て、横軸に風速vを、縦軸に出力P、回転数Nを示し、 vs:風車が回転を始める起動風速、 vc:発電を開始するカットイン風速、 vL:風車の定格出力が得られる定格風速、 vco:風車の運転を中止しフェザリングし風のエネルギー
を逃がすカットアウト風速、 PL:風力発電装置としての定格出力、 Nvc:カットイン回転数、 NvL:定格回転数、 NN:風車の無負荷設定回転数、 NN±10%:ピッチ制御によりコントロールする制御回転
数範囲、 曲線PR:ロスパワーであって、vs〜vc間は発電機の機械
損とギヤの伝達ロス(2乗カーブ)、vc時は発電機の励
磁損が加わり、vc〜vL間は励磁損と機械損、vL〜vco
は発電機励磁損と機械損 (ほぼ一定)でなる。
この第3図において運転状況としては次の通りであ
る。
待機:風速0〜Vsの間は発電せず上記変換器を運転を
しない。
起動:風速vs〜vcの間は風のエネルギーが風車を回転
させるだけのエネルギーとして利用できる。
カットイン:風力発電装置として発電を開始可能な状
態となり発電機に励磁を与える。
負荷制御領域:風速vc〜vLの間は、上述した出力最大
制御を行なう。つまり、各風速の状況に合った回転数に
なるように発電電力の制御を行なう。これにより出力P
は風速(回転数)の3乗に比例した出力特性を示し、各
回転数での最大出力制御がなされる。
回転数Nは、vsから立上り、風車の持つ慣性モーメン
トとバランスしながら立上がり、vc以後は風速に比例し
て運転される。なお、回転数が上昇する過程と、風が弱
くなって回転数が下がってくる過程は矢印で示したよう
にヒステリシス特性を示す。
負荷固定領域:風速vL〜vcoの間は出力Pを一定に保
持し、入力される風のエネルギーをメカニカルなピッチ
コントローラで逃がし、回転数Nを一定の許容範囲に制
御する。
待機:風速vco以上の風況においては、装置能力以上
の風力エネルギーとなるため、メカニカルガバナーによ
ってフェザーにし、エネルギーを逃がし風車を安全な状
態に維持する。
なお第3図において、出力Pの実線は可変速制御時の
もの、破線は定回転制御時のものである。この両者の比
較から、可変速制御によりカットイン風速vcが下がり、
起動特性が向上することが判る。
第4図は風車と発電機によるエネルギー取得のための
制御モードの概念説明図である。同図において、Vは風
速、Rは風車のロータ半径、Ωはロータ角速度、Ω
ロータの定格回転角速度、CQは風車のトルク係数、QR
ロータトルク、QGは発電機トルク、PGは発電機出力、K
はゲイン、KPは比例ゲイン、KIは積分ゲイン、Sは微
分、Iは慣性を示し、基本的にはロータトルクQRと発電
機トルクQGの差が常に零になるように発電機が運転制御
され、ロータ角速度Ωと発電機トルクQGと掛算により発
電機出力PGが得られる。
なお、ロータトルクQRは周速比μと指令ピッチ角βと
の函数であるトルク係数CQに関連し、上記指令ピッチ角
βは、ロータ角速度Ωが定格回転角速度Ωよりも大き
くなったときにPI制御を行う伝達函数 およびピッチ変換用モータの伝達函数 を経て得られる。また、発電機トルクQGは発電機の伝達
函数 を経て得られる。
第5図は本発明方法におけるプログラム制御の基礎と
なるロータ回転数Nと出力Pとの関係マップ(アルゴリ
ズム)であり、このマップによりロータ回転数情報
(N)を基に発電機の励磁側に指令を与えその出力を制
御する。また第6図は、出力パワー係数CPと周速比TSR
の関係における本発明方法による運転軌跡を示す。
第5図において、曲線a−b間は、上述した風車の出
力パワー係数CPが最高値を保つ3乗カーブを持った定周
速比制御領域で、ここではTSR=11(一定)としてい
る。さらに定格出力を出すロータの定格回転数に達する
直前の略直線状のb−c間は回転数が一定の許容範囲に
保たれるように負荷制御を行う領域で、ここでは設計条
件で定まる定回転制御に近くなっている。なお、これら
a−b−c間では風車ブレードのピッチ角は所定値に固
定している。定格回転数に達した後の直線状のc−d間
はピッチ角制御により定格出力を保つ領域であり、定格
出力の点cでは周速比TSR=7.7でそれ以上のところでは
周速比TSRを小さくする。
また第6図において、点a,bの運転位置が上記曲線a
−b間に対応し、この点から点cまでの運転軌跡が上記
曲線b−c間に対応する負荷制御域、点cからdの運転
軌跡が上記曲線c−d間に対応する出力固定のピッチ制
御域である。そして上記制御は発電機の出力信号をみる
ことにより行うことができる。上記のごとく点b−c間
の領域では、点a−b間のように定周速比制御を行わ
ず、風車の周速比を低下させる方向に回転数と出力との
関係を変化させ、つまり、負荷の増大によって回転数上
昇が制限されながら発電機出力が高められるような制御
を行うようにしており、これにより、後述するごとく騒
音の低減、信頼性の確保、経済性の向上等の要求を満足
しつつ、風車及び発電機の機能を許容限界まで最大限に
活用することができるようにしている。
第7図は風速Vに対する出力Pと発電機回転数Nの関
係における本発明方法のアルゴリズムによる制御態様を
示す。また、第8図はロータの回転角速度Ωと固有振動
角速度の関係のキャンベル線図を示す。上述したごとく
可変速制御において定格風速に至るまでパワー係数CP
最大値を追従する定周速比制御を行えば、エネルギー取
得効率が最大限に高められるが、定格出力に対応する回
転数がかなり高くなるために、騒音が増大するととも
に、ブレードの遠心力及びブレード支持部分に加わる力
が増大し、かつ共振が生じることなどにより信頼性や耐
久性が損なわれ易くなる。従って、実際の設計上の問題
として、タワーと風車ロータのブレードとの共振さらに
はロータ周速の限度などの制約により、許容される回転
数の上限が決められ、つまり、騒音低減、信頼性の確保
等の要求を満足するように回転数許容限界(ブレードが
所定ピッチ角となっている状態での回転数許容限界)が
定められる。そして、これらの制約、要求から回転数許
容限界がある程度低く設定されている場合に、定周速比
制御によるだけでは回転数許容限界に達しても発電機出
力は定格出力まで上昇しない。
タワー、ブレード側の構造強化により、問題となる固
有振動数を引き下げることも可能であるが、その場合に
は、当然、重量の増加、コスト高につながる。
そこで、本発明では上述したアルゴリズムにより第7
図に示すごとく発電機回転数Nが所定回転数N1に達する
までは定周速比制御を行い、風速変動に従って回転数を
可変させながら回転数、出力とも増大していき、所定回
転数N1に達した後は発電機側で負荷制御(曲線P1)を行
い、つまり風車の周速比を低下させる方向に回転数と出
力との関係を変化させることにより回転数上昇を制限し
つつ発電機出力を高めるような制御を行っている。この
ため、上記のように種々の制約、要求から回転数許容限
界がある程度低く設定されていても、負荷制御によって
発電機出力を定格出力まで高めることができる。さら
に、定格出力になった後は、負荷固定で所定の許容範囲
内でピッチ角制御している。ここに、上記の所定回転数
N1は、ブレードの理論特性より決定される定周速比制御
する場合の最適回転数N2よりも小さい値としている。な
お、曲線P2は定格出力まで定周速比制御した場合の出力
である。
また、第8図において、ΩRはブレードの理論特性
に基く定格回転角速度であり、角速度がΩ −10%と
Ω +20%の範囲(斜線部)をみるとロータ1次固有
振動モード(フラッピング)に回転数の2P(2P±20%)
が合うため起振力が発生し、好ましくないが、Ω
りも低いΩのΩ−10%とΩ+20%の範囲では、ロ
ータ1次固有振動モードは回転数の2P(2P±20%)を僅
かながらクリアーしている。また、この範囲ではタワー
1次固有振動モードも回転数の1P(±20%は図示してい
ない)をクリアーしている。
このように運転回転数を落とすことで、ロータ、タワ
ーともに共振領域から外すことが可能となり、設計条件
が緩和され、構造体の重量、コストの問題を解決するこ
とができる。
なお、この問題においても、定周速比運転との取得発
電量の差は第7図の斜線部で示すごとく極めて僅かであ
り、効率の低下は問題にならない。
次に、上記アルゴリズムを実施するための風車側のピ
ッチ変換システムの制御フローチャートと、発電機側の
制御システムのフローチャートをそれぞれ第9図、第10
図に示す。この実施例では定格出力PGを890Kwとし、こ
れに達するまでは風車側ではピッチ角βを4゜に固定
し、発電機側では負荷制御である界磁制御Iを行い、定
格出力PGに達した後は、風車側では定格回転数近傍での
可変速制御であるピッチ角のPID制御を行い、発電機側
では負荷(出力)固定の界磁制御IIを行っている。この
制御により、上述した第6図に示すごとき運転軌跡が得
られる。
第11図、第12図は、上記制御方法が実施される風力発
電装置の具体構成例を示し、いずれも上述した第1図の
基本構成と対応する部分には同符号を付している。
第11図では動力−電力変換器2として同期発電機SGと
順変換のサイリスタインバータ21を用い、制御装置3に
おける出力指令発生器5は本発明のアルゴリズムを実行
するためのロータの回転数Wrと出力指令Prの変換回路で
ある。また出力検出回路6としては電流、電圧検出回路
を有し、制御増巾器8としては励磁装置を用いている。
そしてこの具体例ではインバータ21の出力に逆変換のコ
ンバータ22が設けられ変圧器23を介して系統連系の出力
を得ている。この系統連系のために、ゲート回路24にて
上記出力指令発生器5の出力信号と変圧器23の出力との
同期をとりつつ、インバータ22を位相制御している。な
お、同期発電機SGとコンバータ21の代りに直流発電機を
用いてもよい。
第12図では動力−電力変換器2として誘導機IGと、ト
ランジスタインバータ21を用いたものを示し、他の構成
は第11図と同様である。なお、25はコンデンサまたはバ
ッテリである。
このように直流機、同期機、あるいは誘導機のいずれ
を用いても、上記変換回路におけるマップのパターンを
僅かに変更するだけで上述したような可変速制御を主体
とした運転が可能となる。
次に、本発明方法による運転の主体である可変速制御
におけるエネルギー取得量について定回転制御の場合と
比較しながら説明する。
いま、ロータ系軸回り慣性モーメントをI、ロータ角
速度をΩ、ロータトルクをQR、発電機負荷トルクをQG
すると、 が成立する。但し、CQ:トルク係数 μ:周速比 β:ピッチ角 P(Ω):発電機負荷…第5図の特性 V:風速 R:ロータ半径 ρ:空気密度 ピッチ制御として、回転数検出によるPI制御を行い、 β=β+KP(Ω−Ω)+KI∫(Ω−Ω)dt が成立する。但し、 β:ピッチ角 βO:初期ピッチ角(定格ピッチ) ΩR:ロータ定格角速度 KP:比例ゲイン KI:積分ゲイン ここに、シミュレーションによる可変速制御のゲイン
は、運転風速範囲でのガストファクター(GF)1.5に対
する応答時、回転数を定格±20%まで許容するという条
件より、 KP=9.0 KI=0.7 とし、一方、定回転制御のゲインは、仮定された風況に
対して回転数を定格±0.5%まで許容するという条件よ
り KP=500 KI=0.7 とする。いま、風況が定格風速13mで振巾±4m/s、周期1
0secの変動変速とすると、 風速V=13+4sin 2πt/10(m/s) であって、ロータ回転数、ロータ出力、および取得発電
量のシミュレーション結果は、それぞれ第13図、第14図
および第15図に示すごとくなる。第15図より、可変速運
転の場合、100sec間において、約15%だけ定回転運転を
した場合よりも取得発電量が増加することが判る。
次に可変速制御における負荷トルクの変動について考
察する。上述のシミュレーションによる可変速制御と定
回転制御との出力の違いを、第16図、第17図に示す。各
々の風速条件は、 第16図ではV=13+4sin 2πt/10(m/s) 第17図ではV=9+4sin 2πt/10(m/s) である。出力変動レベルに着目すると、第16図の場合、
可変速制御では定回転制御の約1/2、同じく第17図では
約1/3に減少している。ここに、回転数の変動は上記出
力変動のレベルに比べて無視できるとすれば、出力変動
レベルをそのまま伝達系が受ける負荷トルク変動レベル
と考えることができる。したがって、同じ入力(風速)
変動に対し、可変速制御では定回転制御の場合に比して
荷重条件として数分の1に軽減されていることが判る。
上記シミュレーションでは周期的な入力(風速)変動を
仮定したが、タワーシャドウ、ウィンドシア(高さ方向
の風況分布)等の影響に関しても同様の荷重条件の緩和
が可能となる。
次に、ピッチ角制御のために必要なパワーの可変速制
御の定回転制御の比較を行う。上述したごとく、可変速
制御の場合のゲインKP=9.0、定回転制御の場合のゲイ
ンをKP=500とし、ピッチ制御時の反抗トルク(空気
力、遠心力等による)を同一と考えると、要求パワー
は、ピッチ角回転速度に比例するから、ほぼKPの比と考
えられる。したがって定回転制御の場合に比較して可変
速制御における要求パワーは約50分の1でよいと判断さ
れる。つまり、ピッチ角制御精度を緩和してそれを動か
す速度を緩慢としたことによりパワーロスを少なくでき
る。
(発明の効果) 以上のように本発明の制御方法によれば、定格出力域
に達するまでは発電機もしくは風車のロータの回転数と
出力との所定の関係を持つプログラム制御により定周速
比もしくはそれに近い可変速運転を行い、上記回転数と
出力との所定の関係を、風車パワー係数が大きい値を保
つ定周速比制御と、該回転数の変動を所定許容範囲に保
つ負荷制御とのアルゴリズムの組合せとしたことによ
り、不規則に変動する風況条件下で発電機の種類にかか
わらず、容易に有効エネルギー取得の可能な風力発電運
転を行うことができ、また、変動荷重の軽減が図れると
ともに風車ブレード、タワー等の構造物の設計条件の変
化に対応して自由にロータ回転数、出力特性を適切に設
定でき、低コスト、軽量化が図れ経済性が高く、さらに
は、起動風速の低減化つまり起動特性の向上が図れ有効
エネルギー取得に寄与し、さらに、また、風車ブレード
のピッチ角制御が緩慢でよいことによりその制御の容易
化、必要なパワーの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の制御方法が適用される風力発電装置の
基本構成図、第2図は風車の回転数に対するパワー係
数、出力、トルクの特性図、第3図は同装置の制御を説
明するための制御チャート図、第4図は本発明方法によ
る制御モードの概念説明図、第5図は本発明方法による
プログラム制御の関係図、第6図は本発明方法による運
転軌跡を示す説明図、第7図は本発明方法による制御態
様の説明図、第8図は風車の回転角速度と固有振動角速
度の関係図、第9図はピッチ変換システム制御のフロー
チャート、第10図は発電機制御システムのフローチャー
ト、第11図、第12図はそれぞれ本発明が適用される風力
発電装置の具体例を示す構成図、第13図〜第17図はそれ
ぞれ可変速制御と定回転制御の作用効果を説明するため
のシミュレーション結果の特性図である。 1……風車、2……動力−電力変換器、3……制御装
置、4……回転数センサ、5……出力指令発生器、6…
…出力検出回路、7……比較手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】風速変動に従って風車の回転数を変化させ
    る可変速制御運転を行う風力発電装置の制御方法におい
    て、定格出力域に達するまでは発電機もしくは風車のロ
    ータの回転数と出力とを設定された関係に保つプログラ
    ム制御による定周速比もしくはそれに近い可変速運動を
    行い、定格出力域に達した後は風車ブレードのピッチ角
    制御により該回転数の変動を所定の許容範囲内に保つと
    ともに出力を一定に保つ可変速運転を行い、上記プログ
    ラム制御による回転数と出力との設定関係は、該回転数
    が定格回転数に近づくまで風車のパワー係数の大きい値
    を保つ定周速比制御と、該回転数が定格回転数に達する
    前から風車の周速比を低下させる方向に回転数と出力と
    の関係を変化させることにより該回転数の変動を所定の
    許容範囲に保つ負荷制御とのアルゴリズムを有したこと
    を特徴とする風力発電装置の制御方法。
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