JP2509748Y2 - 移植機における植付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、移植機における植付装置、詳しくは上方か
ら落下する苗を受取って植付動作する開閉自在な移植爪
を備えた移植機における植付装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種移植機の植付装置として、例えば実開昭
62-7808号公報に記載されているように、走行機体の後
部に平行４連リンク機構を片持ち状として上下揺動可能
に支持すると共に、このリンク機構の後方遊端側に、上
方から落下される苗を受取る開閉可能な移植爪を取付
け、前記リンク機構の揺動に伴い前記移植爪を上下方向
に植付動作させながら、該移植爪で苗を圃場に移植する
ようにしたものが知られている。

（考案が解決しようとする課題） 所が、以上の植付装置では、前記平行４連リンク機構
の揺動に伴い前記移植爪が上下方向の植付軌跡を描きな
がら苗の移植を行うため、この移植爪が圃場の土中に突
入している間、つまり、移植爪が土中への苗の移植作業
を開始するときから上方側に後退するまでの間に、該移
植爪に機体走行に伴い走行荷重が付与され、この走行荷
重により前記移植爪が抵抗を受けて円滑な植付動作を行
い難いのであり、しかも、以上のように平行４連リンク
機構を採用する場合には、ガタなどによる拗れが発生し
易くて、前記移植爪の正確な植付動作が行い難い問題も
あった。

そこで、本出願人は、以前に、植付伝動ケースの一側
に駆動軸を突出させ、該駆動軸にクランクを固定すると
共に、このクランクの遊端側に支持部材を介して移植爪
を支持して、前記駆動軸の駆動に伴い前記クランクを回
転させることにより、前記支持部材を介して前記移植爪
が上下姿勢を維持しながら真円状の植付軌跡を描くよう
に構成して、この移植爪の土中への植付動作を円滑に行
うようにした植付装置を提案した。（実願平2-5393号） 所が、以上のように、前記移植爪の植付軌跡を真円状
とする場合に、前記クランクの長さを短くして、前記植
付軌跡の径を小さく設定すると、草丈の高い苗を移植す
るときに、該苗に前記移植爪が干渉したりして苗の確実
な移植ができずに適用範囲が限定される問題があり、一
方、逆に、前記移植爪の植付軌跡を大きく設定すると、
該移植爪が土中に突入してから後退するまでの間隔が長
くなって、苗の引きずりが大きくなり、また、前記移植
爪による植付孔の孔跡も大きくなって、苗の植付姿勢が
乱れたりするなどの問題が発生したのである。

本考案は以上のような問題に鑑みてなしたもので、そ
の目的は、移植爪を上下に長い楕円軌跡を描いて移動さ
せることにより移植爪の植付動作を円滑かつ正確に行う
ことがてきると共に、草丈の大小に拘りなく如何なる苗
でも確実に移植できながら、前記移植爪による苗の引き
ずりを少なく、かつ、植付孔の孔跡を小さくして、苗の
植付姿勢を良好にでき、しかも、前記移植爪を楕円状に
移動させるに際し、一つのクランクアームとガイド溝と
の組合せ構造を採用することにより、ガタ等による拗れ
が生じ難く、かつ、二つのクランクアームを用いる場合
に比べて構造も簡単にできる植付装置を提供することに
ある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案は、上方から落下す
る苗を受取って植付動作する開閉自在の移植爪（11）を
備えた移植機における植付装置において、植付伝動ケー
ス（13）の一側にロータケース（15）の基部を駆動回転
自由に支持し、該ロータケース（15）の回転軸心上に太
陽ギヤ（16）を配設して前記植付伝動ケース（13）側に
固設すると共に、前記ロータケース（15）に、前記太陽
ギヤ（16）に噛合う遊星ギヤ（18）と、この遊星ギヤ
（18）に噛合う伝動ギヤ（21）をもつクランクアーム
（22）とを回転可能に支持して、該クランクアーム（2
2）の遊端側に前記移植爪（11）を支持した植付アーム
（23）を枢着する一方、上下方向に延びるガイド溝（26
a）をもったガイド体（26）を設けて、このガイド体（2
6）の前記ガイド溝（26a）に、前記植付アーム（23）の
前記クランクアーム（22）への枢着部に対し上方に離反
した上方部を、摺動可能で、かつ、前記ガイド体（26）
に対し揺動可能に係合させ、前記移植爪（11）の植付軌
跡を楕円状としたことを特徴とするものである。

（作用） 前記植付伝動ケース（13）からの動力伝達により前記
ロータケース（15）が回転駆動され、このロータケース
（15）の回転駆動に伴い前記太陽ギヤ（16）に噛合う遊
星ギヤ（18）と、該遊星ギヤ（18）に噛合う伝動ギヤ
（21）とを介して、前記クランクアーム（22）が前記ロ
ータケース（15）と逆方向に回転され、これに伴い前記
クランクアーム（22）に枢着された植付アーム（23）を
介して前記移植爪（11）が上下動されるのであり、一方
前記植付アーム（23）は、前記クランクアーム（22）の
回転に伴って、該クランクアーム（22）への枢着部に対
して上方部が、前記ガイド体（26）のガイド溝（26a）
に沿って上下摺動しながら揺動されるのであり、従っ
て、前記移植爪（11）は、前記植付アーム（23）を介し
て水平姿勢を保持した状態で上下方向に長い楕円状の植
付軌跡（Ｋ）を描き、斯かる植付軌跡（Ｋ）でもって前
記移植爪（11）による苗の移植が行われる。即ち、前記
ロータケース（15）に伴う前記クランクアーム（22）の
回転時に、前記植付アーム（23）を前記ガイド溝（26
a）で規制して上下方向に摺動案内させながら揺動さ
せ、前記植付アーム（23）を介して前記移植爪（11）の
植付軌跡を上下方向に長い楕円状とすることにより、該
移植爪（11）に機体走行に伴い付与される抵抗が少なく
なって苗の植付動作が円滑かつ正確に行われ、また、前
記移植爪（11）による苗の引きずりが少なくなり、か
つ、植付孔の孔跡も小さくなって、苗の植付姿勢が良好
に保持されるのである。

（実施例） 第５図は移植機の一例として歩行型のものを示してお
り、同図中、（１）は走行機体であって、その前方上部
にエンジン（２）を搭載し、該エンジン（２）の後部側
にミッションケース（３）を取付けると共に、このミッ
ションケース（３）の車幅方向両側に後下方に向けて延
びる一対の伝動チエンケース（４）を上下揺動可能に支
持して、該各伝動チエンケース（４）の遊端側にそれぞ
れ駆動車輪（５）を支持する一方、前記機体（１）の前
方下部に畝（Ａ）の上面に沿って走行する鎮圧輪（６）
を支持し、かつ、該鎮圧輪（６）の車幅方向両側に前記
畝（Ａ）の側面に沿って転動するガイド輪（6a）を支持
させており、また、前記機体（１）の後方側には移植部
（７）を配設している。尚、同図中、（1a）は前記機体
（１）の後端部から後上方に向けて延設させた操縦ハン
ドルである。

そして、前記鎮圧輪（６）を畝（Ａ）の上面側に、か
つ、前記各ガイド輪（6a）を畝（Ａ）の両側面にそれぞ
れ位置させ、また、前記各駆動車輪（５）を畝（Ａ）間
の溝に位置させて、この各駆動車輪（５）を前記エンジ
ン（２）からミッションケース（３）及び伝動チエンケ
ース（４）を介して伝達される回転動力で駆動させるこ
とにより、前記機体（１）を前記各ガイド輪（6a）で案
内させながら前記畝（Ａ）に沿って直進走行させ、斯か
る状態で前記移植部（７）で畝（Ａ）上にポット苗を列
状に植付けるようにしている。

また、前記移植部（７）は、多数のポット苗が縦横方
向に収容された苗トレイ（Ｔ）を縦搬送する搬送機構
（81）をもつ苗載台（８）と、前記搬送機構（81）で搬
送される苗トレイ（Ｔ）からポット苗を１個づつ取出し
て落下させる苗取出部（９）と、この苗取出部（９）か
ら落下されるポット苗を受取って畝（Ａ）に移植する開
閉可能な移植爪（11）を備えた植付装置（10）とから構
成している。更に、前記苗取出部（９）は、苗取出爪
（91）と、前記苗載台（８）を前記苗トレイ（Ｔ）のポ
ット苗収容ピッチ間隔で横移動させながら、その搬送終
端側において前記苗取出爪（91）で前記苗トレイ（Ｔ）
からポット苗を取出して保持する苗取出保持機構（92）
と、この苗取出保持機構（92）を苗取出行程において直
線状に往復動させ、かつ、苗放出行程で下方側へと揺動
させる爪動作機構（93）とを備え、これら各機構（92）
（93）の連動動作により前記苗取出爪（91）で前記苗ト
レイ（Ｔ）からポット苗を取出し、その取出行程と放出
行程との間では前記苗取出爪（91）でポット苗を保持
し、また、前記搬送機構（81）を回避した苗放出位置で
前記苗取出爪（91）からポット苗を下方側に落下放出さ
せて、前記植付装置（10）の移植爪（11）に供給し、以
後該移植爪（11）で前記畝（Ａ）上に移植するようにし
ている。

しかして、以上の植付装置（10）を、第１図〜第４図
のような構成としたのである。尚、第１図は植付装置
（10）の側面図、第２図はロータケースの部分を切欠い
た断面図、第３図は植付装置（10）を理解し易いように
展開して破断した平断面図、第４図も同じく展開して破
断した背面図である。

即ち、第１図〜第３図で明らかなように、前記ミッシ
ョンケース（３）の後端側に、機体外部側に向けて突出
する駆動軸（12）を支持し、この駆動軸（12）の周りに
後下方に延びる植付伝動ケース（13）を支持すると共
に、該伝動ケース（13）の後端側に機体両外側に向けて
突出する伝動軸（14）を支持して、この伝動軸（14）上
で前記伝動ケース（13）内に設けた伝動ギヤ（14a）
と、前記伝動ケース（13）の内部で前記駆動軸（12）に
設けた駆動ギヤ（12a）とをチエン（12b）を介して連動
させ、前記エンジン（２）から前記ミッションケース
（３）の内部を経て前記駆動軸（12）に伝達される回転
動力で前記伝動軸（14）を回転させるようになす一方、
前記伝動ケース（13）には、連結筒（17）を固定して、
この連結筒（17）にロータケース（15）を回転自由に支
持し、前記伝動軸（14）の一端側を延長して、前記連結
筒（17）を挿通した上で、その延長軸端部にロータケー
ス（15）を固定して、該ロータケース（15）が前記伝動
軸（14）と一体に回転するように成すのである。

また、第２図〜第４図で明らかなように、前記ロータ
ケース（15）の内部には、伝動軸（14）の回転軸心周り
に太陽ギヤ（16）を配設して、この太陽ギヤ（16）を連
結筒（17）を介して前記伝動ケース（13）側に一体状に
固定すると共に、前記ロータケース（15）内に前記太陽
ギヤ（16）に常時噛合う遊星ギヤ（18）を支持軸（19）
を介して支持させる一方、前記ロータケース（15）の遊
端側に機体幅方向中心側に向けて突出する支持軸（20）
を回転可能に支持し、この支持軸（20）上には前記ロー
タケース（15）に内装されて、前記遊星ギヤ（18）に常
時噛合う伝動ギヤ（21）を設け、かつ、前記支持軸（2
0）の突出軸部にはクランクアーム（22）を取付ける。

更に、前記クランクアーム（22）の先端側には、第1,
2図に示した概略三角形状をなす植付アーム（23）を軸
杆（24）を介して揺動可能に枢着し、この植付アーム
（23）の後方側に連結部材（23a）を介して前記移植爪
（11）を支持させる。また、前記ミッションケース
（３）の後部側で前記伝動ケース（12）とは反対側に取
付板（25）を支持して、該取付板（25）に上下方向に延
びるガイド溝（26a）をもったガイド体（26）を固定す
ると共に、前記植付アーム（23）における前記軸杆（2
4）の上方先端部に案内軸（27）を介して案内ローラ（2
7a）を設ける一方、この案内ローラ（27a）を前記ガイ
ド体（26）のガイド溝（26a）に揺動及び揺動可能に支
持させて、前記伝動軸（14）の回転に伴い前記ロータケ
ース（15）とクランクアーム（22）とをそれぞれ回転さ
せ、このとき前記案内軸（27）を介して前記植付アーム
（23）を前記ガイド溝（26a）に沿って上下案内させる
ことにより、第２図仮想線で示したように、前記移植爪
（11）を楕円形状の植付軌跡（Ｋ）で上下動させるよう
になすのである。尚、第1,2図において（26b）は前記案
内軸（27）のガイド溝である。

次に、以上の構成とした植付装置（10）の作用につい
て説明する。

先ず、前記ミッションケース（３）側から伝達される
回転動力により、前記伝動軸（14）が第２図の矢印
（イ）方向に回転されて、この伝動軸（14）に結合され
た前記ロータケース（15）が、前記伝動軸（14）の回転
方向と同一の矢印（ロ）方向に回転され、これに伴い前
記ロータケース（15）内に設けた遊星ギヤ（18）が、前
記伝動ケース（13）側に固定した前記太陽ギヤ（16）の
周りを矢印（ハ）方向に回転されて、前記遊星ギヤ（1
8）の回転により前記伝動ギヤ（21）が、前記遊星ギヤ
（18）とは反対の矢印（ニ）方向に回転され、前記伝動
ギヤ（21）に連結した前記クランクアーム（22）が同一
の矢印（ホ）方向へと回転される。また、前記クランク
アーム（22）の回転に伴い、該クランクアーム（22）に
軸杆（24）を介して連結した前記植付アーム（23）が、
前記案内軸（27）を介し前記ガイド体（26）のガイド溝
（26a）に沿って上下方向に摺動され、かつ、前記案内
軸（27）を中心に機体前後方向へと揺動されるため、前
記植付アーム（23）に支持された前記移植爪（11）が、
第２図実線で示したポット苗の受取位置から、機体進行
方向前方側に移動しながら、同図仮想線で示したポット
苗の畝（Ａ）への移植位置へと下動し、又、この下動位
置から再度上動位置に戻るように、上下方向に長い楕円
形状の植付軌跡（Ｋ）を描くのであり、斯かる植付軌跡
（Ｋ）に沿って前記移植爪（11）が水平姿勢を保持した
状態で上下動されるのである。

以上のように、上下方向に長い楕円形成の植付軌跡で
もって前記移植爪（11）によるポット苗の移植を行うこ
とにより、該移植爪（11）によるポット苗の畝（Ａ）へ
の植付動作が円滑かつ正確に行われ、また、前記移植爪
（11）によるポット苗の引きずりが少なく、かつ、該移
植爪（11）で畝（Ａ）に形成される植付孔の孔跡も小さ
くなり、ポット苗の植付姿勢を良好にでき、しかも、前
記移植爪（11）を前記した長い楕円状に上下移動させる
に際し、一つのクランクアーム（22）とガイド溝（26
a）との組合せ構造を採用することにより、ガタ等によ
る拗れが生じ難く、かつ、二つのクランクアームを用い
て移植爪（11）を上下に移動させる場合に比べて、構造
も簡単にできるのである。

また、前記クランクアーム（22）と植付アーム（23）
とを連結する前記軸杆（24）に対し、前記植付アーム
（23）を前記ガイド体（26）側に支持させる案内軸（2
7）の取付位置を上下任意に調整したり、ガイド溝（26
a）のけしを変化させたりすることにより、前記植付軌
跡（Ｋ）の前後振幅を自由に調整することができる。

前記移植爪（11）は、第２図及び第３図で示したよう
に、半円錐筒形状とされた２つの分割部材（11A）（11
B）から成り、この各分割部材（11A）（11B）の上部側
に、それぞれ前記植付アーム（23）の連結部材（23a）
側に揺動可能に支持される支持杆（11a）（11b）を取付
け、該各支持杆（11a）（11b）にそれぞれ２つの揺動板
（11c）（11d）を支持すると共に、この各揺動板（11
c）（11d）間下部にスプリング（11e）を設けて、該ス
プリング（11e）を介して前記各分割部材（11A）（11
B）を互いに対接させることにより、前記移植爪（11）
を閉鎖状態となし、かつ、前記揺動板（11c）（11d）間
上部にピン（11g）と係合溝（11h）とによる開閉連動機
構を設け、また、前記植付アーム（23）の下部側に、前
記軸杆（24）を回転可能に支持するボス部（23b）をも
つ筒状支持体（23c）を設けて、この支持体（23c）に前
記一方側揺動板（11d）に係止された操作ロッド（11f）
を進退可能に支持する一方、前記ボス部（23b）の内部
で前記軸杆（24）上に、前記操作ロッド（11f）を進退
動作させるカム体（24a）を一体回転可能に設けて、前
記クランクアーム（22）が一回転するとき、前記カム体
（24a）で操作ロッド（11f）を往復動させて、前記揺動
板（11c）（11d）を介し前記各分割部材（11A）（11B）
の開閉動作を行うようになし、つまり、前記移植爪（1
1）がポット苗の畝（Ａ）への移植位置へと下動された
とき、前記操作ロッド（11f）を押動させて前記各分割
部材（11A）（11B）を開放させ、該各分割部材（11A）
（11B）内のポット苗を畝（Ａ）に移植し、移植後には
前記操作ロッド（11f）の後退に伴い前記各分割部材（1
1A）（11B）を閉鎖するようにするのである。

また、前記伝動ケース（13）の車幅方向側部に側板
（28）を取付け、該側板（28）の前部側に車幅方向に向
けて横板（29）を固定すると共に、この横板（29）の他
方側に前記ガイド体（26）に結合される連結板（30）を
取付け、これら各板（28）（29）（30）を介して前記伝
動ケース（13）にガイド体（26）の下部側を取付ける一
方、前記横板（29）の前部側に車幅方向に延びる山形状
の支持杆（31）を固定して、該支持杆（31）の車幅方向
両側に、それぞれ揺動アーム（32）を介して、前記移植
爪（11）による畝（Ａ）へのポット苗の植付深さを一定
に調整し、かつ、移植ポット苗に覆土する一対の培土ロ
ーラ（33）を支持している。そして、前記伝動ケース
（13）と前記ガイド体（26）の取付板（25）とを、それ
ぞれ前記ミッションケース（３）の後部側で同一軸心上
に所定範囲にわたって上下スイング可能に支持し、つま
り、前記各板（28）（29）（30）を介して固定された植
付装置（10）の全体を前記ミッションケース（３）の後
部側軸心を中心に上下スイング可能に支持して、前記培
土ローラ（33）が畝（Ａ）の高さ変動に伴い上下動され
て、前記移植爪（11）による植付深さを調整するとき、
該移植爪（11）の前記植付軌跡（Ｋ）が変動したりする
のを阻止するのである。即ち、第３図で明らかなよう
に、前記伝動ケース（13）における駆動軸（12）の前部
側に、ほぼ上下方向に延びる長孔（13a）を設けて、該
長孔（13a）から前記ミッションケース（３）側に軸杆
（34）を挿通すると共に、前記ミッションケース（３）
における前記駆動軸（12）と同一軸心線上にボス部（3
a）を突出させ、このボス部（3a）に前記取付板（25）
を挿嵌支持させて、前記培土ローラ（33）の畝（Ａ）上
での転動時で、該畝（Ａ）の高さが変動したような場合
に、前記植付装置（10）の全体を前記ボス部（3a）及び
伝動軸（12）を中心に前記長孔（13a）の範囲で上下方
向にスイングさせることにより、前記移植爪（11）の植
付軌跡（Ｋ）を変動させることなく、該移植爪（11）の
植付深さを調節できるようにし、前記植付軌跡（Ｋ）に
よりポット苗を畝（Ａ）に一定深さで移植できるように
している。

また、前記培土ローラ（33）は、前記移植爪（11）に
よるポット苗の畝（Ａ）への植付動作後に所定のタイミ
ングで畝（Ａ）上を押圧して、該畝（Ａ）上に移植され
たポット苗に覆土するようにしており、更に、前記移植
爪（11）の前部側には、該移植爪（11）によるポット苗
の植付動作直前に所定のタイミングで畝（Ａ）上に敷設
されたマルチフィルム上に移植孔を穿孔するマルチカッ
タ（35）を配設している。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案にかかる移植機の植付装
置では、植付伝動ケース（13）の一側にロータケース
（15）の基部を駆動回転自由に支持し、このロータケー
ス（15）の回転軸心上に太陽ギヤ（16）を配設して、前
記植付伝動ケース（13）に固設すると共に、前記ロータ
ケース（13）に、前記太陽ギヤ（16）に噛合う遊星ギヤ
（18）と、この遊星ギヤ（18）に噛合う伝動ギヤ（21）
をもつクランクアーム（22）とを回転可能に支持して、
該クランクアーム（22）の遊端側に前記移植爪（11）を
支持する植付アーム（23）を枢着する一方、上下方向に
延びるガイド溝（26a）をもつガイド体（26）を設け
て、このガイド体（26）の前記ガイド溝（26a）に、前
記植付アーム（23）の前記クランクアーム（22）への枢
着部に対し上方に離反した上方部を、摺動可能で、か
つ、前記ガイド体（26）に対し揺動可能に係合させ、前
記移植爪（11）の植付軌跡を上下方向に長い楕円状とし
たから、この移植爪（11）の植付動作を円滑かつ正確に
行うことができると共に、草丈の大小に拘りなく如何な
る苗でも確実に移植できながら、前記移植爪（10）によ
る苗の引きずりを少なく、かつ、該移植爪（11）による
植付孔の孔跡も小さくできて、苗の植付姿勢を良好にで
き、しかも、前記移植爪を楕円状に移動させるに際し、
一つのクランクアームとガイド溝との組合せ構造を採用
することにより、ガタ等による拗れが生じ難く、かつ、
二つのクランクアームを用いる場合に比べて構造も簡単
にできるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる植付装置の側面図、第２図は同
要部の縦断面図、第３図は同植付装置を理解し易いよう
に展開して破断した平断面図、第４図も同じく展開して
破断した背面図、第５図は同植付装置を備えた移植機の
一部切欠側面図である。 （11）……移植爪 （13）……移植伝動ケース （15）……ロータケース （16）……太陽ギヤ （18）……遊星ギヤ （21）……伝動ギヤ （22）……クランクアーム （23）……植付アーム （26）……ガイド体 （26a）……ガイド溝

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上方から落下する苗を受取って植付動作す
   る開閉自在の移植爪（11）を備えた移植機における植付
   装置において、植付伝動ケース（13）の一側にロータケ
   ース（15）の基部を駆動回転自由に支持し、このロータ
   ケース（15）の回転軸心上に太陽ギヤ（16）を配設して
   前記植付伝動ケース（13）に固設すると共に、前記ロー
   タケース（15）に、前記太陽ギヤ（16）に噛合う遊星ギ
   ヤ（18）と、この遊星ギヤ（18）に噛合う伝動ギヤ（2
   1）をもつクランクアーム（22）とを回転可能に支持し
   て、該クランクアーム（22）の遊端側に前記移植爪（1
   1）を支持した植付アーム（23）を枢着する一方、上下
   方向に延びるガイド溝（26a）をもったガイド体（26）
   を設けて、該ガイド体（26）の前記ガイド溝（26a）
   に、前記植付アーム（23）の前記クランクアーム（22）
   への枢着部に対し上方に離反した上方部を、摺動可能
   で、かつ、前記ガイド体（26）に対し揺動可能に係合さ
   せ、前記移植爪（11）の植付軌跡を楕円状としたことを
   特徴とする移植機における植付装置。