JP2505447Y2 - 印鑑付筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、無数の連続気孔を有する多孔性印材よりな
る印字体を使用した印鑑を搭載した所謂印鑑付筆記具の
改良に関する。

（従来の技術） 従来、インクを吸蔵できるようにスポンジゴム等の無
数の連続気孔を有した多孔性印材より形成された印字体
を使用して、使用のたびに朱肉等に付着させる必要のな
い印鑑を取付けた印鑑付筆記具が知られている。しかし
ながら、この種の印鑑付筆記具は印字体が露出している
と、印字面にキズをつけたり、ゴミが付着したり、イン
クが乾いてしまう等の問題が発生する為に、キャップで
印字体を被覆するようになっており、その為にキャップ
を着脱するのが面倒なだけでなく、キャップをなくして
しまう等の問題や着脱に際して誤って手を汚すなどの問
題がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような問題を解決した便利な印鑑付筆
記具を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成する為に案出された本考案の印鑑付筆
記具は先軸に筆記体を、後軸内孔に印鑑を収納して印字
体を被覆する蓋部を有した開閉部材を後軸の周面より外
方に向けて回動可能に止着すると共に開閉部材を後軸外
方に起立状態にし、先軸を後軸に対して軸推移した時に
それと連動して印鑑が軸後方に移動して印字体が後軸後
端の開口部に突出して捺印できる様に構成したことであ
る。

（実施例） 第１図乃至第９図は本考案の実施例を示している。先
ず、第５図に示す様に印鑑（12）はインクを吸蔵できる
様にスポンジゴム等の無数の連続通気孔を有した多孔性
印材により形成された印字体（13）とインクを貯蔵して
印字体（13）にインクを供給するインク吸蔵体をカバー
で軸体（10）の後端部位に固定して構成されている。
尚、印鑑部と上記軸体（10）は分離して印鑑部を軸体に
着脱自在に設けても良い。

本考案の筆記具は先軸（２）にシャープペンシル、ボ
ールペン等の筆記体及び筆記体を先軸（２）のの先端孔
（３）より出没可能に構成する機構部、又は筆記体の先
端部（14）が先端孔（３）より突出した状態に配設（第
９図参照）され、シャープペンシルが配設された場合に
は先軸（２）に対して後軸（１）を軸推移して芯が繰り
出される様に構成することが可能である。後軸（１）の
後端部で内孔（11）に上記印鑑（12）を収納すると共に
第２図に示す様に後軸（１）の側面に矩形状の窓部
（９）を設け、上面にクリップ（７）と後端に蓋部
（６）と先端に後軸（１）と回動可能に接合される止着
部（８）を備えた開閉部材（５）が上記窓部（９）と迎
合して後軸（１）に取付けられている。又、印鑑（12）
を後端に固定した軸体（10）は後軸（１）の内孔（11）
で軸推移可能で且つ、先軸（２）と軸方向に連動するよ
うに配設されて先軸（２）と後軸（１）との間には屈伸
可能な連結部（４）が接合されている。

又、先軸（２）と後軸（１）との間には常時印鑑（1
2）を収納位置に附勢するスプリング等が設けられる。
（図示せず。）尚、上記連結部（４）にスプリング機能
を付与することも可能である。ところで、本考案の実施
例ではボールペン等筆記体の先端部を先軸（２）の先端
孔（３）出没自在に構成しているが、その構造について
は従来知られている手段を用いており、本考案の要旨で
はないので具体的な説明は省略する。即ち、一例として
上記軸体（10）の軸推移とは無関係に先軸（２）に対し
て後軸（１）を回動させることにより筆記体の先端部の
出没を行うこともできるし、二例として先軸（２）に対
して後軸（１）の軸推移を捺印に必要なストローク以上
のストロークで筆記体の先端部を出没状態に係止させる
ことも可能である。又、筆記体をシャープペンシルとし
た場合には先軸（２）に対して後軸（１）を回動させる
ことにより筆記先端部の出没を行い、筆記体の突出状態
に於いて先軸（２）に対する後軸（１）の軸推移を捺印
に必要なストローク以上のストロークで芯を繰り出す為
のノックストロークとして設けることもできる。又、二
例の手段に加えて筆記体の先端部を突出状態に係止する
位置と没入させる位置との間で芯を繰り出す為のノック
ストロークを設けることも可能である。又、言うまでも
なくボールペン又はシャープペンシル等の筆記体の先端
部を先軸（２）の先端孔（３）から常時突出状態に固定
することも自由である。

（作用） 本考案の印鑑付筆記具は以上のように構成されてお
り、未使用時には第１図に示す様に印鑑は後軸（１）の
開口部より若干没入した状態で開口部は蓋部（９）で閉
塞されている。その状態より第２に示す様に蓋部（６）
を指で軸直角方向に押して開閉部材（５）を後軸（１）
の周面より回動させて起立状態にし、先軸（２）を掴ん
で後軸（１）の後端面を紙面（15）に設置（第３図参
照）して先軸（２）を紙面側に軸推移させると印字体
（13）が後軸（１）の後端面まで突出して捺印が可能と
なる。（第４図参照）印鑑（12）を収納する場合は再び
蓋部（６）を指で元の状態に戻せば良い。又、筆記具と
して使用する場合には上記実施例で説明した手段により
筆記体の先端部を先軸（２）の先端孔（３）から突出さ
せて行う。

（考案の効果） 本考案の印鑑付筆記具の構成及び作用は以上のごとく
であり、従来のキャップで印字面を被覆した物のよう
に、捺印の度にキャップを着脱して紛失してしまう心配
も無く又、キャップの着脱の際に誤って手を汚してしま
う等の問題も無く使用でき、且つ、非使用時には印字面
が蓋部により被覆されているので、キズをつけたり、ゴ
ミが付着したり、インクが乾いてしまう等の問題もな
く、極めて使い勝手の良い印鑑が提供可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である印鑑付筆記具で印鑑を収
納した状態の外観斜視図、第２図は開閉部材を回動して
印鑑を突出させた状態を示した外観斜視図である。第３
図は紙面に捺印しようとする状態を示した外観斜視図、
第４図は先軸を矢印方向に軸推移して捺印している状態
を示した斜視図、第５図はその状態の要部縦断面図、第
６図は蓋部を拡開して印字体を露出させた状態を示した
斜視図、第７図は先軸を軸推移して印鑑を突出させた状
態を示した斜視図、第８図はその状態を示した要部縦断
面図、第９図は印鑑を収納して筆記体の先端部を先軸の
先端孔から突出した筆記状態を示した要部縦断面図であ
る。 （１）……後軸、（２）……先軸、（３）……先端孔、
（４）……連結部、（５）……開閉部材、（６）……蓋
部、（７）……クリップ、（８）……止着部、（９）…
…窓部、（10）……軸体、（11）……内孔、（12）……
印鑑、（13）……印字体、（14）……筆記体の先端部、
（15）……紙面。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先軸に筆記体を備え、後軸に印鑑を取付け
   た所謂印鑑付筆記具に於いて、後軸の後端部内孔に印鑑
   を収納して印字体を被覆する蓋部を有した開閉部材を後
   軸に窓部を設けて軸の周面より外方に向けて回動可能に
   軸に止着すると共に先軸を後軸に対して軸推移するよう
   に構成して、上記開閉部材を軸外方に回動して起立状態
   とした時に印字体の被覆状態が解除され、且つ、先軸を
   後軸に対して軸推移した時にそれと連動して印鑑が軸後
   方に移動して上記印字体が軸後端の開口部に突出して捺
   印可能となる様に構成したことを特徴とする印鑑付筆記
   具。