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JP2503224B2 - 深絞り性に優れた厚物冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り性に優れた厚物冷延鋼板の製造方法

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Publication number
JP2503224B2
JP2503224B2 JP62066804A JP6680487A JP2503224B2 JP 2503224 B2 JP2503224 B2 JP 2503224B2 JP 62066804 A JP62066804 A JP 62066804A JP 6680487 A JP6680487 A JP 6680487A JP 2503224 B2 JP2503224 B2 JP 2503224B2
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JP
Japan
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rolling
less
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cold
roll
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JP62066804A
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俊一 橋本
輝敏 薬師寺
高弘 鹿島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、深絞り性に優れた厚物冷延鋼板の製造方
法に関する。
〔従来の技術〕
従来、厚物冷延鋼板の製造工程においては、A3変態点
以上の仕上温度で熱間圧延した素材を酸洗した後、冷
延,焼鈍するのが一般的である。ところがこの従来方法
では、深絞り性が悪いという問題がある。即ち、例えば
3.2mmの冷延鋼板を製造する場合、熱延仕上板厚を酸洗
ライン通過可能な最大厚さ6mm程度ぎりぎりに仕上げた
としても、46%の冷延率しか取れず、十分な冷延集合組
織の発達が望めず、再結晶焼鈍後に深絞り性に有効な集
合組織が発達せず、結局ランクフォード値(以下r値と
記す)が1.0前後となって深絞り性に悪かった。
一方、熱延鋼板の製造方法として、従来より、熱間圧
延を温間で行い、再結晶焼鈍することによって、高いr
値を得る方法があり、かかる方法でも深絞り性に優れた
厚物鋼板の製造が可能であるが、この方法では板の寸法
精度及び表面粗度等の点で冷延鋼板に劣る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のように、従来の厚物冷延鋼板の製造方法では、
冷延率が取れずに十分な冷延集合組織が得られないた
め、良好な深絞り性が得られないという問題があった。
この発明は、係る問題点に鑑み、板厚が2.5〜4.0mmと
極厚で、しかも深絞り性の良好な厚物冷延鋼板の製造方
法を提供せんとするものである。
そして本件発明者は、係る課題を解決すべく鋭意研究
し、冷間圧延の集合組織の一部又はそのほとんどを熱延
段階で作り、続く冷間圧延でそれを完全なものとし、又
冷延鋼板に要求される形状精度については冷延段階で作
り上げればよいことを知見し、本発明をなしたものであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本件出願の第1の発明は、C:0.03重量%以下、
N:0.01重量%以下を含有し、Ti:0.2重量%以下、Nb:0.3
重量%以下で、かつ(C/12+N/14)<(Ti/48+Nb/93)
となる量のTiあるいはNbの一方又は双方を添加した鋼に
対し、900℃〜1000℃の温度範囲にて粗圧延を施すこと
によりTi,Nbの炭,窒化物を圧延誘起析出させるととも
に、該粗圧延から仕上圧延までの待機時間を4分以上と
することによりTi,Nbの炭,窒化物を析出させて固溶
(C,N)を30ppm以下とし、800℃〜400℃で潤滑を施しつ
つ仕上板厚t1に対してロール径D1がD1>100t1となる圧
延ロールを用いて圧下率R1の仕上圧延を行い、酸洗後、
仕上板厚t2に対してロール径D2がD2>100t2となる圧延
ロールを用いて圧下率R2(但し、R1とR2との合計圧下率
R>60%、R2>5%)の冷間圧延を施した後、焼鈍する
ようにしたものである。なお、ここで合計圧下率Rは下
記式で求められる。
R=1−(1−R1)(1−R2) また、粗圧延については従来の再加熱圧延でも、鋳造
後ただちに圧延を行う直接圧延であっても良い。
また本件出願の第2の発明は、C:0.03重量%以下、N:
0.01重量%以下、B:0.0005〜0.005重量%を含有し、Ti:
0.2重量%以下、Nb:0.3重量%以下で、かつ(C/12+N/1
4)<(Ti/48+Nb/93)となるような量のTiあるいはNb
の一方又は双方を添加してなる鋼に対し、900℃〜1000
℃の温度範囲にて粗圧延を施すことによりTi,Nbの炭,
窒化物を圧延誘起析出させるとともに、該粗圧延から仕
上圧延までの待機時間を4分以上とすることにより、T
i,Nbの炭,窒化物を析出させて固溶(C,N)を30ppm以下
とし、800℃〜400℃で潤滑を施しつつ仕上板厚t1に対し
てロール径D1がD1>100t1となる圧延ロールを用いて圧
下率R1の仕上圧延を行い、酸洗後、仕上板厚t2に対して
ロール径D2がD2>100t2となる圧延ロールを用いて圧下
率R2(但し、合計圧下率R>60%、R2>5%)の冷間圧
延を施した後、焼鈍するようにしたものである。
ここで本願発明の成分限定理由及び製造条件について
説明する。
まず第1の発明における成分限定理由について説明す
る。
C,N:C,Nは0.03%、0.01%を越えて添加すると、製品
の加工性が悪くなり、又これを固着するためのTi,Nbの
量が多くなって高価になることから、C≦0.03%、N≦
0.01%とする。
Ti,Nb:Ti,Nbはこれを添加することで、その炭,窒化
物を形成させて鋼中の固溶(C,N)を減じ、さらにフェ
ライト再結晶温度を大幅に上げることができ、加工中の
回復も遅らせることが可能になる。これによって冶金的
にみた場合、冷間で圧延したのと同様な状態を高温域80
0℃以下まで延長することができ、冷間集合組織の大部
分を熱間圧延時に作ることが可能となる。そしてこのT
i,Nbの添加量を炭,窒化物を形成して鋼中の固溶(C,
N)を固定するに必要な量、即ち(C/12+N/14)<(Ti/
48+Nb/93)を満足する量とし、かつ経済性をも考慮し
てTi:0.2重量%以下、Nb:0.3重量%以下とした。
他の成分:他の成分については限定していないが、加
工用冷延鋼板として通常含まれている成分、例えばMn<
1.0%、Si<1.0%、P<1.0%、S<0.02%、Al<0.1%
等がある。
次に第2発明における成分限定理由について説明す
る。なお、、C,N,Ti,Nbについては第1の発明と同様で
あるので、その説明は省略する。
B:Bはこれを添加することで、耐たて割れ性を改善で
きる。即ち、Ti,Nbを添加することにより、固溶Cを低
減することができるが、この固溶Cの低減は結晶粒界の
結合力を弱め、2次加工時の耐たて割れ性を劣化させ
る。そこでBを添加することで、Bを結晶粒界に偏析さ
せて結晶粒界の結合力を強めることができる。Bの添加
量については0.0005%未満では上述の効果が得られず、
0.005%を越える添加は経済的に不利な上、過剰なBの
添加は製品の深絞り性に悪影響を及ぼすことから、0.00
05%〜0.005%とする。
次に製造条件について説明する。
Ti,Nbの炭,窒化物析出処理を行う点:固溶(C,N)が
多量に含まれている状態で未再結晶圧延を施しても、再
結晶焼鈍時に板面に平行な(111)集合組織は発達せ
ず、深絞り性に悪影響を及ぼす(200)集合組織が発達
する。冷間圧延で高い深絞り性を得ようとする場合に
は、熱間圧延終了後に高温で巻取って炭,窒化物を析出
させておくことが必要であるが、これと同様に、800℃
〜400℃の温度範囲での未再結晶圧延前に、Ti,Nbの炭,
窒化物を析出させて、鋼中の固溶(C,N)を減じておく
ことが必要である。ここで熱延仕上前に、Ti(C,N),Nb
(C,N)を充分に析出させる方法としては粗圧延温度を9
00℃〜1000℃と低くして、Ti,Nbの炭,窒化物を圧延誘
起析出させるとともに、粗圧延の終了から熱延仕上まで
の待機時間を4分以上とすることによりこの間の炭,窒
化物を析出させる方法が採用できる。
温間圧延温度を800〜400℃とした点、及び合計圧下率
を60%以下とした点:800℃を越える温度での圧延ではフ
ェライトが再結晶してしまい、加工組織は残らない。一
方400℃未満の温度での圧延では材料の変形抵抗が大き
すぎるので、実際的ではない。そのため800℃〜400℃と
する。
また再結晶焼鈍で深絞り性に有効な集合組織を得るた
めには、冷延集合組織を十分に発達させておかなければ
ならない。そのためにはフェライト未再結晶域での圧延
率が合計で60%以上必要である。即ち、温間圧延での圧
下率R1はそれに続く冷間圧延の圧下率R2との合計圧下率
R(=1−(1−R1)(1−R2))が60%以上となるよ
うにする。
この場合、冷間圧延については、上記熱間圧延で作ら
れた集合組織を完全なものとし、かつ表面形状を整える
ために必要な圧下率を確保すればよく、5%以上であれ
ばよい。
熱間圧延における潤滑:潤滑については、これを行わ
ずに圧延すると、ロールと板との間の摩擦の影響で、板
の表面層に著しいせん断変形を受けた部分が生成され、
正常な冷延集合組織とは異なった集合組織、即ち板面に
平行に(110)方位の集合組織が発達し、深絞り性に悪
影響を及ぼす。そのため、板とロール間に潤滑を施し、
摩擦係数は少なくとも0.25以下とする必要がある。
ロール径を規定した点:ロール径が仕上板厚に比して
あまり小さいと、冷延率を高くしても板の中心部まで塑
性歪が入らず、十分な冷延集合組織が得られない。その
ため、仕上板厚tに対してロール径DをD>100tとなる
ようにする。なおこのことは冷延ロールについても同様
である。
〔作用〕
本願の第1,第2の発明においては、Ti,Nbの炭,窒化
物を析出させて鋼中の固溶(C,N)を低減するととも
に、所定ロール径の圧延ロールによって所定圧下率の温
間圧延を行うようにしたので、冶金的に見て冷間で圧延
したのとほぼ同様の状態を高温域800℃以下まで延長す
ることができ、深絞り性に影響する冷延集合組織をこの
段階で作ることが可能となり、高い深絞り性が得られ
る。又冷間圧延では上記集合組織を完全なものとし、か
つ表面形状を整えるようにしたことから、冷延圧下率を
それほど大きくする必要がなく、優れた表面性状,寸法
精度が得られる。
また本願の第2の発明においては、Bを添加するよう
にしたことから、上述の効果に加えて鋼中の固溶(C,
N)の低減に起因する耐たて割れ性の劣化が防止でき
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
まず本願の第1の発明の実施例について説明する。
第1表は本発明の鋼(表中、C,D)及び比較鋼(表
中、A,B)の化学成分を示す。
本実施例では第1表に示す4鋼種を転炉で溶製し、通
常の行程でスラブを製造した後、第2表に示す条件で熱
間圧延を行い、コイルに巻取り、これを酸洗した後、こ
れも第2表に示す条件で冷間圧延を行い、750℃×3時
間のバッチ焼鈍を行い、材料のr値を測定した。その結
果を第2表に示す。また第2表には材料の表面性状につ
いても示している。
これによれば、本願発明では、r値が1.75以上と高
く、良好な深絞り性が得られ、又表面性状についても良
好なことがわかる。
また本件発明者は、ロール径と深絞り性との関係につ
いて実験を行った。
この実験では、0.0032%C−0.01%Si−0.18%Mn−0.
001%S−0.1%Ti−0.0030%Nの熱延板を種々のロール
径の圧延ロールで冷間圧延して、850℃×2分の再結晶
焼鈍した後、r値を測定した。冷延率は75%と一定に
し、パス回数も15パスと一定にした。素材の熱延板は、
熱延仕上温度900℃で圧延仕上したものを700℃で巻取っ
た。
ロール径D,仕上板厚t,r値の関係を図面に示した。図
中の数字はr値を、境界線AはD=100tを示し、これよ
り右側部分が本発明範囲のロールを使用した結果であ
る。
同図によれば、概ねD>100tの関係にある範囲で高い
r値が得られることが理解される。
次に本願の第2の発明の実施例について説明する。
第3表は本発明の鋼(表中のE)及び比較鋼(表中の
C)の化学成分を示す。本実施例では第3表に示す2鋼
種を溶製し、通常の工程でスラブを製造した後、1000℃
に再加熱してγ域で30mm厚さに粗圧延し、800℃になっ
たところで仕上圧延して5.5mmの厚さに仕上げた。仕上
温度は両鋼とも700℃程度とした。これを巻取った後、
酸洗して冷間圧延した。冷間圧延の仕上板厚は4.0mmで
あるから、800℃以下の温度範囲での圧下率は合計87%
である。また熱間圧延のロール径はφ800、冷間圧延の
ロール径はφ580である。得られた鋼板を750℃で3時間
箱焼鈍した後、r値の測定及び2次加工時の耐たて割れ
性の試験を行った。
耐たて割れ性の試験はカップ縦割れ試験を行った。即
ち、鋼板をφ145でブランクした後、絞り比α:2.0で試
験用カップを作製し、これを液体窒素温度から常温まで
の温度範囲で、円錐ポンチにかぶせてカップ底面から荷
重をかけて破壊し、その時の脆性破壊率から遷移温度を
測定した。実 験結果を第4表に示す。
同表によれば、本発明ではBを添加することによっ
て、脆性遷移温度が低下し、耐たて割れ性が改善してい
ることがわかる。
〔発明の効果〕
以上のように、本願の第1,第2の発明によれば、Ti,N
bの炭,窒化物を析出させて鋼中の固溶(C,N)を低減す
るとともに、熱延段階で冷間圧延集合組織の一部又はそ
のほとんどを作り、冷延段階でこの集合組織を完全なも
のとするとともに表面性状を整えるようにしたので、表
面性状に優れ、かつ深絞り性に優れた厚物冷延鋼板の製
造できる効果がある。
また本願の第2の発明によれば、さらにBを添加する
ようにしたので、上記効果に加えて耐たて割れ性を向上
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面は仕上板厚,ロール径比とr値との関係を示す図で
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.03重量%以下、N:0.01重量%以下を含
    有し、Ti:0.2重量%以下、Nb:0.3重量%以下で、かつ
    (C/12+N/14)<(Ti/48+Nb/93)となるような量のTi
    あるいはNbの一方又は双方を添加した残部Fe及び不可避
    的不純物よりなる鋼に対し、900℃〜1000℃の温度範囲
    にて粗圧延を施すことによりTi又はNbの炭,窒化物を圧
    延誘起析出させるとともに、該粗圧延から仕上圧延まで
    の待機時間を4分以上とすることによりTi又はNbの炭,
    窒化物を析出させて鋼中の固溶C及び固溶Nの総量を30
    ppm以下とし、800℃〜400℃の温度範囲で潤滑を施しつ
    つ仕上板厚t1に対してロール径D1がD1>100t1となる圧
    延ロールを用いて圧下率R1の仕上圧延を施した後、酸洗
    を行い、さらに仕上板厚t2に対してロール径D2がD2>10
    0t2となる圧延ロールを用いて圧下率R2(但し、R1とR2
    の合計圧下率R>60%、R2>5%)の冷間圧延を施した
    後、焼鈍を行うようにしたことを特徴とする深絞り性に
    優れた厚物冷延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】C:0.03重量%以下、N:0.01重量%以下、B:
    0.0005〜0.005重量%を含有し、Ti:0.2重量%以下、Nb:
    0.3重量%以下で、かつ(C/12+N/14)<(Ti/48+Nb/9
    3)となるような量のTiあるいはNbの一方又は双方を添
    加した残部Fe及び不可避的不純物よりなる鋼に対し、90
    0℃〜1000℃の温度範囲にて粗圧延を施すことによりTi
    又はNbの炭,窒化物を圧延誘起析出させるとともに、該
    粗圧延から仕上圧延までの待機時間を4分以上とするこ
    とによりTi又はNbの炭,窒化物を析出させて鋼中の固溶
    C及び固溶Nの総量を30ppm以下とし、800℃〜400℃の
    温度範囲で潤滑を施しつつ仕上板厚t1に対してロール径
    D1がD1>100t1となる圧延ロールを用いて圧下率R1の仕
    上圧延を施した後、酸洗を行い、さらに仕上板厚t2に対
    してロール径D2がD2>100t2となる圧延ロールを用いて
    圧下率R2(但し、R1とR2の合計圧下率R>60%、R2>5
    %)の冷間圧延を施した後、焼鈍を行うようにしたこと
    を特徴とする深絞り性に優れた厚物冷延鋼板の製造方
    法。
JP62066804A 1987-03-19 1987-03-19 深絞り性に優れた厚物冷延鋼板の製造方法 Expired - Lifetime JP2503224B2 (ja)

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