JP2502369Y2

JP2502369Y2 - ピンタンブラ−錠

Info

Publication number: JP2502369Y2
Application number: JP1987031996U
Authority: JP
Inventors: 木下　　清
Original assignee: 木下清
Priority date: 1987-03-06
Filing date: 1987-03-06
Publication date: 1996-06-19
Anticipated expiration: 2002-03-06
Also published as: JPS63140471U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、ピンタンブラー錠に関し、特に合鍵を複製
することを困難とした防犯効果の大きいピンタンブラー
錠に関する。

［従来の技術］周知の通り、ピンタンブラー錠は、錠本体と、該錠本
体を施錠、解錠する鍵とから構成される。

上記ピンタンブラー錠は、鍵挿入口の外縁に切欠部を
有するケーシングと、該ケーシング内に設けられた固定
筒体部及び回転部と、該回転部から延設され先端側が上
記鍵挿入口内に達する案内突部とから構成され、固定筒
体部及び回転部の各列のピン孔にはピンが収容され、案
内突部先端外面には鍵爪受が形成されている。

又、上記鍵は、上記鍵差込口に差し込まれる筒状差込
部を有している。上記筒状差込部の先端外周面には、前
記ピンを押圧するピン押圧用カム溝面と、上記切欠部に
係入する抜け止め用突起とが形成されている。上記筒状
差込部の内周面には、上記鍵爪受けに係入する鍵爪が形
成されている。上記鍵は、鍵素材にピン押圧用カム溝面
を設けることにより形成される。

而して、解錠する場合には、先ず、上記鍵の抜け止め
用突起を上記ケーシングの切欠部に係入し、又、鍵爪を
鍵爪受けに係入することにより、該鍵爪を上記鍵爪挿入
口に差し込む。このとき、上記鍵のピン押圧用カム溝面
が上記ピンを押すことにより、回転部が回転可能状態と
なる。この状態で、上記鍵を回転させて回転部を回転さ
せることにより、上記鍵本体は解錠する。

［考案が解決しようとする問題点］ところで、近年、合鍵の工作技術が発達しているため
に、鍵素材の筒状差込部の内径が正規の鍵のものに一致
していれば鍵本体を見ただけで容易に合鍵を複製できる
という問題があった。即ち、一般に鍵素材の筒状差込部
としては筒状を呈するパイプを切断して用いていたの
で、合鍵は切断したパイプ外周面にピン押圧用カム溝面
を切込すれば容易に複製可能であった。このために、防
犯効果の実効性が損なわれていた。

そこで、特公昭49-9677号公報の第10図に示すように
回転軸に鍵爪受のほかに２個の補助溝を凹設したピンタ
ンブラー錠がある。これに用いる鍵は、パイプ内周面に
鍵爪のほかに２個の内向リブを付設すれば良いので、従
来の如くパイプで簡単に複製することができるものであ
った。また、実公昭56-38123号公報に示すように内外二
重にピンを植設するピンタンブラー錠があるが、これに
用いる鍵は、パイプ内外にピン押圧用カム溝面を切込す
ればよいので、いずれも十分な防犯効果を期待できない
ものであった。

そこで、本考案は上記実情に鑑みてなされたもので、
その目的は、複製困難な構成とすることにより防犯効果
を高めたピンタンブラー錠を提供するにある。

［問題点を解決するための手段］本考案に係るピンタンブラー錠の錠本体は、鍵挿入口
の外縁に切欠部を有するケーシングと、該ケーシング内
に設けられた固定筒体部と、該固定筒体部に対して回転
自在に設けられた回転部と、該回転部から延設され先端
側が上記鍵挿入口内に達する案内突部と、上記固定筒体
部及び回転部の各列のピン孔に夫々収容されたドライブ
ピン及び操作ピンと、上記案内突部先端外面を切欠され
た鍵爪受とから構成される。又、鍵は、案内突部に案内
されて前記鍵挿入口に差し込み可能な筒状差込部の外周
端面にはピン押圧用カム溝面及び抜け止め用突起を備
え、内周面には上記鍵爪受に係合する鍵爪を備えた鍵と
から組み合わされてなるものである。

そして、前記錠本体の案内突部の外周面には周方向に
間隔をおいて凸状に突出し且つ軸方向長さを異にする多
数の第１係合部が形成され、上記筒状差込部の内周面に
は各第１係合部に対応して夫々係合する周方向に間隔を
おいて凹状となって軸方向深さを有する多数の第２係合
部が設けられていることを特徴とするものである。

［考案の作用］鍵の筒状差込部を、錠本体の鍵挿入口に差し込むと、
抜け止め用突起は切欠部に係入し、この位置で鍵爪は鍵
爪受けに係入可能となる。これに伴って、鍵の内周面の
第２係合部の夫々に対して、これらと適合する錠本体の
案内突部の外周面の第１係合部の夫々が係合して、軸方
向長さと軸方向深さとが当接する位置まで鍵の筒状差込
部が錠本体内に進入する。その位置では、鍵の外周面の
押圧用カム面によってそれぞれのピンが解錠位置まで押
し込まれて回転部が回転可能となり、解錠することがで
きる。

［実施例］以下本考案の一実施例を第１図乃至第３図に基づき説
明する。

ピンタンブラー錠の錠本体１は、鍵挿入口２の外縁に
切欠部３を有するケーシング４と、該ケーシング４内に
設けられた固定筒体部５及び回転体６とから構成されて
いる。

上記固定筒体部５の有底の各ピン孔７…には長さの異
なるドライブピン８…がばね９…によって突出方向へ付
勢された状態で収容されている。

上記回転体６は、一端が上記固定筒体部５内へ回転自
在に挿通された回転部10と、案内突部11とから構成さ
れ、該案内突部11は該回転部10から延出され、先端側は
上記鍵挿入口２内に達し、鍵爪受12が形成されている。
上記回転部10の大径部10aの各貫通ピン孔13…には、長
さの異なる操作ピン14…が夫々収容されている。上記貫
通ピン孔13は、上記固定筒体部５のピン孔７…と同軸上
に形成されている。

その結果、第１図に示す如く、前記各ドライブピン８
…は上記貫通ピン孔13…内に侵入し、回転部10の回転を
阻止している。上記操作ピン14…の後端は、上記鍵挿入
口２の縁部2aに当接している。上記回転体６の一端6aに
は扉等の受金に係止する掛金（図示せず）が付設されて
施錠及び解錠可能に構成されている。

これに対して、前記上本体１に用いる鍵15は、前記案
内突部11が挿入される筒状差込部16を有し、該筒状差込
部16は前記鍵挿入口２に差し込まれるものである。上記
筒状差込部16の外周端面には、ピン押圧用カム溝面17…
と、抜け止め用突起18とが設けられ、内周面には鍵爪19
が設けられている。上記ピン押圧用カム溝面17…は、上
記操作ピン14…の後端面を押圧し、上記抜け止め用突起
18は上記切欠部３に係入されるものである。又、上記鍵
爪19は上記鍵爪受け12に係入するものである。

上記構成における特徴は、上記案内突部11の外周面に
多数の第１係合部20を形成し、又、上記鍵15の筒状差込
部16の内周面に上記第１係合部20に係合する多数の第２
係合部21を設けた点にある。

詳述すると、上記第１係合部20は、例えば、第２図に
示す如く、凸状に６個形成でき、その軸方向長さＬは互
いに異ならせることが望ましい。この第１係合部20は、
第１図及び第３図に示すように、案内突部11の外周面に
周方向に間隔をおいて略々星形の如くに突出させること
ができる。

また、上記第２係合部21は上記第１係合部20に対応さ
せて凹状に６個形成でき、その輪郭形状及び軸方向深さ
Ｓは、上記各第１係合部20の輪郭形状及び軸方向長さＬ
に対応している。この第２係合部21は、第１図及び第３
図に示すように、筒状差込部16の内周面に周方向に間隔
をおいて凹設される。

次に動作について説明する。

鍵15の筒状差込部16を、錠本体１の鍵挿入口２に差し
込む。このとき、抜け止め用突起18は切欠部３に係入
し、又、鍵爪19は鍵爪受け12に係入し、更に、各第２係
合部21…は、それぞれと対応した適合形状をもつ各第１
係合部20…に係合する。

又、このとき、鍵15のピン押圧用カム溝面17は操作ピ
ン14の後端を押圧するので、ドライブピン８は該操作ピ
ン14に押圧される。その結果、ドライブピン８は第１図
に示す状態から、ピン孔７内に後退する。従って、回転
部10が回転可能になり、鍵15を回転すると回転部が10回
転して解錠される。

ところで、鍵15の第２係合部21…の形成位置、輪郭形
状、及び深さＳが、それぞれ対応する上記第１係合部20
…の形成位置、輪郭形状、及び長さＬに一致していない
限り、上記鍵15を鍵挿入口２に差し込むことはできな
い。

かくくして、従来技術の場合には、ピン押圧用カム溝
面17…の形成位置及び深さを特定してパイプで合鍵を容
易に複製できたのに対し、本実施例では、第２係合部21
…の形成位置、輪郭形状、深さまでも特定しなければ合
鍵を複製できない。

上記一実施例において、各係合部の位置、輪郭形状、
深さ、数等は種々設計変更可能である。

［考案の効果］以上説明した如く、本考案によれば、錠本体の案内凸
部の外周面に周方向に間隔をおいて凸状に突出して軸方
向長さを異にする多数の第１係合部を形成し、鍵の筒状
差込部の内周面には各第１係合部に対応して夫々係合す
るところの周方向に間隔をおいて凹状となって軸方向深
さを有する多数の第２係合部を設ける構成としたので、
鍵本体を見ただけでは合鍵を複製することが困難となっ
た。特に、多数の第１係合部に合致するように第２係合
部の輪郭形状を夫々特定して３次元的な曲面加工をしな
ければならないので、従来のパイプを用いての複製がで
きなくなった。しかも、軸方向深さも一致させるため
に、複製を著しく困難として、防犯効果の実効性を高め
ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例に係り、第１図は一
部を切り欠いた全体斜視図、第２図は第１、第２係合部
の関係を示す部分断面図、第３図は錠本体に鍵を挿入し
た状態を示す横断面図である。１……錠本体、２……鍵挿入口、３……切欠部、４……
ケーシング、５……固定筒体部、８……ドライブピン、
10……回転部、11……案内突部、14……操作ピン、15…
…鍵、16……筒状差込部、17……ピン押圧用カム溝面、
18……抜け止め用突起、19……鍵爪、20……第１係合
部、21……第２係合部、Ｌ……長さ、Ｓ……深さ

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】鍵挿入口の外縁に切欠部を有するケーシン
グと、該ケーシング内に設けられた固定筒体部と、該固
定筒体部に対して回転自在に設けられた回転部と、該回
転部から延設され先端側が上記鍵挿入口内に達する案内
突部と、上記固定筒体部及び回転部の各列のピン孔に夫
々収容されたドライブピン及び操作ピンと、上記案内突
部先端外面を切欠された鍵爪受とから錠本体が構成さ
れ、前記案内突部に案内されて前記鍵挿入口に差し込み
可能な筒状差込部の外周端面にはピン押圧用カム溝面及
び抜け止め用突起を備え、内周面には上記鍵爪受に係合
する鍵爪を備えた鍵とから組合わされてなるピンタンブ
ラー錠において、上記案内突部の外周面には周方向に間隔をおいて凸状に
突出し且つ軸方向長さを異にする多数の第１係合部が形
成され、上記筒状差込部の内周面には各第１係合部に対
応して夫々係合する周方向に間隔をおいて凹状となって
軸方向深さを有する多数の第２係合部が設けられている
ことを特徴とするピンタンブラー錠。