JP2589586B2 - アルミニウム積層鋼板の製造法 - Google Patents
アルミニウム積層鋼板の製造法Info
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- JP2589586B2 JP2589586B2 JP2016038A JP1603890A JP2589586B2 JP 2589586 B2 JP2589586 B2 JP 2589586B2 JP 2016038 A JP2016038 A JP 2016038A JP 1603890 A JP1603890 A JP 1603890A JP 2589586 B2 JP2589586 B2 JP 2589586B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ロール加圧と加熱によりアルミニウム積層
鋼板を製造する方法に関する。
鋼板を製造する方法に関する。
[従来の技術] アルミニウムは軽量かつ良好な加工性,高耐食性を示
し、また、他金属を含有することにより、この機械的特
性を改善できるなどの優れた性質を持つ一方、磁気的特
性,機械的強度の面では、鉄などの他の素材に劣る。こ
のアルミニウムに鉄の特性を付与するために、アルミニ
ウム板と鋼板とのクラッド材の開発が進められている。
し、また、他金属を含有することにより、この機械的特
性を改善できるなどの優れた性質を持つ一方、磁気的特
性,機械的強度の面では、鉄などの他の素材に劣る。こ
のアルミニウムに鉄の特性を付与するために、アルミニ
ウム板と鋼板とのクラッド材の開発が進められている。
アルミニウム板と鋼板を接合する方法は、圧延法,拡
散接合法,ろう付け法が知られているが、ろう付け法は
連続的な生産が難しい。拡散接合法は、塑性変形以下の
加圧状態で加熱を施し、拡散接合を誘発させるものであ
るが、その雰囲気には一般に真空を必要とする。最も連
続的な生産に適している圧延法には、冷間圧延法と熱間
圧延法がある。冷間圧延による接合は、一般に数十パー
セントの圧延率を必要とし、適切な圧延条件を見いだす
ことが難しい。また、これより低い圧延率では、十分な
接合を得られず、圧延後さらに加熱処理を行う必要があ
る。しかし、熱間圧延時または、冷間圧延後の加熱処理
時には、接合界面に脆弱な合金層が成長し、加工性を低
下させる。
散接合法,ろう付け法が知られているが、ろう付け法は
連続的な生産が難しい。拡散接合法は、塑性変形以下の
加圧状態で加熱を施し、拡散接合を誘発させるものであ
るが、その雰囲気には一般に真空を必要とする。最も連
続的な生産に適している圧延法には、冷間圧延法と熱間
圧延法がある。冷間圧延による接合は、一般に数十パー
セントの圧延率を必要とし、適切な圧延条件を見いだす
ことが難しい。また、これより低い圧延率では、十分な
接合を得られず、圧延後さらに加熱処理を行う必要があ
る。しかし、熱間圧延時または、冷間圧延後の加熱処理
時には、接合界面に脆弱な合金層が成長し、加工性を低
下させる。
これらの欠点を解決するために、アルゴンなどの非酸
化性の低圧気体でイオンエッチングを行い酸化物を除去
した後に圧延することにより、低圧延率で加熱拡散処理
が不要な方法や、接合界面にニッケル,銅などのインサ
ート材を挿入して圧延し、熱処理時に生成する脆弱な合
金を抑制する方法がある。また、鋼板とアルミニウム箔
の界面に銅を介在させ、塑性変形以下の加圧,加熱処理
を行うことにより、両者を接合させる方法(特願昭63−
269545号)がある。さらに、接合界面にニッケルまたは
銅のめっきを施した後圧延し、脆弱な合金の生成を抑制
する方法(特願平1−264856号)がある。
化性の低圧気体でイオンエッチングを行い酸化物を除去
した後に圧延することにより、低圧延率で加熱拡散処理
が不要な方法や、接合界面にニッケル,銅などのインサ
ート材を挿入して圧延し、熱処理時に生成する脆弱な合
金を抑制する方法がある。また、鋼板とアルミニウム箔
の界面に銅を介在させ、塑性変形以下の加圧,加熱処理
を行うことにより、両者を接合させる方法(特願昭63−
269545号)がある。さらに、接合界面にニッケルまたは
銅のめっきを施した後圧延し、脆弱な合金の生成を抑制
する方法(特願平1−264856号)がある。
[発明が解決しようとする課題] 塑性変形量の大きく異なるアルミニウムと鋼とを積層
するにあたって、従来の冷間圧延による方法では、一般
に20%以上の圧延率を必要とし、技術的な困難を伴う。
また、接合強度を改善するために加熱拡散処理を行うと
脆弱な合金が界面において成長し、積層鋼板の加工性を
劣化させる。また、合金生成の抑制にインサート材を用
いる方法では、インサート材の取り扱いに厚み10μm以
上を必要とし、経済性が劣る。さらに、加熱拡散処理が
不要な、イオンエッチングによりアルミニウム箔または
板および鋼板の酸化物を除去する方法は、真空装置およ
び真空技術を必要とし、連続性,経済性の面で問題があ
る。
するにあたって、従来の冷間圧延による方法では、一般
に20%以上の圧延率を必要とし、技術的な困難を伴う。
また、接合強度を改善するために加熱拡散処理を行うと
脆弱な合金が界面において成長し、積層鋼板の加工性を
劣化させる。また、合金生成の抑制にインサート材を用
いる方法では、インサート材の取り扱いに厚み10μm以
上を必要とし、経済性が劣る。さらに、加熱拡散処理が
不要な、イオンエッチングによりアルミニウム箔または
板および鋼板の酸化物を除去する方法は、真空装置およ
び真空技術を必要とし、連続性,経済性の面で問題があ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、低圧圧延により、密着性,加工性,加工密
着性にすぐれたアルミニウム積層鋼板を連続的かつ経済
的に提供することを目的とするものである。
着性にすぐれたアルミニウム積層鋼板を連続的かつ経済
的に提供することを目的とするものである。
その要旨は、クロム,クロムを主成分とした合金,ク
ロム酸化物あるいはクロム水和酸化物を被覆した鋼板、
または、あらかじめ中性あるいは還元性雰囲気中におい
て加熱処理したクロム,クロムを主成分とした合金,ク
ロム酸化物あるいはクロム水和酸化物を被覆した鋼板
に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔を重ね
合わせ、全体を圧下,圧着した後に熱処理を施し、拡散
接合により、片面あるいは両面に、アルミニウムあるい
はアルミニウム合金の箔を被覆したアルミニウム積層鋼
板を製造することである。
ロム酸化物あるいはクロム水和酸化物を被覆した鋼板、
または、あらかじめ中性あるいは還元性雰囲気中におい
て加熱処理したクロム,クロムを主成分とした合金,ク
ロム酸化物あるいはクロム水和酸化物を被覆した鋼板
に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔を重ね
合わせ、全体を圧下,圧着した後に熱処理を施し、拡散
接合により、片面あるいは両面に、アルミニウムあるい
はアルミニウム合金の箔を被覆したアルミニウム積層鋼
板を製造することである。
本発明の鋼板とは、冷間圧延法により製造された鋼板
であり、低炭素鋼板,クロム添加鋼板,ニッケル拡散処
理鋼板が含まれ、軟化焼鈍の有無は問わない。また、板
厚は用途に応じて選ぶことができる。
であり、低炭素鋼板,クロム添加鋼板,ニッケル拡散処
理鋼板が含まれ、軟化焼鈍の有無は問わない。また、板
厚は用途に応じて選ぶことができる。
一方、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔と
は、圧延法により製造された厚さ5〜200μmのアルミ
ニウムあるいはアルミニウム合金である。アルミニウム
合金には、マグネシウム,マンガン,ケイ素,銅を含ん
だ合金が含まれる。厚みを限定したのは、5μm未満の
箔では作業性が低下し、高速生産に不向きであり、また
200μmをこえると、材料費の面で不経済であるためで
ある。
は、圧延法により製造された厚さ5〜200μmのアルミ
ニウムあるいはアルミニウム合金である。アルミニウム
合金には、マグネシウム,マンガン,ケイ素,銅を含ん
だ合金が含まれる。厚みを限定したのは、5μm未満の
箔では作業性が低下し、高速生産に不向きであり、また
200μmをこえると、材料費の面で不経済であるためで
ある。
製造にあたって、鋼板の接合面をアルカリ性の溶液
で、浸漬処理、または、陰極あるいは陽極電解処理し脱
脂を行う。この場合の液組成,液濃度,処理温度,処理
時間などの処理条件は特に制限されるものではない。ま
た、酸洗処理を行い、鋼板表面のスケール取り除く。酸
洗の条件も特に制限されるものではないが、過度の処理
は、水素吸蔵の原因となり、接合の均一性を阻害する原
因となることがある。これらの脱脂,酸洗の処理を行わ
ないと、皮膜の密着性が悪く十分な接合力をもったアル
ミニウム積層鋼板が得られにくい。
で、浸漬処理、または、陰極あるいは陽極電解処理し脱
脂を行う。この場合の液組成,液濃度,処理温度,処理
時間などの処理条件は特に制限されるものではない。ま
た、酸洗処理を行い、鋼板表面のスケール取り除く。酸
洗の条件も特に制限されるものではないが、過度の処理
は、水素吸蔵の原因となり、接合の均一性を阻害する原
因となることがある。これらの脱脂,酸洗の処理を行わ
ないと、皮膜の密着性が悪く十分な接合力をもったアル
ミニウム積層鋼板が得られにくい。
次に、鋼板の接合面にクロム,クロムを主成分とした
合金,クロム酸化物またはクロム水和酸化物を被覆す
る。被覆する方法は特に制限されないが、クロムおよび
クロム合金では電気めっきによる方法、クロム酸化物お
よびクロム水和酸化物では化成処理による方法が経済的
である。この時、クロム,クロム合金,クロム酸化物お
よびクロム水和酸化物の皮膜量は、全クロム量にして0.
02〜0.5g/m2が適当である。皮膜量を限定したのは、0.0
1g/m2未満では、十分な改善効果が認められないし、0.5
g/m2をこえては、接合力を減少させるためである。
合金,クロム酸化物またはクロム水和酸化物を被覆す
る。被覆する方法は特に制限されないが、クロムおよび
クロム合金では電気めっきによる方法、クロム酸化物お
よびクロム水和酸化物では化成処理による方法が経済的
である。この時、クロム,クロム合金,クロム酸化物お
よびクロム水和酸化物の皮膜量は、全クロム量にして0.
02〜0.5g/m2が適当である。皮膜量を限定したのは、0.0
1g/m2未満では、十分な改善効果が認められないし、0.5
g/m2をこえては、接合力を減少させるためである。
電気めっき法でクロムを被覆した場合、鋼板に熱処理
を施すと、電気的処理により吸蔵あるいは吸着された水
素などの気体あるいは液体を脱離させることができ、接
合の均一性が改善される。この脱離処理の雰囲気は水
素,窒素あるいはアルゴンに代表される非酸化性の雰囲
気であればよい。この雰囲気中において、クロムを被覆
した鋼板を200〜800℃の板温で1〜60秒加熱する。200
℃未満では脱離処理は可能であるが処理時間が長くなり
作業性を悪くする。また、加熱時間が1秒未満では、板
温が800℃でも脱離処理の効果が認められず、600秒以上
では効果は飽和する。好ましくは、60秒であるが、機械
的特性を改善するために600秒を要する場合がある。
を施すと、電気的処理により吸蔵あるいは吸着された水
素などの気体あるいは液体を脱離させることができ、接
合の均一性が改善される。この脱離処理の雰囲気は水
素,窒素あるいはアルゴンに代表される非酸化性の雰囲
気であればよい。この雰囲気中において、クロムを被覆
した鋼板を200〜800℃の板温で1〜60秒加熱する。200
℃未満では脱離処理は可能であるが処理時間が長くなり
作業性を悪くする。また、加熱時間が1秒未満では、板
温が800℃でも脱離処理の効果が認められず、600秒以上
では効果は飽和する。好ましくは、60秒であるが、機械
的特性を改善するために600秒を要する場合がある。
次いで、該処理鋼板とアルミニウムあるいはアルミニ
ウム合金の箔を重ね合わせ、全体を圧延率1〜15%でロ
ール圧下する。圧延率は使用する鋼板およびアルミニウ
ムあるいはアルミニウム合金の箔の厚さ,硬度によって
ことなる。焼鈍処理を施していない鋼板では、1%程度
の圧延率で十分な接合力を得ることができる。また、15
%以上に圧延率を高くすると、しわ発生などの原因とな
る。アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔は鋼板
の両面あるいは片面に被覆することができるが、対称的
に積層して圧下した場合、線膨張率の差に起因する反り
を解消することができる。
ウム合金の箔を重ね合わせ、全体を圧延率1〜15%でロ
ール圧下する。圧延率は使用する鋼板およびアルミニウ
ムあるいはアルミニウム合金の箔の厚さ,硬度によって
ことなる。焼鈍処理を施していない鋼板では、1%程度
の圧延率で十分な接合力を得ることができる。また、15
%以上に圧延率を高くすると、しわ発生などの原因とな
る。アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔は鋼板
の両面あるいは片面に被覆することができるが、対称的
に積層して圧下した場合、線膨張率の差に起因する反り
を解消することができる。
次いで、圧延により仮接合したアルミ積層鋼板に良好
な滅着性を付与するために、400℃から被覆したアルミ
ニウムあるいはアルミニウム合金の箔を融点未満の温度
で1〜600秒の加熱処理を施す。400℃未満,1秒未満では
密着性改善の効果は薄い。600秒をこえても接合する
が、効果は飽和する。連続的な高速生産を行う場合、60
秒以下が好ましい。もちろん、一定温度以上の加熱処理
は、軟化焼鈍を兼ねることができる。
な滅着性を付与するために、400℃から被覆したアルミ
ニウムあるいはアルミニウム合金の箔を融点未満の温度
で1〜600秒の加熱処理を施す。400℃未満,1秒未満では
密着性改善の効果は薄い。600秒をこえても接合する
が、効果は飽和する。連続的な高速生産を行う場合、60
秒以下が好ましい。もちろん、一定温度以上の加熱処理
は、軟化焼鈍を兼ねることができる。
加熱時の雰囲気は制限されず、水素,窒素あるいはア
ルゴンまたはこれらの混合ガスでよい。また、空気中で
加熱を行ってもよい。加熱時の加圧力は特に制限されな
い。
ルゴンまたはこれらの混合ガスでよい。また、空気中で
加熱を行ってもよい。加熱時の加圧力は特に制限されな
い。
[作用] アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔の表面に
は強固な酸化膜が存在するが、鋼板と重ね合わせて圧延
をすることにより、接合面において、この酸化膜が破壊
され、新生面が出現するため酸化膜を取り除く必要がな
い。鋼板を被覆したクロム,クロム合金,クロム酸化物
あるいはクロム水和酸化物は、鋼板表面の欠陥部を覆う
とともに、出現した新生面により促進される加熱処理時
の脆弱な鉄−アルミニウムの金属間化合物成長を抑制す
るために、加工密着性にすぐれたアルミニウム積層鋼板
が得られるものと考えられる。また、クロムの層がアル
ミニウム,鉄間に存在することにより、浸炭層の形成が
抑制され、圧延にともない劣化した機械加工特性を改善
できる条件で加熱処理を施すことができるようになっ
た。
は強固な酸化膜が存在するが、鋼板と重ね合わせて圧延
をすることにより、接合面において、この酸化膜が破壊
され、新生面が出現するため酸化膜を取り除く必要がな
い。鋼板を被覆したクロム,クロム合金,クロム酸化物
あるいはクロム水和酸化物は、鋼板表面の欠陥部を覆う
とともに、出現した新生面により促進される加熱処理時
の脆弱な鉄−アルミニウムの金属間化合物成長を抑制す
るために、加工密着性にすぐれたアルミニウム積層鋼板
が得られるものと考えられる。また、クロムの層がアル
ミニウム,鉄間に存在することにより、浸炭層の形成が
抑制され、圧延にともない劣化した機械加工特性を改善
できる条件で加熱処理を施すことができるようになっ
た。
[実施例] 本発明を実施例で具体的に説明する。
実施例1 通常の脱脂,酸洗処理を施した厚み0.30mmの鋼板を、
無水クロム酸を100g/,フッ化ナトリウムを5g/含ん
だ温度50℃の溶液中で、電流密度4000A/m2の条件で鋼板
を陰極として、金属クロム,クロム水和酸化物がクロム
量にして0.5g/m2となるよう処理した。この処理を施し
た鋼板を水素ガス雰囲気中で、板の温度200℃の条件で6
0秒間加熱処理をし、次いで、厚み200μmのアルミニウ
ム箔を重ね、5%の圧下率で圧延後、空気中で板の温度
400℃の条件で60秒間加熱処理を施し、アルミニウム積
層鋼板を得た。
無水クロム酸を100g/,フッ化ナトリウムを5g/含ん
だ温度50℃の溶液中で、電流密度4000A/m2の条件で鋼板
を陰極として、金属クロム,クロム水和酸化物がクロム
量にして0.5g/m2となるよう処理した。この処理を施し
た鋼板を水素ガス雰囲気中で、板の温度200℃の条件で6
0秒間加熱処理をし、次いで、厚み200μmのアルミニウ
ム箔を重ね、5%の圧下率で圧延後、空気中で板の温度
400℃の条件で60秒間加熱処理を施し、アルミニウム積
層鋼板を得た。
実施例2 通常の脱脂,酸洗処理を施した厚み1.0mmの鋼板を無
水クロム酸80g/,硫酸0.3g/,ホウフッ化水素酸0.6
g/をそれぞれ含んだ温度60℃の溶液中で、鋼板を陰極
として、金属クロム,クロム水和酸化物がクロム量にし
て0.01g/m2となるよう処理した。この処理を施した鋼板
をアルゴンガス雰囲気中で、板の温度800℃の条件で1
秒間加熱処理をし、次いで、厚み30μmのアルミニウム
合金箔(JIS−3003)を重ね、12%の圧下率で圧延後、
空気中で板の温度550℃の条件で10秒間加熱処理を施
し、アルミニウム積層鋼板を得た。
水クロム酸80g/,硫酸0.3g/,ホウフッ化水素酸0.6
g/をそれぞれ含んだ温度60℃の溶液中で、鋼板を陰極
として、金属クロム,クロム水和酸化物がクロム量にし
て0.01g/m2となるよう処理した。この処理を施した鋼板
をアルゴンガス雰囲気中で、板の温度800℃の条件で1
秒間加熱処理をし、次いで、厚み30μmのアルミニウム
合金箔(JIS−3003)を重ね、12%の圧下率で圧延後、
空気中で板の温度550℃の条件で10秒間加熱処理を施
し、アルミニウム積層鋼板を得た。
実施例3 通常の脱脂,酸洗処理を施した厚み0.5mmの鋼板を無
水クロム酸を100g/,フッ化ナトリウムを5g/それぞ
れ含んだ温度50℃の溶液中で、鋼板を陰極として、金属
クロム,クロム水和酸化物がクロム量にして0.1gg/m2と
なるよう処理した。この処理を施した鋼板と厚み30μm
のアルミニウム箔を重ね、8%の圧下率で圧延後、空気
中で板の温度650℃の条件で5秒間加熱処理を施し、ア
ルミニウム積層鋼板を得た。
水クロム酸を100g/,フッ化ナトリウムを5g/それぞ
れ含んだ温度50℃の溶液中で、鋼板を陰極として、金属
クロム,クロム水和酸化物がクロム量にして0.1gg/m2と
なるよう処理した。この処理を施した鋼板と厚み30μm
のアルミニウム箔を重ね、8%の圧下率で圧延後、空気
中で板の温度650℃の条件で5秒間加熱処理を施し、ア
ルミニウム積層鋼板を得た。
実施例4 通常の脱脂,酸洗処理を施した厚み0.6mmの鋼板を、
二クロム酸ナトリウムを5g/含んだ温度60℃の溶液中
で、鋼板を陰極として、クロムおよびクロム酸化物がク
ロム量にして0.5g/m2となるよう処理した。次いで、厚
み15μmのアルミニウム合金箔(JIS−1N30)を重ね、
全体を5%の圧下率で圧延後、水素ガス雰囲気中で板の
温度400℃の条件で30秒間加熱処理を施し、アルミニウ
ム積層鋼板を得た。
二クロム酸ナトリウムを5g/含んだ温度60℃の溶液中
で、鋼板を陰極として、クロムおよびクロム酸化物がク
ロム量にして0.5g/m2となるよう処理した。次いで、厚
み15μmのアルミニウム合金箔(JIS−1N30)を重ね、
全体を5%の圧下率で圧延後、水素ガス雰囲気中で板の
温度400℃の条件で30秒間加熱処理を施し、アルミニウ
ム積層鋼板を得た。
実施例5 通常の脱脂,酸洗処理を施した厚み0.10mmの鋼板を、
二クロム酸アンモニウムを10g/含んだ温度60℃の酸性
溶液中で、鋼板を陽極としてクロム酸化物量がクロム量
にして0.01g/m2となるよう処理し、次いで、窒素ガス95
%と水素ガス5%を含んだ雰囲気中で、板の温度300℃
の条件で30秒間加熱処理をした。この処理を施した鋼板
と厚み50μmのアルミニウム合金箔(JIS−3004)を重
ね、1%の圧下率で圧延後、窒素ガス雰囲気中で板の温
度500℃の条件で30秒間加熱処理を施し、アルミニウム
積層鋼板を得た。
二クロム酸アンモニウムを10g/含んだ温度60℃の酸性
溶液中で、鋼板を陽極としてクロム酸化物量がクロム量
にして0.01g/m2となるよう処理し、次いで、窒素ガス95
%と水素ガス5%を含んだ雰囲気中で、板の温度300℃
の条件で30秒間加熱処理をした。この処理を施した鋼板
と厚み50μmのアルミニウム合金箔(JIS−3004)を重
ね、1%の圧下率で圧延後、窒素ガス雰囲気中で板の温
度500℃の条件で30秒間加熱処理を施し、アルミニウム
積層鋼板を得た。
実施例6 通常の脱脂,酸洗処理を施した厚み0.10mmの鋼板を、
塩化第一クロム200g/,塩化第一ニッケル25g/,ク
エン酸ナトリウム50g/および塩化アンモニウム130g/
を含んだ温度40℃の酸性溶液中で、鋼板を陰極として
クロム−ニッケル合金をクロム量に換算して0.5g/m2と
なるようめっきした。この処理を施した鋼板と厚み100
μmのアルミニウム合金箔(JIS−1085)を重ね、5%
の圧下率で圧延後、窒素ガス雰囲気中で板の温度500℃
の条件で30秒間加熱処理を施し、アルミニウム積層鋼板
を得た。
塩化第一クロム200g/,塩化第一ニッケル25g/,ク
エン酸ナトリウム50g/および塩化アンモニウム130g/
を含んだ温度40℃の酸性溶液中で、鋼板を陰極として
クロム−ニッケル合金をクロム量に換算して0.5g/m2と
なるようめっきした。この処理を施した鋼板と厚み100
μmのアルミニウム合金箔(JIS−1085)を重ね、5%
の圧下率で圧延後、窒素ガス雰囲気中で板の温度500℃
の条件で30秒間加熱処理を施し、アルミニウム積層鋼板
を得た。
得られたアルミニウム積層鋼板は、アルミニウム表面
にカッターで1mm平方の碁盤目を地鉄部に達するまでつ
けた後、エリクセン試験機でアルミニウム側で6mmある
いは8mm張り出し、セロハンテープで強制的に剥離し、
加工密着性を試験した。
にカッターで1mm平方の碁盤目を地鉄部に達するまでつ
けた後、エリクセン試験機でアルミニウム側で6mmある
いは8mm張り出し、セロハンテープで強制的に剥離し、
加工密着性を試験した。
その結果、実施例1〜6の本発明によるアルミニウム
積層鋼板において、アルミニウムあるいはアルミニウム
合金の箔の鋼板からの剥離は認められなかった。
積層鋼板において、アルミニウムあるいはアルミニウム
合金の箔の鋼板からの剥離は認められなかった。
[発明の効果] 本発明によるアルミニウム積層鋼板の製造法により、
アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔と鋼板とが
低い圧延率で均一に接合し、また拡散処理が軟化焼鈍を
兼ねることができ、密着性,加工性および加工密着性に
優れたアルミニウム積層鋼板が経済的に得られた。
アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔と鋼板とが
低い圧延率で均一に接合し、また拡散処理が軟化焼鈍を
兼ねることができ、密着性,加工性および加工密着性に
優れたアルミニウム積層鋼板が経済的に得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−128180(JP,A) 特開 昭53−102840(JP,A) 特開 昭63−40689(JP,A) 特開 昭54−120258(JP,A) 特公 昭34−5408(JP,B1) 特公 昭37−70(JP,B1)
Claims (2)
- 【請求項1】鋼板に、クロム、クロム合金、クロム酸化
物又はクロム水和酸化物を、クロム量にして0.01〜0.5g
/m2被覆し、中性又は還元雰囲気中で、200〜800℃、1
〜600秒間の熱処理を行い、次いで、厚み5〜200μmの
アルミニウム又はアルミニウム合金の箔を積層し、全体
を圧下率1〜15%で圧着した後、400℃から被覆したア
ルミニウム又はアルミニウム合金の融点未満の温度で、
1〜600秒間の熱処理を行うことを特徴とするアルミニ
ウム積層鋼板の製造法。 - 【請求項2】鋼板に、クロム、クロム合金、クロム酸化
物又はクロム水和酸化物を、クロム量にして0.01〜0.5g
/m2被覆し、次いで、厚み5〜200μmのアルミニウム又
はアルミニウム合金の箔を積層し、全体を圧下率1〜15
%で圧着した後、400℃から被覆したアルミニウム又は
アルミニウム合金の融点未満の温度で、1〜600秒間の
熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム積層鋼板の
製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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