JP2583227B2 - 電流しや断器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は低電圧用の電流しゃ断装置に関する。

（従来の技術） 電流しゃ断装置は前面を有するモジュール型のケース
と、２つの平行な大側面と、一対の出力端子と一対の制
御端子を収容する肩部をそれぞれが呈する２つの小側面
とを備え、前記肩部はケースの後部に向い前面に相対し
て配設され、このケース内には半導体スイッチと一対の
分離自在の接点が直列に接続されて収納され、この分離
自在の接点は前面に配設された作用棒と、故障が生じた
場合半導体スイッチを保護するよう接点を分離させるト
リップ解放装置とを有する機構によって作動するように
なっている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述の装置、例えば米国特許第4,531,172号に述べら
れた装置は回路の開閉操作を半導体スイッチで制御する
ことができ、これは遠隔制御によって行なわれる。故障
が生じた時は、分離自在の接点が自動的に開き半導体ス
イッチを保護し回路をしゃ断する。分離自在の接点の制
御は装置前面に配設された作用棒によって手動で行なわ
れる。半導体スイッチはモジュールケース内側であって
一つの端子の下方に特殊区画内に収納されている。しか
しながら、この装置は装置の十分な作動をそこなう過熱
現象を生じさせ、さらにケースの外形を大きくする必要
性がある。

本発明の目的は、半導体スイッチと組込式回路しゃ断
器とを備え、標準的形状を満たす一方で半導体スイッチ
を効果的に冷却できる装置を提供することである。

〔発明の構成〕

本発明による装置は、前記ケースがケースの背面をな
す外側金属板と第２ハウジングの中間隔壁とによって定
められた第１のハウジングを後部に備え、前記第１のハ
ウジング内に金属板と熱的に接触して半導体スイッチが
設けられ、前記分離自在の接点が第２ハウジング内に収
納されていることを特徴としている。

外側金属板に付加された脱熱器によって冷却効果が増
加し、かつ半導体スイッチの分岐回路を備えることによ
って半導体スイッチの保護が達成される。この分岐回路
は発生したアークを接点とするアークホーンとの間に移
すことによって回路の切換えを行うものである。

分岐回路は、好ましくは接点の１つの近傍に配置され
たアークホーンを備え、アークが発生すると直ちにこの
アークを拾うようになっている。このアークホーンは他
の接点の方向に延び優先的な閃絡域を形成する。閃絡が
生じる場合は、この閃絡は接点ではなくアークホーンに
生じる。このため半導体スイッチに電流が流れることが
防止される。

出力端子および半導体スイッチの制御端子はケースの
小側面に配設され、一方可動接点はこれら小側面に平行
な面内を動く。小側面の方向にケースの形状を制限する
ため、熱トリップ解放装置とりわけバイメタル板は近接
平面内を動く。

（実施例） 図を参照すると、鋳型のケース12を備えたモジュール
型電流開閉装置のポール10は作用棒20が貫通する前面18
を有している。

ケース12の背面は金属板16よりなり、金属板16は板16
と平行な中間絶縁隔壁14と小さな深さのハウジング68を
形成する。

ケース12の残りの部分には、一対の接点22,24と、こ
の接点22,24間に発生したアークの消イオン板28を備え
たアークシュート26と、作動棒20およびトリップ装置32
によって作動する作動機構が収納されている。

トリップ装置32はポールの出力端子38,40間の接点22,
24と直列に接続されたバイメタル板34およびコイル36か
らなっている。アークシュート26は２つのホーン、板28
および隔壁14に平行に延びる下部ホーン39および上部ホ
ーン41に囲まれている。

機構30は可動接点24を支持する接触アーム42からな
り、この接触アーム42は棒20にブラケット46によって連
結された回動レバー44に揺動自在に取付けられている。

トリップレバー48は軸50に揺動自在に取付けられ、接
触アーム42の端部と連動して作用し、接触アーム42を回
動レバー44と一体化して止めておくようにする。

掛金52はトリップレバー48と連動して作用し、この掛
金52は過負荷となった場合にバイメタル板34によって動
作するか又は電磁気トリップ装置36によって動作する。

掛金52がはずれることによってトリップレバー48が回
動し、可動接点24がスプリング（図示せず）の作用によ
って開となる。例えばトライアークや一対の逆平行連結
サイリスタのような半導体スイッチ56が、接点22,24お
よびトリップ装置34,36と直列に接続されている。半導
体スイッチ56の制御回路は導体58によって制御端子59,6
0に接続されている。

半導体スイッチ56は固定接点22と端子40との間に主回
路に電気的に接続されている。可動接点24は対向する端
子38にコイル36およびバイメタル板34を経て接続されて
いる。ある瞬間、端子38を経て流入した電流は、バイメ
タル板34、コイル36、接点22,24およびスイッチ56を流
れ端子40から流出する。上部アークホーン41は端子38と
接続し、一方下部アークホーン39は固定接点22の近傍ま
で延び、小さな間隙66によって固定接点22から隔てられ
ている。下部アークホーン39はさらに導体62によって半
導体スイッチ56と端子40の間に配置された主回路の接続
点64に接続される。

この種の電流しゃ断器は上述の米国特許第4,531,172
号に詳細に述べられているので、この作用を理解する上
で参照すると都合がよい。

ここでは通常運転時に、半導体スイッチ56が装置の開
閉の遠隔操作を可能とすることを想起すれば十分であ
る。

もし、事故が生じた場合はバイメタル板34またはコイ
ル36が接点22,24を自動的に開とし、ホーン39へ迅速に
アークの切換えを行い、半導体スイッチ56の分岐回路3
9,62へ切換えられる。このようにして半導体スイッチ56
を破壊する過負荷および短絡を効果的に防止できる。

特に第１図乃至第３図を参照すると、ケース12が２つ
の平行な大側面72,74と、ケース12の背面に向う拡大部
の境界をなす肩部80を有する２つの平行な小側面76,78
とから成っていることがわかる。

出力端子38,40はケースの拡大部80内の小側壁76に近
接して配置されている。一方制御端子59,60は小さな側
壁78に向って相対して配置されている。アークシュート
26、コイル36および機構30は小さな側面76,78に平行に
重ねて配置され、中間隔壁14と作用棒20との間に固定さ
れる。バイメタル板34はこの積層物に対して側方へ設け
られ、このため小側面76,78の方向にケース12の形状を
小さくすることができる。

第４図に示すように、バイメタル板34は平面上にその
作用を理解しやすくするため破線で示されている。可動
接点22の移動面は小側面76,78に平行となっている。ケ
ース12の拡大部80は壁76,78の端部に近接した金属板16
の中央部から離れた切欠82を備えている。金属板16のこ
の離れた部分は固定ねじ用の開孔84を有し、このねじは
金属板16をとりわけ脱熱器（図示せず）に取付けるもの
である。

出力端子37,40と制御端子59,60を小側面76,78に配設
し、バイメタル板34と、アークシュート26、コイル36お
よび機構30からなる積層物をこれら端子の間に取付ける
ことによって、そのような装置の従来の形状に比べてコ
ンパクトな装置とすることができる。

前面に配設された作用棒20はこの装置の開閉を手動操
作で行うものである。このケース12の特色ある形状は、
連続した装置の大側面72,74を互いに隣接して装置を一
直線に並べることを可能とするものである。半導体スイ
ッチ56は外側から入り易い分離ハウジング内に配設され
ている。

また、図における好適実施例によれば、半導体スイッ
チ56の分岐は、前述の接点のうちの一方の接点22の近傍
に配設されたアーク案内ホーン39、70にアークを移動さ
せることによって行なわれる。また、第４図に示すよう
に、小さな間隙66をもって固定接点22から離れて配置さ
れたアーク案内ホーン39、70には、可動接点24の方向を
向くように折れ曲がった端部70が形成されている。すな
わち、この端部70は、一対の接点22,24の接触点を通過
するとともに可動接点24の移動方向に直交する平面に対
して、可動接点24の開方向に向って固定接点22からずれ
てゆくように傾斜している。

従って、アーク案内ホーン39の端部70は、接点22、24
が開状態へ移行する間又は開状態の間、可動接点24の開
方向に関して、端部70と可動接点24との間の距離が、分
離した接点22,24間の距離より小さくなるよう固定接点2
2の前方に配設される。

このため、閃絡が生じた場合、閃絡は可動接点24と端
部70との間に発生し、接点22,24間には発生しないよう
になっている。このようにして、半導体スイッチ56が損
傷する危険を伴う半導体スイッチ56の回路内へ切り換わ
りが回避される。

【図面の簡単な説明】

他の利点および特徴は以下の添付図面により明らかにさ
れる。 第１図は本発明による装置の概略立面図であり、部分的
に破断した図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１
図の装置の左側面図、第４図は第２図のIV−IV線拡大断
面図、第５図は第１図による装置の回路図である。 10……ポール、12……ケース、14……隔壁、16……金属
板、18……前面、20……作用棒、30……機構、38,40…
…出力端子、59,60……制御端子、72,74……大側面、7
6,78……小側面。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−66030（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−101663（ＪＰ，Ａ)

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前面と、２つの平行な大側面と、それぞれ
   が一対の出力端子と少なくとも１つの制御端子を収納す
   る肩部を呈する２つの平行な小側面と、を有するケース
   を備え、 前記肩部は前記ケースの背部に向う前記前面に相対して
   配設され、 前記ケース内には、半導体スイッチと、分離自在の一対
   の接点とが直列に接続されて収納され、 この一対の接点は、前記前面に配設された作用棒と、故
   障が生じた場合に半導体スイッチを保護するための接点
   を分離するトリップ装置と、を備えた機構によって作動
   され、 前記ケースはケースの底部をなす外側金属板と第２のハ
   ウジングの中間隔壁とによって形成された第１のハウジ
   ングを背部に備え、 前記半導体スイッチは前記第１のハウジングに金属板と
   熱的に接触して配設され、 前記分離自在の接点は前記第２のハウジング内に収納さ
   れ、 これにより、前記第１のハウジングは前記第２のハウジ
   ングから熱的に隔離され、 前記半導体スイッチを分岐するための分岐回路が更に設
   けられ、 前記分岐回路は前記一対の接点の一方に近接して配設さ
   れたアーク案内ホーンを含み、 前記アーク案内ホーンの端部は前記一対の接点の他方を
   向くように折れ曲がり、 前記一対の接点が分離した場合直ちに、前記アーク案内
   ホーンと前記一対の接点の他方との距離が、前記一対の
   接点間の距離よりも小さくなるように形成され、 これにより、前記一対の接点が分離した際に発生するア
   ークを前記分岐回路に転送し、接点間の閃絡を回避する
   とともに半導体スイッチを保護することを特徴とする低
   電圧用電流しゃ断器。
2. 【請求項２】前記一対の接点の１つの可動平面は接続端
   子を支持するハウジングの前記小側面と平行となってい
   る特許請求の範囲第１項に記載の電流しゃ断器。
3. 【請求項３】前記第２のハウジング内に前記中間隔壁に
   近接してアークシュートが配設され、前記アークシュー
   トの端板の一つは半導体スイッチの分岐回路を構成して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の電
   流しゃ断器。
4. 【請求項４】前記トリップ装置は磁気的トリップ装置と
   熱的トリップ装置とからなり、 磁気的トリップ装置および前記機構は、前記アークシュ
   ートと前記ケースの前面との間にケースの小側面と平行
   に積上げられ、 例えばバイメタル板からなる熱的トリップ装置はこの積
   層物に近接した面上に配設されている特許請求の範囲第
   ３項に記載の電流しゃ断器。
5. 【請求項５】前記一対の出力端子は前記小側面のうち一
   方に配設され、 前記制御端子は対向する前記小側面のうち他方に配設さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   の電流しゃ断器。
6. 【請求項６】前記金属板は前記小側面に近接する端部
   に、金属板の外側面に接する脱熱器への取付用のねじ孔
   を有し、 前記肩部は前記ねじ孔に面する切欠部を有していること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の電流しゃ断
   器。