JP2581232B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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- JP2581232B2 JP2581232B2 JP1266533A JP26653389A JP2581232B2 JP 2581232 B2 JP2581232 B2 JP 2581232B2 JP 1266533 A JP1266533 A JP 1266533A JP 26653389 A JP26653389 A JP 26653389A JP 2581232 B2 JP2581232 B2 JP 2581232B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、コンピュータなどの外部記録装置として
用いられる固定磁気記録装置の記憶素子である磁気記録
媒体の製造方法に関する。
用いられる固定磁気記録装置の記憶素子である磁気記録
媒体の製造方法に関する。
近年、コンピュータ,ワードプロセッサなどの発達に
伴って、その外部記憶装置として固定磁気記録装置−特
に小型の固定磁気記録装置−が普及してきている。
伴って、その外部記憶装置として固定磁気記録装置−特
に小型の固定磁気記録装置−が普及してきている。
固定磁気記録装置においては一般にCSS(Co−ntact S
tart Stop)方式が採られる。磁気記録媒体(以下、単
にメディアとも称する)は磁気ヘッドと組み合わせて装
置内に組み込まれ、磁気ヘッドは装置駆動停止時には停
止しているメディア表面に接触して停止しており、装置
駆動時(情報の記録・再生時)には高速回転しているメ
ディア表面上を僅かに浮上して走行し、装置の駆動の開
始時と中止時には過渡的にメディア表面と接触摺動す
る。従って、メディア表面は磁気ヘッドの接触摺動が円
滑に行われるように低摩擦となるように、しかも、停止
時の磁気ヘッドの吸着が起きないように、適度に粗れて
いることが装置の耐久性,信頼性を確保するために重要
である。また、処理情報がますます多量になり、装置の
記憶容量の大容量化に対する市場要求が強く、記憶素子
として使用されるメディアの高記録密度が強く要求さ
れ、そのために保磁力を増加させることで要求されてい
る。
tart Stop)方式が採られる。磁気記録媒体(以下、単
にメディアとも称する)は磁気ヘッドと組み合わせて装
置内に組み込まれ、磁気ヘッドは装置駆動停止時には停
止しているメディア表面に接触して停止しており、装置
駆動時(情報の記録・再生時)には高速回転しているメ
ディア表面上を僅かに浮上して走行し、装置の駆動の開
始時と中止時には過渡的にメディア表面と接触摺動す
る。従って、メディア表面は磁気ヘッドの接触摺動が円
滑に行われるように低摩擦となるように、しかも、停止
時の磁気ヘッドの吸着が起きないように、適度に粗れて
いることが装置の耐久性,信頼性を確保するために重要
である。また、処理情報がますます多量になり、装置の
記憶容量の大容量化に対する市場要求が強く、記憶素子
として使用されるメディアの高記録密度が強く要求さ
れ、そのために保磁力を増加させることで要求されてい
る。
メディアとしては、一般に、ドーナツ盤状のAl合金板
の表面に無電解めっき法でNi−P合金層が形成されてな
る非磁性の基板上に、Crからなる非磁性金属下地層,Co
合金からなる強磁性金属磁性層,Cからなる保護層をスパ
ッタ法で順次成膜積層した構成のものが知られている。
の表面に無電解めっき法でNi−P合金層が形成されてな
る非磁性の基板上に、Crからなる非磁性金属下地層,Co
合金からなる強磁性金属磁性層,Cからなる保護層をスパ
ッタ法で順次成膜積層した構成のものが知られている。
このようなメディアにおいて、その表面粗さはメディ
アを構成する各層の支持体となる基板の表面粗さに左右
されるが、さらに、前記各層を成膜するときの基板温度
に大きく左右され、基板温度が高くなる程成膜後のメデ
ィア表面は滑らかとなり摩擦力が増大することが知られ
ている。
アを構成する各層の支持体となる基板の表面粗さに左右
されるが、さらに、前記各層を成膜するときの基板温度
に大きく左右され、基板温度が高くなる程成膜後のメデ
ィア表面は滑らかとなり摩擦力が増大することが知られ
ている。
また、メディアの保磁力を増大させるためには、 (a)磁性層を形成するCo合金と組成を適切に選定する
ことにより磁性層の結晶磁気異方性を高める。
ことにより磁性層の結晶磁気異方性を高める。
(b)磁性層の下地層であるCr層の膜厚を厚くして磁性
層の結晶性(配向成長)を高める。
層の結晶性(配向成長)を高める。
(c)成膜時の基板温度を高くして、Cr下地層,Co合金
磁性層の結晶性(配向成長)を高める。
磁性層の結晶性(配向成長)を高める。
(d)成膜時の基板温度を高くして、磁性層を形成する
Co合金の微結晶粒内の不純物および成分元素の粒内偏析
を促進させる。
Co合金の微結晶粒内の不純物および成分元素の粒内偏析
を促進させる。
などの方法が知られている。
上述のように、メディアの表面はメディアを構成する
各層を成膜するときの基板温度が高くなるにつれて滑ら
かとなり摩擦が大きくなり、低くなるにつれて粗面化し
て低摩擦となる。現状では、実用に耐え得る低摩擦のメ
ディアを得るためには、基板温度を200℃以下に抑える
ことが必要であった。
各層を成膜するときの基板温度が高くなるにつれて滑ら
かとなり摩擦が大きくなり、低くなるにつれて粗面化し
て低摩擦となる。現状では、実用に耐え得る低摩擦のメ
ディアを得るためには、基板温度を200℃以下に抑える
ことが必要であった。
一方、メディアの保磁力は上述の各方法により増大さ
せることができるが、現状では基板温度200℃以下では
市場より要求されている1300Oeを超える保磁力を有する
メディアを安定して量産することはできない。例えば、
基板温度200℃では、Co−Ni−Cr合金からなる磁性層の
場合1000Oe程度,Co−Cr−Ta合金からなる磁性層の場合1
200Oe程度であり、基板温度を低くするにつれて保磁力
は低下する。
せることができるが、現状では基板温度200℃以下では
市場より要求されている1300Oeを超える保磁力を有する
メディアを安定して量産することはできない。例えば、
基板温度200℃では、Co−Ni−Cr合金からなる磁性層の
場合1000Oe程度,Co−Cr−Ta合金からなる磁性層の場合1
200Oe程度であり、基板温度を低くするにつれて保磁力
は低下する。
上述のように、メディア表面を低摩擦化するためには
基板温度を200℃以下と低くする必要があり、メディア
の保磁力を高めるためには基板温度を200℃以上と高く
する必要があり、前述のような従来の方法では、市場か
ら要求されるレベルの低摩擦,高保磁力を有するメディ
アは得られない。
基板温度を200℃以下と低くする必要があり、メディア
の保磁力を高めるためには基板温度を200℃以上と高く
する必要があり、前述のような従来の方法では、市場か
ら要求されるレベルの低摩擦,高保磁力を有するメディ
アは得られない。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであ
って、低摩擦で、かつ、高保磁力のメディアを安定して
量産できる製造方法を提供することを課題とする。
って、低摩擦で、かつ、高保磁力のメディアを安定して
量産できる製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題は、この発明によれば、表面をテクスチュ
ア加工した非磁性基板上にCr下地層,Co合金磁性層およ
び硬質保護層をスパッタ法でこの順序に成膜し、積層す
る工程を含む面内磁気記録媒体の製造方法において、前
記非磁性基板の温度を150℃以上200℃以下の範囲内の温
度に保持し、かつこの非磁性基板にバイアス電圧を印加
した状態でCr下地層およびCo合金磁性層をスパッタ法で
成膜して、表面形状の相対負荷曲線の相対負荷長さ10%
におけるカッティング深さから相対負荷長さ1%におけ
るカッティング深さを差し引いた値が150Å以上の表面
粗さを有するものとすることによって解決される。
ア加工した非磁性基板上にCr下地層,Co合金磁性層およ
び硬質保護層をスパッタ法でこの順序に成膜し、積層す
る工程を含む面内磁気記録媒体の製造方法において、前
記非磁性基板の温度を150℃以上200℃以下の範囲内の温
度に保持し、かつこの非磁性基板にバイアス電圧を印加
した状態でCr下地層およびCo合金磁性層をスパッタ法で
成膜して、表面形状の相対負荷曲線の相対負荷長さ10%
におけるカッティング深さから相対負荷長さ1%におけ
るカッティング深さを差し引いた値が150Å以上の表面
粗さを有するものとすることによって解決される。
Cr下地層およびCo合金磁性層の成膜時に基板に印加さ
れるバイアスは両層の結晶性を改善し、かつ、強磁性金
属磁性層の微結晶粒内偏析を促進する作用があり、メデ
ィアの保磁力を高める効果が得られ、しかもバイアス電
圧が高くなる程その効果は大きくなる。従って、基板温
度を200℃以下の比較的低い温度に保持し、基板にバイ
アスを印加した状態で前記両層を成膜することにより、
低摩擦で高保磁力を有するメディアを得ることが可能と
なる。
れるバイアスは両層の結晶性を改善し、かつ、強磁性金
属磁性層の微結晶粒内偏析を促進する作用があり、メデ
ィアの保磁力を高める効果が得られ、しかもバイアス電
圧が高くなる程その効果は大きくなる。従って、基板温
度を200℃以下の比較的低い温度に保持し、基板にバイ
アスを印加した状態で前記両層を成膜することにより、
低摩擦で高保磁力を有するメディアを得ることが可能と
なる。
基板温度を低くすればする程メディア表面は低摩擦と
なるが、保磁力は低下してくる。従ってバイアス電圧よ
り高くして保磁力を高めることが必要となる。ところ
が、バイアス電圧を高くしていくとスパッタ電圧が不安
定となり、成膜が良好に行えなくなる。バイアス印加に
より保磁力を増大させることには限度があり、したがっ
て基板温度をあまり低くすることはできない。
なるが、保磁力は低下してくる。従ってバイアス電圧よ
り高くして保磁力を高めることが必要となる。ところ
が、バイアス電圧を高くしていくとスパッタ電圧が不安
定となり、成膜が良好に行えなくなる。バイアス印加に
より保磁力を増大させることには限度があり、したがっ
て基板温度をあまり低くすることはできない。
基板温度を150℃以上200℃以下の範囲内の温度に保持
し、かつ、適切なバイアス電圧を基板に印加した状態で
前記両層を成膜することにより、低摩擦で高保磁力を有
するメディアを安定して量産することが可能となる。
し、かつ、適切なバイアス電圧を基板に印加した状態で
前記両層を成膜することにより、低摩擦で高保磁力を有
するメディアを安定して量産することが可能となる。
Al合金円板をドーナツ盤状に内外径を加工し、表面を
研削,研磨により平坦に加工する。この表面に無電解め
っき法で厚さ約20μmのNi−P合金層を形成し、約15μ
mの厚さまで研磨し、表面粗さが中心線平均粗さRaで20
Å程度となるように鏡面研磨し、さらにテクスチュアを
施して表面粗さがRaで70Å程度となるようにし、これを
メディアの基板とする。
研削,研磨により平坦に加工する。この表面に無電解め
っき法で厚さ約20μmのNi−P合金層を形成し、約15μ
mの厚さまで研磨し、表面粗さが中心線平均粗さRaで20
Å程度となるように鏡面研磨し、さらにテクスチュアを
施して表面粗さがRaで70Å程度となるようにし、これを
メディアの基板とする。
このようにして得られた基板を超精密洗浄した後、ホ
ルダに装着し、第1図の概念図に示したようなインライ
ンスパッタ装置により、基板表面にCr下地層,Co合金磁
性層,C保護層をDCマグネトロン方式のスパッタ法で順次
成膜する。
ルダに装着し、第1図の概念図に示したようなインライ
ンスパッタ装置により、基板表面にCr下地層,Co合金磁
性層,C保護層をDCマグネトロン方式のスパッタ法で順次
成膜する。
第2図はホルダおよびホルダを装置内で搬送する状態
を示す概念図で、第2図(a)はホルダを正面から見た
図であり、第2図(b)はホルダを側面から見た図を示
す。第2図において、ホルダ6は下端に設けられた車輪
103により装置内に敷設されているレール102上を移動す
る。ホルダ6には複数個(図では9個の場合を示す)の
基板101が装着できるようになっており、ホルダ6の基
板101の装着される部分は絶縁物104によりアースから絶
縁されている。基板101へのバイアス印加は、装置外に
設けられたDCバイアス電源(図示はされていない)か
ら、装置の側壁1に取り付けられた電極導入ポート106
およびこれに接続されホルダ6の表面と弾性を持って接
触しホルダ6の移動につれてその表面を摺動し得るバイ
アス印加シュウ12を介して、ホルダ6の基板101の装着
部分に電圧を印加することにより行われる。
を示す概念図で、第2図(a)はホルダを正面から見た
図であり、第2図(b)はホルダを側面から見た図を示
す。第2図において、ホルダ6は下端に設けられた車輪
103により装置内に敷設されているレール102上を移動す
る。ホルダ6には複数個(図では9個の場合を示す)の
基板101が装着できるようになっており、ホルダ6の基
板101の装着される部分は絶縁物104によりアースから絶
縁されている。基板101へのバイアス印加は、装置外に
設けられたDCバイアス電源(図示はされていない)か
ら、装置の側壁1に取り付けられた電極導入ポート106
およびこれに接続されホルダ6の表面と弾性を持って接
触しホルダ6の移動につれてその表面を摺動し得るバイ
アス印加シュウ12を介して、ホルダ6の基板101の装着
部分に電圧を印加することにより行われる。
基板の装着されたホルダ6を第1図に示した仕込室2
内のレール(図示されてはいない)上にセットし、5×
10-5Torrの高真空にして、基板加熱ヒータ7により基板
を加熱する。基板が所定温度に達した後、仕込りドア5a
を開閉してホルダ6を成膜室3内へ搬送する。成膜室3
内を10mTorrのAr雰囲気として、ホルダ6を搬送しなが
らCrターゲット8,Co合金ターゲット9,Cターゲット10を
順次スパッタリングして基板上にCr下地層(膜厚1500
Å),Co合金磁性層(膜厚450Å),C保護層(膜厚400
Å)を順次成膜し積層する。Cr下地層およびCo合金磁性
層を成膜するときには、側壁1の外部に設けられたDCバ
イアス電源11より側壁1に取り付けられた電極導入ポー
ト(図示はしてない)とこれに接続されたバイアス印加
シュウ12を介してホルダ6にバイアスを印加する。電極
導入ポートおよびバイアス印加シュウ12は複数個(図で
は4個の場合を示す)設けられており、ホルダ6の搬送
につれてこれらのバイアス印加シュウ12が順次接触する
ことにより、成膜中をとおしてバイアスが途切れないよ
うにする。C保護層まで成膜された後、ホルダ6は仕切
りドア5bを開閉して取出室4に搬送され、取出室4を大
気圧とした後に装置より取り出し、成膜の完了した基板
をホルダ6より取りはずす。
内のレール(図示されてはいない)上にセットし、5×
10-5Torrの高真空にして、基板加熱ヒータ7により基板
を加熱する。基板が所定温度に達した後、仕込りドア5a
を開閉してホルダ6を成膜室3内へ搬送する。成膜室3
内を10mTorrのAr雰囲気として、ホルダ6を搬送しなが
らCrターゲット8,Co合金ターゲット9,Cターゲット10を
順次スパッタリングして基板上にCr下地層(膜厚1500
Å),Co合金磁性層(膜厚450Å),C保護層(膜厚400
Å)を順次成膜し積層する。Cr下地層およびCo合金磁性
層を成膜するときには、側壁1の外部に設けられたDCバ
イアス電源11より側壁1に取り付けられた電極導入ポー
ト(図示はしてない)とこれに接続されたバイアス印加
シュウ12を介してホルダ6にバイアスを印加する。電極
導入ポートおよびバイアス印加シュウ12は複数個(図で
は4個の場合を示す)設けられており、ホルダ6の搬送
につれてこれらのバイアス印加シュウ12が順次接触する
ことにより、成膜中をとおしてバイアスが途切れないよ
うにする。C保護層まで成膜された後、ホルダ6は仕切
りドア5bを開閉して取出室4に搬送され、取出室4を大
気圧とした後に装置より取り出し、成膜の完了した基板
をホルダ6より取りはずす。
上述のようにして、磁性層の組成をCo−30Ni−7.5Cr
(数値は原子%を示す)とするメディアと、Co−12Cr−
2Taとするメディアと二種類のメディアを作製した。ま
た、成膜に際して、基板温度およびバイアス電圧を変化
させて各種類についてこれらの条件の異なるメディアを
作製した。その際、基板温度は基板の熱変形および基板
表面のNi−P合金の磁化を考慮して最高300℃に抑え、
バイアス電圧は−600V以上になるとスパッタ放電が不安
定となるので−500Vを上限とした。
(数値は原子%を示す)とするメディアと、Co−12Cr−
2Taとするメディアと二種類のメディアを作製した。ま
た、成膜に際して、基板温度およびバイアス電圧を変化
させて各種類についてこれらの条件の異なるメディアを
作製した。その際、基板温度は基板の熱変形および基板
表面のNi−P合金の磁化を考慮して最高300℃に抑え、
バイアス電圧は−600V以上になるとスパッタ放電が不安
定となるので−500Vを上限とした。
このようにして作製したメディアについて、成膜時の
基板温度,バイアス電圧とメディア表面粗さ,保磁力と
の関係を調べた。
基板温度,バイアス電圧とメディア表面粗さ,保磁力と
の関係を調べた。
メディア表面粗さは、表面形状の相対負荷曲線の相対
負荷長さ10%におけるカッティング深さから相対負荷長
さ1%におけるカッティング深さを差し引いた値tp10−
1で表示した。
負荷長さ10%におけるカッティング深さから相対負荷長
さ1%におけるカッティング深さを差し引いた値tp10−
1で表示した。
調査の結果、メディア表面粗さは磁性層の組成には依
存しなかった。基板温度とメディア表面粗さとの関係を
バイアス電圧をパラメータとして第3図に示す。また、
バイアス電圧とメディア表面粗さとの関係を基板温度を
パラメータとして第4図に示す。第3図および第4図よ
り、バイアス印加の有無にかかわらず、基板温度が低く
なるにつれてメディア表面粗さは大きくなるが、バイア
ス電圧が増加するにつれてその大きくなる度合が減少す
ることが判る。
存しなかった。基板温度とメディア表面粗さとの関係を
バイアス電圧をパラメータとして第3図に示す。また、
バイアス電圧とメディア表面粗さとの関係を基板温度を
パラメータとして第4図に示す。第3図および第4図よ
り、バイアス印加の有無にかかわらず、基板温度が低く
なるにつれてメディア表面粗さは大きくなるが、バイア
ス電圧が増加するにつれてその大きくなる度合が減少す
ることが判る。
また、メディア表面粗さとその動摩擦係数との間には
第7図に示す関係があることは知られている。第7図に
おいて、横軸はメディア表面粗さtp10−1を示し、縦軸
はメディアを磁気ヘッドが浮上しない程度の低速で回転
させ、磁気ヘッドをメディア表面上で1時間接触摺動さ
せたとき動摩擦係数μ60minを示し、メディア表面粗さ
が大きくなる程動摩擦係数μ60minが小さくなる関係が
示されている。メディア表面を市場要求を充たす程度に
低摩擦とするためにはμ60minが約0.5以下であることが
必要とされ、第7図よりtp10−1は150Å程度以上でな
ければならないことが判る。従って第3図より基板温度
は200℃以下とすることが必要であることが判る。
第7図に示す関係があることは知られている。第7図に
おいて、横軸はメディア表面粗さtp10−1を示し、縦軸
はメディアを磁気ヘッドが浮上しない程度の低速で回転
させ、磁気ヘッドをメディア表面上で1時間接触摺動さ
せたとき動摩擦係数μ60minを示し、メディア表面粗さ
が大きくなる程動摩擦係数μ60minが小さくなる関係が
示されている。メディア表面を市場要求を充たす程度に
低摩擦とするためにはμ60minが約0.5以下であることが
必要とされ、第7図よりtp10−1は150Å程度以上でな
ければならないことが判る。従って第3図より基板温度
は200℃以下とすることが必要であることが判る。
次に、磁性層の組成がCo−30Ni−7.5Crであるメディ
アについて、基板温度と保磁力Hcとの関係をバイアス電
圧をパラメータとして第5図に示す。第5図に見られる
とおり、基板温度の上昇につれて保磁力は増大する。ま
た、バイアスを印加することにより同一の基板温度で保
磁力を増加させることができ、しかも、バイアス電圧が
高い程その増加量は大きい。例えば、基板温度200℃に
おいては、バイアス電圧0Vの場合保磁力は約1050Oeであ
るが、バイアスを印加し、その電圧を高めるにつれて保
持力は増大し、バイアス電圧−500V印加することにより
約1650Oeまで高めることができる。しかもこの場合、第
3図に見られるようにメディア表面粗さの変化は少な
い。また、基板温度150℃においては、バイアス電圧0V
の場合保磁力は約900Oeであるが、適切なバイアス電圧
を印加することにより、最低限必要なメディア表面粗さ
を維持しながら保磁力を約1400Oeまで高めることができ
る。
アについて、基板温度と保磁力Hcとの関係をバイアス電
圧をパラメータとして第5図に示す。第5図に見られる
とおり、基板温度の上昇につれて保磁力は増大する。ま
た、バイアスを印加することにより同一の基板温度で保
磁力を増加させることができ、しかも、バイアス電圧が
高い程その増加量は大きい。例えば、基板温度200℃に
おいては、バイアス電圧0Vの場合保磁力は約1050Oeであ
るが、バイアスを印加し、その電圧を高めるにつれて保
持力は増大し、バイアス電圧−500V印加することにより
約1650Oeまで高めることができる。しかもこの場合、第
3図に見られるようにメディア表面粗さの変化は少な
い。また、基板温度150℃においては、バイアス電圧0V
の場合保磁力は約900Oeであるが、適切なバイアス電圧
を印加することにより、最低限必要なメディア表面粗さ
を維持しながら保磁力を約1400Oeまで高めることができ
る。
また、磁性層の組成がCo−12Cr−2Taであるメディア
についての基板温度と保磁力との関係をバイアス電圧を
パラメータとして第6図に示すが、第5図と同様の傾向
の関係にあり、成膜時にバイアスを印加することによ
り、比較的低い基板温度で高保磁力を実現することがで
きる。
についての基板温度と保磁力との関係をバイアス電圧を
パラメータとして第6図に示すが、第5図と同様の傾向
の関係にあり、成膜時にバイアスを印加することによ
り、比較的低い基板温度で高保磁力を実現することがで
きる。
かくして、成膜時の基板温度を150℃以上200℃以下の
範囲内の温度に保持し、かつ、Cr下値層,Co合金磁性層
の成膜時に基板に適切なバイアス電圧を印加することに
より、低摩擦で高保磁力を有するメディアを安定して量
産することが可能となる。
範囲内の温度に保持し、かつ、Cr下値層,Co合金磁性層
の成膜時に基板に適切なバイアス電圧を印加することに
より、低摩擦で高保磁力を有するメディアを安定して量
産することが可能となる。
以上の実施例においては、DCマグネトロン方式のスパ
ッタ法で成膜を行ったが、RFマグネトロン方式のスパッ
タ法においてもバイアス印加は同様に有効である。ま
た、基板へのバイアスの印加方法は実施例の方法に限定
されるものではない。さらに、保護層の材質もCに限定
されないことは勿論である。
ッタ法で成膜を行ったが、RFマグネトロン方式のスパッ
タ法においてもバイアス印加は同様に有効である。ま
た、基板へのバイアスの印加方法は実施例の方法に限定
されるものではない。さらに、保護層の材質もCに限定
されないことは勿論である。
この発明によれば、表面をテクスチュア加工した非磁
性基板上にCr下地層,Co合金磁性層をスパッタ法で成膜
するに際し、基板温度を150℃以上200℃以下の範囲内の
温度に保持し、基板にバイアスを印加した状態で成膜を
行い、表面形状の相対負荷曲線の相対負荷長さ10%にお
けるカッティング深さから相対負荷長さ1%におけるカ
ッティング深さを差し引いた値が150Å以上の表面粗さ
を有するものとする。このようにバイアスを印加するこ
とにより、上述のような比較的低い基板温度で成膜を行
っても高保磁力が実現できるようになり、低摩擦で、か
つ、高保磁力を有する磁気記録媒体を安定して量産する
ことが可能となり、固定磁気記録装置の大容量化,高信
頼化に対応することが可能となる。
性基板上にCr下地層,Co合金磁性層をスパッタ法で成膜
するに際し、基板温度を150℃以上200℃以下の範囲内の
温度に保持し、基板にバイアスを印加した状態で成膜を
行い、表面形状の相対負荷曲線の相対負荷長さ10%にお
けるカッティング深さから相対負荷長さ1%におけるカ
ッティング深さを差し引いた値が150Å以上の表面粗さ
を有するものとする。このようにバイアスを印加するこ
とにより、上述のような比較的低い基板温度で成膜を行
っても高保磁力が実現できるようになり、低摩擦で、か
つ、高保磁力を有する磁気記録媒体を安定して量産する
ことが可能となり、固定磁気記録装置の大容量化,高信
頼化に対応することが可能となる。
第1図はこの発明の一実施例に用いられたインラインス
パッタ装置の概念図、第2図はこの発明の一実施例にお
ける基板のホルダおよびホルダの搬送状態を示す概念
図、第3図は基板温度とメディア表面粗さとの関係をバ
イアス電圧をパラメータとして示す線図、第4図はバイ
アス電圧とメディア表面粗さとの関係を基板温度をパラ
メータとして示す線図、第5図はCo−30Ni−7.5Cr合金
からなる磁性層を備えたメディアについて基板温度と保
磁力との関係をバイアス電圧をパラメータとして示す線
図、第6図はCo−12Cr−2Ta合金からなる磁性層を備え
たメディアについて基板温度と保磁力との関係をバイア
ス電圧をパラメータとして示す線図、第7図はメディア
表面粗さと動摩擦係数との関係を示す線図である。 6……ホルダ、7……基板加熱ヒータ、8……Crターゲ
ット、9……Co合金ターゲット、11……DCバイアス電
源、12……バイアス印加シュウ、101……基板、104……
絶縁物、106……電極導入ポート。
パッタ装置の概念図、第2図はこの発明の一実施例にお
ける基板のホルダおよびホルダの搬送状態を示す概念
図、第3図は基板温度とメディア表面粗さとの関係をバ
イアス電圧をパラメータとして示す線図、第4図はバイ
アス電圧とメディア表面粗さとの関係を基板温度をパラ
メータとして示す線図、第5図はCo−30Ni−7.5Cr合金
からなる磁性層を備えたメディアについて基板温度と保
磁力との関係をバイアス電圧をパラメータとして示す線
図、第6図はCo−12Cr−2Ta合金からなる磁性層を備え
たメディアについて基板温度と保磁力との関係をバイア
ス電圧をパラメータとして示す線図、第7図はメディア
表面粗さと動摩擦係数との関係を示す線図である。 6……ホルダ、7……基板加熱ヒータ、8……Crターゲ
ット、9……Co合金ターゲット、11……DCバイアス電
源、12……バイアス印加シュウ、101……基板、104……
絶縁物、106……電極導入ポート。
Claims (1)
- 【請求項1】表面をテクスチュア加工した非磁性基板上
にCr下地層,Co合金磁性層および硬質保護層をスパッタ
法でこの順序に成膜し、積層する工程を含む面内磁気記
録媒体の製造方法において、前記非磁性基板の温度を15
0℃以上200℃以下の範囲内の温度に保持し、かつこの非
磁性基板にバイアス電圧を印加した状態でCr下地層およ
びCo合金磁性層をスパッタ法で成膜して、表面形状の相
対負荷曲線の相対負荷長さ10%におけるカッティング深
さから相対負荷長さ1%におけるカッティング深さを差
し引いた値が150Å以上の表面粗さを有するものとする
ことを特徴とする面内磁気記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1266533A JP2581232B2 (ja) | 1989-10-13 | 1989-10-13 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1266533A JP2581232B2 (ja) | 1989-10-13 | 1989-10-13 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03127329A JPH03127329A (ja) | 1991-05-30 |
JP2581232B2 true JP2581232B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=17432199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1266533A Expired - Lifetime JP2581232B2 (ja) | 1989-10-13 | 1989-10-13 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2581232B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6227453A (ja) * | 1985-07-30 | 1987-02-05 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
JPH0647722B2 (ja) * | 1986-09-24 | 1994-06-22 | 富士電機株式会社 | 磁気記録媒体の製造方法 |
JPH0731810B2 (ja) * | 1987-09-25 | 1995-04-10 | 富士電機株式会社 | 磁気記録媒体の製造方法 |
JPH02161617A (ja) * | 1988-03-15 | 1990-06-21 | Ulvac Corp | 面内記録型磁気記録体の製造方法 |
JPH0740342B2 (ja) * | 1989-04-04 | 1995-05-01 | 三菱化学株式会社 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
-
1989
- 1989-10-13 JP JP1266533A patent/JP2581232B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03127329A (ja) | 1991-05-30 |
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