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JP2578819Y2 - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射装置

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Publication number
JP2578819Y2
JP2578819Y2 JP1991096969U JP9696991U JP2578819Y2 JP 2578819 Y2 JP2578819 Y2 JP 2578819Y2 JP 1991096969 U JP1991096969 U JP 1991096969U JP 9696991 U JP9696991 U JP 9696991U JP 2578819 Y2 JP2578819 Y2 JP 2578819Y2
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Japan
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fuel
injection
fuel injection
engine
hole
Prior art date
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JP1991096969U
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悦正 松良
洋 上久保
一俊 森
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ディーゼルエンジン
の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンには、燃焼騒音の低
減,排ガス中の有害物質の低減,燃料の微粒化と噴霧時
間の短縮とによる燃焼効率の改善等を目的として、燃焼
室内に正副2つの噴孔を設けた、2ノズルインジェクシ
ョンタイプのエンジンがある。この2ノズルインジェク
ションタイプのディーゼルエンジンでは、例えば、主噴
孔による主燃料噴射に先駆けて副噴孔からパイロット噴
射を行ない、これにより燃料混合気への着火遅れ等を防
止して、燃焼騒音の低減,排ガス中の有害物質の低減,
燃焼効率の改善等を図っている。
【0003】そして、燃焼室内に2つの噴孔を設けるた
めに、1シリンダ当たり正副2本の燃料噴射ノズル(燃
料噴射手段)を配設したり、或いは、1本の燃料噴射ノ
ズルから副ノズルを分岐し、つまり、1本の燃料噴射ノ
ズルに正副2体のノズルを備えた燃料噴射ノズル(燃料
噴射手段)を取り付けたりして、副噴孔を形成するよう
にしている。
【0004】また、これら2つの噴孔に燃料を供給する
ため、従来は、1個の燃料ポンプが装備され、所謂、1
ポンプ2ノズルインジェクションの構成が採られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の2
ノズルインジェクションタイプのディーゼルエンジンで
は、1個の燃料ポンプにより2つの噴孔に燃料が供給さ
れている。しかしながら、1個の燃料ポンプにより燃料
が供給されている場合には、燃料制御の設定の自由度の
幅が狭く、どうしても主燃料噴射が適切に行われるよう
に調整され、パイロット噴射を最適に行なうことが困難
になるという問題がある。また、主噴孔は常に主燃料噴
射を行い、副噴孔は常にパイロット噴射を行うように構
成されている。このため、例えば、主燃料噴射に関して
は、エンジンの中負荷領域において主噴孔の径が大きす
ぎ、高速の燃料噴射流が得られず、空気と燃料との混合
を最適に行うことができないために、すすとHCとの低
減を図ることができないという問題がある。一方、高負
荷時にはその径が小さすぎ、多量の燃料を所要時間内に
噴射しきれないという問題がある。
【0006】このように、従来の1ポンプ2ノズルイン
ジェクションでは、燃料噴射をエンジンの運転状態に応
じて最適に行なうことができず、エンジンの全運転領域
において、必ずしも所望の燃焼を実現することができな
いという問題がある。本考案はこのような問題を解決す
るためになされたもので、エンジンの全運転領域におい
て、最適な燃焼を実現することができように図ったディ
ーゼルエンジンの燃料噴射装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案のディーゼルエンジンの燃料噴射装置によ
れば、エンジンの燃焼室に配設された第1の噴孔及びこ
の第1の噴孔よりも開口面積が小さい第2の噴孔を有
し、これら第1及び第2の噴孔を通じて燃焼室内にそれ
ぞれ独立に燃料を噴射可能な燃料噴射手段と、燃料噴射
手段の第1及び第2の噴孔にそれぞれ独立に燃料を供給
して燃料噴射手段を働かせる燃料供給手段と、エンジン
の運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検
出手段により検出された運転状態に基づいて、燃料供給
手段を制御する制御手段とを備えており、この制御手段
は、検出された運転状態がエンジンの低負荷領域にある
ときは、第2の噴孔を通じて燃料をパイロット噴射させ
た後、第1の噴孔を通じて燃料を主噴射させ、一方、運
転状態が少なくともエンジンの中負荷以上の領域にある
ときは、第2の噴孔のみを通じて燃料を主噴射させる
とを特徴とする。
【0008】
【作用】上述のディーゼルエンジンの燃料噴射装置にお
いて、制御手段は、運転状態検出手段により検出され
エンジンの運転状態に基づいて燃料供給手段を制御し、
燃料噴射手段の開口面積が異なる2つの噴孔に夫々独立
に燃料を供給させて、2つの噴孔を使い分けて燃焼室内
に夫々独立に燃料噴射させる。すなわち、エンジンの運
転状態に応じて燃料噴射手段の開口面積が異なる2つの
噴孔を適宜に使い分けて燃料噴射ができるようにしたの
で、従来のディーゼルエンジンの燃料噴射装置に比べ、
噴射圧,噴射パターン,噴射時間等を、エンジンの運転
状態に応じて、極めて多様に変化させることができるよ
うになる。
【0009】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本考案のディーゼルエンジンの
燃料噴射装置の具体的構成を示す。図1において符号1
は、例えば、4気筒ディーゼルエンジンを示し、エンジ
ン1の左右側には、夫々、第1燃料噴射ポンプ50(燃
料供給手段)と第2燃料噴射ポンプ50a(燃料供給手
段)とが配設されている。燃料噴射ポンプ50,50a
には、燃料噴射ポンプ50,50aにまで燃料を供給す
る燃料パイプ4,5が夫々接続されている。また、エン
ジン1のシリンダヘッド1aには、シリンダ毎に燃料噴
射ノズル(燃料噴射手段)10が取り付けられ、燃料噴
射ノズル10と第1燃料噴射ポンプ50とは燃料パイプ
6により、また、燃料噴射ノズル10と第2燃料噴射ポ
ンプ50aとは燃料パイプ7により、夫々接続されてい
る。
【0010】図2は、燃料噴射ノズル10の要部の構成
を示す。燃料噴射ノズル10は、概ね、ノズルホルダ1
1とノズル21とリテイニングナット29とにより構成
されている。そして、燃料噴射ノズル10の図示右側に
は、燃料パイプ4を介して第1燃料噴射ポンプ2から供
給された燃料を噴射する第1燃料噴射機構48が配設さ
れ、また、図示左側には、燃料パイプ5を介して第2燃
料噴射ポンプ3から供給された燃料を噴射する第2燃料
噴射機構49が配設されている。
【0011】ノズルホルダ11の一側には、第1燃料噴
射機構48の、大径のスペーサ収容室12,中径のスプ
リング収容室13,小径のロッド孔14が上からこの順
に連続して穿設されている。また、ノズルホルダ11の
上部には、燃料パイプ4を接続する接続端15が形成さ
れ、ノズルホルダ11内のスペーサ収容室12等の外側
には、接続端15とノズルホルダ11の下端面16との
間を連通させるフィードホール17が穿設されている。
そして、ノズルホルダ11の他側には、第1燃料噴射機
構48のそれと同様に形成された、第2燃料噴射機構4
9用のスペーサ収容室12a,スプリング収容室13
a,ロッド孔14a,接続端15a,フィードホール1
7aが、夫々配設されている。
【0012】第1燃料噴射機構48のロッド孔14に
は、略円柱状に形成されその上部に円板状のスプリング
座32を一体に備えて成る第1プッシュロッド31が、
スプリング収容室13側から慴動自在に挿通されてい
る。一方、スペーサ収容室12には、略円筒状のスペー
サ33が図示上側から嵌合され、このスペーサ33は、
ノズルホルダ11に嵌挿螺着された略円筒状のセットス
クリュ34により、ノズルホルダ11に固定されてい
る。スペーサ33とスプリング座32との間には第1ス
プリング35が介装され、第1プッシュロッド31が常
時図示下方に付勢されている。スペーサ33内には、上
部にスプリング座37を一体に備えて成る第2プッシュ
ロッド36が、セットスクリュ34側から慴動自在に挿
通されている。また、セットスクリュ34の上側開口端
にはアジャストスクリュウ38が嵌挿螺合され、アジャ
ストスクリュウ38とスプリング座37との間には、第
2スプリング39が介装され、第2プッシュロッド36
が常時図示下方に付勢されている。この第2スプリング
39の付勢力は、アジャストスクリュウ38の押込量を
変化させることにより調整することができる。また、ス
プリング座37とスペーサ33との間にはシム40が介
装され、第1プッシュロッド31と第2プッシュロッド
36との間の当接関係を調整している。
【0013】そして、上記の第1燃料噴射機構48の構
成要素31〜40と同様のものが、第2燃料噴射機構4
9側にも配設されている。一方、ノズルホルダ11の下
方には、略円柱状に形成されたノズル21が、リテイニ
ングナット29によって液密に取り付けられている。ノ
ズル21には、ノズルホルダ11の第1燃料噴射機構4
8側のロッド孔14に連続して、大径のガイドホール2
2と小径のバルブ孔23とが上からこの順に穿設され、
また、ガイドホール22とバルブ孔23との間には燃料
溜り24が設けられている。この燃料溜り24とノズル
ホルダ11のフィードホール17とは、フィードホール
25により連通されている。一方、バルブ孔23の下端
部は錐形に形成され、この錐形部26には、バルブ孔2
3を通って供給された燃料をエンジン1の燃焼室内に所
要角度で噴射する第1噴孔27が複数個だけ穿設されて
いる。この第1噴孔27は、リテイニングナット29の
先端から突出しており、燃料噴射ノズル10が、図1に
示されるように、エンジン1のシリンダヘッド1aに取
り付けられたとき、エンジン1の燃焼室内に突出する。
【0014】また、ノズル21には、第1燃料噴射機構
48のそれと同様の、第2燃料噴射機構49用のガイド
ホール22a,バルブ孔23a,燃料溜り24a,フィ
ードホール25a,第2噴孔27a等が、夫々配設され
ている。但し、第2噴孔27aは、第1噴孔27よりそ
の径が小さく形成され、後述するように、第1噴孔27
とは異なった噴射圧,噴射パターン,噴射時間等が得ら
れるように図られている。また、噴孔27,27a同志
は極力近接して設けられ、噴孔27,27aが共に燃焼
室の中央に配置されるようになっている。これは、燃料
噴射が2つの噴孔27,27aのどちらからも燃焼室内
に一様に行われ、これにより、燃焼室内の空気の利用率
を高めて、燃焼効率の向上とすすの低減とを図るためで
ある。なお、2つの噴孔27,27aによる燃料噴射が
相互に干渉しないように、燃焼室内に突出する長さを違
えてもよい。
【0015】次に、第1燃料噴射機構48のガイドホー
ル22とバルブ孔23には、ノズルニードル41が嵌挿
されている。ノズルニードル41は大径のガイド部42
と小径のニードル部43とから成り、ガイド部42はガ
イドホール22に慴動自在に嵌合し、また、ニードル部
43はバルブ孔23に所要の隙間を介して嵌挿されてい
る。ニードル部43の下端部は錐形に形成され、この錐
形部44がバルブ孔23の錐形部26に当接することに
より噴孔27とバルブ孔23とが遮断され、噴孔27か
らの燃料噴射が停止される。また、ガイド部42の上端
面には円柱状の突出端45が形成され、突出端45がロ
ッド孔14に嵌挿されて第1プッシュロッド31に当接
している。これにより、ノズルニードル41がスプリン
グ35,39により常時下方に付勢される。
【0016】この第1燃料噴射機構48では、フィード
ホール17,25を介して燃料溜り24に供給された燃
料の、ノズルニードル41のガイド部42のテーパ状の
下端面46に加わる総燃料圧が、スプリング35,39
の付勢力を上回ったとき、ノズルニードル41が上方に
押し上げられ、第1噴孔27とバルブ孔23とが連通し
て、燃料が第1噴孔27から噴射される。このとき、燃
料は、バルブ孔23とノズルニードル41のニードル部
43との間の隙間を介して、燃料溜り24から第1噴孔
27にまで供給される。そして、ノズルニードル41と
同様のノズルニードル41aが、ノズル21の第2燃料
噴射機構49側にも配設されている。
【0017】図3は、第1燃料噴射ポンプ50の要部の
構成を示す。すなわち、第1燃料噴射ポンプ50は、所
謂列型の容量型ポンプで構成され、ポンプハウジング5
1の下部には、図示しないクランクシャフトのクランク
角θに連動するカムシャフト52がベアリング53を介
して回動自在に軸支され、このカムシャフト52にはカ
ム54が一体に形成されている。カム54の上方には、
ポンプハウジング51に動自在に嵌挿されたタット
55が配設され、このタット55には、カム54のカ
ム面を転動するタットローラ56が回動自在に軸支さ
れている。タット55の上端部にはプランジャ57が
固着され、プランジャ57はカム54の回動によりタ
ット55と一体に上下に往復運動する。プランジャ57
の下部に形成されたロワスプリングシート58とポンプ
ハウジング51に固着されたアッパスプリングシート5
9との間にはプランジャスプリング60が介装され、プ
ランジャ57がこのプランジャスプリング60によって
常時下方に付勢されている。プランジャ57の上部は、
略円筒状のコントロールスリーブ61の中に上下に
自在に且つ回動自在に嵌挿され、また、コントロールス
リーブ61の上部はポンプハウジング51に回動自在に
嵌挿されている。コントロールスリーブ61の外周面に
はピニオンギア62が形成され、このピニオンギア62
は、ポンプハウジング51の中を動自在に挿通するラ
ック63と噛合している。このため、コントロールスリ
ーブ61はラック63に駆動されてポンプハウジング5
1とプランジャ57とに対して回動自在である。そし
て、コントロールスリーブ61内のプランジャ57の上
方空間が、第1燃料噴射ポンプ50のシリンダ室76を
形成している。
【0018】プランジャ57の上端部の外周面には、螺
旋状の溝、つまり、コントロールグルーブ64が形成さ
れる一方、コントロールスリーブ61の側壁にはフィー
ドホール65,65が穿設され、これらフィードホール
65,65の内側開口端は、プランジャ57が下死点に
あるとき、プランジャ57の上端面と略面一である。ま
た、ポンプハウジング51にはコントロールスリーブ6
1を囲んで燃料溜り66が形成され、燃料溜り66には
フィードホール65,65の外側開口端が開口し、燃料
溜り66は燃料供給口78に連通している。すなわち、
燃料供給口78とフィードホール65,65とは、コン
トロールスリーブ61の回動位置に係わりなく燃料溜り
66を介して常時連通している。
【0019】次に、ポンプハウジング51の上端部には
デリバリバルブホルダ67が液密に固着され、デリバリ
バルブホルダ67の内部にはバルブ収容室68が設けら
れている。このバルブ収容室68には、デリバリバルブ
70とデリバリバルブスプリング69とが収容されてい
る。バルブ収容室68とシリンダ室76はバルブガイド
孔77により連通され、バルブガイド孔77にはデリバ
リバルブ70のガイド部71が慴動自在に嵌挿されてい
る。また、バルブガイド孔77のバルブ収容室68側の
開口端には、デリバリバルブ70の円錐状のバルブ部7
2がデリバリバルブスプリング69に付勢されて当接
し、デリバリバルブ70が閉弁される。また、バルブ収
容室68とシリンダ室76とはバイパス路73によって
も連通され、バイパス路73にはバルブ収容室68から
シリンダ室76への燃料流のみを許容する逆止弁74が
介装されている。バルブ収容室68は吐出口75に連通
し、デリバリバルブ70が開弁するとシリンダ室76と
吐出口75とが連通する。
【0020】また、第1燃料噴射ポンプ50には、図1
に示されるように、第1ラックアクチュエータ(燃料供
給手段)80が装着されている。第1ラックアクチュエ
ータ80は、コントローラ(制御手段)90に接続され
コントローラ90の電気信号により制御されて、第1燃
料噴射ポンプ50のラック63を所要位置にまで移動さ
せることができる。すなわち、第1ラックアクチュエー
タ80はコントローラ90に制御されて、ラック63,
ピニオンギア62を介してコントロールスリーブ61を
回動させる。これにより、コントロールスリーブ61と
プランジャ57との位置関係が変化し、コントロールス
リーブ61のフィードホール65,65の内側開口端と
コントロールグルーブ64の溝が連通するまでのプラン
ジャ57のストローク量が変化する。このため、カム5
4によるプランジャ57の突上げ量が常時一定であって
も、第1燃料噴射ポンプ50の吐出量を零から最大噴射
量にまで連続的に変化させることができるのである。
【0021】次に、第2燃料噴射ポンプ50aは、図4
に示されるように、第1燃料噴射ポンプ50と同様の列
型の容量型ポンプで構成されている。但し、第2燃料噴
射ポンプ50aの最大吐出量は、第1燃料噴射ポンプ5
0のそれより少ないので、プランジャ57aの径はプラ
ンジャ57のそれより小に形成されている。また、燃料
噴射ポンプ50,50aの作動が異なるので、カム44
aはカム44とは異なった形状に形成されている。
【0022】第2燃料噴射ポンプ50aには、図1に示
されるように、第2ラックアクチュエータ(燃料供給手
段)80aが装着されている。第2ラックアクチュエー
タ80aもコントローラ90に接続され、コントローラ
90の電気信号により制御されて、第1燃料噴射ポンプ
50の第1ラックアクチュエータ80の場合と同様に、
第2燃料噴射ポンプ50aの吐出量を零から最大噴射量
にまで連続的に変化させることができる。
【0023】また、燃料噴射ポンプ50,50aのカム
54,54aは、夫々図示しないタイマによって作動が
制御され、燃料噴射ポンプ50,50aの燃料噴射時期
が制御されている。コントローラ90には、この他、エ
ンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ91,
エンジンの負荷を検出するエンジン負荷センサ92等が
接続され、エンジン回転数センサ91が検出したエンジ
ン回転数Ne ,エンジン負荷センサ92が検出したエン
ジン負荷L等がコントローラ90に入力されている。つ
まり、エンジン回転数センサ91とエンジン負荷センサ
92とによりエンジン運転状態検出手段が構成され、コ
ントローラ90はこれらのセンサが検出したエンジンの
運転状態に基づいてラックアクチュエータ80,80a
を夫々独立に制御し、燃料噴射ポンプ50,50aの吐
出量、つまり、燃料噴射ノズル1の噴孔27,27aか
らの燃料噴射量を夫々独立に変化させる。ここで、上記
のエンジン負荷センサ92は、例えば、アクセルの踏込
量を検出するアクセル開度センサ等から成る。
【0024】次に、コントローラ90により実行される
燃料噴射制御の手順を、図5乃至7を参照して説明す
る。コントローラ90は、まず、エンジン負荷センサ9
2が検出したエンジン負荷Lと、エンジン回転数センサ
91が検出したエンジン回転数Ne とを読み込む(ステ
ップS10)。
【0025】そして、エンジン負荷センサ92が検出し
たエンジン負荷Lが、第1の所定設定負荷L1 未満であ
るか否かが判定される(ステップS20)。この第1の
所定設定負荷L1 とは、本エンジン1の最大エンジン負
荷Lmax.の、例えば、5〜10%の値に設定され、より
具体的には、エンジン負荷Lが第1の所定設定負荷L1
未満のとき、エンジン1がアイドル又は低負荷運転にあ
ることを意味する。
【0026】ステップS20の判定結果が肯定(Ye
s)の場合には、図6に示されるようにエンジン回転数
Ne には係わりなく、Aモード噴射が実行される(ステ
ップS30)。ここで、図6は、エンジン回転数Ne と
エンジン負荷Lと後述する燃料噴射モードA,B,Cと
の関係を示す特性図である。また、Aモード噴射とは、
上述した小径の第2噴孔27aから先ずパイロット噴射
を行い、その直後に大径の第1噴孔27から主燃料噴射
を行なう燃料噴射である。図7に、Aモード噴射におけ
る、エンジン1のクランク角θと燃料噴射ノズル10の
ノズルニードル41,41aの押上げ量との関係を示
す。図7によれば、クランク角がθ1 に達すると、第2
ラックアクチュエータ80aを介してコントローラ90
により燃料制御された第2燃料噴射ポンプ50aから、
所要量の燃料が吐出され、これにより、燃料噴射ノズル
10の第2燃料噴射機構49側のノズルニードル41a
が押し上げられて、小径の第2噴孔27aから燃料が噴
射される。このようにして、主燃料噴射に先行する予噴
射としてのパイロット噴射が行われる。このパイロット
噴射は、主燃料噴射より噴射時間が短かく、噴射量も少
ない。
【0027】第2噴孔27aによる燃料噴射が完了した
後、クランク角がθ2 に達すると、第1ラックアクチュ
エータ80を介してコントローラ90により燃料制御さ
れた第1燃料噴射ポンプ50から、所要量の燃料が吐出
され、これにより、第1燃料噴射機構48のノズルニー
ドル41が押し上げられて、大径の第1噴孔27から燃
料が噴射される。このようにして主燃料噴射が行われ
る。この主燃料噴射はパイロット噴射より噴射時間が長
く、噴射量も大である。このように、Aモード噴射で
は、第1噴孔27による主燃料噴射に先がけて、第2噴
孔27aから予噴射としてのパイロット噴射が適切に行
われるので、アイドル運転時および低負荷運転時の燃焼
騒音が効果的に低減される。
【0028】ステップS20の判定結果が否定(No)
の場合には、次に、エンジン負荷Lが、上述した第1の
所定設定負荷L1 以上であり、且つ、第2の所定設定負
荷L2 未満であるか否かが判定される(ステップS4
0)。ここで、第2の所定設定負荷L2 とは、本エンジ
ン1の最大エンジン負荷Lmax.の、例えば、50〜70
%の値として設定されたもので、エンジン負荷Lが高負
荷にあるか否かを判定するために設定された判別値であ
る。
【0029】ステップS40の判定結果が肯定の場合に
は、図6に示されるようにエンジン回転数Ne とは係わ
りなく、Bモード噴射が実行される(ステップS5
0)。ここで、Bモード噴射とは、第2噴孔27aによ
って主燃料噴射を行なうものであり、このとき、第1噴
孔27から燃料は噴射されない。第2噴孔27aは、上
述したように、第1噴孔27より小径に形成されている
ため、第2ラックアクチュエータ80aを介してコント
ローラ90により燃料制御された第2燃料噴射ポンプ5
0aから、所要量の燃料が吐出されると、燃焼室内に高
速かつ高圧の燃料噴射を行うことができ、よって、燃料
と空気との混合を促進させ、すすとHCとを効果的に低
減させる。
【0030】ステップS40の判定結果が否定の場合、
つまり、エンジン負荷Lが高負荷にある場合には、次
に、ステップS10で検出したエンジン回転数Ne が所
定設定回転数Ne1を超えているか否かが判定される(ス
テップS60)。ここで、所定設定回転数Ne1とは、本
エンジン1の最大回転数度Ne max.の、例えば、60〜
90%の回転数として設定されたものであり、エンジン
回転数Ne が高回転域にあるか否かを判定するために設
定された判別値である。
【0031】ステップS60の判定結果が否定の場合に
は、上述したステップS50のBモード噴射が実行され
る。すなわち、エンジン負荷Lが高負荷領域にあっても
エンジン回転数Ne が高回転域になければ、第2燃料噴
射ポンプ50aから噴射される燃料を、小径の第2噴孔
27aによって十分に所要時間内に噴射し終えることが
できるためである。これにより、すすとHCとを低減さ
せることができる。なお、Bモード噴射が行われるエン
ジン運転状態を、以下、通常運転時と称する。
【0032】ステップS60の判定結果が肯定の場合に
は、Cモード噴射が実行される(ステップS70)。こ
こで、Cモード噴射とは、第1噴孔27によって主燃料
噴射を行なうものであり、このとき、第2噴孔27aか
ら燃料は噴射されない。つまり、ステップS60の判定
結果が肯定の場合には、エンジン負荷Lが高負荷域にあ
り、且つ、エンジン回転数Ne が高回転域にあるため燃
料噴射量が大になって、小径の第2噴孔27aでは所要
時間内に燃料を噴射し終えることができないために、大
径の第1噴孔27から燃料噴射されるのである。これに
より、高負荷かつ高回転時に所望される燃料が所要時間
内に燃焼室内に噴射され終え、出力点における馬力が十
分に確保される。以上により、当該ルーチンは終了し、
プログラムはリターンされる。
【0033】このように、本ディーゼルエンジンの燃料
噴射装置では、エンジンの運転状態に応じて噴孔径が適
宜に切り替えられ、また、噴孔27,27aに対応した
燃料噴射ポンプ50,50aを夫々配設し、これらをラ
ックアクチュエータ80,80aを介してコントローラ
90により夫々制御しているので、アイドル時および低
負荷時には燃焼騒音を低減させ、通常運転時にはすすと
HCとを効果的に低減させ、また、高負荷且つ高回転時
には、所望する馬力を確保することができるようにな
り、よって、エンジンの全運転域において最適な燃焼が
実現される。
【0034】なお、本考案のディーゼルエンジンの燃料
噴射装置は、上述した一実施例に限定されるものではな
く、種々の変形が可能である。例えば、エンジン負荷L
とエンジン回転数Ne とに基づいて実行される燃料噴射
制御は、図5,6により示されたA,B,Cモードの燃
料噴射制御に限定されるものではなく、例えば、LとN
e とに基づいて更に細かく噴孔27,27a間の切り替
え、つまり,使い分けを行うようにしてもよい。
【0035】また、上述した実施例では、エンジン回転
数センサ91とエンジン負荷センサ92とにより運転状
態検出手段を構成し、これらのセンサにより検出された
エンジン運転状態、つまり、LとNe とに基づいて噴孔
27,27aからの燃料噴射を夫々制御していた。しか
しながら、運転状態検出手段はこれに限定されるもので
はなく、例えば、図1の2点鎖線によって示されるよう
に、大気温度を検出する大気温度センサ93,エンジン
冷却水温度を検出する冷却水温度センサ94等を配設
し、これらにより検出されたエンジン運転状態に基づい
て、噴孔27,27aからの燃料噴射を夫々制御するよ
うにしてもよい。また、エンジン負荷センサ92はアク
セル開度センサに限定されるものではなく、エンジン負
荷Lを検出する他のセンサにより構成してもよい。
【0036】そして、上述した実施例では、夫々独立に
燃料が供給される2つの噴孔27,27aが1本の燃料
噴射ノズル10に備えられていたが、これに限定される
ものではなく、例えば、夫々1つの噴孔を有し噴孔径が
相互に異なる2本の燃料噴射ノズル(燃料噴射手段)を
エンジン1の各燃焼室に配設するようにしてもよい。
【0037】
【考案の効果】以上詳細に説明したように、本考案のデ
ィーゼルエンジンの燃料噴射装置において、制御手段
は、エンジンの運転状態に応じて燃料噴射手段の開口面
が異なる2つの噴孔を適宜に使い分けて燃料噴射させ
る。これにより、噴射圧,噴射パターン,噴射時間等
を、エンジンの運転状態に応じて極めて多様に変化させ
ることができるようになったので、エンジンの全運転領
域において最適な燃焼を実現することができるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のディーゼルエンジンの燃料噴射装置の
具体的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の燃料噴射ノズル10の要部の構成を示
す側面断面図である。
【図3】図1中の第1燃料噴射ポンプ50の要部の構成
を示す正面断面図である。
【図4】図1中の第2燃料噴射ポンプ50aの要部の構
成を示す正面断面図である。
【図5】図1中のコントローラ90により実行される燃
料噴射制御の手順を示すフローチャートである。
【図6】エンジン回転数Ne とエンジン負荷Lと燃料噴
射モードA,B,Cとの関係を示す特性図である。
【図7】エンジン1のクランク角θと燃料噴射ノズル1
0のノズルニードル41,41aの押上げ量との関係を
示す特性図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン(エンジン) 10 燃料噴射ノズル(燃料噴射手段) 27 第1噴孔 27a 第2噴孔 50 第1燃料噴射ポンプ(燃料供給手段) 50a 第2燃料噴射ポンプ(燃料供給手段) 80 第1ポンプアクチュエータ(燃料供給手段) 80a 第2ポンプアクチュエータ(燃料供給手段) 90 コントローラ(制御手段) 91 エンジン回転数センサ(運転状態検出手段) 92 エンジン負荷センサ(運転状態検出手段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−135637(JP,A) 実開 昭62−26562(JP,U) 実開 平3−51165(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 45/08 F02M 45/00 F02D 41/38

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの燃焼室に配設された第1の噴
    孔及びこの第1の噴孔よりも開口面積が小さい第2の噴
    孔を有し、これら第1及び第2の噴孔を通じて前記燃焼
    室内にそれぞれ独立に燃料を噴射可能な燃料噴射手段
    と、 前記燃料噴射手段の前記第1及び第2の噴孔にそれぞれ
    独立に燃料を供給して前記燃料噴射手段を働かせる燃料
    供給手段と、前記 エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 前記運転状態検出手段により検出された運転状態に基づ
    いて、前記燃料供給手段を制御する制御手段とを備え 前記制御手段は、前記検出された運転状態がエンジンの
    低負荷領域にあるときは、前記第2の噴孔を通じて燃料
    をパイロット噴射させた後、前記第1の噴孔を通じて燃
    料を主噴射させ、一方、前記運転状態が少なくともエン
    ジンの中負荷以上の領域にあるときは、前記第2の噴孔
    のみを通じて燃料を主噴射させる ことを特徴とするディ
    ーゼルエンジンの燃料噴射装置。
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