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JP2572076B2 - 4輪駆動車用動力伝達装置における入力ギヤマウントケース - Google Patents

4輪駆動車用動力伝達装置における入力ギヤマウントケース

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Publication number
JP2572076B2
JP2572076B2 JP62245312A JP24531287A JP2572076B2 JP 2572076 B2 JP2572076 B2 JP 2572076B2 JP 62245312 A JP62245312 A JP 62245312A JP 24531287 A JP24531287 A JP 24531287A JP 2572076 B2 JP2572076 B2 JP 2572076B2
Authority
JP
Japan
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case
input gear
differential
gear mount
wheel drive
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP62245312A
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English (en)
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JPS6485822A (en
Inventor
龍矢 岩附
威倍 加納
文友 横山
雅晴 田中
耕治郎 倉持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP62245312A priority Critical patent/JP2572076B2/ja
Publication of JPS6485822A publication Critical patent/JPS6485822A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2572076B2 publication Critical patent/JP2572076B2/ja
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  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、横置き前エンジン・前輪駆動(フロントエ
ンジン・フロントドライブ、以下F・Fという)を基本
とした4輪駆動車用の動力伝達装置における入力ギヤマ
ウントケースに係り、詳しくは支持ケース内に支持さ
れ、外部に入力ギヤが固定されると共に、内部にフロン
トディファレンシャル装置と、該装置と同軸状に配置さ
れた湿式摩擦多板クラッチ及びその油圧アクチュエータ
とを収納した分割構造の入力ギヤマウントケースに関す
る。
(ロ) 従来の技術 近時、F・F車の動力伝達装置にトランスファー部を
付加して4輪駆動車用とする方式が種々提案されてお
り、その一例として、入力ギヤマウントケース内にフロ
ントディファレンシャル装置を収納すると共に、該装置
を覆うようかつ該装置と同軸に湿式摩擦多板クラッチ及
びその油圧アクチュエータからなるセンターディファレ
ンシャル装置の差動制御装置を収納して、該差動制御装
置の作動により、入力ギヤから伝達されるエンジンの駆
動力を状況に応じて前輪及び後輪に適宜配分するように
したものがあるが、このものにあっては、上記入力ギヤ
マウントケースが、入力ギヤを固定するためのフランジ
部を有する一方の分割ケース片と、一端に該一方の分割
ケース片のフランジ部に結合されるフランジ部を有する
と共に、内部に上記湿式摩擦多板クラッチの外側摩擦板
および油圧アクチュエータの収容部を有する大径部とそ
れに続いて他端側に向けて小径のスリーブ部を有する他
方の分割ケース片とで構成されている。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかし、上記2分割構造の入力ギヤマウントケースで
は、その他方の分割ケース片が軸方向に長い構造になっ
ていると共に、その内部に湿式摩擦多板クラッチの外側
摩擦板および油圧アクチュエータを共に収容する構造と
なっているため、その加工にあたって、大径部とスリー
ブ部との同心性が保ちにくく、また、上記大径部におい
てクラッチの外側摩擦板を取り付けるためのスプライン
の加工が行ないにくい。更に、スプライン加工する際
に、スプライン奥側にカッター逃し溝を形成する必要が
あり、従って該逃し溝の分だけ湿式多板クラッチの摩擦
板枚数が減り、クラッチのトルク容量が減少してしま
う。
そこで、本発明は、入力ギヤマウントケースを3つに
分割して構成し、もって上述した問題点を解消した4輪
駆動車用動力伝達装置における入力ギヤマウントケース
を提供することを目的とするものである。
(ニ) 問題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第1図を参照して示すと、外部に入力ギヤ(1)が
固定されると共に、内部にディファレンシャル装置
(3)と、該装置(3)に同軸状に配置された湿式摩擦
多板クラッチ(26)及びその油圧アクチュエータ(27)
とを収納した、4輪駆動車用動力伝達装置(U)におけ
る入力ギヤマウントケース(2)において、前記入力ギ
ヤマウントケース(2)は、略円盤状の端部ケース部分
(2a)と、前記湿式摩擦多板クラッチ(26)の外側摩擦
板(26a)との連結部(2b2)を内周部に該内周部を軸方
向に貫通するように設けた略円筒状の胴ケース部分(2
b)と、油圧アクチュエータ(27)用の環状シリンダ部
(2c1)を一端に備えたスリーブ部分(2c)との、3部
材から構成され、前記端部ケース部分(2a)と、前記胴
ケース部分(2b)の一端とにはそれぞれフランジ部(2a
1,2b1)が設けられ、これらのフランジ部(2a1,2b1)を
介して、前記入力ギヤ(1)と前記端部ケース部分(2
a)が前記胴ケース部分(2b)の一端に固定され、前記
胴ケース部分(2b)の他端内周側に、前記環状シリンダ
部(2c1)の外周側を挿入した、ことを特徴とするもの
である。
(ホ) 作用 以上構成に基づき、入力ギヤマウントケースを、端部
ケース部分、胴ケース部分、そしてスリーブ部分の3分
割構成とすることにより、各部分の小型化、軽量化、更
には形状の簡素化を図ることができるので、これらの部
材の加工を容易にすると共に、加工機械のブレ等をなく
して、加工精度を向上させることができる。また、胴ケ
ース部分においては、略円筒状の胴ケース部分の内周側
に設けた、外側摩擦板との連結部(スプライン)が、内
周部を軸方向に貫通するように形成されているので、連
結部の加工に際し、胴ケース部分の内側を軸方向に貫通
するような切削加工、例えば、ブローチ加工等を容易に
行うことができる。更に、同じく、連結部が貫通してい
るので、カッター逃し溝を溝ける必要がなく、その分、
従来と同じサイズでありながら、摩擦板が連結される連
結部分の長さを長くすることができる。加えて、スリー
ブ部分においては、油圧アクチュエータ用の環状シリン
ダ部を、スリーブ部分の一端部に一体的に加工すること
ができるため、加工性、加工精度を高めることができ
る。
(ヘ) 実施例 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。
第1図に示すように、フルタイム方式の横置き前エン
ジン式4輪駆動車用動力伝達装置Uは、図示しないエン
ジンからトルクコンバータ及び自動変速機を介して動力
伝達される入力ギヤ1を有しており、該入力ギヤ1はギ
ヤマウントケース2に固定されている。該マウントケー
ス2は、その外周部に入力ギヤ1が固定されており、か
つ支持ケース9にテーパードローラベアリング9a,9bに
より支持され、そしてその内部に、フロントディファレ
ンシャル装置3及び差動制御装置10が収納されている。
更に、フロントディファレンシャル装置3は、マウント
ケース2内に2個のニードルベアリング11a,11bにより
回転自在に支持されているフロントデフケース3cを有し
ており、該デフケース3cはピニオン3pを支持する複数の
ピニオン軸3dを縦方向に支持してキャリヤを構成してお
り、また左右サイドギヤ3a,3bが左右方向に延びて回転
自在に支持されており、そして各サイドギヤ3a,3bには
それぞれ左右フロントアクスル8l,8rがそれぞれ動力伝
達可能に連結されている。
また、前記入力ギヤマウントケース2の右側、即ち、
エンジンの後方に左右2分割可能なトランスファーケー
ス13が組付けられていて、このトランスファーケース13
内に入力ギヤマウントケース2、フロントディファレン
シャル装置3と同軸的にトランスファー部15が組付けら
れている。該トランスファー部15はリングギヤマウント
ケース16を有しており、該リングギヤマウントケース16
は左右2分割可能であって、ハイポイドギヤからなる後
輪駆動用のトランスファードライブギヤ17を一体的に支
承していると共に、トランスファーケース13に一対のテ
ーパードローラベアリング19,19を介して回転可能に支
持されている。そして、ギヤ17にはピニオンシャフト20
に形成されたハイポイドギヤからなるトランスファード
リブンギヤ21が常時噛合しており、該ピニオンシャフト
20は後方に延びるエクステンションケース24にテーパー
ドローラベアリング24a,24bを介して回転自在に支持さ
れていると共に、スプライン部20aを介してユニバーサ
ルジョイント25に伝達され、そして図示されていないプ
ロペラシャフト及びリヤディファレンシャル装置を介し
て左右リヤアクスル軸に動力伝達可能に連係されてい
る。一方、リングギヤマウントケース16内にはセンター
ディファレンシャル装置18が配置されており、センター
ディファレンシャル装置18は先端が開放状態になってい
るデフキャリア18cを備えている。更に、該デフキャリ
ア18cは入力ギヤマウントケース2から延びているスリ
ーブ部2cに連結されていると共に、連結ボス部18c′の
反対側が開口して開放端になっており、かつ該開放端部
分及び連結ボス部18c′にニードルベアリング23,23を介
在してリングギヤマウントケース16に回転自在に支持さ
れている。また、該デフキャリア18cにはピニオン18pを
支持するピニオン軸18dが取付けられており、右方のサ
イドギヤ18bがリングギヤマウントケース16に直接スプ
ライン結合しており、また左方のサイドギヤ18aが、デ
フキャリヤ連結ボス部18c′内を嵌挿しかつ右フロント
アクスル軸8rに被嵌しているスリーブ部3c1′を介して
フロントディファレンシャル装置3のデフケース3cに連
結している。
また、入力ギヤマウントケース2のスリーブ部2c先端
部分に形成されたスプラインにスプライン継手22が摺動
のみ自在に嵌合しており、該スプライン継手22は図示し
ない操作レバーにより軸方向に操作され、リングギヤマ
ウントケース16のスリーブ部に形成されたスプラインに
係合するロック位置(図上半図参照)と非係合となる解
放位置(図下半図参照)とに切換えられ、メカデフロッ
ク機構を構成している。該メカデフロック機構は、通常
時解放位置にあるが、サービス工場等においてタイヤを
ローラ上に載置して各種検査を行う際にロック位置に切
換えられる。
また、差動制御装置10は、フロントディファレンシャ
ル装置3を覆うようにかつ該装置3と同軸的に設けられ
た入力ギヤマウントケース2内に配置されており、湿式
摩擦多板クラッチ26及びその油圧アクチュエータ27から
なる。該クラッチ26はその外側摩擦板26aがマウントケ
ース2に連結されかつその内側摩擦板26bがデフケース3
cに連結されており、更にこれら摩擦板は油圧アクチュ
エータ27にて押圧制御される。また、油圧アクチュエー
タ27はマウントケース2に形成されたシリンダ内に油密
状に収納されている第1ピストン28及び第2ピストン2
9、そして両ピストン間に位置して油密状に配置されて
いる反力板30を有しており、これらピストンは、第1ピ
ストン28が第2ピストン29の外周鍔部に当接し、かつ反
力板30がシリンダ端面に当接して、ダブルピストンを構
成している。また、トランスファーケース13には差動制
御装置10用のバルブユニット31が設置されており、該ユ
ニット31からの制御油圧がパイプ32、油路33,35を介し
て油圧アクチュエータ27の第1ピストン28及び第2ピス
トン29に作用している。
また、支持ケース9に潤滑油供給孔39が形成されてお
り、該供給孔39から供給される潤滑油は、スリーブ部分
2cに形成された孔40を通ってニードルベアリング11a,2
3,23等を潤滑し、そしてケース13に形成された排出孔41
から排出されると共に、ニードルベアリング11aを通っ
てフロントディファレンシャル装置3方向に導かれた潤
滑油は隙間aを通ってギヤマウントケース2内に導入さ
れ該ケース2内に溜り、そして多板クラッチ26を油浴状
態で潤滑して該ケース2内の内面に形成された絞り孔42
から排出されるようになっている。この際、ニードルベ
アリング11aはそのニードル数等により、潤滑油流量を
適宜規制するオリフィスを構成しており、上記ケース2
内に導入される潤滑油量は所定量に制御される。更に、
スリーブ部3c1′に形成された孔43からアクスル軸8rと
スリーブ部3c1′との間bに導かれた潤滑油は、スラス
トワッシャを通ってフロントデフケース3c内に供給さ
れ、該ケース3c内に形成された室C内に溜り、これら潤
滑油がオーバーフローした潤滑油はデフケース3cとマウ
ントケース2との間のスラストワッシャを潤滑した後、
一部はニードルベアリング11bを潤滑する。一方、左ア
クスル軸8l側の支持ケース(アクスルハウジング)9に
形成された潤滑油供給孔44からの潤滑油はアクスル軸8l
に設けられた潤滑孔45を介してアクスル軸8lとデフケー
ス2の摺接面を潤滑する。
また、ギヤマウントケース16の両端部分、即ちテーパ
ードローラベアリング19,19の外側部分にはオイルシー
ル50,51が設置されており、従ってこれらオイルシール5
0,51、ギヤマウントケース16、トランスファーケース1
3、エクステンションケース24及び該ケース先端部のオ
イルシール54にて区画された密閉室Dが構成されてい
て、該室D内の各構成部品は該室D内に封入された極圧
添加剤入りの潤滑油により上記潤滑系とは別系統で潤滑
されるようになっている。
そして、前記した入力ギヤマウントケース2は、第1
図に詳示するように、端部ケース2a、胴ケース部分2bそ
してスリーブ部分2cとに3分割されて構成されていて、
上記端部ケース部分2aは、ほぼ円盤形状をなし、その外
周部に入力ギヤ1を固定するためのフランジ部2a1が形
成されていると共に、その中心部に内側で左フロントア
クスル軸8lを軸支し外側でベアリング9aを介して支持ケ
ース9に軸支される円筒状突出部2a2が形成されてい
る。また、上記胴ケース部分2bは、ほぼ円筒形状をなし
ていて、その一端に上記端部ケース部分2aのフランジ部
2a1に結合されるフランジ部2b1が形成され、その内周部
には湿式摩擦多板クラッチ26の外側摩擦板26aを胴ケー
ス部分2bの軸方向に移動し得るように連続するスプライ
ン2b2が形成されている。このスプライン2b2は、内周部
を軸方向に貫通するように形成されている。すなわち、
胴ケース部分2bを単体として加工する際、スプライン2b
2の両端は開口部となっているため、胴ケース2bの内側
を貫通するような切削加工、例えばブローチ加工が容易
となり、従来の片側からの加工に比して加工性及び加工
精度を格段に向上させることができる。更に、上記スリ
ーブ部分2cは、二段円筒形状をなしていて、その一端側
が内径壁及び外径壁からなりかつ前記ピストン28,29を
収容する環状のシリンダ部2c1を構成しており、かつ該
シリンダ部2c1の外径壁が上記胴ケース部分2bの他端に
形成された例えば環状段部2b3に挿入・結合され、また
他端が前記スリーブ部3c1及びトランスファケース13と
の間に延びるスリーブ部2c2を構成している。そして、
上記端部ケース部分2aと胴ケース部分2bとは、フランジ
部2a1とフランジ部2b1とを突合せると共にフランジ部2a
1側に入力ギヤ1を嵌合・配設してそれらをボルト12に
て共締めして結合され、また、上記胴ケース部分2bとス
リーブ部分2cとは、胴ケース部分2bの段部2b3内にスリ
ーブ部分2cの環状シリンダ部2c1の外径壁を挿入した
後、溶着することによって結合されて、入力ギヤマウン
トケース2が組立てられるようになっている。更に、ス
リーブ部分2cにおける環状シリンダ部2c1の外周面に
は、胴ケース部分2bとの段差部を利用して速度センサ用
のリングギヤ56が装着され、該ギヤ56はスナップリング
57にて抜止めされている。
ついで、上述構造に基づく作用について説明する。
エンジンの回転は、自動変速機にて適宜変速され、入
力ギヤ1を介して入力ギヤマウントケース2に伝達され
る。そして、通常の走行時においては、バルブユニット
31は接続状態にあって、ライン圧に基づく油圧がパイプ
32及び油路33,35を介して油圧アクチュエータ27の両ピ
ストン28,29に作用し、湿式多板クラッチ26が所定圧力
にて接続状態にある。従って、センターディファレンシ
ャル装置18はそのデフキャリア18cと左サイドギヤ18aと
が所定結合力で結合され、その差動が所定規制力により
制限されたことになる。これにより、路面とタイヤとの
摩擦力が上述規制力より小さい場合、例えば雪道、ダー
ト道路等のように摩擦係数の小さい路面の場合、クラッ
チ26の圧着力に基づきセンターディファレンシャル装置
18は直結に近い状態にあり、摩擦クラッチ26及び一体に
回転するセンターディファレンシャル装置18を介してフ
ロントディファレンシャル装置3のデフケース3cに伝達
され、更にピニオン3pを介して左右サイドギヤ3a,3bに
トルク分配されて左右前輪を駆動すると共に、センター
ディファレンシャル装置18に固定されているリングギヤ
17及びギヤ21を介してピニオンシャフト20に伝達され、
更にリヤディファレンシャル装置によりトルク分配がな
されて左右後輪を駆動する。また、路面とタイヤとの摩
擦力が上述クラッチ26による規制力と略々平衡している
場合、例えば舗装道路を比較的高速で走行している場
合、路面の摩擦係数の関係において、タイヤスリップが
生じないようにクラッチ26は滑りながら圧着する。即
ち、センターディファレンシャル装置18は前後車輪への
トルク分配が50:50に近づくように付勢した状態で、前
後車輪の回転差を吸収しながら前後車輪へトルク分配を
する。
また、車庫入れ等で、低速で操舵角を大きく切る場
合、前輪及び後輪に回転差が生じるが、この場合スロッ
トル開度が小さく、従ってライン圧に基づく油圧も低い
ため、油圧アクチュエータ27による押圧力も弱く、差動
制御装置10の摩擦クラッチ26の係合力も弱い。このた
め、前輪及び後輪の回転差に基づくセンターディファレ
ンシャル装置18の左右サイドギヤ18a,18bの相対回転を
許容すべく、摩擦クラッチ26は滑りつつ該センターディ
ファレンシャル装置2の差動を制御し、タイトコーナー
ブレーキング現象の発生を防止しながら、前後輪にトル
クを伝達する。
また、山道等の急なカーブが連続して続く道を比較的
高速で走行する場合、運転者は好みによりバルブユニッ
ト31を切位置に操作することができる。この状態では、
差動制御装置10の油圧アクチュエータ27へのライン圧の
供給は遮断され、摩擦クラッチ26は解放される。する
と、マウントケース2の回転はスリーブ部2bを介してセ
ンターディファレンシャル装置18のデフキャリア18cに
伝達され、更にデフピニオン18pから左右のサイドギヤ1
8a,18bに分岐・伝達される。そして、左サイドギヤ18a
の回転はスリーブ部3c1′を介してフロントディファレ
ンシャル装置3のデフケース3cに伝達され、更にデフピ
ニオン3pから左右のサイドギヤ3a,3bに分岐・伝達され
てそれぞれ左右フロントアクスル軸8l,8rに伝達され
る。一方、右サイドギヤ18bの回転は該ギヤとスプライ
ン結合しているギヤマウントケース16に伝達され、更に
後輪駆動用リングギヤ17及びギヤ21を介してピニオンシ
ャフト20に伝達され、そして図示しないプロペラシャフ
ト及びリヤディファレンシャル装置を介して左右後輪に
伝達される。
そして、上記作動に際して、特に、入力ギヤマウント
ケース2が、端部ケース部分2aと胴ケース部分2bとスリ
ーブ部分2cとに3分割されて、個々の部分が加工し易い
状態のもとで精度良く製作されていると共に、多板クラ
ッチ26の枚数が多くなっているので、湿式摩擦多板クラ
ッチ26と油圧アクチュエータ27とからなる差動制御装置
10において、胴ケース部分2bにおける上記クラッチ26の
作動が円滑となり、またスリーブ部分2cにおいて上記ア
クチュエータ27の作動が円滑となり、更に胴ケース部分
2bとスリーブ部分2cとが外周面での溶着により強度的に
有利となっており、もって差動制御装置10自体の作動が
安定かつ正確なものとなって、作動時、4輪駆動車の
前、後輪に対して運転状況に対応した適正なトルク分配
が常に安定な状態のもとで好適に行われる。また、入力
ギヤマウントケース2が精度良く製作された各部分を組
立てて同心性良く構成されていることにより、該ケース
2が隣接する支持ケース9、フロントディファレンシャ
ル装置3そしてセンターディファレンシャル装置18等に
同心性良く組立てられ、作動時にトルクが極めて円滑に
伝達される。
なお、上述実施例は、差動制御装置10を、常時作動状
態にして用いるが、これを、常時は非作動状態にし、必
要時にのみ作用する、いわゆるデフロック機構として用
いてもよいことは勿論である。また、ダブルピストンか
らなる油圧アクチュエータ27の第1ピストン28及び第2
ピストン29に一つの系路からなる油圧を供給し、単なる
倍力機構として用いるが、これを別個の油路により個別
に制御した油圧を供給し、きめ細かいスリップ制御が可
能になるように構成してもよい。更に、センターディフ
ァレンシャル装置を有するフルタイム方式の4輪駆動装
置について説明したが、後輪に動力伝達系にクラッチを
介在するパートタイム方式の4輪駆動装置にも適用でき
この場合、湿式摩擦多板クラッチ26は必要時のみにリヤ
ディファレンシャル装置に動力伝達するクラッチとな
る。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、入力ギヤマウ
ントケースを、端部ケース部分、胴ケース部分、そして
スリーブ部分の3分割構成とすることにより、各部分の
小型化、軽量化、更には形状の簡素化を図ることができ
るので、これらの部材の加工を容易にすると共に、加工
機械のブレ等をなくして、加工精度を向上させることが
できる。したがって、組立後の胴ケース部分とスリーブ
部分との同心性を確保することができる。また、胴ケー
ス部分においては、略円筒状の胴ケース部分の内周側に
設けた、外側摩擦板との連結部(スプライン)が、内周
部を軸方向に貫通するように形成されているので、連結
部の加工に際し、胴ケース部分の内側を軸方向に貫通す
るような切削加工、例えば、ブローチ加工等を容易に行
うことができるため、一方が閉鎖されている場合の切削
加工に比して、加工性、加工精度を格段に向上させるこ
とができる。更に、同じく、連結部が貫通しているの
で、カッター逃し溝を溝ける必要がなく、その分、連結
部の軸方向の長さを長くして、従来と同じサイズであり
ながら、摩擦板の枚数を増やして伝達トルク容量を増加
させることができる。加えて、スリーブ部分において
は、油圧アクチュエータ用の環状シリンダ部を、スリー
ブ部分の一端部に一体的に加工することができるため、
加工性、加工精度を高めることができる。特に、環状シ
リンダ部の同心性、内面精度向上により、本動力伝達装
置組立後の作動を安定させることができる。
そして、本願の構成は、上述のような、各部材単位で
の加工性、加工精度、更には生産性の向上に加え、入力
マウントケースの構成部材の加工精度向上による円滑な
トルク伝達等、本動力伝達装置全体の性能向上を比較的
容易に達成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る入力ギヤマウントケース部分を示
す断面図、第2図は本発明を適用した4輪駆動車用動力
伝達装置を示す断面図である。 1……入力ギヤ、2……入力ギヤマウントケース、2a…
…端部ケース部分、2a1……フランジ部、2b……胴ケー
ス部分、2b1……フランジ部、2b2……連結部(スプライ
ン)、2c……スリーブ部分、2c1……環状シリンダ部、
3……フロントディファレンシャル装置、9……支持ケ
ース、10……差動制御装置、18……センターディファレ
ンシャル装置、26……湿式摩擦多板クラッチ、26a……
外側摩擦板、27……油圧アクチュエータ、56……速度セ
ンサ用リングギヤ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 文友 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 田中 雅晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 倉持 耕治郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−80354(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部に入力ギヤが固定されると共に、内部
    にディファレンシャル装置と、該装置に同軸状に配置さ
    れた湿式摩擦多板クラッチ及びその油圧アクチュエータ
    とを収納した、4輪駆動車用動力伝達装置における入力
    ギヤマウントケースにおいて、 前記入力ギヤマウントケースは、略円盤状の端部ケース
    部分と、前記湿式摩擦多板クラッチの外側摩擦板との連
    結部を内周部に該内周部を軸方向に貫通するように設け
    た略円筒状の胴ケース部分と、油圧アクチュエータ用の
    環状シリンダ部を一端に備えたスリーブ部分との、3部
    材から構成され、 前記端部ケース部分と、前記胴ケース部分の一端とには
    それぞれフランジ部が設けられ、これらのフランジ部を
    介して、前記入力ギヤと前記端部ケース部分が前記胴ケ
    ース部分の一端に固定され、前記胴ケース部分の他端内
    周側に、前記環状シリンダ部の外周側を挿入した、 ことを特徴とする4輪駆動車用動力伝達装置における入
    力ギヤマウントケース。
  2. 【請求項2】前記湿式摩擦多板クラッチ及び前記油圧ア
    クチュエータが、センターディファレンシャル装置の差
    動制御装置を構成する、 特許請求の範囲第1項記載の4輪駆動車用動力伝達装置
    における入力ギヤマウントケース。
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