[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2568520B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP2568520B2
JP2568520B2 JP61235921A JP23592186A JP2568520B2 JP 2568520 B2 JP2568520 B2 JP 2568520B2 JP 61235921 A JP61235921 A JP 61235921A JP 23592186 A JP23592186 A JP 23592186A JP 2568520 B2 JP2568520 B2 JP 2568520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tread
rubber
ice
foamed rubber
tire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61235921A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6390402A (ja
Inventor
盛一郎 岩船
敏朗 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP61235921A priority Critical patent/JP2568520B2/ja
Priority to DE19873703480 priority patent/DE3703480A1/de
Publication of JPS6390402A publication Critical patent/JPS6390402A/ja
Priority to US07/527,706 priority patent/US5147477A/en
Priority to US07/944,426 priority patent/US5351734A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2568520B2 publication Critical patent/JP2568520B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は空気入りタイヤ、詳しくは、夏季の操縦性能
および発熱耐久性を損なうことなく、耐摩耗性が実用に
耐え、氷雪路面上における駆動性、制動性および操縦性
を改良した空気入りタイヤに関するものである。
(従来の技術とその問題点) 従来の空気入りタイヤは、氷雪路面上を走行する際の
駆動性、制動性および操縦性(以下、単に、「氷雪性
能」という。)を確保するために、スパイクピンをトレ
ッド表部に打ち込んだスパイクタイヤを多用している。
しかしながら、スパイクピンの摩耗や道路の摩耗による
これらの微粉末が飛散する粉塵公害およびスパイクピン
による道路の損傷が起こり、大きな社会問題になってい
る。これらの問題に対処するために、スパイクピンの突
出量、打ち込み数の規制およびスパイクピンの材質等の
検討がなされているが、前記社会問題の根本的な解決に
はなっていない。
一方、スパイクピンを用いない、所謂、スタッドレス
タイヤにおいて、タイヤトレッドの模様、トレッドゴム
質の検討がなされているが、スパイクタイヤと同等の氷
雪性能が発揮できないという問題点がある。特に、トレ
ッドゴム質については、低温時のゴム弾性を確保するた
めに、ガラス転移点の低いポリマーを用い、かつ、低温
時の路面との摩擦係数を確保するために、低融点の軟化
剤を用いることも検討されているが、氷雪性能が十分で
ないという問題点がある。
また、独立気泡を有するゴムをトレッドに用いたタイ
ヤは、特公昭40-4641号公報、米国特許第4249588号明細
書および特公昭56-154304号公報で提案されている。し
かしながら、特公昭40-4641号公報においては、トレッ
ドにヒステリシスロスの大きい合成ゴム、例えば、ハイ
スチレンゴムを用いているのでゴムのガラス転移温度を
上昇させ、低温におけるゴムの硬度が増加し、氷雪性能
を確保する上で好ましくない。
また、米国特許第4249588号明細書においては、トレ
ッドゴムの温度25℃、圧縮歪50%での圧縮特性(応力)
が1〜800psiと規定しているが、自動車用空気入りタイ
ヤのトレッドゴムとしては、少なくとも400psi以上でな
いと操縦応答性の点で実用的でない。
更に、特開昭56-154304号公報においては、発泡ゴム
を用いて無発泡ゴムと同じ硬さを得ることにより軽量タ
イヤにしているが、これでは氷雪性能を向上させること
はできない。
また、トレッドゴムに砂、金鋼砂、カーボランダム、
金属粒等の粒状体を混入することにより氷雪路面におけ
るすべり性を改良することも試みられているが、粒状体
を多量に混入しないとすべり性が改良されず、一方、多
量に混入すると耐摩耗性が著しく悪化してしまうという
問題点がある。
更に、氷上の制動性能を向上するために、トレッドゴ
ムの硬度を下げることも行われている。即ち、補強剤の
減量、ゴムの架橋密度の減少、オイル軟化剤の増量等が
行わえているが、補強剤を減量すると湿潤路面における
制動性能が低下し、ゴムの架橋密度の減少はゴムのヘタ
リ(永久変形)を発生させ、オイルおよび軟化剤の増量
は走行時、長期使用時のゴムの硬度変化を大きくする等
の問題点がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来のスパイクタイヤ
やスタッドレスタイヤ等の問題点を解消することにあ
り、タイヤの氷雪性能、耐摩耗性能、操縦性能および発
熱耐久性能を両立させるとともに、タイヤの氷上摩擦係
数、特に、温度0℃付近の湿潤状態にある氷上の摩擦係
数を向上させ実用上の使用に充分耐え得る空気入りタイ
ヤを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記問題点を解決するため、種々検討
した結果、トレッドのゴム層にガラス転移点の低いポリ
マーを用い、ゴムの内部に独立気泡を含有させることに
より、ゴム自体の架橋密度を減少させることなく、トレ
ッドゴム全体、即ち、ゴムと泡との複合体全体の硬度を
減少させ得ることを見出した。また、この際、弾性率の
高いゴムを発泡させることにより、発泡ガスの軟化作用
により適度のトレッドゴムの硬度を得ることができるこ
とを見出した。
これらの事実をもとに、更に、構造面からも検討を重
ね、本発明に到達した。
即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤのケー
スと、ケースのクラウン部を被覆するトレッドとを備え
た空気入りタイヤにおいて、トレッドがガラス転移温度
−60℃以下の重合物のゴム成分を含有し、トレッドの表
部側にトレッドの全体積の少なくとも10%以上の体積を
有する発泡ゴム層を備え、発泡ゴム層の発泡ゴムが発泡
率Vs5〜50%の範囲で平均気泡径5〜150μmの独立気泡
を含有するとともに、発泡ゴムが気泡直径30〜200μm
の独立気泡を単位面積1mm2あたり20個以上含有すことを
特徴としている。
また、前記発泡ゴムが動的弾性率3×107〜13×107dy
n/cm2であることが好ましく、更に好ましくは3×107
8×107dyn/cm2である。ここに動的弾性率3×107〜13
×107dyn/cm2としたのは、3×107dyn/cm2未満では夏季
における操縦性能が充分でなく、13×107dyn/cm2を超え
ると、雪氷路面での路面把握力が悪化するからである。
ここに、トレッドが含有するゴム成分はガラス転移温
度−60℃以下の重合物、例えば、天然ゴム、ポリイソプ
ロピレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、低ス
チレン含有のスチレン・ブタジエン共重合ゴムの単独、
または、これらの重合物の2種以上の混合物である。こ
の理由は、これらの重合物を用いることにより、トレッ
ドは、低温においても充分にゴム弾性を有するからであ
る。
上述のガラス転移温度−60℃以下の重合物に加え、必
要に応じ、ガラス転移温度が−60℃より高い重合物、例
えば、スチレン含有量が比較的高いスチレンブタジエン
共重合ゴムや高いビニル含有量のポリブタジエンゴムを
トレッドのゴム成分として、ガラス転移温度を著しく高
めない範囲で適宜配合してもよい。
また、発泡ゴム層は、トレッドの全体積の少なくとも
10%以上の体積を有するのが望ましく、好ましくは10〜
70%、更に好ましくは40〜60%である。発泡ゴム層をト
レッド全体積の少なくとも10%以上の体積を有するとし
たのは、10%未満では氷雪性能の改良効果が少ないため
である。また、発泡ゴム層をトレッドに用いる方法とし
ては、トレッド全体が発泡ゴム層(発泡ゴム層100%)
からなっていてもよい。
また、発泡ゴムの発泡率Vsは、次式 Vs={(ρ0−ρ9)/(ρ1−ρ9)−1}×100(%)
…(1) で表され、ρ1は発泡ゴムの密度(g/cm3)、ρ0は発泡
ゴムのゴム固相部の密度(g/cm3)、ρ9は発泡ゴムの気
泡内のガス部の密度(g/cm3)である。発泡ゴムはゴム
固相部と、ゴム固相部によって形成される空洞(独立気
泡)、即ち、気泡内のガス部とから構成されている。ガ
ス部の密度ρ9は極めて小さく、ほぼ零に近く、かつ、
ゴム固相部の密度ρ1に対して極めて小さいので、式
(1)は、次式 Vs=(ρ0/ρ1−1)×100(%) …(2) とほぼ同等となる。
発泡率Vsは5〜50%の範囲が好ましく、好ましくは5
〜30%である。発泡率Vsを5〜50%としたのは、5%未
満では、低温時の発泡ゴムの柔軟性が得られず、また、
50%を超えると、耐摩耗性能が低下して氷雪路面、湿潤
路面以外の乾燥路面での耐摩耗性が実用的に不十分であ
るからである。
また、発泡ゴムの独立気泡の平均気泡径は50〜150μ
mが望ましく、好ましくは10〜100μmである。発泡ゴ
ムの独立気泡の平均気泡径を5〜150μmとしたのは、
5μm未満では氷雪性能の改良効果が少なく、また、平
均気泡径が150μmを超えると耐摩耗性能が大幅に低下
し、更に、発泡ゴムの歪み復元力が低下し、所謂、耐ヘ
タリ性が低下し、走行時により、タイヤブロックの変
形、サイプの目づまり等を起こし、雪上性能を低下させ
る。また、耐カット性も低下しブロック欠けが多くな
る。更に、製造時に安定した形状を得ることが困難であ
るからである。
また、発泡ゴムが気泡直径30〜200μmの独立気泡
を、単位面積1mm2当たり20個以上含有することが望まし
く、好ましくは30個以上である。ここに、独立気泡を単
位面積1mm2当たり20個以上としたのは、20個未満では氷
雪路面に接触するトレッドゴムのゴム表面の独立気泡に
より生ずる凹凸状態が十分でなく、氷雪性能を十分に発
揮できないためである。
また、本発明に係る空気入りタイヤのトレッドに用い
る発泡ゴムは、通常のゴム配合物に発泡剤を加えて通常
のタイヤ製造方法にしたがって加熱加圧する際形成され
る。発泡剤としては、例えば、アゾジカ−ボンアミド、
ジニトロソ・ペンタメチレン−テトラアミン、アゾビス
イソブチロニトリル、ベンゼンスルフォニルヒドラジ
ド、高沸点炭化水素化合物の樹脂ミクロカプセル等が用
いられる。
以下、実施例により詳細を説明するが、発泡ゴムの性
質および試験タイヤによるタイヤ性能の試験は下記の方
法で行った。
試験法 (1) 平均気泡径および発泡率Vs 発泡ゴムの平均気泡径は試験タイヤのトレッドの発泡
ゴム層からブロック状の試料を切り出し、その試料断面
の写真を倍率100〜400の光学顕微鏡で撮影し、200個以
上の独立気泡の気泡直径を測定し、算術平均値として表
わした。また、発泡ゴムの発泡率Vsはブロック状の前記
試料の密度ρ1(g/cm3)を測定し、一方、無発泡ゴム
(固相ゴム)のトレッドの密度ρ0(g/cm3)を測定し、
前記式(2)を用いて求めた。
(2) 独立気泡の気泡直径および気泡数 発泡ゴムの独立気泡の気泡直径および気泡数は、試験
タイヤのトレッドの発泡ゴム層からブロック状の試料を
切り出し、その試料断面の写真を倍率100〜400の光学顕
微鏡で撮影し、独立気泡の気泡直径を求めた。次いで、
独立気泡の気泡直径が5μm以上の気泡数を延べ面積4m
m2以上にわたって測定し、独立気泡の単位面積1mm2当た
りの気泡数(個)を計算した。
(3) 発泡ゴムの表面粗さおよび氷上摩擦係数 発泡ゴムのゴム表面の微小な凹凸を特定化する表面粗
さとして、JIS表面粗さ(BO601)に記載されている自乗
平均平方根粗さ(RMS)を用いた。即ち、タイヤのトレ
ッドより発泡ゴムを切り出し、触針式表面粗さ計(小坂
研究所製)を用い、所定の試料寸法(長さ10mm、幅10m
m、厚さ5mm)、触針先端の半径R=2μm、測定力=0.
7mN、測定スキャニング長2.5mmの測定条件により試料表
面を試料の長さ方向に0.5mm間隔で10個所計10個測定し
て平均した。
発泡ゴムの氷上摩擦係数、特に0℃付近の湿潤状態に
おける氷上の摩擦係数は、表面温度が−0.5℃の氷上に
前記表面粗さを測定した試料表面(試料寸法、長さ10m
m、幅10mm、厚さ5mm)と氷とを接触させ、協和界面化学
(株)製の動・静摩擦係数計を用いて測定した。測定条
件として荷重2kg/cm2、滑り速度10mm/sec、雰囲気温度
−2℃、表面状態は鏡面に近似、により行った。
(4) 発泡ゴムの動的弾性率および内部損失 発泡ゴムの動的弾性率および内部損失は試験タイヤの
トレッドの発泡ゴム層から長方形の試料(幅4.6mm、長
さ30mm、厚さ2mm)を切り出し、動的弾性率計(岩本製
作所(株)製)を用い、温度30℃、振動数60Hz、振幅歪
1%にて測定した。
(5) トレッド表面発熱温度 試験タイヤに正規内圧を充填した後、ドラム外径1.7m
mの通常の室内ドラム試験機に速度100km/H、正規荷重で
押しつけて3時間走行し、トレッドの中央部の表面温度
を測定した。
(6) 耐摩耗性能 各試験タイヤ2本を排気量1500ccの乗用者のドライブ
軸に取り付け、テストコースのコンクリート路面上を所
定の速度で走行させた。溝深さの変化量を測定し、比較
タイヤを100として指数表示した。数値は大きい程耐摩
耗性能が良好であることを示す。
(7) 氷上制動性能 各試験タイヤ4本を排気量1500ccの乗用車に装着し、
外気温−5℃の氷上で制動距離を測定した。比較例タイ
ヤを100として指数表示した。数値は小さい程制動が良
好であることを示す。
(8) 一般路面上の操縦安定性能 操縦安定性能は試験車に試験タイヤを装着し、夏季の
一般舗装路面を所定の速度で走行し、走行中の操舵性、
安定性を10段階評価法で試験し、平均し、表4中の比較
例3をコントロール(基準)として+、−で示した。+
は良好、−は不良を示す。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1〜5実施例、比較例1、2) 第1、2図は本発明に係る空気入りタイヤの第1実施
例を示す図である。
まず、構成について説明する。第1図において、空気
入りタイヤ(タイヤサイズ165SR13)1はタイヤのケー
ス2と、発泡ゴムからなりケース2のクラウン部2aを被
覆するトレッド3とを有している。ケース2は、一対の
ビード部5と、ビード部5間にほぼ放射方向に配置した
ゴム引きコードからなるカーカス部6と、カーカス部6
のクラウン部にほぼタイヤ円周方向に配置したベルト部
7およびカーカス部のタイヤ軸方向両側部を被覆するサ
イドウォールゴム8とから構成されている。
トレッド3はトレッド3の表部3a側で両ショルダ部間
に発泡ゴム層10を有し、発泡ゴム層10はトレッド3の全
体積Vの少なくとも10%以上の体積を有し、この実施例
ではトレッドの全体積Vと同じ100%の体積である。発
泡ゴム層10は発泡ゴム11からなり、発泡ゴム11は、表1
に示すようにトレッドのゴム組成物(組成物3)、即
ち、ガラス転移温度−60℃以下の重合物(天然ゴム(ガ
ラス転移温度−72℃)およびポリブタジエンゴム(ガラ
ス転移温度−100℃)からなるゴム成分を含有し、か
つ、これに通常の配合剤および発泡剤(ジニトロソ・ベ
ンタメチレンポテトラミンおよび尿素)を加えたもので
あり、通常のタイヤ製造方法にしたがって成型し、加熱
・加圧する際、発泡し独立気泡(図には黒点にて示して
いる)13を形成する。
第1実施例に用いた発泡ゴム11は、表2(組成物3)
に示すように、発泡率Vs12%で、平均気泡径24μmの独
立気泡を有し、気泡直径30〜200μmの独立気泡を単位
面積1mm2当たり50個を有している。また、発泡ゴム11の
氷上摩耗係数は0.037(表面粗さ2.3RMS(μm))であ
り、通常のもの(0.01〜0.02)より大きい。トレッド3
以外の構成および製造方法は通常の空気入りラジアルタ
イヤと同じであり、詳細な説明は省略する。
タイヤの性能は、トレッド発熱温度が59℃、耐摩耗性
能が90、氷上制動性能が95であり、良好な氷上制動性能
を示している。
次に、試験タイヤ(タイヤサイズ165SR13)を7種類
(実施例5種、比較例2種)を準備し、本発明の効果を
確認した。
詳細は表2に示す。
第1実施例は前述の第1図に示すものである。第2〜
5実施例および比較例1、2は、トレッド3に、第1図
に示すように、トレッド3の全体積の100%の体積を有
する発泡ゴム層10を用いた場合であり、第2〜第5実施
例および比較例1、2の発泡ゴム層の発泡ゴムには、そ
れぞれ、表1の組成物4〜7および組成物1、2を用
い、発泡剤の配合量を変えて、発泡ゴムの物性を変えて
製造した。比較例1、2は気泡径30〜200μmの独立気
泡数が単位面積1mm2当たり20個未満で表面粗さが十分で
ない場合である。これらの試験タイヤは、前述以外は第
1実施例と同じである。
これらの試験タイヤの発泡ゴムの性質は、平均気泡
径、発泡率Vs、気泡径30〜200μmの独立気泡数および
氷上摩擦係数(第2図)について、前述の試験法により
測定した。タイヤの氷上摩擦係数は、特に、温度0℃付
近の湿潤状態において重要であるが、第2図に示すよう
に(図中の番号は組成物の番号を示す。)、第1〜5実
施例に用いた発泡ゴムの組成物3〜7の氷上摩擦係数
は、比較例1、2に用いた組成物1、2のものに比較し
て大幅に向上している。
試験タイヤの性能はトレッド表面の発熱温度、耐耗擦
性能、氷上制動性能について前述の試験法により試験し
た。
試験結果は第2表に示す。
これらの結果から明らかなように本願を適用した第1
〜第5実施例は、比較例1、2に比較して、トレッド表
面の発熱温度の上昇もわずかで、発熱耐久性も充分であ
り、かつ、耐摩耗性能も充分実用に耐るように確保され
ている。更に、氷上制動性能も大幅に向上している。ま
た、氷雪路面上での駆動性能および操縦性能も充分であ
った。
(第6〜8実施例、比較例3〜5) 次に、第6〜8実施例について説明する。
第6〜8実施例においては、発泡ゴムが、本発明の前
記発泡ゴムの特徴を有するとともに、その動的弾性率が
3×107〜13×107dyn/cm2の範囲を有する場合である。
第6〜8実施例および比較例3〜5において、トレッ
ドのゴム組成物は、それぞれ、表3に示す組成物8〜13
を用いた。組成物8〜10は発泡剤を配合し、組成物11〜
13は発泡剤を配合しない場合である。トレッド以外の構
成は第1実施例(第1図)と同じである。
トレッドゴムの性質は、その発泡率Vs、動的弾性率お
よび氷上摩擦係数について、また、このトレッドゴムを
用いた空気入りタイヤの性能は、氷上制動性能および一
般路面上の夏季における操縦安定性能について前述の試
験法によって試験した。
試験結果は表4、第3、4図に示す。
第3、4図において、三角印は発泡剤を配合した場
合、黒丸印は発泡剤を配合しない場合のそれぞれの試験
結果を示す。図中の数値は実施例および比較例の番号で
ある。
試験結果は、表4および第3、4図に示すように、ト
レッドゴムに発泡剤を使用して所定の発泡率Vsおよび所
定の動的弾性率を有する発泡ゴムからなる実施例6〜8
は、比較例3〜5に比較し、一般路面上の操縦安定性能
を十分に維持したまま、氷上摩擦係数を大幅に向上で
き、氷上制動性能を更に大幅に向上できる。発泡剤を使
用しない比較例3〜5(従来配合)の場合、動的弾性率
を小さくすると氷上摩擦係数を僅かに増加(比較例5)
できるが、操縦安定性能(94)が大きく低下するので実
用的でない。
(第9、10実施例、比較例6) 次に、第9、10実施例について説明する。
第9、10実施例においては、本発明に係る空気入りタ
イヤが大型のタイヤ、例えば、トラック・バス用の空気
入りタイヤに適用できることを示す。まず、第9実施例
について説明する。
第5図において、21はタイヤサイズ10.00 R2014PRの
重荷重用の空気入りタイヤである。空気入りタイヤ21に
おいて、第1実施例と同じ構成には同じ符号をつけ必要
な所のみ説明する。トレッド3以外の構成は通常のトラ
ック・バス用の空気入りタイヤである。ケース2のカー
カス部6は、放射方向に配置されゴム被覆されたスチー
ルコードであり、ベルト部7はゴム被覆したスチールコ
ードからなる4枚のベルト層を有している。
トレッド3は、トレッド3の表部3a側にトレッド3の
全体積Vの10%以上の体積を有する発泡ゴム層10を備え
ている。発泡ゴム層10は発泡ゴム11からなり、発泡ゴム
11は表5に示す発泡剤を含有するトレッドのゴム組成物
27を有し、第1実施例と同様に、通常のタイヤ製造法に
より成型し、加熱・加圧して発泡し独立気泡13を形成す
る。
次に、第10実施例は、第9実施例において、発泡ゴム
11が表5に示す発泡剤を含有するゴム組成物15からなる
場合である。また、比較例6は、トレッドが、表5に示
す通常のトラック・バス用タイヤに用いるトレッドのゴ
ム組成物16を有する場合である。
第9、10実施例および比較例6に用いたトレッドゴム
の性質は、表6にそれぞれ示す。これらトレッドゴムを
用いた空気入りタイヤの性能は、前述と同様に、温度0
℃および−20℃付近にて氷上制動性能を試験した。
試験結果は、表6に示すように、第9、10実施例のも
のは、比較例6のものに比較し、耐摩耗性能を実用上十
分に維持しており、氷上制動性能を大幅に向上してい
る。
(第11〜15実施例、比較例7〜12) 更に、発泡ゴムが発泡率Vs5〜50%の範囲であること
及び個々の気泡直径30〜200μmの独立気泡を単位面積1
mm2当たり20個以上有することの必要性は、第11〜15実
施例及び比較例7〜12により説明する。
試験結果は、表8−1、表8−2及び図6、図7に示
すように、比較例3、4、6、8から発泡率が50%より
大であると耐摩耗性が悪い。また、比較例5、7から気
泡直径30〜200μmの独立気泡の数が20未満であると、
氷上摩擦数が低い。なお、発泡率が5%未満では発泡さ
せたことの効果が発現しない。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、耐摩耗性能お
よび発熱耐久性を損なうことなく、氷雪路面上における
制動性能、駆動性および操縦性等の氷雪性能を大幅に向
上することができる。
また、発泡ゴムの動的弾性率を所定の範囲にすること
により一般路面上の操縦安定性能を十分に維持したまま
氷上制動性能を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1、2図は本発明に係る空気入りタイヤの第1実施例
を示す図であり、第1図はその一部断面図、第2図はそ
の発泡ゴムの氷上摩擦係数を示すグラフ、第3、4図は
本発明の第6〜8実施例の性能を示す図であり、第3図
はその氷上摩擦係数と動的弾性率との関係を示すグラ
フ、第4図はその氷上摩擦係数と発泡率ととの関係を示
すグラフである。図5は本発明に係る空気入りタイヤの
第9実施例を示す一部断面図である。図6は氷上摩擦係
数と気泡直径30〜200μmの独立気泡の数との関係を示
すグラフである。図7は耐摩耗性と発泡率との関係を示
すグラフである。 1、21……空気入りタイヤ 2……ケース 2a……ケースのクラウン部 3……トレッド 3a……トレッドの表部 5……ビード部 6……カーカス部 7……ベルト部 8……サイドウォールゴム 9……ショルダ部 10……発泡ゴム層 11……発泡ゴム 13……独立気泡

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤのケースと、ケースのクラウン部を
    被覆するトレッドとを備えた空気入りタイヤにおいて、
    トレッドがトレッドの表部側にトレッドの全体積の少な
    くとも10%以上の体積を有する発泡ゴム層を備え、発泡
    ゴム層がガラス転移温度−60℃以下の重合物のゴム成分
    を含有する発泡ゴムからなり、発泡ゴムが発泡率Vs5〜5
    0%の範囲で平均気泡径5〜150μmの独立気泡を有する
    とともに、個々の気泡直径30〜200μmの独立気泡を単
    位面積1mm2当たり20個以上有することを特徴とする空気
    入りタイヤ。
JP61235921A 1986-02-05 1986-10-02 空気入りタイヤ Expired - Lifetime JP2568520B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61235921A JP2568520B2 (ja) 1986-10-02 1986-10-02 空気入りタイヤ
DE19873703480 DE3703480A1 (de) 1986-02-05 1987-02-05 Luftreifen
US07/527,706 US5147477A (en) 1986-02-05 1990-05-24 Pneumatic tire having foamed tread rubber
US07/944,426 US5351734A (en) 1986-02-05 1992-09-14 Pneumatic tire with foam rubber in the tread

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61235921A JP2568520B2 (ja) 1986-10-02 1986-10-02 空気入りタイヤ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5264276A Division JP2564760B2 (ja) 1993-09-27 1993-09-27 空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6390402A JPS6390402A (ja) 1988-04-21
JP2568520B2 true JP2568520B2 (ja) 1997-01-08

Family

ID=16993212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61235921A Expired - Lifetime JP2568520B2 (ja) 1986-02-05 1986-10-02 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2568520B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5176765A (en) * 1988-04-13 1993-01-05 Bridgestone Corporation Pneumatic tire having outer tread layer of foam rubber
JP2901257B2 (ja) * 1988-12-08 1999-06-07 株式会社ブリヂストン 重荷重用空気入りタイヤ
US5753365A (en) * 1991-06-07 1998-05-19 Bridgestone Corporation Rubber composition and all season type pneumatic tires made from a rubber composition
JP3150176B2 (ja) * 1991-11-18 2001-03-26 株式会社ブリヂストン 低騒音タイヤ
JP5373729B2 (ja) * 2010-09-21 2013-12-18 住友ゴム工業株式会社 乗用車用スタッドレスタイヤ
DE102014217226B4 (de) 2014-08-28 2021-09-23 Skf Blohm + Voss Industries Gmbh Verdampfungsanlage, Verdampfungsverfahren und Abdichtungssystem

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6390402A (ja) 1988-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2568502B2 (ja) 空気入りタイヤ
CA2145355C (en) Pneumatic tire having formed rubber
JPH0520466B2 (ja)
JP3401283B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH0544361B2 (ja)
JP2568520B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3021801B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP0517538A1 (en) Pneumatic tires
JP2564760B2 (ja) 空気入りタイヤ
CA2049784A1 (en) Studless pneumatic tire
JP2661920B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2868872B2 (ja) 発泡ゴム層をトレッドに有する空気入りタイヤ
JPH0776202A (ja) 空気入りタイヤ
JPH04221206A (ja) スタッドレスタイヤ
JPS61162536A (ja) タイヤトレツド用ゴム組成物
JP2510533B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3096091B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2518870B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3054238B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH01293205A (ja) 空気入りタイヤ
JP2901257B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP2662294B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3189128B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH05147406A (ja) 空気入りタイヤ
JPH0390403A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term