JP2548590B2 - 共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法 - Google Patents
共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法Info
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
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- C07C51/10—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction with carbon monoxide
- C07C51/12—Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction with carbon monoxide on an oxygen-containing group in organic compounds, e.g. alcohols
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Description
【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法
に関するものである。本発明は特に、白金族金属触媒
と、酸化剤としてのキノン誘導体との存在下に、ジエン
と、一酸化炭素と、ヒドロキシル基含有化合物との反応
によつてアルケンポリカルボン酸エステルを生成させる
ことからなる酸化カルボニル化方法に関する。さらにま
た本発明は、この反応に使用される触媒系自体にも関す
る。
に関するものである。本発明は特に、白金族金属触媒
と、酸化剤としてのキノン誘導体との存在下に、ジエン
と、一酸化炭素と、ヒドロキシル基含有化合物との反応
によつてアルケンポリカルボン酸エステルを生成させる
ことからなる酸化カルボニル化方法に関する。さらにま
た本発明は、この反応に使用される触媒系自体にも関す
る。
発明の背景 米国特許第4,575,562号明細書には、メタノールと、
高酸化状態の白金族金属の化合物を含有する触媒と、キ
ノンの如き有機酸化剤と、脱水剤と、好ましくは1以上
のリガンドとの存在下に、かつ反応が可能な温度、圧力
条件下に1,3−ブタジエンを一酸化炭素と反応させるこ
とによつて、主としてジメチルヘキス−3−エンジオエ
ート(dioate)を生成させ、このジメチルヘキス−3−
エンジオエートに其後に水素化反応を行つてアジピン酸
ジメチルを生成させることからなるアジピン酸ジメチル
の製造方法が記載されている。この反応はパラジウム化
合物の存在下に実施するのが好ましい。有利に使用でき
るリガンドの例にはトリフエニルホスフイン、トリ(p
−メトキシフエニル)ホスフイン、トリ(p−フルオロ
フエニル)ホスフイン、トリブチルホスフイン、トリフ
エニルアルシン、トリエチルアルシン、ベンゾニトリ
ル、アセトニトリル、プロピオニトリル、バレロニトリ
ル、サクシノニトリル、グルタロニトリル、トリフエニ
ルホスフアイト、塩化リチウム、臭化ナトリウム、沃化
リチウム、沃化カリウム、塩化銅があげられる。さら
に、この公知方法では、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫
酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸のうちから選択され
た少量の酸が使用できる。
高酸化状態の白金族金属の化合物を含有する触媒と、キ
ノンの如き有機酸化剤と、脱水剤と、好ましくは1以上
のリガンドとの存在下に、かつ反応が可能な温度、圧力
条件下に1,3−ブタジエンを一酸化炭素と反応させるこ
とによつて、主としてジメチルヘキス−3−エンジオエ
ート(dioate)を生成させ、このジメチルヘキス−3−
エンジオエートに其後に水素化反応を行つてアジピン酸
ジメチルを生成させることからなるアジピン酸ジメチル
の製造方法が記載されている。この反応はパラジウム化
合物の存在下に実施するのが好ましい。有利に使用でき
るリガンドの例にはトリフエニルホスフイン、トリ(p
−メトキシフエニル)ホスフイン、トリ(p−フルオロ
フエニル)ホスフイン、トリブチルホスフイン、トリフ
エニルアルシン、トリエチルアルシン、ベンゾニトリ
ル、アセトニトリル、プロピオニトリル、バレロニトリ
ル、サクシノニトリル、グルタロニトリル、トリフエニ
ルホスフアイト、塩化リチウム、臭化ナトリウム、沃化
リチウム、沃化カリウム、塩化銅があげられる。さら
に、この公知方法では、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫
酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸のうちから選択され
た少量の酸が使用できる。
しかしながら、前記の米国特許明細書中の実施例に記
載のブタジエンの変換率、およびジメチルヘキス−3−
エンジオエートへの選択率の値から当業者には明らかな
ように、この公知方法は、所望のアルケンジカルボン酸
エステルを高収量(ブタジエンの量を基準として30%を
超える収量)で得るための選択的製造方法とは考えられ
ない。このアルケンジカルボン酸エステルは、アジペー
トの製造如き化学合成操作の原料として近年特に重要性
が増してきた物質である。さらに、この公知方法は比較
的高い圧力(34−350気圧)および温度(60−190℃)に
おいて実施されるので、この高温高圧に耐える反応装置
を使用しなければならず、そのために経費がかさむ。
載のブタジエンの変換率、およびジメチルヘキス−3−
エンジオエートへの選択率の値から当業者には明らかな
ように、この公知方法は、所望のアルケンジカルボン酸
エステルを高収量(ブタジエンの量を基準として30%を
超える収量)で得るための選択的製造方法とは考えられ
ない。このアルケンジカルボン酸エステルは、アジペー
トの製造如き化学合成操作の原料として近年特に重要性
が増してきた物質である。さらに、この公知方法は比較
的高い圧力(34−350気圧)および温度(60−190℃)に
おいて実施されるので、この高温高圧に耐える反応装置
を使用しなければならず、そのために経費がかさむ。
国際特許第(WO)80/00250号明細書には、共役ジオレ
フイン(たとえば1,3−ブタジエン)を、パラジウム触
媒、銅(II)塩および塩基の存在下に、一酸化炭素およ
びアルコール(たとえばベンジルアルコール)と反応さ
せることによつて、この共役ジオレフインをアルケンポ
リカルボン酸エステル(たとえばジメチルヘキス−3−
エンジオエート)に変換させる方法が開示されている。
そして、この不飽和ジエステルに加水分解反応および水
素化反応(これらの反応を逆の順次で行つてもよい)を
行うことによつて、それに対応する線状二塩基酸すなわ
ちジ−酸(di−acid)(たとえばアジピン酸)が製造で
きる。銅(II)化合物の使用量は、この公知方法の実施
時に生じたパラジウム(O)を酸化して元のパラジウム
(II)に戻すのに充分な量であるべきである。求核性の
塩基の使用量は、少なくとも1モル当量〔銅(II)塩の
使用量基準〕であるべきである。前記の銅塩として塩化
銅を使用するのが好ましい。好ましい塩基はカルボン酸
のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩ならびに種
々の炭酸塩(たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
プロピオン酸ナトリウム、ラク酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム)、およびアミン(たとえばトリエチルアミンや
ルチジン)である。
フイン(たとえば1,3−ブタジエン)を、パラジウム触
媒、銅(II)塩および塩基の存在下に、一酸化炭素およ
びアルコール(たとえばベンジルアルコール)と反応さ
せることによつて、この共役ジオレフインをアルケンポ
リカルボン酸エステル(たとえばジメチルヘキス−3−
エンジオエート)に変換させる方法が開示されている。
そして、この不飽和ジエステルに加水分解反応および水
素化反応(これらの反応を逆の順次で行つてもよい)を
行うことによつて、それに対応する線状二塩基酸すなわ
ちジ−酸(di−acid)(たとえばアジピン酸)が製造で
きる。銅(II)化合物の使用量は、この公知方法の実施
時に生じたパラジウム(O)を酸化して元のパラジウム
(II)に戻すのに充分な量であるべきである。求核性の
塩基の使用量は、少なくとも1モル当量〔銅(II)塩の
使用量基準〕であるべきである。前記の銅塩として塩化
銅を使用するのが好ましい。好ましい塩基はカルボン酸
のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩ならびに種
々の炭酸塩(たとえば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
プロピオン酸ナトリウム、ラク酸ナトリウム、炭酸ナト
リウム)、およびアミン(たとえばトリエチルアミンや
ルチジン)である。
今述べた公知方法の実施例から当業者には明らかなよ
うに、この公知方法は、所望のアルケンジカルボン酸エ
ステル(たとえばジメチルヘキス−3−エンジオエー
ト)を高収量で得るための選択的製法とは考えられな
い。さらにまた、この公知方法は、反応時間が比較的長
い(実施例Iでは144時間)という特徴がある。
うに、この公知方法は、所望のアルケンジカルボン酸エ
ステル(たとえばジメチルヘキス−3−エンジオエー
ト)を高収量で得るための選択的製法とは考えられな
い。さらにまた、この公知方法は、反応時間が比較的長
い(実施例Iでは144時間)という特徴がある。
発明の目的 したがつて本発明の目的は、比較的安価なフアインケ
ミカルの需要の増大に対処するために、これの化学合成
の際の出発物質であるジエチルまたはジメチルヘキス−
3−エンジオエートおよび/またはジメチルヘキス−2
−エンジオエートの如きアルケンジカルボン酸ジエステ
ルを製造するために、ブタジエンまたはその同族体をア
ルケンジカルボン酸ジエステルに選択的に変換する新規
方法を開発することである。
ミカルの需要の増大に対処するために、これの化学合成
の際の出発物質であるジエチルまたはジメチルヘキス−
3−エンジオエートおよび/またはジメチルヘキス−2
−エンジオエートの如きアルケンジカルボン酸ジエステ
ルを製造するために、ブタジエンまたはその同族体をア
ルケンジカルボン酸ジエステルに選択的に変換する新規
方法を開発することである。
発明の構成 本発明者は長年月にわたつて種々の研究を行つた結
果、前記の所望化合物を選択的に製造する方法を今や見
出したのである。これは従来の知識からみて全く予想外
のことである。
果、前記の所望化合物を選択的に製造する方法を今や見
出したのである。これは従来の知識からみて全く予想外
のことである。
したがつて本発明は、少なくとも次の成分、すなわ
ち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒(cocatalyst)としての、マンガンおよび
バナジウムのうちから選択される金属の化合物 を含有してなる触媒系の存在下に、共役ジエンの酸化カ
ルボニル化反応を行い、しかしてこの反応は、ジエン1
モル当り少なくとも2モル当量のアルコールおよび一酸
化炭素を用いて実施することを特徴とする、次式 および/または (ここにRは低級アルキル基またはアルアルキル基を表
わし、 R′およびR″の各々は水素、低級アルキル基、 アリール基またはアルアルキル基を表わし、 Rは水素または低級アルキル基を表わす) の化合物の選択的製造方法に関するものである。
ち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒(cocatalyst)としての、マンガンおよび
バナジウムのうちから選択される金属の化合物 を含有してなる触媒系の存在下に、共役ジエンの酸化カ
ルボニル化反応を行い、しかしてこの反応は、ジエン1
モル当り少なくとも2モル当量のアルコールおよび一酸
化炭素を用いて実施することを特徴とする、次式 および/または (ここにRは低級アルキル基またはアルアルキル基を表
わし、 R′およびR″の各々は水素、低級アルキル基、 アリール基またはアルアルキル基を表わし、 Rは水素または低級アルキル基を表わす) の化合物の選択的製造方法に関するものである。
容易に理解されるように、用語“低級アルキル基”は
炭素原子1−4個のアルキル基を意味し、用語“アリー
ル基”は非置換または置換フエニル基またはナフチル基
を意味し、用語“アルアルキル基”すなわちアラールキ
ル基は、低級アルキル基で置換されたフエニル基または
ナフチル基を意味する。
炭素原子1−4個のアルキル基を意味し、用語“アリー
ル基”は非置換または置換フエニル基またはナフチル基
を意味し、用語“アルアルキル基”すなわちアラールキ
ル基は、低級アルキル基で置換されたフエニル基または
ナフチル基を意味する。
本発明方法の好ましい具体例では、Rがメチル基また
はエチル基であり、R′,R″およびRが水素またはメ
チル基である化合物が製造できる。共役ジエン(特に1,
3−ブタジエン)の酸化カルボニル化反応によつてヘキ
ス−3−エンジカルボン酸ジエステルおよび/またはヘ
キス−2−エンジカルボン酸ジエステルを製造するのが
一層好ましい。
はエチル基であり、R′,R″およびRが水素またはメ
チル基である化合物が製造できる。共役ジエン(特に1,
3−ブタジエン)の酸化カルボニル化反応によつてヘキ
ス−3−エンジカルボン酸ジエステルおよび/またはヘ
キス−2−エンジカルボン酸ジエステルを製造するのが
一層好ましい。
前記の触媒系の成分の他に、もし所望ならば1種また
はそれ以上の脱水剤が少量使用できる。反応器で反応を
実施した場合に、反応中に水が生じ、この水が反応に悪
影響を与えるから、このようなときに脱水剤を使用して
水を除去するのが好ましい。
はそれ以上の脱水剤が少量使用できる。反応器で反応を
実施した場合に、反応中に水が生じ、この水が反応に悪
影響を与えるから、このようなときに脱水剤を使用して
水を除去するのが好ましい。
白金族金属の化合物はさらに追加リガンドを含有し得
る。しかしながら、変換反応を最適条件下に行うのにこ
のリガンドは不必要であることが見出された。
る。しかしながら、変換反応を最適条件下に行うのにこ
のリガンドは不必要であることが見出された。
酸化剤の再生のために酸素が使用できる。酸素は一酸
化炭素と共に反応器に添加でき、あるいは別の反応器に
添加できる。
化炭素と共に反応器に添加でき、あるいは別の反応器に
添加できる。
反応は回分法、連続法または半連続法によつて実施で
きる。用語“半連続法”は、反応体を連続的に反応器に
供給し、ただし反応生成物は反応完了時まで反応器から
除去しないという反応実施方法を意味する。アルコール
の使用量は、ジカルボン酸エステル生成物の量を基準と
した化学量論量またはそれ以上の量であるべきである。
好ましくは、このアルコールとしてメタノールおよびエ
タノールを2−10モル(ジエステル生成物基準)使用す
る。任意的に、少量の脱水剤が反応混合物に添加でき
る。これは、所望の無水条件を維持するのに役立つ。適
当な脱水剤の例にはオルト蟻酸メチル、メタ硼酸、2,2
−ジメトキシプロパン、1,4−ジメトキシシクロヘキサ
ン、メチルビニルエーテルおよび1−エトキシ−シクロ
ヘキセンがあげられる。
きる。用語“半連続法”は、反応体を連続的に反応器に
供給し、ただし反応生成物は反応完了時まで反応器から
除去しないという反応実施方法を意味する。アルコール
の使用量は、ジカルボン酸エステル生成物の量を基準と
した化学量論量またはそれ以上の量であるべきである。
好ましくは、このアルコールとしてメタノールおよびエ
タノールを2−10モル(ジエステル生成物基準)使用す
る。任意的に、少量の脱水剤が反応混合物に添加でき
る。これは、所望の無水条件を維持するのに役立つ。適
当な脱水剤の例にはオルト蟻酸メチル、メタ硼酸、2,2
−ジメトキシプロパン、1,4−ジメトキシシクロヘキサ
ン、メチルビニルエーテルおよび1−エトキシ−シクロ
ヘキセンがあげられる。
用語“白金族金属の化合物”は、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合
物(およびその混合物)を意味する。適当な白金族金属
の化合物の例には臭化白金、塩化白金、沃化パラジウ
ム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム
があげられる。適当な触媒金属塩が反応中に生ずるよう
な反応条件下に反応を行う場合には、金属または金属酸
化物が使用できる。本発明に従つて変換反応を行うとき
には、金属化合物としてパラジウム化合物を使用するの
が好ましく、酢酸パラジウムが特に好ましい。この白金
族金属触媒は均質または不均質に作用するものであり得
る。不均質型のものは、スラリーとして使用でき、ある
いは、酸化珪素、酸化アルミニウム、炭素等や、天然ま
たは合成ゼオライトや他の不活性材料中に含浸させて使
用できる。金属触媒はまた、重合体に結合させた形で使
用することもできる。白金族金属触媒の使用量は0.001
−10グラム原子、好ましくは0.01−1.0グラム原子であ
る(ジエン100モル当り)。
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合
物(およびその混合物)を意味する。適当な白金族金属
の化合物の例には臭化白金、塩化白金、沃化パラジウ
ム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム
があげられる。適当な触媒金属塩が反応中に生ずるよう
な反応条件下に反応を行う場合には、金属または金属酸
化物が使用できる。本発明に従つて変換反応を行うとき
には、金属化合物としてパラジウム化合物を使用するの
が好ましく、酢酸パラジウムが特に好ましい。この白金
族金属触媒は均質または不均質に作用するものであり得
る。不均質型のものは、スラリーとして使用でき、ある
いは、酸化珪素、酸化アルミニウム、炭素等や、天然ま
たは合成ゼオライトや他の不活性材料中に含浸させて使
用できる。金属触媒はまた、重合体に結合させた形で使
用することもできる。白金族金属触媒の使用量は0.001
−10グラム原子、好ましくは0.01−1.0グラム原子であ
る(ジエン100モル当り)。
白金族金属をその酸化状態に保つために使用される酸
化剤の例には、1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,
4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノ
ン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニ
ル)、2,3−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラメチ
ル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフエニル−1,4−ベン
ゾキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−
ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナフトキノンおよ
びその混合物があげられる。上記の酸化剤は内部(Inte
rnal)酸化剤であると考えられる。好ましい内部酸化剤
はテトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)で
ある。任意的に、キノン/ハイドロキノン混合物が使用
できる。キノン(または、キノンとハンドロキノンとの
混合物)は天然または合成ゼオライトの如き不活性材料
中に吸着でき、あるいは、有機重合体中に混入し得る。
内部酸化剤と白金族金属成分とのモル比は広い範囲内で
種々変えることができ、一般に100−700、好ましくは30
0−600である。
化剤の例には、1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,
4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノ
ン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニ
ル)、2,3−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、テトラメチ
ル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフエニル−1,4−ベン
ゾキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロロ−1,4−
ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナフトキノンおよ
びその混合物があげられる。上記の酸化剤は内部(Inte
rnal)酸化剤であると考えられる。好ましい内部酸化剤
はテトラクロロ−1,4−ベンゾキノン(クロラニル)で
ある。任意的に、キノン/ハイドロキノン混合物が使用
できる。キノン(または、キノンとハンドロキノンとの
混合物)は天然または合成ゼオライトの如き不活性材料
中に吸着でき、あるいは、有機重合体中に混入し得る。
内部酸化剤と白金族金属成分とのモル比は広い範囲内で
種々変えることができ、一般に100−700、好ましくは30
0−600である。
適当なマンガンおよびバナジウムの化合物の例には塩
化マンガン、塩化バナジウム、臭化マンガン、臭化バナ
ジウム、酢酸マンガン、酢酸バナジウム(およびその混
合物)があげられる。塩化マンガンまたは塩化バナジウ
ムを使用するのが好ましい。
化マンガン、塩化バナジウム、臭化マンガン、臭化バナ
ジウム、酢酸マンガン、酢酸バナジウム(およびその混
合物)があげられる。塩化マンガンまたは塩化バナジウ
ムを使用するのが好ましい。
共触媒と白金族金属触媒との使用量の比率は臨界条件
ではなく、広い範囲内で種々変えることができる。変換
率および選択率の両者を高い値にするために、パラジウ
ム1グラム原子当りマンガン塩またはバナジウム塩を5
−50モル使用するのが好ましい。この共触媒を10モルよ
り多く、45モルより少なく使用したときに(パラジウム
1グラム原子当り)、選択率が高くなり(>80%)、か
つ変換率も高くなる。
ではなく、広い範囲内で種々変えることができる。変換
率および選択率の両者を高い値にするために、パラジウ
ム1グラム原子当りマンガン塩またはバナジウム塩を5
−50モル使用するのが好ましい。この共触媒を10モルよ
り多く、45モルより少なく使用したときに(パラジウム
1グラム原子当り)、選択率が高くなり(>80%)、か
つ変換率も高くなる。
反応体のうちの1種(一般にアルコール)を大過剰量
使用した場合、または反応生成物のうちの1種が適当な
液相を形成するものである場合には、本発明方法の実施
のときに追加溶媒は不必要である。しかし本発明の好ま
しい具体例では、追加溶媒が使用される。この目的のた
めに、任意の不活性溶媒が使用できる。この溶媒は、た
とえばスルホン〔たとえばジプロピルスルホン、テトラ
ヒドロチオフエン−1,1−ジオキサイド(スルホラ
ン)、2−メチル−4−ブチルスルホラン、3−メチル
スルホラン、2−メチル−4−ブチルスルホラン〕;ニ
トリル(たとえばアセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリル);炭化水素(たとえばベンゼン、トル
エン、キシレン、イソオクタン、n−ヘキサン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン);エステ
ル(たとえば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メ
チル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、アジピン
酸ジメチル、ブチロラクトン);ケトン(たとえばアセ
トン、アセトフエノン、2−ブタノン、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトン);エーテル〔たとえばア
ニソール、2,5,8−トリオキサノン(別名ジグリム)、
ジフエニルエーテル、ジイソプロピルエーテル〕のうち
から選択できる。エーテル型溶媒たとえばジグリムを使
用するのが好ましい。
使用した場合、または反応生成物のうちの1種が適当な
液相を形成するものである場合には、本発明方法の実施
のときに追加溶媒は不必要である。しかし本発明の好ま
しい具体例では、追加溶媒が使用される。この目的のた
めに、任意の不活性溶媒が使用できる。この溶媒は、た
とえばスルホン〔たとえばジプロピルスルホン、テトラ
ヒドロチオフエン−1,1−ジオキサイド(スルホラ
ン)、2−メチル−4−ブチルスルホラン、3−メチル
スルホラン、2−メチル−4−ブチルスルホラン〕;ニ
トリル(たとえばアセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリル);炭化水素(たとえばベンゼン、トル
エン、キシレン、イソオクタン、n−ヘキサン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン);エステ
ル(たとえば酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メ
チル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、アジピン
酸ジメチル、ブチロラクトン);ケトン(たとえばアセ
トン、アセトフエノン、2−ブタノン、シクロヘキサノ
ン、メチルイソブチルケトン);エーテル〔たとえばア
ニソール、2,5,8−トリオキサノン(別名ジグリム)、
ジフエニルエーテル、ジイソプロピルエーテル〕のうち
から選択できる。エーテル型溶媒たとえばジグリムを使
用するのが好ましい。
本発明方法は比較的穏和な反応条件下に実施できる。
適当な温度は50−200℃、好ましくは50−150℃である
が、80−125℃の温度が一層好ましい。本発明方法で
は、白金族金属錯体を所望の高酸化状態に保つために、
すなわちカルボニル化反応のための高触媒活性を保つた
めに内部酸化剤を使用するが、この酸化剤の濃度を充分
高い値に保つために酸素が使用できる。酸素は一酸化炭
素と共に添加できるが、この場合には、爆発性の酸素/
一酸化炭素混合物の生成を防止するための注意を払わな
ければならない。あるいは酸素は別の反応器に添加でき
る。別の具体例では、反応器に一酸化炭素および酸素を
交互に添加できる。
適当な温度は50−200℃、好ましくは50−150℃である
が、80−125℃の温度が一層好ましい。本発明方法で
は、白金族金属錯体を所望の高酸化状態に保つために、
すなわちカルボニル化反応のための高触媒活性を保つた
めに内部酸化剤を使用するが、この酸化剤の濃度を充分
高い値に保つために酸素が使用できる。酸素は一酸化炭
素と共に添加できるが、この場合には、爆発性の酸素/
一酸化炭素混合物の生成を防止するための注意を払わな
ければならない。あるいは酸素は別の反応器に添加でき
る。別の具体例では、反応器に一酸化炭素および酸素を
交互に添加できる。
容易に理解され得るように、本発明方法のカルボニル
化反応自体では水は生成しないが、ハイドロキノン誘導
体からのキノン誘導体の再生(これは酸化反応である)
の際に水が生ずる。カルボニル化反応とキノン再生反応
とが同一反応器内で行われる場合には、充分な量の脱水
剤を添加して、ブタンまたはその同族体もしくは誘導体
の酸化反応の如き副反応を最小限に抑制するのが望まし
い。カルボニル化反応とキノンの再生反応とをそれぞれ
別々の反応器で行う場合には、カルボニル化反応の反応
器中のキノン含有原料は実質的に無水のものでなければ
ならない。
化反応自体では水は生成しないが、ハイドロキノン誘導
体からのキノン誘導体の再生(これは酸化反応である)
の際に水が生ずる。カルボニル化反応とキノン再生反応
とが同一反応器内で行われる場合には、充分な量の脱水
剤を添加して、ブタンまたはその同族体もしくは誘導体
の酸化反応の如き副反応を最小限に抑制するのが望まし
い。カルボニル化反応とキノンの再生反応とをそれぞれ
別々の反応器で行う場合には、カルボニル化反応の反応
器中のキノン含有原料は実質的に無水のものでなければ
ならない。
上記の目的のために必要な脱水操作は、1種またはそ
れ以上の同じ種族の前記脱水剤を用いて実施でき、ある
いは、キノン含有原料を適当な固定脱水剤の中を通過さ
せることによつて実施でき、あるいは、水を留去させる
こともできる。
れ以上の同じ種族の前記脱水剤を用いて実施でき、ある
いは、キノン含有原料を適当な固定脱水剤の中を通過さ
せることによつて実施でき、あるいは、水を留去させる
こともできる。
一酸化炭素は実質的に純粋なものが使用でき、あるい
は酸素および/または1種またはそれ以上の不活性ガス
(たとえば窒素または貴ガス)と混合して使用できる。
本発明方法における一酸化炭素の圧力は一般に、公知の
方法の場合の圧力よりも低い値であつてよい。50バール
またはそれ以上の圧力が好ましい。
は酸素および/または1種またはそれ以上の不活性ガス
(たとえば窒素または貴ガス)と混合して使用できる。
本発明方法における一酸化炭素の圧力は一般に、公知の
方法の場合の圧力よりも低い値であつてよい。50バール
またはそれ以上の圧力が好ましい。
アルコールと共役ジエン(特にブタジエン)とのモル
比は広い範囲内で種々変えることができるが、一般に2:
1ないし10:1である。このアルコールは脂肪族、環式脂
肪族または芳香族アルコールであり得、そしてこのアル
コールは1またはそれ以上の不活性置換基を含んでいて
もよい。適当なアルコールは、炭素原子20個まだのもの
である。メタノール、エタノール、プロパノール、2,2
−ジヒドロキシメチル−1−ブタノールの如きアルカノ
ールおよびベンジルアルコールが、適当な出発化合物で
ある。これらのうちで、メタノールおよびエタノールが
特に好ましい。
比は広い範囲内で種々変えることができるが、一般に2:
1ないし10:1である。このアルコールは脂肪族、環式脂
肪族または芳香族アルコールであり得、そしてこのアル
コールは1またはそれ以上の不活性置換基を含んでいて
もよい。適当なアルコールは、炭素原子20個まだのもの
である。メタノール、エタノール、プロパノール、2,2
−ジヒドロキシメチル−1−ブタノールの如きアルカノ
ールおよびベンジルアルコールが、適当な出発化合物で
ある。これらのうちで、メタノールおよびエタノールが
特に好ましい。
後記の実施例から明らかなように、マンガンまたはバ
ナジウムの化合物を共触媒として使用した場合には、ア
ルカノールからヘキス−3−エンジカルボン酸および/
またはヘキス−2−エンジカルボン酸のジエステルへの
選択的変換反応の平均変換率および選択率が、塩化銅、
クロム化合物または鉄化合物(これらは、マンガンやバ
ナジウムの化合物と等価な共触媒であると今迄思われて
いたものである)を使用した場合に比して、予想外に高
い値になることが判明した。
ナジウムの化合物を共触媒として使用した場合には、ア
ルカノールからヘキス−3−エンジカルボン酸および/
またはヘキス−2−エンジカルボン酸のジエステルへの
選択的変換反応の平均変換率および選択率が、塩化銅、
クロム化合物または鉄化合物(これらは、マンガンやバ
ナジウムの化合物と等価な共触媒であると今迄思われて
いたものである)を使用した場合に比して、予想外に高
い値になることが判明した。
本発明はまた、共役ジエンの酸化カルボニル化反応
を、一酸化炭素およびアルコールを用いて行うときに使
用される触媒系において、少なくとも次の成分、すなわ
ち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒としての、マンガンおよびバナジウムのう
ちから選択される金属の化合物 を含有することを特徴とする触媒系にも関する。
を、一酸化炭素およびアルコールを用いて行うときに使
用される触媒系において、少なくとも次の成分、すなわ
ち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒としての、マンガンおよびバナジウムのう
ちから選択される金属の化合物 を含有することを特徴とする触媒系にも関する。
触媒系の前記成分の他に、既述の1種またはそれ以上
の脱水剤を少量配合できる。
の脱水剤を少量配合できる。
適当な白金族金属化合物、酸化剤および共触媒化合物
については既に述べた。
については既に述べた。
本発明の触媒系には、白金族金属触媒成分1グラム原
子当りマンガンまたはバナジウムの化合物(好ましくは
塩)を5−50モル配合するのが好ましい。触媒系内にお
ける内部酸化剤対白金族金属成分のモル比は一般に100
−700、好ましくは300−600である。既述の如くこの触
媒系はさらに、追加溶媒(好ましくはジグリム)を含有
し得る。
子当りマンガンまたはバナジウムの化合物(好ましくは
塩)を5−50モル配合するのが好ましい。触媒系内にお
ける内部酸化剤対白金族金属成分のモル比は一般に100
−700、好ましくは300−600である。既述の如くこの触
媒系はさらに、追加溶媒(好ましくはジグリム)を含有
し得る。
次に、本発明の実施例を示す。
例1 磁力攪拌機を付けたハステロイ−C(登録商標)製オ
ートクレーブ(容量250ml)に、ジグリム40ml、ブタジ
エン10ml、エタノール15ml、酢酸パラジウム0.1ミリモ
ル、クロラニル50ミリモルおよび塩化マンガン(MnC
l2)4ミリモルを入れた。このオートクレーブに一酸化
炭素を60バールの圧力で入れ、オートクレーブを閉鎖
し、110℃の温度に加熱した。2時間の反応時間の経過
後に、オートクレーブの内容物を気液クロマトグラフイ
により分析した。エタノールからジエチルヘキス−3−
エンジオエートおよびジエチルヘキス−2−エンジオエ
ートへの変換反応における選択率は89%であつた。平均
変換反応速度は200モル/gat.Pd.時であつた。
ートクレーブ(容量250ml)に、ジグリム40ml、ブタジ
エン10ml、エタノール15ml、酢酸パラジウム0.1ミリモ
ル、クロラニル50ミリモルおよび塩化マンガン(MnC
l2)4ミリモルを入れた。このオートクレーブに一酸化
炭素を60バールの圧力で入れ、オートクレーブを閉鎖
し、110℃の温度に加熱した。2時間の反応時間の経過
後に、オートクレーブの内容物を気液クロマトグラフイ
により分析した。エタノールからジエチルヘキス−3−
エンジオエートおよびジエチルヘキス−2−エンジオエ
ートへの変換反応における選択率は89%であつた。平均
変換反応速度は200モル/gat.Pd.時であつた。
例2 例1の場合と実質的に同様な方法に従つて実験を行つ
た。ただし今回はMnCl24ミリモルの代りに、これを2
ミリモル含む触媒系を使用した。エタノールからジエチ
ルヘキス−3−エンジオエートおよびジエチルヘキス−
2−エンジオエートへの変換反応における選択率は85%
であつた。平均変換速度は155モル/gat.Pd.時であつ
た。
た。ただし今回はMnCl24ミリモルの代りに、これを2
ミリモル含む触媒系を使用した。エタノールからジエチ
ルヘキス−3−エンジオエートおよびジエチルヘキス−
2−エンジオエートへの変換反応における選択率は85%
であつた。平均変換速度は155モル/gat.Pd.時であつ
た。
例3 例1の場合と実質的に同様な方法によつて実験を行つ
た。ただし今回は、一酸化炭素の圧力を60バールでなく
70バールとした。エタノールからジエチルヘキス−3−
エンジオエートおよびジエチルヘキス−2−エンジオエ
ートへの変換反応における選択率は91%であつた。平均
変換反応速度は170モル/gat.Pd.時であつた。
た。ただし今回は、一酸化炭素の圧力を60バールでなく
70バールとした。エタノールからジエチルヘキス−3−
エンジオエートおよびジエチルヘキス−2−エンジオエ
ートへの変換反応における選択率は91%であつた。平均
変換反応速度は170モル/gat.Pd.時であつた。
例4 例1の場合と実質的に同様な方法によつて実験を行つ
た。ただし今回は、MnCl2(4ミリモル)の代りに塩化
バナジウム(VCl3)2ミリモルを使用し、かつ、一酸化
炭素の圧力を60バールでなく50バールとした。エタノー
ルからジエチルヘキス−3−エンジオエートおよびジエ
チルヘキス−2−エンジオエートへの変換反応における
選択率は80%であつた。平均変換反応速度は130モル/ga
t.Pd.時であつた。
た。ただし今回は、MnCl2(4ミリモル)の代りに塩化
バナジウム(VCl3)2ミリモルを使用し、かつ、一酸化
炭素の圧力を60バールでなく50バールとした。エタノー
ルからジエチルヘキス−3−エンジオエートおよびジエ
チルヘキス−2−エンジオエートへの変換反応における
選択率は80%であつた。平均変換反応速度は130モル/ga
t.Pd.時であつた。
参考例 例1の場合と実質的に同様な方法に従つて実験を行つ
た。ただし今回使用された触媒系は、MnCl24ミリモル
の代りに、塩化銅(CuCl2)2ミリモル、アセト酢酸ク
ロム〔Cr(Acac)3〕2ミリモルまたは塩化第二鉄(FeC
l3)2モリモルを含むものであつた。反応時間は、CuCl
2を使用した場合には5時間であり、他の上記無機塩を
使用した場合には2時間であつた。この変換反応におけ
る選択率はそれぞれ72%、90%および30%であり、平均
変換速度はそれぞれ100、50および150モル/gat.Pd.時で
あつた。アセト酢酸クロムを使用した理由は、塩化クロ
ムの溶解度が非常に低いためである。
た。ただし今回使用された触媒系は、MnCl24ミリモル
の代りに、塩化銅(CuCl2)2ミリモル、アセト酢酸ク
ロム〔Cr(Acac)3〕2ミリモルまたは塩化第二鉄(FeC
l3)2モリモルを含むものであつた。反応時間は、CuCl
2を使用した場合には5時間であり、他の上記無機塩を
使用した場合には2時間であつた。この変換反応におけ
る選択率はそれぞれ72%、90%および30%であり、平均
変換速度はそれぞれ100、50および150モル/gat.Pd.時で
あつた。アセト酢酸クロムを使用した理由は、塩化クロ
ムの溶解度が非常に低いためである。
共触媒を使用しないことを除いて、同様な実験を行つ
た。選択率は85%であり、平均変換反応速度は75モル/g
at.Pd.時であつた。
た。選択率は85%であり、平均変換反応速度は75モル/g
at.Pd.時であつた。
これらの実験結果から明らかなように、共触媒として
のマンガンおよびバナジウムの化合物は、銅、クロム、
および鉄の化合物と比較して、予想外にすぐれた特性を
有するものである。
のマンガンおよびバナジウムの化合物は、銅、クロム、
および鉄の化合物と比較して、予想外にすぐれた特性を
有するものである。
Claims (25)
- 【請求項1】少なくとも次の成分、すなわち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒としての、マンガンおよびバナシウムのう
ちから選択される金属の化合物 を含有してなる触媒系の存在下に、共役ジエンの酸化カ
ルボニル化反応を行い、しかしてこの反応は、ジエン1
モル当り少なくとも2モル当量のアルコールおよび一酸
化炭素を用いて実施することを特徴とする、次式 および/または (ここにRは低級アルキル基またはアルアルキル基を表
わし、 R′およびR″の各々は水素、低級アルキル基、アリー
ル基またはアルアルキル基を表わし、Rは水素または
低級アルキル基を表わす) の化合物の選択的製造方法。 - 【請求項2】Rがメチル基またはエチル基であり、
R′,R″およびRが水素またはメチル基であることを
特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方法。 - 【請求項3】1,3−ブタジエンの変換反応を行うことを
特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
方法。 - 【請求項4】触媒系の前記成分の他に、少量の、1種ま
たはそれ以上の脱水剤をも使用することを特徴とする特
許請求の範囲第1項−第3項のいずれか一項に記載の方
法。 - 【請求項5】脱水剤として、オルト蟻酸メチル、メタ硼
酸、2,2−ジメトキシプロパン、1,4−ジメトキシシクロ
ヘキサン、メチルビニルエーテルまたは1−エトキシ−
シクロヘキセンを使用することを特徴とする特許請求の
範囲第4項に記載の方法。 - 【請求項6】白金族金属の化合物として、沃化パラジウ
ム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウ
ム、臭化白金または塩化白金を使用することを特徴とす
る特許請求の範囲第1項−第5項のいずれか一項に記載
の方法。 - 【請求項7】白金族金属触媒成分の使用量が0.001−10
グラム原子(ジエン100モル当り)であることを特徴と
する特許請求の範囲第1項−第6項のいずれか一項に記
載の方法。 - 【請求項8】白金族金属触媒成分の使用量が0.01−1.0
グラム原子(ジエン100モル当り)であることを特徴と
する特許請求の範囲第7項に記載の方法。 - 【請求項9】使用される酸化剤が、1,4−ベンゾキノ
ン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロ
ロ−1,4−ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキ
ノン(クロラニル)、2,3−ジシアノ−1,4−ベンゾキノ
ン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ
−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフエニ
ル−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジ
クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナ
フトキノンおよびその混合物のうちから選択されたもの
であることを特徴とする特許請求の範囲第1項−第8項
のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項10】内部酸化剤対白金族金属成分のモル比が
100−700好ましくは300−600であることを特徴とする特
許請求の範囲第1項−第9項のいずれか一項に記載の方
法。 - 【請求項11】塩化マンガン、塩化バナジウム、臭化マ
ンガン、臭化バナジウム、酢酸マンガン、酢酸バナジウ
ムのうちから選択された化合物またはその混合物を、共
触媒として使用することを特徴とする特許請求の範囲第
1項−第10項のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項12】マンガン塩またはバナジウム塩の使用量
が5−50モル(白金族金属触媒成分1グラム原子当り)
であることを特徴とする特許請求の範囲第11項記載の方
法。 - 【請求項13】アルコール対共役ジエンのモル比が2:1
ないし10:1であることを特徴とする特許請求の範囲第1
項−第12項のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項14】メタノールまたはエタノールを使用する
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項−第13項のいず
れか一項に記載の方法。 - 【請求項15】前記の触媒系の成分の他に、追加の溶媒
としてジグリムをも存在させてこの方法を実施すること
を特徴とする特許請求の範囲第1項−第14項のいずれか
一項に記載の方法。 - 【請求項16】反応を80−125℃の温度において実施す
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項−第15項のい
ずれか一項に記載の方法。 - 【請求項17】反応を50バールまたはそれ以上の圧力下
に実施することを特徴とする特許請求の範囲第1項−第
16項のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項18】共役ジエンの酸化カルボニル化反応を、
一酸化炭素およびアルコールを用いて行うときに使用さ
れる触媒系において、少なくとも次の成分、すなわち、 (a)1種またはそれ以上の白金族金属のうちから選択
される金属の化合物、 (b)キノンおよび/またはその誘導体の形の酸化剤、
および (c)共触媒としての、マンガンおよびバナジウムのう
ちから選択される金属の化合物 を含有することを特徴とする触媒系。 - 【請求項19】触媒系の前記成分の他に、少量の、1種
またはそれ以上の脱水剤をも存在させたことを特徴とす
る特許請求の範囲第18項に記載の触媒系。 - 【請求項20】白金族金属の化合物として、沃化パラジ
ウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウ
ム、臭化白金または塩化白金を存在させたことを特徴と
する特許請求の範囲第18項または第19項に記載の触媒
系。 - 【請求項21】添加された酸化剤が、1,4−ベンゾキノ
ン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロ
ロ−1,4−ベンゾキノン、テトラクロロ−1,4−ベンゾキ
ノン(クロラニル)、2,3−ジシアノ−1,4−ベンゾキノ
ン、テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ
−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ
−1,4−ナフトキノン、2,5−ジフエニル−1,4−ベンゾ
キノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナ
フトキノンおよびその混合物のうちから選択されたもの
であることを特徴とする特許請求の範囲第18項−第20項
のいずれか一項に記載の触媒系。 - 【請求項22】塩化マンガン、塩化バナジウム、臭化マ
ンガン、臭化バナジウム、酢酸マンガン、酢酸バナジウ
ムおよび/またはその混合物を、共触媒として存在させ
たことを特徴とする特許請求の範囲第18項−第21項のい
ずれか一項に記載の触媒系。 - 【請求項23】マンガン塩またはバナジウム塩の存在量
が5−50モル(白金族金属触媒成分1グラム原子当り)
であることを特徴とする特許請求の範囲第18項−第22項
のいずれか一項に記載の触媒系。 - 【請求項24】内部酸化剤対白金族金属成分のモル比が
100−700であることを特徴とする特許請求の範囲第18項
−第23項のいずれか一項に記載の触媒系。 - 【請求項25】さらにまたジグリムも含有することを特
徴とする特許請求の範囲第18項−第24項のいずれか一項
に記載の触媒系。
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---|---|---|---|
NL8603301 | 1986-12-24 | ||
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US7568439B2 (en) * | 2007-11-13 | 2009-08-04 | Deere & Company | Fertilizer knife and point structure |
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US4575562A (en) * | 1984-09-19 | 1986-03-11 | Monsanto Company | Dimethyl adipate from butadiene |
GB8515140D0 (en) * | 1985-06-14 | 1985-07-17 | Shell Int Research | Preparation of diesters of dicarboxylic acids |
EP0231044A3 (en) * | 1986-01-29 | 1988-07-20 | Shell Internationale Researchmaatschappij B.V. | Process for the preparation of a diester of a dicarboxylic acid |
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