JP2543350Y2 - ベーパリカバーシステム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】この考案は内燃機関のベーパリカ
バーシステムに係り、特に、燃料タンクのキヤップ開放
時に該キャップ部から蒸発燃料が大気に放出される恐れ
のない大気汚染を効果的に防止できるベーパリカバーシ
ステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の内燃機関においては、蒸発燃料が
大気中に放出される問題の対応策として、燃料タンクに
連通して蒸発燃料を吸着保持するキャニスタを設け、内
燃機関の運転状態が所定条件を満足するパージ領域にあ
る場合に、該キャニスタに吸着保持した蒸発燃料を内燃
機関の吸気系に放出すべく制御するベーパリカバーシス
テムを備えたものがある。

【０００３】この様な内燃機関のベーパリカバーシステ
ムとしては、図１０に示すものがある。

【０００４】図１０において、１０２はエアクリーナで
あって、エアクリーナ１０２に連通される吸気配管１０
４は図示しないキャブレタとスロットルボディ１０６を
介して内燃機関１０８に連通されいる。スロットルボデ
ィ１０６には絞り弁１１０が設けられている。

【０００５】また、図１０において、１１２は燃料注入
配管１１４を設けた燃料タンクである。燃料タンク１１
２は配管１１６によってキャニスタ１１８の上部に連通
されている。このキャニスタ１１８には下方に向けて大
気に開放された開口１２０が設けられ、上部からは、配
管１２２が開閉弁１２４を経由して前記吸気配管４の絞
り弁１０下流側に連通されている。

【０００６】上述の構成において、開閉弁１２４は通常
は閉鎖されているので、燃料タンク１１２内に発生した
蒸発燃料は矢印ｊに示すように配管１１６からキャニス
タ１１８に至り、このキャニスタ１１８に吸着され蓄え
られる。

【０００７】前記内燃機関１０８の運転状態が所定条件
を満足するパージ領域にある場合は開閉弁１２４が開放
される。また、この状態においては、スロットルボディ
１０６に設けた絞り弁１１０が所定角度に開放され吸気
配管４に吸入空気の流れを生じているので、配管１２２
の空気が吸気配管１０４に矢印ｋに示す流れとなり吸入
されるので、キャニスタ１１８内部に吸着された蒸発燃
料が吸い出され、換わって開口１２０から新鮮な大気が
矢印ｍに示すようにキャニスタ１１８に侵入するので、
このキャニスタ１１８内は新鮮な大気に変換される。

【０００８】また、この様な内燃機関のベーパリカバー
システムとしては、実開昭６３−１２１７５７号公報及
び実開昭６３−１２６５５０号公報に開示されるものが
ある。

【０００９】実開昭６３−１２１７５７号公報に開示の
ものは、イグニッションスイッチがオフされ且つ給油ス
イッチがオンされたときに、燃料タンクと蒸発燃料吸着
部とを連結して燃料給油時に燃料タンク内部の圧力を逃
がす配管途中に配置した弁を開くようにしている。

【００１０】また、実開昭６３−１２６５５０号公報に
開示のものは、燃料タンク内に生じる蒸発燃料を回収す
る主キャニスタと、燃料注入時のみに燃料タンクに連通
する補助キャニスタを設け、吸入空気量が第１設定値以
上の運転条件で主キャニスタから吸気管に連通するパー
ジ通路に設けた制御弁を開き、吸入空気量が第１設定値
より大きい第２設定値以上の運転条件で補助キャニスタ
から吸気管に連通するパージ通路に設けた制御弁を開く
ようにしている。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】ところで、従来のベー
パリカバーシステムにおいては、燃料タンクに燃料を注
入するときには、注入される燃料の容積に相当する該燃
料タンク内の蒸発燃料を含む空気が燃料の注入口から大
気に放出される。この様にして蒸発燃料が大気に放出さ
れるのは、大気汚染防止の上から重要であるが、従来は
止む終えない問題と考えられていた。しかし、アメリカ
等で法的に規制される動きもあり、早急に対策する必要
が生じている。

【００１２】本考案は上記問題を解決するために、燃料
注入時にタンク内の蒸発燃料を含んだ空気が大気に放出
されることなく、蓄えた後に適切に処理することのでき
るベーパリカバーシステムを実現することを課題として
いる。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本考案は、内燃機関の運転状態が所定条件を満足す
る場合に所定の保持部に吸収保持する蒸発燃料を内燃機
関の吸気系に放出すべく制御する内燃機関のベ−パリカ
バーシステムにおいて、第１配管によって燃料タンクに
連通するとともに第２配管の第１開閉弁を経由して吸入
配管の絞り弁下流側に連通する第１蒸発燃料保持部を設
け、第３配管の第２開閉弁を経由して燃料タンクに連通
するとともに第４配管を吸入配管の絞り弁上流側に連通
する第２蒸発燃料保持部を設け、前記第２開閉弁と第２
蒸発燃料保持部との連通部位と前記吸入配管の絞り弁下
流側との間を第３開閉弁を経由して連通する第５配管を
設け、内燃機関を運転する所定の条件において第１開閉
弁と第３開閉弁とを開放するとともに燃料タンクのキャ
ップ部を開放したときに第２開閉弁を開放する制御部を
設けたことを特徴とする。

【００１４】

【作用】この考案の構成によれば、燃料注入時には、前
記第１開閉弁と第３開閉弁を閉鎖し第２開閉弁を開放す
るので燃料タンク内の蒸発燃料は第２蒸発燃料保持部に
流れて蓄えられ、内燃機関停止時にはすべての開閉弁を
閉鎖することによって燃料タンク内の蒸発燃料は第１蒸
発燃料保持部に流れて蓄えられ、内燃機関作動時で所定
の条件を満足する時には、前記第１開閉弁と第３開閉弁
を開放するとともに、第２開閉弁を閉鎖することによっ
て第１蒸発燃料保持部及び第２蒸発燃料保持部に保持さ
れた蒸発燃料は前記内燃機関吸入配管の絞り弁下流側に
放出される。また、第１蒸発燃料保持部及び第２蒸発燃
料保持部には大気が供給されて蓄えた蒸発燃料放出後は
新鮮な大気に置換され、以降の蒸発燃料保持能力を回復
する。従って、燃料タンクには蒸発燃料が蓄積すること
がなく、該燃料タンクに燃料を注入する場合にも蒸発燃
料が大気に放出されない。

【００１５】

【実施例】以下図面に基づいてこの考案の実施例を詳細
に説明する。

【００１６】図１〜図８はこの考案の第１実施例を示す
ものである。図１において、２はエアクリーナであっ
て、エアクリーナ２に連通される吸気配管４は図示しな
いキャブレターとスロットルボディ６を経由して内燃機
関８に連通している。スロットルボディ６には絞り弁１
０が設けられていて、吸気配管４はスロットルボディ６
の上流側４−ａと下流側４−ｂとによって構成されてい
る。

【００１７】また、図において、１２は燃料注入配管１
４を設けた燃料タンクである。燃料タンク１２は第１配
管１６によって第１蒸発燃料保持部である活性炭を原料
としたキャニスタ１８の上部に連通している。このキャ
ニスタ１８には下方に向けて大気に開放された開口２０
が設けられ、上部からは、第２配管２２が第１開閉弁２
４を介して前記吸気配管４の絞り弁１０下流側４−ｂに
連通している。燃料タンク１２はまた、第３配管２６が
第２開閉弁２８を経由して第２蒸発燃料保持部である、
例えば所定の容積を有するベーパタンク３０の下部に設
けた第１開口３２に連通している。

【００１８】更に、ベーパタンク３０の上部に設けた第
２開口３４からは第４配管３６が前記吸気配管４のスロ
ットルボディ上流側４−ａに連通している。

【００１９】前記第３配管２６の前記第１開口３２と該
第３配管２６に設けた第２開閉弁２８との中間部位から
は第５配管３８が分岐しており、この第５配管３８は第
３開閉弁４０を介して前記吸気配管４のスロットルボデ
ィ下流側４−ｂに連通している。

【００２０】上述したベーパタンク３０内部には、一端
を開放した複数の隔壁４２が取り付け部と開放部とを上
下に交互とすべく平行に設けられている。また、燃料タ
ンク１２の燃料注入配管１４の先端にはタンクキャップ
４４が設けられていて、このタンクキャップ４４または
タンクキャップ４４を保護する蓋を除去したときに前記
第２開閉弁２８を作動させる制御部４６が設けられてい
る。

【００２１】次に上述の構成における作用を説明する。

【００２２】図２は、内燃機関８の運転を停止して燃料
タンク１２に燃料を注入するときの状況を記している。
燃料注入のために、タンクキャップ４４を開放し、換わ
りに燃料注入配管１４に燃料注入ガン４８を挿入してい
る。図において５０はシールであって、燃料注入配管１
４と燃料注入ガン４８との隙間を封鎖して燃料タンク１
２内の蒸発燃料が漏れることを防止している。

【００２３】次にタンクキャップ４４またはタンクキャ
ップ４４を保護する蓋を除去したことを検知する手段を
図５〜図８によって説明する。

【００２４】図５において４４は前述したタンクキャッ
プであり、５２は前記タンクキャップ４４を保護する燃
料注入蓋であって、図５はこの燃料注入蓋５２を開放し
た状態を示している。運転者が運転席で該燃料注入蓋５
２の遠隔操作レバーまたはスイッチを操作すると、図６
に示すスイッチ５４がオンされる。スイッチ５４がオン
されるとバッテリ５６から第２開閉弁２８に接続される
回路が形成されるので、該第２開閉弁２８のコイル２８
−ａがプランジャ２８−ｂを吸引する。従って、プラン
ジャ２８−ｂ先端のポペット２８−ｃが移動して、それ
まで閉鎖していた第３配管２６の燃料タンク側２６−ａ
とベーパタンク３０側２６−ｂとを連通させる。

【００２５】図７によってタンクキャップ４４を除去し
たときに作動する手段を示す。

【００２６】図７（Ａ）において１４は燃料注入管、４
４はタンクキャップであって、５８はスイッチ、６０は
このスイッチ５８に接続される電気回路の配線である。

【００２７】図７（Ｂ）に示すようにタンックキャップ
４４が除去されると、タンクキャップ４４によって押し
込まれていたスイッチ５８の先端部５８−ａが突出して
スイッチ内部の接点が閉路される。従って、図６に示し
たスイッチ５４をスイッチ５８に置き換えることによっ
て、図６に示した場合と同様に第２開閉弁２８が作動し
てそれまで閉鎖していた第３配管２６の燃料タンク側２
６−ａとベーパタンク３０側２６−ｂとを連通させる。

【００２８】図８によって燃料注入蓋５２を開放したと
きに作動する手段を示す。

【００２９】図８（Ａ）において１４は燃料注入管、５
２は燃料注入蓋であって、６２はスイッチ、６０はこの
スイッチ６２に接続される電気回路の配線である。

【００３０】図８（Ｂ）に示すように燃料注入蓋５２が
開かれると、この燃料注入蓋５２によって押し込まれて
いたスイッチ６２の先端部６２−ａが突出してスイッチ
内部の接点が閉路される。従って、図７に示したスイッ
チ５４をスイッチ６２に置き換えることによって、図６
に示した場合と同様に第２開閉弁２８が作動してそれま
で閉鎖していた第３配管２６の燃料タンク側２６−ａと
ベーパタンク３０側２６−ｂとを連通させる。

【００３１】上述の実施例におけるスイッチは押し込ま
れた状態でオフ、突出した状態でオンになる機械的なス
イッチであるように記したが、タンクキャップ４４また
は燃料注入蓋５２を開放したときに作動するように形成
させれば、例えば、有接点のスイッチでも無接点のスイ
ッチでも良い。また、図７において、このスイッチによ
って直接第２開閉弁２８を作動させるように説明した
が、内燃機関８またはこの内燃機関８を搭載する装置を
操作制御する制御装置に上述したようなセンサ信号を入
力して作動させるようにしても良い。

【００３２】内燃機関８の運転を停止して上述したよう
にタンクキャップ４４が除去されると、通常は閉鎖して
いる第２開閉弁２８が開放されるので、燃料注入配管１
４に燃料注入ガン４８を挿入し、燃料が注入されると燃
料の容積によって排除される燃料タンク１２内に生じて
いる蒸気燃料を含んだ空気は矢印ａの方向に流れて、ベ
ーパタンク３０に至り、ベーパタンク３０内に設けた隔
壁４２の間を矢印ｂの方向に流れ、ベーパタンク３０に
それまで蓄えられていた新鮮な空気は第４配管３６を経
由して吸気配管４に放出され、換わって、蒸発燃料は、
ベーパタンク３０に蓄えられる。

【００３３】また、燃料タンク１２内の蒸発燃料は矢印
ｃに示すように第１配管１６からキャニスタ１８に至
り、開閉弁２４が閉鎖されているので、蒸発燃料は開口
部から流出することなく、キャニスタ１８に吸着され蓄
えられる。

【００３４】図３は、内燃機関８の運転を停止して燃料
タンク１２のタンクキャップ４４が閉められた状況を記
している。

【００３５】タンクキャップ４４が閉められたことを図
示しないセンサが検知し、図７とは逆動作によって第２
開閉弁２８が閉鎖されるので、図２に矢印ａで示した蒸
気燃料の流れはなくなり、矢印ｃに示すように第１配管
１６からキャニスタ１８に至る蒸気燃料の流れは残る。
この段階においても開閉弁２４が閉鎖されているので、
蒸発燃料は開口から流出することなく、キャニスタ１８
に蓄えられる。

【００３６】内燃機関８が運転を開始しても、後述する
諸条件が満足されず、パージ不作働の状態の間は、上記
図３に示した状況が継続される。

【００３７】図４は、内燃機関８が運転を実施し、予め
設定した所定条件を満足した時の状況を記している。

【００３８】この状況においては、吸気配管４に設けた
スロットルボディ６の絞り弁１０が所定の角度で開放さ
れ、この吸気配管４に吸入空気の流れを生じている。従
って、第５配管３８の空気が吸気配管４−ｂに吸入され
るので、吸気配管４−ａから第４配管３６を経由して大
気が矢印ｄに示すようにベーパタンク３０に至り、ベー
パタンク３０内に設けた隔壁４２の間を矢印ｅの方向に
流れて、ベーパタンク３０に蓄えられた蒸発燃料と液体
状態にもどった蒸発燃料は矢印ｆに示すように第５配管
３８を経由して吸気配管４−ｂに放出され、ベーパタン
ク３０内は新鮮な大気に置換される。

【００３９】また、上述したように吸気配管４に吸入空
気の流れを生じているので、第２配管２２の空気が吸気
配管４−ｂに矢印ｇに示す流れとなり吸入されるので、
キャニスタ１８内部に吸着された蒸発燃料が吸い出さ
れ、換わって開口２０から新鮮な大気が矢印ｈに示すよ
うにキャニスタ１８に侵入するのでキャニスタ１８内は
新鮮な大気に置換される。

【００４０】上述した如く、ベーパタンク３０を設けた
ので、このベーパタンク３０と燃料タンク１２内の圧力
調整の効果と、この燃料タンク１２内の蒸発燃料を短時
間に除くことのできる性能を有している。

【００４１】また、前記ベーパタンク３０には、複数の
隔壁４２を取り付け部と開放部を交互して上下に平行に
設けたので、吸収する蒸発燃料を含んだ燃料タンク１２
内の空気が直接第２開口３４から放出することなく、ま
た、前記隔壁４２中を蒸発燃料を含んだ空気が流れる間
に液体状のものは分離される機能を有しているのでキャ
ニスタ１８に比して液状のものを吸着するのに適してい
る。

【００４２】次に本考案に基づく第２実施例について説
明する。

【００４３】第２実施例は第１実施例で示したベーパタ
ンク３０を活性炭を原料としたキャニスタに置き換えた
ものであって、ベーパタンク３０よりも所要容積が小さ
くて良い。

【００４４】図９において、２はエアクリーナであっ
て、エアクリーナ２に連通される吸気配管４は図示しな
いキャブレターとスロットルボディ６を経由して内燃機
関８に連通している。スロットルボディ６には絞り弁１
０が設けられていて、吸気配管４はスロットルボディ６
の上流側４−ａと下流側４−ｂとによって構成されてい
る。

【００４５】また、図において、１２は燃料注入配管１
４を設けた燃料タンクである。燃料タンク１２は第１配
管１６によって第１蒸発燃料保持部である第１キャニス
タ１８の上部に連通している。この第１キャニスタ１８
には下方に向けて大気に開放された開口２０が設けら
れ、上部からは、第２配管２２が第１開閉弁２４を経由
して前記吸気配管の絞り弁１０下流側４−ｂに連通して
いる。燃料タンク１２はまた、第３配管２６が第２開閉
弁２８を経由して第２蒸発燃料保持部である第２キャニ
スタ７０の上部に設けた第１開口７２に連通している。

【００４６】更に、第２キャニスタ７０の下部に設けた
第２開口７４からは第４配管７６が吸気配管の絞り弁１
０上流側４−ａに連通されている。

【００４７】また、第２キャニスタ７０の上部に設けた
第３開口７８からは第６配管８０が前記第２配管２２に
おける開閉弁２４のキャニスタ１８側に連通している。

【００４８】次に上述の構成における作用を説明する。

【００４９】燃料注入のために、内燃機関８の運転を停
止してタンクキャップ４４が除去されると、通常は閉鎖
している第２開閉弁２８が開放されるので、燃料注入配
管１４に燃料注入ガンを挿入し、燃料が注入されると燃
料の容積によって排除される燃料タンク１２内に生じて
いる蒸気燃料を含んだ空気は第３配管２６を経由して第
２キャニスタ７０に設けた第１開口７２から該第２キャ
ニスタ７０に侵入する。そして、該第２キャニスタ７０
内部の空気は第２開口７４から第４配管７６を経由して
吸気配管４に放出されるので、換わって蒸発燃料が該第
２キャニスタ７０に継続して侵入し吸着されて蓄えられ
る。また、燃料タンク１２内の蒸発燃料は第１配管１６
から第１キャニスタ１８に至り、開閉弁２４が閉鎖され
ているので、蒸発燃料は第２配管２２から流出すること
なく、該第１キャニスタ１８に吸着され蓄えられる。

【００５０】更に、第１キャニスタ１８と第２キャニス
タ７０とは第６配管８０によって連通しているので、第
１配管１６を流れ第１キャニスタ１８に吸着されなかっ
た蒸発燃料または第３配管２６を流れ第２キャニスタ７
０に吸着されなかった蒸発燃料はそれぞれ相互のキャニ
スタに吸着される。

【００５１】内燃機関８の運転を停止して燃料タンク１
２のタンクキャップ４４が閉められた状況においては、
タンクキャップ４４が閉められたことを図示しないセン
サが検知し、図１０によって前述した動作とは逆動作に
よって第２開閉弁２８が閉鎖されるので、第３配管２６
に流れる蒸発燃料を含む空気の流れは閉鎖され、第１配
管１６から第１キャニスタ１８に至る蒸気燃料の流れは
残る。この段階においても開閉弁２４が閉鎖されている
ので、蒸発燃料は第２配管２２から流出することなく、
このキャニスタ１８に蓄えられる。また、一部の蒸発燃
料は第６配管８０を流れて第２キャニスタ７０に吸着さ
れる。

【００５２】内燃機関８が運転を開始しても、所定の条
件が満足されず、パージ不作働の状態の間は、上記と同
様の作用が継続される。

【００５３】内燃機関８が運転を実施し、所定の条件が
満足されてパージ作動の状態になると、第１開閉弁２４
と第３開閉弁４０が開放し第２開閉弁２８が閉鎖され
る。

【００５４】この状況においては、吸気配管４に設けた
スロットルボディ６の絞り弁１０が所定の角度で開放さ
れ、この吸気配管４に吸入空気の流れを生じている。従
って、第５配管３８の空気が吸気配管４−ｂに吸入され
るので、第２キャニスタ７０に蓄えられた蒸発燃料は第
３配管２６から第５配管３８を経由して吸気配管４−ｂ
に放出される。

【００５５】第２キャニスタ７０に吸着された蒸発燃料
は、第６配管８０から第２配管２２を経由して吸気配管
４−ｂに放出される。

【００５６】一方新鮮な大気は吸気配管４−ａから第４
配管７４を経由して第２キャニスタ７０に吸いこまれ
る。従って、該第２キャニスタ７０内は新鮮な大気に置
換される。

【００５７】また、上述したように吸気配管４に吸入空
気の流れを生じているので、第２配管２２の空気が吸気
配管４−ｂに吸入される。従って、第１キャニスター１
８内部に吸着された蒸発燃料が吸い出され、換わって開
口２０から新鮮な大気が該キャニスタ１８に侵入するの
でこの第１キャニスタ１８内は新鮮な大気に置換され
る。

【００５８】前記キャニスタ１８は、ベーパタンク３０
に比し内部に活性炭を配設するために高価であるととも
に、１００℃で引火してしまい熱に弱いが、前記ベーパ
タンク３０より小型化できるとともに、短時間で蒸発燃
料を除去することができる。

【００５９】

【考案の効果】以上詳細に説明した如くこの考案によれ
ば、第１配管によって燃料タンクに連通するとともに第
２配管の第１開閉弁を経由して吸入配管の絞り弁下流側
に連通する第１蒸発燃料保持部を設け、第３配管の第２
開閉弁を経由して燃料タンクに連通するとともに第４配
管を吸入配管の絞り弁上流側に連通する第２蒸発燃料保
持部を設け、第２開閉弁と第２蒸発燃料保持部との連通
部位と吸入配管の絞り弁下流側との間を第３開閉弁を経
由して連通する第５配管を設け、内燃機関を運転する所
定の条件において第１開閉弁と第３開閉弁とを開放する
とともに燃料タンクのキャップ部を開放したときに第２
開閉弁を開放する制御部を設けたので、燃料注入時に蒸
発燃料を第１、第２蒸発燃料保持部に蓄える事ができる
とともに、内燃機関停止時には、すべての開閉弁を閉鎖
することによって燃料タンク内の蒸発燃料を第１蒸発燃
料保持部に蓄えることができ、大気汚染を確実に防止し
得て、実用上有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示すベーパリカバーシス
テムの構成図である。

【図２】ベーパリカバーシステムの燃料注入時における
作用を説明する構成作用図である。

【図３】ベーパリカバーシステムの燃料注入後の内燃機
関停止時における作用を説明する構成作用図である。

【図４】ベーパリカバーシステムの内燃機関を運転した
時の作用を説明する構成作用図である。

【図５】ベーパリカバーシステムの第２開閉弁の燃料注
入蓋開放時における作動を説明する構成図である。

【図６】ベーパリカバーシステムの第２開閉弁作動手段
を説明する回路図である。

【図７】

【（Ａ）】ベーパリカバーシステムのタンクキャップの
取付状態を示す図である。

【図７】

【（Ｂ）】ベーパリカバーシステムの第２開閉弁のタン
クキャップ除去時における作動を説明する構成図であ
る。

【図８】

【（Ａ）】ベーパリカバーシステムの燃料注入蓋の取付
状態を示す図である。

【図８】

【（Ｂ）】ベーパリカバーシステムの第２開閉弁の燃料
注入蓋開放時における作動を説明する図６とは別の構成
図である。

【図９】ベーパリカバーシステムの第２実施例を示す構
成図である。

【図１０】従来のベーパリカバーシステムを説明する構
成図である。

【符号の説明】

２ 内燃機関 ４ 吸気配管 １０ 絞り弁 １２ 燃料タンク １８ 蒸発燃料保持部（キャニスタ） ２４ 開閉弁 ３０ 蒸発燃料保持部（ベーパタンク）

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関の運転状態が所定条件を満足す
   る場合に所定の保持部に吸収保持する蒸発燃料を内燃機
   関の吸気系に放出すべく制御する内燃機関のベ−パリカ
   バーシステムにおいて、第１配管によって燃料タンクに
   連通するとともに第２配管の第１開閉弁を経由して吸入
   配管の絞り弁下流側に連通する第１蒸発燃料保持部を設
   け、第３配管の第２開閉弁を経由して燃料タンクに連通
   するとともに第４配管を吸入配管の絞り弁上流側に連通
   する第２蒸発燃料保持部を設け、前記第２開閉弁と第２
   蒸発燃料保持部との連通部位と前記吸入配管の絞り弁下
   流側との間を第３開閉弁を経由して連通する第５配管を
   設け、内燃機関を運転する所定の条件において第１開閉
   弁と第３開閉弁とを開放するとともに燃料タンクのキャ
   ップ部を開放したときに第２開閉弁を開放する制御部を
   設けたことを特徴とするベーパリカバーシステム。 【０００１】