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JP2540377B2 - 自動出力電力制御装置 - Google Patents

自動出力電力制御装置

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JP2540377B2
JP2540377B2 JP2176771A JP17677190A JP2540377B2 JP 2540377 B2 JP2540377 B2 JP 2540377B2 JP 2176771 A JP2176771 A JP 2176771A JP 17677190 A JP17677190 A JP 17677190A JP 2540377 B2 JP2540377 B2 JP 2540377B2
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    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices
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    • H03G3/3047Automatic control in amplifiers having semiconductor devices in high-frequency amplifiers or in frequency-changers in modulators, frequency-changers, transmitters or power amplifiers for intermittent signals, e.g. burst signals

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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Amplifiers (AREA)
  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、振幅の変化を伴うベースバンド信号を変
調した後、高周波電力増幅器により一定の平均出力が得
られるようにゲイン調整して出力する自動出力電力制御
装置に関するものである。
〔従来の技術〕
第6図は従来の自動出力電力制御装置を示すブロック
図であり、図において、1はベースバンド信号、2は搬
送波、3は変調器、4は変調を受けた高周波(以下、RF
という)信号、5はゲイン調整端子付RF電力増幅器、6
は増幅されたRF出力信号、7は結合器とダイオードを用
いたRF出力電力検出回路、8は検出値と基準電圧を比較
する電圧差出力手段としての差動増幅器、9はローパス
フィルタ(以下、LPFという)、10はフィードバック制
御信号である。
次に動作について説明する。
搬送波2は変調器3において、ベースバンド信号1に
より所定の変調を受ける。こうして得られた変調信号4
は、RF電力増幅器5に入力され、送信に必要な電力にま
で増幅される。ところで、送信電力は電源圧力,入力電
力等が変動した場合にも、ある一定の許容範囲内である
ことが要求される。このため、出力電力を常時検出し、
その変動を抑えるように帰還をかけることが必要とされ
る。ここでは、まず、上記結合器とPINダイオードより
なるRF出力電力検出回路7によって出力信号6の電力を
電圧として検出し、差動増幅器8において、その検出電
圧と基準電圧の差を得る。そこで、こうして得られた差
信号を雑音耐性の向上を図り、変調に伴う振幅変動の影
響を除くためにLPF9を通して、フィードバック制御信号
10とする。このフィードバック制御信号10は、RF電力増
幅器5の上記ゲイン調整端子に加えられ、全体として出
力が低下した場合には、ゲインを大きくし、出力が増加
した場合には、ゲインを小さくして、一定出力が得られ
るように動作する。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の自動出力電力制御装置は以上のように構成され
ているので、大きな振幅変化を伴う変調信号に適用する
場合には、フィードバックループ上の各構成要素に広い
ダイナミックレンジが必要とされ、また、変調による影
響を除いて平均電力を制御するためには、フィードバッ
クループ内のLPF9の時定数を非常に大きくしなければな
らないので、TDMA方式におけるバーストモード送信等に
おいて要求される送信出力の高速な立ち上がりが極めて
困難であるなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、大きな振幅変化を伴う変調信号であっても、
ループのダイナミックレンジを広げることなく、またフ
ィードバックループ内のLPFの時定数を大きくすること
なく、平均電力を一定に制御することができる自動出力
電力制御装置を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る自動出力電力制御装置は、ラッチ回路
にラッチされたそれぞれのNRZ信号に対して複数のナイ
キストフィルタにより帯域制限を加え、帯域制限された
NRZ信号を直交変調器によりRF帯のQPSK信号に変調しRF
信号を出力し、高周波電力増幅器により送信に必要な値
まで増幅するとともに、高周波出力電力検出回路により
高周波電力増幅器の出力電力を検出し、サンプルホール
ド回路によりこの高周波出力電力検出回路で検出した出
力電力を等出力点抽出手段から出力されたナイキスト点
に同期したタイミング信号でサンプリングし、次のサン
プル点までホールドするようにし、サンプルホールド回
路の出力を用いて、出力電力が一定となるように可変減
衰器の減衰量を自動的に調節するようにしたものであ
る。
また、この発明に係る他の自動出力電力制御装置は、
ラッチされたそれぞれのNRZ信号に対してベースバンド
ローパスフィルタにより帯域制限を加え、シフトレジス
タのパラレル出力とカウンタの出力とをアドレス入力と
する等出力点抽出手段により、サンプルホールド回路に
サンプルタイミング信号を出力するようにしたものであ
る。
さらに、この発明に係る他の自動出力電力制御装置の
等出力点抽出手段は、2乗回路の出力値を加算する加算
回路からの加算値が平均電力を含むように予め設定され
た上限値と下限値との間にあるときに、サンプルホール
ド回路にサンプルタイミング信号を出力するようにした
ものである。
〔作用〕
この発明における等出力点抽出手段は、変調によって
振幅が変動する中において、特定の出力が得られるタイ
ミングのみを与え、このタイミングにて検出値をサンプ
ルホールドするため、出力検出値と基準レベルの差を増
幅する差動増幅器およびこれの後段のLPFには、変調に
伴う変動の除かれたほぼ一定値が入力される。従って、
LPFの時定数は定包絡線変調と同様に小さくでき、出力
の高速な立ち上がりを可能にする。また、差動増幅器お
よびLPFのダイナミックレンジも定包絡線変調と同様に
することを可能にする。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。
第1図において、11I,11Qは各々Iチャンネル,Qチャ
ンネルに対応した非ゼロ復帰(以下、NRZという)信
号、12はDタイプラッチ回路、13I,13Qはラッチされた
Iチャンネル,QチャンネルのNRZ信号、14I,14Qは帯域制
限のためのナイキストフィルタ、15は直交変調器、2は
搬送波、4はQPSKによる変調を受けたRF信号、16は電圧
あるいは電流により減衰量が制御される可変減衰器、5
はRF電力増幅器、6は増幅されたRF出力信号である。18
はシンボルレートの16倍のクロックを発生するクロック
発生器、19は等出力点抽出手段、20は16分周カウンタ、
21は4ビットの値を予め設定するためのスイッチ群、22
はカウンタ20の値を入力の一方とし、スイッチ21により
決められた値を入力の他方として、両者を比較するディ
ジタル比較器、23はディジタル比較器22において各値が
一致したときに出力されるサンプルタイミング信号で、
等出力点抽出手段19の出力となる。また、7はRF出力電
力検出回路、17はRF出力電力検出回路7の出力を、サン
プルタイミング信号23のタイミングでサンプリングし、
ホールドするサンプルホールド回路、8はサンプルホー
ルド回路17の出力と基準電圧とを入力する電圧差出力手
段としての差動増幅器、9はLPF、10は可変減衰器16に
入力されるフィードバック制御信号である。
次に動作について説明する。
まず、入力された2系統のNRZ信号11I,11Qは、Dタイ
プラッチ回路12において、所定のシンボルレートでラッ
チされる。ラッチされたNRZ信号13I,13Qは、各々ナイキ
ストフィルタ14I,14Qにより帯域制限を受け直交変調器1
5に入力される。この直交変調器15では、搬送波2とこ
れを90゜位相シフトした信号とにナイキストフィルタ14
I,14Qの出力値を乗算器15a,15bにて掛け、両者を加算器
15cで加えて、RF帯のQPSK信号である変調を受けたRF信
号を4を得る。この変調を受けたRF信号4は後述のルー
プにより制御される可変減衰器16によってレベルを制御
された後、RF電力増幅器5により送信に必要とされる電
力まで増幅され、RF出力信号6として出力される。
ところで、上記QPSKは角度変調方式であるが、帯域制
限が加えられた場合、第2(a)図を参照すると、信号
の振幅、すなわち包絡線は大きく変動する(軌道上の任
意の点において、原点(I=Q=0)からの がその時刻における信号の振幅を表す)。なお、第2
(a)図は帯域制限が加えられたQPSKのベクトル軌跡を
示すグラフである。
しかし、この実施例では、帯域制限するベースバンド
フィルタとして、第2(b)図で示すような、インパル
ス応答がシンボル間隔(t=±1、±2、±3…)毎に
零となるように構成されたナイキストフィルタ14I、14Q
を用いるが、この場合ナイキストフィルタ14I、14Qの入
力は、シンボル間隔毎のインパルス列(第1図ではNRZ
信号13I、13Qのことである)であり、その出力波形は第
2(c)図で示すようにシンボル間隔毎に符号干渉を受
けないナイキスト点を有している。なお、第2(b)図
はナイキストフィルタのインパルス応答の波形を示すグ
ラフ、第2(c)図はナイキストフイルタの入出力波形
を示すグラフである。
上記で第1図のNRZ信号13I、13Qのことをインパルス
列としているが、その差異について説明を加える。本来
の定義では、ナイキストフィルタへの入力はインパルス
列であるが、しかしながら、実際になインパルスを実現
することは困難であり、ラッチ回路12の出力形式である
NRZ信号13I、13Qを用いる方が現実的である。このNRZ信
号13I、13Qはインパルスを零次ホールド回路に通したも
のであるから、後続のフィルタに零次ホールドの逆特性
を持たせることにより、インパルス列+ナイキストフィ
ルタ14I、14Qと同等の特性を実現することができる。し
たがって、明細書中のナイキストフィルタ14I、14Qは、
厳密には零次ホールド特性の補正を考慮したナイキスト
フィルタである。
ここで、図中の“↑”や“↓”は第1図の13I、また
は13Qに相当する入力インパルス列であり、破線はそれ
ぞれのインパルスに対するフィルタの応答、実線は全て
の破線を加算して得られるフィルタの出力波形である。
そして、上述したように、ナイキストフィルタ14I、14Q
のインパルス応答はシンボル間隔毎にその値が零とな
り、他方、入力のインパルスは同じシンボル間隔毎に入
力されているから、第2(c)図中のTIME=1、2、
3、…の時刻においては、前後のインパルス応答の影響
はすべて零となり、当該インパルス応答のみが出力に現
れる。例えば、TIME=5においては、TIME=1、2、
3、4、6、7…に入力されるインパルスに対する応答
(破線)は、全てこの時刻に零となっており、TIME=5
に入力されたインパルス応答のみがフィルタ出力を決定
している。
したがって、シンボル間隔毎に等間隔で存在するナイ
キスト点においては、QPSK変調波の振幅が常に一定の出
力されると期待されるが、この理由を第2(d)図を用
いて説明する。
第2(d)図はI、Q、および振幅との関係を示すグ
ラフである。
この第2(d)図の上段はI−chの波形、中段はQ−
chの波形、下段は振幅(包絡線)の波形を示す一例であ
り、横軸はいずれも時間軸で、シンボル間隔で正規化し
ている。また、ナイキストフィルタ14I、14Qの出力であ
るI−ch、Q−chの信号は、先に述べたようにナイキス
ト点では符号間干渉が零となっている。ところで、QPSK
変調においてはフィルタに入力されるインパルスの大き
さは、以下の4通りの組合せで存在する。
I=cos(45゜)、Q=sin(45゜) …(1) I=cos(135゜)、Q=sin(135゜) …(2) I=cos(−135゜)、Q=sin(−135゜) …(3) I=cos(−45゜)、Q=sin(−45゜) …(4) このため、ナイキスト点においては、(I−ch、Q−
ch)は上記4通りのいずれかである。一方、I−ch、Q
−chと振幅との関係は次式で表せる。
…(5) A:振幅 I:I−ch Q:Q−ch ここで、ナイキスト点における振幅を考えると、上記
の4通りの(I、Q)の場合のみとなり、これらの振幅
はいずれも1となる。第2(d)図の振幅波形を見ると
大きく変動しているが、TIME=1、2、3、4、5…の
ナイキスト点においては常に1となっており、上記説明
と合致している。このため、ナイキストフィルタ14I、1
4Qで帯域制限されたQPSK信号の包絡線(振幅)は大きく
変動するが、ナイキスト点においては常に一定となる。
したがって、振幅の2乗値は全区間の振幅の2乗平均
値、すなわち電力の平均値と一致するため、ナイキスト
点に同期したタイミングで出力電力検出値をサンプリン
グすれば、変調によって影響されることなく平均電力を
知ることができる。この実施例では、等出力点抽出手段
19がナイキスト点に同期したクロックを生成している。
すなわち、シンボルレートの16倍のクロックをクロック
発生器18から入力し、これを16分周カウンタ20で分周す
る。カウンタ20の桁上げ出力はDタイプラッチ回路12の
クロックとして働き、NRZ信号をラッチする。同時に、
カウンタ20のカウント値はディジタル比較器22に入力さ
れる。また、このディジタル比較器22の他方の入力には
スイッチ群21によって予め設定した4ビットの値を入力
し、ディジタル比較器22は、カウンタ20の値とスイッチ
21による設定値が一致した時にのみ、サンプルタイミン
グ信号23をHレベルにする。このようにして、等出力点
抽出手段19からは、シンボルの送信と同期し、スイッチ
21によって設定された固定位相にあるT/16(Tはシンボ
ル間隔)幅のパルス信号がサンプルタイミング信号23と
して出力される。ここで、Dタイプラッチ回路12からRF
電力増幅器5までの伝達遅延時間を考慮し、サンプルタ
イミング信号23がHレベルとなるタイミングがRF出力信
号6におけるナイキスト点に相当するように、スイッチ
群21を用いて位相を設定しておけば、サンプルタイミン
グ信号23は、上記のナイキスト点、すなわち一定出力が
期待されるタイミングを実現する。
このサンプルタイミング信号23によるサンプルホール
ド回路を含んだフィードバックループでは、まず、従来
と同様にRF出力信号6のレベルをRF出力電力検出回路7
で検出する。これをサンプルホールド回路17とサンプル
タイミング信号23を用いて、上記の通りナイキスト点で
サンプリングし、次のナイキスト点までホールドする
が、このサンプルホールド回路17による平均電力の検知
方法を第2(e)図を用いて説明する。
第2(e)図はナイキスト点においてサンプルホール
ドしたときの振幅の波形を示すグラフである。
第2(e)図において、上段(AMP)は検波した出力
包絡線(検波回路7の出力、中段(CLK)はサンプルタ
イミング信号(23)であり、“H"レベルの区間にAMPを
サンプルし、“L"レベルの区間では、直前の値を保持し
続ける。および下段(S/H AMP)がサンプルホールド回
路17の出力である。サンプルタイミング信号は、ナイキ
スト点であるTIME=n(nは整数:時間はシンボル間隔
で正規化している)から、TIME=n+1/16の区間のみ
“H"レベルとなり、この区間に検波した出力包絡線(振
幅)をサンプルする。次にTIME=n+1/16〜TIME=n+
16/16までは、サンプルタイミング信号は“L"レベルと
なりホールドする。このサンプルする区間は、ナイキス
ト点であるので上述のように振幅が一定であり、サンプ
ルホールド回路17の出力として、第2図(e)図の下段
(S/H AMP)に示すように、変調(符号間干渉)の影響
を受けない一定値が得られる。
したがって、サンプルホールド回路17の出力、すなわ
ち基準電圧と比較する差動増幅器8の出力は、変調によ
る変動を伴わない、平均電力と雑音などの外乱のみとな
る。サンプルホールド回路17の出力、すなわち基準電圧
と比較する差動増幅器8の入力は、変調による変動を伴
わない、平均電力と雑音等の外乱のみとなる。そこで、
差動増幅器8において、この平均電力と基準値との差を
求め、従来例と同様にLPF9を通してフィードバック制御
信号10を得る。但し、LPF9では従来例と比べ、変調に伴
った変動分を除去する必要がないため、時定数を小さく
設定することが可能である。また、差動増幅器8および
LPF9では変調に伴う変動に追随する必要がないため、従
来例で必要とされたダイナミックレンジは不要になる。
なお、フィードバック制御信号10は、従来例を説明した
第4図ではRF電力増幅器5に備え付けられたゲイン調整
入力へ帰還していたが、この実施例では別の例として、
RF電力増幅器5の前に設けた可変減衰器16に帰還してい
る。この場合、平均出力電力が増大すれば減衰量が大き
くなり、出力が低下すれば減衰量が小さくなるように動
作し、平均出力電力が一定に保たれる。なお、上記実施
例では、18がシンボルレートの16倍のクロックを出力す
るクロック発生器、20が16分周カウンタの場合について
述べたが、n倍、n分周の発生器,カウンタを用いても
よく、上記実施例と同様の効果を奏する。
第3図にはこの発明の他の実施例を示す。この実施例
は、ナイキストフィルタ以外のフィルタ(例えば、 分割ナイキストフィルタ,ガウスフィルタなど)で帯域
制限されたQPSKへの適用であり、上記実施例と比べ、帯
域制限のためのベースバンドLPFと、等出力点抽出手段
の構成が異なっている。すなわち、24I,24Qは各々Iチ
ャンネル,Qチャンネルにおける帯域制限用のベースバン
ドLPF、25I,25Qはシフトレジスタ、26はシフトレジスタ
25I,25Qのパラレル出力とカウンタ20の出力とをアドレ
ス入力とし、サンプルタイミング信号23を出力とするリ
ードオンリメモリ(以下、ROMという)である。
次に、第1図と異なる等出力点抽出手段19の動作につ
いて説明する。帯域制限フィルタがナイキストフィルタ
でない場合、上記実施例で示した符号間干渉が零の点、
いわゆるナイキスト点は存在しない。しかし、QPSK方式
のようなディジタル変調では、離散的でかつ限られた値
(QPSKではI,Q各々2値)の信号しか入力されないの
で、ベースバンドLPF24I,24Qの出力は、ラッチされたNR
Z信号13I,13Qの時系列における組み合わせと、ベースバ
ンドLPE24I,24Qの伝達関数から全て求めることができ、
かつ十分な精度が得られる長さでベースバンドLPF24I,2
4Qのインパルス応答を打ち切った場合、得られるフィル
タ後の波形の種類は有限個となる。この理由について説
明すると、上記の第2(c)図に示したようにフィルタ
後の波形は、すべての破線(インパルス応答)の加算と
して得られるが、上記の第2(b)図に示した様にナイ
キストフィルタのインパルス応答はTIME→±∝で0に収
束し、第2(b)図の場合は、実用上±5シンボル程度
の時間幅で打ち切ったとしても十分である。この場合フ
ィルタ後の波形は前後5シンボルからの影響のみを加算
すればよいため、式で表すと以下のようになる。
f(t):フィルタの出力信号 aK:K番目のインパルス g(t):フィルタのインパルス応答 T:シンボル間隔 QPSKの場合、aKとしてcos(45゜)[=cos(−45゜)
=sin(45゜)=sin(135゜)]とcos(135゜)[=cos
(−135゜)=sin(−135゜)=sin(−45゜)]との2
通りの値しかないため、上式のf(t)は210の場合分
けができる(a-4、a−、a−、・・・a4、a5の10
個の入力インパルスのそれぞれに2通りの場合があるた
め、その組合せは210通りとなる)。すなわち、1シン
ボル間隔毎に区切ってみた場合、フィルタ後の波形f
(t)は、210種類しか存在しない。
従って、予めこれら有限個の波形を計算し、その各々
について、ある特定の振幅となるタイミングを求めてお
き、この情報をROM26に収め、入力信号の時系列の組み
合わせに応じて、サンプルタイミング信号23を読み出せ
ば、一定出力の点で出力電力検出値をサンプリングする
ことができる。第3図では、シフトレジスタ25I,25Q
入力データを蓄積し、時系列における組み合わせとして
記憶する。これらがまずROM26のアドレス入力に加えら
れ、また、第1図と同様シンボルレートのn倍のクロッ
ク18をn分周のカウンタ20でカウントし、この値もROM2
6のアドレスに入力される。上記の通りシフトレジスタ2
5I,25Qの内容の各々について特定の振幅が得られるタイ
ミングを予め計算しておき、シフトレジスタ25I,25Q
カウンタ20の値をアドレスとして、特定の振幅のタイミ
ングではHレベル、他ではLレベルが出力されるような
データをROM26に格納する。こうすれば、ナイキスト点
が存在しなくても、シフトレジスタ25I,25Qに蓄積され
た入力データの組み合わせに応じて、予測されたタイミ
ングにカウンタ20が設定された時点で、サンプルタイミ
ング信号23がHレベルとなり、出力が一定となる点にお
いて、出力検出値がサンプルホールドされる。なお、第
3図には示していないが、必要ならば、伝搬遅延時間を
考慮して、ROM26の出力に遅延素子を挿入してもよい。
また、他のブロック部分の動作は上記実施例と同様なの
で省略する。
第4図はこの発明のさらに他の実施例を示す。この実
施例も帯域制限を行ったQPSKへの適用であり、等出力点
抽出手段19を別の手法により構成している。27I,27Q
帯域制限を受けた後のベースバンド信号、30I,30Qはベ
ースバンド信号27I,27Qを入力とし、各々入力信号の2
乗を出力する2乗回路、31は2乗回路30I,30Qの2乗出
力の和をとる加算回路、32はウィンドウコンパレータで
ある。
次に、第1図,第3図と異なる等出力点抽出手段19の
動作を説明する。直交変調後の電力、すなわち振幅の2
乗は、Iチャンネル,Qチャンネルの変調ベースバンド信
号の2乗和で与えられる。
変調信号の振幅は、上述したように と表せる。また、電力は振幅の2乗に比例するものであ
るから、 P∝A2=I2+Q2 …(7) RF出力は変調信号を増幅したものであるから、比例係
数が大きくなるだけで、 PRF∝I2+Q2 …(8) PRF:RF出力電力 と表せる。すなわち、変調ベースバンド信号27I、27Q
2乗して加算した結果からRF出力電力が予測できる。従
って、ベースバンド信号27I、27Qを2乗回路30I、30Q
2乗し、加算回路31で加算することにより、RF信号の電
力が、ベースバンドより求められる。
次に、この2乗和の信号をウィンドウコンパレータ32
に入力すると、このウィンドウコンパレータ32は入力が
ある一定の上限・下限の範囲内(ウィンドウ内)にある
時のみ、出力がHレベルとなるから、ウィンドウを十分
狭く設定しておけば、一定のRF出力となるタイミングを
抽出することができるが、この理由を第5図を用いて説
明する。
第5図はウィンドウコンパレータを用いた等出力点抽
出とサンプルホールド入力出力信号との関係を示すグラ
フである。
第5図において、上段がベースバンドから求めた電力
波形(振幅の2乗)で、ウィンドウコンパレータ32の入
力、中上段がウィンドウコンパレータの出力でサンプル
タイミング信号、中下段が検波したRF出力の包絡線、お
よび下段がサンプルホールド回路17の出力である。この
ウィンドウコンパレータ回路17のウィンドウは、平均電
力に相当する値(図の上段では平均電力=1)を含むよ
うに設定する。図では、平均電力=1に対し、ウィンド
ウの上限を1.03、下限を0.97に設定した。このウィンド
ウコンパレータ回路17は、入力がこのウィンドウ内にあ
る時のみ“H"レベルとなるから、中上段に示した信号が
出力として得られる。また、ベースバンドから求めた電
力波形とRF出力電力は、そのまま対応するので、このウ
ィンドウコンパレータ回路17の出力を用いてサンプルホ
ールドすることは、RF出力一定となる時のみを抽出して
サンプルホールドすることに他ならない。なお、このコ
ンパレータ出力を用いて包絡線をサンプルホールドした
様子が下の2段であり、サンプルホールド回路17の出力
は一定値となっている。
なお、第1図〜第5図に示した各実施例では、全て変
調方式としてQPSKを採用した場合について説明したが、
他のPSK,QAM等の変調方式であってもよく、第5図に示
した実施例においては、アナログの変調方式であっても
よい。
また、第1図〜第5図に示した各実施例では差動増幅
器8およびLPF9を用いたものを示したが、これの代わり
にA/D変換器,ディジタル信号処理回路,D/A変換器を用
いてもよく、この発明はその原理においてサンプルホー
ルド回路17を含んでいるから、この様なディジタル処理
にも適している。
さらに、第1図〜第5図に示した各実施例では、フィ
ードバック回路に可変減衰器16を用いたものを示した
が、自動利得制御アンプや,RF電力増幅器5のバイア
ス,電源等に帰還して制御してもよい。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明によればベースバンド信号ま
たはスイッチ群により設定される位相信号によりRF出力
の等出力点を抽出し、このタイミングでRF出力検出値を
サンプルホールドして平均出力電力を制御するように構
成したので、振幅変動を伴う変調方式であっても、ルー
プフィルタの時定数を大きくする必要がなくなるため、
高周波出力信号の高速な立ち上がりが可能となり、ま
た、サンプルホールドされた信号はダイナミックレンジ
が狭くできるため、サンプルホールドより後段の差動増
幅器やLPFに安価な素子が使用でき、さらにゲインを高
めて精度を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による自動出力電力制御装
置を示すブロック図、第2図(a)は帯域制限が加えら
れたQPSKのベクトル軌跡を示すグラフ、第2図(b)ナ
イキストフィルタのインパルス応答の波形を示すグラ
フ、第2図(c)はナイキストフィルタの入出力波形を
示すグラフ、第2図(d)はI、Qおよび振幅との関係
を示すグラフ、第2図(e)ナイキスト点においてサン
プルホールドしたときの振幅の波形を示すグラフ、第3
図および第4図はこの発明の他の実施例による自動出力
電力制御装置を示すブロック図、第5図はウィンドウコ
ンパレータを用いた等出力点抽出とサンプルホールド入
出力信号との関係を示すグラフ、第6図は従来の自動出
力電力制御装置を示すブロック図である。 5は高周波電力増幅器、7は高周波出力電力検出回路、
8は電圧差出力手段(差動増幅器)、9はローパスフィ
ルタ(LPE),17はサンプルホールド回路、19は等出力点
抽出手段。 なお、図中、同一符号は同一、または相当部分を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された複数系統のNRZ信号を外部より
    与えられたシンボルレートでラッチするラッチ回路と、
    このラッチ回路にラッチされたそれぞれのNRZ信号に対
    して帯域制限を加える複数のナイキストフィルタと、上
    記帯域制限されたNRZ信号をRF帯のQRSK信号に変調しRF
    信号を出力する直交変調器と、ゲイン可変手段と、この
    ゲイン可変手段からの出力を送信に必要な値まで増幅す
    る高周波電力増幅器と、この高周波電力増幅器の出力電
    力を検出する高周波出力電力検出回路と、この高周波出
    力電力検出回路で検出した出力電力を所定のタイミング
    でサンプリングし、次のサンプル点までホールドするサ
    ンプルホールド回路と、このサンプルホールド回路でサ
    ンプルホールドした電圧を基準電圧と比較してその差を
    出力する電圧差出力手段と、この電圧差出力手段で得た
    電圧差を平滑化し、この出力値を上記ゲイン可変手段に
    帰還すローパスフィルタと、クロックを上記シンボルレ
    ートの入力間隔と同じ時間に分周し上記ラッチ回路のク
    ロック信号を発生するカウンタ、上記高周波電力増幅器
    の出力信号におけるナイキスト点の位相と一致するタイ
    ミング信号を設定するスイッチ群、および、上記カウン
    タの出力と上記スイッチ群の出力とが一致したときにの
    み、上記サンプルホールド回路にサンプルタイミング信
    号を出力するディジタル比較器を備えた等出力点抽出手
    段とを設けた自動出力電力制御装置。
  2. 【請求項2】入力された複数系統のNRZ信号を外部より
    与えられたシンボルレートでラッチするラッチ回路と、
    上記ラッチ回路にラッチされたそれぞれのNRZ信号に対
    して帯域制限を加える複数のベースバンドローパスフィ
    ルタと、上記帯域制限されたNRZ信号をRF帯のQPSK信号
    に変調しRF信号を出力する直交変調器と、ゲイン可変手
    段と、このゲイン可変手段からの出力を送信に必要な値
    まで増幅する高周波電力増幅器と、この高周波電力増幅
    器の出力電力を検出する高周波出力電力検出回路と、こ
    の高周波出力電力検出回路で検出した出力電力を所定の
    タイミングでサンプリングし、次のサンプル点までホー
    ルドするサンプルホールド回路と、このサンプルホール
    ド回路でサンプルホールドした電圧を基準電圧と比較し
    てその差を出力する電圧差出力手段と、この電圧差出力
    手段で得た電圧差を平滑化し、この出力値を上記ゲイン
    可変手段に帰還するローパスフィルタと、クロックを上
    記シンボルレートの入力間隔と同じ時間に分周し上記ラ
    ッチ回路のクロック信号を発生するカウンタ、上記ラッ
    チ回路にラッチされたそれぞれのNRZ信号の時系列にお
    ける組合せデータを蓄積する複数のシフトレジスタ、お
    よび、これらのシフトレジスタのパラレル出力と上記カ
    ウンタの出力とをアドレス入力とし、上記サンプルホー
    ルド回路にサンプルタイミング信号を出力するメモリを
    備えた等出力点抽出手段とを設けた自動出力電力制御装
    置。
  3. 【請求項3】入力された複数系統のNRZ信号を外部より
    与えられたシンボルレートでラッチするラッチ回路と、
    上記ラッチ回路にラッチされたそれぞれのNRZ信号に対
    して帯域制限を加える複数のベースバンドローパスフィ
    ルタと、上記帯域制限されたNRZ信号をRF帯のQPSK信号
    に変調しRF信号を出力する直交変調器と、ゲイン可変手
    段と、このゲイン可変手段からの出力を送信に必要な値
    まで増幅する高周波電力増幅器と、この高周波電力増幅
    器の出力電力を検出する高周波出力電力検出回路と、こ
    の高周波出力電力検出回路で検出した出力電力を所定の
    タイミングでサンプリングし、次のサンプル点までホー
    ルドするサンプルホールド回路と、このサンプルホール
    ド回路でサンプルホールドした電圧を基準電圧と比較し
    てその差を出力する電圧差出力手段と、この電圧差出力
    手段で得た電圧差を平滑化し、この出力値を上記ゲイン
    可変手段に帰還するローパスフィルタと、上記複数のベ
    ースバンドローパスフィルタからの上記ベースバンド信
    号をそれぞれに2乗する2乗回路と、これら2乗回路の
    出力値を加算する加算回路と、加算回路からの加算値が
    上記平均電力を含むように予め設定された上限値と下限
    値との間にあるときに、上記サンプルホールド回路にサ
    ンプルタイミング信号を出力するウィンドウコンパレー
    タとを備えた等出力点抽出手段とを設けた自動出力電力
    制御装置。
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