[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2024535585A - 脳内5-ヒドロキシトリプタミンの機能を治療目的で最適化する方法 - Google Patents

脳内5-ヒドロキシトリプタミンの機能を治療目的で最適化する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024535585A
JP2024535585A JP2024522060A JP2024522060A JP2024535585A JP 2024535585 A JP2024535585 A JP 2024535585A JP 2024522060 A JP2024522060 A JP 2024522060A JP 2024522060 A JP2024522060 A JP 2024522060A JP 2024535585 A JP2024535585 A JP 2024535585A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
htp
infusion
treatment period
rate
subject
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2024522060A
Other languages
English (en)
Inventor
ジェイコブ ペイド ラムゼー ジェイコブセン,
Original Assignee
エヴェクシア セラピューティクス, インク.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エヴェクシア セラピューティクス, インク. filed Critical エヴェクシア セラピューティクス, インク.
Publication of JP2024535585A publication Critical patent/JP2024535585A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/40Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil
    • A61K31/403Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil condensed with carbocyclic rings, e.g. carbazole
    • A61K31/404Indoles, e.g. pindolol
    • A61K31/405Indole-alkanecarboxylic acids; Derivatives thereof, e.g. tryptophan, indomethacin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/40Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil
    • A61K31/403Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom, e.g. sulpiride, succinimide, tolmetin, buflomedil condensed with carbocyclic rings, e.g. carbazole
    • A61K31/404Indoles, e.g. pindolol
    • A61K31/4045Indole-alkylamines; Amides thereof, e.g. serotonin, melatonin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/24Antidepressants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/02Inorganic compounds

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

本明細書において開示されるのは、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)の持続静脈内注入を用いて、脳内の細胞外5-ヒドロキシトリプタミン(5-HTExt)を上昇させる方法、並びに精神状態及び神経障害を治療する方法である。これらの方法は、急性自殺念慮及び/又は気分障害の急性悪化の治療のために提供されうる。これらの方法はまた、急性又は中等度の有害作用の発生率を低くしながら、治療効果の迅速な発現を提供することができる。また、本明細書には、注入溶液の調製における使用のための安定な5-HTP組成物を含む、本発明の方法における使用のための組成物も記載されている。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月14日に出願された米国仮出願第63/255647号(その開示の全内容は本明細書に参照により援用される)の利益を主張する。
技術分野
本開示の主題は、静脈内5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を用いて脳の障害を治療するための方法及び組成物に関する。
本明細書において、明らかに以前に公開された文献を列挙又は議論することは、必ずしもその文献が最新技術の一部であったり、技術常識であることを認めるものとみなされるものではない。
気分障害、不安障害、強迫性障害、衝動制御障害、自殺念慮は、満たされていない大きな医療ニーズである。これらの障害の病因の少なくとも一部には、脳内5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)機能の欠損が関与している可能性がある。逆に、脳内5-HT系を調節することは、このような障害を治療するための一つの治療的手段である。
脳内5-HTの機能的に活性なプールが、細胞外5-HT(5-HTExt)である。5-HTExtは、ニューロンから放出された5-HTが5-HT受容体に作用し、下流の神経生物学的事象を引き起こすものである。5-HTExtの脳内濃度を上昇させる様々な薬物が、上記の障害や他の障害を治療することが報告されている。しかし、現在入手可能な5-HTExt上昇薬には限界がある。例えば、現在利用可能な5-HTExt上昇薬の治療効果の発現は通常、治療開始から少なくとも1週間経過するまで起こらず、完全な効果が得られるまでには通常6週間かかる(Taylor et al, 2006)。さらに、ほとんどの場合、効果は部分的である。多くの患者は、現在利用可能なHTExt上昇薬による治療効果は経験していない(Trivedi et al, 2006)。
現在の5-HTEx上昇薬は一般に、5-HTExtの生物学的な負の制御因子を1つ阻害することによって作用する。例えば、セロトニン再取り込み阻害薬は、細胞外に放出された5-HTをニューロン内に戻す膜輸送体であるセロトニントランスポーターをブロックする(Jacobsen et al, 2016b)。モノアミン酸化酵素阻害剤は、5-HTの主な代謝経路を阻害する(Kelwala et al, 1983)。現在、米国食品医薬品局(FDA)で承認されている5-HTExt上昇薬には、動的な5-HT調節機構はそのままに、脳の内因性5-HT系を強化することによって、例えばより多くの5-HTを利用可能にすることによって、作用するものはない。学界と製薬企業による数十年にわたる集中的且つ費用をかけた研究にもかかわらず、1960年代以降、5-HTExtを上昇させる精神科薬の有効性と治療作用の発現に実質的な改善は見られなかった(Pereira and Hiroaki-Sato, 2018)。
したがって、脳内の5-HTExt濃度を増加させ、脳内の5-HTExtの欠乏に関連する神経学的及び精神医学的障害を治療するためのさらなる方法が必要とされている。特に、脳内の5-HTExtを迅速に、且つ/又は重度若しくは中等度の副作用の発生率を低くしながら増加させる方法及び組成物に対するニーズが存在し続けている。
本概要では、現在開示されている主題の複数の実施形態を列挙し、多くの場合、これらの実施形態の変形及び並べ替えを列挙する。本概要は、多数の多様な実施形態の単なる例示に過ぎない。所与の実施形態の1又は複数の代表的な特徴に関する言及も同様に、例示的なものである。そのような実施形態は、通常、言及された特徴の有無にかかわらず存在しうる。同様に、これらの特徴は、本概要に列挙されているか否かにかかわらず、本開示の主題の他の実施形態に適用することができる。過度な繰り返しを避けるため、本概要では、そのような特徴の可能な組み合わせをすべて列挙したり、提案したりするわけではない。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、必要とする対象において脳内の細胞外5-ヒドロキシトリプタミン(5-HTExt)を上昇させる方法を提供し、この方法は、約4時間以上持続する注入治療期間にわたる持続静脈内(IV)注入として、対象に、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を、注入治療期間平均で体重1キログラム当たり毎時約0.01ミリグラム(mg/kg/hr)~約0.125mg/kg/hrの5-HTP注入速度で投与することを含み、ここで、本投与は、無限に外挿された血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCInf、単位:時間×1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml))としての、注入治療期間にわたって投与される5-HTPの総用量(単位:mg/kg)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量をもたらす。
いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、注入治療期間を通して一定である。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、約0.0417mg/kg/hrであり、本投与は、約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、約0.0833mg/kg/hrであり、本投与は、約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、約0.125mg/kg/hrであり、本投与は、約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。
いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、注入治療期間を通して変動する。いくつかの実施形態において、持続IV注入は、注入治療期間の第1の部分については第1の5-HTP注入速度で、注入治療期間の第2の部分については第2の5-HTP注入速度で行われ、第1の5-HTP注入速度は第2の5-HTP注入速度よりも遅い。
いくつかの実施形態では、注入治療期間は、約4時間~約24時間である。いくつかの実施形態において、注入治療期間は約24時間であり、投与される5-HTPの総用量は約1mg/kg~約3mg/kgである。いくつかの実施形態では、注入治療期間は24時間より長い。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、対象に5-HTExt上昇化合物を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、5-HTExt上昇化合物はセロトニン再取り込み阻害剤であり、対象はセロトニン再取り込み阻害剤で同時に治療されている、且つ/又はセロトニン再取り込み阻害剤で前治療されていた。
いくつかの実施形態において、本投与は、対象における血漿中コルチゾール濃度の、5-HTPの持続IV注入で治療されていない対象と比較した増加をもたらす。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、5-HTPの持続IV注入の投与に関連する重度及び中等度の有害作用がない。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、対象への末梢デカルボキシラーゼ阻害剤の投与がない。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、対象に制吐薬を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、制吐薬は5-HT受容体アンタゴニストである。
いくつかの実施形態において、対象は、神経障害又は精神障害のための治療を必要とするヒトである。いくつかの実施形態において、神経障害又は精神障害は、自殺念慮又は気分障害の急性悪化である。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、治療効果を維持するために、注入治療期間の終了後に対象に追加の治療を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、追加の治療は、5-HTPを含む徐放性製剤の投与を含む。いくつかの実施形態では、追加の治療の投与は、注入治療期間の終了から約24時間以内に開始される。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、自殺念慮又は気分障害の急性悪化を治療する方法における使用のための組成物を提供するものであり、この組成物は、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を含み、約4時間以上持続する注入治療期間にわたる持続静脈内(IV)注入として、注入治療期間平均で体重1キログラム当たり毎時約0.01ミリグラム(mg/kg/hr)~約0.125mg/kg/hrの5-HTP注入速度で投与され、ここで、本投与は、無限に外挿された血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCInf、単位:時間×1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml))としての、注入期間にわたって投与される5-HTPの総用量(単位:mg/kg)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量をもたらす。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、5-HTP注入速度が注入治療期間を通して一定である方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、組成物は、5-HTP注入速度が約0.0417mg/kg/hrであり、本投与が約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、5-HTP注入速度が約0.0833mg/kg/hrであり、本投与が約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、5-HTP注入速度が約0.125mg/kg/hrであり、本投与が約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす方法における使用のためのものである。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、5-HTP注入速度が注入治療期間を通して変動する方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、持続IV注入が注入治療期間の第1の部分については第1の5-HTP注入速度で、注入治療期間の第2の部分については第2の5-HTP注入速度で行われ、第1の5-HTP注入速度は第2の5-HTP注入速度よりも遅い方法における使用のためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、注入治療期間が約4時間~約24時間である方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、注入治療期間が約24時間であり、投与される5-HTPの総用量が約1mg/kg~約3mg/kgである方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、注入治療期間が24時間よりも長い方法における使用のためのものである。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、対象に細胞外5-HT(5-HTExt)上昇化合物を投与することをさらに含む方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、5-HTExt上昇化合物がセロトニン再取り込み阻害剤であり、対象がセロトニン再取り込み阻害剤で同時に治療されており、且つ/又はセロトニン再取り込み阻害剤で前治療されていた方法における使用のためのものである。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、本投与が5-HTPの持続IV注入で治療されていない対象と比較して対象における血漿中コルチゾール濃度の増加をもたらす方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、5-HTPの投与に関連する重度及び中等度の有害作用がない方法における使用のためのものである。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、対象への末梢デカルボキシラーゼ阻害剤の投与がない方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、対象に制吐薬を投与することをさらに含む方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、制吐薬が5-HT受容体アンタゴニストである方法における使用のためのものである。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、治療効果を維持するために、注入治療期間の終了後に対象に追加の治療を投与することをさらに含む方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、追加の治療が5-HTPを含む徐放性製剤の投与を含む方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、追加の治療の投与が注入治療期間の終了から約24時間以内に開始される方法における使用のためのものである。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、哺乳動物の脳内の細胞外5-ヒドロキシトリプタミン(5-HTExt)を上昇させるための持続静脈内(IV)注入のための注入液の調製における使用のための安定な薬剤溶液を提供し、前記溶液は、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)と水とを含み、不活性ガス又は窒素下、暗所において5℃で保存して少なくとも12ヶ月間安定である。
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される主題は、自殺念慮又は気分障害の急性悪化を治療するための持続静脈内(IV)注入のための注入液の調製における使用のための安定な薬剤溶液を提供し、前記溶液は、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)と水とを含み、不活性ガス又は窒素下、暗所において5℃で保存して少なくとも12ヶ月間安定である。いくつかの実施形態では、この溶液は、1ミリリットル当たり約5ミリグラムの5-HTP濃度を有する。
したがって、本開示の主題の目的は、5-HTPの持続IV注入で脳内の5-HTExtを上昇させる方法と、5-HTPの持続IV注入で自殺念慮又は気分障害の急性悪化を治療するための組成物とを提供することである。本開示の主題の目的の1つが上に述べられており、それは本開示の主題によって全部又は一部が達成されるが、他の目的は、本明細書において以下に最良の形で記載される添付の図面及び実施例を参照しながら説明を進めるにつれて明らかになるであろう。
本開示を容易に理解して実際に実施できるようにするために、ここで、添付の図面を参照して説明される実施例を参照する。図面は、明細書とともに、本開示の主題の実施形態をさらに説明し、様々な原理と利点を説明するのに役立つ。
24時間の一定流量を用いた持続静脈内(IV)注入における、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)の一定注入速度(infusion rate)を上昇させた場合の血漿中5-HTP濃度(1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml))‐時間プロファイルを示すグラフである。1日当たり1キログラム当たり1ミリグラム/(mg/kg/24hr)の5-HTPの一定注入速度が、すなわち「1mg/kg/24hr」のデータは下向きの三角形で示されており、3mg/kg/24hrの5-HTPの一定注入速度、すなわち「3mg/kg/24hr」のデータは上向きの三角形で示されている。プラセボのデータは丸で示されている。データは平均値±平均値の標準誤差(SEM)。 24時間にわたる可変の5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)注入速度及び傾斜流量(すなわち可変注入量(infusion volume rate))を用いた持続静脈内(IV)注入における、平均5-HTP注入速度を上昇させた場合の血漿中5-HTP濃度(1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml))‐時間プロファイルを示すグラフである。1日当たり1キログラム当たり1ミリグラム(mg/kg/24hr)の平均5-HTP注入速度、すなわち「1mg/kg/24hr」のデータは下向きの三角形で示されており;2mg/kg/24hrの平均5-HTP注入速度、すなわち「2mg/kg/24hr」のデータは菱形で示されており;3mg/kg/24hrの平均5-HTP注入速度、すなわち「3mg/kg」のデータは上向きの三角形で示されており、プラセボのデータは丸で示されている。データは平均値±SEM。 1mg/kg/24hr、2mg/kg/24hr、及び3mg/kg/24hrの平均5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)注入速度と傾斜流量(すなわち可変注入量)を用いた持続静脈内(IV)注入5-HTPからのデータを使用した、平均5-HTP注入速度(単位:1日当たり1キログラム当たりのミリグラム(又は24時間当たり;mg/kg/24hr))対最後に測定された濃度までの濃度‐時間曲線下面積(AUCLast;時間×1ミリリットル当たりのナノグラム(h.ng/ml)で表す)の線形回帰を示すグラフである。 1mg/kg/24hr、2mg/kg/24hr及び3mg/kg/24hrの平均5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)注入速度と傾斜流量(すなわち可変注入量)での持続静脈内(IV)注入5-HTPからのデータを使用した、平均5-HTP注入速度(単位:1日当たり1キログラム当たりのミリグラム(mg/kg/24hr))対無限に外挿された該濃度‐時間曲線下面積(AUCInf;時間×1ミリリットル当たりのナノグラム/(h.ng/ml)で表す)の線形回帰を示すグラフである。 1日当たり1キログラム当たり1ミリグラム(mg/kg/24hr)、すなわち「1mg/kg/24hr」又は3mg/kg/24h、すなわち「3mg/kg/24hr」の一定の5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)注入速度での5-HTP静脈内(IV)注入における、2時間後のプラセボに対する血漿中コルチゾール濃度の推定上昇を示すグラフである。 5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)の平均5-HTP注入速度が1日当たり1キログラム当たり1ミリグラム(mg/kg/24hr)、2mg/kg/24hr又は3mg/kg/24hr(グラフ下部には「1mg/kg/24hr」、「2mg/kg/24hr」及び「3mg/kg/24hr」と記載されている)の可変注入速度の静脈内(IV)注入について、14時間後のプラセボに対する血漿中コルチゾール濃度の推定上昇を示すグラフである。データは平均値±SEM。
以下、本開示の主題を、代表的な実施形態が示されている添付の図面及び実施例を参照して、さらに十分に説明する。しかしながら、本開示の主題は、様々な形態で具体化することが可能であり、本明細書に記載されている実施形態に限定して解釈されるものではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細且つ完全なものとなり、当業者に実施形態の範囲が十分に伝わるように提供される。
別途定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示の主題が属する技術分野の当業者によって通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、その全体が参照により援用される。
I.定義
以下の用語は当業者にはよく理解されていると思われるが、本開示の主題の説明を容易にするために以下の定義を示す。
長年の特許法の慣例に従い、「a」、「an」及び「the」という用語は、特許請求の範囲を含め、本出願で使用される場合、「1又は複数」を指す。したがって、例えば、「薬剤」(”an agent”)又は「ポリマー」(“a polymer”)への言及は、そのような薬剤又はポリマーの複数を含む、などである。
特に断りのない限り、本明細書及び特許請求の範囲において使用される大きさ、反応条件などの量を表す数値はすべて、いかなる場合も「約」という用語によって修飾されていると理解されたい。したがって、反対の指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメーターは、本開示の主題によって得ようとする所望の特性に応じて変化しうる近似値である。
本明細書において、サイズ(すなわち直径)、重量、濃度又は百分率の値又は量に言及する場合、用語「約」は、ある例では±20%又は±10%、別の例では±5%、別の例では±1%、さらに別の例では±0.1%の規定量からの変動を包含することを意味し、このような変動は本開示の方法を実施するのに適切である。
本明細書において、実体(entity)の一覧の文脈で使用される場合、用語「及び/又は」は、その実体が単独で又は組み合わせて存在することを指す。したがって、例えば、「A、B、C、及び/又はD」という語句は、A、B、C、及びDを個々に含むだけでなく、A、B、C、及びDのすべての組み合わせ及び下位組み合わせも含む。
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」「含有する(containing)」又は「~を特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加的な、記載されていない要素又は方法工程を除外するものではない。「含む(comprising)」は、クレームの文言で使用される専門用語であり、これは、指定された要素は必須であるが、他の要素を追加してもクレームの範囲内の構成物を形成できることを意味する。
本明細書で使用される場合、「~からなる(consisting of)」という語句は、クレームに明記されていない要素、工程又は成分を除外する。「~からなる」という語句が、プリアンブルの直後ではなく、クレーム本文の条項にある場合、それは、その条項に記載された要素のみを限定するものであり、他の要素も全体としてそのクレームから除外されるものではない。
本明細書において、「~から本質的になる(consisting essentially of)」という語句は、クレームの範囲を、指定された材料又は工程に加えて、特許請求された主題の基本的且つ新規な特性に重大な影響を与えないものに限定するものである。
用語「含む(comprising)」、「~からなる(consisting of)」、及び「~から本質的になる(consisting essentially of)」に関して、これら3つの用語のいずれかが本明細書で使用されている場合、現在開示され請求されている主題は、他の2つの用語のいずれかの使用を含むことができる。
薬物動態学において、また本明細書において「定常状態」とは、活性医薬化合物の全体的な摂取量がその排泄量とほぼ動的平衡にある状態を指す。したがって、該化合物の平均血漿中濃度は、投与に関連した日内変動はありうるものの、日によって変わらない。
用語「薬学的に許容される」とは、連邦政府若しくは州政府の規制当局によって承認されているか、又は動物、特にヒトへの使用について米国薬局方若しくは他の一般に認められた薬局方に収載されていることを意味する。
「持続静脈(IV)注入」とは、約2時間以上(例えば、約4時間以上)など、長時間にわたる対象へのIV投与による、ある用量の治療剤の送達を指す。本明細書で使用される持続IV注入は、ボーラスIV注入又は注射とは対照的であり、ボーラスIV注入又は注射は、典型的には短期間(典型的には約60分未満)にわたる単回個別用量の治療剤の投与、又は治療剤が投与されない期間で区切られた複数回の個別ボーラス用量の投与を含む。
本明細書で使用される「神経障害」という用語は、脳、脊髄、及び神経に影響を及ぼす疾患及び障害、例えば、限定するものではないが、てんかん及びその他の発作、片頭痛、頭痛、学習障害、多発性硬化症、脳性麻痺、自閉症、アルツハイマー病、パーキンソン病、神経障害に関連する激越(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動失調、フェニルケトン尿症、線維筋痛症、ミオクローヌス、頭部外傷、脳腫瘍、及び脳卒中などを指す。
「精神疾患」という用語は、うつ病性障害(大うつ病、気分変調症(例:月経前痴呆症)、産後うつ病、他の健康状態(例:がん、感染症又は外傷)に関連するうつ病、物質誘発性うつ病(例:薬剤使用に関連するうつ病(インターフェロン使用に関連するうつ病など)、薬物使用に関連するうつ病)、アルコール使用に関連するうつ病又は毒素曝露に関連したうつ病など)、その他の気分障害(例:双極性障害)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、統合失調症、自殺念慮、不安障害(例:強迫性障害(OCD)、社交不安症、パニック障害、全般不安症、又は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を含む)、パーソナリティ障害(例:境界性パーソナリティ障害)、摂食障害(例:拒食症又は過食症)、精神障害、薬物乱用障害、及び認知症などを含むがこれらに限定されない様々な精神、感情、及び行動の障害を指す。
「気分障害」いう用語は、大うつ病、気分変調症、双極性障害、他の健康状態に関連するうつ病、及び物質誘発性うつ病を含むがこれらに限定されない精神障害のサブセットを指す。
本明細書で使用される「気分障害の急性増悪」とは、医師の見解において、対象が緊急の医学的介入から利益を得るか、又は緊急の医学的介入を必要としていることを示唆するような、対象の気分障害の症状の増悪を指し、緊急の医学的介入としては、例えば、治療手法の変更(例えば、ある種類の治療剤から別の種類の治療剤への変更)、追加的治療手法の追加、治療剤の用量の増加、又は入院が挙げられる。
「うつ病性障害」又は「うつ病」という用語は、悲しみの感情、以前は喜びを与えていたものへの興味の喪失、怒り、又はフラストレーションにより、かなりの期間にわたって日常生活に支障をきたす気分障害を指す。うつ病は、脳内の生化学的不均衡、遺伝的要因、有害なライフイベント、器質性疾患、及び要因の組み合わせによって引き起こされる可能性がある。うつ病の症状には、激越、落ち着きのなさ、及びいら立ち;食欲の著しい変化(しばしば体重の増減を伴う)、集中力の低下;疲労や活力の欠如;絶望感と無力感、又は怒りや落胆の感情;無価値感、自己嫌悪、及び不適切な罪悪感;不活動及び通常の活動からの離脱、かつては楽しんでいた活動に対する興味や喜びの喪失;死や自殺の念;睡眠障害又は過剰な睡眠のうちの1つ以上が含まれうる。
本明細書で使用される「大うつ病性障害」又は「大うつ病」(「単極性うつ病」又は「単極性大うつ病」とも呼ばれる)は、当該技術分野における通常の意味を有し、典型的には、上記のうつ病症状のうち少なくとも5つが少なくとも2週間存在することを特徴とする。大うつ病の基準は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,5th Edition:DSM 5)に規定されている。
本明細書で用いる「不安障害」又は「不安」は、異常又は病的な恐怖又は恐怖症を指し、持続的又は一過性でありうる。不安の症状には、精神的な不安、身体的な緊張、及びパニック発作又は過呼吸に伴う症状などの身体的症状が含まれうる。不安障害には、全般性不安障害、社交不安、パニック障害、OCD及びPTSDが含まれる。
「自殺念慮」とは、自分の命を絶とうと考えたり、その意思を持ったりすることを指す。「自殺念慮」とは、積極的な努力がなされているかどうかに関係なく、自殺についての考えや自殺に対する異常なこだわり、又は人生を終わらせたい若しくはもう生きたくないという考えを指す場合がある。自殺念慮の範囲は一時的なものから慢性的なものまで様々で、詳細な計画、ロールプレイング、未遂にまで進む可能性があり、いくつかの実施形態では、失敗したり発見されたりするように意図的に作られている場合もあれば、死に至ることを完全に意図している場合もある。診断を下す際に考慮される因子には、以下の1つ以上が含まれる:過去の自殺未遂歴や自殺の家族歴を含む患者の既往歴;臨床面接において、対象が現在自殺を考えているか、実際に自殺する計画を立てているか、その手段を考えているか、自殺によって何を達成できると考えているかを質問された際の回答;遺書(もしあれば);友人や親族からの情報;ベックうつ病質問票(BDI)、うつ病スクリーニング質問票、及びハミルトンうつ病評価尺度などがあるがこれらに限定されない精神医学的検査の結果;並びに患者の気分、外見、声の調子、及び同様の因子が含まれる。自殺念慮の評価には、ベック自殺念慮尺度(Beck Scale for Suicide Ideation:BSS)、コロンビア自殺重症度評価尺度(Columbia Suicide Severity Rating Scale:C-SSRS)、自殺念慮及び行動評価ツール(Suicidal Ideation and Behavioral Assessment Tool:SIBAT)、自殺の重症度の臨床的全体的印象(改訂版)(Clinical Global Impression-Severity of Suicidality-Revised:CGI-SS-R)、ミニ国際神経精神医学面接(Mini-International Neuropsychiatric Interview:MINI)、自殺思考の頻度(Frequency of Suicidal Thinking:FoST)などが含まれる。
自殺念慮は急性のものと慢性のものがある。本明細書で使用される「急性自殺念慮」という用語は、対象が過去約7日以内に症状(すなわち、死を考えること、計画すること及び/又は行動)を発症又は増加させたことを指す。また、本明細書で使用される「急性自殺念慮」は、いくつかの実施形態では、自殺念慮に基づく行動の意思や、近い将来に自分自身に危害を加えることが可能な現在の自殺能力を含む、高レベルの自殺念慮を有する患者を指すこともある。近い将来とは、通常1週間未満、2日未満、1日未満、又は数時間未満の短く定義された期間である。対照的に、慢性自殺念慮を有する対象は、症状が継続している(例えば、1週間以上、1ヵ月以上、1年以上続く)対象である。
「強迫性障害」(又はOCD)とは、主に反復的な強迫観念(辛く、持続的な侵入思考又はイメージ)及び/又は衝動(特定の行動や儀式を行いたいという衝動)を特徴とする不安障害の一種である。多くの場合、その過程はまったく非論理的であり、且つ/又は不可解である。例えば、ある一定のパターンで歩くという衝動を、差し迫った危害についての強迫観念を和らげるために利用することができる。
「注意欠陥多動性障害」とは、不注意、過活動、及び/又は衝動性を伴う異常な問題(対象の年齢と発達に基づく正常範囲を考慮)を指す。ADHDの原因は不明だが、ADHDの子どもの脳の画像研究から、この障害に関連する神経伝達物質(例:ドーパミン、セロトニン、アドレナリン)のバランスが崩れている可能性が示唆されている。
本明細書で使用される「物質乱用」は通常の意味であり、アルコールの乱用又は中毒(例:アルコール依存症、又はアルコール依存症患者)、並びに麻薬、アヘン剤、刺激剤、抑制剤等の薬物(例:バルビツレート、エクスタシー、コカイン、クラックコカイン、モルヒネ、ヘロイン、アンフェタミン、メタンフェタミン、オキシコンチン等)の乱用又は中毒の両方を含む。
本明細書で使用される「有害事象」(又はAE)という用語は、通常の意味であり、治療を受けている(例:薬学的組成物を投与されている)対象における望ましくない医学的転帰(例:望ましくない症状)を指す。有害事象は治療と時間的関係はあるが、治療と因果関係がある場合もあれば、ない場合もある。5-HTPに関連しうる有害事象には、下痢、胃のむかつき、吐き気、嘔吐、及びセロトニン毒性が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用される「軽度の有害事象」とは、低レベルの不快感及び/又は一過性の症状(1又は複数)を伴う有害事象を指す。軽度の有害事象は一般に、通常の日常生活に支障をきたしたり、医学的介入の必要性をもたらしたりすることはない。
本明細書で使用される「中等度の有害事象」とは、日常の活動を妨げたり制限したりするのに十分重大な症状を伴う有害事象を指し、いくつかの実施形態では、有害事象に関連する症状を解決又は軽減するために医学的介入を用いることにつながる可能性がある。
本明細書で使用される「重篤な有害事象」とは、通常の活動を妨げるほど重大な症状を伴う有害事象を指す。重篤な有害事象は、医学的介入(例:入院)が必要となることがある。
本明細書で使用される「5-HTP注入速度(infusion rate)」という用語は、単位時間当たり(例えば、1時間(hr又はh)当たり又は1日当たり(例えば24hr))に注入によって投与される5-HTPの量(一般に、対象体重1kg当たりのミリグラム(mg/kg)単位)を指す。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される5-HTP注入速度は、注入治療期間全体にわたる平均5-HTP注入速度である。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、注入期間全体にわたって一定であり、すなわち、一定の5-HTP注入速度である。したがって、いくつかの実施形態では、所与の平均5-HTP注入速度は、一定の5-HTP注入速度と同じである。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、注入治療期間を通して一定ではない。したがって、いくつかの実施形態において、5-HTP注入は、互いに異なり(すなわち、変動する)、且つ注入治療期間全体にわたってまとめて、注入治療期間の所定の平均5-HTP注入速度を提供する一連の過渡的なサブ注入速度を用いて実施される。このように、5-HTP注入速度が注入治療期間にわたって変動する場合、注入治療期間中の任意の時間部分における特定の過渡的な5-HTP注入速度(例えば、「注入治療期間の第1の部分に対する最初の注入速度」)は、注入治療期間全体に対する平均5-HTP注入速度として提供される5-HTP注入速度よりも高くても低くてもよい。しかしながら、本開示の主題によれば、過渡的な-HTP注入速度は、0mg/kg/hr又は0mg/kg/24hrより速い。いくつかの実施形態において、注入治療期間にわたって変化する5-HTP注入速度を用いる注入方法における平均5-HTP注入速度は、「傾斜速度」と呼ばれる。
本明細書で使用される「総用量」という用語は、本開示の主題の持続IV注入治療法の注入治療期間全体にわたって投与される5-HTPの総量(例えば、典型的には、対象体重1kg当たりのミリグラム(mg/kg)で表される)を指す。例えば、0.125mg/kg/hr又は3mg/kg/24hrの5-HTP注入速度(すなわち、平均5-HTP注入速度)での12時間の注入治療期間の5-HTPの総用量は、1.5mg/kgである。
II.一般的な考慮事項
自殺と自殺念慮は、重大なアンメットニーズである。アメリカ合衆国では2000年以降、自殺率が35%上昇している(アメリカ自殺予防財団)。自殺の原因は遺伝的、環境的、神経生物学的因子が関与していると考えられており、神経生物学的因子には脳内5-HT欠乏症が顕著に含まれる(Oquendo et al, 2014)。一般に、自殺念慮治療薬又は自殺予防薬としてFDAが承認した薬物はない。クロザピンは統合失調症の自殺予防薬としてFDAに承認されている(Zalsman et al, 2016)。リチウムは一般的に双極性障害における自殺を防ぐと認められている(Zalsman et al, 2016)。ケタミン由来の薬物は気分障害における急性自殺傾向の治療として提案されているが、治験の大規模ランダム化比較試験では効果は認められなかった(Fu et al, 2020)。クロザピン、リチウム、及びケタミンは、主に脳内の5-HTExt上昇とは異なる治療メカニズムで作用する(Zalsman et al, 2016)。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は、5-HTExt上昇薬の主要なクラスを構成する。SSRIは、うつ病、不安神経症、OCD、及び心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療薬としてFDAに承認されている。SSRIは、将来の自殺企図に対して中程度の予防効果はあるが、それは何週間も治療を続けた後であり、しかも成人患者においてのみである(Gibbons et al, 2012)。さらにSSRIは、短期的には、特に若年者において自殺念慮や自殺行動を増加させる可能性があるため、FDA及び欧州医薬品庁からブラックボックス警告が出されている(Murphy et al, 2008)。このように、現在までのところ、入手可能な臨床データは、5-HTExt上昇薬が急速に(すなわち数時間から数日以内)作用発現して自殺傾向を治療できる可能性を否定している。
最近の脳画像研究によると、SSRIは逆説的にヒトの脳内の5-HTExtを急性的、一時的に減少させうるが(Nord et al, 2013)、長期的なSSRI治療では5-HTExtは中程度にしか上昇せず、しかも一貫性がない(Haahr et al, 2014)。特定の作用理論に縛られることは望まないが、このような知見は、SSRI及び類似の薬物が短期的には明らかな自殺リスクを悪化させ、長期的には適応症全体にわたって中程度で一貫性のない有効性しか有しない理由を完全に又は部分的に説明できる可能性がある。
5-HTは、体内で、中間前駆体である5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を介して食餌性トリプトファンから合成される。食餌性トリプトファンのうち、5-HTPに変換されるのはわずか数パーセントである。トリプトファンから5-HTPへの変換は、5-HT合成における律速段階であり、酵素トリプトファンヒドロキシラーゼによって触媒される(Jacobsen et al, 2016b)。5-HTPは、次に、腸、多くの末梢組織、及び脳に存在する酵素である芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼによって触媒され、5-HTに変換される(Bowsher R.R.、1986)。
現在、FDA又はEMA承認の5-HTP製剤は市販されていない。しかし、外因的に投与された5-HTPは、1960年代以来治療薬として、主に抗うつ薬として(Turner et al, 2006)、また例えば、不安、ミオクローヌス、運動失調、線維筋痛症、疼痛、肥満、及びOCDに対しても実験的に用いられてきた(Birdsall, 1998; Levy and Chen, 2016; Yousefzadeh et al, 2020)。ヒトの障害を治療するために5-HTPを実験的に使用した先行研究のほとんどは、長期的(例えば、数週間、数ヵ月、数年)な経口治療に関するものであった。多くの場合、末梢デカルボキシラーゼ阻害剤(PDI)が共投与され、末梢での5-HTPから5-HTへの変換を減少させることにより、5-HTPの薬物動態を向上させる(Jacobsen et al, 2016b)。経口5-HTPの治療効果の発現は遅く、臨床的に意味のある治療効果は、少なくとも治療の1週間後に、通常はさらに後にしか現れない(van Hiele, 1980)。
天然の即時放出型の5-HTPは、煩わしい有害事象を引き起こすことが知られている。5-HTPは、経口投与後、消化管内での5-HTPから5-HTへの広範な変換に起因する下痢や胃のむかつきなど消化器系有害事象を急速に引き起こすことがよく知られている(Turner et al, 2006)。さらに、腸管組織で5-HTに変換されなかった5-HTPは、急速に血流に運ばれ、脳内5-HTP、ひいては脳内5-HTのスパイクを引き起こし、それが吐き気や嘔吐を頻繁に引き起こす(Lowe et al, 2006; Smarius et al, 2008)。このような治療ウィンドウを超える薬物のスパイク、いわゆるCMax効果(Thombre, 2005)は、天然の5-HTPから生じる有害事象を引き起こす上で重要であると思われる(Jacobsen et al, 2016b)。
III.代表的な実施例
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、、長時間にわたって、すなわち数時間又は1日若しくは数日間にわたって、必要とする個体において脳内の5-HTExtを迅速且つ確実に上昇させる方法を提供する。脳内の5-HTExtの上昇は、5-HT神経伝達の増加、5-HT受容体の刺激、及び下流の生物学的事象、例えば、気分の高揚、社交性の向上、認知及び行動の柔軟性の増加、攻撃性の低下、並びに/又は衝動性の低下をもたらす。
いくつかの実施形態において、本開示の主題に従って、上昇した脳内の5-HTExtを提供する方法は、5-HTPの持続IN注入である。5-HTP持続IV注入は、5-HTPの経口投与よりも実質的に制御された方法で脳内の5-HTExtの上昇を提供することができるのだが、その理由は、(i)用量を1kg当たりmgで個別に設定できることと、(ii)IV経路により、消化管からの薬物吸収に伴う固有のばらつきを回避できること、である。同時に、5-HTP持続IV注入は、煩わしい有害事象に関連する5-HTP/5-HTCMaxスパイクを回避/最小化しながら、治療上の5-HTP濃度を迅速に達成する能力を兼ね備えている。いくつかの実施形態において、本方法は、約4時間以上持続する注入治療期間(又は「5-HTP IV注入治療期間」)にわたって、5-HTPの総用量を持続IV注入として対象に投与することを含み、ここで、本投与は、無限に外挿された血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCInf、単位:時間×1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml))としての、5-HTPの総用量(単位:体重1キログラム(kg)当たりのミリグラム(mg)の5-HTP)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量をもたらす。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示の主題は、神経障害又は精神障害の治療を必要とする対象における神経疾患又は精神疾患を治療する方法を提供し、この方法は、IV注入(すなわち、持続IV注入)によって治療的有効量の5-HTPを対象に投与することを含む。したがって、いくつかの実施形態において、5-HTPは、長時間(例えば、少なくとも4時間以上)対象に静脈内投与される注入液中に提供される。いくつかの実施形態において、本方法は、約4時間以上持続する注入治療期間にわたって、注入治療期間平均で体重1キログラム当たり毎時約0.01ミリグラム(mg/kg/hr)~約0.125mg/kg/hrの5-HTP注入速度で、対象に5-HTPを持続IV注入として投与することを含み、ここで、本投与は、AUCInf(時間単位×ng/ml)としての、5-HTPの総用量(すなわち、体重1kg当たりmgの5-HTPの単位で、注入治療期間にわたってIV注入によって投与された5-HTPの総量)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP IV注入は、約4時間~約144時間(例えば、約4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、80、84、88、92、96、100、104、108、112、116、120、124、128、132、136、140又は144時間)の注入治療期間にわたって送達される。いくつかの実施形態では、注入治療期間は、約12時間~約24時間である。
いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入は、一定の注入速度で(すなわち、単位時間当たりに投与される5-HTPの量が注入治療期間全体にわたって一定であるように)実施される。いくつかの実施形態において、必要な定常状態の5-HTP血漿中濃度、すなわち、濃度が上昇しなくなった後の平均血漿中濃度の約80%は、例えば、5-HTP注入速度が一定である場合、約4時間~約6時間で本開示の方法により達成されうる。いくつかの実施形態において、必要な定常状態の5-HTP血漿中濃度は、約4時間、約4.5時間、約5時間、約5.5時間又は約6時間以内に達成される。しかしながら、可変の5-HTP注入速度(例えば、所与の5-HTP濃度の単一の注入液を使用する場合、又は5-HTP濃度が異なる複数の注入溶液を連続的に使用する場合、可変注入量を伴う)もまた使用されうる。いくつかの実施形態では、治療上の5-HTP血漿中濃度をより早く達成するために、初期注入速度を上げて、その後、維持注入速度を下げる。いくつかの実施形態では、5-HTPの初期注入速度は、必要なときに忍容性を最適化するために低く、その後、維持注入速度を達成するために注入速度の1回以上のランプアップステップが続く。さらに他の実施形態では、注入速度の1回以上の段階的なランプダウンことによって、注入は徐々に終了する。部分的な治療反応のみが達成され、忍容性が許容可能な場合、定常状態の5-HTP血漿中濃度を上昇させるために、注入量を増加させるか、又は注入液中の5-HTP濃度を増加させることができる。
5-HTPの経口投与に対する持続IV注入の代表的な利点には、以下が含まれるが、これらに限定されない:(a)より均一で予測可能な5-HTP血漿中濃度;(b)より高い5-HTP血漿中濃度(例えば、消化器系有害事象を低減することができ、初回通過代謝(例:胃腸壁上)を減らすことができるため);及び(c)注入流量(すなわち注入量)を減らすか若しくは注入液中の5-HTP濃度を下げることによって用量を迅速に低減する能力又は有害事象が発生した場合に注入を停止することによって治療を終了する能力;安全性の向上と等しい。
例として、限定するものではないが、IV溶液(すなわち注入液)用の5-HTPは、グリフォニア・シンプリシフォリアの種子から抽出することができる(Vigliante et al, 2019)。いくつかの実施形態において、5-HTPは、95%、98%、99%、又は99.5%以上の純度を有する。いくつかの実施形態において、5-HTPは、天然エナンチオマーであるL-エナンチオマーである。代替的には、5-HTPはL-エナンチオマーとD-エナンチオマーとの混合物である。本明細書で特に言及しない限り、5-HTPの重量は、5-HTPの遊離塩基の重量である。したがって、使用されうる塩又は溶媒和物は、質量値が高くなる。
いくつかの実施形態において、PDIは、5-HTPと、同じ溶液(すなわち同じ注入液)中、異なる溶液中、又は異なる剤形(その非網羅的な例としては、錠剤、カプセル剤又はパッチが挙げられる)で、共投与される。PDIは、酵素芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼを阻害することにより、用量依存的に、所与の5-HTP用量から生じる5-HTPの血漿中濃度を上昇させることができる。治療用量のPDIは、機能的な程度まで脳に浸透しない。ゆえに、5-HTPから5-HTへの変換は末梢でのみ阻害される。これにより、より多くの5-HTPが脳に入り、5-HTに変換される。同時に、末梢での5-HTPから5-HTへの変換によって引き起こされる有害事象(例えば、腸での5-HTPから5-HTへの変換による下痢)をさらに最小限に抑えることができる。PDIの非網羅的な例としては、カルビドパとベンセラジドがある。5-HTPの血漿中曝露を高めるための経口PDIの臨床的使用については、当技術分野において十分に記載されており、医師であれば理解できるであろう(Gijsman et al, 2002; Turner et al, 2006)。したがって、いくつかの実施形態において、本発明の方法は、対象にPDIを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、本方法は、PDIの投与を伴わない。
いくつかの実施形態において、制吐薬は、5-HTPと、同じIV溶液中で、異なるIV溶液中で、又は異なる剤形(その非網羅的な例としては、錠剤、カプセル、パッチ、又はIV、筋肉内(IM)若しくは皮下(SC)注入/注射が含まれる)で、共投与される。制吐薬は、脳内での5-HTPから5-HTへの変換が主に介在する、より一般的な有害事象である吐き気と嘔吐を予防又は軽減するために使用することができる。制吐薬は、当技術分野ではよく知られており、ヒトの治療に広く用いられている。制吐薬の非網羅的な例には、5-HT受容体アンタゴニスト、ニューロキニン1受容体アンタゴニスト、ドーパミン受容体アンタゴニスト、抗ヒスタミン薬、コルチコステロイド、カンナビノイド、ベンゾジアゼピン、抗コリン薬が含まれる(Dulay and Dulay, 2020)。例示的な5-TH受容体アンタゴニストには、オンダンセトロン、グラニセトロン、パロノセトロン、ドラセトロン、トロピセトロン、及びラモセトロンが挙げられるが、これらに限定されない。
5-HTPの注入及び追加の任意選択の補助的薬物(例:制吐薬又はPDI)の注入は、ポンプなどの流量調節装置と対になったIVバッグを介して行うことができる。いくつかの実施形態では、注入は、リザーバー付きポンプを使用して達成される。いくつかの実施形態では、ポンプ及び/又はリザーバーはウェアラブルであり、いくつかの実施形態では、ウェアラブルポンプ及びリザーバーは一体型ユニットである。前述のタイプの注入を実現する装置は、当技術分野でよく知られている(Tang et al, 2002)。例えば、全体が参照により援用される米国特許第4191184号も参照されたい。
いくつかの実施形態において、持続IV注入中の過渡的又は平均的な5-HTP注入速度は、体重1キログラム当たり毎時約0.005ミリグラム(mg/kg/hr)~約5mg/kg/hr(すなわち、1日当たり体重1キログラム当たり約0.12ミリグラム(mg/kg/24hr)~約120mg/kg/24hr)の範囲である。いくつかの実施形態において、過渡的又は平均的な5-HTP注入速度は、約0.005mg/kg/hr~約1.5mg/kg/hr(すなわち約0.12mg/kg/24hr~約36mg/kg/24hr)である。いくつかの実施形態において、過渡的又は平均的な5-HTP注入速度は、約0.6mg/kg/24hr~約10mg/kg/24hr(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10mg/kg/24hr)である。
いくつかの実施形態において、持続IV注入中の平均5-HTP注入速度は、約0.005(mg/kg/hr)~約0.250mg/kg/hr(すなわち約0.12mg/kg/24hr~約6mg/kg/24hr)である。いくつかの実施形態において、平均5-HTP注入速度は、約0.010mg/kg/hr~約0.125mg/kg/hr(すなわち約0.25mg/kg/24hr~約3mg/kg/24hr)である。したがって、いくつかの実施形態において、平均5-HTP注入速度は、約0.0104mg/kg/hr(すなわち約0.25mg/kg/24hr)、約0.0208mg/kg/hr(すなわち約0.5mg/kg/24hr)、約0.0417mg/kg/hr(すなわち約1mg/kg/24hr)、約0.0833mg/kg/hr(すなわち約2mg/kg/24hr)又は約0.125mg/kg/hr(すなわち約3mg/kg/hr)である。ランプアップ又はランプダウンを含む注入レジメンは、これらの範囲を上回るか下回る一時的な5-HTP注入速度を含むことができる。
注入量は通常、毎時約0.4ミリリットル(ml/h)~毎時約80mlの範囲である。いくつかの実施形態では、注入量は約4ml/h~約40ml/hである。ランプアップ又はランプダウンを含む注入レジメンは、これらの範囲を上回るか下回る一時的な注入量を含むことができる。
5-HTPの水性溶解度は約10mg/mlである。しかし、5-HTPはいくつかの溶媒に最大約100mg/mlまで溶解することが報告されている(Jacobsen et al, 2016a)。いくつかの実施形態において、注入溶液(すなわち輸液)中の5-HTPの濃度は、約1mg/ml~約10mg/mlである。いくつかの実施形態において、該濃度は、約0.1mg/ml~約1mg/mlである。いくつかの実施形態において、該濃度は、約10mg/ml~約100mg/mlである。
いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入は、障害(例えば自殺念慮)を治療するための単剤療法として使用される。いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入は、障害を治療するために別の薬物(1又は複数)とともに使用され、前記薬物と薬力学的に直接相互作用することはない。いくつかの実施形態では、5-HTP持続IV注入は、障害(例えば神経障害又は精神障害)を治療するために、別の薬物(1又は複数)とともに使用され、5-HTP持続IV注入が前記別の薬物(1又は複数)と薬力学的に相互作用するような方法で使用される。後者については、いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入が薬力学的に相互作用する薬物は、セロトニン再取り込み阻害剤(例えば選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ薬(TCA))、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)又は5-HT受容体モジュレーターなどの、5-HTExt上昇薬である。
いくつかの実施形態では、障害(例えば神経学的障害又は精神医学的障害)を治療する際の5-HTP持続IV注入と1又は複数の他の薬物との間の薬力学的相互作用は、脳内の5HTExtの上昇を相加的又は相乗的に伴い、例えば、5-HTP持続IV注入と他の薬物の投与後の脳内の5-HTExt-上昇は、各治療効果単独の合計よりも高くなる。いくつかの実施形態では、障害(例えば神経学的障害又は精神医学的障害)を治療する際の5-HTP持続IV注入と1又は複数の他の薬物との間の薬力学的相互作用には、5-HTP持続IV注入の開始前に、1日、数日、1週間、数週間、数ヶ月又は数年間、1又は複数の他の薬物が患者に投与されていることが含まれる。
いくつかの実施形態において、本開示の主題による「患者」及び「必要とする対象」という用語は、障害(例えば神経障害又は精神障害)から症状を除去又は軽減する上で5-HTP持続IV注入から利益を得るであろう任意のヒト又は哺乳動物と定義される。したがって、「患者」(1又は複数)という用語は、哺乳動物(例えばヒト)患者への言及を含む。本明細書で使用する場合、「対象」又は「患者」という用語は、当技術分野でよく認識されており、本明細書では、イヌ、ネコ、ラット、マウス、サル、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ラクダ、及び最も好ましくはヒトを含む哺乳動物を指すために互換的に使用される。いくつかの実施形態において、対象は、神経障害若しくは精神障害と診断されたために治療を必要とする対象、又はそのような障害若しくはそのような障害の再発が疑われる者である。
いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入は、神経障害又は精神障害の治療に有効でありうる。いくつかの実施形態において、神経障害又は精神障害は、うつ病、社交不安、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害(OCD)、衝動制御障害、自殺念慮、境界性人格障害、線維筋痛症、運動失調症、神経障害(例えばアルツハイマー病、パーキンソン病)に関連する気分症状及び激越、脳卒中の修復、自閉症、片頭痛、睡眠障害、月経前及びインターフェロン治療後のうつ病を含む群から選択される。
いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入は、自殺念慮、気分障害(例えば、うつ病、双極性障害、産後うつ病又はインターフェロン治療後のうつ病)、不安障害(例えば、社交不安、パニック障害、全般性不安、OCD又はPTSD)又は衝動制御障害などの精神障害を治療するために使用される。
いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入で治療される状態は、急性自殺念慮である。いくつかの実施形態において、急性の自殺念慮の治療を必要とする対象は、入院していて急性期治療を必要とする対象である。例えば、急性自殺念慮は、過去約7日以内に症状(すなわち、死を考えること、計画すること及び/又は行動)を発症又は増加させたことを指す。
いくつかの実施形態において、5-HTP持続IV注入で治療される状態は、慢性自殺念慮である。いくつかの実施形態において、慢性自殺念慮の治療を必要とする対象は、入院していて慢性期治療を必要とする対象である。
いくつかの実施形態では、5-HTP持続IV注入は、完全に入院環境(例えば、病院又は介護施設内)で行われる。一部の実施形態では、5-HTP持続IV注入は、完全に外来環境(例えば、診療所、医院又は患者の自宅)で行われる。いくつかの実施形態では、5-HTP持続IV注入は、一部は入院環境で、一部は外来環境で行われる。例えば、注入は、救急救命士(EMT)、看護師、医師が患者の自宅で開始し、搬送中及び医療施設(例:病院)到着後も継続することがありうる。いくつかの実施形態では、外来環境は、医療施設から離れた場所、例えば患者の自宅である。
以上のように、5-HTP持続IV注入を用いて、精神障害に罹患している患者を治療する方法が提供される。いくつかの実施形態において、患者は急性の精神医学的危機にあり、その非網羅的な例には、急性自殺念慮、気分障害の急性悪化、不安障害の急性悪化、強迫性障害の急性悪化、及び衝動制御障害の急性悪化が含まれる。いくつかの実施形態において、患者は、5-HTP持続IV注入を用いた治療が必要とみなされる進行中の精神障害を患っており、その非網羅的な例としては、自殺念慮、気分障害、不安障害、及び衝動制御障害が挙げられる。
いくつかの実施形態において、患者は、その後の経過観察療法なしで、5-HTP持続IV注入で治療される。いくつかの実施形態では、患者は、経過観察療法で治療される。いくつかの実施形態において、経過観察療法は、経口5-HTP治療薬、例えば経口5-HTP徐放性薬物である。いくつかの実施形態において、経口5-HTP徐放性薬物による療法は、入院環境で開始される。いくつかの実施形態において、経口5-HTP徐放性薬物による療法は、外来環境で開始される。いくつかの実施形態において、経口5-HTP徐放性薬物は、胃内滞留性剤形である。いくつかの実施形態において、経口5-HTP徐放性薬物は、PDIを含有する。いくつかの実施形態では、経過観察療法は、標準治療である。いくつかの実施形態では、経過観察療法は、薬物療法、心理療法、及び/又は脳刺激療法である。
以上のように、経過観察療法の有無に関わらず、5-HTP持続IV注入を用いて神経障害に罹患している患者を治療する方法が提供される。潜在的に治療可能な神経障害の非網羅的な例としては、線維筋痛症、運動失調症、神経障害(例:アルツハイマー病、パーキンソン病)に関連した気分症状及び激越、脳卒中の修復、片頭痛、睡眠障害、フェニルケトン尿症などがある。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、神経障害又は精神障害の治療を必要とする対象における神経障害又は精神障害の治療における使用のための薬学的組成物を提供し、薬学的組成物は、5-HTPを含む注入液を含む。いくつかの実施形態において、注入液は、水性溶媒(例:水又は生理食塩水)などの薬学的に許容される担体を含む。いくつかの実施形態において、本開示の主題の5-HTP注入液は、約300mOsmの浸透圧と4~8のpHを有する等張水溶液を含む。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、必要とする対象において脳内の5-HTExtを上昇させる方法を提供し、この方法は、約4時間以上持続する注入治療期間にわたる持続IV注入として、対象に、5-HTPを投与することを含み、ここで、本投与は、5-HTPの総用量(単位:体重1キログラム当たりmgの5-HTP)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量(無限に外挿された血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCInf、単位:時間×ng/ml)として)をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP AUCInfを提供するための5-HTP注入速度は、注入治療期間にわたって平均して、体重1kg当たり毎時約0.010ミリグラム(mg/kg/h)~約0.125mg/kg/h(例えば、注入治療期間にわたって平均して、約0.0104mg/kg/h、約0.0208mg/kg/h、約0.419mg/kg/h、約0.0833mg/kg/h又は約0.125mg/kg/h)である。
いくつかの実施形態において、注入治療期間は、約4時間~約24時間(例えば、約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24時間)である。いくつかの実施形態では、注入治療期間は、24時間である。いくつかの実施形態において、注入治療期間は、約24時間を超える(例:約25時間~約144時間、又は約25時間~約36時間)。
いくつかの実施形態では、持続IV注入は一定の注入量で行われ、単位時間当たりに対象に投与される注入液の量(例:ml/h単位)は、注入治療期間全体にわたって同じままである。いくつかの実施形態では、持続IV注入は、可変注入量で行われる。いくつかの実施形態では、上述のとおり、注入量は約0.4ml/h~約80ml/hの範囲である。いくつかの実施形態において、注入量は、約4ml/h~約60ml/h(例えば、約5ml/h、約10ml/h、約15ml/h、約20ml/h、約25ml/h、約30ml/h、約35ml/h、約40ml/h、約45ml/h、約50ml/h、約55ml/h又は約60ml/h)である。
いくつかの実施形態において、持続IV注入は、約4ml/h~約10ml/h(例:約4、5、6、7、8、9又は10ml/h)の一定量で、一定の5-HTP濃度の注入液を用いて行われる。いくつかの実施形態では、持続IV注入は、可変注入量で、一定の5-HTP濃度の注入液を用いて行われる。したがって、いくつかの実施形態において、例えば単一の5-HTP濃度の注入液を使用して、持続IV注入が、注入治療期間の第1の部分については第1の5-HTP注入量で、注入治療期間の第2の部分については第2の5-HTP注入量で行われ、第1の注入量は第2の注入量より少ない。いくつかの実施形態では、持続IV注入は、注入治療期間にわたって、3つ、4つ又はそれ以上の異なる注入量で行われる。いくつかの実施形態において、注入量は、注入治療期間にわたって段階的に増加するか、注入治療期間にわたって段階的に減少するか、又は注入治療期間にわたって最初に段階的に増加し、次いで段階的に減少する。
いくつかの実施形態では、持続IV注入は、例えば一定の5-HTP濃度の注入液を使用して、注入治療期間にわたって次の4つの異なる注入量:注入治療期間の第1の部分については第1の注入量、注入治療期間の第2の部分については第2の注入量、注入治療期間の第3の部分については第3の注入量、及び注入治療期間の第4の部分については第4の注入量で行われる。いくつかの実施形態では、注入治療期間の各部分は同じ(すなわち同じ時間)である。いくつかの実施形態では、注入治療期間の各部分は異なる。いくつかの実施形態では、注入量は、例えば、4つの注入量がある場合、第1の注入量が最も少ない注入量であり、第2の注入量が次に少ない注入量であり、第3の注入量が2番目に多い量であり、第4の注入量が最も多い注入量であるように、徐々にランプアップされる。いくつかの実施形態では、例えば、同じ注入溶液を用いて(すなわち、注入溶液中の5-HTPの濃度が一定であるように)、第1の注入量は約10ml/h~約20ml/hであり、第2の注入量は第1の注入量よりも多く、約20ml/h~約35ml/hであり、第3の注入量は第2の注入量よりも多く、約35ml/h~約45ml/hであり、第4の注入量は第3の注入量よりも多く、約45ml/h~約60ml/hである。いくつかの実施形態において、注入治療期間の第1、第2及び第3の部分は、それぞれほぼ同じ(例えば約4時間)である。いくつかの実施形態において、注入治療期間の第4の部分は、注入治療期間の中で最も長い部分である。いくつかの実施形態において、注入治療期間の第4の部分は、注入治療期間の約半分(例えば約12時間)である。
上述のとおり、持続IV注入中の一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、体重1キログラム当たり毎時約0.005ミリグラム(mg/kg/hr)~約5mg/kg/hr(すなわち、1日当たり体重1キログラム当たり約0.12ミリグラム(mg/kg/24hr)~約120mg/kg/24hr)の範囲でありうる。いくつかの実施形態において、一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、約0.025mg/kg/hr~約1.5mg/kg/hr(すなわち約0.6mg/kg/24hr~約36mg/kg/24hr)である。いくつかの実施形態において、一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、約0.6mg/kg/24hr~約10mg/kg/24hr(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10mg/kg/24hr)である。いくつかの実施形態において、一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、約1mg/kg/24hr~約3mg/kg/24hrである。いくつかの実施形態において、一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、約1mg/kg/24hr~約3mg/kg/24hrである。いくつかの実施形態において、一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、約1mg/kg/24hrである。いくつかの実施形態において、一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、約2mg/kg/24hrである。いくつかの実施形態において、一時的又は平均的な5-HTP注入速度は、約3mg/kg/24hrである。
いくつかの実施形態において、平均的な又は一定の5-HTP注入速度は、体重1キログラム当たり毎時約0.005ミリグラム(mg/kg/hr)~約0.250mg/kg/hr(すなわち、24時間当たり又は1日当たり体重1キログラム当たり約0.12ミリグラム(mg/kg/24hr)~約6mg/kg/24hr)である。いくつかの実施形態において、平均的な又は一定の5-HTP注入速度は、約0.010mg/kg/hr~約0.125mg/kg/hr(すなわち約0.25mg/kg/24hr~約3mg/kg/24hr)である。
いくつかの実施形態では、持続IV注入は一定の5-HTP注入速度で行われ、単位時間当たりに対象に投与される5-HTPの量(例:mg/kg/hr又はmg/kg/24hr)は、注入治療期間全体にわたって同じままである。いくつかの実施形態において、持続IV注入は、可変5-HTP注入速度で行われ、単位時間当たりに投与される5-HTPの量は、注入治療期間にわたって変動する(例えば、5-HTP注入は、注入治療期間にわたって一連の異なる一時的な5-HTP注入速度を使用して行われる)。いくつかの実施形態において、一定の5-HTP注入速度は、約0.005mg/kg/hr~約0.250mg/kg/hr(すなわち約0.12mg/kg/24hr~約6mg/kg/24hr)である。いくつかの実施形態において、一定の5-HTP注入速度は、約0.010mg/kg/hr~約0.125mg/kg/hr(すなわち約0.25mg/kg/24hr~約3mg/kg/24hr)である。いくつかの実施形態において、一定の5-HTP注入速度は、約0.0104mg/kg/hr(すなわち約0.25mg/kg/24hr)、約0.0208mg/kg/hr(すなわち約0.5mg/kg/24hr)、約0.0417mg/kg/hr(すなわち約1mg/kg/24hr)、約0.0833mg/kg/hr(すなわち約2mg/kg/24hr)又は約0.125mg/kg/hr(すなわち約3mg/kg/hr)である。
いくつかの実施形態において、持続IV注入は、可変注入速度で行われる(例えば、平均5-HTP注入速度が、注入治療期間にわたって約0.005mg/kg/hr~約0.250mg/kg/hr、又は約0.0107mg/kg/hr~約0.125mg/kg/hrとなるように)。可変5-HTP注入速度は、持続注入にわたって単一の注入液の可変注入量を使用することによって、持続注入の間に注入液の5-HTP濃度を変化させることによって、又は持続注入の間に注入量を変化させることと注入液の5-HTP濃度を変化させることの組み合わせによって提供されうる。したがって、いくつかの実施形態において、持続IV注入は、注入治療期間の第1の部分については第1の5-HTP注入速度で、注入治療期間の第2の部分については第2の5-HTP注入速度で行われ、第1の5-HTP注入速度は第2の5-HTP注入速度よりも遅い。いくつかの実施形態では、持続IV注入は、注入治療期間にわたって、3つ、4つ又はそれ以上の異なる5-HTP注入速度で行われる。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度は、注入治療期間にわたって段階的に増加するか、注入治療期間にわたって段階的に減少するか、又は注入治療期間にわたって最初に段階的に増加し、次いで段階的に低下する。
いくつかの実施形態では、持続IV注入は、注入治療期間にわたって次の4つの異なる5-HTP注入速度(すなわち4つの異なる一時的な注入速度):注入治療期間の第1の部分については第1の5-HTP注入速度、注入治療期間の第2の部分については第2の5-HTP注入速度、注入治療期間の第3の部分については第3の5-HTP注入速度、及び注入治療期間の第4の部分については第4の5-HTP注入速度で行われる。いくつかの実施形態では、注入治療期間の各部分は同じ(すなわち同じ時間)である。いくつかの実施形態では、注入治療期間の各部分は異なる。いくつかの実施形態では、5-HTP注入速度は、例えば、4つの注入速度がある場合、第1の5-HTP注入速度が最も少ない5-HTP注入速度であり、第2の5-HTP注入速度が次に少ない5-HTP注入速度であり、第3の5-HTP注入速度が2番目に多い5-HTP注入速度であり、第4の5-HTP注入速度が最も多い5-HTP注入速度であるように、徐々にランプアップされる。
いくつかの実施形態において、例えば5-HTP注入速度が一定の5-HTP注入速度である場合、本投与は、約4~約6時間以内に定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、定常状態の5-HTP血漿中濃度は、約4時間以内に提供される。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約1mg/kg/24hrであり、本投与は約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.5mg/kg/24hrであり、本投与は約50ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.25mg/kg/24hrであり、本投与は約25ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約2mg/kg/24hrであり、本投与は約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約3mg/kg/24hrであり、本投与は約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。
いくつかの実施形態において、例えば一定の5-HTP注入速度を使用した場合、注入治療期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.0417mg/kg/hrであり、本投与は約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入治療期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.0208mg/kg/hrであり、本投与は約50ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入治療期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.0104mg/kg/hrであり、本投与は約25ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入治療期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.0833mg/kg/hrであり、本投与は約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入治療期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.125mg/kg/hrであり、本投与は約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。
いくつかの実施形態において、注入治療期間は約4時間以上であり、定常状態の5-HTPの血漿中濃度(単位:ng/ml)と5-HTP用量(単位:mg/kg/hr)との比は約2400である。
いくつかの実施形態において、本方法はさらに、約4時間以上の持続5-HTP注入とともに、細胞外5-HT(5-HTExt)上昇化合物を対象に投与することを含む。用語「5-HTExt上昇化合物」とは、5-HT受容体への結合のために中枢神経系における5-HTの利用可能性を直接的又は間接的に増加させ、それによって5-HT神経伝達を強化する化合物を指す。本開示の主題による追加の治療剤としての使用に適した5-HTExt上昇(又はセロトニン増強)化合物(並びにその塩及び溶媒和物)には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬(TCA)、非定型抗うつ薬、及びモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)が含まれる、これらに限定されない。
「SSRI」又は「選択的セロトニン再取り込み阻害剤」という用語は、一般的に抗うつ薬として使用される化合物であって、シナプス前細胞への取り込みを阻害し、シナプス後受容体への結合に利用できるシナプス間隙の5-HT濃度(すなわち5-HTExt)を上昇させることによる神経伝達物質セロトニン(すなわち5-HT)の細胞外濃度の増加に関連する化合物を指す。適切なSSRIの例には、シタロプラム、ダポキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、インダルピン、パロキセチン、セルトラリン、ビラゾドン、ジメリジン及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、SSRIは、エスシタロプラムである。MAOIの例には、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、モクロベミド、及びセレギリンなどのフェネチルアミンが含まれるが、これらに限定されない。5-HTExt上昇化合物として、本開示の方法における使用に適した追加の化合物には、三環系抗うつ薬(限定されるものではないがイミプラミン、アミトリプチリン、及びクロミプラミンなど);アンフェタミン(限定されるものではないがその誘導体(フェンテルミン、フェンフルラミン、及び(+)-3,4-メチレンジオキシアンフェタミンなど)を含む);SNRI(ベンラファキシン及びデュロキセチン、並びにボルチオキセチン及びビラゾドンなど)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、5-HTExt上昇化合物は、セロトニン再取り込み阻害剤(例:SSRI(例えば、限定されるものではないがエスシタロプラムなど))である。いくつかの実施形態において、対象は、セロトニン再取り込み阻害剤(又は他のHTExt上昇性化合物)で同時に又は並行して治療されており、且つ/又はセロトニン再取り込み阻害剤(又は他の5-HTExt上昇化合物)で前治療されたことがあり、すなわち、5-HTP持続IV注入の開始前に、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間又はそれ以上、その阻害剤の標準的な投与量又は投与スケジュールを使用してセロトニン再取り込み阻害剤が投与されている。同時に又は並行して治療されていたとは、例えば、5-HTPの持続IV注入の開始と同日又は約24時間又は48時間以内に、セロトニン再取り込み阻害剤の投与を受けた対象を意味する。いくつかの実施形態において、対象は、セロトニン再取り込み阻害剤で前治療された者であり、且つ同阻害剤で同時に/並行して治療されている者である。
5-HTExt上昇化合物後の血漿(又は血清や唾液)中コルチゾールの増加は脳内5HTExtの上昇を意味し、この文脈におけるコルチゾールの増加は、脳内5-HTExt上昇のバイオマーカーである。いくつかの実施形態において、5-HTPの持続IV注入を投与すると、5-HTExt上昇化合物で前治療及び/又は同時治療された対象において、その対象が5-HTPの持続IV注入を投与されなかった場合と比較して、コルチゾール濃度が上昇する。いくつかの実施形態において、5-HTPの持続IV注入を投与すると、5-HTEx上昇化合物で前治療されていない対象において、血漿(又は血清や唾液)中コルチゾール濃度が増加する。いくつかの実施形態では、対象が5-HTExt上昇化合物で前治療及び/又は同時治療されている場合、該対象が5-HTExt上昇化合物で前治療及び/又は同時治療されていない場合に使用される用量又は注入速度と比較して、より少ない5-HTP注入用量又はより遅い5-HTP注入速度でコルチゾールを上昇させうる。
いくつかの実施形態において、本方法(すなわち、5-HTExt上昇化合物(例:SSRI)で前治療されている及び/又は5-HTExt上昇化合物で前治療された対象への持続IV注入による5-HTPの投与など、持続IV注入による5-HTPの投与)は、重度及び中等度の有害作用を伴わない。したがって、いくつかの実施形態において、本開示の主題は、治療レベルの5-HTPの迅速な作用発現(例えば、1週間未満又は1日以内)をもたらすと同時に、過剰な5-HT刺激に典型的に関連する中等度又は重度のAE、例えば中等度又は重度の吐き気、嘔吐、下痢、傾眠、消化器不調、及び/又はめまいを回避する。いくつかの実施形態において、平均5-HTP注入速度は、1mg/kg/24hr(すなわち約0.0417mg/kg/hr)以下(例:約0.25mg/kg/24hr~約1mg/kg/24hr、すなわち、約0.0104mg/kg/hr~約0.0417mg/kg/hr)であり、本発明の方法は、5-HTPのIV投与に関連する中等度及び重度のAEを伴わない。いくつかの実施形態では、5-HTP注入速度は、1mg/kg/24hr(すなわち約0.0417mg/kg/hr)以下(例:約0.25mg/kg/24hr~約1mg/kg/24hr(すなわち、約0.0104mg/kg/hr~約0.0417mg/kg/hr))で一定であり、本発明の方法は、5-HTPのIV投与に関連する中等度及び重度のAEを伴わない。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、対象に上記のPDIなどのPDIを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、対象にPDIを投与することを伴わない(例えば、共投与することを伴わない)。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、対象に制吐薬を投与することをさらに含む。上述のように、制吐薬には、5-HT受容体アンタゴニスト、ニューロキニン1受容体アンタゴニスト、ドーパミン受容体アンタゴニスト、抗ヒスタミン薬、コルチコステロイド、カンナビノイド、ベンゾジアゼピン、及び抗コリン薬が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、制吐薬は5-HT受容体アンタゴニストである。
いくつかの実施形態において、脳内5-HTの上昇を必要とする対象はヒト対象である。いくつかの実施形態において、対象は、うつ病、社交不安、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害(OCD)、衝動制御障害、自殺念慮、境界性人格障害、線維筋痛症、運動失調症、神経障害(例えばアルツハイマー病、パーキンソン病)に関連する気分症状及び激越、脳卒中の修復、自閉症、片頭痛、睡眠障害、月経前及びインターフェロン治療後のうつ病など(これらに限定されるものではない)の神経障害又は精神障害のための治療を必要とするヒト対象である。いくつかの実施形態において、神経障害又は精神障害は、自殺念慮又は気分障害の急性悪化である。いくつかの実施形態では、該障害は、急性自殺念慮である。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、注入治療期間の終了後に対象に追加の治療を投与することをさらに含む。例えば、5-HTPの持続IV注入による治療効果(例えば、症状の改善)を維持するために、追加の治療を行うことができる。いくつかの実施形態において、追加の治療は、5-HTPを含む徐放性製剤(例えば、5-HTPの徐放性経口製剤)の投与である。いくつかの実施形態では、追加の治療の投与の開始は、注入治療期間の終了から約24時間以内(例:約2、4、6、8、10、12、14、16、20又は24時間以内)である。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、自殺念慮又は気分障害の急性悪化の治療における使用のためなど、神経障害又は精神障害の治療における使用のための組成物を提供するものであるが、ここで、本組成物は、5-HTPを含み、約4時間以上持続する注入期間にわたって持続IV注入として投与され、本投与は、AUCInf(単位:時間×ng/ml)としての、5-HTPの総用量(単位:体重1kg当たりmgの5-HTP)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量を提供する。いくつかの実施形態において、5-HTP AUCInfを提供するための5-HTP注入速度は、注入治療期間にわたって平均して、体重1kg当たり毎時約0.010ミリグラム(mg/kg/hr)~約0.125mg/kg/hr(例えば、注入治療期間にわたって平均して、約0.0104mg/kg/hr、約0.0208mg/kg/hr、約0.0417mg/kg/hr、約0.0833mg/kg/hr又は約0.125mg/kg/hr)である。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、5-HTP注入速度が注入治療期間を通して一定である方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本組成物は、持続IV注入が可変5-HTP注入速度で実施され、注入期間内の異なる特定の時点で異なるmg/kg薬物送達速度をもたらす方法における使用のためのものである。例えば、いくつかの実施形態において、持続IV注入は、注入治療期間の第1の部分については第1の注入速度で、注入治療期間の第2の部分については第2の注入速度で行われ、第1の5-HTP注入速度は第2の注入速度よりも遅い。但し、持続IV注入は、2つより多い異なる5-HTP注入速度で実施することができ、5-HTP注入速度は、例えば上記のように、徐々にランプダウン又はランプアップすることができる。過渡的及び可変速度の5-HTP注入プロファイルに適した注入速度(例:平均、一定又は過渡的)は、上に記載されている。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、平均5-HTP注入速度が約1mg/kg/24hr~約3mg/kg/24hrである方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、平均5-HTP注入速度は、約1mg/kg/hr、約2mg/kg/24hr又は約3mg/kg/24hrである。いくつかの実施形態において、平均的5-HTP注入速度は、約1mg/kg/24hrである。いくつかの実施形態において、平均的5-HTP注入速度は、約2mg/kg/24hrである。いくつかの実施形態において、平均的5-HTP注入速度は、約3mg/kg/24hrである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、注入治療期間が約4時間~約24時間(例:約4、6、8、10、12、14、16、18、20、22又は約24時間)である方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、注入治療期間は、24時間である。いくつかの実施形態において、注入治療期間は、約24時間を超える(例:約36時間又は約48時間)。
いくつかの実施形態において、例えば、持続IV注入が一定の5-HTP注入速度で行われる方法における使用のために本発明の組成物が使用される場合、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約1mg/kg/24hrであり、本投与は約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.5mg/kg/24hrであり、本投与は約50ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.25mg/kg/24hrであり、本投与は約25ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約2mg/kg/24hrであり、本投与は約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約3mg/kg/24hrであり、本投与は約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。
いくつかの実施形態において、例えば一定の5-HTP注入速度を使用して該IV注入が行われる場合、注入期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度は約0.0417mg/kg/hrであり、本投与は約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.0208mg/kg/hrであり、本投与は約50ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.0104mg/kg/hrであり、本投与は約25ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.0833mg/kg/hrであり、本投与は約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。いくつかの実施形態において、注入期間は約4時間以上であり、5-HTP注入速度(例えば一定の5-HTP注入速度)は約0.125mg/kg/hrであり、本投与は約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、対象に、上述の5-HTExt上昇化合物などの5-HTExt上昇化合物を投与することをさらに含む方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、5-HTExt上昇化合物はセロトニン再取り込み阻害剤であり、対象は、セロトニン再取り込み阻害剤で同時に治療されている対象及び/又はセロトニン再取り込み阻害剤で前治療されていた対象である。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、5-HTPの持続IV注入で治療されていない対象と比較して対象における血漿中コルチゾール濃度の増加をもたらす方法における使用のためのものである。例えば、いくつかの実施形態において、5-HTPの持続IV注入を投与すると、5-HTExt上昇化合物で前治療及び/又は同時治療された対象において、その対象が5-HTPの持続IV注入を投与されなかった場合と比較して、コルチゾール濃度が上昇する。いくつかの実施形態において、5-HTPの持続IV注入を投与すると、5-HTEx上昇化合物で前治療されていない対象において、血漿(又は血清や唾液)中コルチゾール濃度が増加する。いくつかの実施形態では、対象が5-HTExt上昇化合物で前治療及び/又は同時治療されている場合、該対象が5-HTExt上昇化合物で前治療又は同時治療されていない場合に使用される用量又は注入速度と比較して、より少ない5-HTP注入用量又はより遅い5-HTP注入速度でコルチゾールを上昇させうる。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、重度及び中等度の有害作用がない方法における使用のためのものである。例えば、いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、平均5-HTP注入速度が1mg/kg/24hr(すなわち約0.0417mg/kg/hr)以下(例:約0.25mg/kg/24hr~約1mg/kg/24hr(すなわち、約0.0104mg/kg/hr~約0.0417mg/kg/hr))である方法における使用のためのものであり、本発明の方法は、5-HTPのIV投与に関連する中等度及び重度のAEを伴わない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、5-HTP注入速度が1mg/kg/24hr(すなわち約0.0417mg/kg/hr)以下(例:約0.25mg/kg/24hr~約1mg/kg/24hr(すなわち、約0.0104mg/kg/hr~約0.0417mg/kg/hr))で一定である方法における使用のためのものであり、本発明の方法は、5-HTPのIV投与に関連する中等度及び重度のAEを伴わない。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、PDIの投与を伴わない方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、対象に制吐薬をさらに投与することを含む方法における使用のためのものである。例えば、いくつかの実施形態において、制吐薬は5-HT受容体アンタゴニストである。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、(例えば、5-HTPの持続IV注入の治療効果を維持するために)注入治療期間の終了後の対象への追加の治療の投与をさらに含む方法における使用のためのものである。追加の治療は、例えば、5-HTPを含む徐放性製剤(例:徐放性経口製剤)の投与を含みうる。追加の治療の投与は、注入治療期間の終了から約24時間以内に開始される。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、本明細書に記載されるような方法における使用のための5-HTP注入液を調製する方法を提供するものであり、本方法は、不活性ガス又は窒素下5℃で暗所に保存されていた5-HTPと水とを含む原液を提供すること;並びに原液を希釈して、所望の注入治療期間(例えば、約4時間以上の注入治療期間)にわたって所望の注入速度で、5-HTPを必要とする対象に所望の用量の5-HTPを送達するのに適した5-HTP濃度及び注入液量を有する5-HTP注入溶液を提供することを含む。いくつかの実施形態において、5-HTPを含む原液は、約5mg/mlの5-HTP濃度を有する。
前述のいくつかの実施形態において、原液及び希釈液は、生理的濃度の塩化ナトリウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、原液及び希釈溶液はノーマル・セイリーン(0.9%生理食塩水)から作製される。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、脳内5-HTExt上昇又は神経学障害若しくは精神障害の治療(例:自殺念慮の治療又は気分障害の急性悪化の治療)を必要とする対象の治療における使用のためのキットを提供するものであり、ここで、キットは、不活性ガス又は窒素下、5℃で琥珀色のバイアルに保存されていた、5-HTPと水とを含む原液(例:安定な医薬品原液)と;所望の注入治療期間(例:約4時間以上)にわたって、所望の用量の5-HTPをそれを必要とする対象に送達するのに適した5-HTP濃度及び注入液量を有する注入溶液を提供するための、前記原液を希釈するための指示書とを備える。いくつかの実施形態において、キットは、ノーマル・セイリーン(例:前記原液を希釈するため)をさらに備える。
いくつかの実施形態において、本開示の主題は、不活性ガス(例:アルゴン)又は窒素下、暗所において5℃で保存されていた、少なくとも12ヶ月間安定な5-HTPと水とを含む安定な薬剤溶液を提供する。「安定」とは、物理的安定性及び化学的安定性の両方又はいずれかを意味する。「物理的安定性」という用語は、色と粒子状物質の維持を指す。「化学的安定性」という用語は、(i)(総不純物、単一の最大個別不純物、及び最大個別未知不純物という意味での)活性化合物関連不純物の形成及び(ii)アッセイ、すなわち活性化合物の濃度に関連し、関連不純物とアッセイは、いずれも事前に規定された仕様(通常は政府規制当局が許容する仕様)内に収まるものである。
いくつかの実施形態において、安定溶液は、5-HTPの注入液の調製における使用のためのものであり、例えば、本明細書に記載されるような方法、例えば、哺乳動物において脳内5-HTExtを上昇させるための方法、例えば、5-HTPの用量(体重1kg当たりの5-HTP mg)の約3500倍のAUCInf(時間×ng/ml)としての、5-HTPの血漿中曝露量を提供することができる方法などにおける使用のためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、約4時間以上の注入時間にわたる持続IV注入を伴う。いくつかの実施形態において、注入治療期間にわたって平均して、体重1kg当たり毎時約0.010ミリグラム(mg/kg/h)~約0.125mg/kg/h(例えば、注入治療期間にわたって平均して、約0.0104mg/kg/h、約0.0208mg/kg/h、約0.419mg/kg/h、約0.0833mg/kg/h又は約0.125mg/kg/h)の5-HTP注入速度での持続IV注入を含む。いくつかの実施形態において、本開示の主題は、自殺念慮(例:急性の自殺念慮)又は気分障害の急性の悪化を治療するための持続IV注入のための注入液の調製における使用のための安定な薬剤溶液を提供する。いくつかの実施形態において、該溶液は、約5mg/mlの5-HTP濃度を有する。いくつかの実施形態では、該溶液は、約5百万分率(ppm)未満の酸素を含む。
以下の実施例は、本開示の主題の代表的な実施形態を実施するための指針を当業者に提供するために含めたものである。本開示及び当技術分野における一般的な技術水準に照らして、当業者であれば、以下の実施例は例示のみを目的としており、本開示の主題の範囲から逸脱することなく、多数の変更、修正及び改変を採用できることを理解するであろう。
実施例1
5-HTP原液
簡単に説明すると、5-HTP原液の調製は、原体、5-HTP及び塩化ナトリウムを滅菌注射用水に溶解することによって行われた。生理食塩水(0.9%)の5-HTP原液(5mg/mL)を、20mmのストッパーで栓し、20mmのフリップオフシールで圧着した100mLのタイプI琥珀色ガラス血清バイアルに無菌的に充填した。5-HTP原体は、グリフォニア・シンプリシフォリアの種子からの抽出によって製造することができ、(スイス、ラヴェルテッツォのLinnea SA社によって)市販されている。米国薬局方(USP)に従って実施された公定法は「<番号>」で示され、USPグレードの成分は「(USP)」で示される。5-HTP原液の製造に使用された添加物は、塩化ナトリウム(USP)、注射用水(WFI、USP)、及び窒素(5.0超高純度)であった。5-HTP原液の製造は、現行適正製造規範(cGMP)規制及びガイドラインに従って行われた。5-HTP原液は、調合、無菌濾過、バイアルへの充填、打栓、止め栓シールの圧着、検査、ラベル付け、及び二次包装を含む一連の単位操作で製造された。最終的に調製されたIV注入用5-HTP原液は、無菌状態及び細菌エンドトキシンについて検査された。原液の調製に関する詳細は以下のとおりである。
調合 5-HTP原液は、クラスC環境で、従来の調合技術を用いて5-HTPをビヒクル(WFI)と混合することにより調製された。簡単に説明すると、脱パイロジェン処理した、混合用の回転磁気攪拌棒付きガラス瓶にWFIを加え、酸素含有量が5ppm未満になるまで窒素でスパージした。スパージしたWFIの約1/10量を、別の脱パイロジェン処理したガラス瓶に移した。残りのWFIを攪拌しながら27℃±2℃に温めた(100~800rpm)。5-HTPと塩化ナトリウムを分注し、温めたWFIに加え、完全に溶解するまで混合した。5mg/mlの濃度になるように溶液を目標総重量にして、0.9%生理食塩水を取っておいたスパージしたWFIに加え、原液が透明且つ均質になるまで混合した。
滅菌濾過 5-HTP原液を、無菌濾過を用いてクラスA環境で滅菌した。5-HTP原液を遮光し、ラインポンプ(100~500ml/min)を用いて、直列に接続した2つの0.22umフロロダイン滅菌フィルターを通して濾過し、濾液バッグに入れた。
充填及び圧着 滅菌5-HTP原液を100mLの量で供給し、充填ラインを用いて、層流フード内で100mLの琥珀色のタイプ1ガラスバイアルに充填した。原液を遮光するため、琥珀色のバイアルが選択された。琥珀色のバイアルに100mlの滅菌5-HTP原液を充填し、ヘッドスペースを窒素で5秒間フラッシュした。滅菌鉗子を用いて、充填した琥珀色のバイアルを20mmのストッパーで直ちに閉栓した。アルミのフリップオフ・キャップを使用して、ストッパーで密閉した。
保存条件 5-HTP原液のバイアルは、水平状態と直立状態とで保存された。直立状態が制御位置として機能した。特定の時点で水平保存されたバイアルに不具合が確認された場合のみ、直立状態のバイアルを試験した。5-HTP原液バイアルを、5℃±3℃の冷蔵条件下と、25℃±2℃/相対湿度(RH)60%±5%の加速条件下とで、暗所にて最長12ヵ月間、水平状態と直立状態とで保存した。
制御 プロセス制御には、WFI中の溶存酸素の測定、透明度と均質性のチェック、濾過前のバイオバーデン、フィルターの完全性試験、充填プロセスの重量チェック、容器施栓系の完全性試験などが含まれる。
実施例2
滅菌5-HTP原液のリリース及び安定性試験
方法: 標準的なHPLC-UV法を用いて、5-HTP原液中の5-HTPの同一性、アッセイ及び関連物質を決定するために、リリース及び安定性試験を実施した。外観、pH(USP<791>)、浸透圧(USP<785>)、粒子状物質(USP<788>)、無菌状態(USP<71>)、及びエンドトキシン(USP<85>)も評価した。4.0EU/mLを超えないという細菌エンドトキシンの仕様は、IV注入用の5-HTP、すなわち臨床投与用に最終的に希釈された5-HTP溶液(以下の実施例3参照)の潜在的最高用量である2.1mg/ml(30mg/kg/24h)に基づいている。5-HTP原液の臨床バッチのリリース及び安定性試験に関する仕様は、以下の表1に記載されている。この仕様は、USPの判定基準、利用可能なリリース、及び安定性データに基づいて設定された。
安定保存中に5-HTP原液中の粒子状物質が増加したため、通常のUSP<788>注射剤中の粒子状物質の仕様である粒子サイズ≧10μm以下(NMT)、6000粒子/バイアル及び粒子サイズ≧25μm NMT、600粒子/バイアルに代えて、粒子数が報告結果として報告された。光学顕微鏡とHPLC分析を用いた調査の結果、粒子は主に5-HTPの結晶であることが判明した。この結晶は、特定の理論に縛られることなく、5-HTP原体の微量(アッセイ仕様と比較して)の沈殿から形成されたものと考えられる。この代替報告の根拠には、USP<788>への言及が含まれており、投与前に最終フィルターの使用がラベルに明記されている非経口製剤は、免除を正当化する科学的データが利用可能である場合に限り、注射剤中の粒子状物質(Particulate Matter in Injections)<788>の要件から免除されると記載されている。したがって、琥珀色のバイアルに保存されていた5-HTP原液5mg/mLは、希釈して静脈内投与する前に、滅菌した0.22μmのフィルターを用いて濾過された。滅菌IVバッグに希釈する前に、この濾過工程で粒子状物質を除去した(下記の実施例3を参照)。ヒト対象への注入時には、インラインフィルターを介して追加の濾過工程が行われる。
保存と期間: 無菌5-HTP原液の臨床バッチについて、加速保存条件下、暗所で25℃/60%相対湿度(RH)で最長6ヵ月間(下記の表2を参照)及び冷蔵保存条件下、暗所で5℃で最長12ヵ月間の安定性試験を実施した。以下の表3を参照されたい。5-HTP原液バイアルは、両方の保存条件下で垂直(直立)状態と水平状態で保存された。水平状態のバイアルからの5-HTP原液について、安定性評価を実施した。直立状態のバイアルは、水平保存されたバイアルで不具合が確認された場合のみ、記載された時点で試験された。粒子状物質の評価のために、アッセイ及び関連物質は、(i)5-HTP原液の未濾過試料と(ii)0.22μmナイロンシリンジフィルターを用いて濾過した5-HTP原液の濾過済み試料で試験された。
Figure 2024535585000002
結果と考察 :25℃/60%RHで水平保存した5-HTP原液臨床バッチのリリース及び安定性試験の結果を以下の表2に、5℃で水平保存したバッチの結果を以下の表3に示す。初回リリース試験と比較した3か月後及び6か月後の外観、pH、浸透圧、及びアッセイは、十分に仕様範囲内であった。アッセイは経時的にわずかに減少し、5℃よりも25℃/60%RHでより減少したようであった。関連物質はトータルで経時的に増加し、5℃よりも25℃/60%RHでより増加したようであった。未濾過試料と濾過試料の差はごくわずかであった。粒子状物質は、25°C/60%RHと5℃の両方で経時的に増加した。25℃/60%RHで保存された5-HTP原液の試料には、5℃で保存された試料よりも5~15倍の粒子状物質が含まれていた。濾過により微粒子は効果的に除去された。
25℃/60%RH、5℃で水平保存した5-HTP原液の試料は全て仕様内であった。したがって、直立保存された5-HTP原液の分析は行われなかった。5℃で保存された原液の5-HTPは、12ヵ月後、依然として仕様を満たしていた。全体として、5-HTP原液(5mg/mL)は、5℃±3℃、暗所にて12ヶ月間安定である。
Figure 2024535585000003
Figure 2024535585000004
Figure 2024535585000005
Figure 2024535585000006
Figure 2024535585000007
Figure 2024535585000008
実施例3
製剤のヒトへの投与のための調製 - IV注入用5-HTP溶液
背景: ヒトへの投与には、5-HTP原液(1mL当たり5mg)を濾過し、0.9%滅菌生理食塩水で希釈して、総量1000mL中、最終濃度が約0.07mg/mL~2.1mg/mLになるようにした。持続IV注入を目的としたこの最終希釈製品は、「IV注入用5-HTP溶液」と呼ばれる。
方法: 概して、ヒト投与用のIV注入用5-HTP溶液の調製は、光制御された条件下、バイオセーフティキャビネット又は層流フード内で無菌技術を用いて行われた。5-HTP原液(5mg/mL)100ml入りの琥珀色のバイアルを冷蔵保存から取り出した後、内容物を目視検査し、外観を記録した。適量の生理食塩水を大容量シリンジに吸い上げ、ルアーコネクターを使用して空の1000mL IVバッグに移した。針とシリンジを使って5-HTP原液を吸引した。針を外し、滅菌0.22μmフィルターをシリンジに取り付けた。シリンジの内容物は、ルアーコネクターを介してフィルターを通してIVバッグに排出された。IVバッグを回転させて混ぜた。
より詳細には、5-HTP原液を、以下の計算(対象の体重に基づく)に従って、滅菌生理食塩水で最終容量1000mLになるようにIVバッグに希釈した。
・IVバッグ内の最終5-HTP濃度(mg/mL)=(用量(Xmg/kg)×体重(Ykg)/1000mL
・IVバッグに添加された5-HTP原液(mL)=(IVバッグ内の最終5-HTP濃度(mg/mL)/5-HTP原液の濃度(mg/mL))×1000mL
・IVバッグに添加された0.9%滅菌生理食塩水(mL)=1000mL-IVバッグに添加された原液の5-HTP(mL)
実施例4
IVバッグ及び輸液ラインにおけるIV注入用5-HTP溶液の安定性
背景: IVバッグ内のIV注入用5-HTP溶液の安定性を決定するため、(a)冷蔵保存条件下で短期安定性試験を実施し、(b)クリニックでのIV注入シナリオをシミュレートしたセットアップで、IVラインに接続されたIVバッグ内のIV注入用5-HTP溶液の、使用中の輸液ライン安定性試験を実施した。0.9%生理食塩水を入れたIVバッグを対照とした。
方法と結果:
実施例4a - 冷蔵保存:冷蔵保存安定性については、上記の実施例3と同様にIV注入用5-HTP溶液(2.1mg/mL)を調製し、5℃で48時間まで暗所保存した。試料は外観(下記表4参照)、アッセイ(下記表5参照)、及び関連物質について評価された。以下の表6を参照されたい。それらの結果は、IV注入用5-HTP溶液は判定基準を満たし、5℃で少なくとも最大48時間安定であることを示した。
実施例4b - 輸液ラインの安定性:輸液ラインの安定性については、上記の実施例3と同様にIV注入用5-HTP溶液2.1mg/mLを調製し、遮光しながら室温で24時間かけてIV注入セット全体に通した。試料は、外観(下記表4参照)、アッセイ(下記表5参照)、及び関連物質(下記表6参照)について評価された。それらの結果は、IV注入用5-HTP溶液が判定基準を満たし、5℃で少なくとも24時間、及び遮光した場合は室温で、例示的な注入期間である24時間安定であったことを示している。
Figure 2024535585000009
Figure 2024535585000010
Figure 2024535585000011
実施例5
健康な対象における5-HTP持続IV注入の投与と薬物動態。
方法:
試験設計 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であるエスシタロプラムを服用している健康な成人に3週間投与した場合のIV注入用5-HTP溶ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、単回漸増投与第1相試験を実施した。試験期間は37±3日であった。個々の対象の参加期間は、スクリーニング、投与、及び経過観察の各段階を含めて、トータル66日以内であった。IV注入時間は24時間で、IV注入用5-HTP溶液(上記の実施例3を参照)又はプラセボ(0.9%生理食塩水)を投与した。
対象 合計39名の健康な男性及び女性対象が5つのコホートにランダムに割り付けられ、コホート5(5名有効:プラセボ2名)を除いてコホート当たり8名の対象(6名有効:2名プラセボ群)が含まれた。各コホートにおいて、最初の2名のセンチネル対象が、残りの5名又は6名の対象に投与する前に、5-HTP(N=1)又はプラセボ(N=1)をIV投与された。
エスシタロプラムによる前治療 対象は全員、24時間のIV注入前及びIV注入中に、3週間にわたりエスシタロプラムによる前治療を受けた。エスシタロプラムを10mg/日の用量で7日間自己投与した。7日目に対象らは、一般的な健康状態とエスシタロプラムの忍容性を評価された。エスシタロプラムの服薬遵守の確認は、エスシタロプラムの血漿中濃度測定のための採血と、日記を用いた錠剤数のモニタリングによって評価された。対象らは、7日目に20mgのエスシタロプラム錠剤を受け取り、20日目に有床診療所に入院するまで20mg/日を自己投与した。21~23日目には、臨床スタッフによりエスシタロプラムが経口共投与された。エスシタロプラム治療は、注入終了後に20mg/日から10mg/日に漸減され、8日間継続された。
IV注入 IV注入用5-HTP溶液又はプラセボを、24時間かけて定速又は傾斜速度でIV投与した。
定速注入 IV注入用5-HTP溶液は、コホート1では1mg/kg/24hr、コホート2では3mg/kg/24hrの一定注入速度で投与された。注入速度は41.67ml/hであった。
傾斜速度の注入 5-HTPの血漿中濃度を徐々に上昇させるため、コホート3、コホート4、コホート5では、IV注入用5-HTP溶液がそれぞれ平均5-HTP注入速度3mg/kg/24hr、2mg/kg/24hr、1mg/kg/24hrの傾斜速度での注入で投与された。注入量はT=0~4時間で13.89ml/hr、T=4~8時間で27.78ml/hr、T=8~12時間で41.67ml/hr、T=12~24時間で55.55ml/hrであった。
バイオアナリシス 5-HTP分析用の血漿試料を採取し、-80°Cで保存した。エスシタロプラム分析用の血漿試料を採取し、-80°Cで保存した。血漿中5-HTP濃度と血漿中エスシタロプラム濃度を、標準的な液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法(LC-MS-MS)を用いて測定した。5-HTP分析のために、T=0、1、2、3、4、5、6、8、10、12、14、22、24、26、28、30、32、36、48時間に血漿試料を採取した。エスシタロプラムの分析には、7日目、21日目(注入前)、22日目(注入終了)、23日目(注入終了24時間後)に血漿試料を採取した。血漿中エスシタロプラム濃度は、対象がクリニックに入院し、IV注入用5-HTP溶液又はプラセボを投与された期間である21~23日目の平均値とした。
統計分析 プラセボを投与された対象が5つのコホート(コホート当たりN=2)でプールされた。各治療群及びプラセボ内の各定量的変数について記述統計量を算出した(n、平均値、標準偏差、中央値、最小値、最大値)。
血漿中エスシタロプラムのPK解析 21~23日目の血漿中エスシタロプラム濃度を各対象について平均し、GraphPad Prismバージョン9.4.1を用いてコホート差の一方向ANOVAによる統計分析を行った。
血漿中5-HTPのPK解析 PK集団には、IV注入用5-HTP溶液を投与されて、24時間注入を完了した対象が含まれた。PKパラメーターは、各コホート/用量/注入系列(infusion paradigm)ごとに計算された。全コホートのプラセボデータをプールした。以下のPKパラメーター:CMax、TMax、AUC 0-infinity(AUCInf)、AUC 0-36h(AUC36h、AUC 0-48h(AUC48h)、AUC 0-last(AUCLast)、及びT1/2が計算された。PKパラメーターは、特に断りのない限り、WinNonlinバージョン8.3を用いて、濃度-時間データからノンコンパートメント解析により算出した。
結果:
血漿中エスシタロプラム 5つの活性治療群及びプラセボ治療群のそれぞれについて、血漿中エスシタロプラム濃度の21~23日目の平均値を以下の表7に示す。平均血漿中エスシタロプラム濃度は、治療域内(Rao, 2007)である24~44ng/mLの範囲であった。平均エスシタロプラム濃度には治療群間で有意差はなかった。
血漿中5-HTP 各治療群の血漿中5-HTP PKパラメーターを以下の表8に示す。
定速注入 コホート1と2には、それぞれ1mg/kg/24hr、3mg/kg/24hrのIV注入用5-HTP溶液が、一定の流量で投与された。3mg/kg/24hrのIV注入用5-HTP溶液を投与したコホート2では、2名の対象が、軽度ではあるが耐えられない有害事象のため、それぞれ注入から1.5時間後と5.5時間後に治療を中止した。(有害事象については後述の実施例6を参照)。投与中止となった2名の対象はPK解析から除外された。投与中止となった2名の対象は、注入を完了した4名の対象(T=1h:163、243、109、217ng/ml)と比較して、初期の5-HTP血漿中濃度が高かった(T=1h:248、304ng/ml)。したがって、コホート2(3mg/kg/24hrのIV注入用5-HTP溶液)のPKデータは中程度に交絡しており、コホート2の対象全体で生じる平均曝露量を実際より低く見積もっている可能性がある。定常状態の平均血漿中濃度は、1mg/kg/24hrと3mg/kg/24hrの一定の5-HTP注入速度の両方で、注入開始から約4時間後に達成され、注入期間中安定したままであった。図1を参照されたい。22時間頃にIVバッグ/輸液ラインをフラッシュしたため(IV注入用5-HTP溶液1000ml全量が対象に投与されるように)、中程度の流量増加とそれに続く流量減少により、22時間時点の5-HTP血漿中濃度は高く、24時間時点の血漿中濃度は低く、非対称になった。このアーチファクトは、CAve値には影響しなかった。
傾斜速度の注入 定常状態の平均血漿中濃度は、平均速度1mg/kg/24hr、2mg/kg/24hr、3mg/kg/24hrの3つの可変5-HTP注入速度プロファイルで、14~24時間の間に達成された。図2を参照されたい。IVバッグ/輸液ラインのフラッシュに起因する中程度のアーチファクトにより、コホート1及び2で観察されたものと比較して、コホート3~5では22時間と24時間の5-HTP血漿中濃度が同様に非対称になった。
一定流量注入と傾斜流量注入の5-HTP PKパラメーターの比較 1mg/kg/24hr又は3mg/kg/24hrの平均注入速度では、定速注入と傾斜速度注入との間でCAve、AUCInf又はAUCLastに有意差は認められなかった(p>0.05、独立t検定、GraphPad Prismバージョン9.4.1.)。
Figure 2024535585000012
Figure 2024535585000013
実施例6
5-HTP持続IV注入の用量比例性評価
背景: 用量比例性という用語は、調査された特定の(i)用量範囲、(i)投与経路、及び(iii)投与レジメンについて、用量と薬物動態学的測定値との間の比例的且つ線形の関係をいう。より詳細には、用量を2倍にすることによって、投与された化合物への最大全身曝露量(CMax)又は総全身曝露量(AUC)の薬物動態測定値が2倍になる場合、少なくとも調査された用量範囲内では、用量比例性が存在する。したがって、用量比例性が満たされている場合、調査された特定の(i)用量範囲、(i)投与経路、及び(iii)投与レジメン内で、用量対薬物動態学的測定値のプロットは、明らかに一定の傾きを持つ直線を生成する。用量と血漿中化合物濃度(C(例:CMax又はAUC))との関係は、以下の式で表すことができる。
C=α用量β
β=1のとき、用量比例性が存在する。その場合、C=α用量。αは、与えられたCの範囲と与えられた用量単位について、用量とCを関連付ける定数であり、回帰直線の傾きと同一である。パワーモデル(Smith et al, 2000)では、用量比例性は以下の一次式で評価される。
log(C)=log(α)+β×log(用量)+誤差
線形モデルの標準的な統計手法に基づき、信頼限界とともにβの推定値を導き出すことができる。具体的には、β~1、90%信頼限界が0.8から1.25の間であれば、一般に用量比例性は認められる(Smith et al, 2000)。
方法: 一般線形モデルとSASソフトウェアバージョン9.4を使用して、スミスによる手法(Smith et al, 2000)を適用し、以下の表9のデータを用いて、持続的に投与されたIV 5-HTPの用量比例性を評価した。用量比例性をモデル化するためには、通常、同じ方法で投与される化合物の3つの用量レベルが必要であるため、傾斜速度1mg/kg/24hr、2mg/kg/24hr、及び3mg/kg/24hrのデータのみを使用した。
Figure 2024535585000014
Figure 2024535585000015
結果と考察: スミスによる手法(Smith et al, 2000)に従った計算出力を以下の表10に示す。3つのPKパラメーター全てについて、βの推定値は1に近かった。AUCLastとAUCInfの場合、CMax,の場合とは異なり、90%の上限信頼限界は従来の1.25をわずかに上回った。但し、これは比較的高い標準誤差にも反映されているように、Nが少ない(1群あたり5~6名の対象)ことに起因しているようである。したがって、3mg/kg/24hrまでの用量について用量比例性が認められた。用量比例性を評価するために使用されたデータは、傾斜速度注入から得られたものであるが、用量比例性は、CMaxが3mg/kg/24hrの傾斜速度で記録された平均CMaxである約592ng/ml以下であれば、他の持続注入についても仮定することができる。
Figure 2024535585000016
実施例7
5-HTPの持続IV注入と5-HTP血漿中濃度との間の用量‐曝露関係
背景: 用量比例性が確立された後、持続的に投与される5-HTP IV注入と5-HTP血漿中曝露との関係を調べた。用量比例性が確立されたため、単純な線形回帰によって5-HTP IV注入(すなわち、平均5-HTP注入速度)と5-HTP曝露との関係を説明することができる。内因性血漿中5-HTPは、5-HTPのIV注入によって引き起こされる5-HTP曝露(上記の表8を参照)と比較して無視できるほど小さいことが確認されているため、回帰直線が強制的に原点(X=0、Y=0)を通過するようにすることが正当化される。したがって、AUC=α×IV 5-HTP用量(mg/kg/24hr)(式中、αは傾きである)。
方法 :式AUC=α×IV 5-HTP用量(mg/kg/24hr)における傾きを決定するために、傾斜速度群、すなわち1mg/kg/24hr、2mg/kg/24hr、及び3mg/kg/24hrのAUCLast及びAUCInfデータを使用して、Prismバージョン9.4.0を用いた線形回帰を実行し、直線が強制的に原点を通過するようにした。図2を参照されたい。さらに、各治療群のAUCLast及びAUCInfデータに対して個別に線形回帰を行った。以下の表10を参照されたい。
結果と考察: AUCLasの式は次の通りである。
AUCLast=3471(95%信頼限界:3197~3746)×IV 5-HTP用量(mg/kg/24hr)
AUCInfの式は次の通りである。
AUCInf=3503 95%信頼限界:3231~3776)×5-HTP IV用量(mg/kg/24hr)
図3Aと3Bは、線形回帰直線と95%信頼限界を示している。AUCLast及びAUCInfのαは本質的に同一であり、これはTLast,時点で血漿中5-HTPが本質的にベースラインに戻っていたことを反映している。図2を参照されたい。各治療群から個別に決定した線形回帰αに統計的な差はなかった。以下の表11を参照されたい。このデータは、5-HTPのIV持続l注入から生じる5-HTP血漿中曝露量、すなわちAUCInf,が、AUCInff=3500×(mg/kg)という式から予測できることを裏付けている。少なくとも3mg/kgまで、CAv0-24hは約264ng/ml、CMaxは約592ng/mlであり、用量と注入レジメンは、式AUC=α×IV 5-HTP用量(mg/kg)のαに有意の影響を与えなかった。
Figure 2024535585000017
実施例8
5-HTPの持続IV注入の安全性と忍容性
方法: 5-HTPの持続IV注入の安全性及び忍容性を、5-HTPのIV注入(実施例5参照)又はプラセボの24時間投与中及び注入終了から約24時間後に評価した。5-HTPのIV注入の安全性及び忍容性を、有害事象(AE)のモニタリング、標準的な臨床安全性検査(clinical safety laboratory test)、心電図(ECG)、バイタルサイン、及び自殺傾向の臨床尺度によって評価した。安全性集団には、全ての対象が含まれた。バイタルサイン測定には、収縮期血圧(mmHg)、拡張期血圧(mmHg)、心拍数(拍/分)、呼吸数(呼吸/分)、口腔温が含まれた。12誘導心電図測定は3重で行われた。記録されたパラメーターには、心拍数(拍/分)、PR(msec)、QRS(msec)、QTcF(msec)が含まれた。評価は、正常、臨床的に重要でない、又は臨床的に重要であると格付けされた。臨床検査には、全血球計算、化学検査パネル、凝固検査パネル、及び甲状腺刺激ホルモンが含まれた。
統計: 絶対値及びベースラインからの変化について記述統計量(n、平均値、SD、最小値、最大値)を算出した。
結果: 5-HTPのIV注入に関連した臨床安全性検査、バイタルサイン又は12誘導心電図に関する安全性所見は報告されなかった。
IV 5-HTPに関連すると見なされた有害事象(AE)は、実際、主に消化器系のもので、5-HTのメカニズムと一致して吐き気、嘔吐、下痢が含まれていた。報告されたその他の軽度有害事象には、めまい(2mg/kg/24hr傾斜速度注入でN=1)及び3mg/kg/24hr定速注入で軽度のセロトニン毒性(N=1)などの神経系障害;悪寒(2mg/kg/24hr傾斜速度注入でN=1)及びほてり(2mg/kg/24hr傾斜速度注入でN=1)などの全身障害;発疹(2mg/kg/24h傾斜速度注入でN=1)などの皮膚・皮下障害が含まれていた。全てのAEは、軽度から中等度の重症度であった。AEの発生率は、5-HTPのIV用量が多いほど、また5-HTP血漿中曝露量が100ng/mlを超えるほど多く見られた。5-HTP IV注入に関連した重篤な又は重度のAEは、どの対象においても観察されなかった。各コホート内で報告された5-HTP IV注入の忍容性不良に関連する有害事象(例えば、胃腸障害及びセロトニン毒性)を有する対象の数と割合は、以下の表12に示されている。AEの発生率は、概して用量依存的であった。AEの発生率は、注入流量の種類に依存していた。
定速注入: 一定流量の5-HTP IV注入では、1mg/kg/24hr群にAEはなかった。一方、3mg/kg/24hrの定速注入では、全ての対象で軽度のAEが記録された。これらのAEには、吐き気(6/6)、嘔吐(5/6)、下痢(1/6)が含まれた。用量3mg/kg/24hrでの5-HTPの定速IV注入では、1名の対象においては注入開始から1.5時間後に、もう1名の対象においては5.5時間後に、軽度の有害事象により治療を中止した。5.5時間後に5-HTP IV注入を止めた対象は、軽度のセロトニン毒性と診断されたが、注入中止後急速に回復した。これらの対象における血漿中5-HTP濃度の急激な上昇(1時間以内に250-300ng/ml)は忍容性の問題の発生に寄与する原因因子である可能性が高く、その結果、3mg/kg/24hrの用量の一定流量での5-HTP IV注入の中止となった。
傾斜速度の注入: 傾斜流量の-HTP IV注入を受けたコホートでは、軽度から中等度のAEが観察された。傾斜流量でのAEの発生率は、概して用量依存的であった。1mg/kg/24hrの用量では、軽度のAEには吐き気(1/5)と嘔吐(1/5)が含まれ、中等度のAEには吐き気(1/5)と嘔吐(1/5)が含まれた。2mg/kg/24hrの用量では、軽度のAEには吐き気(4/6)、嘔吐(4/6)、下痢(4/6)、悪寒(1/6)、めまい(1/6)が含まれた。3mg/kg/24hrの用量では、軽度のAEには吐き気(3/6)、嘔吐(2/6)、下痢(1/6)が含まれた。一定注入(constant infusion)による1mg/kg/24hr用量ではAEは認められなかったが、傾斜流量注入による1mg/kg/24hr用量では2名の対象においてAEが発生した。注目すべきは、傾斜流量1mg/kg/24hrの5-HTP IV注入で発生したAEは、112~266ng/mLの5-HTP血漿中濃度を伴って最高流量が55.55ml/hに達するまで発現しなかったことである。
同じ用量レベルの5-HTP IV注入における流量スキーム間のAE比較: 1mg/kg/24hrの用量では、定速注入でAEは認められなかった。一方、傾斜速度の注入では軽度及び中等度のAEが観察された。3mg/kg/24hrの用量では、定速の注入に比べ、傾斜速度の注入で観察されたAEは少なかった。したがって、用量1mg/kg/24hrでは、一定流量の注入の方が傾斜流量よりも忍容性が高いようであり、これは傾斜注入(ramped infusion)の場合のCMaxの方が高かったためと考えられる。逆に、3mg/kg/24hr用量では、傾斜流量の注入の方が一定流量よりも忍容性が高いようであり、これは一定流量が非常に速いTMax、すなわち早期に高い5-HTP血漿中濃度をもたらしたためと考えられる。
Figure 2024535585000018
実施例9
5-HTP IVの薬力学 - 血漿中コルチゾールの急激な増加
背景: 脳内5-HTExtを急性的に上昇させる化合物は、視床下部下垂体副腎軸を活性化し、副腎から血漿中へのコルチゾールの放出を誘導する可能性がある(Attenburrow et al, 2001; Demisch et al, 1986; Guan et al, 2020; Kapitany et al, 1999; Lowe et al, 2006; Meltzer et al, 1983; Sargent et al, 1998)。一般に、コルチゾールを増加させるためには、脳内5-HTExtの急激な増加が必要であり、セロトニンの増加が長く続くと、その効果は急速に鈍くなる(Mashchak et al, 1983)。したがって、血漿中コルチゾールの増加は、標的の関与、すなわち5-HTPが脳に到達して5-HTExtを増加させることを示す簡単なアッセイである。― この研究では、対象がSSRIのエスシタロプラムで治療されたため、セロトニン再取り込み阻害剤療法の効果を超えて5-HTExtが増加した。
方法: 総血漿中コルチゾール濃度(μg/dLで表す)が、標準的なイムノアッセイ法を用いて定量された。総血漿中コルチゾール濃度が、IV注入用5-HTP溶液又はプラセボの24時間注入期間中の複数の時点で測定された。総血漿中コルチゾール濃度が、注入開始前のベースライン(T=0)で測定された。血液試料はT=0で採取され、さらに注入開始後あらかじめ指定された時点(2、4、6、8、10、12、14、22、24時間)で採取された。薬力学集団には、5-HTP IVを受けて24時間の注入又はプラセボを完了した対象及びエスシタロプラム濃度が定量下限値を上回った対象が含まれた。
統計: ベースライン値からの変化は、記述統計量(n、算術平均、SD、CV)を用いて各時点について算出された。多重検定を考慮し、各時点とコホートについてANOVA+ダネット法によるp値の事後補正を用いて、実薬治療(active treatment)とプラセボの比較を行った。有意性はp<0.05に設定された。統計解析はSASソフトウェアバージョン9.4を使用して行われた。
結果と考察: 一定流量の5-HTP IV注入を受けた対象は、注入開始後2時間の時点で、プラセボと比較して、1mg/kg/24hr(p<0.01)及び3mg/kg/24hr(p<0.005)の5-HTP注入速度で血漿中コルチゾール濃度が有意に高かった。図4Aを参照。血漿中コルチゾール濃度は、24時間の注入期間を通じ(24時間の時点を除く)、プラセボと比較して3mg/kg/24hr群で有意に高いままであった。
傾斜流量で5-HTP IV注入を受けた対象は、注入開始後14時間の時点で、プラセボと比較して、2mg/kg/24hr(p<0.05)及び3mg/kg/24hr(p<0.0001)の5-HTP注入速度で血漿中コルチゾール濃度が有意に高かった。図4Bを参照。また、1mg/kg/24hrコホートの対象では、プラセボと比較して血漿中コルチゾール濃度が高い傾向がみられたが、その増加は統計学的に有意ではなかった(p=0.0751)。したがって、本研究における5-HTPの持続IV投与は、SSRIの効果を超える細胞外セロトニンの上昇という標的関与のエビデンスを示した。
参考文献
ここに列挙されている参考文献(全ての特許、特許出願及びその刊行物、並びに科学雑誌の論文を含むがこれらに限定されない)は、本明細書で採用される方法論、技術、及び/又は構成を補足し、説明し、背景を提供し、又は教示する限りにおいて、参照により全体が本明細書に援用される。
Attenburrow MJ,Mitter PR,Whale R,Terao T,Cowen PJ(2001).Low-dose citalopram as a 5-HT neuroendocrine probe.Psychopharmacology 155(3):323-326.
Birdsall TC(1998).5-Hydroxytryptophan:a clinically-effective serotonin precursor.Altern Med Rev 3(4):271-280.
Bowsher R.R.HDP(1986).Aromatic L-Amino Acid Decarboxylase.In:Boulton A.A.BGB,Yu P.H.(ed).Neurotransmitter Enzymes.Neuromethods (Series1:Neurochemistry),.Humana Press.Vol 5.
Demisch K,Demisch L,Bochnik HJ,Nickelsen T,Althoff PH,Schoffling K,et al(1986).Melatonin and cortisol increase after fluvoxamine.British journal of clinical pharmacology 22(5):620-622.
Dulay MS,Dulay JS(2020).Antiemetics:types,actions and uses.Br J Hosp Med(Lond)81(5):1-8.
Fu DJ,Ionescu DF,Li X,Lane R,Lim P,Sanacora G,et al(2020).Esketamine Nasal Spray for Rapid Reduction of Major Depressive Disorder Symptoms in Patients Who Have Active Suicidal Ideation With Intent:Double-Blind,Randomized Study(ASPIRE I).J Clin Psychiatry 81(3).
Gibbons RD,Brown CH,Hur K,Davis J,Mann JJ(2012).Suicidal thoughts and behavior with antidepressant treatment:reanalysis of the randomized placebo-controlled studies of fluoxetine and venlafaxine.Arch Gen Psychiatry 69(6):580-587.
Gijsman HJ,van Gerven JM,de Kam ML,Schoemaker RC,Pieters MS,Weemaes M,et al(2002).Placebo-controlled comparison of three dose-regimens of 5-hydroxytryptophan challenge test in healthy volunteers.J Clin Psychopharmacol 22(2):183-189.
Guan Z,Jacobs G,van Pelt H,Van Gerven JMA,Burggraaf J,Zhao W(2020).PK/PD modeling of 5-hydroxytryptophan(5-HTP) challenge test with cortisol measurement in serum and saliva.Pharmacol Res Perspect 8(2):e00574.
Haahr ME,Fisher PM,Jensen CG,Frokjaer VG,Mahon BM,Madsen K, et al(2014).Central 5-HT4 receptor binding as biomarker of serotonergic tonus in humans: a[11C]SB207145 PET study.Mol Psychiatry 19(4):427-432.
Jacobsen JP,Rudder ML,Roberts W,Royer EL,Robinson TJ,Oh A,et al(2016a).SSRI Augmentation by 5-Hydroxytryptophan Slow Release: Mouse Pharmacodynamic Proof of Concept.Neuropsychopharmacology 41(9): 2324-2334.
Jacobsen JPR,Krystal AD,Krishnan KRR,Caron MG(2016b).Adjunctive 5-Hydroxytryptophan Slow-Release for Treatment-Resistant Depression: Clinical and Preclinical Rationale.Trends Pharmacol Sci 37(11): 933-944.
Kapitany T,Schindl M,Schindler SD,Hesselmann B,Fureder T,Barnas C,et al(1999).The citalopram challenge test in patients with major depression and in healthy controls.Psychiatry Res 88(2):75-88.
Kelwala S,Stanley M,Gershon S (1983).History of antidepressants: successes and failures.J Clin Psychiatry 44(5 Pt 2): 40-48.
Levy A,Chen R(2016).Myoclonus: Pathophysiology and Treatment Options.Curr Treat Options Neurol 18(5):21.
Lowe SL,Yeo KP,Teng L,Soon DK, Pan A,Wise SD,et al(2006).L-5-Hydroxytryptophan augments the neuroendocrine response to a SSRI.Psychoneuroendocrinology 31(4):473-484.
Mashchak CA,Kletzky OA,Spencer C,Artal R(1983).Transient effect of L-5-hydroxytryptophan on pituitary function in men and women.J Clin Endocrinol Metab 56(1): 170-176.
Meltzer HY,Uberkoman-Wiita B,Robertson A,Tricou BJ,Lowy M(1983).Enhanced serum cortisol response to 5-hydroxytryptophan in depression and mania.Life Sci 33(25):2541-2549.
Murphy TK,Segarra A,Storch EA,Goodman WK(2008).SSRI adverse events:how to monitor and manage.International review of psychiatry(Abingdon,England) 20(2):203-208.
Nord M,Finnema SJ,Halldin C,Farde L(2013).Effect of a single dose of escitalopram on serotonin concentration in the non-human and human primate brain.Int J Neuropsychopharmacol 16(7):1577-1586.
Oquendo MA,Sullivan GM,Sudol K,Baca-Garcia E,Stanley BH,Sublette ME,et al(2014).Toward a biosignature for suicide.Am J Psychiatry 171(12):1259-1277.
Pereira VS,Hiroaki-Sato VA(2018).A brief history of antidepressant drug development: from tricyclics to beyond ketamine.Acta Neuropsychiatr 30(6):307-322.
Rao N(2007).The clinical pharmacokinetics of escitalopram.Clin Pharmacokinet 46(4):281-290.
Sargent PA,Williamson DJ,Cowen PJ(1998).Brain 5-HT neurotransmission during paroxetine treatment.Br J Psychiatry 172:49-52.
Smarius LJ,Jacobs GE,Hoeberechts-Lefrandt DH,de Kam ML,van der Post JP,de Rijk R,et al(2008).Pharmacology of rising oral doses of 5-hydroxytryptophan with carbidopa.J Psychopharmacol 22(4):426-433.
Smith BP,Vandenhende FR,DeSante KA,Farid NA,Welch PA,Callaghan JT,et al(2000).Confidence interval criteria for assessment of dose proportionality.Pharm Res 17(10):1278-1283.
Tang SJ,Nieto JM,Jensen DM,Ohning GV,Pisegna JR(2002).The novel use of an intravenous proton pump inhibitor in a patient with short bowel syndrome.J Clin Gastroenterol 34(1): 62-63.
Taylor MJ,Freemantle N,Geddes JR,Bhagwagar Z(2006).Early onset of selective serotonin reuptake inhibitor antidepressant action:systematic review and meta-analysis.Arch Gen Psychiatry 63(11):1217-1223.
Thombre AG(2005).Assessment of the feasibility of oral controlled release in an exploratory development setting.Drug Discov Today 10(17):1159-1166.
Trivedi MH,Rush AJ,Wisniewski SR,Nierenberg AA,Warden D,Ritz L,et al(2006).Evaluation of outcomes with citalopram for depression using measurement-based care in STARD:implications for clinical practice.Am J Psychiatry 163(1):28-40.
Turner EH,Loftis JM,Blackwell AD(2006).Serotonin a la carte:supplementation with the serotonin precursor 5-hydroxytryptophan.Pharmacol Ther 109(3):325-338.
van Hiele LJ(1980).l-5-Hydroxytryptophan in depression:the first substitution therapy in psychiatry?The treatment of 99 out-patients with ’therapy-resistant’depressions.Neuropsychobiology 6(4):230-240.
van Vliet IM,Slaap BR,Westenberg HG,Den Boer JA(1996).Behavioral,neuroendocrine and biochemical effects of different doses of 5-HTP in panic disorder.European neuropsychopharmacology:the journal of the European College of Neuropsychopharmacology 6(2):103-110.
Vigliante I,Mannino G,Maffei ME(2019).Chemical Characterization and DNA Fingerprinting of Griffonia simplicifolia Baill.Molecules 24(6).
Westenberg HG,Gerritsen TW,Meijer BA,van Praag HM(1982).Kinetics of l-5-hydroxytryptophan in healthy subjects.Psychiatry Res 7(3):373-385.
Yousefzadeh F,Sahebolzamani E,Sadri A,Mortezaei A,Aqamolaei A,Mortazavi SH,et al(2020).5-Hydroxytryptophan as adjuvant therapy in treatment of moderate to severe obsessive-compulsive disorder:a double-blind randomized trial with placebo control.Int Clin Psychopharmacol 35(5):254-262.
Zalsman G,Hawton K,Wasserman D,van Heeringen K,Arensman E,Sarchiapone M,et al(2016).Suicide prevention strategies revisited:10-year systematic review.Lancet Psychiatry 3(7):646-659.
米国特許第8969400号。
米国特許第9468627号。
米国特許出願公開第2021/0361566号。
本開示の主題の様々な詳細は、本開示の主題の範囲から逸脱することなく変更できることが理解されるであろう。さらに、前述の説明は例示のみを目的としており、限定を目的としたものではない。

Claims (45)

  1. 必要とする対象において脳内の細胞外5-ヒドロキシトリプタミン(5-HTExt)を上昇させる方法であって、約4時間以上持続する注入治療期間にわたる持続静脈内(IV)注入として、前記対象に、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を、注入治療期間平均で体重1キログラム当たり毎時約0.01ミリグラム(mg/kg/hr)~約0.125mg/kg/hrの5-HTP注入速度で投与することを含み、前記投与することは、無限に外挿された血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCInf、単位:時間×1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml))としての、注入治療期間にわたって投与される5-HTPの総用量(単位:mg/kg)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量をもたらす、方法。
  2. 5-HTP注入速度が注入治療期間を通して一定である、請求項1に記載の方法。
  3. 5-HTP注入速度が約0.0417mg/kg/hrであり、前記投与することが、約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす、請求項2に記載の方法。
  4. 5-HTP注入速度が約0.0833mg/kg/hrであり、前記投与することが、約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす、請求項2に記載の方法。
  5. 5-HTP注入速度が約0.125mg/kg/hrであり、前記投与することが、約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす、請求項2に記載の方法。
  6. 5-HTP注入速度が注入治療期間を通して変動する、請求項1に記載の方法。
  7. 持続IV注入が、注入治療期間の第1の部分については第1の5-HTP注入速度で、注入治療期間の第2の部分については第2の5-HTP注入速度で行われ、第1の5-HTP注入速度は第2の5-HTP注入速度よりも遅い、請求項6に記載の方法。
  8. 注入治療期間が約4時間~約24時間である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 注入治療期間が約24時間であり、投与される5-HTPの総用量が約1mg/kg~約3mg/kgである、請求項8に記載の方法。
  10. 注入治療期間が24時間より長い、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記対象に5-HTExt上昇化合物を投与することをさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 5-HTExt上昇化合物がセロトニン再取り込み阻害剤であり、前記対象はセロトニン再取り込み阻害剤で同時に治療されている、且つ/又はセロトニン再取り込み阻害剤で前治療されていた、請求項11に記載の方法。
  13. 前記投与することが、前記対象における血漿中コルチゾール濃度の、5-HTPの持続IV注入で治療されていない対象と比較した増加をもたらす、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 5-HTPの持続IV注入の投与に関連する重度及び中等度の有害作用がない、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記対象への末梢デカルボキシラーゼ阻害剤の投与がない、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記対象に制吐薬を投与することをさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 制吐薬が5-HT受容体アンタゴニストである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記対象が、神経障害又は精神障害のための治療を必要とするヒトである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 神経障害又は精神障害が、自殺念慮であるか又は気分障害の急性悪化である、請求項18に記載の方法。
  20. 治療効果を維持するために、注入治療期間の終了後に前記対象に追加の治療を投与することをさらに含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 追加の治療が、5-HTPを含む徐放性製剤の投与を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 追加の治療の投与が、注入治療期間の終了から約24時間以内に開始される、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 自殺念慮又は気分障害の急性悪化を治療する方法における使用のための組成物であって、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)を含み、約4時間以上持続する注入治療期間にわたる持続静脈内(IV)注入として、注入治療期間平均で体重1キログラム当たり毎時約0.01ミリグラム(mg/kg/hr)~約0.125mg/kg/hrの5-HTP注入速度で投与され、投与が、無限に外挿された血漿中濃度‐時間曲線下面積(AUCInf、単位:時間×1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml))としての、注入期間にわたって投与される5-HTPの総用量(単位:mg/kg)の約3500倍の5-HTP血漿中曝露量をもたらす、使用のための組成物。
  24. 5-HTP注入速度が注入治療期間を通して一定である、請求項23に記載の使用のための組成物。
  25. 5-HTP注入速度が約0.0417mg/kg/hrであり、前記投与が、約100ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす、請求項24に記載の使用のための組成物。
  26. 5-HTP注入速度が約0.0833mg/kg/hrであり、前記投与が、約200ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす、請求項24に記載の使用のための組成物。
  27. 5-HTP注入速度が約0.125mg/kg/hrであり、前記投与が、約300ng/mlの定常状態の5-HTP血漿中濃度をもたらす、請求項24に記載の使用のための組成物。
  28. 5-HTP注入速度が注入治療期間にわたって変動する、請求項23に記載の使用のための組成物。
  29. 持続IV注入が、注入治療期間の第1の部分については第1の5-HTP注入速度で、注入治療期間の第2の部分については第2の5-HTP注入速度で行われ、第1の5-HTP注入速度は第2の5-HTP注入速度よりも遅い、請求項28に記載の使用のための組成物。
  30. 注入治療期間が約4時間~約24時間である、請求項23から29のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  31. 注入治療期間が約24時間であり、投与される5-HTPの総用量が約1mg/kg~約3mg/kgである、請求項30に記載の使用のための組成物。
  32. 注入治療期間が24時間より長い、請求項23から29のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  33. 対象に細胞外5-HT(5-HTExt)上昇化合物を投与することをさらに含む、請求項23から32のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  34. 5-HTExt上昇化合物がセロトニン再取り込み阻害剤であり、前記対象がセロトニン再取り込み阻害剤で同時に治療されている、且つ/又はセロトニン再取り込み阻害剤で前治療されていた、請求項33に記載の使用のための組成物。
  35. 前記投与が、対象における血漿中コルチゾール濃度の、5-HTPの持続IV注入で治療されていない対象と比較した増加をもたらす、請求項23から34のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  36. 前記方法が、5-HTPの投与に関連する重度及び中等度の有害作用がない、請求項23から35のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  37. 前記方法が、対象への末梢デカルボキシラーゼ阻害剤の投与がない、請求項23から36のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  38. 前記方法が、対象に制吐薬を投与することをさらに含む、請求項23から37のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  39. 前記制吐薬が5-HT受容体アンタゴニストである、請求項38に記載の使用のための組成物。
  40. 治療効果を維持するために、注入治療期間の終了後に対象に追加の治療を投与することをさらに含む、請求項23から39のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  41. 前記追加の治療が、5-HTPを含む徐放性製剤の投与を含む、請求項40に記載の使用のための組成物。
  42. 前記追加の治療の投与が、注入治療期間の終了から約24時間以内に開始される、請求項40又は41に記載の使用のための組成物。
  43. 哺乳動物の脳内の細胞外5-ヒドロキシトリプタミン(5-HTExt)を上昇させるための持続静脈内(IV)注入のための注入液の調製における使用のための安定な薬剤溶液であって、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)と水とを含み、不活性ガス又は窒素下、暗所において5℃で保存して少なくとも12ヶ月間安定である、安定な薬剤溶液。
  44. 自殺念慮又は気分障害の急性悪化を治療するための持続静脈内(IV)注入のための注入液の調製における使用のための安定な薬剤溶液であって、5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)と水とを含み、不活性ガス又は窒素下、暗所において5℃で保存して少なくとも12ヶ月間安定である、安定な薬剤溶液。
  45. 1ミリリットル当たり約5ミリグラムの5-HTP濃度を有する、請求項44に記載の安定な薬剤溶液。
JP2024522060A 2021-10-14 2022-10-14 脳内5-ヒドロキシトリプタミンの機能を治療目的で最適化する方法 Pending JP2024535585A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163255647P 2021-10-14 2021-10-14
US63/255,647 2021-10-14
PCT/US2022/046782 WO2023064598A1 (en) 2021-10-14 2022-10-14 A method for optimizing 5-hydroxytryptamine function in the brain for therapeutic purposes

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024535585A true JP2024535585A (ja) 2024-09-30

Family

ID=85982201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024522060A Pending JP2024535585A (ja) 2021-10-14 2022-10-14 脳内5-ヒドロキシトリプタミンの機能を治療目的で最適化する方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11779567B2 (ja)
EP (1) EP4392031A1 (ja)
JP (1) JP2024535585A (ja)
WO (1) WO2023064598A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2024535585A (ja) 2021-10-14 2024-09-30 エヴェクシア セラピューティクス, インク. 脳内5-ヒドロキシトリプタミンの機能を治療目的で最適化する方法

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4140755A (en) 1976-02-13 1979-02-20 Hoffmann-La Roche Inc. Sustained release tablet formulations
US4191184A (en) 1977-01-06 1980-03-04 Carlisle Jeffrey A Intravenous infusion regulation system with reciprocal metering means
US4658038A (en) 1982-10-07 1987-04-14 Research Foundation For Mental Hygiene, Inc. N-acylated 5-hydroxytryptophan amide derivatives
IL87710A (en) 1987-09-18 1992-06-21 Ciba Geigy Ag Covered floating retard form for controlled release in gastric juice
FR2654931B1 (fr) 1989-11-24 1993-08-27 Trouillas Paul Compositions pharmaceutiques possedant une activite sur l'ataxie et les troubles de l'equilibre, cerebelleux ou autres, de toutes origines, comprenant l'association de l-5-hydroxytryptophane et de carbidopa.
IT1282650B1 (it) 1996-02-19 1998-03-31 Jagotec Ag Compressa farmaceutica,caratterizzata da elevato aumento di volume a contatto con liquidi biologici
US6635280B2 (en) 1997-06-06 2003-10-21 Depomed, Inc. Extending the duration of drug release within the stomach during the fed mode
AU729529B2 (en) 1997-06-06 2001-02-01 Depomed, Inc. Gastric-retentive oral drug dosage forms for controlled release of highly soluble drugs
IN186245B (ja) 1997-09-19 2001-07-14 Ranbaxy Lab Ltd
EA003101B1 (ru) 1998-03-19 2002-12-26 Бристол-Майерз Сквибб Компани Двухфазная система доставки с регулируемым высвобождением для фармацевтических средств с высокой растворимостью и способ лечения диабета с помощью этой системы
US6488962B1 (en) 2000-06-20 2002-12-03 Depomed, Inc. Tablet shapes to enhance gastric retention of swellable controlled-release oral dosage forms
US7674480B2 (en) 2000-06-23 2010-03-09 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Rapidly expanding composition for gastric retention and controlled release of therapeutic agents, and dosage forms including the composition
US6723340B2 (en) 2001-10-25 2004-04-20 Depomed, Inc. Optimal polymer mixtures for gastric retentive tablets
CA2409552A1 (en) 2001-10-25 2003-04-25 Depomed, Inc. Gastric retentive oral dosage form with restricted drug release in the lower gastrointestinal tract
TWI312285B (en) 2001-10-25 2009-07-21 Depomed Inc Methods of treatment using a gastric retained gabapentin dosage
US7094427B2 (en) 2002-05-29 2006-08-22 Impax Laboratories, Inc. Combination immediate release controlled release levodopa/carbidopa dosage forms
US20060013875A1 (en) 2002-05-29 2006-01-19 Impax Laboratories, Inc. Combination immediate release controlled release levodopa/carbidopa dosage forms
CA2499979C (en) 2002-09-28 2012-09-11 Mcneil-Ppc, Inc. Immediate release dosage form comprising shell having openings therein
AU2003293423A1 (en) 2002-12-06 2004-06-30 Xenoport, Inc. Carbidopa prodrugs and uses thereof
ITMI20041689A1 (it) 2004-09-01 2004-12-02 Bojidar Mihaylov Stankov Nuove formulazioni di rilascio controllato contenenti 5-idrossitriptofano e triptofano
WO2008058288A2 (en) 2006-11-09 2008-05-15 Proprius Pharmaceuticals, Inc. Sustained release methotrexate formulations and methods of use thereof
KR20080076382A (ko) 2007-02-15 2008-08-20 (주)아모레퍼시픽 실로스타졸의 제어방출 제제 및 그 제조방법
EP1980743B1 (en) 2007-04-10 2015-09-09 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel pump driving device
EP2205231A1 (en) 2007-10-01 2010-07-14 NeuroSearch A/S Pharmaceutical compositions of 5-hydr0xytrypt0phan and serotonin-enhancing compound
KR101601649B1 (ko) 2008-04-18 2016-03-09 인텍 파마 리미티드 카르비도파/레보도파 위체류 약물 전달
ZA200903854B (en) 2008-06-19 2011-02-23 Univ Of The Witwatesrand Johannesburg A gastroretentive pharmaceutical dosage form
AU2009281752B2 (en) 2008-08-15 2016-11-17 Depomed Inc. Gastric retentive pharmaceutical compositions for treatment and prevention of CNS disorders
US20110287096A1 (en) 2010-05-18 2011-11-24 Abon Pharmaceuticals, Llc Modified gastroretentive drug delivery system for amine drugs
IN2012MN02923A (ja) 2010-06-01 2015-06-05 Rubicon Res Private Ltd
ES2703255T3 (es) * 2010-10-22 2019-03-07 Univ Duke Formulaciones de liberación lenta de 5-hidroxitriptófano como un complemento para terapias pro-serotoninérgicas
CN103554005A (zh) 2013-11-22 2014-02-05 长沙理工大学 一种左旋5-羟基色氨酸的简便合成新方法
US20170266112A1 (en) 2014-06-11 2017-09-21 Massachusetts Institute Of Technology Residence structures and related methods
AU2016342374B2 (en) 2015-10-23 2022-08-04 Lyndra Therapeutics, Inc. Gastric residence systems for sustained release of therapeutic agents and methods of use thereof
US11337963B2 (en) 2018-01-29 2022-05-24 Duke University Compositions and methods of enhancing 5-hydroxytryptophan bioavailability
MX2020013654A (es) 2018-06-19 2021-03-25 Nat Univ Singapore Formulaciones de 5-hidroxitriptofano (5-htp) para mejor biodisponibilidad para diversas indicaciones.
WO2020014334A1 (en) 2018-07-11 2020-01-16 Duke University Use of sustained-release 5-hydroxytryptophan in treating gastrointestinal disorders
EP4362919A1 (en) 2021-07-30 2024-05-08 Evecxia Therapeutics, Inc. 5-hydroxytryptophan gastroretentive dosage forms
JP2024535585A (ja) 2021-10-14 2024-09-30 エヴェクシア セラピューティクス, インク. 脳内5-ヒドロキシトリプタミンの機能を治療目的で最適化する方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023064598A1 (en) 2023-04-20
US11779567B2 (en) 2023-10-10
EP4392031A1 (en) 2024-07-03
US20230121229A1 (en) 2023-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240000728A1 (en) Esketamine for the treatment of depression
JP2022058688A (ja) てんかん性障害の処置のための方法および組成物
EP1980271A1 (en) Medicine for transnasal administration
US20210196653A1 (en) Delivery Of Esketamine For The Treatment Of Depression
US11883526B2 (en) Esketamine for the treatment of depression
US20200188358A1 (en) Methods for the treatment of depression
US20230233537A1 (en) Compositions and Kits of Parts Comprising N,N-Dimethyltryptamine and Harmine and Their Use in Therapy
US20230121313A1 (en) Intranasal administration of esketamine
US20220241253A1 (en) Use of gaboxadol in the treatment of substance use disorders
US9511037B2 (en) Compositions for reduction of side effects
JP2024535585A (ja) 脳内5-ヒドロキシトリプタミンの機能を治療目的で最適化する方法
CA3238102A1 (en) Treating liver disorders with an ssao inhibitor
US20230346718A1 (en) Method of treating, ameliorating and/or preventing depression
EP3820472A1 (en) Treatment of the pruritic symptoms of liver disease
WO2021038500A2 (en) Esketamine for the treatment of patients with major depressive disorder, including suicidality
TWI857310B (zh) 酮咯酸胺丁三醇的液體組合物、其製備方法及應用
TW202406555A (zh) 治療患有與增加的麩胺酸水平相關的疾病狀況或病症的患者的方法
Walsh Antihistamines (H1 receptor antagonists)
JP2019507792A (ja) 関節リウマチを治療および予防するための組成物