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JP2024528202A - 遺伝子修飾のための組成物及び方法 - Google Patents

遺伝子修飾のための組成物及び方法 Download PDF

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JP2024528202A
JP2024528202A JP2024506631A JP2024506631A JP2024528202A JP 2024528202 A JP2024528202 A JP 2024528202A JP 2024506631 A JP2024506631 A JP 2024506631A JP 2024506631 A JP2024506631 A JP 2024506631A JP 2024528202 A JP2024528202 A JP 2024528202A
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Abstract

本明細書で提供されるのは、複数の修飾(例えば、挿入又は欠失)を有する遺伝子操作細胞を作製する方法、当該方法によって産生される細胞及び細胞集団、かかる遺伝子操作細胞を、対象、例えば、造血器悪性腫瘍を有する対象に投与することを伴う方法である。

Description

関連出願
本出願は、2021年8月2日に出願された米国仮特許出願第63/228,548号、2021年8月4日に出願された米国仮特許出願第63/229,484号、2022年5月12日に出願された米国仮特許出願第63/341,346号、及び2022年5月27日に出願された米国仮特許出願第63/346,819号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、その全体が参照により組み込まれる。
電子配列表の参照
電子配列表(V029170018WO00-SEQ-CEW.xml、サイズ:47,752バイト、及び作成日:2022年8月2日)の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)/Casシステムは、細胞における標的遺伝子編集のためのプラットフォームを提供する。使用するシステム及び関連ツールの多用途性にもかかわらず、オフターゲット効果、転座事象のリスク、及び潜在的な悪性腫瘍などの、CRISPR/Casシステムを使用した遺伝子修飾に関連するいくつかの潜在的なリスクが存在する。これらの課題は、治療用途におけるCRISPR/Casシステムの使用に関する安全性の懸念である。
本開示の態様は、複数の遺伝子修飾を含む遺伝子操作細胞を生成するための方法を提供し、これは、例えば、治療アプローチの使用に使用され得る。本明細書で提供される方法は、細胞のゲノムにおいて複数の遺伝子修飾を行う有害な効果を低減することを目的とする。一態様では、本開示は、遺伝子修飾の連続的な順序が細胞中に複数の修飾を生じさせ、転座産物を生成するリスクを最小化するという発見に関する。理論に束縛されることを望むものではないが、細胞内でゲノムDNAにおける複数の切断が共存する時間を低減させることは、転座産物の産生を減少し得ると考えられる。ゲノムDNAの切断は、様々な細胞DNA修復プロセスによって認識及び修復することができ、特定の切断(例えば、特定のゲノム遺伝子座の切断、特定の遺伝子編集プロセスによって産生される切断)は、特定の細胞DNA修復プロセスによって優先的に認識され、他のDNA修復プロセスによって認識及び修復された切断と比較して、より迅速に修復され得ると考えられる。ゲノムDNAの切断期間及び修復速度は、切断を認識/修復する細胞DNA修復プロセスによって影響され得る。本開示は、部分的に、ゲノムDNA中に第1の切断を導入する第1の修飾ステップと、ゲノムDNA中に第2の切断を導入する第2の修飾ステップと、を含む、方法を対象とし、第1の切断は、第2の切断の導入前に実質的に修復又は分解される(例えば、遺伝子修飾が産生される)。いくつかの実施形態では、第1の切断は、例えば、他のDNA修復プロセスと比較して、切断を迅速に分解/修復するDNA修復プロセスによって認識される。いくつかの実施形態では、導入される第2の切断は、例えば、他のDNA修復プロセスと比較して、よりゆっくりと切断を分解/修復するDNA修復プロセスによって認識される。
本開示の態様は、a)複数の細胞を、(i)第1の標的配列と結合する第1の標的化ドメインを含む第1のgRNA、及び(ii)第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、それにより、第1のgRNAが(ii)のRNAガイドヌクレアーゼと第1のリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成及び/又は維持し、第1のRNP複合体が第1の標的配列と結合するのに好適な条件下で、第1のRNP複合体を形成することと、b)複数の細胞を、(iii)第2の標的配列と結合する第2の標的化ドメインを含む第2のgRNA、及び(iv)第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼと第2のRNP複合体を形成及び/又は維持し、第2のRNP複合体が第2の標的配列と結合することと、を含み、それにより、第1の標的配列の遺伝子修飾及び第2の標的配列の遺伝子修飾を含む遺伝子操作細胞の集団を産生し、第1の標的化ドメインが、第2の標的化ドメインと同一ではない、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、第1の標的配列の遺伝子修飾は、第1のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位での若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなり、及び/あるいは第2の標的配列の遺伝子修飾は、第2のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位のすぐ近位での挿入又は欠失からなる。いくつかの実施形態では、方法は、転座産物細胞の集団を産生し、亜集団の各細胞は、第1の標的配列を含むゲノムの一部、第2の標的配列を含むゲノムの一部、又はその両方を含む転座産物を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、複数の細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、複数の細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、方法は、複数の細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、複数の細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、方法は、複数の細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、方法は、複数の細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する。
いくつかの実施形態では、(i)及び(ii)を含む第1のRNP複合体の第1の標的配列との結合は、非相同末端結合(NHEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす。いくつかの実施形態では、(i)及び(ii)を含むRNP複合体の第1の標的配列との結合は、高速分解二本鎖切断を生じさせる。いくつかの実施形態では、(iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合は、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす。いくつかの実施形態では、(iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合は、緩徐分解二本鎖切断を生じさせる。
いくつかの実施形態では、第1の標的配列は、第1の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する。いくつかの実施形態では、第1の標的配列のゲノム修飾は、第1の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第1の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす。
いくつかの実施形態では、第1の遺伝子は、第1の系統特異的細胞表面抗原をコードする。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の標的配列は、第2の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する。いくつかの実施形態では、第2の標的配列のゲノム修飾は、第2の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第2の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす。いくつかの実施形態では、第2の遺伝子は、第2の系統特異的細胞表面抗原をコードする。いくつかの実施形態では、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD33である。いくつかの実施形態では、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD19、CD5、又はCLL-1である。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD5である。いくつかの実施形態では、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD33である。
いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD33であり、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CLL-1である。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CLL-1であり、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD33である。
いくつかの実施形態では、ステップ(b)とステップ(c)との間の時間間隔は、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、又は36時間である。
いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、CRISPR/Casヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、spCasヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、saCasヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼである。
いくつかの実施形態では、(a)の接触させることは、(i)及び(ii)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含み、及び/又は(b)の接触させることは、(iii)及び(iv)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体は、エレクトロポレーションを介して細胞に導入される。いくつかの実施形態では、(a)の接触させることは、(i)及び/若しくは(ii)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含み、かつ/又は(b)の接触させることは、(iii)及び/若しくは(iv)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含む。
いくつかの実施形態では、(i)の第1のgRNA及び/又は(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸は、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である。いくつかの実施形態では、(iii)の第2のgRNA及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸は、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である。いくつかの実施形態では、第1のgRNA及び/又は第2のgRNAは、化学修飾された1つ以上のヌクレオチド残基を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のgRNAは、2’O-メチル部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のgRNAは、ホスホロチオエートを含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のgRNAは、チオPACE部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む。
いくつかの実施形態では、細胞は、造血細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、造血幹細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、造血前駆細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、免疫エフェクター細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、リンパ球である。いくつかの実施形態では、細胞は、Tリンパ球である。いくつかの実施形態では、細胞は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、幹細胞である。いくつかの実施形態では、幹細胞は、胚性幹細胞(ESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)、間葉系幹細胞、又は組織特異的幹細胞からなる群から選択される。
本開示の態様は、a)細胞を、(i)第1の標的配列と結合する第1の標的化ドメインを含む第1のgRNA、及び(ii)第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、それにより、(i)の第1のgRNAが(ii)のRNAガイドヌクレアーゼと第1のリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成及び/又は維持し、RNP複合体が細胞のゲノム中の第1の標的配列と結合するのに好適な条件下で、第1のRNP複合体を形成することと、b)細胞を、(iii)第2の標的配列と結合する第2の標的化ドメインを含む第2のgRNA、及び(iv)第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、それにより、(iii)の第2のgRNAが(iv)のRNAガイドヌクレアーゼと第2のリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成及び/又は維持し、第2のRNP複合体が細胞のゲノム中の第2の標的配列と結合するのに好適な条件下で、第2のRNP複合体を形成することと、を含み、ステップ(a)及び(b)が、時間間隔を隔てて、連続的に、時間的に近接して実施され、第1の標的化ドメインが、第2の標的化ドメインとは異なる、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、第1の標的配列の遺伝子修飾は、第1のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位での若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなり、及び/あるいは第2の標的配列の遺伝子修飾は、第2のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位のすぐ近位での挿入又は欠失からなる。いくつかの実施形態では、方法は、転座産物細胞の亜集団を産生し、亜集団の各細胞は、第1の標的配列を含むゲノムの一部、第2の標的配列を含むゲノムの一部、又はその両方を含む転座産物を含む。いくつかの実施形態では、方法は、細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、方法は、細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、方法は、細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、方法は、細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する。
いくつかの実施形態では、(i)及び(ii)を含む第1のRNP複合体の第1の標的配列との結合は、非相同末端結合(NHEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす。いくつかの実施形態では、(i)及び(ii)を含むRNP複合体の第1の標的配列との結合は、高速分解二本鎖切断を生じさせる。いくつかの実施形態では、(iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合は、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす。いくつかの実施形態では、(iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合は、緩徐分解二本鎖切断を生じさせる。
いくつかの実施形態では、第1の標的配列は、第1の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する。いくつかの実施形態では、第1の標的配列のゲノム修飾は、第1の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第1の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす。
いくつかの実施形態では、第1の遺伝子は、第1の系統特異的細胞表面抗原をコードする。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の標的配列は、第2の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する。いくつかの実施形態では、第2の標的配列のゲノム修飾は、第2の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第2の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす。いくつかの実施形態では、第2の遺伝子は、第2の系統特異的細胞表面抗原をコードする。いくつかの実施形態では、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD33である。いくつかの実施形態では、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD19、CD5、又はCLL-1である。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD5である。いくつかの実施形態では、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD33である。
いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD33であり、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CLL-1である。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CLL-1であり、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD33である。
いくつかの実施形態では、ステップ(b)とステップ(c)との間の時間間隔は、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、又は36時間である。
いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、CRISPR/Casヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、spCasヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、saCasヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、CRISPR/Casヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、(ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼである。
いくつかの実施形態では、(a)の接触させることは、(i)及び(ii)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含み、及び/又は(b)の接触させることは、(iii)及び(iv)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含む。いくつかの実施形態では、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体は、エレクトロポレーションを介して細胞に導入される。いくつかの実施形態では、(a)の接触させることは、(i)及び/若しくは(ii)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含み、かつ/又は(b)の接触させることは、(iii)及び/若しくは(iv)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含む。
いくつかの実施形態では、(i)の第1のgRNA及び/又は(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸は、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である。いくつかの実施形態では、(iii)の第2のgRNA及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸は、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である。いくつかの実施形態では、第1のgRNA及び/又は第2のgRNAは、化学修飾された1つ以上のヌクレオチド残基を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のgRNAは、2’O-メチル部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のgRNAは、ホスホロチオエートを含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のgRNAは、チオPACE部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む。
いくつかの実施形態では、細胞は、造血細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、造血幹細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、造血前駆細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、免疫エフェクター細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、リンパ球である。いくつかの実施形態では、細胞は、Tリンパ球である。いくつかの実施形態では、細胞は、NK細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、幹細胞である。いくつかの実施形態では、幹細胞は、胚性幹細胞(ESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)、間葉系幹細胞、又は組織特異的幹細胞からなる群から選択される。
本開示の態様は、本明細書に記載される方法のうちのいずれかによって産生される、遺伝子操作細胞、又はその子孫を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される方法のうちのいずれかによって取得される、又はそれによって取得可能である、複数の細胞を含む、細胞集団を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される細胞若しくはその子孫、又は細胞集団のうちのいずれかを含む、医薬組成物を提供する。
本開示の態様は、投与することを必要とする対象に、本明細書に記載される細胞若しくはその子孫のうちのいずれか、又は本明細書に記載される細胞集団若しくは医薬組成物のうちのいずれかを投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞若しくはその子孫、又は細胞集団の細胞は、野生型対応細胞と比較した第1の遺伝子に対する修飾、及び野生型対応細胞と比較した第2の遺伝子に対する修飾を含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする治療有効量の少なくとも1つの薬剤を対象に投与することを更に含み、薬剤は、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物と結合する抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、本明細書に記載される細胞、若しくはその子孫のうちのいずれか、又は細胞集団のうちのいずれかの投与と同時に、あるいは時間的に近接して生じる。
いくつかの実施形態では、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、本明細書に記載される細胞、若しくはその子孫のうちのいずれか、又は細胞集団のうちのいずれかの投与後に生じる。いくつかの実施形態では、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、本明細書に記載される細胞、若しくはその子孫のうちのいずれか、又は細胞集団のうちのいずれかの投与前に生じる。
いくつかの実施形態では、方法は、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする治療有効量の少なくとも1つの薬剤を対象に投与することを更に含み、薬剤は、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物と結合する抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、本明細書に記載される細胞、若しくはその子孫のうちのいずれか、又は細胞集団のうちのいずれかの投与と同時に、あるいは時間的に近接して生じる。いくつかの実施形態では、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、本明細書に記載される細胞、若しくはその子孫のうちのいずれか、又は細胞集団のうちのいずれかの投与後に生じる。いくつかの実施形態では、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、本明細書に記載される細胞、若しくはその子孫のうちのいずれか、又は細胞集団のうちのいずれかの投与前に生じる。
いくつかの実施形態では、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与と同時に、又は時間的に近接して生じる。
いくつかの実施形態では、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与後に生じる。いくつかの実施形態では、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与前に生じる。
いくつかの実施形態では、第1の遺伝子若しくはその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤、及び/又は第2の遺伝子若しくはその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤は、細胞傷害性薬剤である。いくつかの実施形態では、細胞傷害性薬剤は、抗体-薬物複合体、又はキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫エフェクター細胞である。
いくつかの実施形態では、対象は、修飾遺伝子又はその野生型コピーを発現する細胞に関連する疾患を有する。いくつかの実施形態では、対象は、がん幹細胞に関連するがんを有する。いくつかの実施形態では、対象は、造血器悪性腫瘍を有する。いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫疾患を有する。
上記の要約は、本明細書に開示される技術の実施形態、利点、特徴、及び使用のいくつかを非限定的な様式で説明することを意図している。本明細書に開示される技術のその他の実施形態、利点、特徴、及び使用は、詳細な説明、図面、実施例、及び特許請求の範囲から明らかとなる。
図1は、細胞(例えば、CD34+細胞)を解凍して40時間インキュベートし、次いで、「EP1」と呼ばれる第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションする例示的な実験デザインの概略図を示す。30時間後、細胞に、EP2と呼ばれる第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした。次いで、細胞を収集して、例えば、定性的及び定量的の両方の転座アッセイを使用して、オンターゲット編集及び転座産物の存在を評価する。 図2A及び2Bは、図1に示される実験デザインに基づいて、CD34+HSCにおいて測定された生存率及び編集効率を示す。細胞群を、図1に示すように、gRNA及びCas9ヌクレアーゼと同時に、若しくは第1のgRNA及びCas9ヌクレアーゼ、続いて第2のgRNA及びCas9ヌクレアーゼで連続してエレクトロポレーションするか、又はモックエレクトロポレーションした。図2Aは、第1のエレクトロポレーション(「第1のzap」)後の示された時点での生存率分析を示す。 図2Bは、CD19又はCD33のオンターゲット編集効率のパーセントを示す。「Si CD33+CD19」は、CD33を標的とするgRNA、並びにCD19及びCas9ヌクレアーゼを標的とするgRNAと同時にエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Se CD33>CD19」は、CD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第1のgRNA、続いてCD19及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第2のgRNAを連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Se CD19>CD33」は、CD19及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第1のgRNA、続いてCD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第2のgRNAを連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する。あるいは、細胞に、CD19又はCD33、及びCas9ヌクレアーゼを標的とするgRNAをエレクトロポレーションし、30時間又は60時間で評価した。細胞の各群に対するオンターゲット編集効率のパーセントを、各カラムの上方に示す。図2Bでは、各編集スキームについて、左のカラムはCD19編集(アスタリスクで示す)に対応し、右のカラムはCD33編集に対応する。 図3は、2つのゲノム遺伝子座での遺伝子編集によって産生される二本鎖切断間のDNA修復事象によって産生される可能性のある転座産物の概略図を示す。左に、CD19をコードする染色体領域及びCD33をコードする染色体領域を示す。それぞれの標的を標的とするgRNAの位置は、三角形で示されている。標的領域にわたるプライマー対の位置を矢印で示し、CD19については3及び2、CD33については5及び8として標識する。右には、アセントリック、ダイセントリック、及びバランス型などを含む潜在的な転座産物が示されており、産物の各々を識別するために使用されるプライマー対を示している。 図4A~4Cは、図1に示す実験デザインに基づいて、CD34+HSCにおいて測定された転座分析及び編集効率を示す。図4Aは、HPRTに対して正規化された標的を用いた定性的転座分析の結果を示す。 図4Bは、基準に対して正規化された転座種のパーセンテージを示す。転座分析については、細胞の各群について、左のカラムはプライマー5及び2を使用して検出された転座産物(ダイセントリック転座産物)に対応し、右のカラムはプライマー8及び2を使用して検出された転座産物(バランス型転座産物)に対応する。図4Cは、CD19又はCD33のオンターゲット編集効率のパーセンテージを示す。「Si CD33+CD19」は、CD33を標的とするgRNA、並びにCD19及びCas9ヌクレアーゼを標的とするgRNAと同時にエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Se CD33>CD19」は、CD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第1のgRNA、続いてCD19及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第2のgRNAを連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Se CD19>CD33」は、CD19及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第1のgRNA、続いてCD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第2のgRNAを連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図5A及び5Bは、CD33及びCD19遺伝子編集の対立遺伝子頻度を示す。図5Aは、高頻度の-1インデルを有し、非相同末端結合(NHEJ)修復を示す、示されたgRNAによるCD33遺伝子編集から生じる対立遺伝子のアラインメントを示す。 図5Bは、高頻度の-6及び-9インデルを有し、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)修復を示す、示されたgRNAによるCD19遺伝子編集から生じる対立遺伝子のアラインメントを示す。 図6A~6Cは、遺伝子編集の時系列及び編集反応の動態が転座産物の産生において役割を果たし得る、予測シナリオの概略図を示す。図6Aは、第1のgRNA及び第2のgRNAが同時に(左)又は連続的に(右)細胞に送達される予測シナリオを示す。左では、第1のgRNA及びCRISPR/Casヌクレアーゼを含む第1のリボ核タンパク質複合体(RNP1)、並びに第2のgRNA及びCRISPR/Casヌクレアーゼを含む第2のRNP複合体(RNP2)の送達により、2つの二本鎖切断(DSB)が生じ、これは異なる動態で修復され、第1の標的(標的1)及び第2の標的(標的2)でインデルを産生し、並びに2つのDSB間の潜在的なトランスペアリングを生じさせる。右では、第1のgRNA及びCRISPR/Casヌクレアーゼを含む第1のリボ核タンパク質複合体(RNP1)の送達により、二本鎖切断(DSB)が生じ、これは第1の標的(標的1)でインデルを産生するように修復され、続いて第2のgRNA及びCRISPR/Casヌクレアーゼを含む第2のRNP複合体(RNP2)の送達の動態学的距離により、第2の標的(標的2)で二本鎖切断(DSB)及び修復がもたらされる。 図6Bは、CD33を標的とする第1のgRNA及びCD19を標的とする第2のgRNAを使用する連続的な編集を示す。CD33 gRNAで生成されたDSBは、NHEJによって修復され、CD19を標的とするgRNAが送達される時間であるエレクトロポレーション後の30時間までにほぼ完了したと考えられる。 図6Cは、CD19を標的とする第1のgRNA及びCD33を標的とする第2のgRNAを使用する連続的な編集を示す。CD19 gRNAで生成されたDSBは、MMEJによって修復され、CD33を標的とするgRNAが送達される時間であるエレクトロポレーション後の30時間までにほぼ完了しないと考えられるため、2つのDSB間の潜在的なマイクロホモロジートランスペアリングが可能となる。図6B及び6Bの概略図の下に示されるgRNA配列は、マイクロホモロジーペアリング(例えば、GGTペアリング)に基づく予想される切断及び潜在的な転座シナリオを示す。 図7A及び7Bは、同時又は連続的に編集された細胞の編集の持続性及び長期再構成を評価するための例示的な実験デザインを示す。図7Aは、細胞(例えば、CD34+細胞)を解凍して40時間インキュベートし、次いで、「EP1」と呼ばれる第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションする、例示的な実験デザインの概略図を示す。30時間後、細胞に、EP2と呼ばれる第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした。次いで、細胞を、200センチグレイ(cGy)の放射線で処置した免疫不全マウス(例えば、NOD-scid ILRガンマヌル(「NSG(商標)」)マウス)に投与した。図7Bは、細胞の実験群を示す:群1は、PBSを受けた対照群(「PBS Ctrl」)に対応する;群2はエレクトロポレーションを行わなかった対照群(「EPなし」)に対応する;群3は、対照gRNAを同時にエレクトロポレーションした対照群(「Si-gCtrl」)に対応する;群4は、対照gRNAを連続的にエレクトロポレーションした対照群(「Se-gCtrl」)に対応する;群5は、CD33を標的とするgRNA、続いて対照gRNA(「gCtrl」)を連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する;群6は、CD5を標的とするgRNA、続いて対照gRNA(「gCtrl」)を連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する;群7は、低濃度(15μg)のCas9ヌクレアーゼ(「SiLoCas9」)を用いて、CD33を標的とするgRNA及びCD5を標的とするgRNAを同時にエレクトロポレーションした細胞に対応する;群8は、高濃度(30μg)のCas9ヌクレアーゼ(「SiHiCas9」)を用いて、CD33を標的とするgRNA及びCD5を標的とするgRNAを同時にエレクトロポレーションした細胞に対応する;群9は、連続的に、CD33を標的とするgRNAをエレクトロポレーションし、続いてCD5を標的とするgRNAでエレクトロポレーションした細胞に対応する;群10は、同時に、CD5を標的とするgRNAをエレクトロポレーションし、続いてCD33を標的とするgRNAをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図8A及び8Bは、図12Aに示す実験デザインに基づいて、NGG(商標)マウスに投与する前にCD34+HSCにおいて測定された生存率及び編集効率を示す。図8Aは、エレクトロポレーション1(EP1)後の示された時間(時間)での細胞の生存率分析を示す。実験群をx軸に示す。 図8Bは、NGG(商標)マウスに投与する前の細胞の編集効率のパーセントを示す。x軸に示される各実験群について、左のカラムはCD33の編集に対応し、右のカラムはCD5の編集に対応する。各編集スキームについて、左のカラムはCD33編集(アスタリスクで示す)に対応し、右のカラムはCD5に対応する。 図9は、図7Aに示す実験デザインに基づいて、NGG(商標)マウスに投与する前に細胞において検出されたオンターゲット転座産物のパーセンテージ(19番染色体(Ch19)に対して正規化したもの)を示す。x軸に示される各実験群について、積み重ねられたカラムは、上から下への、アセントリック転座、バランス型B、バランス型A、及びダイセントリック転座に対応する。右パネルは、4つの別個の転座種の各々の概略図を示す。転座種を評価するために使用したフォワードプライマー及びリバースプライマーの位置を矢印で示す。 図10は、図12Aに示す実験デザインに基づいて、マウス骨髄からのインプット及びアウトプット試料におけるオンターゲット転座産物のパーセンテージ(19番染色体(Ch19)に対して正規化したもの)を示す。各列について、第1の番号は、図7Bの群に対応し、第2の番号は、個々の動物に対応する。 図11は、図7Aに示される実験デザインに基づいて、編集されたCD34+細胞をNSG(商標)マウスに投与した後16週間でのヒト骨髄キメリズムのパーセンテージを示す。結果は、CD34+細胞適合性が、Cas9多重エレクトロポレーション又はCD5編集によって影響を受けなかったことを示す。 図12A~12Cは、図7Aに示される実験デザインに基づいて、編集されたCD34+細胞をNSG(商標)マウスに投与した後16週間での特定の血液細胞型のパーセンテージ(hCD45+細胞の割合として)を示す。図12Aは、示される細胞群についてのCD19+細胞(B細胞)のパーセンテージを示す。図12Bは、示される細胞群についてのCD3+細胞(T細胞)のパーセンテージを示す。図12Cは、示される細胞群についてのCD33+細胞(骨髄細胞)のパーセンテージを示す。結果は、B細胞系統及びT細胞系統が、CD33及びCD5の多重遺伝子編集(連続的又は同時に)によって影響を受けない一方で、骨髄系細胞(hCD33+)のパーセンテージが、CD33遺伝子編集を標的とすることによるCD33の喪失に起因して低いこと示す。 図13A~13Cは、図12Aに示される実験デザインに基づいて、編集されたCD34+細胞をNSG(商標)マウスに投与した後16週間の時点でのマウスの胸腺における特定のT細胞型のパーセンテージを示す。図13Aは、CD3+細胞のパーセンテージ(hCD45+細胞の割合として)を示す。図13Aは、CD4+細胞のパーセンテージ(CD3+細胞の割合として)を示す。図13Aは、CD8+細胞のパーセンテージ(CD3+細胞の割合として)を示す 図14は、第1のエレクトロポレーション(「第1のzap」)後の示された時点でのCD34+HSCの生存率分析を示す。「Si Cas9+Cpf1」は、第1及び第2のgRNA、並びにCas9及びCpf1ヌクレアーゼを同時にエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Se Cas9>Cpf1」は、CD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第1のgRNA、続いてCD19及びCpf1ヌクレアーゼを標的とする第2のgRNAを連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Se Cpf1>Cas9」は、CD19及びCpf1ヌクレアーゼを標的とする第1のgRNA、続いてCD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とする第2のgRNAを連続的にエレクトロポレーションした細胞に対応する。あるいは、細胞に、CD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とするgRNA、又はCD19及びCpf1ヌクレアーゼを標的とするgRNAをエレクトロポレーションした。対照細胞は、エレクトロポレーションしていない(EPなし)か、又はモックエレクトロポレーション(モックEP)かのいずれかであった。 図15A及び15Bは、エレクトロポレーション1(EP1)後の指示された時間(時間)でCD34+HSCにおいて測定された編集効率を示す。実験群をx軸に示す。x軸に示される各実験群について、左のカラムはCD33の編集(アスタリスクで示される)に対応し、右のカラムはCD19の編集に対応する。 図15A及び15Bは、エレクトロポレーション1(EP1)後の指示された時間(時間)でCD34+HSCにおいて測定された編集効率を示す。実験群をx軸に示す。x軸に示される各実験群について、左のカラムはCD33の編集(アスタリスクで示される)に対応し、右のカラムはCD19の編集に対応する。 図16は、HPRTに対して正規化された標的を基準として転座分析の結果を示す。細胞群のエレクトロポレーション条件を、転座産物を評価するために使用したプライマー対とともにx軸上に示す。 図17は、単一の標的編集細胞(すなわち、非多重、上のパネル)と比較した、多重編集(下のパネル)の例示的な実験デザインの概略図を示す。多重編集について、細胞(例えば、CD34+細胞)を解凍し、サイトカインを補充した無血清増殖培地(SFEM)中で24時間培養し、次いで、「EP1」と呼ばれるCD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした。細胞を30時間インキュベートし、次いで、「EP2」と呼ばれるCLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした。63時間後、細胞を収集し、蛍光活性化細胞選別(FACS)を使用して選別し、配列決定に供した。 図18A~18Cは、ドナーに由来する様々な細胞型におけるCD33編集頻度の結果を示す。図18Aは、各ドナーからの示される細胞型におけるオンターゲットCD33編集効率のパーセンテージを示す。 図18B及び18Cは、それぞれ、ドナーSD01000510及びB01001335に由来する細胞における編集頻度のパーセンテージとして表されるCD33インデル分析を示す。 図18B及び18Cは、それぞれ、ドナーSD01000510及びB01001335に由来する細胞における編集頻度のパーセンテージとして表されるCD33インデル分析を示す。「Seq CD33:CLL1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR Cas9ヌクレアーゼを含むリボ核タンパク質(RNP)複合体をエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR Cas9ヌクレアーゼを含むRNP複合体をエレクトロポレーションした細胞に対応する。「LT-HSC」は、長期造血幹細胞に対応する。「CMP」は、骨髄性共通前駆幹細胞に対応する。「MPP」は、多能性前駆細胞に対応する。「MLP」は、多リンパ前駆細胞に対応する。「CD49f」は、CD49f抗体を使用して精製された造血幹細胞に対応する。各ドナー又はインデル位置について、カラムは、Seq CD33:CLL1、LT-HSC、CMP、MPP、MLP、及びCD49fに対応する。 図19A~19Cは、ドナーに由来する様々な細胞型におけるCLL-1編集頻度を示す。図19Aは、各ドナーからの示される細胞型におけるオンターゲットCLL-1編集効率のパーセンテージを示す。 図19B及び19Cは、それぞれ、ドナーSD01000510及びB01001335に由来する細胞における編集頻度パーセントとして表されるCLL-1インデル分析を示す。 図19B及び19Cは、それぞれ、ドナーSD01000510及びB01001335に由来する細胞における編集頻度パーセントとして表されるCLL-1インデル分析を示す。「Seq CD33:CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR Cas9ヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「LT-HSC」は、長期造血幹細胞に対応する。「CMP」は、骨髄性共通前駆細胞に対応する。「MPP」は、多能性前駆細胞に対応する。「MLP」は、多リンパ前駆細胞に対応する。「CD49f」は、CD49f抗体を使用して精製された造血幹細胞に対応する。各ドナー又はインデル位置について、カラムは、Seq CD33:CLL-1、LT-HSC、CMP、MPP、MLP、及びCD49fに対応する。 図20は、多重編集後のドナーに由来する示される細胞型の生存率を示す。「LT-HSC」は、長期造血幹細胞に対応する。「ST-HSC」は、短期造血幹細胞に対応する。「CMP」は、骨髄性共通前駆幹細胞に対応する。「CD49f」は、CD49f抗体を使用して精製された造血幹細胞に対応する。「MLP」は、多リンパ前駆細胞に対応する。「MPP」は、多能性前駆細胞に対応する。 図21A~21Dは、多重編集後のHL60細胞におけるCD33編集及び発現分析を示す。図21Aは、示される時点でのTIDE分析によって決定されたCD33の編集頻度のパーセンテージを示す。 図21Bは、エレクトロポレーション後の示される時点(培養日数)での、CD33を標的とするgRNA(g811)又は対照gRNA(gCtrl)をエレクトロポレーションした細胞におけるRT-qPCRによるCD33転写産物の発現を示す。CD33転写物発現は、0日目での発現のパーセントとして表示される。 図21Cは、示される時点にわたるフローサイトメトリー分析によって評価されたCD33表面発現を示す。 図21Dは、RT-qPCR分析に使用されるCD33転写産物及び代表的なプライマーの位置の概略図を示す。「TIDE」は、分解によるインデルの追跡を指す。「RT-qPCR」は、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応を指す。TC1は、時間経過1を指し、TC2は、時間経過2を指す。 図22A~22Dは、多重編集後のHL60細胞におけるCLL-1編集及び発現分析を示す。図22Aは、示される時点でのTIDE分析によって決定されたCLL-1の編集頻度のパーセンテージを示す。 図22Bは、エレクトロポレーション後の示される時点での、CLL-1を標的とするgRNA(g6)又は対照gRNA(gCtrl)をエレクトロポレーションした細胞におけるRT-qPCRによるCLL-1転写産物の発現を示す。 図22Cは、示される時点でのフローサイトメトリー分析によって評価されたCLL-1表面発現を示す。 図22Dは、RT-qPCR分析に使用されるCLL-1転写産物及び代表的なプライマーの位置の概略図を示す。 図23は、連続的な多重編集のための例示的な実験デザインの概略図を示す。細胞(例えば、CD34+細胞)を40時間解凍し、次いで、2日目(D2)には「EP1」、3日目(D3)には「EP2」と呼ばれる、gRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼを含むリボ核タンパク質複合体(RNP)を連続的にエレクトロポレーションした。EP2の26時間後、細胞を、表現型及び機能的特徴付け(例えば、フローサイトメトリー、食作用、及びサイトカイン放出アッセイ)の前に、8日目(D8)、11日目(D11)、及び18日目(D18)での細胞計数/分割を含む14日間にわたって骨髄分化培養条件に供した。 図24A及び24Bは、示される時点での細胞分化中の増殖速度分析を示す。図24Aは、顆粒球分化中の生細胞数としての増殖率を示す。 図24Bは、単球分化中の生細胞数としての増殖率を示す。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図25A及び25Bは、造血幹細胞及び前駆細胞(HSPC)における顆粒球分化に対する連続的な多重編集の効果を示す。図25Aは、示される時点でのCD15+細胞のパーセンテージを示す。 図25Bは、示される時点でのCD11b+細胞のパーセンテージを示す。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図26A及び26Bは、造血幹細胞及び前駆細胞(HSPC)における単球分化に対する連続的な多重編集の効果を示す。図26Aは、示される時点でのCD14+細胞のパーセンテージを示す。 図26Bは、示される時点でのCD11b+細胞のパーセンテージを示す。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図27A及び27Bは、示される時点で骨髄分化全体を通して維持されたCLL-1編集頻度を示す。図27Aは、顆粒球分化全体を通したCLL-1の編集頻度のパーセンテージを示す。 図27Bは、単球分化全体を通したCLL-1の編集頻度のパーセンテージを示す。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図28A及び28Bは、示される時点で骨髄分化全体を通して維持されたCD33編集頻度を示す。図28Aは、顆粒球分化全体を通したCD33の編集頻度のパーセンテージを示す。 図28Bは、単球分化全体を通したCD33の編集頻度のパーセンテージを示す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEP、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEPを受けた細胞に対応する。「SeqCLL1>CD33」は、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEP、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEPを受けた細胞に対応する。 図29A~29Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CLL-1タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図29A及び29Cは、示される時点での顆粒球におけるCLL-1発現を示す。図29B及び29Dは、示される時点での単球におけるCLL-1発現を示す。 図29A~29Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CLL-1タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図29A及び29Cは、示される時点での顆粒球におけるCLL-1発現を示す。図29B及び29Dは、示される時点での単球におけるCLL-1発現を示す。 図29A~29Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CLL-1タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図29A及び29Cは、示される時点での顆粒球におけるCLL-1発現を示す。図29B及び29Dは、示される時点での単球におけるCLL-1発現を示す。 図29A~29Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CLL-1タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図29A及び29Cは、示される時点での顆粒球におけるCLL-1発現を示す。図29B及び29Dは、示される時点での単球におけるCLL-1発現を示す。gRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼによるエレクトロポレーションは、矢印で示すように、2日目及び3日目で生じた。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図30A~30Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CD33タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図30A及び30Cは、示される時点での顆粒球におけるCD33発現を示す。図30B及び30Dは、示される時点での単球におけるCD33発現を示す。 図30A~30Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CD33タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図30A及び30Cは、示される時点での顆粒球におけるCD33発現を示す。図30B及び30Dは、示される時点での単球におけるCD33発現を示す。 図30A~30Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CD33タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図30A及び30Cは、示される時点での顆粒球におけるCD33発現を示す。図30B及び30Dは、示される時点での単球におけるCD33発現を示す。 図30A~30Dは、フローサイトメトリー分析によって評価された、CD33タンパク質発現に対する多重編集の効果を示す。図30A及び30Cは、示される時点での顆粒球におけるCD33発現を示す。図30B及び30Dは、示される時点での単球におけるCD33発現を示す。gRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼによるエレクトロポレーションは、矢印で示すように、2日目及び3日目で生じた。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図31A及び31Bは、多重編集後18日目の分化骨髄細胞におけるCLL-1及びCD33発現のフローサイトメトリー分析を示す。図31Aは、顆粒球におけるCLL-1及びCD33発現分析を示す。 図31Bは、単球におけるCLL-1及びCD33発現分析を示す。グラフの各個々のバーのセグメントは、上から下へ、CLL-1+CD33+、CLL-1+CD33-、CLL-1-CD33+、及びCLL-1-CD33-に対応する。右端の2本のバーの上の楕円は、CLL-1及びCD33発現が欠損していた細胞のパーセンテージを示す。「SeqCD33:CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1:CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図32A及び32Bは、多重編集後の分化骨髄細胞の食作用能力を示す。食作用能力を、pHrodo+E.coli細胞又はpHrodo+E.coli及びサイトカラシンD(「CytoD」)に供されたpHrodo+細胞のパーセントとして分析した。図32Aは、食作用を顆粒球中のpHrodo+細胞のパーセントとして示す。 図32Bは、食作用を単球中のpHrodo+細胞のパーセントとして示す。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図33は、系統分化を評価するための例示的な実験デザインの概略図を示す。新たにエレクトロポレーションした細胞を、メチルセルロース系分化培地(MethoCult(商標))中で混合し、次いで播種した。14日間インキュベートした後、細胞を画像化して、スコア化した。「BFU-E」は、赤芽球バースト形成単位を指す。「CFU-G/M/GM」は、コロニー形成単位-顆粒球/マクロファージを指す。「CFU-GEMM」は、顆粒球、赤血球、マクロファージ、及び巨核球を生成する多能性骨髄前駆細胞のコロニー形成単位を指す。 図34A及び34Bは、多重編集細胞のコロニー形成単位(CFU)分析を示す。図34Aは、細胞を200細胞/ウェルの希釈で播種した場合に形成されたコロニーの数を示す。 図34Bは、細胞を300細胞/ウェルの希釈で播種した場合に形成されたコロニーの数を示す。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「GEMM」は、顆粒球、赤血球、マクロファージ、及び巨核球を生成する多能性骨髄前駆細胞を指す。「G/M/GM」は、顆粒球、マクロファージを指す。「BFU-E」は、赤芽球バースト形成単位を指す。各編集条件について、バーのセグメントは、上から下へ、GEMM、G/M/GM、及びBFU-Eに対応する。 図35A及び35Bは、多重編集細胞により形成されたCFUのコロニー分布分析を示す。図35Aは、200細胞/ウェルの希釈で播種した細胞によって形成されたCFUの分布を示す。 図35Bは、300細胞/ウェルの希釈で播種した細胞によって形成されたCFUの分布を示す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEP、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEPを受けた細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEP、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEPを受けた細胞に対応する。「モック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「CFU」は、コロニー形成単位を指す。「GE MM」は、顆粒球、赤血球、マクロファージ、巨核球を指す。「G/M/GM」は、顆粒球、マクロファージを指す。「BFU-E」は、赤芽球バースト形成単位を指す。 図36A及び36Bは、多重編集造血細胞の長期生着を評価するための例示的な実験デザインを示す。図36Aは、左パネルで、細胞(例えば、CD34+細胞)がインビトロで編集され、NSG(商標)マウスに生着される、例示的な多重編集及び生着アプローチの概略図を示す。移植後8週で、血液試料を採取し、フローサイトメトリー細胞選別(FACS)によって評価した。移植後16週で、血液試料及び骨髄を採取し、FAC、配列決定(gDNA)、及び生存率によって評価した。 図36Bは、実験条件のリストの一例を示す。「eHSC」は、胚性幹細胞を指す。「N」は、示される治療群におけるマウスの数を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEP、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEPを受けた細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEP、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-CasヌクレアーゼによるEPを受けた細胞に対応する。「SiHi CD33+CLL-1」は、CD33を標的とするgRNA、及びCLL-1を標的とするgRNA、及び高濃度のCRISPR-Casヌクレアーゼ(使用したgRNA当たり30μgのCasヌクレアーゼ、合計60μgのCasヌクレアーゼ)を同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。「Seモック>モック」は、連続的なモックエレクトロポレーションを受けた細胞を指す。「EPなし」は、エレクトロポレーションしていない細胞を指す。 図37は、凍結保存前(凍結前)及び解凍後(解凍後)の細胞の細胞数及び生存率を示す表である。 図38は、多重編集細胞の生着から16週後の骨髄(BM)キメリズムの分析を示す。「EPなし」は、エレクトロポレーションしていない細胞を指す。「SeqCD33>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SeqCLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SiHi CD33+CLL-1」は、高濃度のCas9ヌクレアーゼを用いて、CD33を標的とするgRNA及びCLL-1を標的とするgRNAを同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。 図39A~39Hは、生着後のマウスモデルから採取した骨髄系細胞及びリンパ系系統細胞のフローサイトメトリー分析を示す。図39Aは、Tリンパ球(CD3+/hCD45+)を示す。 図39Bは、単球(CD14+/hCD45+)を示す。 図39Cは、好中球(CD15+/hCD45+)を示す。 図39Dは、マスト/好塩基球細胞(CD203+/hCD45+)を示す。 図39Eは、Bリンパ球(CD19+/hCD45+)を示す。 図39Fは、造血幹細胞及び前駆細胞(HSPC、CD34+/hCD45+)を示す。 図39Gは、古典的な樹状細胞(cDC、cDC/hCD45+)を示す。 図39Hは、形質細胞様樹状細胞(pCD、pDC/hCD45+)を示す。「Sc CD33>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Sc CLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SiHi CD33+CLL-1」は、高濃度のCas9ヌクレアーゼを用いて、CD33を標的とするgRNA及びCLL-1を標的とするgRNAを同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。 図40A~40Fは、生着後のマウスから採取した細胞の骨髄系細胞及びリンパ系系統細胞のフローサイトメトリー分析におけるCD33及びCLL-1タンパク質の発現レベルを示す。図40Aは、全ヒトCD45+細胞における発現を示す。 図40Bは、単球(CD14+細胞)上の発現を示す。 図40Cは、好中球(CD15+細胞)を示す。 図40Dは、マスト/好塩基球細胞(CD203+細胞)を示す。 図40Eは、古典的な樹状細胞(cDC)を示す。 図40Fは、形質細胞様樹状細胞(pDC)を示す。「EPなし」は、エレクトロポレーションしていない細胞を指す。「Sc CD33>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「Sc CLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「SiHi CD33+CLL-1」は、高濃度のCas9ヌクレアーゼを用いて、CD33を標的とするgRNA及びCLL-1を標的とするgRNAを同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。各編集条件について、バーのセグメントは、上から下へ、CD33-CLL-1-、CD33-CLL-1+、CD33+、CLL-1-、及びCD33+CLL-1+に対応する。 図41A及び41Bは、フローサイトメトリーによって評価した、生着後16週のマウスから採取したCD14+細胞におけるCD33及びCLL-1タンパク質の発現レベルを示す。図41Aは、エレクトロポレーション対照細胞を示さず、細胞の91.5%がCD33+及びCLL-1+であった。 図41Bは、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞(SeqCD33>CLL-1)を示し、細胞の98.3%がCD33-及びCLL-1陰性であった。 図42は、エレクトロポレーション後56時間時点での、次世代シーケンシング(NGS)によって評価されたオンターゲット編集、及びCD33標的化gRNAを使用したCD33での編集効率(CD33g811;左のカラム)、及びCLL-1標的化gRNAを使用したCLL-1での編集効率(CLL-1g6、右のカラム)を示す。「SiHi」は、CD33を標的とするgRNA、CLL-1を標的とするgRNA、及び高濃度のCRISPR-Casヌクレアーゼ(使用したgRNA当たり30μgのCasヌクレアーゼ、合計60μgのCasヌクレアーゼ)を同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。オンターゲット編集を、標的アンプリコン配列決定(rhAmpSeq(商標))によって評価した。「CD33g811>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA(g811)及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。「CLL-1>CD33g811」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA(g811)及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞に対応する。 図43A及び43Bは、CRISPR編集(ICE)分析の推論によって評価された、エレクトロポレーション(EP)後の指定された時点での編集を示す。図43Aは、30時間、50時間、及び56時間の時点での、CD33標的化gRNA、CD33g811、及びCLL-1標的化gRNA、CLL-1g6を使用した編集効率を示す。 図43Bは、図43Aに反映される56時間の時点での編集効率を示す。「SiHi CD33+CLL-1」は、CD33を標的とするgRNA、CLL-1を標的とするgRNA、及び高濃度のCas9ヌクレアーゼで同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。「Se CD33>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞を指す。「Se CLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞を指す。 図44は、例示的な転座事象の概略図を示す。 図45は、「EP1」と呼ばれる、第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼによるエレクトロポレーションの56時間後での、多重編集造血細胞における転座事象の分析を示す。“各編集条件について、カラムは、左から右に、ダイセントリック、バランス型1、バランス型2、及びアセントリック転座に対応する。「SeMock>Mock」は、モックエレクトロポレーション細胞を指す。「SiHiCD33+CLL-1」は、CD33を標的とするgRNA、CLL-1を標的とするgRNA、及び高濃度のCas9ヌクレアーゼで同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。「Se CD33>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞を指す。「Se CLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞を指す。 図46は、rhAMP-Seq(商標)によって評価した、生着後16週での骨髄(BM)細胞の編集効率を示す。各編集条件について、左のデータポイントは、CD33標的化gRNA g811(CD33g811)を使用したCD33での編集効率に対応し、右のデータポイントは、CLL-1標的化gRNA g6(CLL-1g6)を使用したCLL-1での編集効率に対応する。正方形のデータポイントは、インプット試料を示す。「CD33>CLL-1」は、連続的に、CD33を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CLL-1を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞を指す。「CLL-1>CD33」は、連続的に、CLL-1を標的とする第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションし、続いて、CD33を標的とする第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼをエレクトロポレーションした細胞を指す。「CD33+CLL-1」は、CD33を標的とするgRNA、CLL-1を標的とするgRNA、及び高濃度のCas9ヌクレアーゼで同時にエレクトロポレーションした細胞を指す。 図47は、CLL-1を標的とするgRNA(CLL1-g6)及びCasOFFinderを使用して決定されたCRISPR-Casヌクレアーゼによる細胞のエレクトロポレーション後のオフターゲット編集事象の分析を示す。 図48は、CLL-1標的化gRNA、g6を使用した、3つの造血細胞ドナーHC1、HC2、及びHC3にわたるオンターゲット編集頻度の分析を示す。編集頻度は、ICE(左のカラム)及びハイブリッド捕捉(右のカラム)の両方を使用して決定した。「ICE」は、CRISPR編集分析の推論を指す。 図49は、CLL-1標的化gRNA(g6)及びCRISPR-Casヌクレアーゼによるエレクトロポレーションの結果として、CLL-1遺伝子において予測されるオフターゲット編集事象を示す。 図50は、CLL-1標的化gRNA g6を使用した編集後の例示的な挿入欠失(インデル)スペクトルを示す。 図51は、CD33又はCLL-1を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞とのインキュベーション後の標的造血細胞の生存を示す。標的造血細胞は、野生型(WT)、CD33における欠損(CD33Del)、CLL-1における欠損(CLL-1Del)、又はCD33及びCLL-1の両方における欠損(CD33DelCLL-1Del)である。 図52A~52Dは、対照の未編集細胞(「CTR」)と比較した、CD33及びCLL-1の多重編集(「MPX」)後の分化骨髄細胞のサイトカイン産生を示す。図52Aは、IL-6産生を示す。 図52Bは、IL-8産生を示す。 図52Cは、TNFα産生を示す。 図52Dは、MIP-1βの産生を示す。サイトカイン産生を、基礎レベル、及びリポ多糖(LPS)又はレシキモド(R848)による刺激の24時間後に評価した。N=3。データは、平均+/-標準偏差として示される。 図53は、MPX編集又はCTR編集hHSPCを用いた移植後16週でのNSGマウスからのインプット細胞(CD34+’「インプットCD34+細胞」)及びアウトプット異種移植骨髄細胞(「アウトプットBM」)における転座のパーセントとして総転座事象を示す。「CTR」は、対照細胞を指し、「MPX」は、多重編集細胞を指す。N=群当たり12匹のマウス。 図54A~54Dは、AML患者由来芽球及び白血病幹細胞(LSC)におけるCD33並びにCLL-1の発現を示す。図54Aは、AML芽球(N=33)におけるフローサイトメトリーによるCD33-陽性及びCLL-1陽性細胞のパーセンテージ(抗原陽性%)を示す。 図54Bは、AML LSC(N=27)におけるフローサイトメトリーによるCD33-陽性及びCLL-1陽性細胞のパーセンテージ(抗原陽性%)を示す。 図54Cは、フローサイトメトリーによって定量化された、AML芽球の細胞表面上のCD33及びCLL-1の抗原密度を示す(N=31)。 図54Dは、フローサイトメトリーによって定量化された、AML LSCの細胞表面上のCD33及びCLL-1の抗原密度を示す(N=25)。
遺伝子修飾をもたらすためのCRISPR/Casシステムの使用は、多用途かつ適応性のあるプラットフォームを提示するが、オフターゲット効果、転座事象のリスク、及び潜在的な悪性腫瘍などの治療用途におけるCRISPR/Casの使用に関連するいくつかの潜在的なリスクが存在する。遺伝子修飾を導入する場合、例えばCRISPR/Casシステムを使用して、DNAの切断(例えば、二本鎖切断(DSB))が細胞のゲノムに導入され、標的配列の近位での切断及び挿入又は欠失(インデル)の非相同末端結合(NHEJ)修復をもたらす。このプロセスは、遺伝子のフレームシフト及び不活性化をもたらし得るが、2つの染色体又は染色体の断片が不適切に結合された場合に染色体転座を更にもたらし得る。染色体転座は、例えば、新しい融合タンパク質の発現、がん遺伝子の発現又は誤制御などを介して、ゲノムの不安定性及び様々な種類のがんと関連する。例えば、Brunet et al.Adv.Exp.Med.Biol.(2018)1044:15-25、Ghezraoui H,et al.(2014)Mol Cell 55(6):829-842、Bothmer et al.CRISPR Journal(2020)3(3)を参照されたい。複数の遺伝子修飾が細胞に導入される多重遺伝子編集は、特に、複数のDNA切断(例えば、DSB)が同時に、又は実質的に同時に存在する場合、転座事象の潜在的なリスクを増加させ得る。潜在的な有害作用を最小化又は低減するために、遺伝子修飾の導入を調節する機構、例えば、転座事象のリスクを低減する機構が望まれる。
本開示の態様は、細胞において複数の遺伝子修飾を生成し、転座事象(例えば、転座産物の産生)のリスクを低減するのに有効な遺伝子編集方法を提供する。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、細胞又は細胞集団(複数の細胞)を、第1のガイドRNA(gRNA)及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させて、第1の遺伝子修飾をもたらし、続いて、細胞又は細胞集団(複数の細胞)を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させて、細胞中に第2の遺伝子修飾をもたらすことを伴い、接触ステップは、時間間隔を隔てて連続的に実施される。また、本明細書に記載される方法によって産生される細胞、及び本明細書に記載される方法によって産生される遺伝子操作細胞又はその子孫のうちのいずれかを対象に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。
当業者によって理解されるように、細胞のゲノムにおける二本鎖切断(DSB)の生成は、DNA修復機構を動員して、切断部位でのDNA修復を促進する。概して、DNA修復は、主な経路、相同性指向性修復(HDR、「相同組換え」とも呼ばれる)、非相同末端結合(「NHEJ」、古典的非相同末端結合(「c-NHEJ」)とも呼ばれる)、及びマイクロホモロジー媒介末端結合(「MMEJ」、代替末端結合(「alt-EJ」)とも呼ばれる)である、いくつかの修復経路のうちのいずれかを通って進行し得る。
HDRは、切断を補正するために使用される相同鋳型の存在を伴い、典型的には、精密な(エラーのない)修復をもたらすと考えられる。NHEJ機構は、挿入及び欠失(インデル)を産生し、相同鋳型を伴わない、効率的であるがエラーが発生しやすい修復機構である。NHEJは、二本鎖切断の末端の直接的なライゲーションを含み、DNAリガーゼIV複合体を含む部位に追加のNHEJタンパク質を動員するKuタンパク質を伴う。MMEJ修復機構は、二本鎖切断(典型的には1~25個のヌクレオチド)の末端内のマイクロホモロジーを伴う。MMEJは、マイクロホモロジーの領域がアニーリングされ、ヌクレオチドの異種「フラップ」が除去され、その後ギャップの埋め込み合成及びライゲーションが続く一連のステップを経て進行する。この機序はエラーが発生しやすく、DSBに隣接するヌクレオチドの欠失と関連している。例えば、Zaboikin et al.PLos One(2017)12(1):e0169931、Wang et al.Cell & Bioscience(2017)7:6;Deriano et al.Ann.Rev.Genet.(2013)47:433-455を参照されたい。
本明細書で使用される「変異」という用語は、参照配列、例えば、そのような変異を有していない細胞の対応する配列、又は対応する野生型核酸配列と比較して、核酸における遺伝的変化(例えば、挿入、欠失、逆位、又は置換)を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して産生される細胞は、参照配列、例えば、そのような変異を有していない細胞の対応する配列、又は対応する野生型核酸配列と比較して、2つ以上(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)の変異を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子(例えば、標的遺伝子)に対する変異は、変異を保有する細胞において、標的遺伝子によってコードされるタンパク質の発現の喪失をもたらす。いくつかの実施形態では、遺伝子(例えば、標的遺伝子)における変異は、標的遺伝子によってコードされるタンパク質のバリアント形態の発現をもたらす。
本開示のいくつかの態様は、本明細書に記載される遺伝子操作細胞、例えば、タンパク質の発現若しくは調節、及び/又はタンパク質のバリアント形態の発現の喪失をもたらす修飾など、そのゲノム中に1つを超える修飾を含む遺伝子操作細胞を生成するための組成物及び方法を提供する。本明細書で提供されるそのような組成物及び方法は、限定されるものではないが、例えば、CRISPR/CasヌクレアーゼなどのRNAガイドヌクレアーゼ、及びそのようなRNAガイドヌクレアーゼと結合し、それらを細胞のゲノム中の好適な標的部位に標的化してゲノム修飾をもたらすことができる好適なガイドRNAを使用することによる、細胞を遺伝子操作するための好適な戦略及びアプローチが含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作細胞は、細胞のゲノムに「編集」とも呼ばれる標的化された変化を導入することができる任意の技術を含むゲノム編集技術を介して生成される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作細胞は、細胞のゲノム中に複数の編集を含む。
CRISPR/Casシステム
本開示のいくつかの態様は、本明細書に記載される遺伝子操作細胞を生成するための組成物及び方法を提供する。1つの例示的な好適なゲノム編集技術は、細胞のゲノムに標的一本鎖又は二本鎖DNA切断を導入するためのRNAガイドヌクレアーゼ、例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼの使用を含む、「細胞編集」であり、これは、例えば、非相同末端結合(NHEJ)、マイクロホモロジー媒介末端結合(「代替NHEJ」若しくは「alt-NHEJ」と称されることもあるMMEJ)、又は典型的には(例えば、ヌクレオチド若しくはヌクレオチド配列挿入、欠失、逆位、又は置換を介して)ヌクレアーゼ切断の部位に、又はそのすぐ近位に改変された核酸配列をもたらす相同誘導型修復(HDR)などの細胞修復機構を誘起する。Yeh et al.Nat.Cell.Biol.(2019)21:1468-1478、例えば、Hsu et al.Cell(2014)157:1262-1278、Jasin et al.DNA Repair(2016)44:6-16、Sfeir et al.Trends Biochem.Sci.(2015)40:701-714を参照されたい。
別の例示的な好適なゲノム編集技術は、「塩基編集」であり、これは、塩基編集、例えば、具体的な核酸塩基、例えば、細胞ミスマッチ修復機構を介して、CヌクレオチドからTヌクレオチドへの変化、又はAヌクレオチドからGヌクレオチドへの変化をもたらす、C又はAヌクレオチドのシトシン又はアデノシン核酸塩基を標的とし、脱アミン化する、デアミナーゼに融合されたヌクレアーゼ損傷又は部分的ヌクレアーゼ損傷CRISPR/Casタンパク質の使用を含む。例えば、Komor et al.Nature(2016)533:420-424、Rees et al.Nat.Rev.Genet.(2018)19(12):770-788、Anzalone et al.Nat.Biotechnol.(2020)38:824-844を参照されたい。
更に別の例示的な好適なゲノム編集技術には、触媒的に損なわれた又は部分的に触媒的に損なわれたRNAガイドヌクレアーゼ、例えば、操作された逆転写酵素(RT)ドメインに融合されたCRISPR/Casヌクレアーゼを使用した、新しい遺伝情報、例えば、改変されたヌクレオチド配列の特異的に標的化されたゲノム部位への導入を含む、「プライム編集」が含まれる。Cas/RT融合は、所望の編集をコードする核酸配列も含み、RTのためのプライマーとして機能することができる、ガイドRNAによってゲノム内の標的部位に標的化される。例えば、Anzalone et al.Nature(2019)576(7785):149-157を参照されたい。
ゲノム編集技術の使用は、典型的には、いくつかの実施形態では、例えば、塩基編集又はプライム編集のために、触媒的に損なわれるか、又は部分的に触媒的に損なわれ得る、好適なRNAガイドヌクレアーゼの使用を特徴とする。好適なRNAガイドヌクレアーゼの例としては、CRISPR/Casヌクレアーゼが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法で使用されるRNAガイドヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼ)は、DNAに二本鎖切断を生じさせることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法で使用されるRNAガイドヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼ)は、低減されたヌクレアーゼ活性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される細胞を遺伝子操作する方法で使用するのに好適なRNAガイドヌクレアーゼは、Cas9ヌクレアーゼ、例えば、spCas9又はsaCas9ヌクレアーゼである。
別の例について、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される細胞を遺伝子操作する方法での使用に好適なRNAガイドヌクレアーゼは、Cas12ヌクレアーゼ、例えば、Cas12aヌクレアーゼ(「Cpf1ヌクレアーゼ」とも呼ばれる)である。本明細書で使用される場合、Cpf1ヌクレアーゼは、i)PAM部位の遠位で切断されるII型クラス2 CRISPR/Casヌクレアーゼに由来するポリペプチド、及びii)好適なgRNAと組み合わせて、標的核酸配列(標的配列)と結合することができるポリペプチドを指す。例示的に好適なCas12ヌクレアーゼには、限定されるものではないが、AsCas12a、FnCas12a、LbCas12a、PaCas12a、他のCas12aオルソログ、及びMAD7(商標)システム(MAD7(商標)、Inscripta,Inc.)、又はAlt-R Cas12a(Cpf1)Ultraヌクレアーゼ(Alt-R(登録商標)Cas12a Ultra、Integrated DNA Technologies,Inc.)などのCas12a誘導体が含まれる。例えば、Gill et al.LIPSCOMB 2017.In United States:Inscripta Inc.、Price et al.Biotechnol.Bioeng.(2020)117(60):1805-1816、PCT公開第WO2016/166340号、同第WO2017/155407号、同第WO2018/083128号、同第WO2016/205711号、同第WO2017/035388号、同第WO2017/184768号、同第WO2019/118516号、同第WO2017/184768号、同第WO2018/098383号、同第WO2020/146297号、及び同第WO2020/172502号を参照されたい。
本明細書に記載される方法は、RNAガイドヌクレアーゼが標的部位と結合して、細胞のゲノムDNAを切断するのに好適な条件下で、第1のRNAガイドヌクレアーゼ、例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼ、例えば、Cas9ヌクレアーゼ又はCas12aヌクレアーゼ(例えば、Cpf1)を、細胞のゲノム中の好適な標的部位に標的化し、続いて、第2のRNAガイドヌクレアーゼが標的部位と結合して、細胞のゲノムDNAを切断するのに好適な条件下で、第2のRNAガイドヌクレアーゼ、例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼ、例えば、Cas9ヌクレアーゼ又はCas12aヌクレアーゼ(例えば、Cpf1)を細胞のゲノム中の第2の好適な標的部位に標的化することを伴う。いくつかの実施形態では、第1のRNAガイドヌクレアーゼ及び第2のRNAガイドヌクレアーゼは、同じ種類のヌクレアーゼ、例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼのものであり、例えば、第1のRNAガイドヌクレアーゼ及び第2のRNAガイドヌクレアーゼの両方が、Cas9ヌクレアーゼ又はCpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、第1のRNAガイドヌクレアーゼ及び第2のRNAガイドヌクレアーゼは、異なる種類のヌクレアーゼ、例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼのものであり、例えば、第1のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼであり、第2のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、第1のRNAガイドヌクレアーゼ及び第2のRNAガイドヌクレアーゼは、異なる種類のヌクレアーゼ、例えば、CRISPR/Casヌクレアーゼのものであり、例えば、第1のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼであり、第2のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼである。好適なRNAガイドヌクレアーゼは、好適なガイドRNA(gRNA)によってゲノム内の特定の標的部位に標的化され得る。本開示の態様に従ってCRISPR/Casヌクレアーゼを標的とするための好適なgRNAが本明細書で提供され、例示的な好適なgRNA(すなわち、gRNA)が、本明細書の他の場所でより詳細に記載される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるgRNAのうちのいずれかは、好適なCRISPR/Casヌクレアーゼと複合体化され得る。例示的な好適なヌクレアーゼには、例えば、Cas12a(Cpf1)ヌクレアーゼ及びCas9ヌクレアーゼが含まれる。
様々なCas9ヌクレアーゼは、本開示の態様に従ってゲノム編集をもたらし、例えば、CD30遺伝子にゲノム修飾を作製するために、本明細書で提供されるgRNAと使用するのに好適である。典型的には、CRISPR/Casヌクレアーゼ及びgRNAは、ヌクレアーゼ/gRNA複合体(例えば、CRISPRシステム)の形成に好適な形態及び条件下で提供され、これはリボ核タンパク質(RNP)複合体と呼ばれることがあり、細胞のゲノム上の標的部位を標的とする。いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼ/gRNA複合体を遺伝子座内の所望の標的部位配列に標的化するために、所望のPAM特異性を示すCRISPR/Casヌクレアーゼが使用される。
いくつかの実施形態では、ヌクレアーゼ/gRNA複合体は、例えば、インビトロで形成され、標的細胞は、例えば、細胞へのCas/gRNA複合体のエレクトロポレーションを介して、ヌクレアーゼ/gRNA複合体と接触する。いくつかの実施形態では、細胞は、CRISPR/Casタンパク質及びgRNAと別々に接触し、ヌクレアーゼ/gRNA複合体が細胞内で形成される。いくつかの実施形態では、細胞は、CRISPR/Casタンパク質をコードする核酸、例えば、DNA若しくはRNA、及び/又はgRNAをコードする核酸、又はその両方と接触する。
いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼのクラス2のV型に属するCasヌクレアーゼが使用される。クラス2のV型Casヌクレアーゼは、V-A型、V-B型、V-C型、及びV-U型として更に分類することができる。例えば、Stella et al.Nature Structural & Molecular Biology(2017)を参照されたい。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、V-B型Casエンドヌクレアーゼ、例えば、C2c1である。例えば、Shmakov et al.Mol Cell(2015)60:385-397を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるゲノム編集の方法で使用されるCasヌクレアーゼは、V-A型Casエンドヌクレアーゼ、例えば、Cpf1(Cas12a)ヌクレアーゼである。例えば、Strohkendl et al.Mol.Cell(2018)71:1-9を参照されたい。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される遺伝子操作細胞は、好適なゲノム編集技術を使用して生成され、ゲノム編集技術は、Cas12a(Cpf1)ヌクレアーゼの使用によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される遺伝子操作細胞は、好適なゲノム編集技術を使用して生成され、ゲノム編集技術は、Cas9ヌクレアーゼの使用によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、化膿連鎖球菌(SpCas9)、黄色ブドウ球菌(SaCas9)、若しくはストレプトコッカス・サーモフィルス(stCas9)のものであるか、又はそれらに由来する。追加の好適なCas9分子としては、髄膜炎菌(NmCas9)、アシドボラキス・アベナエ(Acidovorax avenae)、アクチノバシラス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、アクチノバシラス・スクシノゲネス(Actinobacillus succinogenes)、アクチノバシラス・スイス、アクチノマイセス種、シクリフィルス・デニトリフィカンス(cycliphilus denitrificans)、アミノモナス・パウシボランス(Aminomonas paucivorans)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スミシイ(Bacillus smithii)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バクテロイデス種、ブラストピレルラ・マリナ(Blastopirellula marina)、ブラディリゾビウム種、ブレビバチルス・ラテロスポラス(Brevibacillus laterosporus)、カンピロバクター・コリ、カンピロバクター・ジェジュニ(CjCas9)、カンピロバクター・ラリ、カンジダツス・プニセイスピリルム(Candidatus Puniceispirillum)、クロストリジウム・セルロリティカム(Clostridium cellulolyticum)、ウエルシュ菌、コリネバクテリウム・アクコレンス(Corynebacterium accolens)、ジフテリア菌、コリネバクテリウム・マツルショッティ(Corynebacterium matruchotii)、ディノロセオバクター・シバエ(Dinoroseobacter shibae)、ユウバクテリウム・ドリクム(Eubacterium dolichum)、ガンマプロテオバクテリア(gamma proteobacterium)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、ヘモフィルス・パラインフルエンザ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・スプトラム(Haemophilus sputorum)、ヘリコバクター・カナデンシス(Helicobacter canadensis)、ヘリコバクター・シナエディ(Helicobacter cinaedi)、ヘリコバクター・ムステラエ(Helicobacter mustelae)、イリオバクター・ポリトロパス(Ilyobacter polytropus)、キンゲラ・キンゲ(Kingella kingae)、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、リステリア・イバノビ(Listeria ivanovii)、リステリア・モノサイトゲネス、リステリア科細菌(Listeriaceae bacterium)、メチロシスチス種、メチロサイナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)、モビルンカス・ムリエリス(Mobiluncus mulieris)、ナイセリア・バシリフォルミス(Neisseria bacilliformis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、ナイセリア・フラヴェセンス(Neisseria flavescens)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)、髄膜炎菌、ナイセリア種、ナイセリア・ワズワーシイ(Neisseria wadsworthii)、ニトロソモナス種、パルビバクラム・ラバメンティボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)、ラルストニア・シジジイ(Ralstonia syzygii)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドブラム種(Rhodovulum sp.)、シモンシエラ・ムエレリ(Simonsiella muelleri)、スフィンゴモナス種(Sphingomonas sp.)、スポロラクトバチルス・ビネア(Sporolactobacillus vineae)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、連鎖球菌属種、サブドリグラヌルム属種、チストレラ・モビリス(Tistrella mobilis)、トレポネーマ種(Treponema sp.)、若しくはベルミネフロバクター・エイセニア(Verminephrobacter eiseniae)のもの、又はそれらに由来するものが含まれる。いくつかの実施形態では、そのようなCas9ヌクレアーゼの触媒的に損なわれた、又は部分的に損なわれたバリアントが、使用され得る。追加の好適なCas9ヌクレアーゼ、及びヌクレアーゼバリアントが、本開示に基づいて当業者に明らかであろう。本開示は、この点に関して限定されない。
いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、天然に存在するCas分子である。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、例えば、少なくとも1つのアミノ酸残基だけ、参照配列、例えば、最も類似する天然に存在するCas9分子、又は参照によりその全体で本明細書に組み込まれるPCT公開WO2015/157070号の表50の配列と異なる、操作、改変、又は修飾されたCas分子である。
いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼのクラス2のV型に属するCasヌクレアーゼが使用される。クラス2のV型Casヌクレアーゼは、V-A型、V-B型、V-C型、及びV-U型として更に分類することができる。例えば、Stella et al.Nature Structural & Molecular Biology(2017)を参照されたい。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、V-B型Casエンドヌクレアーゼ、例えば、C2c1である。例えば、Shmakov et al.Mol Cell(2015)60:385-397を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるゲノム編集の方法で使用されるCasヌクレアーゼは、V-A型Casエンドヌクレアーゼ、例えば、Cpf1(Cas12a)ヌクレアーゼである。例えば、Strohkendl et al.Mol.Cell(2018)71:1-9を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるゲノム編集の方法で使用されるCasヌクレアーゼは、プレボテーラ属種(Provetella spp.)、若しくはフランシセラ属種(Francisella spp.)、アシダミノコッカス属種(Acidaminococcus sp.)(AsCpf1)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)(LpCpf1)、又はユウバクテリウム・レクターレ(Eubacterium rectale)に由来するCpf1ヌクレアーゼである。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、MAD7(商標)(Inscripta)である。
CRISPR/Casヌクレアーゼの天然に存在するバリアント及び修飾バリアントの両方が、本開示の態様による使用に好適である。例えば、dCas又はニッカーゼバリアント、改変されたPAM特異性を有するCasバリアント、及び改善されたヌクレアーゼ活性を有するCasバリアントが、本開示のいくつかの実施形態によって包含される。
いくつかの例示的で非限定的な好適なCasヌクレアーゼのいくつかの特徴が、いかなる特定の理論にも拘束されることを所望することなく、本明細書により詳細に記載される。
天然に存在するCas9ヌクレアーゼは、典型的には、2つのローブ:認識(REC)ローブ及びヌクレアーゼ(NUC)ローブを含み、その各々は、例えば、PCT公開第WO2015/157070号、例えば、その中の図9A~9B(その出願が参照によりその全体で本明細書に組み込まれる)に記載されるドメインを更に含む。
RECローブは、アルギニン豊富ブリッジヘリックス(BH)、REC1ドメイン、及びREC2ドメインを含む。RECローブは、Cas9特異的機能ドメインであると考えられる。BHドメインは、長いアルファヘリックス及びアルギニン豊富領域であり、化膿連鎖球菌(S.pyogenes)Cas9の配列のアミノ酸60~93を含む。REC1ドメインは、例えば、gRNA又はtracrRNAの反復:抗反復二本鎖の認識に関与する。REC1ドメインは、化膿連鎖球菌Cas9の配列のアミノ酸94~179及び308~717に2つのREC1モチーフを含む。これら2つのREC1ドメインは、線形一次構造ではREC2ドメインによって分離されているが、三次構造に集合し、REC1ドメインを形成する。REC2ドメイン又はその一部はまた、反復:抗反復二本鎖の認識において役割を果たし得る。REC2ドメインは、化膿連鎖球菌Cas9の配列のアミノ酸180~307を含む。
NUCローブは、RuvCドメイン(本明細書ではRuvC様ドメインとも称される)、HNHドメイン(本明細書ではHNH様ドメインとも称される)、及びPAM相互作用(PI)ドメインを含む。RuvCドメインは、レトロウイルスインテグラーゼスーパーファミリーメンバーと構造的類似性を共有し、一本鎖、例えば、標的核酸分子の非相補鎖を切断する。RuvCドメインは、それぞれ、化膿連鎖球菌Cas9の配列のアミノ酸1~59、718~769、及び909~1098において、3つの分割RuvCモチーフ(当技術分野ではしばしば、RuvCIドメイン、又はN末端RuvCドメイン、RuvCIIドメイン、及びRuvCIIIドメインとして一般的に称される、RuvCI、RuvCII、及びRuvCIII)から組み立てられる。REC1ドメインと同様に、3つのRuvCモチーフは、一次構造内の他のドメインによって直線的に分離されるが、三次構造では、3つのRuvCモチーフは、集合してRuvCドメインを形成する。HNHドメインは、HNHエンドヌクレアーゼと構造的類似性を共有し、一本鎖、例えば、標的核酸分子の相補鎖を切断する。HNHドメインは、RuvC II-IIIモチーフの間に存在し、化膿連鎖球菌Cas9の配列のアミノ酸775~908を含む。PIドメインは、標的核酸分子のPAMと相互作用し、化膿連鎖球菌Cas9の配列のアミノ酸1099~1368を含む。
結晶構造が、天然に存在する細菌Cas9ヌクレアーゼ(例えば、Jinek et al.,Science(2014)343(6176):1247997を参照されたい)、及びガイドRNA(例えば、crRNA及びtracrRNAの合成融合)を有する化膿連鎖球菌Cas9(Nishimasu et al.,Cell(2014)156:935-949、及びAnders et al.,Nature(2014)doi:10.1038/naturel3579)について決定されている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるCas9分子は、標的部位に、又はその直接近位に二本鎖DNA切断の導入をもたらす、ヌクレアーゼ活性を示す。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、エンドヌクレアーゼの触媒残基のうちの1つを不活化するように修飾されている。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、ニッカーゼであり、一本鎖切断を生じる。例えば、Dabrowska et al.Frontiers in Neuroscience(2018)12(75)を参照されたい。酵素のRuvC及びHNH触媒ドメイン内の1つ以上の変異が、Cas9効率を改善し得ることが示されている。例えば、Sarai et al.Currently Pharma.Biotechnol.(2017)18(13)を参照されたい。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、第2のドメイン、例えば、DNA又はクロマチンを修飾するドメイン、例えば、デアミナーゼ又はデメチラーゼドメインと融合される。いくつかのそのような実施形態では、Cas9分子は、そのエンドヌクレアーゼ活性を排除するように修飾される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCasヌクレアーゼ又はCas/gRNA複合体は、相同性指向修復(HDR)のための鋳型と一緒に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCasヌクレアーゼ又はCas/gRNA複合体は、HDR鋳型を伴わずに投与される。
いくつかの実施形態では、酵素の特異性を増強する(例えば、オフターゲット効果を低減し、強固なオンターゲット切断を維持する)ように修飾されたCas9ヌクレアーゼが使用される。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、増強された特異性Cas9バリアント(例えば、eSPCas9)である。例えば、Slaymaker et al.Science(2016)351(6268):84-88を参照されたい。いくつかの実施形態では、Cas9分子は、高忠実度Cas9バリアント(例えば、SpCas9-HF1)である。例えば、Kleinstiver et al.Nature(2016)529:490-495を参照されたい。
様々なCasヌクレアーゼが、当技術分野で公知であり、様々な供給源から入手され、及び/又は酵素の1つ以上の活性若しくは特異性を調節するように操作/修飾され得る。好適なCasヌクレアーゼ、例えば、好適なCas9ヌクレアーゼ、例えば、spCas9及びsaCas9などのPAM配列の優先度及び特異性が、当技術分野において公知である。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、1つ以上のPAM配列を認識するように操作/修飾されている。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、Casヌクレアーゼが操作/修飾を伴わずに認識するPAM配列とは異なる1つ以上のPAM配列を認識するように操作/修飾されている。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼは、酵素のオフターゲット活性を低減するように操作/修飾されている。
いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼ活性の特異性を改変する(例えば、オフターゲット切断を低減し、細胞内のエンドヌクレアーゼ活性又は存続期間を減少させ、相同誘導型組換えを増加させ、非相同末端結合を低減する)ように更に修飾される、Casヌクレアーゼが使用される。例えば、Komor et al.Cell(2017)168:20-36を参照されたい。いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼのPAM認識又は選好を改変するように修飾される、Casヌクレアーゼが使用される。例えば、SpCas9が、PAM配列NGGを認識する一方で、1つ以上の修飾を含むSpCas9のいくつかのバリアント(例えば、VQR SpCas9、EQR SpCas9、VRER SpCas9)は、バリアントPAM配列、例えば、NGA、NGAG、及び/又はNGCGを認識し得る。別の例について、SaCas9が、PAM配列NNGRRTを認識する一方で、1つ以上の修飾を含むSaCas9のいくつかのバリアント(例えば、KKH SaCas9)は、PAM配列NNNRRTを認識し得る。別の実施例では、FnCas9が、PAM配列NNGを認識する一方で、FnCas9のバリアントは、1つ以上の修飾(例えば、RHA FnCas9)を含み、PAM配列YGを認識し得る。別の実施例では、置換変異S542R及びK607Rを含むCas12aヌクレアーゼは、PAM配列TYCVを認識する。別の実施例では、置換変異S542R、K607R、及びN552Rを含むCpf1エンドヌクレアーゼは、PAM配列TATVを認識する。例えば、Gao et al.Nat.Biotechnol.(2017)35(8):789-792を参照されたい。
いくつかの実施形態では、塩基編集を使用して、細胞中にゲノム修飾が作製される。塩基編集体は、典型的には、機能ドメイン、例えば、デアミナーゼドメインに融合された触媒的に不活性又は部分的に不活性なCasヌクレアーゼを含む。例えば、Eid et al.Biochem.J.(2018)475(11):1955-1964、Rees et al.Nature Reviews Genetics(2018)19:770-788を参照されたい。いくつかの実施形態では、触媒的に不活性なCasヌクレアーゼは、「不活性Cas」又は「dCas」と称される。いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼは、アデニン塩基編集(ABE)、例えば、RNAアデニンデアミナーゼTadAから進化したABEに融合されたdCasを含む。いくつかの実施形態では、エンドヌクレアーゼは、シチジンデアミナーゼ酵素(例えば、APOBECデアミナーゼ、pmCDA1、活性化誘発性シチジンデアミナーゼ(AID))に融合されたdCasを含む。いくつかの実施形態では、触媒的に不活性なCas分子は、低減した活性を有し、例えば、ニッカーゼである。
好適な塩基編集体の例としては、限定されるものではないが、BE1、BE2、BE3、HF-BE3、BE4、BE4max、BE4-Gam、YE1-BE3、EE-BE3、YE2-BE3、YEE-CE3、VQR-BE3、VRER-BE3、SaBE3、SaBE4、SaBE4-Gam、Sa(KKH)-BE3、Target-AID、Target-AID-NG、xBE3、eA3A-BE3、BE-PLUS、TAM、CRISPR-X、ABE7.9、ABE7.10、ABE7.10*、xABE、ABESa、VQR-ABE、VRER-ABE、Sa(KKH)-ABE、及びCRISPR-SKIPが含まれる。塩基編集体の追加の例は、例えば、米国公開第2018/0312825A1号、米国公開第2018/0312828A1号、及びPCT公開第WO2018/165629A1号で見出すことができ、これらは、参照によりそれらの全体で本明細書に組み込まれる。
本開示のいくつかの態様は、例えば、本明細書で提供されるようなRNAガイドヌクレアーゼを細胞のゲノム中の標的部位に標的化するのに好適なガイドRNAを提供する。いくつかの実施形態では、gRNAは、細胞のゲノム中に修飾(例えば、挿入、変異、欠失)をもたらす。こうした修飾は、遺伝子によってコードされるタンパク質の発現及び/若しくは調節の喪失、又はgRNAによって標的化される遺伝子によってコードされる遺伝子のバリアント形態の発現をもたらし得る。
「gRNA」及び「ガイドRNA」という用語は、全体を通じて互換的に使用され、gRNA/Cas9分子複合体の標的核酸への特異的標的化又はホーミングを促進する核酸を指す。gRNAは、本明細書で時にsgRNAと称される単分子(単一のRNA分子を有する)、又はモジュール(1つより多い、通常は2つの別個のRNA分子を含む)であり得る。gRNAは、宿主細胞のゲノム中の標的配列と結合し得る。gRNA(例えば、その標的化ドメイン)は、標的配列に対して部分的又は完全に相補的であり得る。gRNAはまた、(例えば、gRNA配列の標的化ドメインによって)gRNA配列と結合された標的配列にCas9分子を動員する、「足場配列」(例えば、tracrRNA配列)を含み得る。足場配列は、少なくとも1つのステムループ構造を含み、エンドヌクレアーゼを動員し得る。例示的な足場配列は、例えば、Jinek,et al.Science(2012)337(6096):816-821、Ran,et al.Nature Protocols(2013)8:2281-2308、PCT公開第WO2014/093694号、及びPCT公開第WO2013/176772号に見出すことができる。
いくつかの例示的な好適なCas9 gRNA足場配列が本明細書で提供され、追加の好適なgRNA足場配列が、本開示に基づいて当業者に明らかであろう。そのような追加の好適な足場配列には、限定されるものではないが、Jinek,et al.Science(2012)337(6096):816-821、Ran,et al.Nature Protocols(2013)8:2281-2308、PCT公開第WO2014/093694号、及びPCT公開第WO2013/176772号に記載されているものが含まれる。
例えば、天然に存在するspCas9 gRNAの結合ドメインは、典型的には、crRNA(部分的に)及びtracrRNAという2つのRNA分子を含む。crRNA配列及びtracrRNA配列の両方を含む単一RNA分子のみを含むspCas9 gRNAのバリアントは、例えば、テトラループを介して、又はクリック化学タイプの共有結合を介して、互いに共有結合され、操作され、一般に「単一ガイドRNA」又は「sgRNA」として言及される。標的部位を標的化するために好適なgRNAは、多数のドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、例えば、Cas9ヌクレアーゼが使用されるいくつかの実施形態では、単分子sgRNAは、5’から3’まで、
標的遺伝子座中の標的部位配列に対応する標的化ドメイン、
第1の相補性ドメイン、
結合ドメイン、
第2の相補性ドメイン(第1の相補性ドメインと相補的である)、
近位ドメイン、及び
任意選択的に、テイルドメイン、を含む。
天然に存在するCas12aガイドRNAが単一のRNA分子を含むため、他のCasヌクレアーゼ、例えば、Cas12aヌクレアーゼとともに使用するための好適なgRNAは、典型的には、単一のRNA分子のみを含む。したがって、好適なgRNAは、本明細書ではsgRNAと称されることもある、単分子(単一のRNA分子を有する)、又はモジュール式(1つより多く、典型的には、2つの別個のRNA分子を含む)であり得る。
いくつかの例示的な好適なCas12a gRNA足場配列が本明細書で提供され、追加の好適なgRNA足場配列が、本開示に基づいて当業者に明らかであろう。いくつかの実施形態では、例えば、Cas12aヌクレアーゼが使用されるいくつかの実施形態では、gRNAは、5’から3’まで、
近位ドメイン、
第1の相補性ドメイン、
結合ドメイン、及び
第2の相補性ドメイン(第1の相補性ドメインと相補的である)を含むCRISPR/CasヌクレアーゼのCRISPR RNA(crRNA)配列、並びに
標的部位配列に対応する標的化ドメインを含む。
これらのドメインの各々が、ここでより詳細に記載される。
本明細書で提供されるgRNAは、典型的には、細胞のゲノム中の標的部位と結合する標的化ドメインを含む。標的部位は、典型的には、PAM配列と、PAM配列と同一の鎖上に、かつそれに直接隣接して、標的配列とを含む、二本鎖DNA配列である。gRNAの標的化ドメインは、典型的には、時として1つ以上のミスマッチを伴う標的化ドメインの配列に類似するが、典型的には、DNA配列の代わりにRNAを含むという点で標的配列に対応する、RNA配列を含む。したがって、gRNAの標的化ドメインは、(完全又は部分的相補性で)標的配列の配列に相補的である二本鎖標的部位の配列と、したがって、PAM配列を含む鎖に相補的である鎖と塩基対合する。gRNAの標的化ドメインは、典型的には、PAM配列を含まないことが理解されるであろう。PAMの場所は、採用されるヌクレアーゼに応じて、標的部位配列の5’又は3’であり得ることが更に理解されるであろう。例えば、PAMは、典型的には、Cas9ヌクレアーゼについては標的配列の3’、Cas12aヌクレアーゼについては標的配列の5’である。PAMの場所及び標的部位に結合するgRNAの機構の例証については、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Vanegas et al.,Fungal Biol Biotechnol.(2019)6:6の図1を参照されたい。RNAガイドヌクレアーゼを標的部位に標的化するgRNAの機構の追加の例証及び説明については、両方とも参照により本明細書に組み込まれる、Fu Y et al,Nat Biotechnol(2014)(doi:10.1038/nbt.2808)、及びSternberg SH et al.,Nature(2014)(doi:10.1038/naturel3011)を参照されたい。
標的化ドメインは、標的配列の配列に対応するヌクレオチド配列、すなわち、PAM配列に直接隣接するDNA配列(例えば、Cas9ヌクレアーゼについてはPAM配列の5’、又はCas12aヌクレアーゼについてはPAM配列の3’)を含み得る。標的化ドメイン配列は、典型的には、17~30個のヌクレオチドを含み、標的配列に完全に対応する(すなわち、いかなるミスマッチヌクレオチドも伴わない)か、又は1つ以上であるが典型的には4つ以下のミスマッチを含み得る。標的化ドメインが、RNA分子の一部であるため、gRNAが、典型的には、リボヌクレオチドを含む一方で、DNA標的化ドメインは、デオキシリボヌクレオチドを含むであろう。
22個のヌクレオチド標的ドメイン及びNGG PAM配列を含むCas9標的部位、並びに標的ドメインに完全に対応する(したがって、標的ドメイン及びPAMを含む鎖に相補的なDNA鎖と完全な相補性で塩基対合する)標的化ドメインを含むgRNAの例示的な例証が、以下に提供される。
典型的なCas12a gRNAの構造は、例えば、Zetsche et al.Cell(2015)163(3):759-771の図1に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。22個のヌクレオチド標的ドメイン及びTTN PAM配列を含むCas12a標的部位、並びに標的ドメインに完全に対応する(したがって、標的ドメイン及びPAMを含む鎖に相補的なDNA鎖と完全な相補性で塩基対合する)標的化ドメインを含むgRNAの例示的な例証が、以下に提供される。
いくつかの実施形態では、Cas12a PAM配列は、5’-T-T-T-V-3’である。いくつかの実施形態では、Cas12a PAM配列は、5’-T-T-V-3’である。
理論によって拘束されることを所望しないが、少なくともいくつかの実施形態では、標的化ドメインの長さ及び標的配列との相補性は、標的核酸とのgRNA/Cas9分子複合体の相互作用の特異性に寄与すると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAの標的化ドメインは、長さが5~50個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが15~25個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが18~22個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが19~21個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが15個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが16個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが17個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが18個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが19個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが20個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが21個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが22個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが23個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが24個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、長さが25個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、ミスマッチを伴わずに、本明細書で提供される標的ドメイン配列又はその一部に完全に対応する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAの標的化ドメインは、本明細書で提供される標的ドメイン配列に対して1つのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメイン配列に対して2つのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、標的ドメインは、標的ドメイン配列に対して3つのミスマッチを含む。
いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、例えば、参照によりその全体で組み込まれる、PCT公開第WO2015/157070号に記載されるように、コアドメイン及び二次標的化ドメインを含む。いくつかの実施形態では、コアドメインは、標的化ドメインの3’末端から約8~約13個のヌクレオチド(例えば、標的化ドメインの最も3’位の8~13個のヌクレオチド)を含む。いくつかの実施形態では、二次ドメインは、コアドメインに対して5’に位置付けられる。いくつかの実施形態では、コアドメインは、標的ドメイン配列又はその一部に完全に対応する。他の実施形態では、コアドメインは、標的ドメイン配列の対応するヌクレオチドとミスマッチである、1つ以上のヌクレオチドを含み得る。
いくつかの実施形態では、例えば、Cas9 gRNAが提供されるいくつかの実施形態では、gRNAは、第1の相補性ドメインと、第2の相補性ドメインを含み、第1の相補性ドメインは、第2の相補性ドメインと相補的であり、少なくともいくつかの実施形態では、少なくともいくつかの生理学的条件下で二本鎖領域を形成するために、第2の相補性ドメインに対して十分な相補性を有する。いくつかの実施形態では、第1の相補性ドメインは、長さが5~30個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、第1の相補性ドメインは、5’から3’の方向に、5’サブドメイン、中央サブドメイン、及び3’サブドメインである、3つのサブドメインを含む。いくつかの実施形態では、5’サブドメインは、長さが4~9個、例えば、4、5、6、7、8又は9個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、中央サブドメインは、長さが1、2、又は3、例えば、1個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、3’サブドメインは、長さが3~25個、例えば、4~22個、4~18個、又は4~10個、又は3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のヌクレオチドである。第1の相補性ドメインは、天然の第1の相補性ドメインと相同性を共有することができ、又はそれから由来することができる。一実施形態では、それは、化膿レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、又はストレプトコッカス・サーモフィルスの第1の相補性ドメインと少なくとも50%の相同性を有する。
上述のドメインの配列及び配置は、その中の88~112頁を含む、参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2015/157070号により詳細に記載されている。
結合ドメインは、単分子gRNAの第1の相補性ドメインを第2の相補性ドメインと結合する役割を果たし得る。結合ドメインは、第1及び第2の相補性ドメインを共有結合的又は非共有結合的に結合することができる。いくつかの実施形態では、結合は、共有結合である。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、第1の相補性ドメインと第2の相補性ドメインとの間に介在する共有結合であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、1つ以上、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、結合ドメインは、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2018/126176号に開示される、少なくとも1つの非ヌクレオチド結合を含む。
いくつかの実施形態では、第2の相補性ドメインは、少なくとも部分的に、第1の相補性ドメインと相補的であり、一実施形態では、少なくともいくつかの生理学的条件下で二本鎖領域を形成するために第2の相補性ドメインに対して十分な相補性を有する。いくつかの実施形態では、第2の相補性ドメインは、第1の相補性ドメインとの相補性を欠く配列、例えば、二本鎖領域からループを作る配列を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の相補性ドメインは、長さが5~27個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、第2の相補性ドメインは、第1の相補性領域よりも長い。一実施形態では、相補性ドメインは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、第2の相補性ドメインは、5’から3’の方向に、5’サブドメイン、中央サブドメイン、及び3’サブドメインである、3つのサブドメインを含む。いくつかの実施形態では、5’サブドメインは、長さが3~25個、例えば、4~22個、4~18個、又は4~10個、又は3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、中央サブドメインは、長さが1、2、3、4、又は5個、例えば、3個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、3’サブドメインは、長さが4~9個、例えば、4、5、6、7、8又は9個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、第1の相補性ドメインの5’サブドメイン及び3’サブドメインは、それぞれ、第2の相補性ドメインの3’サブドメイン及び5’サブドメインと相補的、例えば、完全に相補的である。
いくつかの実施形態では、近位ドメインは、長さが5~20個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、近位ドメインは、天然に存在する近位ドメインと相同性を共有するか、又はそれに由来し得る。一実施形態では、それは、化膿レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、又はストレプトコッカス・サーモフィルス由来の近位ドメインと少なくとも50%の相同性を有する。
広範囲のテイルドメインが、gRNAで使用するために好適である。いくつかの実施形態では、テイルドメインは、長さが0(不在)、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、テイルドメインヌクレオチドは、天然に存在するテイルドメインの5’末端からの配列に由来するか、又はそれと相同性を共有する。いくつかの実施形態では、テイルドメインは、互いに相補的であり、少なくともいくつかの生理学的条件下で二本鎖領域を形成する配列を含む。いくつかの実施形態では、テイルドメインは、存在しないか、又は長さが1~50個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、テイルドメインは、天然に存在する近位テイルドメインと相同性を共有するか、又はそれに由来し得る。いくつかの実施形態では、テイルドメインは、化膿連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、又はストレプトコッカス・サーモフィルス由来のテイルドメインと少なくとも50%の相同性/同一性を有する。いくつかの実施形態では、テイルドメインは、3’末端に、インビトロ又はインビボ転写の方法に関連するヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAは、
例えば、5’から3’の方向に、
標的化ドメイン(標的遺伝子座内の標的ドメインに対応する)、及び
第1の相補性ドメイン、を含む、第1の鎖と、
例えば、5’から3’の方向に、
任意選択的に、5’拡張ドメイン、
第2の相補性ドメイン、
近位ドメイン、及び
任意選択的に、テイルドメイン、を含む、第2の鎖と、を含む。
表1では、「SpCas9」は、化膿連鎖球菌由来のCas9ヌクレアーゼを指す。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAのうちのいずれかは、化学的に修飾されている1つ以上のヌクレオチドを含む。gRNAの化学修飾は、以前に記載されており、好適な化学修飾には、gRNA機能のために有益であり、所与のgRNAの任意の望ましくない特性、例えば、標的外効果を計測可能に増加させない、任意の修飾が含まれる。好適な化学修飾としては、例えば、gRNAがエンドヌクレアーゼ又はエキソヌクレアーゼ触媒活性の影響をあまり受けなくするものが挙げられ、限定されるものではないが、ホスホロチオエート骨格修飾、2’-O-Me修飾(例えば、3’及び5’末端の一方又は両方における)、2’F修飾、二環式ヌクレオチド-cEtによるリボース糖の置き換え、3’チオPACE(MSP)修飾、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。追加の好適なgRNA修飾が、本開示に基づいて当業者に明らかとなり、そのような好適なgRNA修飾としては、限定されるものではないが、例えば、各々が参照によりその全体で本明細書に組み込まれる、Rahdar et al.PNAS(2015)112(51)E7110-E7117、及びHendel et al.,Nat Biotechnol.(2015);33(9):985-989に記載されているものが挙げられる。
例えば、本明細書で提供されるgRNAは、1つ以上の2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’末端に、2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの3’末端に、2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’及び3’末端の両方に、2’-O修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチルヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及び3’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾されていない。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾された糖を有していない。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドで、2’-O-メチル修飾される。いくつかの実施形態では、2’-O-メチルヌクレオチドは、隣接するヌクレオチドへのリン酸塩結合を含む。いくつかの実施形態では、2’-O-メチルヌクレオチドは、隣接するヌクレオチドへのホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、2’-O-メチルヌクレオチドは、隣接するヌクレオチドへのチオPACE結合を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAは、1つ以上の2’-O修飾及び3’リン修飾ヌクレオチド、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’及び3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、1つ以上の非架橋酸素原子が硫黄原子に置き換えられている、骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾されていない。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾された糖を有していない。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’ホスホロチオエート修飾される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAは、1つ以上の2’-O修飾及び3’-リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、gRNAの5’及び3’末端に、2’-O修飾及び3’リン修飾、例えば、2’-O-メチル3’チオPACEヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、1つ以上の非架橋酸素原子が硫黄原子に置き換えられ、1つ以上の非架橋酸素原子が酢酸基に置き換えられている、骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾されていない。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチドは、化学的に修飾された糖を有していない。いくつかの実施形態では、gRNAは、2’-O修飾及び3’リン修飾され、例えば、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドで、2’-O-メチル3’チオPACE修飾される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAは、化学的に修飾された骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の非架橋酸素原子は、硫黄原子に置き換えられている。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第3のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドは各々、ホスホロチオエート結合を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるgRNAは、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、1つ以上の非架橋酸素原子が硫黄原子に置き換えられ、1つ以上の非架橋酸素原子が酢酸基に置き換えられている、骨格を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの5’末端からの第3のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端におけるヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第3のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドは各々、チオPACE結合を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるgRNAは、1つ以上の2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエートヌクレオチド、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、又は6個の2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるgRNAは、3つの末端位置及び5’末端のうちの1つ以上に、並びに/又は3つの末端位置及び3’末端のうちの1つ以上に、修飾ヌクレオチド(例えば、2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエートヌクレオチド)を含む。いくつかの実施形態では、gRNAの5’末端におけるヌクレオチド、gRNAの5’末端からの第2のヌクレオチド、5’末端からの第3のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第2のヌクレオチド、gRNAの3’末端からの第3のヌクレオチド、及びgRNAの3’末端からの第4のヌクレオチドは各々、2’-O-メチル-3’-ホスホロチオエートヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、例えば、参照によりそれらの全体で組み込まれる、PCT公開第WO2017/214460号、同第WO2016/089433号、及び同第WO2016/164356号に記載されるように、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含み得る。
本明細書で提供されるgRNAは、好適な任意の様式において細胞に送達され得る。例えば、RNAガイドヌクレアーゼと結合したgRNAを含むRNPを含む、CRISPR/Casシステムの送達のための様々な好適な方法が記載されており、例示的な、好適な方法は、限定されないが、細胞中へのRNPのエレクトロポレーション、細胞中へのCRISPR/CasヌクレアーゼをコードするmRNA及びgRNAのエレクトロポレーション、様々なタンパク質又は核酸トランスフェクション方法、及びウイルスベクター、例えば、例えば、レトロウイルス(例、レンチウイルス)ベクターなどを介したコードRNA又はDNAの送達を含む。任意の好適な送達方法が、本開示によって包含され、本開示は、この点に関して限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるgRNAは、CRISPR/Casヌクレアーゼを標的部位配列に誘導し、標的部位配列でDNAの一方又は両方の鎖の切断を誘導することができる。
遺伝子操作細胞及び関連する組成物
本開示の態様は、連続的な様式で細胞のゲノムにおいて遺伝子修飾(例えば、変異)をもたらすための方法に関する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、連続的に、第1の標的部位での編集と、それに続く第2の標的部位での編集などから生じる1つを超える遺伝子修飾(例えば、2、3、4、5、又はそれ以上)を有する遺伝子操作細胞を産生する。いくつかの実施形態では、方法は、細胞又は細胞集団を、(i)第1の標的配列と結合する標的化ドメインを含む第1のgRNA、及び(ii)第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、第1の標的配列と結合するリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成することを含む。いくつかの実施形態では、RNP複合体の第1の標的配列との結合は、第1の標的配列での又はその近位でのDNAの二本鎖切断を生じさせる。いくつかの実施形態では、方法は、細胞又は細胞集団を、(i)第2の標的配列と結合する標的化ドメインを含む第2のgRNA、及び(ii)第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、第2の標的配列と結合するリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成することを含み、細胞又は細胞集団を、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させること、並びに細胞又は細胞集団を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させることが、時間間隔を隔てて連続的に実施される。いくつかの実施形態では、RNP複合体の第2の標的配列との結合は、第2の標的配列での又はその近位でのDNAの二本鎖切断を生じさせる。いくつかの実施形態では、第1の標的化ドメイン及び第2の標的化ドメインは、異なり、例えば、同じヌクレオチド配列を有さず、同じ標的配列と結合しない。
本明細書に記載されるように、及び当業者に明らかであるように、例えば、細胞を、細胞のゲノム中の標的化配列を標的とするgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させることによる、細胞のDNA中の二本鎖切断(DSB)の生成は、任意の適用可能なDNA修復機構を使用して細胞によって修復され得る。概して、DSBは、例えば、(「NHEJ」、古典的非相同末端結合(「c-NHEJ」とも呼ばれる)、マイクロホモロジー媒介末端結合(「MMEJ」、代替末端結合(「alt-EJ」)とも呼ばれる)、又は相同性指向性組換え(「HDR」)経路によって修復され得る。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、第1の標的配列に修飾を導入することを伴い、修飾は、細胞DNA修復機構によって認識/分解される二本鎖切断を行い、次いで、第2の標的配列に修飾を導入することを含み、修飾は、細胞DNA修復機構によって認識/分解される二本鎖切断を行うことを含む。理論に束縛されることを望むものではないが、異なる細胞DNA修復機構に関連する動態は、ゲノムDNAの切断が修復される速度、すなわち切断がどれくらいの時間持続するか(例えば、細胞をgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させた後)を決定すると考えられる。例えば、Chang et al.Nat Rev Mol Cell Biol.(2017)18(8):495-506、及びKochan et al.Nucleic Acids Res.(2017)Dec 15;45(22):12625-12637を参照されたい。理論に束縛されることを望むものではないが、NHEJは、他の修復経路よりもより迅速に二本鎖切断を修復すると考えられている。更に、二本鎖切断を認識及び修復するために使用されるDNA修復経路は、結果として生じる修飾(例えば、挿入、欠失、転座)及び当該修飾のサイズ(例えば、挿入、欠失されたヌクレオチドの数)に影響を与える。本明細書に開示される方法の細胞がそのゲノムDNAに複数の切断を含む時間を最小限に抑え、したがって転座事象のリスクを低減/最小限に抑えるために、修飾される第1の標的配列は、第2の標的配列における修飾の前に、DNA修復機構によってDSBが優先的に認識/修復されるように選択され得る。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団と接触する第1のgRNAは、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼで生成されたDSBが、細胞又は細胞集団を第2のgRNAと接触させる前に、DNA修復機構によって優先的に認識/修復されるように選択され得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子修飾の順序は、DSBのDNA修復の予測速度に基づいて選択される。例えば、いくつかの実施形態では、より速い速度で分解/修復されると予測されるDSBは、より遅い速度で分解/修復されると予測されるDSBの前の第1の遺伝子修飾として選択される。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団を、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させることは、高速分解二本鎖切断をもたらす。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させることは、高速分解二本鎖切断をもたらす。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させることは、緩徐分解二本鎖切断をもたらす。理論に束縛されることを望むものではないが、二本鎖切断の性質(例えば、3’及び/又は5’オーバーハングの有無、オーバーハングの長さ、平滑末端の存在)は、細胞DNA修復プロセスによって二本鎖切断が認識及び/又は分解される(例えば、挿入又は欠失を生成する)速度に影響を与えると考えられる。
本明細書で使用される場合、高速分解二本鎖切断は、細胞又は細胞の集団を切断生成因子(例えば、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼ)と接触させた後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、又は48時間未満で検出可能である二本鎖切断である。いくつかの実施形態では、高速分解二本鎖切断は、細胞又は細胞集団を切断生成因子(例えば、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼ)と接触させた後、14、12、10、8、6、4、2、若しくは1時間未満で細胞又は細胞集団において検出可能である。いくつかの実施形態では、高速分解二本鎖切断は、細胞又は細胞集団を切断生成因子(例えば、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼ)と接触させた後、120、110、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、若しくは1分未満で細胞又は細胞集団において検出可能である。
本明細書で使用される場合、緩徐分解二本鎖切断は、細胞又は細胞集団を切断生成因子(例えば、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼ)と接触させた後、少なくとも12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、又は72時間で検出可能である二本鎖切断である。いくつかの実施形態では、緩徐分解二本鎖切断は、細胞又は細胞集団を切断生成因子(例えば、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼ)と接触させた後、少なくとも24、28、32、36、若しくは40時間で細胞又は細胞集団において検出可能である。理論に束縛されることを望むものではないが、第1の標的配列及び/又は第1のgRNAを選択して、第1の標的配列に対する修飾が高速分解二本鎖切断を含むように行うことによって、第2の標的配列に対する修飾に関連して、細胞がゲノム中に2つの二本鎖切断を含む重複時間が最小限に抑えられるか、又は排除され、それによって転座産物のレベルが低減するか、又は転座産物のリスクが排除される。
いくつかの実施形態では、修飾される第1の標的配列は、DSBがNHEJ修復機構によって優先的に認識/修復されるように選択され得る。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団と接触する第1のgRNAは、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼを用いて生成されたDSBがNHEJ修復機構によって優先的に認識/修復されるように選択され得る。
いくつかの実施形態では、修飾される第2の標的配列は、DSBがNHEJ又は非NHEJ修復機構(例えば、相同組換え又はMMEJ)によって優先的に認識/修復されるように選択され得る。いくつかの実施形態では、改変される第2の標的配列は、DSBがMMEJ修復機構によって優先的に認識/修復されるように選択され得る。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団と接触する第2のgRNAは、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼを用いて生成されたDSBがNHEJ又は非NHEJ修復機構(例えば、相同組換え又はMMEJ)によって優先的に認識/修復されるように選択され得る。いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団と接触する第2のgRNAは、gRNA及びRNAガイドヌクレアーゼを用いて生成されたDSBがMMEJ修復機構によって優先的に認識/修復されるように選択され得る。
いくつかの実施形態では、細胞又は細胞集団を、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させること、並びに細胞又は細胞集団を第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させることは、時間間隔を隔てる。時間間隔は、例えば、第1の標的ドメインへの修飾に関連するDNAの切断が、第2の標的ドメインへの修飾に関連するDNAの異なる切断の形成前に、実質的に(例えば、完全に)修復される(例えば、挿入又は欠失を生成する)ことを保証する因子に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、時間間隔は、細胞又は細胞集団を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる前に、DSBの少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は100%が修復されるのに十分である。
いくつかの実施形態では、第1の二本鎖切断生成ステップ(例えば、細胞を、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる間)と、第2の二本鎖切断生成ステップ(例えば、細胞を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる)との間の時間間隔は、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100時間(及び任意選択で、100、90、80、70、60、50、40、30、又は20時間以下)である。いくつかの実施形態では、第1の二本鎖切断生成ステップ(例えば、細胞を、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる間)と、第2の二本鎖切断生成ステップ(例えば、細胞を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる)との間の時間間隔は、10~100、12~100、15~100、18~100、20~100、24~100、28~100、30~100、36~100、42~100、48~100、54~100、60~100、70~100、80~100、90~100、10~80、12~80、15~80、18~80、20~80、24~80、28~80、30~80、36~80、42~80、48~80、54~80、60~80、70~80、10~60、12~60、15~60、18~60、20~60、24~60、28~60、30~60、36~60、42~60、48~60、54~60、10~54、12~54、15~54、18~54、20~54、24~54、28~54、30~54、36~54、42~54、48~54、10~48、12~48、15~48、18~48、20~48、24~48、28~48、30~48、36~48、42~48、10~42、12~42、15~42、18~42、20~42、24~42、28~42、30~42、36~42、10~36、12~36、15~36、18~36、20~36、24~36、28~36、30~36、10~30、12~30、15~30、18~30、20~30、24~30、28~30、10~28、12~28、15~28、18~28、20~28、24~28、10~24、12~24、15~24、18~24、20~24、10~20、12~20、15~20、18~20、10~18、12~18、15~18、10~15、12~15、又は10~12時間である。いくつかの実施形態では、第1の二本鎖切断生成ステップ(例えば、細胞を、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる間)と、第2の二本鎖切断生成ステップ(例えば、細胞を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる)との間の時間間隔は、約30時間である。
本明細書に記載されるように、本開示は、部分的に、連続的な遺伝子修飾が行われる順序及び/又はタイミングが、細胞又は細胞集団中で産生される望ましくない転座産物のレベルに寄与し得るという発見に基づく。理論に束縛されることを望むものではないが、複数のゲノムDNA修飾を含む遺伝子操作細胞を産生することが望ましいが、実質的に同時に細胞のゲノムDNAに複数の切断(例えば、二本鎖切断)が存在することは、細胞のDNA修復機構が転座産物を産生する様式で切断を修復する可能性を低減するために減少又は回避されるべきであると考えられる。
「転座産物」という用語は、互いに近接して自然には発生しないゲノムDNAの少なくとも2つの部分を含む核酸を指すために本明細書で使用される。例えば、第1の染色体の一部及び第2の染色体の一部が結合され、その結果、第1の染色体及び第2の染色体の融合が生じ得る(例えば、染色体再配列)。あるいは、染色体の第1の部分及び同じ染色体の第2の部分は、逆位などの自然に存在しない配向で結合され得る。例えば、Modern Genetic Analysis.“Chromosomal Rearrangements”Griffiths AJF,Gelbart WM,Miller JH,et al.New York:W.H.Freeman;1999を参照されたい。いくつかの実施形態では、転座産物は、ゲノムDNAの複数の切断を修復する細胞DNA修復機構によって形成される。図3は、アセントリック、ダイセントリック、及びバランス型産物を含む、いくつかの例示的な転座産物を示す。いくつかの実施形態では、転座産物は、1つの天然に存在する染色体若しくは2つの天然に存在する染色体の大部分又は全てを含む。いくつかの実施形態では、転座産物は、天然に存在する染色体の50、40、30、20、又は10%未満を含む。いくつかの実施形態では、転座産物は、単一のセントロメアを含む。いくつかの実施形態では、転座産物は1つを超えるセントロメア、例えば、2つのセントロメアを含む(すなわち、転座産物はダイセントリックである)。いくつかの実施形態では、転座産物は、セントロメアを含まない(すなわち、転座産物はアセントリックである)。いくつかの実施形態では、転座産物は、バランス型であり、遺伝子情報が除去又は複製されないことを意味する。バランス型転座産物の例には、相互転座及び逆位体が含まれる。相互転座では、2つの染色体の2つのアセントリック断片が交替する(図3、「バランス型」の概略図を参照されたい)。逆位転座では、染色体の2つを超える断片が生成され、断片は逆位配向に配置される。いくつかの実施形態では、転座産物は、欠失(遺伝子情報の喪失)及び重複(遺伝子情報の重複)などの不均衡である。
「転座産物細胞」という用語は、1つ以上の転座産物を含む細胞を指すために本明細書で使用される。転座産物の存在、及び転座産物の種類(例えば、アセントリック、ダイセントリック、及びバランス型)は、当技術分野で公知の方法、例えばDNA配列決定、産物のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅によって評価され得る。
本開示の方法は、転座産物及び当該転座産物を含む転座産物細胞の形成を減少又は排除するための1つ以上の手段を採用し得る。例えば、本明細書に記載の方法は、第1のステップで第1の標的ドメインに修飾を導入すること、及び第2のステップで第2の標的ドメインに修飾を導入することを伴い、2つのステップは時間間隔(例えば、二本鎖切断の重複発生を低減又は排除するように選択される)を隔てる。更なる例として、本明細書に記載される方法は、第1の標的ドメインに修飾を導入することを伴い得、修飾は、NHEJによって認識/分解される二本鎖切断を行い、次いで、第2の標的ドメインに修飾を導入することを含み、修飾は、任意の細胞DNA修復機構(例えば、NHEJ又は非NHEJ経路、例えば、相同組換え又はMMEJ)によって認識/分解される二本鎖切断を行うことを含む。更なる例として、本開示の方法は、第1の標的ドメインに修飾を導入し得、修飾は、高速分解二本鎖切断を行い、次いで、第2の標的ドメインに修飾を導入することを含み、修飾は、高速又は緩徐分解二本鎖切断(例えば、緩徐分解二本鎖切断)を行うことを含む。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、第1の系統特異的細胞表面抗原をコードする配列を含む第1の標的ドメインに修飾を導入することと、次いで、系統特異的細胞表面抗原をコードする配列を含む第2の標的ドメインに修飾を導入することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1の系統特異的細胞表面抗原は、CD33である。いくつかの実施形態では、第2の系統特異的細胞表面抗原は、CD19、CLL-1、又はCD5である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、転座産物細胞の亜集団を産生する。いくつかの実施形態では、各転座産物細胞は、少なくとも1つの転座産物を含む。いくつかの実施形態では、転座産物は、第1の標的ドメイン又はその一部、及び第2の標的ドメイン又はその一部を含む、核酸(例えば、ゲノムの一部)を含む。転座産物は、第1の標的ドメイン又はその一部を第2の標的ドメイン又はその一部に接続する様式で、第1の標的ドメインでの又はその近位での二本鎖切断、及び第2の標的ドメインでの又はその近位での二本鎖切断の細胞DNA修復によって形成され得る。例えば、図3を参照されたい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、第1の標的配列に修飾を導入する(例えば、細胞を、第1のgRNAと接触させる)前に、第2の標的配列に修飾を導入する(例えば、細胞を、第2のgRNAと接触させる)方法を使用して産生される転座産物細胞の数(又はパーセンテージ)と比較して、少なくとも1、3、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、第1の標的配列に修飾を導入する(例えば、細胞を、第1のgRNAと接触させる)前に、第2の標的配列に修飾を導入する(例えば、細胞を、第2のgRNAと接触させる)方法を使用して産生される転座産物細胞の数(又はパーセンテージ)と比較して、1~10%、1~20%、1~30%、1~40%、1~50%、1~60%、1~70%、1~80%、1~90%、1~100%、10~20%、10~30%、10~40%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~100%、20~30%、20~40%、20~50%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~100%、30~40%、30~50%、30~60%、30~70%、30~80%、30~90%、30~100%、40~50%、40~60%、40~70%、40~80%、40~90%、40~100%、50~60%、50~70%、50~80%、50~90%、50~100%、60~70%、60~80%、60~90%、70~100%、70~80%、70~90%、70~100%、80~90%、80~100%、又は90~100%少ない転座産物細胞を産生する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、実質的に同じ時間(例えば、同時に)に第1の標的配列及び第2の標的配列に修飾を導入することを伴う方法、例えば、細胞を、第1のgRNA及び第2のgRNAと実質的に同じ時間に接触させることを使用して産生された転座産物細胞の数(又はパーセンテージ)と比較して、少なくとも1、3、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%少ない転座産物細胞を産生する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、実質的に同じ時間(例えば、同時に)に第1の標的配列及び第2の標的配列に修飾を導入する方法、例えば、細胞を、第1のgRNA及び第2のgRNAと実質的に同じ時間に接触させることを使用して産生された転座産物細胞の数(又はパーセンテージ)と比較して、1~10%、1~20%、1~30%、1~40%、1~50%、1~60%、1~70%、1~80%、1~90%、1~100%、10~20%、10~30%、10~40%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~100%、20~30%、20~40%、20~50%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~100%、30~40%、30~50%、30~60%、30~70%、30~80%、30~90%、30~100%、40~50%、40~60%、40~70%、40~80%、40~90%、40~100%、50~60%、50~70%、50~80%、50~90%、50~100%、60~70%、60~80%、60~90%、70~100%、70~80%、70~90%、70~100%、80~90%、80~100%、又は90~100%少ない転座産物細胞を産生する。
遺伝子操作細胞、及び当該細胞を含むか、又はそれと関連する組成物
一部の態様では、本開示は、転座事象(転座産物)又は転座事象のリスクを低減させる様式で、細胞のゲノムに複数の(例えば、少なくとも2、3、4、5、又はそれ以上)遺伝子修飾(例えば、変異)を効果的に生成する方法を提供する。いくつかの態様では、本開示は、遺伝子操作細胞又は複数の遺伝子操作細胞を含む、細胞及び細胞集団を対象とし、遺伝子操作細胞は、第1のゲノム修飾及び第2のゲノム修飾を含み、第1の標的ドメインは、第2の標的ドメインとは異なり、第1のゲノム修飾は、第2のゲノム修飾の前に行われる。いくつかの実施形態では、第1のゲノム修飾は、遺伝子操作細胞のゲノム中の第1の標的ドメイン内若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなる。いくつかの実施形態では、第1のゲノム修飾は、NHEJによって生成される挿入又は欠失(例えば、二本鎖切断のNHEJ修復)である。いくつかの実施形態では、第2のゲノム修飾は、遺伝子操作細胞のゲノム中の第3の標的ドメイン内若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなる。いくつかの実施形態では、第2のゲノム修飾は、NHEJ若しくは非NHEJ修復プロセス(例えば、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)又は相同組換え)(例えば、二本鎖切断のNHEJ若しくは非NHEJ修復)によって生成される挿入又は欠失である。
いくつかの実施形態では、第1のゲノム修飾は、遺伝子操作細胞のゲノム中の第1の標的ドメイン内若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなり、挿入又は欠失は、高速分解二本鎖切断(例えば、高速分解二本鎖切断の修復)によって産生される。いくつかの実施形態では、第2のゲノム修飾は、遺伝子操作細胞のゲノム中の第2の標的ドメイン内若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなり、挿入又は欠失は、高速分解二本鎖切断又は緩徐分解二本鎖切断(例えば、高速分解二本鎖切断又は緩徐分解二本鎖切断の修復)によって産生される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して産生された細胞は、第2のゲノム修飾後に第1のゲノム修飾を行うことにおいて、他の方法の同様の細胞よりも少ない転座産物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して産生された細胞集団は、第2のゲノム修飾後に第1のゲノム修飾を行うことにおいて、他の方法の同様の細胞集団よりも少ない転座産物細胞を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して産生された細胞は、第1のゲノム修飾及び第2のゲノム修飾を実質的に同じ時間(例えば、同時に)に行うことにおいて、他の方法の同様の細胞よりも少ない転座産物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して産生された細胞は、細胞を第2の標的化ドメインを含む第2のgRNAと接触させるのと実質的に同じ時間(例えば、同時に)に、細胞を第1の標的化ドメインを含む第1のgRNAと接触させることにおいて、他の方法の同様の細胞よりも少ない転座産物を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して産生された細胞集団は、第1のゲノム修飾及び第2のゲノム修飾を実質的に同じ時間(例えば、同時に)に行うことにおいて、他の方法の同様の細胞集団よりも少ない転座産物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法を使用して産生された細胞集団は、細胞集団を第2の標的化ドメインを含む第2のgRNAと接触させるのと実質的に同じ時間(例えば、同時に)に、細胞集団を第1の標的化ドメインを含む第1のgRNAと接触させることにおいて、他の方法の同様の細胞集団よりも少ない転座産物を含む。いくつかの実施形態では、細胞集団の細胞の90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.25、又は0.1%未満(例えば、0%)が、転座産物細胞である。
したがって、本明細書に記載される方法を使用して(例えば、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドを使用して)産生される、遺伝子操作細胞、その集団、及びそれらに由来する細胞が本明細書に提供される。また、当該細胞、例えば、1つ以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物も提供される。
本明細書に記載される方法は、本明細書に記載されるCRISPR/Casシステムを使用して遺伝子操作することができる任意の細胞又は細胞型に適用され得る。いくつかの実施形態では、細胞は、真核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞、酵母細胞、真菌細胞、又は植物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト細胞又はマウス細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト対象などの対象から取得され得る。いくつかの実施形態では、細胞は、造血器悪性腫瘍などの疾患又は障害を有するヒト対象などのヒト対象から取得され得る。いくつかの実施形態では、細胞は、健康なドナーから取得される。造血幹細胞などの哺乳動物細胞を取得する方法は、例えば、PCT/US2016/057339に記載されており、その全体で参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、哺乳動物対象は、非ヒト霊長類、齧歯類(例えば、マウス又はラット)、ウシ、ブタ、ウマ、又は家畜である。
いくつかの実施形態では、HSCは、キメラ受容体を発現する免疫細胞がその後に投与される対象から取得される。細胞が取得された同じ対象に投与される細胞は、自己細胞と称される一方で、細胞が投与される対象ではない対象から取得される細胞は、同種異系細胞と称される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される細胞は、幹細胞である。いくつかの実施形態では、幹細胞は、胚性幹細胞、成体幹細胞、人工多能性幹細胞、臍帯血幹細胞、又は羊水幹細胞である。いくつかの実施形態では、幹細胞は、造血幹細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞、上皮幹細胞、又は皮膚幹細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される細胞は、幹細胞に由来し、複数の細胞型に分化することができる、前駆細胞である。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される細胞は、造血細胞、例えば、造血幹細胞(HSC)又は造血前駆細胞(HPC)である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される細胞は、造血幹細胞又は造血前駆細胞である。造血幹細胞(HSC)は、典型的には、骨髄系前駆細胞及びリンパ系前駆細胞の両方を生じさせることができ、それら前駆細胞はそれぞれ、更に骨髄系細胞(例えば、単球、マクロファージ、好中球、好塩基球、樹状細胞、赤血球、血小板など)及びリンパ系細胞(例えば、T細胞、B細胞、NK細胞)を生じさせる。HSCは、HSCの特定及び/又は単離に使用され得る細胞表面マーカーCD34の発現(例えばCD34+)、及び細胞系統への関与に関連する細胞表面マーカーの不在によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、HSCは、末梢血HSCである。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される細胞は、免疫エフェクター細胞である。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞は、リンパ球である。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞は、Tリンパ球である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、アルファ/ベータTリンパ球である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、ガンマ/デルタTリンパ球である。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞は、ナチュラルキラーT(NKT細胞)である。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。
当業者は、しかし、そのような例の提供は、一部の特定の実施形態を例証する目的のためであり、追加の適切な細胞及び細胞型が、本開示に基づいて当業者に明らかであろうが、それは、この点において限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される遺伝子操作細胞は、1つを超えるゲノム修飾、例えば、タンパク質、例えば、標的部位配列によってコードされるか、若しくは調節されるタンパク質、又はタンパク質のバリアント形態の発現の低減又は喪失をもたらす1つを超えるゲノム修飾を含む。本明細書で提供される遺伝子編集方法は、標的遺伝子座の一方又は両方の対立遺伝子においてゲノム修飾をもたらし得ることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、所与の遺伝子座の両方の対立遺伝子におけるゲノム修飾を含む、遺伝子操作細胞が好ましい。
いくつかの実施形態では、標的遺伝子座の両方の対立遺伝子に影響を及ぼす遺伝子修飾は、本明細書では、「二対立遺伝子」修飾と呼ばれる。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子編集アプローチは、標的遺伝子座の二対立遺伝子欠失をもたらす。二対立遺伝子欠失をもたらす編集手順を受け得る標的遺伝子座の例としては、CD33及びCLL-1が挙げられ、いくつかの実施形態では、二対立遺伝子欠失は、所与の集団における細胞の割合がCD33及び/又はCLL-1の二対立遺伝子欠失を含むことを反映する遺伝子分析により特徴付けられる。いくつかの実施形態では、二対立遺伝子欠失を検出又は特徴付けするために使用される遺伝子分析は、NGSデータのTIDE分析を使用したインデル分析を含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法及び組成物は、標的遺伝子座としてCD33及び/又はCLL-1対して向けられたRNPでエレクトロポレーションされた集団中の細胞の80%を超える細胞において、CD33及び/又はCLL-1の二対立遺伝子欠失をもたらす。いくつかの実施形態では、CD33及び/又はCLL-1の二対立遺伝子欠失を含む集団中の細胞の80%超が、集団中の細胞の約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%に所望の編集結果が存在することを意味する。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される遺伝子操作細胞は、2つ以上のゲノム修飾を含む。例えば、遺伝子操作細胞の集団は、複数の異なる変異、例えば、細胞中の同じ又は異なる遺伝子座における2つ以上の変異を含み得る。
当業者にとって明らかであるように、本明細書に記載される組成物及び方法を使用して、例えば、タンパク質コード配列、非タンパク質コード配列、染色体配列、及び染色体外配列を含む、細胞中の任意の遺伝子座位が修飾され得る。したがって、gRNAの標的化ドメインは、対応するCRISPR/CasヌクレアーゼのPAM配列に隣接する標的部位配列などの任意の遺伝子座位(すなわち、標的部位配列)を標的とするように設計され得る。
いくつかの実施形態では、gRNAの標的化ドメイン(例えば、第1のgRNA、第2のgRNA)は、0型、1型、又は2型細胞表面タンパク質などの細胞表面タンパク質を標的とする。例えば、PCT公開第WO2017/066760号を参照されたい。いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、BCMA、CD19、CD20、CD30、ROR1、B7H6、B7H3、CD23、CD33、CD38、C型レクチン様分子-1(CLL-1、本明細書ではCLL1とも呼ばれる)、CS1、IL-5、L1-CAM、PSCA、PSMA、CD138、CD133、CD70、CD5、CD6、CD7、CD13、NKG2D、NKG2Dリガンド、CLEC12A、CD11、CD123、CD56、CD34、CD14、CD66b、CD41、CD61、CD62、CD235a、CD146、CD326、LMP2、CD22、CD52、CD10、CD3/TCR、CD79/BCR、及び/又はCD26を標的とする。
いくつかの実施形態では、gRNA(例えば、第1のgRNA、第2のgRNA)の標的化ドメインは、腫瘍性若しくは悪性の疾患又は障害、例えば、限定されないが、CD20、CD22(非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL))、CD52(B細胞CLL)、CD33(急性骨髄性白血病(AML))、CD10(gp100)(一般的な(プレB)急性リンパ性白血病及び悪性黒色腫)、CD3/T細胞受容体(TCR)(T細胞リンパ腫及び白血病)、CD79/B細胞受容体(BCR)(B細胞リンパ腫及び白血病)、CD26(上皮及びリンパ系悪性腫瘍)、ヒト白血球抗原(HLA)-DR、HLA-DP、及びHLA-DQ(リンパ系悪性腫瘍)、RCAS1(婦人科がん、胆管腺がん、及び膵臓の管腺がん)、並びに前立腺特異的膜抗原などの特定の種類のがんに関連する細胞表面タンパク質を標的とする。
細胞表面タンパク質の追加の非限定的な例としては、CD1a、CD1b、CD1c、CD1d、CD1e、CD2、CD3、CD3d、CD3e、CD3g、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8a、CD8b、CD9、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD11d、CDw12、CD13、CD14、CD15、CD16、CD16b、CD17、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD25、CD26、CD27、CD28、CD29、CD30、CD31、CD32a、CD32b、CD32c、CD34、CD35、CD36、CD37、CD38、CD39、CD40、CD41、CD42a、CD42b、CD42c、CD42d、CD43、CD44、CD45、CD45RA、CD45RB、CD45RC、CD45RO、CD46、CD47、CD48、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD50、CD51、CD52、CD53、CD54、CD55、CD56、CD57、CD58、CD59、CD60a、CD61、CD62E、CD62L、CD62P、CD63、CD64a、CD65、CD65s、CD66a、CD66b、CD66c、CD66F、CD68、CD69、CD70、CD71、CD72、CD73、CD74、CD75、CD75S、CD77、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CD84、CD85A、CD85C、CD85D、CD85E、CD85F、CD85G、CD85H、CD85I、CD85J、CD85K、CD86、CD87、CD88、CD89、CD90、CD91、CD92、CD93、CD94、CD95、CD96、CD97、CD98、CD99、CD99R、CD100、CD101、CD102、CD103、CD104、CD105、CD106、CD107a、CD107b、CD108、CD109、CD110、CD111、CD112、CD113、CD114、CD115、CD116、CD117、CD118、CD119、CD120a、CD120b、CD121a、CD121b、CD121a、CD121b、CD122、CD123、CD124、CD125、CD126、CD127、CD129、CD130、CD131、CD132、CD133、CD134、CD135、CD136、CD137、CD138、CD139、CD140a、CD140b、CD141、CD142、CD143、CD14、CDw145、CD146、CD147、CD148、CD150、CD152、CD152、CD153、CD154、CD155、CD156a、CD156b、CD156c、CD157、CD158b1、CD158b2、CD158d、CD158e1/e2、CD158f、CD158g、CD158h、CD158i、CD158j、CD158k、CD159a、CD159c、CD160、CD161、CD163、CD164、CD165、CD166、CD167a、CD168、CD169、CD170、CD171、CD172a、CD172b、CD172g、CD173、CD174、CD175、CD175s、CD176、CD177、CD178、CD179a、CD179b、CD180、CD181、CD182、CD183、CD184、CD185、CD186、CD191、CD192、CD193、CD194、CD195、CD196、CD197、CDw198、CDw199、CD200、CD201、CD202b、CD203c、CD204、CD205、CD206、CD207、CD208、CD209、CD210a、CDw210b、CD212、CD213a1、CD213a2、CD215、CD217、CD218a、CD218b、CD220、CD221、CD222、CD223、CD224、CD225、CD226、CD227、CD228、CD229、CD230、CD231、CD232、CD233、CD234、CD235a、CD235b、CD236、CD236R、CD238、CD239、CD240、CD241、CD242、CD243、CD244、CD245、CD246、CD247、CD248、CD249、CD252、CD253、CD254、CD256、CD257、CD258、CD261、CD262、CD263、CD264、CD265、CD266、CD267、CD268、CD269、CD270、CD272、CD272、CD273、CD274、CD275、CD276、CD277、CD278、CD279、CD280、CD281、CD282、CD283、CD284、CD286、CD288、CD289、CD290、CD292、CDw293、CD294、CD295、CD296、CD297、CD298、CD299、CD300a、CD300c、CD300e、CD301、CD302、CD303、CD304、CD305、CD306、CD307a、CD307b、CD307c、CD307d、CD307e、CD309、CD312、CD314、CD315、CD316、CD317、CD318、CD319、CD320、CD321、CD322、CD324、CD325、CD326、CD327、CD328、CD329、CD331、CD332、CD333、CD334、CD335、CD336、CD337、CD338、CD339、CD340、CD344、CD349、CD350、CD351、CD352、CD353、CD354、CD355、CD357、CD358、CD359、CD360、CD361、CD362、又はCD363が含まれる。
細胞表面タンパク質(例えば、系統特異的抗原)をコードする遺伝子の遺伝子編集及び/又は阻害のための組成物及び方法(例えば、例示的なgRNA)は、当業者に公知であり、PCT公開刊行物WO2017/066760、WO2020/047164A1、WO2020/150478A1、WO2020/237217A1、WO2021/041971A1、及びWO2021/041977A1に教示されるものが含まれるが、これらに限定されず、その全体が参照により組み込まれる。遺伝子編集及び/又は遺伝子の阻害のための追加の組成物並びに方法(例えば、例示的なgRNA)は、当業者に公知であり、PCT公開刊行物WO2017/186718A1及びWO2018/083071A1、並びにMandal et al.Cell Stem Cell.(2014)15(5):643-52に教示されるものが含まれるが、これらに限定されず、その全体が参照により組み込まれる。
いくつかの実施形態では、第1のgRNAは、CD33中の標的配列と結合する標的化ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の標的配列は、CD33をコードする遺伝子内にあるか、又はそれと関連する。いくつかの実施形態では、第2のgRNAは、第2の系統特異的細胞表面抗原、例えば、BCMA、CD19、CD20、CD30、ROR1、B7H6、B7H3、CD23、CD33、CD38、C型レクチン様分子-1(CLL-1)、CS1、IL-5、L1-CAM、PSCA、PSMA、CD138、CD133、CD70、CD5、CD6、CD7、CD13、NKG2D、NKG2Dリガンド、CLEC12A、CD11、CD123、CD56、CD34、CD14、CD66b、CD41、CD61、CD62、CD235a、CD146、CD326、LMP2、CD22、CD52、CD10、CD3/TCR、CD79/BCR、及び/又はCD26から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする。いくつかの実施形態では、第1のgRNAは、CD33中の標的配列と結合し、第2のgRNAは、CD19中の標的配列と結合する。いくつかの実施形態では、第1のgRNAは、CD33中の標的配列と結合し、第2のgRNAは、CD5中の標的配列と結合する。いくつかの実施形態では、第1のgRNAは、CD33中の標的配列と結合し、第2のgRNAは、CLL-1中の標的配列と結合する。いくつかの実施形態では、第1のgRNAは、CLL-1中の標的配列と結合し、第2のgRNAは、CD33中の標的配列と結合する。
いくつかの実施形態では、第1のgRNAは、CD5中の標的配列と結合する標的化ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1の標的配列は、CD5をコードする遺伝子内にあるか、又はそれと関連する。いくつかの実施形態では、第2のgRNAは、第2の系統特異的細胞表面抗原、例えば、BCMA、CD19、CD20、CD30、ROR1、B7H6、B7H3、CD23、CD33、CD38、C型レクチン様分子-1(CLL-1)、CS1、IL-5、L1-CAM、PSCA、PSMA、CD138、CD133、CD70、CD5、CD6、CD7、CD13、NKG2D、NKG2Dリガンド、CLEC12A、CD11、CD123、CD56、CD34、CD14、CD66b、CD41、CD61、CD62、CD235a、CD146、CD326、LMP2、CD22、CD52、CD10、CD3/TCR、CD79/BCR、及び/又はCD26から選択される系統特異的細胞表面抗原を標的とする。いくつかの実施形態では、第1のgRNAは、CD5中の標的配列と結合し、第2のgRNAは、CD33中の標的配列と結合する。
本開示の方法は、細胞をn個の異なるgRNAと接触させることを含み得、nは、2以上の整数であり、n個の異なるgRNAの各々は、標的配列に相補的な標的化ドメインを含む。いくつかの実施形態では、nは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20(及び任意選択で、30、25、20、15、又は10以下)である。いくつかの実施形態では、n個の異なるgRNAの各々は、異なる標的配列に相補的な標的化ドメインを含み、各々は、時間間隔(例えば、前のDNA切断が分解/修復されるか、又は実質的に分解/修復され、それにより、転座事象のリスクを最小限に抑えるのに十分な時間間隔)によって隔てられる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法によってもたらされる変異、例えば、標的遺伝子における変異は、標的遺伝子によってコードされる遺伝子産物の機能の喪失をもたらす。いくつかの実施形態では、機能の喪失は、遺伝子産物の発現のレベルの低減、例えば、より低いレベルの発現への低減、又は遺伝子産物の発現の完全な無効化である。いくつかの実施形態では、変異は、非機能性バリアント、又は野生型対応物と比較して異なる機能を有するバリアントなどの遺伝子産物のバリアントの発現をもたらす。例えば、コード配列、短縮遺伝子産物において未成熟終止コドンを生成する変異の場合、又はナンセンス若しくはミスセンス変異を生成する変異の場合、遺伝子産物は、遺伝子産物を非機能的にする改変されたアミノ酸配列によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、遺伝子産物の機能は、結合パートナーを結合又は認識するものである。いくつかの実施形態では、第1のタンパク質、第2のタンパク質、又は両方の発現の低減は、野生型又は操作されていない対応細胞におけるレベルの50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、2%以下、又は1%以下である。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作細胞(例えば、遺伝子操作造血細胞)上での、第1の標的配列を含む第1の遺伝子によってコードされるタンパク質、第2の標的配列を含む第2の遺伝子によってコードされるタンパク質、又はその両方の発現は、天然に存在する造血細胞(例えば、野生型対応物)上での対応するタンパク質、又はその両方の発現と比較される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作細胞(例えば、遺伝子操作造血細胞)における第1のタンパク質、第2のタンパク質、又は両方の発現は、天然に存在する細胞(例えば、野生型の対応する造血細胞)における第1のタンパク質、第2のタンパク質、又は両方の発現と比較される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作は、天然に存在する細胞(例えば、野生型の対応する造血細胞)における第1のタンパク質、第2のタンパク質、又はその両方の発現と比較して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%だけのタンパク質、第2のタンパク質、又は両方の発現レベルにおける減少をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、遺伝子操作細胞(例えば、遺伝子操作造血細胞)は、天然に存在する細胞(例えば、野生型の対応する造血細胞)と比較して、第1のタンパク質、第2のタンパク質、又はその両方の20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満を発現する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作細胞(例えば、遺伝子操作造血細胞)上での、第1の系統特異的細胞表面抗原、第2の系統特異的細胞表面抗原、又は両方の発現は、天然に存在する細胞(例えば、野生型の対応する造血細胞)上での、第1の系統特異的細胞表面抗原、第2の系統特異的細胞表面抗原、又は両方の発現と比較される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作は、天然に存在する細胞(例えば、野生型の対応する造血細胞)での、第1の系統特異的細胞表面抗原、第2の系統特異的細胞表面抗原、又は両方の発現と比較して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%だけの第1の系統特異的細胞表面抗原、第2の系統特異的細胞表面抗原、又はその両方の発現レベルにおける減少をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、遺伝子操作細胞(例えば、遺伝子操作造血細胞)は、天然に存在する細胞(例えば、野生型の対応する造血細胞)と比較して、第1の系統特異的細胞表面抗原、第2の系統特異的細胞表面抗原、又はその両方の20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、又は1%未満を発現する。
投与を必要とする対象への投与の方法
本開示のいくつかの態様は、投与することを必要とする対象に、本明細書に記載される組成物、例えば、本明細書に記載される方法を介して遺伝子操作された細胞、細胞の集団若しくはその子孫、又はそれを含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。細胞、細胞の集団、又はその子孫は、野生型細胞と比較して1つ以上の修飾(例えば、遺伝子修飾)を含み得る。いくつかの実施形態では、細胞、細胞集団、又はその子孫は、同じ型の野生型細胞と比較して、第1の遺伝子に対する修飾を含む。いくつかの実施形態では、細胞、細胞集団、又はその子孫は、同じ型の野生型細胞と比較して、第2の遺伝子に対する修飾を含む。修飾された遺伝子は、本明細書に記載される方法によって標的化可能な任意の遺伝子座、例えば、本明細書に記載される細胞表面タンパク質をコードする遺伝子に対応し得る。
いくつかの実施形態では、方法は、修飾遺伝子の野生型コピーによってコードされる産物を標的とする治療有効量の少なくとも1つの薬剤を対象に投与することを更に伴う。理論に束縛されることを望むものではないが、修飾遺伝子の野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤を、修飾遺伝子を含む細胞、細胞集団、又はその子孫と組み合わせて投与することによって、細胞、細胞集団、若しくはその子孫を標的としない、又はより低い程度で標的とする一方で、薬剤で対象内の細胞(例えば、疾患細胞、例えば、がん細胞)を標的とすることが可能である。例えば、そのような方法は、対象における標的細胞集団を選択的に切除又は殺傷させると同時に、薬剤に対して脆弱でない新しい細胞を対象に補充するために組み合わせて使用され得る。更なる例として、そのような方法は、細胞、細胞集団、又はその子孫(例えば、CAR-T療法)の一部として薬剤を投与することができ、したがって、細胞フラトリサイドを回避又は減少させるであろう。いくつかの実施形態では、修飾遺伝子の野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、細胞、集団、若しくはその子孫、又は医薬組成物の投与と同時に、あるいは時間的に近接して生じる。いくつかの実施形態では、修飾遺伝子の野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、細胞、集団、若しくはその子孫、又は医薬組成物の投与後に生じる。いくつかの実施形態では、修飾遺伝子の野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与は、細胞、集団、若しくはその子孫、又は医薬組成物の投与前に生じる。いくつかの実施形態では、細胞、細胞集団、又はその子孫が、同じ型の野生型細胞と比較して、第1の遺伝子及び第2の遺伝子に対する修飾を含む場合、方法は、第1の遺伝子及び第2の遺伝子の産物(例えば、第1の遺伝子及び第2の遺伝子の野生型コピー)を標的とする1つ以上(例えば、2つの薬剤)を投与することを含み得る。
投与を必要とする対象は、いくつかの実施形態では、第1の遺伝子及び/若しくは第2の遺伝子の産物を標的とする免疫療法を受けているか、又は受けようとしている対象である。投与を必要とする対象は、いくつかの実施形態では、がん(例えば、がん幹細胞の存在に関連するがん、造血器悪性腫瘍、第1及び/又は第2の遺伝子の産物の発現を特徴とするがんなどの悪性腫瘍を有するか、又はそれを有すると診断されている対象である。いくつかの実施形態では、そのような悪性腫瘍を有する対象は、第1の遺伝子及び/又は第2の遺伝子の産物を標的とする免疫療法剤などの薬剤の投与の候補であり得るが、有害なオンターゲット、疾患外効果のリスクが、対象にとって予期又は観察される利益を上回り得る。いくつかのそのような実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作細胞の投与は、本明細書に提供される遺伝子操作細胞が薬剤によって効率的に標的とされないため、有害なオンターゲット、疾患外効果の改善をもたらす。
いくつかの実施形態では、悪性腫瘍は、血液悪性腫瘍、又は血液のがんである。いくつかの実施形態では、悪性腫瘍は、リンパ性の悪性腫瘍又は骨髄性の悪性腫瘍である。
いくつかの実施形態では、悪性腫瘍は、自己免疫疾患又は障害である。自己免疫障害の例としては、関節リウマチ、多発性硬化症、白血病、移植片対宿主病、ループス、及び乾癬が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、悪性腫瘍は、移植片対宿主疾患である。
また、本開示の範囲内には、再発性又は難治性血液悪性腫瘍などの再発性及び/又は難治性とみなされる悪性腫瘍がある。投与を必要とする対象は、いくつかの実施形態では、第1の遺伝子及び/又は第2の遺伝子の産物を標的とする免疫エフェクター細胞療法、例えば、CAR-T細胞療法を受けているか、又は受けるであろう対象であり、免疫エフェクター細胞は、産物を標的とするCARを発現し、免疫エフェクター細胞の少なくともサブセットは、それらの細胞表面上でも産物を発現する。本明細書で使用される場合、「フラトリサイド」は、自己殺傷を指す。例えば、細胞の集団の細胞は、同じ集団の細胞を殺傷する、又はその殺傷を誘導する。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞治療の細胞は、免疫エフェクター細胞治療の他の細胞を殺傷する、又はその殺傷を誘導する。
そのような実施形態では、フラトリサイドは、所望の臨床転帰、例えば、対象内で産物を発現する悪性細胞のアブレーションが達成できる前に、免疫エフェクター細胞の一部又は全集団をアブレーションする。いくつかのそのような実施形態では、遺伝子操作された免疫エフェクター細胞を使用して、本明細書で提供されるように、例えば、産物を発現しない、又はCARにより認識される産物のバリアントを発現しない免疫エフェクター細胞が、免疫エフェクター細胞治療の基礎を形成する免疫エフェクター細胞として、そのようなフラトリサイド及び治療転帰に対する関連する負の影響を回避し得る。そのような実施形態では、遺伝子操作された免疫エフェクター細胞は、本明細書で提供されるように、例えば、産物を発現しない、又はCARにより認識される産物のバリアントを発現しない免疫エフェクター細胞は、また、薬剤(例えば、産物を標的とするCAR)も発現するように更に修飾され得る。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞は、リンパ球、例えば、Tリンパ球、例えば、アルファ/ベータTリンパ球、ガンマ/デルタTリンパ球、又はナチュラルキラーT細胞などであってもよい。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞であり得る。
いくつかの実施形態では、それらのゲノムに修飾を含む、本明細書に記載される有効数の遺伝子操作細胞は、それを必要とする対象、例えば、第1の遺伝子及び/若しくは第2の遺伝子の産物を標的とする療法を受けているか、又は受けるであろう対象に投与され、療法は、例えば、産物を発現する対象における健康な細胞に向けた細胞傷害性の形態で、有害なオンターゲット、疾患外効果に関連するか、又は関連するリスクがある。いくつかの実施形態では、有効数のそのような遺伝子操作細胞は、第1の遺伝子又は第2の遺伝子によってコードされる産物を標的とする薬剤と組み合わせて対象に投与され得る。
遺伝子修飾細胞、及び第1の遺伝子又は第2の遺伝子によってコードされる産物を標的とする薬剤(例えば、免疫療法剤)を組み合わせて投与する場合、細胞及び薬剤は、同じ時間に投与され得るか、又は異なる時間に、例えば、時間的に近接して投与され得ることが理解される。
例えば、いくつかの実施形態では、組み合わせての投与には、同じ治療過程での投与、例えば、産物を標的とする薬剤(例えば、免疫療法)で対象を治療する過程での投与が含まれ、対象は、有効な数の遺伝子操作された細胞が同時に、同時発生的に、又は連続的に、例えば、薬剤による治療前、治療中、治療後に、並びに/又は相互に、及び細胞、細胞集団、若しくはその子孫に関して任意の順序で投与され得る。更に、細胞及び薬剤は、混合されてもよく、又は別々の容量若しくは投与形態において混合されてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤は、免疫療法剤である。いくつかの実施形態では、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤は、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物と結合する抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、第1の遺伝子によってコードされる産物又はその野生型コピーを標的とする薬剤は、第2の遺伝子によってコードされる産物又はその野生型コピーに結合する抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、薬剤は、第1の遺伝子又はその野生型コピーによって産生される産物と結合することができる抗原結合断片(例えば、単鎖抗体)を含む、キメラ抗原受容体を発現する免疫細胞である。いくつかの実施形態では、薬剤は、第2の遺伝子又はその野生型コピーによって産生される産物と結合することができる抗原結合断片(例えば、単鎖抗体)を含む、キメラ抗原受容体を発現する免疫細胞である。免疫細胞は、例えば、T細胞(例えば、CD4+若しくはCD8+T細胞)又はNK細胞であり得る。
キメラ抗原受容体(CAR)は、少なくとも細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞質シグナル伝達ドメイン、例えば、刺激分子に由来するものを含む、組換えポリペプチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、細胞質シグナル伝達ドメインは、少なくとも1つの共刺激分子、例えば4-1BB(すなわち、CD137)、CD27、及び/又はCD28、又はそれらの分子の断片から由来する1つ以上の機能的シグナル伝達ドメインを更に含む。CARの細胞外抗原結合ドメインは、第1の遺伝子若しくはその野生型コピーによってコードされる産物、第2の遺伝子若しくはその野生型コピーによってコードされる産物、又はその両方と結合する抗体断片を含み得る。抗体断片は、1つ以上のCDR、可変領域(又はその一部)、定常領域(又はその一部)、又は前述のうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。
キメラ抗原受容体(CAR)は、典型的には、(例えば、CD8又はCD28からの)ヒンジ領域、(例えば、CD8又はCD28からの)膜貫通ドメイン、1つ以上の共刺激ドメイン(例えば、CD28又は4-1BB)、及びシグナル伝達ドメイン(例えば、CD3ゼータ)を含み得る、例えば、CARフレームワークに融合された抗体断片を含む、抗原結合ドメインを含む。CARドメイン及び構成要素の例示的な配列は、例えば、PCT公開第WO2019/178382号において、及び以下の表2に提供される。
いくつかの実施形態では、投与を必要とする対象に投与される、本明細書で提供される遺伝子操作細胞、例えば、HSC、HPC、又は免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現細胞)の数は、10~1011の範囲内である。しかし、この例示的な範囲を下回る又は上回る量も、本開示の範囲内である。例えば、いくつかの実施形態では、投与を必要とする対象に投与される本明細書で提供される遺伝子操作された細胞、例えば、HSC、HPC、又は免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現細胞)の数は、約10、約10、約10、約10、約1010、又は約1011である。いくつかの実施形態では、投与を必要とする対象に投与される本明細書で提供される遺伝子操作された細胞、例えば、HSC、HPC、又は免疫エフェクター細胞(例えば、CAR発現細胞)の数は、10~10の範囲内、10~10の範囲内、10~10の範囲内、10~1010の範囲内、10~1010の範囲内、又は10~1011の範囲内である。
いくつかの実施形態では、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤は、抗体-薬物複合体(ADC)である。ADCは、毒素又は薬物分子とコンジュゲートされた抗体又はその抗原結合断片5を含む分子であり得る。対応する抗原との抗体又はその断片の結合は、細胞表面上に抗原を提示する細胞(例えば、標的細胞)への毒素又は薬物分子の送達を可能にし、それによって、標的細胞の死をもたらす。
抗体-薬物複合体での使用に適合する毒素又は薬物は、当技術分野で公知であり、当技術分野の当業者には明らかであろう。例えば、Peters et al.Biosci.Rep.(2015)35(4):e00225、Beck et al.Nature Reviews Drug Discovery(2017)16:315-337、Marin-Acevedo et al.J.Hematol.Oncol.(2018)11:8、Elgundi et al.Advanced Drug Delivery Reviews(2017)122:2-19を参照されたい。
いくつかの実施形態では、抗体-薬物複合体は、抗体及び薬物分子を付着させるリンカー(例えば、切断可能なリンカーなどのペプチドリンカー)を更に含み得る。
抗体-薬物複合体のための好適な毒素又は薬物の例としては、限定されるものではないが、ブレンツキシマブベドチン、グレンバツムマブベドチン/CDX-011、デパツキシズマブマホドチン/ABT-414、PSMA ADC、ポラツズマブベドチン/RG7596/DCDS4501A、デニンツズマブマホドチン/SGN-CD19A、AGS-16C3F、CDX-014、RG7841/DLYE5953A、RG7882/DMUC406A、RG7986/DCDS0780A、SGN-LIV1A、エンフォルトマブベドチン/ASG-22ME、AG-15ME、AGS67E、テリソツズマブベドチン/ABBV-399、ABBV-221、ABBV-085、GSK-2857916、チソツマブベドチン/HuMax-TF-ADC、HuMax-Axl-ADC、ピナツズマブベドチン/RG7593/DCDT2980S、リファスツズマブベドチン/RG7599/DNIB0600A、インデュサツマブベドチン/MLN-0264/TAK-264、バンドルツズマブベドチン/RG7450/DSTP3086S、ソフィツズマブベドチン/RG7458/DMUC5754A、RG7600/DMOT4039A、RG7336/DEDN6526A、ME1547、PF-06263507/ADC 5T4、トラスツズマブエムタンシン/T-DM1、ミルベツキシマブソラブタンシン/IMGN853、コルツキシマブラブタンシン/SAR3419、ナラツキシマブエムタンシン/IMGN529、インダツキシマブラブタンシン/BT-062、アネツマブラブタンシン/BAY 94-9343、SAR408701、SAR428926、AMG224、PCA062、HKT288、LY3076226、SAR566658、ロルボツズマブメルタンシン/IMGN901、カンツズマブメルタンシン/SB-408075、カンツズマブラブタンシン/IMGN242、ラプリツキシマブエムタンシン/IMGN289、IMGN388、ビバツズマブメルタンシン、AVE9633、BIIB015、MLN2704、AMG 172、AMG 595、LOP 628、バダスツキシマブタリリン/SGN-CD33A、SGN-CD70A、SGN-CD19B、SGN-CD123A、SGN-CD352A、ロバルピツズマブテシリン/SC16LD6.5、SC-002、SC-003、ADCT-301/HuMax-TAC-PBD、ADCT-402、MEDI3726/ADC-401、IMGN779、IMGN632、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン/CMC-544、PF-06647263、CMD-193、CMB-401、トラスツズマブデュオカルマジン/SYD985、BMS-936561/MDX-1203、サシツズマブゴビテカン/IMMU-132、ラベツズマブゴビテカン/IMMU-130、DS-8201a、U3-1402、ミラツズマブドキソルビシン/IMMU-110/hLL1-DOX、BMS-986148、RC48-ADC/ヘルツズマブ-vc-MMAE、PF-06647020、PF-06650808、PF-06664178/RN927C、ルパルツマブアマドチン/BAY1129980、アプルツマブイキサドチン/BAY1187982、ARX788、AGS62P1、XMT-1522、AbGn-107、MEDI4276、DSTA4637S/RG7861に含まれる毒素及び薬物が挙げられる。抗CD30抗体薬物複合体は、当該技術分野で公知であり、例えば、Bradley et al.Am.J.Health Syst.Pharm.(2013)70(7):589-97、Shen et al.mAbs(2019)11(6):1149-1161を参照されたい。
いくつかの実施形態では、細胞表面タンパク質(例えば、細胞表面系統特異的細胞表面タンパク質)のエピトープとの抗体-薬物複合体の結合は、抗体-薬物複合体の内部化を誘発し、薬物(又は毒素)は、細胞内に放出され得る。いくつかの実施形態では、細胞表面系統特異的タンパク質のエピトープとの抗体-薬物複合体の結合は、毒素又は薬物の内部化を誘発し、それによって、毒素又は薬物は、系統特異的タンパク質(標的細胞)を発現する細胞を殺傷することが可能になる。いくつかの実施形態では、細胞表面系統特異的タンパク質のエピトープとの抗体-薬物複合体の結合は、毒素又は薬剤の内部化を誘発し、それによって、毒素又は薬剤は、系統特異的タンパク質(標的細胞)を発現する細胞の活性が調節され得る。本明細書に記載される抗体-薬物複合体で使用される毒素又は薬物の種類は、いかなる特定の種類にも限定されない。
本開示の態様はまた、キット、例えば、遺伝子操作細胞を産生するための試薬を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、第1のgRNA、及び第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼを含む。いくつかの実施形態では、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼは、細胞又は複数の細胞のゲノム中の第1の標的ドメインと結合するのに好適な条件下で、リボ核タンパク質(RNP)複合体を形成する。いくつかの実施形態では、キットは、第2のgRNA、及び第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼを含む。いくつかの実施形態では、第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼは、第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと同じである。いくつかの実施形態では、第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼは、第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼとは異なる(例えば、別個の形態及び/又はそれに加えて供給される)。いくつかの実施形態では、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼは、細胞又は複数の細胞のゲノム中の第2の標的ドメインと結合するのに好適な条件下で、リボ核タンパク質(RNP)複合体を形成する。
いくつかの実施形態では、キットは、細胞又は複数の細胞を、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼ、並びに第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる方法に関する説明書を含み、説明書は、細胞又は複数の細胞を、第2のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させる前に、第1のgRNA及びRNAガイドヌクレアーゼと接触させることを規定する(例えば、第1の標的ドメインへの修飾が、第2の標的ドメインへの修飾の前に導入されるように)。いくつかの実施形態では、説明書は、例えば、転座アッセイによって測定されるように、複数の細胞を、第1のgRNAと接触させる前に、細胞又は複数の細胞を、第2のgRNAと接触させる他の同様の方法よりも、より少ない転座産物細胞を含む複数の細胞を産生する方法を提供する。いくつかの実施形態では、キットは、細胞又は複数の細胞を含む。いくつかの実施形態では、キットは、細胞又は複数の細胞を含まない(例えば、説明書に列挙された細胞又は複数の細胞は、他の手段によって取得される)。
本明細書に開示される技術の実施形態、利点、特徴、及び使用のうちのいくつかが、以下の実施例からより完全に理解されるであろう。実施例は、本開示の利益のうちのいくつかを例証し、かつ特定の実施形態を説明することを意図しているが、本開示の全範囲を例示することを意図しておらず、したがって、本開示の範囲を限定しない。
実施例1:CD34+造血細胞におけるCD33及びCD19の多重編集
本実施例は、複数のゲノム編集RNP(第1の系統特異的細胞表面抗原、CD33を標的とするgRNA、及びCas9を含む第1のRNP、並びに第2の系統特異的細胞表面抗原、CD19を標的とするgRNA、及びCas9を含む第2のRNP)を用いたcCD34+HSCの処置の順序が、二重に遺伝子修飾されたCD34+HSCを産生するプロセスで産生される転座産物の量に寄与することを示す。特に、本実施例は、CD33を標的とするRNPでの処置とそれに続くCD19を標的とするRNPでの処置が、実質的に同じ時間又は逆の順序でのいずれかの処置よりも少ない転座産物を産生することを示す。実施例は、処置の順序又は同時性が、細胞の生存率又はいずれかの標的の編集効率に影響を及ぼさなかったことを示す。
方法
動員された末梢血(mPB)に由来する凍結されたCD34+HSCを、Hemacare又はFred Hutchinson Cancer Centerから購入し、製造元の指示に従って解凍した。HSCを編集するために、図1に示すように、第1のRNP及び第2のRNPによるエレクトロポレーションの前に、HSCを解凍し、約40時間培養した。CD33及びCD19標的化gRNAの標的化ドメイン配列を表1に示す。
HSCをエレクトロポレーションするために、1.5×10個の細胞をペレット化し、20μLのLonza P3溶液中に再懸濁し、10μLのCas9 RNPと混合した。CD34+HSCを、Lonza Nucleofector 2(プログラムDU-100)及びHuman P3 Cell Nucleofection Kit(VPA-1002、Lonza)を使用して、エレクトロポレーションした。細胞を、第1のRNPによる第1のエレクトロポレーションに供し、第2のRNPによる第2のエレクトロポレーションの前に30時間インキュベートした。細胞を、第2のエレクトロポレーションの24時間後及び30時間後に収集し、生存率、オンターゲット編集、及び転座産物の存在について評価した。編集率を、TIDE分析により評価されたように、%インデルにより決定した。編集効率を、フローサイトメトリー分析により決定した。エクスビボ編集後の様々な時点で、生存可能な、編集された生存細胞及び対照細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリー及び7AAD生存色素を使用して定量した。
結果
図2Aは、細胞に対する第1のエレクトロポレーション後の示される時点でのCD34+HSCの生存率を示す。細胞群を、CD33及びCD19を標的とするRNPを同じ時間にエレクトロポレーションし(Si CD33+CD19)、細胞を第1にCD33を標的としたRNP、続いて第2にCD19を標的としたRNPで連続的に処理し(Se CD33>CD19)、細胞を第1にCD19を標的としたRNP、続いて第2にCD33を標的としたRNPで連続的に処理し(Se CD19>CD33)、又はモックエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションの順序又は同時性に基づいて、生存率に有意な差は観察されなかった。
図2Bは、各細胞群におけるCD33編集及びCD19編集の編集効率を示す。結果は、処置の順序に基づいて、編集効率に有意な差がないことを示す。
本明細書で論じるように、例えば、二本鎖切断の生成を伴う遺伝子編集は、転座産物の産生をもたらし得る。図3を参照されたい。CD33を標的とするRNP及びCD19を標的とするRNPによって産生される二本鎖切断間のDNA修復事象によって産生される転座産物は、特定のカテゴリに分類されると予測することができる(図3を参照されたい)。プライマー対を、PCR分析を使用して特定の転座産物を検出するために選択し、各々のおおよその位置が図3に示されている。これらのPCR反応の産物を、ゲル電気泳動を介して定性的に、及びddPCRアッセイを使用して定量的に分析した。
図4Aは、転座産物(本実験では、プライマー対5及び2又は8及び2をそれぞれ使用した、ダイセントリック及びバランス型転座産物)の定性的転座分析の結果を示す。細胞を、CD33を標的とするRNP、続いてCD19を標的とするRNPでエレクトロポレーションした場合に、逆の順序又は実質的に同じ時間に処置した場合と比較して、有意に少ない転座産物が検出された。図4Bは、ddPCRによる転座産物の定量的転座分析(転座事象%)の結果を示し、定性的分析(図4A)と一致して、細胞を、CD33を標的とするRNP、続いてCD19を標的とするRNPでエレクトロポレーションした場合に、逆の順序又は実質的に同じ時間に処置した場合よりも、検出される転座産物が有意に少ないことを示した。分析はまた、編集効率が処置の順序又は同時性によって影響を受けないことを示した。図4Cを参照されたい。
CD33を標的とするRNP及びCD19を標的とするRNPによる編集から得られた産物を、それぞれ、図5A及び5Bに示し、RNPによる処置後に検出された挿入又は欠失(インデル)の位置を示す。インデルデータは、g60 gRNAでCD33を標的化することが、多数の-1位インデルを産生することを示し、これは、それらのインデルに関連する二本鎖切断が、非相同末端結合(NHEJ)によって認識及び修復されたことを示唆している。対照的に、インデルデータは、g18 gRNAでCD19を標的化することが、多数の-6位及び-9位のインデルを産生することを示し、これは、それらのインデルに関連する二本鎖切断が、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)によって認識及び修復されたことを示唆している。理論に束縛されることを望むものではないが、主にNHEJによって認識される二本鎖切断は、主に非NHEJ機構(例えば、MMEJ)によって認識される二本鎖切断よりも速く修復され得る。最初にNHEJによって主に認識される二本鎖切断を誘導し、続いて主に非NHEJ機構(例えば、MMEJ)によって認識される二本鎖切断を誘導し、第1の二本鎖切断が、第2の二本鎖切断が生じる前に実質的に修復され(例えば、インデルを形成する)得、それにより、2つの二本鎖切断からの転座産物の量が減少するか、又は形成が防止されると仮定される(図6A~6Cを参照されたい)。
実施例2:CD34+造血細胞におけるCD33及びCD5の多重編集
本実施例は、複数のゲノム編集RNP(第1の系統特異的細胞表面抗原、CD33を標的とするgRNA、及びCas9を含む第1のRNP、並びに第2の系統特異的細胞表面抗原、CD5を標的とするgRNA、及びCas9を含む第2のRNP)を用いたCD34+HSCの処置の順序が、二重に遺伝子修飾されたCD34+HSCを産生するプロセスで産生される転座産物のレベルに重要であることを示す。特に、本実施例は、CD5を標的とするRNPによる処置、続いてCD33を標的とするRNPによる処置が、観察された転座頻度に関して特に好ましいことを示す。実施例は、処置の順序又は同時性が、細胞の生存率又はいずれかの標的の編集効率に影響を及ぼさなかったことを示す。更に、本実施例は、多重編集細胞の免疫不全マウスモデル(NOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Wjl/SzJ(「NOD scidガンマ」又は「NSG」としても知られる)マウス)への生着及び分化の成功を示す。
方法
動員された末梢血(mPB)に由来する凍結されたCD34+HSCを、Hemacare又はFred Hutchinson Cancer Centerのから購入し、製造元の指示に従って解凍した。図7Aに示すように、第1のRNP及び第2のRNPによるエレクトロポレーションの前に、HSCを解凍し、約40時間培養した。CD33及びCD5標的化gRNAの標的化ドメイン配列を表1に示す。Cas9ヌクレアーゼ(SpyCas9)で使用するための対照gRNA(gCtrl)の標的化ドメイン配列を以下に提供する。
g対照(SpyCas9)
GCCGACGCGAAATCTTAGCGNRG(配列番号9)
HSCをエレクトロポレーションするために、細胞をペレット化し、Lonza P3溶液中に再懸濁し、Cas9 RNPと混合した。CD34+HSCを、Lonza Nucleofector 2(プログラムDU-100)及びHuman P3 Cell Nucleofection Kit(VPA-1002、Lonza)を使用して、エレクトロポレーションした。細胞を、第1のRNPによる第1のエレクトロポレーションに供し、第2のRNPによる第2のエレクトロポレーションの前に30時間インキュベートした。細胞を、第2のエレクトロポレーションの18時間後に収集し、生存率、オンターゲット編集、及び転座産物の存在について評価した。編集率を、TIDE分析により評価されたように、%インデルにより決定した。編集効率を、フローサイトメトリー分析により決定した。エクスビボ編集後の様々な時点で、生存可能な、編集された生存細胞及び対照細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリー及び7AAD生存色素を使用して定量した。細胞群及びそれぞれの処置を図7Bに示し、実験パラメータを表3に示す。
第2のRNPのエレクトロポレーション後、細胞を、200センチグレイ(cGy)の放射線照射で処置した3週齢のNSGマウスに注射した。レシピエントNSGマウスに、修飾HSCを注射する前に、全身ガンマ線を照射した。注射当たり1×10個のCD34+細胞を、各マウスの外側尾静脈に注射した。HSCを注射してから16週間(16)後、レシピエントマウスの骨髄のヒトキメリズムをフローサイトメトリーによって評価した。
結果
図8Aは、細胞に対する第1のエレクトロポレーション後の示される時点でのCD34+HSCの生存率を示す。全ての群は、マウスへの遺伝子修飾細胞の注射時に70%を超える生存率を有した。エレクトロポレーションの順序又は同時性に基づいて、生存率に有意な差は観察されなかった。
図8Bは、各細胞群におけるCD33編集及びCD5編集の編集効率を示す。結果は、連続的な編集と比較して、2つのRNPを同時にエレクトロポレーションした細胞において、オンターゲット編集効率のわずかな増加があったことを示す。
実施例1で上述したように、PCR分析を使用して特定の転座産物を検出するためにプライマー対を選択し、各々のおおよその位置が図9の右の概略図に示されている。これらのPCR反応の産物を、ゲル電気泳動を介して定性的に、及びddPCRアッセイを使用して定量的に分析した。
図9は、オンターゲット転座産物のパーセントを示し、観察された各種類の転座産物の相対量を示す。細胞を2つのRNPで連続的に処置した場合、実質的に同じ時間に2つのRNPをエレクトロポレーション場合と比較して、インプット細胞(NSGマウスに注射される編集された細胞)で検出される転座産物はより少なかった。図10は、オンターゲット転座産物のパーセント(19番染色体に対して正規化したもの)を示し、観察された各種類の転座産物の相対量を示す。「インプット」試料は、エレクトロポレーションされ、マウスに注射される細胞を指す。他の示される群は、様々な群の動物から収集され、次いで分析された細胞に対応する。例えば、群9からのインプット(SeCD3>CD5)は、群10のインプット(SeCD5>CD33)と比較して、転座(インプット「9」)の頻度が低いことが見出された。しかしながら、移植後に収集された細胞(群9 SeCD33>CD5)は、持続的な転座を有する一部の動物(例えば、9-1、9-3、及び9-6)があるように見えたが、群10(SeCD5>CD33)の動物から収集された細胞は、いかなる転座も維持していないように見えた。いかなる特定の理論に束縛されることを望むものではないが、これらの結果は、(インプットで測定されたように)発生した任意の転座が動物に対して選択された可能性があることを示唆し得る。概して、細胞を2つのRNPで連続的に処置した場合、実質的に同じ時間に2つのRNPをエレクトロポレーション場合と比較して、インプット試料(NSGマウスに注射される細胞)で検出される転座産物はより少なかった。CD33標的化RNP、続いてCD5標的化RNPを連続的にエレクトロポレーションした細胞と比較して、CD5標的化RNP、続いてCD33標的化RNPを連続的にエレクトロポレーションした細胞で検出される転座産物の量はわずかに減少した。
NSGマウスへの編集されたCD34+細胞の注射の16週間後、細胞を、編集された細胞の生着の指標として、ヒトキメリズムについて分析した。結果は、CD34+細胞適合性が、Cas9多重エレクトロポレーション又はCD33及びCD5編集によって影響を受けなかったことを示す。図11を参照されたい。
細胞を更に評価して、多重編集が、異なる細胞系統に分化する細胞の能力に影響を与えるかを決定した。図12A~12Cは、B及びT細胞系統が多重遺伝子編集の影響を受けない(連続的な編集対同時編集なし)一方で、骨髄系細胞(hCD33+)のパーセンテージは、遺伝子編集によるCD33の除去に起因して低かったことを示す。最後に、T細胞前駆細胞のサブセットも評価した。図13A~13Cは、マウス系統が胸腺の発達が不十分であるにもかかわらず、本実験におけるT細胞前駆細胞の検出を示す。CD5編集群は、予想通り、より低いレベルのCD5タンパク質発現を示し、検出可能なレベルのCD4+細胞及びCD8+細胞を有した。
実施例3:Cas9及びCpf1ヌクレアーゼを使用したCD34+造血細胞におけるCD33及びCD19の多重編集
本実施例は、複数のゲノム編集RNP(第1の系統特異的細胞表面抗原、CD33を標的とするgRNA、及びCas9を含む第1のRNP、並びに第2の系統特異的細胞表面抗原、CD19を標的とするgRNA、及びCpf1を含む第2のRNP)を用いたcCD34+HSCの処置の順序が、Cas9及びCpf1を使用して編集されたCD34+HSCを産生するプロセスで産生される転座産物の量に寄与することを示す。特に、本実施例は、連続的な編集(Cas9及びCpf1を使用)を用いた処置が、実質的に同じ時間に編集するよりも少ない転座産物を産生することを示す。実施例は、処置の順序又は同時性が、細胞の生存率又はいずれかの標的の編集効率に影響を及ぼさなかったことを示す。
方法
動員された末梢血(mPB)に由来する凍結されたCD34+HSCを、Hemacare又はFred Hutchinson Cancer Centerのから購入し、製造元の指示に従って解凍した。HSCを編集するために、図1に示すように、第1のRNP及び第2のRNPによるエレクトロポレーションの前に、HSCを解凍し、約40時間培養した。CD33及びCD19標的化gRNAの標的化ドメイン配列を表1に示す。
HSCをエレクトロポレーションするために、1.5×10個の細胞をペレット化し、20μLのLonza P3溶液中に再懸濁し、10μLのCas9 RNPと混合した。CD34+HSCを、Lonza Nucleofector 2(プログラムDU-100)及びHuman P3 Cell Nucleofection Kit(VPA-1002、Lonza)を使用して、エレクトロポレーションした。細胞を、第1のRNPによる第1のエレクトロポレーションに供し、第2のRNPによる第2のエレクトロポレーションの前に30時間インキュベートした。細胞を、第2のエレクトロポレーションの24時間後及び30時間後に収集し、生存率、オンターゲット編集、及び転座産物の存在について評価した。編集率を、TIDE分析により評価されたように、%インデルにより決定した。編集効率を、フローサイトメトリー分析により決定した。エクスビボ編集後の様々な時点で、生存可能な、編集された生存細胞及び対照細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリー及び7AAD生存色素を使用して定量した。
結果
図14は、細胞に対する第1のエレクトロポレーション後の示される時点でのCD34+HSCの生存率を示す。細胞群を、CD33及びCas9ヌクレアーゼを標的とするRNP、並びにCD19及びCpf1を標的とするRNPを同じ時間にエレクトロポレーションし(Si Cas9+Cpf1)、細胞を第1にCD33及びCas9を標的としたRNP、続いて第2にCD19及びCpf1を標的としたRNPで連続的に処理し(Se Cas9>Cpf1)、細胞を第1にCD19及びCpf1を標的としたRNP、続いて第2にCD33及びCas9を標的としたRNPで連続的に処理し(Se Cpf1>Cas9、単一のRNP(Cas9 CD33又はCpf1 CD19のいずれか)、エレクトロポレーションしなかった、又はモックエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションの順序又は同時性に基づいて、生存率に有意な差は観察されなかった。
図15A及び図15Bは、各細胞群におけるCD33編集及びCD19編集の編集効率を示す。結果は、処置の順序に基づいて、編集効率に有意な差がないことを示す。
本明細書で論じるように、例えば、二本鎖切断の生成を伴う遺伝子編集は、転座産物の産生をもたらし得る。図3を参照されたい。CD33を標的とするRNP及びCD19を標的とするRNPによって産生される二本鎖切断間のDNA修復事象によって産生される転座産物は、特定のカテゴリに分類されると予測することができる(図3を参照されたい)。図16の右パネルに示すように、プライマー対を選択し、PCR分析を使用して特定の転座産物を検出した。これらのPCR反応の産物を、ゲル電気泳動を介して定性的に、及びddPCRアッセイを使用して定量的に分析した。
図16は、示されるプライマー対の各々を使用したPCR反応からのPCR産物の定量化(ImageJソフトウェアによる)を示す。評価した転座産物種の各々について、細胞をRNPで連続的にエレクトロポレーションした場合に、同時にエレクトロポレーションした場合と比較して、より少ない転座産物が検出された。最初にCD19及びCpf1を標的とするRNP、続いてCD33及びCas9を標的とするRNPをエレクトロポレーションした細胞で産生された転座産物の大部分は、逆の順序と比較してわずかに低減した。
実施例4:血液疾患の治療
急性骨髄性白血病に対する本明細書に記載される方法、細胞、及び薬剤を使用した治療レジメンの例を以下に提供する。
1)造血細胞移植(HCT)を受ける候補となるAMLを有する患者を特定する;
2)標準的な方法及び技術を使用して、一致するHLAハプロタイプを有するHCTドナーを特定する;
3)ドナーから骨髄を抽出する;
4)ドナー骨髄細胞をエクスビボで遺伝子操作する。簡潔に述べると、本明細書に記載されるように、gRNA及びCRISPR/Casヌクレアーゼ(例えば、Cas9,Cpf1置換)を使用して、系統特異的細胞表面抗原の標的修飾(欠失、置換)を連続的に導入した。細胞は、分化する能力、及び患者に生着し、移植片対腫瘍(GVT)効果を媒介する能力を決定するための特徴について評価され得る。
任意のステップ5~7:
いくつかの実施形態では、以下に提供されるステップ5~7は、本明細書に記載される例示的な治療方法で(1回又は複数回)実施され得る:
5)化学療法剤(例えば、エトポシド、シクロホスファミド)の注入及び/又は放射線照射などの標準的な技術を使用して、AML患者を前処置する;
6)操作ドナー骨髄をAML患者に投与し、生着の成功を可能にする;
7)キメラ受容体(例えば、CAR T細胞)又は抗体-薬物複合体を発現する免疫細胞などの細胞傷害性薬剤によるフォローアップ、細胞傷害性薬剤が結合するエピトープは、修飾されたエピトープと同じであり、ドナー操作骨髄移植片にはもはや存在しない。したがって、標的療法は、エピトープが存在しない骨髄移植片を同時に除去することなく、系統特異的細胞表面抗原を特異的に標的とする必要がある。
任意のステップ8~10:
いくつかの実施形態では、ステップ8~10は、本明細書に記載される例示的な治療方法で(1回又は複数回)実施され得る:
8)キメラ受容体を発現する免疫細胞(例えば、CAR T細胞)又は系統特異的細胞表面抗原のエピトープを標的とする抗体-薬物複合体などの細胞傷害性薬剤の投与。この標的療法は、がん細胞及び患者の非がん細胞の両方を除去することが期待される。
9)化学療法剤の注入などの標準的な技法を使用して、AML患者を前処置する;
10)操作ドナー骨髄をAML患者に投与し、生着の成功を可能にする。
ステップ8~10は、標的タンパク質を発現する患者のがん細胞及び正常細胞の除去をもたらし、一方で標的療法に耐性のあるドナー細胞を正常細胞集団に補充する。
実施例5:ヒト造血幹細胞におけるCLL-1及びCD33の多重編集
CLL-1及びCD33は、AML患者由来芽球/白血病幹細胞(LSC)において高度に発現される。図54A~54Dを参照されたい。しかしながら、これらの抗原を標的とすることは、正常な造血細胞上での共通発現に起因して、血球減少につながる可能性がある。本実施例は、CD33及びCLL-1の発現を低減又は排除した細胞を生成するためのヒトHSCの多重編集を示す。
方法
多重編集のために、ヒトHSC(例えば、CD34+細胞)を解凍し、サイトカインを補充したSFEM中で24時間培養した。次いで、細胞に、第1のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼを含むリボ核タンパク質複合体(「EP1」と呼ばれる)をエレクトロポレーションした。第2のgRNA及びCRISPR-Casヌクレアーゼを含む第2のリボ核タンパク質複合体(「EP2」と呼ばれる)による第2のエレクトロポレーションステップの前に、細胞を30時間インキュベートした。63時間培養した後、細胞を収集し、フローサイトメトリーを使用して選別し、配列決定分析に供した。図17を参照されたい。
骨髄分化研究については、ヒトHSC(例えば、CD34+細胞)を解凍し、40時間培養した。フローサイトメトリー分析を使用して、0、1、及び2日目のCLL-1並びにCD33の発現を確認した。次いで、上で論じた連続的なエレクトロポレーション手順のために、細胞を、0.5x10細胞/mL~1x10細胞/mLの濃度で調製した。ここで、細胞をEP1とEP2との間で30時間インキュベートした。EP2の26時間後、細胞を5×10細胞/mLの濃度で調製し、補充培地中で4日間インキュベートして、骨髄分化を促進した。細胞を骨髄分化培地(STEMCELL TechnologiesからのMyeloid Supplement I又はMyeloid Supplement II)中で14日間培養し、その間、8日目、11日目、及び14日目に、細胞を計数し、分割し、1×10細胞/mLの濃度で播種した。11日目に、細胞を細胞忌避処理プレートに切り替え、18日目まで維持した。18日目に、細胞を収集し、食作用及びサイトカイン放出アッセイなどの表現型及び機能的アッセイに供して、分化を特徴付けた。3、4、5、6、8、11、14、及び18日目の実験全体を通して、CD33及びCLL-1発現レベルのフローサイトメトリー分析に細胞試料を使用し、下流gDNA及び転写物分析のために細胞ペレットを収集した。図23を参照されたい。
系統分化を評価するために、エレクトロポレーション細胞をMethoCult(商標)と混合し、合計3枚のプレートにわたって200細胞/ウェル及び300細胞/ウェルの密度で、SmartDish(商標)中に二重に播種した。細胞を14日間インキュベートした後、コロニー形成単位(CFU)の画像化及びスコアリングを行った。図33を参照されたい。
結果
多重編集細胞を、亜集団に分類して、様々な細胞型:LT-HSC、CMP、MPP、MLP、及びCD49fにおける編集頻度を評価した。図18A~18C及び図19A~19Cは、それぞれ、2つの独立した骨髄ドナーに由来するヒトHSCにおけるCD33編集頻度及びCLL-1編集頻度を示す。CD33及びCLL-1の両方の編集頻度は、細胞亜集団間で同等であり、バルク編集細胞集団で観察された編集頻度と同等であることが見出された。
図20は、多重編集骨髄細胞の生存率分析を示し、多重編集ヒトHSCが対照細胞と同様の生存率レベルを示すことを示した。
多重編集後、CD33及びCLL-1の発現動態並びにタンパク質安定性について細胞を分析した。図21A及び図22Aは、CD33及びCLL-1編集頻度の非常に効率的な遺伝子編集が、多重編集後少なくとも5日間維持されたことを示す。これはまた、それぞれ、図21B及び22Bに示すように、対照細胞と比較して、編集後わずか1日で、エレクトロポレーション後のCD33及びCLL-1 mRNAレベルの急速な減少をもたらした。転写レベルの低減に加えて、編集細胞は、対照gRNAで編集された細胞と比較して、エレクトロポレーション後2日以内にCD33及びCLL-1表面タンパク質発現の有意な低下を示した。図21C及び図22C。重要なことに、転写物及びタンパク質レベルの減少が、経時的に維持された。
多重編集細胞を、インビトロ分化で機能的骨髄細胞に分化する能力について特徴付けた。図24A及び24Bは、多重編集細胞が、モック編集対照細胞と比較して、顆粒球及び単球への分化中に同等の増殖速度を示し、顆粒球分化(図25A及び25B)又は単球分化(図26A及び26B)に影響を及ぼさなかったことを示し、図27A~28Bは、達成された高レベルのCLL-1及びCD33編集が骨髄分化を通じて維持されたことを示す。
図29A~30Dは、検出可能な表面CLL-1及びCD33タンパク質レベルが多重編集後に失われ、骨髄細胞分化の過程全体を通じて有意に減少したままであったことを示す。図31A及び31Bは、顆粒球及び単球の集団の大部分がCLL-1及びCD33の両方を欠損する細胞を含むことを示す。図32A及び32Bは、多重編集ヒトHSCから分化した顆粒球及び単球が食作用活性を保持していることを示し、モック編集細胞と同等のE.coli食作用レベルを示す。図52A~52Dは、LPS又はR848による刺激後のサイトカイン産生によって評価した、CD33及びCLL-1多重編集hHSCPに由来する分化細胞が、対照細胞と同等の機能を維持したことを示す。
図34A~35Bは、多重編集細胞が、赤血球系細胞、顆粒球、マクロファージ、及び巨核球を含むコロニー単位を形成することができたことを示す。
多重編集細胞も、CD33又はCLL-1を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞などのCD33及びCLL-1標的療法に対する生存について評価した。図51は、CD33又はCLL-1を標的とするCARが、野生型抗原(例えば、CD33、CLL-1)を発現する細胞の細胞傷害性を誘導したが、CD33又はCLL-1を欠く細胞は、同族のCAR発現細胞に対して耐性であったことを示す。CD33及びCLL-1を欠く多重編集細胞は、CD33標的化CAR及びCLL-1標的化CARの両方に対する生存の増加を示した。これらの結果は、CD33及びCLL-1の多重編集が、CD33及びCLL-1を標的とする療法に対して細胞を耐性にしたことを示す。
実施例6:多重編集細胞のマウスモデルへのインビボ生着
本実施例は、多重編集ヒトHSCをマウスモデルに長期的に生着させることができることを示す。特に、本実施例は、生着した多重編集細胞が、生着したマウスの血液及び骨髄組織を安定的に再配置することを示す。本実施例はまた、多重編集細胞の生着が骨髄及びリンパ分化に有意に影響を与えなかったことを示す。
方法
図36Aに示すように、細胞を解凍し、上述のように連続的にエレクトロポレーションした。エレクトロポレーション2(EP2)の26時間後、細胞を収集し、175cGYの線量で亜致死量の放射線を照射したNSG(商標)マウスに注射した。生着後8週時点での暫定分析のために血液試料を取得し、生着後16週時点での分析のために血液及び骨髄試料を取得した。図36Bは、生着試験のための治療群を示す。
結果
図37は、凍結保存前又は解凍後の細胞数並びに細胞の生存率分析を示す。図38は、生着マウスにおける骨髄キメリズムの分析を示し、エレクトロポレーションしていない(EPなし)対照群と比較して、多重編集群における骨髄キメリズムのレベルが同様であることを示す。図39A~39Hは、エレクトロポレーションしていない対照群と比較して、多重編集が骨髄系及びリンパ系に有意な影響を与えなかったことを示す。また、高レベルのCD33及びCLL-1を発現する細胞(例えば、単球、マスト細胞、好塩基球、cDC、及びpDC)においても、多重化編集が高度に効果的であることが観察された。図40A~40Fを参照されたい。CD33及びCLL-1の両方の発現の減少も、生着後少なくとも16週の時点で持続した。図41A及び図41B。
多重編集細胞を、生着後の配列決定分析によって更に特徴付け、インビボでの編集の持続性及び任意の転座事象を評価した。図42に示すように、rhAmpSeqを使用したオンターゲット編集分析は、EP1後56時間の時点で全ての治療群にわたって高レベルの編集が達成されたことを示した。追加の時点(例えば、EP1後、30時間、50時間、56時間)での更なる分析は、ICE分析を使用した。図43A及び図43B。ICE分析は、高いレベルの編集効率を確認し、多重編集細胞のrhAMP-Seq分析は、生着後16週で生着マウスモデルから採取されたヒトHSCの高いレベルの編集効率も明らかにした。図46を参照されたい。
染色体転座事象は、多重編集の結果として生じ得る。図44を参照されたい。しかしながら、図45及び53に示すように、連続的なエレクトロポレーション後のインプット試料において非常に低い頻度の転座事象が検出された。加えて、生着の16週後のマウスから採取した細胞の分析は、連続的に編集された「インプット」試料と比較して、「アウトプット」骨髄試料では編集効率が同等レベルであり、オフターゲット編集事象は低いレベルであることを示した。図46及び48~51を参照されたい。まとめると、これらのデータは、高いレベルの二重欠失生着ヒトHSCが、リンパ系及び骨髄系細胞の再構成に大きく影響しない様式で生着後に持続することを示す。
参考文献
例えば、発明の背景、概要、詳細な説明、実施例、及び/又は参考文献のセクションにおける、本明細書に記述される全ての刊行物、特許、特許出願、公表、及びデータベースエントリー(例えば、配列データベースエントリー)は、個々の刊行物、特許、特許出願、公表、及びデータベースエントリーが、参照により具体的に及び個別に本明細書に組み込まれるかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合、本明細書の任意の定義を含む本出願が優先する。
均等物及び範囲
当業者は、本明細書に記載される実施形態の多くの均等物を認識するか、又は日常的な実験のみを使用して確認することができる。本開示の範囲は、上記の説明に限定されることを意図しておらず、むしろ添付の特許請求の範囲に記載されるとおりである。
「a」、「an」、及び「the」などの記事は、反対の指示がない限り、又は文脈から明らかでない限り、1つ又は複数を意味する場合がある。群の2つ以上のメンバーの間に「又は」を含む、請求項又は明細書は、反対の指示がない限り、又は文脈から明らかでない限り、群のメンバーのうちの1つ、1つより多く、又は全てが存在する場合に満たされるとみなされる。2つ以上の群のメンバーの間に「又は」を含む群の開示は、群の正確に1つのメンバーが存在する実施形態、群の1つより多くのメンバーが存在する実施形態、及び群のメンバーの全てが存在する実施形態を提供する。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書では個別には詳述されていないが、これらの実施形態の各々は、本明細書で提供され、具体的に主張され又は否定され得ることが理解されよう。
本発明は、特許請求の範囲の1つ以上、又は明細書の1つ以上の関連部分からの、1つ以上の制限、要素、節、又は説明用語が別の請求項に導入される、全ての変形、組み合わせ、及び順列を包含することが理解されるべきである。例えば、別の請求項に依存する請求項は、同じ基本請求項に依存する任意の他の請求項において見出される限定のうちの1つ以上を含むように改変され得る。更に、特許請求の範囲が組成物を列挙している場合、別段の指示がない限り、又は矛盾若しくは不一致が生じることが当業者に明白である場合を除き、本明細書に開示される作成若しくは使用方法のいずれかによる、又はもしあれば当技術分野に公知の方法による、組成物を作製若しくは使用する方法が含まれると理解されるべきである。
要素が、例えば、マーカッシュ群形式でリストとして提示される場合、要素の可能性のある全ての部分集団も開示されており、任意の要素又は要素の部分集団を群から削除できることが理解されるべきである。また、「含む」という用語は、開放的であることを意図し、追加の要素又はステップの包含を可能にすることにも留意されたい。一般的に、実施形態、製品、又は方法が、特定の要素、特徴、又はステップを含むと言及される場合、そのような要素、特徴、若しくはステップからなる、又はそれらから本質的になる実施形態、製品、又は方法も同様に提供されることが理解されるべきである。簡潔にするために、これらの実施形態は、本明細書では個別には詳述されていないが、これらの実施形態の各々は、本明細書で提供され、具体的に主張され又は否定され得ることが理解されよう。
範囲が与えられる場合、エンドポイントが含まれる。更に、別段の指示がない限り、又は文脈及び/若しくは当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈が明確に別段に指示しない限り、いくつかの実施形態では、範囲の下限の単位の1/10まで、記載された範囲内の任意の特定の値を想定し得ることを理解されたい。簡潔にするために、各範囲の値は、本明細書には個別に詳述されていないが、これらの値の各々は、本明細書に提供され、具体的に主張され又は否認され得ることが理解されよう。また、別段で指示されない限り、又は文脈及び/若しくは当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、所与の範囲内の任意の部分範囲を想定することができ、部分範囲の終点は範囲の下限の単位の1/10と同程度の精度で表される。
更に、本発明の任意の特定の実施形態は、任意の1つ以上の請求項から明示的に除外され得ることが理解されるべきである。範囲が与えられる場合、その範囲内の任意の値は、請求項のうちのいずれか1つ以上から明示的に除外され得る。本明細書中に記載される組成物及び/又は方法の任意の実施形態、要素、特徴、適用、又は態様を、任意の1つ以上の特許請求から除外することができる。簡潔にするために、1つ以上の要素、特徴、目的、又は態様が除外される実施形態の全ては、本明細書に明示的に記載されていない。

Claims (126)

  1. a)複数の細胞を、(i)第1の標的配列と結合する第1の標的化ドメインを含む第1のgRNA、及び(ii)第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、それにより、第1のgRNAが(ii)のRNAガイドヌクレアーゼと第1のリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成及び/又は維持し、第1のRNP複合体が第1の標的配列と結合するのに好適な条件下で、第1のRNP複合体を形成することと、
    b)複数の細胞を、(iii)第2の標的配列と結合する第2の標的化ドメインを含む第2のgRNA、及び(iv)第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼと第2のRNP複合体を形成及び/又は維持し、第2のRNP複合体が第2の標的配列と結合することと、を含み、
    それにより、第1の標的配列の遺伝子修飾及び第2の標的配列の遺伝子修飾を含む遺伝子操作細胞の集団を産生し、
    ステップ(a)及び(b)が、時間間隔を隔てて、連続的にかつ時間的に近接して実施され、
    第1の標的化ドメインが、第2の標的化ドメインと同一ではない、前記方法。
  2. 第1の標的配列の遺伝子修飾が、第1のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位での若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなり、及び/あるいは第2の標的配列の遺伝子修飾が、第2のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位のすぐ近位での挿入又は欠失からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 方法が、転座産物細胞の集団を産生し、亜集団の各細胞が、第1の標的配列を含むゲノムの一部、第2の標的配列を含むゲノムの一部、又はその両方を含む転座産物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 方法が、複数の細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、複数の細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する、請求項3に記載の方法。
  5. 方法が、複数の細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、複数の細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 方法が、複数の細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する、請求項3に記載の方法。
  7. 方法が、複数の細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する、請求項3又は6に記載の方法。
  8. (i)及び(ii)を含む第1のRNP複合体の第1の標的配列との結合が、非相同末端結合(NHEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (i)及び(ii)を含むRNP複合体の第1の標的配列との結合が、高速分解二本鎖切断を生じさせる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. (iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合が、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. (iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合が、緩徐分解二本鎖切断を生じさせる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 第1の標的配列が、第1の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 第1の標的配列のゲノム修飾が、第1の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第1の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす、請求項12に記載の方法。
  14. 第1の遺伝子が、第1の系統特異的細胞表面抗原をコードする、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 第2の標的配列が、第2の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 第2の標的配列のゲノム修飾が、第2の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第2の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす、請求項16に記載の方法。
  18. 第2の遺伝子が、第2の系統特異的細胞表面抗原をコードする、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 第2の系統特異的細胞表面抗原が、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD33である、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 第2の系統特異的細胞表面抗原が、CD19、CD5、又はCLL-1である、請求項20に記載の方法。
  22. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD5である、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  23. 第2の系統特異的細胞表面抗原が、CD33である、請求項22に記載の方法。
  24. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD33であり、第2の系統特異的細胞表面抗原が、CLL-1である、請求項20又は21に記載の方法。
  25. ステップ(b)とステップ(c)との間の時間間隔が、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、又は36時間である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、CRISPR/Casヌクレアーゼである、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. CRISPR/Casヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼである、請求項26に記載の方法。
  28. CRISPR/Casヌクレアーゼが、spCasヌクレアーゼである、請求項26に記載の方法。
  29. CRISPR/Casヌクレアーゼが、saCasヌクレアーゼである、請求項26に記載の方法。
  30. CRISPR/Casヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼである、請求項26に記載の方法。
  31. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  32. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  33. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  34. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼである、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  35. (a)の接触させることが、(i)及び(ii)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含み、及び/又は(b)の接触させることが、(iii)及び(iv)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体が、エレクトロポレーションを介して細胞に導入される、請求項35に記載の方法。
  37. (a)の接触させることが、(i)及び/若しくは(ii)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含み、かつ/又は
    (b)の接触させることが、(iii)及び/若しくは(iv)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. (i)の第1のgRNA及び/又は(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸が、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. (iii)の第2のgRNA及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸が、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  40. 第1のgRNA及び/又は第2のgRNAが、化学修飾される1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 第1及び/又は第2のgRNAが、2’O-メチル部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 第1及び/又は第2のgRNAが、ホスホロチオエートを含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 第1及び/又は第2のgRNAが、チオPACE部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 細胞が、造血細胞である、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 細胞が、造血幹細胞である、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 細胞が、造血前駆細胞である、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 細胞が、免疫エフェクター細胞である、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
  48. 細胞が、リンパ球である、請求項1~44及び47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 細胞が、Tリンパ球である、請求項1~44、47及び48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 細胞が、NK細胞である、請求項1~44、47及び48のいずれか一項に記載の方法。
  51. 細胞が、幹細胞である、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
  52. 幹細胞が、胚性幹細胞(ESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)、間葉系幹細胞、又は組織特異的幹細胞からなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
  53. a)細胞を、(i)第1の標的配列と結合する第1の標的化ドメインを含む第1のgRNA、及び(ii)第1のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、それにより、(i)の第1のgRNAが(ii)のRNAガイドヌクレアーゼと第1のリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成及び/又は維持し、RNP複合体が細胞のゲノム中の第1の標的配列と結合するのに好適な条件下で、第1のRNP複合体を形成することと、
    b)細胞を、(iii)第2の標的配列と結合する第2の標的化ドメインを含む第2のgRNA、及び(iv)第2のgRNAと結合するRNAガイドヌクレアーゼと接触させ、それにより、(iii)の第2のgRNAが(iv)のRNAガイドヌクレアーゼと第2のリボ核タンパク質(RNP)複合体を形成及び/又は維持し、第2のRNP複合体が細胞のゲノム中の第2の標的配列と結合するのに好適な条件下で、第2のRNP複合体を形成することと、を含み、
    ステップ(a)及び(b)が、時間間隔を隔てて、連続的に、時間的に近接して実施され、
    第1の標的化ドメインが、第2の標的化ドメインとは異なる、前記方法。
  54. 第1の標的配列の遺伝子修飾が、第1のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位での若しくはそのすぐ近位での挿入又は欠失からなり、及び/あるいは第2の標的配列の遺伝子修飾が、第2のgRNAと結合したときにRNAガイドヌクレアーゼによって切断される部位のすぐ近位での挿入又は欠失からなる、請求項53に記載の方法。
  55. 方法が、転座産物細胞の亜集団を産生し、亜集団の各細胞が、第1の標的配列を含むゲノムの一部、第2の標的配列を含むゲノムの一部、又はその両方を含む転座産物を含む、請求項53又は54に記載の方法。
  56. 方法が、細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する、請求項55に記載の方法。
  57. 方法が、細胞を(i)の第1のgRNAと接触させる前に、細胞を(iii)の第2のgRNAと接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する、請求項55又は56に記載の方法。
  58. 方法が、細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、より少ない転座産物細胞を産生する、請求項55に記載の方法。
  59. 方法が、細胞を(i)の第1のgRNA及び(iii)の第2のgRNAと実質的に同時に接触させることを含む方法と比較して、少なくとも10%少ない転座産物細胞を産生する、請求項55又は58に記載の方法。
  60. (i)及び(ii)を含む第1のRNP複合体の第1の標的配列との結合が、非相同末端結合(NHEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす、請求項53~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. (i)及び(ii)を含むRNP複合体の第1の標的配列との結合が、高速分解二本鎖切断を生じさせる、請求項53~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. (iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合が、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)事象によって生成される遺伝子修飾をもたらす、請求項53~61のいずれか一項に記載の方法。
  63. (iii)及び(iv)を含む第2のRNP複合体の第2の標的配列との結合が、緩徐分解二本鎖切断を生じさせる、請求項53~62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 第1の標的配列が、第1の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する、請求項53~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 第1の標的配列のゲノム修飾が、第1の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第1の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす、請求項64に記載の方法。
  66. 第1の遺伝子が、第1の系統特異的細胞表面抗原をコードする、請求項64又は65に記載の方法。
  67. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される、請求項66に記載の方法。
  68. 第2の標的配列が、第2の遺伝子、それと作動可能に連結された転写制御要素、又は遺伝子及び転写制御要素の一部に存在する、請求項53~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 第2の標的配列のゲノム修飾が、第2の遺伝子によってコードされる産物の発現、若しくは第2の標的配列中にゲノム修飾を担持しない同じ細胞型の野生型細胞によって発現される産物のバリアントの発現の低減又は排除をもたらす、請求項68に記載の方法。
  70. 第2の遺伝子が、第2の系統特異的細胞表面抗原をコードする、請求項68又は69に記載の方法。
  71. 第2の系統特異的細胞表面抗原が、CD33、CD19、CD123、CLL-1、CD30、CD5、CD6、CD7、CD38、及びBCMAからなる群から選択される、請求項70に記載の方法。
  72. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD33である、請求項67~71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 第2の系統特異的細胞表面抗原が、CD19、CD5、又はCLL-1である、請求項71又は72に記載の方法。
  74. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD5である、請求項67~71のいずれか一項に記載の方法。
  75. 第2の系統特異的細胞表面抗原が、CD33である、請求項74に記載の方法。
  76. 第1の系統特異的細胞表面抗原が、CD33であり、第2の系統特異的細胞表面抗原が、CLL-1である、請求項71又は72に記載の方法。
  77. ステップ(b)とステップ(c)との間の時間間隔が、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、又は36時間である、請求項53~76のいずれか一項に記載の方法。
  78. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、CRISPR/Casヌクレアーゼである、請求項53~77のいずれか一項に記載の方法。
  79. CRISPR/Casヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼである、請求項78に記載の方法。
  80. CRISPR/Casヌクレアーゼが、spCasヌクレアーゼである、請求項78に記載の方法。
  81. CRISPR/Casヌクレアーゼが、saCasヌクレアーゼである、請求項78に記載の方法。
  82. CRISPR/Casヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼである、請求項78に記載の方法。
  83. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼである、請求項53~78のいずれか一項に記載の方法。
  84. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼであり、(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼである、請求項53~83のいずれか一項に記載の方法。
  85. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cpf1ヌクレアーゼである、請求項53~82のいずれか一項に記載の方法。
  86. (ii)のRNAガイドヌクレアーゼ及び(iv)のRNAガイドヌクレアーゼが、Cas9ヌクレアーゼである、請求項53~83のいずれか一項に記載の方法。
  87. (a)の接触させることが、(i)及び(ii)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含み、及び/又は(b)の接触させることが、(iii)及び(iv)を、予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体の形態で細胞に導入することを含む、請求項53~86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 予め形成されたリボ核タンパク質(RNP)複合体が、エレクトロポレーションを介して細胞に導入される、請求項87に記載の方法。
  89. (a)の接触させることが、(i)及び/若しくは(ii)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含み、かつ/又は
    (b)の接触させることが、(iii)及び/若しくは(iv)を、(i)のgRNA及び/若しくは(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸の形態で細胞に導入することを含む、請求項53~88のいずれか一項に記載の方法。
  90. (i)の第1のgRNA及び/又は(ii)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸が、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である、請求項53~89のいずれか一項に記載の方法。
  91. (iii)の第2のgRNA及び/又は(iv)のRNAガイドヌクレアーゼをコードする核酸が、RNA、好ましくは、mRNA又はmRNA類似体である、請求項53~90のいずれか一項に記載の方法。
  92. 第1のgRNA及び/又は第2のgRNAが、化学修飾された1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項53~91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 第1及び/又は第2のgRNAが、2’O-メチル部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項53~92のいずれか一項に記載の方法。
  94. 第1及び/又は第2のgRNAが、ホスホロチオエートを含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項53~93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 第1及び/又は第2のgRNAが、チオPACE部分を含む1つ以上のヌクレオチド残基を含む、請求項53~94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 細胞が、造血細胞である、請求項53~95のいずれか一項に記載の方法。
  97. 細胞が、造血幹細胞である、請求項53~96のいずれか一項に記載の方法。
  98. 細胞が、造血前駆細胞である、請求項53~96のいずれか一項に記載の方法。
  99. 細胞が、免疫エフェクター細胞である、請求項53~95のいずれか一項に記載の方法。
  100. 細胞が、リンパ球である、請求項53~95及び99のいずれか一項に記載の方法。
  101. 細胞が、Tリンパ球である、請求項53~95、99及び100のいずれか一項に記載の方法。
  102. 細胞が、NK細胞である、請求項53~95、99及び100のいずれか一項に記載の方法。
  103. 細胞が、幹細胞である、請求項53~95のいずれか一項に記載の方法。
  104. 幹細胞が、胚性幹細胞(ESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)、間葉系幹細胞、又は組織特異的幹細胞からなる群から選択される、請求項103に記載の方法。
  105. 請求項1~104のいずれか一項に記載の方法によって産生される、遺伝子操作細胞、又はその子孫。
  106. 請求項1~104のいずれか一項に記載の方法によって取得される、又はそれによって取得可能である、複数の細胞を含む、細胞集団。
  107. 請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、又は請求項106に記載の細胞集団を含む、医薬組成物。
  108. 投与することを必要とする対象に、請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、又は請求項106に記載の細胞集団、又は請求項107に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
  109. 細胞若しくはその子孫、又は細胞集団の細胞が、野生型対応細胞と比較した第1の遺伝子に対する修飾、及び野生型対応細胞と比較した第2の遺伝子に対する修飾を含む、請求項108に記載の方法。
  110. 第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする治療有効量の少なくとも1つの薬剤を対象に投与することを更に含み、薬剤が、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物と結合する抗原結合断片を含む、請求項108又は109に記載の方法。
  111. 第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、請求項106に記載の細胞集団、又は請求項107に記載の医薬組成物の投与と同時に、あるいは時間的に近接して生じる、請求項110に記載の方法。
  112. 第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、請求項106に記載の細胞集団、又は請求項107に記載の医薬組成物の投与後に生じる、請求項110又は111に記載の方法。
  113. 第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、請求項106に記載の細胞集団、又は請求項107に記載の医薬組成物の投与前に生じる、請求項110又は111に記載の方法。
  114. 第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする治療有効量の少なくとも1つの薬剤を対象に投与することを更に含み、薬剤が、第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物と結合する抗原結合断片を含む、請求項108~113のいずれか一項に記載の方法。
  115. 第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、請求項106に記載の細胞集団、又は請求項107に記載の医薬組成物の投与と同時に、あるいは時間的に近接して生じる、請求項114に記載の方法。
  116. 第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、請求項106に記載の細胞集団、又は請求項107に記載の医薬組成物の投与後に生じる、請求項114又は115に記載の方法。
  117. 第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、請求項105に記載の細胞若しくはその子孫、請求項106に記載の細胞集団、又は請求項107に記載の医薬組成物の投与前に生じる、請求項114~116のいずれか一項に記載の方法。
  118. 第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与と同時に、又は時間的に近接して生じる、請求項114~117のいずれか一項に記載の方法。
  119. 第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与後に生じる、請求項114~118のいずれか一項に記載の方法。
  120. 第2の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与が、第1の遺伝子又はその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする少なくとも1つの薬剤の投与前に生じる、請求項114~118のいずれか一項に記載の方法。
  121. 第1の遺伝子若しくはその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤、及び/又は第2の遺伝子若しくはその野生型コピーによってコードされる産物を標的とする薬剤が、細胞傷害性薬剤である、請求項110~120のいずれか一項に記載の方法。
  122. 細胞傷害性薬剤が、抗体-薬物複合体、又はキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫エフェクター細胞である、請求項121に記載の方法。
  123. 対象が、修飾遺伝子又はその野生型コピーを発現する細胞に関連する疾患を有する、請求項108~122のいずれか一項に記載の方法。
  124. 対象が、がん幹細胞に関連するがんを有する、請求項108~123のいずれか一項に記載の方法。
  125. 対象が、造血器悪性腫瘍を有する、請求項108~124のいずれか一項に記載の方法。
  126. 対象が、自己免疫疾患を有する、請求項108~123のいずれか一項に記載の方法。
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