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JP2024507362A - 抗血小板誘発性凝固障害を治療するためのフリーズドライ血小板誘導体組成物 - Google Patents

抗血小板誘発性凝固障害を治療するためのフリーズドライ血小板誘導体組成物 Download PDF

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JP2024507362A JP2023549556A JP2023549556A JP2024507362A JP 2024507362 A JP2024507362 A JP 2024507362A JP 2023549556 A JP2023549556 A JP 2023549556A JP 2023549556 A JP2023549556 A JP 2023549556A JP 2024507362 A JP2024507362 A JP 2024507362A
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Abstract

対象における凝固障害を治療するための方法及び組成物が本明細書に提供される。そのような方法は、例えば、その必要がある対象が抗凝固剤を投与されたことがあるという理由で、血小板を含むか又は例示的実施形態では血小板誘導体及び更なる例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物の有効量を前記対象に投与することを含み得る。そのような方法及びそこで使用される血小板誘導体の例示的実施形態、並びに多数の追加の態様及び実施形態についての様々な特性が本明細書に提供される。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月17日に出願された米国仮出願第63/150,338号、2021年11月4日に出願された米国仮出願第63/275,937号、2021年11月5日に出願された米国仮出願第63/276,420号、2021年11月17日に出願された米国仮出願第63/264,227号、及び2022年2月16日に出願された米国出願第17/673,773号(これは2020年8月14日に出願された米国出願第16/994,377号及び2020年8月14日に出願されたPCT/US2020/046525の一部継続出願である)の優先権を主張する。2020年8月14日に出願された米国出願第16/994,377号は、2019年8月16日に出願された米国仮出願第62,887,923号及び2020年8月13日に出願された米国仮出願第63,065,337号の優先権を主張する。2020年8月14日に出願されたPCT/US2020/046525号は、2019年8月16日に出願された米国仮出願第62,887,923号及び2020年8月13日に出願された米国仮出願第63,065,337号の優先権を主張する。この段落に列挙される出願の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本開示は、抗血栓剤誘発性凝固障害の治療法としての血小板誘導体の使用に関する。抗血小板剤の使用は、出血の可能性を増加させ得る。
背景
抗血小板薬(本明細書では抗血小板剤とも称される)は、米国成人集団において一般的であり、血小板作用を阻害する複数の機序を用いる。抗血小板薬は、多数の脳血管疾患及び心臓血管疾患を治療及び/又は予防するために使用される。
しかしながら、抗血小板薬は、多数の薬物関連有害事象(ADE)に関与している。これらの薬物に関連する過剰摂取及び有害事象は、患者集団に深刻な出血及び関連する合併症のリスクをもたらす。加えて、抗血小板薬によって治療されている対象は、療法の停止が対象を心臓発作、脳卒中、又は死亡のリスクの増加に曝す可能性があるが、手術の前に薬物を減らされる必要がある場合があるため、手術において追加の合併症に直面している。
したがって、抗血小板剤誘発性凝固障害などの凝固障害の治療に対するニーズ、並びに抗血小板薬を服用する対象を手術のために準備させるための解決策に対するニーズが当該技術分野において存在する。
したがって、抗血栓剤(すなわち、抗血小板剤及び/又は抗凝固剤)の使用は、対象の出血の可能性を増加させ得る。ここで、血小板誘導体が、この阻害を回避又は克服して止血を回復させ得ることを実証する。したがって、例示的実施形態では、フリーズドライ血小板誘導体(FDPD)及びそれを含む組成物が提供され、これは、対象のこの増加した出血の可能性を低減し得、特定の例示的実施形態では、そのような抗血栓剤による血小板のこの阻害を回避又は克服して止血を回復させ得る。
対象における凝固障害を治療するための方法及び組成物が本明細書に提供される。そのような方法は、例えば、その必要がある対象が抗凝固剤を投与されたことがあるという理由で、血小板を含むか又は例示的実施形態では血小板誘導体及び更なる例示的実施形態ではFDPDを含む組成物の有効量を前記対象に投与することを含み得る。そのようなFDPD及び方法の例示的実施形態、並びに多数の追加の態様及び実施形態についての様々な特性が本明細書に提供される。
本開示の態様及び実施形態に関する更なる詳細は、本特許出願を通して提供される。この発明の概要のセクションの前述の段落は、本明細書に開示される態様及び実施形態の網羅的なリストではない。セクション及びセクションの見出しは、読みやすさを目的とし、セクションにわたって方法、組成物、及びキット又はその機能要素などの開示の組み合わせを制限することを意図するものではない。
増加濃度のカングレロールによる、又はよらない、10μMのアデノシン二リン酸(ADP)活性化によって誘発された、積分凝集曲線として表される、多血小板血漿におけるカングレロール(「Cang」)の光透過凝集測定を示す。 T-TAS(登録商標)技術を使用した血小板閉塞に対するカングレロール、ADP、又はそれらの組み合わせの効果を示す。 図2からのデータセットについての曲線下面積(AUC)の棒グラフである。図2からの複製データセットを平均として提示する。 図2からのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。図2からの複製データセットを平均として提示する。 T-TAS(登録商標)技術を使用した血小板閉塞に対する再水和の60、90、又は115分後のADP及びカングレロールの存在下及び不在下での多血小板血漿に補充されたFDPD(「thromb」;300,000/μL)の効果を示す。 図5からのデータセットについてのAUCの棒グラフである。図5からの複製データセットを平均として示す。 図5からのデータセットにういての閉塞時間の棒グラフである。図5からの複製データセットを平均として示す。 コラーゲン(10μg/mL)及び様々な濃度のエプチフィバチド(「Epti」)で処理された血小板(1μL当たり250,000個の血小板の濃度)の凝集実験からのAUCの棒グラフである。 T-TAS(登録商標)技術を使用した全血に対する様々な濃度でのエプチフィバチドの効果を示す。 T-TAS(登録商標)技術を使用した様々な濃度のエプチフィバチドを含む、及び含まない、全血に対するFDPD(「Tsome」)補充(約200,000/μL)の効果を示す。 図10からのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。 図10からのデータセットについてのAUCの棒グラフである。 FDPD(様々なロット)が乏血小板血漿(PPP)中のエプチフィバチドの存在下で閉塞することを示す。 図13からのデータセットについてのAUCの棒グラフである。図13からの複製データセットを平均として示す。 図13からのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。図13からの複製データセットを平均として示す。 様々な濃度のアスピリン(「ASA」)を含む、及び含まない、コラーゲン(10μg/mL)又はアラキドン酸(「AA」;500μg/mL)で処理された血小板の凝集実験からのAUCの棒グラフである。 T-TAS(登録商標)技術を使用した剪断下でのコラーゲンでコーティングされたプラスチックに対する応答によって測定した、全血、様々な濃度のアスピリン(ASA)で処理された全血、及び様々な濃度のアスピリンで処理され、FDPD(約200,000~400,000/μL)を補充された全血についての閉塞時間の棒グラフである。 トロンボプラスチン及びコラーゲンでコーティングされたT-TAS ARチップにおける閉塞時間によって測定した、ASA(200マイクロモル)、カングレロール(1マイクロモル)、AP2 6F1(40マイクログラム)の存在下で全血中のFDPDによって促進される血栓形成の回復を示す。 閉塞(圧力)超過時間によって測定した、ASA(200マイクロモル)、カングレロール(1マイクロモル)、及び6F1(40マイクログラム/mL)の存在下で全血中のFDPDによって促進される血栓形成の回復を示す。 AUCによって測定した、高剪断下でのプラスチック固定化ブタコラーゲンとの相互作用に対するアスピリン(ASA)阻害化全血(500マイクロモル)へのFDPD補充の効果を示す。 経時的な閉塞(圧力)によって測定した、高剪断下でのプラスチック固定化ブタコラーゲンとの相互作用に対するアスピリン(ASA)阻害化全血(500マイクロモル)へのFDPD補充の効果を示す。 AUCによって測定した、高剪断下でのプラスチック固定化ブタコラーゲンとの相互作用に対するアスピリン(ASA)阻害化全血(100マイクロモル)へのFDPD補充の効果を示す。 経時的な閉塞(圧力)によって測定した、高剪断下でのプラスチック固定化ブタコラーゲンとの相互作用に対するアスピリン(ASA)阻害化全血(100マイクロモル)へのFDPD補充の効果を示す。 正常及びアスピリン阻害化血漿へのFDPD補充のピークトロンビンに対する効果を示す。 T-TAS(登録商標)技術を使用した血小板閉塞に対するカングレロール単独又はカングレロール+FDPDの効果を示す。 図25Aからのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。 T-TAS(登録商標)技術を使用した血小板閉塞に対するチロフィバン単独、又はチロフィバンとランダムドナー血小板(RDP)若しくはFDPDとの効果を示す。 図26Aからのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。 T-TAS(登録商標)技術を使用した血小板閉塞に対するエプチフィバチド単独、又はエプチフィバチドとRDP若しくはFDPDとの効果を示す。 図27Aからのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。 T-TAS(登録商標)技術を使用した血小板閉塞に対するAP2単独、又はAP2とRDP若しくはFDPDとの効果を示す。 図28Aからのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。 T-TAS(登録商標)技術を使用したアスピリン療法の対象から採取されたPRPに対するFDPDの効果を示す。 図29Aからのデータセットについての閉塞時間の棒グラフである。 トロンビン生成に対するアスピリン療法の対象から採取されたPRPに対するFDPDの効果を示す。 FDPDを添加したか、又は添加していないアスピリン療法の対象から採取されたPRPについてのトロンビン生成パラメータの棒グラフである。 緩衝液、アラキドン酸、又はコラーゲンを添加したイブプロフェン療法の対象から採取されたPRPの凝集測定を示す。 FDPDを含むか、又は含まないイブプロフェン療法の対象から採取されたPRPに対するADPの効果を示す。 超薬理学的用量のクロピドグレルによって処置されたマウスの出血時間に対するFDPDの投薬の効果を示す。 FDPDを含むか、又は含まない多血小板血漿(PRP)の閉塞時間に対するカングレロール及びチカグレロールの効果を示す。 FDPDを含むか、又は含まない多血小板血漿(PRP)の閉塞時間に対するカングレロール及びチカグレロールの効果を示す。 超薬理学的クロピドグレルによって処置されたNOD-SCIDマウスにおける出血時間を回復させるFDPDの能力を示すための尻尾切断試験を示す。 超薬理クロピドグレルによって処置されたニュージーランド白ウサギにおける出血時間を回復させるFDPDの能力を示す。各線は、同一条件下で同じ用量で投与された異なるウサギを表す。 FDPDが25ng/mlのリバロキサバンの存在下でトロンビン生成を触媒することができることを示す。 FDPDが25ng/mlのリバロキサバンの存在下で内因性トロンビン産生能を部分的に回復させることができることを示す。 リバロキサバンで処理された全血中にFDPDを添加することで閉塞時間が部分的に回復したことを示す。 リバロキサバン処理オクタプラスにおけるFDPDによる活性化因子トロンビン産生能を示す。 リバロキサバン処理オクタプラスにおけるFDPDによる最大トロンビン濃度を示す。 リバロキサバン処理オクタプラスにおけるFDPDによるATGラグタイムを示す。 リバロキサバン処理された新鮮な多血小板血漿(PRP)におけるFDPDによる活性化因子トロンビン産生能を示す。 リバロキサバン処理された新鮮な多血小板血漿(PRP)におけるFDPDによる最大トロンビン濃度を示す。 リバロキサバン処理された多血小板血漿(PRP)におけるFDPDによるATGラグタイムを示す。 ACT試験を使用した抗凝固剤の存在下で凝血する時間に対するFDPDの効果を示す。 1μL当たり5K及び50Kの血小板でのFDPDによるアフェレーシス単位(APU)を比較した、プールされた正常血漿中のトロンビン生成に対する0.1Uヘパリンの効果を示す。 1μL当たり10K及び50Kの血小板でのFDPDによる、4μg/mlのプロタミン(推奨される拮抗用量の1/2)によって拮抗された0.8U/mLのヘパリンの影響を示す。 x軸に記載されるように、ヘパリン及びプロタミンで処理された試料のトロンビン生成のピーク高さを示す。 PRP単独に対するFDPDの存在下でのアスピリン処理による閉塞時間を示す。 PRP単独に対するFDPDの存在下でのチカグレロール及びアスピリンの両方による閉塞時間を示す。 アゴニストの存在下ではあるが、新鮮な血小板の不在下でのFDPDの凝集応答を示す。 アゴニストの存在下ではあるが、新鮮な血小板の不在下での多血小板血漿(PRP)の凝集応答を示す。 20μMのADPの存在下でのFDPD及びPRPの凝集の比較を示す。 10μg/mlのコラーゲンの存在下でのFDPD及びPRPの凝集の比較を示す。 300μMのエピネフリンの存在下でのFDPD及びPRPの凝集の比較を示す。 1mg/mlのリストセチンの存在下でのFDPD及びPRPの凝集の比較を示す。 10μMのTRAP-6の存在下でのFDPD及びPRPの凝集の比較を示す。 5mg/mlのアラキドン酸の存在下でのFDPD及びPRPの凝集の比較を示す。 アフェレーシス血小板上のCD62Pの発現を観察することにより、TRAP-6ペプチドが血小板活性化を促進することができることを示す。 TRAP-6ペプチドがFDPD上のCD62Pの発現を増加させることができないことを示す。 休止した新鮮な血小板、活性化された新鮮な血小板、及び異なるロットのFDPDにおける平均蛍光強度(MFI)の観点からのフローサイトメトリーによるトロンボスポンジン(TSP-1)の測定を示す。 休止した新鮮な血小板、活性化された新鮮な血小板、及び異なるロットのFDPDにおける平均蛍光強度(MFI)の観点からのフローサイトメトリーによるフォン・ウィルブランド因子(vWF)の測定を示す。 アフェレーシス血小板及びFDPDのフローサイトメトリーにより測定される前方散乱(FSC)を示す。 抗CD-41抗体で染色されていない(暗いデータ点)又は染色(明るいデータ点)されたFDPDの例示的なフローサイトメトリーデータを示す。 カルシウムあり(明るいデータ点)及びなし(暗いデータ点)でアネキシンVとインキュベートされたFDPDの例示的なヒストグラムを示す。 抗CD62抗体(明るいデータ点)又はアイソタイプ対照(暗いデータ点)とインキュベートされたFDPDの例示的なヒストグラムを示す。 組織因子及びリン脂質(実線及び長い破線)並びに対照セファリン(ドット)を含有するPRP試薬の存在下でのFDPDのトロンビンピーク高さのプロットを示す。 動的光散乱(DLS)によって決定される、ヒトの期限内保存血小板(バッチJ)及びそれから誘導される血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有率のプロットである。 DLSによって決定される、ヒトの期限内保存血小板(バッチK)及びそれから誘導される血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有率のプロットである。 DLSによって決定される、ヒトの期限内保存血小板(バッチL)及びそれから誘導される血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有率のプロットである。 DLSによって決定される、ヒトの期限内保存血小板(バッチD)及びそれから誘導される血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有率のプロットである。 DLSによって決定される、ヒトの期限内保存血小板(バッチE)及びそれから誘導される血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有率のプロットである。 DLSによって決定される、ヒトの期限内保存血小板(バッチF)及びそれから誘導される血小板誘導体(凍結乾燥前)における異なる半径の粒子の占有率のプロットである。 染色されていない(黒色)、又はアイソタイプ対照抗体で染色された(濃い灰色)、又はFITC標識9F9抗体で染色された(薄い灰色)低血漿FDPDの例示的なヒストグラムの比較、及び2回の反復の平均蛍光強度を示す表を示す。 染色されていない(黒色)、又は抗PAC-1抗体で染色された(薄い灰色)低血漿FDPDの例示的なヒストグラムの比較、及び2回の反復の平均蛍光強度を示す表を示す。
詳細な説明
本発明の実施形態を詳細に記載する前に、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、その用語が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載の方法及び材料と同様又は同等である任意の方法及び材料が本発明の実践に使用され得るが、ここでは、好ましい方法及び材料を記載する。本明細書で言及される全ての刊行物は、引用された刊行物に関連する方法及び/又は材料を開示及び説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。本開示は、あらゆる組み込まれた刊行物との矛盾を制御する。
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上明白に別途指示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「糖」への言及は、1つ以上の糖、及び当業者に既知のそれらの同等物への言及を含む。更に、同等の用語を使用して記載され得る用語の使用は、それらの同等の用語の使用を含む。したがって、例えば、「対象」という用語の使用は、「患者」、「人」、「動物」、「ヒト」、及び医学的処置を受ける対象を示すために当該技術分野で使用される他の用語を含むことを理解されたい。単一の概念を包含するために複数の用語を使用することは、使用されるそれらの用語のみに概念を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書で使用される用語が、単に特定の実施形態を記載する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。更に、値の範囲が開示される場合、当業者は、開示される範囲内の他の全ての特定の値が、本明細書で各特定の値又は範囲を開示する必要なしに、これらの値及びそれらが表す範囲によって本質的に開示されることを理解するであろう。例えば、開示される1~10の範囲は、1~9、1~5、2~10、3.1~6、1、2、3、4、5などを含む。更に、開示される範囲の各々は、範囲のより低い値については最大5%低いこと、及び範囲のより高い値については最大5%高いことを含む。例えば、開示される4~10の範囲は、3.8~10.5を含む。この概念は、本書では「約」という用語によって捉えられている。
明確にするために、別個の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴はまた、組み合わせられて単一の実施形態で提供され得ることが理解される。逆に、簡潔性のために単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特徴は、別個に又は任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。本発明に関する実施形態の全ての組み合わせは、本発明によって具体的に包含され、各々及び全ての組み合わせが個別かつ明示的に開示されたかのように、本明細書に開示される。更に、様々な実施形態及びその要素の全ての部分的組み合わせもまた、本開示によって具体的に包含され、各々及び全てのそのような部分的組み合わせが個別かつ明示的に本明細書に開示されたかのように、本明細書に開示される。
本明細書で使用される場合、「凝固障害」という用語は、過剰な出血又は凝血のいずれかをもたらす止血の任意の異常を意味する。対象に抗血小板剤又は抗凝固剤を投与することによって引き起こされる凝固障害は、典型的には、出血の可能性の増加を含む。したがって、例示的な実施形態における凝固障害を治療するための本明細書の方法は、対象の出血の可能性を減少させるための方法である。
本明細書で使用される場合、「血小板」という用語は、全血小板、断片化された血小板、血小板誘導体、又はFDPDを含み得る。上記の定義内の「血小板」は、例えば、全血中の血小板、血漿中の血小板、選択された血漿タンパク質で任意選択的に補充された緩衝液中の血小板、低温貯蔵された血小板、乾燥された血小板、凍結保存された(cryopreserved)血小板、解凍された凍結保存された(cryopreserved)血小板、再水和された乾燥された血小板、再水和された凍結保存された(cryopreserved)血小板、凍結保存された(lyopreserved)血小板、解凍された凍結保存された(lyopreserved)血小板、又は再水和された凍結保存された(lyopreserved)血小板を含み得る。「血小板」は、ヒトなどの哺乳動物の「血小板」であり得るか、又は非ヒト哺乳動物などの「血小板」であり得る。本明細書で使用される場合、「調製剤」は、任意の適切な成分を含み得る。いくつかの実施形態では、調製剤は、液体培地を含み得る。いくつかの実施形態では、調製剤は、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及び血液若しくは血液製剤中に見出され得るか、又は血小板を乾燥させるのに有用であることが既知である任意の他の塩、あるいはこれらのうちの2つ以上の任意の組み合わせから選択される1つ以上の塩を含み得る。いくつかの実施形態では、調製剤は、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及び血液又は血液製剤中に見出され得る任意の他の塩などの1つ以上の塩を含む。例示的な塩としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、調製剤は、約0.5mM~約100mMの1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、調製剤は、約0.5mM~約100mM(例えば、約0.5~約2mM、約2mM~約90mM、約2mM~約6mM、約50mM~約100mM、約60mM~約90mM、約70~約85mM)の1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、調製剤は、約5mM、約75mM、又は約80mMの1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、調製剤は、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びその2つの組み合わせから選択される1つ以上の塩を、約0.5mM~約2mMの濃度で含む。
本明細書で使用される場合、「トロンボソーム」(本明細書では、特に実施例及び図では、「Tsome」又は「T」とも称される場合がある)は、インキュベーション物質(例えば、本明細書に記載のインキュベーション物質のうちのいずれか)で処理され、凍結保存(すなわち、フリーズドライ)されている、血小板誘導体である。したがって、トロンボソームは、フリーズドライ血小板誘導体(FDPD)である。いくつかの場合では、FDPDは、プールされた血小板から調製され得る。FDPDは、周囲温度で、乾燥形態で2~3年の貯蔵寿命を有し得、直ちに注入するために数分以内に滅菌水で再水和され得る。FDPDの1つの例は、血小板減少性患者における急性出血の治療のための臨床試験にあり、またCellphire,Inc.の製品であるTHROMBOSOMES(登録商標)である。非限定的な例示的実施形態では、本明細書のFDPD組成物、又は例示的なフリーズドライ血小板誘導体(すなわち「FDPD」)組成物、例えば、本明細書の実施例15に従って調製される組成物は、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で血小板誘導体の集団中の血小板誘導体の10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向がある血小板誘導体の集団を含み、血小板誘導体は、10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有する。非限定的な例示的実施形態では、FDPD組成物、又は本明細書における例示的FDPD組成物、例えば、本明細書の実施例15に従って調製される組成物は、血小板誘導体を含む組成物であり、血小板誘導体の少なくとも50%は、CD41陽性血小板誘導体であり、CD41陽性血小板誘導体の15%未満、10%未満、又は更に非限定的な例示的実施形態では5%未満は、0.5μm未満の直径を有する微粒子であり、血小板誘導体は、10個の血小板誘導体当たり少なくとも0.5、1.0、更に非限定的な例示的実施形態では1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)である。前段の例示的実施形態の非限定的な例を含む特定の例示的実施形態では、血小板誘導体は、直径が0.5~2.5umである。
本明細書で使用される場合、「抗凝固剤」は、抗血小板剤を含まない抗血栓剤である。典型的には、第IIa因子、第VIIa因子、第IX因子、第Xa因子、第XI因子、組織因子、若しくは凝血因子(例えば、第II因子、第VII因子、第IX因子、又は第X因子)のビタミンK依存性合成を阻害する薬剤、又は抗トロンビン(例えば、抗トロンビンIII)を活性化する薬剤は、抗凝固剤であるとみなされる。抗凝固剤の他の機序は、既知である。抗凝固剤としては、ダビガトラン、アルガトロバン、ヒルジン、リバロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、ヘパリン、及び低分子量ヘパリンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「抗血小板剤」は、抗血栓剤であり、かつ抗凝固剤を含まない。典型的には、P2Y受容体(例えば、P2Y12)、糖タンパク質IIb/IIIa(すなわち、CD41)を阻害する薬剤、又はトロンボキサンシンターゼ若しくはトロンボキサン受容体に拮抗する薬剤は、抗血小板剤であるとみなされる。抗血小板剤の他の機序は、既知である。本明細書で使用される場合、アスピリンは、抗血小板剤であるが、抗凝固剤ではないとみなされる。抗血小板剤の例としては、アスピリン(アセチルサリチル酸又はASAとも称される)、カングレロール(例えば、KENGREAL(登録商標))、チカグレロール(例えば、BRILINTA(登録商標))、クロピドグレル(例えば、PLAVIX(登録商標))、プラスグレル(例えば、EFFIENT(登録商標))、エプチフィバチド(例えば、INTEGRILIN(登録商標))、チロフィバン(例えば、AGGRASTAT(登録商標))、及びアブシキシマブ(例えば、REOPRO(登録商標))が挙げられる。本開示の目的のために、抗血小板剤は、P2Y受容体(例えば、P2Y12)、糖タンパク質IIb/IIIaを阻害する薬剤、又はトロンボキサンシンターゼ若しくはトロンボキサン受容体に拮抗する薬剤を含む。トロンボキサンAアンタゴニストの非限定的な例は、アスピリン、テルトロバン、及びピコタミドである。P2Y受容体アンタゴニストの非限定的な例としては、カングレロール、チカグレロール、エリノグレル、クロピドグレル、プラスグレル、及びチクロピジンが挙げられる。糖タンパク質IIb/IIIaの非限定的な例としては、アブシキシマブ、エプチフィバチド、及びチロフィバンが挙げられる。NSAIDS(例えば、イブプロフェン)もまた、本開示の目的のための抗血小板剤であるとみなされる。抗血小板剤の他の機序は、既知である。抗血小板剤としては、PAR1アンタゴニスト、PAR4アンタゴニスト、GPVIアンタゴニスト、及びα2β1コラーゲン受容体アンタゴニストも挙げられる。PAR-1アンタゴニストの非限定的な例としては、ボラパキサール及びアトパキサールが挙げられる。本明細書で使用される場合、アスピリンは、抗血小板剤であるが、抗凝固剤ではないとみなされる。抗血小板剤の更なる非限定的な例としては、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートが挙げられる。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、サルポグレラート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、本明細書に記載の抗血小板剤のうちのいずれか2つ(又はそれ以上)などの、複数の抗血小板剤を含み得る。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリン及びクロピドグレルであり得る。
カングレロールは、クロピドグレル、チカグレロール、及びプラスグレルと同様に、血小板上のP2Y12(ADP)受容体を遮断する。カングレロールは、いくつかの場合では、このクラスの薬物の代表として使用され得る。カングレロールは、クロピドグレル及びプラスグレルとは異なり、生物学的に活性となるために肝代謝を必要としない。
エプチフィバチドは、血小板上のGPIIb-IIIa受容体のフィブリン結合の役割を遮断するペプチド治療薬である。薬物を、典型的には、180μg/kgボーラスとしてIVを介して投与し、続いて2μg/kg/分の連続注入を行う。エプチフィバチドの血中濃度は、典型的には、約1~2μMである。出血時間は、一般に、薬物停止から約1時間以内に正常に戻る。
アスピリンは、不可逆的なシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤である。血小板中のCOX酵素は、トロンボキサンA2、プロスタグランジンE2、及びプロスタシクリン(PGI2)の合成に関与する。アスピリンは、血小板内のCOX酵素を永久的に不活性化し、かつ血小板は、新たな酵素を合成するための核物質を有しないため、アスピリン効果を克服するためには、新たな血小板を生成しなければならない。トロンボキサンA2、プロスタグランジンE2、及びプロスタシクリン(PGI2)なしでは、血小板は、その凝集促進活性が制限される。多くの人は、望ましくない凝血事象を防止するために、低用量のアスピリンを維持される。アスピリンのバイオアベイラビリティは、投与経路によって大きく異なり、500μMのピークで単回500mg用量のIV、及び44μMで経口で同じ用量である。
抗血小板クラスの薬物は、心不全、脳卒中などをもたらす望ましくない凝血エピソードを防止するために広く使用されている。多くの場合において、抗血小板薬が拮抗若しくは停止される必要があり得るか、又は出血の可能性が、血流中に抗血小板薬を有する対象においていくつかの他の方法で低減される必要があり、したがって対象の出血の可能性が増加される。事前に計画された手術の状況のように、事前に通知されている場合には、抗血小板薬の用量が手術の前に停止され、手術中の望ましくない出血を防止し得る場合がある。抗血小板剤が迅速に拮抗する必要がある場合には、拮抗物質は、典型的には、容易には入手できないか、高価であるか、又は患者に重大なリスクをもたらす。迅速な抗血小板拮抗が必要である場合には、血小板輸血が典型的には投与されるが、これに対する応答は、多くの場合、部分的な拮抗のみである。この拮抗過程の注意点は、新たに注入された血小板自体が循環薬物抗血小板活性に対して感受性であるのに対し、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物(例えば、FDPDを含む)はそうではないことである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物(例えば、FDPDを含む)は、活性拮抗物質である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物(例えば、FDPDを含む)の止血活性は、抗血小板薬に屈しない。
いくつかの例示的な抗血小板剤及び潜在的な拮抗方法を以下に記載する。
アセチルサリチル酸(ASA;アスピリン)-アスピリンは、血小板においてCOX-1遮断剤として機能し、これは、血小板由来のトロンボキサン形成を不可逆的に阻害することによって、血小板を不活性にする。臨床的には、アスピリンは、緊急事態における血小板輸血によって、又は今後手術が予定されている治療を停止することによって拮抗する場合がある。
クロピドグレル(例えば、PLAVIX(登録商標))-クロピドグレルは、ADPが血小板上でその受容体に結合することを防止するように作用する。ADP結合は、血小板形状の変化及び凝集をもたらす。クロピドグレルは、不可逆的である。臨床的には、クロピドグレルは、緊急事態における血小板輸血によって、又は今後手術が予定されている治療を停止することによって拮抗する場合がある。
カングレロール(例えば、KENGREAL(登録商標))-カングレロールは、ADPが血小板上でその受容体に結合することを防止するように作用する。ADP結合は、血小板形状の変化及び凝集をもたらす。クロピドグレルは、可逆的であり、血小板機能は、注入を停止してから約1時間後に戻る。臨床的には、これは、一般に、拮抗が手順の後に必要とされる場合に好ましい。
チカグレロール(例えば、BRILINTA(登録商標))-チカグレロールは、ADPがその受容体に結合することを防止し、かつ逆アゴニストとして作用する。チカグレロールは、可逆的であり、血小板機能は、最後の投与量の約72時間後に戻り得る。チカグレロールの作用の拮抗は、最後の用量後の時間によって影響を受け得る。最後の用量が24時間よりも前であった場合、血小板輸血は、結果に拮抗するための治療薬であり得る場合がある。
エフィエント(例えば、PRASUGREL(登録商標))-エフィエントは、ADPがその受容体に結合することを防止するように作用し、かつ不可逆的アンタゴニストとして作用する。不可逆的なアンタゴニストであるため、その効果を克服するためには、新しい血小板を形成しなければならない。臨床的には、エフィエントは、緊急事態における血小板輸血によって、又は今後手術が予定されている治療を停止することによって拮抗する。
エプチフィバチド(インテグリリン)-エプチフィバチドは、GpIIb/IIIaを遮断するように作用し、かつ可逆的なアンタゴニストとして作用する。臨床的には、インテグリリンは、緊急事態における血小板輸血によって、又は今後手術が予定されている治療を停止することによって拮抗する。
血小板注入は、抗血小板薬の治療法として現在使用されているが、血小板注入は、これらの薬物の効果を弱めるためにのみ作用する。いくつかの実施形態では、FDPDは、これらの薬物に対して反応性ではなく、凝血を助けるそれらの能力を維持する。これにより、FDPDを介した治療は完全に独自のものとなり、製品に新たな用途が導入される。
血小板由来の製品は、抗血栓剤(すなわち、抗凝固剤又は抗血小板薬)の活性を相殺するための治療法としては現在使用されておらず、そのような効果は、例えば、外科的処置中に、又は外傷性事象の結果として、対象に有害な結果をもたらすか、又は対象に許容できないリスクを引き起こす可能性がある。それ以外で対象の出血の可能性を低減する、又は抗凝固剤及び/若しくは抗血小板剤での治療後に止血を回復させる抗血小板剤のための現在承認されている拮抗物質は存在しない。したがって、緊急治療(手術前、外傷など)は、典型的には、出血を回避又は緩和するための包括的な予防策を必要とする。非限定的な例としては、血漿、赤血球、及び抗線溶剤の注入が挙げられる。血小板誘導体、例示的な実施形態では本明細書に提供されるフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)は、この長年の必要性を克服し、これらの一般的な治療又はリスク軽減戦略に対する有効な代替策又は補完である。
本明細書の実施例セクションの多数の実施例で提供される結果は、抗血小板薬を服用している対象のインビトロモデルにおけるFDPD生成物を含む組成物の影響を実証している。FDPD組成物及び他の凍結乾燥血小板製品は、外傷又は止血不全の診断の後に対象の血流に注入されるように設計されている。これらの抗血小板薬は、いくつかを挙げると、アデノシン二リン酸(ADP)、アラキドン酸、フィブリノゲン、及びフォン・ウィルブランド因子結合に対する血小板応答を阻害する複数の形態の血小板阻害機序を利用する。これらには、アスピリン、クロピドグレル、チカグレロール、エフィエント、カングレロール、及びエプチフィバチドのような薬物が含まれる。機序にかかわらず、本明細書に提供されるFDPDは、そのような抗血小板剤を服用している対象の出血の可能性を低下させ、いくつかの実施形態では、対象の正常な止血を回復させることができる。
いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、ある特定の血小板誘導体、例示的実施形態では本明細書に提供されるFDPDは、抗凝固剤によって抑制されるものを超えてトロンビン生成を増強するために凝固促進性負荷電表面を提供することによって、少なくとも部分的に作用し得ると考えられる。同様に、いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、ある特定の血小板誘導体、例示的実施形態では本明細書に提供されるFDPDは、循環血小板に結合し、かつそれと共凝集することによって、少なくとも部分的に作用し得ると考えられる。したがって、そのようなFDPDは、凝集能力が低下しているにもかかわらず、また、全てではなくとも少なくとも一部の抗血小板剤によってターゲティングされる表面マーカーの全てではなくとも少なくともいくつかを保持しているにもかかわらず、抗血栓剤(すなわち、抗凝固剤又は抗血小板剤)を服用している対象の出血の可能性を低減することができるという驚くべき特性を提供する。
出血を制御し、治癒を改善するための製品及び方法が本明細書に記載される。本明細書に記載の組成物、生成物及び方法はまた、本明細書に開示される抗血小板剤(例えば、非限定的な例として、アスピリン(アセチルサリチル酸又はASAとも称される)、カングレロール(例えば、KENGREAL(登録商標))、チカグレロール(例えば、BRILINTA(登録商標))、クロピドグレル(例えば、PLAVIX(登録商標))、プラスグレル(例えば、EFFIENT(登録商標))、エプチフィバチド(例えば、INTEGRILIN(登録商標))、チロフィバン(例えば、AGGRASTAT(登録商標))、又はアブシキシマブ(例えば、REOPRO(登録商標)))のいずれかの活性に対抗するために使用され得る。本明細書に開示される生成物及び方法は、ある特定の実施形態では、創傷の閉鎖及び治癒を助け得る実施形態を対象とする。
本明細書に提供されるある特定の態様では、血小板を含む組成物、又は例示的実施形態では血小板誘導体を含む組成物、更なる例示的実施形態ではFDPDである血小板誘導体を含む組成物は、患者の表面上又は患者の内部の創傷に送達され得る。様々な実施形態では、血小板を含む組成物、又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物、又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物は、接着包帯、圧縮包帯、液体溶液、エアロゾル、マトリックス組成物、及びコーティングされた縫合、又は他の医療的閉鎖を含むがこれらに限定されない、選択された形態で適用され得る。実施形態では、血小板を含む組成物、又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物は、患者の表面上の罹患領域の全部又は一部のみに投与され得る。他の実施形態では、血小板を含む組成物、又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物は、例えば血流を介して、全身的に投与され得る。実施形態では、血小板誘導体の適用は、2日間又は3日間、好ましくは5~10日間、又は最も好ましくは最大14日間、止血効果をもたらし得る。
いくつかの態様は、対象における凝固障害を治療する方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に、血小板を含む組成物又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的な実施形態ではFDPDである)を含む組成物の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物は、追加の成分、例えばそのようなFDPDがフリーズドライされたときに存在した成分を更に含む。そのような追加の成分は、1つ以上の塩、緩衝液、並びにある特定の実施形態では凍結保護剤(凍結乾燥剤とも呼ばれる)及び/又は有機溶媒を含むインキュベーション物質の成分を含み得る。例えば、そのような組成物は、本明細書で更に提供されるように、1つ以上の糖を含み得、これは例示的実施形態ではトレハロースを含み、更なる例示的実施形態ではポリスクロースを含む。
いくつかの態様は、対象における凝固障害を治療する方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、凝固障害は、対象の血液中の抗血小板剤の存在の結果である。
いくつかの態様は、抗血小板剤によって治療されていたか、又は治療されている対象における凝固障害を治療する方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に、血小板を含む組成物又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物の有効量を投与することを含み、組成物は、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質を含む。
いくつかの態様は、抗血小板剤によって治療されていたか、又は治療されている対象における凝固障害を治療する方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの態様は、対象における正常な止血を回復させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に、血小板を含む組成物又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的な実施形態ではFDPDである)を含む組成物の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物は、追加の成分、例えばそのようなFDPDがフリーズドライされたときに存在した成分を更に含む。そのような追加の成分は、1つ以上の塩、緩衝液、並びにある特定の実施形態では凍結保護剤(凍結乾燥剤とも呼ばれる)及び/又は有機溶媒を含むインキュベーション物質の成分を含み得る。例えば、そのような組成物は、本明細書で更に提供されるように、1つ以上の糖を含み得、これは例示的実施形態ではトレハロースを含み、更なる例示的実施形態ではポリスクロースを含む。
いくつかの態様は、対象における正常な止血を回復させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの態様は、対象における正常な止血を回復させる方法を提供し、対象は、抗血小板剤で処置されたか、又は処置されており、方法は、その必要がある対象に、血小板を含む組成物又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的な実施形態ではFDPDである)を含む組成物の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物は、追加の成分、例えばそのようなFDPDがフリーズドライされたときに存在した成分を更に含む。そのような追加の成分は、1つ以上の塩、緩衝液、並びにある特定の実施形態では凍結保護剤(凍結乾燥剤とも呼ばれる)及び/又は有機溶媒を含むインキュベーション物質の成分を含み得る。例えば、そのような組成物は、本明細書で更に提供されるように、1つ以上の糖を含み得、これは例示的実施形態ではトレハロースを含み、更なる例示的実施形態ではポリスクロースを含む。
いくつかの実施形態は、抗血小板剤によって治療されていたか、又は治療されている対象における正常な止血を回復させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
本明細書に記載の組成物はまた、いくつかの場合では、対象を手術のために準備させるために投与され得る。抗血小板剤を服用している一部の患者にとって、手術の前に抗血小板剤の投与量を低減させることは困難又は不可能であり得る(例えば、外傷又は他の緊急手術の場合)。抗血小板剤を服用している一部の患者にとって、手術の前に抗血小板剤の投与量を低減させることは不得策である場合がある(例えば、抗血小板剤の投与量が経時的に低減された場合に、患者が血栓性事象(例えば、深部静脈血栓症、肺塞栓症、又は脳卒中)のリスクに曝されるであろう場合)。
したがって、いくつかの実施形態は、対象を手術のために準備させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に、血小板を含む組成物又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的な実施形態ではFDPDである)を含む組成物の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物は、追加の成分、例えばそのようなFDPDがフリーズドライされたときに存在した成分を更に含む。そのような追加の成分は、1つ以上の塩、緩衝液、並びにある特定の実施形態では凍結保護剤(凍結乾燥剤とも呼ばれる)及び/又は有機溶媒を含むインキュベーション物質の成分を含み得る。例えば、そのような組成物は、本明細書で更に提供されるように、1つ以上の糖を含み得、これは例示的実施形態ではトレハロースを含み、更なる例示的実施形態ではポリスクロースを含む。
いくつかの実施形態は、対象の手術の準備を整える方法を提供し、この方法は、その準備を必要とする対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態は、対象の手術の準備を整える方法を提供し、対象は、抗血小板剤で処置されたか、又は処置されており、方法は、その必要がある対象に、血小板を含む組成物又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的な実施形態ではFDPDである)を含む組成物の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物は、追加の成分、例えばそのようなFDPDがフリーズドライされたときに存在した成分を更に含む。そのような追加の成分は、1つ以上の塩、緩衝液、並びにある特定の実施形態では凍結保護剤(凍結乾燥剤とも呼ばれる)及び/又は有機溶媒を含むインキュベーション物質の成分を含み得る。例えば、そのような組成物は、本明細書で更に提供されるように、1つ以上の糖を含み得、これは例示的実施形態ではトレハロースを含み、更なる例示的実施形態ではポリスクロースを含む。
いくつかの実施形態は、対象の手術の準備を整える方法を提供し、対象は、抗血小板剤で処置されたか、又は処置されており、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態では、手術は、緊急手術(例えば、外傷の場合)又は予定された手術であり得る。
いくつかの実施形態では、抗凝固剤による治療は、例示的実施形態では血小板誘導体を含む組成物が対象に投与される前に(例えば、手術の準備において)停止され得る。いくつかの実施形態では、抗凝固剤による治療は、例示的実施形態では血小板誘導体を含む組成物が対象に投与された後一定期間継続し得る。そのような期間は、1、2、3、4、5、6、若しくは7日、又は1、2、3、若しくは4週間、又は1、2、若しくは3ヶ月以上を含み得る。
いくつかの実施形態は、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を、例示的実施形態では有効量の血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物を投与することを含み、この組成物は、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質を含む。
いくつかの態様は、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤の投与量が不正確であるため、抗血小板剤の効果を改善する必要があり得る。例えば、いくつかの実施形態では、抗血小板剤の効果は、抗血小板剤の過剰摂取後に改善され得る。いくつかの実施形態では、別の薬物(例えば、第2の抗血小板剤)との相互作用の可能性のため、抗血小板剤の効果を改善する必要があり得る。例えば、いくつかの実施形態では、抗血小板剤の効果は、そのうちの少なくとも1つが抗血小板剤である、2つ以上の薬物の誤った投薬後に改善され得る。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、組成物は、抗線溶剤などの活性剤を更に含み得る。抗線溶剤の非限定的な例としては、ε-アミノカプロン酸(EACA)、トラネキサム酸、アプロチニン、アミノメチル安息香酸、及びフィブリノゲンが挙げられる。いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体に、抗線溶剤などの活性剤が充填され得る。
本明細書におけるFDPDを含む組成物は、ある特定の実施形態では、出血の可能性を低減することができ、例示的実施形態では、FDPDの投与後に、対象の出血の可能性についての臨床検査が陰性であるか陽性であるかにかかわらず、血液の出血の可能性が上昇した対象における止血を回復させるという驚くべき特性を有する。例示的実施形態におけるそのような出血の可能性の上昇は、典型的には、有効量の抗血小板剤が対象に送達され、対象の血液中にあるためである。したがって、本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物は、実施された場合の出血の可能性の投与後評価が正常又は異常な結果をもたらすかどうかとは無関係に、対象の出血の可能性を低減することができるという特性を有する。いくつかの実施形態では、そのような投与後評価は、FDPDを含む組成物を対象に投与してからある期間後に、例えば、1~4時間後、又は1~3時間後、又は1~2時間後に採取又は収集された試料に対して行われるインビトロ臨床検査を含む。本明細書の態様のいずれかの他の実施形態では、FDPDを含む組成物は、出血の可能性の投与後評価が正常又は異常な結果をもたらすかどうかとは無関係に、出血の可能性が増加した対象において正常な止血が回復されるように、対象の出血の可能性を低減することができるという特性を有する。いくつかの実施形態では、そのような投与後評価は、実施された場合にFDPDを含む組成物を対象に投与してからある期間後に、例えば、1~4時間後、又は1~3時間後、又は1~2時間後に採取又は収集された試料に対して行われるインビトロ臨床検査を含む。期間は、例えば、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物を対象に投与した後0分~72時間以内、又は10分~72時間以内、又は10分~48時間以内、又は10分~24時間以内、又は10分~4時間以内、又は10分~1時間以内、又は10分~30分以内、又は30分~24時間以内、又は30分~4時間以内、又は30分~1時間以内であり得る。ある特定の実施形態における臨床検査は、本明細書に開示される出血パラメータのうちの1つ以上、又は2つ以上、又は3つ以上である。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物は、出血の可能性が上昇した対象の出血の可能性を低減することができるという特性を有する。更に、FDPDを含む組成物は、典型的には、例えば対象の出血の可能性を低減するために対象に有効量で投与された後、対象が、1つ以上のインビトロ臨床検査、例えば、FDPDを含む組成物を投与してから15分~4時間後、30分~4時間後、1時間~4時間後に採取された、又は15分~2時間、30分~2時間後、又は1時間~2時間後に採取された、又は15分~1時間後、又は30分~1時間後に採取された血液試料を使用して行われる投与後評価、又はそれらの血液試料に対して行われるインビトロ臨床検査における1つ以上の凝血パラメータの異常値を有し得るという追加の驚くべき特性を有している。本実施形態のいくつかの下位実施形態では、FDPDを含む組成物は、抗血小板剤を服用していない場合に、対象の出血の可能性を、対象のほぼ正常若しくは正常な止血に、又はほぼ止血レベル若しくは止血レベルに低減することができるという特性を有する。しかしながら、これらの実施形態では、FDPDを含む組成物は、有効量で対象に投与された後、そのような特性が、出血の可能性についての投与後臨床検査から独立しているという追加の驚くべき特性を保持する。したがって、いくつかの実施形態では、対象は、FDPDを含む組成物を投与してから1~4時間後、又はすぐ上で列挙された時間範囲のいずれかに採取された血液試料を使用して行われる投与後評価、又はそれらの血液試料に対して行われるインビトロ臨床検査において、1つ以上の凝血パラメータの異常値を有するであろう。そのような特性、又は評価若しくは試験を含む任意の特性を有するFDPDを含む組成物を含む方法では、そのような試験工程が実際に方法の工程として列挙されない限り、そのような方法を実践するために実際に試験を実施する必要はないことが理解されよう。
血小板誘導体、特に本明細書に提供されるFDPDは、例えば、本明細書に提供される方法を使用して生成され、ある特定の実施形態では、本明細書に開示されるようないくつかの特定された特性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、FDPDは、抗血小板拮抗物質によってターゲティングされる(検出可能な量の)生体分子(例えば、受容体)を含む。例えば、FDPDは、FDPDを含む組成物が投与される同じ対象に投与されるか又は投与されている1つ以上の抗血小板拮抗物質によってターゲティングされる1つ以上の生体分子を含むことができる。いくつかの実施形態では、FDPD上に存在する受容体は、P2Y受容体(例えば、P2Y12受容体)、糖タンパク質IIb(すなわち、CD41)/IIIa(すなわち、CD61)、トロンボキサンシンターゼ若しくはトロンボキサン受容体、PAR1、PAR4、VPVI、又はコラーゲン受容体(例えば、α2β1コラーゲン受容体)から選択される。ある特定の実施形態では、血小板誘導体、例示的実施形態ではFDPDの少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%が、対象に投与される抗血小板剤によってターゲティングされる生体分子に対して陽性である(すなわち、検出可能なレベルを有する)、及び/又は対象の血液中で検出可能である。いくつかの注目すべき非限定的な例として、FDPD上に存在するバイオマーカーは、CD41であり得るか、又はCD41/CD61複合体であり得る。いくつかの実施形態では、FDPD上のCD41/CD61複合体は、フィブリノゲン(因子1)によって結合される。
ある特定の実施形態では、FDPDを含む組成物は、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で集団中のFDPDの2%、3%、4%、5%、7.5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、又は25%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を含む。ある特定の実施形態では、FDPDは、10個の粒子当たり少なくとも1.2(例えば、少なくとも1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、又は2.5)トロンビン生成効力単位(TGPU)を有する。
ある特定の実施形態では、FDPDは、超活性化された血小板の1つ以上の特徴を有する。そのような特徴は、以下:
A)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、FDPDの表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、
B)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、FDPDの表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在、及び
C)アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較してアゴニストの存在下での血小板活性化マーカーの発現を増加させることができないこと
のうちの1つ以上を含み得る。
いくつかの実施形態では、FDPD、例示的実施形態ではCD41陽性FDPDの集団の5%未満が、0.5μm未満の直径を有する微粒子である。本明細書における血小板誘導体は、本明細書において更に詳細に開示されるように、多数の驚くべき特性を有することが観察されている。本明細書に提供される実施例で示されるように、いくつかの態様及び実施形態では、血小板誘導体は、粉末形態などの固体であるが、そのような血小板誘導体を含む組成物が液体形態である場合も、そのような血小板誘導体の特性が特定、確認、及び/又は測定され得ることが理解されるであろう。
いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、少なくとも約0.5μm(例えば、少なくとも約少なくとも約0.6μm、少なくとも約0.7μm、少なくとも約0.8μm、少なくとも約0.9μm、少なくとも約1.0μm、少なくとも約1.2μm、少なくとも約1.5μm、少なくとも約2.0μm、少なくとも約2.5μm、又は少なくとも約5.0μm)の粒径(例えば、直径、最大寸法)を有する。いくつかの実施形態では、粒径は、約5.0μm未満(例えば、約2.5μm未満、約2.0μm未満、約1.5μm未満、約1.0μm未満、約0.9μm未満、約0.8μm未満、約0.7μm未満、約0.6μm未満、約0.5μm未満、約0.4μm未満、又は約0.3μm未満)である。いくつかの実施形態では、粒径は、約0.5μm~約5.0μm(例えば、約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)である。
いくつかの実施形態では、少なくとも50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%)の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、約0.5μm~約5.0μm(例えば、約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲の粒径を有する。いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)の最大99%(例えば、最大約95%、最大約80%、最大約75%、最大約70%、最大約65%、最大約60%、最大約55%、又は最大約50%)は、約0.5μm~約5.0μm(例えば、約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)の約50%~約99%(例えば、約55%~約95%、約60%~約90%、約65%~約85%、約70%~約80%)は、約0.5μm~約5.0μm(例えば、約0.5μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲にある。
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、細胞表面マーカーを有し得る。細胞表面マーカーの存在は、任意の適切な方法を使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、細胞表面マーカーの存在は、1つ以上の細胞表面マーカーに特異的な結合タンパク質(例えば、抗体)及びフローサイトメトリーを使用して(例えば、陽性率として、例えば、約2.7×10FDPD/μL;及び約4.8μLの抗CD41抗体、約3.3μLの抗CD42抗体、約1.3μLのアネキシンV、又は約2.4μLの抗CD62抗体を使用して)決定され得る。細胞表面マーカーの非限定的な例としては、CD41(例えば、抗CD41抗体を使用してアッセイされ得る糖タンパク質IIb又はGPIIbとも呼ばれる)、CD42(例えば、抗CD42抗体を使用してアッセイされ得る)、CD62(例えば、抗CD62抗体を使用してアッセイされ得るCD62P又はP-セレクチンとも呼ばれる)、ホスファチジルセリン(例えば、アネキシンV(AV)を使用してアッセイされ得る)、及びCD47(自己認識で使用される;このマーカーの不在は、場合によっては食作用をもたらし得る)が挙げられる。任意の細胞表面マーカーの陽性率は、任意の適切な陽性率であり得る。例えば、本明細書に記載の方法によって調製され、本明細書の組成物に含まれるものなどの血小板誘導体(例えば、FDPD)の集団は、少なくとも55%(例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも67%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%)の平均CD41陽性率を有し得る。いくつかの実施形態では、CD41に対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の血小板誘導体は、0.5~2.5μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、CD41に対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.4~2.8μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、CD41に対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.3~3μmの範囲のサイズを有する。
別の例として、本明細書に記載のものなどの血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、少なくとも65%(例えば、少なくとも67%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%)の平均CD42陽性率を有し得る。いくつかの実施形態では、CD42に対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.5~2.5μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、CD42に対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.4~2.8μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、CD42に対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.3~3μmの範囲のサイズを有する。
別の例として、本明細書に記載の方法により調製されるものなどの血小板又は血小板誘導体(例えばFDPD)は、少なくとも10%(例えば少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%)の平均CD62陽性率を有し得る。いくつかの実施形態では、CD62に対して陽性である少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.5~2.5μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、CD62に対して陽性である少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.4~2.8μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、CD62に対して陽性である少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.3~3μmの範囲のサイズを有する。
更に別の例として、本明細書に記載の方法により調製されるものなどの血小板又は血小板誘導体(例えばFDPD)は、少なくとも25%(例えば少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%)の平均アネキシンV陽性率を有し得る。いくつかの実施形態では、アネキシンVに対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の血小板誘導体は、0.5~2.5μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、アネキシンVに対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.4~2.8μmの範囲のサイズを有する。いくつかの実施形態では、アネキシンVに対して陽性である少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の血小板誘導体は、0.3~3μmの範囲のサイズを有する。
別の例として、本明細書に記載の方法によって調製されるものなどの血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、少なくとも約8%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は55%)の平均CD47陽性率を有し得る。
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、例えば、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下でトロンビンを生成し得る。例えば、いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)(例えば、約4.8×10個の粒子/μLの濃度で)は、組織因子を含有する試薬(例えば、0.25pM、0.5pM、1pM、2pM、5pM、又は10pMで)、及び任意選択的にリン脂質の存在下で、少なくとも25nM(例えば、少なくとも30nM、35nM、40nM、45nM、50nM、52nM、54nM、55nM、56nM、58nM、60nM、65nM、70nM、75nM、又は80nM)のトロンビンピーク高さ(TPH)を生成し得る。例えば、いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)(例えば、約4.8×10個の粒子/μLの濃度で)は、組織因子を含有する試薬(例えば、0.25pM、0.5pM、1pM、2pM、5pM又は10pMで)及び任意選択的にリン脂質の存在下で、約25nM~約100nM(例えば、約25nM~約50nM、約25~約75nM、約50~約100nM、約75~約100nM、約35nM~約95nM、約45~約85nM、約55~約75nM、又は約60~約70nM)のTPHを生成し得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)(例えば、約4.8×10個の粒子/μLの濃度で)は、例えば、20μLのPRP試薬と、約4.8×10個の粒子/μLの血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む80μLの組成物とを含む条件を使用して、PRP試薬(Thrombinoscopeからのカタログ番号TS30.00)の存在下で、例少なくとも25nM(例えば、少なくとも30nM、35nM、40nM、45nM、50nM、52nM、54nM、55nM、56nM、58nM、60nM、65nM、70nM、75nM、又は80nM)のTPHを生成し得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)(例えば、約4.8×10個の粒子/μLの濃度で)は、例えば、20μLのPRP試薬と、約4.8×10個の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む80μLの組成物とを含む条件を使用して、PRP試薬(Thrombinoscopeからのカタログ番号TS30.00)の存在下で、約25nM~約100nM(例えば、約25nM~約50nM、約25~約75nM、約50~約100nM、約75~約100nM、約35nM~約95nM、約45~約85nM、約55~約75nM、又は約60~約70nM)のTPHを生成し得る。
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、例えば、組織因子及びリン脂質を含む試薬の存在下でトロンビンを生成し得る。例えば、いくつかの場合では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、10個の粒子当たり少なくとも1.2(例えば、少なくとも1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、又は2.5)トロンビン生成効力単位(TGPU)を有し得る。例えば、いくつかの場合では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、10個の粒子当たり1.2~2.5TPGU(例えば、10個の粒子当たり1.2~2.0、1.3~1.5、1.5~2.25、1.5~2.0、1.5~1.75、1.75~2.5、2.0~2.5、又は2.25~2.5TPGU)の効力を有し得る。TPGUは、以下のように計算され得る:TGPU/1,000,000個の粒子=[nMでのTPH]*[IUでの効力係数/(nM)]/[ウェル中の576,000個の粒子]。同様に、トロンビンの試料の効力係数は、以下のように計算され得る:効力係数=計算されたキャリブレータ活性(IU)/有効キャリブレータ活性(nM)。いくつかの場合では、キャリブレータ活性は、WHO国際トロンビン標準に基づき得る。
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、例えば、総血栓形成分析システム(T-TAS(登録商標))を使用することによって決定されるように、凝血させることが可能であり得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体は、少なくとも70×10個の粒子/μL(例えば、少なくとも73×10個、100×10個、150×10個、173×10個、200×10個、250×10個、又は255×10個の粒子/μL)の濃度で、例えば、血小板が低減されたクエン酸処理全血中で、14分未満(例えば、13.5、13、12.5、12、11.5、又は11分未満)のT-TAS閉塞時間(例えば、80のkPaに達する時間)をもたらし得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体は、少なくとも70×10個の粒子/μL(例えば、少なくとも73×10個、100×10個、150×10個、173×10個、200×10個、250×10個、又は255×10個の粒子/μL)の濃度で、例えば、血小板が低減されたクエン酸処理全血中で、少なくとも1300(例えば、少なくとも1380、1400、1500、1600、又は1700)の曲線下面積(AUC)をもたらし得る。
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、トロンビンの存在下でトロンビン誘発性捕捉が可能であり得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、トロンビンの存在下で少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、67%、70%、75%、85%、90%、又は99%)のトロンビン誘発性捕捉を有し得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、トロンビンの存在下で約25%~約100%(例えば、約25%~約50%、約25%~約75%、約50%~約100%、約75%~約100%、約40%~約95%、約55%~約80%、又は約65%~約75%)のトロンビン誘発性捕捉パーセントを有し得る。トロンビン誘発性捕捉は、任意の適切な方法、例えば、光透過凝集測定によって決定され得る。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、トロンビン誘発性捕捉は、血小板誘導体の表面に存在するフィブリノゲンとトロンビンとの相互作用の結果であると考えられている。
本明細書に記載の血小板誘導体(例えば、FDPD)は、例えば、凝集アゴニスト、及び新鮮な血小板の存在下で共凝集させることが可能であり得る。凝集アゴニストの非限定的な例としては、コラーゲン、エピネフリン、リストセチン、アラキドン酸、アデノシン二リン酸、及びトロンビン受容体関連タンパク質(TRAP)が挙げられる。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、凝集アゴニスト及び新鮮な血小板の存在下で少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、67%、70%、75%、85%、90%、又は99%)のパーセント共凝集を有し得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、凝集アゴニストの存在下で約25%~約100%(例えば、約25%~約50%、約25%~約75%、約50%~約100%、約75%~約100%、約40%~約95%、約55%~約80%、又は約65%~約75%)のパーセント共凝集を有し得る。パーセント共凝集は、任意の適切な方法、例えば、光透過凝集測定によって決定され得る。
本明細書の特定の例示的実施形態ではFDPD組成物である血小板誘導体組成物は、新鮮な血小板の傾向と比較して、アゴニストを含むが新鮮な血小板を含まない凝集条件下で凝集する傾向が低下した血小板誘導体(例えば、FDPD)の集団を含み、かつ/又はこれらの条件下で凝集するように活性化される。例示的実施形態で本明細書に記載される血小板誘導体(例えば、FDPD)は、アゴニストを含むが新鮮な血小板を含まない凝集条件下で凝集する傾向が、これらの条件下で凝集する新鮮な血小板及び/又は活性化された血小板の傾向と比較して低下していることを示す。驚くべきことに、そのようなFDPDは、インビトロ及びインビボアッセイにおいて、抗凝固剤及び抗血小板剤などの抗血栓剤の存在下で、そのような抗血栓剤が凝血及び/又は凝集を低減する条件下で(そのような薬剤のうちの2つの存在下を含む)、血小板の凝血及び凝集を増加させる能力を有する。血小板誘導体の凝集は、凝集条件が典型的には新鮮な血小板を含まないのに対し、共凝集条件が新鮮な血小板を含むという点で、共凝集と異なることは注目に値する。例示的な凝集及び共凝集条件は、本明細書の実施例に提供される。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の血小板誘導体は、新鮮な血小板及びアゴニストの存在下での共凝集傾向が高く、一方、新鮮な血小板及びアゴニストの存在下で、これらの条件下での新鮮な血小板の凝集傾向と比較して、新鮮な血小板及びアゴニストの不在下での凝集傾向が低下している。いくつかの実施形態では、血小板誘導体組成物は、凝集する傾向が低下した血小板誘導体の集団を含み、アゴニストを含むが血小板を含まない、例示的実施形態では新鮮な血小板を含まない凝集条件下で、集団中の血小板誘導体の2%、3%、4%、5%、7.5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、又は25%以下が凝集する。いくつかの実施形態では、血小板誘導体の集団は、アゴニストを含むが血小板を含まない、例示的実施形態では新鮮な血小板を含まない凝集条件下で、血小板誘導体の2~30%、5~25%、10~30%、10~25%、又は12.5~25%の範囲で凝集する。
本明細書の実施例に提供されるように、例示的な凝集条件及び関連方法は、室温で、20μMのADP、0.5mg/mLのアラキドン酸、10μg/mLのコラーゲン、200μMのエピネフリン、1mg/mLのリストセチン、及び10μMのTRAP-6の最終アゴニスト濃度のアゴニストを用いてFDPD試料調製物を処理し、例えば、FDPD試料にアゴニストを添加した5分後にLTAによって測定することを含み、これは、アゴニスト添加前の試料のLTA測定値と比較することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の血小板誘導体は、アゴニストの存在下で血小板誘導体がアゴニストでの曝露の前に存在した血小板活性化マーカーのレベルと比較してそれらの上の血小板活性化マーカーの増加を示すことができないように、最大限に活性化される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の血小板誘導体は、アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較して、アゴニストの存在下での血小板活性化マーカーの発現を増加させることができないことを示す。いくつかの実施形態では、アゴニストは、コラーゲン、エピネフリン、リストセチン、アラキドン酸、アデノシン二リン酸、及びトロンビン受容体関連タンパク質(TRAP)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血小板活性化マーカーは、アネキシンV及びCD62からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の血小板誘導体は、TRAPの存在下でアネキシンVの発現を増加させることができないことを示す。血小板上の血小板活性化マーカーの量の増加は、血小板の活性化の状態を示す。しかしながら、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の血小板誘導体は、アゴニストの存在下でさえ、それらの上の血小板活性化マーカーの量を増加させることができない。この特性は、本明細書に記載の血小板誘導体が最大限に活性化されることを示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の血小板誘導体は、アゴニストの不在下で最大活性化の状態を示すことができるため、特性は、血小板の最大活性化が必要とされる場合に有益であり得る。
トロンボスポンジンは、活性化時に血小板のα顆粒から分泌される糖タンパク質である。二価カチオンの存在下では、分泌タンパク質は、活性化された血小板の表面に結合し、活性化された血小板に関連する内因性レクチン様活性に関与する。いくつかの実施形態では、血小板誘導体は、休止血小板、活性化血小板、又は凍結乾燥固定血小板の表面上の存在よりも高いレベルで、それらの表面上にトロンボスポンジン(TSP-1)の存在を有する。いくつかの実施形態では、血小板誘導体は、休止血小板又は凍結乾燥固定血小板の表面上よりも少なくとも10%、20%、25%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%高いレベルで、それらの表面上にトロンボスポンジン(TSP-1)の存在を有する。いくつかの実施形態では、血小板誘導体は、休止血小板又は凍結乾燥固定血小板の表面上よりも100%以上高いレベルで、それらの表面上にトロンボスポンジン(TSP-1)の存在を有する。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して抗トロンボスポンジン(TSP)抗体の血小板誘導体への結合について分析した場合、血小板誘導体は、アゴニストの不在下で、休止血小板への抗TSP抗体の結合のMFIと比較して、少なくとも2倍、5倍、7倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、又は100倍高い平均蛍光強度(MFI)を示す。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して抗トロンボスポンジン(TSP)抗体の血小板誘導体への結合について分析した場合、血小板誘導体は、アゴニストの不在下で、凍結乾燥固定血小板への抗TSP抗体の結合のMFIと比較して、少なくとも2倍、5倍、7倍、10倍、20倍、30倍、又は40倍高い平均蛍光強度(MFI)を示す。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して抗トロンボスポンジン(TSP)抗体の血小板誘導体への結合について分析した場合、血小板誘導体は、アゴニストの不在下で、休止血小板への抗TSP抗体の結合のMFIと比較して、10~800倍、20~800倍、100~700倍、150~700倍、200~700倍、又は250~500倍高い平均蛍光強度(MFI)を示す。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して抗トロンボスポンジン(TSP)抗体の血小板誘導体への結合について分析した場合、血小板誘導体は、アゴニストの不在下で、活性血小板への抗TSP抗体の結合のMFIと比較して、少なくとも2倍、5倍、7倍、10倍、20倍、30倍、又は40倍高い平均蛍光強度(MFI)を示す。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して抗トロンボスポンジン(TSP)抗体の血小板誘導体への結合について分析した場合、血小板誘導体は、アゴニストの不在下で、活性血小板への抗TSP抗体の結合のMFIと比較して、2~40倍、5~40倍、5~35倍、10~35倍、又は10~30倍高い平均蛍光強度(MFI)を示す。
フォン・ウィルブランド因子(vWF)Pは、血液凝固において主要な役割を果たす多量体糖タンパク質である。vWFは、内皮下及び他の血小板への血小板結合を促進し、それにより血小板の付着及び凝集を促進する架橋分子として機能する。vWFはまた、コラーゲンに結合して、損傷部位での凝血魂形成を促進する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の血小板誘導体は、休止血小板、活性化血小板、又は凍結乾燥固定血小板の表面上のレベルよりも高いレベルで、それらの表面上にフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在を有する。いくつかの実施形態では、血小板誘導体は、休止血小板又は凍結乾燥固定血小板の表面上よりも少なくとも10%、20%、25%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%高いレベルで、それらの表面上にフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在を有する。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して血小板誘導体への抗フォン・ウィルブランド因子(vWF)抗体の結合について分析した場合、血小板誘導体は、アゴニストの不在下で、休止血小板又は凍結乾燥固定血小板への抗vWF抗体の結合のMFIと比較して、少なくとも1.5倍、2倍、又は3倍、又は4倍高い平均蛍光強度(MFI)を示す。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して血小板誘導体への抗フォン・ウィルブランド因子(vWF)抗体の結合について分析した場合、血小板誘導体は、アゴニストの不在下で、休止血小板又は凍結乾燥固定血小板への抗vWF抗体の結合のMFIと比較して2~4倍、又は2.5~3.5倍高い平均蛍光強度(MFI)を示す。
血小板誘導体、例示的実施形態ではFDPDは、本明細書の更なる例示的態様及び実施形態において、損なわれた形質膜に囲まれる。これらの更なる例示的態様及び実施形態では、血小板誘導体は、それらの周りに統合された膜を欠いている。代わりに、そのような血小板誘導体(例えば、FDPD)を囲む膜は、生細胞で観察される孔よりも大きい孔を含む。理論に限定されるものではないが、血小板誘導体が損なわれた膜を有する実施形態では、そのような血小板誘導体は、外部環境からのシグナルを、典型的には生体血小板内で変換される粒子内の応答に変換する能力が低下しているか、又は変換することができないと考えられている。更に、そのような血小板誘導体(例えば、FDPD)は、ミトコンドリア活性化又は解糖が可能であるとは考えられていない。
損なわれた膜は、新鮮な血小板、又は冷蔵保存された血小板、又は凍結保存された血小板と比較して、血小板誘導体が乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の50%超を保持することができないことによって特定され得る。いくつかの実施形態では、血小板誘導体は、新鮮な血小板、又は低温保存された血小板、又は凍結保存された血小板に保持された乳酸デヒドロゲナーゼと比較して、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、又は75%を超える乳酸デヒドロゲナーゼを保持することができない。いくつかの実施形態では、血小板誘導体は、抗体に対する増加した透過性を示す。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG抗体であり得る。増加した透過性は、安定な細胞内抗原に対するIgG抗体のターゲティングによって特定され得る。安定な細胞内抗原の1つの非限定的な種類は、βチューブリンである。血小板誘導体の損なわれた膜はまた、フローサイトメトリー研究によって決定され得る。
本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性によって証明されるように、いくらかの代謝活性を保持し得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、ドナーアフェレーシス血小板のLDH活性の少なくとも約10%(例えば、少なくとも約12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、又は45%)を保持し得る。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、増加量のポリスクロースの添加は、残存するLDH活性の量を増加させると考えられている(例えば、8%ポリスクロースを有する調製剤の生成物は、4%ポリスクロースを有する調製剤の生成物よりも多くの保持LDH活性を有する)。同様にいかなる特定の理論にも拘束されることなく、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む凍結乾燥組成物の熱処理は、保持されるLDH活性の量を増加させると考えられる。別の例として、代謝活性は、カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFDASE)上の酢酸基を切断してフルオロフォアをアンマスクする細胞の能力などの、保持されたエステラーゼ活性によって証明され得る。
血液(例えば、対象の血液)の凝血パラメータは、本明細書に記載の方法の間の任意の適切な時点で評価され得る。例えば、血液の1つ以上の凝血パラメータは、例えば、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体を含む組成物の投与の必要性を決定するために、血小板を含む組成物、又は例示的実施形態では血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態では本明細書に記載のFDPDである)を含む組成物の投与の前に評価され得る。例えば、そのような凝血パラメータは、インビトロ臨床検査などの投与前評価又は試験を使用して評価され得る。そのような試験は、対象に血小板誘導体を含む組成物を投与する前の7、5、3、2、若しくは1日以内に、又は12、8、6、4、2、若しくは1時間以内に採取された液体試料、例えば血液試料に対して実施され得る。別の例として、血液の1つ以上の凝血パラメータは、例えば、投与される組成物の有効性を決定するために、組成物の追加の投与が正当であるかどうかを決定するために、又は外科的処置を実施することが安全であるかどうかを決定するために、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体を含む組成物の投与の後に評価され得る。そのような投与後評価又は試験は、対象に血小板誘導体を含む組成物を投与した後の7、5、3、2、若しくは1日以内に、又は12、8、6、4、2、若しくは1時間以内に採取された液体試料、例えば血液試料に対して実施され得る。
したがって、本明細書に記載の方法のうちのいずれかは、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体を含む組成物の投与の前に、血液の1つ以上の凝血パラメータを評価する工程、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体を含む組成物の投与の後に、血液の1つ以上の凝血パラメータを評価する工程、又はその両方を含み得る。
任意の適切な方法を使用して、血液の凝血パラメータを見積もる(評価する)ことができる。方法の非限定的な例としては、世界保健機関(WHO)の出血スケール、プロトロンビン時間(PT)アッセイ、トロンビン生成(TGA;例えば、ピークトロンビン、内因性トロンビン産生能(ETP)、及びラグタイムなどのパラメータを生成するために使用され得る)、トロンボエラストグラフィー(TEG)、多重電極凝集測定、光透過凝集測定(LTA)、活性化凝血時間(ACT)、P2Y12反応単位(PRU)又はアスピリン反応単位(ARU)試験、及び部分的トロンボプラスチン時間(PTT又はaPTT)が挙げられる。
WHO出血スケールは、特にがん治療における毒性報告の文脈において、臨床医及び研究者が出血を見積もるのを助けるために開発されたが、これは他の文脈でも使用される。
プロトロンビン時間(PT)は、典型的には組織因子の存在下で、血液が凝血するのにかかる時間の尺度である。いくつかの場合では、PTは、実験室用試薬の影響を受ける可能性があるため、正規化比(INR)がより頻繁に使用される。
活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)は、典型的には、シリカ、セライト、カオリン、又はエラグ酸などの活性化因子の存在下で血液が凝血するのにかかる時間の尺度である。いくつかの場合では、aPTTは、実験室試薬の影響を受ける可能性があるため、INRがaPTTの代わりに、又はaPTTに加えて使用されることがある。
トロンビン生成アッセイは、蛍光ペプチドのトロンビン酵素切断及び蛍光分子の放出の結果として生じる凝固促進剤を介した試料活性化後のトロンビンの産生を測定した。ピークトロンビンは、産生される最大トロンビンの尺度、ラグタイムは、トロンビン産生の開始までの時間、及びETPは、潜在的に産生される総トロンビンである。
いくつかの実施形態では、患者は、本明細書に記載の血小板又は血小板誘導体を含む組成物の投与の前に、約60nM~約170nM、例えば、約65nM~約170nM、例えば、約65nM~約120nM、例えば、約80nMのピークトロンビンを有し得る。
トロンビン凝血時間(TCT)は、過剰なトロンビンが添加された後、血液が凝血するのにかかる時間の尺度である。
TEGは、経時的な凝血塊強度のプロットを介して内因性止血を評価する。塩化カルシウム(CaCl)は、典型的には、開始試薬として使用される。TEG波形(例えば、図16を参照)は、凝血についての情報を提供し得る複数のパラメータを有する。
R時間=反応時間-試験の開始から初期フィブリン形成までの待ち時間。
K=動態-初期フィブリン形成の速度、ある特定のレベルの凝血塊強度(例えば、20mmの振幅)を達成するのにかかる時間
アルファ角=RとKとの間の線の傾き-凝血魂形成の速度を測定する。
MA=最大振幅(mm)-フィブリン凝血塊の最終的な強度を表す。
30=最大振幅に到達した30分後の振幅-溶解相の速度を表す。
凝固性低下状態の血液では、R時間は増加し、MAは減少する。R時間は、典型的には、MAよりも広い応答範囲を提供する。
多重電極凝集測定(MEA)を使用して、血液の凝血パラメータを評価することができる。MEAは、血小板が金属電極上に凝集するときの電気インピーダンスの変化を測定する。典型的には、ADP、エピネフリン、コラーゲン、又はリストセチンなどの凝集アゴニストが、凝集を開始させるために使用される。
光透過集計法(LTA)は、血液の凝血パラメータを評価するために使用されることがあり、未凝集の血液は、ほとんど光を通過させないが、凝集(典型的には、アゴニストによって開始される)は、凝集の増加をもたらす。
総血栓形成分析システム(T-TAS(登録商標)、FUJIMORI KOGYO CO.,LTD)では、試料は、鉱油を使用して、コラーゲンでコーティングされたマイクロチャネルを通される。圧力の変化は、血栓形成を見積もるために使用される。閉塞開始時間は、10kPaに到達するのにかかる時間であり、閉塞時間は、ARチップ(例えば、Zacros品目番号、TC0101)を使用して各Δ80kPaに到達するのにかかる時間である。メーカーによれば、ARチップは、主にフィブリン及び活性化された血小板からなる混合された白色血栓の形成を分析するために使用され得る。これは、コラーゲン及び組織因子でコーティングされた流路(幅300μm×高さ50μm)を有し、凝血機能及び血小板機能を分析するために使用され得る。比較して、PLチップは、主に活性化された血小板からなる血小板血栓の形成を分析するために使用され得る。PLチップは、コラーゲンのみでコーティングされた流路を有し、血小板機能を分析するために使用され得る。
ACTアッセイは、凝血時間(tACT)を測定するための最も基本的であるが、おそらく最も確かな方法であり、その周囲に凝血塊が形成されるときの磁石の重力に対する抵抗によって決定される。典型的なドナーの血液は、CaClのみを使用して、約200~300秒のtACTを有する。
VerifyNowは、P2Y12阻害剤(PRU)の存在下でPRU単位(P2Y12反応単位)で血小板凝集を測定するか、アスピリンの存在下でARU単位(アスピリン反応単位)で血小板機能障害を測定する。VerifyNowシステムは、Werfren(https://www.werfen.com)から入手可能な光透過率の増加として血小板誘発性凝集を測定するマイクロビーズを利用した比濁法ベースの光学検出システムである。
VerifyNow-P2Y12 Assay/VerifyNow PRU Testは、PGE1[プロスタグランジンE1]の存在下でADPを使用して血小板を刺激し、第2のADP受容体P2Y1の下流での活性化を阻害する高速試験であり、アッセイを、P2Y12受容体及びP2Y12受容体に結合する薬物の活性に対してより高感度で特異的にする。アッセイシステム試薬は、P2Y12媒介性血小板凝集を特異的に測定するように設計されている。
VerifyNow Aspirin Assayの方法論は、アスピリンに対する血小板の応答を測定するためにアラキドン酸が組み込まれているVerifyNow-P2Y12 Assay/VerifyNow PRU Testと非常によく似ている。アスピリンを服用している個体において、アスピリンは、アラキドン酸をトロンボキサンA[TxA2]に変換し、血小板凝集に関与するGPIIb/IIIa受容体を最終的に活性化する酵素であるCOX-1を不可逆的に阻害する。アスピリンの存在下では、凝集は生じない。
これらの凝血パラメータのいくつかの例示的な正常範囲を以下の表E1に示す。典型的には、以下に示される範囲外の値は、異常であるとみなされる。
(表E1)
Figure 2024507362000002
Figure 2024507362000003
いくつかの実施形態は、対象におけるトロンビン生成を増加させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を、例示的実施形態では有効量の血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物を投与することを含み、この組成物は、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質を含む。
いくつかの実施形態は、対象におけるトロンビン生成を増加させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態は、対象におけるピークトロンビンを増加させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を、例示的実施形態では有効量の血小板誘導体(これは更なる例示的実施形態ではFDPDである)を含む組成物を投与することを含み、この組成物は、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質を含む。
いくつかの実施形態は、対象におけるピークトロンビンを増加させる方法を提供し、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態では、投与の前に、対象のピークトロンビンは、66nM未満(例えば、64nM、62nM、60nM、55nM、50nM、45nM、40nM、35nM、30nM、25nM、20nM、15nM、10nM、又は5nM未満)であった。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象のピークトロンビンは、66nM超(例えば、68nM、70nM、75nM、80nM、85nM、90nM、95nM、100nM、110nM、120nM、130nM、140nM、又は150nM超)である。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象のピークトロンビンは、66~166nMである。ピークトロンビンは、任意の適切な方法によって測定され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物、又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物は、1つ以上の凝血パラメータの評価における異常な結果、例えば、対象が低凝固状態にあることを示すために、対象に投与され得る。
いくつかの実施形態は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、(a)1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を対象が有すると決定することと、(b)(a)の後に、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、(a)1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を対象が有すると決定することと、(b)(a)の後に、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベーションすることを含むプロセスにより調製されている。
いくつかの実施形態は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、投与の前、例えば投与前の瞬間又は投与の直前に、対象は、1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を有することが決定されている。
いくつかの実施形態は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されており、投与の前、例えば投与前の瞬間又は投与の直前に、対象は、1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を有することが決定されている。
本明細書の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、抗血小板剤を投与されたことがあるか、又は任意の適切な時間枠で抗血小板剤を投与されている。例えば、いくつかの場合では、対象は、例示的実施形態において、抗血小板剤の事前の用量の効果が消失する前に、抗血小板剤、及び/又は血小板誘導体を含む、例示的実施形態ではFDPDを含む組成物を投与されたことがある。例えば、いくつかの場合では、対象は、抗血小板剤を投与されており、抗血小板剤の効果は消失していない。別の例として、いくつかの場合では、対象は、約1週間以内、約5日以内、約3日以内、約36時間以内、約24時間以内、約18時間以内、約12時間以内、約8時間以内、約6時間以内、約4時間以内、約2時間以内、又は約1時間以内に、抗血小板剤(例えば、最も最近の用量)を投与されたことがある。別の例として、いくつかの場合では、対象は、抗血小板剤を投与されており、最後の用量(例えば、医療専門家によって処方されるか、又は対象によって自己投与される最新の用量)は、約1週間以内、約5日以内、約3日以内、約36時間以内、約24時間以内、約18時間以内、約12時間以内、約8時間以内、約6時間以内、約4時間以内、約2時間以内、又は約1時間以内であった。
本明細書の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの評価についての異常な結果の決定は、任意の適切な時点であってもよい。例えば、1つ以上の凝血パラメータの評価についての異常な結果の決定は、異常な結果が正常な結果に戻る前であり得る。別の例として、1つ以上の凝血パラメータの評価についての異常な結果の決定は、投与の約1週間、約5日、約3日、約36時間、約24時間、約18時間、約12時間、約8時間、約6時間、約4時間、約2時間、又は約1時間以内であり得る。
いくつかの実施形態では、方法は、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価の結果を決定することを更に含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価は、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて正常な結果を示す。いくつかの実施形態では、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価の結果は、投与前の1つ以上のパラメータの評価の結果から改善される。
いくつかの場合では、対象は抗血小板剤を投与され得るが、それらは、例えば、対象が混乱している場合、又は医療ミスが発生した場合には、投与されるべきではなかった。いくつかのそのような場合では、対象は、本明細書に提供される組成物のうちのいずれか、又は本明細書に記載の方法のうちのいずれかによって生成される組成物を投与され得る。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されている。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されており、対象は、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されている。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されており、対象は、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される。
本明細書の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗血小板剤を医学的指示に反して対象が投与されたことがあると決定することは、任意の適切な時点であり得る。例えば、抗血小板剤を医学的指示に反して対象が投与されたことがあると決定することは、抗血小板剤が消失する前であり得る。別の例として、抗血小板剤を医学的指示に反して対象が投与されたことがあると決定することは、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与してから約1週間以内、約5日以内、約3日以内、約36時間以内、約24時間以内、約18時間以内、約12時間以内、約8時間以内、約6時間以内、約4時間以内、約2時間以内、又は約1時間以内であり得る。
抗血小板剤の投与は、対象による自己投与又は医療専門家による投与を含む、任意の適切な方法を含み得る。
医学的指示は、口頭指示、書面による指示、又は口頭及び書面による指示の両方を含む任意の適切な方法であり得る。
いくつかの場合では、対象は、血小板機能に影響を及ぼす(例えば、減少させる)第2の薬剤を投与されたことがあってもよいか、又は投与されている。例えば、そのような投与は、対象を高凝固状態にし得る。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されている。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると決定される。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害を治療する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されており、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると決定される。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されている。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると特定される。
いくつかの実施形態は、対象における正常な止血を回復させる方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されており、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると特定される。
いくつかの実施形態では、第2の薬剤の投与は停止される(例えば、第2の薬剤を停止する利点が、第2の薬剤を停止するコストを上回る場合)。いくつかの実施形態では、第2の薬剤の投与は、継続される(例えば、第2の薬剤の除去が、抗うつ剤などのある特定の医薬の場合にあり得るように、対象に有害である場合)。
第2の薬剤は、血小板機能に影響を及ぼす(例えば、減少させる)任意の適切な第2の薬剤であり得る。例えば、第2の薬剤は、降圧剤、プロトンポンプ阻害剤、又はそれらの組み合わせを含み得る(又はそれらからなる群から選択され得る)。別の例として、第2の薬剤は、化学療法剤、抗生物質、心血管剤、H2アンタゴニスト、神経精神剤、又はそれらの組み合わせを含み得る(又はそれらからなる群から選択され得る)。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、抗うつ剤(例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニンアンタゴニスト及び再取り込み阻害剤(SARI)、セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、又はそれらの組み合わせ)を含み得る(又はそれらであり得る)。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、抗凝固剤ではない。
本明細書に提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗血小板剤の投与は停止される。本明細書に提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗血小板剤の投与は継続される。
ある特定の緊急事態などの場合では、対象が抗血小板剤を投与されているかどうかをタイムリーに決定することは不可能であり得る。いくつかのそのような場合では、本明細書に提供される組成物又は本明細書に提供される方法によって生成される組成物は、凝固障害を予防するために対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される組成物又は本明細書に提供される方法によって生成される組成物は、対象に投与されて、対象における凝固障害の可能性を軽減し得る。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法を含み、この方法は、(a)対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することと、(b)対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法を含み、この方法は、(a)対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することと、(b)対象に有効量の組成物を投与することと、を含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されている。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定された対象であることが決定されている。
いくつかの実施形態は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法を含み、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されており、対象は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定された対象であることが決定されている。
本明細書の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することは、任意の適切な時点であり得る。例えば、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することは、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与してから約1週間以内、約5日以内、約3日以内、約36時間以内、約24時間以内、約18時間以内、約12時間以内、約8時間以内、約6時間以内、約4時間以内、約2時間以内、又は約1時間以内であり得る。
対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないいくつかの理由がある。例えば、理由は、対象が特定できないこと、対象の病歴が利用できないこと、対象が緊急治療を必要としていること、対象が緊急手術を必要としていること、対象が緊急手術を受けていること、又はそれらの組み合わせを含み得る。
本明細書に提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、凝血パラメータの1つ以上の評価について異常な結果を対象が有すると決定することを更に含み得る。本明細書に提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、凝血パラメータの1つ以上の評価について異常な結果を有すると決定されている。
いくつかの場合では、異常な結果が決定される前に、対象は、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて正常な結果を有すると以前に特定された。
本明細書に提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、本明細書に提供される組成物又は本明細書に提供される方法によって生成される組成物の投与後に、1つ以上の凝血パラメータの評価の結果を決定することを更に含み得る。いくつかのそのような場合では、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価は、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて表E1で定義されるような正常な結果を示す。いくつかの実施形態では、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価の結果は、投与前の1つ以上のパラメータの評価の結果から改善される。
いくつかの実施形態では、対象は、手術(例えば、緊急手術又は予定された手術)中の凝血パラメータの1つ以上の評価について異常な結果を有すると特定される。
1つ以上の凝血パラメータの評価は、本明細書に提供される凝血パラメータの評価のいずれかなど、凝血パラメータの任意の適切な評価であり得る。いくつかの実施形態では、凝血パラメータの評価は、世界保健機関(WHO)の出血スケール、プロトロンビン時間(PT)アッセイ、国際標準化比(INR)、トロンビン生成(TGA)、血小板弾性率(TEG)、多重電極凝集測定(MEA)、光透過凝集測定(LTA)、活性化凝血時間(ACT)、VerifyNow、及び部分的トロンボプラスチン時間(例えば、PTT又はaPTT)、それらのサブパラメータ、及びそれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、出血の評価を含む(例えば、世界保健機関(WHO)出血スケールに基づいて行われる)。いくつかの実施形態では、投与の前に、対象は、WHO出血スケールに基づいてグレード2、3、又は4の出血を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいてグレード0又は1の出血を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも1グレード低い出血を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも2グレード低い出血を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも3グレード低い出血を有する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、プロトロンビン時間(PT)の評価を含む。いくつかの実施形態では、PTの異常な結果は、約14秒超(例えば、約15秒超、18秒超、20秒超、25秒超、又はそれ以上)のPTを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも1秒(例えば、少なくとも2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、又はそれ以上)のPTの減少を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような正常なPTを有する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)の評価を含む。いくつかの実施形態では、aPTTの異常な結果は、約40秒超(例えば、約43秒超、45秒超、50秒超、55秒超、60秒超、65秒超、70秒超、又はそれ以上)のaPTTを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5秒(例えば、少なくとも10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、又はそれ以上)のaPTTの減少を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような正常なaPTTを有する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、トロンビン凝血時間(TCT)の評価を含む。いくつかの実施形態では、TCTの異常な結果は、約35秒超(例えば、約38秒超、40秒超、45秒超、50秒超、55秒超、60秒超、又はそれ以上)のTCTを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5秒(例えば、少なくとも10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、又はそれ以上)のTCTの減少を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような正常なTCTを有する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの評価は、トロンボエラストグラフィー(TEG)を含む。いくつかの実施形態では、TEGの異常な結果は、約50mm未満(例えば、約48mm未満、45mm未満、40mm未満、35mm未満、又はそれ以下)の最大振幅(MA)を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5mm(例えば、少なくとも10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、又はそれ以上)のMAの増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような正常なMAを有する。いくつかの実施形態では、TEGの異常な結果は、約85%未満(例えば、約83%未満、80%未満、75%未満、70%未満、又はそれ以下)のパーセント凝集を含む(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント(例えば、少なくとも3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、15パーセントポイント、18パーセントポイント、20パーセントポイント、又はそれ以上)のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)表E1で定義されるような正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、TEGは、アデノシン二リン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される。いくつかの実施形態では、TEGは、アラキドン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの評価は、VerifyNowを含む。いくつかの実施形態では、VerifyNowの異常な結果は、約195未満(例えば、約190未満、185未満、180未満、170未満、165未満、160未満、155未満又はそれ以下)のP2Y12反応単位(PRU)を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも25(例えば、少なくとも30、35、40、45、50、75、100、又はそれ以上)のPRUの増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような正常なPRUを有する。いくつかの実施形態では、VerifyNowの異常な結果は、約550未満(例えば、約540未満、530未満、520未満、510未満、500未満、490未満、480未満、470未満、又はそれ以下)のアスピリン反応単位(ARU)を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも25(例えば、少なくとも30、35、40、45、50、75、100、又はそれ以上)のARUの増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような正常なARUを有する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの評価は、多重電極凝集測定(MEA)を含む。いくつかの実施形態では、MEAの異常な結果は、ADP誘発性血小板活性の異常な結果を含む。いくつかの実施形態では、MEAの異常な結果は、ADP誘発性血小板活性の約50単位(U)未満(例えば、約48U未満、45U未満、40U未満、35U未満、又はそれ以下)の結果を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5U(例えば、少なくとも8U、10U、15U、20U、又はそれ以上)のADP誘発性血小板活性の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような、ADP誘発性血小板活性の正常な値を有する。いくつかの実施形態では、MEAの異常な結果は、アラキドン酸誘発性血小板活性の異常な結果を含む。いくつかの実施形態では、MEAの異常な結果は、アラキドン酸誘発性血小板活性の約70単位(U)未満(例えば、約68U未満、65U未満、60U未満、55U未満、50U未満、45U未満、又はそれ以下)の結果を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5単位(例えば、少なくとも8単位、10単位、15単位、20単位、又はそれ以上)のアラキドン酸誘発性血小板活性の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、表E1で定義されるような、アラキドン酸誘発性血小板活性の正常な値を有する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの評価は、光透過凝集測定(LTA)を含む。いくつかの実施形態では、LTAの異常な結果は、5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下で、約60%未満(例えば、約58%未満、55%未満、50%未満、45%未満、又はそれ以下)のパーセント凝集を含む。いくつかの実施形態では、LTAの異常な結果は、2μg/mLのコラーゲンの存在下で、約65%未満(例えば、約63%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、又はそれ以下)のパーセント凝集を含む。いくつかの実施形態では、LTAの異常な結果は、1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で、約65%未満(例えば、約63%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、又はそれ以下)のパーセント凝集を含む。いくつかの実施形態では、LTAの異常な結果は、2mmol/Lのアラキドン酸の存在下で、約69%未満(例えば、約67%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、又はそれ以下)のパーセント凝集を含む。いくつかの実施形態では、LTAの異常な結果は、5mmol/Lのアラキドン酸の存在下で、約73%未満(例えば、約70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、又はそれ以下)のパーセント凝集を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント(例えば、少なくとも3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上)のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下で)表E1で定義されるような正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2μg/mLのコラーゲンの存在下で)少なくとも2パーセントポイント(例えば、少なくとも3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上)のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2μg/mLのコラーゲンの存在下で)表E1で定義されるような正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント(例えば、少なくとも3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上)のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)表E1で定義されるような正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント(例えば、少なくとも3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上)のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)表E1で定義されるような正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント(例えば、少なくとも3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上)のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)表E1で定義されるような正常なパーセント凝集を有する。
いくつかの実施形態では、追加の抗血小板剤拮抗物質は、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物に加えて、対象に投与され得る。追加の抗血小板剤拮抗物質は、本明細書に提供される組成物又は本明細書に提供される方法によって生成される組成物とともに任意の順序で投与され得る。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与と同時に行われる。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与後に行われる。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与の前に行われる。
本明細書の実施形態のいずれかの一態様では、対象は、がんを有しない。
本明細書で使用される場合、「有効量」は、対象を治療するのに有効な、血小板、典型的には血小板誘導体(これは例示的実施形態ではFDPDである)の量を含む、組成物の量である。そのような治療は、例えば、本明細書における対象の凝固障害を治療するための方法又は抗血栓剤(すなわち、抗血小板剤又は抗凝固剤)の効果を相殺するための方法に関して、対象の出血の可能性を低減する。いくつかの実施形態では、出血の可能性は、少なくともある期間、対象の正常な止血が回復するような程度まで、例えば、体内に抗血小板剤を含まない対象のレベルまで、低減され得る。したがって、いくつかの実施形態では、血小板誘導体、例えばFDPDを含む組成物の有効量は、任意の期間にわたって、対象の出血の可能性の低減をもたらす、いくつかの実施形態では正常な止血をもたらす量である。いくつかの実施形態では、有効量の血小板誘導体、例えばFDPD、又は第2、第3、第4、第5、若しくは第6の用量の血小板誘導体を含む組成物の用量を投与された後、出血の可能性は、少なくとも10、20、30、40、50又は60分間低減され、それらの用量は、各々、又は2つ以上、又は全てが累積して有効用量となる。
そのような量の血小板、又は典型的には血小板誘導体(例えば、FDPD)は、任意の適切な投薬量の、対象に投与され得る本明細書に記載の血小板誘導体を含む組成物を含み、これは、例示的実施形態では対象の出血の可能性の低減をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物の用量は、約又は厳密に1.0×10~1.0×1011粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.0×10~1.0×1010粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.6×10~1.0×1010粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.6×10~5.1×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.6×10~3.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.6×10~1.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.6×10~5.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.6×10~1.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.6×10~5.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、5.0×10~1.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.0×10~5.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、5.0×10~1.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、1.0×10~5.0×10粒子(例えば、FDPD)/対象kg、又は5.0×10~1.0×1010粒子(例えば、FDPD)/対象kg)を含み得る。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物の有効量は、対象1kg当たり250~5000TGPUの効力を有する活性ベースの量である。そのような活性ベースの量は、この段落の粒子数範囲/kgのいずれかと組み合わせることができる。
ある特定の実施形態では、上記で提供される用量範囲のうちのいずれか、例示的実施形態では1×1011粒子/kg未満を含む用量範囲は、対象に2回以上投与され得る。例えば、1.0×10個の粒子~約1.0×1010個の粒子の用量範囲は、第1の用量から1、2、3、4、5、又は7日以内の時間枠で2~10回、又は2~8回、又は2~6回、又は3~8回、又は3~6回、又は4~6回投与され得る。
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、局所投与される。いくつかの実施形態では、局所投与は、溶液、クリーム、ゲル、懸濁液、パテ、粒子、又は粉末を介した投与を含み得る。いくつかの実施形態では、米国特許出願第15/776,255号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に対応するPCT公開第2017/040238号(例えば、段落[013]~[069])に記載のように、局所投与は、包帯(例えば、接着包帯又は圧縮包帯)又は医療的閉鎖(例えば、縫合、ステープル)を介した投与を含み得、例えば、血小板誘導体(例えば凍結保存された血小板(例えば、FDPD))は、その中に埋め込まれ得るか、又はそれにコーティングされ得る。
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、非経口投与される。本明細書の方法のいくつかの例示的実施形態では、組成物は、静脈内投与される。本明細書の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、筋肉内投与される。本明細書の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、髄腔内投与される。本明細書の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、皮下投与される。本明細書の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、腹腔内投与される。
本明細書の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、投与工程の前に乾燥される。本明細書の方法の例示的実施形態では、組成物は、投与工程の前にフリーズドライされる。例示的実施形態におけるそのようなFDPD組成物は、本明細書の実施例で提供される方法に従って調製される。本明細書の方法の例示的実施形態では、組成物は、乾燥又はフリーズドライ工程の後、例えば、対象に投与される前の24、12、8、6、4、3、2、若しくは1時間以内、又は30、20、15、10、又は5分以内に再水和される。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリン(アセチルサリチル酸又はASAとも称される);カングレロール(例えば、KENGREAL(登録商標))、チカグレロール(例えば、BRILINTA(登録商標))、クロピドグレル(例えば、PLAVIX(登録商標))、又はプラスグレル(例えば、EFFIENT(登録商標))などのP2Y12阻害剤;エプチフィバチド(例えば、INTEGRILIN(登録商標))、チロフィバン(例えば、AGGRASTAT(登録商標))、又はアブシキシマブ(例えば、REOPRO(登録商標))などの糖タンパク質IIb/IIIa阻害剤;並びにハーブサプリメントなどのサプリメント;又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。サプリメントの例としては、生姜、チョウセンニンジン、イチョウ、緑茶、キャバ、ノコギリヤシ、ボルド(Peumus boldus)、タンジン(Salvia miltiorrhiza)、ドンクアイ(Angelica sinensis)、パパイヤ(Carica papaya)、魚油、及びビタミンEが挙げられる。ハーブサプリメントの例としては、生姜、チョウセンニンジン、及びイチョウが挙げられる。
本明細書に提供されるFDA承認抗凝固剤の各々の処方情報は、参照によりその全体が組み込まれる。そのような処方情報は、例えば、以下を含む。
DURLAZA(登録商標)(アスピリン)の処方情報のハイライト、2019年12月改訂。
KENGREAL(登録商標)(カングレロール)の処方情報のハイライト、6/2015。
BRILINTA(登録商標)(チカグレロール)の処方情報のハイライト、09/2016。
PLAVIX(登録商標)(重硫酸クロピドグレル)の処方情報のハイライト、2010年8月改訂。
EFFIENT(登録商標)(プラスグレル)の処方情報のハイライト、2011年9月改訂。
INTEGRILIN(登録商標)(エプチフィバチド)の処方情報のハイライト、2013年3月改訂。
AGGRASTAT(登録商標)(チロフィバン)の処方情報のハイライト、2016年8月改訂。
REOPRO(登録商標)(アブシキシマブ)の処方情報、改訂日:11/1997。
TICLID(登録商標)(塩酸チクロピジン)の承認パッケージ、2001年3月改訂。
説明-MOTRIN(登録商標)(イブプロフェン)、発効日2007年1月。
ZONTIVITY(商標)(ボラパキサール)の処方情報のハイライト、2014年5月改訂。
PLETAL(登録商標)(シロスタゾール)の処方情報のハイライト、2017年5月改訂。
VELETRI(登録商標)(エポプロステノール)の処方情報のハイライト、2012年6月改訂。
PERSANTINE(登録商標)(ジピリダモール)の処方情報、2019年12月改訂。
REMODULIN(登録商標)(アセノクマロール)の処方情報のハイライト、2014年12月。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリンである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、カングレロール(例えば、KENGREAL(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チカグレロール(例えば、BRILINTA(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレル(例えば、PLAVIX(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレル(例えば、EFFIENT(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、エプチフィバチド(例えば、INTEGRILIN(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チロフィバン(例えば、AGGRASTAT(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アブシキシマブ(例えば、REOPRO(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、テルトロバンである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、ピコタミドである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、エリノグレルである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チクロピジンである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、イブプロフェンである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、ボラパキサールである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アトパキサールである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、シロスタゾールである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プロスタグランジンE1である。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、エポプロステノールである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、ジピリダモールである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、トレプロスチニルナトリウムである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、サルポグレラートである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、サプリメントである。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、ハーブサプリメントである。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、対象の血液が、例示的な実施形態では、検出可能な量の抗血小板剤を含むように、血小板誘導体を含む組成物が対象に投与される時間に対する投薬量及び時点で最後に投与された。典型的には、そのような薬剤は、対象に血小板誘導体を含む組成物を含む組成物の用量が投与される時点で対象の血液中に存在し、対象の出血の可能性を増加させるのに十分な量で対象の血液中に存在する。例えば、抗血小板剤は、例えばインビトロ試験で、1つ以上の凝血パラメータの異常な値を生じるのに十分な濃度で存在する。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、FDPDを含む組成物が、対象の出血の可能性を増加させるレベルで投与される時点で、対象において存在する。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、FDPDを含む組成物が投与された時点又はFDPDを含む組成物の最初若しくは最後の用量が投与された時点後15、30、若しくは45分以内又は1、2、3、4、6、若しくは8時間以内において、Cmaxで存在する。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日1回、2回、3回、又は4回の、約80mg~約700mg(例えば、80mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、600mg、又は700mg)の投薬量でアスピリンを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリンを含み、対象は、約3~約25mg/LのCmax(例えば、約100mgの用量で約3~約5mg/L、約300mgの用量で約10~約15mg/L、又は約500mgの用量で約20~約25mg/L)を達成した。例えば、Nagelschmitz,J et al.“Pharmacokinetics and pharmacodynamics of acetylsalicylic acid after intravenous and oral administration to healthy volunteers.”Clinical Pharmacology:Advances and Applications vol.6 51-9.19 Mar.2014,doi:10.2147/CPAA.S47895も参照されたい。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリンを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約350~約549ARU(例えば、約400~約500ARU)のARUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリンを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、約550~約700ARU(例えば、約600~約700ARU)のARUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリンを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約30単位超(例えば、約33単位超、35単位超、40単位超、45単位超、50単位超、又はそれ以上)のMEAを使用して、高い治療中血小板反応性(HPR)を有した。例えば、Kruger,Jan-Christopher,et al.“Monitoring ASA and P2Y12-specific platelet inhibition-comparison of conventional(single)and multiple electrode aggregometry.”Scandinavian journal of clinical and laboratory investigation 74.7(2014):568-574。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約25~約35μg/対象のkg体重の初期投薬量(例えば、約30μg/対象のkg体重)又は約3~約5μg/対象のkg/分(例えば、約4μg/対象のkg体重/分)の次の投薬量でカングレロールを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、カングレロールを含み、対象は、約400~約500ng/mLのCmaxを達成した。例えば、https://resources.chiesiusa.com/Kengreal/KENGREAL_Dosing_and_Administration_Fact_Sheet.pdfにあるKENGREAL(登録商標)の製造元のファクトシートを参照されたい。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、カングレロールを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約50mm未満(例えば、約48mm未満、45mm未満、40mm未満、又はそれ以下)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、カングレロールを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、少なくとも約50mm(例えば、少なくとも53mm、55mm、50mm、60mm、65mm、70mm、又はそれ以上)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。例えば、Corliss BM,Polifka AJ,Harris NS,Hoh BL,Fox WC.Laboratory assessments of therapeutic platelet inhibition in endovascular neurosurgery:comparing results of the VerifyNow P2Y12 assay to thromboelastography with platelet mapping.J Neurosurg.2018 Nov 1;129(5):1160-1165.doi:10.3171/2017.6.JNS17535.PMID:29271717。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約170~約190mg(例えば、約180mg)の初回投薬量で、又は1日2回の約80~約100mg(例えば、約90mg)の治療1年目での次の投薬量で、又は1日2回の約50~約70mgの治療2年目での次の投薬量で(例えば、約60mg)、任意選択的にアスピリンと組み合わせてチカグレロールを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チカグレロールを含み、対象は、約550~約650ng/mL(例えば、約600mg/L)のCmaxを達成した。例えば、Teng R,Muldowney S,Zhao Y,Berg JK,Lu J,Khan ND.Pharmacokinetics and pharmacodynamics of ticagrelor in subjects on hemodialysis and subjects with normal renal function.Eur J Clin Pharmacol.2018 Sep;74(9):1141-1148.doi:10.1007/s00228-018-2484-7.Epub 2018 May 30.PMID:29850937;PMCID:PMC6096709.いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チカグレロールを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約180未満(例えば、約175未満、170未満、165未満、160未満、155未満、150未満、又はそれ以下)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チカグレロールを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、少なくとも180(例えば、少なくとも180、185、190、195、200、225、250、275、300、350、又はそれ以上)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チカグレロールを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、約180~約376PRU(例えば、約200~約300PRU)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チカグレロールを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約50mm未満(例えば、約48mm未満、45mm未満、40mm未満、又はそれ以下)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、チカグレロールを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、少なくとも約50mm(例えば、少なくとも53mm、55mm、50mm、60mm、65mm、70mm、又はそれ以上)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。例えば、Corliss BM,Polifka AJ,Harris NS,Hoh BL,Fox WC.Laboratory assessments of therapeutic platelet inhibition in endovascular neurosurgery:comparing results of the VerifyNow P2Y12 assay to thromboelastography with platelet mapping.J Neurosurg.2018 Nov 1;129(5):1160-1165.doi:10.3171/2017.6.JNS17535.PMID:29271717。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約275~約325mg(例えば、約300mg)の初回投薬量で、又は1日1回の約70~約80mg(例えば、約75mg)の次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせてクロピドグレルを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレルを含み、対象は、約1~約40mg/LのCmax(例えば、約75mgの用量で約1~約15ng/mL、又は約300mgの用量で約1~約40ng/mL)を達成した。例えば、Karazniewicz-Lada,Marta et al.“Clinical pharmacokinetics of clopidogrel and its metabolites in patients with cardiovascular diseases.”Clinical Pharmacokinetics vol.53,2(2014):155-64.doi:10.1007/s40262-013-0105-2を参照されたい。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約180未満(例えば、約175未満、170未満、165未満、160未満、155未満、150未満、又はそれ以下)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、少なくとも180(例えば、少なくとも180、185、190、195、200、225、250、275、300、350、又はそれ以上)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、約180~約376PRU(例えば、約200~約300PRU)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約47単位超(例えば、約48単位超、50単位超、55単位超、又はそれ以上)のMEAを使用して、高い治療中血小板反応性(HPR)を有した。例えば、Kruger,Jan-Christopher,et al.“Monitoring ASA and P2Y12-specific platelet inhibition-comparison of conventional(single)and multiple electrode aggregometry.”Scandinavian journal of clinical and laboratory investigation 74.7(2014):568-574.いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約50mm未満(例えば、約48mm未満、45mm未満、40mm未満、又はそれ以下)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、クロピドグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、少なくとも約50mm(例えば、少なくとも53mm、55mm、50mm、60mm、65mm、70mm、又はそれ以上)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。例えば、Corliss BM,Polifka AJ,Harris NS,Hoh BL,Fox WC.Laboratory assessments of therapeutic platelet inhibition in endovascular neurosurgery:comparing results of the VerifyNow P2Y12 assay to thromboelastography with platelet mapping.J Neurosurg.2018 Nov 1;129(5):1160-1165.doi:10.3171/2017.6.JNS17535.PMID:29271717。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約50~約70mg(例えば、約60mg)の初回投薬量で、又は1日1回の約3~約12mg(例えば、約5mg又は約10mg)の次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせてプラスグレルを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレルを含み、対象は、約200~約525ng/mL(例えば、約20mgの用量で約330~約350ng/mL)のCmaxを達成した。例えば、Umemura,Kazuo,and Takayuki Iwaki.“The Pharmacokinetics and Pharmacodynamics of Prasugrel and Clopidogrel in Healthy Japanese Volunteers.”Clinical Pharmacology in Drug Development vol.5,6(2016):480-487.doi:10.1002/cpdd.259を参照されたい。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約180未満(例えば、約175未満、170未満、165未満、160未満、155未満、150未満、又はそれ以下)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、少なくとも180(例えば、少なくとも180、185、190、195、200、225、250、275、300、350、又はそれ以上)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、約180~約376PRU(例えば、約200~約300PRU)のPRUを有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約50mm未満(例えば、約48mm未満、45mm未満、40mm未満、又はそれ以下)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物を投与した後に、対象は、少なくとも約50mm(例えば、少なくとも53mm、55mm、50mm、60mm、65mm、70mm、又はそれ以上)の最大振幅(TEG-ADP)を有した。例えば、Corliss BM,Polifka AJ,Harris NS,Hoh BL,Fox WC.Laboratory assessments of therapeutic platelet inhibition in endovascular neurosurgery:comparing results of the VerifyNow P2Y12 assay to thromboelastography with platelet mapping.J Neurosurg.2018 Nov 1;129(5):1160-1165.doi:10.3171/2017.6.JNS17535.PMID:29271717.いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、プラスグレルを含み、本明細書に提供される組成物又は本明細書に記載の方法によって生成される組成物の投与の前に、対象は、約47単位超(例えば、約48単位超、50単位超、55単位超、又はそれ以上)のMEAを使用して、高い治療中血小板反応性(HPR)を有した。例えば、Kruger,Jan-Christopher,et al.“Monitoring ASA and P2Y12-specific platelet inhibition-comparison of conventional(single)and multiple electrode aggregometry.”Scandinavian journal of clinical and laboratory investigation 74.7(2014):568-574。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約170~約190mcg/対象のkg体重(例えば、約180mcg/対象のkg体重)の初期投薬量で、任意選択的に約170~約190mcg/対象のkg体重(例えば、約180mcg/対象のkg体重)の第2の初期投薬量で、又は約1~約2mcg/対象のkg体重/分(例えば、約1.5mcg/対象のkg体重/分)の次の用量でエプチフィバチドを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約30分間の約0.3~約0.5μg/対象のkg体重/分(例えば、約0.5μg/対象のkg体重/分)の初回投薬量で、又は約0.1μg/対象のkg体重/分の次の投薬量でチロフィバンを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約0.2~約0.3mg/対象のkg体重(例えば、約0.25mg/対象のkg体重)の初期投薬量で、又は約0.10~約0.15μg/対象のkg体重/分(例えば、約0.125μg/対象のkg体重/分)の次の投薬量でアブシキシマブを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約0.2~約0.3mg/対象のkg体重の初期投薬量(例えば、約0.25mg/対象のkg体重)、又は約8~約10μg/分(例えば、約9μg/分)の次の投薬量でアブシキシマブを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日2回の約240~約260mg(例えば、約250mg)の投薬量でチクロピジンを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日1回、2回、3回、又は4回の約100~約600mg(例えば、約100mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、又は600mg)の投薬量でイブプロフェンを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日1回の約2~約3mg(例えば、約2.5mg)の用量で、任意選択的にアスピリン又はクロピドグレルとともにボラパキサールを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日2回の約40~約110mg(例えば、約50mg、75mg、又は100mg)の投薬量でシロスタゾールを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約2ng/対象のkg体重/分の初回投薬量で、又は約4、6、8、10、12、14、16、18、又は20ng/対象のkg体重/分の次の投薬量でエポプロステノールを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日4回の約60~約110mg(例えば、約75mg又は100mg)の投薬量でジピリダモールを含む。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約0.5~約3.0ng/対象のkg体重/分(例えば、約0.625ng/対象のkg体重/分、約1.25ng/対象のkg体重/分、又は約2.5ng/対象のkg体重/分)の投薬量でトレプロスチニルナトリウムを含む。
いくつかの実施形態では、血小板誘導体を含む組成物を再水和することは、血小板誘導体(例えばFDPD)に水性液体を添加することを含む。いくつかの実施形態では、水性液体は、水である。いくつかの実施形態では、水性液体は、水溶液(例えば、緩衝液)である。いくつかの実施形態では、水性液体は、生理食塩水である。いくつかの実施形態では、水性液体は、懸濁液である。
いくつかの実施形態では、再水和された血小板誘導体(例えば、FDPD)は、40国際単位(IU)以上での凝血に関連する全ての個々の因子(例えば、第VII因子、第VIII因子、及び第IX因子)を示す凝固因子レベルを有する。
いくつかの実施形態では、血小板誘導体(例えば、FDPD)は、約10%未満、例えば、約8%未満、例えば、約6%未満、例えば、約4%未満、例えば、約2%未満、例えば、約0.5%未満の血小板膜の架橋を、膜上に存在するタンパク質及び/又は脂質を介して有する。いくつかの実施形態では、再水和された血小板誘導体(例えば、FDPD)は、約10%未満、例えば、約8%未満、例えば、約6%未満、例えば、約4%未満、例えば、約2%未満、例えば、約0.5%未満の血小板膜の架橋を、膜上に存在するタンパク質及び/又は脂質を介して有する。
いくつかの実施形態では、血小板、典型的には血小板誘導体、例示的実施形態ではFDPDは、少なくとも約0.2μm(例えば、少なくとも約0.3μm、少なくとも約0.4μm、少なくとも約0.5μm、少なくとも約0.6μm、少なくとも約0.7μm、少なくとも約0.8μm、少なくとも約0.9μm、少なくとも約1.0μm、少なくとも約1.2μm、少なくとも約1.5μm、少なくとも約2.0μm、少なくとも約2.5μm、又は少なくとも約5.0μm)の粒径(例えば、直径、最大寸法)を有する。いくつかの実施形態では、粒径は、約5.0μm未満(例えば、約2.5μm未満、約2.0μm未満、約1.5μm未満、約1.0μm未満、約0.9μm未満、約0.8μm未満、約0.7μm未満、約0.6μm未満、約0.5μm未満、約0.4μm未満、又は約0.3μm未満)である。いくつかの実施形態では、粒径は、約0.3μm~約5.0μm(例えば、約0.4μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)である。
いくつかの実施形態では、少なくとも50%(例えば、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%)の血小板、又は例示的実施形態では血小板誘導体(例えば、FDPD)は、約0.3μm~約5.0μm(例えば、約0.4μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲の粒径を有する。いくつかの実施形態では、血小板、又は例示的実施形態では血小板誘導体(例えば、FDPD)の最大99%(例えば、最大約95%、最大約80%、最大約75%、最大約70%、最大約65%、最大約60%、最大約55%、又は最大約50%)は、約0.3μm~約5.0μm(例えば、約0.4μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲にある。いくつかの実施形態では、血小板、又は例示的実施形態では血小板誘導体(例えば、FDPD)の約50%~約99%(例えば、約55%~約95%、約60%~約90%、約65%~約85%、約70%~約80%)は、約0.3μm~約5.0μm(例えば、約0.4μm~約4.0μm、約0.5μm~約2.5μm、約0.6μm~約2.0μm、約0.7μm~約1.0μm、約0.5μm~約0.9μm、又は約0.6μm~約0.8μm)の範囲にある。
いくつかの例示的実施形態では、微粒子は、約0.5μm未満(約0.45μm未満又は0.4μm未満)の粒径(例えば、直径、最大寸法)を有する粒子であり得る。いくつかの場合では、微粒子は、約0.01μm~約0.5μm(例えば、約0.02μm~約0.5μm)の粒径を有する粒子であり得る。
本明細書に記載の方法に従って調製されるものなどの血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物は、組成物中の約1nm~約60,000nmの全粒子の全散乱強度の約5.0%未満(例えば、約4.5%未満、4.0%未満、3.5%未満、3.0%未満、2.5%未満、2.0%未満、1.5%未満、1.0%未満、又は0.5%未満)に寄与する微粒子含有量を有し得る。いくつかの実施形態では、血小板誘導体組成物は、CD41陽性血小板誘導体を含む血小板誘導体の集団を含み、CD41陽性血小板誘導体の15%未満、10%未満、7.5%未満、5%未満、4.5%未満、4%未満、3.5%未満、3%未満、2.5%未満、2%未満、1.5%未満、1%未満、0.5%未満、又は0.1%未満は、1μm未満、0.9μm未満、0.8μm未満、0.7μm未満、0.6μm未満、0.5μm未満、0.4μm未満、0.3μm未満、0.2μm未満、又は0.1μm未満の直径を有する微粒子であり、特定の例示的実施形態では、0.5μm未満である。いくつかの実施形態では、血小板誘導体組成物は、CD42陽性血小板誘導体を含む血小板誘導体の集団を含み、CD42陽性血小板誘導体の15%未満、10%未満、7.5%未満、5%未満、4.5%未満、4%未満、3.5%未満、3%未満、2.5%未満、2%未満、1.5%未満、1%未満、0.5%未満、又は0.1%未満は、1μm未満、0.9μm未満、0.8μm未満、0.7μm未満、0.6μm未満、0.5μm未満、0.4μm未満、0.3μm未満、0.2μm未満、又は0.1μm未満の直径を有する微粒子であり、特定の例示的実施形態では、0.5μm未満である。いくつかの実施形態では、血小板誘導体組成物は、CD61陽性血小板誘導体を含む血小板誘導体の集団を含み、CD61陽性血小板誘導体の15%未満、10%未満、7.5未満、5%未満、4.5%未満、4%未満、3.5%未満、3%未満、2.5%未満、2%未満、1.5%未満、1%未満、0.5%未満、又は0.1%未満は、1μm未満、0.9μm未満、0.8μm未満、0.7μm未満、0.6μm未満、0.5μm未満、0.4μm未満、0.3μm未満、0.2μm未満、又は0.1μm未満の直径を有する微粒子であり、特定の例示的実施形態では、0.5μm未満である。いくつかの例示的実施形態では、微粒子は、0.5μm未満の直径を有する。粉末形態の血小板誘導体組成物を含む本明細書の態様及び実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、微粒子の直径は、血小板誘導体組成物を適切な溶液で再水和させた後に決定される。いくつかの実施形態では、血小板誘導体組成物を再水和するための溶液の量は、フリーズドライの工程に存在する緩衝液又は調製剤の量と等しい。本明細書で使用される場合、「散乱強度による」微粒子の含有量は、組成物中の半径約1nm~約60,000nmの全ての粒子の散乱強度に基づく微粒子含有量を指す。微粒子含有量は、任意の適切な方法、例えば、動的光散乱(DLS)によって測定され得る。いくつかの場合では、これは、DLSに使用される試料の粘度は、血漿のおおよその粘度であるため、約1.060cPであり得る(又はそのように調整され得る)。いくつかの実施形態では、任意の態様又は実施形態による血小板誘導体組成物は、血小板誘導体の集団、及び微粒子を含み、微粒子に対する血小板誘導体の数値比は、少なくとも90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、又は99:1である。いくつかの実施形態では、血小板誘導体は、0.5~2.5μmの範囲の直径を有し、微粒子は、0.5μm未満の直径を有する。
いくつかの実施形態では、血小板は、例えば、液体培地中で、例えば、血小板誘導体を形成する処理の前に、又は対象に直接投与する前に単離される。
いくつかの実施形態では、血小板は、ドナー由来の血小板である。いくつかの実施形態では、血小板は、アフェレーシス工程を含むプロセスによって得られる。いくつかの実施形態では、血小板は、プールされた血小板である。
いくつかの実施形態では、血小板は、複数のドナーからプールされる。複数のドナーからプールされたそのような血小板は、本明細書では、プールされた血小板とも称され得る。いくつかの実施形態では、ドナーは、5人より多い、例えば、10人より多い、例えば、20人より多い、例えば、50人より多い、例えば、最大約100人のドナーである。いくつかの実施形態では、ドナーは、約5~約100人、例えば、約10~約50人、例えば、約20~約40人、例えば、約25~約35人である。プールされた血小板は、本明細書に記載の組成物のうちのいずれかを作製するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、血小板は、インビトロで誘導される。いくつかの実施形態では、血小板は、培養物中で誘導されるか、又は調製される。いくつかの実施形態では、血小板の調製は、巨核球の培養物から血小板を誘導又は増殖することを含む。いくつかの実施形態では、血小板の調製は、胚性幹細胞(ESC)及び/又は人工多能性幹細胞(iPSC)を含む、ヒト多能性幹細胞(PCS)の培養物から血小板(又は巨核球)を誘導又は増殖することを含む。
したがって、いくつかの実施形態では、血小板は、本明細書に記載の対象を治療する前に調製される。いくつかの実施形態では、血小板は、凍結乾燥される。いくつかの実施形態では、血小板は、凍結保存される。
いくつかの実施形態では、血小板又はプールされた血小板は、インキュベーション物質とのインキュベーションの前に、約6.0~約7.4のpHに酸性化され得る。いくつかの実施形態では、本方法は、血小板を約6.5~約6.9のpHに酸性化することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、血小板を約6.6~約6.8のpHに酸性化することを含む。いくつかの実施形態では、酸性化は、プールされた血小板にクエン酸デキストロース(ACD)を含む溶液を添加することを含む。
いくつかの実施形態では、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)は、本明細書の態様で使用するための血小板誘導体、例示的実施形態ではFDPDを作製するための血小板の処理に使用される。例えば、TFFは、例えば、組成物が乾燥されて血小板誘導体を形成する前に、又は例示的な実施形態では血小板組成物がフリーズドライされてFDPDを形成する前に、血小板が適切な媒体、例えば、インキュベーション物質及び/若しくは凍結乾燥剤、又は凍結乾燥剤であるか若しくは凍結乾燥剤を含むインキュベーション物質中に適切な濃度範囲で懸濁されるように、濃縮及び/又は緩衝液若しくは他の溶液交換のために使用され得る。
いくつかの実施形態では、方法は、初期希釈工程を含み得、例えば、出発材料(例えば、未処理の血液生成物(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))を調製剤(例えば、本明細書に記載の調製剤のうちのいずれか)で希釈して、希釈出発材料を形成し得る。いくつかの場合では、初期希釈工程は、出発材料の質量の少なくとも約10%(例えば、出発材料の質量の少なくとも約15%、25%、50%、75%、100%、150%、又は200%)に等しい調製剤の質量で調製剤で希釈することを含み得る。いくつかの実施形態では、初期希釈工程は、TFF装置を使用して行われ得る。
いくつかの実施形態では、本方法は、濃縮(例えば、血小板を濃縮と)(例えば、出発材料又は希釈出発材料を濃縮)して、濃縮血小板組成物を形成することを含み得る。例えば、濃縮は、約1000×10~約4000×10個の血小板/μL(例えば、約1000×10~約2000×10個、約2000×10個~約3000×10個、又は約4000×10個の血小板/μL)に濃縮することを含み得る。いくつかの実施形態では、濃縮工程は、TFF装置を使用して行われ得る。
血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)の濃度は、任意の適切な方法によって決定され得る。例えば、カウンターを使用して、インピーダンスを用いて懸濁液中の血液細胞の濃度を定量化することができる(例えば、Beckman Coulter AcT 10又はAcT diff 2)。
いくつかの実施形態では、TFFは、出発材料、希釈出発材料、濃縮血小板組成物、又はそれらの組み合わせの透析濾過(「洗浄」と呼ばれることもある)を含み得る。いくつかの実施形態では、透析濾過は、少なくとも2つ(例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上)の透析濾過用量で洗浄することを含み得る。いくつかの実施形態では、TFFは、緩衝液交換を含み得る。いくつかの実施形態では、緩衝液がTFFで使用され得る。緩衝液は、任意の適切な緩衝液であり得る。いくつかの実施形態では、緩衝液は、調製剤(例えば、本明細書に記載の調製剤のうちのいずれか)であり得る。いくつかの実施形態では、緩衝液は、希釈に使用されたものと同じ調製剤であり得る。いくつかの実施形態では、緩衝液は、希釈に使用されたものとは異なる調製物であり得る。いくつかの実施形態では、緩衝液は、緩衝剤、塩基、充填剤、任意選択的に塩、及び任意選択的に少なくとも1種の有機溶媒、例えばエタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される有機溶媒を含む凍結乾燥剤を含み得る。緩衝液は、任意の適切な緩衝剤であり得る。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、HEPES((4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)であり得る。塩基は、任意の適切な塩基であり得る。いくつかの実施形態では、塩基は、重炭酸ナトリウムであり得る。いくつかの実施形態では、糖は、単糖であり得る。いくつかの実施形態では、充填剤は、糖であり得る。いくつかの実施形態では、糖は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース(例えば、デキストロース)、マンノース、又はキシロースを含み得る。いくつかの実施形態では、単糖は、トレハロースであり得る。いくつかの実施形態では、充填剤は、ポリスクロースを含み得る。塩は、任意の適切な塩であり得る。いくつかの実施形態では、塩は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、又はそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、約0.1μm~約1μm(例えば、約0.1μm~約1μm、約0.1μm~約0.5μm、約0.2~約0.45μm、約0.45~約1μm、約0.1μm、約0.2μm、約0.45μm、約0.65μm、又は約1μm)の孔径を有する膜をTFFに使用することができる。膜は、任意の適切な材料から作製され得る。いくつかの場合では、膜は、親水性膜であり得る。いくつかの実施形態では、膜は、疎水性膜であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも約100kDa(例えば、少なくとも約200、300kDa、500kDa、又は1000kDa)の公称分子量カットオフ(NMWCO)を有する膜がTFFに使用され得る。TFFは、組成物中の微粒子含有量を低減し、組成物中の血小板誘導体の含有量を増加させることを目的として、0.1μm~1.0μmの範囲内の任意の適切な孔径で行われ得る。当業者は、血小板誘導体を保持し、微粒子が膜を通過することを可能にするための、孔径の必要な最適化を認識し得る。例示的実施形態における孔径は、微粒子が膜を通過し、TFF処理された組成物が5%未満の微粒子を有することを可能にするようなものである。例示的な実施形態における孔径は、TFF処理組成物が100×10~20,000×10の範囲の血小板誘導体の濃度を有することを可能にするプロセスにおいて最大量の血小板誘導体が保持されるような孔径である。TFFプロセス中の孔径は、必要がある対象に血小板誘導体を投与する人がより少ないバイアルを再水和/再構成しなければならないように、血小板誘導体組成物中のより高い濃度の血小板誘導体を得るために利用することができ、したがって、そのような血小板誘導体を下流の手順、例えば、本明細書に提供される治療方法のために調製するプロセス中の時間及び労力に関して効率的である。TFFは、任意の適切な温度で行われ得る。いくつかの実施形態では、TFFは、約20℃~約37℃(例えば、約20℃~約25℃、約20℃~約30℃、約25℃~約30℃、約30℃~約35℃、約30℃~約37℃、約25℃~約35℃、又は約25℃~約37℃)の温度で行われ得る。いくつかの実施形態では、TFFは、約100mL/分~約800mL/分(例えば、約100~約200mL/分、約100~約400mL/分、約100~約600mL/分、約200~約400mL/分、約200~約600mL/分、約200~約800mL/分、約400~約600mL/分、約400~約800mL/分、約600~約800mL/分、約100mL/分、約200mL/分、約300mL/分、約400mL/分、約500mL/分、約600mL/分、約700mL/分、又は約800mL/分)の流速(例えば、循環流速)で行われ得る。
いくつかの実施形態では、TFFは、特定のエンドポイントに到達するまで実行されて、TFF処置組成物を形成し得る。エンドポイントは、任意の適切なエンドポイントであり得る。いくつかの実施形態では、エンドポイントは、残留血漿のパーセンテージ(例えば、約50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、又は0.1%以下の残留血漿)であり得る。いくつかの実施形態では、エンドポイントは、280nmでの相対吸光度(A280)であり得る。例えば、エンドポイントは、TFF(例えば、出発材料又は希釈出発材料)の前の(例えば、0.5cmの経路長を使用した)A280の約50%以下(例えば、約40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.5%以下、0.4%以下、0.3%以下、0.2%以下、又は0.1%以下)の(例えば、0.5cmの経路長を使用した)A280であり得る。いくつかの実施形態では、A280は、7.5%の血漿=1.66AUを測定するシステムに相対的であり得る。いくつかの実施形態では、A280を測定するための器具は、以下のように構成され得る:0.5cmギャップフローセルが、TFFシステムの濾液ラインに取り付けられ得る。フローセルは、フローセルの各側面に取り付けられた光ファイバーケーブル(光源ケーブル及び光検出器ケーブル)を用いて光度計に接続され得る。フローセルは、光ファイバーケーブルの両側にシリカガラスレンズで作製され得る。水性培地中のタンパク質の相対タンパク質濃度とは別に、水性培地中のタンパク質濃度は、絶対単位で測定することもできる。いくつかの実施形態では、水性媒体中のタンパク質濃度は、15%以下、又は14%以下、又は13%以下、又は12%以下、又は11%以下、又は10%以下、又は9%以下、又は8%以下、又は7%以下、又は6%以下、又は5%以下、又は4%以下、又は3%以下、又は2%以下、又は1%以下、又は0.1%以下、又は0.01%以下である。いくつかの例示的実施形態では、タンパク質濃度は、3%未満又は4%未満である。いくつかの実施形態では、タンパク質濃度は、TFF処理組成物中で、0.01~15%、又は0.1~15%、又は1~15%、又は1~10%、又は0.01~10%、又は3~12%、又は5~10%の範囲である。いくつかの実施形態では、エンドポイントは、絶対A280であり得る(例えば、0.5cmの経路長を使用して)。例えば、エンドポイントは、2.50AU以下、2.40AU以下、2.30AU以下、2.20AU以下、2.10AU以下、2.0AU以下、1.90AU以下、1.80AU以下、又は1.70AU以下の(例えば、1.66AU以下、1.6AU以下、1.5AU以下、1.4AU以下、1.3AU以下、1.2AU以下、1.1AU以下、1.0AU以下、0.9AU以下、0.8AU以下、0.7AU以下、0.6AU以下、0.5AU以下、0.4AU以下、0.3AU以下、0.2AU以下、又は0.1AU以下)(例えば、0.5cmの経路長さを使用して)A280であり得る。いくつかの実施形態では、残留血漿のパーセンテージ、相対A280、又はA280は、血小板及び水性培地を含む組成物の水性培地に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、残留血漿のパーセンテージは、A280に対する既知の相関に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、TFFは、(例えば、調製剤を使用して)試料の濃度又は希釈を含むことができるため、エンドポイントは、血小板濃度であり得る。例えば、エンドポイントは、少なくとも約2000×10個の血小板/μL(例えば、少なくとも約2050×10、2100×10、2150×10、2200×10、2250×10、2300×10、2350×10、2400×10、2450×10、又は2500×10個の血小板/μL)の血小板濃度であり得る。別の例として、エンドポイントは、約1000×10~約2500個の血小板/μL(例えば、約1000×10~約2000×10、約1500×10~約2300×10、又は約1700×10~約2300×10個の血小板/μL)の血小板濃度であり得る。いくつかの実施形態では、エンドポイントは、TFF処理組成物中の血小板の濃度が、少なくとも100×10個の血小板/μL、200×10個の血小板/μL、400×10個の血小板/μL、1000×10個の血小板/μL、1250×10個の血小板/μL、1500×10個の血小板/μL、1750×10個の血小板/μL、2000×10個の血小板/μL、2250×10個の血小板/μL、2500×10個の血小板/μL、2750×10個の血小板/μL、3000×10個の血小板/μL、3250×10個の血小板/μL、3500×10個の血小板/μL、3750×10個の血小板/μL、4000×10個の血小板/μL、4250×10個の血小板/μL、4500×10個の血小板/μL、4750×10個の血小板/μL、5000×10個の血小板/μL、5250×10個の血小板/μL、5500×10個の血小板/μL、5750×10個の血小板/μL、6000×10個の血小板/μL、7000×10個の血小板/μL、8000×10個の血小板/μL、9000×10個の血小板/μL、10,000×10個の血小板/μL、11,000×10個の血小板/μL、12,000×10個の血小板/μL、13,000×10個の血小板/μL、14,000×10個の血小板/μL、15,000×10個の血小板/μL、16,000×10個の血小板/μL、17,000×10個の血小板/μL、18,000×10個の血小板/μL、19,000×10個の血小板/μL、20,000×10個の血小板/μLであることであり得る。いくつかの実施形態では、TFF処理組成物中の血小板又は血小板誘導体は、100×10~20,000×10個の血小板/μL、又は1000×10~20,000×10個の血小板/μL、又は1000×10~10,000×10個の血小板/μL、又は500×10~5,000×10個の血小板/μL、又は1000×10~5,000×10個の血小板/μL、又は2000×10~8,000×10個の血小板/μL、又は10,000×10~20,000×10個の血小板/μL、又は15,000×10~20,000×10個の血小板/μLの範囲である。
いくつかの実施形態では、エンドポイントは、2つ以上の基準(例えば、残留血漿及び血小板濃度のパーセンテージ、相対A280及び血小板濃度、又は絶対A280及び血小板濃度)を含み得る。
典型的には、TFF処理された組成物は、その後、任意選択的に熱処理工程で凍結乾燥されて、最終的な血液生成物(例えば、血小板、凍結保存された血小板、FDPD)を形成する。しかしながら、いくつかの場合では、TFF処理された組成物は、最終的な血液生成物であるとみなされ得る。
いくつかの実施形態では、血液生成物は、血液生成物(例えば、未処理の血液生成物(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))、又は部分的に処理された血液生成物(例えば、TFFを受けた血液生成物))の遠心分離を使用して調製され得る。いくつかの実施形態では、血液生成物は、血液生成物(例えば、未処理の血液生成物(例えば、ドナーアフェレーシス材料)、又は部分的に処理された血液生成物(例えば、TFFを受けた血液生成物))を遠心分離することなく調製され得る。遠心分離は、任意の適切な工程を含み得る。いくつかの実施形態では、遠心分離は、低速加速、低速減速、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約1400×g~約1550×g(例えば、約1400~約1450×g、約1450~約1500×g、又は1500~約1550×g、約1400×g、約1410×g、約1430×g、約1450×g、約1470×g、約1490×g、約1500×g、約1510×g、約1530×g、又は約1550×g)での遠心分離を含み得る。いくつかの実施形態では、遠心分離の持続時間は、約10分~約30分(例えば、約10~約20分、約20~約30分、約10分、約20分、又は約30分)であり得る。
いくつかの実施形態では、最終血液生成物は、TFF及び遠心分離(例えば、TFFに続く遠心分離、又は遠心分離に続くTFF)の両方を使用して調製され得る。
本明細書に記載の方法のいずれかによって調製される組成物もまた、本明細書に提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、処理中に複数の点で分析され得る。いくつかの実施形態では、出発材料(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))は、抗体含有量(例えば、HLA又はHNA抗体含有量)について分析され得る。いくつかの実施形態では、出発材料(例えば、ドナーアフェレーシス材料(例えば、プールされたドナーアフェレーシス材料))は、タンパク質濃度について分析され得る(例えば、280nmでの吸光度によって(例えば、0.5cmの経路長を使用して))。いくつかの実施形態では、処理の中間工程における組成物(例えば、タンパク質濃度が、未処理の血液生成物のタンパク質濃度の75%以下(例えば、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、又はそれ以下)に減少した場合)は、抗体含有量(例えば、HLA又はHNA抗体含有量)について分析され得る。いくつかの実施形態では、処理の中間工程における血液生成物の抗体含有量(例えば、HLA又はHNA抗体含有量)は、出発材料の抗体含有量と比較して、少なくとも5%低減され得る(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減され得る)。いくつかの実施形態では、最終血液生成物(例えば、血小板(例えば、凍結保存された血小板、FDPD))は、抗体含有量(例えば、HLA又はHNA抗体含有量)について分析され得る。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、最終血液生成物は、血小板及び水性培地を含む組成物であり得る。いくつかの実施形態では、最終血液生成物(例えば、血小板(例えば、凍結保存された血小板、FDPD))の抗体含有量(例えば、HLA又はHNA抗体含有量)は、出発材料の抗体含有量と比較して、少なくとも5%低減され得る(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上低減され得る)。いくつかの実施形態では、最終血液生成物は、HLAクラスI抗体、HLAクラスII抗体、及びHNA抗体からなる群から選択される抗体の検出可能なレベルを有し得ない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物の水性媒体は、本明細書に記載のように分析され得る。
いくつかの実施形態では、血小板は、インキュベーション物質及び/又は凍結乾燥剤とのインキュベーションの前に単離される。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、本明細書でより詳細に開示される凍結乾燥剤であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、遠心分離を使用することによって血小板を単離することを更に含む。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約1000×g~約2000×gの相対的遠心力(RCF)で行われる。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約1300×g~約1800×gの相対遠心力(RCF)で行われる。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約1500×gの相対遠心力(RCF)で行われる。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約1分~約60分間行われる。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約10分~約30分間行われる。いくつかの実施形態では、遠心分離は、約30分間行われる。
インキュベーション物質は、任意の適切な成分を含み得る。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、液体培地を含み得る。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及び血液若しくは血液製剤中に見出され得るか、又は血小板を乾燥させるのに有用であることが既知である任意の他の塩、あるいはこれらのうちの2つ以上の任意の組み合わせから選択される1つ以上の塩を含み得る。
いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及び血液又は血液製剤中に見出され得る任意の他の塩などの1つ以上の塩を含む。例示的な塩としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、約0.5mM~約100mMの1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、約0.5mM~約100mM(例えば、約0.5~約2mM、約2mM~約90mM、約2mM~約6mM、約50mM~約100mM、約60mM~約90mM、約70~約85mM)の1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、約5mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、又は約80mMの1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びその2つの組み合わせから選択される1つ以上の塩を、約0.5mM~約2mMの濃度で含む。
好ましくは、これらの塩は、全血中に見出されるのとほぼ同じ量で、フリーズドライされた血小板などの血小板又は血小板誘導体を含む組成物中に存在する。
いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、担体タンパク質を更に含む。いくつかの実施形態では、担体タンパク質は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、担体タンパク質は、約0.05%~約1.0%(w/v)の量で存在する。
インキュベーション物質は、血小板に対して非毒性であり、かつ本明細書に提供されるプロセス中に溶液が曝露される温度で溶液に適切な緩衝能力を提供する、任意の緩衝液であり得る。したがって、緩衝液は、市販の既知の生体適合性緩衝液、例えば、リン酸緩衝液、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、重炭酸塩/炭酸緩衝液、例えば、重炭酸ナトリウム緩衝液、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES)、及びトリス系緩衝液、例えば、トリス緩衝生理食塩水(TBS)のうちのいずれかを含み得る。同様に、これは、以下の緩衝液:プロパン-1,2,3-トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ベンゼンペンタカルボン酸、マレイン酸、2,2-ジメチルコハク酸、EDTA、3,3-ジメチルグルタル酸、ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノ-トリス(ヒドロキシメチル)-メタン(BIS-TRIS)、ベンゼンヘキサカルボン酸(メリト酸)、N-(2-アセトアミド)イミノ-二酢酸(ADA)、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、ピロリン酸、1,1-シクロペンタン二酢酸(3,3-テトラメチレン-グルタル酸)、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、1,1-シクロヘキサン二酢酸、3,6-エンドメチレン-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸(EMTA、ENDCA)、イミダゾール、2-(アミノエチル)トリメチルアンモニウムクロリド(CHOLAMINE)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、2-メチルプロパン-1,2,3-トリスカルボン酸(ベータ-メチルトリカルバリル酸)、2-(N-モルホリノ)プロパン-スルホン酸(MOPS)、リン酸、及びN-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、1つ以上の緩衝液、例えば、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸(HEPES)、又は重炭酸ナトリウム(NaHCO)を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、約5~約100mMの1つ以上の緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、1つ以上の緩衝液の約5~約50mM(例えば、約5mM~約40mM、約8mM~約30mM、約10mM~約25mM)を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、約10mM、約20mM、約25mM、又は約30mMの1つ以上の緩衝液を含む。
いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース、マンノース、デキストロース、及びキシロースを含む、単糖及び二糖などの1つ以上の糖を含む。いくつかの実施形態では、糖は、単糖である。いくつかの実施形態では、糖は、二糖である。いくつかの実施形態では、糖は、単糖、二糖、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、糖は、非還元性二糖である。いくつかの実施形態では、糖は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース(例えば、デキストロース)、マンノース、又はキシロースを含む。いくつかの実施形態では、糖は、トレハロースを含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、デンプンを含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、スクロース及びエピクロロヒドリンのポリマーであるポリスクロースを含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、約10mM~約1,000mMの1つ以上の糖を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、約50~約500mMの1つ以上の糖を含む。実施形態では、1つ以上の糖は、10mM10~500mMの量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖は、50mM~200mMの量で存在する。実施形態では、1つ以上の糖は、100mM~150mMの量で存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖は、凍結乾燥剤であり、例えば、いくつかの実施形態では、凍結乾燥剤は、トレハロース、ポリスクロース、又はそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物は、水又は生理食塩水のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、フリーズドライされた血小板などの血小板又は血小板誘導体を含む組成物は、DMSOを含み得る。
いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、アルコール(例えば、エタノール)などの有機溶媒を含む。そのようなインキュベーション物質において、溶媒の量は、0.1%~5.0%(v/v)の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、約0.1%(v/v)~約5.0%(v/v)、例えば、約0.3%(v/v)~約3.0%(v/v)、又は約0.5%(v/v)~約2%(v/v)の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、好適な有機溶媒としては、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、ハロゲン化溶媒、炭化水素、ニトリル、グリコール、硝酸アルキル、水、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、好適な有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、酢酸、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル(IPE)、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン(例えば、1,4-ジオキサン)、アセトニトリル、プロピオニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、アニソール、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、エチレングリコール、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、ジメチルアミド、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、エタノール、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキサン、メタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン(THF)、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、エタノール、DMSO、又はそれらの組み合わせを含む。エタノールなどの有機溶媒の存在は、血小板、血小板誘導体、又はFDPD(例えば、フリーズドライ血小板誘導体)の処理において有益であり得る。
いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、水性培地の存在下で血小板にインキュベートされる。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、DMSOを含む培地の存在下でインキュベートされる。
いくつかの実施形態では、1つ以上の他の成分は、血小板内でインキュベートされ得る。例示的な成分は、インキュベーションプロセス中の血小板凝集及び活性化を防止するために、プロスタグランジンE1若しくはプロスタシクリン、及び/又はEDTA/EGTAを含み得る。
使用され得るインキュベーション物質組成物の非限定的な例を表1~5に示す。
(表1)
Figure 2024507362000004
(表2)
Figure 2024507362000005
(表3)
Figure 2024507362000006
(表4)
Figure 2024507362000007
表4は、別の例示的なインキュベーション物質である。pHは、NaOHで7.4に調節され得る。アルブミンは、緩衝液Bの任意選択的な成分である。
(表5)
Figure 2024507362000008
表5は、別の例示的なインキュベーション物質である。
いくつかの実施形態では、血小板(例えば、アフェレーシス血小板、全血から単離された血小板、プールされた血小板、又はそれらの組み合わせ)は、15~45℃の異なる温度、又は約37℃で、異なる持続時間、インキュベーション物質とともにインキュベートされる。
いくつかの実施形態では、血小板(例えば、アフェレーシス血小板、全血から単離された血小板、プールされた血小板、又はそれらの組み合わせ)は、10,000血小板/μL~10,000,000血小板/μL、例えば、50,000血小板/μL~2,000,000血小板/μL、例えば、100,000血小板/μL~500,000血小板/μL、例えば、150,000血小板/μL~300,000血小板/μL、例えば、200,000血小板/μLの濃度で液体培地を含む、インキュベーション物質及び/若しくは凍結乾燥剤、又は凍結乾燥剤を含むインキュベーション物質において懸濁液を形成する。
血小板(例えば、アフェレーシス血小板、全血から単離された血小板、プールされた血小板、又はそれらの組み合わせ)は、例えば、少なくとも約5分間(例えば、少なくとも約20分間、約30分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約16時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、又は少なくとも約48時間)などの異なる持続時間、例えば凍結乾燥剤である、又はそれを含むインキュベーション物質とともにインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、血小板は、約48時間以内(例えば、約20分間以内、約30分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約16時間、約20時間、約24時間、約30時間、約36時間、又は約42時間以内)、インキュベーション物質とともにインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、血小板は、約10分間~約48時間(例えば、約20分間~約36時間、約30分間~約24時間、約1時間~約20時間、約2時間~約16時間、約10分間~約24時間、約20分間~約12時間、約30分間~約10時間、又は約1時間~約6時間)、インキュベーション物質とともにインキュベートされ得る。いくつかの実施形態では、血小板、血小板誘導体、又はFDPDは、5分間~48時間、例えば、10分間~24時間、例えば、20分間~12時間、例えば、30分間~6時間、例えば、1時間~3時間、例えば、約2時間という期間、インキュベーション物質とともにインキュベートされる。
いくつかの実施形態では、血小板(例えば、アフェレーシス血小板、全血から単離された血小板、プールされた血小板、又はそれらの組み合わせ)は、異なる温度で、インキュベーション物質とともにインキュベートされる。実施形態では、インキュベーションは、37℃で実行される。ある特定の実施形態では、インキュベーションは、4℃~45℃、例えば15℃~42℃で実行される。例えば、実施形態では、インキュベーションは、110~130(例えば、120)分間、及び長くて24~48時間もの間、35℃~40℃(例えば、37℃)で実行される。いくつかの実施形態では、血小板は、本明細書に開示されるような異なる持続時間、かつ15~45℃、又は約37℃の温度で、インキュベーション物質とともにインキュベートされる。
いくつかの実施形態では、血小板(例えば、アフェレーシス血小板、全血から単離された血小板、プールされた血小板、又はそれらの組み合わせ)に、1つ以上の活性剤が充填される。いくつかの実施形態では、血小板に、抗線溶剤が充填され得る。抗線溶剤の非限定的な例としては、ε-アミノカプロン酸(EACA)、トラネキサム酸、アプロチニン、アミノメチル安息香酸、及びフィブリノゲンが挙げられる。
血小板(例えば、アフェレーシス血小板、全血から単離された血小板、プールされた血小板、又はそれらの組み合わせ)に活性剤(例えば、抗線溶剤)を充填することは、任意の適切な方法によって実施され得る。例えば、PCT公開第2020/113090A1号、同第2020/113101A1号、同第2020/113035A1号、及び同第2020/112963A1号を参照されたい。一般に、充填は、血小板を抗線溶剤と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、充填は、活性剤をインキュベーション物質と組み合わせることによって実施され得る。いくつかの実施形態では、充填は、インキュベーション工程とは別個の工程で実施され得る。例えば、充填は、インキュベーション工程の前の工程で実施され得る。いくつかのそのような実施形態では、活性剤は、本明細書に記載のインキュベーション物質のうちのいずれかにおいて溶液又は懸濁液として血小板に供給され得、これは、インキュベーション工程に使用されるインキュベーション物質と同一であり得るか、又は異なり得る。いくつかの実施形態では、充填工程は、インキュベーション工程中に実施され得る。いくつかのそのような実施形態では、活性剤は、(例えば、インキュベーション中に、固体として、又は溶液若しくは懸濁液において)インキュベーション物質に添加され得る。いくつかの実施形態では、充填工程は、インキュベーション工程の後の工程において実施され得る。いくつかのそのような実施形態では、本明細書に記載のインキュベーション物質のうちのいずれかにおいて溶液又は懸濁液として血小板に供給され得、これは、インキュベーション工程に使用されるインキュベーション物質と同一であり得るか、又は異なり得る。
活性剤は、任意の適切な濃度で血小板に適用され得る。いくつかの実施形態では、活性剤は、約1μM~約100mM(例えば、約1μM~約10μm、約1μM~約50μM、約1μM~約100μM、約1μM~約500μM、約1μM~約1mM、約1μM~約10mM、約1μM~約25mM、約1μM~約50mM、約1μM~約75mM、約10μM~約100mM、約50μM~約100mM、約100μM~約100mM、約500μM~約100mM、約1mM~約100mM、約10mM~約100mM、約25mM~約100mM、約50mM~約100mM、約75mM~約100mM、約10μM~約100mM、約200μM~約1mM、約800μM~約900μM、約400μM~約800μM、約500μM~約700μM、約600μM、約5mM~約85mM、約20mM~約90mM、約25mM~約75mM、約30mM~約90mM、約35mM~約65mM、約40mM~約60mM、約50mM~約60mM、約40mM~約70mM、約45mM~約55mM、又は約50mM)の濃度で(インキュベーション物質又は別の溶液若しくは懸濁液の一部として)血小板に適用され得る。
いくつかの実施形態では、本方法は、血小板を乾燥させることを更に含む。いくつかの実施形態では、乾燥工程は、血小板を凍結乾燥することを含む。いくつかの実施形態では、乾燥工程は、血小板をフリーズドライすることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、乾燥工程から得られた血小板を再水和することを更に含む。
いくつかの実施形態では、血小板は、療法又は機能アッセイに使用する前に、(例えば、FDPDを生成するために)低温貯蔵されるか、凍結保存されるか、又は凍結乾燥される。
5%未満の最終残留水分含有量を達成し得る限り、血小板を乾燥させるための任意の既知の技術が、本開示に従って使用され得る。好ましくは、本技術は、2%未満、例えば、1%、0.5%、又は0.1%の最終残留水分含有量を達成する。好適な技術の非限定的な例は、フリーズドライ(凍結乾燥)及び噴霧乾燥である。好適な凍結乾燥法を、表Aに提示する。追加の例示的な凍結乾燥法は、米国特許第7,811,558号、米国特許第8,486,617号、及び米国特許第8,097,403号に見出され得る。例示的な噴霧乾燥法は、窒素を乾燥ガスとして、本開示によるインキュベーション物質と組み合わせること、次いで、二流体ノズル構成を有するGEA Processing Engineering,Inc.(Columbia MD,USA)製のGEA Mobile Minor噴霧乾燥機に混合物を導入すること、混合物を150℃~190℃の範囲の入口温度、65℃~100℃の範囲の出口温度、0.5~2.0バールの範囲の原子速度、5~13kg/時の範囲の原子速度、60~100kg/時の範囲の窒素使用、及びl0~35分間の実行時間で噴霧することを含む。噴霧乾燥における最終工程は、乾燥混合物を優先的に回収することである。いくつかの実施形態における乾燥組成物は、-20℃以下~90℃以上の範囲である温度で、少なくとも6ヶ月間安定である。
(表A)例示的な凍結乾燥プロトコル
Figure 2024507362000009
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるように得られる血小板を乾燥させて、本明細書の態様又は実施形態のいずれかにおける使用のための血小板誘導体を生成する工程、例えば、本明細書に開示されるように得られる血小板をフリーズドライさせて、本明細書の態様又は実施形態のいずれかにおける使用のためのFDPDを生成する工程は、血小板を凍結乾燥剤(例えば、非還元性二糖)とともにインキュベートすることを含む。したがって、いくつかの実施形態では、血小板を調製するための方法は、血小板を凍結乾燥剤とともにインキュベートすることを更に含む。いくつかの実施形態では、凍結乾燥剤は、糖である。いくつかの実施形態では、糖は、非還元性二糖などの二糖である。
いくつかの実施形態では、血小板は、血小板を凍結乾燥剤とともにインキュベートするのに十分な時間、かつ好適な温度で、凍結乾燥剤とともにインキュベートされる。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、凍結乾燥剤である。好適な凍結乾燥剤の非限定的な例は、スクロース、マルトース、トレハロース、グルコース(例えば、デキストロース)、マンノース、及びキシロースを含む、単糖及び二糖などの糖である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥剤の非限定的な例としては、血清アルブミン、デキストラン、ポリビニルピロリドン(PVP)、デンプン、及びヒドロキシエチルデンプン(HES)が挙げられる。いくつかの実施形態では、例示的な凍結乾燥剤としては、高分子量ポリマーが挙げられ得る。「高分子量」とは、約70kDa以上かつ最大1,000,000kDaの平均分子量を有するポリマーを意味する。非限定的な例は、スクロース及びエピクロロヒドリンのポリマー(例えば、ポリスクロース)である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥剤は、ポリスクロースである。任意の量の高分子量ポリマーが凍結乾燥剤として使用され得るが、約3%~10%(w/v)、例えば、3~7%、例えば、6%の最終濃度を達成する量が使用されることが好ましい。
本明細書に開示される組成物に使用するための例示的な糖は、トレハロースである。糖の同一性にかかわらず、糖は、任意の好適な量で、血小板誘導体を形成するために乾燥されるか、又はフリーズドライさせてFDPDを形成する組成物中、並びにそのような乾燥血小板誘導体及びFDPDの再水和組成物中に存在し得る。例えば、糖は、1mM~1Mの量で存在し得る。実施形態では、糖は、10mM10~500mMの量で存在する。いくつかの実施形態では、糖は、20mM~200mMの量で存在する。実施形態では、糖は、40mM~100mMの量で存在する。様々な実施形態では、糖は、上に列挙された範囲内の異なる特定の濃度で存在し、当業者は、本明細書で各々を具体的に列挙する必要なしに、様々な濃度を即座に理解することができる。複数の糖が組成物中に存在する場合、各糖は、上に列挙された範囲及び特定の濃度に応じた量で存在し得る。
本明細書に提供される組成物を作製するための本明細書に提供されるプロセス内で、凍結乾燥剤の添加は、乾燥の前の最後の工程であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、凍結乾燥剤は、塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、又は他の成分などの組成物の他の成分と同時に、又はその前に添加される。いくつかの実施形態では、凍結乾燥剤は、インキュベーション物質に添加され、完全に混合されて乾燥溶液を形成し、乾燥容器(例えば、ガラス又はプラスチックの血清バイアル、凍結乾燥バッグ)中に分配され、溶液を乾燥させて乾燥組成物を形成することを可能にする条件に供される。
血小板を凍結保護剤とともにインキュベートする工程は、温度と併せて、凍結保護剤が血小板に接触するのに十分な、好ましくは、少なくともある程度まで血小板に組み込まれるのに十分な時間と同程度の長さである、充填に好適な時間、血小板をインキュベートすることを含み得る。実施形態では、インキュベーションは、約1分間~約180分間以上行われる。
血小板を凍結保護剤とともにインキュベートする工程は、割り当てられた時間の量と併せて選択される場合、インキュベートに好適な温度で、血小板及び凍結保護剤をインキュベートすることを含み得る。一般に、組成物は、凍結を上回る温度で、凍結保護剤が血小板に接触するのに少なくとも十分な時間、インキュベートされる。実施形態では、インキュベーションは、37℃で実行される。ある特定の実施形態では、インキュベーションは、20℃~42℃で実行される。例えば、実施形態では、インキュベーションは、110~130(例えば、120)分間、35℃~40℃(例えば、37℃)で実行される。
様々な実施形態では、凍結乾燥バッグは、ガスが、処理中にバッグの少なくとも一部又は全部を通過することを可能にするように構成された、ガス透過性バッグである。ガス透過性バッグは、バッグの内部内のガスを、周囲環境に存在する大気ガスと交換することを可能にし得る。ガス透過性バッグは、酸素、窒素、水、空気、水素、及び二酸化炭素などのガスに対して透過性であり得、本明細書に提供される組成物においてガス交換が生じることを可能にする。いくつかの実施形態では、ガス透過性バッグは、二酸化炭素がバッグの壁を通って透過することを可能にすることによって、バッグの内部内に存在する二酸化炭素の一部の除去を可能にする。いくつかの実施形態では、バッグからの二酸化炭素の放出は、バッグ内に収容される組成物の所望のpHレベルを維持するのに有利であり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書におけるプロセスの容器は、閉鎖又は密封されたガス透過性容器である。いくつかの実施形態では、容器は、閉鎖又は密封され、かつその一部がガス透過性である、容器である。いくつかの実施形態では、容器に収容される製品の体積に対する、閉鎖又は密封された容器(例えば、バッグ)のガス透過性部分の表面積(以下、「SA/V比」と称される)は、本明細書に提供される組成物のpH維持を改善するように調整され得る。例えば、いくつかの実施形態では、容器のSA/V比は、少なくとも約2.0cm/mL(例えば、少なくとも約2.1cm/mL、少なくとも約2.2cm/mL、少なくとも約2.3cm/mL、少なくとも約2.4cm/mL、少なくとも約2.5cm/mL、少なくとも約2.6cm/mL、少なくとも約2.7cm/mL、少なくとも約2.8cm/mL、少なくとも約2.9cm/mL、少なくとも約3.0cm/mL、少なくとも約3.1cm/mL、少なくとも約3.2cm/mL、少なくとも約3.3cm/mL、少なくとも約3.4cm/mL、少なくとも約3.5cm/mL、少なくとも約3.6cm/mL、少なくとも約3.7cm/mL、少なくとも約3.8cm/mL、少なくとも約3.9cm/mL、少なくとも約4.0cm/mL、少なくとも約4.1cm/mL、少なくとも約4.2cm/mL、少なくとも約4.3cm/mL、少なくとも約4.4cm/mL、少なくとも約4.5cm/mL、少なくとも約4.6cm/mL、少なくとも約4.7cm/mL、少なくとも約4.8cm/mL、少なくとも約4.9cm/mL、又は少なくとも約5.0cm/mLであり得る。いくつかの実施形態では、容器のSA/V比は、最大約10.0cm/mL(例えば、最大約9.9cm/mL、最大約9.8cm/mL、最大約9.7cm/mL、最大約9.6cm/mL、最大約9.5cm/mL、最大約9.4cm/mL、最大約9.3cm/mL、最大約9.2cm/mL、最大約9.1cm/mL、最大約9.0cm/mL、最大約8.9cm/mL、最大約8.8cm/mL、最大約8.7cm/mL、最大約8.6、cm/mL 最大約8.5cm/mL、最大約8.4cm/mL、最大約8.3cm/mL、最大約8.2cm/mL、最大約8.1cm/mL、最大約8.0cm/mL、最大約7.9cm/mL、最大約7.8cm/mL、最大約7.7cm/mL、最大約7.6cm/mL、最大約7.5cm/mL、最大約7.4cm/mL、最大約7.3cm/mL、最大約7.2cm/mL、最大約7.1cm/mL、最大約6.9cm/mL、最大約6.8cm/mL、最大約6.7cm/mL、最大約6.6cm/mL、最大約6.5cm/mL、最大約6.4cm/mL、最大約6.3cm/mL、最大約6.2cm/mL、最大約6.1cm/mL、最大約6.0cm/mL、最大約5.9cm/mL、最大約5.8cm/mL、最大約5.7cm/mL、最大約5.6cm/mL、最大約5.5cm/mL、最大約5.4cm/mL、最大約5.3cm/mL、最大約5.2cm/mL、最大約5.1cm/mL、最大約5.0cm/mL、最大約4.9cm/mL、最大約4.8cm/mL、最大約4.7cm/mL、最大約4.6cm/mL、最大約4.5cm/mL、最大約4.4cm/mL、最大約4.3cm/mL、最大約4.cm2cm/mL、最大約4.1cm/mL、又は最大約4.0cm/mLであり得る。いくつかの実施形態では、容器のSA/V比は、約2.0~約10.0cm/mL(例えば、約2.1cm/mL~約9.9cm/mL、約2.2cm/mL~約9.8cm/mL、約2.3cm/mL~約9.7cm/mL、約2.4cm/mL~約9.6cm/mL、約2.5cm/mL~約9.5cm/mL、約2.6cm/mL~約9.4cm/mL、約2.7cm/mL~約9.3cm/mL、約2.8cm/mL~約9.2cm/mL、約2.9cm/mL~約9.1cm/mL、約3.0cm/mL~約9.0cm/mL、約3.1cm/mL~約8.9cm/mL、約3.2cm/mL~約8.8cm/mL、約3.3cm/mL~約8.7cm/mL、約3.4cm/mL~約8.6cm/mL、約3.5cm/mL~約8.5cm/mL、約3.6cm/mL~約8.4cm/mL、約3.7cm/mL~約8.3cm/mL、約3.8cm/mL~約8.2cm/mL、約3.9cm/mL~約8.1cm/mL、約4.0cm/mL~約8.0cm/mL、約4.1cm/mL~約7.9cm/mL、約4.2cm/mL~約7.8cm/mL、約4.3cm/mL~約7.7cm/mL、約4.4cm/mL~約7.6cm/mL、約4.5cm/mL~約7.5cm/mL、約4.6cm/mL~約7.4cm/mL、約4.7cm/mL~約7.3cm/mL、約4.8cm/mL~約7.2cm/mL、約4.9cm/mL~約7.1cm/mL、約5.0cm/mL~約6.9cm/mL、約5.1cm/mL~約6.8cm/mL、約5.2cm/mL~約6.7cm/mL、約5.3cm/mL~約6.6cm/mL、約5.4cm/mL~約6.5cm/mL、約5.5cm/mL~約6.4cm/mL、約5.6cm/mL~約6.3cm/mL、約5.7cm/mL~約6.2cm/mL、又は約5.8cm/mL~約6.1cm/mLの範囲であり得る。
ガス透過性の閉鎖された容器(例えば、バッグ)又はその一部は、1つ以上の様々なガス透過性材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、ガス透過性バッグは、フルオロポリマー(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びペルフルオロアルコキシ(PFA)ポリマーなど)、ポリオレフィン(低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)など)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、及びそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上のポリマーから作製され得る。
いくつかの実施形態では、乾燥された血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、熱処理を受け得る。加熱は、約25℃超(例えば、約40℃超、50℃超、60℃超、70℃超、80℃超、又はそれ以上)の温度で行われ得る。いくつかの実施形態では、加熱は、約70℃~約85℃(例えば、約75℃~約85℃、又は約75℃若しくは80℃)で実行される。加熱の温度は、加熱が実施される時間の長さと併せて選択され得る。任意の好適な時間が使用され得るが、典型的には、凍結乾燥血小板は、少なくとも1時間、ただし36時間以下、加熱される。したがって、実施形態では、加熱は、少なくとも2時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、又は少なくとも30時間実施される。例えば、凍結乾燥血小板は、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、28時間、29時間、又は30時間加熱され得る。非限定的な例示的な組み合わせとしては、乾燥された血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を30℃超の温度で少なくとも30分間加熱すること、乾燥された血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を50℃超の温度で少なくとも10時間加熱すること、乾燥された血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を75℃超の温度で少なくとも18時間加熱すること、及び乾燥された血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を80℃で24時間加熱することが挙げられる。いくつかの実施形態では、加熱は、キャップ付きバイアルなどの密封された容器内で行われ得る。いくつかの実施形態では、密封された容器は、加熱の前に真空に供される。特にアルブミン又はポリスクロースなどの凍結保護剤の存在下での熱処理工程は、フリーズドライされた血小板の安定性及び貯蔵寿命を改善させることが見出されている。実際に、熱処理工程なしの凍結保護剤と比較して、血清アルブミン又はポリスクロースと、凍結乾燥後の熱処理工程との特定の組み合わせで、有利な結果が得られている。凍結保護剤(例えば、スクロース)は、任意の適切な量(例えば、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)の質量又は体積で約3%~約10%)で存在し得る。
いくつかの実施形態では、インキュベーション物質とのインキュベーションを含むプロセスによって本明細書に開示されるように調製された血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、インキュベーションの前に血小板の貯蔵安定性と少なくともほぼ等しい貯蔵安定性を有する。
いくつかの実施形態では、本方法は、血小板又は血小板誘導体を投与する前に、血小板又は血小板誘導体を(例えば、インキュベーション物質、例えば、本明細書に記載のインキュベーション物質で)凍結保存することを更に含む。
いくつかの実施形態では、本方法は、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を投与する前に、血小板又は血小板誘導体を含む組成物を(例えば、インキュベーション物質、例えば、本明細書に記載のインキュベーション物質で)乾燥させることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、乾燥工程の後に組成物を加熱することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、フリーズドライ工程又は加熱工程の後に組成物を再水和することを更に含み得る。
いくつかの実施形態では、本方法は、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を投与する前に、血小板又は血小板誘導体を含む組成物を(例えば、インキュベーション物質、例えば、本明細書に記載のインキュベーション物質で)フリーズドライさせることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、フリーズドライ工程の後に組成物を加熱することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、フリーズドライ工程又は加熱工程の後に組成物を再水和することを更に含み得る。
いくつかの実施形態では、本方法は、血小板、血小板誘導体、又はFDPDを投与する前に、血小板、血小板誘導体又はFDPDを(例えば、インキュベーション物質、例えば、本明細書に記載のインキュベーション物質で)低温貯蔵することを更に含む。
貯蔵条件は、例えば、標準的な室温貯蔵(例えば、約20~約30℃の範囲の温度での貯蔵)又は低温貯蔵(例えば、約1~約10℃の範囲の温度での貯蔵)を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を投与する前に、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物を(例えば、インキュベーション物質、例えば、本明細書に記載のインキュベーション物質で)凍結保存すること、フリーズドライさせること、解凍すること、再水和すること、及びそれらの組み合わせを更に含む。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)を投与する前に、血小板又は血小板誘導体を含む組成物を(例えば、インキュベーション物質、例えば、本明細書に記載のインキュベーション物質で)(例えば、FDPDを形成するために)乾燥させる(例えば、フリーズドライさせる)ことを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、乾燥工程から得られた組成物を再水和することを更に含み得る。
いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体(例えばFDPD)、ポリスクロース、及びトレハロースを含む組成物が本明細書に提供され、この組成物は、新鮮な血小板を得るプロセス、任意選択的に血小板をDMSO中でインキュベートするプロセス、遠心分離によって血小板を単離するプロセス、血小板をトレハロース及びエタノールを含むインキュベーション物質中に再懸濁させ、それにより第1の混合物を形成するプロセス、第1の混合物をインキュベートするプロセス、ポリスクロースを第1の混合物と混合し、それにより第2の混合物を形成するプロセス、並びに第2の混合物を凍結乾燥して、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)、ポリスクロース、及びトレハロースを含むフリーズドライされた組成物を形成するプロセスによって作製されている。
いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)、ポリスクロース、及びトレハロースを含む、フリーズドライされた血小板組成物を作製する方法が本明細書に提供され、この方法は、新鮮な血小板を得ることと、任意選択的に血小板をDMSO中でインキュベートすることと、遠心分離によって血小板を単離することと、血小板をトレハロース及びエタノールを含むインキュベーション物質中に再懸濁させ、それにより第1の混合物を形成することと、第1の混合物をインキュベートすることと、ポリスクロースを第1の混合物と混合することと、それにより第2の混合物を形成することと、第2の混合物を凍結乾燥して、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)、ポリスクロース、及びトレハロースを含むフリーズドライされた組成物を形成することと、を含む。
いくつかの実施形態では、フリーズドライされた血小板を作製するためのプロセスが本明細書に提供され、このプロセスは、単離された血小板を、少なくとも1つの糖の存在下で、以下の条件:20℃~42℃の温度下で、約10分間~約180分間インキュベートすることと、血小板に少なくとも1つの凍結保護剤を添加することと、血小板を凍結乾燥することと、を含み、このプロセスは、任意選択的に、インキュベーション工程と添加工程との間に血小板を単離することを含まず、任意選択的に、このプロセスは、血小板を血小板活性化阻害剤に曝露することを含まない。凍結保護剤は、多糖(例えば、ポリスクロース)であり得る。このプロセスは、凍結乾燥血小板を、70℃~80℃の温度で8~24時間加熱することを更に含み得る。血小板に少なくとも1つの凍結保護剤を添加する工程は、血小板をエタノールに曝露することを更に含み得る。少なくとも1つの糖の存在下で単離された血小板をインキュベートする工程は、少なくとも1つの糖の存在下でインキュベートすることを含み得る。少なくとも1つの糖の存在下で単離された血小板をインキュベートする工程は、少なくとも1つの糖の存在下でインキュベートすることを含み得る。インキュベートするための条件は、約100分間~約150分間インキュベートすることを含み得る。インキュベートするための条件は、約110分間~約130分間インキュベートすることを含み得る。インキュベートするための条件は、約120分間インキュベートすることを含み得る。インキュベートするための条件は、35℃~40℃インキュベートすることを含み得る。インキュベートのための条件は、37℃でインキュベートすることを含み得る。インキュベートのための条件は、35℃~40℃で110分間~130分間インキュベートすることを含み得る。インキュベートするための条件は、37℃で120分間インキュベートすることを含み得る。少なくとも1つの糖は、トレハロース、スクロース、又はトレハロースとスクロースの両方であり得る。少なくとも1つの糖は、トレハロースであり得る。少なくとも1つの糖は、スクロースであり得る。
いくつかの実施形態では、フリーズドライ血小板を調製する方法が本明細書に提供され、この方法は、血小板を提供することと、約100mMのトレハロース及び約1%(v/v)のエタノールを含む塩緩衝液中に血小板を懸濁させて、第1の組成物を作製することと、第1の組成物を約37℃で約2時間インキュベートすることと、ポリスクロース(例えば、ポリスクロース400)を約6%(w/v)の最終濃縮物に添加して、第2の組成物を作製することと、第2の組成物を凍結乾燥して、フリーズドライ血小板を作製することと、フリーズドライ血小板を80℃で24時間加熱することと、を含む。
本明細書に開示される特定の実施形態は、「~からなる」又は「~から本質的になる」という言語を使用して、特許請求の範囲に更に限定され得る。
例示的な実施形態
この例示的な実施形態のセクションでは、非限定的な例示的態様及び実施形態が本明細書に提供され、本明細書全体を通して更に考察される。簡潔さ及び利便性のために、本明細書に開示される態様及び実施形態の全て、並びに開示される態様及び実施形態の可能な組み合わせの全ては、このセクションに列挙されない。追加の実施形態及び態様は、本明細書の他のセクションで提供される。更に、例えば、本開示全体で考察されるように、多くの態様のための特定の実施形態であり、任意の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態が提供されることが理解されよう。本明細書の完全な開示を考慮すると、以下に記載されている、又はこの完全な開示に記載されている任意の個々の実施形態は、以下に記載されている、又はこの完全な開示に記載されている任意の態様と組み合わせることができ、これは、ある態様に追加され得る追加の要素であるか、又はある態様に既に存在する要素についてのより狭い要素であるためであることが意図される。そのような組み合わせは、非限定的な例示的組み合わせとして提供されることがあり、及び/又はこの詳細な説明の他のセクションでより具体的に考察される。
一態様では、対象における凝固障害を治療する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、血小板を含むか又は例示的実施形態では血小板誘導体及び更なる例示的実施形態ではFDPDを含む組成物の有効量を投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
一態様では、対象における凝固障害を治療する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することであって、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートし、かつ例示的実施形態ではインキュベートされた血小板をフリーズドライして、組成物を形成することを含む、プロセスによって組成物が、調製されており、組成物が、血小板誘導体、及び例示的実施形態ではFDPDを含む、投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
一態様では、対象における正常な止血を回復させる方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、血小板を含む又は例示的実施形態では血小板誘導体及び更なる例示的実施形態ではFDPDを含む組成物の有効量を投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
一態様では、対象における正常な止血を回復させる方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することであって、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートし、かつ例示的実施形態ではインキュベートされた血小板をフリーズドライして、組成物を形成することを含む、プロセスによって組成物が、調製されており、組成物が、血小板誘導体、更なる例示的実施形態ではFDPDを含む、投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
一態様では、対象の手術の準備を整える方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、血小板を含む又は例示的実施形態では血小板誘導体及び更なる例示的実施形態ではFDPDを含む組成物の有効量を投与することを含む。そのようなFDPDの例示的な実施形態の様々な特性が本明細書に提供され、それによって凝固障害が治療される。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。手術は、緊急手術であり得る。手術は、予定された手術であり得る。
一態様では、対象の手術の準備を整える方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することであって、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートし、かつ例示的実施形態ではインキュベートされた血小板をフリーズドライして、組成物を形成することを含む、プロセスによって組成物が、調製されており、組成物が、血小板誘導体、更なる例示的実施形態ではFDPDを含む、投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。そのようなFDPDの例示的な実施形態の様々な特性が本明細書に提供される。実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。手術は、緊急手術であり得る。手術は、予定された手術であり得る。
一態様では、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、有効量の組成物血小板、又は例示的実施形態では血小板誘導体、更なる例示的実施形態ではFDPDを投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
一態様では、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することであって、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして組成物を形成することを含むプロセスによって組成物が、調製されており、組成物が、血小板誘導体、更なる例示的実施形態ではFDPDを含む、投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象の凝固障害を治療するか、又は対象の止血を回復させるか、又は出血の可能性を低減する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、血小板誘導体を含む有効量の組成物を投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。例示的な実施形態では、血小板誘導体は、フリーズドライ血小板誘導体(FDPD)である。更なる例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
別の態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療するか、又は対象の止血を回復させるか、又は対象の出血の可能性を低減する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、FDPDを含む組成物の有効量を投与することであって、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を、FDPDを含む組成物が含む、投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。更なる例示的実施形態では、FDPDを含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。
別の態様では、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法が本明細書に提供され、この方法は、(a)対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することと、(b)対象に有効量のフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を投与することと、を含む。そのような方法のいくつかの実施形態では、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報は、対象を特定することができないことを含む理由で利用できない。方法のいくつかの実施形態では、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報は、対象の病歴が利用できないことを含む理由で利用できない。更なる実施形態では、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報は、対象が緊急治療を必要としていることを含む理由で利用できない。
別の態様では、対象における凝固障害を治療する方法、又は対象における出血の可能性を低減する方法、又は対象の止血を回復させる方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、血小板誘導体を含む、例示的実施形態ではFDPDを含む組成物の有効量を投与することであって、対象が、血小板誘導体を含む組成物の投与の前に、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与された、投与することを含み、それによって凝固障害を治療する。更なる例示的実施形態では、血小板誘導体を含む組成物は、対象の出血の可能性が低減されるように投与され、例示的実施形態では、対象において正常な止血が回復するように投与される。例示的実施形態では、FDPDを含む組成物の投与の前に、対象は、抗血小板剤及び第2の薬剤の投与に起因する又はその結果としての出血のリスクの増加が理由で、その必要があった。
別の態様では、対象における凝固障害を治療するためのフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供され、治療は、以下:
その必要がある対象に、対象の出血の可能性又は出血のリスクが低減されるように、FDPDを含む組成物の有効量を投与することであって、
抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を、対象が投与された、かつ、
抗血小板剤及び第2の薬剤の投与に起因する又はその結果としての出血の可能性又は出血のリスクの増加が理由で、対象にはその必要がある、
投与すること
を含み、
それによって凝固障害を治療する。
別の態様では、抗凝固剤を投与されているか又は投与されたことがあることの結果として出血の可能性又はリスクが増加した対象における凝固障害を治療するためのフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供され、治療は、
出血の可能性又はリスクが増加した対象に、対象の出血の可能性又はリスクが低減されるように、FDPDを含む組成物の有効量を投与することであって、
アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を、FDPDを含む組成物が含む、投与すること
を含み、
それによって凝固障害を治療する。
いくつかの実施形態では、例えば、対象が抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与された態様では、そのような方法は、FDPDを含む組成物の投与の前に、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、第1の抗血小板剤であり、第2の薬剤は、第2の抗血小板剤である。いくつかの実施形態では、第1の抗血小板剤及び第2の抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される各々異なる抗血小板剤である。いくつかの実施形態では、第1の抗血小板剤及び第2の抗血小板剤は、異なる作用機序を有する。いくつかの実施形態では、第1の抗血小板剤及び第2の抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される各々異なる抗血小板剤である。
本明細書における態様のいずれかのいくつかの実施形態では、血小板誘導体、例えば、FDPDを含む組成物の投与の前、その直前、その前の瞬間、その瞬間、及び/又はその初期の時点で、対象は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがあることに起因して出血のリスクが増加していたか、又は増加している。更に、対象は、血小板誘導体を含む組成物の投与の7日、6日、5日、4日、3日、2日若しくは1日、12時間、8時間、4時間、2時間、1時間、又は45分、30分、15分、10分、5分、4分、3分、2分、若しくは1分前に出血のリスクが増加し得る。いくつかの任意選択的な実施形態では、これは、臨床検査によって確認される。しかしながら、いくつかの実施形態では、出血リスク又は任意の凝血パラメータの臨床検査は、血小板誘導体を含む組成物の投与の前及び/又は後、7日、6日、5日、4日、3日、2日、又は1日又はより早くに行われない。出血リスクは、典型的には、例示的実施形態では、血小板誘導体、例示的実施形態ではFDPDを含む有効用量の組成物の投与後に減少する。更に、対象は、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物を投与した後でも、例えば、投与後1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、10分間、15分間、20分間、30分間、若しくは45分間、又は1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、若しくは8時間、又はそれよりも長い時間、FDPDが投与された後に対象のリスクを低下させるのにかかる時間に応じて、出血のリスクの増加を維持し得る。更に、いくつかの実施形態では、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物の投与は減少するが、対象における出血のリスクの増加を完全には解消しない。
いくつかの実施形態では、例えば、対象が抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与された態様では、第2の薬剤の投与は、例えば、血小板誘導体を含む組成物を投与する前に停止される。そのような態様の他の実施形態では、第2の薬剤の投与は、例えば、血小板誘導体を含む組成物を投与した後に継続される。
本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、方法は、血小板誘導体を含む組成物を投与する前に、投与前評価において、1つ以上の凝血パラメータについて異常値を対象が有すると決定することを更に含む。例示的実施形態では、投与前評価は、インビトロ臨床検査である。
本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される。他の実施形態では、抗血小板剤は、カングレロール、チカグレロール、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される。
本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、FDPDは、対象に投与されたか又は投与されている抗血小板拮抗物質によってターゲティングされた(検出可能な量の)生体分子(例えば、受容体)を含む。いくつかの実施形態では、受容体は、P2Y受容体(例えば、P2Y12受容体)、糖タンパク質IIb(すなわち、CD41)、糖タンパク質IIIa(CD61)、糖タンパク質IIb/IIIa複合体、トロンボキサンシンターゼ若しくはトロンボキサン受容体、PAR1、PAR4、VPVI、又はコラーゲン受容体(例えば、α2β1コラーゲン受容体)から選択される。これらの特定の生体分子を標的とする抗血小板剤の例は、本明細書の他のセクションで提供される。ある特定の実施形態では、血小板誘導体、例示的実施形態ではFDPDの少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%が、対象に投与される抗血小板剤によってターゲティングされる生体分子に対して陽性である(すなわち、検出可能なレベルを有する)、及び/又は対象の血液中で検出可能である。注目すべき非限定的な例として、抗血小板剤は、糖タンパク質CDIIb/IIIa複合体を阻害し、血小板誘導体、例示的実施形態ではFDPDの少なくとも55%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%が、CD41陽性(すなわち、検出可能なCD41を含む)であり、及び/又はCDIIb/IIIa複合体に対して陽性である。
本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、FDPDを含む組成物は、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中のFDPDの2%、3%、4%、5%、7.5%、10%、12.5%、15%、17.5%、20%、22.5%、又は25%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を含む。本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、例えば、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を、FDPDを含む組成物が含む、実施形態を含む、本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、FDPDは、10個の粒子当たり少なくとも1.2(例えば、少なくとも1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、又は2.5)のトロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有する。例えば、いくつかの場合では、血小板又は血小板誘導体(例えば、FDPD)は、10個の粒子当たり1.2~2.5TPGU(例えば、10個の粒子当たり1.2~2.0、1.3~1.5、1.5~2.25、1.5~2.0、1.5~1.75、1.75~2.5、2.0~2.5、又は2.25~2.5TPGU)の効力を有し得る。
例えば、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を、FDPDを含む組成物が含む、実施形態を含む、本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、FDPDは、超活性化血小板の1つ以上の特徴を有し、前記特徴が、
A)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、FDPDの表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、
B)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、FDPDの表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在、及び
C)アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較してアゴニストの存在下での血小板活性化マーカーの発現を増加させることができないこと
から選択される。
CD41陽性の血小板誘導体を含むFDPDの集団を、FDPDを含む組成物が含む、本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、例えば、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDを、FDPDの集団が含む、非限定的な実施形態では、FDPDは、アゴニストの存在下での血小板活性化マーカーの発現を、アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較して増加させることができない。そのような方法のいくつかの実施形態では、FDPDは、10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有する。そのような方法のいくつかの実施形態では、CD41陽性FDPDの5%未満は、0.5μm未満の直径を有する微粒子である。
本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、例えば、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDを、集団が含む、非限定的な実施形態では、FDPDは、休止血小板の表面上よりも高いレベルでのそれらの表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、及び休止血小板の表面上よりも高いレベルでのそれらの表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在のうちの1つ又は両方を更に有する。
本明細書に提供される態様のいずれかのある特定の実施形態では、FDPDを含む組成物は、
CD41陽性血小板誘導体であって、CD41陽性血小板誘導体の5%未満が、0.5μm未満の直径を有する微粒子である、CD41陽性血小板誘導体と、
以下の特徴:
アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で集団中の血小板誘導体の10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向、
アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較してアゴニストの存在下での血小板活性化マーカーの発現を増加させることができないこと、
休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、血小板誘導体の表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、
休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、血小板誘導体の表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在、及び
10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力
のうちの1つ以上又は例示的実施形態ではその全てを有する血小板誘導体と
を含む、血小板誘導体の集団
を含む、FDPDの集団を含む。
本明細書の任意の態様のいくつかの実施形態では、血小板誘導体、及び例示的実施形態ではFDPDは、損なわれた形質膜に囲まれる。そのような実施形態では、血小板誘導体は、それらの周りに統合された膜を欠いている。そのような実施形態では、血小板誘導体は、統合された膜によって囲まれていない。代わりに、膜は、生細胞で観察される孔よりも大きい孔を含む。したがって、そのような血小板誘導体は、外部環境からのシグナルを、典型的には生体血小板内で変換される粒子内の応答に変換する能力が低下しているか、又は変換することができない。更に、そのような血小板誘導体(例えば、FDPD)は、ミトコンドリア活性化又は解糖が可能であるとは考えられていない。
本明細書の任意の態様のいくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物の有効量は、1.0×10~1.0×1011個の粒子又はFDPD/対象kgである。本明細書の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物の有効量は、1.6×10~5.1×10個の粒子又はFDPD/対象kgである。粒子又はFDPD/kgの範囲を有する上記の実施形態のいずれかと組み合わせることができる、本明細書の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物の有効量は、対象1kg当たり250~5000TGPUの効力を有する量である。有効量の更なる例は、本明細書の別のセクションで提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象の凝固障害を治療するか、又は対象の止血を回復させるか、又は出血の可能性を低減する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に、有効量の血小板誘導体を含む組成物を投与することを含み、それによって凝固障害を治療し、FDPDを含む組成物は、実施された場合の出血の可能性の投与後評価が正常な結果をもたらすか異常な結果をもたらすかどうかにかかわらず、対象の出血の可能性を低減することができる特性を有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物は、実施された場合の出血の可能性の投与後評価が正常又は異常な結果をもたらすかどうかとは無関係に、対象の出血の可能性を低減することができるという特性を有する。いくつかの実施形態では行われ、いくつかの実施形態では行われないいくつかの任意選択的な実施形態では、そのような投与後評価は、FDPDを含む組成物を対象に投与した後にある期間で採取又は収集された試料に対して行われるインビトロ臨床検査を含む。本明細書の態様のいずれかの他の実施形態では、FDPDを含む組成物は、実施された場合の出血の可能性の投与後評価が正常又は異常な結果をもたらすかどうかとは無関係に、正常な止血が対象において回復するように、インビトロ臨床検査において、出血の可能性の増加を有しかついくつかの実施形態では1つ以上の凝血パラメータについて異常値を有する対象の出血の可能性を低減することができるという特性を有する。いくつかの実施形態では、そのような投与後評価は、FDPDを含む組成物を対象に投与した後にある期間で採取又は収集された試料に対して行われるインビトロ臨床検査を含む。期間は、例えば、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物を対象に投与した後0分~72時間以内、又は10分~72時間以内、又は10分~48時間以内、又は10分~24時間以内、又は10分~4時間以内、又は10分~1時間以内、又は10分~30分以内、又は30分~24時間以内、又は30分~4時間以内、又は30分~1時間以内であり得る。例えば、ある特定の実施形態における期間は、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物を投与した後1~4時間である。本明細書の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、血小板誘導体を含む組成物の投与前又は投与後は、例えば、上記の期間中に行われない。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物は、出血の可能性が増加又は上昇した対象の出血の可能性を低減することができるという特性を有する。いくつかの実施形態では、そのような出血の可能性の増加又は上昇は、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物を投与する前の0分~72時間、又は10分~72時間、又は10分~48時間、又は10分~24時間、又は10分~4時間、又は10分~1時間、又は10分~30分、又は30分~24時間、又は30分~4時間、又は30分~1時間以内に採取された試料に対して行われるインビトロ臨床検査における1つ以上の凝血パラメータの異常な値によって決定され得る。更に、FDPDを含む組成物は、典型的には、例えば対象の出血の可能性を低減するために対象に有効量で投与された後、対象が、1つ以上のインビトロ臨床検査、例えば、FDPDを含む組成物を投与してから15分~4時間後、30分~4時間後、1時間~4時間後に採取された、又は15分~2時間、30分~2時間後、又は1時間~2時間後に採取された、又は15分~1時間後、又は30分~1時間後に採取された血液試料を使用して行われる投与後評価、又はそれらの血液試料に対して行われるインビトロ臨床検査における1つ以上の凝血パラメータの異常値を有するという追加の驚くべき特性を有している。本実施形態のいくつかの下位実施形態では、FDPDを含む組成物は、抗血小板剤を服用していない場合に、対象の出血の可能性を、対象のほぼ正常若しくは正常な止血に、又はほぼ止血レベル若しくは止血レベルに低減することができるという特性を有する。しかしながら、これらの実施形態では、FDPDを含む組成物は、有効量で対象に投与された後、そのような特性が、出血の可能性についての投与後臨床検査から独立しているという追加の驚くべき特性を保持する。したがって、いくつかの実施形態では、対象は、FDPDを含む組成物を投与してから1~4時間後、又はすぐ上で列挙された時間範囲のいずれかに採取された血液試料を使用して行われる投与後評価、又はそれらの血液試料に対して行われるインビトロ臨床検査において、1つ以上の凝血パラメータの異常値を有するであろう。そのような特性、又は評価若しくは試験を含む任意の特性を有するFDPDを含む組成物を含む方法では、そのような試験工程が実際に方法工程として列挙されない限り、そのような方法を実践するために実際に試験を実施する必要はないことが理解されよう。
本明細書の態様のいずれかにおいて、例示的実施形態では、血小板誘導体又はFDPDを含む組成物は、そのような血小板誘導体が乾燥されたとき、又はFDPDがフリーズドライされたときに存在した成分などの追加の成分を更に含む。そのような追加の成分は、1つ以上の塩、緩衝液、並びにある特定の実施形態では凍結保護剤(凍結乾燥剤とも呼ばれる)及び/又は有機溶媒を含むインキュベーション物質の成分を含み得る。例えば、そのような組成物は、本明細書で更に提供されるように、1つ以上の糖を含み得、これは例示的実施形態ではトレハロースを含み、更なる例示的実施形態ではポリスクロースを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、FDPDは、遠心分離を使用して調製される。いくつかの例示的実施形態では、FDPDは、更なる例示的実施形態ではプロセス中に遠心分離によって血小板を単離することなく、TFFを使用して調製される。
本明細書の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、投与後評価において1つ以上の凝血パラメータの値を決定することを更に含み、投与後評価は、投与の後に行われる。いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの投与後の評価は、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて正常な値を示す。方法の更なる実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの投与後評価の結果は、投与前の1つ以上のパラメータの評価の結果から改善される。
方法の更なる実施形態では、抗血小板剤を医学的指示に反して投与することは、対象によって自己投与されるか、別のものによって投与されるか、又は医療専門家によって投与される。
第2の薬剤、典型的には、血小板機能を低下させる第2の薬剤を含む本明細書の態様又は実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の薬剤は、降圧剤、プロトンポンプ阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、化学療法剤、抗生物質、心血管剤、H2アンタゴニスト、神経精神剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、抗うつ剤を含む。更なる実施形態では、抗うつ剤は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニンアンタゴニスト及び再取り込み阻害剤(SARI)、セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の薬剤は、抗凝固剤ではない。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤の投与は、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物が対象に投与される前に、又はそのときに停止される。方法のいくつかの態様では、抗血小板剤の投与は、血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物が対象に投与された後も継続される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、投与前評価において、1つ以上の凝血パラメータについて異常な値を対象が有すると決定することを更に含む。方法のいくつかの態様では、方法は、投与後評価において1つ以上の凝血パラメータの値を決定することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの投与後の評価は、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて正常な結果を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの投与後評価の結果は、投与前の1つ以上のパラメータの評価の結果から改善される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、対象は、手術中の凝血パラメータの1つ以上の投与前評価の異常な結果を有すると特定される。いくつかの実施形態では、手術は、緊急手術である。いくつかの実施形態では、手術は、予定された手術である。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、凝血パラメータは、出血の評価を含む。いくつかの実施形態では、出血の評価は、世界保健機関(WHO)の出血スケールに基づいて行われる。方法のいくつかの実施形態では、投与の前に、対象は、WHO出血スケールに基づいてグレード2、3、又は4の出血を有する。方法のいくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいてグレード0又は1の出血を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも1グレード低い出血を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも2グレード低い出血を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも3グレード低い出血を有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、凝血パラメータの評価は、プロトロンビン時間(PT)の評価を含む。いくつかの実施形態では、PTの異常な結果は、約14秒超のPTを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、又はそれ以上のPTの減少を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、正常なPTを有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)の評価を含む。いくつかの実施形態では、aPTTの異常な結果は、約40秒超のaPTTを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5秒、10秒、15秒、20秒、又はそれ以上のaPTTの減少を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、正常なaPTTを有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、トロンビン凝血時間(TCT)の評価を含む。いくつかの実施形態では、TCTの異常な結果は、約35秒超のTCTを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5秒、10秒、15秒、20秒、又はそれ以上のTCTの減少を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、正常なTCTを有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの評価は、トロンボエラストグラフィー(TEG)を使用して測定される。いくつかの実施形態では、TEGの異常な結果は、約50mm未満の最大振幅(MA)を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、又はそれ以上のMAの増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、正常なMAを有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、TEGの異常な結果は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)約85%未満のパーセント凝集を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、TEGは、アデノシン二リン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される。方法のいくつかの態様では、TEGは、アラキドン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータの評価は、P2Y12反応単位(PRU)又はアスピリン反応単位(ARU)試験方法を使用して測定される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、P2Y12反応単位試験方法の異常な結果は、約195未満、又は約180未満のPRUを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも25、50、75、100、又はそれ以上のPRUの増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、正常なPRUを有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、アスピリン反応単位試験方法の異常な結果は、約550未満、又は約500未満のARUを含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、少なくとも25、50、75、100、又はそれ以上のARUの増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、正常なARUを有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、多重電極凝集測定(MEA)を使用して測定される。いくつかの実施形態では、MEAを使用した異常な結果は、ADP誘発性血小板活性の異常な結果を含む。いくつかの実施形態では、MEAの異常な結果は、ADP誘発性血小板活性の約50単位(U)未満の結果を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、5単位、10単位、15単位、20単位、又はそれ以上のADP誘発性血小板活性の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、ADP誘発性の血小板活性の正常な値を有する。いくつかの実施形態では、MEAの異常な結果は、アラキドン酸誘発性血小板活性の異常な結果を含む。いくつかの実施形態では、MEAの異常な結果は、アラキドン酸誘発性血小板活性の約70単位(U)未満の結果を含む。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、5単位、10単位、15単位、20単位、又はそれ以上のアラキドン酸誘発性血小板活性の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、アラキドン酸誘発性血小板活性の正常な値を有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、1つ以上の凝血パラメータは、光透過凝集測定(LTA)を使用して測定される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、LTAの異常な結果は、(a)5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下での約60%未満のパーセント凝集、(b)2μg/mLのコラーゲンの存在下での約65%未満のパーセント凝集、(c)1mmol/Lのアラキドン酸の存在下での約65%未満のパーセント凝集、(d)2mmol/Lのアラキドン酸の存在下での約69%未満のパーセント凝集、又は(e)5mmol/Lのアラキドン酸の存在下での約73%未満のパーセント凝集のうちの1つ以上を含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2μg/mLのコラーゲンの存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2μg/mLのコラーゲンの存在下で)正常なパーセント凝集を有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、
投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(2mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する。いくつかの実施形態では、投与の後に、対象は、(5mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、方法は、対象に追加の抗血小板剤拮抗物質を投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与と同時に行われる。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与後に行われる。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与の前に行われる。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、組成物は、抗線溶剤を更に含む。いくつかの実施形態では、抗線溶剤は、ε-アミノカプロン酸(EACA)、トラネキサム酸、アプロチニン、アミノメチル安息香酸、フィブリノゲン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、血小板又は血小板誘導体に、抗線溶剤が充填される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、投与は、局所投与、非経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、皮下投与、腹腔内投与、又はそれらの組み合わせを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、組成物は、投与工程の前に乾燥される。いくつかの実施形態では、組成物は、乾燥工程の後に再水和される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、組成物は、投与工程の前にフリーズドライされる。いくつかの実施形態では、組成物は、フリーズドライ工程の後に再水和される。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される1つ以上の塩を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、担体タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、インキュベーション物質は、HEPES、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、又はそれらの組み合わせを含む緩衝液を含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の糖を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖は、トレハロースを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖は、ポリスクロースを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の糖は、デキストロースを含む。
本方法のいくつかの態様では、組成物は、有機溶媒を含む。
本明細書の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、抗血小板剤は、FDPDを含む組成物が、対象の出血の可能性を増加させるレベルで投与される時点で、対象において存在する。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、FDPDを含む組成物が投与された時点後又はFDPDを含む組成物の最初若しくは最後の用量が投与された時点後15、30、若しくは45分以内又は1、2、3、4、6、若しくは8時間以内において、Cmaxで存在する。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日1回、2回、3回、又は4回の、約80mg~約700mgの用量で投与されたことがあるか又は投与されているアスピリンを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、対象が約3~約25mg/LのCmaxを達成するように対象に投与されたことがあるか又は投与されているアスピリンを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約25~約30μg/対象のkg体重の初回投薬量で、又は約3~約5μg/対象のkg体重/分の次の投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているカングレロールを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、対象が約400~約500ng/mLのCmaxを達成するように対象に投与されたことがあるか又は投与されているカングレロールを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約170~約190mgの初回投薬量で、又は1日2回の約80~約100mgの治療1年目での次の投薬量で、又は1日2回の約50~約70mgの治療2年目での次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせて対象に投与されたことがあるか又は投与されているチカグレロールを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、対象が約550~約650ng/mLのCmaxを達成するように対象に投与されたことがあるか又は投与されているチカグレロールを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約275~約325mgの初回投薬量で、又は1日1回の約70~約80mgの次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせて対象に投与されたことがあるか又は投与されているクロピドグレルを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、対象が約6~約20ng/mLのCmaxを達成するように対象に投与されたことがあるか又は投与されているクロピドグレルを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約50~約70mgの初回投薬量で、又は1日1回の約3~約12の次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせて対象に投与されたことがあるか又は投与されているプラスグレルを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、対象が約200~約525ng/mLのCmaxを達成するように対象に投与されたことがあるか又は投与されているプラスグレルを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約170~約190mcg/対象のkg体重の初回投薬量で、任意選択的に約170~約190mcg/対象のkg体重の第2の初回投薬量で、又は約1~約2mcg/対象のkg体重/分の次の投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているエプチフィバチドを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約0.3~約0.5μg/対象のkg体重/分の初回投薬量で約30分間、又は約0.1μg/対象のkg体重/分の次の投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているチロフィバンを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約0.2~約0.3mg/対象のkg体重の初回投薬量で、又は約0.10~約0.15μg/対象のkg体重の次の投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているアブシキシマブを含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約0.2~約0.3mg/対象のkg体重の初回投薬量で、又は約8~約10μg/分の次の投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているアブシキシマブを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日2回の約240~約260mgの投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているチクロピジンを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日1回、2回、3回、又は4回の約100~約600mgの投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているイブプロフェンを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日1回の約2~約3mgの投薬量で、任意選択的にアスピリン又はクロピドグレルとともに対象に投与されたことがある又は投与されているボラパキサールを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日2回の約40~約110mgの投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているシロスタゾールを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約2ng/対象のkg体重/分の初回投薬量、又は約4、6、8、10、12、14、16、18、又は20ng/対象のkg体重/分の次の投薬量で対象に投与されたことがある又は投与されているエポプロステノールを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、1日4回の約60~約110mgの投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているジピリダモールを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、約0.5~約1.3ng/対象のkg体重/分の投薬量で対象に投与されたことがあるか又は投与されているトレプロスチニルナトリウムを含む。
本明細書の態様のいずれかにおいて、方法のいくつかの実施形態、いくつかの態様では、対象は、がんを有しない。
本明細書の方法の態様のいずれかは、本明細書に提供される血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物のための使用、又はそのような組成物を含むキットのための使用であってもよく、そのような「使用」の言語を含む以下の態様に記載されるとおりである。そのような態様がFDPDを指す場合、それらは代わりに血小板誘導体を指し得ることが理解されるであろう。そのような態様は、方法の態様に関して本明細書に提供される要素のうちのいずれか、及び本明細書に提供される実施形態のうちのいずれかを含み得ることが更に理解されるであろう。例えば、有効量の血小板誘導体(例えば、FDPD)を含む組成物を投与することは、対象の出血の可能性が低減されるように、例示的実施形態では正常な止血が回復するように投与することであり得る。そのような態様が障害を指す場合、例示的実施形態における障害は、出血性障害である。そのような障害は、例えば、そのような障害を有する対象からの試料が1つ以上の凝血パラメータについて異常な値をもたらすため、特定され得る。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療するためのキットの製造における、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物の使用が本明細書に提供され、このキットの使用は、(a)投与前評価において、1つ以上の凝血パラメータについて異常値を対象が有すると決定することと、(b)(a)の後に、その必要がある対象に有効量のフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、使用は、投与の前に、対象に抗血小板剤が投与されたと決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、使用は、投与の前に、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、使用は、フリーズドライ血小板誘導体を含む組成物を投与する前の投与前評価において、1つ以上の凝血パラメータについて異常値を対象が有すると決定することを更に含む。いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、第1の抗血小板剤であり、第2の薬剤は、第2の抗血小板剤である。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療するためのキットの製造における、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物の使用が本明細書に提供され、このキットの使用は、その必要がある対象に有効量のFDPDを投与することを含み、FDPDを含む組成物は、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を含む。
一態様では、対象における凝固障害を治療するためのキットの製造における、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物の使用が本明細書に提供され、このキットの使用は、その必要がある対象に有効量のフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を投与することを含み、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与された。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療するためのキットの製造における、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物の使用が本明細書に提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害の治療に使用するための医薬の調製における、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物の使用が本明細書に提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療するためのキットの製造に使用するための、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療するための医薬として使用するための、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害の治療に使用するための、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における障害を治療するためのキットの製造に使用するための、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における障害を治療するための医薬として使用するための、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供される。
一態様では、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における障害の治療に使用するための、本明細書に提供される任意の態様の血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物が本明細書に提供される。
障害の治療に、又はキットの製造に、又は薬剤として使用するための、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を含む本明細書に提供される態様のいずれかでは、障害は、円形脱毛症、フォン・ウィルブランド疾患、血友病、血小板無力症、血小板減少症、血小板減少性紫斑病、外傷、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
凝固障害若しくは障害の治療に、又はキットの製造に、又は医薬として使用するための、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を含む本明細書に提供される態様のいずれかでは、抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、サルポグレラート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
凝固障害若しくは障害の治療に、又はキットの製造に、又は医薬として使用するための、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を含む本明細書に提供される態様のいずれかでは、治療、又はキットの使用、又は医薬は、その必要がある対象に有効量のFDPDを投与することを含み、FDPDを含む組成物は、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で集団中のFDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を含む。いくつかの実施形態では、FDPDは、10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有する。
凝固障害若しくは障害の治療に、又はキットの製造に、又は医薬として使用するための、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を含む本明細書に提供される態様のいずれかでは、FDPDの少なくとも50%は、CD41陽性血小板誘導体であり、CD41陽性FDPDの5%未満は、0.5μm未満の直径を有する微粒子であり、FDPDは、10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有する。
凝固障害若しくは障害の治療に、又はキットの製造に、又は医薬として使用するための、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を含む本明細書に提供される態様のいずれかでは、FDPDは、A)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、FDPDの表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、B)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、FDPDの表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在、及びC)アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較してアゴニストの存在下での血小板活性化マーカーの発現を増加させることができないこと、から選択される、超活性化された血小板の1つ以上の特徴を有する。
凝固障害若しくは障害の治療に、又はキットの製造に、又は医薬として使用するための、血小板誘導体、例示的実施形態ではフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物を含む本明細書に提供される態様のいずれかでは、FDPDを含む組成物の有効量は、1.0×10~1.0×1011/対象kgである。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物の有効量は、1.6×10~5.1×10/対象kgである。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物の有効量は、対象1kg当たり250~5000TGPUの効力を有する量である。いくつかの実施形態では、FDPDを含む組成物の有効量は、1kg当たり300~3800TGPUの効力を有する量である。
更なる例示的態様及び実施形態は、以下のとおり提供される。
いくつかの実施形態では、対象における凝固障害を治療する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態では、対象における凝固障害を治療する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態では、対象における正常な止血を回復させる方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態では、対象における正常な止血を回復させる方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態では、対象を手術のために準備させる方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。手術は、緊急手術であり得る。手術は、予定された手術であり得る。
いくつかの実施形態では、対象を手術のために準備させる方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。手術は、緊急手術であり得る。手術は、予定された手術であり得る。
上記の方法のいくつかの実施形態では、対象は、抗血小板剤によって治療されていたか、又は治療されている。いくつかの実施形態では、抗血小板剤による治療は、停止され得る。いくつかの実施形態では、抗血小板剤による治療は、継続され得る。
いくつかの実施形態では、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む。
いくつかの実施形態では、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法が本明細書に提供され、この方法は、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤の効果は、抗血小板剤の過剰摂取の結果であり得る。
いくつかの実施形態では、抗血小板剤は、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、及びサプリメントからなる群から選択され得る。
本明細書の方法のいずれかのいくつかの実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。投与は、局所投与を含み得る。投与は、非経口投与を含み得る。投与は、静脈内投与を含み得る。投与は、筋肉内投与を含み得る。投与は、髄腔内投与を含み得る。投与は、皮下投与を含み得る。投与は、腹腔内投与を含み得る。組成物は、投与工程の前に乾燥され得る。組成物は、乾燥工程の後に再水和され得る。組成物は、投与工程の前にフリーズドライされ得る。組成物は、フリーズドライ工程の後に再水和され得る。インキュベーション物質は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される1つ以上の塩を含み得る。インキュベーション物質は、担体タンパク質を含み得る。緩衝液は、HEPES、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、又はそれらの組み合わせを含み得る。組成物は、1つ以上の糖を含み得る。1つ以上の糖は、トレハロースを含み得る。1つ以上の糖は、ポリスクロースを含み得る。1つ以上の糖は、デキストロースを含み得る。組成物は、有機溶媒を含み得る。血小板又は血小板誘導体は、FDPDを含み得る。
更なる非限定的な例としての実施形態は、以下のように番号付きの形態で提供される。
実施形態1は、対象における凝固障害を治療する方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態2は、対象における凝固障害を治療する方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態3は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態4は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態5は、対象を手術のために準備させる方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態6は、対象を手術のために準備させる方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態7は、手術が、緊急手術である、実施形態5又は6に記載の方法である。
実施形態8は、手術が、予定された手術である、実施形態5又は6に記載の方法である。
実施形態9は、対象が、抗血小板剤によって治療されていたか、又は治療されている、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態10は、抗血小板剤による治療が、停止される、実施形態9に記載の方法である。
実施形態11は、抗血小板剤による治療が、継続される、実施形態9に記載の方法である。
実施形態12は、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態13は、対象における抗血小板剤の効果を改善する方法であって、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態14は、抗血小板剤の効果が、抗血小板剤の過剰摂取の結果である、実施形態12又は実施形態13に記載の方法である。
実施形態15は、組成物が、抗線溶剤を更に含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態16は、抗線溶剤が、ε-アミノカプロン酸(EACA)、トラネキサム酸、アプロチニン、アミノメチル安息香酸、フィブリノゲン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態15に記載の方法である。
実施形態17は、血小板又は血小板誘導体に、抗線溶剤が充填される、実施形態15又は実施形態16に記載の方法である。
実施形態18は、抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、サプリメント、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態9~16のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態19は、抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態9~16のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態20は、抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、サルポグレラート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態9~16のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態21は、投与が、局所投与を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態22は、投与が、非経口投与を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態23は、投与が、静脈内投与を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態24は、投与が、筋肉内投与を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態25は、投与が、髄腔内投与を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態26は、投与が、皮下投与を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態27は、投与が、腹腔内投与を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態28は、組成物が、投与工程の前に乾燥される、実施形態1~27のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態29は、組成物が、乾燥工程の後に再水和される、実施形態28に記載の方法である。
実施形態30は、組成物が、投与工程の前にフリーズドライされる、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態31は、組成物が、フリーズドライ工程の後に再水和される、実施形態30に記載の方法である。
実施形態32は、インキュベーション物質が、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される1つ以上の塩を含む、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態33は、インキュベーション物質が、担体タンパク質を含む、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態34は、緩衝液が、HEPES、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態35は、組成物が、1つ以上の糖を含む、実施形態1~34のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態36は、1つ以上の糖が、トレハロースを含む、実施形態35に記載の方法である。
実施形態37は、1つ以上の糖が、ポリスクロースを含む、実施形態35又は実施形態36に記載の方法である。
実施形態38は、1つ以上の糖が、デキストロースを含む、実施形態35~37のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態39は、組成物が、有機溶媒を含む、実施形態1~38のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態40は、血小板又は血小板誘導体が、FDPDを含む、実施形態1~39のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態41は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法であって、
(a)対象が、1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を有すると決定することと、
(b)(a)の後に、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と
を含む、方法である。
実施形態42は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法であって、
(a)対象が、1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を有すると決定することと、
(b)(a)の後に、その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態43は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、投与の前に、対象が、1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を有することが決定されている、方法である。
実施形態44は、抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されており、投与の前に、対象が、1つ以上の凝血パラメータの評価について異常な結果を有することが決定されている、方法である。
実施形態45は、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価の結果を決定することを更に含む、実施形態41~44のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態46は、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価が、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて正常な結果を示す、実施形態45に記載の方法である。
実施形態47は、投与の後の1つ以上の凝血パラメータの評価の結果が、投与前の1つ以上のパラメータの評価の結果から改善される、実施形態45に記載の方法である。
実施形態48は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と
を含む、方法である。
実施形態49は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態50は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象が、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される、方法である。
実施形態51は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されており、対象が、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される、方法である。
実施形態52は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態53は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
(a)医学的指示に反して対象に抗血小板剤が投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態54は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象が、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される、方法である。
実施形態55は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されており、対象が、医学的指示に反して抗血小板剤を投与されたことがあると決定される、方法である。
実施形態56は、医学的指示に反して抗血小板剤を投与することが、対象によって自己投与される、実施形態48~55のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態57は、医学的指示に反して抗血小板剤を投与することが、医療専門家によって投与される、実施形態48~55のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態58は、医学的指示が、医療専門家による口頭指示である、実施形態48~57のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態59は、医学的指示が、書面による指示である、実施形態48~57のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態60は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態61は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態62は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると決定される、方法である。
実施形態63は、対象における凝固障害を治療する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されており、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると決定される、方法である。
実施形態64は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態65は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
(a)抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤が対象に投与されたと決定することと、
(b)その必要がある対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態66は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると特定される、方法である。
実施形態67は、対象における正常な止血を回復させる方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されており、対象は、抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を投与されたことがあると特定される、方法である。
実施形態68は、第2の薬剤の投与が停止される、実施形態60~67のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態69は、第2の薬剤の投与が継続される、実施形態60~67のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態70は、第2の薬剤が、降圧剤、プロトンポンプ阻害剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態60~69のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態71は、第2の薬剤が、化学療法剤、抗生物質、心血管剤、H2アンタゴニスト、神経精神剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態60~69のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態72は、第2の薬剤が、抗うつ剤を含む、実施形態60~69のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態73は、抗うつ剤が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニンアンタゴニスト及び再取り込み阻害剤(SARI)、セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態72に記載の方法である。
実施形態74は、第2の薬剤が、抗凝固剤ではない、実施形態60~73のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態75は、抗血小板剤の投与が停止される、実施形態41~74のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態76は、抗血小板剤の投与が継続される、実施形態41~74のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態77は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法であって、
(a)対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することと、
(b)対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含む、方法である。
実施形態78は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法であって、
(a)対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定することと、
(b)対象に有効量の組成物を投与することと
を含み、組成物が、血小板を1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とともにインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスによって調製されている、方法である。
実施形態79は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板又は血小板誘導体と、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質と、を含み、対象は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定された対象であることが決定されている、方法である。
実施形態80は、対象における凝固障害の可能性を予防又は軽減する方法であって、
その必要がある対象に有効量の組成物を投与することを含み、この組成物は、血小板を、1つ以上の塩、緩衝液、任意選択的に凍結保護剤、及び任意選択的に有機溶媒を含むインキュベーション物質とインキュベートして、組成物を形成することを含むプロセスにより調製されており、対象は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が利用できないと決定された対象であることが決定されている、方法である。
実施形態81は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が、対象を特定することができないことを含む理由で利用できない、実施形態77~80のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態82は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が、対象の病歴が利用できないことを含む理由で利用できない、実施形態77~81のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態83は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が、対象が緊急治療を必要としていることを含む理由で利用できない、実施形態77~82のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態84は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が、対象が緊急手術を必要としていることを含む理由で利用できない、実施形態77~83のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態85は、対象が抗血小板剤を投与されたかどうかに関する情報が、対象が緊急手術を受けていることを含む理由で利用できない、実施形態77~84のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態86は、凝血パラメータの1つ以上の評価について異常な結果を対象が有すると決定することを更に含む、実施形態48~85のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態87は、対象が凝血パラメータの1つ以上の評価について異常な結果を有すると決定された、実施形態48~86のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態88は、対象が、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて正常な結果を有すると以前に特定された、実施形態84~87のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態89は、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価の結果を決定することを更に含む、実施形態84~88のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態90は、投与後の1つ以上の凝血パラメータの評価が、1つ以上の凝血パラメータのうちの少なくとも1つについて正常な結果を示す、実施形態89に記載の方法である。
実施形態91は、投与の後の1つ以上の凝血パラメータの評価の結果が、投与前の1つ以上のパラメータの評価の結果から改善される、実施形態89に記載の方法である。
実施形態92は、対象が手術中の凝血パラメータの1つ以上の評価について異常な結果を有すると特定される、実施形態41~47又は86~91のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態93は、手術が、緊急手術である、実施形態92に記載の方法である。
実施形態94は、手術が、予定された手術である、実施形態92に記載の方法である。
実施形態95は、1つ以上の凝血パラメータが、出血の評価を含む、実施形態41~47又は86~94のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態96は、世界保健機関(WHO)出血スケールに基づいて出血の評価が行われる、実施形態95に記載の方法である。
実施形態97は、投与の前に、対象が、WHO出血スケールに基づいてグレード2、3、又は4の出血を有する、実施形態96に記載の方法である。
実施形態98は、投与の後に、対象が、WHO出血スケールに基づいてグレード0又は1の出血を有する、実施形態97に記載の方法である。
実施形態99は、投与の後に、対象が、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも1グレード低い出血を有する、実施形態96に記載の方法である。
実施形態100は、投与の後に、対象が、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも2グレード低い出血を有する、実施形態96に記載の方法である。
実施形態101は、投与の後に、対象が、WHO出血スケールに基づいて、投与の前よりも3グレード低い出血を有する、実施形態96に記載の方法である。
実施形態102は、1つ以上の凝血パラメータが、プロトロンビン時間(PT)の評価を含む、実施形態41~47又は86~101のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態103は、PTの異常な結果が、約14秒超のPTを含む、実施形態102に記載の方法である。
実施形態104は、投与の後に、対象が、少なくとも1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、又はそれ以上のPTの減少を有する、実施形態102又は実施形態103に記載の方法である。
実施形態105は、投与の後に、対象が、正常なPTを有する、実施形態102~104のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態106は、1つ以上の凝血パラメータが、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)の評価を含む、実施形態41~47又は86~105のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態107は、aPTTの異常な結果が、約40秒超のaPTTを含む、実施形態106に記載の方法である。
実施形態108は、投与の後に、対象が、少なくとも5秒、10秒、15秒、20秒、又はそれ以上のaPTTの減少を有する、実施形態106又は実施形態107に記載の方法である。
実施形態109は、投与の後に、対象が、正常なaPTTを有する、実施形態106~108のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態110は、1つ以上の凝血パラメータが、トロンビン凝血時間(TCT)の評価を含む、実施形態41~47又は86~109のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態111は、TCTの異常な結果が、約35秒超のTCTを含む、実施形態110に記載の方法である。
実施形態112は、投与の後に、対象が、少なくとも5秒、10秒、15秒、20秒、又はそれ以上のTCTの減少を有する、実施形態110又は実施形態111に記載の方法である。
実施形態113は、投与の後に、対象が、正常なTCTを有する、実施形態110~111のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態114は、1つ以上の凝血パラメータの評価が、トロンボエラストグラフィー(TEG)を含む、実施形態41~47又は86~113のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態115は、TEGの異常な結果が、約50mm未満の最大振幅(MA)を含む、実施形態114に記載の方法である。
実施形態116は、投与の後に、対象が、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、又はそれ以上のMAの増加を有する、実施形態114又は実施形態115に記載の方法である。
実施形態117は、投与の後に、対象が、正常なMAを有する、実施形態114~116のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態118は、TEGの異常な結果が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)約85%未満のパーセント凝集を含む、実施形態114~117のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態119は、投与の後に、対象が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する、実施形態118に記載の方法である。
実施形態120は、投与の後に、対象が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する、実施形態118又は実施形態119に記載の方法である。
実施形態121は、TEGが、アデノシン二リン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される、実施形態105~120のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態122は、TEGが、アラキドン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される、実施形態105~120のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態123は、1つ以上の凝血パラメータの評価が、VerifyNowを含む、実施形態41~47又は86~122のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態124は、VerifyNowの異常な結果が、約195未満又は約180未満のP2Y12反応単位(PRU)を含む、実施形態123に記載の方法である。
実施形態125は、投与の後に、対象が、少なくとも25、50、75、100、又はそれ以上のPRUの増加を有する、実施形態123又は実施形態124に記載の方法である。
実施形態126は、投与の後に、対象が、正常なPRUを有する、実施形態123~125のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態127は、VerifyNowの異常な結果が、約550未満又は約500未満のアスピリン反応単位(ARU)を含む、実施形態123~126のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態128は、投与の後に、対象が、少なくとも25、50、75、100、又はそれ以上のARUの増加を有する、実施形態126又は実施形態127に記載の方法である。
実施形態129は、投与の後に、対象が、正常なARUを有する、実施形態126~128のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態130は、1つ以上の凝血パラメータが、多重電極凝集測定(MEA)を含む、実施形態41~47又は86~129のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態131は、MEAの異常な結果が、ADP誘発性血小板活性の異常な結果を含む、実施形態130に記載の方法である。
実施形態132は、MEAの異常な結果が、ADP誘導血小板活性の約50単位(U)未満の結果を含む、実施形態131に記載の方法である。
実施形態133は、投与の後に、対象が、5単位、10単位、15単位、20単位、又はそれ以上のADP誘発性血小板活性の増加を有する、実施形態131又は実施形態132に記載の方法である。
実施形態134は、投与の後に、対象が、ADP誘発性血小板活性の正常な値を有する、実施形態131~133のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態135は、MEAの異常な結果が、アラキドン酸誘発性血小板活性の異常な結果を含む、実施形態131~134のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態136は、MEAの異常な結果が、アラキドン酸誘発性血小板活性の約70単位(U)未満の結果を含む、実施形態135に記載の方法である。
実施形態137は、投与の後に、対象が、5単位、10単位、15単位、20単位、又はそれ以上のアラキドン酸誘発性血小板活性の増加を有する、実施形態135又は実施形態136に記載の方法である。
実施形態138は、投与後、対象が、アラキドン酸誘発性血小板活性の正常な値を有する、実施形態135~137のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態139は、1つ以上の凝血パラメータが、光透過凝集測定(LTA)を含む、実施形態41~47又は86~138のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態140は、LTAの異常な結果が、
(a)5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下での約60%未満のパーセント凝集、
(b)2μg/mLのコラーゲンの存在下での約65%未満のパーセント凝集、
(c)1mmol/Lのアラキドン酸の存在下での約65%未満のパーセント凝集、
(d)2mmol/Lのアラキドン酸の存在下での約69%未満のパーセント凝集、又は
(e)5mmol/Lのアラキドン酸の存在下での約73%未満のパーセント凝集のうちの1つ以上を含む、実施形態139に記載の方法である。
実施形態141は、投与の後に、対象が、(5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する、実施形態140に記載の方法である。
実施形態142は、投与の後に、対象が、(5μmol/Lのアデノシン二リン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する、実施形態140又は実施形態141に記載の方法である。
実施形態143は、投与の後に、対象が、(2μg/mLのコラーゲンの存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する、実施形態140に記載の方法である。
実施形態144は、投与の後に、対象が、(2μg/mLのコラーゲンの存在下で)正常なパーセント凝集を有する、実施形態140又は実施形態143に記載の方法である。
実施形態145は、投与の後に、対象が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する、実施形態140に記載の方法である。
実施形態146は、投与の後に、対象が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する、実施形態140又は実施形態145に記載の方法である。
実施形態147は、投与の後に、対象が、(2mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する、実施形態140に記載の方法である。
実施形態148は、投与の後に、対象が、(2mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する、実施形態140又は実施形態147に記載の方法である。
実施形態149は、投与の後に、対象が、(5mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する、実施形態140に記載の方法である。
実施形態150は、投与の後に、対象が、(5mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する、実施形態140又は実施形態149に記載の方法である。
実施形態151は、対象に、追加の抗血小板剤拮抗物質を投与することを更に含む、実施形態41~150のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態152は、組成物の投与が、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与と同時に行われる、実施形態151に記載の方法である。
実施形態153は、組成物の投与が、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与後に行われる、実施形態151に記載の方法である。
実施形態154は、組成物の投与が、追加の抗血小板剤拮抗物質の投与前に行われる、実施形態151に記載の方法である。
実施形態155は、組成物が、抗線溶剤を更に含む、実施形態41~154のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態156は、抗線溶剤が、ε-アミノカプロン酸(EACA)、トラネキサム酸、アプロチニン、アミノメチル安息香酸、フィブリノゲン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態155に記載の方法である。
実施形態157は、血小板又は血小板誘導体に、抗線溶剤が充填される、実施形態155又は実施形態156に記載の方法である。
実施形態158は、抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、サプリメント、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態41~157のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態159は、抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態41~157のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態160は、抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、サルポグレラート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態41~157のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態161は、投与が、局所投与、非経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、皮下投与、腹腔内投与、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態41~160のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態162は、組成物が、投与工程の前に乾燥される、実施形態41~161のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態163は、組成物が、乾燥工程の後に再水和される、実施形態162に記載の方法である。
実施形態164は、組成物が、投与工程の前にフリーズドライされる。実施形態41~161のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態165は、組成物が、フリーズドライ工程の後に再水和される、実施形態164に記載の方法である。
実施形態166は、インキュベーション物質が、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される1つ以上の塩を含む、実施形態41~165のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態167は、インキュベーション物質が、担体タンパク質を含む、実施形態41~166のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態168は、緩衝液が、HEPES、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態41~167のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態169は、組成物が、1つ以上の糖を含む、実施形態41~168のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態170は、1つ以上の糖が、トレハロースを含む、実施形態169に記載の方法である。
実施形態171は、1つ以上の糖が、ポリスクロースを含む、実施形態169又は実施形態170に記載の方法である。
実施形態172は、1つ以上の糖が、デキストロースを含む、実施形態169~171のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態173は、組成物が、有機溶媒を含む、実施形態41~172のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態174は、血小板又は血小板誘導体が、FDPDを含む、実施形態41~173のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態175は、抗血小板剤が、1日1回、2回、3回、又は4回の、約80mg~約700mgの投薬量でアスピリンを含む、実施形態41~174のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態176は、抗血小板剤が、アスピリンを含み、対象が、約3~約25mg/LのCmaxを達成した、実施形態41~175のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態137は、抗血小板剤が、約25~約30μg/対象のkg体重の初回投薬量で、又は約3~約5μg/対象のkg体重/分の次の投薬量で177を含む、実施形態41~176のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態178は、抗血小板剤が、カングレロールを含み、対象が、約400~約500ng/mLのCmaxを達成した、実施形態41~177のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態179は、抗血小板剤が、約170~約190mgの初回投薬量で、又は1日2回の約80~約100mgの治療1年目での次の投薬量で、又は1日2回の約50~約70mgの治療2年目での次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせてチカグレロールを含む、実施形態41~178のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態180は、抗血小板剤が、チカグレロールを含み、対象が、約550~約650ng/mLのCmaxを達成した、実施形態41~179のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態181は、抗血小板剤が、約275~約325mgの初回投薬量で、又は1日1回の約70~約80mgの次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせてクロピドグレルを含む、実施形態41~180のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態182は、抗血小板剤が、クロピドグレルを含み、対象が、約6~約20ng/mLのCmaxを達成した、実施形態41~181のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態183は、抗血小板剤が、約50~約70mgの初回投薬量で、又は1日1回の約3~約12の次の投薬量で、任意選択的にアスピリンと組み合わせてプラスグレルを含む、実施形態41~182のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態184は、抗血小板剤が、プラスグレルを含み、対象が、約200~約525ng/mLのCmaxを達成した、実施形態41~183のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態185は、抗血小板剤が、約170~約190mcg/対象のkg体重の初回投薬量で、任意選択的に約170~約190mcg/対象のkg体重の第2の初回投薬量で、又は約1~約2mcg/対象のkg体重/分の次の投薬量でエプチフィバチドを含む、実施形態41~184のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態186は、抗血小板剤が、約30分間の約0.3~約0.5μg/対象のkg体重/分の初回投薬量で、又は約0.1μg/対象のkg体重/分の次の投薬量でチロフィバンを含む、実施形態41~185のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態187は、抗血小板剤が、約0.2~約0.3mg/対象のkg体重の初回投薬量で、又は約0.10~約0.15μg/対象のkg体重/分の次の投薬量でアブシキシマブを含む、実施形態41~186のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態188は、抗血小板剤が、約0.2~約0.3mg/対象のkg体重の初回投薬量で、又は約8~約10μg/分の次の投薬量でアブシキシマブを含む、実施形態41~187のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態189は、抗血小板剤が、1日2回の約240~約260mgの投薬量でチクロピジンを含む、実施形態41~188のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態190は、抗血小板剤が、1日1回、2回、3回、又は4回の、約100~約600mgの投薬量でイブプロフェンを含む、実施形態41~189のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態191は、抗血小板剤が、1日1回の約2~約3mgの投薬量で、任意選択的にアスピリン又はクロピドグレルとともにボラパキサールを含む、実施形態41~190のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態192は、抗血小板剤が、1日2回の約40~約110mgの投薬量でシロスタゾールを含む、実施形態41~191のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態193は、抗血小板剤が、約2ng/対象のkg体重/分の初回投薬量で、又は約4、6、8、10、12、14、16、18、又は20ng/対象のkg体重/分の次の投薬量でエポプロステノールを含む、実施形態41~192のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態194は、抗血小板剤が、1日4回の約60~約110mgの投薬量でジピリダモールを含む、実施形態41~193のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態195は、抗血小板剤が、約0.5~約1.3ng/対象のkg体重/分の投薬量でトレプロスチニルナトリウムを含む、実施形態41~194のいずれか1つに記載の方法である。
実施形態196は、対象ががんを有しない、請求項1~195のいずれか1つに記載の方法である。
実施例1-P2Y12阻害剤
カングレロールは、クロピドグレル、チカグレロール、及びプラスグレルと同様に、血小板上のP2Y12(ADP)受容体を遮断する。カングレロールを、このクラスの薬物の代表として本実施例で使用する。
FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。光透過凝集測定及びT-TAS(登録商標)実験を、実施例4に従って行った。
多血小板血漿(PRP;全血としてヒトから採取し、白血球(WBC)又は赤血球(rbc)を含まない血漿中の血小板を単離するように処理した)中の血小板の凝集に対するカングレロールの効果を、透過光凝集測定によって評価した。アゴニスト誘発性活性化に応答する血小板(多血小板血漿)の凝集は、0.5μM~3.5μMの治療濃度でのカングレロールによる、10μMのアデノシン二リン酸(ADP)誘発性凝集の完全な阻害を示した(図1)。調査した全ての用量のカングレロールは、PRPにおいてADP誘発性血小板凝集を完全に排除した。
剪断下での血小板閉塞に対するカングレロールの効果を、T-TAS(登録商標)によって評価した。10μMのADPによってインビトロで刺激された新鮮な多血小板血漿(血小板濃度278,000/μL;PRPは、概して、約200,000/μL~約300,000/μLの血小板濃度を有する)は、T-TAS(登録商標)技術を使用してARチップ(コラーゲン及び組織トロンボプラスチン)によって決定されるように、高剪断下で非刺激血小板(PRP)よりも早く閉塞された(図2)。カングレロール単独(1μM)は、閉塞に対する阻害を示さなかったが、ADP(10μM)と組み合わせた場合、血小板の接着及び閉塞を本質的に排除した。これらの結果を、図3及び図4に更に例示する。いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、このパターンが観察されるのは、血小板が、ADPに応答し、かつADP受容体P2Y12の遮断がコラーゲン結合を阻害する形状変化及び凝集を引き起こすカングレロールによって遮断されない他のADP受容体を有し、したがって、血小板が、ADP刺激に起因して互いに結合し得るが、コーティングされたチップ上のコラーゲン結合を防止し得るからであると考えられている。
図3では、曲線下面積(AUC)値(図2のデータに由来;複製は平均化され、1回プロットされる)は、血栓が時間的にどのくらい早く発生し、血栓が発生する場合、それがどのくらい実質的なものであるかの組み合わせた値を示す。PRP AUCは、ADP刺激によって増加した。カングレロールは、AUC値に対してほとんど効果を有しなかったが、ADP刺激と組み合わせた場合、AUCは、ほぼゼロにまで低下した。
図4では、薬物処理を伴うAR T-TAS(登録商標)チップの閉塞までの時間を評価した。PRPは、約20分でチップチャネルを閉塞し、その時間、ADPによる血小板の刺激は低下した。カングレロールは、閉塞時間に対してほとんど効果を有しなかったが、PRP試料へのADP刺激の添加により、本質的に完全に閉塞を阻害した。
血小板の阻害であることが示されている濃度でのADP刺激を有するカングレロールの存在下では、トロンボソーム又はFDPD(図5~図7の「thromb」)は阻害されず、治療レベルでのカングレロールの存在下であっても、FDPDが凝血形成を助け得ることを示す。
剪断下でのFDPDに対するカングレロールの効果を、T-TAS(登録商標)によって評価した。図5は、FDPDが(示されるように、60、90、又は115分間の再水和後に)、ADP(10uM)が存在する状態で、カングレロール(1uM)の不在下又は存在下で、止血機能を保持することを示す。血小板とは異なり、T-TAS(登録商標)ARチップのトロンボソームの閉塞は、カングレロール+ADPの抗血小板効果によって影響を受けない。これは、カングレロール及び同様の薬剤を投与されている患者に注入した場合、FDPDが期待される機能を維持するであろうことを示唆する。これらの結果を、図6及び図7に更に例示する。
図6では、AUC値(図5のデータに由来)は、血栓形成を示す。血漿中のT-TAS(登録商標)ARチップのトロンボソーム接着及び閉塞に対するカングレロール及びADPの効果はなく、FDPDは、カングレロール及びADPにかかわらず、血栓形成を引き起こした。同じ用量のカングレロール及びADPは、新たに採取された血小板を完全に阻害した。
図7では、薬物処理を伴うAR T-TAS(登録商標)チップに対するFDPDの閉塞までの時間(図5のデータに由来)を評価した。血漿中のT-TAS(登録商標)ARチップを使用したトロンボソームの閉塞までの時間に対するカングレロール+ADPからの効果はなかった。同じ用量のカングレロール及びADPは、新たに採取された血小板を完全に阻害した。
実施例2.GPIIb-IIIa阻害剤
以下の結果は、GPIIb-IIIa阻害剤を服用している患者のインビトロモデルにおけるFDPDの影響を実証している。一般的な抗血小板薬であるエプチフィバチドは、フィブリノゲン及びフォン・ウィルブランド因子と相互作用する血小板上のGPIIb-IIIa受容体を競合的に阻害する。
エプチフィバチドは、血小板上のGPIIb-IIIa受容体のフィブリン結合の役割を遮断するペプチド治療薬である。薬物を、典型的には、180μg/kgボーラスとしてIVを介して投与し、続いて2μg/kg/分の連続注入を行う。エプチフィバチドの血中濃度は、典型的には、約1~2μMである。出血時間は、一般に、薬物停止から約1時間以内に正常に戻る。
FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。光透過凝集測定及びT-TAS(登録商標)実験を、実施例4に従って行った。
(多血小板血漿中の)血小板の凝集を、透過光凝集測定を使用して評価した。エプチフィバチドは、PRPにおける光透過凝集測定によって検出されるように、試験した全ての濃度で、PRPにおけるコラーゲン誘発性(10μg/mL)血小板凝集を完全に阻害した。(図8)。
エプチフィバチドの存在下での凝血時間の短縮に対するFDPDの効果も研究した。閉塞時間を回復させるFDPDの能力を、T-TAS(登録商標)システム上で研究した。T-TAS(登録商標)システムは、コラーゲン及びトロンボプラスチン刺激による剪断力下での閉塞時間を測定する。AR T-TAS(登録商標)チップ上の閉塞及びAUCの全血プロファイルは、それぞれエプチフィバチドによって延長及び減少した。エプチフィバチドは、T-TAS(登録商標)ARチップ上の全血の閉塞時間を、用量依存的様式で延長した。この実験では、全血は8分で閉塞し、6μMのエプチフィバチドによって、閉塞時間が16分に延長した(図9)。FDPDは、血栓形成に対するエプチフィバチドの阻害作用に拮抗した。T-TAS(登録商標)ARチップ上の全血閉塞のエプチフィバチド阻害は、約200,000/μL(N=3)のFDPDの添加によって拮抗した。エプチフィバチドによって阻害された全血の試料にFDPD(約200k/μL)を添加した場合、閉塞までの時間は、9分で「正常」に減少した(図10)。
トロンボソーム処理での曲線下面積値もまた、正常な全血試料の値と比較して、FDPDによって増加した。図11は、薬物処理を伴うAR T-TAS(登録商標)チップ上のFDPDの閉塞までの時間を実証し、T-TAS(登録商標)ARチップ閉塞のエプチフィバチド阻害は、FDPD(200,000/μL;N=3)の添加によってほぼ完全に拮抗した。図12では、曲線下面積値は、FDPDがエプチフィバチドによる阻害を正常レベルに戻した血栓形成を示し、T-TAS(登録商標)ARチップへの血小板接着及び閉塞のエプチフィバチド阻害は、FDPD(200,000/μL;N=3)の添加によって克服される。
血小板とは異なり、FDPDは、エプチフィバチドの存在下で、剪断下で閉塞するその能力において阻害されない(図13)。図13は、AR T-TAS(登録商標)システム上の様々なロットのトロンボソームの血栓形成のプロファイルが、エプチフィバチド処理によって変化しなかったことを示す。乏血小板血漿(PPP)中のFDPDを、6uMのエプチフィバチドあり及びなしで、T-TAS(登録商標)ARチップを通して流した。トロンボソームの接着及び閉塞に対するエプチフィバチドの効果はなかった。全てのトロンボソーム濃度は、約300,000/μLであった。
血漿中のFDPD(約300,000/μL)についてのT-TASによるAUC及び閉塞値は、エプチフィバチドの有無にかかわらず同じであった(図14~図15)。図14は、曲線下面積値が、血栓形成を示し、乏血小板血漿中のエプチフィバチドによる変化は観察されなかったことを示す。FDPD T-TAS(登録商標)ARチップの閉塞のAUCに対する6uMのエプチフィバチドの効果はなかった。図15は、AR T-TAS(登録商標)チップ上のFDPDの閉塞までの時間が、エプチフィバチドによって変化しなかったことを示す。乏血小板血漿中のT-TAS(登録商標)ARチップのFDPD閉塞時間に対する6μMのエプチフィバチドからの有意な影響はなかった。
実施例3.COX阻害剤
以下の結果は、COX阻害剤を服用している患者のインビトロモデルにおけるFDPDの影響を実証している。一般的な抗血小板薬であるアスピリンは、血小板中のCOX1酵素を遮断する。COX1は、アラキドン酸のプロスタグランジンへの変換に関与する。
アスピリンは、不可逆的なシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤である。血小板中のCOX酵素は、トロンボキサンA2、プロスタグランジンE2、及びプロスタシクリン(PGI2)の合成に関与する。アスピリンは、血小板内のCOX酵素を永久的に不活性化し、かつ血小板は、新たな酵素を合成するための核物質を有しないため、アスピリン効果を克服するためには、新たな血小板を生成しなければならない。トロンボキサンA2、プロスタグランジンE2、及びプロスタシクリン(PGI2)なしでは、血小板は、その凝集促進活性が制限される。多くの人は、望ましくない凝血事象を防止するために、低用量のアスピリンを維持される。アスピリンのバイオアベイラビリティは、投与経路によって大きく異なり、500μMのピークで単回500mg用量のIV、及び44μMで経口で同じ用量である。
FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。光透過凝集測定及びT-TAS(登録商標)実験を、実施例4に従って行った。
血小板は、コラーゲン及びアラキドン酸刺激によって凝集する。アラキドン酸による刺激は、完全に阻害され得るが、コラーゲンによる刺激の凝集は、100~400μMのアスピリンの濃度で部分的にのみ阻害され得る(図16)。図16は、血小板凝集を誘発した、コラーゲン(10ug/mL)及びアラキドン酸(AA;500ug/mL)を含むPRPにおける光透過凝集測定を示し、この凝集は、試験した全ての用量のアスピリン(ASA)によって阻害された。アスピリンは、アラキドン酸誘発性血小板凝集を完全に排除した。T-TAS(登録商標)上のPLチップシステムを使用して、剪断条件下での脈管構造中のコラーゲンの曝露によるインビトロでの血小板結合及び凝集を模倣した。血小板のこの作用は、100及び500μMのアスピリンの存在下で大きく制限されたが、FDPDの存在下では、少なくとも部分的に戻り得る(約200,000~400,000/μL、図17)。図17は、全血の曲線下面積測定を示し、PL T-TAS(登録商標)チップ上の血栓形成がアスピリンによって阻害され、FDPDにより血栓形成が部分的に戻ったことを示す。
実施例4.プロトコル
FDPDの生成。FDPDを、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,486,617号(例えば、実施例1~5など)及び同第8,097,403号(例えば、実施例1~3など)に記載の手順と一致して調製した。
光透過凝集測定
血小板若しくはFDPD又はその両方の組み合わせを含む血漿試料をキュベットに充填し、凝集測定チャンバに配置する。チャンバは、試料を加温し、一定の攪拌を提供する。凝集の開始は、トロンビン、ADP、コラーゲン、及び血小板凝集を刺激することが知られている任意の薬剤に限定されない複数の種類の阻害剤によって行い得る。試料はまた、エクスビボとして採取されているか、又はインビトロで阻害剤を補充されている場合がある。機器は、2分間の刺激に先立って、最初に光透過を記録することによって、アッセイを開始する。次いで、目的の刺激剤を技術者により導入し、光透過における変化を経時的に記録する。光透過における増加は、血小板凝集における増加に対応する。
ARチップを使用したT-TAS(登録商標)による評価。ARチップは、コラーゲン及び組織因子を含有する単一のチャネルを特徴とし、それらを使用して、凝血及び血小板機能を分析し得る。
T-TAS(登録商標)機器は、製造業者の指示に従って使用するために準備した。ARチップ(Diapharmaカタログ番号TC0101)及びARチップカルシウムトウモロコシトリプシン阻害剤(CaCTI、Diapharmaカタログ番号TR0101)を、室温に加温した。300uLの再水和されたFDPDを、1.7mLの微量遠心管に移し、3900g×10分間でペレットに遠心分離した。FDPDペレットを、George King(GK)プールされた正常なヒト血漿、又は自己血小板を含むか若しくは含まない自己血漿中に、AcT数(Beckman Coulter AcT Diff 2 Cell Counter)によって決定される約100,000~450,000/uLの濃度に再懸濁させた。20uLのCaCTIを、GK血漿中の480uLのFDPD試料と、ピペットで穏やかに混合した。試料を充填し、製造業者の指示に従ってT-TAS(登録商標)上で実行した。
PLチップを使用したT-TAS(登録商標)による評価
PLチップは、ARチップと同様に実行されるが、このチップは、コラーゲン単独でコーティングされている。
トロンビン生成
試薬の調製。トロンビン生成のために、以下のとおり、製造業者からの以下の材料を使用した:FluCaキット(Diagnostica Stago、カタログ番号86197)、トロンビンキャリブレータ(Diagnostica Stago、カタログ番号86197)、PRP試薬(Diagnostica Stago、カタログ番号86196)、OCTOPLAS(登録商標)、溶媒洗剤で処理されたヒトのプールされた血漿(Octapharma、カタログ番号8-68209-952-04)。全ての凍結試薬を、使用前に37℃の水浴で解凍した。全ての試薬を、試薬ラベル上に印刷された体積を使用して、滅菌水で再水和した。再水和の約2分後、試薬を、バイアルを5回反転することによって混合し、そのため塊又は粉末は残っておらず、ボルテックスは使用しなかった。この手順を、再水和の約10分後に繰り返した。全ての試薬を、室温で更に約10分間インキュベートした(再水和後、合計約20分間)。30%のOCTOPLAS(登録商標)溶液を、4.66mlのFDPD対照緩衝液(表B)を2mlのOCTOPLAS(登録商標)と混合することによって調製した。
(表B)FDPD対照緩衝液
Figure 2024507362000010
試料分析-プレートの調製及び試験。FDPDを含有する実験のために、実験用FDPD及び参照FDPDの各々について、FDPD希釈シリーズを生成した(典型的には、1μL当たり194.4K、64.8K、21.6K、及び7.2Kの希釈液を使用した;細胞数を、フローサイトメトリーによって決定する)。別途示されない限り、FDPDを再水和した。最高濃度の希釈液(例えば、194.4kFDPD)を、FDPD、OCTAPLAS(登録商標)、及びFDPD対照緩衝液を組み合わせることによって調製した。残りの希釈液シリーズを、OCTAPLAS(登録商標)の連続1:3希釈によって調製した。各試験試料について、20uLのPRP試薬を、各試料ウェル(Immulon 2HB Clear、丸底96ウェルプレート(VWR、カタログ番号62402-954))に添加し、20uLのトロンビンキャリブレータを、各キャリブレータウェルに添加した。各試料ウェル及びキャリブレータウェルに、FDPD希釈液シリーズの各々80uLを添加した。最後の希釈液まで継続する。次いで、プレートを、Fluoroskan Ascent 96ウェル蛍光プレートリーダー(Thrombinoscope)(ThermoFisher Scientific)内で10分間インキュベートした。このインキュベーション段階中、40μLのFluCa基質を、1.6mlの解凍されたFluo-Bufferに添加し、ボルテックスし、かつ溶液を水浴に戻すことにより、FluCa溶液を調製した。培養が完了したら、製造業者の指示に従って、FluCa溶液をFluroskan機器に添加した。プレートの蛍光を、20秒間隔で、かつ40~41℃の温度で、75分間モニタリングした。
実施例5.
追加の実験を、カングレロール及びアスピリンを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。光透過凝集測定、T-TAS(登録商標)、及びトロンビン生成実験を、実施例4に従って行った。
血栓形成の回復に対するFDPDの効果を、T-TAS(登録商標)技術及びARチップを使用して評価した。図18は、FDPD(1μL当たり250,000個のFDPDの濃度で)、アスピリン(200μM)、カングレロール(1μM)、抗インテグリンアルファ-2(CD49B)抗体6F1(40μg;製品/製造業者情報については、dshb.biology.uiowa.edu/integrin-alpha-2-alpha2beta1?sc=7&category=-107を参照されたい)、及び抗GPIIb/IIIa受容体抗体AP2(20ug/mL;製品/製造業者情報については、kerafast.com/product/2010/anti-glycoprotein-gpiiiagpiib-complex-ap-2-antibodyを参照されたい)の様々な組み合わせで処理された全血の閉塞時間を示す。図19は、未処理全血、及びFDPD(1μL当たり250,000個のFDPDの濃度で)、6F1(40ug/mL、抗CD49b)、ASA(アスピリン、200uM)、及びカングレロール(1uM)を含有する混合物、又はそれらの組み合わせで処理された全血の経時的な閉塞を示す。
血栓形成の回復に対するFDPDの効果も、T-TAS(登録商標)技術及びPLチップを使用して評価した。図20は、緩衝液、アスピリン(500μM)、又はアスピリン(500μM)及びFDPD(1μL当たり250,000個のFDPDの濃度で)でのみ処理された全血の閉塞時間を示す。図21は、全血、アスピリン(500μM)で処理された全血、又はアスピリン(500μM)及びFDPD(250,000/μL)の経時的な閉塞を示す。図22及び図23は、500μMのアスピリンの代わりに100μMのアスピリンを使用した同様の実験データを示す。
トロンビン生成に対するアスピリン処理(濃度)の効果を測定した。FDPDを、ベビーアスピリンを毎日服用している患者からのPPP及び標準血漿(INR=1)の濃度1450、1150、850、650、450、150、50、及び0k/uLで評価した。図24は、FDPDの不在下でのアスピリン血漿のピークトロンビン値が、正常範囲(約45nM、正常範囲は約66~166nMである)を下回ったが、FDPDの添加により、使用された最も低いFDPD濃度(50k/μL)であっても、正常範囲内に戻ったことを示す。値を、約800kのFDPDで再び飽和させ、FDPDの不在下で、この血漿の値の5倍の220nMまで上昇(45~220nMに増加)させた。
実施例6.FDPDは、カングレロールによって誘発される長期PRP閉塞時間に拮抗した
追加の実験を、カングレロールを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。T-TAS(登録商標)を、実施例4に従って行った。
図25A及び図25Bは、100ng/mLのカングレロール及びADPで処理された多血小板血漿が、T-TAS(登録商標)フローシステム(コラーゲン及び組織因子でコーティングされたチャネル)上で、閉塞時間を19分から26分に延長したことを示す。150k/μLのFDPDの添加により、時間が減少して15.3分に戻った。
実施例7.ランダムドナーの血小板(RDP)ではないFDPDは、PRPにおいてチロフィバンによって誘発される延長閉塞時間に拮抗した
追加の実験を、チロフィバンを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。T-TAS(登録商標)を、実施例4に従って行った。ランダムドナーの血小板を、全血から調製した。
図26A及び図26Bは、100ng/mLのチロフィバンで処理された多血小板血漿が、T-TAS(登録商標)フローシステム(コラーゲン及び組織因子でコーティングされたチャネル)上で、閉塞時間を18.43分から閉塞なしに延長したことを示す。150k/μLのFDPDの添加により、時間が減少して12.94分に戻ったが、RDPは、同数では部分的にのみしか回復しなかった。
実施例8.ランダムドナーの血小板ではないFDPDは、PRPにおいてエプチフィバチドによって誘発される延長閉塞時間に拮抗した
追加の実験を、エプチフィバチドを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。T-TAS(登録商標)を、実施例4に従って行った。ランダムドナーの血小板を、全血から調製した。
図27A及び図27Bは、9μMのエプチフィバチドで処理された多血小板血漿が、T-TAS(登録商標)フローシステム(コラーゲン及び組織因子でコーティングされたチャネル)上で、閉塞時間を18.43分から30分超に延長したことを示す。150k/μLのFDPDの添加により、時間が減少して11.56分に戻ったが、閉塞は、同数のRDPでは見られなかった。
実施例9.FDPDは、PRPにおいてAP2(抗GpIIb/IIIa)によって誘発される延長閉塞時間に拮抗した
追加の実験を、AP2を用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。T-TAS(登録商標)を、実施例4に従って行った。ランダムドナーの血小板を、全血から調製した。
図28A及び図28Bは、10μg/mLのAP-2で処理された多血小板血漿が、T-TAS(登録商標)フローシステム(コラーゲン及び組織因子でコーティングされたチャネル)上で、閉塞時間を18.43分から30分超に延長したことを示す。150k/μLのFDPDの添加により、時間が減少して13.14分に戻り、閉塞は、同数のRDPでは17.43分で見られた。
実施例10.FDPDは、アスピリン療法の対象からのPRPにおいて長期閉塞に拮抗した
追加の実験を、アスピリンを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。T-TAS(登録商標)を、実施例4に従って行った。ランダムドナーの血小板を、全血から調製した。対象は、標準用量の81mg/日のアスピリンを服用していた。
図29A及び図29Bは、アスピリン患者から採取した多血小板血漿が、T-TAS(登録商標)フローシステム(コラーゲン及び組織因子でコーティングされたチャネル)上で、閉塞に失敗したことを示す。200k/μLのFDPDの添加により、正常な閉塞時間~16分に戻った。
実施例11.FDPDは、エクスビボのアスピリン多血小板血漿中のトロンビン生成を回復させる
追加の実験を、アスピリンを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。トロンビン生成を、実施例4に従って行った。
図30Aは、PRP試薬で刺激された正常なものに対するアスピリン患者からの多血小板血漿のトロンビン生成が、50k/μLのFDPDで拮抗したことを示す。図30Bは、FDPD(50k/μL)を含む3つの反復アスピリンエクスビボサンプリングにおける、正常なトロンビン産生からの変化及び戻り、ピーク産生までの時間、並びにラグタイムを示す。(n=3 トロンボソームロット、n=2 個体)。
実施例12.FDPDは、NSAIDイブプロフェン療法の対象からのPRPにおいて止血を回復させる
追加の実験を、イブプロフェンであるNSAIDを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。凝集測定及びT-TAS(登録商標)を、実施例4に従って行った。
多血小板血漿を、800mgのイブプロフェンを服用している対象から採取した。図31Aは、アラキドン酸に対する応答における凝集の欠如が、PRPにおけるNSAIDの存在を確認することを示す。図31Bは、T-TAS(登録商標)フローシステム(コラーゲン及び組織因子コーティングチャネル)上の閉塞を示し、イブプロフェン患者からのPRPは閉塞を実証し、一方、ADPの添加は閉塞を消滅させた。150k/μLのトロンボソームの添加により、閉塞が回復した。
実施例13.FDPD(登録商標)は、超薬理学的クロピドグレルによって処置されたNOD-SCIDマウスにおける出血時間を回復させる
追加の実験を、クロピドグレルを用いて行った。FDPDを、実施例4の手順と一致して調製した。
マウスを、クロピドグレルにより5日間処置した。マウスに麻酔をかけ、尾の先端を切断した後、FDPDを直ちに投与した。断尾から尾の出血が止まるまでの時間を、目視検査により記録した。
NOD/SCIDマウスを、臨床用量の約3倍のクロピドグレルにより5日間処置し、次いで、断尾出血モデルにおいて評価した。出血時間(分)を、未処置9分に対し、クロピドグレル処置では17.8分に延長した(データ図示せず)。8μL/グラムのFDPD(200μLで1.8×10^9粒子/mL)による処置により、出血が12.31分に減少した(図32)。
実施例14.閉塞のチカグレロール及びカングレロール阻害のFDPD拮抗の再現性
凍結乾燥ヒト血小板(LHP)とも呼ばれるヒトフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を、実施例15の手順に従って調製した。閉塞時間を測定するために、ARチップを使用してT-TAS(登録商標)実験を実施例4に従って行った。
FDPDを含むか、又は含まない多血小板血漿(PRP)の閉塞時間に対するカングレロール及びチカグレロールの効果を、T-TAS(登録商標)アッセイを使用して評価した。薬剤の濃度は、以下のとおりであった:1μMのカングレロール、500ng/mLのチカグレロール、150k/μLのFDPD、及び2μMのADP。結果を図33A及び図33Bに示す。アデノシン二リン酸(ADP)刺激PRP試料は、19.5±1.5分(n=4)で閉塞を示し、これは、カングレロール(n=4)で28.0±3.0分、又はチカグレロール(n=5)処理で28.0±3.0分に増加した(図33A~図33B)。P2Y12阻害PRPへの150k/μLの凍結乾燥ヒト血小板の添加により、血栓形成までの時間がPRP単独よりも短縮され、カングレロール(n=3)の存在下では15.5±0.5分であったのに対し、チカグレロール(n=5)の存在下では17.5±1.5分であった(図33)。各アッセイ当たりの試験数は、「(n=_)」値として列挙されている。
これらの結果は、ヒトFDPDの存在下でのT-TAS(登録商標)ARチップ上の血小板の閉塞が、カングレロール及びチカグレロールの抗血小板効果の影響を受けないことを実証している。これらの結果は、カングレロール、チカグレロール、及び/又は同様の薬剤が与えられている患者に注入した場合、ヒトFDPDSが期待される機能を維持するであろうことを示唆している。
実施例15.血小板誘導体調製のタンジェンシャルフロー濾過(TFF)法
アフェレーシス血小板は、血小板希釈、血小板濃縮、及び血小板洗浄のプロセス工程を含む、標準的な操作手順に従ってタンジェンシャルフロー濾過を受けた。
血小板ドナー単位を最初に共通の血管にプールした。血小板は、処理中の血小板活性化を低減するために、酸化洗浄緩衝液(例えば、対照緩衝液)で最初に希釈され得るか、又は希釈されなくてもよい。血小板は、2つの処理経路を経ることができ、1)最終生成物濃度に濃縮される前に、所望の残留成分に到達するまで、対照緩衝液(例えば、ドナー血漿)で洗浄されるか、又は2)所望の残留成分に到達するまで、対照緩衝液で洗浄される前に、血小板を最終生成物濃度に濃縮されるか(例えば、ドナー血漿)のいずれかである。次いで、TFF処理された血小板をバイアルに充填し、凍結乾燥し、熱処理する。
1つの特定のプロトコルは、以下のとおりである。
この実施例におけるTFFプロセスの全ての工程について、緩衝液Fを使用した。このプロセスを、18~24℃の温度で行った。
緩衝液F
Figure 2024507362000011
血小板を、Repligen TFFカセット(XPM45L01E)を用いて調製したTFF(PendoTECHコントローラシステム(PendoTECH(登録商標)Princeton,NJ、https://www.pendotech.com)に装填した。TFFプロセスを、0.45μmの孔径を有する膜を使用して行った。血小板を等重量(±10%)の緩衝液Fで希釈した。血小板を約2250×10細胞/μL(±250×10)に濃縮し、次いで約2透析濾過用量(DV)の緩衝液Fで洗浄した。標的血漿パーセンテージは、典型的には、15%未満の相対血漿であった(血漿タンパク質含有量によって決定される)。血漿タンパク質の除去を、既知の相関に対して280nmのUV吸光度によりモニタリングした。
いくつかの場合では、試料は、約51%の相対血漿体積、約8.1%の相対血漿体積、約6.0%の相対血漿体積、及び約1.3%の相対血漿体積に相関するUV吸光度で収集された。低体積アリコートを、約6.0%以下の試料を用いて、各処理工程を通してサンプリングした。
洗浄後、細胞の濃度が2000×10細胞/μL(±300×10)でない場合、細胞を緩衝液Fで希釈するか、又はこの範囲内に入るように濃縮した。細胞を緩衝液Fと接触させる場合はいつでも、全ての状況下において、18~24℃の範囲の温度で行った。より明確にするために、細胞に緩衝液Fの試薬を18~24℃の範囲の温度で与えた。次いで、細胞を典型的にはフリーズドライ(すなわち、凍結乾燥)し、続いて、80℃で24時間加熱(熱処理)し、それにより、フリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を形成し、これは、Cellphire,Inc.によって調製された場合、臨床的使用又は商業的使用のために、THROMBOSOMES(登録商標)とも呼ばれる。
ヒトFDPDを調製するために使用される凍結乾燥手順を、表LA2に提示する。
(表LA2)
Figure 2024507362000012
トロンビン生成研究(TGPU)及び凝集研究などの研究を行うために、FDPDを、典型的には、室温で10分間にわたって水で再水和した。一般に、再水和体積は、乾燥の前に各バイアルを細胞で満たすために使用される体積に等しい。凍結乾燥後に加熱された(熱処理された)血小板誘導体は、焼成FDPDとも称される。一方、凍結乾燥後に加熱(熱処理)されなかったFDPDは、非焼成FDPDと称される。
粉末の形態で凍結乾燥後に得られるヒトFDPDは、例えば、適切な量の液体でバイアルを再水和することができる医師に、バイアル中の乾燥形態のヒトFDPD(例えば、THROMBOSOMES(登録商標))を提供するなど、商業用途に使用され得る。
実施例16.FDPDSは、超薬理学的クロピドグレルによって処置されたNOD-SCIDマウスにおける出血時間を回復させる
ヒトFDPDを、実施例15の手順と一致して調製した。
マウスを、5mg/kgのクロピドグレルにより3日間処置した。マウスに麻酔をかけ、尾の先端を直径1mmで切断し、暖かい生理食塩水に浸し、凝血する時間を記録した。動物の静脈又は動脈に、生理食塩水又は1.6×10/kgのFDPDを注射器で注射し、同時に尾を切断し、断尾試験を開始した。断尾から尾の出血が止まるまでの時間を、失血の停止の目視検査により記録した。
この実験の結果を図34に示す。出血時間(秒)を、クロピドグレル処置では1661+/-257.9秒に、未処置では758.6+/-623.4秒に延長した。1.6×10/kgのFDPDSでの処置により、出血が417.9+/-166.6秒に減少した。一方向ANOVAソフトウェアを使用して、データを分析した。
これらの結果は、ヒトFDPDがクロピドグレル効果に耐性があり、マウス断尾モデルにおいて止血を回復させることを実証している。ヒトFDPDは、クロピドグレルで処置されている患者集団における出血を止めるための効果的な臨床ツールとなる可能性を有する。
実施例17.FDPDは、超薬理学的クロピドグレルによって処置されたニュージーランド白ウサギにおける出血時間を回復させる
追加の実験を、クロピドグレルで処置されたニュージーランド白ウサギを用いて行った。ヒトFDPDを、実施例15の手順と一致して調製した。
ウサギを、23mg/kgのクロピドグレルにより5日間処置した。ウサギを麻酔し、耳を出血させ、凝固する時間を記録した。動物を処置し、静脈又は動脈に生理食塩水又は1.6×10/kgのヒトFDPDを注射し、同時に耳を出血させ、耳出血試験を開始した。耳の出血から出血が止まるまでの時間を、目視検査により記録した。
この実験の結果を図35に示す。出血時間(秒)を、クロピドグレル処置では206.8+/-104.2秒に、未処置では87.1+/-18.2秒に延長した。1.6×10/kgのFDPDSでの処置により、出血が417.9+/-166.6秒に減少した(図35)。一方向ANOVAを使用して、データを分析した。
これらの結果は、ヒトFDPDがクロピドグレル効果に耐性があり、ウサギ耳出血モデルにおいて止血を回復させることを実証している。凍結乾燥ヒト血小板は、クロピドグレルで処置されている患者集団における出血を止めるための有効な臨床ツールとなる可能性を有する。
実施例18.25ng/mLのリバロキサバン処理OCTAPLAS(登録商標)PRP試薬の存在下でのトロンビン生成へのFDPDの寄与
ヒトFDPDを、実施例15に記載の方法に従って調製した。この実施例で使用されるOCTAPLAS(登録商標)血漿は、Octapharma USA,Inc.、117 W.Century Road Paramus,NJ 07652、www.octapharmausa.comから入手可能な溶媒/洗剤処理されたプールされたヒト血漿である。
トロンビン生成アッセイ(TGA)を行って、(1)OCTAPLAS(登録商標)中のトロンビン生成及び内因性トロンビン産生能を、血小板に富む血漿(PRP)を用い、FDPD濃度(0、10、20、40、80、160)×10/μLを漸増的に増加させて、並びに(2)OCTAPLAS(登録商標)中のトロンビン生成及び内因性トロンビン産生能を、血小板に富む血漿試薬(PRP)、25ng/mLのリバロキサバンを用い、FDPD濃度(0、10、20、40、80、160)×10/μLを漸増的に増加させて検出した。リバロキサバンの25ng/mLの用量は、生理学的用量範囲内であり、トロンビン生成を阻害する有効用量である。
この実験の結果を、図36A及び図36Bに示す。これらの結果は、FDPDが低用量であっても、PRP試薬を用いたOCTAPLAS(登録商標)中の25ng/mLの用量のリバロキサバンの存在下で、ある程度のトロンビン生成を触媒し(図36A)、内因性トロンビン産生能を部分的に回復する(図36B)ことができることを実証した。
実施例19.FDPDの添加は、25ng/mLのリバロキサバン処理全血(WB)の閉塞時間の部分的回復を示す
ARチップ(コラーゲン及び組織因子F刺激剤)を使用して、総トロンビン形成分析システム(T-TAS(登録商標))01で閉塞時間を測定した。T-TAS(登録商標)01(Diapharma(登録商標)、https://diapharma.com)機器は、製造業者の指示に従って使用するために準備した。ARチップ(Diapharma番号19001)及びカルシウムトウモロコシトリプシン阻害剤(CaCTI、Diapharmaカタログ番号TR0101)を、それぞれ37℃又は室温に加温した。全血を、アッセイの開始の30分前にクエン酸ナトリウムの管内に回収した。FDPDSを再水和させ、計数し(Beckman Coulter AcT Diff 2 Cell Counter)、示される最終濃度で全血に添加した。リバロキサバン(Cayman Chemicalカタログ番号16043)を100%DMSOに溶解させて、10ug/mLの原液を作製し、示された最終濃度で試料に添加し、最終DMSO含有量を0.25%にした。480uLの試料を20uLのカルシウムCTI試薬と混合し、T-TAS(登録商標)01上のARチップ上で実行した。
FDPDを、実施例15の手順に従って調製した。ARチップの一般的な方法及びOCTAPLAS(登録商標)血漿を使用するTAS(登録商標)01アッセイは、上記の実施例18に記載されている。TAS(登録商標)01アッセイは、リバロキサバンなし、25ng/mLのリバロキサバン、並びに25ng/mLのリバロキサバン及び20k/μLのFDPDを用いて実行した。
経時的な圧力を図37に示すが、圧力の増加は閉塞を示す。結果は、リバロキサバン処理全血にFDPDを添加することによって、閉塞時間が部分的に回復したことを示す。
実施例20.リバロキサバン処理OCTAPLAS(登録商標)又はリバロキサバン処理新鮮PRPへのFDPDの添加は、Thrombodynamicsアナライザシステム(T2T)を使用したフィブリン及びトロンビン生成の回復を示す
Thrombodynamics(登録商標)アナライザシステム(T2T)(Diapharma(登録商標)、https://diapharma.com)を使用して、トロンビン生成及びフィブリン形成を検出した。ヒトFDPDを、実施例15の手順に従って調製した。
Thrombodynamicsの設定及び試料調製は、リン脂質試薬を添加しなかったことを除き、製造業者の推奨に従って行った。実験は、OCTAPLAS(登録商標)又は新鮮PRPのいずれかを用いて行った。OCTAPLAS(登録商標)及びPRPを各々300ng/mLのリバロキサバンで2分間インキュベートし、FDPDSを試料に添加し、次いで試料を試薬1(T2Tアッセイの接触経路阻害剤及びトロンビン蛍光基質)に添加した。OCTAPLAS(登録商標)の実行については20k/μLのFDPDSを添加し、PRPの実行については2k/μLのFDPDSを添加した。試料を、機器プロトコルに従って、37℃で3分間(PRP)又は15分間(OCTAPLAS(登録商標))インキュベートした。インキュベーション後、試料を、TFコーティングされたプラスチックインサートを含むキュベットに添加し、実行を開始した。洗剤処理血漿であるOCTAPLAS(登録商標)に対して、新鮮な血小板を使用した場合の動的応答を観察するためには、新鮮PRP実行における成分の濃度を低下させる。
この実験の結果は、リバロキサバン処理オクタプラス中のFDPDによるフィブリン及びトロンビン生成の回復を示した(図38A~図38C)。結果はまた、内因性血小板の生理学的比率で、リバロキサバン処理新鮮PRP試料(図39A~図39C)中のフィブリン及びトロンビン生成の部分的回復を示した:臨床的に使用する場合に予想されるFDPD FDPDS FDPDS。
実施例21 FDPDSの添加は、臨床的に推奨される用量未満のプロタミンでヘパリン処理試料の凝血形成能力をレスキューする
この実験は、ヘパリン及びプロタミンの臨床的割合がFDPD機能にどのように影響するかを評価した。FDPDを、実施例15の手順に従って調製した。凝固するまでの時間を測定するために活性化凝固時間(ACT)アッセイを行い、トロンビン生成を測定するためにTGAを行った。ACTを使用して最初のヘパリン滴定の実行を行い、異常な凝血時間に達するために必要な最小ヘパリン用量を見出した。結果は、異常な凝血形成に到達するために最低0.8U/mLのヘパリンが必要であることを示した。
図40は、ACT試験を使用した抗凝固剤の存在下で凝固する時間に対するFDPDの効果を示す。活性化凝血時間は、x軸に標識されたように、ヘパリン(H)及びプロタミン(P)を有するプールされた正常血漿を使用して測定した。1/2P、P、及び3/2Pは、それぞれ4、8、及び12μg/mlのプロタミン用量を表す。FDPD(図40では「Tsome」と称される)を、10、25、又は50K/μlで添加した。「0」Tsomeと標識された試料は、プールされた正常血漿に添加された等体積の対照緩衝液を有していた。凡例中の「K」は、10FDPDSを表す。全ての試料は重複して実行された。N=2。統計的関連性を改善するために、実験を別の日に繰り返した。
図41A~図41Cは、TGAを使用して、FDPDがヘパリン及びプロタミンの存在下でトロンビン生成ピークを保持することを示す。図41Aは、1μL当たり5K及び50Kの血小板でのFDPDによるアフェレーシス単位(APU)を比較した、プールされた正常血漿中のトロンビン生成に対する0.1Uヘパリンの効果を示す。図41Bは、1μL当たり10K及び50Kの血小板でのFDPDで、4μg/mlのプロタミン(推奨される拮抗用量の1/2)によって拮抗された0.8U/mLのヘパリンの影響を示す。図41A及び図41BのTGAは、リン脂質及び組織因子の混合物を含有するPRP試薬によって開始される。図41A及び図41Bの破線は、このアッセイで観察される典型的なトロンビンピークを示す。図41Cは、x軸に記載されるように、ヘパリン及びプロタミンで処理された試料のトロンビン生成のピーク高さを示す。空の(白色の塗りつぶし)バーは、対照緩衝液で希釈した試料を表し、塗りつぶされたバーは、FDPDで処理された試料を表す。全ての試料は3連で実行された。統計的関連性を改善するために、実験を別の日に繰り返した。
この実験の結果は、ヘパリン処理試料中に臨床用量未満のプロタミンが存在する場合、FDPDは、凝血するまでの時間(ACT)の用量依存的な減少及びトロンビンピーク高さ(TGA)の増加を課すことを実証している。
実施例22.閉塞のアスピリン(ASA)阻害のFDPD拮抗の再現性
ヒトフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を、実施例15の手順に従って調製した。ARチップを使用してT-TAS(登録商標)実験を実施例4に従って行った。
FDPDを含むか、又は含まないPRPの閉塞時間に対するアスピリンの効果を、T-TASアッセイを使用して評価した。薬剤の濃度は、以下のとおりである:30K/μLのPRP、500μMのアスピリン、及び20k/μLのFDPD。結果を図42に示す。PRP試料は、25:56分のPRP単独時間に対して、アスピリン処置で30分超の閉塞を示し、P2Y12阻害PRPへの20k/μLのFDPDの添加は、PRP単独よりも低い血栓形成までの時間を短縮し、アスピリンの存在下で23:29分であった(図42)。
これらの結果は、ヒトFDPDの存在下でのT-TAS(登録商標)ARチップ上の血小板の閉塞が、アスピリンの抗血小板効果によって影響を受けないことを実証している。これは、アスピリン及び/又は同様の薬剤が与えられている患者に注入した場合、ヒトFDPDSが期待される機能を維持するであろうことを示唆している。
実施例23.閉塞のチカグレロール及びアスピリン(ASA)併用阻害のFDPD拮抗の再現性
ヒトフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を、実施例15の手順に従って調製した。ARチップを使用してT-TAS(登録商標)実験を実施例4に従って行った。
FDPDを含むか、又は含まないPRPの閉塞時間に対するチカグレロール及びアスピリンを合わせた効果を、T-TASアッセイを使用して評価した。薬剤の濃度は、以下のとおりである:50K/μLのPRP、1.5μg/mLのチカグレロール、500μMのアスピリン、及び50k/μLのFDPD。結果を図43に示す。併用チカグレロール及びアスピリン処理PRPへの20k/μLのFDPDの添加は、併用チカグレロール及びアスピリン単独の存在下での30分超の閉塞時間と比較して、血栓形成までの時間を19:36分に短縮した。
これらの結果は、ヒトFDPDの存在下でのT-TAS(登録商標)ARチップ上の血小板の閉塞効果が、チカグレロール及びアスピリンの組み合わされた抗血小板効果によって影響を受けないことを実証している。これは、併用チカグレロール及びアスピリン処理を受けている患者に注入した場合、ヒトFDPDSが期待される機能を維持するであろうことを示唆している。
実施例24.アゴニストの存在下及び新鮮な血小板の不在下ではFDPDは凝集することができない
既知の血小板凝集アゴニストの存在下でFDPD凝集を観察するために、光透過凝集測定(LTA)を使用した。FDPD凝集データを、新鮮な血小板の凝集データと比較した。
「TFF-FDPD」とも称されるFDPDを、実施例15に記載のTFF方法によって生成した。多血小板血漿(PRP)中の新鮮な血小板を、クエン酸デキストロース(ACD)回収管(BD Vacutainer ACD Solution A Blood Collection Tubes参照番号364606)に回収した全血から調製した。Beckman Coulter Avanti J-15R遠心分離機を使用して、ACD-全血を180gで15分間22℃で遠心分離することによって多血小板血漿(PRP)を調製した。ACD-全血を2000gで20分間22℃で遠心分離することによって、乏血小板血漿(PPP)を調製した。
凝集測定研究のための試料調製のために、PRPをPPPで250,000plt/uLの血小板濃度(plt数)に希釈した。Coulter Ac・T diff2血液分析装置を使用して、血小板数を測定した。実施例15に記載のように、タンジェンシャルフロー濾過を使用して、凍結乾燥及び熱処理されたTFF FDPDを調製した。30mLの細胞培養グレードの水(Corningカタログ番号25-055-CI)を使用して、FDPDの30mLバイアルを再水和した。バイアルを、室温で合計10分間インキュベートした。10分間の再水和期間中、バイアルを0、5、及び10分でゆっくりと回転させて、凍結乾燥物の溶解を促進した。本実施例による凝集測定研究を、新鮮な血小板の不在下で行った。したがって、凝集測定研究は、FDPDの凝集能力のみを裏付けたが、共凝集能力は裏付けなかった。凝集測定研究用の試料調製のために、再水和したFDPDを緩衝液中で250,000/μLの血小板数まで希釈した。リストセチン凝集研究に使用したFDPD試料調製物は、20%クエン酸化血漿(George King Bio-Medical,Inc.Pooled Normal Plasma製品番号0010-1)及び緩衝液で構成された。37℃での光透過凝集測定(LTA)(Bio/Data PAP-8E Platelet Aggregometerカタログ番号106075)を使用して、20μMのADP、10μg/mLのコラーゲン、200μMのエピネフリン(Helena Laboratories Platelet Aggregation Kitカタログ番号5369からのADP、コラーゲン、及びエピネフリン試薬)、0.5mg/mLのアラキドン酸(Helena Arachidonic Acid Reagentカタログ)、1mg/mLのリストセチン(Helena Ristocetin for Aggregation Assaysカタログ)、及び10μMのトロンビン受容体活性化因子ペプチド6(TRAP-6)(Sigma Aldrichカタログ番号T1573-5MG)の最終濃度からのFDPD(図44A)及びPRP試料(図44B)の凝集応答を観察した。PPP、緩衝液、又は20%クエン酸化血漿試料を有する緩衝液を、それぞれ20%クエン酸化血漿試料を有するPRP、FDPD、及びFDPDのブランクとして使用した。アゴニスト処置の前に、225μLのFDPD又はPRP試料を、攪拌棒を含む試験管内に逆ピペットした。次いで、試験管を、凝集計の非攪拌インキュベーションウェルに1分間配置した。次いで、試料を1分間攪拌インキュベーションウェルに配置した。次いで、試料を攪拌試験ウェルに配置し、凝集試験を開始した。ベースライン観察の1分後、試料をアゴニストで処理し、凝集応答を記録した。試験実行と同じ手順を使用して、25μL緩衝液の陰性対照を全ての実行と同時に含めて、全ての試料群の自発的ベースライン凝集応答を決定した。
1.7mLの微量遠心管内のFDPD試料調製物を、室温で、20μMのADP、0.5mg/mLのアラキドン酸、10μg/mLのコラーゲン、200μMのエピネフリン、1mg/mLのリストセチン、及び10μMのTRAP-6又は25μLの緩衝液の最終アゴニスト濃度でアゴニストで処理した。FDPD数は、アゴニスト処理の前及び5分後に決定した。LTAによって測定した場合、ADP(図44C)、コラーゲン(図44D)、エピネフリン(図44E)、リストセチン(図44F)、及びTRAP-6(図44G)は、TFF FDPDにおいて凝集応答を引き起こさなかった。前述のアゴニストからのTFF FDPDの応答は、アゴニストなし又は緩衝液の陰性対照から得られるベースライン凝集値と同等であった。TFF FDPDをアラキドン酸(AA)で処理し、LTAによって観察した場合(図44H)、見かけの凝集応答があったが、凝集測定キュベットの目視検査後、溶液が視覚的に透明になったことが観察され、凝集が観察されず、見かけの凝集応答がFDPDの溶解からであり、AA誘発性凝集ではなかったことを示した。TFF FDPDの細胞数による凝集の決定は、全てのアゴニストのLTA結果と同様の結果をもたらした。アゴニストの機能性は、新鮮なPRPに対してLTAを行うことによって確認された(図44B)。ADP、アラキドン酸、コラーゲン、エピネフリン、リストセチン、及びTRAP-6は、PRPにおける強力な凝集応答を表す正常な凝集プロファイル及び大きさをもたらした。PRPにおけるエピネフリンからの凝集応答は低減されたが、エピネフリンは依然としてベースライン凝集を上回る凝集応答を誘引することができた。PRPにおける緩衝液の陰性対照は、アゴニストの添加の前にPRPが活性化されなかったことを示した。凝集試験後のPRP試料の目視検査は、細胞溶解が起こらなかったこと、及び全てのアゴニストについて凝集キュベットにおいて血小板凝集が視覚的に観察されたことを示し、全ての凝集応答が血小板凝集からのものであったことを示した。前述のアゴニストの存在下で観察されたFDPD及び新鮮なPRPの凝集パーセンテージは、表6に記録されている。
(表6)
Figure 2024507362000013
実施例25.FDPDは最大限に活性化される-TRAPの存在下でのFDPDへのアネキシンVの結合
TFFプロセスを使用して調製され、TRAP-6で処理されたFDPDを、FDPDの表面上の活性化された血小板を示すホスファチジルセリン(PS)の存在について試験した。PSの存在は、FDPDに結合するアネキシンV(AV)の分析によって評価した。
実施例15に記載のTFFプロセスを使用して調製されたFDPDの1つの30mLバイアルを、30mLの細胞培養グレードの水(Corningカタログ番号25-055-CI)を使用して再水和した。水をバイアルに添加した後、バイアルを室温で10分間インキュベートした。ケーキの完全な溶解を促進するために、バイアルの穏やかな回転を10分間にわたって2分毎に行った。FDPDが完全に再水和されたら、2つの475μLのアリコートを、2つの別個の1.7mL微量遠心管に移した。第1の管内の試料に25マイクロリットルのHEPES修飾Tryodeアルブミン緩衝液(HMTA)(Cellphire RGT-004)を添加して、TRAP-6なしでFDPDを生成した。25マイクロリットルの400μMのトロンビン受容体活性化ペプチド6(TRAP-6)(Sigma Aldrich カタログ番号T1573-5MG)を第2の管に添加して、TRAP-6でFDPDを生成した。インキュベーション中のTRAP-6の最終濃度は、20μMであった。両方のチューブを5回反転させて混合し、室温で10分間インキュベートした。
HMTA緩衝液又はTRAP-6とともにインキュベーションした後、10μLのFDPD試料を190μLのHMTAに添加することによって、試料を更に1:20に希釈した。HMTAとともにインキュベートされたFDPD及びTRAP-6とともにインキュベートされたFDPDのこれらの希釈された試料を、以下のように1.7mLの微量遠心管内で染色した:未染色対照試料を、10μLのFDPD及び20μLのHMTAを組み合わせることによって生成した。カルシウム不含対照試料を、10μLのFDPD、5μLのアネキシンV-ACP(BD Pharmingenカタログ番号550475)、及び15μLのHMTAを組み合わせることによって生成した。アネキシンV(AV)染色された試験試料を、10μLのFDPD、5μLのAV-ACP、及び9mMのCaClを補充した15μLのHMTAを組み合わせることによって生成した(Cellphire RGT-012ロット番号LAB-0047-21)。AV染色された試験試料中のCaClの最終濃度は、3mMであった。HMTAとともにインキュベートされたFDPD及びTRAP-6とともにインキュベートされたFDPDの両方についての全ての染色試料を3連で生成した。試料を、光から保護された室温で20分間インキュベートした。
インキュベーション後、500μLのHEPES緩衝生理食塩水(HBS)(Cellphire RGT-017)を、全ての未染色対照及びカルシウム不含対照試料に添加した。3mMのCaClを添加した500マイクロリットルのHBSを、AV染色した試験試料に添加した。各試料から100マイクロリットルを96ウェルプレート内の個々のウェルに移し、試料をAgilent Quanteonフローサイトメーターを使用して分析した。
TRAP-6への曝露あり、及びなしで、ヒトアフェレーシス血小板におけるCD62Pの発現を測定することによって、TRAP-6の活性を確認した。2つの475μLアリコートのアフェレーシス血小板を、2つの別個の1.7mL微量遠心管に移した。第1の管内の試料に25マイクロリットルのHMTA緩衝液を添加して、TRAP-6なしでアフェレーシス血小板を生成した。25マイクロリットルの400μMのTRAP-6を第2の管に添加して、TRAP-6を用いてFDPDを生成した。インキュベーション中のTRAP-6の最終濃度は、20μMであった。両方のチューブを5回反転させて混合し、室温で10分間インキュベートした。
HMTA緩衝液又はTRAP-6とともにインキュベーションした後、10μLのアフェレーシス血小板を190μLのHMTAに添加することによって、試料を更に1:20に希釈した。HMTAとともにインキュベートされたアフェレーシス血小板及びTRAP-6とともにインキュベートされたアフェレーシス血小板のこれらの希釈された試料を、以下のように1.7mLの微量遠心管内で染色した:未染色対照試料を、10μLのアフェレーシス血小板及び20μLのHMTAを組み合わせることによって生成した。抗CD62P染色された試験試料を、10μLのアフェレーシス血小板、5μLの抗CD62P-PE抗体(BD Pharmingenカタログ番号550561、ロット番号6322976)、及び15μLのHMTAを組み合わせることによって生成した。HMTAとともにインキュベートされたアフェレーシス血小板及びTRAP-6とともにインキュベートされたアフェレーシス血小板の両方についての全ての染色試料を3連で生成した。試料を、光から保護された室温で20分間インキュベートした。
インキュベーション後、500μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Corning カタログ番号21-040-CV1)を全ての試料に添加した。各試料から100マイクロリットルを96ウェルプレート内の個々のウェルに移し、試料をAgilent Quanteonフローサイトメーターを使用して分析した。
TFFプロセスを使用して製造されたFDPDを、TRAP-6又は緩衝液のいずれかとともにインキュベートし、アネキシンV(AV)で染色して、ホスファチジルセリン(PS)の相対的存在を決定した。アフェレーシス血小板を使用して、TRAP-6活性を確認し(図45A及び表7)、TRAP-6への曝露後のCD62Pの発現の増加は、TRAP-6が血小板発現を促進することができることを裏付けていた。外膜リーフレット上のPS発現は、血小板活性化の特徴であり、PSの膜発現の増加は、より多くの量のAV結合をもたらす。陰性対照として、未染色試料及びAVで染色したがカルシウムを添加しなかった試料をフローサイトメーターで分析した。未染色試料は蛍光シグナルをほとんど又は全く生成せず、FDPDがAVを測定するために選択された波長で自己蛍光性ではないことを示していた(図45B)。カルシウム不含対照試料もまた、蛍光シグナルをほとんど又は全く生成しなかった。PSへのAV結合はカルシウムイオンの存在に依存するため、カルシウム不含対照試料からのシグナルの欠如は、AV-ACPコンジュゲートが非特異的な様式でFDPD膜と会合していなかったことを実証している。カルシウムの存在下でAVで染色した全ての試料は、未染色対照よりも平均して約695倍明るい強力な蛍光シグナルを提供した。この結果は、全てのFDPD試料がPSを発現していた、又はPSを含んでいたことを示している。FDPDをTRAP-6とともにインキュベートしても、平均蛍光強度(MFI)によって測定した場合、AV結合の顕著な増加は生じなかった(図45B)。緩衝液とともにインキュベートしたFDPD及びTRAP-6とともにインキュベートしたFDPDの平均MFI値は、それぞれ、68,179及び68,783であった(表8)。
(表7)
Figure 2024507362000014
(表8)
Figure 2024507362000015
TFFプロセスを使用して製造されたFDPDは、アネキシンV(AV)のFDPDへの結合によって明らかなように、膜上にホスファチジルセリン(PS)を含有することが示された。活性化された血小板へのAVの結合は、カルシウム依存性結合であり、したがって、再水和されたFDPDへのAV結合のカルシウムイオン依存性は、AVコンジュゲートが非特異的な様式でFDPDの膜と会合していなかったことを更に裏付けている。
TRAP-6は、CD62P発現の増加によって明らかなように、アフェレーシス血小板を活性化することが示され、活性化された血小板へのAVの結合を増加させたが、FDPDについてはそうではなかった。TRAP-6インキュベーションあり、又はなしでのFDPDは、同じ高レベルのAV結合を示し、おそらくは、FDPDが凍結乾燥及び/又は再水和プロセス中に最大限に活性化され、更なる刺激/活性化が不可能であるために、TRAP-6が、FDPDについてのPSの更なる表面発現を促進しないことを示す。
実施例26.FDPDの表面上のトロンボスポンジン(TSP1)の存在
トロンボスポンジン(TSP1)は、活性化された血小板の外膜を被覆することが典型的に見出される糖タンパク質であり、活性化することなくFDPDを被覆することが見出された。TSP1の存在は、抗トロンボスポンジン-1(TSP-1)抗体の蛍光によって検出した。
クエン酸デキストロース(ACD)中に回収された全血を180gで10分間遠心分離することによって、新鮮な多血小板血漿(PRP)を単離した。単離されたPRPを、更に823gで10分間再び遠心分離した。次いで、血漿を除去して廃棄し、血小板ペレットをHEPES修飾Tyrodeアルブミン(HMTA)緩衝液中に再懸濁した。得られた洗浄後の血小板試料のアリコートを、2mMのGPRPペプチド(BaChemカタログ番号H-1998.0025)、2mMのCaCl、0.5U/mLのトロンビン(EDM Milliporeカタログ番号605190-1000U)、及び0.5μg/mLのコラーゲン(ChronoParカタログ番号385)の存在下で、室温で10分間血小板をインキュベートすることによって活性化した。洗浄後の血小板の別個のアリコートを、休止陰性対照として使用するために確保した。
FDPDの全ての試料を、実施例15に記載のTFFプロセスを使用して製造した。この実施例で研究されたFDPDは、80℃で24時間凍結乾燥した後に加熱された焼成FDPDであった。全てのバイアルを、適切な量の細胞培養グレードの水を使用して再水和した。水を添加した後、バイアルを室温で10分間インキュベートした。ケーキの完全な溶解を促進するために、バイアルの穏やかな回転を10分間にわたって2分毎に行った。再水和したら、各バイアルからのFDPDの試料を、休止及び活性化された新鮮な洗浄後の血小板アリコートの両方からの試料とともに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Corningカタログ番号21-040-CV)を使用して1:500に3連で希釈した。希釈した試料をQuanteonフローサイトメーターで分析し、血小板及びFDPDの濃度を決定した。これらの濃度に基づいて、各FDPD又は新鮮な血小板試料のアリコートを、1マイクロリットル当たり100,000FDPDの濃度に希釈した。
4μg/mLの抗トロンボスポンジン-1(TSP-1)抗体(Santa Cruz Biotechカタログ番号sc-59887 AF594)を含有する20μLのHMTAに、10μLの希釈FDPD又は血小板を添加することによって、FDPDの各バイアル、並びに休止及び活性化された新鮮な血小板から染色された試料を生成した。20μLのHMTAに10μLの希釈FDPD又は血小板を添加することによって、未染色対照試料を生成した。全ての試料を、光から保護された室温で20分間インキュベートした。インキュベーション後、500μLのPBSを全ての試料に添加した。各試料から100マイクロリットルを96ウェルプレート内の個々のウェルに移し、試料をAgilent Quanteonフローサイトメーターを使用して分析した。
新鮮な血小板及びFDPDの未染色試料は、ほとんど又は全く蛍光シグナルを生成せず、試料がTSP-1の発現又は存在を測定するために選択された波長で自己蛍光性ではないことを示していた。フローサイトメトリーを使用して分析した場合の平均蛍光強度(MFI)の増加によって示されるように、新鮮な血小板への抗TSP-1抗体の結合は、コラーゲン及びトロンビンによる活性化後にわずかに増加した(1,223対3,306)。FDPD試料におけるTSP-1の発現又は存在は、ロット毎に変化し、平均MFI値は91,448であった(図46)。試験された全てのFDPD試料について、蛍光シグナルは、休止又は新鮮な血小板のいずれかによって生成されたシグナルよりも有意に高く、大量のTSP-1が再水和FDPDの表面に結合され得ることを示していた。このデータは、活性化工程を必要としないFDPDが、ある特定の実施形態及び用途において活性化された血小板特性よりも優れている特性を示すことを示唆している。
実施例27.FDPDの表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在
クエン酸デキストロース(ACD)中に回収された全血を180gで10分間遠心分離することによって、新鮮な多血小板血漿(PRP)を単離した。単離されたPRPを、更に823gで10分間再び遠心分離した。次いで、血漿を除去して廃棄し、血小板ペレットをHEPES修飾Tyrodeアルブミン(HMTA)緩衝液中に再懸濁した。得られた洗浄後の血小板試料のアリコートを、2mMのGPRPペプチド(BaChemカタログ番号H-1998.0025)、2mMのCaCl、0.5U/mLのトロンビン(EDM Milliporeカタログ番号605190-1000U)、及び0.5μg/mLのコラーゲン(ChronoParカタログ番号385)の存在下で、室温で10分間血小板をインキュベートすることによって活性化した。洗浄後の血小板の別個のアリコートを、休止陰性対照として使用するために確保した。FDPDの全ての試料を、実施例15に記載のTFFプロセスを使用して調製した。この実施例で研究されたFDPDは、80℃で24時間凍結乾燥した後に加熱された焼成FDPDであった。全てのバイアルを、適切な量の細胞培養グレードの水(Corningカタログ番号25-055-CI)を使用して再水和した。水を添加した後、バイアルを室温で10分間インキュベートした。ケーキの完全な溶解を促進するために、バイアルの穏やかな回転を10分間にわたって2分毎に行った。再水和したら、各バイアルからのFDPDの試料を、休止及び活性化された新鮮な洗浄後の血小板アリコートの両方からの試料とともに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を使用して1:500に3連で希釈した。希釈した試料をQuanteonフローサイトメーターで分析し、濃度を決定した。これらの濃度に基づいて、各FDPD又は新鮮な血小板試料のアリコートを、1マイクロリットル当たり100,000FDPDの濃度に希釈した。
染色前に、抗フォン・ウィルブランド因子抗体(Novus Biologicalsカタログ番号NBP2-54379PE)を10倍に希釈した。10μLの希釈FDPD又は血小板を、10μLの希釈抗体及び10μLのHMTAに添加することによって、FDPDの各バイアル、並びに休止及び活性化された新鮮な血小板から染色された試料を生成した。20μLのHMTAに10μLの希釈FDPD又は血小板を添加することによって、未染色対照試料を生成した。全ての試料を、光から保護された室温で20分間インキュベートした。インキュベーション後、500μLのPBSを全ての試料に添加した。各試料から100マイクロリットルを96ウェルプレート内の個々のウェルに移し、試料をAgilent Quanteonフローサイトメーターを使用して分析した。
新鮮な血小板及びFDPDの未染色試料は、ほとんど又は全く蛍光シグナルを生成せず、試料がvWFの発現又は存在を測定するために選択された波長で自己蛍光性ではないことを示していた。フローサイトメトリーを使用して分析した場合の平均蛍光強度(MFI)の増加によって示されるように、新鮮な血小板への抗vWF抗体の結合は、コラーゲン及びトロンビンによる活性化後に増加した(4,771対19,717)。FDPD試料におけるvWFの発現又は存在は、ロット毎に変化し、平均MFI値は13,991であった(図47)。試験された全てのFDPD試料について、蛍光シグナルは、休止及び活性化された血小板によって生成されたシグナルの間であった。これは、vWFが再水和されたFDPDの表面に存在し、存在するvWFの量が休止血小板に見られる量よりも多いことを示唆している。データは、活性化がない場合でも、FDPDは、休止血小板よりも優れており、活性化された血小板と同様の特性を示すことを示唆している。
実施例28.FDPD-損なわれた膜
凍結乾燥後、80℃で24時間加熱した(焼成FDPD)、又は加熱しなかった(非焼成FDPD)FDPDの膜完全性を試験した。標準製剤の焼成及び非焼成FDPDを、凍結乾燥前材料に対する前方散乱、及び安定した細胞内抗原、β-チューブリンに対する抗体の使用によって分析して、FDPDがIgG(150kDa)に対して透過性であるかどうかを決定した。前方散乱は、レーザーの経路に沿ったレーザー散乱のフローサイトメトリー測定である。より大きな細胞はより多くの散乱光を生成するため、前方散乱(FSC)は、細胞サイズの指標として一般的に使用される。しかしながら、前方散乱はまた、光学密度(すなわち、光透過)を介した試料の膜の完全性を示すことができ、同じサイズであるにもかかわらず、より少ない細胞質材料及び多孔質膜を有する細胞は、無傷である場合の同じ細胞よりも多くの光を透過する(より低いFSCを有する)であろう。
安定した細胞内抗原、β-チューブリンに対する抗体の使用によって、FDPDがIgG(150kDa)に対して透過性であるかどうかを決定するために、実施例15のFDPDを研究した。新鮮な血小板、非焼成FDPD、及び焼成FDPDを固定し、細胞透過化あり、及びなしで抗βチューブリンIgGで染色した。新鮮な血小板は、透過化によるIgG結合の劇的な増加を示したが、焼成FDPD及び非焼成FDPDの両方は、透過化に応答して変化を示さなかった(表9)。固定し、次いで0.2%のTriton-X100で透過化したか、又は透過化せず、次いでフルオロフォアAF594にコンジュゲートした抗βチューブリンIgGで染色した新鮮な血小板及びFDPDからの結果。バックグラウンド蛍光のために未染色試料が含まれている。
(表9)
Figure 2024507362000016
IgG結合研究は、大きな分子が細胞膜を通過することができるように、FDPDの膜の完全性が著しく損なわれていることを示唆している。更に注目すべきは、透過化が前方散乱値の減少を誘発し、同じサイズの粒子について、膜の完全性と光学密度との間の提案された関係を裏付けていることである。
更に、実施例15に記載のTFF法によって調製されたFDPDの前方光散乱の平均強度を、期限内のヒト血小板アフェレーシス単位と比較した。方法は、以下に記載のとおりである。
FDPDの全ての試料を、TFFプロセスを使用して製造した。全てのバイアルを、適切な量の細胞培養グレードの水(Corningカタログ番号25-055-CI)を使用して再水和した。水を添加した後、バイアルを室温で10分間インキュベートした。ケーキの完全な溶解を促進するために、バイアルの穏やかな回転を10分間にわたって2分毎に行った。再水和したら、各バイアルからのFDPDの試料を、期限内ヒト血小板アフェレーシス単休の両方からの試料とともに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Corningカタログ番号21-040-CV)を使用して1:500に3連で希釈した。希釈した試料をQuanteonフローサイトメーターで取得し、濃度を決定した。これらの濃度に基づいて、各FDPD又はアフェレーシス血小板試料のアリコートを、HEPES修飾Tyrodeアルブミン(HMTA)緩衝液(Cellphire RGT-004)中で1マイクロリットル当たり100,000FDPDの濃度に希釈した。
HMTA中の10個の全細胞を含有するFDPD及びヒトアフェレーシス血小板の未染色試料を、500μLのPBで希釈した。各試料から100マイクロリットルを96ウェルプレート内の個々のウェルに移し、試料をAgilent Quanteonフローサイトメーターを使用して分析した。
平均強度を図48に示す。フローサイトメトリーで測定された前方光散乱の平均強度は、アフェレーシス血漿と比較して、FDPDでは明らかに低い(約50%)ことが観察され得る。したがって、同じサイズであるにもかかわらず、より少ない細胞質材料及び多孔質膜を有する細胞は、無傷である場合の同じ細胞よりも多くの光を透過する(より低いFSCを有する)であろうことを、表9の以前の結果とともに裏付けている。
全体的な結果は、膜の完全性がFDPDにおいて実質的に劣化することを示唆しており、血小板細胞内含有物が放出され(例えば、LDH)、大きな分子が細胞性細胞質に入ることができる(例えば、抗β-チューブリンIgG)。FDPDの形質膜は、凍結保存された血小板での凍結が重度の膜機能障害を誘発するには不十分であると思われるため、乾燥(昇華)又は再水和プロセスによって損傷を受ける可能性が高い。これらの結果はまた、FDPDにおいて細胞の外部からのシグナル伝達が不可能であることを暗に意味し、これは(実施例24で観察されるように)凝集応答の欠如によって裏付けられる。焼成は、光学密度の増加をもたらしたが、膜の完全性を有意に改善するとは思われなかった(例えば、IgG β-チューブリン結合)。したがって、本実施例で考察される結果は、本明細書に開示される血小板誘導体が、損なわれた形質膜を有することを示している。
実施例29.表面マーカー及びトロンビン生成
FDPDバッチを、実施例15に記載のTFF法によって生成し、フローサイトメトリーを使用して、細胞表面マーカーの発現、又は存在若しくは不在についてアッセイした。
フローサイトメトリーを使用して、CD41、CD62、及びホスファチジルセリン(PS)の発現、又は存在若しくは存在についてFDPDを評価した。試料は、染色中に約270,000/μLのFDPDを含み、試料をサイトメーターで分析する前に、約1:34に希釈した。FDPD試料を再水和させ、脱イオン水中で1:2に希釈した。抗CD41の原液を、52.4μLのHMTAに47.6μLの抗体を添加することによって希釈した。10μLの希釈FDPDを10μLのHMTA及び10μLの希釈CD41抗体に添加することによって、抗CD41で染色した試料を作製した。12μLの抗CD62を23.8μLの抗CD41及び64.2μLのHMTAと組み合わせることによって、抗CD62マスター混合物を調製した。アイソタイプ対照混合物を同じ様式で作製した。10μLの希釈FDPDを20μLの抗CD62マスターに添加することによって、抗CD62で染色した試料を作製した。アイソタイプマスター混合物を使用して、同じ様式でアイソタイプ対照試料を作製した。11.7μLのAVを83.3μLの抗CD41及び80μLのHMTAと組み合わせることによって、アネキシンV(AV)マスター混合物を調製した。50mMのGPRPを含有する20μLの希釈FDPDを、15mMのCaCl及び20μLのAVマスター混合物を含有する20μLのHMTAに添加することによって、AVで染色した試料を作製した。PSへのAV結合を防止するために、カルシウムを含まないHMTAを使用して、陰性ゲーティング対照試料を同じ様式で作製した。全ての試料を、室温で20分間インキュベートした。インキュベーション後、1mLのHBSを全ての試料に添加した。AV試験試料を希釈するために使用されるHBSは、5mMのCaClを含有した。抗CD41結合を使用して、目的の集団を特定した。CD62及びPSの発現又は存在を、CD41陽性集団内の抗CD62及びAV結合によって評価した。
糖タンパク質IIb(GPIIb、抗原CD41としても知られる)の発現又は存在を、抗CD41抗体(4.8μL、Beckman Coulter部品番号IM1416U)を使用してアッセイした。アッセイしたFDPDは、CD41陽性を示した(表10、図49)。
(表10)
Figure 2024507362000017
ホスファチジルセリン(PS)の発現又は存在を、アネキシンV(AV)(1.3μL、BD Biosciencesカタログ番号550475)を使用してアッセイした。AVは、カルシウム依存性リン脂質結合タンパク質である。アッセイされたFDPDは、AV陽性を示した(表11、図50)。
(表11)
Figure 2024507362000018
P-セレクチン(CD62Pとも称される)の発現又は存在を、抗CD62P抗体(2.4μL、BD Biosciencesカタログ番号550888)を使用してアッセイした。アッセイしたFDPDは、CD62陽性を示した(表12、図51)。
(表12)
Figure 2024507362000019
以下のプロトコルを使用して、組織因子及びリン脂質を含有するPRP試薬の存在下、4.8×10FDPD/μlでトロンビン生成を測定した。平均して、FDPD試料のトロンビンピーク高さ(TPH)は、60.3nMであった。セファリンを陽性対照として使用した。(表13、図52)
試験した各バイアルについて、FDPDの再水和試料を、対照緩衝液中のオクタプラスの30%溶液を使用して、フローサイトメトリー粒子数に基づいて、1μL当たり7,200個の粒子に希釈した。96ウェルプレートにおいて、20μLのPRP試薬(Diagnostica Stagoカタログ番号86196)及び80μLの希釈FDPDを添加することによって、試料ウェルを生成した。20μLのトロンビンキャリブレータ試薬(Diagnostica Stagoカタログ番号86197)を80μLの希釈FDPDに添加することによって、キャリブレータウェルを生成した。プレートをプレートリーダーに装填し、暗所で40℃で10分間インキュベートした。試料のインキュベーション中、40μLのFluCa基質(Diagnostica Stagoカタログ番号86197)を、1.6mLのFluo-Buffer(Diagnostica Stagoカタログ番号86197)に添加し、37℃に温め、ボルテックスして混合することにより、FluCa溶液を調製した。FluCa溶液を分注シリンジに吸引し、20μLを各反応ウェルに機械的に分配し、各ウェルにおける最終FDPD濃度を1μL当たり4,800個の粒子にし、トロンビン生成反応を開始した。トロンビン生成を、75分間にわたり各ウェルで蛍光により測定した。
例示的な段階的プロトコルは、以下のとおりである。
CATソフトウェアを開き、機器をセットアップし、PRP試薬(組織因子及びいくつかのリン脂質を含む)、キャリブレータ、及びフルオロ緩衝液(fluo-buffer)及びフルオロ基質(fluo-substrate)を製造業者のガイドラインに従って調製する。
オクタプラス及びTGA希釈緩衝液を、37℃の水浴中で10分間解凍する。
解凍したオクタプラスをTGA希釈緩衝液に添加し、30%オクタプラスを含む緩衝液を作製する。
30%オクタプラスミックスを使用して、再構成されたセファリンを1:50に希釈し、陽性対照として使用する。
FDPDを細胞培養グレードの水で10分間再水和し、次いで30%オクタプラスで希釈して7,200FDPD/μLにする。
マルチチャネルピペットを使用して、20μLのPRP試薬を各試験ウェルに添加する。20μLのキャリブレータを、各較正ウェルに添加する。
80μLの試料を、各試験及び較正ウェルに添加する。80μLの30%オクタプラスを陰性対照ウェルに添加し、1:50のセファリンを陽性対照ウェルに添加する。
プレートをトレイに挿入し、40℃で10分間インキュベートする。インキュベーション後、フルオロ緩衝液及びフルオロ基質混合物(トロンビンにより切断されると、蛍光シグナルを生成する、蛍光標識ペプチドを含む)を活性ウェルに分配する。
プレートを、20秒間隔で75分間読み取り、完全なトロンビン生成プロファイルをキャプチャする。
(表13)
Figure 2024507362000020
これらのアッセイからのデータを、表14に要約する。
(表14)
Figure 2024507362000021
フローサイトメトリー前方散乱上のサイジングビートを使用して評価した粒子径。
実施例30.微粒子含有量の低減
動的光散乱を使用して、実施例15に従って調製されたFDPD(凍結乾燥されていない)と比較したヒト期限内保存血小板(hIDSP)の微粒子含有量を比較した。結果を、図53A~図53C及び表15に示す。図53A~図53Cは、各データ点の強度の合計が1.0に等しくなるように、相対強度に正規化されたヒストグラムである。例えば、特定のデータ点が0.1のy軸値を有する場合、データ点は、典型的には、試料の散乱強度の10%を構成すると解釈され得る。
FDPDのバッチを製造するために使用されるアフェレーシス単位のプールを分析のために作製した。この試料の種類は、「hIDSP」として示される。動的光散乱(DLS、Thrombolux-Light Integra)分析のために、このhIDSP(ヒト期限内保存血小板)プールの1mLのアリコートを採取した。次いで、このアリコートからの試料を毛細管に収集し、DLS機器に挿入した。毛細管は、温度及び動きを平衡化させるために、機器内に1分間静置された。機械の内部温度は37℃である。1分間の平衡化後、試料の粘度設定を選択した。DLS装置には、アフェレーシス単位など、血漿中の試料の粘度設定が組み込まれている。この粘度設定は、hIDSP試料に使用された。この設定の粘度は、1.060cP(センチポワズ)である。血漿粘度設定を選択した後、試料を分析した。同じhIDSPアリコートから、2番目及び3番目の試料を毛細管に収集し、このhIDSPプロトコルを用いて分析し、3連分析を行った。次いで、微粒子パーセンテージをデータから決定した。「Pre-Lyo」試料は、FDPD製造プロセスからのプロセス中の試料である。この試料の種類は、凍結乾燥の直前に採取された材料である。DLSでこれらの試料を分析するために、試料の粘度測定を行った。粘度計(Rheosense μVISC)には、試料をDLS機器の温度(37℃)にするために使用されるオーブンが組み込まれている。試料の粘度分析の前に、オーブンを37℃に加熱しなければならない。pre-lyo試料の粘度を決定するために、400~350μLの試料をシリンジに収集し、粘度計に挿入した。試料を粘度計に挿入した後、機器の温度は再び37℃に達する必要がある。オーブンが37℃に達した後、400μLに設定された「測定量」を除いて、全ての設定をAUTOにして試料を分析した。この粘度は、同じ試料のDLS測定に使用した。動的光散乱(DLS、Thrombolux-LightIntegra)分析のために、このpre-lyo試料の1mLのアリコートを採取した。次いで、このアリコートからの試料を毛細管に収集し、DLS機器に挿入した。毛細管は、温度及び動きを平衡化させるために、機器内に1分間静置された。機械の内部温度は37℃である。1分間の平衡化後、以前に測定した粘度をDLS機器の粘度設定に入力した。粘度を入力した後、試料を分析した。同じpre-lyoアリコートから、2番目及び3番目の試料を毛細管に収集し、このPre-Lyoプロトコルを用いて分析し、3連分析を行った。次いで、微粒子パーセンテージをデータから決定した。
FDPDを標準プロトコルに従って再水和させ、SeraSub(CST Technologies,Inc.)及びACDの混合物中で1:5に希釈した。SeraSub/ACD希釈液は、SeraSub中のACDの1:9の希釈液からなる。FDPDの1:5希釈液の1mLを、DLSによる分析のために調製した。FDPD希釈液の試料を毛細管に収集し、DLS機器に挿入した。毛細管は、温度及び動きを平衡化させるために、機器内に1分間静置された。機械の内部温度は37℃である。1分間の平衡化後、試料の粘度設定を選択した。試料に使用した粘度は、1.200cPであった。粘度を入力した後、試料を分析した。2番目、3番目、及び4番目の試料を毛細管に収集し、このFDPDプロトコルを用いて分析し、4連分析を行った。次いで、微粒子パーセンテージをデータ(及び該当する場合は血小板半径)から決定した。
(表15)
Figure 2024507362000022
追加の実験では、動的光散乱(DLS)を使用して、実施例15に従って調製された再水和FDPDと比較したヒト期限内保存血小板(hIDSP)の微粒子含有量を比較した。結果を、図54A~図54C及び表16に示す。
(表16)
Figure 2024507362000023
実施例31.9F9及びPAC-1結合
活性化された血小板の凝集は、GPIIb/IIIa複合体の形成によって媒介され、GPIIb/IIIa複合体は、フィブリノゲン(第1因子とも称される)に結合し、凝血を形成し得る。GPIIb/IIIaは、CD41/CD61複合体としても知られる血小板フィブリノゲン受容体である。このプロセスでは、ADPは、GPIIb/IIIa複合体の活性型を促進する。抗体9F9は、細胞膜に関連するフィブリノゲンに結合する。したがって、細胞膜上のフィブリノゲンの存在は、凝血を形成することができるFDPDを示す。
実施例15に従って調製されたFDPDのバイアルを、10mLの脱イオン水を使用して再水和した。FDPDのアリコートを、HMTA(HEPES修飾Tyrodeアルブミン)を使用して、1×10粒子/μLの最終濃度に希釈した。試料を、表17に示すように調製した。20μLのHMTAに10μLの希釈FDPDを添加することによって、未染色試料を調製した。10μLの希釈FDPDを10μLのアイソタイプ対照抗体(BD Biosciencesカタログ番号555748)及び10μLのHMTAに添加することによって、FITCアイソタイプ対照試料を調製した。10μLの希釈FDPDを10μLの9F9抗体(BD Biosciencesカタログ番号340507及び10μLのHMTAに添加することによって、9F9で染色した試料を調製した。10μLの希釈FDPDを5μLのアイソタイプ対照抗体及び15μLのHMTAに添加することによって、PAC-1で染色した試料を調製した。全ての試料を、反応混合物当たり合計1×10個の粒子を使用して2連で調製した。試料を、開放光から離して20分間室温でインキュベートした。インキュベーション後、全ての試料を1mLのHBSで希釈し、ACEA NovoCyteフローサイトメーターを使用して分析した。PAC-1によって生成された蛍光シグナルを使用して、結合したフィブリノゲンなしで活性化GPIIb/IIIa受容体の発現又は存在を決定した。9F9からの蛍光シグナルを使用して、FDPD上の表面受容体へのフィブリノゲンの結合を決定した。
HTMA(HEPES修飾Tyrodeアルブミン)
Figure 2024507362000024
(表17)
Figure 2024507362000025
試料をフローサイトメトリーによってアッセイし、再水和後に表面結合フィブリノゲンが存在することを実証した(図55)が、抗PAC-1抗体は有意な結合を示さない(図56)。これは、PAC-1が同じ複合体に結合するため、TFFによって調製されたFDPDが、GPIIb/GPIIIaの活性型に結合したフィブリノゲンを含むという更なる証拠である。
前述の説明は、本発明の好ましい実施形態を対象とするが、他の変形及び修正が、当業者には明らかであり、かつ本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく行われ得ることに留意されたい。更に、本発明の1つの実施形態に関連して記載される特徴は、上記に明示的に記載されていない場合であっても、他の実施形態と併せて使用され得る。更に、当業者は、上記で考察されるような発明が、異なる順序の工程で、及び/又は開示されるものとは異なる構成のハードウェア要素を用いて実践され得ることを容易に理解するであろう。したがって、本発明はこれらの好ましい実施形態に基づいて記載されているが、ある特定の修正、変形、及び代替的な構成が、本発明の趣旨及び範囲内に留まる一方で、明らかであることは、当業者には明らかであろう。そのように特許請求される本発明の実施形態は、本明細書に本質的に又は明示的に記載され、有効である。したがって、本発明の範囲及び境界を決定するために、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

Claims (72)

  1. 抗血小板剤を投与されているか又は投与されたことがある対象における凝固障害を治療するためのフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物であって、
    前記治療が、
    (a)投与前評価において、1つ以上の凝血パラメータについて異常値を前記対象が有すると決定することと、
    (b)(a)の後に、その必要がある対象に、前記対象の出血の可能性が低減されるように、前記FDPDを含む組成物の有効量を投与することと
    を含み、
    それによって前記凝固障害を治療する、
    前記組成物。
  2. 抗凝固剤を投与されているか又は投与されたことがあることの結果として出血の可能性が増加した対象における凝固障害を治療するためのフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物であって、
    前記治療が、
    出血の可能性が増加した前記対象に、前記対象の前記出血の可能性が低減されるように、前記FDPDを含む組成物の有効量を投与することであって、
    アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中の前記FDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を、前記FDPDを含む前記組成物が含む、前記投与すること
    を含み、
    それによって前記凝固障害を治療する、
    前記組成物。
  3. 前記治療が、前記投与の前に、前記対象に抗血小板剤が投与されたと決定することを更に含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 対象における凝固障害を治療するためのフリーズドライ血小板誘導体(FDPD)を含む組成物であって、
    前記治療が、以下:
    その必要がある対象に、前記対象の出血の可能性が低減されるように、前記FDPDを含む組成物の有効量を投与することであって、
    抗血小板剤及び血小板機能を低下させる第2の薬剤を、前記対象が投与された、かつ
    前記抗血小板剤及び前記第2の薬剤の投与の結果としての出血の可能性の増加が理由で、前記対象にはその必要がある、
    前記投与すること
    を含み、
    それによって前記凝固障害を治療する、
    前記組成物。
  5. 前記治療が、前記FDPDを含む組成物の前記投与の前に、前記抗血小板剤及び血小板機能を低下させる前記第2の薬剤が前記対象に投与されたと決定することを更に含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記治療が、前記フリーズドライ血小板誘導体を含む組成物の前記投与の前の投与前評価において、1つ以上の凝血パラメータについて異常値を前記対象が有すると決定することを更に含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記抗血小板剤が、第1の抗血小板剤であり、前記第2の薬剤が、第2の抗血小板剤である、請求項4に記載の組成物。
  8. 前記第1の抗血小板剤及び前記第2の抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される各々異なる抗血小板剤である、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記第1の抗血小板剤及び前記第2の抗血小板剤が、異なる作用機序を有する、請求項7に記載の組成物。
  10. 前記第1の抗血小板剤及び前記第2の抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される各々異なる抗血小板剤である、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記抗血小板剤が、アスピリン、カングレロール、チカグレロール、クロピドグレル、プラスグレル、エプチフィバチド、チロフィバン、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、チクロピジン、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記抗血小板剤が、カングレロール、チカグレロール、アブシキシマブ、テルトロバン、ピコタミド、エリノグレル、イブプロフェン、ボラパキサール、アトパキサール、シロスタゾール、プロスタグランジンE1、エポプロステノール、ジピリダモール、トレプロスチニルナトリウム、及びサルポグレラートから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  13. アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中の前記FDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDの集団を、前記FDPDを含む組成物が含む、請求項1及び3~5のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記FDPDが、10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記FDPDの少なくとも50%が、CD41陽性FDPDであり、前記CD41陽性FDPDの5%未満が、0.5μm未満の直径を有する微粒子であり、前記FDPDが、10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記抗血小板剤が、CD41/CD61複合体を標的とする、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記FDPDの少なくとも75%が、CD41陽性FDPDである、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記抗血小板剤が、アブシキシマブ、エプチフィバチド、及びチロフィバンのうちの1つ以上から選択される、請求項16に記載の組成物。
  19. アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中の前記血小板誘導体の10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があり、かつ
    超活性化血小板の1つ以上の特徴を有する、
    FDPDの集団を、前記FDPDを含む組成物が含み、前記特徴が、
    A)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、前記FDPDの表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、
    B)休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、前記FDPDの表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在、及び
    C)アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較してアゴニストの存在下での前記血小板活性化マーカーの前記発現を増加させることができないこと
    から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記FDPDを含む組成物が、CD41陽性血小板誘導体を含むFDPDの集団を含み、
    前記集団が、アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で前記集団中の前記FDPDの10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があるFDPDを含み、
    前記FDPDが、アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較して前記アゴニストの存在下での前記血小板活性化マーカーの前記発現を増加させることができず、
    前記FDPDが、10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力を有し、かつ
    CD41陽性FDPDの5%未満が、0.5μm未満の直径を有する微粒子である、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  21. アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下でFDPDの集団中の前記血小板誘導体の10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向があり、かつ
    休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、前記FDPDの表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、及び
    休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、前記FDPDの表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在
    のうちの1つ又は両方を更に有する
    FDPDの集団を、前記FDPDを含む組成物が含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記FDPDを含む組成物がFDPDの集団を含み、前記FDPDの集団が、以下:
    CD41陽性血小板誘導体であって、前記CD41陽性血小板誘導体の5%未満が、0.5μm未満の直径を有する微粒子である、前記CD41陽性血小板誘導体と、
    アゴニストを含むが血小板を含まない凝集条件下で前記集団中の前記血小板誘導体の10%以下が凝集するような低減された凝集する傾向、
    アゴニストの不在下での血小板活性化マーカーの発現と比較して前記アゴニストの存在下での前記血小板活性化マーカーの前記発現を増加させることができないこと、
    休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、前記血小板誘導体の表面上のトロンボスポンジン(TSP)の存在、
    休止血小板の表面上よりも高いレベルでの、前記血小板誘導体の表面上のフォン・ウィルブランド因子(vWF)の存在、及び
    10個の血小板誘導体当たり少なくとも1.5トロンビン生成効力単位(TGPU)の効力
    を有する血小板誘導体と
    を含む、血小板誘導体の集団
    を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記FDPDが、前記対象に投与されたか又は投与されている抗血小板拮抗物質によってターゲティングされた受容体を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  24. 前記FDPDを含む組成物の前記有効量が、1.0×10~1.0×1011/前記対象kgである、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  25. 前記FDPDを含む組成物の前記有効量が、1.6×10~5.1×10/前記対象kgである、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  26. 前記FDPDを含む組成物の前記有効量が、前記対象1kg当たり250~5000TGPUの効力を有する量である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  27. 前記凝固障害を治療することが、前記対象において正常な止血が回復するように、前記対象の前記出血の可能性を低下させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 実施された場合の出血の可能性の投与後評価が正常又は異常な結果をもたらすかどうかとは無関係に、前記FDPDを含む組成物が、前記対象の前記出血の可能性を低減することができるという特性を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  29. 実施された場合の出血の可能性の投与後評価が正常又は異常な結果をもたらすかどうかとは無関係に、正常な止血が前記対象において回復するように、前記FDPDを含む組成物が、インビトロ臨床検査において、1つ以上の凝血パラメータについて異常値を有する対象の出血の可能性を低減することができるという特性を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 前記第2の薬剤が、抗凝固剤ではない、請求項4又は5又は7~10のいずれか一項に記載の組成物。
  31. 前記抗血小板剤の投与が、前記組成物の投与時に停止される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  32. 前記抗血小板剤の投与が、前記組成物の投与後少なくとも1日にわたって継続される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  33. 前記対象が、手術中の凝血パラメータの1つ以上の投与前評価について異常な結果を有すると特定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  34. 前記手術が、緊急手術である、請求項33に記載の組成物。
  35. 前記手術が、予定された手術である、請求項33に記載の組成物。
  36. 前記1つ以上の凝血パラメータが、出血の評価を含む、請求項6に記載の組成物。
  37. 前記出血の評価が、世界保健機関(WHO)出血スケールに基づいて行われる、請求項36に記載の組成物。
  38. 前記投与の前に、前記対象が、前記WHO出血スケールに基づいてグレード2、3、又は4の出血を有する、請求項37に記載の組成物。
  39. 前記投与の後に、前記対象が、前記WHO出血スケールに基づいてグレード0又は1の出血を有する、請求項38に記載の組成物。
  40. 前記投与の後に、前記対象が、前記WHO出血スケールに基づいて、前記投与の前よりも1グレード低い出血を有する、請求項37に記載の組成物。
  41. 前記投与の後に、前記対象が、前記WHO出血スケールに基づいて、前記投与の前よりも2グレード低い出血を有する、請求項37に記載の組成物。
  42. 前記投与の後に、前記対象が、前記WHO出血スケールに基づいて、前記投与の前よりも3グレード低い出血を有する、請求項37に記載の組成物。
  43. 前記1つ以上の凝血パラメータの前記評価が、トロンボエラストグラフィー(TEG)を含み、TEGの異常な結果が得られる、請求項6に記載の組成物。
  44. 前記TEGの異常な結果が、約50mm未満の最大振幅(MA)を含む、請求項43に記載の組成物。
  45. 前記投与の後に、前記対象が、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、又はそれ以上のMAの増加を有する、請求項44に記載の組成物。
  46. 前記投与の後に、前記対象が、正常なMAを有する、請求項44に記載の組成物。
  47. 前記TEGの異常な結果が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)約85%未満のパーセント凝集を含む、請求項43に記載の組成物。
  48. 前記投与の後に、前記対象が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)少なくとも2パーセントポイント、3パーセントポイント、5パーセントポイント、8パーセントポイント、10パーセントポイント、12パーセントポイント、又はそれ以上のパーセント凝集の増加を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  49. 前記投与の後に、前記対象が、(1mmol/Lのアラキドン酸の存在下で)正常なパーセント凝集を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  50. 前記TEGが、アデノシン二リン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される、請求項43に記載の組成物。
  51. 前記TEGが、アラキドン酸誘発性血小板-フィブリン凝血強度を評価するために使用される、請求項43に記載の組成物。
  52. 1つ以上の凝血パラメータの前記評価が、P2Y12反応単位(PRU)及び/又はアスピリン反応単位(ARU)試験を使用して測定され、異常なPRU及び/又は異常なARUが得られる、請求項6に記載の組成物。
  53. 前記P2Y12反応単位試験の異常な結果が、約195未満又は約180未満のPRUである、請求項52に記載の組成物。
  54. 前記投与の後に、前記対象が、少なくとも25、50、75、100、又はそれ以上のPRUの増加を有する、請求項53に記載の組成物。
  55. 前記投与の後に、前記対象が、正常なPRUを有する、請求項53に記載の組成物。
  56. 前記アスピリン反応単位試験の異常な結果が、約550未満又は約500未満のARUである、請求項52に記載の組成物。
  57. 前記投与の後に、前記対象が、少なくとも25、50、75、100、又はそれ以上のARUの増加を有する、請求項56に記載の組成物。
  58. 前記投与の後に、前記対象が、正常なARUを有する、請求項56に記載の組成物。
  59. 前記1つ以上の凝血パラメータが、トロンビン生成アッセイ(TGA)を使用して測定されるトロンビン生成であり、異常なTGA結果が得られる、請求項6に記載の組成物。
  60. 前記1つ以上の凝血パラメータが、全血栓形成の分析である、請求項6に記載の組成物。
  61. 前記使用が、前記対象に追加の抗血小板剤拮抗物質を投与することを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  62. 抗線溶剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  63. 前記抗線溶剤が、ε-アミノカプロン酸(EACA)、トラネキサム酸、アプロチニン、アミノメチル安息香酸、フィブリノゲン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項62に記載の組成物。
  64. 投与が、静脈内投与を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  65. トレハロースを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  66. 1つ以上の塩と、緩衝液とを含むインキュベーション物質を更に含む、請求項65に記載の組成物。
  67. 前記インキュベーション物質が、リン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、及びそれらのうちの2つ以上の組み合わせから選択される1つ以上の塩を含み、前記緩衝液が、HEPES、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、又はそれらの組み合わせを含み、前記組成物が、1つ以上の追加の糖を含む、請求項66に記載の組成物。
  68. ポリスクロースを更に含む、請求項67に記載の組成物。
  69. 有機溶媒を含む、請求項67に記載の組成物。
  70. 前記FDPDを含む組成物が、前記対象の前記出血の可能性を増加させるレベルで投与される時点で、前記抗血小板剤が、前記対象において存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  71. 前記FDPDを含む組成物が前記対象に投与された時点後1時間以内において、前記抗血小板剤がCmaxで存在する、請求項70に記載の組成物。
  72. 前記FDPDが、損なわれた形質膜によって囲まれている、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
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