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JP2024541770A - 神経障害の治療方法 - Google Patents

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JP2024541770A
JP2024541770A JP2024531094A JP2024531094A JP2024541770A JP 2024541770 A JP2024541770 A JP 2024541770A JP 2024531094 A JP2024531094 A JP 2024531094A JP 2024531094 A JP2024531094 A JP 2024531094A JP 2024541770 A JP2024541770 A JP 2024541770A
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JP
Japan
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compound
administered
fesoterodine
pharma
acceptable salt
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Application number
JP2024531094A
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Inventor
リリー,ジェームズ
ウッド,マイケル
Original Assignee
マップライト セラピューティクス,インコーポレイテッド
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Publication date
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Abstract

Figure 2024541770000001
化合物1とフェソテロジンの組み合わせを投与することによる神経障害(レボドパ誘発ジスキネジアなど)の治療方法。

Description

関連出願に対する相互参照
[0001] 本出願は、2021年11月24日に出願された米国仮出願第63/283,140号、及び2022年10月17日に出願された米国仮出願第63/416,745号の利益を主張し、これらのそれぞれは、全ての目的のために参照により組み込まれる。
背景
[0002] 神経障害は、現在、世界中の障害の主な原因である。パーキンソン病(PD)は、運動に影響を及ぼす進行性神経変性障害である。パーキンソン病は、最も一般的な運動障害であり、最も急速に成長する神経障害である。2016年において、パーキンソン病の世界有病率は6,062,893人であり、障害調整生存年(DALY)は320万人、死亡は211,296人であった。これは、世界のPD集団が250万人であった1990年に報告された有病率よりも有意に高い。米国では2017年に、パーキンソン病と診断された個人が100万人と推定された。人口が高齢化するにつれて、PD診断のさらなる実質的な増加が予測される。米国だけでも2037年のPD有病率は、160万を超えると予測されている。
[0003] PDにおける線条体ドーパミン(DA)の喪失から生じる運動症状は、レボドパ(L-ドーパ)治療で日常的に治療されている。長期レボドパ療法は、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)と呼ばれる異常な不随意運動の発生をもたらす。LIDに対する現在の治療選択肢は限られており、多くの副作用を有する。パーキンソン病患者におけるLIDを含むジスキネジアを治療する新しい方法が必要とされている。
[0004] 本開示は、ジスキネジア(LIDを含む)などの神経障害を治療する方法を提供する。
開示の概要
[0005] 実施形態において、本開示は、それを必要とする患者における神経障害の治療方法を提供し、この方法は:
(a)治療有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩、及び
(b)治療有効量のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩
を投与することを含む。
[0006] 実施形態において、神経障害は、ジスキネジアである。
[0007] 実施形態において、ジスキネジアは、レボドパ誘発ジスキネジアである。
[0008] 実施形態において、患者は、パーキンソン病と診断される。
[0009] 実施形態において、患者は、統合失調症の治療を受けている。
[0010] 実施形態において、神経障害は、アルツハイマー病精神病、パーキンソン病精神病、認知症関連精神病、レビー小体型認知症、統合失調症(急性及び維持)、短期精神病性障害又は急性せん妄である。
[0011] 実施形態において、約5mg~約800mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約20mg~約80mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約60mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。
[0012] 実施形態において、投与は、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度を提供する。実施形態において、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度は、約100ng/mL~2500ng/mLである。実施形態において、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度は、約600ng/mLである。
[0013] 実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩は、1日3回投与される。
[0014] 実施形態において、約1mg~約50mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約8mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される。実施形態において、約24mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される。
[0015] 実施形態において、投与は、デスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度(すなわち、化合物1の投与に関連する末梢副作用を低減するのに十分な量)を提供する。実施形態において、フェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度は、約5ng/mL~約30ng/mLである。
[0016] 実施形態において、フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態において、フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。実施形態において、フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、1日3回投与される。
[0017] 実施形態において、化合物1及びフェソテロジンは、別々の医薬組成で投与される。
[0018] 実施形態において、化合物1及びフェソテロジンは、経口投与される。
[0019] 実施形態において、患者は、患者がフェソテロジンを投与されてから少なくとも1時間後に化合物1を投与される。
[0020] 実施形態において、投与は、約10:1~約1000:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する。実施形態において、投与は、100:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する。
[0021] 実施形態において、フェソテロジンの用量及び投与スケジュールは、化合物1を患者に投与することの末梢副作用を低減するように選択される。
図面の簡単な説明
[0022]実施例7に記載されるように、異なる用量の化合物1(1mg、3mg、10mg、20mg、及び40mg)の投与後のベースライン唾液分泌からの変化(mL)を示す。 [0023]実施例7に記載されるように、化合物1単独(40mg)の投与後、及びフマル酸フェソテロジン(8mg)と組み合わせた化合物1(40mg)の投与後のベースライン唾液分泌からの変化(mL)を示す。
発明の詳細な説明
定義
[0024] 本開示を通して、様々な特許、特許出願及び刊行物(非特許刊行物を含む)が参照されている。これらの特許、特許出願、及び刊行物の開示は、その全体が、本開示の日付時点で当業者に公知の最新技術をより完全に説明するために、あらゆる目的のために、参照により本開示に組み込まれる。本開示は、引用された特許、特許出願、及び刊行物と本開示との間に何らかの矛盾がある場合に適用される。
[0025] 便宜上、明細書、実施例、及び特許請求の範囲で使用される特定の用語をここにまとめる。別途定義されない限り、本開示で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
[0026] 「約」という用語は、数値の直前にある場合、範囲(例えば、その値の±10%)を意味する。例えば、「約50」は、本開示の文脈がそうでないことを示すか、又はそのような解釈と矛盾しない限り、45~55を意味することができ、「約25,000」は、22,500~27,500などを意味することができる。例えば、「約49、約50、約55、・・・」などの数値の一覧において、「約50」は、先行値と後続値との間の区間の半分未満、例えば、49.5を超えて52.5未満に及ぶ範囲を意味する。さらに、「約」値「未満」又は「約」値を「超える」という語句は、本明細書で提供される用語「約」の定義を考慮して理解されるべきである。同様に、一連の数値又は値の範囲に先行する場合の「約」(例えば、「約10、20、30」又は「約10~30」)という用語は、それぞれ、一連の全ての値、又は範囲の終点を指す。
[0027] 本明細書で使用される場合、「化合物1」という用語は、以下の構造式:
Figure 2024541770000002

を有する1-(3-メチル-[1,2,4]オキサジアゾール-5-イル)-(1R,5R)-3-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサンを指す。
[0028] 本明細書で使用される「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を伴わずに、妥当な利益/リスク比に相応して、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適した化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指す。
[0029] 「治療有効量」という用語は、以下に例示されるように、疾患治療を含むがこれに限定されない、意図される用途を達成するのに十分な、本明細書に記載される化合物又は医薬組成物の量を指す。例えば、化合物1の有効量は、患者におけるジスキネジアの少なくとも1つの症状を軽減するのに必要な量である。フェソテロジンの有効量は、例えば、唾液分泌、流涙、排尿、排便、胃腸の苦痛及び嘔吐、下痢、縮瞳、気管支漏、気管支痙攣、弛緩、並びに発汗を含む、化合物1の投与に関連する少なくとも1つの副作用を低減するのに必要とされる量である。治療有効量は、意図される用途(インビトロ又はインビボ)、又は治療される対象及び疾患状態、例えば、対象の体重及び年齢、疾患状態の重篤度、投与の様式などに応じて変動し得、これは当業者によって容易に決定され得る。具体的な用量は、例えば、従うべき投与計画、投与のタイミング、それが投与される組織、及びそれが運ばれる物理的送達システムに応じて変化するであろう。
[0030] 本明細書で使用される「治療効果」という用語は、方法及び/又は組成物によって提供される所望の又は有益な効果を指す。例えば、ジスキネジアを治療するための方法は、方法が患者におけるジスキネジアの少なくとも1つの症状を減少させる場合、治療効果を提供する。
[0031] 患者に関して本明細書で使用される「治療する」という用語は、患者の障害(例えば、ジスキネジア)の少なくとも1つの症状を改善することを指す。治療は、障害を改善するか、又は少なくとも部分的に寛解させることであり得る。
本開示の方法
[0032] パーキンソン病(PD)は、振戦、硬直、運動緩慢(ゆっくりとした動き)及び姿勢不安定(平衡問題)を含む主要な運動症状をもたらす。PDにおける線条体ドーパミン(DA)の喪失から生じる運動症状は、レボドパ(L-ドーパ)治療で最も緩和され続ける。芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)を介してドーパミンに生合成的に変換されるレボドパは、PD患者においてドーパミンレベルを増大させるために一般に付与される。
[0033] 長期レボドパ療法は、レボドパ誘発ジスキネジア(LID)と呼ばれる異常な不随意運動の発症をもたらし、これは治療の数ヶ月後に早くも発症する可能性があり、5~10年のL-ドーパ療法後の大部分の患者に影響を及ぼし、レボドパ誘発ジスキネジアは、舞踏病、ジストニア、バリズム、ミオクローヌス、及びアカシジアを含む様々な運動障害を含む可能性があり、最終的に、治療コストの有意な増加に関連する機能不全になる。
[0034] LIDの治療選択肢は不十分である。現在まで、唯一承認された薬物療法であるN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸受容体アンタゴニストアマンタジンは、様々な有効性を示し、その使用は、忍容性の問題と関連している。
[0035] 本開示は、治療有効量の化合物1(M1/M4受容体アゴニスト)を投与することによってレボドパ誘発ジスキネジア(LID)を治療する方法を提供する。本実施例に記載されるように(実施例4参照)、化合物1の投与は、標準的なLID疾患モデルを用いて決定されるLID症状の減少を提供する。したがって、化合物1は、ジスキネジア(LIDを含む)の治療に有用である。しかしながら、ムスカリン受容体アゴニスト(化合物1など)は、望ましくない末梢コリン作動性効果を示す。
[0036] フェソテロジンは、化合物1の投与の末梢コリン作動性効果を低減するために本開示の方法において使用される、M1、M2、M3、M4、及びM5ムスカリン受容体に対して親和性を有する5-ヒドロキシメチルトルテロジン(5-HMT)の非選択的抗ムスカリン剤プロドラッグである。
[0037] 実施形態において、フェソテロジンは、化合物1の投与に伴う副作用を低減する。実施形態において、ジスキネジアの治療方法は、化合物1の投与に関連する副作用(唾液分泌、流涙、排尿、排便、胃腸の苦痛及び嘔吐、下痢、縮瞳、気管支漏血、気管支痙攣、弛緩、及び発汗が挙げられるが、これらに限定されない)を低減する。実施形態において、本開示の方法は、化合物1の投与に関連する末梢副作用を低減する。実施形態において、本開示の方法は、頭痛、錯乱、及び眠気などの、化合物1の投与に関連する中枢性副作用を低減する。
[0038] 本開示は、ムスカリン受容体アゴニスト(例えば、化合物1)を末梢作用性抗コリン薬(例えば、フェソテロジン)と組み合わせて投与して、低下した末梢コリン作動性効果を有するジスキネジアを効果的に治療する方法を提供する方法を提供する。
[0039] 実施形態において、本開示は、それを必要とする患者におけるジスキネジアの治療方法を提供し、この方法は:
(a)治療有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩、及び
(b)治療有効量のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩
を投与することを含む。
[0040] 実施形態において、ジスキネジアは、レボドパ誘発ジスキネジアである。
[0041] 実施形態において、患者は、パーキンソン病と診断されている。
[0042] 実施形態において、本開示は、それを必要とする患者におけるアルツハイマー病精神病、パーキンソン病精神病、認知症関連精神病、レビー小体型認知症、統合失調症(急性及び維持)、短期精神病性障害又は急性せん妄の治療方法を提供し、この方法は:
(a)治療有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩、及び
(b)治療有効量のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩
を投与することを含む。
[0043] 実施形態において、患者は、統合失調症の治療を受けている。実施形態において、患者は、急性統合失調症の治療を受けている。
[0044] 実施形態において、約5mg~約300mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約5mg~約800mg、例えば、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約22mg、約24mg、約26mg、約28mg、約30mg、約32mg、約34mg、約36mg、約38mg、約40mg、約42mg、約44mg、約46mg、約48mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、約660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、約710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、約760mg、約770mg、約780mg、約790mg、又は約800mg(その間の全ての値及び範囲を含む)の化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約20mg~約80mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約20mg~約60mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。
[0045] 実施形態において、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約22mg、約24mg、約26mg、約28mg、約30mg、約32mg、約34mg、約36mg、約38mg、約40mg、約42mg、約44mg、約46mg、約48mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、約600mg、約610mg、約620mg、約630mg、約640mg、約650mg、約660mg、約670mg、約680mg、約690mg、約700mg、約710mg、約720mg、約730mg、約740mg、約750mg、約760mg、約770mg、約780mg、約790mg、又は約800mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約40mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約60mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約80mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。
[0046] 実施形態において、約0.05mg/kg~約8mg/kg、例えば、約0.05mg/kg、約0.10mg/kg、約0.15mg/kg、約0.20mg/kg、約0.25mg/kg、約0.30mg/kg、約0.35mg/kg、約0.40mg/kg、約0.45mg/kg、約0.50mg/kg、約0.55mg/kg、約0.60mg/kg、約0.65mg/kg、約0.70mg/kg、約0.75mg/kg、約0.80mg/kg、約0.85mg/kg、約0.90mg/kg、約0.95mg/kg、約1.00mg/kg、約1.20mg/kg、約1.40mg/kg、約1.60mg/kg、約1.80mg/kg、約2.00mg/kg、約2.20mg/kg、約2.40mg/kg、約2.60mg/kg、約2.80mg/kg、約3.00mg/kg、約3.20mg/kg、約3.40mg/kg、約3.60mg/kg、約3.80mg/kg、約4.00mg/kg、約4.20mg/kg、約4.40mg/kg、約4.60mg/kg、約4.80mg/kg、約5.00mg/kg、約5.20mg/kg、約5.40mg/kg、約5.60mg/kg、約5.80mg/kg、約6.00mg/kg、約6.20mg/kg、約6.40mg/kg、約6.60mg/kg、約6.80mg/kg、約7.00mg/kg、約7.20mg/kg、約7.40mg/kg、約7.60mg/kg、約7.80mg/kg、又は約8.00mg/kg(その間の全ての値及び範囲を含む)の化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。
[0047] 実施形態において、本開示の方法は、患者の化合物1の定常状態血漿濃度によって測定される、化合物1の治療的に有効な血漿濃度を提供する。実施形態において、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度は、約200ng/mL~約1500ng/mLである。実施形態において、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度は、100ng/mL~約2500ng/mL、例えば、約100ng/mL、約110ng/mL、約120ng/mL、約130ng/mL、約140ng/mL、約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約280ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、約400ng/mL、約410ng/mL、約420ng/mL、約430ng/mL、約440ng/mL、約450ng/mL、約460ng/mL、約470ng/mL、約480ng/mL、約490ng/mL、約500ng/mL、約510ng/mL、約520ng/mL、約530ng/mL、約540ng/mL、約550ng/mL、約560ng/mL、約570ng/mL、約580ng/mL、約590ng/mL、約600ng/mL、約610ng/mL、約620ng/mL、約630ng/mL、約640ng/mL、約650ng/mL、約660ng/mL、約670ng/mL、約680ng/mL、約690ng/mL、約700ng/mL、約710ng/mL、約720ng/mL、約730ng/mL、約740ng/mL、約750ng/mL、約760ng/mL、約770ng/mL、約780ng/mL、約790ng/mL、約800ng/mL、約810ng/mL、約820ng/mL、約830ng/mL、約840ng/mL、約850ng/mL、約860ng/mL、約870ng/mL、約880ng/mL、約890ng/mL、約900ng/mL、約910ng/mL、約920ng/mL、約930ng/mL、約940ng/mL、約950ng/mL、約960ng/mL、約970ng/mL、約980ng/mL、約990ng/mL、約1000ng/mL、約1050ng/mL、約1100ng/mL、約1150ng/mL、約1200ng/mL、約1250ng/mL、約1300ng/mL、約1350ng/mL、約1400ng/mL、約1450ng/mL、約1500ng/mL、約1550ng/mL、約1600ng/mL、約1650ng/mL、約1700ng/mL、約1750ng/mL、約1800ng/mL、約1850ng/mL、約1900ng/mL、約1950ng/mL、又は約2000ng/mL、約2050ng/mL、約2100ng/mL、約2150ng/mL、約2200ng/mL、約2250ng/mL、約2300ng/mL、約2350ng/mL、約2400ng/mL、約2450ng/mL、又は約2500ng/mL(その間の全ての値及び範囲を含む)である。実施形態において、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度は、約500ng/mL~1000ng/mLである。実施形態において、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度は、約600ng/mLである。
[0048] 実施形態において、本開示の方法は、患者の化合物1の平均最大血中濃度(Cmax)によって測定される、化合物1の治療的に有効な血漿濃度を提供する。実施形態において、本開示の方法は、約400ng/mL~約2500ng/mL、例えば、約400ng/mL、約410ng/mL、約420ng/mL、約430ng/mL、約440ng/mL、約450ng/mL、約460ng/mL、約470ng/mL、約480ng/mL、約490ng/mL、約500ng/mL、約510ng/mL、約520ng/mL、約530ng/mL、約540ng/mL、約550ng/mL、約560ng/mL、約570ng/mL、約580ng/mL、約590ng/mL、約600ng/mL、約610ng/mL、約620ng/mL、約630ng/mL、約640ng/mL、約650ng/mL、約660ng/mL、約670ng/mL、約680ng/mL、約690ng/mL、約700ng/mL、約710ng/mL、約720ng/mL、約730ng/mL、約740ng/mL、約750ng/mL、約760ng/mL、約770ng/mL、約780ng/mL、約790ng/mL、約800ng/mL、約810ng/mL、約820ng/mL、約830ng/mL、約840ng/mL、約850ng/mL、約860ng/mL、約870ng/mL、約880ng/mL、約890ng/mL、約900ng/mL、約910ng/mL、約920ng/mL、約930ng/mL、約940ng/mL、約950ng/mL、約960ng/mL、約970ng/mL、約980ng/mL、約990ng/mL、約1000ng/mL、約1050ng/mL、約1100ng/mL、約1150ng/mL、約1200ng/mL、約1250ng/mL、約1300ng/mL、約1350ng/mL、約1400ng/mL、約1450ng/mL、約1500ng/mL、約1550ng/mL、約1600ng/mL、約1650ng/mL、約1700ng/mL、約1750ng/mL、約1800ng/mL、約1850ng/mL、約1900ng/mL、約1950ng/mL、又は約2000ng/mL、約2050ng/mL、約2100ng/mL、約2150ng/mL、約2200ng/mL、約2250ng/mL、約2300ng/mL、約2350ng/mL、約2400ng/mL、約2450ng/mL、又は約2500ng/mL(その間の全ての値及び範囲を含む)の化合物1の平均最大血漿濃度(Cmax)を提供する。実施形態において、本開示の方法は、約2500ng/mLの化合物1のCmaxを提供する。実施形態において、本開示の方法は、約1000ng/mLの化合物1のCmaxを提供する。実施形態において、本開示の方法は、約400ng/mLの化合物1のCmaxを提供する。
[0049] 実施形態において、本開示の方法は、患者の化合物1の平均最小血漿濃度(Cmin)によって測定される、化合物1の治療的に有効な血漿濃度を提供する。実施形態において、本開示の方法は、200ng/mL~約1000ng/mL、例えば、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、約230ng/mL、約240ng/mL、約250ng/mL、約260ng/mL、約270ng/mL、約280ng/mL、約290ng/mL、約300ng/mL、約310ng/mL、約320ng/mL、約330ng/mL、約340ng/mL、約350ng/mL、約360ng/mL、約370ng/mL、約380ng/mL、約390ng/mL、約400ng/mL、約410ng/mL、約420ng/mL、約430ng/mL、約440ng/mL、約450ng/mL、約460ng/mL、約470ng/mL、約480ng/mL、約490ng/mL、約500ng/mL、約510ng/mL、約520ng/mL、約530ng/mL、約540ng/mL、約550ng/mL、約560ng/mL、約570ng/mL、約580ng/mL、約590ng/mL、約600ng/mL、約610ng/mL、約620ng/mL、約630ng/mL、約640ng/mL、約650ng/mL、約660ng/mL、約670ng/mL、約680ng/mL、約690ng/mL、約700ng/mL、約710ng/mL、約720ng/mL、約730ng/mL、約740ng/mL、約750ng/mL、約760ng/mL、約770ng/mL、約780ng/mL、約790ng/mL、約800ng/mL、約810ng/mL、約820ng/mL、約830ng/mL、約840ng/mL、約850ng/mL、約860ng/mL、約870ng/mL、約880ng/mL、約890ng/mL、約900ng/mL、約910ng/mL、約920ng/mL、約930ng/mL、約940ng/mL、約950ng/mL、約960ng/mL、約970ng/mL、約980ng/mL、約990ng/mL、又は約1000ng/mL(その間の全ての値及び範囲を含む)の化合物1の平均最小血漿濃度(Cmin)を提供する。
[0050] 実施形態において、フェソテロジンの用量及び投与スケジュールは、神経障害の治療を受けている患者に化合物1を投与することの末梢副作用を低減するように選択される。実施形態において、フェソテロジンの用量及び投与スケジュールは、ジスキネジア(例えば、LID)の治療を受けた患者に化合物1を投与することの末梢副作用を低減するように選択される。
[0051] 実施形態において、約1mg~約20mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約1mg~約50mg、例えば、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、又は約50mg(その間の全ての値及び範囲を含む)のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。実施形態において、約3mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される。実施形態において、約4mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される。実施形態において、約6mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される。実施形態において、約8mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される。実施形態において、約24mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される。
[0052] 実施形態において、約0.01mg/kg~約0.602mg/kg、例えば、約0.010mg/kg、約0.011mg/kg、約0.012mg/kg、約0.013mg/kg、約0.015mg/kg、約0.016mg/kg、約0.018mg/kg、約0.019mg/kg、約0.021mg/kg、約0.024mg/kg、約0.026mg/kg、約0.029mg/kg、約0.031mg/kg、約0.035mg/kg、約0.038mg/kg、約0.042mg/kg、約0.046mg/kg、約0.051mg/kg、約0.056mg/kg、約0.061mg/kg、約0.067mg/kg、約0.074mg/kg、約0.081mg/kg、約0.090mg/kg、約0.098mg/kg、約0.108mg/kg、約0.119mg/kg、約0.131mg/kg、約0.144mg/kg、約0.159mg/kg、約0.174mg/kg、約0.192mg/kg、約0.211mg/kg、約0.232mg/kg、約0.255mg/kg、約0.281mg/kg、約0.309mg/kg、約0.340mg/kg、約0.374mg/kg、約0.411mg/kg、約0.453mg/kg、約0.498mg/kg、約0.548mg/kg、約0.602mg/kg(その間の全ての値及び範囲を含む)のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される。
[0053] 実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩及びフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、約2:1~50:1、例えば、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約21:1、約22:1、約23:1、約24:1、約25:1、約26:1、約27:1、約28:1、約29:1、約30:1、約31:1、約32:1、約33:1、約34:1、約35:1、約36:1、約37:1、約38:1、約39:1、約40:1、約41:1、約42:1、約43:1、約44:1、約45:1、約46:1、約47:1、約48:1、約49:1~約50:1(その全ての値及び範囲を含む)の化合物1対フェソテロジンの重量比で患者に投与される。実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩、及びフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、約2:1~30:1の化合物1対フェソテロジンの重量比で患者に投与される。実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩、並びにフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、約5:1~15:1の化合物1対フェソテロジンの比で患者に投与される。
[0054] 実施形態において、フェソテロジンは、持続放出組成物で投与される。
[0055] 実施形態において、投与は、デスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度(すなわち、化合物1の投与に関連する末梢副作用又はCNS副作用を低減するのに十分な量)を提供する。
[0056] 実施形態において、本開示の方法は、患者のデスフェソテロジンの定常状態血漿濃度によって測定される、デスフェソテロジン(すなわち、フェソテロジンの代謝物)の治療的に有効な血漿濃度を提供する。実施形態において、本開示の方法は、約50ng/mL~約20ng/mLのデスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度を提供する。実施形態において、本開示の方法は、約0.1ng/mL~約30ng/mLのデスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度を提供する。実施形態において、本開示の方法は、約50pg/mL~約30ng/mL、例えば約50pg/mL、約60pg/mL、70pg/mL、約80pg/mL、約90pg/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.3ng/mL、約0.4ng/mL、約0.5ng/mL、約0.6ng/mL、約0.7ng/mL、約0.8ng/mL、約0.9ng/mL、約1.0ng/mL、約1.5ng/mL、約2.0ng/mL、約2.5ng/mL、約3.0ng/mL、約3.5ng/mL、約4.0ng/mL、約4.5ng/mL、約5.0ng/mL、約5.5ng/mL、約6.0ng/mL、約6.5ng/mL、約7.0ng/mL、約7.5ng/mL、約8.0ng/mL、約8.5ng/mL、約9.0ng/mL、約9.5ng/mL、約10.0ng/mL、約10.5ng/mL、約11.0ng/mL、約11.5ng/mL、約12.0ng/mL、約12.5ng/mL、約13.0ng/mL、約13.5ng/mL、約14.0ng/mL、約14.5ng/mL、約15.0ng/mL、約15.5ng/mL、約16.0ng/mL、約16.5ng/mL、約17.0ng/mL、約17.5ng/mL、約18.0ng/mL、約18.5ng/mL、約19.0ng/mL、約19.5ng/mL、約20.0ng/mL、約20.5ng/mL、約21.0ng/mL、約21.5ng/mL、約22.0ng/mL、約22.5ng/mL、約23.0ng/mL、約23.5ng/mL、約24.0ng/mL、約24.5ng/mL、約25.0ng/mL、約25.5ng/mL、約26.0ng/mL、約26.5ng/mL、約27.0ng/mL、約27.5ng/mL、約28.0ng/mL、約28.5ng/mL、約29.0ng/mL、約29.5ng/mL、~約30.0ng/mL(その間の全ての値及び範囲を含む)のデスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度を提供する。実施形態において、投与は、約5ng/mL~約10ng/mLのデスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度を提供する。
[0057] 実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。実施形態において、化合物1又はその薬学的に許容される塩は、1日3回投与される。
[0058] 実施形態において、フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態において、フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、1日2回投与される。実施形態において、フェソテロジン、又はその薬学的に許容される塩は、1日3回投与される。
[0059] 実施形態において、化合物1及びフェソテロジンは、経口投与される。実施形態において、化合物1は、経口投与される。実施形態において、フェソテロジンは、経口投与される。
[0060] 実施形態において、化合物1及びフェソテロジンは、静脈内投与される。実施形態において、化合物1は、静脈内投与される。実施形態において、フェソテロジンは、静脈内投与される。
[0061] 実施形態において、本特許は、化合物1に関連する副作用を最小限にする投与スケジュールに従って、フェソテロジン及び化合物1を投与される。実施形態において、患者は、患者がフェソテロジンを投与されてから約1時間~約10時間後に化合物1を投与される。実施形態において、患者は、患者がフェソテロジンを投与されてから約5分~約10時間、例えば、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、又は約10時間(その間の全ての値及び範囲を含む)後に化合物1を投与される。実施形態において、患者は、患者がフェソテロジンを投与されてから少なくとも1時間後に化合物1を投与される。実施形態において、患者は、患者がフェソテロジンを投与されてから約4時間後に化合物1を投与される。
[0062] 実施形態において、本開示の方法は、約10:1~約1000:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する。実施形態において、本開示の方法は、約1:1~約1000:1、例えば、約1:1、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約21:1、約22:1、約23:1、約24:1、約25:1、約26:1、約27:1、約28:1、約29:1、約30:1、約31:1、約32:1、約33:1、約34:1、約35:1、約36:1、約37:1、約38:1、約39:1、約40:1、約41:1、約42:1、約43:1、約44:1、約45:1、約46:1、約47:1、約48:1、約49:1、約50:1、約51:1、約52:1、約53:1、約54:1、約55:1、約56:1、約57:1、約58:1、約59:1、約60:1、約61:1、約62:1、約63:1、約64:1、約65:1、約66:1、約67:1、約68:1、約69:1、約70:1、約71:1、約72:1、約73:1、約74:1、約75:1、約76:1、約77:1、約78:1、約79:1、約80:1、約81:1、約82:1、約83:1、約84:1、約85:1、約86:1、約87:1、約88:1、約89:1、約90:1、約91:1、約92:1、約93:1、約94:1、約95:1、約96:1、約97:1、約98:1、約99:1、約100:1、約110:1、約120:1、約130:1、約140:1、約150:1、約160:1、約170:1、約180:1、約190:1、約200:1、約210:1、約220:1、約230:1、約240:1、約250:1、約260:1、約270:1、約280:1、約290:1、約300:1、約310:1、約320:1、約330:1、約340:1、約350:1、約360:1、約370:1、約380:1、約390:1、約400:1、約410:1、約420:1、約430:1、約440:1、約450:1、約460:1、約470:1、約480:1、約490:1、約500:1、約550:1、約600:1、約650:1、約700:1、約750:1、約800:1、約850:1、約900:1、約950:1、約1000:1(その間の全ての値及び範囲を含む)の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する。実施形態において、投与は、約100:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する。実施形態において、投与は、約470:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する。
[0063] 実施形態において、化合物1及びフェソテロジンは、同じ医薬組成物で投与される。実施形態において、化合物1及びフェソテロジンは、別々の医薬組成として投与される。
[0064] 実施形態において、フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩は、フマル酸フェソテロジンを含む。
医薬製剤
[0065] 本開示の方法は、錠剤、カプセル、フィルム、口腔内崩壊錠、丸剤、散剤、顆粒、滅菌非経口溶液又は懸濁液(例えば、筋肉内(IM)、皮下(SC)及び静脈内(IV))、経皮パッチ、及び経口溶液又は懸濁液、並びに油-水エマルジョンなどの単位剤形で、患者、例えばヒトへの投与のための様々な製剤を用いることができる。
[0066] 経口医薬剤形は、固体又は液体のいずれかであり得る。固体剤形は、錠剤、カプセル、顆粒、フィルム(例えば、頬側フィルム)及びバルク粉末であり得る。経口錠剤のタイプには、腸溶コーティング、糖コーティング又はフィルムコーティングされ得る、圧縮チュアブルトローチ剤及び錠剤が含まれる。カプセルは、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルであり得、一方、顆粒及び粉末は、非発泡性又は発泡性の形態で、当業者に公知の他の成分との組み合わせで提供され得る。いくつかの実施形態において、本経口剤形は、口腔内崩壊錠を含んでもよい。いくつかの実施形態において、経口剤形は、1つ以上の経口徐放性錠剤である。
[0067] 実施形態において、医薬製剤は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤又は補助剤を含み得る。薬学的に許容される賦形剤及び補助剤は、様々な目的のために組成物又は製剤に添加される。実施形態において、医薬製剤は、薬学的に許容される担体を含み得る。実施形態において、薬学的に許容される担体は、薬学的に許容される賦形剤、結合剤、及び/又は希釈剤を含む。実施形態において、適切な薬学的に許容される賦形剤としては、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限定されない。
[0068] 実施形態において、本開示は、化合物1及び1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
[0069] 実施形態において、本開示は、フェソテロジン及び1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。
[0070] 実施形態において、本開示は、化合物1、フェソテロジン、及び1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
番号付き実施形態:
1. それを必要とする患者におけるジスキネジアの治療方法であって:
(a)治療有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩、及び
(b)治療有効量のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩
を投与することを含む、方法。
2. ジスキネジアが、レボドパ誘発ジスキネジアである、実施形態1に記載の方法。
3. 患者がパーキンソン病と診断される、実施形態1又は実施形態2に記載の方法。
4. それを必要とする患者におけるアルツハイマー病精神病、パーキンソン病精神病、認知症関連精神病、レビー小体型認知症、統合失調症(急性及び維持)、短期精神病性障害又は急性せん妄の治療方法であって:
(a)治療有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩、及び
(b)治療有効量のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩
を投与することを含む、方法。
5. 患者が統合失調症の治療を受けている、実施形態4に記載の方法。
6. 患者が、アルツハイマー病精神病、パーキンソン病精神病、認知症関連精神病、又はレビー小体型認知症の治療を受けている、実施形態4又は実施形態5に記載の方法。
7. 約5mg~約800mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
7a. 約5mg~約300mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
8. 約20mg~約80mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、実施形態7に記載の方法。
9. 約60mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、実施形態7に記載の方法。
10. 投与が、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度を提供する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
11. 化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約100ng/mL~約2500ng/mLである、実施形態10に記載の方法。
11a. 化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約500ng/mL~約1000ng/mLである、実施形態10に記載の方法。
12. 化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約600ng/mLである、実施形態10に記載の方法。
13. 約1mg~約50mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
13a. 約1mg~約20mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
13b. 約4mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が患者に投与される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
14. 約8mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の方法。
15. 約24mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される、実施形態13に記載の方法。
16. 投与が、デスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度(すなわち、化合物1の投与に関連する末梢副作用を低減するのに十分な量)を提供する、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
17. 治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約5ng/mL~約30ng/mLである、実施形態16に記載の方法。
17a. 治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約5ng/mL~約10ng/mLである、実施形態16に記載の方法。
18. 化合物1又はその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
19. 化合物1又はその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
20. 化合物1又はその薬学的に許容される塩が、1日3回投与される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
21. フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
22. フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
23. フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、1日3回投与される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の方法。
24. 化合物1及びフェソテロジンが、別々の医薬組成物で投与される、実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法。
25. 化合物1及びフェソテロジンが経口投与される、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
26. フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、徐放性組成物で投与される、実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
27. 患者がフェソテロジンを投与されてから少なくとも1時間後に患者が化合物1を投与される、実施形態1~26のいずれか1つに記載の方法。
28. 患者がフェソテロジンを投与されてから約4時間後に患者が化合物1を投与される、実施形態27記載の方法。
29. 投与が、約10:1~約1000:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
30. 投与が、約100:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する、実施形態1~28のいずれか1つに記載の方法。
31. 化合物1及びフェソテロジンが、同じ医薬組成物で投与される、実施形態1~26又は29~30のいずれか1つに記載の方法。
32. 化合物1が、式:
Figure 2024541770000003

の塩酸塩を含む、実施形態1~31のいずれか1つの方法。
33. フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、フマル酸フェソテロジンを含む、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
34. フェソテロジンの用量及び投与スケジュールが、化合物1を患者に投与することの末梢副作用を低減するように選択される、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
[0071] 本発明は、以下の実施例を参照することによってさらに説明される。しかしながら、これらの実施例は例示的なものであり、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。
実施例1:アンフェタミン誘発性運動亢進に対する化合物1の効果
[0072] LIDの基礎となる高ドーパミン作動性状態を、シナプスのドーパミンレベルを急速に上昇させる薬物であるd-アンフェタミンの投与によって、未処置の雄の野生型c57/Bl6マウスにおいてモデル化した。
[0073] 3mg/kgの腹腔内(IP)d-アンフェタミンの単回用量を、約8週齢の32匹の雄の野生型c57/Bl6マウスに投与した。その後、動物を3群に分け、単回用量の腹腔内ビヒクルのみ、0.3mg/kgの化合物1、又は1mg/kgの化合物1のいずれかを同時投与した。オープンフィールドチャンバー(44cm×44cm×20cmの寸法)内の動物の運動行動を、ビデオトラッキングシステム(Noldus EthoVision v15)を用いてモニターした。30分にわたって、同定した移動した平均(average)(平均(mean))センチメートル(±標準偏差)は:
・ ビヒクルコホートで7500cm(±314.9)
・ 化合物1 0.3mg/kgコホートで5141cm(±805.6)(p<0.5 一元配置ANOVA、続いてTukeyの多重比較)
・ 化合物1 1.0mg/kgコホートで2008cm(±406.2)(p<0.001)
であった。
[0074] 本研究は、化合物1が高ドーパミン作動性の運動行動を用量依存的に逆転させることを実証した。これらのデータは、化合物1が統合失調症、アルツハイマー病及びパーキンソン病などの精神病障害並びにレボドパ誘発ジスキネジアの治療において有用性を有し得ることを示唆する。
実施例2:唾液分泌に対する化合物1及びフェソテロジンの用量応答作用
[0075] 麻酔した雄Sprague Dawleyラットにおける化合物1誘導性唾液分泌に対するフマル酸フェソテロジンの用量応答拮抗作用を評価するインビボ一次薬理試験を実施した。化合物1を1mg/kgで静脈内投与することによって唾液分泌を誘導した。静脈内フェソテロジン用量を、0.0078mg/mL、0.0156mg/mL、0.0312mg/mL、0.0625mg/mL、0.125mg/mL、0.25mg/mL、及び0.5mg/mLで投与した。フェソテロジンは、化合物1の投与の10分前に投与された。全ての動物は正常であり、臨床的徴候又は行動に異常は認められなかった。唾液分泌は、麻酔ラットにおける経口乾燥スワブを用いて測定し、乾燥スワブ重量と湿潤スワブ重量との間の計算された差は、産生された唾液の重量を示した。試料は投与後に10分間隔で1時間収集した。
[0076] 化合物1は、0.9%生理食塩水ビヒクル対照と比較して、唾液分泌の増加において有意な効果を示した。化合物1によるフェソテロジン効果は、表1に要約されるように、一貫した用量応答様式で唾液分泌の有意な減少を示した。
Figure 2024541770000004
[0077] 研究期間の終わりに、血漿試料を収集して、化合物1、フマル酸フェソテロジン、及びデスフェソテロジンとも呼ばれるフェソテロジン活性代謝物5-ヒドロキシメチルトルテロジン(5-HMT)の曝露を測定した。これを表2に要約する。
Figure 2024541770000005
[0078] 唾液分泌及び曝露データに基づいて、100:1の化合物1:5-HMTの血漿濃度比は、化合物1によって誘導される唾液分泌の末梢コリン作動性活性を軽減する。
実施例3:ラットにおける薬物動態及び薬物代謝
[0079] 化合物1とフェソテロジンの併用による薬物動態を評価するためのインビトロ試験を実施した。
[0080] フェソテロジン(0.25mg/kg)及び化合物1(0.5mg/kg及び1.5mg/kg)単独の単回用量静脈内投与並びに単回用量同時投与後の雄Sprague Dawleyラットにおけるフェソテロジン活性代謝物デスフェソテロジン及び化合物1について、血漿濃度-時間プロファイルを評価した。デスフェソテロジンの血漿曝露は、フェソテロジン単独及び化合物1との組み合わせの投与後と同様であった。化合物1のPKパラメータは、1.5mg/kg用量の単剤投与及びフェソテロジンとの同時投与で同等であった(表3)。
[0081] 群1(フェソテロジン0.25mg/kg)の活性代謝物デスフェソテロジン量は、0.033時間~6時間まで定量可能であった。
[0082] 群2(化合物1 1.5mg/kg)の化合物1の薬物動態は、ラットにおける正常肝血流(55mL/分/kg)の約50%中程度の血漿クリアランス、総体水分量(0.7L/kg)の約2.4倍の中程度のVss、及び0.83時間の血漿終末消失半減期を示した。
[0083] 群3(フェソテロジン0.25mg/kgと同時投与された化合物1 0.5mg/kg)活性代謝物デスフェソテロジン濃度は、0.033時間~6時間まで定量可能であった。化合物1は、ラットにおける正常肝血流(55mL/分/kg)の約40%の中程度の血漿クリアランス、総体水分量(0.7L/kg)の約3倍の中程度のVss、及び2.18時間の血漿終末消失半減期を示した。
[0084] 群4(フェソテロジン0.25mg/kgと同時投与された化合物1 1.5mg/kg)活性代謝物デスフェソテロジン濃度は、0.033時間~6時間まで定量可能であった。化合物1は、ラットにおける正常肝血流(55mL/分/kg)の約42%の中程度の血漿クリアランス、総体水分量(0.7L/kg)の約2.7倍の中程度のVss、及び1.24時間の血漿終末消失半減期を示した。
Figure 2024541770000006
実施例4:MPTP誘発性運動障害に対する化合物1の効果
[0085] 神経毒1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(MPTP)は、ヘロイン中の汚染物質として発見された際に、黒質においてドーパミン作動性ニューロンの変性を選択的に誘導する化合物として同定され、使用者はPDと区別できない臨床症状を呈した。これは現在、非ヒト霊長類において主要なパーキンソン運動症状表現型をモデル化し、続いてジスキネジアを含むL-ドーパなどの治療に対する応答をモデル化するために使用され、したがってLIDの基礎モデルとして使用することができる。Huat 2012を参照されたい。(Huot P, Johnston TH, Koprich JB, Fox SH, Brotchie JM. L-DOPA pharmacokinetics in the MPTP-lesioned macaque model of Parkinson’s disease. Neuropharmacology. 2012 Oct; 63(5): 829-36。)顔の妥当性と構成の妥当性の両方を有するMPTP非ヒト霊長類モデルは、トランスレーショナル関連性が最も高いPD運動症状の動物モデルと考えられている。
[0086] 7匹の雌MPTP病変カニクイザルにおいて研究を実施し、これらはL-ドーパによる長期反復治療を受け、それに応じて、本質的に舞踏病性及びジストニー性の安定した再現性のあるジスキネジアが現れた。カニクイザルの行動を、単回1mg/kg用量の化合物1又はビヒクルを、Madopar(商標)として送達される高用量のL-ドーパと併用して、それぞれの試験動物においてLID症状について用量漸増した後に評価した。「オンタイム」治療効果及び異常なLID運動を、L-ドーパの投与後6時間評価した。1mg/kgの単回化合物1経口用量又はビヒクルを、行動観察の開始時にL-ドーパと同時に投与した。全ての動物は、各動物における反復治療の間に最低72時間のクロスオーバーデザインで全ての治療を受けた。治療及びLID行動を、高解像度ビデオ記録及び非ヒト霊長類ジスキネジア評価尺度を使用して、盲検様式で神経科医によって監督された訓練された評価者によってスコア化した。Fox 2012を参照されたい。(Fox SH, Johnston TH, Li Q, Brotchie J, Bezard E. A critique of available scales and presentation of the Non-Human Primate Dyskinesia Rating Scale. Mov Disord. 2012 Sep 15; 27(11): 1373-8。)
[0087] 化合物1(1mg/kg、PO)は、0~1時間の間のジスキネジアのメジアンレベルを91%減少させる有意な抗ジスキネジア作用を提供した(メジアンレベル11 cf.1;ビヒクルcf.化合物1、P<0.001)。最終分析に含まれた7匹のうち6匹の動物においてLIDの強力な減少が明らかであった。0~2時間の期間にわたって累積されたジスキネジアのレベルのメジアンは42%減少し、その結果、レベルは非障害性であった(メジアンレベル33 cf.19;ビヒクルcf.化合物1、P=0.0156)。ピーク効果ジスキネジアのこの大幅な減少は、「不良」オンタイム(障害性ジスキネジアに関連するオンタイム)の持続時間の有益な減少(41%減少)及び「良好」オンタイム(欠如又は非障害性ジスキネジアのみに関連するオンタイム)の持続時間の有意な増加(143%増加)としてさらに明らかであった。化合物1は、L-ドーパの抗パーキンソン病効果又はL-ドーパに関連するオンタイムの全体的な持続時間の減少をもたらさなかった。
[0088] MPTP誘発ジスキネジアカニクイザル研究のこれらの結果は、PD患者におけるLIDに対する化合物1の治療可能性の強力な証拠を提供する。
実施例5:カニクイザルへの経口投与後の化合物1の薬物動態
[0089] 以下の実施例は、単回経口(PO)化合物1用量投与後のカニクイザルにおける化合物1の薬物動態(PK)を特徴付けた。生理食塩水中の溶液として製剤化した化合物を0.3mg/kg及び1mg/kgの強制経口投与により投与した。投与後、血漿を収集して化合物1のPKプロファイルを特徴付けた。研究中、有害作用は観察されなかった。結果を表4に要約する。
Figure 2024541770000007
実施例6:化合物1及びフェソテロジンの臨床観察及び薬剤動態
[0090] 化合物1及びフマル酸フェソテロジンを、単独で及び組み合わせて雄のビーグル犬に経口投与し、臨床観察と化合物1及びデスフェソテロジンの血漿濃度を観察した。この研究は7日間にわたって実施し、化合物1及びデスフェソテロジン(活性フェソテロジン代謝物)のレベルを1日目及び7日目に24時間にわたって測定した。
群1:化合物1(1.5mg/kg/日PO)
群2:フマル酸フェソテロジン(3mg/kg/日PO)
群3:化合物1(1.5mg/kg/日PO)及びフマル酸フェソテロジン(3mg/kg/日PO)
[0091] 表9に示すように、投与後に群1、群2及び群3の動物を観察した。化合物1のみで治療された群1は、末梢副作用を示した。しかしながら、化合物1及びフェソテロジンの両方で治療した場合(群3)、末梢副作用は観察されなかった。第3群は縮瞳のみを示した。これらのデータは、フマル酸フェソテロジンの投与が化合物1単独を投与された対象(群1)で観察された末梢作用を実質的に減少させたことを示す(群3)。
Figure 2024541770000008
Figure 2024541770000009
Figure 2024541770000010
Figure 2024541770000011
Figure 2024541770000012
Figure 2024541770000013
Figure 2024541770000014
Figure 2024541770000015
Figure 2024541770000016
実施例7:健康な対象におけるフマル酸フェソテロジンの投与を伴う又は伴わない化合物1の経口投与(単回漸増用量)。
[0092] 化合物1の薬物動態、安全性、及び忍容性を調査するために、約54人の健康な成人ボランティアにおいて行われた単回漸増用量(SAD)研究において化合物1を投与した。研究は2群で実施した。
[0093] 群1は、表10に記載の用量を用いて、最大耐用量(MTD)を確立するために化合物1を単回漸増用量(SAD)様式で投与した複数用量コホートを評価した。
Figure 2024541770000017
[0094] MTDは、軽度から中等度のコリン作動性有害作用を生じる用量で確立された。瞳孔測定及び唾液分泌を含むコリン作動性効果を各用量についてモニターした。
[0095] 群2は、フマル酸フェソテロジン同時投与を伴う又は伴わない群1のMTDにおける化合物1の認容性を評価した。対象は、40mgの化合物1の投与の4時間前に、8mgのフマル酸フェソテロジン錠剤又は対応するプラセボ錠剤を受けた。
[0096] 結果:安全性 - 群1では、化合物1のいずれかの用量を受けた36人の対象のうち22人(61.6%)が、合計95件の治療下で発現した有害事象(TEAE)を観察した。0mg(プラセボ)、1mg、3mg、10mg、20mg、40mg、及び60mgの治療群のそれぞれ約50.0%、33.3%、50.0%、50.0%、50.0%、83.3%、及び100%の対象がTEAEを報告した。死亡又は重篤なTEAEは報告されず、TEAEのために試験を中止した対象はいなかった。群2では、化合物1+プラセボを投与された対象100.0%が計9件のTEAEを報告し、化合物1+フマル酸フェソテロジンを投与された対象6人の83.3%が20件のTEAEを報告した。死亡、重篤な又は重症のTEAEは報告されなかった。TEAEのために中止した対象はいなかった。プラセボ治療群で最も高頻度に認められたTEAEは、唾液分泌過多及びめまいであった。フェソテロジン治療群では、めまい及び失神性めまいが認められた。
[0097] 群1のコホートにおいて積極的に治療された対象で観察されたものと同様に、全てのTEAEは、群2の化合物1+プラセボ治療群において1日目(すなわち、投与日)に経験された。逆に、化合物1+フマル酸フェソテロジン治療群では、対象におけるTEAEは、投与の少なくとも1日後(2日目~5日目)に発症した。この治療群におけるこれらのTEAEの発症の遅延は、化合物1の前のフマル酸フェソテロジンの徐放性製剤の投与に起因する(すなわち、ムスカリン遮断と一致する)。
[0098] 薬力学 - 群1では、図1に示すように、化合物1の用量の増加に伴って唾液分泌の増加が観察された。群2では、化合物1の投与後に観察された唾液分泌の増加は、プラセボで前治療された対象と比較して、フマル酸フェソテロジンを前投与された対象では観察されず(図2)、化合物1の末梢ムスカリン作用のフェソテロジンによる遮断の成功を示している。
[0099] 薬物動態 - 群1では、投与後1時間のCSF中の化合物1の濃度が用量の増加に伴って増加し、19.15ng/mL(コホート3~10mg、N=1)、32.27ng/mL平均(コホート4~20mg、N=2)、50.30ng/mL平均(コホート5~40mg、N=2)及び59.15ng/mL(コホート6~60mg、N=1)であった。群2では、投与後1時間のCSF中の化合物1の平均濃度は43.29ng/mLであり、フマル酸フェソテロジン投与後に投与した場合、56.96ng/mLであった。化合物1の投与後1時間のCSF中の平均デスフェソテロジン濃度は121.44pg/mLであり、CSFの化合物1対デスフェソテロジンの平均比は469:1であった。
[0100] 結論:1mg~40mgの範囲の単回経口投与後の化合物1の投与は一般に安全であり、健康な対象において十分に許容され、40mgは単独で投与された場合の化合物1のMTDとして確立された。唾液分泌の客観的増加は、化合物1の用量の増加と共に観察された。全体として、群2において、徐放性フェソテロジンによる前治療は、化合物1の投与後にTEAE発症の遅延をもたらした。さらに、フェソテロジンによる前治療は、化合物1で観察された過唾液分泌の主観的報告及び唾液量の客観的増加の両方をほとんどなくし、フェソテロジンが化合物1の末梢ムスカリン作用を遮断したことと一致する。この研究では、化合物1の吸収は一般に速く、メジアンtmaxは0.65~1.17時間に観察された。フマル酸フェソテロジンの同時投与後、化合物1の曝露は、AUC0-t、AUC0-inf、及びCmaxについてそれぞれ30.0%、29.0%、及び50.0%高かった。しかしながら、Cmaxの増加のみが統計的に有意であると考えられた(p値:0.0347)。
参照による組み込み
[0101] 本明細書に引用される全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許公開、及び特許出願は、全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれる。しかしながら、本明細書に引用される任意の参考文献、論文、刊行物、特許、特許公開、及び特許出願の言及は、それらが有効な先行技術を構成するか、又は世界の任意の国における共通の一般的知識の一部を形成することの承認又は任意の形態の示唆ではなく、またそれとして解釈されるべきではない。

Claims (31)

  1. それを必要とする患者におけるジスキネジアの治療方法であって、
    (a)治療有効量の化合物1又はその薬学的に許容される塩、及び
    (b)治療有効量のフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩
    を投与することを含む、方法。
  2. 前記ジスキネジアが、レボドパ誘発ジスキネジアである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者がパーキンソン病と診断される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 約5mg~約800mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が前記患者に投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 約20mg~約80mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が前記患者に投与される、請求項4に記載の方法。
  6. 約60mgの化合物1又はその薬学的に許容される塩が前記患者に投与される、請求項4に記載の方法。
  7. 前記投与が、化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度を提供する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約100ng/mL~約2500ng/mLである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記化合物1の治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約600ng/mLである、請求項7に記載の方法。
  10. 約1mg~約50mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が前記患者に投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 約8mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される、請求項10に記載の方法。
  12. 約24mgのフェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が投与される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記投与が、デスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度(すなわち、化合物1の投与に関連する末梢副作用を低減するのに十分な量)を提供する、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記デスフェソテロジンの治療的に有効な定常状態血漿濃度が、約5ng/mL~約30ng/mLである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記化合物1又はその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記化合物1又はその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記化合物1又はその薬学的に許容される塩が、1日3回投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、1日2回投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、1日3回投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記化合物1及びフェソテロジンが、別々の医薬組成物で投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記化合物1及びフェソテロジンが経口投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、徐放性組成物で投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記患者が前記フェソテロジンを投与されてから少なくとも1時間後に前記患者が前記化合物1を投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記患者が前記フェソテロジンを投与されてから約4時間後に前記患者が前記化合物1を投与される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記投与が、約10:1~約1000:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記投与が、約100:1の化合物1対デスフェソテロジンの血漿濃度比を提供する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記化合物1及びフェソテロジンが、同じ医薬組成物で投与される、請求項1~23又は26~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記化合物1が式:
    Figure 2024541770000018

    の塩酸塩を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記フェソテロジン又はその薬学的に許容される塩が、フマル酸フェソテロジンを含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. フェソテロジンの用量及び投与スケジュールが、化合物1を前記患者に投与することの末梢副作用を低減するように選択される、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
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