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JP2024121910A - 反応設備の構造 - Google Patents

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JP2024121910A JP2023029141A JP2023029141A JP2024121910A JP 2024121910 A JP2024121910 A JP 2024121910A JP 2023029141 A JP2023029141 A JP 2023029141A JP 2023029141 A JP2023029141 A JP 2023029141A JP 2024121910 A JP2024121910 A JP 2024121910A
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Abstract

【課題】カーボン材料を高熱で反応させ乾溜能及び水素ガス発生能を有する竪型炉において、湿った低温のカーボン材料が炉上部の投入口付近で滞留し炉内の反応を複雑化或いは効率低下させることを防止する。【解決手段】反応設備は、筒状の竪型炉と、竪型炉の上端にあって閉塞可能に構成された材料投入口と、竪型炉の下端が浸漬された貯留水を保持する貯水部と、竪型炉の外周に隣接して設けられた燃焼室と、竪型炉の内部に立設された第1の通気ダクトと、材料投入口より下かつ燃焼室より上の水平位置において、竪型炉の内部空間を横切って配置された複数の予備加熱管とを含む。第1の通気ダクトの下端に位置する開口部は貯留水の水面に近接して位置付けられ、第1の通気ダクトは開口部から上方に延在して、複数の予備加熱管と通気的に接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、高温炉中でカーボン系固形物を反応させて有用ガス等を発生させ回収する技術に関する。
古くから知られた乾溜(例えば特許文献1参照)の原理に基づき廃棄物等を分解処理する炉が従来技術において知られている(特許文献2~5)。これらの炉では、まず、炉内に堆積させた被処理物を、炉外からの酸素供給を抑制した条件で、炉内の空気を用いて燃焼させる。この燃焼により炉内空気中の酸素を二酸化炭素又は一酸化炭素に変えて消費し、炉内を無酸素化するとともに、その燃焼熱で高温無酸素ガスを発生させる。乾溜のための熱を炉外からも供給し得る。そして、高温無酸素ガスが炉内の被処理物の間を通過するとき、被処理物中の炭素含有物質に乾溜反応すなわち熱分解反応が起こる。被処理固形物は熱分解を受けながら徐々に炉内を沈降していく。炉上方で回収される乾溜ガス及び炉下方で回収される残渣からは、直接、或いは冷却等の分離処理を経て、油、可燃ガス、カーボン等の炭化水素系又は炭素系の物質を回収することができる。
本発明者は、廃棄物等(例えば古タイヤ)を乾溜に基づき分解処理しつつ生じた炭化水素油等の有用産物を回収できる乾溜炉の操業に長年の実績を有している。本発明者は特許文献6において反応設備を開示している。特許文献6の反応設備は、被処理物(炭素含有材料)を乾溜機序で熱分解する際に、炉内に起こるガス流と被処理物との相互作用及び/又は化学反応を促進させるように工夫されたものであり、乾溜処理に適した典型的な被処理物であった古タイヤに限らず多様な被処理物に対応できるものであった。
本発明者は、従来の乾溜炉の操業のなかで、炭化水素系の油及びガスに加えて、相当量のカーボン系固形物が回収されていたことに着目し、その有効利用の可能性を模索していた。これらのカーボン系固形物は、乾溜反応の残渣として炉の下方から、及び乾溜ガスに混じった粒子として炉の上方からも回収されていた。本発明者は、その模索の過程のなかから、特許文献7の発明をするに至った。特許文献7の発明は、乾溜能を有する竪型炉において、水素含有ガスを生じさせ効率よく回収する、ガス産生反応装置を提供するものであった。特許文献7は、筒状の竪型炉と、前記竪型炉の下端が浸漬された貯留水を保持する、水位調節可能な貯水部と、前記竪型炉の外周に隣接して設けられた燃焼室と、前記竪型炉の内部に立設された、前記竪型炉とは別個の筒であり前記竪型炉の外部に通じる通気ダクトと、前記竪型炉の内壁と前記通気ダクトの外壁との間に張設された網構造とを含む、ガス産生反応装置であって、前記竪型炉の上端であるカーボン材料投入開口部は、閉塞可能に構成され、前記通気ダクトの下端に位置する採ガス開口部は前記竪型炉内にある前記貯留水の水面に近接して位置付けられ、前記通気ダクトは前記採ガス開口部から上方に延在し、前記通気ダクトの上端は前記カーボン材料投入開口部及び前記竪型炉内空間に対して閉じられている、ガス産生反応装置を開示している。
二酸化炭素排出に起因する地球温暖化の問題が深刻に議論されているなか、燃焼しても二酸化炭素を発生しない水素が次世代燃料として注目されている。水素を製造する方法として、炭化水素の水蒸気改質により水素含有ガスを発生させること、及び水の電気分解により水素を発生させること等が知られており、実用化されてもいる。これらの水素製造プロセス自体も二酸化炭素発生を伴い得るところ、そのような二酸化炭素副産物を減らすこと、捕獲すること、有効利用すること等についても試行錯誤がなされている。水素発生をもたらすことができる材料及び反応は多岐にわたるため、コスト、利用しやすさ、環境へのインパクト等を総合的に考慮して、状況に適した水素製造方法を模索していくことが今後も続くと考えられる。
特許文献8は、有機廃棄物を炭化炉で炭化して得た炭化物とガス化剤とを、熱分解ガス化炉において、前記炭化炉で発生した高熱の燃焼ガスによって加熱して、熱分解ガスを発生させる熱分解ガス化装置を開示している。特許文献8においてガス化剤とは水蒸気のことを指し、熱分解ガスは水性ガスを含んでいる。特許文献8に開示された熱分解ガス化装置は、同心状に立設された外筒と内筒を有し、外筒の空間には燃焼ガスが導入されて内筒及びその内容物が加熱されるように構成されており、内筒の空間には炭化物と水蒸気が供給されて、高温条件下で熱分解ガスが発生する。熱分解ガスは内筒上端の熱分解ガス排出路から回収される。特許文献8の実施例では、このようにして得られたガス化成分が水素(H)60%、一酸化炭素(CO)20%、及び二酸化炭素(CO)20%からなったことが記載されている。
特許文献9は、燃焼室と還元層と乾燥層とを有する縦型円筒状の木炭水性ガス発生装置と、木炭、水及び空気を前記木炭水性ガス発生装置へ供給する各供給手段とを備える木炭水性ガス製造装置を用いて、木炭と水とから水性ガス反応により木炭水性ガスを製造する方法を記載している。特許文献9の木炭水性ガス製造装置の還元層と燃焼室は、燃焼室を外側とし伝熱壁を介して同心円筒状に配設されている。そして、燃焼室内には熱交換器が設けられ、この熱交換器に水を供給して高温・高圧の過熱水蒸気を発生させ、この過熱水蒸気を還元層に導入することによって、水性ガス反応を行わせることが、特許文献9の方法の特徴とされている。
特許文献8及び9に記載されているように、水性ガスとは、加熱された炭素と水から、C+HO→CO+Hという吸熱反応によって生じる混合ガスである。一酸化炭素と水はさらにCO+HO→CO+Hといういわゆる水性ガスシフト反応も起こし得る。水性ガスは水素を含むほか、一緒に含まれる一酸化炭素も可燃性であり良好な燃料となる。水素の発熱量は約3055kcal/m、一酸化炭素の発熱量は約3035kcal/mである。
乾溜ガス中には、炭化水素系ガスの他に、水素ガスも含まれる。特に特許文献6、7のように最下部を貯留水に浸漬させる構造を有する竪型炉では、高温の炭素含有固形物が貯水部の水面に落下するとき、そこで生じる水蒸気と反応して、水素と一酸化炭素で構成される水性ガスを発生する。特許文献6に記載された竪型炉は特にとりたてて水素を取得することに特化したものではなく、多量の炭化水素系ガス等の混合物である乾溜ガスに混じって水素が回収されていたにすぎなかった。それに対し特許文献7の発明は、乾溜能を有する竪型炉において、水素含有ガスを生じさせ効率よく回収することにも重点を置いていた。
特公昭61-028716号公報 特開平5-180425号公報 特開2000-291927号公報 特開2001-107053号公報 特開2014-25632号公報 特許第6935952号公報 特願2022-024825 特許第5342664号公報 国際公開第2015/012302号
特許文献6、7のように最下部を貯留水に浸漬させる構造を有し乾溜能及び水素ガス発生能を有する竪型炉では、乾溜等の反応の残渣又は産物として得られるカーボン材料を貯留水から回収できるが、それをさらに炉の上部から反応原料として投入して再利用することもできる。しかし、貯留水から回収されたカーボン材料をただちに炉に投入して再利用する場合、カーボン材料が過度に湿って水分を含んでいるため、投入口付近で沈降が遅滞するだけでなく炉内の反応を複雑化或いは効率低下させることが課題として見出された。
本願に開示される発明は、上記課題に対処するものである。すなわち本開示に係る反応設備の構造は、
筒状の竪型炉と、
前記竪型炉の上端にあって、閉塞可能に構成された材料投入口と、
前記竪型炉の下端が浸漬された貯留水を保持する、水位調節可能な貯水部と、
前記竪型炉の外周に隣接して設けられた燃焼室と、
前記竪型炉の内部に立設された、前記竪型炉とは別個の筒である第1の通気ダクトと、
前記材料投入口より下、かつ、前記燃焼室より上の水平位置において、前記竪型炉の内部空間を横切って配置された複数の予備加熱管と
を含み、
前記第1の通気ダクトの下端に位置する開口部は前記竪型炉内にある前記貯留水の水面に近接して位置付けられ、前記第1の通気ダクトは前記開口部から上方に延在して、前記複数の予備加熱管と通気的に接続されていることを特徴とする。
一実施形態では、複数の予備加熱管の各々は、予備加熱管の長軸に沿って頂部に設けられた垂直な突起を有する。
反応設備の下部にある貯水部から回収された残渣のような、湿ったカーボン材料をただちに材料投入口に再投入しても、予備加熱管の領域を通過する際に乾燥及び予備的昇温が行われて、材料の崩壊が促進され、炉の上部に湿った低温の材料が沈降せず固まって停滞する現象が防止される。その結果、燃焼室による加熱域以下での高温反応の複雑化或いは効率低下を防止することができる。予備加熱管の長軸に沿って頂部に設けられた垂直な突起は、予備加熱管の接触面積を増加させると共に、材料投入口から沈降してくるカーボン材料の崩壊をさらに促進させることができる。
一実施形態による反応設備の概略図である。 図2は、図1のA-A’面における複数の予備加熱管の断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。添付の図面は発明の概念を説明するための図であることが理解されるべきである。従って各部材や空間の大きさは正確な縮尺比率で描かれているとは限らず、厳密な断面図であるとも限らない。しかしながら以下の詳細な説明を読めば、図面が本質的に表すところの意味が明らかに理解されるであろう。
図1において、一実施形態による反応設備100の概観が示されている。反応設備100の本体は、概して筒状である竪型炉110から構成されている。竪型炉という用語は、幅よりも長さ(高さ)の方が大きい筒状であって立設される竪型すなわち縦型の炉を意味する。本開示における「立設」という用語は、縦に長い構造が概して垂直に設置されることを意味するが、その構造が下端において固定支持されていることは必ずしも意味しない。例えば、立設される竪型炉は、炉の外側壁を介して固定支持されていてもよいし、上から吊り下げられるかたちで支持されていてもよい。竪型炉110の大きさは、個々のアプリケーションに応じて様々であり得、例えば実験用炉では1メートル程度の高さのものであり得、典型的には2~5メートル、或いは10~20メートル又はそれ以上の高さの大型炉にすることも可能である。
竪型炉110の下端は、貯水部120に保持された貯留水121に浸漬される。貯水部120は、例えば貯留水121の量を増減することによって、水位調節可能である。従って、水位を限りなく低くしていけば、竪型炉110の下端が水面より上に出てしまうこともあり得るが、あくまで反応設備100の使用時においては、上記のように竪型炉110の下端は貯留水121に浸漬され、従って筒状の竪型炉110の下端は水によって閉じられる。
竪型炉110の外周に隣接して、燃焼室130が設けられる。燃焼室130の内部では、燃料導入口131から燃料が導入され、燃焼が起こされる。この燃焼熱が、竪型炉110の伝熱性の壁を通じて、竪型炉110の内部に堆積されたカーボン材料(図示していない)を約900℃前後又はそれ以上(例えば約800~1000℃)の温度に加熱する。燃料は、化石燃料であり得、当該反応設備100から生産・回収され得る乾溜ガスから(冷却等を経て)得られる炭化水素系の油又はガスを利用することもできる。地球温暖化ガスの削減或いはカーボンリサイクルという観点から有利なことに、水素ガスや水性ガス等、例えば当該反応設備100から生産される水素ガス、一酸化炭素、又は水性ガスを燃焼室130の燃料に含ませることもできる。
燃焼室130は、例えば筒状の竪型炉110の外周に放射状に複数箇所設置され得る。図1では、竪型炉110の左右両側に燃焼室130が示されているが、これは、竪型炉110の全外周が燃焼室によって覆われていることは必ずしも意味せず、燃焼室フリーの竪型炉外壁面も存在し得る。このように、竪型炉の任意の箇所に任意の高さに渡り燃焼室を外設することができ、その取り付け及び取り外しも比較的容易であり、バレーボールのアタックの如く場所の狙いを定めて炉内を加熱できるため、本発明者はこの燃焼室の使用態様をアタックファーネス(attack furnace)と呼んでいる。
竪型炉110の上端にある材料投入口111は、閉塞可能に構成される。図1では開放状態の材料投入口111が示されている。つまり、開放された状態の材料投入口111から竪型炉110内にカーボン材料C(図1では一部のみ描かれている)が投入され、その後、例えば蓋によって材料投入口111は閉塞され、外部から炉内への酸素流入が遮断される。従って、竪型炉110は乾溜能を有する。カーボン材料は、炭素を主成分とする材料であり、純粋なカーボンの他、炭化水素及びその誘導体も含み得る。本実施形態の反応設備で好適に使用されるカーボン材料の例としては、特に、乾溜炉の残渣又は産物として得られるカーボン材料が挙げられるがこれに限定されず、石炭、木炭等であってもよい。カーボン材料は典型的に10センチ以下、例えばサブセンチメートルサイズ、サブミリメートルサイズ、若しくはサブマイクロメートルサイズの最大径を有するものであり得、又はこれらの混合物であり得る。有利なことに、本実施形態において材料投入口111に投入されるカーボン材料は水分を含んで湿ったものであってもよい。
竪型炉110の内部には、竪型炉110とは別個の筒である第1の通気ダクト140が立設される。また、材料投入口111より下、かつ、燃焼室130より上の水平位置において、竪型炉110の内部空間を横切って配置された複数の予備加熱管150が設けられる。第1の通気ダクト140と予備加熱管150とは、本発明の主要な特徴をなす構造である。第1の通気ダクト140の下端に位置する開口部141は、竪型炉110内にある貯留水121の水面に近接して位置付けられ、第1の通気ダクト140は開口部141から上方に延在して、複数の予備加熱管150と通気的に接続されている。反応設備100の反応域の下端付近にあたる開口部141から取り込まれた高温のガス(加熱されたカーボンと貯留水121との反応の結果水素を含有する水性ガスを含んでいると考えられる)は、第1の通気ダクト140を通って複数の予備加熱管150内にもたらされ、その熱が、炉内に投入されて間もない段階のカーボン材料の乾燥及び昇温に利用される。
第1の通気ダクト140の下端に位置する開口部141は、竪型炉110内にある貯留水121の水面に向かって、水面に近接して位置付けられる。本明細書において、通気ダクトの開口部が「水面に近接」するとは、開口部から通気ダクト内へとガスが入ることが可能なように開口部が水面上の空間に曝されていることを意味し、水面から開口部までの距離が、水面から竪型炉110の筒本体(任意のダンパー等を含まない)の上端までの距離の15%以下であることを意味する。水面から開口部141までの距離が、水面から竪型炉110の筒本体上端までの距離の10%以下又は5%以下であることが好ましい。水面から開口部141までの距離は、例えば50cm以内、20cm以内、又は10cm以内とし得る。この距離は通常は2cm以上である。上述したように、貯留水121の水位は調節可能であり、反応設備100の使用時にこれらの距離となるように水位を調節することができる。
第1の通気ダクト140と複数の予備加熱管150との通気的な接続に関し、例えば、図1に示す特定の実施形態では、各予備加熱管150が、外円筒151と、外円筒に入れ子式かつ回転可能に内接する内円筒152とから形成されており、外円筒151と内円筒152のそれぞれが側壁に穴を有している。外円筒151の穴は、第1の通気ダクト140の内部空間に晒されている。そして、内円筒152を適宜回転させて両円筒151,152の穴が重なっているときには、第1の通気ダクト140の内部空間と予備加熱管150の内部空間が繋がって上記通気的接続が提供される。内円筒152の回転位置を調節することにより、通気的接続の程度を調節することができる。しかしながら、第1の通気ダクト140と複数の予備加熱管150との通気的接続の態様はこの特定の例に限定されない。図示していないが、予備加熱管150のうち第1の通気ダクト140に接続する側と反対の側には、適宜ガスを逃がす排出口があってもよい。第1の通気ダクト140及び/又は予備加熱管150で得られるガスを(例えば適宜酸素等を供給しながら)燃焼させる実施形態も企図される。
図1では、図面の便宜上、竪型炉110の壁を隔てて第1の通気ダクト140と燃焼室130との位置が重なっているように描かれているが、必ずしもそうである必要はない。例えば、竪型炉110の壁のうち燃焼室フリーの部分の内側に接して第1の通気ダクト140が立設されてもよい。いずれにせよ、竪型炉110の内壁に接して立設される第1の通気ダクト140は、燃焼室130に近接する部分を含むため、きわめて高温に熱せられたガスを通気することとなる。
概して、予備加熱管150の外径は第1の通気ダクト140の内径より小さい。従って図1において第1の通気ダクト140は予備加熱管150によって塞がれているわけではなく、第1の通気ダクト140は一番上の予備加熱管150にまで通じている。また、図1では、上下方向に並んだ4本の予備加熱管150が例示されているが、左右方向に又は互い違いに複数の予備加熱管150を並べて設置してもよい。例えば図2は、一実施形態による複数の予備加熱管150の概略的断面図を示す。図2の実施形態では、竪型炉110の内壁に沿って、複数の予備加熱管150が上下にも左右にも並んで設置されている。つまり、竪型炉110の内壁に沿って複数の第1の通気ダクト140が立設され、複数の予備加熱管150がそれぞれいずれかの第1の通気ダクト140に接続し得る。
図2に示すように、複数の予備加熱管150の各々が、予備加熱管の長軸に沿って頂部に設けられた垂直な突起(リッジ、或いは背びれ)153を有することが好ましい。この突起は、予備加熱管150の接触面積を増加させると共に、カーボン材料の炉内沈降を妨げないどころかむしろその崩壊を物理的にさらに促進させることができる。突起153の高さは例えば50~200mmであり得、典型的に約100mmであり得る。図2では、上述した外円筒151と内円筒152の入れ子構造が示されている。
再び図1を参照して、竪型炉110内部の上端付近(通常は、燃焼室130の上端より上に位置する領域)の内壁には、従来の乾溜炉と同様に、炉内に堆積されたカーボン材料の間を通って上昇してくる乾溜ガスを外部に導いて回収するための導出管112を設けることができる。この導出管112は通常、乾溜ガス中に浮遊する固体微粒子を分離回収するためのサイクロン装置に接続され、さらに、乾溜ガスを冷却して炭化水素系油を含む液状成分を分離回収するための熱交換器のほか、タール分離器、油水分離器、ガス精製器等に接続されてもよい。
図1に例示する特定の実施形態では、特許文献7と同様に、水との反応により生じる水素含有ガスである水性ガスを効率よく回収するための第2の通気ダクト160が設けられている。第2の通気ダクト160は、竪型炉110の内部に立設された、竪型炉110とも第1の通気ダクト140とも別個の筒であり、その上端は材料投入口111、竪型炉110内空間、及び予備加熱管150の何れにも通じずに、竪型炉110の外部に通じている。一方、第2の通気ダクト160の下端に位置する採ガス開口部161は竪型炉110内にある貯留水121の水面に近接して位置付けられている。竪型炉110の「外部に通じる」とは、筒状である第2の通気ダクト160の開放された下端(採ガス開口部161)から入って上方に向かう気体が竪型炉110の外部に誘導されて回収されることを意味する。炉の中でも特に貯留水121の水面付近では、高温に熱せられたカーボン材料と水或いは水蒸気との水性ガス反応により水素を含むガスが発生しており、第2の通気ダクト160はそのガスを回収することを目的としている。
第2の通気ダクト160は、採ガス開口部161から上方に延在するが、ただし、上端は、竪型炉110の材料投入口111及び竪型炉内空間(カーボン材料が投入され堆積されれる空間)には通じていない。つまり、材料投入口111から炉内に投入される際のカーボン材料が第2の通気ダクト160中に直接入ることはなく、また、炉内に堆積されたカーボン材料やその間を上昇していく乾溜ガスが第2の通気ダクト160中に入ることも防止される。この点は第1の通気ダクト140も同様である。なお、第2の通気ダクト160は、竪型炉110の内径と比べて十分に細く、材料投入口111から貯留水121にまで至るカーボン材料の沈降を妨げるものではない。
図示していないが、竪型炉110の内部のうち、上述した開口部161又は141のやや上、かつ燃焼室130下端より下の位置に網構造を略水平に張設してもよい。網構造は、竪型炉110内に導入されるカーボン材料の沈降率を制御する役目を果たす多孔性構造である。すなわち、竪型炉110内に導入されたカーボン材料は網構造によっていったん沈降が妨げられ炉内に保持されるが、加熱分解を受けて物理的サイズが小さくなると網構造の孔を通って貯留水121へと落下することができる。網構造の有無及び孔の大きさは、使用されるカーボン材料のサイズや形状に合わせて変動させ得る。孔径の違う(又は孔径が同じ)複数の網構造を上下に階層的に設置してもよい。網構造の上に、まず比較的サイズの大きいカーボン材料を堆積させて、その上によりサイズの小さいカーボン材料を堆積させることも沈降の制御のために好ましくなり得る。
反応設備100の上述したような構成により、以下のようなプロセスが可能になる。すなわち、材料投入口111を通して投入されて、竪型炉110内の空間に堆積されたカーボン材料は、必要に応じて着火されて、さらに燃焼室130からの熱を受けて、材料投入口111が閉鎖された後の竪型炉110内で実質的な無酸素状態で約900℃前後又はそれ以上の高熱に加熱される。炉内に残っていた酸素は早期の段階で消費される。カーボン材料の状態に応じて、竪型炉110内では乾溜反応乃至熱分解反応が起こる。乾溜ガスは有用産物として炉上部から回収される。高温となり、典型的には脆く小さくなったカーボン材料は、自発的に又は任意で設置されるバイブレーター等による補助を受けて炉内を沈降していき、やがて貯留水121へと落下する。その際に高温のカーボン材料が貯留水121の水或いは水蒸気と接触して、水素含有ガスである水性ガスが発生し、その水性ガスの大部分は、カーボン材料の間を通って上昇していく乾溜ガスとは別ルートとなる、物理的障壁のない開口部141又は採ガス開口部161から第1の通気ダクト140又は第2の通気ダクト160へのルートに導かれる。第1の通気ダクト140を通った高温ガスは、予備加熱管150へと導かれ、投入直後段階のカーボン材料の乾燥及び昇温に利用される。これにより、炉内上部に低温で湿ったカーボン材料が固まって停滞する現象が緩和又は防止される。
いくつかの実施形態では、貯水部120は、貯留水121の水中から水面上へと延在するコンベア122を含み得る。コンベア122は、竪型炉110の内部から貯留水121へと沈降した、熱分解し切らなかった残渣固形カーボン材料C’を受け取って、貯留水121の外かつ竪型炉110の外へと輸送するように構成される。例えば循環式のコンベアは、貯留水121の水中から水面上へと延在しコンベアの固定床を提供する鉄板と、その鉄板の上側(順方向)及び下側(逆方向)に沿って移動する一続きの(すなわちモーター等の駆動により循環する)チェーンを含み得る。実際には該鉄板の上面はチェーンを載せてチェーンに接触し得る。チェーンには、カーボン材料を押し送る役目を果たす多数のブレード(例えば角材)が、チェーンの進行方向に対して直行して固定されている。
材料投入口111における投入から始まって、加熱を受けながら炉内を沈降し、熱分解し切らないまま貯留水121まで沈降した残渣固形カーボン材料C’を、コンベア122で連続的に除去することにより、達磨落とし的に反応設備100を操業することができる。コンベア122により竪型炉110の外で回収された残渣であるカーボン材料は、反応設備100に再導入するために又は他の用途のために利用され得ることは言うまでもない。
図1に示す特定の実施形態では、竪型炉110は、任意の詰り防止機構170に接続されている。詰り防止機構170は概して筒型で近位(外側)末端において閉塞可能であり、遠位(内側)末端は、竪型炉110の内部空間に通じている。例えば、詰り防止機構170の筒を通して制御してセラミックボールを炉内に転げ落したり、火掻き棒のごとく金属棒を炉内に挿入することにより、カーボン材料の詰りや停滞の解消に役立てることができる。
反応設備100の各部分を構成させるために適した材料は当業者に知られている。特に、約900℃前後の加熱を行う炉に適した耐熱ステンレス鋼等の材料は公知であり、上記特許文献にも例示されており、当業者は同様の耐熱性材料を本実施形態の反応設備100において適宜使用することができる。
100 反応設備
110 竪型炉
111 材料投入口
120 貯水部
130 燃焼室
140 第1の通気ダクト
141 開口部
150 予備加熱管
160 第2の通気ダクト
C 固形カーボン材料(C’は残渣)

Claims (2)

  1. 筒状の竪型炉と、
    前記竪型炉の上端にあって、閉塞可能に構成された材料投入口と、
    前記竪型炉の下端が浸漬された貯留水を保持する、水位調節可能な貯水部と、
    前記竪型炉の外周に隣接して設けられた燃焼室と、
    前記竪型炉の内部に立設された、前記竪型炉とは別個の筒である第1の通気ダクトと、
    前記材料投入口より下、かつ、前記燃焼室より上の水平位置において、前記竪型炉の内部空間を横切って配置された複数の予備加熱管と
    を含む、反応設備であって、
    前記第1の通気ダクトの下端に位置する開口部は前記竪型炉内にある前記貯留水の水面に近接して位置付けられ、前記第1の通気ダクトは前記開口部から上方に延在して、前記複数の予備加熱管と通気的に接続されていることを特徴とする、
    反応設備。
  2. 前記複数の予備加熱管の各々は、予備加熱管の長軸に沿って頂部に設けられた垂直な突起を有する、請求項1に記載の反応設備。

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