JP2024115778A - ショベル - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン回転数をより適切に制御できるショベルを提供すること。【解決手段】ショベル100は、下部走行体1と、下部走行体1に旋回可能に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載されるメインポンプ14と、メインポンプ14が吐出する作動油によって駆動される油圧アクチュエータと、を有する。そして、ショベル100は、メインポンプ14に加わるポンプ負荷トルクを算出し、算出したポンプ負荷トルクに基づいて目標エンジン回転数を決定するように構成されている。【選択図】図3
Description
本開示は、掘削機としてのショベルに関する。
従来、エンジンによって駆動される油圧ポンプが吐出する作動油によって動作する油圧アクチュエータを備えたショベルが知られている(特許文献1参照。)。
このショベルは、油圧アクチュエータを動作させるための操作レバーが所定時間にわたって操作されない場合には、エンジン回転数を、回転数設定スイッチによって設定された目標回転数から所定の低速回転数まで低減させる機能を備えている。
そして、このショベルは、操作レバーの操作が開始されてエンジン回転数を低速回転数から目標回転数に復帰させるときに発生する燃料の不完全燃焼を防止できるように構成されている。
しかしながら、上述のショベルは、エンジン回転数を復帰させる際の不完全燃焼を防止するため、操作レバーの操作が開始された後で所定時間が経過するまでは油圧ポンプの吸収トルクを所定の最小トルクに制限するように構成されている。そのため、上述のショベルは、エンジン回転数が低減させられた状態で操作レバーが操作されたときに操作者が感じる操作感を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、エンジン回転数をより適切に制御できるショベルを提供することが望ましい。
本発明の実施形態に係るショベルは、下部走行体と、前記下部走行体に旋回可能に搭載される上部旋回体と、前記上部旋回体に搭載される油圧ポンプと、前記油圧ポンプが吐出する作動油によって駆動される油圧アクチュエータと、を有し、前記油圧ポンプに加わるポンプ負荷トルクを算出し、算出した前記ポンプ負荷トルクに基づいて目標エンジン回転数を決定する。
上述の手段により、エンジン回転数をより適切に制御できるショベルが提供される。
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係る掘削機としてのショベル100について説明する。図1はショベル100の側面図である。本実施形態では、下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。下部走行体1は、走行用油圧モータ2Mによって駆動される。走行用油圧モータ2Mは、左側のクローラを駆動する左走行用油圧モータ2ML、及び、右側のクローラを駆動する右走行用油圧モータ2MR(図1では不可視)を含む。旋回機構2は、上部旋回体3に搭載されている旋回用油圧モータ2Aによって駆動される。旋回用油圧モータ2Aは、電動アクチュエータとしての旋回用電動発電機であってもよい。
上部旋回体3にはブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントを構成する。ブーム4はブームシリンダ7で駆動され、アーム5はアームシリンダ8で駆動され、バケット6はバケットシリンダ9で駆動される。
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられ、且つ、エンジン11等の動力源が搭載されている。また、上部旋回体3には、コントローラ30が取り付けられている。なお、本書では、便宜上、上部旋回体3における、ブーム4が取り付けられている側を前側とし、カウンタウェイトが取り付けられている側を後側とする。
コントローラ30は、ショベル100を制御するための制御装置である。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を備えたコンピュータで構成されている。そして、コントローラ30は、様々な機能要素に対応するプログラムを不揮発性記憶装置から読み出し、対応する処理をCPUに実行させることで様々な機能を実現できるように構成されている。
次に、図2を参照し、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例について説明する。図2は、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例を示す。図2は、機械的動力伝達系、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御系を、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示している。
ショベル100の油圧システムは、主に、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作圧センサ29、コントローラ30、エンジン回転数調整ダイヤル75、及びエンジン制御装置76等を含む。
図2において、油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14から、センターバイパス管路40及びパラレル管路42の少なくとも1つを経て作動油タンクまで作動油を循環させている。
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11は、過給機を備えていてもよい。過給機は、ターボチャージャであってもよく、スーパーチャージャであってもよい。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。エンジン11は、アイソクロナス制御によって制御されてもよく、ドループ制御によって制御されてもよい。
エンジン11を所定の回転数で回転させることは、急激な負荷の増加に対応し易いという利点を有する。燃料噴射量を増加させるだけでエンジン出力(エンジントルク)を増加させることができるためである。この利点は、もたつきのないショベル100の機敏な動作をもたらし、ショベル100の作業効率を向上させることができる。
メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給するように構成されている。本実施形態では、メインポンプ14は、電子制御式の油圧ポンプである。具体的には、メインポンプ14は、斜板式可変容量型の油圧ポンプである。
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御する。本実施形態では、レギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節してメインポンプ14の1回転当たりの押し退け容積を制御することでメインポンプ14の吐出量を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26を含む油圧制御機器に作動油を供給するように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を低下させた後で操作装置26等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、一点鎖線で示すように、制御弁171~176を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できる。制御弁171~176は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行用油圧モータ2ML、右走行用油圧モータ2MR及び旋回用油圧モータ2Aを含む。
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。本実施形態では、操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力であるパイロット圧は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力である。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作圧センサ29は、操作装置26を介した操作の内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作圧センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26としてのレバー又はペダルの操作方向及び操作量を圧力(操作圧)の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作装置26の操作内容は、操作圧センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
メインポンプ14は、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rを含む。そして、左メインポンプ14Lは、左センターバイパス管路40L又は左パラレル管路42Lを経て作動油タンクまで作動油を循環させ、右メインポンプ14Rは、右センターバイパス管路40R又は右パラレル管路42Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
左センターバイパス管路40Lは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁171、173、175L及び176Lを通る作動油ラインである。右センターバイパス管路40Rは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁172、174、175R及び176Rを通る作動油ラインである。
制御弁171は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行用油圧モータ2MLへ供給し、且つ、左走行用油圧モータ2MLが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁172は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行用油圧モータ2MRへ供給し、且つ、右走行用油圧モータ2MRが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回用油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁175Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁175Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁176Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
左パラレル管路42Lは、左センターバイパス管路40Lに並行する作動油ラインである。左パラレル管路42Lは、制御弁171、173及び175Lの何れかによって左センターバイパス管路40Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル管路42Rは、右センターバイパス管路40Rに並行する作動油ラインである。右パラレル管路42Rは、制御弁172、174及び175Rの何れかによって右センターバイパス管路40Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
レギュレータ13は、左レギュレータ13L及び右レギュレータ13Rを含む。左レギュレータ13Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することによって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御できるように構成されている。この制御は、パワー制御又は馬力制御と称される。具体的には、左レギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧の増大に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節して1回転当たりの押し退け容積を減少させることで吐出量を減少させる。右レギュレータ13Rについても同様である。吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14の吸収パワー(例えば吸収馬力)がエンジン11の出力パワー(例えば出力馬力)を超えないようにするためである。
操作装置26は、左操作レバー26L、右操作レバー26R及び走行レバー26Dを含む。走行レバー26Dは、左走行レバー26DL及び右走行レバー26DRを含む。
左操作レバー26Lは、旋回操作とアーム5の操作に用いられる。左操作レバー26Lは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁176のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁173のパイロットポートに導入させる。
具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向に操作された場合に、制御弁176Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向に操作された場合には、制御弁176Lの左パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、左旋回方向に操作された場合に、制御弁173の左パイロットポートに作動油を導入させ、右旋回方向に操作された場合に、制御弁173の右パイロットポートに作動油を導入させる。
右操作レバー26Rは、ブーム4の操作とバケット6の操作に用いられる。右操作レバー26Rは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁175のパイロットポートに導入させる。また、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁174のパイロットポートに導入させる。
具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向に操作された場合に、制御弁175Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向に操作された場合には、制御弁175Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向に操作された場合に、制御弁174の左パイロットポートに作動油を導入させ、バケット開き方向に操作された場合に、制御弁174の右パイロットポートに作動油を導入させる。
走行レバー26Dは、クローラの操作に用いられる。具体的には、左走行レバー26DLは、左側のクローラの操作に用いられる。左走行レバー26DLは、左走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。左走行レバー26DLは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁171のパイロットポートに導入させる。右走行レバー26DRは、右側のクローラの操作に用いられる。右走行レバー26DRは、右走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。右走行レバー26DRは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁172のパイロットポートに導入させる。
吐出圧センサ28は、吐出圧センサ28L及び吐出圧センサ28Rを含む。吐出圧センサ28Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。吐出圧センサ28Rについても同様である。
操作圧センサ29は、操作圧センサ29LA、29LB、29RA、29RB、29DL及び29DRを含む。操作圧センサ29LAは、左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作内容は、例えば、レバー操作方向及びレバー操作量(レバー操作角度)等である。
同様に、操作圧センサ29LBは、左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29RAは、右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29RBは、右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29DLは、左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29DRは、右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、操作圧センサ29の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させてもよい。
また、コントローラ30は、絞り18と制御圧センサ19を用いた省エネルギ制御としてのネガティブコントロール制御を実行するように構成されている。絞り18は左絞り18L及び右絞り18Rを含み、制御圧センサ19は左制御圧センサ19L及び右制御圧センサ19Rを含む。本実施形態では、制御圧センサ19は、ネガティブコントロール圧センサとして機能する。省エネルギ制御は、メインポンプ14による無駄なエネルギ消費を抑制するためにメインポンプ14の吐出量を低減させる制御である。
左センターバイパス管路40Lには、最も下流にある制御弁176Lと作動油タンクとの間に左絞り18Lが配置されている。そのため、左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左レギュレータ13Lを制御するための制御圧(ネガティブコントロール圧)を発生させる。左制御圧センサ19Lは、この制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。コントローラ30は、この制御圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調節することで、ネガティブコントロール制御によって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。コントローラ30は、この制御圧が大きいほど左メインポンプ14Lの吐出量を減少させ、この制御圧が小さいほど左メインポンプ14Lの吐出量を増大させる。右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御される。
具体的には、図2で示されるようにショベル100における油圧アクチュエータが動作可能であっても何れも操作されていない場合(ゲートロックが解除状態であっても油圧アクチュエータが操作されていない場合)、すなわち、ショベル100が待機状態にある場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、左センターバイパス管路40Lを通って左絞り18Lに至る。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を増大させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量をスタンバイ流量まで減少させ、吐出した作動油が左センターバイパス管路40Lを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。スタンバイ流量は、待機状態のときに採用される所定の流量であり、例えば、許容最小吐出量である。一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁は、左絞り18Lに至る作動油の流量を減少或いは消失させ、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を低下させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を循環させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。なお、コントローラ30は、右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御する。
上述のようなネガティブコントロール制御により、図2の油圧システムは、待機状態においては、メインポンプ14における無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、メインポンプ14が吐出する作動油がセンターバイパス管路40で発生させるポンピングロスを含む。また、図2の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14から必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できる。
エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン11の回転数を調整するためのダイヤルである。エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン回転数の設定状態を示すデータをコントローラ30に送信する。本実施形態では、エンジン回転数調整ダイヤル75は、SPモード、Hモード、Aモード及びIDLEモードの4段階でエンジン回転数を切り換えできるように構成されている。SPモードは、作業量を優先したい場合に選択される回転数モードであり、最も高いエンジン回転数を利用する。Hモードは、作業量と燃費を両立させたい場合に選択される回転数モードであり、二番目に高いエンジン回転数を利用する。Aモードは、燃費を優先させながら低騒音でショベル100を稼働させたい場合に選択される回転数モードであり、三番目に高いエンジン回転数を利用する。IDLEモードは、エンジン11をアイドリング状態にしたい場合に選択される回転数モードであり、最も低いエンジン回転数を利用する。エンジン11は、エンジン回転数調整ダイヤル75で設定された回転数モードのエンジン回転数(以下、「設定エンジン回転数」とする。)で一定に回転数制御される。
エンジン制御装置76は、エンジン11の動きを制御するように構成されている。本実施形態では、エンジン制御装置76は、コントローラ30からの制御指令に応じてエンジン11の動きを制御する。具体的には、エンジン制御装置76は、設定エンジン回転数でエンジン11を回転させるよう、燃料噴射量及び燃料噴射タイミング等を制御する。
コントローラ30は、メインポンプ14の吸収パワーが低い場合、すなわち、メインポンプ14のポンプ負荷トルクが小さい場合に、エンジン回転数を低減させるように構成されている。燃費を向上させるためである。
具体的には、コントローラ30は、エンジン回転数を低減させた状態でポンプ負荷トルクが急激に増加した場合であっても、エンジン回転数を設定エンジン回転数に速やかに復帰させることができる限りにおいて、エンジン回転数をできるだけ低減させるように構成されている。
そのため、エンジン回転数の低減幅は、ポンプ負荷トルクの増加率に基づいて設定される。ポンプ負荷トルクの増加率は、例えば、過去の実験データ等に基づいて設定される。
具体的には、エンジン回転数の低減幅は、許容可能なポンプ負荷トルクの増加率が小さいほど大きくなるように決定される。したがって、エンジン回転数の低減幅が小さく設定されるほど、ショベル100は、より急激なポンプ負荷トルクの増加に対応できる。すなわち、コントローラ30は、エンジン回転数を速やかに設定エンジン回転数に復帰させることができる。
これは、エンジントルクが、ポンプ負荷トルクに対応するために利用されるばかりでなく、エンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰(増加)させるためにも利用されるという前提に基づく。
すなわち、メインポンプ14のポンプ負荷トルクが所定の増加率で増加する際に、時々刻々の最大エンジントルクとポンプ負荷トルクとの間の差分トルクの時間積分が、現在のエンジン回転数を設定エンジン回転数まで増加させるために必要なトルクの累積値と一致するという前提に基づく。なお、最大エンジントルクは、各時点でエンジン11が出力可能なトルクの最大値であり、例えば、設定エンジン回転数に応じて決定される。
但し、エンジン11の動作状態とは無関係にエンジン回転数の低減幅が一律に小さく設定されてしまうと、ショベル100は、エンジン11におけるラグダウンの発生を抑制できるが、ポンプ負荷が小さいときにエンジン回転数を低減させることによる燃費改善効果を十分に享受できない。
そのため、コントローラ30は、エンジン11の現在の動作状態に応じてエンジン回転数の低減幅を変化させるように構成されている。エンジン11におけるラグダウンの発生を抑制しながらも、エンジン回転数の低減幅をできるだけ大きくするためである。本実施形態では、コントローラ30は、エンジン負荷トルクとは別に、エンジン回転数を増加させるために必要なトルクを確保できるように低減幅を決定することで、エンジン回転数の低減幅をできるだけ大きくしている。また、コントローラ30は、過給圧に応じてエンジン回転数の低減幅を変化させる。具体的には、コントローラ30は、過給圧が高いほどエンジン回転数の低減幅が大きくなるようにする。過給圧が高いほど燃料噴射量を大きくできるため、すなわち、エンジン回転数を増加させ易いためである。
次に、図3を参照し、コントローラ30が、上述のように設定されたエンジン回転数の低減幅だけ低減させられたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる機能(以下、「回転数復帰機能」とする。)の一例について説明する。図3は、回転数復帰機能を実現するコントローラ30の構成例を示す。図3の例では、コントローラ30は、ポンプ負荷トルク予測部30A、目標エンジン回転数決定部30B、及び目標ポンプ傾転角決定部30Cを有する。
ポンプ負荷トルク予測部30Aは、メインポンプ14のポンプ負荷トルクを予測するように構成されている。ポンプ負荷トルク予測部30Aは、例えば、電子制御式の油圧ポンプであるメインポンプ14に対する押し退け容積に関する指令と、メインポンプ14の動特性モデルとに基づき、メインポンプ14の現在の押し退け容積を推定するように構成されている。
本実施形態では、ポンプ負荷トルク予測部30Aは、レギュレータ13に対して出力した直近の指令値としてのポンプ傾転角と、メインポンプ14の動特性モデルとに基づき、メインポンプ14の現在の押し退け容積を推定するように構成されている。
メインポンプ14の動特性モデルは、メインポンプ14の状態を推定するために用いられるコンピュータモデルである。本実施形態では、メインポンプ14の動特性モデルは、ポンプ傾転角が入力されると、そのときのメインポンプ14の押し退け容積を出力するように構成されている。
そして、ポンプ負荷トルク予測部30Aは、推定したメインポンプ14の押し退け容積と、メインポンプ14の吐出圧とに基づき、メインポンプ14の吸収(入力)トルクとしてのポンプ負荷トルクを算出するように構成されている。メインポンプ14の吐出圧は、例えば、吐出圧センサ28が検出した値である。
ポンプ負荷トルク予測部30Aは、制御弁171~176のそれぞれに作用するパイロット圧と、メインポンプ14の動特性モデルとに基づき、メインポンプ14の現在の押し退け容積を推定するように構成されていてもよい。また、ポンプ負荷トルク予測部30Aは、レギュレータ13に対して出力した直近の指令値としてのポンプ傾転角に基づき、メインポンプ14の現在の押し退け容積を推定するように構成されていてもよい。
目標エンジン回転数決定部30Bは、目標エンジン回転数を決定するように構成されている。本実施形態では、目標エンジン回転数決定部30Bは、低減させられたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる際に利用される目標エンジン回転数を決定するように構成されている。なお、目標エンジン回転数決定部30Bは、エンジン回転数を設定エンジン回転数から低減させる際に利用される目標エンジン回転数を決定するように構成されていてもよい。
本実施形態では、目標エンジン回転数決定部30Bは、ポンプ負荷トルク予測部30Aが予測したポンプ負荷トルクと、不揮発性記憶装置に記憶された参照テーブルとに基づき、目標エンジン回転数を決定する。
参照テーブルは、ポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を参照可能に記憶するデータベースである。参照テーブルは、ポンプ負荷トルクを引数とする関数であってもよい。
そして、目標エンジン回転数決定部30Bは、決定した目標エンジン回転数をエンジン制御装置76に対して出力し、エンジン回転数が目標エンジン回転数と一致するように、エンジン11を制御する。具体的には、目標エンジン回転数決定部30Bは、燃料噴射量及び燃料噴射タイミング等を制御する。
本実施形態では、目標エンジン回転数決定部30Bは、更に、エンジン回転数調整ダイヤル75で設定された回転数モードのエンジン回転数である設定エンジン回転数と、不図示の過給圧センサが検出した過給圧と、不図示のエンジン回転数センサが検出したエンジン回転数と、を入力として取得するように構成されている。
目標ポンプ傾転角決定部30Cは、低減させられたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる際に利用される目標ポンプ傾転角を決定するように構成されている。
目標ポンプ傾転角は、ポンプ負荷トルクの増加率が所定の増加率となるように、メインポンプ14のポンプ傾転角を制御する際に利用される。ポンプ負荷トルクの所定の増加率は、典型的には、エンジン回転数の低減幅を設定する際に用いられた増加率である。
本実施形態では、目標ポンプ傾転角決定部30Cは、レギュレータ13に対して出力した直近の指令値としてのポンプ傾転角と、設定エンジン回転数と、目標エンジン回転数決定部30Bが決定した目標エンジン回転数とに基づき、目標ポンプ傾転角を決定する。
そして、目標ポンプ傾転角決定部30Cは、決定した目標ポンプ傾転角をレギュレータ13に対して出力し、メインポンプ14のポンプ傾転角が目標ポンプ傾転角と一致するようにしてメインポンプ14の押し退け容積を制御する。
次に、図4を参照し、ポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を参照可能に記憶する参照テーブルの詳細について説明する。図4は、ポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を参照可能に記憶する参照テーブルの内容を表す概略図である。
図4の縦軸は、最大エンジントルク及びポンプ負荷トルクを含む軸トルクの大きさを表す軸であり、図4の横軸は、目標エンジン回転数の大きさを表す軸である。図4の一点鎖線は、最大エンジントルクを示している。
また、図4における3つの実線で示すカーブSLのそれぞれは、回転数モードとしてHモードが選択されたときの設定エンジン回転数(1600rpm)に関する。具体的には、3つの実線で示すカーブSLのうちの最も左側のカーブSL1は、過給圧が高いときのポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を表し、中央のカーブSL2は、過給圧が中程度のときのポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を表し、最も右側のカーブSL3は、過給圧が低いときのポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を表している。
すなわち、3つの実線で示すカーブSLのうちの最も左側のカーブSL1は、過給圧が高いと判定されたときに、ポンプ負荷トルクが決まれば、目標エンジン回転数が一意に決まることを示し、3つの実線で示すカーブSLのうちの中央のカーブSL2は、過給圧が中程度であると判定されたときに、ポンプ負荷トルクが決まれば、目標エンジン回転数が一意に決まることを示し、3つの実線で示すカーブSLのうちの最も右側のカーブSL3は、過給圧が低いと判定されたときに、ポンプ負荷トルクが決まれば、目標エンジン回転数が一意に決まることを示している。そのため、3つのカーブSLのそれぞれは、エンジン回転数を設定エンジン回転数まで増加させる際の、予測されたポンプ負荷トルクに対応する目標エンジン回転数の許容最大値を表すカーブとして、「許容加速曲線」と称される。本実施形態では、許容加速曲線は、予め設定されるカーブである。但し、許容加速曲線は、動的に設定されるカーブであってもよい。
図4に示すように、3つの実線で示すカーブSLは、過給圧が高いほど、エンジン回転数の低減幅が大きく設定されることを示している。過給圧が高いほど燃料噴射量を大きくすることができ、エンジントルクを速やかに増加させることができるためである。
同様に、図4における3つの点線で示すカーブDLのそれぞれは、回転数モードとしてSPモードが選択されたときの設定エンジン回転数(1800rpm)に関する。具体的には、3つの点線で示すカーブDLのうちの最も左側のカーブDL1は、過給圧が高いときのポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を表し、中央のカーブDL2は、過給圧が中程度のときのポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を表し、最も右側のカーブDL3は、過給圧が低いときのポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を表している。
図4の例では、Hモードが選択されたときの設定エンジン回転数(1600rpm)に関する3つのカーブSLと、SPモードが選択されたときの設定エンジン回転数(1800rpm)に関する3つのカーブDLとが示されているが、1つの回転数モードに対応するカーブの数は、1つであってもよく、2つであってもよく、或いは、4つ以上であってもよい。すなわち、許容加速曲線は、過給圧の大きさに応じて無段階に設定されていてもよい。また、カーブの数は、回転数モード毎に異なっていてもよい。
目標エンジン回転数決定部30Bは、図4に示すような参照テーブルを利用し、目標エンジン回転数を決定するように構成されている。
具体的には、目標エンジン回転数決定部30Bは、エンジン回転数調整ダイヤル75で設定された回転数モードがHモードである、すなわち、設定エンジン回転数が1600rpmであると判定し、且つ、不図示の過給圧センサが検出した過給圧が中程度であると判定すると、3つのカーブSLのうちの中央のカーブSL2で表される、ポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を参照する。
そして、目標エンジン回転数決定部30Bは、ポンプ負荷トルク予測部30Aが予測したポンプ負荷トルクTaを受けると、カーブSL2上の点Paに対応する目標エンジン回転数Naを導き出す。
そして、目標エンジン回転数決定部30Bは、目標エンジン回転数Naをエンジン制御装置76に対して出力し、エンジン回転数が目標エンジン回転数Naと一致するようにエンジン11を制御する。
本実施形態では、目標エンジン回転数決定部30Bは、不図示のエンジン回転数センサが検出したエンジン回転数Ncを入力として取得するように構成されている。そのため、目標エンジン回転数決定部30Bは、カーブSL2上の点Pcに対応する現在のポンプ負荷トルクTcを導き出すことができる。
また、目標エンジン回転数決定部30Bは、ポンプ負荷トルクと目標エンジン回転数との対応関係を示す点が、カーブSL2に含まれる軌跡線TLに沿って点Pcから点Paに移動するように、エンジン回転数を制御できる。すなわち、目標エンジン回転数決定部30Bは、エンジン回転数が設定エンジン回転数を超えてしまうのを防止でき、エンジン回転数を増加させるために必要なトルクとポンプ負荷トルクとの合計であるエンジン負荷トルクが最大エンジントルクを超えてしまうのを防止できる。軌跡線TLを含むカーブSL2は、エンジン11におけるラグダウン等が発生しないように、過去のデータ等に基づいて設定されているためである。
目標エンジン回転数決定部30Bは、実際のポンプ負荷トルクとエンジン回転数とが軌跡線TLに沿って推移するように、目標エンジン回転数及び目標ポンプ傾転角の少なくとも一方を補正してもよい。
なお、図4に示すブロック矢印DFは、最大エンジントルクと、ポンプ負荷トルク予測部30Aが予測したポンプ負荷トルクTaとの間の差分トルク(余剰トルク)を表している。目標エンジン回転数Naを適切に決定することは、目標エンジン回転数Naと現在のエンジン回転数Ncとの差である加速可能なエンジン回転数の大きさが、差分トルクに基づいて適切に決定されることを意味する。
このように、ショベル100は、燃費向上のために所定の低減幅だけ低減させたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる際に、ポンプ負荷トルクを予測した上で、そのポンプ負荷トルクに基づいて目標エンジン回転数を決定する。そのため、ショベル100は、最大エンジントルクとポンプ負荷トルクとの間の差分トルクによってエンジン回転数が加速されるという前提に基づいて目標エンジン回転数を決定できる。すなわち、ショベル100は、エンジン回転数を加速させるために必要なエンジントルクまでもがメインポンプ14の要求(ポンプ負荷トルク)を満たすために利用されてしまうのを防止できる。その結果、ショベル100は、メインポンプ14の要求(ポンプ負荷トルク)を満たしながらも、エンジン回転数を適切に増加させることができ、エンジン11におけるラグダウンの発生を抑制或いは防止できる。
上述のように、本発明の実施形態に係るショベル100は、下部走行体1と、下部走行体1に旋回可能に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に搭載されるメインポンプ14と、メインポンプ14が吐出する作動油によって駆動される油圧アクチュエータと、を有する。そして、ショベル100は、メインポンプ14に加わるポンプ負荷トルクを算出し、算出したポンプ負荷トルクに基づいて目標エンジン回転数を決定するように構成されている。
図示例では、ショベル100は、図3に示すように、レギュレータ13に対して出力した直近の指令値としてのポンプ傾転角(メインポンプ14の押し退け容積に対応)と、メインポンプ14の吐出圧(検出値)とに基づき、メインポンプ14の吸収(入力)トルクとしてのポンプ負荷トルクを算出するように構成されている。なお、ポンプ傾転角(指令値)は、ポンプ傾転角(指令値)を決定するパイロット圧等であってもよく、ポンプ傾転角(指令値)に基づいて算出される他の値であってもよい。
この構成は、エンジン負荷トルク又はポンプ吐出圧等のようなポンプ負荷トルク以外の値に基づいてエンジン回転数を変化させる構成に比べ、ラグダウンの発生をより確実に抑制できるという効果をもたらす。ラグダウンの発生を抑制するために考慮すべき値は負荷側のトルク(ポンプ負荷トルク)であるためである。そして、エンジン負荷トルクの変化傾向、及び、ポンプ吐出圧の変化傾向は何れも、負荷側のトルク(ポンプ負荷トルク)の変化傾向とは必ずしも一致しないためである。具体的には、エンジン負荷トルクは、ポンプ負荷トルクとエンジン回転数を増加させるために必要なトルクとの合計であり、エンジン回転数が急上昇するときには、エンジン回転数を増加させるために必要なトルクの影響が大きくなってしまうためである。また、ポンプ負荷トルクは、ポンプ吐出圧とポンプ吐出量との積で表され、ポンプ吐出量の変化による影響を受けるためである。
この構成により、ショベル100は、適切なタイミングで適切な低減幅だけエンジン回転数を低減させることができ、その上で、エンジン回転数が低減させられた状態で操作レバーが操作されたときに操作者が感じる操作感の悪化を防止できる。そのため、コントローラ30は、操作感の悪化を操作者に感じさせることなく、燃費を改善できる。
また、ショベル100は、ポンプ負荷トルクを正確に予測することで、目標エンジン回転数を適切に決定できる。そのため、ショベル100は、低減させたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる際に、エンジン回転数が設定エンジン回転数を超えてしまうのを防止できる。また、ショベル100は、低減させたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる際に、エンジン回転数を増加させるために必要なトルクとポンプ負荷トルクとの合計であるエンジン負荷トルクが最大エンジントルクを超えてしまうのを防止できる。
例えば、排土動作の終了から掘削動作の開始までの間に行われるブーム下げ旋回動作では、ポンプ負荷トルクは比較的低いレベルで維持される。一方で、掘削動作が開始されると、ポンプ負荷トルクは徐々に増加し、或いは、ブーム上げ旋回動作が開始されると、ポンプ負荷トルクは急激に増加する。このように、ポンプ負荷トルクは、動作の内容に応じて変化するが、コントローラ30は、このポンプ負荷トルクをより正確に予測することで、低減させたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる際にエンジン回転数を適切に制御できる。そのため、コントローラ30は、ポンプ負荷トルクが大きくなる掘削動作の後半、又は、ブーム上げ旋回動作の前半等においても、エンジン回転数及びエンジントルクを速やかに増加させることができ、ショベル100の動きをもたつきのない滑らかなものとすることができる。
また、ショベル100は、負荷変動に対するメインポンプ14の応答遅れの性質を利用してポンプ負荷トルクを予測し、その予測されたポンプ負荷トルクに基づいて目標エンジン回転数を決定するように構成されている。そのため、ショベル100は、ポンプ負荷トルクが急増する場合であっても、低減させた状態のエンジン回転数を遅滞なく増加させることができる。
また、ショベル100は、望ましくは、最大エンジントルクと、算出したポンプ負荷トルクとの間の差である差分トルクに基づき、目標エンジン回転数を決定するように構成されている。すなわち、ショベル100は、ポンプ負荷トルクとは別に、エンジン回転数を増加させるために必要な差分トルクが確保されるように、目標エンジン回転数を決定するように構成されている。
この構成により、ショベル100は、メインポンプ14の要求(ポンプ負荷トルク)を満たしながらも、エンジン回転数を適切に増加させることができ、エンジン11におけるラグダウンの発生を抑制或いは防止できる。
また、上述の実施形態では、油圧式パイロット回路を備えた油圧式操作レバーが開示されている。例えば、左操作レバー26Lに関する油圧式パイロット回路では、パイロットポンプ15から左操作レバー26Lへ供給される作動油が、左操作レバー26Lのアーム開き方向への傾倒によって開閉されるリモコン弁の開度に応じた流量で、制御弁176のパイロットポートへ伝達される。或いは、右操作レバー26Rに関する油圧式パイロット回路では、パイロットポンプ15から右操作レバー26Rへ供給される作動油が、右操作レバー26Rのブーム上げ方向への傾倒によって開閉されるリモコン弁の開度に応じた流量で、制御弁175のパイロットポートへ伝達される。
但し、このような油圧式パイロット回路を備えた油圧式操作レバーではなく、電気式パイロット回路を備えた電気式操作レバーが採用されてもよい。この場合、電気式操作レバーのレバー操作量は、例えば、電気信号としてコントローラ30へ入力される。また、パイロットポンプ15と各制御弁のパイロットポートとの間には電磁弁が配置される。電磁弁は、コントローラ30からの電気信号に応じて動作するように構成される。この構成により、電気式操作レバーを用いた手動操作が行われると、コントローラ30は、レバー操作量に対応する電気信号に応じて電磁弁を制御してパイロット圧を増減させることで各制御弁を移動させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
1・・・下部走行体 2・・・旋回機構 2A・・・旋回用油圧モータ 2M・・・走行用油圧モータ 2ML・・・左走行用油圧モータ 2MR・・・右走行用油圧モータ 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 13・・・レギュレータ 14・・・メインポンプ 15・・・パイロットポンプ 17・・・コントロールバルブユニット 18・・・絞り 19・・・制御圧センサ 26・・・操作装置 28・・・吐出圧センサ 29・・・操作圧センサ 30・・・コントローラ 30A・・・ポンプ負荷トルク予測部 30B・・・目標エンジン回転数決定部 30C・・・目標ポンプ傾転角決定部 40・・・センターバイパス管路 42・・・パラレル管路 75・・・エンジン回転数調整ダイヤル 76・・・エンジン制御装置 100・・・ショベル 171~176・・・制御弁
Claims (7)
- 下部走行体と、
前記下部走行体に旋回可能に搭載される上部旋回体と、
前記上部旋回体に搭載される油圧ポンプと、
前記油圧ポンプが吐出する作動油によって駆動される油圧アクチュエータと、を有し、
前記油圧ポンプに加わるポンプ負荷トルクを算出し、算出した前記ポンプ負荷トルクに基づいて目標エンジン回転数を決定する、
ショベル。 - 最大エンジントルクと、算出した前記ポンプ負荷トルクとの間の差に基づき、前記目標エンジン回転数を決定する、
請求項1に記載のショベル。 - 前記油圧ポンプに対する押し退け容積に関する指令と、前記油圧ポンプの吐出圧とに基づいて前記ポンプ負荷トルクを算出する、
請求項1に記載のショベル。 - 算出した前記ポンプ負荷トルクと、前記ポンプ負荷トルクと前記目標エンジン回転数との対応関係を参照可能に記憶する参照テーブルとに基づいて前記目標エンジン回転数を決定する、
請求項1に記載のショベル。 - 前記参照テーブルは、算出した前記ポンプ負荷トルクに対応する前記目標エンジン回転数の許容最大値を表すカーブである許容加速曲線を設定できるように構成されている、
請求項4に記載のショベル。 - 前記許容加速曲線は、予め設定されている、
請求項5に記載のショベル。 - 低減させられたエンジン回転数を設定エンジン回転数に復帰させる際に利用される目標エンジン回転数を決定する、
請求項1に記載のショベル。
Priority Applications (1)
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JP2023021609A Pending JP2024115778A (ja) | 2023-02-15 | 2023-02-15 | ショベル |
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2023
- 2023-02-15 JP JP2023021609A patent/JP2024115778A/ja active Pending
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