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JP2024111396A - 洗浄剤製品 - Google Patents

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JP2024111396A
JP2024111396A JP2023015858A JP2023015858A JP2024111396A JP 2024111396 A JP2024111396 A JP 2024111396A JP 2023015858 A JP2023015858 A JP 2023015858A JP 2023015858 A JP2023015858 A JP 2023015858A JP 2024111396 A JP2024111396 A JP 2024111396A
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Japan
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Application number
JP2023015858A
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雅弥 福田
Masaya Fukuda
宏紀 小島
Hiroki Kojima
渉 上野
Wataru Ueno
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

【課題】洗浄剤物品の溶解性、水溶性フィルムで洗浄剤組成物を包装した洗浄剤物品の保存安定性及び取り出しやすさに優れた洗浄剤製品を提供する。【解決手段】洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品と、洗浄剤物品を収容する外装容器を備え、外装容器は、洗浄剤物品を取り出し可能な開口部と、外装容器に収容された洗浄剤物品と接し、開口部に最も近い水平面で仕切られる上の空間部aと下の空間部bと、を有し、空間部aの容積(a)と空間部bの容積(b)の比率(a)/(b)が1/9以上9/1以下、空間部bの容積(b)と空間部bに収容された洗浄剤物品の体積(c1)の割合(c1)/(b)が20%以上90%未満、洗浄剤物品の容積(c2)に対する洗浄剤組成物の体積(d)の割合(d)/(c2)が50%以上100%以下である洗浄剤製品。【選択図】図1

Description

本発明は、洗浄剤組成物を水溶性フィルムに包装してなる洗浄剤物品と、該洗浄剤物品を収容する外装容器と、を備える洗浄剤製品に関する。
近年、消費者の簡便嗜好の高まりから、より使いやすい洗浄剤物品が求められている。洗浄剤組成物の使用性を高める観点から、例えば、洗浄剤組成物を水溶性フィルムに包装した洗浄剤物品が提案されている。
特許文献1には、(A)25℃において固形の形状を有する界面活性剤を60質量%以上、(B)25℃において液体、及びペーストの形状を有する界面活性剤を5質量%以下、並びに(C)水溶性塩を30質量%未満、含有する粉体洗浄剤組成物を水溶性パウチにパッキングされてなる洗浄剤組成物パックが開示されている。
特許文献2には、容器の内部空間内に少なくとも1つのパウチを含む閉鎖可能な容器を有する容器システムであって、パウチは、ポリビニルアルコール(PVOH)樹脂ブレンドを含む水溶性フィルム、並びに香料及び有機溶媒を含み、水溶性フィルムにより区画内に少なくとも部分的に封入された家庭用ケア組成物を含む容器システムが開示されている。
特許文献3には、(a)水溶性フィルム包装体、(b)フィルム劣化成分を含む洗剤システムと、(c)水溶性バリアーコーティングとを有し、水溶性バリアーコーティングがフィルム劣化成分の周りに配置されていてフィルム劣化成分による水溶性フィルム包装体の劣化を阻止するようにした水溶性フィルム包装体に収容された洗剤システムが開示されている。
特許文献4には、特定の非イオン性界面活性剤を特定比率で含有する衣料用洗浄剤組成物の薄層1と、該薄層の両側に配置された該薄層を維持する手段としての基体とからなるシート状洗濯用製品が開示されている。
特開2021-178940号公報 特表2005-525457号公報 特表平6-501276号公報 特開平11-124600号公報
固体の洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品では、洗浄剤組成物が吸湿すると該洗浄剤組成物が塊状となることで、洗浄剤物品の溶解性が低下したり、洗浄剤物品の外観が劣化したりするおそれがある。また、水溶性フィルムにおいても、吸湿により湾曲や変色等により洗浄剤物品の外観が劣化するおそれがある。
本発明は、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品と、該洗浄剤物品を収容する外装容器と、を備える洗浄剤製品において、洗浄剤物品の溶解性、洗浄剤物品の保存安定性及び取り出しやすさに優れた洗浄剤製品を提供する。
本発明は、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品と、該洗浄剤物品を収容する外装容器と、を備え、
前記外装容器は、その上端部に形成され、収容された洗浄剤物品を取り出し可能な開口部と、前記外装容器に収容された洗浄剤物品と接し、前記開口部に最も近い水平面で仕切られる上の空間部aと下の空間部bと、を有し、
前記空間部aの容積(a)と前記空間部bの容積(b)の比率(a)/(b)が、1/9以上9/1以下、
前記空間部bの容積(b)に対する、該空間部bに収容された洗浄剤物品の体積(c)の割合(c)/(b)が、20%以上90%未満、
前記洗浄剤物品の容積(c)に対する、洗浄剤組成物の体積(d)の割合(d)/(c)が、50%以上100%以下である、洗浄剤製品に関する。
本発明は、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品と、該洗浄剤物品を収容する外装容器と、を備える洗浄剤製品において、洗浄剤物品の溶解性、洗浄剤物品の保存安定性及び取り出しやすさに優れた洗浄剤製品が提供される。
本発明の実施形態に係る洗浄剤製品の模式図である。
本発明の洗浄剤製品は、水溶性フィルムで洗浄剤組成物を包装した洗浄剤物品を収容する外装容器において、洗浄剤物品を収容する空間部bの上部に所定の空間部aを備えることで、洗浄剤物品及び洗浄剤物品に収容された洗浄剤組成物の吸湿による劣化の抑制と該洗浄剤物品の取り出しやすさの両立が達成できたものと推察される。
また、この空間部bに収容される洗浄剤物品の充填率を調整することで、洗浄剤物品間を流れる空気による吸湿を低減し、且つ洗浄剤物品間の摩擦が低減される。これにより、洗浄剤物品及び洗浄剤物品に収容された洗浄剤組成物の吸湿による劣化の抑制と該洗浄剤物品の取り出しやすさの両立が達成できたものと推察される。
更に、水溶性フィルムに充填される洗浄剤組成物の充填率を所定の範囲とすることで、洗浄剤物品の剛直性が向上し、洗浄剤物品の取り出しやすさと使用性が向上したものと推察される。
なお、本発明の洗浄剤製品は、上記の作用機構になんら制限されるものではない。
[洗浄剤製品]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る洗浄剤製品1は、洗浄剤組成物(図示せず)を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品2と、該洗浄剤物品2を収容する外装容器3と、を備える。
本発明の洗浄剤製品1は、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる複数の洗浄剤物品2を、外装容器3に収容してなる洗浄剤製品1であってよい。
また、本発明の洗浄剤製品1は、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる複数の洗浄剤物品2を、外装容器3に収容してなる洗濯用の洗浄剤製品1であってよい。
外装容器3は、上部に開口部3aを有する有底筒状の容器である。開口部3aには、図示省略の蓋が設けられる。この蓋は、外装容器3に着脱可能に設けられてもよく、外装容器3と一体に設けられてもよい。外装容器3の開口部3aは、外装容器3に設けられた樹脂の弾性力によって篏合するファスナーで塞ぐこともできる。具体的な外装容器3の態様として、箱状の容器、ファスナー付きプラスチックバックが挙げられる。
外装容器3は、外装容器3に収容された洗浄剤物品2と接し、開口部3aに最も近い水平面4で仕切られる上の空間部aと下の空間部bとを有する。なお、この水性面4は、説明の便宜上図示した仮想の面であり、実際には、外装容器3には、空間部aと空間部bを合わせた一つの空間が形成される。そして、空間部bに、洗浄剤物品2が収容される。水平面4は、開口部3aの開口面と平行な面であってよい。
例えば、外装容器3の深さ方向に沿って洗浄剤物品2を収容する場合、空間部aと空間部bは、外装容器3の底部から洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸径の長さ分離れた水平面4で仕切られることとなる。
また、外装容器3の底面に沿って洗浄剤物品2を収容する場合、空間部aと空間部bは、開口部3aの最も近くに収容された洗浄剤物品の上端部と接する水平面4で仕切られることとなる。
外装容器3において、空間部aの容積(a)と空間部bの容積(b)の比率(a)/(b)は、保存安定性の観点から、1/9以上、好ましくは1/7以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは2/8以上、より更に好ましくは1/3以上、そして、洗浄剤物品2の取り出しやすさの観点から、9/1以下、好ましくは7/1以下、より好ましくは8/2以下、更に好ましくは7/3以下、より更に好ましくは1以下である。
空間部a及び空間部bの容積は、外装容器3の寸法より計算で求めることができる。また、空間部a及び空間部bの容積を外装容器3の寸法で求めることができない場合は、空間部a又は空間部bを20℃のエタノールで満たしたときのエタノールの体積により求めることができる。
空間部bには、洗浄剤物品2が収容される。洗浄剤物品2は、例えば、洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸と外装容器3の深さ方向とが平行となるように、又は、洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸と外装容器3の底面とが平行となるように外装容器3に収容される。洗浄剤物品2は、洗浄剤物品2の取り出しやすさと洗浄剤物品2及び洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸が外装容器3の深さ方向に沿うように収容されることが好ましい。空間部bには、1以上、更には複数の洗浄剤物品2が収容される。
空間部bの容積(b)に対する、空間部bに収容された洗浄剤物品2の体積(c)の割合(c)/(b)は、洗浄剤物品2の溶解性又は保存安定性の観点から、20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、そして、洗浄剤物品2の取り出しやすさの観点から、90%未満、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。
洗浄剤物品2の体積(c)は、空間部bに収容された複数の洗浄剤物品2の体積の合計である。
洗浄剤物品2の体積(c)は、外装容器3に洗浄剤物品2を入れないで外装容器3を20℃のエタノールを満たしたときのエタノールの体積と、外装容器3に洗浄剤物品2を入れた状態で外装容器3を20℃のエタノールで満たしたときのエタノールの体積と、の差に基づいて算出される。
洗浄剤物品2は、洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる。洗浄剤物品2は、洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムとを備える。洗浄剤組成物及び水溶性フィルムについては後に詳細に説明する。
洗浄剤物品2は、例えば、洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸径が、30mm以上200mm以下であり、長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比(長軸径/短軸径)が、5以上であり、破裂強度が300N以上である。
洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比(長軸径/短軸径)は、洗浄剤物品2の溶解性の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは8以上、そして、使いやすさ及び収納の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは10以下である。
洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸径は、使いやすさの観点から、好ましくは30mm以上、より好ましくは50mm以上、更に好ましくは80mm以上、そして、好ましくは200mm以下、より好ましくは160mm以下、更に好ましくは120mm以下である。
洗浄剤物品2の最大投影面積の短軸径は、使いやすさの観点から、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上、更に好ましくは11mm以上、より更に好ましくは14mm以上、そして、好ましくは25mm以下、より好ましくは23mm以下、更に好ましくは20mm以下である。
本発明において、最大投影面積とは、あらゆる面から洗浄剤物品2を水平方向に投影したときの投影図において、水平投影面積が最大になる投影図の面積である。「投影」とは数学において用いられる「投影」と同義であり、すなわち物体に水平方向に平行光線をあてて、その影を平面上に写すことである。
また本発明において、洗浄剤物品2の最大投影面積の長軸径と短軸径の測定方法は、洗浄剤物品2の最大投影面積の形状が楕円形である場合、そのまま長軸径と短軸径を測定する。また、洗浄剤物品2の最大投影面積の形状が矩形である場合(縦軸の長さ>横軸の長さ)、縦軸の長さを長軸径、横軸の長さを短軸径として測定する。また、洗浄剤物品2の最大投影面積の形状が不定形である場合、最長部分を長軸径とし、前記長軸径と直交する線(軸)の最長部分を短軸径として測定する。
洗浄剤物品2は、例えば、1対の水溶性フィルムを重ね、その周縁部をラミネートして形成された空間に、洗浄剤組成物が収容されたものである。本明細書では、洗浄剤組成物が収容可能な空間の体積、すなわち、水溶性フィルムにより形成された空間の体積を、洗浄剤物品2の容積(c)という。
洗浄剤物品2の容積(c)に対する洗浄剤組成物の体積(d)の割合(d)/(c)は、洗浄剤物品2の取り出しやすさの観点から、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、そして、洗浄剤物品の溶解性の観点から、100%以下、好ましくは100%未満、より好ましくは95%以下である。
洗浄剤物品2の容積(c)に対する洗浄剤組成物の体積(d)の割合(d)/(c)は、以下の方法で求めることができる。
まず、メスシリンダーに20℃のエタノールを入れ、そこに洗浄剤物品2を入れた際の体積増加量から洗浄剤物品2の1つあたりの体積を求め、また、同様の方法で洗浄剤物品2を構成する水溶性フィルムの体積を求め、洗浄剤物品2の体積と水溶性フィルムの差に基づいて洗浄剤物品2の容積(c)を求める。また、洗浄剤物品2の洗浄剤組成物を乳鉢ですりつぶした後、メスシリンダーに詰めスパーテルで押し込んで、洗浄剤組成物の体積(d)の体積を測定する。求められた洗浄剤組成物の体積(d)と洗浄剤物品2の容積(c)より、洗浄剤物品2の容積(c)に対する洗浄剤組成物の体積(d)の割合(d)/(c)を算出する。
水溶性フィルムの厚さdは、保存安定性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上、より更に好ましくは60μm以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下、より更に好ましくは100μm以下である。
水溶性フィルムの厚さdは、水溶性フィルムの厚さを、ノギスで、任意に3箇所測定し、その平均値として求められる。
外装容器3は、合成樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)で形成される。外装容器3は、保存安定性の観点から、アルミ蒸着層を有することが好ましい。外装容器3の厚さdは、保存安定性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上、より更に好ましくは70μm以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは700μm以下、更に好ましくは500μm以下、より更に好ましくは300μm以下である。
外装容器3の厚さdは、外装容器3の側部の厚さを、ノギスで、任意に3箇所測定し、その平均値として求められる。
外装容器3は、保存安定性の観点から、アルミ蒸着層(図示せず)を備えることが好ましい。アルミ蒸着層は、例えば、外装容器3の外部表面、内部表面の一方又は両方に形成されていてよく、外装容器3の内部表面に形成されていることが好ましい。
アルミ蒸着層は、保存安定性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、そして、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下である。
水溶性フィルムの厚さdと外装容器3の厚さdの比率(d)/(d)は、保存安定性の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.5以下である。
[洗浄剤物品]
本発明の洗浄剤物品は、洗浄剤組成物と、該洗浄剤組成物を包装する水溶性フィルムと、を有する。
洗浄剤組成物は、特に限定されるものではないが、例えば、(a)界面活性剤〔以下、(a)成分という〕と、(b)アルカリ剤〔以下、(b)成分という〕と、を含む組成物が挙げられる。
<(a)成分>
(a)成分は、界面活性剤である。(a)成分は、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
(a)成分のノニオン界面活性剤は、洗浄力の観点から、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド(グリコシド型ノニオン界面活性剤)、ソルビタン系ノニオン界面活性剤、長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した化合物、脂肪酸モノグリセライド及び蔗糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を挙げることができる。
(a)成分のノニオン界面活性剤としては、(a1)アルキレンオキシ基を含み、アルキレンオキシ基の平均付加モル数が1以上30以下である、ノニオン界面活性剤〔以下、(a1)成分という〕が好ましい。
(a1)成分のアルキレンオキシ基は、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基から選ばれる1種以上の基が好ましい。炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基が好ましい。
(a1)成分のアルキレンオキシ基の平均付加モル数は、洗浄力の観点から、1以上、好ましくは6以上、より好ましくは10以上、そして、30以下、好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。
(a1)成分は、下記一般式(a1)で表されるノニオン界面活性剤が好ましい。
1a(CO)O-(A1aO)-R2a (a1)
〔式中、R1aは炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R2aは水素原子又はメチル基である。COはカルボニル基であり、mは0又は1の数である。A1aO基はエチレンオキシ基を含む炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基である。nは平均付加モル数であって、1以上30以下の数である。〕
一般式(a1)中、R1aの炭素数は、洗浄力の観点から、8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。
1aは、脂肪族炭化水素基であり、好ましくはアルキル基及びアルケニル基から選ばれる基である。
一般式(a1)中、A1aO基は、エチレンオキシ基を含む炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくはエチレンオキシ基を含む炭素数2以上3以下のアルキレンオキシ基であり、より好ましくはエチレンオキシ基である。A1aO基は、エチレンオキシ基と他のアルキレンオキシ基、例えばプロピレンオキシ基とを含むアルキレンオキシ基でもよい。他のアルキレンオキシ基は、プロピレンオキシ基が好ましい。A1aO基が、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。
一般式(a1)中、nは、A1aO基の平均付加モル数であって、1以上30以下の数である。一般式(a1)中、nは、洗浄性の観点から、1以上、好ましくは6以上、より好ましくは10以上、そして、30以下、好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。
一般式(a1)中、mは、洗浄性の観点から0が好ましい。
一般式(a1)中、R2aは、洗浄性の観点から、水素原子が好ましい。
(a1)成分以外のアルキレンオキシ基を有さないノニオン界面活性剤の具体例としては、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド及びグリセリルモノエーテルから選ばれる1種以上が挙げられる。
(a)成分のアニオン界面活性剤は、洗浄力の観点から、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、アルカンスルホン酸型界面活性剤、オレフィンスルホン酸型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、スルホ脂肪酸エステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる1種以上が好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、スルホコハク酸アルキルエステル型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる1種以上がより好ましく、アルキルアリールスルホン酸型界面活性剤、並びに脂肪酸及びその塩から選ばれる1種以上が更に好ましい。
なお、(a)成分のアニオン界面活性剤が塩の場合、アニオン界面活性剤の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩等の無機塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩等の有機塩が挙げられる。アニオン界面活性剤の塩は、好ましくはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩から選ばれる無機塩であり、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩である。
(a)成分のアニオン界面活性剤としては、下記一般式(a2)で表される化合物、一般式(a3)で表される化合物、一般式(a4)で表される化合物及び一般式(a5)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
3a-B-SOM (a2)
〔式(a2)中、R3aは炭素数8以上18以下のアルキル基を示し、Bはベンゼン環を示し、Bの炭素原子と結合するR3aの炭素原子が第2級炭素原子であり、Mは陽イオンを示す。Bに結合するR3aに対して、スルホン酸基はオルト、メタ又はパラ位に結合している。〕
4a-COOM (a3)
〔式(a3)中、R4aは炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは陽イオンを示す。〕
5a-O-(AO)-SOM (a4)
〔式(a4)中、R5aは炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基であり、nは0以上20以下の数であり、Mは陽イオンである。〕
6a-CH(SOM)COOR7a (a5)
〔式(a5)中、R6aは炭素数8以上18以下のアルキル基を示し、R7aは水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、Mは陽イオンを示す。〕
一般式(a2)中、R3aは、炭素数8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下のアルキル基である。
一般式(a2)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
一般式(a3)中、R4aは、炭素数8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下のアルキル基又はアルケニル基である。R4aは、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有するものであってよく、飽和の直鎖を有するものがより好ましい。
一般式(a3)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウム塩は、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
一般式(a4)中、R5aは、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、更に好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下の脂肪族炭化水素である。R5aは、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素、好ましくは直鎖の脂肪族炭化水素、より好ましくは直鎖アルキル基である。
一般式(a4)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上のアルキレンオキシ基である。AO基が、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であっても良い。AO基は、洗浄性向上の観点から、エチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。
一般式(a4)中、nは、AO基の平均付加モル数であって、0以上20以下の数である。nは、洗浄性向上の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、洗浄性向上の観点から、20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは4以下である。
一般式(a4)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウムは、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
一般式(a5)中、R6aは、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基である。
一般式(a5)中、R7aは、炭素数1以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは4以下のアルキル基である。
一般式(a5)中、Mは、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属(1/2原子)又は有機アンモニウムである。有機アンモニウムは、モノエタールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンによる塩であってよい。Mは、好ましくはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアンモニウムであり、より好ましくはナトリウムである。
(a)成分のカチオン界面活性剤としては、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数が8以上22以下であるアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ベンゼトニウム塩等が挙げられる。塩としては、ハロゲン塩、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸塩が挙げられる。
これら界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(a)成分の両性界面活性剤としては、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインを挙げることができる。これらにおいて、アルカノイル基は例えばラウロイル又はミリスチロイルである。また、これらにおいて、アルキル基は例えばラウリル基又はミリスチル基である。
<(b)成分>
(b)成分は、アルカリ剤である。(b)成分として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属ケイ酸塩及びトリポリリン酸塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが挙げられ、炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが挙げられる。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムが挙げられる。
トリポリリン酸塩としては、トリポリリン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
(b)成分は、保存安定性の観点から、好ましくはアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる1種以上のアルカリ剤、より好ましくはアルカリ金属炭酸塩から選ばれる1種以上、更に好ましくは炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムから選ばれる1種以上、より更に好ましくは炭酸ナトリウムである。
(b)成分の平均一次粒子径は、好ましくは10μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは300μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは700μm以下、更に好ましくは500μm以下である。(b)成分の平均一次粒子径は、ロータップ型ふるい振とう機により測定されたものである。具体的には、(b)成分の平均一次粒子径は、JIS Z 8801に規定する標準ふるいを用いてふるい分け、それぞれのふるい上に残った試料の質量を計測し、ふるい目のサイズによる質量分率から求める。
<組成等>
本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下含有する。
本発明の洗浄剤組成物は、(b)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、そして、洗浄剤物品の溶解性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下含有する。
本発明の洗浄剤組成物における、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比(a)/(b)は、洗浄力及び保存安定性の観点から、好ましくは1/10以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは3/10以上、そして、洗浄力及び保存安定性の観点から、好ましくは2/1以下、より好ましくは1/1以下、更に好ましくは1/2以下である。
<(c)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(c)成分として、吸油担体を任意に含むことができる。(c)成分としては、その種類は特に限定はされないが、界面活性剤を保持する観点から、吸油能が120mL/100g以上のものが好ましい。その上限値は特に限定はされない。本発明においては、上記観点から、吸油担体として、非晶質シリカ、ケイ酸カルシウム、結晶性アルミノケイ酸塩及び非晶質アルミノケイ酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。なお、吸油担体の吸油能は、JIS K 5101-13-2に基づいて測定することができる。
(c)成分は、水不溶性担体が好ましい。(c)成分について、「水不溶性」とは、20℃の水100gに0.1g以上溶解しないことをいう。
(c)成分の平均一次粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは100μm以下である。(c)成分の平均一次粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子分布測定装置により測定されたものである。この平均一次粒子径は、体積基準による累積粒度分布のD50(メジアン径)である。
本発明の洗浄剤組成物が(c)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(c)成分を、保存安定性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下含有する。
<(d)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(d)成分として、任意にプロテアーゼ、リパーゼ及びアミラーゼから選ばれる1種以上の酵素を含むことができる。
プロテアーゼは、例えば、セリンプロテアーゼ(EC3.4.21)やメタロプロテアーゼ(EC3.4.17又はEC3.4.24)などが挙げられる。好適なプロテアーゼの例としては、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性セリンプロテアーゼがある。
リパーゼは、例えば、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC3.1.1.3)、ホスホリパーゼA2(EC3.1.1.4)、リゾホスホリパーゼ(EC3.1.1.5)、モノグリセリドリパーゼ(EC3.1.1.23)、ガラクトリパーゼ(EC3.1.1.26)、ホスホリパーゼA1(EC3.1.1.32)、リポタンパク質リパーゼ(EC3.1.1.34)などが挙げられる。
アミラーゼは、例えば、α-アミラーゼ(EC3.2.1.1)、β-アミラーゼ(EC3.2.1.2)及び/又はグルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)などが挙げられる。好適なアミラーゼの例としては中性又はアルカリ性α-アミラーゼがあり、細菌や真菌などの微生物起源のものが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物が(d)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(d)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下含有する。
<(e)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(e)成分として、無機硫酸塩及び無機ハロゲン化合物から選ばれる1種以上の化合物を含有することができる。(e)成分は、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムから選ばれる化合物が挙げられる。(e)成分は、水和物であっても無水物であっても良い。
本発明の洗浄剤組成物が(e)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(e)成分を、洗浄力の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下含有する。
<(f)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(f)成分として、カルボン酸基又はその塩を有し、重量平均分子量が3,000以上のポリマーを任意に含有することができる。
(f)成分としては、ポリアクリル酸又はその塩及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩から選ばれる1種以上のポリマー〔以下、(f1)成分という〕が挙げられる。
ポリアクリル酸又はその塩としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等が挙げられ、好ましくはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムが挙げられる。
アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩としては、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩等が挙げられ、好ましくはアクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩が挙げられる。アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのモル比は、アクリル酸のモル数/マレイン酸のモル数として、好ましくは1/99以上、より好ましくは10/90以上、そして、好ましくは99/1以下、より好ましくは90/10以下である。
(f1)成分は、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーとしては、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられ、より具体的にはメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーの(f1)成分中のモル比は、(f1)成分中に、好ましくは0モル%以上、そして、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下であり、0モル%であることが更に好ましい。従って、本発明のポリアクリル酸又はその塩、及びアクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩は、全構成モノマー中、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを、0モル%以上5モル%以下の範囲で含むポリマー又はコポリマーであってよい。
(f)成分の重量平均分子量は、3,000以上、好ましくは3,500以上、より好ましくは4,000以上、更に好ましくは5,000以上、より更に好ましくは6,000以上、より更に好ましくは7,000以上、より更に好ましくは8,000以上、より更に好ましくは9,000以上、より更に好ましくは10,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは50、000以下である。
この重量平均分子量は、下記の重量平均分子量の測定方法に従って測定することができる。
<重量平均分子量の測定方法>
(f)成分の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定を行い、換算標準物質により重量平均分子量(Mw)を求めることができる。
以下に、GPCの測定条件を示す。
・カラム:東ソー(株)製、商品名:TSK-GEL guard PWXL
東ソー(株)製、商品名:TSK-GEL G4000 PWXL
東ソー(株)製、商品名:TSK-GEL G2500 PWXL
・移動相:0.1mol/Lリン酸二水素カリウム及び0.1mol/Lリン酸二水素ナトリウムの水溶液/アセトニトリル=90/10(体積比)
・検出器:示差屈折率検出器
・カラム温度:40℃
・流速:1.0mL/min
・換算標準物質:ポリアクリル酸〔アメリカン・スタンダード・コーポレーション(AMERICANSTANDARDCORP)社製〕
・試料:固形分0.8gを含む重合体水溶液にイオン交換水を添加し、総液量が200mLとなるように調製し、この調製液から10μLを分取してカラムに注入する。
本発明の洗浄剤組成物が(f)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(f)成分を、洗浄性及び安定性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有する。
<(g)成分>
本発明の洗浄剤組成物は、(g)成分として、重量平均分子量が100以上100,000以下のポリアルキレングリコールを任意に含有することができる。
(g)成分としては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上が挙げられる。
(g)成分の重量平均分子量は、100以上、好ましくは1,000以上、そして、好ましくは10,000以下、より好ましくは2,000以下である。
ここで重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めた値である。
本発明の洗浄剤組成物が(g)成分を含有する場合、本発明の洗浄剤組成物は、(g)成分を、安定性の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下含有する。
本発明の洗浄剤組成物は、その他の成分として、衣料用洗剤の分野で公知の他の成分、例えば漂白剤(過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、有機溶剤、香料、着色剤、抗菌剤等〔但し、(a)成分~(g)成分に該当するものは除く〕を任意に含有することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、固体洗浄剤組成物であってよい。本発明の洗浄剤組成物は、粉末状、粒状、顆粒状であってよい。洗浄剤物品の溶解性の観点から、本発明の洗浄剤組成物は、粉末状、粒状及び顆粒状から選ばれる1種以上の洗浄剤組成物であることが好ましい。本発明の洗浄剤組成物は、粉末洗浄剤組成物であってよい。
本発明の洗浄剤組成物は、公知の方法で製造することができる。例えば、噴霧乾燥法、ドライ中和法、乾燥造粒法、ドライブレンド法、流動層乾燥法、薄膜乾燥法、押出し造粒法、転動造粒法、撹拌造粒法、圧密造粒法、界面活性剤担持法又はこれらから選択して組み合わせた方法を適用して、製造することができる。
本発明の洗浄剤組成物の嵩密度は、製造方法によっても異なるが、好ましくは0.2g/cm以上、より好ましくは0.3g/cm以上、更に好ましくは0.35g/cm以上、そして、好ましくは1g/cm以下、より好ましくは0.95g/cm以下、更に好ましくは0.9g/cm以下である。
本発明の洗浄剤組成物が粉末洗浄剤組成物である場合、本発明の洗浄剤組成物の平均粒子径は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは150μm以上、より更に好ましくは200μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは700μm以下、更に好ましくは500μm以下である。
この平均粒子径は、ロータップ型ふるい振とう機により求める。具体的には、本発明の洗浄剤組成物の平均粒子径は、JIS Z 8801に規定する標準ふるいを用いてふるい分け、それぞれのふるい上に残った試料の質量を計測し、ふるい目のサイズによる質量分率から求める。
<水溶性フィルム>
本発明において水溶性フィルムにおける「水溶性」とは、1リットルのガラスビーカーに500gの30℃のイオン交換水を入れ、直径が8cmのテフロン(登録商標)製の撹拌子を入れ、その中に評価対象のフィルム1gを投入し、100rpmで30分間撹拌した後に、見かけ上、不溶物が見られないものをいう。
また、水溶性フィルムの厚さは、誤飲防止、洗浄剤物品の溶解性の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは50μm以上、そして、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下、より更に好ましくは100μm以下である。
水溶性フィルムは、好ましくはポリマーを含んで構成される。水溶性フィルムは、当該技術分野において既知の方法、例えば、ポリマーの注型成形、吹込み成形、押出成形、射出成形などによって得ることができる。水溶性フィルムを製造するためのポリマーの非限定例として、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、(変性)セルロース、(変性)セルロース-エーテル又は-エステル又は-アミド、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸及びその塩、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、ポリアミノ酸つまりペプチド、ポリアクリルアミドなどのポリアミド、デンプン及びゼラチンなどの多糖、キサンタン及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムが挙げられる。ビニルアルコールコポリマーは、ビニルアルコールと他のモノマー、例えばエチレン、アクリル酸とのコポリマーである。好ましくは、水溶性フィルムは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む。より好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選ばれるポリマーを含む。更に好ましくは、水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、例えば、株式会社アイセロから入手可能なソルブロンを含む。水溶性フィルムを製造するのに好適なポリマーは、例えば、米国特許第6995126号に記載されている。
本発明の洗浄剤物品において、本発明の洗浄剤組成物と接触する水溶性フィルムの総面積は、製品安定性をより高める観点から、好ましくは2cm以上、より好ましくは5cm以上、更に好ましくは7cm以上、より更に好ましくは15cm以上、そして、同じ観点から、好ましくは100cm以下、より好ましくは70cm以下、更に好ましくは60cm以下、より更に好ましくは45cm以下である。
本発明の洗浄剤物品は、当該技術分野において既知の任意の好適なプロセス、例えば既知の洗剤パウチの作製プロセスによって作製できる。パウチの作製プロセス例は、米国特許第6,995,126号、同第7,127,874号、同第8,156,713号、同第7,386,971号、同第7,439,215号、及び米国特許出願公開第2009/199877号に記載されている。
本発明の洗浄剤物品は、1個あたりの内容物の量が、好ましくは5g以上、より好ましくは8g以上、更に好ましくは10g以上、そして、好ましくは50g以下、より好ましくは30g以下、更に好ましくは25g以下である。
本発明の洗浄剤物品の1個あたりの好ましい形状、大きさは、例えば四辺形の形状であり、1辺の長さが、好ましくは1cm以上5cm以下、そして、厚みが好ましくは1cm以上5cm以下、より好ましくは1cm以上4cm以下である。また、本発明の洗浄剤物品の1個あたりの質量は、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上、更に好ましくは15g以上、そして、好ましくは50g以下、より好ましくは40g以下、更に好ましくは30g以下である。
また、本発明の洗浄剤物品の1個あたりの別の好ましい形状、大きさは、例えば直方体の形状であり、縦の長さが、好ましくは5cm以上20cm以下、より好ましくは7cm以上15以下、横の長さが、好ましくは0.5cm以上4cm以下、より好ましくは1.0cm以上2cm以下、そして、厚みが好ましくは0.5cm以上5cm以下、より好ましくは1cm以上2cm以下である。また、本発明の洗浄剤物品の1個あたりの質量は、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上、そして、好ましくは50g以下、より好ましくは40g以下、更に好ましくは30g以下、更に好ましくは20g以下である。
本発明の洗浄剤製品及び洗浄剤物品は、繊維製品用、食器などの硬質表面用、自動食器洗浄機用として好適に用いることができ、繊維製品用として用いるのが好ましい。
本発明の洗浄剤製品に備えられる洗浄剤物品で繊維製品を洗浄する場合、洗浄する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコーンカーバイト繊維、岩石繊維(ロックファイバー)、鉱滓繊維(スラッグファイバー)、金属繊維(金糸、銀糸、スチール繊維)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(木綿、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
繊維は、仕上がり性の観点から、繊維は木綿繊維を含む繊維であることが好ましい。繊維中の木綿繊維の含有量は、繊維の仕上がり性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってよい。
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、Yシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。
[繊維製品の洗浄方法]
本発明は、本発明の洗浄剤物品と水とを混合した洗浄液(以下、本発明の洗浄液という)で、繊維製品を洗浄する、繊維製品の洗浄方法を提供する。
本発明の繊維製品の洗浄方法において、本発明の洗浄剤製品、本発明の洗浄剤組成物及び本発明の洗浄剤物品で記載した態様を適用することができる。
本発明の繊維製品の洗浄方法では、予め洗浄槽に本発明の洗浄剤物品と水を投入、混合して本発明の洗浄液を調製してから、被洗浄物である繊維製品を投入して、繊維製品を洗浄する方法でもよいが、本発明の効果を享受する観点から、洗浄槽に本発明の洗浄剤物品と水と繊維製品を投入し、本発明の洗浄剤物品を水に溶かしながら本発明の洗浄液を調製するのと同時に繊維製品を洗浄する方法が好ましい。
本発明の繊維製品の洗浄方法は、ローラー等で繊維を送りながら、精錬に使用する液に浸漬する方法、回転式洗浄方法に適している。回転式洗浄方法とは、回転機器に固定されていない繊維製品が洗浄液と共に、回転軸の周りに回転する洗浄方法を意味する。回転式洗浄方法は回転式洗濯機により実施できる。従って、本発明では、繊維製品をよりきれいに仕上げる点で、繊維製品の洗浄を、回転式洗濯機を用いて行うことが好ましい。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。
<配合成分>
実施例及び比較例では、洗浄剤組成物の調製に以下の成分を用いた。
〔(a)成分〕
・エマルゲン 110L:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルキル基の炭素数12、オキシエチレンの平均付加モル数10)、花王(株)製
・LAS-Na:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ネオペレックスG-65、花王(株)製
〔(b)成分〕
・炭酸ナトリウム、富士フイルム和光純薬(株)製
<洗浄剤組成物の調製>
上記の配合成分を用いて下記の方法で洗浄剤組成物を調製した。(a)成分である、ポリオキシオキシエチレンアルキルエーテル70g、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム30g、及び(b)成分である炭酸ナトリウム500gを混合し、(b)成分に(a)成分を吸着させることで粉末状の洗浄剤組成物を得た。
<洗浄剤物品の作製>
表1に記載の厚さのポリビニルアルコールからなる水溶性フィルム(縦13cm、横2cm、厚み51μm又は76μm、M8685、Monosol(株)製)を2枚重ね、ヒートシーラー(富士インパルス(株)製)を用い、三辺をシーラーで融着させ、一辺だけ開口した袋を作製し、この袋に上記の洗浄剤組成物を13g入れた。実施例12、13の洗浄剤製品における厚み152μm、228μmの水溶性フィルムは、前記の76μmの水溶性フィルムを2枚、或いは3枚のそれぞれの片面に水を薄く塗った後重ね、接着することで得た。
その後、ヒートシールで、袋の開口した一辺を融着して閉じて、洗浄剤組成物が水溶性フィルムで包装された洗浄剤物品を得た。この洗浄剤物品において、洗浄剤組成物と接触している水溶性フィルムの総面積は30cmであった。なお、本発明の洗浄剤物品は、上記した製造方法により製造されたものに限定されるものではない。
上記の洗浄剤物品において、洗浄剤物品の容積(c)に対する洗浄剤組成物の体積(d)の割合(d)/(c)を下記の方法により求めた。まず、メスシリンダーにエタノールを入れ、そこに洗浄剤物品を入れた際の体積増加量から洗浄剤物品1つあたりの体積を求めた。同様の方法で洗浄剤物品1つあたりに使用される水溶性フィルム0.5gの体積を求めた。そして、洗浄剤物品の体積から水溶性フィルムの体積を引いて洗浄剤物品の容積(c)を算出した。また、洗浄剤物品に含まれる洗浄剤組成物を乳鉢ですりつぶしたのち、メスシリンダーに詰めスパーテルで押し込んだ後、その体積を測定して洗浄剤組成物の体積(d)を求めた。求められた洗浄剤物品の容積(c)と洗浄剤組成物の体積(d)より前記割合(d)/(c)を求めたところ、(d)/(c)は、90%であった。なお、実施例8、9の洗浄剤製品に収容される洗浄剤物品は、上記と同じ水溶性フィルムを用いて作製した袋に、それぞれ8.5g、11.5gの洗浄剤組成物を入れた洗浄剤物品である。
<外装容器>
外装容器は、アルミ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム製のジップチャック袋(PET12//VM-PET12//LLDPE80、横幅240mm×高さ190mm×奥行40mm、厚さ50μm、又は80μm)を用いた。なお、PETは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、VM-PETは、アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、LLDPE80は、低分子ポリエチレンフィルムである。このジップチャック袋は、上部に開口を有し、その上部に開口部を開閉可能なチャックを備える。
なお、実施例14、15の洗浄剤製品の外装容器は、厚さ80μmのジップチャック袋を2枚又は4枚重ねたものである。
<質量増加率の評価>
表1に示した条件となるように、外装容器に洗浄剤物品を詰めて洗浄剤製品を作製した。洗浄剤物品は、洗浄剤物品の最大投影面積の長軸と外装容器の底面とが平行となるように外装容器に収容し、所定の空間部bとなるように、外装容器内に洗浄剤物品を積み重ねた。
この洗浄剤製品を、温度40℃、相対湿度80%RTの雰囲気下で2週間保存した。なお、実際の使用を想定して、外装容器を1日1回30秒間開放した。2週間保存した後に洗浄剤物品の質量を測定し、この保存後の洗浄剤物品の質量と予め測定した保存前の洗浄剤物品の質量を用いて、下記(1)式より質量増加率を算出した。質量増加率が低いほど、洗浄剤組成物及び洗浄剤物品の保存安定性に優れた洗浄剤製品といえる。表1では、開口部に近い位置に収容された3つの洗浄剤物品の質量増加率を算出し、その平均値を示している。
質量増加率(質量%)=100×〔(保存後の洗浄剤物品の質量)-(保存前の洗浄剤物品の質量)〕/(保存前の洗浄剤物品の質量) (1)
<溶解性評価>
実施例の洗浄剤製品に収容された洗浄剤物品の溶解性を、洗浄後に溶け残った洗浄剤組成物の溶け残り残留物の直径に基づいて評価した。洗浄剤組成物の溶け残り残留物の直径は、下記の方法により測定した。また、洗浄剤物品は、前記<洗浄剤組成物の調製>、及び<洗浄剤物品の作製>で記載した方法に基づいて作製し、前記<質量増加率の評価>と同様の条件で2週間保存した洗浄剤物品を用いた。溶解性の評価にあたり、洗浄剤物品は、開口部に近い位置に収容されたものを用いた。
木綿シャツ(Gunze社製)1kgを、全自動洗濯機(NA-FR80H6、Panasonic社製)にて、水量30Lで洗浄時間10分間、すすぎ2回で洗浄した。具体的な洗浄条件は、いずれも、木綿シャツ1kgと、洗浄剤組成物13gを水溶性フィルムで包装した洗浄剤物品を1つターゴトメーターに投入し、水を30L注入し、この洗浄剤物品を水に溶かしながら洗浄液を調製するのと同時に木綿シャツの洗浄を100rpmで10分間行った。浴比(水(kg)/木綿シャツ(kg))は、20とした。また、各洗浄液の水温は20℃であった。
洗濯後、木綿シャツを乾燥機(OT-20S、TOSEN社製)で乾燥させた。
洗濯終了後、木綿シャツを目視で確認し、洗浄剤組成物の溶け残り残留物を回収した。回収した残留物の直径(mm)をノギスで測定し、その平均値を表1に示した。残留物の大きさが小さいほど、更には残留物が確認されないと、洗浄剤組成物及び洗浄剤物品の溶解性が優れている。
<取り出しやすさの評価>
表1に示した条件となるように、外装容器に洗浄剤物品を詰めた。外装容器の空間部bの容積(b)に対する洗浄剤物品の体積(c1)の割合(c1)/(b)は、外装容器に洗浄剤物品を入れないで外装容器の空間部bに20℃のエタノールを満たしたときのエタノールの体積と、外装容器に洗浄剤物品を入れた状態で外装容器の空間部bに20℃のエタノールで満たしたときのエタノールの体積に基づいて算出した。
そして、10人の評価者により、外装容器に詰められた洗浄剤物品を1つ取り出す操作を行い、下記評価基準に基づいて、洗浄剤製品における洗浄剤物品の取り出しやすさの評価を行った。表1に10人の評価者による評価の平均値を示した。評価の数値が高いほど、洗浄剤物品が取り出しやすい洗浄剤製品である。
評価基準
5:とても取り出しやすい
4:やや取り出しやすい
3:どちらともいえない
2:やや取り出しにくい
1:とても取り出しにくい
1 洗浄剤製品
2 洗浄剤物品
3 外装容器
4 水平面
a、b 空間部

Claims (10)

  1. 洗浄剤組成物を水溶性フィルムで包装してなる洗浄剤物品と、該洗浄剤物品を収容する外装容器と、を備え、
    前記外装容器は、その上端部に形成され、収容された洗浄剤物品を取り出し可能な開口部と、前記外装容器に収容された洗浄剤物品と接し、前記開口部に最も近い水平面で仕切られる上の空間部aと下の空間部bと、を有し、
    前記空間部aの容積(a)と前記空間部bの容積(b)の比率(a)/(b)が、1/9以上9/1以下、
    前記空間部bの容積(b)に対する、該空間部bに収容された洗浄剤物品の体積(c)の割合(c)/(b)が、20%以上90%未満、
    前記洗浄剤物品の容積(c)に対する、洗浄剤組成物の体積(d)の割合(d)/(c)が、50%以上100%以下である、
    洗浄剤製品。
  2. 水溶性フィルムの厚さdが、10μm以上250μm以下である、請求項1に記載の洗浄剤製品。
  3. 外装容器の厚さdが、10μm以上1000μm以下である、請求項1又は2に記載の洗浄剤製品。
  4. 前記空間部aの容積(a)と前記空間部bの容積(b)の比率(a)/(b)が、2/8以上8/2以下である、請求項1~3の何れか1項に記載の洗浄剤製品。
  5. 前記空間部bの容積(b)に対する、該空間部bに収容された洗浄剤物品の体積(c)の割合(c)/(b)が、40%以上80%以下である、請求項1~4の何れか1項に記載の洗浄剤製品。
  6. 水溶性フィルムの厚さdと外装容器の厚さdの比率(d)/(d)が、0.1以上3.0以下である、請求項1~5の何れか1項に記載の洗浄剤製品。
  7. 洗浄剤物品の最大投影面積の長軸径と、長軸径と直交する短軸径とのアスペクト比(長軸径/短軸径)が5以上20以下である、請求項1~6の何れか1項に記載の洗浄剤製品。
  8. 外装容器は、アルミ蒸着層を備える、請求項1~7の何れか1項に記載の洗浄剤製品。
  9. 洗浄剤組成物は粉末状であり、該洗浄剤組成物の平均粒子径が、50μm以上500μm以下である、請求項1~8の何れか1項に記載の洗浄剤製品。
  10. 繊維製品用である、請求項1~9の何れか1項に記載の洗浄剤製品。

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