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JP2024108096A - ポリウレタン - Google Patents

ポリウレタン Download PDF

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JP2024108096A
JP2024108096A JP2023081898A JP2023081898A JP2024108096A JP 2024108096 A JP2024108096 A JP 2024108096A JP 2023081898 A JP2023081898 A JP 2023081898A JP 2023081898 A JP2023081898 A JP 2023081898A JP 2024108096 A JP2024108096 A JP 2024108096A
Authority
JP
Japan
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polyurethane
group
diisocyanate
present
polyether polyol
Prior art date
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Pending
Application number
JP2023081898A
Other languages
English (en)
Inventor
貴之 山中
Takayuki Yamanaka
寛明 黒内
Hiroaki Kurouchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

【課題】低温時の柔軟性、弾性回復性及び耐オレイン酸性などの耐薬品性に優れたポリウレタンを提供する。【解決手段】複数のイソシアネート基を有する化合物に由来する構造単位、ポリオール及びポリアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構造単位、及び、下記式(1)で表されるポリエーテルポリオールに由来する構造単位を含むポリウレタン。TIFF2024108096000007.tif30161(上記式(1)において、Rは炭素数2~10の二価の炭化水素基を表し、nは2~40の整数であり、mは1以上の整数であり、sは1~30の整数である。なお、式(1)中、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよい。)【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタンに関する。さらに詳しくは、低温時の柔軟性、弾性回復性及び
耐オレイン酸性などの耐薬品性を改善したポリウレタンに関する。
ポリウレタンは、ウレタンフォーム、塗料、接着剤、シーラント、エラストマー等、幅
広い用途に使用されている。ポリウレタンは、イソシアネート、鎖延長剤から構成される
ハードセグメントとポリオールを主成分とするソフトセグメントから構成されている。
従来、工業規模で生産されているポリウレタンの主たるソフトセグメント部の原料は、
ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオールタイプ、ア
ジペート系エステルに代表されるポリエステルポリオールタイプ、ポリカプロラクトンに
代表されるポリラクトンタイプ又はポリカーボネートジオールに代表されるポリカーボネ
ートタイプに分けられる(非特許文献1)。
近年、ポリウレタンを原料にした弾性繊維の分野において、柔軟性や弾性回復性および
耐薬品性に優れた素材の需要が高まっている。特にポリウレタンの柔軟性や弾性回復性に
寄与するのはポリウレタン中にソフトセグメントとして含まれるポリエーテルポリオール
である。
しかしながら、現在、スパンデックス、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー
、人工皮革、合成皮革などの用途に広く市販されているポリウレタンに用いられるポリエ
ーテルポリオールは、主にテトラヒドロフランから製造されたポリテトラメチレンエーテ
ルグリコールであるが、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いたポリウレタンは
柔軟性、伸び、弾性回復性に優れる一方でソフトセグメントの結晶性により、低温領域で
の柔軟性が低下する点で課題をもっていた。また、衣料用途などで求められる人体から分
泌される油脂に含まれるオレイン酸への耐薬品に劣る点で課題をもっていた。(特許文献
1及び2)
ポリテトラメチレングリコールの結晶性を抑制する手段として、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコールに側鎖を持つモノマー(例えば、3-アルキルテトラヒドロフラン)を
導入し、非晶性を高めたポリオールがある。これらのポリオールを用いたポリウレタンは
、ポリオールのアルキル側鎖がソフトセグメントの結晶性を抑制し、低温領域でも良好な
柔軟性を発現出来ることが知られているが、耐オレイン酸性等の耐久性に関する効果は明
示されていない(特許文献2)。
また、数平均分子量が3500~5500の高分子量ポリテトラメチレンエーテルグリ
コールが提案されているが、数平均分子量3500未満のポリテトラメチレンエーテルグ
リコールより柔軟性、弾性回復性に優れる事が知られている。一方で低温領域での柔軟性
、弾性回復性についての効果は明示されていない。(特許文献3)
特開2021-152239 特開昭63-235320 特開2017-025282
"ポリウレタンの基礎と応用"96頁~106頁 松永勝治 監修、(株)シーエムシー出版、2006年11月発行
ポリウレタン、特に弾性繊維用のポリウレタンにあっては、その用途において、低温時
の柔軟性や弾性回復性、耐薬品性などの耐久性の更なる向上が望まれているが、特許文献
1,2,3等で提案される従来の弾性繊維用ポリウレタンでは、低温時の柔軟性及び弾性
回復性と耐オレイン酸性などの耐薬品性との両立が困難であった。
本発明は、低温時の柔軟性、弾性回復性及び耐オレイン酸性などの耐薬品性を改善した
ポリウレタンと、該ポリウレタンが弾性繊維用であり、該弾性繊維用のポリウレタンを用
いたポリウレタン弾性繊維を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、原料として特定の構造を導
入したポリエーテルジオールを用いたポリウレタンとすることにより、上記課題を解決す
ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 複数のイソシアネート基を有する化合物に由来する構造単位、ポリオール及びポ
リアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構造単位、及び、下
記式(1)で表されるポリエーテルポリオールに由来する構造単位を含むポリウレタン。
Figure 2024108096000001
(上記式(1)において、Rは炭素数2~10の二価の炭化水素基を表し、nは2~40
の整数であり、mは1以上の整数であり、sは1~30の整数である。なお、式(1)中
、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよい。)
[2] 前記式(1)で表されるポリエーテルポリオールの数平均分子量が600以上で
ある[1]に記載のポリウレタン。
[3] 前記式(1)におけるRがn-ブチレン基である[1]又は[2]に記載のポリウレ
タン。
[4] 前記ポリオール及びポリアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物
が、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン及びヘキサメチレンジ
アミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である[1]乃至[3]のいずれかに
記載のポリウレタン。
[5] 前記ポリオール及びポリアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物
が、1,4-ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,6-
ヘキサンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である[1]乃至[3]の
いずれかに記載のポリウレタン。
[6] 前記複数のイソシアネート基を有する化合物が、4,4’-ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネー
ト、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイ
ソシアネート及びイソホロンジイソシアネートからなる群より選ばれた少なくとも1種の
化合物である[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリウレタン。
[7] [1]乃至[6]のいずれかに記載のポリウレタンが弾性繊維用であるポリウレタン

[8] [7]に記載の弾性繊維用であるポリウレタンを用いたポリウレタン弾性繊維。
本発明によれば、原料に特定の構造のポリエーテルポリオールを用い、該特定の構造の
ポリエーテルポリオールに由来する構造単位を有するポリウレタンとすることで、低温時
の柔軟性、弾性回復性及び耐オレイン酸性などの耐薬品性を改善することができ、該ポリ
ウレタンは弾性繊維用として有用である、優れたポリウレタン弾性繊維を提供することが
できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限
定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ポリウレタン]
本発明のポリウレタンは、複数のイソシアネート基を有する化合物(以下、「ポリイソ
シアネート化合物」と称す場合がある。)に由来する構造単位、ポリオール及びポリアミ
ンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、「鎖延長剤」と称す場合があ
る。)に由来する構造単位、及び下記式(1)で表されるポリエーテルポリオール(以下
、「オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール」と称す場合がある。)に由来する
構造単位を含むポリウレタンである。
Figure 2024108096000002
上記式(1)において、Rは炭素数2~10の二価の炭化水素基を表し、nは2~40
の整数であり、mは1以上の整数であり、sは1~30の整数である。なお、式(1)中
、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよい。)
<ポリイソシアネート化合物>
本発明のポリウレタンの製造原料として使用されるポリイソシアネート化合物は、イソ
シアネート基を2以上有するものであればよく、芳香族又は脂肪族、脂環族の各種公知の
ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
例えば、キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、トル
エンジイソシアネート(2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシ
アネート)、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,
4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソ
シアネート、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイ
ソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレン
ジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルイソシアネート、フェニレンジイソシアネート及びm-テトラメ
チルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物;テトラメチレン
ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート及びダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転
化したダイマージイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;1,4-シクロヘ
キサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1-メチル-2,4-シクロヘ
キサンジイソシアネート、1-メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,
4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び1,3-ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,5-ペン
タメチレンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。これ
らは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも得られるポリウレタンの物性のバランスが好ましい点、工業的に安価に
多量に入手が可能な点で、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイ
ソシアネート(2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート
)、耐候性に優れる点で4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6-
ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが好ましい。
<鎖延長剤>
本発明のポリウレタンの製造原料として使用される鎖延長剤は、イソシアネート基と反
応する活性水素を少なくとも2個有する低分子量化合物であり、ポリオール及びポリアミ
ンから選ばれる。
その具体例としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタ
ンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタン
ジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジ
オール等の直鎖ジオール類;2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル
-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチ
ル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ヘプタンジオール、1,4-ジ
メチロールヘキサン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル
-1,3-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2
-エチル-1,3-プロパンジオール、ダイマージオール等の分岐鎖を有するジオール類
;ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のエーテル基を有するジオール類;1
,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ジヒド
ロキシエチルシクロヘキサン等の脂環構造を有するジオール類、キシリレングリコール、
1,4-ジヒドロキシエチルベンゼン、4,4’-メチレンビス(ヒドロキシエチルベン
ゼン)等の芳香族基を有するジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール等のポリオール類;N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノール
アミン等のヒドロキシアミン類;エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、プロピ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミ
ン、イソホロンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2-ヒドロキシ
エチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒド
ロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-
ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、メチレン
ビス(o-クロロアニリン)、キシリレンジアミン、ジフェニルジアミン、トリレンジア
ミン、ヒドラジン、ピペラジン、N,N’-ジアミノピペラジン等のポリアミン類;等を
挙げることができる。
これらの鎖延長剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、取り扱いが容易であり、反応の制御容易性の観点から、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
また、得られるポリウレタンのソフトセグメントとハードセグメントの相分離性に優れ
ることによる柔軟性と弾性回復性に優れる点、工業的に安価に多量に入手が可能な点で、
エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサ
ンジオールが好ましい。
<オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール>
本発明のポリウレタンの製造原料として用いるオキシメチレン基を含むポリエーテルポ
リオールは、下記式(1)で表される。
Figure 2024108096000003
(上記式(1)において、Rは炭素数2~10の二価の炭化水素基を表し、nは2~40
の整数であり、mは1以上の整数であり、sは1~30の整数である。なお、式(1)中
、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよい。)
オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールの分子量分布は1.90以上が好まし
く、2.00以上がより好ましく、2.30以上がさらに好ましい。上限は特に限定され
ないが、3.40が好ましく、3.20がより好ましい。該分子量分布を前記範囲内とす
ることで、オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールをウレタン原料とした際に、
ウレタン原料との相溶性に優れ、ウレタンの原料として反応性が良好で、低温時の柔軟性
、弾性回復性及び耐オレイン酸性などの耐薬品性が改善されたポリウレタンとすることが
可能となる。
尚、該分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定
することができる。
オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールの数平均分子量は600以上6,00
0以下であることが好ましく、800以上5,500以下であることがより好ましく、1
,000以上5,200以下であることがさらに好ましい。該数平均分子量を前記範囲内
とすることで、オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールをウレタン原料とした際
に、ウレタン原料との相溶性に優れ、ウレタンの原料として反応性が良好で、低温時の柔
軟性、弾性回復性及び耐オレイン酸性などの耐薬品性が改善されたポリウレタンとするこ
とが可能となる。
尚、該数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
により測定することができる。
ウレタン原料との相溶性に優れ、ウレタンの原料として反応性が良好となり、ポリウレ
タンの低温時の柔軟性、弾性回復性及び耐オレイン酸性などの耐薬品性の改善の観点から
、前記式(1)におけるRとしては、炭素数2~10の二価の脂肪族炭化水素基であるこ
とが好ましく、炭素数2~10の二価の非環式脂肪族炭化水素基がより好ましい。炭素数
2~10の二価の非環式脂肪族炭化水素基としては、エチレングリコール、1,3-プロ
パンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジ
オール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-へプタンジオール、1,8-オクタンジオ
ール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等の直鎖状ポリオールに由来
する二価の炭化水素基、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1
,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-メチル-1,4-ブタンジオ
ール、3-メチル-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2ーブ
チルー2―エチルー1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール
、3-ブチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオー
ル、2,4-ジブチルー1,5-ペンタンジオール、2,2-ジブチルー1,3-プロパ
ンジオール等の分岐鎖状ポリールに由来する二価の炭化水素基が挙げられる。なかでも、
1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5
-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールに由来する二価の炭化水素基がさらに好
ましく、1,4-ブタンジオールに由来する二価の炭化水素基が特に好ましい。
炭素数2~10の二価の環式脂肪族炭化水素基としては、1,3-シクロペンタンジオ
ール、1,4-シクロヘキサンジオール、エリスリタン、イソソルビド、1,4-シクロ
ヘキサンジメタノール、2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、1,3
-シクロヘキサンジメタノール、2,7-ノルボルナンジオール、トリシクロ[5.2.
1.02,6]デカンジメタノール等の脂環式ポリオールに由来する二価の炭化水素基が
挙げられる。なかでも、エリスリタン、イソソルビド、1,4-シクロヘキサンジメタノ
ールに由来する二価の炭化水素基がより好ましい。
[ポリウレタンの製造方法]
本発明のポリウレタンは、本発明で用いるオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオ
ールと、ポリイソシアネート化合物と、鎖延長剤とを所定の割合で用い、通常のポリウレ
タン化反応により製造することができる。
<鎖停止剤>
本発明のポリウレタンを製造する際には、得られるポリウレタンの分子量を制御する目
的で、必要に応じて1個の活性水素基を有する鎖停止剤を少量添加使用することができる
。これらの鎖停止剤としては、水酸基を有するエタノール、プロパノール、ブタノール及
びヘキサノール等の脂肪族モノオール、並びにアミノ基を有するジエチルアミン、ジブチ
ルアミン、n-ブチルアミン、モルホリン、モノエタノールアミン及びジエタノールアミ
ン等の脂肪族モノアミン等が例示される。これらは単独使用でも2種以上の併用でもよい
<触媒>
本発明のポリウレタンを製造する際、ウレタン化反応に触媒を使用してもよい。ウレタ
ン化反応触媒としては、例えば、有機スズ系化合物、有機亜鉛系化合物、有機ビスマス系
化合物、有機チタン系化合物、有機ジルコニウム系化合物、アミン系化合物等が挙げられ
る。ウレタン化反応触媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ウ
レタン化反応触媒を使用する場合、製造された弾性繊維用ポリウレタンの質量に対して、
0.1~100質量ppmとなるように調整することが好ましい。前記範囲内のウレタン
化反応触媒を使用することにより、ポリウレタンの分子量が充分に高い水準で維持され、
ポリウレタン本来の物性が効果的に発揮されやすくなる。
前記ウレタン化反応触媒の中でも、有機スズ系化合物が好ましい。有機スズ系化合物と
しては、例えば、スズ含有アシレート化合物、スズ含有メルカプトカルボン酸塩等が挙げ
られ、具体的には、オクチル酸スズ、モノメチルスズメルカプト酢酸塩、モノブチルスズ
トリアセテート、モノブチルスズモノオクチレート、モノブチルスズモノアセテート、モ
ノブチルスズマレイン酸塩、モノブチルスズマレイン酸ベンジルエステル塩、モノオクチ
ルスズマレイン酸塩、モノオクチルスズチオジプロピオン酸塩、モノオクチルスズトリス
(イソオクチルチオグリコール酸エステル)、モノフェニルスズトリアセテート、ジメチ
ルスズマレイン酸エステル塩、ジメチルスズビス(エチレングリコールモノチオグリコレ
ート)、ジメチルスズビス(メルカプト酢酸)塩、ジメチルスズビス(3-メルカプトプ
ロピオン酸)塩、ジメチルスズビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジブチルス
ズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジステアレート、ジブチル
スズジラウレート、ジブチルスズマレイン酸塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジ
ブチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸)、ジブチルスズ
ビス(メルカプト酢酸アルキルエステル)塩、ジブチルスズビス(3-メルカプトプロピ
オン酸アルコキシブチルエステル)塩、ジブチルスズビスオクチルチオグリコールエステ
ル塩、ジブチルスズ(3-メルカプトプロピオン酸)塩、ジオクチルスズマレイン酸塩、
ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジオクチ
ルスズジラウレート、ジオクチルスズビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジオ
クチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)、ジオクチルスズビス(3-
メルカプトプロピオン酸)塩等が挙げられる。
本発明に従って、脂肪族イソシアネート化合物及び/又は脂環族イソシアネート化合物
を原料として使用する場合は、芳香族イソシアネート化合物より反応性が低いため、有機
スズ系化合物を触媒として使用するのが好ましく、特に反応性の低い4,4’-ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネートを用いる場合は有機スズ系化合物を触媒として使用する
ことがさらに好ましい。
例えば、本発明のポリウレタンの製造方法としては、本発明で用いるオキシメチレン基
を含むポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物及び鎖延長剤をワンショット
で連続的に反応させる方法(一段法)、本発明で用いるオキシメチレン基を含むポリエー
テルポリオールと過剰のポリイソシアネート化合物とをまず反応させて分子鎖末端にイソ
シアネート基を有するプレポリマーを製造し、さらに鎖延長剤と反応させて重合度を上げ
る方法(二段法(a))、または、ポリイソシアネート化合物と過剰の本発明で用いるオ
キシメチレン基を含むポリエーテルポリオールとをまず反応させて分子鎖末端に水酸基を
有するプレポリマーを製造し、さらに鎖延長剤と反応させて重合度を上げる方法(二段法
(b))により、ポリウレタンを効率よく製造することができる。
本発明で用いるオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネー
ト化合物と、鎖延長剤とを反応させて本発明のポリウレタンを製造する方法としては、一
般的に実験ないし工業的に用いられる製造方法が使用できる。
<一段法>
一段法とは、ワンショット法とも呼ばれ、オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオ
ールと必要に応じて用いられるその他のポリオール、ポリイソシアネート化合物、及び鎖
延長剤を一括に仕込むことで反応を行う方法である。
<二段法>
二段法は、プレポリマー法ともよばれ、主に以下の方法である。
(a) 予め本発明で用いるオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール及びそれ以
外のポリオールと、過剰のポリイソシアネート化合物とを、ポリイソシアネート化合物/
(本発明で用いるオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールとそれ以外のポリオー
ル)の反応当量比が1を超える量から10.0以下で反応させて、分子鎖末端がイソシア
ネート基であるプレポリマーを製造し、次いでこれに鎖延長剤を加えることによりポリウ
レタンを製造する方法。
(b) 予めポリイソシアネート化合物と、過剰の本発明で使用するオキシメチレン基を
含むポリエーテルポリオールとそれ以外のポリオールとを、ポリイソシアネート化合物/
(本発明で使用するオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールとそれ以外のポリオ
ール)の反応当量比が0.1以上から1.0未満で反応させて分子鎖末端が水酸基である
プレポリマーを製造し、次いでこれに鎖延長剤として末端がイソシアネート基のポリイソ
シアネート化合物を反応させてポリウレタンを製造する方法。
二段法は無溶媒でも溶媒共存下でも実施することができる。
二段法によるポリウレタンの製造は以下に記載の(1)~(3)のいずれかの方法によ
って行うことができる。
(1) 溶媒を使用せず、まず直接ポリイソシアネート化合物とオキシメチレン基を含む
ポリエーテルポリオールとそれ以外のポリオールとを反応させてプレポリマーを合成し、
そのまま鎖延長反応に使用する。
(2) (1)の方法でプレポリマーを合成し、その後溶媒に溶解し、以降の鎖延長反応
に使用する。
(3) 初めから溶媒を使用し、ポリイソシアネート化合物とオキシメチレン基を含むポ
リエーテルポリオールとそれ以外のポリオールとを反応させ、その後鎖延長反応を行う。
(1)の方法の場合には、鎖延長反応にあたり、鎖延長剤を溶媒に溶かしたり、溶媒に
同時にプレポリマー及び鎖延長剤を溶解したりするなどの方法により、ポリウレタンを溶
媒と共存する形で得ることが重要である。
また、ポリウレタンの製造には必要に応じて、触媒や安定剤等を添加することもできる
<反応モル比>
上記いずれの製造方法による場合においても、本発明のポリウレタンを製造する際のウ
レタン化反応には、本発明で用いるオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール、ポ
リイソシアネート化合物及び鎖延長剤の反応モル比が、オキシメチレン基を含むポリエー
テルポリオール:ポリイソシアネート化合物:鎖延長剤=1:1.5~4:0.5~3の
モル比となるように反応させる。
オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール1モルに対するポリイソシアネート化
合物のモル比が1.5未満では得られるポリウレタンの強度が不十分であり、4を超える
と得られるポリウレタンの柔軟性が不十分となる。ポリイソシアネート化合物はオキシメ
チレン基を含むポリエーテルポリオール1モルに対して1.5~4モル、特に2~3モル
用いることが好ましい。
また、オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール1モルに対する鎖延長剤のモル
比が0.5未満では得られるポリウレタンの強度が不十分であり、3を超えると得られる
ポリウレタンの柔軟性が不十分となる。鎖延長剤はオキシメチレン基を含むポリエーテル
ポリオール1モルに対して0.5~3モル、特に1~2モル用いることが好ましい。
<分子量>
本発明のポリウレタンの分子量は、用途に応じて適宜調整され、特に制限はないが、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の
重量平均分子量(Mw)として5万~50万であることが好ましく、10万~30万であ
ることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が上記下限よりも小さいと十分な強度や
硬度が得られない場合があり、上記上限よりも大きいと加工性などハンドリング性を損な
う傾向がある。
<添加剤>
本発明のポリウレタンは、内部離型剤、充填剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、安定
剤(例えば、酸化防止剤、UV安定剤、熱安定剤等)、難燃剤、架橋剤、反応促進剤、補
強剤等を、本発明のポリウレタンの特性を損なわない範囲で、添加、混合してポリウレタ
ン組成物として用いることができる。
内部離型剤としては、例えば、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸塩等が
挙げられる。脂肪酸アミドとしては、例えば、カプロン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミ
リスチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等が挙げられる。脂肪酸エステルとしては、例え
ば、長鎖脂肪酸とアルコールとのエステル等が挙げられ、具体的には、ソルビタンモノラ
ウレート、ブチルステアレート、ブチルラウレート、オクチルパルミテート、ステアリル
ステアレート等が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、リンデン酸、オレイン酸、エルカ
酸、リノール酸等が挙げられる。脂肪酸塩としては、例えば、前記脂肪酸の金属(例えば
バリウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等)塩が挙げられる。
充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、白亜、硫酸カルシウム、粘土、カ
オリン、シリカ、ガラス、ヒュームドシリカ、マイカ、珪灰石、長石、アルミニウムシリ
ケート、カルシウムシリケート、アルミナ、アルミナ三水和物等のアルミナ水和物、ガラ
ス微小球、セラミック微小球、熱可塑性樹脂微小球、バライト、木粉、ガラス繊維、カー
ボンファイバー、マーブルダスト、セメントダスト、酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二酸化チタン、チタン酸塩、これらの
組合せ等が挙げられる。充填剤は、好ましくはタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
シリカ、ガラス、ガラス繊維、アルミナ、二酸化チタンまたはこれらの組合せであり、よ
り好ましくはタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維またはこれらの組合せ
である。充填剤として、Zweifel Hansらの文献「プラスチック添加剤ハンドブック(Pla
stics Additives Handbook)」Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio、
5版、17章、901-948ページ(2001)に記載されているものを使用できる。
可塑剤としては、例えば、鉱油、アビエチン酸エステル、アジピン酸エステル、アルキ
ルスルホン酸エステル、アゼライン酸エステル、安息香酸エステル、塩素化パラフィン、
クエン酸エステル、エポキシド、グリコールエーテルおよびそのエステル、グルタル酸エ
ステル、炭化水素油、イソ酪酸エステル、オレイン酸エステル、ペンタエリスリトール誘
導体、リン酸エステル、フタル酸エステル、ポリブテン、リシノール酸エステル、セバシ
ン酸エステル、スルホンアミド、トリメリト酸エステル、ピロメリト酸エステル、ビフェ
ニル誘導体、ステアリン酸エステル、ジフランジエステル、フッ素含有可塑剤、ヒドロキ
シ安息香酸エステル、イソシアン酸エステル付加物、多環芳香族化合物、天然製品誘導体
、シロキサン系可塑剤、タール系製品、チオエステル、チオエーテル、これらの組合せ等
が挙げられる。ポリウレタン組成物中の可塑剤の含有量は、好ましくは0~15質量%、
より好ましくは0.5~10質量%、さらに好ましくは1~5質量%である。可塑剤とし
て、George Wypychの文献「可塑剤のハンドブック(Handbook of Plasticizers)」Ch
emTec Publishing,Toronto-Scarborough,Ontario(2004)に記載されているもの
を使用できる。
着色剤(染料、顔料)としては、例えば、無機顔料、例えば、金属酸化物(例えば酸化
鉄、酸化亜鉛、二酸化チタン)、混合金属酸化物、カーボンブラック、これらの組合せ等
;有機顔料、例えば、アントラキノン、アンタントロン、アゾ化合物、モノアゾ化合物、
アリールアミド、ベンゾイミダゾロン、BONAレーキ、ジケトピロロピロール、ジオキ
サジン、ジスアゾ化合物、ジアリリド化合物、フラバントロン、インダントロン、イソイ
ンドリノン、イソインドリン、モノアゾ塩、ナフトール、β-ナフトール、ナフトールA
S、ナフトールレーキ、ペリレン、ペリノン、フタロシアニン、ピラントロン、キナクリ
ドン、キノフタロン、これらの組合せ等;無機顔料および有機顔料の組合せ;等が挙げら
れる。ポリウレタン組成物中の着色剤の含有量は、好ましくは0~10質量%、より好ま
しくは0.1~5質量%、さらに好ましくは0.25~2質量%である。着色剤としては
、Zweifel Hansらの文献「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Ha
ndbook)」Hanser Gardner Publications, Cincinnati,Ohio、5版、15章、81
3-882ページ(2001)に記載されているものを使用できる。
酸化防止剤としては、例えば、アルキルジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルア
ミン、アルキル置換フェニル-α-ナフチルアミン、アラルキル置換フェニル-α-ナフ
チルアミン、アルキル化p-フェニレンジアミン、テトラメチル-ジアミノジフェニルア
ミン等の芳香族アミンまたはヒンダードアミン;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフ
ェノール等のフェノール化合物;1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3’,
5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)ベンゼン;テトラキス[(メチレン
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン(例えば、I
RGANOX(商標)1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);アクリロイ
ル修飾フェノール;オクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシシンナメー
ト(例えば、IRGANOX(商標)1076、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
);亜リン酸エステル;亜ホスホン酸エステル;ヒドロキシルアミン;ベンゾフラノン誘
導体;これらの組合せ;等が挙げられる。ポリウレタン組成物中の酸化防止剤の含有量は
、好ましくは0~5質量%、より好ましくは0.0001~2.5質量%、さらに好まし
くは0.001~1質量%、特に好ましくは0.001~0.5質量%である。酸化防止
剤として、Zweifel Hansらの文献「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Addit
ives Handbook)」Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohio、5版、1章、
1-140ページ(2001)に記載されているものを使用できる。
UV安定剤としては、例えばベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、アリールエステル
、オキサニリド、アクリル酸エステル、ホルムアミジン、カーボンブラック、ヒンダード
アミン、ニッケルクエンチャー、ヒンダードアミン、フェノール化合物、金属塩、亜鉛化
合物、これらの組合せ等が挙げられる。ポリウレタン組成物中のUV安定剤の含有量は、
好ましくは0~5質量%、より好ましくは0.01~3質量%、さらに好ましくは0.1
~2質量%、特に好ましくは0.1~1質量%である。UV安定剤として、Zweifel Han
sらの文献「プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」Hans
er Gardner Publications,Cincinnati,Ohio、5版、2章、141-426ページ(
2001)に記載されているものを使用できる。
熱安定剤としては、例えば、リン系熱安定剤が挙げられ、その市販品としては、例えば
、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の商品名:イルガフォス38、同126、同P
-EPQ等、旭電化工業社製の商品名:アデカスタブPEP-4C、同11C、同24、
同36等が挙げられる。リン系熱安定剤を使用する場合、ポリウレタン組成物中の熱安定
剤の含有量は、好ましくは0.05~1質量%である。
難燃剤としては、例えば、ポリブロモジフェニルエーテル、エチレンビス臭素化フタル
イミド、ビス(臭素化フェニル)エタン、ビス(臭素化フェニル)テレフタルアミド、パ
ークロロペンタシクロデカン等のハロゲン系の有機難燃剤;リン系の有機難燃剤;窒素系
の有機難燃剤;三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機系
難燃剤;等が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、アルキル過酸化物、アリール過酸化物、ペルオキシエステル
、ペルオキシカーボネート、ジアシルペルオキシド、ペルオキシケタール、環式過酸化物
等の有機過酸化物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメト
キシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン系化合物
;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、トルアクリルホルマール等の分子内に炭素-炭素二重結合を複数個(好ましくは3個
以上)有するラジカル架橋剤等が挙げられる。架橋剤として、Zweifel Hansらの文献「
プラスチック添加剤ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」Hanser Gardner
Publications,Cincinnati,Ohio、5版、14章、725-812ページ(2001)
に記載されているものを使用できる。中でも、ラジカル架橋剤が好ましく、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トルアクリ
ルホルマールがより好ましく、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレートがさらに好ましい。
これらの添加剤は、単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で組み
合わせて用いてもよい。
これらの添加剤の添加量は、本発明のポリウレタンに対する質量比として、下限が、好
ましくは0.01質量%、より好ましくは0.05質量%、さらに好ましくは0.1質量
%、上限は、好ましくは10質量%、より好ましくは5質量%、さらに好ましくは1質量
%である。添加剤の添加量が少な過ぎるとその添加効果を十分に得ることができず、多過
ぎるとポリウレタンの加工の過程で析出したり、濁りを発生したりする場合がある。
[ポリウレタン弾性繊維]
本発明のポリウレタンを用いたポリウレタン弾性繊維の製法は、例えば本発明のポリウ
レタンをペレット状にし、ペレット状のポリウレタンを溶融しながら紡糸する溶融紡糸法
や、適当な溶媒の存在下で本発明のポリウレタンを溶解し、次いで非溶媒の凝固液中にノ
ズルより吐出し、化学反応により固化させて繊維化する湿式紡糸法、適用な溶媒に溶解し
たポリウレタンを紡糸口金(ノズル)から噴出させ,熱風により溶媒を気化して繊維状にす
る乾式紡糸法などの公知の方法が挙げられ、特に限定はされず本発明の効果はいずれに対
しても発現する。
本発明のポリウレタンを用いたポリウレタン弾性繊維の製造に用いる紡糸装置や紡糸条
件などは、目的とする繊維の太さや形状などにより異なるため、それに応じて適宜設定す
ればよく、特に限定しない。ポリウレタン弾性繊維の繊度(繊維の太さ)は、弾性繊維製
品の形状保持性能や製造コストなどから適宜選択することができるが、製造の容易さやコ
スト面から、好ましくは11~800dtexの範囲であり、より好ましくは17~62
2dtexの範囲であり、更に好ましくは17~156dtexの範囲である。
本発明のポリウレタンよりなる弾性繊維はそのまま裸糸として使用したり、また、他繊
維で被覆して被覆糸として使用したりすることができる。他繊維としては、ポリアミド繊
維、ウール、綿、ポリエステル繊維など従来公知の繊維を挙げることができるが、なかで
もポリエステル繊維が好ましく用いられる。また、本発明のポリウレタンよりなる弾性繊
維は、染着タイプの分散染料を含有していてもよい。
<ポリウレタンの用途>
本発明のポリウレタンは、耐溶剤に優れ、良好な柔軟性、機械強度を有することから、
弾性繊維用途以外にも、フォーム、エラストマー、弾性繊維、塗料、繊維、粘着剤、接着
剤、床材、シーラント、医療用材料、人工皮革、合成皮革、コーティング剤、水系ポリウ
レタン塗料、活性エネルギー線硬化性重合体組成物等に広く用いることができる。
特に、人工皮革、合成皮革、透湿防水布、防水布、水系ポリウレタン、接着剤、弾性繊
維、医療用材料、床材、塗料、コーティング剤等の用途に、本発明のポリウレタンを用い
ると、耐溶剤性、柔軟性、機械強度の良好なバランスを有するため、人の皮膚に触れたり
、コスメティック用薬剤や消毒用のアルコールが使われたりする部分において耐久性が高
く、また柔軟性も十分で、かつ物理的な衝撃などにも強いという良好な特性を付与するこ
とができる。また、耐熱性が必要とされる自動車用途や、耐候性が必要とされる屋外用途
に好適に使用できる。
本発明のポリウレタンは、ポリウレタンエラストマー、例えば注型ポリウレタンエラス
トマーに使用できる。その具体的用途として、圧延ロール、製紙ロール、事務機器、プレ
テンションロール等のロール類、フォークリフト、自動車車両ニュートラム、台車、運搬
車等のソリッドタイヤ、キャスター等、工業製品として、コンベアベルトアイドラー、ガ
イドロール、プーリー、鋼管ライニング、鉱石用ラバースクリーン、ギア類、コネクショ
ンリング、ライナー、ポンプのインペラー、サイクロンコーン、サイクロンライナー等が
ある。また、OA機器のベルト、紙送りロール、複写用クリーニングブレード、スノープ
ラウ、歯付ベルト、サーフローラー等にも使用できる。
本発明のポリウレタンは、また、熱可塑性エラストマーとしての用途にも適用される。
例えば、食品、医療分野で用いる空圧機器、塗装装置、分析機器、理化学機器、定量ポン
プ、水処理機器、産業用ロボット等におけるチューブやホース類、スパイラルチューブ、
消防ホース等に使用できる。また、丸ベルト、Vべルト、平ベルト等のベルトとして、各
種伝動機構、紡績機械、荷造り機器、印刷機械等に用いられる。また、履物のヒールトッ
プや靴底、カップリング、パッキング、ポールジョイント、ブッシュ、歯車、ロール等の
機器部品、スポーツ用品、レジャー用品、時計のベルト等に使用できる。さらに自動車部
品としては、オイルストッパー、ギアボックス、スペーサー、シャーシー部品、内装品、
タイヤチェーン代替品等が挙げられる。また、キーボードフィルム、自動車用フィルム等
のフィルム、カールコード、ケーブルシース、ベロー、搬送ベルト、フレキシブルコンテ
ナー、バインダー、合成皮革、ディピンイング製品、接着剤等に使用できる。
本発明のポリウレタンよりなるポリウレタンエラストマーは、更に、発泡ポリウレタン
エラストマー、又はポリウレタンフォームとすることができる。ポリウレタンエラストマ
ーを発泡ポリウレタンエラストマー又はポリウレタンフォームとする方法としては、例え
ば、水などを用いた化学発泡やメカニカルフロスなどの機械発泡のいずれでもよく、その
他、スプレー発泡やスラブ、注入、モールド成型で得られる硬質フォームや、同じくスラ
ブ、モールド成型で得られる軟質フォーム等が挙げられる。
発泡ポリウレタンエラストマー又はポリウレタンフォームの具体的な用途としては電子
機器、鉄道レールおよび建築の断熱材や防振材、自動車シート、自動車の天井クッション
、マットレスなどの寝具、インソール、ミッドソールや靴底等が挙げられる。
本発明のポリウレタンは、溶剤系二液型塗料としての用途にも適用可能であり、楽器、
仏壇、家具、化粧合板、スポーツ用品等の木材製品に適用できる。また、タールエポキシ
ウレタンとして自動車補修用にも使用できる。
本発明のポリウレタンは、湿気硬化型の一液型塗料、ブロックイソシアネート系溶媒塗
料、アルキド樹脂塗料、ウレタン変性合成樹脂塗料、紫外線硬化型塗料、水系ウレタン塗
料等の成分として使用可能であり、例えば、プラスチックバンパー用塗料、ストリッパブ
ルペイント、磁気テープ用コーティング剤、床タイル、床材、紙、木目印刷フィルム等の
オーバープリントワニス、木材用ワニス、高加工用コイルコート、光ファイバー保護コー
ティング、ソルダーレジスト、金属印刷用トップコート、蒸着用ベースコート、食品缶用
ホワイトコート等に適用できる。
本発明のポリウレタンは、また、粘着剤や接着剤として、食品包装、靴、履物、磁気テ
ープバインダー、化粧紙、木材、構造部材等に適用でき、また、低温用接着剤、ホットメ
ルトの成分としても用いることができる。
本発明のポリウレタンは、バインダーとして、磁気記録媒体、インキ、鋳物、焼成煉瓦
、グラフト材、マイクロカプセル、粒状肥料、粒状農薬、ポリマーセメントモルタル、レ
ジンモルタル、ゴムチップバインダー、再生フォーム、ガラス繊維サイジング等に使用可
能である。
本発明のポリウレタンは、繊維加工剤の成分として、防縮加工、防皺加工、撥水加工等
に使用できる。
本発明のポリウレタンは、シーラント・コーキングとして、コンクリート打ち壁、誘発
目地、サッシ周り、壁式PC(Precast Concrete)目地、ALC(Autoclaved Light-wei
ght Concrete)目地、ボード類目地、複合ガラス用シーラント、断熱サッシシーラント、
自動車用シーラント、屋上防水シート等に使用できる。
本発明のポリウレタンは、医療用材料としての使用が可能であり、血液適合材料として
、チューブ、カテーテル、人工心臓、人工血管、人工弁等、また、使い捨て素材としてカ
テーテル、チューブ、バッグ、手術用手袋、人工腎臓ポッティング材料等に使用できる。
本発明のポリウレタンは、末端を変性させることによりUV硬化型塗料、電子線硬化型
塗料、フレキソ印刷版用の感光性樹脂組成物、光硬化型の光ファイバー被覆材組成物等の
原料として用いることができる。
[ポリウレタンの用途]
以下に、本発明のポリウレタンの用途について用途別に詳述する。
<透湿防水フィルム、透湿防水膜、透湿防水布>
本発明のポリウレタンは、透湿防水フィルムとしての性能に優れている。透湿防水向け
ポリウレタン原料には主にポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが使用され
ているが、ポリエステルポリオールの場合、耐加水分解性が悪いという致命的な欠点があ
る。一方でポリエーテルポリオールを使用したウレタンの場合は耐光性や耐熱性に劣ると
いう欠点がある。さらに最近では、ポリカーボネートジオール(PCD)あるいはエステ
ル変性ポリカーボネートジオールを使用して耐加水分解性などの耐久性を向上させた透湿
防水布用ポリウレタンが出ている。しかしながら、ポリカーボネートジオールを用いた透
湿防水布は湿式製法によりミクロポアを形成させることで透湿性を出すことができるが、
フィルムにした場合には透湿性能を十分に持たせることができない。そのためポリエチレ
ングリコール(PEG)とPCDをブレンドして使用する場合があるが、混合性が悪い、
十分な強度がでない、接着性や風合いが悪い、等の問題点がある。
本発明のポリウレタンは、オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールを構造単位
として含む。該オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールは、PEGの特性である
透湿性能とPCDの特性である耐久性を兼ね備えており、本発明のポリウレタンは、2,
000~10,000g/m-24hrsの透湿性を有し、且つ耐久性を併せ持つポリ
ウレタンとすることができる。
透湿防水の塗膜の形成方法としては、方法は選ばない。無孔質のタイプの製造方法とし
ては、たとえば、離型紙上に、フィルム同士のくっつきを防止するためにブロッキング防
止剤や顔料を添加した表皮層用ポリウレタン溶液をコーティングし、乾燥してフィルム化
する。その上に、ポリウレタン、架橋剤、溶剤、触媒などからなる接着層用ポリウレタン
溶液をコーティングし、基材に圧着して貼り合わせる。乾燥機で接着層の溶剤を揮発させ
、エージングで硬化反応を完結させる。離型紙をはく離すると、無孔膜タイプの透湿防水
布が得られる。
本発明のポリウレタンは、多孔質タイプの透湿防水布のコーティングにも適用できる。
多孔質タイプの製造方法としては、たとえば、溶液が必要以上に入り込まないよう前処理
を施した基材に表皮層用ポリウレタン溶液をコーティングして、凝固浴中に浸漬する。浸
漬中にポリウレタン溶液中の溶剤が抽出され、樹脂が析出、凝固し、空隙を多数有する多
孔構造のポリウレタン層が形成される。その後乾燥すると、微多孔膜タイプの透湿防水布
が得られる。オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールは、オキシメチレン基とエ
ーテル結合のバランスから適度な親水性と柔軟性を持ち、透湿防水性能のみならず、着衣
時の快適さという点で優れた透湿防水布を与える。
本発明のポリウレタンを用いた透湿防水布は、アウトドア用レインウェア、ウインドブ
レーカー、防寒ウェア、シューズ、テント、リュックサック、鞄、及び靴等に好適に用い
られる。
[合成皮革・人工皮革]
本発明のポリウレタンを用いた合成皮革の製造方法は、公知の方法を使用することがで
き、例えば、「人工皮革・合成皮革 日本繊維製品消費科学会(2010)」に示される
ような方法で製造される。一般的に、合成皮革とは基材として織布や編布を示し、基材と
して不織布を用いる人工皮革とは別の構成体として区別されることもある。しかし、近年
は不織布に強度を付与するため織布・編布を貼付するなど、その区別は厳密なものではな
くなってきている。本発明におけるポリウレタンは、人工皮革用ポリウレタンにも同等に
適用することができ、且つ合成皮革と人工皮革と区別される組成物も含むものとし、本発
明の効果はいずれに対しても発現する。
本発明のポリウレタンを用いた合成皮革は、例えば、基材となる基布に対してポリウレ
タン樹脂を含有したミクロポーラス層を形成し、接着剤層を介して表皮層用ポリウレタン
樹脂を積層する方法や、基材にポリウレタン等の樹脂を充填したものの上にポリウレタン
樹脂を含有させたり、更にその上にミクロポーラス層を積層させたりして製造される。本
発明の合成皮革用ポリウレタンは、上記の基材に塗布または含浸させても、接着剤層に含
有させても、表皮層として使用しても良く、その他の層に用いても良い。尚、撥菌性の効
果を高める目的から、本発明のポリウレタンを表皮層に用いることが特に好ましい。
本発明のポリウレタンを用いた合成皮革の実施形態としては、例えば、以下の(1)又
は(2)の合成皮革積層体が挙げられる。
(1) 基布と、接着層と、中間層と、本発明のポリウレタンを含む表皮層とがこの順番
で積層された合成皮革積層体
(2) 基布と、接着層と、本発明のポリウレタンを含む中間層と、表皮層とがこの順番
で積層された合成皮革積層体
<基材>
基材としては、基布を用いることができ、具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維、綿、麻等の
天然繊維、レーヨン、スフ、アセテート等の再生繊維等の単独又はこれらの混紡繊維、あ
るいは、少なくとも一成分を溶解したり、二成分繊維を分割したりすることにより極細繊
維に変性された多成分繊維からなる、編布、織布、不織布などを用いることができる。
この基布は、起毛されていても良い。起毛は、片面起毛であっても両面起毛であっても
よい。また、基布は単層のみならず、複数の繊維からなる多層構造であってもよい。また
、基布として、表面に起毛を有するメリヤスを用いてもよい。
<ミクロポーラス層>
上記基材はミクロポーラス層を有していてもよい。湿式ミクロポーラス層は、一般的な
基布含浸法により作製される。例えば、本発明のポリウレタンを含有するジメチルホルム
アミド溶液に基布を浸漬するか、或いは、基布に該溶液を塗布し、水中で凝固、脱溶媒さ
せ、脱水後、120℃程度の熱風下で乾燥して表面平滑性に優れる湿式ミクロポーラス層
を形成することができる。
湿式ミクロポーラス層の厚みは50~400μmであることが好ましく、100~30
0μmであることがより好ましい。この厚みの範囲で合成皮革として最適な柔軟性とボリ
ューム感が達成される。
<接着層>
表皮層が接着剤を介して基材に貼り合わせられてなる場合、接着層に使用される接着剤
としては、従来のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂系などの接着剤を用い
ることができる。接着層にはまた、本発明のポリウレタンを使用することもできる。この
接着層に用いられる接着剤には、架橋剤、及び必要に応じて架橋促進剤が添加されていて
もよい。
<中間層>
中間層は得られる合成皮革の風合い、または、用途などを考慮し、適宜設定することが
できる。中間層は例えば、末端イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂および水を含
む発泡層用配合液で形成される。末端イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂は、ポ
リイソシアネート成分として、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を
用い、ポリオール成分として、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリ
オール等を用い、これらを反応させて得ることができる。中間層を構成する中間層用配合
液は、必要に応じて、例えば、整泡剤、泡化触媒、発泡核剤等を含んでいてもよい。中間
層にはまた、本発明のポリウレタンを使用することもできる。
<表皮層>
本発明のポリウレタンは表皮層に使用することもできる。表皮層は、本発明のポリウレ
タンを含む表皮層配合液を離型材の上に塗工し、加熱乾燥して所望の厚みに形成させるこ
とができる。その後、更に接着剤を塗布して接着剤層を形成させ、その上に起毛布等の基
布を張り合わせ乾燥させてから、室温で数日熟成後、離型材を剥離することにより合成皮
革が得られる。
本発明においては、このようにして製造した人工皮革または合成皮革に対して、液流染
色機等で揉みシボ加工を行って、天然皮革調の皺を入れてもよい。
<用途>
本発明のポリウレタンを用いた人工皮革または合成皮革は、自動車内装材用、家具用、
衣料用、靴用、鞄用などに使用できる。
<セルロースナノファイバー処理剤>
本発明のポリウレタンはセルロースナノファイバー処理剤として用いることができる。
セルロースナノファイバー(CNF)は、直径が3~50nmでアスペクト比(繊維長/
繊維幅)が100以上の極細の繊維状物質で、木材や竹などに由来する植物繊維をさまざ
まな方法で解繊処理することによって得られる。CNFの特長は軽い(比重1.3~1.
5g/cm、鋼の1/5程度)、強い(強度3GPa、鋼の約5倍)、比表面積が大き
い(250m/g以上)、吸着特性が高い、硬い(引張弾性率140GPa程度、アラ
ミド繊維相当)、熱による伸び縮みが小さい(線膨張係数0.1~0.2ppm/K、ガ
ラスの1/50程度)、ガラス並みに熱を伝えやすい、生体適合性に優れている、などが
挙げられ各種プラスチックの補強用フィラーとして極めて有望な材料である。しかしなが
ら、強い親水性のCNFを通常疎水性のプラスチックに混練するのは困難であり、普及に
向けた大きな課題であった。
本発明のポリウレタンはポリオール中のエーテル結合濃度を制御することにより適度な
親水性を有するポリマーとなり、ポリウレタンエマルションとしてCNFの表面に吸着さ
せることができる。その結果、CNF表面の極性を疎水性に変換することができ、疎水性
の汎用樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート、ポリアミド等に混練
することが可能になる。樹脂中に微細にかつ均一に分散したCNFは強固なネットワーク
を形成し、効率よく補強効果を発揮し強度、弾性率を高め、線膨張係数を大幅に低減する
ことができる。
<自動車内装用塗料>
本発明のポリウレタンは自動車用内装塗料に用いることができる。自動車内装に用いる
大型プラスチック部品はその成形欠陥を隠蔽し同時に保護しながら意匠性を付与する目的
で通常塗装される。その使用環境は人の手が触れたり、強い直射日光にさらされることか
ら高い耐光性、耐熱性と耐薬品性、耐擦傷性が要求され、かつ、良好な触感や高度な意匠
性が必要とされる。また、生産性を向上し省エネルギー化するために、低温短時間での乾
燥硬化性が要求されている。
本発明のポリウレタンはオキシメチレン基及びエーテル結合の濃度と分子量、官能基数
を制御することにより高い耐久性と優れた触感を有し、粘着性が低いことからタックフリ
ータイムが短く低温硬化が可能である。また、圧縮永久歪みが小さいことから、爪などに
よる擦り傷は自然に修復される自己治癒型の塗膜となる。したがって、インスツルメンタ
ルパネル、センターコンソール等の自動車内装部品用塗料の主剤として用いることができ
る。
<家電筐体用塗料>
本発明のポリウレタンは家電筐体用塗料に用いることができる。家電製品のプラスチッ
ク製筐体は防眩、防汚、保護、触感、意匠性付与を目的として塗装することがある。塗膜
にはポリスチレン、ABS、ポリカーボネート等の基材に対する接着性の他、酸、アルカ
リ、油脂等に対する耐薬品性、スプレー塗装性、低温乾燥性、包材による輸送中の耐傷付
性が必要とされる。
本発明のポリウレタンはオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールのオキシメチ
レン基/エーテル結合濃度を制御し、分子量、官能基数を調整し、ポリイソシアネート化
合物、鎖延長剤の選択、ハードセグメント含有量、分子量の調節をすることにより優れた
耐薬品性、接着性、耐傷付性を可能とし家電筐体用塗料の主剤として用いることができる
<グラビアインキ>
本発明のポリウレタンはグラビアインキに用いることができる。グラビアインキは長尺
のフィルムや紙を高速で印刷でき多色高精細の印刷物が得られるので、食品の包装材料フ
ィルム、建材の壁紙、化粧シート等に広く用いられている。包装用グラビアインキは高度
な印刷適性が要求され、とりわけインキの再溶解性、印刷後の耐酸性、耐アルカリ性、耐
油性の要求が厳しい。
本発明のポリウレタンはエーテル結合濃度を調整することによって得られる溶解性によ
って包装用グラビアインキのバインダー樹脂として用いることができる。
また、建材用グラビアインキにおいては耐候性、耐汚染性と印刷時の巻取りによるブロ
ッキングを防止する耐ブロッキング性が要求される。本発明のオキシメチレン基を含むポ
リエーテルポリオールを用いたポリウレタンは官能基数を制御しエーテル結合濃度を最適
化することで再溶解性を高めウレタン結合及びジアミン系鎖延長剤により導入されるウレ
ア結合の濃度を制御することでフィルム裏面へのブロッキングを抑制でき、建材用各種フ
ィルム印刷用グラビアインキのバインダー樹脂として用いることができる。
<建築外装用塗料>
本発明のポリウレタンは建築外装用塗料に用いることができる。建築外装用塗料は高光
沢の外観、耐汚染性、長期の風雨、日射に耐える高い耐候性が必要とされる。一方で、従
来の溶剤系から刺激の少ない弱溶剤系にシフトし、さらに環境にやさしい水性化が進行し
ている。水系化によって要求性能の維持は困難になりつつある。
本発明のポリウレタンはオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールのオキシメチ
レン基/エーテル結合濃度を制御し親水性を最適化することでエマルション粒子径の微細
化が可能であり、水系塗料としたときに塗膜表面の凹凸が少ない高光沢の外観が得られる
。さらに塗膜表面の親水性を最大限に高めることで親油性の汚染物の付着力を弱め洗浄を
容易にする低汚染塗膜を形成する。
<屋上防水>
本発明のポリウレタンは屋上防水に用いることができる。屋上防水処理にはシート防水
と塗膜防水がある。塗膜防水には従来ポリプロピレングリコールとジイソシアネートとか
ら得られるプレポリマーの芳香族ジアミン架橋による硬化塗膜が広く用いられてきた。こ
れらはシート防水と比較して施工が容易である反面、耐候性が低く耐用年数が短く改修時
期がシート防水の半分約10年程度であった。
<情報電子材料用封止剤>
本発明のポリウレタンは情報電子材料用封止剤に用いることができる。情報電子材料の
各分野において、各種の機能素子を環境から保護するために、種々の封止剤が用いられて
いる。これらの封止剤にはバリアー性、耐熱性、耐加水分解性、透明性、耐光性、接着性
、柔軟性、機械的強度等が求められる。
<接着剤>
本発明のポリウレタンは、1液硬化型接着剤、2液硬化型接着剤、ホットメルト型接着
剤、湿気硬化型ホットメルト接着剤等の種々の接着剤に用いることができる。
本発明のポリウレタンは、低温時の柔軟性に富むことから、低温環境下での使用時に基
材との優れた接着性を付与することが可能である。また、本発明のポリウレタンは、ソフ
トセグメント部の結晶性が抑えられていることから、低温時の結晶化を防ぎ、取り扱い性
を向上させることも可能となり、各種接着剤原料として有用である。
<超低硬度低圧縮永久歪み非フォーム樹脂>
本発明のポリウレタンは超低硬度低圧縮永久歪み非フォーム樹脂に用いることができる
。低硬度にするためには架橋間分子量を大きくし分子鎖のフレキシビリティを高めるため
柔軟なエーテル構造を導入する必要がある。また、低圧縮歪みにするためには官能基数を
高め、架橋構造の欠損をできるだけ少なくする必要がある。PEGは機械的物性が不足、
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)は多官能化が困難、ポリプロピレン
グリコール(PPG)は末端水酸基が2級炭素に結合するため反応性が低くかつ一定の比
率で脱水によりオレフィン化してしまうため、いずれもこの目的のためには使用に耐えな
い。
オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールは一級炭素に結合する水酸基を有する
多官能アルコールを原料として用いる限り必ず末端に反応性の高い一級炭素に結合した水
酸基が残るので、本発明のポリウレタンは、架橋間分子量を高くしつつ完全な架橋構造を
有することができ、フォーム並みの柔軟性と圧縮永久歪みの非フォーム成形物として印刷
機や複写機に用いられる各種特殊ロールの素材として有効である。
<ポリウレタン軟質フォーム>
本発明のポリウレタンは軟質ポリウレタンフォームに用いることができる。低硬度にす
るためには架橋間分子量を大きくし分子鎖のフレキシビリティを高めるため柔軟なエーテ
ル構造を導入する必要がある。また、低圧縮歪みにするためには官能基数を高め、架橋構
造の欠損をできるだけ少なくする必要がある。PEGは機械的物性が不足、PTMGは多
官能化が困難、PPGは末端水酸基が2級炭素に結合するため反応性が低くかつ一定の比
率で脱水によりオレフィン化してしまうため、いずれもこの目的のためには使用に耐えな
い。
オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールは一級炭素に結合する水酸基を有する
多官能アルコールを原料として用いる限り必ず末端に反応性の高い一級炭素に結合した水
酸基が残るので、本発明のポリウレタンは、架橋間分子量を高くしつつ完全な架橋構造を
有することができ、該ポリウレタンは柔軟性と低圧縮永久歪みで高反発弾性のフォーム成
形物として印刷機や複写機に用いられる各種特殊ロール、靴のソール、ウレタンバット、
鉄道レール用の枕木や防振材の素材として有効である。特に発泡密度が0.1g/cc以
上の高密度のフォームにおいてこの特性が顕著である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、そ
の要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
〔評価方法〕
以下の実施例及び比較例で用いたオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール、ポ
リアルキレンエーテルグリコール等の評価方法は下記の通りである。
[オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールの評価方法]
<分子量及び分子量分布>
製造されたオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールをGPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー)測定装置(東ソー株式会社製、HLC-8220GPC)に
より数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定し、重量平均分子量Mw(G
PC)/数平均分子量Mn(GPC)で、分子量分布(D)で分子量分布を算出した。
GPCでの測定方法:下記条件によるGPC測定によりポリスチレン換算の重量平均分子
量Mwと数平均分子量Mnをそれぞれ求めた。
装置 :東ソー社製 HLC-8220
カラム :TSKgel Super HZM-N
(4.6mmI.D.×15cmL×4本)
レファレンスカラム:TSKgel Super H-RC
(6.0mmI.D.×15cmL×1本)
溶離液 :THF(テトラヒドロフラン)
流速 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
RI検出器:RI(装置 HLC-8220内蔵)
[ポリウレタンの評価方法]
<重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)>
ポリウレタンを濃度が0.07質量%になるようにジメチルアセトアミド(臭化リチウ
ム(無水)約0.3質量%含有)に溶解し、これをGPC測定用試料とした。これをGPC
装置〔東ソー社製、製品名「HLC-8420」(カラム:TSKgel SuperA
WM-H×2本)〕を用いて、試料注入量約40μL、カラム温度40℃、測定溶媒(移
動相)としてジメチルアセトアミド(臭化リチウム(無水)約0.3質量%含有)、流量0.
6mL/minの測定条件でGPC測定を行った。ポリウレタンの分子量は、市販の単分
散ポリスチレン溶液を標準試料として用いて、標準ポリスチレン換算での数平均分子量(
Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した。
<引張試験>
ポリウレタン溶液を500μmのアプリケーターでフッ素樹脂シート(フッ素テープニ
トフロン900、厚さ0.1mm、日東電工株式会社製)上に塗布し、80℃で1時間、
続いて100℃で0.5時間乾燥させた。さらに100℃の真空状態で0.5時間乾燥さ
せた後、23℃、60%RHの恒温恒湿下で12時間以上静置し、得られたポリウレタン
フィルムから1cm×15cmの試験片を切り出し、この試験片について、JIS K6
301(2010)に準じ、引張試験機(株式会社島津製作所製、製品名「AGS-X」
)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度500mm/分にて、温度23℃又は-
10℃の温度条件、相対湿度60%で引張試験を実施し、試験片が100%伸長した時点
での応力:100%モジュラスを測定した。この100%モジュラスが5MPa以下のも
のは柔軟性に優れており、23℃条件で測定した100%モジュラスに対する-10℃条
件で測定した100%モジュラスの比率が低いほど、温度による強度変化が少なく、低温
特性に優れる。この23℃条件で測定した100%モジュラスに対する-10℃条件で測
定した100%モジュラスの比率は1.3以下が好ましく、1.1以下がより好ましい。
また、試験片が破断した際の伸度と強度も測定した。伸度が大きく、強度が高いものほど
柔軟性と機械強度に優れている。
<弾性回復性>
前記引張試験(温度23℃、相対湿度60%)と同じ条件下で300%まで伸長し、引
き続いてもとの長さまで500mm/分の速度で収縮させ、これを5回繰り返した。5回
目の伸長時の応力が立ち上がる点の伸長度を永久ひずみとした。永久ひずみは0に近いほ
ど弾性回復性に優れる。
<ガラス転移温度(Tg)の評価方法>
動的粘弾性測定装置(株式会社ユービーエム製 製品名「Rheogel-E4000
」)を使用して、温度範囲-100~250℃、昇温速度3℃/分、1Hz周波数の条件
下、引張モードで損失弾性率(E”)を測定した。E”のピーク値を取る値をガラス転移
温度とした。ガラス転移温度が低いほど低温条件下での柔軟性に優れる。
<耐オレイン酸性>
ポリウレタンフィルムから3cm×3cmの試験片を切り出し、この試験片を試験溶剤
であるオレイン酸50mlを入れた容量250mlのガラス瓶に投入して、80℃で16
時間静置した。試験後、試験片を取り出して紙製ワイパーで軽く拭いた後、精密天秤で重
量測定を行い、試験前からの重量変化率(増加率)を算出した。重量変化率が0%に近い
ほうが耐オレイン酸性が良好であることを示す。
〔オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールの製造と評価〕
合成例、実施例および比較例に記載した化合物は以下の略号を使用した。
POM-PTMG:オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオール
PTMG:ポリテトラメチレンエーテルグリコール
BG:1,4-ブタンジオール
MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
PTMG#650:水酸基価基準の数平均分子量(Mn)が650である三菱ケミカル株
式会社製ポリテトラメチレンエーテルグリコール
PTMG#1000:水酸基価基準の数平均分子量(Mn)が1000である三菱ケミカ
ル株式会社製ポリテトラメチレンエーテルグリコール
PTMG#3500:水酸基価基準の数平均分子量(Mn)が3500である三菱ケミカ
ル株式会社製ポリテトラメチレンエーテルグリコール
PTG-L3500:水酸基価基準の数平均分子量(Mn)が3500である保土ヶ谷化
学工業社製のテトラヒドロフランと3-メチルテトロヒドロフランの共重合ポリテトラメ
チレンエーテルグリコール
PFA:パラホルムアルデヒド
TfOH:トリフルオロメタンスルホン酸
DMF:脱水N,N-ジメチルホルムアミド 和光純薬工業株式会社製
MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(製品名「MILLIONATE
MT」) 東ソー株式会社製
[合成例1]
磁気撹拌子、ディーンスタークトラップを具備した500mLガラス製3口フラスコに
PTMG#650を299.0g、PFAを29.6g、TfOH(10%水溶液)を0
.4mL、トルエンを140mL入れ、窒素ガスで置換した。120℃のオイルバスにて
該セパラブルフラスコを加熱し、還流条件下で水を除去しながら4時間常圧で反応した。
次いで、内温を50℃まで冷却し、圧力を11mmHgとし、トルエンを系外へ除去した
。さらに圧力を8mmHgとし、150℃を上限に3時間反応した。
その後、内温を100℃まで冷却し、反応液にハイドロタルサイト7gを加えて触媒で
あるTfOHを失活させた。その後、PTFE製メンブレンフィルターを用いた加圧ろ過
にてハイドロタルサイトを除去し、オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールを得
た。
合成例1で製造されたオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールを「POM-P
TMG1」と称する。POM-PTMG1の性状及び物性の評価結果を表1に示した。
[合成例2]
メカニカルスターラー、ディーンスタークトラップを具備した5Lガラス製5口セパラ
ブルフラスコにPTMG#1000を3133g、PFAを75.1g、TfOH(10
%水溶液)を1.6mL、トルエンを650mL入れ、窒素ガスで置換した。120℃の
オイルバスにて該セパラブルフラスコを加熱し、還流条件下で水を除去しながら5時間常
圧で反応した。次いで、内温を50℃まで冷却し、圧力を8mmHgとし、トルエンを系
外へ除去した。さらに圧力を8mmHgとし、150℃を上限に加熱し2時間反応した。
その後、内温を100℃まで冷却し、反応液にハイドロタルサイト33gを加えて触媒
であるTfOHを失活させた。その後、PTFE製メンブレンフィルターを用いた加圧ろ
過にてハイドロタルサイトを除去し、オキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールを
得た。
合成例2で製造されたオキシメチレン基を含むポリエーテルポリオールを「POM-P
TMG2」と称する。POM-PTMG2の性状及び物性の評価結果を表1に示した。
Figure 2024108096000004
[実施例1]
<ポリウレタンの製造>
合成例1で得られたPOM-PTMG1を原料として用いて、以下の操作でポリウレタ
ンを製造した。
60℃のオイルバス上に、熱電対、冷却管及び撹拌装置を具備したセパラブルフラスコ
を設置し、該セパラブルフラスコに、80℃に加温したPOM-PTMG1を79.80
g、BGを4.24g、DMFを235.71g入れ、ウレタン化触媒としてネオスタン
U-830(以下「U-830」と称することがある。日東化成株式会社製)0.017
0gを添加した。次いで、MDIを15.50g添加し、セパラブルフラスコ内を窒素雰
囲気下、60rpmで撹拌し、ウレタン化反応を開始した。MDI添加による発熱が収ま
った後にオイルバスを70℃に昇温し、1時間攪拌を継続した。その後、MDIを分割添
加して分子量を調整し、ポリウレタンを製造した。ポリウレタンの性状及び物性の評価結
果を表2に示した。
[実施例2]
POM-PTMG1の代わりにPOM-PTMG2を用い、表2記載の量に変更した以
外は実施例1と同様にしてポリウレタンを製造した。ポリウレタンの性状及び物性の評価
結果を表2に示した。
[比較例1]
POM-PTMG1の代わりにPTMG#3500を用い、表2記載の量に変更した以
外は実施例1と同様にしてポリウレタンを製造した。ポリウレタンの性状及び物性の評価
結果を表2に示した。
[比較例2]
POM-PTMG1の代わりにPTG-L3500を用い、表2記載の量に変更した以
外は実施例1と同様にしてポリウレタンを製造した。得られたポリウレタンの性状及び物
性の評価結果
Figure 2024108096000005
表2より以下のことがわかる。
特定の構造単位を含む実施例記載のポリウレタンは-10℃におけるモジュラスが低く
、且つガラス転移温度が低くいことから低温柔軟性に優れることが明らかであり、また永
久ひずみが小さいことより、弾性回復性が優れており、耐オレイン酸性の重量変化率が小
さいことより耐薬品性が良好であり、弾性繊維用として有用である。
一方、比較例1記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来の構造単位を有す
るポリウレタンでは-10℃におけるモジュラスが高く、且つガラス転移温度が高くいこ
とから低温柔軟性に劣り、永久歪が大きいことより、弾性回復性は悪化しており、耐オレ
イン酸性の重量変化率も高く耐薬品性も低い。また、比較例2のテトラヒドロフランと3
-メチルテトロヒドロフランの共重合ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来の構
造単位を有するポリウレタンも比較例1と同様に、低温柔軟性が劣り、耐薬品性が悪化し
ている。

Claims (8)

  1. 複数のイソシアネート基を有する化合物に由来する構造単位、ポリオール及びポリアミ
    ンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物に由来する構造単位、及び、下記式(
    1)で表されるポリエーテルポリオールに由来する構造単位を含むポリウレタン。
    Figure 2024108096000006
    (上記式(1)において、Rは炭素数2~10の二価の炭化水素基を表し、nは2~40
    の整数であり、mは1以上の整数であり、sは1~30の整数である。なお、式(1)中
    、複数のRは同一であってもよく、異なるものであってもよい。)
  2. 前記式(1)で表されるポリエーテルポリオール数平均分子量が600以上である請求
    項1に記載のポリウレタン。
  3. 前記式(1)におけるRがn-ブチレン基である請求項1又は2に記載のポリウレタン
  4. 前記ポリオール及びポリアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が、エ
    チレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン及びヘキサメチレンジアミン
    からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載のポリウレ
    タン。
  5. 前記ポリオール及びポリアミンからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物が、1
    ,4-ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,6-ヘキサ
    ンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項1又は2に記載
    のポリウレタン。
  6. 前記複数のイソシアネート基を有する化合物が、4,4’-ジフェニルメタンジイソシ
    アネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、4
    ,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシア
    ネート及びイソホロンジイソシアネートからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物
    である請求項1又は2に記載のポリウレタン。
  7. 請求項1又は2に記載のポリウレタンが弾性繊維用であるポリウレタン。
  8. 請求項7に記載の弾性繊維用であるポリウレタンを用いたポリウレタン弾性繊維。
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