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JP2024158884A - 反射調整膜、光学部材及びレンズユニット - Google Patents

反射調整膜、光学部材及びレンズユニット Download PDF

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JP2024158884A
JP2024158884A JP2023074496A JP2023074496A JP2024158884A JP 2024158884 A JP2024158884 A JP 2024158884A JP 2023074496 A JP2023074496 A JP 2023074496A JP 2023074496 A JP2023074496 A JP 2023074496A JP 2024158884 A JP2024158884 A JP 2024158884A
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建 杉本
貴則 加本
昌之 西川
小百合 中川
ティ ジェニファー トレス ダマスコ
明典 山本
政孝 川上
祝彦 佐脇
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Nidec Instruments Corp
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Nidec Corp
Nidec Instruments Corp
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Abstract

Figure 2024158884000001
【課題】親水層及び光学部材によって入射光が反射することを抑制できる反射調整膜、光学部材及びレンズユニットを提供する。
【解決手段】反射調整膜30は、複数の光触媒粒子を含む親水層20を備える光学部材100に用いられる。反射調整膜30は、親水層20下に配置される。親水層20の厚さに対する反射調整膜30の厚さは、5倍以上である。反射調整膜30の厚さは、20nm以上2000nm以下であることが好ましい。反射調整膜30は、低屈折率層と、高屈折率層とを備えることが好ましい。光触媒粒子は、酸化チタンの粒子であることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本開示は、反射調整膜、光学部材及びレンズユニットに関する。
野外の風雨に曝される建築物又は自動車の窓ガラスは、水滴により視認性が妨げられる。視認性が妨げられる問題の解決策の一つとして、窓ガラスの表面を親水化する手段が挙げられる。これにより、付着した水を膜状にし、水滴の付着を防止することができ、窓ガラスの視認性を確保することができる。
しかし、親水性の部材の表面には、自動車の排気ガス又は工場の排煙に由来する有機物の汚れが付着しやすい。有機物が付着すると、水が滴状に付着し、視認性が著しく低下する。
そこで、ガラス基材及びガラス基材上に形成された親水層を備えた親水レンズが開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の親水レンズでは、親水層は光触媒活性を有する微粒子が分散したシリケート材料を含み、親水層の膜厚は30nm以下であり、微粒子の平均粒子径が30nm以下であり、かつ、親水層表面の算術平均粗さRaが0.7~1.9nmである。
特開2018-77260号公報
しかしながら、特許文献1の親水レンズでは、親水層及びガラス基材のような光学部材によって入射光の一部が透過せずに反射することがあった。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、親水層及び光学部材によって入射光が反射することを抑制できる反射調整膜、光学部材及びレンズユニットを提供することにある。
本開示の例示的な反射調整膜は、複数の光触媒粒子を含む親水層を備える光学部材に用いられる。前記反射調整膜は、前記親水層下に配置される。前記親水層の厚さに対する前記反射調整膜の厚さは、5倍以上である。
本開示の例示的な光学部材は、上記の反射調整膜と、前記透光性部材と、前記親水層とを備える。前記透光性部材は、400nm以上700nm以下の波長の光を透過する。前記反射調整膜は、前記親水層と前記透光性部材との間に配置される。
本開示の例示的なレンズユニットは、上記の光学部材と、光学レンズとを備える。前記光学レンズは、前記400nm以上700nm以下の波長の光を透過する。前記光学部材は、前記光学レンズより前記光の進行方向の反対方向側に配置される。
例示的な本開示によれば、親水層及び光学部材によって入射光が反射することを抑制で
きる。
図1は、本実施形態に係る光学ユニットの一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る光学部材の一例を示す模式図である。 図3は、実施例1に係る光学部材の測定結果と比較例1に係る光学部材の測定結果を示す。 図4は、実施例1に係る光学部材の測定結果と実施例5に係る光学部材の測定結果と比較例4に係る光学部材の測定結果を示す。
以下、図面を適宜参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。図中の寸法、形状及び構成要素間の大小関係は、実際の寸法、形状及び構成要素間の大小関係とは必ずしも同一ではない。特に、図中の反射調整膜、親水層及び透光性部材の厚さの比及び曲率は、実物と大きく異なる場合がある。
本明細書において、「厚さ」は、光学部材の光軸方向における長さを示す。光学部材の「外側」とは、透光性部材から親水層に向かう方向を示す。光学部材の「内側」とは、親水層から透光性部材に向かう方向を示す。
本実施形態に係る光学部材は、例えば、1又は複数の光学部材を備える光学ユニット(特に、屋外で使用される光学ユニット)に用いる光学部材として好適である。本実施形態に係る光学部材は、車両の周囲をモニタするための車載カメラのレンズユニット用レンズとして特に好適である。図1は、本実施形態に係る光学ユニットの一例を示す模式図である。図1に示すように、光学ユニット1000は、光学部材100を備える。光学ユニットは、「レンズユニット」の一例である。
本実施形態に係る光学部材は、光学部材100と、光学レンズとを備える光学ユニット(特に、屋外で使用される光学ユニット)に用いられてもよい。光学レンズは、400nm以上700nm以下の波長の光を透過する。光学部材100は、光学レンズより光の進行方向の反対方向側に配置される。
光学部材100の表面の純水に対する静的接触角としては、30.0°以下が好ましく、20.0°以下がより好ましく、10.0°以下が特に好ましい。以下、純水に対する静的接触角を、単に「接触角」と記載することがある。なお、本実施形態に係る光学部材の表面の接触角は、温度23℃±3℃、相対湿度50%±3%の環境で測定した値である。
また、400nm以上700nm以下の波長の光における反射率が、3%以下である。光学部材100の波長400nm以上700nm以下の光に対する最大反射率としては、1.5%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。本実施形態に係る光学部材100は、上述の最大反射率が低いほど、ゴースト現象と呼ばれる画像不良及びフレア現象と呼ばれる画像不良の発生を抑制できる。特に、上述の最大反射率が低いほど、ゴースト現象の発生を効果的に抑制できる。上述の最大反射率が3.0%以下であると、ゴースト現象の発生を抑制できる。上述の最大反射率が1.0%以下であると、ゴースト現象の発生をより効果的に抑制できる。なお、波長400nm以上700nm以下の光は、可視光領域の光に相当する。
以下、図2を参照して、本実施形態に係る光学部材100の一例を説明する。図2は、本実施形態に係る光学部材100の一例を示す模式図である。光学部材100は、透光性部材10と、親水層20と、反射調整膜30とを備える。
<透光性部材>
透光性部材10は、透光性を有する。すなわち、透光性部材10は、可視光を透過する。透光性部材10は、透明であってもよく、半透明であってもよい。透光性部材10は、例えば、主成分としてガラス又は合成樹脂を含有する。
透光性部材10は、例えば、レンズ(具体的には、例えば、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズ、又は、凹メニスカスレンズ)としての機能を有する。なお、本明細書において、透光性部材10がレンズである場合、透光性部材10のレンズ面は、球面であっても非球面であってもよい。透光性部材10のレンズ面の曲率半径としては、9mm以上16mm以下が好ましい。
<親水層>
親水層20は、透光性部材10を被覆する。具体的には、親水層20は、反射調整膜30上に配置される。親水層20は、親水性を有する。
親水層20の厚さとしては、20nm以上200nm以下であることが好ましく、30nm以上100nm以下がより好ましい。親水層20の厚さが20nm未満の場合、親水性が復帰する機能が充分に得られない傾向がある。親水層20の厚さが200nm超の場合、可視光に対して充分な透過率が得られない傾向がある。
なお、本願明細書において、「厚さ」は、触針式段差計を用いて求められてもよい。具体的に、先の尖った針で表面をなぞっていき、層(膜)がある部分とない部分との段差を測定する。任意の3か所の段差を測定して、3か所の段差の平均値を「厚さ」とする。
親水層20は、複数の光触媒粒子を含む。光触媒粒子は、光触媒機能を有する。例えば、光学部材100を長期間使用すると、汚れが付着して親水性の機能が低減する。光学部材100に紫外光(太陽光)が照射されると、汚れが分解されて親水性を回復できる。本実施形態に係る光学部材100は、接触角が30.0°を超えた状態で、紫外線を1mW/cm2で6時間、照射されることで、接触角が30.0°以下になることが好ましい。光触媒粒子は、例えば、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、リン酸ガリウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、三硫化モリブデンの粒子が挙げられるが、光触媒機能の点で酸化チタンの粒子であることが好ましい。具体的には、光触媒粒子は、例えば、二酸化チタンの一次粒子又は二次粒子である。詳細には、親水層20は、複数の二酸化チタンの一次粒子が凝集した二次粒子を含有することが好ましい。
二酸化チタンとしては、例えば、アナターゼ型の二酸化チタン、ルチル型の二酸化チタン、及び、ブルッカイト型の二酸化チタンが挙げられる。二酸化チタンとしては、光触媒活性の観点から、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。
親水層20は、テトラエトキシシランと、二酸化ケイ素とを更に含有することが好ましい。その結果、光学部材100の耐摩耗性がより向上する。
<反射調整膜>
反射調整膜30は、親水層20下に配置される。反射調整膜30は、透光性部材10を被覆する。反射調整膜30は、透光性部材10と親水層20との間に配置される。反射調整膜30は、光の反射を抑制する。
反射調整膜30は、多層構造を有する。詳しくは、反射調整膜30は、厚さ方向(光軸方法)に沿って交互に積層される低屈折率層及び高屈折率層を備える。低屈折率層及び高屈折率層の屈折率は、反射調整膜30が反射防止効果を発揮できる組み合わせである限り限定されない。低屈折率層の屈折率は、例えば、1.80以下である。高屈折率層の屈折率は、例えば、1.80超である。
低屈折率層の屈折率としては、高屈折率層の屈折率未満であればよい。例えば、低屈折率層の屈折率としては、1.30以上1.80以下が好ましく、1.40以上1.60以下がより好ましい。低屈折率層の屈折率が1.30以上1.80以下であることにより、光学部材100の反射率がより低下する。低屈折率層は、例えば、SiO2、Al23、MgF2を含有することが好ましいが、SiO2を含有することがより好ましい。
高屈折率層の屈折率としては、低屈折率層の屈折率超であればよい。例えば、高屈折率層の屈折率としては、1.80以上3.00以下が好ましく、2.00以上2.80以下がより好ましい。高屈折率層の屈折率が1.80以上3.00以下であることにより、光学部材100の反射率がより低下する。高屈折率層は、例えば、Si34、ZrO2、TiO2、Ti35、Ta25、In23、CeO2及びNb25を含有することが好ましいが、Si34を含有することがより好ましい。
なお、上述した低屈折率層及び高屈折率層の屈折率は、あくまで例示であり、これに限定されない。低屈折率層及び高屈折率層の屈折率は、透光性部材10の屈折率に対して最適な値を設定すればよい。
親水層20の厚さに対する反射調整膜30の厚さは、5倍以上である。親水層20の厚さに対する反射調整膜30の厚さは、生産性の観点から100倍以下であることが好ましい。すなわち、親水層20の厚さに対する反射調整膜30の厚さは、5倍以上100倍以下であることが好ましい。反射調整膜30の合計膜厚としては、20nm以上2000nm以下が好ましく、200nm以上750nm以下がより好ましい。反射調整膜30の合計膜厚が20nm未満の場合、充分な反射防止効果が得られない傾向がある。反射調整膜30の合計膜厚が2000nm超の場合、成膜に時間がかかり、光学部材100の生産性が低下する傾向がある。また、合計膜厚2000nm超の場合、光学部材100の生産コストの増加を招く傾向がある。
低屈折率層の1層の膜厚としては、例えば、5.0nm以上200.0nm以下である。高屈折率層の1層の膜厚としては、例えば、5.0nm以上200.0nm以下である。
低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、通常、奇数である。ただし、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は偶数であっても良い。
以上、図1及び図2を参照して説明したように、本実施形態では、親水層20の厚さに対する反射調整膜30の厚さは、5倍以上であるため、親水層20及び透光性部材10によって入射光が反射することを抑制できる。具体的には、光学部材100は、反射調整膜30を備えることにより、反射調整膜30から透光性部材10に進入しようとする光が反射調整膜30側の面で反射することを抑制する。
また、反射調整膜30は、厚さ方向(光軸方法)に沿って交互に積層される低屈折率層及び高屈折率層を有するため、多層膜干渉の効果が得られる。
また、反射調整膜30のビッカース硬度は、400HV以上であることが好ましい。そ
の結果、反射調整膜30の耐久性を向上させることができる。その結果、光学部材100の耐久性を向上させることができる。なお、反射調整膜30上にコーティング層を配置してもよい。コーティング層は、酸化チタンの粒子を含有してもよい。
<光学部材の製造方法>
以下、本実施形態に係る光学部材100の製造方法の一例について説明する。光学部材100の製造方法は、準備ステップと、反射調整膜形成ステップと、塗布ステップと、乾燥ステップとを含む。
<準備ステップ>
透光性部材10を準備する。透光性部材10は、例えば、主成分としてガラス又は合成樹脂を含有する。
<反射調整膜形成ステップ>
低屈折率材料を準備する。低屈折率材料は、例えば、SiO2、Al23、MgF2を含有することが好ましいが、SiO2を含有することがより好ましい。低屈折率材料中のSiO2の含有量は、95質量%以上であることが好ましい。低屈折率材料の形成方法としては、蒸着又はスパッタリングが好ましい。
高屈折率材料を準備する。高屈折率材料は、例えば、Si34、ZrO2、TiO2、Ti35、Ta25、In23、CeO2及びNb25を含有することが好ましいが、Si34を含有することがより好ましい。高屈折率材料中のSi34の含有量は、95質量%以上であることが好ましい。高屈折率材料の形成方法としては、蒸着又はスパッタリングが好ましい。
低屈折率層及び高屈折率層を交互に積層する。低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、通常、奇数である。ただし、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は偶数であっても良い。
<塗布ステップ>
親水性材料を塗布する。親水性材料は、複数の光触媒粒子の一次粒子を含有する。光触媒粒子の一次粒子の平均粒子径は、5nm以上20nm以下であることが好ましい。
親水性材料は、溶剤を更に含有することが好ましい。溶剤としては、水系溶剤が好ましい。水系溶剤は、水及び添加物を含有する。添加物としては、例えば、有機酸、アルコール化合物又はアンモニアが挙げられる。有機酸としては、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸、又は、リンゴ酸が挙げられる。アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、又は、ブタノールが挙げられる。
親水性材料中の溶剤の含有量は、50.0質量%以上99.9質量%以下であることが好ましい。溶剤の含有量が50.0質量%以上99.9質量%以下であることにより、容易に塗布できる。
親水性材料の塗布方法としては、ウェットプロセスが好ましい。ウェットプロセスとしては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、又は、これらのうち2種以上を組み合わせた方法(例えば、ディップスピンコート法)が挙げられる。ウェットプロセスとしては、スピンコート法、ディップコート法、又は、ディップスピンコート法が好ましい。
<乾燥ステップ>
親水性材料を乾燥させることにより、親水層20を作製する。親水層20は、複数の光触媒粒子の一次粒子が凝集した二次粒子を含有することが好ましい。
親水性材料を塗布したものを加熱処理することが好ましい。加熱処理により、親水性材料中の溶剤の除去が促進される。加熱条件としては、例えば、処理温度60℃以上200℃以下、処理時間10分以上2時間以下とすることができる。
なお、光学部材100の製造方法は、被覆材料塗布ステップを更に含むことが好ましい。
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明した。但し、上記実施形態は、本開示の例示にすぎず、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。実施形態の構成は、本開示の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、実施形態は、可能な範囲で組み合わせて実施されてもよい。
なお、本技術は、以下のような構成を採用することも可能である。
(1)複数の光触媒粒子を含む親水層を備える光学部材に用いられ、
前記親水層下に配置される反射調整膜であって、
前記親水層の厚さに対する前記反射調整膜の厚さは、5倍以上である、反射調整膜。
(2)前記反射調整膜の厚さは、20nm以上2000nm以下である、(1)に記載の反射調整膜。
(3)前記反射調整膜は、低屈折率層と、高屈折率層とを備える、(1)又は(2)に記載の反射調整膜。
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載の反射調整膜と、
400nm以上700nm以下の波長の光を透過する透光性部材と、
前記親水層と
を備え、
前記反射調整膜は、前記親水層と前記透光性部材との間に配置される、光学部材。
(5)前記光触媒粒子は、酸化チタンの粒子である、(4)に記載の光学部材。
(6)前記反射調整膜のビッカース硬度は、400HV以上である、(4)又は(5)に記載の光学部材。
(7)(4)から(6)のいずれか1項に記載の光学部材と、
前記400nm以上700nm以下の波長の光を透過する光学レンズと
を備え、
前記光学部材は、前記光学レンズより前記光の進行方向の反対方向側に配置される、レンズユニット。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
<光学部材の製造>
実施例1から実施例10に係る光学部材、並びに、比較例1から比較例6に係る光学部材を製造した。
<実施例1>
<準備ステップ>
透光性部材として、レンズ(HOYA株式会社製、「TAFD-5G」、組成:ガラス、直径12.9mm、屈折率:1.835)を準備した。レンズは、一方の面が凸面(曲率半径12mm)、他方の面が凹面(曲率半径3.07mm)であった。
<反射調整膜形成ステップ>
SiO2を含有する低屈折率材料とSi34を含有する高屈折率材料とを交互に積層した。低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの実施例1に係る反射調整膜を形成した。
<塗布ステップ>
二酸化チタン粒子と、二酸化ケイ素とを含有する実施例1に係る親水性材料を準備した。
親水性材料を反射調整膜上に塗布した。詳しくは、60μLの親水性材料を、透光性部材の光軸上に滴下した。次に、スピンコーター(ミカサ株式会社製「MS-B100」)を用い、透光性部材を回転速度5000rpmで回転させた。この際、回転軸は、透光性部材の光軸と一致させた。
<乾燥ステップ>
90℃、30分間の加熱処理を行って、厚さ30nmの親水層を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、19倍であった。
<実施例2>
実施例1の<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、13層であり、厚さ415nmの実施例2に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、14倍であった。
<実施例3>
実施例1の<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、9層であり、厚さ388nmの実施例3に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、13倍であった。
<実施例4>
実施例1の<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、7層であり、厚さ324nmの実施例4に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、11倍であった。
<実施例5>
実施例1の<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、5層であり、厚さ196nmの実施例5に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、7倍であった。
<実施例6>
実施例1の<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、17層であり、厚さ749nmの実施例6に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、25倍であった。
<比較例1>
実施例1の<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、反射調整膜を形成しなかった。
<比較例2>
実施例1の<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、5層であり、厚さ115nmの比較例2に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、4倍であった。
<比較例3>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ40nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、5層であり、厚さ108nmの比較例3に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、3倍であった。
<実施例7>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ50nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、17層であり、厚さ745nmの実施例7に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、15倍であった。
<実施例8>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ50nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ558nmの実施例8に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、11倍であった。
<実施例9>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ
579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ50nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、7層であり、厚さ289nmの実施例9に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、6倍であった。
<比較例4>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ50nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、5層であり、厚さ100nmの比較例4に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、2倍であった。
<比較例5>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ50nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、5層であり、厚さ181nmの比較例5に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、4倍であった。
<実施例10>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ100nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、17層であり、厚さ656nmの実施例10に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、7倍であった。
<比較例6>
実施例1の<塗布ステップ>において、厚さ30nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、11層であり、厚さ579nmの反射調整膜を形成したことに代えて、<塗布ステップ>において、厚さ100nmの親水層を形成し、<反射調整膜形成ステップ>において、低屈折率層及び高屈折率層の合計層数は、5層であり、厚さ70nmの比較例6に係る反射調整膜を形成した。なお、親水層の厚さに対する反射調整膜の厚さは、0.7倍であった。
<評価>
以下の方法により、実施例1から実施例10に係る光学部材、並びに、比較例1から比較例6に係る光学部材について、反射率、及び、生産性を評価した。測定結果を下記表1から表4に示す。なお、各測定は、いずれも温度23℃±3℃、相対湿度50%±3%の環境下で行った。
<反射率>
反射率測定装置(オリンパス株式会社製「USPM-RU」)を用い、波長400nm以上700nm以下の光に対する光学部材の最大反射率を測定した。入射光の入射角は、0度とした。光学部材の最大反射率を以下の基準で評価した。評価結果を、表1から表4に示す。また、実施例1に係る光学部材の測定結果と比較例1に係る光学部材の測定結果を、図3に示す。更に、実施例1に係る光学部材の測定結果と実施例5に係る光学部材の測定結果と比較例4に係る光学部材の測定結果を、図4に示す。
〇:1.0%以下
△:1.0%超3.0%以下
×:3.0%超
<生産性>
<反射調整膜形成ステップ>の作業時間を測定した。評価結果を、表1から表4に示す。
〇:1時間以下
△:1時間超2時間以下
×:2時間超
Figure 2024158884000002
Figure 2024158884000003
Figure 2024158884000004
Figure 2024158884000005
比較例1から比較例6に係る光学部材では、400nm以上700nm以下の波長の光における反射率が、3%を超えた。これに対して、実施例1から実施例10に係る光学部材では、400nm以上700nm以下の波長の光における反射率が、3%以内であった。特に、実施例1から実施例5及び実施例7から実施例10に係る光学部材では、生産性も良好であった。
10・・・透光性部材
20・・・親水層
30・・・反射調整膜
60・・・被覆層
100・・・光学部材

Claims (8)

  1. 複数の光触媒粒子を含む親水層を備える光学部材に用いられ、
    前記親水層下に配置される反射調整膜であって、
    前記親水層の厚さに対する前記反射調整膜の厚さは、5倍以上である、反射調整膜。
  2. 前記反射調整膜の厚さは、20nm以上2000nm以下である、請求項1に記載の反射調整膜。
  3. 前記反射調整膜は、低屈折率層と、高屈折率層とを備える、請求項1に記載の反射調整膜。
  4. 請求項1に記載の反射調整膜と、
    400nm以上700nm以下の波長の光を透過する透光性部材と、
    前記親水層と
    を備え、
    前記反射調整膜は、前記親水層と前記透光性部材との間に配置される、光学部材。
  5. 前記光触媒粒子は、酸化チタンの粒子である、請求項4に記載の光学部材。
  6. 前記反射調整膜のビッカース硬度は、400HV以上である、請求項4に記載の光学部材。
  7. 請求項4に記載の光学部材と、
    前記400nm以上700nm以下の波長の光を透過する光学レンズと
    を備え、
    前記光学部材は、前記光学レンズより前記光の進行方向の反対方向側に配置される、レンズユニット。
  8. 400nm以上700nm以下の波長の光を透過する透光性部材と、
    複数の光触媒粒子を含む親水層と
    前記親水層と前記透光性部材との間に配置される反射調整膜と
    を備え、
    前記400nm以上700nm以下の波長の光における反射率が、3%以下である、光学部材。
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