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JP2024156483A - 車載装置、情報処理方法及びプログラム - Google Patents

車載装置、情報処理方法及びプログラム Download PDF

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JP2024156483A
JP2024156483A JP2023070984A JP2023070984A JP2024156483A JP 2024156483 A JP2024156483 A JP 2024156483A JP 2023070984 A JP2023070984 A JP 2023070984A JP 2023070984 A JP2023070984 A JP 2023070984A JP 2024156483 A JP2024156483 A JP 2024156483A
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

Figure 2024156483000001
【課題】車両の電力消費状態に応じて、半導体ヒューズの遮断特性を変更する車載装置等を提供する。
【解決手段】車載装置は、車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行う車載装置であって、前記半導体ヒューズの開閉制御に関する処理を行う制御部を備え、前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、前記制御部は、前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する。
【選択図】図1

Description

本技術は、車載装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
車両には、バッテリから負荷への給電を制御する給電制御装置(例えば、特許文献1を参照)が搭載されている。特許文献1に記載の給電制御装置では、バッテリから負荷に流れる電流の電流経路に下流半導体ヒューズが設けられ、下流半導体ヒューズをオン又はオフに切替えることによって、バッテリから負荷への給電を制御する。
特開2013-143905号公報
しかしながら、特許文献1に記載の給電制御装置は、車両の電力消費状態に応じて、半導体ヒューズの遮断特性を変更する点については考慮されていない。
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両の電力消費状態に応じて、半導体ヒューズの遮断特性を変更することができる車載装置等を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る車載装置は、車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行う車載装置であって、前記半導体ヒューズの開閉制御に関する処理を行う制御部を備え、前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、前記制御部は、前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する。
本開示の一態様によれば、車両の電力消費状態に応じて、半導体ヒューズの遮断特性を変更する車載装置等を提供することができる。
実施形態1に係る車載装置等を含む車載システムの構成を例示する模式図である。 車載装置の内部構成を例示するブロック図である。 主線用半導体ヒューズの遮断特性の設定等を説明する説明図である。 車載装置の制御部の処理を例示するフローチャートである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(1)本開示の一態様に係る車載装置は、車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行う車載装置であって、前記半導体ヒューズの開閉制御に関する処理を行う制御部を備え、前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、前記制御部は、前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する。
本態様にあたっては、車載装置の制御部は、電源装置からの電源線に設けられる半導体ヒューズの開閉制御を行い、当該電源線に過電流が流れた場合、当該半導体ヒューズにて定められた遮断特性に応じて、当該半導体ヒューズをオフ(開)にして、過電流を遮断する。半導体ヒューズにアクチュエータ等の車載負荷が接続されている場合、車載装置の制御部は、当該車載負荷に対する駆動要求に応じて、半導体ヒューズをオンオフ制御(開閉制御)するものであってもよい。半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含む。電源装置からの電流の流れ方向において、主線用半導体ヒューズは上流側に位置し、複数の分岐線用半導体ヒューズそれぞれは、当該主線用半導体ヒューズよりも下流側に位置する。主線用半導体ヒューズ及び分岐線用半導体ヒューズを含む半導体ヒューズは、設定された遮断特性に応じて、過電流が所定期間以上流れた場合、制御部によりオフ(開状態)にされ、これにより当該過電流を遮断する保護機能を発揮する。更に、主線用半導体ヒューズ及び分岐線用半導体ヒューズを含む半導体ヒューズは、制御部により開閉制御(オンオフ制御)がされることにより、当該半導体ヒューズに接続される車載負荷に対する給電の開始又は停止を行い、当該車載負荷の駆動制御を行う(駆動制御機能を発揮)ものであってもよい。車載装置の制御部は、例えば車両の起動及び停止を制御するIGスイッチ又はパワースイッチからの信号等を取得することにより、車両の電力消費状態に関する情報を取得する。又は、車載装置の制御部は、車載ネットワークに接続される車載ECUから、例えば、車速に関する情報、エンジン又は駆動用モータの回転に関する情報等を取得することにより、車両の電力消費状態に関する情報を取得するものであってもよい。このように車両の電力消費状態は、車両が走行状態(起動状態)であるか、又は駐車状態(停止状態)であるかに応じて、当該車両において消費される電力に関する状態を示すものであってもよい。車載装置の制御部は、車両の電力消費状態に関する情報に基づき、主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化(アクティブ化)すると共に、複数の分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれの保護機能を無効化(非アクティブ化)する。すなわち、車両の電力消費状態に応じて、主線用半導体ヒューズの保護機能を用いて主線及び主線から分岐された複数の分岐線に対する保護、すなわち車載システムとして安全性を担保しつつ、分岐線用半導体ヒューズそれぞれを無効化することにより、当該分岐線用半導体ヒューズの保護機能を発揮するにあたり要する暗電流を低減することができる。これにより、特に駐車中等の待機状態(低消費電流モード)において、車両の消費電力を削減することができる。
(2)本開示の一態様に係る車載装置は、前記制御部は、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化するにあたり、複数の前記分岐線に応じた発煙特性を下回り、かつ前記車両が待機状態の場合に複数の前記分岐線に流れる電流値の総和を上回るように前記主線用半導体ヒューズの遮断特性を設定する。
本態様にあたっては、車載装置の制御部は、主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化するにあたり、当該主線用半導体ヒューズの遮断特性を、複数の分岐線に応じた発煙特性を下回り、かつ車両が待機状態の場合に複数の分岐線に流れる電流値の総和(合算値)を上回るように設定する。複数の分岐線に応じた発煙特性は、例えば、これら分岐線それぞれの発煙特性それぞれを合算した発煙特性である。又は、複数の分岐線に応じた発煙特性は、これら分岐線それぞれに接続されるセンサ又はアクチュエータ等の車載負荷(デバイス)それぞれの発煙特性それぞれを合算した発煙特性であってよい。車両が待機状態の場合に複数の分岐線に流れる電流値の総和(合算値)は、当該待機状態において、主線に流れる電流値の最大値として、予め定められた想定値を用いる(適用する)ものであってもよい。主線用半導体ヒューズの遮断特性が、例えば初期値に設定(初期設定)、又は比較的に大電流が主線に流れる状態である通常状態(通常電流モード)に対応した設定がされている場合、車載装置の制御部は、当該初期設定から、発煙特性を下回りかつ電流値の総和(合算値)を上回るように遮断特性を変更するものであってもよい。車両が待機状態の場合に複数の分岐線に流れる電流値の総和(合算値)に対し、複数の分岐線に応じた発煙特性に応じて定められる電流値の下限値は、例えば10倍程度に相当することが、製品仕様として想定される。このような場合、主線用半導体ヒューズの遮断特性を、複数の分岐線に応じた発煙特性を上限値として、車両が待機状態の場合に複数の分岐線に流れる電流値の総和(合算値)を下限値とすることにより、当該遮断特性の設定範囲を比較的に広くとることができる。この際、待機状態(低消費電流モード)における主線用半導体ヒューズの遮断特性を、複数の分岐線に応じた発煙特性と、車両が待機状態の場合に複数の分岐線に流れる電流値の総和(合算値)との間における中間値付近(ミッドレンジ)に設定するものであってもよい。従って例えば、主線用半導体ヒューズの遮断特性を、当該中間値付近(ミッドレンジ)に設定することにより、主線用半導体ヒューズによるオン抵抗、又は遮断制御を行う際の電流値検出における誤差の影響度合を低減し、比較的にロバスト性が高い制御態様とすることができ、車載システムとして安全性を効率的に担保することができる。
(3)本開示の一態様に係る車載装置は、前記車両の電力消費状態は、通常状態と、前記通常状態よりも消費電力が少ない待機状態とを含み、前記制御部は、取得した前記車両の電力消費状態に関する情報が前記待機状態を示す場合、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化し、取得した前記車両の電力消費状態に関する情報が前記通常状態を示す場合、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を無効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を有効化する。
本態様にあたっては、車両の電力消費状態は、通常状態と、通常状態(通常電流モード)よりも消費電力が少ない待機状態(低消費電流モード)とを含む。通常状態とは、例えば車両が走行中(起動中)の状態を含み、車両の消費電力が所定値以上の状態(通常電流モード)を示すものであってもよい。待機状態とは、例えば車両が駐車中(停止中)の状態を含み、車両の消費電力が所定値未満の状態(低消費電流モード)を示すものであってもよい。制御部は、取得した車両の電力消費状態に関する情報が通常状態を示す場合(車両が通常状態の場合)、主線用半導体ヒューズの保護機能を無効化し、分岐線用半導体ヒューズの保護機能を有効化する。制御部は、取得した車両の電力消費状態に関する情報が通常状態を示す場合(車両が待機状態の場合)、主線用半導体ヒューズの保護機能を無効化し、分岐線用半導体ヒューズの保護機能を有効化する。このように車両の電力消費状態(通常状態又は待機状態)に応じて、主線用半導体ヒューズと分岐線用半導体ヒューズとを相補的に有効化又は無効化することにより、当該無効化された半導体ヒューズ(主線用半導体ヒューズ又は分岐線用半導体ヒューズ)に対する制御に要する消費電力を削減することができる。当該相補的な制御が行われる主線用半導体ヒューズ及び分岐線用半導体ヒューズを備えることにより、駐車中等の待機状態(低消費電流モード)における暗電流低減を図る構成の設計自由度又は実装自由度を向上させることができる。
(4)本開示の一態様に係る車載装置は、前記主線用半導体ヒューズに対し、並列に接続される機械式リレーを備え、前記制御部は、前記車両が待機状態である際、前記機械式リレーを開状態に維持する。
本態様にあたっては、車載装置は、主線用半導体ヒューズに対し、並列に接続される機械式リレーを備える。すなわち、例えば鉛バッテリ等の電源装置から延設された電源線の一部を成す主線は、半導体ヒューズが配置される主線と、機械式リレーが配置される主線とを含み、半導体ヒューズの主線と、機械式リレーの主線ととにより並列回路が形成される。機械式リレーが配置される主線には、ヒューズ(溶断式ヒューズ)も配置されるものであってもよい。この場合、当該主線において、機械式リレーとヒューズ(溶断式ヒューズ)とは直列接続される。車載装置の制御部は、車両が駐車中等の待機状態(低消費電流モード)である際、機械式リレーを開状態(オフ)に維持するため、当該待機状態における機械式リレーの開閉動作を不要とすることができ、これにより機械式リレーの耐久回数(使用可能期間、部品寿命)を向上させることができる。
(5)本開示の一態様に係る車載装置は、前記制御部は、前記主線用半導体ヒューズが配置される前記主線に流れる電流値を取得し、取得した電流値に基づき、前記待機状態に応じた遮断特性が設定された前記主線用半導体ヒューズに対する遮断制御を行う。
本態様にあたっては、車載装置の制御部は、例えば主線用半導体ヒューズが配置された主線に流れる電流を検出する電流検出部から、当該主線に流れる電流値を取得する。電流検出部は、例えば、主線用半導体ヒューズが配置された主線に設けられたシャント抵抗により構成される。又は、主線用半導体ヒューズが、例えばIPD(Intelligent Power Device)にて構成される場合、当該IPDに内蔵された電流検出部を用いるものであってもよい。車載装置の制御部は、電流検出部が検出した電流値に基づき、待機状態に応じた設定された遮断特性に応じて、主線用半導体ヒューズに対する遮断制御を行う。当該遮断特性は、例えば、例えば、縦軸を電流値(A)、横軸を経過時間(S)とした特性グラフにおいて遮断特性曲線として示され、当該遮断特性曲線は、記憶部に記憶されているものであってもよい。車載装置の制御部は、記憶部に記憶されている遮断特性曲線を参照し、電流検出部が検出した電流値及び経過時間に応じて、主線用半導体ヒューズを開状態(オフ)にすることにより、主線に流れる電流(過電流)を遮断する。駐車中等の待機状態(低消費電流モード)において、個々のアクチュエータ等の車載装置に直接的に接続される分岐線用半導体ヒューズそれぞれの保護機能を無効化したものであっても、待機状態に応じた遮断特性が設定された主線用半導体ヒューズを用いて、遮断制御を行うことができる。これにより、待機状態(低消費電流モード)において、暗電流の低減を図りつつ、車載システムとして安全性を効率的に担保することができる。
(6)本開示の一態様に係るプログラムは、車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行うコンピュータに処理を実行させるプログラムであって、前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する処理を実行させる。
本態様にあたっては、コンピュータを、車両の電力消費状態に応じて、主線用半導体ヒューズの遮断特性を変更する車載装置として機能させるプログラムを提供することができる。
(7)本開示の一態様に係る情報処理方法は、車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行うコンピュータに処理を実行させる情報処理方法であって、前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する処理を実行させる。
本態様にあたっては、コンピュータを、車両の電力消費状態に応じて、主線用半導体ヒューズの遮断特性を変更する車載装置として機能させる情報処理方法を提供することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。本開示の実施形態に係る車載装置1を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
(実施形態1)
以下、実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係る車載装置1等を含む車載システムSの構成を例示する模式図である。図2は、車載装置1の内部構成を例示するブロック図である。車載システムSは、車両Cに搭載される車載装置1、車載ECU2、及びこれらを通信可能に接続する車載ネットワーク3により構成される。車載ネットワーク3は、複数の通信線31により構成される。車載ネットワーク3における通信が、例えばCAN(Controller Area Network)又はCAN-FDの通信プロコトルに応じた通信が行われる場合、通信線31はCANバスに相当する。
車両Cには、鉛バッテリ、オルタネータ又は二次電池等にて構成される電源装置5が搭載されている。電源装置5と車載装置1とは、電源線51にて接続されている。電源装置5と車載装置1とは、電源線51にて直接的に接続されている場合に限定されず、電源装置5と車載装置1との間にリレーボックス又はヒューズ521ボックス等の電気箱(ジャンクションボックス)が介在し、間接的に接続されているものであってもよい。
車載装置1と、複数の車載負荷6又は車載ECU2とは、電源線51(分岐線512)にて接続されており、車載装置1は、これら複数の車載負荷6又は車載ECU2に対し、電力を分配する。すなわち、車載装置1は、電源線51を介して電源装置5から供給された電力を、電流の流れ方向にて下流側に配置される複数の車載負荷6又は車載ECU2に対し分配する電源分配装置として機能する。
電源装置5から延設された電源線51は、車載装置1に設けられた主線用半導体ヒューズ531に接続される。電源線51は、車載装置1の内部に位置し、主線用半導体ヒューズ531が接続される主線511と、当該主線511が分岐された複数の分岐線512とを含む。主線511は、主線用半導体ヒューズ531が接続される主線511と、ヒューズ521(溶断式ヒューズ)及び機械式リレー52が接続される主線511とを含み、主線用半導体ヒューズ531の主線511と、ヒューズ521(溶断式ヒューズ)等の主線511とは、並列回路を構成する。すなわち、主線用半導体ヒューズ531と、ヒューズ521(溶断式ヒューズ)及び機械式リレー52とは、並列に接続されている。
主線用半導体ヒューズ531と、主線511が複数の分岐線512に分岐される分岐点との間には、電流検出部513が配置されている。電流検出部513は、主線用半導体ヒューズ531が配置される主線511上に設けられているものであってもよい。電流検出部513は、主線用半導体ヒューズ531に流れる電流の値(電流値)を周期的又は定常的に検出する。電流検出部513は、例えばシャント抵抗等にて構成される電流センサであり、検出した電流値を車載装置1の制御部11に出力する。又は、電流検出部513は、主線用半導体ヒューズ531を構成するIPD(Intelligent Power Device)に内蔵された電流センサー(主線用電流センサー)であってもよい。
複数の分岐線512それぞれには、分岐線用半導体ヒューズ532が配置される。分岐線用半導体ヒューズ532は、例えば、IPD(Intelligent Power Device)により構成される。これら分岐線512それぞれに配置される分岐線用半導体ヒューズ532は、電源線51からの電流の流れ方向において、主線用半導体ヒューズ531よりも下流側に配置される。電源線51からの電流の流れ方向において、分岐線用半導体ヒューズ532よりも下流側に位置する分岐線512には、車載負荷6又は車載ECU2が接続される。
車載負荷6は、例えば、カーエアコン、ランプ、又は駆動モータ等のアクチュエータである。車載ECU2は通信機能を有するマイコン等を含み、センサからの検出値又は各種スイッチからの出力値に基づき、所定の演算処理を行う。これら車載負荷6等は、分岐線512に配置される分岐線用半導体ヒューズ532の開閉制御(オン・オフ制御)に応じて給電が開始又は遮断され、これにより起動又は停止される。車載装置1は、これら分岐線用半導体ヒューズ532の開閉制御(オン・オフ制御)を行うことにより、車載負荷6等の起動又は停止を制御する電源制御装置として機能する。
車載装置1は、車載ECU2の起動又は停止を制御する電源制御装置として機能し、例えばCANゲートウェイ等の中継機能を有する装置であってもよい。又は、車載装置1は、車両Cの全体を統合的に制御し、中継機能を有する統合ECU(ヴィークルコンピュータ)であってもよい。又は、車載装置1は、統合ECUの配下に接続され、車両Cの各エリアに配置される個別ECUであってもよい。又は、車載装置1は、車両Cのボディ系アクチュエータを制御するボディECU等として構成されるものであってもよい。又は、車載装置1は、通信に関する中継に加え、二次電池等の電源装置5から出力された電力を分配及び中継し、アクチュエータ等の車載器に電力を供給する電力分配装置としても機能するPLB(Power Lan Box)であってもよい。車載装置1には、各種スイッチ、センサ又はアクチュエータ等の車載機器が接続されるものであってもよい。
車載装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、及び入出力I/F14を含む。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部12に予め記憶された制御プログラムP(プログラム製品)及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行うようにしてある。
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリ素子又は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子、又は、これら記憶デバイスの組み合わせにより構成してあり、制御プログラムP(プログラム製品)及び処理時に参照するデータが予め記憶してある。記憶部12に記憶された制御プログラムP(プログラム製品)は、車載装置1が読み取り可能な記録媒体Mから読み出された制御プログラムP(プログラム製品)を記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから制御プログラムP(プログラム製品)をダウンロードし、記憶部12に記憶させたものであってもよい。
通信部13は、例えばCAN、CAN-FD又はイーサネット(Ethernet/登録商標)等の通信プロトコルを用いた入出力インターフェイスであり、制御部11は、通信部13を介して車載ネットワーク3に接続されている車載ECU2と相互に通信する。車載装置1において、通信部13は、複数個、設けられているものであってもよい。
入出力I/F14は、例えばシリアル通信するための通信インターフェイスである。入出力I/F14は、複数の端子(出力端子)を含み、端子それぞれには、主線用半導体ヒューズ531、電流検出部513、機械式リレー52、及び分岐線用半導体ヒューズ532それぞれに延設される信号線140それぞれが、接続されている。信号線140は、例えば、シリアルケーブル、ワイヤーハーネス又は、一つの信号のみを送信する導電ケーブル(じか線)等により構成される。
主線用半導体ヒューズ531は、例えば、FET(Field Effect Transistor)にて構成される。又は、主線用半導体ヒューズ531は、当該FET等を含むIPDにより構成されるものであってもよい。車載装置1の制御部11は、電流検出部513から出力された電流値に基づき、主線用半導体ヒューズ531の遮断特性に応じて、当該主線用半導体ヒューズ531の遮断制御を行う。詳細は後述するが、当該主線用半導体ヒューズ531の遮断特性は、車両Cの電力消費状態(通常状態又は待機状態)に応じて、可変的に設定される。
分岐線用半導体ヒューズ532は、例えば、FET(Field Effect Transistor)にて構成される。又は、主線用半導体ヒューズ531は、当該FET等を含むIPDにより構成されるものであってもよい。車載装置1の制御部11は、例えば、分岐線用半導体ヒューズ532を構成するIPDが内蔵する電流センサー(分岐線512電流センサー)等から出力された電流値に基づき、分岐線512半導体ヒューズの遮断特性に応じて、当該分岐線512半導体ヒューズの遮断制御を行う。
図3は、主線用半導体ヒューズ531の遮断特性の設定等を説明する説明図である。主線用半導体ヒューズ531等の遮断特性、及び分岐線512の発煙特性は、共に、縦軸を電流値(A)、横軸を経過時間(S)とした特性グラフ上にて示される。
遮断特性は、主線用半導体ヒューズ531又は分岐線用半導体ヒューズ532等の半導体ヒューズとしての定格電流値を超える電流(過電流)に対して、当該過電流が流れた場合に電流を遮断するまでの時間(ヒューズ521における溶断時間に相当)を定義するものである。半導体ヒューズに流れる電流の値が、定格電流値以下の場合、半導体ヒューズは遮断されることなく、当該定格電流値以下の電流を流し続ける。
主線用半導体ヒューズ531には、待機状態(低消費電流モード)に対応した遮断特性が設定される。分岐線用半導体ヒューズ532には、通常状態(通常電流モード)に対応した遮断特性が設定される。これら待機状態(低消費電流モード)及び通常状態(通常電流モード)の詳細については、後述する。
主線用半導体ヒューズ531の遮断特性は、車載装置1の制御部11により、縦軸方向、すなわち同一の経過時間に対し、電流値を上下に移動(シフト)できるように可変な特性値として設定されているものであってもよい。主線用半導体ヒューズ531の遮断特性が高い場合、定格電流値も高く、過電流に対して遮断するまでの時間も長くなる。主線用半導体ヒューズ531の遮断特性を低くした場合、定格電流値も低くなり、過電流に対して遮断するまでの時間は短くなる。すなわち、遮断特性の高低に応じて、電流値(過電流値)と遮断までの時間の積(電流積算値)は上下する。
待機状態における主線用半導体ヒューズ531の遮断特性(低消費電流モードのヒューズ遮断特性)は、主線511が複数に分岐された分岐線512の発煙特性又は当該分岐線512に接続された車載負荷の発煙特性(デバイス特性)の合算値(下流の発煙特性/デバイス特性)に対し、例えば所定のオフセット値を適用することにより、当該合算された発煙特性(合算値)よりも下回るように設定される。更に、待機状態における主線用半導体ヒューズ531の遮断特性(低消費電流モードのヒューズ遮断特性)は、当該待機状態における、主線511が複数に分岐された分岐線512それぞれに流れる電流値の総和(例えば、駐車時の消費電力の合算値)を上回るように設定される。
すなわち、待機状態における主線用半導体ヒューズ531の遮断特性(低消費電流モードのヒューズ遮断特性)は、複数の分岐線512に応じた発煙特性を下回り、かつ車両Cが待機状態の場合に複数の分岐線512に流れる電流値の総和(合算値)を上回るように設定されている。これにより、待機状態において、複数の分岐線512等における発煙特性又はデバイス特性にて定義される許容値を超えることなく、主線用半導体ヒューズ531の遮断特性に応じた遮断制御を行うができ、当該複数の分岐線512等を過電流から確実に保護することができる。
このように設定される待機状態における主線用半導体ヒューズ531の遮断特性(低消費電流モードのヒューズ遮断特性)は、通常状態におけるヒューズ521(溶断式ヒューズ)の遮断特性(通常電流モード(メカリレー)のヒューズ遮断特性)に対しても、下回るように設定される。通常状態においては、主線用半導体ヒューズ531の遮断特性を、当該ヒューズ521(溶断式ヒューズ)の遮断特性(通常電流モード(メカリレー)のヒューズ遮断特性)と同一に設定(変更)するものであってもよい。この場合、主線用半導体ヒューズ531の保護機能は常時、有効化されており、主線用半導体ヒューズ531の遮断特性は、車両Cの電力消費状態に応じて、待機状態の遮断特性、又は通常状態の遮断特性のいずれかの遮断特性に変更される。これにより、通常状態においては、ヒューズ521(溶断式ヒューズ)及び機械式リレー52と、主線用半導体ヒューズ531とが、並列接続され、かつ同じ遮断特性を有するものとなり、ヒューズ521(溶断式ヒューズ)及び機械式リレー52と、主線用半導体ヒューズ531とによる並列回路による冗長化を図ることができる。待機状態における主線用半導体ヒューズ531の遮断特性(低消費電流モードのヒューズ遮断特性)は、更に、通常状態における分岐線用半導体ヒューズ532の遮断特性(下流の半導体ヒューズの遮断特性)に対しても、下回るように設定されるものとなる。
図4は、車載装置1の制御部11の処理を例示するフローチャートである。車載装置1の制御部11は、車両Cが停止時又は起動時において、定常的に以下の処理を行う。
車載装置1の制御部11は、車両Cの電力消費状態に関する情報を取得する(S101)。車載装置1の制御部11は、例えば車両Cの起動及び停止を制御するIGスイッチ又はパワースイッチからの信号等を取得することにより、当該車両Cが起動状態、又は停止状態にあるかを把握する。又は、車載装置1の制御部11は、車載ネットワーク3に接続される車載ECU2から、例えば、車速に関する情報、エンジン又は駆動用モータの回転に関する情報等を取得することにより、車速が0であるか否かを把握するものであってもよい。車載装置1の制御部11は、車両Cが走行状態(起動状態)であるか、又は駐車状態(停止状態)であるかに応じて、車両Cの電力消費状態に関する情報を導出(取得)するものであってもよい。すなわち、車両Cの電力消費状態に関する情報は、車両Cが起動又は停止状態にあるかを示す情報を含む。
車両Cの電力消費状態は、通常状態(通常電流モード)と、当該通常状態よりも消費電力が少ない待機状態(低消費電流モード)とを含む。通常状態とは、例えば車両Cが走行中(起動中)の状態を含み、車両Cの消費電力が所定値以上の状態(通常電流モード)を示す。待機状態とは、例えば車両Cが駐車中(停止中)の状態を含み、車両Cの消費電力が所定値未満の状態(低消費電流モード)を示す。
又は、通常状態(通常電流モード)は、車両Cが走行中の状態、又は乗員が乗車している駐車状態を含み、エンジンがかかっていて、いずれかの車載負荷が駆動している状態を示すものであってもよい。待機状態(低消費電流モード)は、乗員が乗車していない駐車状態を含み、エンジンがかかっておらず、いずれかの車載負荷も駆動していない状態を示すものであってもよい。ただし、当該車載負荷は、完全に停止状態にあるものでなく、例えば所定の起動信号等を受信した場合、即座に駆動可能に待機しているものであってもよい。すなわち、待機状態は、このような即座に駆動可能に待機している車載負荷又は車載ECU2が存在している状態についても含む。
車載装置1の記憶部12には、これら車両C又車載負荷等の状態に対する電力消費状態(通常状態又は待機状態)の対応関係を定義した状態定義情報が、例えばテーブル形式(ルックアップテーブル)にて記憶されているものであってもよい。車載装置1の制御部11は、当該状態定義情報(ルックアップテーブル)を参照することにより、車両Cの電力消費状態を導出(取得)するものであってもよい。車載装置1の制御部11は、このように各種スイッチから受信した信号等、又は車載ネットワーク3を介して通信可能に接続される車載ECU2から受信したメッセージ等の通信データに基づき、車両Cの電力消費状態に関する情報を導出することにより、当該情報を取得する。
車載装置1の制御部11は、車両Cの電力消費状態に関する情報に基づき、車両Cが待機状態であるか否かを判定する(S102)。車載装置1の制御部11は、取得した車両Cの電力消費状態に関する情報に基づき、車両Cが待機状態(低消費電流モード)であるか、又は通常状態(通常電流モード)であるかを判定する。車載装置1の制御部11は、当該判定結果を、判定処理を行った時点(判定時点)と関連付けて、記憶部12に記憶するものであってもよい。
車両Cが待機状態である場合(S102:YES)、車載装置1の制御部11は、主線用半導体ヒューズ531を待機状態に応じた遮断特性に設定し、保護機能を有効化する(S103)。車載装置1の制御部11は、車両Cが待機状態(低消費電流モード)である場合、主線用半導体ヒューズ531を待機状態に応じた遮断特性に設定する。主線用半導体ヒューズ531を待機状態に応じた遮断特性は、例えば、特性グラフにおける遮断特性曲線として示され、記憶部12に記憶されている。
車載装置1の制御部11は、主線用半導体ヒューズ531の保護機能に対応するアプリケーション等を実行するにあたり当該遮断特性を適用することにより、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を有効化するものであってもよい。又は、主線用半導体ヒューズ531が例えばIPD(Intelligent Power Device)により構成されている場合、当該IPD(主線用半導体ヒューズ531)に対し、待機状態に応じた遮断特性を適用して保護機能を開始(有効化)させるための信号を送信することにより、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を有効化するものであってもよい。
車載装置1の制御部11は、車両Cが待機状態(低消費電流モード)である場合、更に機械式リレー52を開状態(オフ)に維持(オフ固定)するものであってもよい。車両Cが待機状態(低消費電流モード)である場合、機械式リレー52を開状態(オフ)に維持(オフ固定)することにより、当該待機状態における機械式リレー52の開閉動作を不要とすることができ、これにより機械式リレー52の耐久回数(使用可能期間、部品寿命)を向上させることができる。
車載装置1の制御部11は、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を無効化する(S104)。車載装置1の制御部11は、例えば、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能に対応するアプリケーション等を停止することにより、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を無効化するものであってもよい。又は、分岐線用半導体ヒューズ532が例えばIPD(Intelligent Power Device)により構成されている場合、当該IPD(分岐線用半導体ヒューズ532)に対し、保護機能を停止(無効化)させるための信号を送信することにより、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を無効化するものであってもよい。
このように分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を無効化することにより、保護機能を発揮(実行)するための要する消費電力を削減することができる。すなわち、待機状態(低消費電流モード)において保護機能が無効化される分岐線用半導体ヒューズ532の個数(本実施形態では3個)が多いほど、消費電力の削減効果を向上させることができる。
車載装置1の制御部11は、主線用半導体ヒューズ531及び分岐線用半導体ヒューズ532それぞれの保護機能の有効化又は無効化を行うにあたり、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を有効化した後、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を無効化する。これにより、車両Cが待機状態に遷移した際、主線用半導体ヒューズ531の保護機能の有効化を先に行うことにより、主線用半導体ヒューズ531及び分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能が共に無効化される期間が発生することを確実に防止することができる。
車載装置1の制御部11は、待機状態に応じた遮断特性が設定された主線用半導体ヒューズ531に対する遮断制御を開始する(S105)。待機状態に応じて主線用半導体ヒューズ531に設定された遮断特性は、複数の分岐線512に応じた発煙特性を下回り、かつ車両Cが待機状態の場合に複数の分岐線512に流れる電流値の総和(合算値)を上回るもの(遮断特性)となっている。複数の分岐線512に応じた発煙特性にて定まる電流値(過電流)を上限値として、車両Cが待機状態の場合に複数の分岐線512に流れる電流値の総和(合算値)を下限値とした場合、これら上下限値にて定まる電流値の範囲は、比較的に広いものとなる。待機状態における主線用半導体ヒューズ531の遮断特性は、当該上下限値にて定まる電流値の範囲に収まるものであればよく、従って、遮断特性を設定する際の自由度を高くすることができる。これにより、待機状態における主線用半導体ヒューズ531の遮断特性を設定するにあたり、主線用半導体ヒューズ531によるオン抵抗、又は遮断制御を行う際の電流値検出における誤差の影響度合を低減し、比較的にロバスト性が高い制御態様とすることができ、車載システムSとして安全性を効率的に担保することができる。
車載装置1の制御部11は、主線用半導体ヒューズ531に直列に接続され、主線511に配置された電流検出部513(主線用電流センサー)から、主線511に流れる電流の電流値を取得する。又は、主線用半導体ヒューズ531を構成するIPDに内蔵された主線用電流センサから、主線511に流れる電流の電流値を取得するものであってもよい。車載装置1の制御部11は、記憶部12に記憶されている遮断特性曲線(待機状態に応じた遮断特性)に基づき、過電流に相当する電流値が所定期間以上流れた場合、主線用半導体ヒューズ531を開状態(オフ)にし、主線511に流れる電流(過電流)を遮断する。
車両Cが待機状態でない場合(S102:NO)、すなわち車両Cが通常状態の場合、車載装置1の制御部11は、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を有効化する(S1021)。車載装置1の制御部11は、車両Cが待機状態でない場合、すなわち車両Cが通常状態(通常電流モード)の場合、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能に対応するアプリケーション等を実行することにより、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を有効化するものであってもよい。又は、分岐線用半導体ヒューズ532が例えばIPD(Intelligent Power Device)により構成されている場合、当該IPD(分岐線用半導体ヒューズ532)に対し、保護機能を開始(有効化)させるための信号を送信することにより、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を有効化するものであってもよい。
車載装置1の制御部11は、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を無効化する(S1022)。車載装置1の制御部11は、主線用半導体ヒューズ531の保護機能に対応するアプリケーション等を停止することにより、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を無効化するものであってもよい。又は、主線用半導体ヒューズ531が例えばIPD(Intelligent Power Device)により構成されている場合、当該IPD(主線用半導体ヒューズ531)に対し、保護機能を停止(無効化)させるための信号を送信することにより、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を無効化するものであってもよい。
車載装置1の制御部11は、主線用半導体ヒューズ531及び分岐線用半導体ヒューズ532それぞれの保護機能の有効化又は無効化を行うにあたり、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能を有効化した後、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を無効化する。これにより、車両Cが通常状態に遷移した際、分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能の有効化を先に行うことにより、主線用半導体ヒューズ531及び分岐線用半導体ヒューズ532の保護機能が共に無効化される期間が発生することを確実に防止することができる。
車載装置1の制御部11は、車両Cが待機状態でない(通常状態である)場合、主線用半導体ヒューズ531の保護機能を無効化するとしたが、これに限定されない。車載装置1の制御部11は、車両Cが通常状態である場合、主線用半導体ヒューズ531の遮断特性を、通常状態に対応した遮断特性、すなわち機械式リレー52及びヒューズ521(溶断式ヒューズ)と同じ遮断特性に変更(設定)するものであってもよい。主線用半導体ヒューズ531と、機械式リレー52及びヒューズ521(溶断式ヒューズ)とは、並列に接続されて(並列回路を構成して)おり、いずれかの回路において障害が発生した場合であっても、他方の回路にて、車両Cが通常状態における保護機能を継続することができる。
車載装置1の制御部11は、通常状態に応じた遮断特性が設定された分岐線用半導体ヒューズ532に対する遮断制御を開始する(S1023)。複数の分岐線512それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズ532それぞれにおける遮断特性は、例えば、遮断特性曲線として記憶部12に記憶されている。車載装置1の制御部11は、記憶部12に記憶されている遮断特性曲線に応じて、分岐線用半導体ヒューズ532に対する遮断制御を開始する。
車載装置1の制御部11は、分岐線512に配置された分岐線用電流センサ、又は分岐線用半導体ヒューズ532を構成するIPDに内蔵された電流センサから、分岐線512の電流値を取得する。車載装置1の制御部11は、記憶部12に記憶されている遮断特性曲線に基づき、過電流に相当する電流値が所定期間以上流れた場合、分岐線用半導体ヒューズ532を開状態(オフ)にし、分岐線512に流れる電流(過電流)を遮断する。
車載装置1の制御部11は、処理105又はS1023の実行後、再度S101からの処理を行うべく、ループ処理を行う。これにより、車載装置1の制御部11は、周期的又は定常的に、車両Cの電力消費状態に関する情報の取得(導出)する処理を継続し、現時点における車両Cの状態が、待機状態(低消費電流モード)であるか、又は通常状態(通常電流モード)であるかの判定処理を、継続的に実行することができる。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
特許請求の範囲に記載されている複数の請求項に関して、引用形式に関わらず、相互に組み合わせることが可能である。特許請求の範囲では、複数の請求項に従属する多項従属請求項を記載してもよい。多項従属請求項に従属する多項従属請求項を記載してもよい。多項従属請求項に従属する多項従属請求項が記載されていない場合であっても、これは、多項従属請求項に従属する多項従属請求項の記載を制限するものではない。
C 車両
S 車載システム
1 車載装置
11 制御部
12 記憶部
M 記録媒体
P 制御プログラム(プログラム製品)
13 通信部
14 入出力I/F
140 信号線
2 車載ECU
3 車載ネットワーク
31 通信線
5 電源装置
51 電源線
511 主線
512 分岐線
513 電流検出部(主線用電流センサー)
52 機械式リレー
521 ヒューズ(溶断式ヒューズ)
531 主線用半導体ヒューズ
532 分岐線用半導体ヒューズ
6 車載負荷

Claims (7)

  1. 車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行う車載装置であって、
    前記半導体ヒューズの開閉制御に関する処理を行う制御部を備え、
    前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、
    前記制御部は、
    前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、
    取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する
    車載装置。
  2. 前記制御部は、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化するにあたり、複数の前記分岐線に応じた発煙特性を下回り、かつ前記車両が待機状態の場合に複数の前記分岐線に流れる電流値の総和を上回るように前記主線用半導体ヒューズの遮断特性を設定する
    請求項1に記載の車載装置。
  3. 前記車両の電力消費状態は、通常状態と、前記通常状態よりも消費電力が少ない待機状態とを含み、
    前記制御部は、
    取得した前記車両の電力消費状態に関する情報が前記待機状態を示す場合、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化し、
    取得した前記車両の電力消費状態に関する情報が前記通常状態を示す場合、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を無効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を有効化する
    請求項2に記載の車載装置。
  4. 前記主線用半導体ヒューズに対し、並列に接続される機械式リレーを備え、
    前記制御部は、前記車両が待機状態である際、前記機械式リレーを開状態に維持する
    請求項2に記載の車載装置。
  5. 前記制御部は、
    前記主線用半導体ヒューズが配置される前記主線に流れる電流値を取得し、
    取得した電流値に基づき、前記待機状態に応じた遮断特性が設定された前記主線用半導体ヒューズに対する遮断制御を行う
    請求項2に記載の車載装置。
  6. 車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行うコンピュータに処理を実行させるプログラムであって、
    前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、
    前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、
    取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する
    処理を実行させるプログラム。
  7. 車両に搭載される電源装置からの電源線に設けられる複数の半導体ヒューズの開閉制御を行うコンピュータに処理を実行させる情報処理方法であって、
    前記半導体ヒューズは、主線に配置された主線用半導体ヒューズと、前記主線から複数に分岐された分岐線それぞれに配置された分岐線用半導体ヒューズそれぞれとを含み、
    前記車両の電力消費状態に関する情報を取得し、
    取得した前記車両の電力消費状態に関する情報に応じて、前記主線用半導体ヒューズの保護機能を有効化し、前記分岐線用半導体ヒューズの保護機能を無効化する
    処理を実行させる情報処理方法。
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