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JP2024146706A - 焼き菓子用生地、焼き菓子及びそれらの製造方法 - Google Patents

焼き菓子用生地、焼き菓子及びそれらの製造方法 Download PDF

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JP2024146706A
JP2024146706A JP2023160025A JP2023160025A JP2024146706A JP 2024146706 A JP2024146706 A JP 2024146706A JP 2023160025 A JP2023160025 A JP 2023160025A JP 2023160025 A JP2023160025 A JP 2023160025A JP 2024146706 A JP2024146706 A JP 2024146706A
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Abstract

【課題】豆類タンパク質を多く含有しながらも、混練時の生地のまとまりや成型性に優れ、焼成後に豆類タンパク質特有の風味を感じにくく、食感も良好な焼き菓子用生地、該生地を焼成した焼き菓子、及びそれらの製造方法を提供すること。【解決手段】タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、高純度大豆レシチンを含有し、前記タンパク質が豆類タンパク質を含み、前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記豆類タンパク質の割合が30~85重量%であることを特徴とする、焼き菓子用生地。【選択図】なし

Description

本発明は、焼き菓子用生地、焼き菓子及びそれらの製造方法に関する。
近年の健康志向の高まりから、タンパク質、食物繊維、ビタミン、及びミネラル類等の栄養素を強化した栄養補助食品が人気を集めている。中でも、三大栄養素の一つであるタンパク質は、筋肉、骨、及び血液に欠かせない栄養素であることから、タンパク質含有量を高めた栄養補助食品の需要は特に高まっており、タンパク質含有量が高く、効率的にタンパク質を摂取することができる製品の開発が求められている。
このような栄養補助食品のうち、手軽に摂取できる食品としてクッキー等の焼き菓子がある。焼き菓子中のタンパク質含有量は、一般的には、大豆タンパク質を含む豆類等の植物性タンパク質やホエイタンパク質等の動物性タンパク質を原料中に添加することで高めることができ、中でも、大豆タンパク質は原料としての入手の容易性に加え、その栄養価の高さからタンパク質素材として利用されることが多い。
しかしながら、大豆タンパク質等の豆類タンパク質を多量に焼き菓子用生地に配合すると、生地の混練時に加えられる水を豆類タンパク質が吸水することでダマとなり、結果、生地中に均一に分散せず、生地がまとまらないという課題が生じていた。また、豆類タンパク質は、豆類由来の臭いや豆類独特の風味を呈することがあるため、焼き菓子のような嗜好品においては、多量に使用した際の風味面の課題も顕著なものであった。
このような課題に対して、種々の解決方法が提案されている。例えば、特許文献1には、焼成食品生地に、タンパク質と架橋処理をした小麦澱粉を含有させるだけで、タンパク質含有量の高い焼成食品生地の物性及び乳化状態を向上させることができることが開示されている。
特許文献2には、卵の代わりに、大豆を原料とする素材であって、固形分換算で、大豆蛋白20~40質量%、大豆油30~47質量%、食物繊維15~25質量%からなるものを使用する、焼成菓子における、風味強化方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の焼成食品は、架橋処理をした澱粉を含有するために、架橋処理をした澱粉由来のざらついた食感や異味が生じることがあった。また、特許文献2に記載の方法は、抹茶等の他の素材の風味を強化する方法に関するものであり、大豆タンパク質自体の風味に関するものではなかった。このように、タンパク質含有量を高めた焼き菓子には未だ改善の余地があり、技術的な解決が求められていた。
国際公開第2008/093611号 特開2019-92418号公報
本発明の目的は、豆類タンパク質を多く含有しながらも、混練時の生地のまとまりや成型性に優れ、焼成後に豆類タンパク質特有の風味を感じにくく、食感も良好な焼き菓子用生地、該生地を焼成した焼き菓子、及びそれらの製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、高純度大豆レシチンを含有し、前記タンパク質が豆類タンパク質を含み、前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記豆類タンパク質の割合が30~85重量%であることを特徴とする焼き菓子用生地によれば、本課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一は、タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、高純度大豆レシチンを含有し、前記タンパク質が豆類タンパク質を含み、前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記豆類タンパク質の割合が30~85重量%であることを特徴とする、焼き菓子用生地に関する。
本発明の第二は、前記焼き菓子用生地を焼成した、焼き菓子に関する。
本発明の第三は、タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地の製造方法であって、高純度大豆レシチンと油脂を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物と豆類タンパク質とを混合する工程とを含む、焼き菓子用生地の製造方法に関する。
本発明の第四は、前記製造方法で得られた焼き菓子用生地を焼成する工程を含む、焼き菓子の製造方法に関する。
本発明に従えば、豆類タンパク質を多く含有しながらも、混練時の生地のまとまりや成型性に優れ、焼成後に豆類タンパク質特有の風味を感じにくく、食感も良好な焼き菓子用生地、該生地を焼成した焼き菓子、及びそれらの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<焼き菓子用生地>
本開示の焼き菓子用生地は、タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、高純度大豆レシチンと特定量の豆類タンパク質を含有するものである。
前記焼き菓子用生地とは、焼き菓子を製造するための焼成前の生地のことを指し、クッキー生地、ビスケット生地、パイ生地、クラッカー生地、タルト生地、ケーキ生地等が例示される。
前記焼き菓子用生地のタンパク質の含有量は、焼き菓子用生地中25重量%以上であればよいが、焼成後の食感の観点においては、25~40重量%が好ましく、25~38重量%がより好ましく、28~32重量%がさらに好ましい。焼き菓子用生地中のタンパク質含有量が25%未満であると、当該焼き菓子によって摂取できるタンパク質量が減少し、タンパク質を効率的に摂取することが困難となる。
前記焼き菓子用生地中のタンパク質の含有量とは、焼き菓子用生地中に含まれる全タンパク質の合計量を指し、前記全タンパク質は、後述する豆類タンパク質の他、豆類以外の穀物から得られる穀粉類、乳製品、及び卵製品等の焼き菓子用生地に使用する全ての原料に含まれるタンパク質を含むものとする。
焼き菓子用生地中のタンパク質の含有量は、公知の方法で測定することができ、例えば、ケルダール法により測定することができる。
本開示の焼き菓子用生地は、前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する豆類タンパク質の割合が30~85重量%であればよいが、30~70重量%が好ましく、30~65重量%がより好ましい。前記豆類タンパク質の割合が30重量%未満であると、生地のまとまりと高いタンパク質の含有量を両立することが困難となる。また、前記豆類タンパク質の割合が85重量%より多いと、豆類由来の異味異臭が強くなり風味に劣ることがある、または生地のまとまりやすさに劣る場合がある。
前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する豆類タンパク質の割合とは、焼き菓子用生地中に含まれる全ての豆類タンパク質の含有量を、全タンパク質の含有量で除した値を指す。すなわち、前述した豆類タンパク質そのものの他、豆乳やおから等の豆類由来の原料を含む場合は、前記豆類由来の原料中に含まれる豆類タンパク質もその含有量として含むものとする。
焼き菓子用生地中に含まれる全ての豆類タンパク質の含有量は、焼き菓子用生地中の各原料の構成比率と、前記各原料の豆類タンパク質の含有量から理論値として算出することができる。
前記豆類タンパク質とは、豆類中に含まれるタンパク質を指す。豆類中に含まれるタンパク質を他の食品の原料として利用しやすくするために豆類を加工した、いわゆる豆類タンパク質素材によって、焼き菓子用生地中の豆類タンパク質の含有量を調整することができる。焼き菓子用生地中のタンパク質の含有量を前記豆類タンパク質によって高める観点から、前記豆類タンパク質素材としては、粉末状分離豆類タンパク質、粉末状濃縮豆類タンパク質、粒状豆類タンパク質、繊維状豆類タンパク質、豆類ペプチド、豆粉からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、粉末状分離豆類タンパク質、粉末状濃縮豆類タンパク質、豆粉からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
前記豆類タンパク質素材のタンパク質含量は通常の菓子用生地より多く菓子用生地中にタンパク質を配合する観点から38~100重量%が好ましく、50~100重量%がより好ましく、75~100重量%がさらに好ましく、80~100重量%が特に好ましい。
本開示の豆類タンパク質としては、特に限定されるものではないが、例えば、インゲンマメ、うずら豆、とら豆、ベニバナインゲン、及びライマメ等のインゲンマメ属に属する豆;小豆、ササゲ及び緑豆等のササゲ属に属する豆;ソラマメ;エンドウ豆;ヒヨコマメ;大豆;落花生;及びレンズ豆等に由来するタンパク質が挙げられ、これらの豆類タンパク質よりなる群から選択される少なくとも1種の豆類タンパク質を含むことが好ましい。また、生地のまとまりや成型性の向上、焼成後の食感の観点から、大豆タンパク質及び/またはエンドウ豆タンパク質を含むことがより好ましく、大豆タンパク質を含むことがより好ましい。
前記豆類タンパク質が、エンドウ豆タンパク質を含む場合、豆類タンパク質の全てがエンドウ豆タンパク質であってよいが、混練時の生地のまとまりや成型性に特に優れる観点からは、焼き菓子用生地中の前記エンドウ豆タンパク質の含有量は5重量%未満とすることが好ましく、4.5重量%未満とすることがより好ましい。
本開示の焼き菓子用生地は、豆類タンパク質以外のタンパク質を含有する。前記豆類タンパク質以外のタンパク質の種類や由来は特に限定されないが、例えば、植物性タンパク質として、小麦タンパク質(グルテン)、及びマメ科以外の種子類由来のタンパク質等、並びに、動物性タンパク質として、卵タンパク質、及び乳タンパク質等が挙げられる。前記豆類タンパク質以外のタンパク質は、豆類以外の原料から当該原料に含まれるタンパク質を精製、分離したものであってもよく、豆類以外のタンパク質を含有する原料を配合することにより持ち込まれるタンパク質、つまり、小麦粉等の穀粉、マメ科以外の種子類、牛乳及び乳製品等の乳由来の原料に内在するタンパク質であってもよい。
焼き菓子用生地の、生地のまとまりや成型性の観点においては、前記豆類タンパク質以外のタンパク質として小麦タンパク質を含有することが好ましい。小麦タンパク質を使用する場合、焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する小麦タンパク質の割合は6.5~55重量%が好ましく、10~45重量%がより好ましく、15~30重量%がさらに好ましい。
本開示の焼き菓子用生地は、高純度大豆レシチンを含有することを特徴とする。焼き菓子用生地中に前記高純度大豆レシチンを含有しないと、多量の豆類タンパク質を生地に含有させた際に、生地がまとまらない場合がある、または焼成後の食感に劣る場合がある。
大豆レシチンは、大豆に含まれるリン脂質であり、大豆から大豆油を製造する際の副産物の一つである。本開示において、高純度大豆レシチンとは、リン脂質の含有量が90重量%以上のレシチンであり、大豆油の製造時に副産物として生じた粗レシチンを濾過して得られた液状レシチンから、油分を除去して精製したものを指す。その形態は特に限定されないが、粉末状であることが好ましい。高純度大豆レシチンのリン脂質の含有量は90重量%以上であればよいが、95重量%以上であることが好ましい。
なお、本開示において、前記高純度大豆レシチンには、前記液状レシチンを酵素分解したリゾレシチンや、レシチン中の特定のリン脂質濃度を変化させた分別レシチンは含まない。
前記高純度大豆レシチンは、市販品を用いることができ、例えばレシチンPW(商品名;株式会社J-オイルミルズ製、リン脂質含量96重量%以上)やSLP-ホワイト(商品名;辻製油株式会社製、リン脂質含量重量96%)が例示される。
前記焼き菓子用生地中の前記高純度大豆レシチンの含有量は、0.01~1重量%が好ましく、0.05~1重量%がより好ましく、0.05~0.5重量%がさらに好ましい。高純度大豆レシチンの含有量を前記範囲とすることで、生地の混練時のまとまりや成型性がより良好なものとなる。
本開示の焼き菓子用生地には、前記豆類タンパク質を含むタンパク質と前記高純度大豆レシチンの他に、その効果を阻害しない限り、焼き菓子用生地に使用される一般的な生地原料を使用することができる。
前記一般的な生地原料としては、穀粉類、澱粉、糖類、油脂、卵類、乳類、膨張剤、イースト、増粘多糖類、乳化剤、風味材、着色料、香料、酸化防止剤等が例示される。
前記穀粉類としては、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、燕麦粉、大豆粉、グリーンピース粉、小豆粉、そら豆粉、インゲン豆粉、エンドウ豆粉、蕎麦粉、とうもろこし粉等が例示される。
前記焼き菓子用生地には、焼成後の食感を良好にする観点からは、小麦粉を含有してよく、焼き菓子用生地中の小麦粉の含有量は、2重量%以上、4重量%以上、5重量%以上であってよい。一方、前記焼き菓子用生地のタンパク質の含有量を効率的に高める観点から、焼き菓子用生地中の小麦粉の含有量は、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、12重量%以下がさらに好ましく、8重量%以下が特に好ましい。小麦粉の含有量を前記範囲とすることで、前記効果に加え、焼き菓子の糖質量を低減することも可能となる。なお、前記小麦粉としては、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、超強力粉、デュラム粉、全粒粉等が例示される。
前記澱粉としては、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等の生澱粉、並びに前記生澱粉にα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等の処理を施した加工澱粉及びデキストリン等が例示される。
前記糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、還元水飴、異性化液糖、ショ糖結合水飴、還元糖、還元パラチノース、ソルビトール、乳糖、還元乳糖、L-アラビノース、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖等の糖類や糖アルコール、並びに蜂蜜やカエデ糖等の天然の甘味料等が例示される。
前記油脂としては、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油、米油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、椰子油、ゴマ油、パーム核油、カカオ脂、シア脂等の植物油や、魚油、牛脂、豚脂、乳脂等の動物油、また、これらの油脂をエステル交換して得られた油脂や、硬化及び/又は分別して得られた油脂等が例示される。また、前記油脂の態様としては、精製された油脂であってもよく、ショートニングであってもよく、乳化組成物中の油相を構成する油脂であってもよい。前記乳化組成物としては、例えば、マーガリン、バター、ファットスプレッド等の油中水型乳化組成物やクリーム、マヨネーズ等の水中油型乳化組成物が例示される。
前記卵類としては、全卵、卵黄、卵白、及びこれらを加工したものが例示され、前記加工方法としては、冷凍、冷蔵、加熱、乾燥、凍結乾燥、酵素処理、加糖、加塩等が例示される。
前記乳類としては、生乳、牛乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂濃縮乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、発酵乳、クリーム、発酵クリーム、バター、発酵バター、バターミルク、バターミルクパウダー、バターオイル等が例示される。
前記膨張剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムをガス発生剤として、それらに酸又は酸性物質(酒石酸、クエン酸、第1リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、ミョウバン等)を配合した混合剤が例示される。
前記イーストとしては、生イースト、ドライイースト、セミドライイースト等が例示される。
前記増粘多糖類としては、アラビアガム、カラギナン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、ローメトキシルペクチン(LMペクチン)、ハイメトキシルペクチン(HMペクチン)、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、水溶性大豆多糖類、グルコマンナン、ジェランガム、キサンタンガム、プルラン、カードラン、セルロース、カルボキシメチルセルロース塩、メチルセルロース、キチン、キトサン、ゼラチン等が例示される。
前記乳化剤としては、モノグリセリド、有機酸が結合したモノグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム等が例示される。
前記風味材としては、ココア、チョコレート、チョコレートチップ、茶類、豆類、ナッツ類、シード類、果実類等の風味原料の粉砕物、ペースト化物、乾燥物、膨化物、並びにコーンフレーク等の豆類、野菜、及び穀類等由来の加工品等が例示される。
前記着色料としては、天然成分や人工成分に関わらず、食品用途として使用できるものが挙げられる。
前記香料としては、レモン、オレンジ、ライム等の柑橘類フレーバー;リンゴ、バナナ、ブドウ等の柑橘類以外の果実フレーバー;ミルク、クリーム、チーズ、バター等の乳フレーバー;コーヒー、ココア、紅茶等の嗜好飲料フレーバー;バニラフレーバ;ペパーミント、スペアミント等のミントフレーバー;胡椒、シナモン、ナツメグ、クローブ等のスパイスフレーバー;アーモンド、ピーナッツ等のナッツフレーバー;リキュール、カクテル等の酒類フレーバーが例示される。
前記酸化防止剤としては、ビタミンA、カロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、セレン、フラボノイド、ポリフェノール、リコペン、ルテイン、リグナン等が例示される。
本開示の焼き菓子用生地の製造方法は特に限定されないが、製造方法の一態様について以下例示する。
本開示の焼き菓子用生地は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地の製造方法であって、高純度大豆レシチンと油脂を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物と豆類タンパク質とを混合する工程とを含む、焼き菓子用生地の製造方法。
(高純度大豆レシチンと油脂の混合工程)
前記混合工程は、高純度大豆レシチンと油脂を混合する工程である。前記高純度大豆レシチンと混合する油脂の種類は食用として使用できるものであれば特に限定されず、前記生地原料の油脂として具体的に例示した油脂のいずれも使用することができる。
前記油脂は、前記高純度大豆レシチンを油脂中に分散させる観点においては、混合工程において流動性を有することが好ましい。油脂の流動性は、油脂のSFCに応じて油脂の温度を調温することで調整することができる。油脂を調温する場合は、取り扱いの観点から、その温度は30~70℃が好ましく、40~60℃がより好ましく、40~55℃がさらに好ましい。
前記SFCは、特定温度における油脂中の固体脂含量を示すものであり、公知の方法で測定することができる。例えば、IUPAC 2.150(a)に準拠して測定することができる。
前記高純度大豆レシチンを油脂中に均一に分散させる観点においては、前記油脂の40℃におけるSFCは0~10%が好ましく、0~5%がより好ましく、0~3%がさらに好ましく、0%が特に好ましい。
また、前記高純度大豆レシチンと前記油脂の混合比率(重量比)は、高純度大豆レシチン:前記油脂=1:1~1:20が好ましく、1:1~1:15がより好ましく、1:4~1:15がさらに好ましい。
前記高純度大豆レシチンと前記油脂の混合は、公知の方法により行うことができ、例えば撹拌子を有するミキサー等の撹拌装置により行うことができる。
(豆類タンパク質の混合工程)
前記豆類タンパク質の混合工程は、前記混合する工程で得られた高純度大豆レシチンと油脂の混合物と豆類タンパク質とを混合する工程である。当該工程により、豆類タンパク質を多く含有しながらも、生地のまとまりや成型性に優れる焼き菓子用生地を得ることができる。
前記豆類タンパク質の混合工程は、前記混合する工程で得られた高純度大豆レシチンと油脂の混合物と、豆類タンパク質とを原料として含んでいればその方法は特に限定されず、例えば前記混合物と豆類タンパク質を混合した後に、前述した焼き菓子用生地に使用される一般的な生地原料を加えて生地を調製してもよく、あるいは、前述した焼き菓子用生地に使用される一般的な生地原料に対して、前記混合物と豆類タンパク質を加えて生地を調製してもよい。
前記生地調製工程は、公知の方法により行うことができ、例えば撹拌子を有するミキサー等の撹拌装置により行ってもよく、人手による手作業により行ってもよい。
前記方法で得られた焼き菓子用生地は、そのまま焼成に供してもよいが、焼成前にさらに型抜き等の成型を行ってもよい。また、焼成前の生地を冷凍保存または冷蔵保存してもよい。
<焼き菓子>
前記焼き菓子用生地を焼成した焼き菓子は、本発明の一態様を構成する。
焼き菓子の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、クッキー、ビスケット、パイ、クラッカー、タルト、ケーキ等が挙げられる。また、焼成後の前記焼き菓子は、必要に応じてフィリングやジャム、クリーム、チョコレート、チョコレートチップ、果実類、粉糖、アイシング等をトッピングしてもよい。
前記焼き菓子は、前記焼き菓子用生地の製造方法により得られた焼き菓子用生地を焼成することで得ることができ、その焼成方法は特に限定されない。焼成方法としては、例えば、オーブン加熱、マイクロ波加熱、直火加熱等が例示される。焼成後の風味と食感の観点においては、焼成温度は120~200℃が好ましく、130~180℃がより好ましく、130~170℃がさらに好ましい。また、焼成時間は、5~60分間が好ましく、5~30分間がより好ましく、5~20分間がさらに好ましい。
焼成後の焼き菓子の食感や保存性の観点において、前記焼き菓子の水分は、10重量%以下であることが好ましく、8重量%以下であることがより好ましく、6重量%以下であることがさらに好ましい。なお、前記焼き菓子の水分とは、前記焼き菓子用生地を焼成した後の生地部分の水分を指し、例えば、焼成後の焼き菓子にトッピングしたフィリングやジャム等に含まれる水分は含まない。
前記焼き菓子の水分は、105℃3時間の加熱乾燥法により測定することができる。
前記焼き菓子の最小差し渡し長さは3~15mmであることが好ましく、3~10mmであることがより好ましい。焼き菓子の最小差し渡し長さを前記範囲とすることで、よりサクミのある食感を得ることができる。本開示における焼き菓子の最小差し渡し長さとは、焼き菓子の一端から他端までの直線距離のうち最小値を示す。すなわち、例えば直径30mm、高さが5mmの円盤状の焼き菓子であれば、その最小差し渡し長さは5mmとなり、直径3mm、高さが50mmの円柱状の焼き菓子であれば、その最小差し渡し長さは3mmとなる。
なお、前記焼き菓子の最小差し渡し長さとは、前記焼き菓子用生地を焼成した後の生地部分の最小差し渡し長さを指し、例えば、焼成後の焼き菓子にトッピングした果物類やクリームなどの大きさはその長さには含まない。前記焼き菓子の最小差し渡し長さは、前記焼き菓子用生地を焼成前に成型することにより調整することができる。
以下の各項目では、本開示における好ましい態様を列挙するが、本発明は以下の項目に限定されるものではない。
[項目1]
タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、
高純度大豆レシチンを含有し、
前記タンパク質が豆類タンパク質を含み、
前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記豆類タンパク質の割合が30~85重量%であることを特徴とする、焼き菓子用生地。
[項目2]
前記焼き菓子用生地中の前記高純度大豆レシチンの含有量が0.01~1重量%である、項目1に記載の焼き菓子用生地。
[項目3]
前記タンパク質が小麦タンパク質を含み、
前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記小麦タンパク質の割合が6.5~55重量%である、項目1または2に記載の焼き菓子用生地。
[項目4]
前記焼き菓子用生地中の小麦粉の含有量が20重量%以下である、項目1~3のいずれか一項に記載の焼き菓子用生地。
[項目5]
前記豆類タンパク質が、大豆タンパク質及び/またはエンドウ豆タンパク質を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の焼き菓子用生地。
[項目6]
前記豆類タンパク質が、エンドウ豆タンパク質を含み、
前記焼き菓子用生地中の前記エンドウ豆タンパク質の含有量が5重量%未満である、項目1~5のいずれか一項に記載の焼き菓子用生地。
[項目7]
項目1~6のいずれか一項に記載の焼き菓子用生地を焼成した、焼き菓子。
[項目8]
水分が10重量%以下である、項目7に記載の焼き菓子。
[項目9]
最小差し渡し長さが3~15mmである、項目7または8に記載の焼き菓子。
[項目10]
タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地の製造方法であって、
高純度大豆レシチンと油脂を混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた混合物と豆類タンパク質とを混合する工程とを含む、焼き菓子用生地の製造方法。
[項目11]
項目10に記載の方法で得られた焼き菓子用生地を焼成する工程を含む、焼き菓子の製造方法。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
1)(株)カネカ製「マリーパート」(15℃におけるSFC:0.5%、25℃におけるSFC:0.0%、35℃におけるSFC:0.0%、水分含量0重量%)
2)(株)辻製油製「SLP-ホワイト」(水分含量0重量%、リン脂質の含有量96重量%)
3)(株)カネカ製「コンセブールガトー(M型)」(15℃におけるSFC:39.4%、25℃におけるSFC:22.4%、35℃におけるSFC:6.7%、水分含量16.3重量%、ホエイタンパク質含量0.02重量%、カゼインタンパク質含量0.08重量%)
4)日新製糖(株)製「上白糖P」(水分含量0.8重量%)
5)三菱商事ライフサイエンス製(株)「ソルビットT-70」(水分含量29.5重量%)
6)財団法人塩事業センター製「精製塩」(水分含量0重量%)
7)(株)光洋商会製「SUPRO710IP」(水分含量4.1重量%、大豆タンパク質含量90重量%)
8)みたけ食品工業(株)製「失活大豆粉」(水分含量4.2重量%、大豆タンパク質含量39.8重量%)
9)(株)ワーナンブール・チーズ&バター社製「ホエータンパクWheyco W80」(水分含量4.6重量%、ホエイタンパク質含量78重量%)
10)雪印メグミルク(株)製「脱脂粉乳」(水分含量3.9重量%、ホエイタンパク質含量6.8重量%、カゼインタンパク質含量27.2重量%)
11)(株)日清製粉製「バイオレット」(水分含量12重量%、小麦タンパク質含量8.3重量%)
12)(株)カネカ製「ガトーアップHP-1」(水分含量6.5重量%、小麦タンパク質含量72重量%)
13)リンクフード(株)製「エンドウタンパク」(水分含量5.4重量%、エンドウタンパク質含量78.9重量%)
<焼き菓子用生地の組成分析>
焼き菓子用生地中の全タンパク質の含有量及び水分量は、以下の方法で測定を行った。
全タンパク質:ケルダール法
水分:105℃3時間の加熱乾燥法
焼き菓子用生地中のホエイタンパク質、豆類タンパク質、小麦タンパク質、及びその他のタンパク質の含有量、並びに全タンパク質に対する割合は、各原料の構成比率と、前記各原料のホエイタンパク質、豆類タンパク質、小麦タンパク質、及びその他のタンパク質の含有量から理論値として算出した。
<SFCの測定>
使用した油脂のSFCは、IUPAC 2.150(a)に準拠して測定した。
<焼成後の焼き菓子の組成分析>
焼き菓子の全タンパク質の含有量及び水分量は、以下の方法で測定を行った。
全タンパク質:ケルダール法
水分:105℃3時間の加熱乾燥法
<焼成後の焼き菓子の差し渡し長さ>
焼き菓子の差し渡し長さは、ノギス(MonotaRO社製「デジタルノギス:70441666」)によって測定した。30個の平均値を測定結果とした。
<官能評価>
熟練した10人のパネラーに、実施例及び比較例で得られた各焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、及び、焼成後の食感の観点で各々の官能評価を行い、その評価点の平均値を官能評価の評価値として表に記載した。その際の評価基準は以下の通りであった。
(生地のまとまりやすさ)
生地のまとまりやすさについては、実施例及び、比較例で作製した焼き菓子用生地を、熟練した10名のパネラーに作製し評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。その際の評価基準は、以下の通りである。
5点:実施例1と比べ、生地がまとまりやすく、非常に良好なレベルである。
4点:実施例1と生地のまとまりやすさが同等で、良好なレベルである。
3点:実施例1と比べ、生地のまとまりやすさがやや劣るが、問題は無いレベルである。
2点:実施例1と比べ、生地のまとまりやすさが明らかに劣り、問題があるレベルである。
1点:実施例1と比べ、生地のまとまりやすさが大きく劣り、問題があるレベルである。
(成型性)
成型性については、実施例及び、比較例で作製した焼き菓子用生地を、熟練した10名のパネラーに作製し評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。その際の評価基準は、以下の通りである。
5点:実施例1と比べ、成型性が良く、非常に良好なレベルである。
4点:実施例1と成型性が同等で、良好なレベルである。
3点:実施例1と比べ、成型性がやや劣るが、問題は無いレベルである。
2点:実施例1と比べ、成型性が明らかに劣り、問題があるレベルである。
1点:実施例1と比べ、成型性が大きく劣り、問題があるレベルである。
(焼成後の風味)
焼成後の風味については、実施例及び、比較例で作製した焼き菓子を、熟練した10名のパネラーに試食し評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。その際の評価基準は、以下の通りである。
5点:実施例1と比べ、豆類由来の異味異臭が感じられず、非常に良好なレベルである。
4点:実施例1と同等に豆類由来の異味異臭があまり感じられず、良好なレベルである。
3点:実施例1と比べ、豆類由来の異味異臭がやや感じられるが、問題は無いレベルである。
2点:実施例1と比べ、豆類由来の異味異臭が明らかに感じられ、問題があるレベルである。
1点:実施例1と比べ、豆類由来の異味異臭が強く感じられ、問題があるレベルである。
(焼成後の食感)
焼成後の食感については、実施例及び、比較例で作製した焼き菓子を、熟練した10名のパネラーに試食し評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。その際の評価基準は、以下の通りである。
5点:実施例1と比べ、食感がより良く、非常に良好なレベルである。
4点:実施例1と同等に食感が良く、良好なレベルである。
3点:実施例1と比べ、食感がやや劣るが、問題は無いレベルである。
2点:実施例1と比べ、食感が明らかに劣り、問題があるレベルである。
1点:実施例1と比べ、食感が大きく劣り、問題があるレベルである。
(総合評価)
生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感の評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感の評価がいずれも4点以上5点以下であるもの
B:生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感の評価のいずれも3.5点以上5点以下であって、且つ4点未満が少なくとも一つあるもの
C:生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感の評価がいずれも3点以上5点以下であって、且つ3点以上3.5点未満が少なくとも一つあるもの
D:生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感の評価がいずれも2点以上5点以下であって、且つ2点以上3点未満が少なくとも一つあるもの
E:生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感の評価において、1点以上2点未満が少なくとも一つあるもの
<焼き菓子用生地及び焼き菓子の作製>
(実施例1)
表1の配合に従って、以下の製法で焼き菓子用生地の作製を行った。40℃に加温した油脂(ショートニング)0.9重量部に対して高純度大豆レシチン0.087重量部を加えて混合、溶解して混合物を得た。予め室温に戻した油中水型乳化組成物(マーガリン)31.6重量部を、ミキサー(ホバート社製「5コートミキサー」)を用いて低速で1分間ミキシングしてペースト状にし、次いで前記混合物と上白糖8.7重量部、糖アルコール7.2重量部、食塩0.1重量部、を加え、さらに前記ミキサーを用いて低速で1分間ミキシングして均一に混合し、さらに大豆タンパク質9.0重量部、大豆粉9.2重量部、脱脂粉乳4.2重量部、ホエイタンパク質13.0量部、薄力粉7.3重量部、及びグルテン8.7重量部を加え、前記ミキサーを用いて低速で1分間ミキシングして均一に混合し、焼き菓子用生地を得た。
得られた焼き菓子用生地を5.5gずつ分割して直径36mm厚さ4.7mmの円柱形に成型し、オーブンにて上火150℃/下火130℃、15分間焼成した後に粗熱を取り、焼き菓子を得た。得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感、及び、総合評価の評価結果を表2に示した。
Figure 2024146706000001
(実施例2、実施例3)
表1の配合に従って、大豆タンパク質の配合量をそれぞれ15.1重量部(実施例2)、12.1重量部(実施例3)に、大豆粉の配合量をそれぞれ11.6重量部(実施例2)、9.6重量部(実施例3)に、ホエイタンパク質の配合量をそれぞれ5.2重量部(実施例2)、9.5重量部(実施例3)に変更し、実施例2の脱脂粉乳の配合量を3.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして焼き菓子用生地及び焼き菓子を得た。得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感、及び、総合評価の評価結果を表2に示した。
(実施例4、実施例5)
表1の配合に従って、各原料の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして焼き菓子用生地及び焼き菓子を得た。得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感、及び、総合評価の評価結果を表2に示した。
(比較例1)
表1の配合に従って、大豆タンパク質の配合量を27.5重量部に、大豆粉の配合量を5.1重量部に、ホエイタンパク質の配合量を3.0重量部に、脱脂粉乳の配合量を0.5重量部に、薄力粉の配合量を15.3重量部に変更し、グルテンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして焼き菓子用生地及び焼き菓子を得た。得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感、及び、総合評価の評価結果を表2に示した。
(比較例2)
表1の配合に従って、高純度レシチンを配合せず、薄力粉の配合量を7.4重量部に変更した以外は、実施例2と同様にして焼き菓子用生地及び焼き菓子を得た。得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感、及び、総合評価の評価結果を表2に示した。
Figure 2024146706000002
(実施例6~10)
表3及び表5の配合に従って、各原料の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして焼き菓子用生地及び焼き菓子を得た。得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感、及び、総合評価の評価結果を表4及び表6に示した。
Figure 2024146706000003
Figure 2024146706000004
Figure 2024146706000005
Figure 2024146706000006
(実施例11~12)
表7の配合に従って、エンドウタンパク質を配合し、大豆タンパク質の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして焼き菓子用生地及び焼き菓子を得た。得られた焼き菓子用生地及び焼き菓子について、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味、焼成後の食感、及び、総合評価の評価結果を表8に示した。
Figure 2024146706000007
Figure 2024146706000008
表2、表4、表6及び表8から明らかなように、タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、高純度大豆レシチンを含有し、前記タンパク質が豆類タンパク質を含み、前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記豆類タンパク質の割合が30~85重量%である焼き菓子用生地及びそれを焼成し得られた焼き菓子(実施例1~12)は、生地のまとまりやすさ、成型性、焼成後の風味及び焼成後の食感のいずれについても評価結果が良好であった。
一方、焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する大豆タンパク質の割合が87.5重量%と高い比較例1の焼き菓子用生地及びそれを焼成し得られた焼き菓子は、生地のまとまりやすさ及び焼成後の風味の評価結果が悪く、総合評価はDであった。また、高純度レシチンを含有しない比較例2の焼き菓子用生地及びそれを焼成し得られた焼き菓子は、生地のまとまりやすさ及び焼成後の食感の評価結果が悪く、総合評価はDであった。

Claims (11)

  1. タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地であって、
    高純度大豆レシチンを含有し、
    前記タンパク質が豆類タンパク質を含み、
    前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記豆類タンパク質の割合が30~85重量%であることを特徴とする、焼き菓子用生地。
  2. 前記焼き菓子用生地中の前記高純度大豆レシチンの含有量が0.01~1重量%である、請求項1に記載の焼き菓子用生地。
  3. 前記タンパク質が小麦タンパク質を含み、
    前記焼き菓子用生地中の全タンパク質に対する前記小麦タンパク質の割合が6.5~55重量%である、請求項1または2に記載の焼き菓子用生地。
  4. 前記焼き菓子用生地中の小麦粉の含有量が20重量%以下である、請求項1または2に記載の焼き菓子用生地。
  5. 前記豆類タンパク質が、大豆タンパク質及び/またはエンドウ豆タンパク質を含む、請求項1または2に記載の焼き菓子用生地。
  6. 前記豆類タンパク質が、エンドウ豆タンパク質を含み、
    前記焼き菓子用生地中の前記エンドウ豆タンパク質の含有量が5重量%未満である、請求項5に記載の焼き菓子用生地。
  7. 請求項1または2に記載の焼き菓子用生地を焼成した、焼き菓子。
  8. 水分が10重量%以下である、請求項7に記載の焼き菓子。
  9. 最小差し渡し長さが3~15mmである、請求項7に記載の焼き菓子。
  10. タンパク質の含有量が25重量%以上である焼き菓子用生地の製造方法であって、
    高純度大豆レシチンと油脂を混合する混合工程と、
    前記混合工程で得られた混合物と豆類タンパク質とを混合する工程とを含む、焼き菓子用生地の製造方法。
  11. 請求項10に記載の方法で得られた焼き菓子用生地を焼成する工程を含む、焼き菓子の製造方法。
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