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JP2024039844A - プレス緩衝用積層体、基材フィルム付きプレス緩衝用積層体及びプレス方法 - Google Patents

プレス緩衝用積層体、基材フィルム付きプレス緩衝用積層体及びプレス方法 Download PDF

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JP2024039844A
JP2024039844A JP2022144513A JP2022144513A JP2024039844A JP 2024039844 A JP2024039844 A JP 2024039844A JP 2022144513 A JP2022144513 A JP 2022144513A JP 2022144513 A JP2022144513 A JP 2022144513A JP 2024039844 A JP2024039844 A JP 2024039844A
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浩剛 菅原
Hirotake Sugawara
夏樹 中道
Natsuki Nakamichi
崇 竹之内
Takashi Takenouchi
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】フィルム表面に対して応力の偏りが小さく、フィルム全体での圧力差の小さいプレス緩衝用積層体を提供すること。【解決手段】ゴム層を複数備え、該ゴム層のうち少なくとも2層のタイプAデュロメータ硬さが異なる、プレス緩衝用積層体である。【選択図】なし

Description

本発明は、プレス緩衝用積層体、基材フィルム付きプレス緩衝用積層体及びこれらを用いたプレス方法に関する。
従来、シリコーンゴムやシリコーンレジンに代表されるシリコーン、中でもミラブル型等のシリコーンゴムは、耐熱性や電気的性質に優れていることから、離型材、緩衝材、滑り止め材等の用途に広く使用されている。例えば、フレキシブル回路基板(FPC)、全固体電池、半導体などの製造において、プレス成形などの離型材、又は緩衝材などとして使用されることが知られている。
シリコーンゴム等のシリコーン層単体からなるシリコーンをそのままプレス成形の離型材又は緩衝材等として使用すると、変形が生じ、組みつけ寸法精度が悪くなったり、しわが生じたりして、作業性に問題がある。そのため、シリコーンは、プラスチックフィルムを複合一体化して積層体として使用されることが知られている。この際、プラスチックフィルムとしては、例えば、特許文献1にポリエステル樹脂フィルムが開示されている。
特開平11-20082号公報
特許文献1に開示されるシリコーンゴム複合体は、シリコーンゴムと、結晶性ポリエステル樹脂を主体とするシートあるいはフィルムが積層形成されているため、シリコーンゴム単体に比較して、しわや折れ曲がりによる不良品の発生が少なくなり、加工性や組み込み等の作業性が大幅に向上する。
しかしながら、ポリエステルフィルムなどの他のプラスチックフィルムと一体化したシリコーンフィルムであっても、プレス成形に用いられる場合に、フィルム全体の圧力を均一とすることは困難であり、被プレス材のある部分に応力が集中する傾向にある。このように応力が偏ることで、例えば、フレキシブルプリント基板等の被プレス材に均等に圧力をかけることが困難となり、製品不良につながるという問題がある。
そこで、本発明はフィルム表面に対して応力の偏りが小さく、フィルム全体での圧力差の小さいプレス緩衝用積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、硬度の異なるゴム層を複数備えるプレス緩衝用積層体とすることで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]~[12]を提供する。
[1]ゴム層を複数備え、該ゴム層のうち少なくとも2層のタイプAデュロメータ硬さが異なる、プレス緩衝用積層体。
[2]前記ゴム層のタイプAデュロメータ硬さは10以上90以下である、上記[1]に記載のプレス緩衝用積層体。
[3]前記ゴム層のうち、最小のタイプAデュロメータ硬さを有する(A)層と最大のタイプAデュロメータ硬さを有する(B)層とのタイプAデュロメータ硬さの差が20以上である、上記[1]又は[2]に記載のプレス緩衝用積層体。
[4]前記ゴム層はシリコーン層である、上記[1]~[3]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体。
[5]前記ゴム層が架橋構造を有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体。
[6]接着層を有しない、上記[1]~[5]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体。
[7](A)層:(B)層の厚み比が、99:1~20:80である、上記[3]~[6]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体の少なくとも片面に基材フィルムを備える、基材フィルム付きプレス緩衝用積層体。
[9]上記[1]~[7]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法。
[10]上記[8]に記載の基材フィルム付きプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法。
[11]上記[1]~[8]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法であって、最大のタイプAデュロメータ硬さを有する(B)層を被プレス材に接するように配置してプレスすることを特徴とする、プレス方法。
[12]上記[1]~[8]のいずれかに記載のプレス緩衝用積層体の少なくとも片面に基材フィルムを備える基材フィルム付きプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法であって、最大のタイプAデュロメータ硬さを有する(B)層を被プレス材に接するように配置してプレスすることを特徴とするプレス方法。
本発明によれば、フィルム表面に対して応力の偏りが小さく、フィルム全体での圧力差の小さいプレス緩衝用積層体を提供することができる。
CAE解析に用いたモデルを示す模式図である。 CAE解析の計算を実施した部分を示す模式図である。 本発明のプレス緩衝用積層体と被プレス材との接触部分の圧力均一性を評価する方法を示す模式図である。 本発明のプレス緩衝用積層体とプレス板との接触部分の圧力均一性を評価する方法を示す模式図である。
[プレス緩衝用積層体]
本発明のプレス緩衝用積層体(以下、「本積層体」ということがある。)は、ゴム層を複数備え、該ゴム層のうち少なくとも2層のタイプAデュロメータ硬さが異なることを特徴とする。ゴム層は2層以上であればよく、3層以上であってもよい。その複数あるゴム層のうちの少なくとも2層のタイプAデュロメータ硬さが異なることが肝要である。
本発明において、ゴム層は弾性を有していれば特段限定されないが、23℃における引張貯蔵弾性率が0.1MPa~1GPaであることが好ましい。
複数あるゴム層のうちの少なくとも2層のタイプAデュロメータ硬さが異なることによって、積層体表面に対して応力の偏りが小さく、積層体表面全体での圧力差の小さいプレス緩衝用積層体とすることができる。
本積層体において、最小のタイプAデュロメータ硬さを有するゴム層(以下(A)層という。)と、最大のタイプAデュロメータ硬さを有するゴム層(以下(B)層という。)のタイプAデュロメータ硬さの差は、本発明の効果を奏する範囲であれば、特に限定されないが、十分な効果を得るとの観点から20以上であることが好ましく、より高い効果が得られるとの観点から25以上であることが好ましく、さらに30以上であることがより好ましく、35以上であることが特に好ましい。該タイプAデュロメータ硬さの差の上限値についても、特に制限はないが、通常は80以下である。
なお、タイプAデュロメータ硬さとは、JIS K6253-3:2012に準拠したタイプAデュロメータを用いて測定される値である。
ゴム層が2層の場合には、該2層の一方が(A)層、他方が(B)層となる。また、ゴム層が3層以上ある場合には、(A)層と(B)層の間にタイプAデュロメータ硬さが(A)層より高く、(B)層より低い層が設けられてもよい。このような中間的なタイプAデュロメータ硬さを有する層は、(A)層と(B)層の間に複数設けられてもよい。
前記複数あるゴム層の各層のタイプAデュロメータ硬さは10以上90以下であることが好ましい。各ゴム層のタイプAデュロメータ硬さが10以上であると、プレス成形等で繰り返し使用しても積層体の厚みが変化し難く、十分なクッション性が維持され耐久性に優れる。また、ゴム層のタック性が適度に抑制され、取扱い性が向上しやすい。
したがって、隣接するゴム層同士は、直接積層されることが好ましく、基材フィルムもゴム層に直接積層されることが好ましい。
一方、タイプAデュロメータ硬さが90以下であると、プレス成形等の際に、被プレス材(プレス製品)への追従性、密着性が向上しやすい。
以上の観点からタイプAデュロメータ硬さは、15以上であることがより好ましく、20以上であることがさらに好ましい。また、87以下であることがより好ましく、85以下であることがさらに好ましい。
なお、上記(A)層のタイプAデュロメータ硬さは相対的に小さい値となり、(B)層のタイプAデュロメータ硬さは相対的に大きい値となる。(A)層のタイプAデュロメータ硬さは10以上60以下であることが好ましく、20以上40以下であることがさらに好ましい。また、(B)層のタイプAデュロメータ硬さは65以上100以下であることが好ましく、70以上90以下であることがさらに好ましい。
各ゴム層のタイプAデュロメータ硬さは、本積層体からゴム層を剥がした後に測定されてもよく、また、ゴム層と同じ配合組成のシートを形成し、当該シートについてタイプAデュロメータ硬さの測定を行ってもよい。
タイプAデュロメータ硬さを調整する方法としては、例えば、ゴム層に充填剤として配合するシリカ等のフィラーの充填量を調整する方法、例えば、ゴム層がシリコーン層である場合に、原料のシリコーンの種類を適宜選択する方法、架橋工程における架橋剤、架橋条件を適宜選択する方法等が挙げられる。
各ゴム層の厚みは、用途により適宜選択すればよいが、3mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、800μm以下であることがさらに好ましく、600μm以下であることが特に好ましく、400μm以下であることが殊に好ましい。また、適度な弾性、長時間の使用や繰り返し使用の点から、下限は、10μmであることが好ましく、20μmであることがより好ましく、30μmであることがさらに好ましく、50μmであることが特に好ましい。
本発明においては、上記(A)層と(B)層の厚み比が99:1~20:80の範囲であることが好ましい。(A)層と(B)層の厚み比が上記範囲であることで、フィルム表面における応力の偏りを小さくすることができる。以上の観点から、(A)層と(B)層の厚み比は、90:10~25:75の範囲であることがより好ましく、80:20~27:73の範囲であることがさらに好ましい。
本発明のプレス緩衝用積層体における各ゴム層は、架橋構造を有することが好ましい。架橋構造を有することで、クッション性などが付与されやすく、また、圧縮永久歪みなどが向上して、プレス成形時の離型材、緩衝材などとして好適に使用できる。
<シリコーン層>
本発明のプレス緩衝用積層体におけるゴム層は、シリコーン層であることが好ましい。
シリコーン層は、シリコーンを主成分として含有する層である。シリコーンとしては、下記式(1)で示されるシロキサン骨格を有するシリコーンを含有することが好ましい。下記式(1)において、式中のRの全てがメチル基であるポリジメチルシロキサンの他に、メチル基の一部(例えば、30モル%以下程度、好ましくは20モル%以下程度)が他のアルキル基、ビニル基、フェニル基、フルオロアルキル基等の1種又は2種以上で置換された各種ポリジメチルシロキサンを適宜選択することもできる。また、式中のnは1以上の正の整数であり、好ましくは3~5000である。

上記シリコーンは、好ましくはシリコーンエラストマー樹脂である。したがって、シリコーン層は、シリコーンエラストマー樹脂を含有することが好ましく、シリコーンエラストマー樹脂を主成分として含有することがさらに好ましい。シリコーンエラストマー樹脂の例としては、ポリジメチルシロキサンを主成分とするシリコーンエラストマー樹脂が好ましく挙げられる。
上記シリコーンエラストマー樹脂、特にポリジメチルシロキサンは、ビニル基を含有することも好ましい。ビニル基を含有することで圧縮永久歪みが小さくなり、プレス成形等で繰り返し使用されても厚みが変化し難く、充分なクッション性が維持され耐久性に優れる。
ビニル基を含有する場合、シリコーンエラストマー樹脂全量に対するビニル基の含有量は、0.05~5モル%であることが好ましく、0.5~4モル%であることがより好ましく、1~3モル%であることがさらに好ましい。ビニル基の含有量が前記下限値以上であれば、シリコーンエラストマー樹脂の架橋密度を調整しやすくなり、所望の圧縮永久歪みを有するシリコーンエラストマー樹脂を得やすい。一方、前記上限値以下であれば、シリコーンエラストマー樹脂が過度に架橋されることがない。
また、シリコーンエラストマー樹脂は、架橋点を調整するという観点から、ビニル基を含有しないシリコーンエラストマー樹脂を含有してもよく、ビニル基を含有するシリコーンエラストマー樹脂と、ビニル基を含有しないシリコーンエラストマー樹脂を併用してもよい。
シリコーンエラストマー樹脂は、ミラブル型であることが好ましい。ミラブル型のシリコーンエラストマー樹脂は、未架橋状態において、室温(25℃)で自己流動性がない非液状(例えば、固体状又はペースト状)であるが、混練機などにおいては他の成分と混合することができ、添加剤などを添加する場合でも均一に混合させることができる。また、シリコーンエラストマー樹脂は、ミラブル型であることで生産性が良好となる。
また、シリコーン層において、シリコーンエラストマー樹脂は架橋されていることが好ましい。シリコーンエラストマーは、架橋されることで、クッション性などが付与されやすく、また、圧縮永久歪みなどが向上して、プレス成形の離型材、緩衝材などとして好適に使用できる。また、シリコーン層は、後述する通り、放射線により架橋された放射線架橋体であることがより好ましい。
本発明のシリコーン層は金属酸化物を有していてもよい。金属酸化物を含有することで、耐熱性が向上する。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化鉄、酸化セシウム等が挙げられる。
また、本発明のシリコーン層はカーボンブラックを含有することも好ましい。カーボンブラックを含有することで、耐熱性が向上する。
さらに、シリコーン層にはフュームドシリカ、沈殿シリカ、ケイソウ土、石英粉等の補強性充填材、各種加工助剤、難燃性付与剤等の添加剤を含有させることもできる。
<基材フィルム付きプレス緩衝用積層体>
本発明のプレス緩衝用積層体は、少なくとも片面に基材フィルムを備える基材フィルム付きプレス緩衝用積層体であってもよい。基材フィルムを有することで、しわや折れ曲がりが生じ難くなる。
基材フィルムとしては、特に限定されないが、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム等の樹脂フィルムが好ましく、これらのうち、機械的強度、取り扱い性、汎用性等の点から、ポリエステルフィルムが好ましい。ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましく、結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。なかでも、耐熱性、フィルムのこし、平滑性、商業的入手のしやすさ等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)であることが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
また、基材フィルムには、本発明の趣旨を超えない範囲で、充填材、各種添加剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、着色剤、滑剤、難燃剤等を適宜配合してもよい。
基材フィルムの厚みは、用途により適宜選択すればよいが、ゴム層によって付与されるクッション性などを損なわずに所望の耐熱性、寸法安定性を積層体に付与する観点から、150μm以下であることが好ましく、130μm以下であることがより好ましく、110μm以下であることがさらに好ましい。また、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましく、15μm以上であることが特に好ましい。
また、本発明の積層体において、ゴム層:基材フィルムの厚み比は、99:1~20:80であることが好ましい。ここで、ゴム層の厚みは、複数あるゴム層の全厚みである。
積層体は、厚み比が上記範囲内であることで、耐熱性が良好になりつつ、適度な弾性が得られて離型材、緩衝材として好適に使用できるようになる。以上の観点から、ゴム層:基材フィルムの厚み比は、95:5~30:70であることがより好ましく、90:10~40:60であることがさらに好ましく、85:15~50:50であることが特に好ましい。
なお、基材フィルムは、本発明のプレス緩衝用積層体の少なくとも片面に備えられることが好ましく、基材フィルムは、本積層体の片面に備えられていてもよく、両面に備えられていてもよい。
基材フィルムが片面に設けられる場合の層構成としては、基材フィルム/(A)層/(B)層の順番である構成、基材フィルム/(B)層/(A)層の順番である構成が挙げられる。これらのうち、プレスした際の圧力均一性の観点から、基材フィルム/(A)層/(B)層の構成がより好ましい。
<離型フィルム付きプレス緩衝用積層体>
本フィルムは、離型フィルムが付され、離型フィルム付きプレス緩衝用積層体として使用されてもよい。離型フィルム付きプレス緩衝用積層体は、上記した本積層体または基材フィルム付きプレス緩衝用積層体と、その片面に設けられた離型フィルムとを備える。
また、離型フィルム付きプレス緩衝用積層体においては、本フィルムの両面に離型フィルムが設けられることが好ましい。
離型フィルムとしては、樹脂フィルムであってもよいし、樹脂フィルムの少なくとも片面が離型処理された離型層を有するフィルムであってもよい。離型フィルムが離型層を有する場合には、離型層が本積層体に接触するように本積層体に積層されるとよい。
離型フィルムに使用される樹脂としては、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂などが例示できる。これらの中では、ポリエステル系樹脂が好ましく、中でもポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましい。
離型フィルムの厚さは、特に制限はないが、好ましく5μm以上150μm以下、より好ましくは7μm以上120μm以下、さらに好ましくは10μm以上100μm以下、特に好ましくは10μm以上80μm以下である。
本積層体は、離型フィルムが付されることで、離型フィルムによって保護される。したがって、輸送するときなどに本フィルムに傷が付いたりすることを防止する。なお、離型フィルムは、本積層体を製造する際に積層される離型フィルムをそのまま使用してもよいし、製造された本積層体に対して別途積層してもよい。
また本フィルムは、後述する通りに例えばラミネート法、共押出法などにより成形される。一方、離型フィルムをプレス緩衝用として使用する時には、本積層体から剥がしたうえで、金型などの型にセットするとよい。その際に、本積層体は離型フィルムから破れることなく剥離することができる。
<本積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は特に限定されず、ゴム層を複数備えていればよく、各ゴム層を形成しておき、ラミネート法によって積層体を得てもよいし、共押出によって、複数のゴム層を積層して積層体を得てもよい。共押出法においては、フィードブロック方式又はマルチマニホールド方式等により複数のゴム層を同時に混練、共押出して積層するとよい。
積層された複数のゴム層は、ゴム層を未架橋のまま積層し、積層体とした後に架橋することが好ましい。架橋する方法としては、ゴム層形成用の組成物中に架橋剤等を予め添加しておき、熱や紫外線等の光、空気中の水分等により架橋する方法、放射線照射により架橋する方法等が挙げられる。本積層体においては、放射線照射によって架橋することが好ましい。放射線照射による架橋は、架橋剤の残渣等による耐熱性などを損なう懸念がなく、また、加熱による架橋のように架橋時に皴などが発生したりすることもない。
放射線の照射線量は、樹脂種や架橋基の量、そして線源の種類により、適宜選択して決定することができる。
基材フィルム付きプレス緩衝用積層体においても、上記と同様の方法で製造することができる。具体的には、基材フィルムとゴム層は、共押出法、ラミネート法等により積層することができる。ラミネート法としては、基材フィルムとゴム層の作製をそれぞれ別々に行い、基材フィルムとゴム層とを得た後、それらをラミネートして積層する方法が挙げられる。また、予め作製した基材フィルム上に、ゴム層を形成しつつラミネートしてもよい。
また、未架橋状態のゴム層に対しては、ゴム層を架橋するとよいが、架橋は、ゴム層と基材フィルムとを積層した後に行うことが好ましい。ゴム層と基材フィルムとを積層した後に、ゴム層を架橋すると、基材フィルムをゴム層に対して、高い接着強度で積層一体化することができる。
なかでも、ゴム層は、放射線照射によって架橋することが好ましい。放射線照射による架橋は、架橋剤の残渣等による耐熱性などを損なう懸念がなく、また、加熱による架橋のように架橋時に皴などが発生したりすることもないため好ましい。また、ゴム層と基材フィルムとの密着性を確保するためにも好ましい。
<プレス方法>
本発明のプレス緩衝用積層体は、プレス成形の緩衝材として用いられる。緩衝材は被プレス材に作用される圧力を均等に分散させる機能を有する。本発明のプレス成形において、本積層体は、被プレス材をプレス板によりプレスする際に、被プレス材と金属プレス板の間に配置される。この際、基材フィルム付きプレス緩衝用積層体を用いる場合には、基材フィルム側が金属プレス板側に配置され、ゴム層側が被プレス材側に配置されるとよい。
また、本発明の積層体は複数のゴム層を有するが、複数のゴム層のうち、最大のタイプAデュロメータ硬さを有する(B)層が被プレス材に接するように配置されることが好ましい。基材フィルムを有さない本積層体を用いる場合も同様である。
[用途]
本発明のプレス緩衝用積層体は、プレス成形の緩衝材として用いられる。また、本発明のプレス緩衝用積層体は被プレス材の保護フィルムとしての機能も有し、また離型材としての機能を兼ね備えることもできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<評価方法> CAE(Computer Aided Engineering)解析
各実施例及び比較例で得られたサンプル(積層体)について、CAE解析を実施した。CAE解析に用いたモデルを図1に示す。図1では、2層の異なるタイプAデュロメータ硬さを有するゴム層を積層した基材フィルム付き積層体を例として説明する。なお、ゴム層としてシリコーン層を例とし、シリコーン層としてシリコーンシートと表現する場合がある。
該積層体は、基材フィルムと接してタイプAデュロメータ硬さの小さいシリコーンシート1が積層されており、該シリコーンシート1と接して、タイプAデュロメータ硬さの大きいシリコーンシート2が積層されている。シリコーンシート2は被プレス材に接しており、基材フィルムはプレス(金属)と接するように配される。プレス側および側面から1MPaの圧力をかけて、計算を行った。なお、実施例1では、上記構成により、測定を行ったが、その他の各実施例、比較例では表2に記載されるように、各層の配置を変更して、CAE解析を行った。
また、計算を実施した部分は、図2に示すように、積層体の端部の20mm部分である。
計算によって、応力の集中度合いを判定することができ、被プレス材との接触部分の圧力均一性、プレス板との接触部分の圧力均一性について、評価を行った。
なお、計算に用いたプログラムはANSYS(ANSYS Inc.)であり、入力したパラメーターは材料のヤング率、ポアソン比、体積弾性率、せん断弾性率である。
評価基準は以下の通りである。
(A)被プレス材との接触部分の圧力均一性
被プレス材は、剛性が異なる箇所が存在する場合があり、例えば、図3に示すように硬い箇所と柔らかい箇所が存在することがある。そして、剛性が変化することでプレス時の圧力不均一性が生じる。図3に示す模式図では、硬度が高い領域と硬度の低い領域があり、被プレス材における硬度の低い領域(図3の破線で囲まれた部分)において、接触圧力に分布が生じやすい。この接触圧力の分布が均一に近いほど圧直均一性が高いと判定することができる。本実施例における評価では、図3に示すように、被プレス材の中で周囲よりも硬度が低い領域にかかる接触圧力の最大値と最小値の差により、被プレス材との接触部分の圧力均一性を評価した。
具体的には、比較例1における接触圧力の最大値と最小値の差を基準として、これよりも小さい場合を〇(good)、同等の場合を△(fair)、大きい場合を×(bad)とした。
(B)プレス板との接触部分の圧力均一性
上述のように、被プレス材は、剛性が異なる箇所が存在する場合があり、それぞれの箇所においてプレスする接触圧力も変化する。図4に示す模式図では、被プレス材における硬度の低い領域(図4の破線で囲まれた部分)において、シリコーン層の上部にかかる接触圧力に分布が生じやすい。この接触圧力の分布が均一に近いほど圧力均一性が高いと判定することができる。本実施例における評価では、図4に示すように、被プレス材の中で周囲よりも硬度が低い領域にかかるシリコーン層の上部にかかる接触圧力の最大値と最小値の差により、プレス板との接触部分の圧力均一性を評価した。
具体的には、比較例1における接触圧力の最大値と最小値の差を基準として、これよりも小さい場合を〇(good)、同等の場合を△(fair)、大きい場合を×(bad)とした。
実施例1
基材フィルムとしてPETフィルム(厚み:100μm)を用いた。シリコーンシート1とシリコーンシート2の厚みはそれぞれ300μmとした。したがって、シリコーンシート1とシリコーンシート2の厚み比は50:50である。このような構成のプレス緩衝用積層体を用いて、上記方法にて評価した結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、シリコーンシート1の厚みを180μmとし、シリコーンシート2の厚みを420μmとして、シリコーンシート1とシリコーンシート2の厚み比を30:70としたこと以外は実施例1と同様のプレス緩衝用積層体を得、これを用いて、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例3
シリコーン樹脂層として、タイプAデュロメータ硬さ30、及びタイプAデュロメータ硬さ80のシリコーンシート1/シリコーンシート2からなる積層体を用いた。なお、シリコーンシート1の厚みを180μmとし、シリコーンシート2の厚みを420μmとして、シリコーンシート1とシリコーンシート2の厚み比を30:70とした。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例4
実施例3において、シリコーンシート1として、タイプAデュロメータ硬さ80のシリコーンエラストマー樹脂を用い、シリコーンシート2として、タイプAデュロメータ硬さ30のシリコーンエラストマー樹脂を用いたこと以外は実施例3と同様にして得た、積層フィルムを用いた。実施例3と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、シリコーンシート1として、タイプAデュロメータ硬さ80のシリコーンエラストマー樹脂を用い、シリコーンシート2として、タイプAデュロメータ硬さ30のシリコーンエラストマー樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして得た、積層フィルムを用いた。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、シリコーンシート1の厚みとシリコーンシート2の厚みをそれぞれ420μm、180μmとし、厚み比を70:30としたこと以外は実施例1と同様にして得た、積層フィルムを用いた。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、シリコーンシート1としてタイプAデュロメータ硬さ10のシリコーンエラストマー樹脂を用い、シリコーンシート2としてタイプAデュロメータ硬さ90のシリコーンエラストマー樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た、積層フィルムを用いた。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例8
実施例1において、シリコーンシート2としてタイプAデュロメータ硬さ70のシリコーンエラストマー樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして得た、積層フィルムを用いた。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例9
実施例1において、シリコーンシート1として、シリコーンエラストマー樹脂(タイプAデュロメータ硬さ20)及びシリコーンシート2として、シリコーンエラストマー樹脂(タイプAデュロメータ硬さ55)を使用し、シリコーンシート1上にシリコーンシート2を積層した。次いで、シリコーンシート3として、シリコーンエラストマー樹脂(タイプAデュロメータ硬さ80)を使用し、シリコーンシート2上にシリコーンシート3を積層して、積層フィルムを得た。なお、シリコーンシート1、シリコーンシート2及びシリコーンシート3の厚みは、それぞれ180μm、180μm、240μmとし、厚み比を30:30:40とした。上記方法にて評価した結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、PETフィルム上にシリコーンシート1としてタイプAデュロメータ硬さ55のシリコーンエラストマー樹脂を用い、シリコーンシート2を設けないこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、シリコーンシート1として、タイプAデュロメータ硬さ55のシリコーンエラストマー樹脂を用い、シリコーンシート2として、同じくタイプAデュロメータ硬さ55のシリコーンエラストマー樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1~9の積層体は、CAE解析によって、圧力均一性について、良好な結果を示すことがわかった。すなわち、単層のシリコーンシートを用いた積層フィルム(比較例1)と比較して、被プレス材との接触部分の圧力均一性、プレス板との接触部分の圧力均一性に優れることが実証された。
また、実施例1と5との比較から、被プレス材側のシリコーンシート2としてタイプAデュロメータ硬さの高いシリコーンシートを用いた場合に、より高い効果を示すことがわかった。すなわち、被プレス材に接するゴム層のタイプAデュロメータ硬さが相対的に高い構成とする方が、より効果が高いことが明らかとなった。
一方、比較例2のフィルムは、シリコーンシート1とシリコーンシート2の硬度差がないために、圧力均一性が実施例に比較して劣る結果となった。
1 金属プレス板
2 基材フィルム
3 シリコーンシート1
4 シリコーンシート2
5 被プレス材
6 剛な台
11 金属プレス板
12 基材フィルム
13 シリコーンシート1及び2
14 被プレス材

Claims (12)

  1. ゴム層を複数備え、該ゴム層のうち少なくとも2層のタイプAデュロメータ硬さが異なる、プレス緩衝用積層体。
  2. 前記ゴム層のタイプAデュロメータ硬さは10以上90以下である、請求項1に記載のプレス緩衝用積層体。
  3. 前記ゴム層のうち、最小のタイプAデュロメータ硬さを有する(A)層と最大のタイプAデュロメータ硬さを有する(B)層とのタイプAデュロメータ硬さの差が20以上である、請求項1に記載のプレス緩衝用積層体。
  4. 前記ゴム層はシリコーン層である、請求項1に記載のプレス緩衝用積層体。
  5. 前記ゴム層が架橋構造を有する、請求項1に記載のプレス緩衝用積層体。
  6. 接着層を有しない、請求項1に記載のプレス緩衝用積層体。
  7. (A)層:(B)層の厚み比が、99:1~20:80である、請求項3に記載のプレス緩衝用積層体。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のプレス緩衝用積層体の少なくとも片面に基材フィルムを備える、基材フィルム付きプレス緩衝用積層体。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載のプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法。
  10. 請求項8に記載の基材フィルム付きプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法。
  11. 請求項1に記載のプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法であって、最大のタイプAデュロメータ硬さを有する(B)層を被プレス材に接するように配置してプレスすることを特徴とする、プレス方法。
  12. 請求項1に記載のプレス緩衝用積層体の少なくとも片面に基材フィルムを備える基材フィルム付きプレス緩衝用積層体を用いたプレス方法であって、最大のタイプAデュロメータ硬さを有する(B)層を被プレス材に接するように配置してプレスすることを特徴とするプレス方法。
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