JP2024028479A - 容器用蓋材および包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
特にカップは、食器としての機能も持ち合わせているため、多くの食品用容器に利用されている。カップよりなる食品用容器の場合、内容物を充填した後に、同容器の開口縁部に蓋材を熱封緘することによって封止を行う。蓋材の最内層を構成する熱封緘層には、シール部からの内容物の漏出の発生を防止するため、比較的シール性の高い熱接着性樹脂が用いられている。
このような熱接着性樹脂としては、価格や取扱容易性からホットメルト接着剤が多く用いられており、ホットメルト接着剤について種々の提案がなされている。
例えば下記の特許文献1には、230℃、21.18Nにおけるメルトフローレートが1~50g/10分の範囲のオレフィン系ポリマー(A):5~45質量%、融点が70℃以上、150℃以下、25℃で100gの荷重を5秒間かけたときの針進入度が0.2~9であるワックス(B):5~30質量%、および融点が40℃以上、70℃未満、100℃におけるセイボルトユニバーサル粘度が0.5~8秒であるワックス(C):35~75質量%を含み(但し、前記(A)~(C)の合計を100質量%とする)、前記ワックス(B)の融点と前記ワックス(C)の融点との差が20℃以上であり、前記ワックス(B)と前記ワックス(C)との合計が55~95質量%である、熱溶融性組成物が開示されている。
このような場合、密閉された包装体の内部において、温度変化あるいは発酵食品からのガスの発生によって内圧が変化し、それによってシール後退、すなわちシール部の剥離が進行し、ひいては内容物が漏出することがあった。
しかしながら、従来の容器用蓋材の場合、包装体の内圧の変化によるシール後退を確実に防止することが困難であった。
アルミニウム箔層と、前記容器用蓋材の最内層となされるホットメルト樹脂層を含む2以上の樹脂層によって構成された熱封緘層とを備えている積層体からなり、
前記ホットメルト樹脂層が、エチレン酢酸ビニル共重合体:10~30質量%、融点が55~115℃であるワックス:25~55質量%、軟化点が120~160℃である粘着付与剤:15~30質量%を含有している、容器用蓋材。
また、前記粘着付与剤の軟化点は、JIS K6863(1994)の規定に準拠して測定したものをいう。
図示の積層体(30)は、アルミニウム箔層(31)と、熱封緘層(32)と、アルミニウム箔層(31)と熱封緘層(32)との間に介在されている強化樹脂層(33)と、アルミニウム箔層(31)における熱封緘層(32)と反対側の面に積層されている保護樹脂層(34)とを備えている。
アルミニウム箔層(31)を構成するアルミニウム箔としては、加工性や汎用性を考慮して、JIS H4160(2006)に規定されたA1N30、A8021、A8079等の軟質材(O材)が好適に用いられる。
アルミニウム箔層(31)の厚みは、成形性やピンホール発生率等を考慮すると、5~40μm程度となされるのが好ましい。
アルミニウム箔層(31)の両面には、化成処理皮膜よりなる下地層(図示略)が形成されているのが好ましい。このような下地層があれば、アルミニウム箔層(31)と強化樹脂層(33)および保護樹脂層(34)との接着性が向上し、また、アルミニウム箔層(31)の耐食性が向上する。
具体的には、例えば、脱脂処理を行ったアルミニウム箔層(31)の表面に、
1)リン酸と、
クロム酸と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
上記1)~3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施して、皮膜を形成する。
前記化成処理によりアルミニウム箔層(31)の表面に形成される皮膜、すなわち、下地層は、クロム付着量(片面当たり)を0.1mg/m2~50mg/m2とするのが好ましく、特に、2mg/m2~20mg/m2とするのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の単独重合体、エチレンとプロピレン、1-ブテン等のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。
ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、モンタンワックス、エチレンワックス、プロピレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレン共重合物にスチレンがグラフトした変性ワックスなどが挙げられる。
粘着付与剤(タッキファイヤー)としては、ロジン、不均化ロジンなどのロジン類、ロジン類とグリコール、グリセリンおよびペンタエリスリトールなどの多価アルコールとのエステル、テルペン、スチレンなどを構成モノマーとする炭化水素樹脂などが挙げられる。
また、ホットメルト樹脂層(321)は、融点が70~85℃であるのが好ましく、それによって、例えば熱封緘の直後に容器の変形等により包装体(1)の内圧が上昇した場合でも、シール後退が発生し難くなる。
ホットメルト樹脂層(321)は、例えば、グラビアロールを用いて調合した上記組成のホットメルト樹脂を、好ましくは12~16g/m2の目付量で接着介在層(322)の表面に塗工した後、乾燥硬化させることによって形成される。
接着介在層(322)の厚みは、ホットメルト樹脂層(321)の層厚を均一化するため、10~40μmであるのが好ましい。
強化樹脂層(33)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル樹脂よりなる単層または複数層のフィルムによって構成され、アルミニウム箔層(31)の表面にウレタン樹脂系接着剤等よりなる接着剤層(図示略)を介してドライラミネートされる。
強化樹脂層(33)の厚みは、強度とスカート部(3b)の形状を維持するためのデッドホールド性を考慮し、5~20μmであるのが好ましい。
保護樹脂層(34)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル樹脂フィルム、6ナイロン(PA6)、6,6ナイロン(PA66)等のポリアミド樹脂フィルム、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)等の延伸ポリオレフィン樹脂フィルム等よりなる単層または複数層のフィルムや硝化綿、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる塗工膜であることが好ましい。
保護樹脂層(34)の厚みは、デッドホールド性とアルミニウム箔層(31)の耐腐食性を考慮し、2~25μmであるのが好ましい。
また、図示は省略したが、保護樹脂層(34)とアルミニウム箔層(31)との間に、印刷層が全面的または部分的に介在されていてもよい。
容器用蓋材(3)は、容器(2)の上方開口を被覆しうる形状および大きさを有する平坦な頂壁部(3a)と、頂壁部(3a)の周縁部分から下方にのびているスカート部(3b)とを備えている。
図示の容器用蓋材(3)では、頂壁部(3a)が円板状となされている。スカート部(3b)は、容器(2)の開口縁部(21)の外側面を覆うように垂下状に設けられている。
この容器用蓋材(3)は、上記積層体(30)を所定の形状および大きさにカットするとともに、プレス成形することによって形成することができる。スカート部(3b)には、縦方向にのびる多数のひだ(3c)が周方向に間隔をおいて形成されている。
容器(2)は、上方に開口したカップ状のものであって、例えば、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂成形品よりなる。なお、容器(2)の形状や材質は、上記に限定されるものではない。
包装体(1)は、内容物(C)が充填された容器(2)の開口縁部(21)に、容器用蓋材(3)が熱封緘されることにより形成されている。
より具体的に言うと、容器用蓋材(3)における頂壁部(3a)の周縁部分のホットメルト樹脂層(321)が、容器(2)の開口縁部(21)の上面に熱封緘されているとともに、容器用蓋材(3)におけるスカート部(3b)の上端側部分のホットメルト樹脂層(321)が、容器(2)の開口縁部(21)の外側面に熱封緘されている。
熱封緘の方法としては、容器用蓋材(3)のホットメルト樹脂層(321)および容器(2)の開口縁部(21)を熱板等によって熱溶着するものの他、超音波溶着や高周波溶着であってもよい。
JIS H4160(2006)に規定されたA1N30-Oよりなる厚さ25μmのアルミニウム箔の片面に、強化樹脂層として厚さ9μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)を、ウレタン樹脂接着剤(層厚2μm)を介してドライラミネートした。
次いで、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)の表面に、接着介在層としてポリエチレン樹脂(PE)を層厚20μmとなるように押出機によって熱ラミネートした。
そして、以下の表1の実施例1~4および比較例1~8の欄に示すようなポリオレフィン樹脂の量(質量%)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の量(質量%)、ワックスの融点・量(質量%)、粘着付与剤の軟化点・量(質量%)、および融点を有しているホットメルト樹脂を用意し、各ホットメルト樹脂を、グラビアロールを用いて14g/m2の目付量でポリエチレン樹脂層(PE)の表面に塗工した。
最後に、上記アルミニウム箔の他面に、保護樹脂層としてニトロセルロース(硝化綿)を層厚5μmとなるように塗工した。
こうして、実施例1~4および比較例1~8の積層体を作製した。
また、ポリエチレン樹脂層(PE)を形成せず、それ以外は実施例4と同じ要領で積層体を作製し、これを比較例9とした。
密封状態の包装体における内圧の変化が容器と蓋材とのシール部分に及ぼす影響について検証するため、同シール部分に一定応力をかけた時に時間の経過とともに起こる変形を以下のクリープ試験によって確認した。
図4を参照して、まず、上記実施例1~4および比較例1~9の各積層体を、幅15mm×長さ50mmの短冊状にカットして蓋材側試験体(A)を作製した。
また、容器側試験体(B)として、厚さ1mmのポリスチレン樹脂シートを幅15mm×長さ50mmの短冊状にカットしたものを用意した。
そして、蓋材側試験体(A)と容器側試験体(B)とを、これらの一端部(A1)(B1)どうしが長さ10mmずつ重なるように直列状に配置して、両試験体(A)(B)の重なった一端部(A1)(B1)どうしを、熱板を用いて、シール温度140℃、シール圧力0.3MPa、シール時間1秒の条件で熱融着した。
次に、容器側試験体(B)の他端部をチャック(D)によって保持固定しておいてから、45℃の環境下で、蓋材側試験体(A)の他端部に45gfの荷重(P)をかけ、両試験体(A)(B)のシール部分(A1)(B1)が剥離するまでの時間を計測した。なお、最大計測時間を60分とした。
結果は、上記表1のクリープ試験結果の欄に示す通りであって、「◎」は60分剥離しなかったもの、「○」は50分以上60分未満剥離しなかったもの、「×」は50分未満で剥離したものを指している。
表1の結果から明らかなように、実施例1~4では剥離までの時間が十分に長くなっており、これはシール部の変形量が少ないことを示している。従って、実施例1~4の積層体よりなる蓋材を用いた包装体によれば、内圧の変化に対してもシール後退が生じ難く、ひいてはシール部からの内容物の漏出が生じ難いと考えられる。
(2):容器
(21):開口縁部
(3):容器用蓋材
(3a):頂壁部
(3b):スカート部
(30):積層体
(31):アルミニウム箔層
(32):熱封緘層
(321):ホットメルト樹脂層
(322):接着介在層
(33):強化樹脂層
(34):保護樹脂層
(C):内容物
特にカップは、食器としての機能も持ち合わせているため、多くの食品用容器に利用されている。カップよりなる食品用容器の場合、内容物を充填した後に、同容器の開口縁部に蓋材を熱封緘することによって封止を行う。蓋材の最内層を構成する熱封緘層には、シール部からの内容物の漏出の発生を防止するため、比較的シール性の高い熱接着性樹脂が用いられている。
このような熱接着性樹脂としては、価格や取扱容易性からホットメルト接着剤が多く用いられており、ホットメルト接着剤について種々の提案がなされている。
例えば下記の特許文献1には、230℃、21.18Nにおけるメルトフローレートが1~50g/10分の範囲のオレフィン系ポリマー(A):5~45質量%、融点が70℃以上、150℃以下、25℃で100gの荷重を5秒間かけたときの針進入度が0.2~9であるワックス(B):5~30質量%、および融点が40℃以上、70℃未満、100℃におけるセイボルトユニバーサル粘度が0.5~8秒であるワックス(C):35~75質量%を含み(但し、前記(A)~(C)の合計を100質量%とする)、前記ワックス(B)の融点と前記ワックス(C)の融点との差が20℃以上であり、前記ワックス(B)と前記ワックス(C)との合計が55~95質量%である、熱溶融性組成物が開示されている。
このような場合、密閉された包装体の内部において、温度変化あるいは発酵食品からのガスの発生によって内圧が変化し、それによってシール後退、すなわちシール部の剥離が進行し、ひいては内容物が漏出することがあった。
しかしながら、従来の容器用蓋材の場合、包装体の内圧の変化によるシール後退を確実に防止することが困難であった。
アルミニウム箔層と、前記容器用蓋材の最内層となされるホットメルト樹脂層を含む2以上の樹脂層によって構成された熱封緘層とを備えている積層体からなり、
前記ホットメルト樹脂層が、少なくとも一種のポリオレフィン樹脂5~50質量%、エチレン酢酸ビニル共重合体:10~30質量%、融点が55~115℃であるワックス:25~55質量%、軟化点が120~160℃である粘着付与剤:15~30質量%を含有しており、
前記ホットメルト樹脂層の融点が68~85℃である、容器用蓋材。
また、前記粘着付与剤の軟化点は、JIS K6863(1994)の規定に準拠して測定したものをいう。
また、前記1)の容器用蓋材によれば、ホットメルト樹脂層の融点が68~85℃であるため、シール温度が低温でもシール性がよく、さらに熱封緘の直後に容器の変形等により包装体の内圧が上昇した場合でも、シール後退が発生し難い。
図示の積層体(30)は、アルミニウム箔層(31)と、熱封緘層(32)と、アルミニウム箔層(31)と熱封緘層(32)との間に介在されている強化樹脂層(33)と、アルミニウム箔層(31)における熱封緘層(32)と反対側の面に積層されている保護樹脂層(34)とを備えている。
アルミニウム箔層(31)を構成するアルミニウム箔としては、加工性や汎用性を考慮して、JIS H4160(2006)に規定されたA1N30、A8021、A8079等の軟質材(O材)が好適に用いられる。
アルミニウム箔層(31)の厚みは、成形性やピンホール発生率等を考慮すると、5~40μm程度となされるのが好ましい。
アルミニウム箔層(31)の両面には、化成処理皮膜よりなる下地層(図示略)が形成されているのが好ましい。このような下地層があれば、アルミニウム箔層(31)と強化樹脂層(33)および保護樹脂層(34)との接着性が向上し、また、アルミニウム箔層(31)の耐食性が向上する。
具体的には、例えば、脱脂処理を行ったアルミニウム箔層(31)の表面に、
1)リン酸と、
クロム酸と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
2)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
3)リン酸と、
アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂およびフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、
クロム酸およびクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、
フッ化物の金属塩およびフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液
上記1)~3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施して、皮膜を形成する。
前記化成処理によりアルミニウム箔層(31)の表面に形成される皮膜、すなわち、下地層は、クロム付着量(片面当たり)を0.1mg/m2~50mg/m2とするのが好ましく、特に、2mg/m2~20mg/m2とするのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の単独重合体、エチレンとプロピレン、1-ブテン等のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。
ワックスとしては、例えばパラフィンワックス、モンタンワックス、エチレンワックス、プロピレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレン共重合物にスチレンがグラフトした変性ワックスなどが挙げられる。
粘着付与剤(タッキファイヤー)としては、ロジン、不均化ロジンなどのロジン類、ロジン類とグリコール、グリセリンおよびペンタエリスリトールなどの多価アルコールとのエステル、テルペン、スチレンなどを構成モノマーとする炭化水素樹脂などが挙げられる。
また、ホットメルト樹脂層(321)は、融点が70~85℃であるのが好ましく、それによって、例えば熱封緘の直後に容器の変形等により包装体(1)の内圧が上昇した場合でも、シール後退が発生し難くなる。
ホットメルト樹脂層(321)は、例えば、グラビアロールを用いて調合した上記組成のホットメルト樹脂を、好ましくは12~16g/m2の目付量で接着介在層(322)の表面に塗工した後、乾燥硬化させることによって形成される。
接着介在層(322)の厚みは、ホットメルト樹脂層(321)の層厚を均一化するため、10~40μmであるのが好ましい。
強化樹脂層(33)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル樹脂よりなる単層または複数層のフィルムによって構成され、アルミニウム箔層(31)の表面にウレタン樹脂系接着剤等よりなる接着剤層(図示略)を介してドライラミネートされる。
強化樹脂層(33)の厚みは、強度とスカート部(3b)の形状を維持するためのデッドホールド性を考慮し、5~20μmであるのが好ましい。
保護樹脂層(34)は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル樹脂フィルム、6ナイロン(PA6)、6,6ナイロン(PA66)等のポリアミド樹脂フィルム、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)等の延伸ポリオレフィン樹脂フィルム等よりなる単層または複数層のフィルムや硝化綿、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる塗工膜であることが好ましい。
保護樹脂層(34)の厚みは、デッドホールド性とアルミニウム箔層(31)の耐腐食性を考慮し、2~25μmであるのが好ましい。
また、図示は省略したが、保護樹脂層(34)とアルミニウム箔層(31)との間に、印刷層が全面的または部分的に介在されていてもよい。
容器用蓋材(3)は、容器(2)の上方開口を被覆しうる形状および大きさを有する平坦な頂壁部(3a)と、頂壁部(3a)の周縁部分から下方にのびているスカート部(3b)とを備えている。
図示の容器用蓋材(3)では、頂壁部(3a)が円板状となされている。スカート部(3b)は、容器(2)の開口縁部(21)の外側面を覆うように垂下状に設けられている。
この容器用蓋材(3)は、上記積層体(30)を所定の形状および大きさにカットするとともに、プレス成形することによって形成することができる。スカート部(3b)には、縦方向にのびる多数のひだ(3c)が周方向に間隔をおいて形成されている。
容器(2)は、上方に開口したカップ状のものであって、例えば、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂成形品よりなる。なお、容器(2)の形状や材質は、上記に限定されるものではない。
包装体(1)は、内容物(C)が充填された容器(2)の開口縁部(21)に、容器用蓋材(3)が熱封緘されることにより形成されている。
より具体的に言うと、容器用蓋材(3)における頂壁部(3a)の周縁部分のホットメルト樹脂層(321)が、容器(2)の開口縁部(21)の上面に熱封緘されているとともに、容器用蓋材(3)におけるスカート部(3b)の上端側部分のホットメルト樹脂層(321)が、容器(2)の開口縁部(21)の外側面に熱封緘されている。
熱封緘の方法としては、容器用蓋材(3)のホットメルト樹脂層(321)および容器(2)の開口縁部(21)を熱板等によって熱溶着するものの他、超音波溶着や高周波溶着であってもよい。
JIS H4160(2006)に規定されたA1N30-Oよりなる厚さ25μmのアルミニウム箔の片面に、強化樹脂層として厚さ9μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)を、ウレタン樹脂接着剤(層厚2μm)を介してドライラミネートした。
次いで、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)の表面に、接着介在層としてポリエチレン樹脂(PE)を層厚20μmとなるように押出機によって熱ラミネートした。
そして、以下の表1の実施例1~4および比較例1~8の欄に示すようなポリオレフィン樹脂の量(質量%)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の量(質量%)、ワックスの融点・量(質量%)、粘着付与剤の軟化点・量(質量%)、および融点を有しているホットメルト樹脂を用意し、各ホットメルト樹脂を、グラビアロールを用いて14g/m2の目付量でポリエチレン樹脂層(PE)の表面に塗工した。
最後に、上記アルミニウム箔の他面に、保護樹脂層としてニトロセルロース(硝化綿)を層厚5μmとなるように塗工した。
こうして、実施例1~4および比較例1~8の積層体を作製した。
また、ポリエチレン樹脂層(PE)を形成せず、それ以外は実施例4と同じ要領で積層体を作製し、これを比較例9とした。
密封状態の包装体における内圧の変化が容器と蓋材とのシール部分に及ぼす影響について検証するため、同シール部分に一定応力をかけた時に時間の経過とともに起こる変形を以下のクリープ試験によって確認した。
図4を参照して、まず、上記実施例1~4および比較例1~9の各積層体を、幅15mm×長さ50mmの短冊状にカットして蓋材側試験体(A)を作製した。
また、容器側試験体(B)として、厚さ1mmのポリスチレン樹脂シートを幅15mm×長さ50mmの短冊状にカットしたものを用意した。
そして、蓋材側試験体(A)と容器側試験体(B)とを、これらの一端部(A1)(B1)どうしが長さ10mmずつ重なるように直列状に配置して、両試験体(A)(B)の重なった一端部(A1)(B1)どうしを、熱板を用いて、シール温度140℃、シール圧力0.3MPa、シール時間1秒の条件で熱融着した。
次に、容器側試験体(B)の他端部をチャック(D)によって保持固定しておいてから、45℃の環境下で、蓋材側試験体(A)の他端部に45gfの荷重(P)をかけ、両試験体(A)(B)のシール部分(A1)(B1)が剥離するまでの時間を計測した。なお、最大計測時間を60分とした。
結果は、上記表1のクリープ試験結果の欄に示す通りであって、「◎」は60分剥離しなかったもの、「○」は50分以上60分未満剥離しなかったもの、「×」は50分未満で剥離したものを指している。
表1の結果から明らかなように、実施例1~4では剥離までの時間が十分に長くなっており、これはシール部の変形量が少ないことを示している。従って、実施例1~4の積層体よりなる蓋材を用いた包装体によれば、内圧の変化に対してもシール後退が生じ難く、ひいてはシール部からの内容物の漏出が生じ難いと考えられる。
(2):容器
(21):開口縁部
(3):容器用蓋材
(3a):頂壁部
(3b):スカート部
(30):積層体
(31):アルミニウム箔層
(32):熱封緘層
(321):ホットメルト樹脂層
(322):接着介在層
(33):強化樹脂層
(34):保護樹脂層
(C):内容物
Claims (1)
- 内容物が充填された容器の開口を覆うように前記容器の開口縁部に熱封緘される容器用蓋材であって、
アルミニウム箔層と、前記容器用蓋材の最内層となされるホットメルト樹脂層を含む2以上の樹脂層によって構成された熱封緘層とを備えている積層体からなり、
前記ホットメルト樹脂層が、エチレン酢酸ビニル共重合体:10~30質量%、融点が55~115℃であるワックス:25~55質量%、軟化点が120~160℃である粘着付与剤:15~30質量%を含有している、容器用蓋材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2024003722A JP7696026B2 (ja) | 2018-12-25 | 2024-01-15 | 容器用蓋材および包装体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018240977A JP7421860B2 (ja) | 2018-12-25 | 2018-12-25 | 容器用蓋材および包装体 |
JP2024003722A JP7696026B2 (ja) | 2018-12-25 | 2024-01-15 | 容器用蓋材および包装体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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