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JP2024028063A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2024028063A
JP2024028063A JP2022131411A JP2022131411A JP2024028063A JP 2024028063 A JP2024028063 A JP 2024028063A JP 2022131411 A JP2022131411 A JP 2022131411A JP 2022131411 A JP2022131411 A JP 2022131411A JP 2024028063 A JP2024028063 A JP 2024028063A
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Abstract

【課題】装置構成の簡易化や低コスト化を図りながら、プレ帯電部材に不純物が徐々に蓄積しても長期に渡り良好なプレ帯電性能を維持して良好なクリーニング性能を維持する。【解決手段】画像形成装置は、像担持体1と、中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7上のトナーを回収する回転ブラシ22と、回転ブラシ22に電圧を印加する第1の電源28と、回転ブラシ22と中間転写ベルト7との接触部よりも上流側で中間転写ベルト7上のトナーを帯電させる固定ブラシ21と、固定ブラシ21に電圧を印加する第2の電源27と、第1の電源28及び第2の電源27を制御する制御部15と、を有し、制御部15は、画像形成時に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性側の直流電圧を回転ブラシ22に印加すると共に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を固定ブラシ21に印加するように制御する構成とする。【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいはこれらの機能のうち複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式等を用いた画像形成装置では、感光体や中間転写体といった像担持体に形成されたトナー像が記録材に転写される。トナー像の転写後に像担持体上に残留したトナー等の付着物は、クリーニング装置によってクリーニングされる。
像担持体をクリーニングするクリーニング装置として、回転ブラシ(ブラシローラ)等のブラシ部材を使用した静電クリーニング装置がある。このような静電クリーニング装置は、特に、弾性層を持つ弾性ベルトで構成された中間転写体(中間転写ベルト)のクリーニングのために有効である。
特許文献1では、ブラシ部材で構成された回収部材と、中間転写体の移動方向において回収部材より上流側に配置されたブラシ部材で構成されたプレ帯電部材と、を有する清掃装置が開示されている。この清掃装置では、回収部材が中間転写体上のトナーの正規の帯電極性とは逆極性側となる電界を形成し、プレ帯電部材が中間転写体上のトナーの正規の帯電極性と同極性側となる電界を形成する。そして、プレ帯電部材にて、中間転写体上のトナーを正規の帯電極性にプレ帯電させ、回収部材にて、プレ帯電されたトナーを回収する。
このタイプのクリーニング装置では、中間転写体上のトナーのクリーニング時には、中間転写体上のトナーは、プレ帯電部材からの電荷注入により正規の帯電極性に揃えられる(プレ帯電)。プレ帯電部材によりプレ帯電されたトナー(プレ帯電トナー)は、プレ帯電部材の極性とは反発するため、プレ帯電部材に溜まることなく、中間転写体上へ移動して回収部材へと搬送される。そして、このプレ帯電トナーは、回収部材により形成されるトナーの正規の帯電極性とは逆極性側のクリーニング電界により、回収部材に回収される。
クリーニング装置に用いられるブラシ部材としては、回転可能な回転ブラシ(ブラシローラ)と、固定配置される固定ブラシ(デッキブラシ状部材)と、がある。回転ブラシは中間転写体上のトナーを散らしたり、掻き取ったりする能力が高い。しかし、回転ブラシは、回転ブラシを回転させる機構や回転ブラシからトナーを掻き取る機構等が必要となるため、装置構成の簡易化や低コスト化には不利である。これに対して、固定ブラシは、回転ブラシと比較して装置構成の簡易化や低コスト化に有利である。そのため、プレ帯電部材として構成の簡易化や低コスト化に有利な固定ブラシを用い、回収部材としてクリーニング能力の高い回転ブラシを用いた構成が好ましい。
特開2006-208761号公報
しかしながら、プレ帯電部材として構成の簡易化や低コスト化に有利な固定ブラシを用いた場合、以下のような課題があった。即ち、プレ帯電部材が固定ブラシの場合、中間転写体上に存在する正規帯電し難いトナー(正規の帯電極性とは逆極性側に帯電したトナー)、トナーの外添剤(トナー流動化剤等)、記録材粉(紙である場合の紙粉等)、記録材の填料(紙である場合のタルク等)、等の正規帯電トナー以外の「不純物」が、プレ帯電部材に次第に溜まって蓄積され易い。そのため、長期に渡る画像形成において、プレ帯電部材によるプレ帯電性能が次第に低下して、中間転写体上のトナーを正規の帯電極性に帯電させることが困難となることがある。そして、回収部材によるトナー回収性能が低下して、その結果、中間転写体上の未回収トナーが増加して、クリーニング装置をトナーが摺り抜けてしまうクリーニング不良、即ち、画像不良が発生してしまうことがある。
特許文献1では、非画像形成時に、プレ帯電部材清掃モードを実行することが提案されている。このプレ帯電部材清掃モードにおいては、次のような動作が実施される。つまり、回収部材が中間転写体上のトナーの正規の帯電極性と同極性側となり、プレ帯電部材が中間転写体上のトナーの正規の帯電極性とは逆極性側となる、通常の画像形成時のクリーニング電界とは逆電界の形成である。あるいは、プレ帯電部材への交番電界の印加である。このプレ帯電部材清掃モードにおいては、これら逆電界の形成及び交番電界の印加のうち少なくとも一方が実施される。
しかしながら、非画像形成時のプレ帯電清掃モードにおいて、プレ帯電部材が清掃されるが、プレ帯電部材から全ての不純物を取り除いて清掃することは難しい。このため、プレ帯電部材に残留する不純物によって、プレ帯電部材によるプレ帯電性能が徐々に低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、装置構成の簡易化や低コスト化を図りながら、プレ帯電部材に不純物が徐々に蓄積しても長期に渡り良好なプレ帯電性能を維持して良好なクリーニング性能を維持することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、1次転写部で前記像担持体から転写されたトナー像を2次転写部で記録材に転写するために搬送する周回移動可能な中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの表面の移動方向において前記2次転写部よりも下流側かつ前記1次転写部よりも上流側で前記中間転写ベルトの表面に接触して回転し、前記中間転写ベルト上のトナーを回収する回転ブラシと、前記回転ブラシに電圧を印加する第1の電源と、前記中間転写ベルトの表面の移動方向において前記回転ブラシと前記中間転写ベルトとの接触部よりも上流側かつ前記2次転写部よりも下流側で前記中間転写ベルトの表面に接触して固定配置され、前記中間転写ベルト上のトナーを帯電させる固定ブラシと、前記固定ブラシに電圧を印加する第2の電源と、前記第1の電源及び前記第2の電源を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写する画像形成時に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性側の直流電圧を前記回転ブラシに印加すると共に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を前記固定ブラシに印加するように制御することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、装置構成の簡易化や低コスト化を図りながら、プレ帯電部材に不純物が徐々に蓄積しても長期に渡り良好なプレ帯電性能を維持して良好なクリーニング性能を維持することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 画像形成装置の電気的な構成の概略を示すブロック図である。 ベルトクリーニング装置の基本構成を説明するための模式図である。 実施例のベルトクリーニング装置の構成を説明するための模式図である。 実施例3のプレ帯電ブラシクリーニングモード1~3の設定値を示す表である。 実施例3のプレ帯電ブラシクリーニングモード3の設定時のベルトクリーニング装置を示す模式図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、タンデム型のフルカラー複合機である。但し、本発明は、タンデム型の画像形成装置に限定されず、他の方式の画像形成装置にも適用できるものである。
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成部を備えた装置本体96と、排出部97と、制御部15と、画像読取部98と、UI(ユーザーインターフェース)としての操作部99と、を備えている。
画像形成装置100は、画像読取部98、あるいはパーソナルコンピュータ等のホスト機器やデジタルカメラやスマートフォン等の外部機器からの画像信号に応じて、4色フルカラー画像を、記録材P上に形成することができる。なお、記録材(記録媒体、転写材、シート、用紙)Pは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、厚紙、色紙、再生紙、普通紙の代用品である合成樹脂製シート、透明な樹脂のオーバーヘッドプロジェクタ用シート、封筒、はがき、コート紙、エンボス紙、耐水紙(樹脂シート、樹脂コート紙)、蒸着紙等の金属層を有する記録材等、多種多様である。ここでは、記録材Pのことを「紙」あるいは「用紙」等ということがあるが、紙以外の材料で構成された記録材、あるいは紙以外の材料を含む材料を用いて構成された記録材を含むものである。
本実施例の画像形成装置100はフルカラー画像形成に対応するものであり、イエロー画像形成部50Y、マゼンタ画像形成部50M、シアン画像形成部50C、ブラック画像形成部50Kの4色それぞれに別個に、同様の構成の画像形成部材が設けられている。なお、各色用に設けられた同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。なお、画像形成装置100は、例えば、ブラック単色(モノクロ)画像や、上記4色のうちの1色の単色画像、又は4色のうちいくつかの色を用いての単色画像、又はマルチカラー画像を形成することも可能である。
各色の画像形成部50Y、50M、50C、50Kは、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、現像装置4と、感光体クリーニング装置6と、を有している。感光ドラム1は、静電潜像やトナー像を担持する回転可能な第1の像担持体としてのドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である。画像形成部50Y、50M、50C、50Kは、例えば各パーツが各色毎にユニット化され、カートリッジとして装置本体96に対して着脱可能な構成とされていて良い。各パーツの寿命等によって、上記カートリッジが新品に交換されることにより、中間転写ベルト7上に、新品同様の4色のトナー画像を形成することができる。
感光ドラム1は、回転可能であり、静電潜像やトナー像を担持する。感光ドラム1は、本実施例では、外径30[mm]の負帯電極性の有機感光体(OPC)であり、所定のプロセススピード(周速度)で矢印方向(時計回り方向)に、不図示の駆動モータにより回転駆動される。感光ドラム1は、アルミニウム製シリンダを基体とし、その表面に、順に塗布して積層された下引き層と、光電荷発生層と、電荷輸送層との3層を有している。
帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面に接触して従動回転する導電性のゴムローラであり、感光ドラム1の表面を均一に帯電処理する。帯電ローラ2への印加電圧によって、AC電圧+DC電圧(直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)のAC帯電方式と、DC電圧(直流電圧)のみのDC帯電方式と、に分類されるが、本実施例では、帯電ムラが少ないAC帯電方式を採用した。
露光手段としての露光装置3は、均一に(一様に)帯電処理された各色の感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に、制御部15から出力される分解色の画像情報に従って、各色用のレーザー光3Y、3M、3C、3Kを発光する。これにより、露光装置3は、各色の感光ドラム1Y、1M、1C、1K上に静電潜像(静電像)を形成する。
現像手段としての現像装置4は、補給用トナーボトル14から供給された、本実施例では負帯電極性のトナーを収容すると共に、感光ドラム1上の静電潜像を現像する。本実施例では、現像装置4は、非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)とを備えた2成分現像剤(現像剤)を用いた2成分現像方式を採用しており、感光ドラム1に対向する現像領域に現像剤を供給する。現像装置4の現像剤を担持した現像スリーブに、現像バイアス(直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)が印加され、感光ドラム1上に形成された静電潜像が、トナーで現像(可視化)される。本実施例では、均一に帯電処理された後に画像情報に応じて露光されることで電荷の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像方式)。本実施例では、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、1次転写手段としてのローラ型の1次転写部材である1次転写ローラ5によって、中間転写ベルト7上に1次転写される。1次転写後の感光ドラム1は、感光体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置6によってクリーニングされる。感光体クリーニング装置6は、例えば、感光ドラム1に対して所定の押圧力で当接される感光体クリーニングブレードによって、中間転写ベルト7に転写されずに感光ドラム1上に残留した転写残トナーを除去する。その後、感光ドラム1は、前露光装置(不図示)により表面を除電され、次の作像工程に備える。
トナー像を担持する第2の像担持体としての無端状のベルトで構成された回転可能な中間転写体である中間転写ベルト7は、複数の張架ローラとしての駆動ローラ8及び従動ローラ9に巻き掛けられて張架されている。中間転写ベルト7は、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kを内包している。また、中間転写ベルト7の外周面側には、ベルトクリーニング装置20が設けられている。なお、本実施例では、これらを一体に、中間転写ベルトユニットとして、装置本体96から脱着して交換可能であり、部品寿命や故障時には、この中間転写ベルトユニットを新品と交換することができる。従動ローラ9は、中間転写ベルト7の張力を一定に制御するテンションローラである。従動ローラ9は、不図示の付勢ばねの付勢力によって中間転写ベルト7を内周面(裏面)側から外周面(表面)側へ押し出すような力が加えられており、この力によって中間転写ベルト7の搬送方向に約20~50[N]程度の張力が掛けられている。また、本実施例では、中間転写ベルト7を2軸で支持しているが、例えば、3軸で支持し、そのうちの1軸で、中間転写ベルト7の寄り制御を実施する構成でも良い。
1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kは、感光ドラム1Y、1M、1C、1Kにそれぞれ対向して配置される。1次転写ローラ5は、感光ドラム1との間に中間転写ベルト7を挟んで感光ドラム1に向けて押圧されている。これにより、各感光ドラム1と中間転写ベルト7とが接触する1次転写部(1次転写ニップ)N1が形成される。1次転写ローラ5は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である1次転写電圧(1次転写バイアス)が印加されることにより、感光ドラム1上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト7上に1次転写する。1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kに印加される1次転写電圧は、制御部15により、個別に制御可能である。本実施例では、1次転写ローラ5は、例えば、外径15~20[mm]で、イオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層と芯金とを有している。また、本実施例では、1次転写ローラ5としては、例えば、抵抗値1×10~1×10[Ω](測定条件:23℃50%RH環境、対Φ30mmアルミドラム、ニップ幅約7mm、2KV印加)のローラを使用している。
本実施例の中間転写ベルト7は、裏面側(内周面側)から表面側(外周面側)へと、基層、弾性層、表層の3層構造を有する、弾性層を備えた無端ベルトである。基層を構成する樹脂材料としては、ポリイミドやポリカーボネート等の樹脂、又は各種ゴム等に、帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させた材料が用いられていて、基層の厚みは0.05~0.15[mm]となっている。弾性層を構成する弾性材料としては、ウレタンゴムやシリコーンゴム等の各種ゴム等にイオン導電材を適当量含有させた材料が用いられていて、弾性層の厚みは0.1~0.5[mm]となっている。表層は、フッ素樹脂等の樹脂で、中間転写ベルト7の表面へのトナーの付着力を小さくして、2次転写部N2でトナーを記録材P上へ転写し易くするコート材であり、表層の厚みは0.002~0.03[mm]となっている。本実施例では、基層は導電材を分散させたポリイミド樹脂(厚み70[μm])、弾性層は導電性のCRゴム(クロロブレンゴム)(厚み300[μm])、表層はPTFE(厚み5[μm])の総厚375[μm]である中間転写ベルト7を使用した。本実施例の中間転写ベルト7は、体積抵抗率が1×10~1×10[Ω・cm](測定条件:23℃50%RH環境、抵抗率測定器、100V印加時)、表面硬度が65°(測定条件:23℃50%RH環境測定、ウォーレス硬度計)である。
2次転写手段としてのローラ型の2次転写部材である2次転写ローラ10は、中間転写ベルト7を介して駆動ローラ8に対向して配置されている。2次転写ローラ10は、駆動ローラ8との間に中間転写ベルト7を挟んで駆動ローラ8に向けて押圧されている。これにより、中間転写ベルト7と2次転写ローラ10とが接触する2次転写部(2次転写ニップ)N2が形成される。2次転写ローラ10には、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である2次転写電圧(2次転写バイアス)が印加される。これにより、2次転写ローラ10は、例えば中間転写ベルト7上に1次転写された4色の重ね合わせトナー像を、駆動ローラ8と2次転写ローラ10とのニップ部(2次転写部)N2へ供給された記録材P上に一括して2次転写する。駆動ローラ8は、接地電位に接続されている。本実施例では、例えば、2次転写ローラ10に+2~+5[KV]の2次転写電圧を印加することで+50[μA]程度の電流を流して、中間転写ベルト7上のトナー像を記録材P上に2次転写する。
また、1次転写電圧、又は1次転写電流は、次のような条件に応じて決定される任意の値である。例えば、感光ドラム1の材料やトナーの電荷量、画像形成スピード、即ち、感光ドラム1や中間転写ベルト7の回転スピード、1次転写ローラ5の抵抗値、中間転写ベルト7の抵抗値、環境(温度、湿度)等である。更に、2次転写電圧、又は2次転写電流は、次のような条件に応じて決定される任意の値である。例えば、記録材Pの材質、表面粗さ及び抵抗値、2次転写ローラ10の抵抗値、環境(温度、湿度)等である。但し、抵抗値は、一般に、「中間転写ベルト<紙」の関係であり、中間転写ベルト7と比較して、紙の方が高い。そのため、通常、転写電圧は、「|1次転写電圧|<|2次転写電圧|」の関係であり、1次転写電圧と比較して、2次転写電圧の方が、紙の抵抗値分、高い電圧を必要とする。
2次転写ローラ10は、例えば、外径20~25[mm]であり、イオン導電系発泡ゴム(NBRゴム)の弾性層と芯金とを有している。2次転写ローラ10としては、1次転写ローラ5とほぼ同等の抵抗値1×10~1×10[Ω](測定条件:23℃50%RH環境、対Φ30mmアルミドラム、ニップ幅約7mm、2KV印加)のローラを使用している。
また、中間転写ベルト7の外周面側には、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置20が設けられている。ベルトクリーニング装置20は、2次転写工程後に中間転写ベルト7上に残留したトナーや紙粉等の付着物を除去する。ベルトクリーニング装置20の詳細は後述する。
記録材Pは、カセット12から給紙ローラ11によって取り出され、不図示の搬送手段によって図中矢印に従って2次転写部N2に所定のタイミングで搬送される。2次転写されたトナー像を担持した記録材Pは、定着装置13に搬送される。
定着手段としての定着装置13は、定着ローラ13aと、これに圧接する加圧ローラ13bと、を備えている。加熱された定着ローラ13aと加圧ローラ13bとの間を記録材Pが挟持されて搬送される。これにより、記録材P上に2次転写されたトナー像は、加熱及び加圧されて溶融して、記録材P上に定着される。トナー像を定着された記録材Pは、排出部97に搬送(排出)され、記録材Pへの画像形成が終了する。
ここで、図2は、図1に示す画像形成装置100の電気的な構成(制御態様)を示す概略ブロック図である。
画像形成装置100は、装置全体の動作の制御を司る制御部15を備えている。制御部15は、例えば、所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記憶されたROMと、データを一時的に記憶するRAMと、これらの周辺回路(入出力回路等)等と、を備えて構成されている。そして、制御部15は、例えば、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成制御部150、画像形成速度制御部151、及びクリーニング制御部152として機能する。
また、制御部15は、例えば、操作部99、環境センサ155、通信I/F156、画像読取部98、定着装置13、画像形成部50Y、50M、50C、50K等が接続されている。また、制御部15は、駆動モータ153、用紙搬送機構153、直流電圧電源27、28、29、交流電圧電源30等が接続されている。
駆動モータ153は、画像形成制御部150により制御されて、例えば、駆動ローラ8を駆動回転させることにより、中間転写ベルト7を上記周回方向に周回移動(回転)させる。また、駆動モータ153は、画像形成制御部150により制御されて、例えば、定着装置13の定着ローラ13aを駆動回転させることによって、トナー像を記録材Pに定着させる。更に、例えば、定着装置13等で、故障や異常が発生した場合には、画像形成制御部150は、画像形成装置全体の駆動を停止して、操作部99に故障や異常の発生を報知する情報を表示する。このように、制御部15に接続された各装置は、制御部15と双方向に通信して制御される。
ここで、画像形成装置100は、1つの開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作であるプリントジョブ(プリント動作)を実行する。プリントジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写、トナー像の2次転写を行う期間であり、画像形成時とはこの期間のことをいう。より詳細には、画像形成時のタイミングは、上記静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写、トナー像の2次転写の各工程を行う位置で異なり、感光ドラム1上や中間転写ベルト7上の画像形成領域が上記各位置を通過している期間に相当する。更には、画像形成時のタイミングは、中間転写ベルト7上の画像形成領域が後述するベルトクリーニング装置20のプレ帯電ブラシ21、回転ブラシ22との接触位置を通過している期間に相当する。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程(画像間工程、記録材間工程)は、複数の記録材Pに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成、連続プリント)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程等が含まれる。より詳細には、非画像形成時のタイミングは、感光ドラム1上や中間転写ベルト7上の非画像形成領域が、上記静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の1次転写、トナー像の2次転写の各工程を行う各位置を通過している期間に相当する。更には、非画像形成時のタイミングは、中間転写ベルト7上の非画像形成領域が後述するベルトクリーニング装置20のプレ帯電ブラシ21、回転ブラシ22との接触位置を通過している期間に相当する。なお、感光ドラム1上や中間転写ベルト7上の画像形成領域とは、記録材Pのサイズ等に応じて予め設定された、記録材Pに転写されて画像形成装置100から出力されるトナー像が形成され得る領域であり、非画像形成領域は画像形成領域以外の領域である。
2.ベルトクリーニング装置の概要
各画像形成部50において、1次転写後に感光ドラム1上に残留する1次転写残トナー等は、感光体クリーニング装置6によりクリーニングされる。また、2次転写後に中間転写ベルト7上に残留する2次転写残トナー等は、ベルトクリーニング装置20によりクリーニングされる。ここで、ベルトクリーニング装置20は、図2の制御部15のクリーニング制御部152によって制御される。
1次転写後に感光ドラム1上に残留、あるいは付着しているものは、殆どが1次転写残トナーである。一方、中間転写ベルト7は、2次転写時に記録材Pと接するため、2次転写後に中間転写ベルト7上に残留、あるいは付着しているものは、2次転写残トナーのほか、記録材Pの紙に由来する紙粉や填料等もある。また、画像形成部50における現像装置4が2成分現像剤を採用するのであれば、2成分現像剤に含まれているキャリア(磁性粒子)が中間転写ベルト7に付着することもある。
中間転写ベルト7は、基層のみの1層構造、基層と表層との2層構造も有るが、本実施例では、前述したように、裏面側から基層、弾性層、表層の3層構造の弾性層を有する無端ベルトである。弾性層を有する中間転写ベルト7は、記録材Pとしてエンボス紙等の凹凸紙が用いられる場合においても、用紙の凹凸部に、この弾性層が追従することができる。そのため、中間転写ベルト7と用紙とは、隙間なく接触することができるので、2次転写ムラが抑制された、良好な画像を得ることができる。
弾性層を持たない上記1層構造の中間転写ベルトにおいては、トナーとの離型性が低いため、表面粗さが若干粗い普通紙においても、2次転写ムラが発生して、微小な画像濃度ムラが発生する場合がある。また、弾性層を持たない上記2層構造の中間転写ベルトにおいては、表層にトナーとの離型性が良いフッ素樹脂等をコーティングしている。そのため、表面粗さが若干粗い普通紙においても、2次転写ムラが抑制され、微小な画像濃度ムラが抑制された、良好な画像を得ることができる。しかしながら、弾性層が無いため、エンボス紙等の凹凸の大きい用紙においては、凹凸部に中間転写ベルトの表面が追従し難い。そのため、凹部や凸部のエッジ部において、中間転写ベルトと用紙との間に空隙が発生して、トナーの用紙への転写性が低下し、その部分で濃度が薄くなって、濃度ムラが発生する場合がある。
一方、弾性層を有する中間転写ベルトを用いる場合は、ベルトクリーニング装置においてクリーニングブレードを使用することが難しい。つまり、弾性層を持つ弾性ベルトのクリーニング装置として、クリーニングブレード用いると、弾性ベルトの弾性層に、クリーニングブレードが食い込んでしまい、クリーニングブレードが捲れてしまうことがある。又は、クリーニングブレードと弾性ベルトとの成す角度が安定しないので、トナーが摺り抜けてしまうことがある。更に、弾性ベルトの表層の離型性コーティングに亀裂が入った場合に、その亀裂にトナーが入り込んで、トナーが摺り抜けてしまう場合がある。このようなことから、弾性ベルトで構成された中間転写ベルト上のトナー等は、クリーニングブレードで安定してクリーニングすることが難しい。そのため、弾性層を持つ弾性ベルトで構成された中間転写ベルトのクリーニング装置としては、トナー回収部材として回転ブラシ(ブラシローラ)等のブラシ部材を使用した静電クリーニングを用いることが有効である。
ベルトクリーニング装置20は、図1に示すように、中間転写ベルト7の表面の移動方向において、2次転写部N2から最も上流側の画像形成部50Yの1次転写部N1Yに至るまでの間に設ければ良い。本実施例では、ベルトクリーニング装置20は、中間転写ベルト7を巻き掛けた従動ローラ9に対向して設けられている。
まず、ベルトクリーニング装置20の基本的な構成について説明する。図3は、ベルトクリーニング装置20の基本的な構成を示す概略断面図(感光ドラム1や中間転写ベルト7の張架ローラの回転軸線方向と略直交する断面)である。本実施例における特徴的な構成については後述して詳しく説明する。
ベルトクリーニング装置20は、中間転写ベルト7上の2次転写残トナー等を回収する回収部材としての回転ブラシ(ブラシローラ)22を有する。また、ベルトクリーニング装置20は、回転ブラシ22に付着したトナー等を回収する回収ローラ23を有する。また、ベルトクリーニング装置20は、回収ローラ23上のトナー等を機械的に掻き取るクリーニングブレード24を有する。また、ベルトクリーニング装置20は、クリーニングブレード24で掻き落とされたトナー等を搬出する搬送スクリュー25を有する。また、ベルトクリーニング装置20は、回収ローラ23に近接配置されたシール部材26を有する。シール部材26は、クリーニングブレード24によるトナー等の掻き取り時に、トナーが粉煙状に舞い上がって、回転ブラシ22の回転により発生する気流に乗って中間転写ベルト7に再付着することを抑制するためのものである。ベルトクリーニング装置20は、更に、中間転写ベルト7の表面の移動方向において、回転ブラシ22の上流側に位置する、プレ帯電部材としての固定ブラシ(デッキブラシ状部材)で構成されたプレ帯電ブラシ21を有している。
プレ帯電部材は、中間転写ベルト7上のトナー等に接触して電荷を注入できるものであればよく、導電性の樹脂シートや金属シートを用いることも考えられる。ただし、中間転写ベルト7上のトナー等にできるだけ均一に、あるいは低圧下に接触し得るものとして、本実施例では、導電ブラシを導電性保持部材で保持したプレ帯電ブラシ21を採用する。プレ帯電ブラシ21は、中間転写ベルト7に軽圧で接触させて、固定配置されている。
ベルトクリーニング装置20における各回転部材は、制御部15のクリーニング制御部152の指示のもとに、ベルトクリーニング装置20を構成する駆動源としての駆動モータ(不図示)により回転駆動される。回転ブラシ22は、中間転写ベルト7上のトナー等を十分掻き取って回収できるように、中間転写ベルト7の表面の移動方向に逆らってブラシ繊維が移動するように、カウンター方向に回転駆動される。中間転写ベルト7の表面の移動方向は、図3の従動ローラ9の矢印方向(反時計回り方向)である。また、回転ブラシ22の回転方向は、図3の回転ブラシ22の矢印方向(反時計回り方向)である。回収ローラ23は、回転ブラシ22と順方向(図3の回収ローラ23の矢印方向(時計回り方向))に回転駆動される。
回転ブラシ22、回収ローラ23、及びプレ帯電ブラシ21は、本実施例では、いずれも導電性を有している。回転ブラシ22、回収ローラ23の回転軸線方向(長手方向)、及びプレ帯電ブラシ21の長手方向は、中間転写ベルト7の張架ローラの回転軸線方向(中間転写ベルト7の表面の移動方向と略直交する幅方向)と略平行である。
回転ブラシ22は、例えば、次のようにして構成される。つまり、導電性のブラシ繊維(原糸)を全体が導電性の基布、又は裏面に導電剤をコーティング等した導電性の基布に織り込み、該導電性ブラシ繊維を織り込んだ基布を芯金に巻き付ける。そして、基布と芯金との両者間で導通可能に接着(例えば、導電性接着剤を用いて接着)する。芯金は、導電性を有する金属からなる棒材、パイプ等で形成すれば良い。
導電性ブラシ繊維の材質としては、導電性カーボンを分散させたポリアミド(ナイロン等)、ポリエステル、アクリル、レーヨン等を例示できる。
また、ブラシ繊維の太さ、及び抵抗については、太さが原糸径にして、1~10[デシテックス]、抵抗は原糸抵抗にして、1×10~1×1015[Ω/cm]程度を例示できる。上記基布におけるブラシ繊維密度としては、50~300[kF/inch]を例示できる(kは10、Fは繊維本数〔本〕)。
本実施例では、このようなブラシ繊維を用いた回転ブラシ22を用い、中間転写ベルト7の表面の移動速度(周速)と回転ブラシ22の周速との関係については、周速比θ(回転ブラシ周速/ベルト表面移動速度)を1~5程度としている。このように、回転ブラシ22の周速を、中間転写ベルト7の表面の移動速度に対して、同等、又は速くすることによって、回転ブラシ22によるトナー等の回収効率を向上させている。また、中間転写ベルト7への回転ブラシ22の食い込み量(侵入量)は、0.3~2.0[mm]程度になるように設定した。
プレ帯電ブラシ21も、回転ブラシ22の形成に採用したのと同様のブラシ繊維を用いて構成すれば良い。但し、抵抗については、電荷注入の円滑化のために、回転ブラシ22よりも低抵抗でも良い。上記ブラシ繊維を上記基布に、繊維密度50~300[kF/inch]程度で織り込んで形成して、プレ帯電ブラシ21としてある。中間転写ベルト7へのプレ帯電ブラシ21の食い込み量(侵入量)は、0.1~2[mm]程度に設定すれば良い。
回収ローラ23は、アルミニウムや鉄、SUS等の導電性の金属パイプで形成され、板状ゴム材であるクリーニングブレード24に傷がつかないように、表面は平滑処理されている。
回転ブラシ22、回収ローラ23、クリーニングブレード24、プレ帯電ブラシ21及びシール部材26は、いずれも中間転写ベルト7の表面の移動方向と略直交する幅方向の長さ(幅)と同等の長手方向の長さを有している。また、回転ブラシ22、回収ローラ23、搬送スクリュー25、シール部材26及びプレ帯電ブラシ21は、ケース20aに支持されている。
画像形成時(中間転写ベルト7上のトナーのクリーニング時)には、ベルトクリーニング装置20により、中間転写ベルト7上の2次転写残トナー等をクリーニング、回収するためのクリーニング電界が形成される。直流電圧電源27、28、29は、制御部15のクリーニング制御部152によって、極性(±)及び出力値(電圧値等)が制御される。なお、後述するように、本実施例(図4)では、更に交流電圧電源30は、制御部15のクリーニング制御部152によって、極性(±)及び出力値(電圧値、周波数)が制御される。
例えば、画像形成時のクリーニング電界形成時には、プレ帯電ブラシ21は、電源27により、トナーの正規の帯電極性(-)と同極性(-)側に設定される直流電圧(DC電圧)が印加される。
また、回転ブラシ22は、接地又は電源28によりトナーの正規の帯電極性(-)とは逆極性(+)側(0[V]を含む)に設定される直流電圧(DC電圧)が印加される。これにより、回転ブラシ22と中間転写ベルト7との間にクリーニング電界が形成され、中間転写ベルト7上のトナー等が回収(クリーニング)される。
また、回収ローラ23は、電源29により、トナーの正規の帯電極性(-)とは逆極性(+)側で、かつ、回転ブラシ22よりもプラス(+)側に設定される直流電圧(DC電圧)が印加される。
ここで、基本的には電源27、28、29により形成される電界は、定電圧、又は定電流のいずれでも良い。中間転写ベルト7の回転スピードにもよるが、定電圧の場合には、例えば、絶対値が1~2[KV]程度以下、定電流の場合には、例えば絶対値が30~50[μA]程度以下に設定すると良い。ただし、詳しくは後述するように、本実施例では、電源27によりプレ帯電ブラシ21に印加される直流電圧は定電圧制御され、更に交流電圧が重畳される。なお、定電圧制御とは、印加対象に印加される電圧が目標電圧で略一定となるように電源の出力を調整する制御である。また、定電流制御とは、供給対象に供給される電流が目標電流で略一定となるように電源の出力を調整する制御である。
画像形成中(中間転写ベルト7上のトナーのクリーニング中)は、制御部15のクリーニング制御部152により、中間転写ベルト7上のトナー及び紙粉等が、プレ帯電ブラシ21からの電荷注入により、負極性(-)に揃えられる。プレ帯電されたトナー等は、プレ帯電ブラシ21の極性(-)とは反発し、プレ帯電ブラシ21に溜まることなく、中間転写ベルト7上へ移動して、中間転写ベルト7の回動により、回転ブラシ22へ搬送される。そして、このトナー等は、トナーの正規の帯電極性(-)とは逆極性(+)側に設定された回転ブラシ22にて、クリーニング電界のもとで、中間転写ベルト7から機械的及び静電的に掻き取られ、回転ブラシ22に回収される。
そして、中間転写ベルト7上がクリーニングされ、回転ブラシ22に回収されたトナー等は、更に、回転ブラシ22に接触して回転する回収ローラ23に回収される。回収ローラ23上のトナー等は、クリーニングブレード24にて掻き取られて落下し、搬送スクリュー25で、図示省略の廃トナー容器へ搬出される。
3.本実施例においてプレ帯電ブラシに印加する電圧
次に、本実施例のベルトクリーニング装置20において特徴的な構成について更に説明する。図4は、本実施例のベルトクリーニング装置20の概略断面図(感光ドラム1や中間転写ベルト7の張架ローラの回転軸線方向と略直交する断面)である。図4に示す本実施例のベルトクリーニング装置20の基本的な構成は、図3を用いて説明したベルトクリーニング装置20の基本的な構成と同じである。本実施例のベルトクリーニング装置20において、図3を用いて説明したベルトクリーニング装置20の基本的な構成と同一又は対応する要素には同一の符号を付している。
前述したように、クリーニング電界により中間転写ベルト7上のトナー等を回収する間に、走行する中間転写ベルト7上に存在する不純物(正規帯電し難いトナー、トナーの外添剤、記録材粉、記録材の填料)は、プレ帯電ブラシ21に次第に溜まって堆積する。
つまり、中間転写ベルト7上に存在する正規帯電し難いトナー(正規の帯電極性とは逆極性側に帯電したトナー)、トナーの外添剤(トナー流動化剤等)、記録材粉(紙である場合の紙粉等)、記録材の填料(紙である場合のタルク等)、等の正規帯電トナー以外の「不純物」が、プレ帯電ブラシ21に次第に溜まって蓄積されていく。ここで、前述のように、プレ帯電部材として構成の簡易化や低コスト化に有利な固定ブラシを用い、回収部材としてクリーニング能力の高い回転ブラシを用いた構成が好ましい。しかし、固定ブラシで構成されたプレ帯電部材21には、上記不純物が蓄積されやすい。そのため、長期に渡る画像形成において、プレ帯電ブラシ21によるプレ帯電性能が次第に低下して、中間転写ベルト7上のトナーを正規の帯電極性に帯電させることが困難となることがある。そして、回転ブラシ22によるトナー回収性能が低下して、その結果、中間転写ベルト7上の未回収トナーが増加して、ベルトクリーニング装置20をトナーが摺り抜けてしまうクリーニング不良、即ち、画像不良が発生してしまうことがある。
そこで、本実施例では、ベルトクリーニング装置20は、図4に示すように、直流電源27とプレ帯電ブラシ21との間に、交流電源30を有する。そして、本実施例では、画像形成中に、プレ帯電ブラシ21に対して、直流(DC)電圧に交流(AC)電圧を重畳した交番電圧を印加する。これにより、プレ帯電ブラシ21への上記不純物の堆積を抑制して、プレ帯電性能の低下を抑制することができる。また、プレ帯電ブラシ21に上記不純物が堆積した場合であっても、トナー等への注入帯電性能の低下を抑制することができる。したがって、プレ帯電ブラシ21によってトナー等を正規の帯電極性(-)と同極性(-)側に均一に帯電させることができる。
例えば、本実施例では、プロセススピードが400[mm/sec]のA4横通紙でプリント速度80[ppm](80枚/1分間)の画像形成装置100において、感光ドラム1は、帯電ローラ2により、-700[V](暗電位)に帯電処理される。ここで、「プロセススピード」とは、画像形成速度であり、本実施例の画像形成装置100の場合には、感光ドラム1の回転スピード(周速)、又は中間転写ベルト7の回転スピード(周速)、又は記録材Pの2次転写時の搬送スピード等である。また、現像バイアスとして、-500[V]のDC電圧に、Vppが1500[V]、周波数が2.0[KHz]のAC電圧が重畳された交番電圧が用いられる。また、感光ドラム1上のレーザー光3の露光部は、-150[V](明電位)となる。そして、感光ドラム1上の露光部に、負(-)帯電極性のトナーが付着する。この場合に、例えば、プレ帯電ブラシ21に印加する電圧として、-700VのDC電圧に、Vpp(Peak-to-Peak Voltage:ピーク間電圧、ピークピーク値)が200[V]、周波数が2.0[KHz]のAC電圧が重畳された交番電圧が用いられる。
このDC電圧にVpp=200[V]、周波数=2.0[KHz]のAC電圧が重畳された交番電圧により、プレ帯電ブラシ21で、正規帯電トナー(-)は注入帯電されて、DC電圧である-700[V]近傍に帯電される。そして、正規帯電トナー以外の上記不純物、即ち、マイナス(-)からプラス(+)まで、多様な電位を持つ粒子についても、AC電圧の作用により、プレ帯電ブラシ21と中間転写ベルト7との間で微小振動することにより、注入帯電が促進される。これにより、正規帯電トナー以外の上記不純物についても、DC電圧である-700[V]近傍に帯電される。そして、これらのトナー等は、中間転写ベルト7側に付着して、回転ブラシ22で回収される。そのため、プレ帯電ブラシ21に滞留して堆積する上記不純物は減少する。また、プレ帯電ブラシ21に、DC電圧に重畳してAC電圧を印加することにより、プレ帯電ブラシ21に上記不純物が堆積した場合であっても、正規帯電トナー(-)は同極性の(-)側に帯電させることができる。また、プレ帯電ブラシ21に上記不純物が堆積した場合であっても、電位が不特定の上記不純物についても、正規帯電トナー(-)と同極性(-)側に帯電させることができる。このように、本実施例によれば、上記不純物がプレ帯電ブラシ21に堆積すること抑制して、プレ帯電性能が低下することを抑制することができる。また、本実施例によれば、プレ帯電ブラシ21に上記不純物が堆積した場合であっても、トナー等への注入帯電性能が低下すること抑制することができる。その結果、本実施例によれば、長期間に渡り、安定したプレ帯電性能を維持して、クリーニング不良による画像不良の発生を抑制することができる。
なお、本実施例では、画像形成時に回転ブラシ22に印加する電圧は定電圧制御とした。定電圧制御とする方が、中間転写ベルト7上の位置によるトナーの有無によらず、面内(回転ブラシ22の長手方向)で均一な電界を形成することができ、トナーの回収には有利である。ただし、画像形成時に回転ブラシ22に印加する電圧は定電流制御としても良い。
ここで、本実施例のプレ帯電ブラシ21に印加する電圧は、DC電圧が-700[V]で、重畳されるAC電圧のVppが200[V]であるから、プレ帯電ブラシ21に印加されるピーク電圧は、-500[V]~-900[V]である。このピーク電圧は、回転ブラシ22の電圧を超えないようにすることが好ましい。本実施例では、回転ブラシ22に印加する電圧は+200[V]のDC電圧(定電圧制御)であるため、上記ピーク電圧は、+200[V]未満のトナーの正規の帯電極性(-)側であるマイナス側の範囲にすることが好ましい。したがって、AC電圧のVppは900[V]未満にすることが好ましい。AC電圧のVppを大きくして、上記ピーク電圧を、回転ブラシ22に印加する電圧である+200[V]を超えて、トナーの正規の帯電極性(-)とは逆極性(+)側になるように設定すると、次のようになる可能性がある。つまり、中間転写ベルト7上のトナー量などによっては、プレ帯電でトナーの帯電ムラが発生してしまい、回転ブラシ22でトナーを回収し難くなり、クリーニング不良が発生してしまう可能性がある。
上述のような好ましい設定のDC電圧とAC電圧とが重畳された交番電圧をプレ帯電ブラシ21に印加する場合、プレ帯電ブラシ21と中間転写ベルト7との間で放電は実質的に発生しない。また、上記AC電圧の周波数は、トナーの帯電ムラを抑制する観点からは、本実施例では、1.0KHz~2.0KHz程度が好適である。また、上記Vppは、上述のように比較的小さい設定とすることが好ましいが、例えば中間転写ベルト7上のトナー量が少ない場合等に、プレ帯電ブラシ21への上記不純物の堆積の抑制を優先して、比較的大きくすることもできる。この場合、該Vppは、後述するプレ帯電ブラシクリーニングモードと同様に1000V程度まで大きくすることが考えられる。
なお、本実施例では、電源28により回転ブラシ22に印加する電圧を+200[V]のDC電圧(定電圧制御)、電源29により回収ローラ23に印加する電圧を+300[V]のDC電圧(定電圧制御)に設定している。つまり、回転ブラシ22上のマイナス(-)側のトナー等を、静電的に回収ローラ23で回収するように、クリーニング制御部152によって制御される。
このように、本実施例では、画像形成時に、プレ帯電ブラシ21に、トナーの正規の帯電極性と同極性の直流電圧(DC電圧)と交流電圧(AC電圧)とを重畳した交番電圧を印加する。これにより、プレ帯電ブラシ21に上記不純物が残留していても、交流電圧の振動効果によって、中間転写ベルト7上のトナー等を均一にトナーの正規の帯電極性と同極性側に帯電させることができる。トナー等をプレ帯電ブラシ21と中間転写ベルト7との間で振動させる程度の小さなVppのAC電圧の重畳でも、DC電圧のみの場合と比較すると、トナー等をより均一に帯電させることができる。また、このように交流電圧によってプレ帯電ブラシ21と中間転写ベルト7との間でトナー等を振動させることにより、上記不純物のプレ帯電ブラシ21への堆積を抑制することができる。したがって、プレ帯電ブラシ21によるトナーの帯電性能が低下し難いので、中間転写ベルト7上の2次転写残トナー等は、クリーニング電界のもとに回転ブラシ22にて良好に回収できる。その結果、クリーニング不良による画像不良が発生することを抑制することができる。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、トナー像を担持する像担持体1と、1次転写部N1で像担持体1から転写されたトナー像を2次転写部N2で記録材Pに転写するために搬送する周回移動可能な中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7の表面の移動方向において2次転写部N2よりも下流側かつ1次転写部N2よりも上流側で中間転写ベルト7の表面に接触して回転し、中間転写ベルト上のトナーを回収する回転ブラシ22と、回転ブラシ22に電圧を印加する第1の電源28と、中間転写ベルト7の表面の移動方向において回転ブラシ22と中間転写ベルト7との接触部よりも上流側かつ2次転写部N2よりも下流側で中間転写ベルト7の表面に接触して固定配置され、中間転写ベルト上のトナーを帯電させる固定ブラシ21と、固定ブラシ21に電圧を印加する第2の電源27と、第1の電源28及び第2の電源27を制御する制御部15と、を有し、制御部15は、中間転写ベルト7から記録材Pにトナー像を転写する画像形成時に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性側の直流電圧を回転ブラシ22に印加すると共に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を固定ブラシ21に印加するように制御する。本実施例では、制御部15は、画像形成時に、上記交番電圧のピーク電圧が回転ブラシ22に印加する電圧の値を超えないトナーの正規の帯電極性側の値となるように制御する。また、本実施例では、中間転写ベルト7は、弾性層を有する。
以上説明したように、本実施例によれば、装置構成の簡易化や低コスト化を図りながら、プレ帯電部材に不純物が徐々に蓄積しても長期に渡り良好なプレ帯電性能を維持して良好なクリーニング性能を維持することができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例1では、プレ帯電ブラシ21に、DC電圧にAC電圧を重畳した交番電圧を印加することを説明した。
本実施例では、プロセススピードに応じて、即ち、中間転写ベルト7の表面の移動速度に応じて、上記AC電圧の周波数を変更する。これにより、中間転写ベルト7上の2次転写残トナー、及び上記不純物等を、より均一に正規帯電トナー(-)と同極性(-)側に帯電させることができる。これにより、より長期に渡り、プレ帯電ブラシ21の注入帯電性能の低下を抑制して、良好なプレ帯電性能を維持することができる。
実施例1では、プロセススピード=400[mm/sec]のA4横通紙でプリント速度80[ppm](80枚/1分間)の場合、プレ帯電ブラシ21には、DC電圧:-700V、AC電圧:Vpp=200[V]、周波数=2.0[KHz]を印加した。
本実施例では、プロセススピード=200[mm/sec]のA4横通紙でプリント速度40[ppm](40枚/1分間)の場合には、プレ帯電ブラシ21に、DC電圧:-700V、AC電圧:Vpp=200[V]、周波数=1.0[KHz]を印加する。このように、本実施例では、プレ帯電ブラシ21に印加するAC電圧の周波数を、プロセススピードに応じて変更する。
プロセススピードが変更されるのは、例えば、次のような場合である。例えば、定着性を向上させる場合である。ここで、「定着性」とは、トナーと記録材Pとの接着力のことである。つまり、例えば、本実施例の画像形成装置100は、記録材Pとして普通紙が用いられる場合に、プリント速度80[ppm]である。この画像形成装置100において、厚紙や表面が粗い紙等の定着性が低い記録材Pが用いられる場合に、プロセススピードを半速の200[mm/sec](プリント速度40[ppm])にして、定着性を向上させることができる。また、例えば、解像度=600[dpi]の画像形成装置を半速にして、副走査方向のみであるが、解像度=1200[dpi]に高解像度化する場合もある。
プロセススピードに応じて、プレ帯電ブラシ21のAC電圧の周波数を変更するのは、次のような理由からである。プロセススピードに対して、周波数が非常に低いと、中間転写ベルト21上のトナー、及び上記不純物にプレ帯電ムラが発生してしまい、回転ブラシ22による回収ムラが発生して、ベルトクリーニング装置20における清掃ムラが発生してしまうことがある。プロセススピードに応じて、適当な周波数に設定することで、プレ帯電ムラを抑制することができる。プロセススピードに対して、周波数が高過ぎると、高周波の音がうるさい、トナー等の振動を十分に行うことができない、中間転写ベルト7の劣化が早い、といったことが発生する可能性がある。プロセススピードに応じて、適当な周波数に設定することで、帯電ムラを抑制し、高周波音を低減して、適度にトナー等の振動を行うことができる。また、中間転写ベルト7の劣化については、周波数が高いと、例えば、トナー等の粒子の振動数が多くなるので、表層のフッ素樹脂のひび割れが早く発生して、更に、割れ幅が大きくなる等、劣化が早くなってしまう可能性がある。そのため、プロセススピードに応じて、なるべく低い周波数に設定するのが好適である。
上述のような理由により、プロセススピードに応じてAC電圧の周波数を変更するように、制御部15のクリーニング制御部152によって、交流電圧電源30の出力を制御する。そして、プロセススピードが速い場合には、周波数を高くし、プロセススピードが遅い場合には、周波数を低くすることにより、周波数を、0.5~2.0[KHz]程度で可変とするようにするのが好適である。
本実施例では、全速と半速の2種類で説明したが、プロセススピードを複数持ち、例えば、全速(1速)、3/4速、半速(1/2速)、1/4速を持つ場合には、プロセススピードに比例して、周波数を、1倍、3/4倍、1/2倍、1/4倍とすると良い。
このように、本実施例では、制御部15は、画像形成時の中間転写ベルト7の表面の移動速度に基づいて固定ブラシ21に印加する直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧の交流電圧の周波数を変更可能である。本実施例では、制御部15は、上記移動速度が第1の移動速度である場合の上記周波数よりも、上記移動速度が第1の移動速度よりも速い第2の移動速度である場合の上記周波数を大きくする。
以上のように、本実施例では、プレ帯電ブラシ21に印加するAC電圧として、プロセススピードに応じて適当な周波数のAC電圧を用いる。これにより、上記のような不具合を抑制しつつ、上記不純物が堆積してもプレ帯電ブラシ21の注入帯電性能の低下を抑制して、長期間に渡り良好なプレ帯電性能を維持することができる。
[実施例3]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
実施例1及び実施例2では、画像形成時にプレ帯電ブラシ21にDC電圧にAC電圧を重畳した交番電圧を印加することを説明した。ここでは、この画像形成時のベルトクリーニング装置20の動作を「中間転写ベルトクリーニングモード」ともいう。
本実施例では、画像形成時に中間転写ベルトクリーニングモードを実行し、非画像形成時にプレ帯電ブラシクリーニングモードを実行する。これにより、更に上記不純物がプレ帯電ブラシ21に堆積することを抑制して、より長期に渡り、注入帯電性能の低下を抑制して、良好なプレ帯電性能を維持することができる。
プレ帯電ブラシクリーニングモード時は、プレ帯電ブラシに印加するAC電圧、又はDC電圧を、画像形成時の中間転写ベルトクリーニングモードと異ならせる。
ここで、非画像形成時とは、前述のように、記録材Pに転写して出力する画像を形成していないタイミングであって、画像形成の開始前(前回転)、合間(紙間)、画像形成の終了後(後回転)等である。プレ帯電ブラシクリーニングモードの実施タイミングは、これらの非画像形成時のうち、1又は2以上に設定するのが良い。また、プレ帯電ブラシクリーニングモードを実施する清掃頻度は、清掃対象のプレ帯電ブラシ21の汚れ具合等に応じて、適宜決定すれば良い。例えば、画像形成枚数を検知し、10枚に1回、100枚に1回、500枚に1回等を適宜選択できるようにする。但し、上記清掃頻度を多くすると、画像形成の生産性が低下してしまう可能性があるので、なるべく上記清掃頻度は少なくすることが望ましい。また、例えば、紙粉の多い用紙を使用することがある場合等に、「紙粉過多モード」といったモードを設定して、そのモードでは、上記清掃頻度を通常時よりも多くすること等も可能である。これにより、通常の用紙を使用する場合には、上記清掃頻度を少なくして、生産性を維持することができる。
画像形成時の中間転写ベルトクリーニングモードに対して、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモード1~3の変更点を図5に示す。なお、直流電圧電源27、28、29、及び交流電圧電源30は、制御部15のクリーニング制御部152によって、極性(±)及び出力値(電圧値、周波数)が制御される。また、画像形成装置100は、典型的には、プレ帯電ブラシクリーニングモード1~3のいずれか1つのモードを実装することができる。また、プレ帯電ブラシクリーニングモード1~3は、この順番で清掃能力が高い傾向がある。そのため、例えば上記「紙粉過多モード」等においてより高い清掃能力のモードを実行するといったように、プレ帯電ブラシクリーニングモード1~3のうち複数のモードを実装して選択的に実行するようにしても良い。
まず、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモード1は、プレ帯電ブラシ21に印加するAC電圧のVppを、200[V]から1000[V]に上昇させたものである。Vppを上昇させることにより、ピーク電圧は、-500~-900[V]から+300~-1700[V]に変更されて、大幅に振れが大きくなる。よって、プレ帯電ブラシ21でのトナーや上記不純物の振動が大きくなり、プレ帯電ブラシ21に堆積した上記不純物がプレ帯電ブラシ21から離脱し易くなり、中間転写ベルト7に転移して、回転ブラシ22に回収される。したがって、プレ帯電ブラシ21に堆積した上記不純物が減少して、画像形成時の中間転写ベルトクリーニングモードにおけるプレ帯電ブラシ21の注入帯電性能の低下を抑制して、長期に渡って中間転写ベルト21上の2次転写残トナー等を良好に清掃できる。そのため、クリーニング不良による画像不良が発生することを抑制することができる。
次に、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモード2は、モード1のVppの上昇に加えて、AC電圧の周波数を、2.0[KHz]から0.5[KHz]に低下させるものである。AC電圧の周波数が高い場合には、トナー等を均一に帯電させ易くなるが、プレ帯電ブラシ21の中に入り込んだ上記不純物が中間転写ベルト7の表面に吐き出される前に、極性が切り替わってしまうので、上記不純物を吐き出すことが困難である場合がある。これに対して、周波数を減少させることにより、電圧がピーク電圧の+300[V]と-1700[V]とにある時間が長くなる。これにより、プレ帯電ブラシ21のブラシ部の中に入り込んだ上記不純物が、より振動し易くなるため、中間転写ベルト7の表面に吐き出され易くなる。したがって、上記不純物がよりプレ帯電ブラシ21から離脱し易くなるので、プレ帯電ブラシ21に堆積した上記不純物が減少する。これにより、画像形成時の中間転写ベルトクリーニングモードにおけるプレ帯電ブラシ21の注入帯電性能の低下を抑制して、長期に渡って中間転写ベルト21上の2次転写残トナー等を良好に清掃できる。そのため、クリーニング不良による画像不良が発生することを抑制することができる。
更に、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモード3は、モード1のVppの上昇、モード2の周波数の低下に加えて、プレ帯電ブラシ21のDC電圧を、マイナス(-)からプラス(+)に極性を変更するものである。DC電圧がマイナス(-)の場合には、トナーの正規の帯電極性(-)とは逆極性(+)側の不純物は、プレ帯電ブラシ21から離脱できずに堆積し易い。これに対し、DC電圧をプラス(+)にすることで、ピーク電圧は、+300~-1700[V]から+1700~-300[V]に変更されるので、プレ帯電ブラシ21は、よりプラス(+)側の電位となる。そのため、プラス(+)側の不純物はこの電位に反発して、プレ帯電ブラシ21から離脱し易くなって、中間転写ベルト7に移動し易くなる。
この場合には、図6に示すように、プレ帯電ブラシ21は、電源27により、トナーの正規の帯電極性(-)とは逆極性(+)側に設定される直流電圧(DC電圧)が印加される。回転ブラシ22は、電源28により、トナーの正規の帯電極性(-)と同極性(-)側に設定される直流電圧(DC電圧)が印加される。回収ローラ23は、電源29により、トナーの正規の帯電極性(-)と同極性(-)側で、かつ、回転ブラシ22よりもマイナス(-)側に設定される直流電圧(DC電圧)が印加される。よって、中間転写ベルト7に移動したプラス(+)側の不純物は、-200[V]が印加された回転ブラシ22によって回収され、更に、-300[V]が印加された回収ローラ23によって回収される。そして、この不純物は、最終的には、クリーニングブレード24で掻き落とされて、搬送スクリュー25によって、不図示の廃トナー容器に搬送される。
したがって、プレ帯電ブラシ21に堆積した上記不純物が減少して、画像形成時の中間転写ベルトクリーニングモードにおけるプレ帯電ブラシ21の注入帯電性能の低下を抑制して、長期に渡って中間転写ベルト21上の2次転写残トナー等を良好に清掃できる。そのため、クリーニング不良による画像不良が発生することを抑制することができる。
なお、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモードにおいては、プレ帯電ブラシ21に堆積した上記不純物を清掃するのが目的である。非画像形成時は、2次転写残トナーが、ベルトクリーニング装置20に到達することは無いので、正規帯電トナーがクリーニング不良になる可能性のある設定でも、クリーニング不良が発生することは無い。
このように、本実施例では、制御部15は、非画像形成時に画像形成時とは異なる電圧を固定ブラシ21に印加する清掃モードを実行可能であり、清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を固定ブラシ21に印加し、清掃モード時の上記交流電圧のピークピーク値Vppを画像形成時の上記交流電圧のピークピークピーク値Vppよりも大きくするように制御する。また、制御部15は、非画像形成時に画像形成時とは異なる電圧を固定ブラシ21に印加する清掃モードを実行可能であり、清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を前記固定ブラシに印加し、清掃モード時の交流電圧の周波数を画像形成時の上記交流電圧の周波数よりも小さくすることができる。また、制御部15は、非画像形成時に画像形成時とは異なる電圧を固定ブラシ21に印加する清掃モードを実行可能であり、清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を固定ブラシ21に印加するように制御することができる。この場合、制御部15は、清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性と同極性の直流電圧を回転ブラシ22に印加するように制御することができる。
以上のように、本実施例では、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモードにおいて、プレ帯電ブラシ21に印加する交流電圧(AC電圧)のVppを、画像形成時よりも大きくする。これにより、上記不純物の振動が大きくなり、プレ帯電部ブラシ21から離脱し易くなる。そのため、上記プレ帯電部材に滞留する上記不純物が減少する。つまり、プレ帯電ブラシ21に印加する交流電圧(AC電圧)のVppを大きくすることで、プレ帯電ブラシ21の清掃効果を大きくすることができる。このように、プレ帯電ブラシ21の清掃効果を大きくすることで、画像形成時のプレ帯電ブラシ21の注入帯電性能の低下を抑制することができるので、長期に渡ってクリーニング不良の発生を抑制することができる。また、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモードにおいて、プレ帯電ブラシ21に印加する交流電圧(AC電圧)の周波数を、画像形成時よりも小さくすることができる。これによって、上記不純物をプレ帯電部ブラシ21から離脱させる効果を高めることができる。また、非画像形成時のプレ帯電ブラシクリーニングモードにおいて、プレ帯電ブラシ21に印加する直流電圧(DC電圧)を、画像形成時とは逆極性にすることができる。これにより、トナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電した上記不純物をプレ帯電ブラシ21から離脱させる効果を高めることができる。したがって、これらによっても、プレ帯電ブラシ21の清掃効果を大きくし、画像形成時のプレ帯電ブラシ21の注入帯電性能の低下を抑制して、長期に渡ってクリーニング不良の発生を抑制することができる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
上述の実施例では、マイナス(-)トナーを使用した。プラス(+)トナーを使用する画像形成装置の場合には、部材に印加する電圧の極性は、適宜、マイナス(-)トナーを使用する場合から、プラス(+)/マイナス(-)の極性を逆にして印加すると良い。
また、上記各実施例における構成及び数値は、これに限定されるものではない。また、上記各実施例は、適宜、組み合わせて使用して良い。
7 中間転写ベルト
10 2次転写ローラ
15 制御部
20 ベルトクリーニング装置
21 プレ帯電ブラシ
22 回転ブラシ
27 直流電圧電源
28 直流電圧電源
29 直流電圧電源
30 交流電圧電源
100 画像形成装置
P 記録材

Claims (9)

  1. トナー像を担持する像担持体と、
    1次転写部で前記像担持体から転写されたトナー像を2次転写部で記録材に転写するために搬送する周回移動可能な中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトの表面の移動方向において前記2次転写部よりも下流側かつ前記1次転写部よりも上流側で前記中間転写ベルトの表面に接触して回転し、前記中間転写ベルト上のトナーを回収する回転ブラシと、
    前記回転ブラシに電圧を印加する第1の電源と、
    前記中間転写ベルトの表面の移動方向において前記回転ブラシと前記中間転写ベルトとの接触部よりも上流側かつ前記2次転写部よりも下流側で前記中間転写ベルトの表面に接触して固定配置され、前記中間転写ベルト上のトナーを帯電させる固定ブラシと、
    前記固定ブラシに電圧を印加する第2の電源と、
    前記第1の電源及び前記第2の電源を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写する画像形成時に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性側の直流電圧を前記回転ブラシに印加すると共に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を前記固定ブラシに印加するように制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記画像形成時に、前記交番電圧のピーク電圧が前記回転ブラシに印加する電圧の値を超えないトナーの正規の帯電極性側の値となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記画像形成時の前記中間転写ベルトの表面の移動速度に基づいて前記交流電圧の周波数を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記移動速度が第1の移動速度である場合の前記周波数よりも、前記移動速度が第1の移動速度よりも速い第2の移動速度である場合の前記周波数を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、非画像形成時に前記画像形成時とは異なる電圧を前記固定ブラシに印加する清掃モードを実行可能であり、前記清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を前記固定ブラシに印加し、前記清掃モード時の前記交流電圧のピークピーク値Vppを前記画像形成時の前記交流電圧のピークピークピーク値Vppよりも大きくするように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、非画像形成時に前記画像形成時とは異なる電圧を前記固定ブラシに印加する清掃モードを実行可能であり、前記清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性と同極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を前記固定ブラシに印加し、前記清掃モード時の前記交流電圧の周波数を前記画像形成時の前記交流電圧の周波数よりも小さくするように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、非画像形成時に前記画像形成時とは異なる電圧を前記固定ブラシに印加する清掃モードを実行可能であり、前記清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性とは逆極性側の直流電圧と交流電圧とを重畳した交番電圧を前記固定ブラシに印加するように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記清掃モード時に、トナーの正規の帯電極性と同極性の直流電圧を前記回転ブラシに印加するように制御することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記中間転写ベルトは、弾性層を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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