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JP2024000137A - 電子機器、学習レベル推定方法及びプログラム - Google Patents

電子機器、学習レベル推定方法及びプログラム Download PDF

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JP2024000137A
JP2024000137A JP2022098733A JP2022098733A JP2024000137A JP 2024000137 A JP2024000137 A JP 2024000137A JP 2022098733 A JP2022098733 A JP 2022098733A JP 2022098733 A JP2022098733 A JP 2022098733A JP 2024000137 A JP2024000137 A JP 2024000137A
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健夫 小澤
Takeo Ozawa
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Abstract

【課題】文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することを可能とする。【解決手段】電子機器1は、ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された箇所に区切り記号を表示部14に表示させる。電子機器1は、表示された区切り記号に関する情報を取得し、区切り記号に関する情報から導出した、区切り記号の入力文法規則に対する文法規則一致度、区切り記号の個数を示す入力頻度、読解終了までの経過時間を示す読解速度、区切り記号を選択する速度の変動を示す速度安定度、及び特定の文に対する、文法規則一致度と区切り記号の入力速度とから導出されるキーセンテンス理解度に基づいて、ユーザの学習レベルを推定し、推定されたユーザの学習レベルを表示部14に表示する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器、学習レベル推定方法及びプログラムに関する。
英語学習法の一つにスラッシュリーディングがある。スラッシュリーディングは、英語の語順のまま文章の意味を理解する訓練となり効果的であることが知られているが、現行の電子辞書の多くの長文コンテンツでは、文や段落ごとの自然な日本語訳は搭載されているものの、文節ごとの日本語訳を表示することはできず、スラッシュリーディングによる学習が困難である。
一方、一般の英語の映画やドラマ、アニメなどを活用した学習教材や機器として、映像や音声と連動させてスラッシュリーディングによる学習を実現する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2018-112681号公報
特許文献1に開示されているように、従来からスラッシュリーディング学習は存在したが、そのスラッシュリーディングが正しくできているのか判別する手段が乏しく、ユーザはスラッシュリーディング学習の上達を明確に意識することができなかった。
そこで本発明は、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することを目的とする。
この発明に係る電子機器は、文章を表示させる表示部と、ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示させる表示制御部と、前記表示制御部によって表示された前記区切り記号に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定する推定部と、を備える、ことを特徴とする。
この発明に係る学習レベル推定方法は、文章読解を行うユーザの学習レベルを推定する学習レベル推定方法であって、ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示部に表示させるステップと、前記表示された前記区切り記号に関する情報を取得するステップと、前記取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定するステップと、を含むことを特徴とする。
この発明に係るプログラムは、文章読解を行うユーザの学習を支援するプログラムであって、ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を前記表示部に表示させる表示制御機能と、前記表示制御機能によって表示された前記区切り記号に関する情報を取得する取得機能と、前記取得機能によって取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定する推定機能と、を実現させることを特徴とする。
この発明によれば、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
本実施形態の電子機器1の構成を示すブロック図である。 本実施形態の電子機器1の基本動作を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の電子機器1の基本動作を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の電子機器1の区切り記号入力画面の一例を示す模式図である。 本実施形態の電子機器1による区切り記号入力の文法規則の設定画面の一例を示す模式図である。 本実施形態の電子機器1による区切り記号入力画面の一例を示す模式図である。 本実施形の電子機器1による解析結果画面の一例を示す模式図である。 本実施形態による電子機器1での学習レベルに応じて更新されるスラッシュ入力の文法規則の設定画面の一例を示す模式図である。 本実施形態の電子機器1による修正ガイダンス画面の一例を示す模式図である。 本実施形態の電子機器1による動作例を説明するための模式図である。
A.実施形態の構成
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の説明では、「区切り記号」を「入力(設定)」、「表示」などの文言を用いて、外国語テキスト中に区切り記号を定めているが、いずれの表現も、外国語テキスト中における文節位置と区切り記号の位置(以下、区切り位置)とを対応付けることを意味する。換言すると、区切り記号は、外国語テキスト内の単語位置と区切り記号の位置とを紐づけた別途のデータとして保持するようにしてもよい。いずれの場合でも、外国語テキストの文節位置と区切り位置とを関連付けて表示することが可能となっている。
図1は、本実施形態の電子機器(電子辞書)1の構成を示すブロック図である。電子機器1は、以下に説明する電子辞書専用の携帯機器として構成されるか、辞書機能を備えたPDA(personal digital assistants)、PC(personal computer)、携帯電話、電子ブック、携帯ゲーム機等として構成される。電子機器1は、ユーザのマニュアル操作に応じて、外国語(例えば、英語)テキストに対して任意の位置に区切り記号を入力(表示)することが可能となっている。
電子機器1は、CPU11と、記憶部12と、キー入力部13と、タッチパネル式表示部14と、通信部15とを有している。CPU11は、電子機器1の各種動作を制御するCPUである。CPU11は、CPU、ASIC、FPGA等であってよい。また、CPU11は、2つ以上のCPUで構成されていてもよい。CPU11は、キー入力部13のうちの特定の操作キーの入力や、タッチパネル14bに対するタッチ操作(指によるタッチ、スタイラスペンによるタッチなど)の入力を判定する判定部として動作する。また、CPU11は、特定の操作キーの操作や、タッチ操作に応じて実行する処理を変える制御部として動作する。
記憶部12は、当該電子機器1の全体の動作を司るシステムプログラム(不図示)や、通信部15を介してネットワーク上のサーバ(クラウド)とデータ通信するための通信プログラム(不図示)、外国語テキストを翻訳するための翻訳プログラム12a、外国語テキストに対して区切り記号の入力及び表示、学習レベルの表示を行うための区切り記号制御プログラム12b、翻訳のための各種の辞書データ12c、区切り記号位置情報を含む外国語テキストデータ(複数)12d、区切り記号の入力位置を指定する入力文法規則データ12eなどを記憶する。区切り記号位置情報は、外国語テキストにおいて、入力文法規則毎に、区切り記号が入力されるべき位置を示す情報である。入力文法規則データ12eは、区切り記号が入力されるべき位置を指定する文法規則である。キー入力部13は、ユーザが電子機器1を操作するための各種のキーである。キー入力部13を用いた操作が受け付けられたとき、その操作に応じた入力信号がCPU11に伝達される。
タッチパネル式表示部14は、ユーザがスタイラスペンや指等でタッチした位置を検出するタッチ位置検出装置と表示装置が一体となった構造であり、表示部14aにタッチパネル14bを重ねて構成される。表示部14aは、液晶ディスプレイ等のm×nドットの表示器であり、外国語テキストの表示、メニューボタンの表示、区切り記号の表示、翻訳結果の表示、学習レベルの表示、学習レベルに応じた入力文法規則の表示などを行う。通信部15は、CPU11の制御の下、ネットワークを介してサーバ(不図示)とデータ通信を行う。
なお、本実施形態は、外国語テキストに対してスラッシュリーディングを行うための区切り記号を入力、表示及び設定することが主であるため、外国語テキストの翻訳動作等については説明を省略する。
B.実施形態の動作
図2及び図3は、本実施形態による電子機器1の基本動作を説明するためのフローチャートである。電子機器1は、予め保存されている、区切り記号位置情報を含む外国語テキスト12dを読み込んでいるものとする。CPU11は、まず、スラッシュ入力に用いる、デフォルトの入力文法規則データ12eを読み込み(ステップS10)、外国語テキスト(この場合、英文)をタッチパネル式表示部14(表示部14a)に表示する(ステップS12)。
ここで、図4は、本実施形態の電子機器1の区切り記号入力画面の一例を示す模式図である。図4に示すように、表示部14aの上部には、外国語テキスト(この場合、英文)が表示され、表示部14aの下部には、スラッシュ入力開始ボタン21aと、設定ボタン21bとが表示される。
次に、CPU11は、設定ボタン21bが押下(タッチ)されたか否かを判断し(ステップS14)、設定ボタン21bが押下(タッチ)された場合には(ステップS14のYES)、文法設定画面をタッチパネル式表示部14(表示部14a)に表示する(ステップS16)。
ここで、図5は、本実施形態の電子機器1による区切り記号の入力文法規則を設定する文法設定画面22の一例を示す模式図である。図5に示すように、設定ボタン21bが押下(タッチ)されると、タッチパネル式表示部14(表示部14a)には、文法設定画面22が表示される。文法設定画面22は、外国語テキスト20に区切り記号を入力する際に、入力文法規則データ12eに基づく入力文法規則を設定するための画面である。
文法設定画面22には、区切り記号を入力すべき位置を指定する入力文法規則として、「前置詞の前」、「関係代名詞の前」、「現在分詞・過去分詞の前」、「接続詞の前」、「カンマ、コロン等の前か後」、「長い主語の後」、「長い目的語の前」からなる一覧が表示される。入力文法規則の各々には、その入力文法規則を有効/無効とするかを設定するためのチェックボックスが配置されている。ユーザは、チェックボックスにチェックが設定された入力文法規則に従って、外国語テキスト20の所定の箇所に区切り記号を入力する。どの入力文法規則が有効であるか無効であるかは、上記入力文法規則データ12eに従って設定されている。例えば、「前置詞の前」のチェックボックスにチェックが設定されていれば、外国語テキスト20の前置詞の前に区切り記号を入力し、「関係代名詞の前」のチェックボックスにチェックが設定されていれば、関係代名詞の前に区切り記号を入力することを意味する。その他の文法条件についても同様である。
初めて表示される文法設定画面22では、ステップS10で読み込んだデフォルトの文法規則に従って有効/無効が設定されており、有効に設定された入力文法規則に対するチェックボックスがチェックされている。但し、後述するように、スラッシュ入力による学習が進むにつれて、ユーザの学習レベルに応じて、どの入力文法規則を有効とするか、あるいは無効とするかを更新するようになっている。例えば、ユーザの学習レベルが上がるほど、有効(チェック)とする入力文法規則を少なくする。つまり、学習レベルが上がれば、区切り記号を入力すべき箇所を少なくし、より長い文章単位で読解できるようになる。換言すれば、学習レベルが上がったにもかかわらず、区切り記号をたくさん入力して短い文章単位で読解していたのでは効率的に学習することができない。そこで、ユーザの学習レベルが上がるほど、入力しなければならない区切り記号の個数を減らし、学習レベルに応じた長さの文章を読解させることで効率的に学習できるようになっている。
また、文法設定画面22の入力文法規則は、ユーザ自身が有効/無効とすることもできるようになっている。つまり、ユーザが自身の学習レベルや、外国語テキストの内容などに応じて、区切り記号をより多く入力してより短い文章単位で読解したい、あるいはより少なくして、より長い文章単位で読解したいなどの希望がある場合に、どの入力文法規則を有効とするか無効とするかを選択(変更)することが可能となっている。
ユーザは、表示された文法設定画面22で、どの入力文法規則が有効(チェック)であるかを確認した後、又は自身の学習レベル(習得レベル)等に応じて入力文法規則を有効/無効にした後、決定ボタン21cを押下(タッチ)する。決定ボタン21cが押下(タッチ)されると、CPU11は、図5に示す外国語テキスト20の表示画面に戻る。
CPU11は、図4に示す外国語テキスト20の表示画面において、スラッシュ入力開始ボタン21aが押下(タッチ)されたか否かを判断し(ステップS18)、スラッシュ入力開始ボタン21aが押下(タッチ)されない場合には(ステップS18のNO)、ステップS12に戻り、図4に示す外国語テキスト20の表示を継続する。
一方、スラッシュ入力開始ボタン21aが押下(タッチ)された場合には(ステップS18のYES)、最終確認のために、図5に示す文法設定画面22を再度表示する(ステップS20)。ユーザは、再度、入力文法規則を確認する。また、ユーザは、この段階で入力文法規則をさらに変更してもよい。次に、CPU11は、区切り記号入力画面23をタッチパネル式表示部14(表示部14a)に表示し(ステップS22)、タイマをスタートする(ステップS24)
ここで、図6は、本実施形態の電子機器1による区切り記号入力画面の一例を示す模式図である。図6に示す区切り記号入力画面23では、ユーザは、図5に示す文法設定画面22で確認(選択)した入力文法規則に従って、外国語テキストの所定の位置を(指又はスタイラスペンなどで)タッチする。
区切り記号の入力処理中、CPU11は、区切り記号が入力されたか否かを判断し(ステップS26)、区切り記号が入力されない場合には(ステップS26のNO)、入力が終了したか否か、すなわち図6に示す区切り記号入力画面23のスラッシュ入力終了ボタン21dが押下(タッチ)されたか否かを判断する(ステップS32)。そして、区切り記号入力画面23のスラッシュ入力終了ボタン21dが押下されない場合には(ステップS32のNO)、ステップS26に戻る。
一方、区切り記号が入力された場合には(ステップS26のYES)、CPU11は、区切り記号が入力された入力位置とそのときのタイマによる経過時間とを保存する(ステップS28)。次に、CPU11は、図6に示す区切り記号入力画面23の外国語テキスト20に対して、ユーザによりタッチされた箇所に区切り記号(スラッシュ)を表示する(ステップS30)。次いで、入力が終了したか否かを判断し(ステップS32)、スラッシュ入力終了ボタン21dが押下されない場合には(ステップS32のNO)、ステップS26に戻る。
そして、CPU11は、図6に示す区切り記号入力画面23においてスラッシュ入力終了ボタン21dが押下されるまで、上記ステップS26~S32を繰り返す。より具体的には、ユーザは、入力文法規則に従って外国語テキストの所定の箇所を(指又はスタイラスペンなどで)タッチする。所定の箇所がタッチされると、CPU11が、ユーザによりタッチされた箇所に区切り記号(スラッシュ)を表示する。ユーザは、前回の区切り記号と今回入力した区切り記号との間の文章(英文)を読解する。読解し終わると、ユーザは、次の所定の箇所をタッチすることで区切り記号(スラッシュ)を表示させ、再び、区切り記号間の文章(英文)を読解する。このように、ユーザは、区切り記号の入力位置の指定と、前回の区切り記号と今回の区切り記号との間の文章の読解とを繰り返す。CPU11は、ユーザによって区切り記号の入力位置が指定される度に(区切り記号を表示する度に)、その入力位置とそのときの経過時間とを保存していく。電子機器1のタッチパネル式表示部14(表示部14a)には、図6に示すように、タイマによる経過時間21eが表示される。
そして、ユーザが全ての区切り記号の入力、文章の読解を終え、図6に示す区切り記号入力画面23においてスラッシュ入力終了ボタン21dを押下すると(ステップS32のYES)、CPU11は、タイマを停止する(ステップS34)。次に、CPU11は、ステップS28で保存した区切り記号の入力位置、経過時間、あるいは入力頻度等を解析し(ステップS36)、解析結果(学習レベル)をタッチパネル式表示部14(表示部14a)に表示する(ステップS38)。
ここで、図7は、本実施形態の電子機器1による解析結果画面の一例を示す模式図である。図7に示す解析結果画面24では、区切り記号の入力位置、経過時間、あるいは入力頻度等に基づいて導出された、「文法規則一致度」、「入力頻度」、「読解速度」、「速度安定度」、「キーセンテンス理解度」の5つの指標からなる解析結果を、それぞれ20点満点で点数を付けてレーダーチャート25で表示するとともに、全ての指標に対する点数を合計した総合点26を表示するようになっている。
「文法規則一致度」は、区切り記号の入力位置が入力文法規則に一致しない位置である場合や、入力文法規則で指定される位置に入力されない場合に減点とする。「入力頻度」は、入力文法規則に従った場合の区切り記号の個数に対して、実際に入力された区切り記号の個数が少ない場合に加点とする。これは、ユーザが実際に外国語テキストを見て、入力文法規則で指定される位置に区切り記号を入力しなくても十分に読解できると判断した場合、区切り記号の入力を省いてもよく、入力文法規則に従った場合の区切り記号の個数に対して、実際に入力された区切り記号の個数が少なくなる。
つまり、入力文法規則に従った場合の区切り記号の個数に対して、実際に入力された区切り記号の個数が少ないとは、ユーザの学習レベルが想定より高いということを示しているので、「入力頻度」を加点する。この場合、ユーザが文法を十分に理解できずに、入力文法規則で指定された位置に区切り記号を入力しない可能性もあるが、入力文法規則で指定される位置に入力されない場合に相当するので、「文法規則一致度」が減点されることになる。
ユーザは、「入力頻度」の点数が高いのに、「文法規則一致度」の点数が低い場合、スラッシュ入力の文法規則における入力文法規則の設定が現在の学習レベルに合致していないことが分かる。ゆえに、次回、スラッシュリーディングを行う際には、スラッシュ入力の文法規則における入力文法規則の設定を適宜変更すればよい。あるいは、電子機器1において、「入力頻度」の点数が高いのに、「文法規則一致度」の点数が低い場合、スラッシュ入力の文法規則における入力文法規則の設定が現在の学習レベルに合致していないと判断し、スラッシュ入力の文法規則における入力文法規則の設定を自動的に変更するようにしてもよい。
「読解速度」は、長文中の単語数に対する読解終了までの経過時間から判定し、当該判定結果に応じて点数を付与する。「速度安定度」は、区切り記号の入力の前半と後半で入力速度に差に基づいて、入力速度が極端に遅かった文があるか否かという情報に基づいて点数を付与する。「キーセンテンス理解度」は、長文中の内容理解のために重要とされる特定の文(キーセンテンス)に対する、文法規則一致度と入力速度から理解度を判定し、当該理解度に応じて点数を付与する。ユーザは、図7に示す解析結果画面24の解析結果を確認し、レーダーチャート25で表示される、各指標の点数とバランス、及び総合点26から、現在の自身の学習レベルを知ることができる。
次に、CPU11は、次回以降に実施する際の学習レベルを調整すべく、ユーザの読解力を示す解析結果に基づいて、外国語テキスト20に区切り記号を入力する際の入力文法規則を更新する(ステップS40)。
ここで、図8は、本実施形態による電子機器1での学習レベルに応じて更新される区切り記号の入力位置を指定する文法設定画面22の一例を示す模式図である。例えば、デフォルトの文法規則は、図8(a)に示すように、全ての入力文法規則を有効とする。全てを有効とすることで、いわゆる学習初心者(スラッシュリーディング初心者)向けとなっている。スラッシュリーディングを何度か行うことで、スラッシュリーディングに慣れ、読解力を示す総合点26が上がれば、図8(b)に示すように、「長い主語の後」、「長い目的語の前」を無効にする。これにより、区切り記号の入力数を減らすことができ、学習レベルに応じたスラッシュリーディングを実行することができる。さらに、総合点26が上がれば、図8(c)に示すように、「長い主語の後」、「長い目的語の前」に加えて、「接続詞の前」、「カンマ、コロン等の前か後」を無効にする。これにより、区切り記号の入力数をさらに減らすことができ、学習レベルに応じてより長い文章単位でスラッシュリーディングを実行することができる。なお、上述したように、学習レベルに応じて区切り記号入力の文法規則を更新するものの、スラッシュリーディングの開始に先だって、図6に示す文法設定画面22から、ユーザによって適宜変更することが可能である。
C.変形例1
上述した実施形態において、ユーザの読解力を判定する際に、外国語テキストの内容に関して、いくつかの問題をユーザに出題し、問題に対するユーザからの解答を収集してその解答の正誤結果を、読解力を判定するための指標としてもよい。つまり、正答率が高ければ読解力の総合点26を加算するようにしてもよい。その際に、区切り記号の入力位置や入力に要した時間から、ユーザの理解度が低いとする文・段落を推定し、その文・段落に関連する問題を優先的に出題してもよい。
D.変形例2
図9は、本実施形態の電子機器1による変形例2の一例を示す模式図である。本実施形態の変形例2では、図9に示すように、文法的に区切り位置が不適切である場合に警告画面27を表示することで、ユーザの理解を促進するようにしてもよい。図示の例では、ユーザが「even」と「though」との間に区切り記号を入力しようとしている様子を示している。この場合、「even though」は、「~であるけども」、「~にもかかわらず」というように、2つ以上の語が結びついて特殊な意味を持つイディオム(idiom;熟語・慣用語句)であるので、「even」と「though」とを区切り記号で分割して読解することは好ましくない(正しく読解できない)。そこで、「even」と「though」との間に区切り記号を入力することが不適切であることを警告する。
E.変形例3
図10は、本実施形態の電子機器1による変形例3を説明するための模式図である。本実施形態の変形例3では、図10に示すように、英文中の主語をスラッシュ以外の区切りマーク(例えば、下線)を入力させ、その正誤結果を判定し、判定結果をポップアップウィンドウ28に表示することで、ユーザの理解を促進するようにしてもよい。図示の例では、主語に下線を入力するように促している。これに対して、ユーザは、主語「I」に下線を入力しているので、「主語です。正解です。」と正しいことを表示している。
なお、上述した実施形態では、電子機器1単体で全ての処理を実行するようにしたが、これに限らず、インターネット上のサーバ(クラウド)から、外国語テキスト、区切り位置情報、入力文法規則などをダウンロードし、サーバ(クラウド)側で、学習レベルを推定し、当該学習レベルを電子機器1に提供するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、ユーザの学習レベルに応じて、区切り記号を入力する際の入力文法規則を変更するようにしたが、これに加えて、ユーザの学習レベルに基づいて、ユーザに提示すべき外国語テキストの内容(語彙数(量)、短文/長文など)を判断し、ユーザの学習レベルに応じた外国語テキストを選択的に提示するようにしてもよい。
本実施形態によれば、ユーザ操作に基づいて文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された箇所に区切り記号を表示し、表示した区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定するようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
上述した本実施形態によれば、区切り記号に関する情報に、文章中に表示させた区切り記号の位置情報を含めるようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
上述した本実施形態によれば、学習レベルを、ユーザが適切に区切り記号を入力できたか否かの度合いを点数で示すようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができるとともに、ユーザの学習レベルを効果的にユーザに提示することができる。
上述した本実施形態によれば、区切り記号を表示すべき箇所を指定する入力文法規則をユーザ操作により設定可能としたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
上述した本実施形態によれば、推定されたユーザの学習レベルに基づいて、区切り記号を表示すべき箇所を指定する入力文法規則を変更するようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
上述した本実施形態によれば、さらに、文章の内容に関して、少なくとも1つ以上の問題を提示し、少なくとも1つ以上の問題に対するユーザからの解答に基づいて、ユーザの学習レベルを推定するようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
上述した本実施形態によれば、区切り記号に関する情報として、区切り記号を表示すべき箇所を指定する入力文法規則に対する一致度である文法規則一致度、区切り記号の個数を示す入力頻度、文章中の単語数に対する読解終了までの経過時間を示す読解速度、区切り記号を表示させる箇所を選択する速度の変動を示す速度安定度、及び長文中の内容理解のために重要とされる特定の文に対する、文法規則一致度と区切り記号の入力速度とから導出されるキーセンテンス理解度のうち少なくとも1つに基づいて、ユーザの学習レベルを推定するようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
上述した本実施形態によれば、推定されたユーザの学習レベルに関する情報を表示部に表示させるようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができるとともに、ユーザの学習レベルを効果的にユーザに提示することができる。
上述した本実施形態によれば、ユーザ操作により選択された箇所が区切り記号を表示するのに文法的に適切であるか否かを判断するようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
上述した本実施形態によれば、文章中における特定の単語に対して特定の区切りマークを入力するようにユーザに催促し、ユーザ操作により入力された特定の区切りマークの位置に基づいて、その正誤を判定するようにしたので、文章読解を行った際のユーザの学習レベルを効果的に推定することができる。
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
付記1に記載の発明は、文章を表示させる表示部と、ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示させる表示制御部と、前記表示制御部によって表示された前記区切り記号に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定する推定部と、を備えることを特徴とする電子機器である。
(付記2)
付記2に記載の発明は、前記区切り記号に関する情報は、文章中に表示させた区切り記号の位置情報を含む、ことを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記3)
付記3に記載の発明は、前記学習レベルは、ユーザが適切に区切り記号を入力できたか否かの度合いを点数で示したものである、ことを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記4)
付記4に記載の発明は、前記区切り記号を表示すべき箇所を指定する入力文法規則をユーザ操作により設定可能とする文法規則設定部をさらに備える、ことを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記5)
付記5に記載の発明は、前記文法規則設定部は、前記推定部によって推定された前記ユーザの学習レベルに基づいて、入力文法規則を変更する、ことを特徴とする付記4に記載の電子機器である。
(付記6)
付記6に記載の発明は、前記推定部は、さらに、前記文章の内容に関して、少なくとも1つ以上の問題を提示し、前記少なくとも1つ以上の問題に対する前記ユーザからの解答に基づいて、前記ユーザの学習レベルを推定する、ことを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記7)
付記7に記載の発明は、前記推定部は、前記区切り記号に関する情報として、前記区切り記号を表示すべき箇所を指定する入力文法規則に対する一致度である文法規則一致度、前記区切り記号の個数を示す入力頻度、前記文章中の単語数に対する読解終了までの経過時間を示す読解速度、前記区切り記号を表示させる箇所を選択する速度の変動を示す速度安定度、及び長文中の内容理解のために重要とされる特定の文に対する、前記文法規則一致度と前記区切り記号の入力速度とから導出されるキーセンテンス理解度のうち少なくとも1つに基づいて、前記ユーザの学習レベルを推定する、ことを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記8)
付記8に記載の発明は、前記表示制御部は、さらに、前記推定部によって推定された前記ユーザの学習レベルに関する情報を前記表示部に表示させることを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記9)
付記9に記載の発明は、前記ユーザ操作により選択された箇所が前記区切り記号を表示するのに文法的に適切であるか否かを判断する文法判断部をさらに備え、前記表示制御部は、前記文法判断部によって文法的に不適切であると判断された場合に前記表示部に警告画面を表示する、ことを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記10)
付記10に記載の発明は、前記文章中における特定の単語に対して特定の区切りマークを入力するように前記ユーザに催促し、当該催促に応じてユーザ操作により入力された前記特定の区切りマークの位置に基づいて、その正誤を判定する読解補助部をさらに備え、前記表示制御部は、前記読解補助部によって判定された正誤結果を前記表示部に表示する、ことを特徴とする付記1に記載の電子機器である。
(付記11)
付記11に記載の発明は、文章読解を行うユーザの学習レベルを推定する学習レベル推定方法であって、ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示部に表示させるステップと、前記表示された前記区切り記号に関する情報を取得するステップと、前記取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定するステップと、を含むことを特徴とする学習レベル推定方法である。
(付記12)
付記12に記載の発明は、文章読解を行うユーザの学習を支援するプログラムであって、ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示部に表示させる表示制御機能と、前記表示制御機能によって表示された前記区切り記号に関する情報を取得する取得機能と、前記取得機能によって取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定する推定機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
1…電子機器、2…ネットワーク、3…サーバ、4…データベース(DB)、11…CPU、12…記憶部、12a…翻訳プログラム、12b…区切り記号制御プログラム、12c…辞書データ、12d…外国語テキストデータ、12e…入力文法規則データ、13…キー入力部、14…タッチパネル式表示部、14a…表示部、14b…タッチパネル、15…通信部、20…外国語テキスト、21a…スラッシュ入力開始ボタン、21b…設定ボタン、21c…決定ボタン、21d…スラッシュ入力終了ボタン、21e…経過時間、22…文法設定画面、23…区切り記号入力画面、24…解析結果画面、25…レーダーチャート、26…総合点、27…警告画面、28…ポップアップウィンドウ

Claims (12)

  1. 文章を表示させる表示部と、
    ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示させる表示制御部と、
    前記表示制御部によって表示された前記区切り記号に関する情報を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定する推定部と、を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
  2. 前記区切り記号に関する情報は、文章中に表示させた区切り記号の位置情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記学習レベルは、ユーザが適切に区切り記号を入力できたか否かの度合いを点数で示したものである、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記区切り記号を表示すべき箇所を指定する入力文法規則をユーザ操作により設定可能とする文法規則設定部をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記文法規則設定部は、前記推定部によって推定された前記ユーザの学習レベルに基づいて、前記入力文法規則を変更する、ことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記推定部は、さらに、前記文章の内容に関して、少なくとも1つ以上の問題を提示し、前記少なくとも1つ以上の問題に対する前記ユーザからの解答に基づいて、前記ユーザの学習レベルを推定する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  7. 前記推定部は、前記区切り記号に関する情報として、前記区切り記号を表示すべき箇所を指定する入力文法規則に対する一致度である文法規則一致度、前記区切り記号の個数を示す入力頻度、前記文章中の単語数に対する読解終了までの経過時間を示す読解速度、前記区切り記号を表示させる箇所を選択する速度の変動を示す速度安定度、及び長文中の内容理解のために重要とされる特定の文に対する、前記文法規則一致度と前記区切り記号の入力速度とから導出されるキーセンテンス理解度のうち少なくとも1つに基づいて、前記ユーザの学習レベルを推定する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  8. 前記表示制御部は、さらに、前記推定部によって推定された前記ユーザの学習レベルに関する情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  9. 前記ユーザ操作により選択された箇所が前記区切り記号を表示するのに文法的に適切であるか否かを判断する文法判断部をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記文法判断部によって文法的に不適切であると判断された場合に前記表示部に警告画面を表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  10. 前記文章中における特定の単語に対して特定の区切りマークを入力するように前記ユーザに催促し、当該催促に応じてユーザ操作により入力された前記特定の区切りマークの位置に基づいて、その正誤を判定する読解補助部をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記読解補助部によって判定された正誤結果を前記表示部に表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  11. 文章読解を行うユーザの学習レベルを推定する学習レベル推定方法であって、
    ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示部に表示させるステップと、
    前記表示された前記区切り記号に関する情報を取得するステップと、
    前記取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定するステップと、
    を含むことを特徴とする学習レベル推定方法。
  12. 文章読解を行うユーザの学習を支援する電子機器に実行されるプログラムであって、
    ユーザ操作に基づいて前記文章に含まれる単語の前又は後の箇所が選択された場合に、選択された前記箇所に区切り記号を表示部に表示させる表示制御機能と、
    前記表示制御機能によって表示された前記区切り記号に関する情報を取得する取得機能と、
    前記取得機能によって取得された前記区切り記号に関する情報に基づいてユーザの学習レベルを推定する推定機能と、
    を実現させる、
    ことを特徴とするプログラム。
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