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JP2024092284A - 両回転式スクロール型圧縮機 - Google Patents

両回転式スクロール型圧縮機 Download PDF

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JP2024092284A
JP2024092284A JP2022208108A JP2022208108A JP2024092284A JP 2024092284 A JP2024092284 A JP 2024092284A JP 2022208108 A JP2022208108 A JP 2022208108A JP 2022208108 A JP2022208108 A JP 2022208108A JP 2024092284 A JP2024092284 A JP 2024092284A
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JP2022208108A
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裕之 小林
Hiroyuki Kobayashi
和也 本田
Kazuya Honda
友次 橋本
Tomoji Hashimoto
洋介 稲垣
Yosuke Inagaki
圭史朗 武藤
keishiro Muto
彬人 管原
Akito Sugawara
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Publication date
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents

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Abstract

【課題】耐久性に優れた両回転式スクロール型圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の両回転式スクロール型圧縮機では、駆動スクロール31が駆動端板31、駆動渦巻体33、駆動周壁35及びカバー体37を有しており、従動スクロール41が従動端板41及び従動渦巻体43を有している。従動端板41は、回転従動可能な状態で駆動周壁35とカバー体37との間に配置されている。従動端板41と駆動周壁35とは当接可能である。この両回転式スクロール型圧縮機では、従動端板41と駆動周壁35とが当接している状態において、従動渦巻体43と駆動端板31及び駆動渦巻体33と従動端板41がそれぞれ非接触となるように、従動渦巻体43と駆動端板31との隙間S2、及び、駆動渦巻体33と従動端板41との隙間S3を設定している。【選択図】図6

Description

本発明は両回転式スクロール型圧縮機に関する。
特許文献1に従来の両回転式スクロール型圧縮機が開示されている。この両回転式スクロール型圧縮機は、ハウジング、駆動機構、駆動スクロール、従動スクロール及び従動機構を備えている。ハウジングは、駆動機構、駆動スクロール、従動スクロール及び従動機構を内部に収容している。
駆動機構はロータを有している。ロータは、略円盤状をなす底壁部分と、底壁部分から駆動軸心方向に延びる筒状部分とを有している。駆動スクロールは、駆動端板と、駆動渦巻体と、駆動周壁とを有している。駆動渦巻体は駆動端板と一体をなしており、従動スクロールに向かって渦巻状に突出している。駆動周壁は、従動スクロールに向かって円筒状に突出している。駆動周壁は、駆動端板と一体をなしており、駆動渦巻体を囲っている。駆動スクロールは、ロータの筒状部分に駆動周壁を固定することにより、ロータと一体化されている。これにより、駆動スクロールは駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動されるようになっている。
従動スクロールは、ロータの内部、より具体的には、駆動軸心方向でロータの底壁部分と駆動スクロールとの間となる個所に配置されている。これにより、従動スクロールは、ロータの内部で駆動スクロールと対向している。従動スクロールは、従動端板と従動渦巻体とを有している。従動端板は、駆動渦巻体及び駆動周壁と対向している。従動渦巻体は、従動端板と一体をなしており、駆動端板に向かって渦巻状に突出している。駆動渦巻体と従動渦巻体とは互いに対向することにより、流体を圧縮する圧縮室を形成している。
従動機構は、ロータの底壁部分と、従動スクロールの従動端板との間に配置されている。これにより、従動スクロールは、駆動軸心に偏心する従動軸心周りで駆動スクロール及び従動機構によって回転従動しつつ、駆動スクロールに対して相対的に公転可能となっている。
このスクロール型圧縮機では、駆動スクロールが駆動軸心周りで回転駆動するとともに、従動スクロールが従動軸心周りで回転従動することにより、圧縮室の容積を変化させる。これにより、駆動スクロール及び従動スクロールの外部から圧縮室内に流体が吸入されて圧縮室内で圧縮される。こうして圧縮された流体は、圧縮室内から駆動スクロール及び従動スクロールの外部に吐出される。
特開平7-229480号公報
上記従来の両回転式スクロール型圧縮機では、圧縮室で圧縮される流体からの反力によって、従動スクロールには、作動時に従動スクロールを駆動軸心及び従動軸心方向に対して傾かせようとする傾転モーメントが不可避的に作用する。そして、この傾転モーメントによって従動スクロールが傾き、従動渦巻体と駆動端板とが当接し、駆動渦巻体と従動端板とが当接すると、傾転モーメントで傾く従動スクロールを駆動渦巻体及び従動渦巻体によって支持する状態となる。これにより、駆動渦巻体及び従動渦巻体に対する負荷が大きくなり、駆動渦巻体及び従動渦巻体が損傷し易くなる。このため、この両回転式スクロール型圧縮機では、耐久性の低下が懸念される。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、耐久性に優れた両回転式スクロール型圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の両回転式スクロール型圧縮機は、ハウジング、駆動機構、駆動スクロール、従動スクロール及び従動機構を備え、
前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心しつつ従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差する方向に延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって筒状に突出する駆動周壁と、前記駆動周壁内で前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって渦巻状に突出する駆動渦巻体とを有し、
前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差する方向に延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって渦巻状に突出する従動渦巻体とを有し、
前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体と前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機であって、
前記駆動スクロールは、前記駆動周壁に固定されるカバー体を有し、
前記従動端板は、前記回転従動可能な状態で前記駆動周壁と前記カバー体との間に配置され、
前記従動端板と前記駆動周壁とは当接可能であり、前記従動端板と前記駆動周壁とが当接している状態において、前記従動渦巻体と前記駆動端板及び前記駆動渦巻体と前記従動端板がそれぞれ非接触となるように、前記従動渦巻体と前記駆動端板との隙間、及び、前記駆動渦巻体と前記従動端板との隙間を設定していることを特徴とする。
本発明の両回転式スクロール型圧縮機では、従動端板が回転従動可能な状態で駆動周壁とカバー体との間に配置されている。そして、従動端板と駆動周壁とは当接可能である。ここで、この両回転式スクロール型圧縮機では、従動端板と駆動周壁とが当接している状態において、従動渦巻体と駆動端板及び駆動渦巻体と従動端板がそれぞれ非接触となるように、従動渦巻体と駆動端板との隙間、及び、駆動渦巻体と従動端板との隙間を設定している。
これにより、この両回転式スクロール型圧縮機では、たとえ作動時に傾転モーメントによって従動スクロールが傾き、従動端板と駆動周壁とが当接した場合であっても、従動渦巻体と駆動端板とは接触することがなく、また、駆動渦巻体と従動端板とについても接触することがない。
こうして、この両回転式スクロール型圧縮機では、従動スクロールに作用する傾転モーメントを駆動周壁及び従動端板によって好適に支持することができる。そして、この両回転式スクロール型圧縮機では、傾転モーメントで傾く従動スクロールを駆動渦巻体や従動渦巻体によって支持する必要がないため、駆動渦巻体及び従動渦巻体に対して大きな負荷が作用することを防止できる。この結果、この両回転式スクロール型圧縮機では、駆動渦巻体及び従動渦巻体、ひいては駆動スクロール及び従動スクロールの損傷を防止できる。
したがって、本発明の両回転式スクロール型圧縮機は耐久性に優れている。
また、この両回転式スクロール型圧縮機では、従動渦巻体が駆動周壁とカバー体との間に配置されることにより、駆動スクロール対する従動スクロールの位置決めも容易となる。このため、この両回転式スクロール型圧縮機では、製造の容易化も実現できる。
従動端板の外周部には複数の貫通孔が形成され得る。そして、各貫通孔内には、駆動周壁とカバー体との間で、従動端板を回転従動可能な状態で配置するためのスペーサが設けられていることが好ましい。
この場合には、スペーサによって、駆動周壁とカバー体との間に従動端板を回転従動可能な状態で容易に配置できるため、製造を容易化することができる。
駆動機構は、筒状をなし、駆動周壁を外周側から囲みつつ駆動周壁に固定されるロータを有し得る。そして、従動端板は、ロータよりも大径に形成されていることが好ましい。
この場合には、従動端板が大径化するため、従動端板と駆動周壁とが当接した際に従動端板に作用する傾転モーメントの荷重を小さくすることができる。これにより、この両回転式スクロール圧縮機では、耐久性をより高くすることができる。
また、この両回転式スクロール圧縮機では、駆動周壁とカバー体との間に従動端板を配置した際、駆動周壁よりも従動端板が従動端板の径方向に突出する。これにより、このスクロール圧縮機では、製造時に駆動周壁とカバー体との間に従動端板を配置し易く、また、駆動スクロール対する従動スクロールの位置決めも行い易い。
本発明の両回転式スクロール型圧縮機は耐久性に優れている。
図1は、実施例のスクロール型圧縮機の断面図である。 図2は、実施例のスクロール型圧縮機に係り、ハウジング及びカバー体等を示す図1のA-A断面図である。 図3は、実施例のスクロール型圧縮機に係り、駆動周壁、カバー体及び空間部等を示す要部拡大断面図である。 図4は、実施例のスクロール型圧縮機に係り、従動端板等を示す図2と同方向の断面図である。 図5は、実施例のスクロール型圧縮機に係り、ハウジング、カバー体及び従動端板等を示す図2と同方向の断面図である。 図6は、実施例のスクロール型圧縮機に係り、駆動周壁とカバー体との間に従動端板を配置しつつ、駆動周壁にカバー体を固定した状態を示す図3と同様の要部拡大断面図である。 図7は、実施例のスクロール型圧縮機に係り、傾転モーメントによって従動スクロールが傾いた際における駆動スクロール及び従動スクロール等を示す図5のB-B拡大断面図である。 図8は、比較例のスクロール型圧縮機に係り、駆動周壁とカバー体との間に従動端板を配置しつつ、駆動周壁にカバー体を固定した状態を示す図6と同様の要部拡大断面図である。 図9は、比較例のスクロール型圧縮機に係り、傾転モーメントによって従動スクロールが傾いた際における駆動スクロール及び従動スクロール等を示す図7と同様の要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。実施例の両回転式スクロール型圧縮機(以下、単に圧縮機という。)は、図示しない車両に搭載されており、車両の空調装置を構成している。
実施例の圧縮機は、図1に示すハウジング6と、電動モータ10と、駆動スクロール30と、従動スクロール40と、従動軸部16と、図5に示す従動機構20とを備えている。電動モータ10は本発明における「駆動機構」の一例である。
本実施例では、図1に示す実線矢印によって圧縮機の前後方向を規定している。また、本実施例では、図2に示す実線矢印によって従動端板41、ひいては従動スクロール40における径方向の一方側及び他方側を規定している。そして、図3以降では、図1及び図2に対応して、圧縮機の前後方向の他、従動端板41における径方向の一方側及び他方側を規定している。なお、これらの前後方向等は説明の便宜のための一例であり、圧縮機は搭載される車両に応じて、自己の姿勢を適宜変更可能である。
図1に示すように、ハウジング6は、ハウジング本体60と、軸受ハウジング61と、ハウジングカバー62とによって構成されている。これらのハウジング本体60、軸受ハウジング61及びハウジングカバー62は、アルミニウム合金製である。
ハウジング本体60は、第1外周壁60a及び後壁60bを有する有底筒状部材である。第1外周壁60aは、駆動軸心O1を中心とする円筒状をなしている。駆動軸心O1は前後方向と平行である。
第1外周壁60aは内周面601を有している。また、第1外周壁60aには、吸入連絡口68が形成されている。吸入連絡口68は、ハウジング本体60の径方向に延びている。吸入連絡口68は、配管(図示略)を通じて蒸発器(図示略)と接続している。
後壁60bは、ハウジング本体60の後端に位置している。後壁60bは、駆動軸心O1と直交して略円形平板状に延びている。後壁60bの外周縁は、第1外周壁60aの後端に接続している。なお、上述の吸入連絡口68を後壁60bに形成しても良い。
後壁60bの内面中央には第1支持部64が形成されている。第1支持部64は、駆動軸心O1を中心とする略円柱状をなしており、後壁60bの内面中央から前方、すなわち吸入室65内に突出している。第1支持部64には第1滑り軸受51が設けられている。
また、第1支持部64には、ピン孔4が形成されている。図2に示すように、ピン孔4は駆動軸心O1に対して偏心した位置で第1支持部64に形成されている。図1に示すように、ピン孔4は第1支持部64の前端面に開口しつつ、第1支持部64内を後方に向かって直線状に延びている。ここで、ピン孔4は第1支持部64を前後方向に貫通していない。このため、ピン孔4の後端は第1支持部64内に位置している。
軸受ハウジング61は、ハウジング本体60の前方に配置されている。軸受ハウジング61は、駆動軸心O1と直交して略円形平板状に延びている。軸受ハウジング61は、外周縁がハウジング本体60の第1外周壁60aの前端に当接している。
軸受ハウジング61の中央には、駆動軸心O1を中心とする円筒状の第2支持部66が設けられている。第2支持部66の内部には、第2滑り軸受52が設けられている。なお、第1、2滑り軸受51、52に換えて、第1、2支持部64、66にそれぞれ玉軸受等を設けても良い。
ハウジングカバー62は、軸受ハウジング61の前方に配置されている。ハウジングカバー62は、第2外周壁62a及び前壁62bを有する有底筒状部材である。第2外周壁62aは、駆動軸心O1を中心とする円筒状をなしており、駆動軸心O1方向に延びている。ここで、第2外周壁62aにおける駆動軸心O1方向の長さは、ハウジング本体60の第1外周壁60aにおける駆動軸心O1方向の長さよりも短くなっている。
前壁62bは、ハウジングカバー62の前端に位置している。前壁62bは、駆動軸心O1と直交して略円形平板状に延びている。前壁62bの外周縁は、第2外周壁62aの前端に接続している。また、前壁62bには、吐出連絡口69が形成されている。吐出連絡口69は駆動軸心O1方向に延びている。なお、吐出連絡口69を第2外周壁62aに形成しても良い。
ハウジングカバー62は、第2外周壁62aの後端が軸受ハウジング61の前端、つまり、軸受ハウジング61においてハウジング本体60の第1外周壁60aとは反対側に当接している。そして、ハウジング6では、上述のように軸受ハウジング61が第1外周壁60aと当接し、かつ、第2外周壁62aが軸受ハウジング61に当接した状態で複数のボルト(図示略)によって、ハウジングカバー62、軸受ハウジング61及びハウジング本体60が駆動軸心O1方向で固定されている。
こうして、ハウジング6では、軸受ハウジング61によってハウジング本体60の前方が塞がれることにより、ハウジング本体60内に吸入室65が形成されている。また、ハウジング6では、軸受ハウジング61によってハウジングカバー62の後方が塞がれることにより、ハウジングカバー62内に吐出連絡室13が形成されている。つまり、ハウジング6において、軸受ハウジング61は、吸入室65と吐出連絡室13とを区画している。そして、吸入室65は吸入連絡口68と連通している。これにより、吸入室65には吸入連絡口68を通じてハウジング6の外部から冷媒ガスが吸入される。冷媒ガスは本発明における「流体」の一例である。一方、吐出連絡室13は吐出連絡口69と連通している。
電動モータ10は吸入室65内に収容されている。これにより、吸入室65は、電動モータ10を収容するモータ室を兼ねている。
電動モータ10は、ステータ17及びロータ11によって構成されている。ステータ17は、駆動軸心O1を中心としつつ駆動軸心O1方向に延びる円筒状に形成されている。また、ステータ17は巻き線17aを有している。ステータ17は、第1外周壁60aの内周面601に嵌入することにより、ハウジング本体60、ひいてはハウジング6に固定されている。
ロータ11は、駆動軸心O1を中心とする円筒状をなしており、駆動軸心O1方向に延びている。ロータ11はステータ17よりも小径に形成されており、ステータ17内に配置されている。詳細な図示を省略するものの、ロータ11は、ステータ17に対応する複数個の永久磁石と、各永久磁石を固定する積層鋼板とで構成されている。
駆動スクロール30はアルミニウム合金等の金属製である。駆動スクロール30は吸入室65内に収容されている。駆動スクロール30は、駆動端板31、駆動渦巻体33、駆動周壁35及びカバー体37を有している。
駆動端板31は、端板本体部31aとボス部31bとからなる。端板本体部31aは、駆動軸心O1及び従動軸心O2と直交して略円板状に延びている。従動軸心O2は、駆動軸心O1に対して偏心しつつ駆動軸心O1と平行に延びている。つまり、従動軸心O2も前後方向に平行である。
端板本体部31aは、吸入室65内において軸受ハウジング61と対向する第1前面311と、第1前面311の反対側に位置する第1後面312とを有している。
ボス部31bは、端板本体部31aと一体をなしている。ボス部31bは、駆動端板31の中心に位置しており、第1前面311から駆動軸心O1方向で前方に向かって円筒状に突出している。これにより、ボス部31bの内部には、吐出室38が形成されている。吐出室38は、ボス部31bの前端から端板本体部31aの内部まで延びている。なお、吐出室38の形状は適宜設計可能である。
吐出室38は、端板本体部31に形成された吐出口32と連通している。吐出口32は端板本体部31を駆動軸心O1方向に貫通している。また、吐出室38内には、吐出リード弁57及びリテーナ58が固定ボルト59によって固定されている。これにより、吐出リード弁57は吐出口32を開閉可能となっており、また、リテーナ58は、吐出リード弁57の開度を調整可能となっている。
駆動渦巻体33は駆動端板31の端板本体部31aと一体をなしており、端板本体部31aの第1後面312から後方、すなわち従動スクロール40に向かって駆動軸心O1及び従動軸心O2と平行に突出している。駆動渦巻体33は、端板本体部31a、すなわち駆動端板31の中心側を渦巻中心としつつ、渦巻中心から外周に向かって渦巻状に突出している。図3、図6及び図7に示すように、駆動渦巻体33は後端面330を有している。
図1に示すように、駆動周壁35は、駆動軸心O1を中心としつつ駆動軸心O1及び従動軸心O2と平行に延びる円筒状に形成されている。
駆動周壁35は第1対向面351を有している。第1対向面351は、駆動周壁35の後端に位置している。また、駆動周壁35には、3つのボルト孔35cが形成されている。各ボルト孔35cは、第1対向面351に開口しており、駆動周壁35内を前方に向かって延びている。なお、図1及び図3等では、3つのボルト孔35cのうちの1つを図示している。また、各ボルト孔35cの個数は適宜設計可能である。
駆動周壁35は、前端、すなわち第1対向面351と反対側で端板本体部31aの外周縁と一体をなしている。これにより、駆動周壁35は、第1後面312から後方に向かって円筒状に突出する状態となっている。また、駆動周壁35は、駆動渦巻体33よりも外周側に位置しており、駆動渦巻体33を囲っている。ここで、駆動周壁35が駆動端板31の第1後面312から後方に向かって突出する長さは、駆動渦巻体33が駆動端板31の第1後面312から後方に向かって突出する長さよりも長くなっている。これにより、第1対向面351は、駆動渦巻体33の後端面330よりも、駆動端板31から後方に離隔している(図3参照)。なお、図示を省略するものの、駆動渦巻体33における渦巻の外周端は駆動周壁35の内周面に接続している。
図1及び図2に示すように、カバー体37は、カバー本体部37aとボス部37bとからなる。カバー本体部37aは、駆動軸心O1及び従動軸心O2と直交して略円板状に延びている。図1に示すように、カバー本体部37aは、端板本体部31a及び駆動周壁35と略同径に形成されている。
図3、図6及び図7に示すように、カバー本体部37aは、第2対向面371と、後端面372とを有している。第2対向面371は、カバー本体部37aの前端に位置しており、カバー本体部37aの前端面を構成している。後端面372は、第2対向面371とは反対側に位置している。
図2に示すように、カバー本体部37aには、第1吸入口37cと、3つのボルト孔37dとが形成されている。第1吸入口37c及び各ボルト孔37dは、それぞれカバー本体部37aを第2対向面371から後端面372まで貫通している。第1吸入口37cは、各ボルト孔37dに比べて大径に形成されている。なお、第1吸入口37c及び各ボルト孔37dの形状や個数は適宜設計可能である。
また、カバー本体部37aには、6つの自転阻止ピン21が設けられている。各自転阻止ピン21は、第2対向面371に形成された固定孔(図示略)に挿通されつつ固定されており、第2対向面371から前方に向かって延びている。
図1に示すように、ボス部37bは、カバー本体部37aの中央でカバー本体部37aと一体をなしており、カバー本体部37aから駆動軸心O1方向で後方に向かって突出している。ボス部37b内には挿通孔37eが形成されている。挿通孔37eは、ボス部37b内及びカバー本体部37a内を駆動軸心O1方向に貫通している。これにより、ボス部37bは駆動軸心O1を中心とする円筒状をなしている。
駆動スクロール30は、駆動周壁35をロータ11内に圧入することにより、ロータ11と一体化されている。また、図3に示すように、駆動スクロール30において、カバー体37は、駆動渦巻体33及び駆動周壁35よりも後方に配置されている。つまり、カバー体37は、駆動渦巻体33及び駆動周壁35を挟んで駆動端板31とは反対側に配置されている。また、カバー体37は、第2対向面371を駆動渦巻体33及び駆動周壁35に向けた状態で配置されている。
ここで、駆動スクロール30では、カバー体37について、駆動渦巻体33及び駆動周壁35よりも駆動軸心O1方向に離隔させて配置している。これにより、駆動周壁35とカバー体37との間、より具体的には、駆動周壁35のフランジ部35bと、カバー体37のカバー本体部37aとの間には、空間部14が形成されている。この空間部14における駆動軸心O1方向の幅の長さは、第1長さL1となっている。
こうして、駆動スクロール30では、フランジ部35bの第1対向面351と、カバー本体部37aの第2対向面371とが空間部14を挟んで駆動軸心O1方向で対向している。換言すれば、第1対向面351と第2対向面371とは、空間部14の幅の長さである第1長さL1の間隔を有して対向している。また、図1及び図5~図7に示すように、カバー体37は、3つのボルト71によって駆動周壁35に固定されている。なお、駆動周壁35に対するカバー体37の固定についての詳細は後述する。
図1に示す従動スクロール40もアルミニウム合金製である。従動スクロール40は、従動端板41及び従動渦巻体43を有している。
図1及び図4に示すように、従動端板41は、駆動軸心O1及び従動軸心O2と直交して略円板状に延びている。ここで、図6に示すように、従動端板41の板厚の長さは、第2長さL2とされている。そして、この第2長さL2は、空間部14における駆動軸心O1方向の幅の長さである第1長さL1よりも短くなっている。
また、図1及び図7に示すように、従動端板41は、駆動周壁35、カバー体37及びロータ11よりも大径に形成されている。従動端板41は第2前面411と、第2前面411の反対側に位置する第2後面412とを有している。
図4に示すように、従動端板41には、3つの貫通孔41aと、6つの取付凹部41bとが形成されている。図1、図6及び図7に示すように、各貫通孔41aは、従動端板41における外周部、つまり、従動端板41において従動渦巻体43よりも外周側となる個所に配置されており、それぞれ従動端板41を第2前面411から第2後面412まで円柱状に貫通している。また、図4に示すように、各貫通孔41a同士は、従動端板41の周方向に等間隔で配置されている。
各取付凹部41bは、従動端板41の周方向において、各貫通孔41a同士の間に配置されている。各取付凹部41bは、第2後面412から前方に向かって円柱状に凹設されている。つまり、各取付凹部41bは、従動端板41を貫通していない。各取付凹部41b内には、リング22がそれぞれ嵌着されている。
さらに、従動端板41には、第2吸入口41cと収容部41dとが形成されている。第2吸入口41cは、2つの取付凹部41b同士の間となる位置に配置されている。第2吸入口41cは、各貫通孔41aと同様に、従動端板41において従動渦巻体43よりも外周側となる個所に配置されており、従動端板41を第2前面411から第2後面412まで円柱状に貫通している(図7参照)。また、第2吸入口41cは、図2に示す第1吸入口37cよりも大径であって、各貫通孔41aと略同径に形成されている(図4参照)。なお、第2吸入口41cの形状は適宜設計可能である。
収容部41dは従動端板41の中央に位置している。収容部41dは、従動端板41の第2後面412から前方に向かって、従動軸心O2を中心とする円柱状に凹設されている。
収容部41d内には、ブッシュ53が収容されている。また、ブッシュ53には従動ピン55が挿通されている。この際、従動ピン55は、ブッシュ53における中心、すなわち従動軸心O2よりも偏心した位置でブッシュ53に挿通されている。従動ピン55は鉄鋼製であり、円柱状をなしている。従動ピン55は、ブッシュ53、ひいては従動端板41から後方に突出している。これらのブッシュ及び従動ピン55によって従動軸部16が構成されている。なお、ブッシュ53は、滑り軸受等の軸受を介して収容部41d内に収容されても良い。
また、従動端板41は、金属製の3つのスペーサ18を有している。各スペーサ18は、各貫通孔41aよりも小径に形成されており、それぞれ各貫通孔41a内に配置されている。各スペーサ18は同一の形状であり、ボルト71を挿通可能な円筒体をなしている。そして、各スペーサ18は、駆動軸心O1方向に延びている。ここで、図6に示すように、各スペーサ18における駆動軸心O1方向の長さは、第1長さL1となっている。なお、各スペーサ18を樹脂製としても良い。
上述のように、従動端板41の板厚は第2長さL2である。このため、各スペーサ18は、各貫通孔41a内に配置された際、第1長さL1と第2長さL2の差の分だけ、貫通孔41a内から駆動軸心O1方向に突出する状態となる。
図1に示すように、従動渦巻体43は従動端板41と一体をなしており、従動端板41の第2前面411から前方、すなわち駆動端板31に向かって駆動軸心O2及び従動軸心O2と平行に突出している。また、従動渦巻体43は、従動端板41の中心側を渦巻中心としつつ、渦巻中心から外周に向かって渦巻状に突出している。図6及び図7に示すように、従動渦巻体43は前端面430を有している。
ここで、従動渦巻体43が従動端板41の第2前面411から前方に向かって突出する長さは、駆動渦巻体33が駆動端板31の第1後面312から後方に向かって突出する長さと等しくなっている。これにより、駆動周壁35が駆動端板31の第1後面312から後方に向かって突出する長さは、従動渦巻体43が従動端板41の第2前面411から前方に向かって突出する長さよりも長くなっている。
図5に示すように、従動機構20は、6つの自転阻止ピン21と6つのリング22とで構成されている。ここで、自転阻止ピン21及びリング22は、それぞれ3つ以上であればその個数は適宜設計可能である。
この圧縮機では、駆動スクロール30と従動スクロール40とを組み付けるに当たり、上述のように、駆動スクロール30において、駆動渦巻体33及び駆動周壁35よりもカバー体37を駆動軸心O1方向に離隔させて配置する。これにより、駆動周壁35のフランジ部35bと、カバー体37のカバー本体部37aとの間に空間部14を形成する(図3参照)。
また、従動スクロール40では、従動端板41の各貫通孔41a内にスペーサ18をそれぞれ配置する。そして、図6に示すように、従動端板41の第2前面411及び従動渦巻体43を駆動端板31に向けた状態としつつ、各スペーサ18及び各貫通孔41aを含め、従動端板41において従動渦巻体43よりも外周側となる部分を空間部14内に進入させる。こうして、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置する。
ここで、従動端板41は、駆動周壁35、カバー体37及びロータ11よりも大径であるため、図7に示すように、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置した状態で、従動端板41の一部、つまり、従動端板41における外周部は、駆動周壁35及びカバー体37よりも従動端板41の径方向に突出する。また、このように駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置することにより、駆動渦巻体33と従動渦巻体43とが噛合する。これにより、駆動渦巻体33と従動渦巻体43とが互いに対向して圧縮室12を形成している。さらに、図5に示すように、各自転阻止ピン21をそれぞれ各リング22内に進入させる。
また、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置した状態で、駆動周壁35の各ボルト孔35cと、カバー体37の各ボルト孔37dと、各スペーサ18とを駆動軸心O1方向で整合させる。そして、図5及び図6に示すように、カバー体37の後端面372側から各ボルト孔37d、各スペーサ18及び各ボルト孔35cに対して各ボルト71を挿通しつつ、各ボルト71によって駆動周壁35に対してカバー体37を駆動軸心O1方向で固定する。また、このように各ボルト71によって駆動周壁35にカバー体37が固定されることにより、カバー体37の第1吸入口37cと従動端板41の第2吸入口41cとが駆動軸心O1方向で連通する。そして、これらの第1吸入口37c及び第2吸入口41cは、圧縮室12と連通している。
こうして、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置した状態で、駆動スクロール30と従動スクロール40とが組み付けられることにより、駆動スクロール30と従動スクロール40とでスクロール圧縮部100が形成されている。また、各貫通孔41a内において、ボルト71が挿通された各スペーサ18に対して従動端板41が相対的に移動することにより、従動スクロール40は駆動スクロール30に対して従動軸心O2周りで回転可能となっている。
ここで、図6に示すように、各スペーサ18における駆動軸心O1方向の長さは第1長さL1であるため、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置することにより、各スペーサ18は前端が駆動周壁35の第1対向面351に当接するとともに、後端がカバー体37の第2対向面371に当接する。これにより、第1対向面351と第2対向面371との駆動軸心O1方向の間隔、つまり、空間部14における駆動軸心O1方向の幅の長さが第1長さL1に一律で規定される。
一方、従動端板41の板厚の長さは、第1長さL1よりも短い第2長さL2である。このため、駆動スクロール30と従動スクロール40とが組み付けられることにより、空間部14内において、第1対向面351及び第2対向面371と従動端板41との間には、第1長さL1と第2長さL2との差に基づく第1隙間S1が形成されている。
より具体的には、この第1隙間S1は、第1対向面351と従動端板41の第2前面411とにおける駆動軸心O1方向の隙間S11と、第2対向面371と従動端板41の第2後面412とにおける駆動軸心O1の隙間S12とでの合計で構成されている。このため、空間部14において従動端板41が駆動軸心O1方向の中央に位置していれば、隙間S11と隙間S12とは大きさが等しくなり、共に、第1隙間S1の半分の大きさとなる。これに対し、例えば空間部14において従動端板41が第1対向面351に接近すれば、隙間S11は小さくなり、その分、隙間S12は大きくなる。そして、第1対向面351と第2前面411とが当接すれば、隙間S11はゼロとなる一方、隙間S12は最大となり、隙間S12のみによって第1隙間S1が構成されることになる。反対に第2対向面371と第2後面412とが当接すれば、隙間S12がゼロとなる一方で隙間S11は最大となるため、隙間S11のみによって第1隙間S1が構成されることになる。
また、駆動スクロール30と従動スクロール40とが組み付けられることにより、駆動端板31の第1後面312と従動渦巻体43の前端面430との間には、駆動軸心O1方向に第2隙間S2が形成されている。同様に、従動端板41の第2前面411と駆動渦巻体33の後端面330との間には、駆動軸心O1方向に第3隙間S3が形成されている。
ここで、駆動渦巻体33が駆動端板31の第1後面312から後方に向かって延びる長さと、従動渦巻体43が従動端板41の第2前面411から前方に向かって延びる長さとは、共に等しくなっている。そしてこれらの各長さは、駆動周壁35が駆動端板31の第1後面312から後方に向かって延びる長さよりも短くなっている。このため、この圧縮機では、第2隙間S2の大きさと第3隙間S3の大きさとが等しくなっているとともに、第2隙間S2及び第3隙間S3は、第1隙間S1よりも大きくなっている。なお、図6等では、説明を容易にするため、第1~3隙間S1~S3を誇張して図示している。
このように、駆動スクロール30と従動スクロール40とを組み付けた後、駆動スクロール30では、図1に示すように、カバー体37の挿通孔37e内に第1滑り軸受51を挿通させる。これにより、ボス部37b、ひいてはカバー体37は、第1滑り軸受51を介して第1支持部64に回転可能に支持されている。また、駆動スクロール30では、駆動端板31のボス部31bを第2滑り軸受52内に挿通させる。これにより、駆動端板31は、第2滑り軸受52を介して第2支持部66に回転可能に支持されている。こうして、駆動スクロール30は、吸入室65内に配置されつつ、第1支持部64と第2支持部66との両方によって、ハウジング6に駆動軸心O1周りで回転可能に支持されている。
また、このようにボス部31bを第2滑り軸受52内に挿通させることにより、吐出室38と吐出連絡室13とが連通する。これにより、吐出室38は、吐出連絡室13及び吐出連絡口69を通じてハウジング6の外部と連通している。
一方、従動スクロール40では、従動ピン55を第1支持部64のピン孔4内に挿通している。これにより、従動スクロール40は、吸入室65内に配置されつつ、従動軸部16によって第1支持部64に従動軸心O2周りで回転可能に支持されている。つまり、駆動スクロール30と異なり、従動スクロール40は、第1支持部64のみによってハウジング6に従動軸心O2周りで回転可能に支持されている。
以上のように構成されたこの圧縮機では、蒸発器を経た低温低圧の冷媒ガスが吸入連絡口68から吸入室65内に吸入される。そして、電動モータ10が作動し、ロータ11が回転すれば、吸入室65内において、駆動スクロール30が駆動軸心O1周りで回転駆動する。つまり、駆動スクロール30とロータ11とは一体で回転駆動する。この際、従動機構20において、各自転阻止ピン21は各リング22の内周面に摺接しつつ各リング22を各自転阻止ピン21の中心周りで相対的に回転させる。こうして、従動機構20は、従動スクロール40に駆動スクロール30のトルクを伝達する。
その結果、従動スクロール40は、従動軸心O2周りで駆動スクロール30及び従動機構20によって回転従動される。この際、従動機構20は、従動スクロール40が自転することを規制する。これにより、従動スクロール40は駆動スクロール30に対して従動軸心O2周りで相対的に公転する。
ここで、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置した状態において、第1対向面351及び第2対向面371と従動端板41との間には第1隙間S1が形成されている。このため、この圧縮機では、従動スクロール40が従動軸心O2周りで公転するに当たって、駆動周壁35及びカバー体37と従動端板41とにおける干渉が防止されている。
こうして、駆動スクロール30及び従動スクロール40は、圧縮室12の容積を変化させる。このため、吸入室65内の冷媒ガスは、第1、2吸入口37c、41cから圧縮室12内に吸入される。そして、圧縮室12内に吸入された冷媒ガスは、駆動渦巻体33及び従動渦巻体43の渦巻の外周側から渦巻中心に向かって流通しつつ、圧縮室12内で圧縮される。そして、圧縮室12内において吐出圧力まで圧縮された冷媒ガスは、吐出口32から吐出室38内に吐出され、さらに、吐出連絡室13及び吐出連絡口69を経て凝縮器に吐出される。こうして、車両用空調装置による空調が行われる。
ところで、この圧縮機では、圧縮室12で圧縮される冷媒ガスからの反力によって、従動スクロール40には、作動時に従動スクロール40を駆動軸心O1及び従動軸心O2に対して傾かせようようとする傾転モーメントが不可避的に作用してしまう。この点、この圧縮機では、たとえ傾転モーメントによって従動スクロール40が傾いた場合であっても、従動渦巻体43の前端面430を含め、従動渦巻体43の前端部分が駆動端板31の第1後面312に接触することが防止されている。また、この圧縮機では、駆動渦巻体33の後端面330を含め、駆動渦巻体33の後端部分が従動端板41の第2前面411に接触することも防止されている。この作用について、比較例の圧縮機との対比を基に説明する。
図8に示すように、比較例の圧縮機は、実施例の圧縮機と同様に、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置した状態で駆動スクロール30と従動スクロール40とが組付けられている。ここで、比較例の圧縮機では、駆動スクロール30が駆動渦巻体34を有しており、従動スクロール40が従動渦巻体44を有している。
これにより、比較例の圧縮機では、駆動スクロール30と従動スクロール40とが組み付けられることにより、駆動端板31の第1後面312と従動渦巻体44の前端面440との間には、駆動軸心O1方向に第4隙間S4が形成されている。また、従動端板41の第2前面411と駆動渦巻体34の後端面340との間には、駆動軸心O1方向に第5隙間S5が形成されている。
ここで、駆動渦巻体34及び従動渦巻体44は、実施例の圧縮機における駆動渦巻体33及び従動渦巻体43よりも駆動軸心O1方向に長く延びている。つまり、駆動渦巻体34は、実施例の圧縮機の駆動渦巻体33よりも第1後面312から後方に向かって長く延びており、従動渦巻体44は、実施例の圧縮機の従動渦巻体43よりも第2前面411から前方に向かって長く延びている。そして、これらの駆動渦巻体34及び従動渦巻体44は、駆動端板31の第1後面312から後方に向かって延びる長さよりも長く延びている。
このため、比較例の圧縮機における第4隙間S4及び第5隙間S5は、それぞれ実施例の圧縮機における第2隙間S2及び第3隙間S3よりも小さくなっている。なお、比較例の圧縮機における第4隙間S4と第5隙間S5とは等しい大きさとなっている。また、第4隙間S4及び第5隙間S5は、第1隙間S1(第1対向面351と第2前面411とにおける隙間S11と、第2対向面371と第2後面412とにおける隙間S12との合計)よりも小さくなっている。比較例の圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。なお、図8では、説明を容易にするため、第4隙間43及び第5隙間S5等を誇張して図示している。
このような比較例の圧縮機では、図9に示すように、傾転モーメントによって従動スクロール40が傾けば、例えば、従動端板41の径方向において、従動軸心O2よりも一方側では第1対向面351と第2前面411とが接近し、従動軸心O2よりも他方側では、第2対向面371と第2後面412とが接近する。また、従動スクロール40が傾くことにより、従動渦巻体44では、前端面440を含め前端部分が第1後面312に接近し、第2前面411が従動渦巻体34の後端面340を含む従動渦巻体34の後端部分に接近する。
ここで、上述のように、駆動渦巻体34及び従動渦巻体44は、実施例の圧縮機における駆動渦巻体33及び従動渦巻体43よりも駆動軸心O1方向に長く延びており、第4隙間S4及び第5隙間S5は、それぞれ実施例の圧縮機における第2隙間S2及び第3隙間S3よりもそれぞれ小さくなっている。このため、比較例の圧縮機では、従動端板41の径方向において、従動軸心O2よりも一方側で第1対向面351と第2前面411とが当接し、従動軸心O2よりも他方側で第2対向面371と第2後面412とが当接するよりも先に、駆動渦巻体34の後端部分が第2前面411に接触し、従動渦巻体44の前端部分が第1後面312に接触する。
この結果、比較例の圧縮機では、従動端板41と接触した駆動渦巻体34と、駆動端板31と接触した駆動渦巻体44とによって、傾転モーメントで傾く従動スクロール40を支持する状態となり、傾転モーメントによる従動スクロール40の傾きが規制される。つまり、比較例の圧縮機では、駆動渦巻体34と従動渦巻体44とによって従動スクロール40の傾きが規制されるため、第1対向面351と第2前面411とを通じて駆動周壁35と従動端板41とが当接することがなく、また、第2対向面371と第2後面412とを通じてカバー体37と従動端板41とが当接することがない。これにより、比較例の圧縮機では、駆動渦巻体34及び従動渦巻体44に対する負荷が大きくなり、駆動渦巻体34及び従動渦巻体44が損傷し易くなる。
これに対し、実施例の圧縮機では、従動端板41と駆動周壁35とが当接している状態において、従動渦巻体43と駆動端板31及び駆動渦巻体31と従動端板41がそれぞれ非接触となるように、従動渦巻体43の前端面430と駆動端板31の第1後面312とにおける第2隙間S2、及び、駆動渦巻体33の後端面330と従動端板41の第2前面とにおける第3隙間S3を設定している。具体的には、実施例の圧縮機では、駆動渦巻体33及び従動渦巻体43の長さに比べて、駆動周壁35が駆動端板31から後方に向かって延びる長さが長くなっており、第2隙間S2及び第3隙間S3が第1隙間S1よりも大きくなっている。
これにより、図7に示すように、実施例の圧縮機では、傾転モーメントによって従動スクロール40が駆動軸心O1及び従動軸心O2方向に対して傾き、空間部14内において従動端板41の径方向における従動軸心O2よりも一方側で第1対向面351と第2前面411とが当接し、従動端板41の径方向における従動軸心O2よりも他方側で第2対向面371と第2後面412とが当接することによって、傾転モーメントによる従動スクロール40の傾きが規制される。この際、従動スクロール40の傾きによって従動渦巻体43の前端部分が駆動端板31の第1後面312に近づくものの、従動渦巻体43と第1後面312とは非接触となっている。同様に、駆動渦巻体33の後端部分についても、従動スクロール40の傾きによって従動端板41の第2前面411に近づくものの、駆動端板33と第2前面411とは非接触となっている。そして、傾転モーメントによる従動スクロール40の傾きが規制された以降は、従動スクロール40の傾きが大きくなることはないため、従動渦巻体43の前端部分が第1後面312に更に接近することはなく、また、駆動渦巻体33の後端部分が第2前面411に更に接近することもない。
このように、実施例の圧縮機では、比較例の圧縮機とは異なり、傾転モーメントによって従動スクロール40が駆動軸心O1及び従動軸心O2方向に対して傾いても、従動渦巻体43と第1端板31とが接触することはなく、また、駆動渦巻体33と第2端板41とが接触することもない。
こうして、実施例の圧縮機では、空間部14内で駆動周壁35及びカバー体37と従動端板41とが当接することで、従動スクロール40に作用する傾転モーメントを駆動周壁35、カバー体37及び従動端板41によって好適に支持することができる。この一方、実施例の圧縮機では、傾転モーメントで傾く従動スクロール40を駆動渦巻体33及び従動渦巻体34によって支持する必要がないため、駆動渦巻体33及び従動渦巻体34に対して、大きな負荷が作用することがない。この結果、実施例の圧縮機では、駆動渦巻体33及び従動渦巻体34の損傷を防止できる。
また、従動端板41は円板状であり、駆動渦巻体33及び従動渦巻体43のような駆動軸心O1方向に突出する形状ではない。このため、従動端板41は、傾転モーメントによって傾く従動スクロール40を支持するに当たって十分な剛性を有している。このため、実施例の圧縮機では、従動端板41の損傷も防止できる。
したがって、実施例の圧縮機は耐久性に優れている。
特に、この圧縮機では、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置した状態で各ボルト71によって駆動周壁35にカバー体37を固定することにより、駆動スクロール30対する従動スクロール40の駆動軸心O1方向での位置決めも容易となっている。このため、この圧縮機では、製造の容易化も実現している。
また、この圧縮機では、各貫通孔41a内に配置された各スペーサ18によって、駆動周壁35の第1対向面351と従動端板41の第2前面411との間に容易に隙間S11を設けることが可能となっているとともに、カバー体37の第2対向面371と従動端板41の第2後面412との間に容易に隙間S12を設けることが可能となっている。これにより、従動端板41が駆動周壁35やカバー体37に干渉することなく、駆動周壁35とカバー体37との間で好適に回転従動することが可能となっている。
さらに、この圧縮機では、従動端板41が駆動周壁35、カバー体37及びロータ11よりも大径に形成されている。これにより、空間部14内で従動端板41が駆動周壁35の第1対向面351及びカバー体37の第2対向面371と当接した際に従動端板41に作用する傾転モーメントの荷重を可及的に小さくすることが可能となっている。この点においても、この圧縮機では、従動端板41の損傷を防止することができる。
また、従動端板41が大径化することにより、この圧縮機では、駆動周壁35とカバー体37との間に従動端板41を配置した際、従動端板41における外周部が駆動周壁35及びカバー体37よりも従動端板41の径方向に突出する。このため、この圧縮機では、駆動周壁35とカバー体37との間に配置された従動端板41を駆動周壁35及びカバー体37の外側から保持し易くなっている。このため、駆動スクロール30対する従動スクロール40の駆動軸心O1方向での位置決めがより容易となっているとともに、各ボルト71によって駆動周壁35にカバー体37を容易に固定することが可能となっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、各ボルト71に換えて、駆動周壁35及びカバー体37にそれぞれ圧入される圧入ピン等によって駆動周壁35にカバー体37を固定しても良い。
また、実施例の圧縮機では、各挿通孔41内にスペーサ18を設けている。しかし、これに限らず、駆動周壁35の第1対向面351から各貫通孔41a内を通りつつ第2対向面371に当接する突出部等を設けることにより、第1対向面351と第2前面411との間に隙間S11を確保するとともに、第2対向面371と第2後面412との間に隙間S12を確保しても良い。
また、実施例の圧縮機では、ブッシュ53と従動ピン55とによって従動軸部16を構成している。しかし、これに限らず、ブッシュ53に対して第1支持部64に軸支される軸体を一体に形成することにより、ブッシュ53のみによって従動軸部16を構成しても良い。
また、実施例の圧縮機において、駆動スクロール30とロータ11とを駆動軸によって動力伝達可能に接続することにより、駆動スクロール30とロータ11とを駆動軸心O1方向に離隔して配置する構成としても良い。
また、実施例の圧縮機では、従動機構20が自転阻止ピン21及びリング22によって構成されている。しかし、これに限らず、従動機構20は、2本のピンが1つのフリーリングの内周面に摺接するピン・リング・ピン方式、2本のピンの外周面同士が摺接するピン・ピン方式、オルダム接手を用いる方式等によって構成されていても良い。
本発明は車両の空調装置等に利用可能である。
6…ハウジング
10…電動モータ(駆動機構)
11…ロータ
12…圧縮室
18…スペーサ
30…駆動スクロール
31…駆動端板
33…駆動渦巻体
35…駆動周壁
37…カバー体
40…従動スクロール
41…従動端板
43…従動渦巻体
O1…駆動軸心
O2…従動軸心
S2…第2隙間(隙間)
S3…第3隙間(隙間)

Claims (3)

  1. ハウジング、駆動機構、駆動スクロール、従動スクロール及び従動機構を備え、
    前記駆動スクロールは、前記駆動機構によって駆動軸心周りで回転駆動され、
    前記従動スクロールは、前記駆動スクロールに対して偏心しつつ従動軸心周りで前記駆動スクロール及び前記従動機構によって回転従動され、
    前記駆動スクロールは、前記駆動軸心と交差する方向に延びる駆動端板と、前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって筒状に突出する駆動周壁と、前記駆動周壁内で前記駆動端板から前記従動スクロールに向かって渦巻状に突出する駆動渦巻体とを有し、
    前記従動スクロールは、前記従動軸心と交差する方向に延びる従動端板と、前記従動端板から前記駆動スクロールに向かって渦巻状に突出する従動渦巻体とを有し、
    前記駆動スクロール及び前記従動スクロールは、前記駆動渦巻体と前記従動渦巻体とが互いに対向することで圧縮室を形成するとともに、前記回転駆動及び前記回転従動によって前記圧縮室の容積を変化させる両回転式スクロール型圧縮機であって、
    前記駆動スクロールは、前記駆動周壁に固定されるカバー体を有し、
    前記従動端板は、前記回転従動可能な状態で前記駆動周壁と前記カバー体との間に配置され、
    前記従動端板と前記駆動周壁とは当接可能であり、前記従動端板と前記駆動周壁とが当接している状態において、前記従動渦巻体と前記駆動端板及び前記駆動渦巻体と前記従動端板がそれぞれ非接触となるように、前記従動渦巻体と前記駆動端板との隙間、及び、前記駆動渦巻体と前記従動端板との隙間を設定していることを特徴とする両回転式スクロール型圧縮機。
  2. 前記従動端板の外周部には複数の貫通孔が形成され、
    前記各貫通孔内には、前記駆動周壁と前記カバー体との間で、前記従動端板を前記回転従動可能な状態で配置するためのスペーサが設けられている請求項1記載の両回転式スクロール型圧縮機。
  3. 前記駆動機構は、筒状をなし、前記駆動周壁を外周側から囲みつつ前記駆動周壁に固定されるロータを有し、
    前記従動端板は、前記ロータよりも大径に形成されている請求項1又は2記載の両回転式スクロール型圧縮機。
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