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JP2024085239A - 電源装置及び画像形成装置 - Google Patents

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JP2024085239A JP2022199659A JP2022199659A JP2024085239A JP 2024085239 A JP2024085239 A JP 2024085239A JP 2022199659 A JP2022199659 A JP 2022199659A JP 2022199659 A JP2022199659 A JP 2022199659A JP 2024085239 A JP2024085239 A JP 2024085239A
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Abstract

Figure 2024085239000001
【課題】負荷に蓄えられた電荷をDC/DCコンバータを使って放電する。
【解決手段】電源装置は、同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値と、当該第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値とを切り替える電圧設定変更部、および前記スイッチング素子の動作モードとして、電流連続モードと電流不連続モードとを切り替える電流制御モード切替え部を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、少なくとも所定時間の間、前記電流連続モードに設定する。
【選択図】図4

Description

本開示は、電源装置およびそれを用いた画像形成装置に関する。
従来、サーマルヘッド方式のインクジェット記録装置は、インク吐出部である記録ヘッドに搭載されるヒータと、ヒータを制御する制御回路へ供給する電源供給部とを有している。電源供給部からヒータに繋がる電源ラインには、吐出時に流れる急峻な電流によって電圧が低下しないために、平滑用の容量の大きなコンデンサを接続しており、電荷の供給を補っている。記録装置の電源をオフする際、このコンデンサに蓄えられた電荷が放電されるまでに時間を要する。そのため、電源をオフしてから、ヘッドが着脱されるまでに、素早く放電する必要がある。特許文献1では、スイッチと抵抗で構成される放電回路を設けて、電源オフ時にスイッチを動作させ、放電抵抗を介して蓄えられた電荷を強制的に放電している。特許文献2では、電源オフ時に所定時間、ヘッド表面を温調するヒータをオンして、蓄えられた電荷を放電する構成が開示されている。
特開2007-062264号公報 特開2000-238251号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、スイッチと抵抗で構成される放電回路を付加するためのコストがかかる。また、特許文献2の方法では、ヒータに強制的に放電すると、直前まで温調されていた温度に加えて、ヘッドのさらなる温度上昇を招く可能性がある。そこで、ヘッドの温度上昇を招くことなく、低コストで放電させるための構成が必要とされている。
上述のような課題を解決するための本開示の電源装置は、同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値と、当該第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値とを切り替える電圧設定変更部、および前記スイッチング素子の動作モードとして、電流連続モードと電流不連続モードとを切り替える電流制御モード切替え部を制御する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、少なくとも所定時間の間、前記電流連続モードに設定することを特徴とする。
本開示によれば、負荷に蓄えられた電荷をDC/DCコンバータを使って放電することにより、ヘッドの温度上昇を招くことなく、低コストで放電させることが可能となる。
本開示の第1実施形態にかかる記録装置を示す構成図である。 第1実施形態にかかる記録装置の制御ブロック図である。 第1実施形態にかかる記録装置の記録ヘッドの電気ブロック図である。 第1実施形態にかかる記録装置のDC/DCコンバータの構成図である。 DC/DCコンバータの動作モードを説明するための図である。 記録ヘッドの電源をオフするための処理を示すフローチャートである。 記録ヘッドの電源をオフするための処理におけるDC/DCコンバータの動作を説明するための図である。 記録ヘッドの電源電圧を変更するための処理を示すフローチャートである。 記録ヘッドの電源電圧を変更するための処理におけるDC/DCコンバータの動作を説明するための図である。
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、本開示の第1実施形態にかかる記録装置を示す。記録装置100における記録ヘッド周辺の概略構成を示している。記録材であるシートSは、第一搬送部101から搬送され、第二搬送部102で巻き取られる。搬送されるシートSに対して、上方から記録ヘッド106によりシートS上に記録処理を行なって画像を形成する。記録ヘッド106は複数備えられ、搬送経路に倣って搬送方向に沿って並べられている。第1実施形態では、Bk(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の4色のインク等の液体に対応した4つのライン型記録ヘッドを有する。なお、色数および記録ヘッド106の数は4つに限定はされない。
各色のインクは、不図示のインクタンクからそれぞれインクチューブを介して記録ヘッド106に供給される。記録ヘッド106は、ヒータ、ノズルなどが搭載された交換ヘッド103、制御基板104および電源供給基板105により構成され、相互に電気的に接続されている。交換ヘッド103には、複数のノズルに対応するヒータが搭載され、制御基板104からの電気信号によりインク等の液体の吐出を行う。また、交換ヘッド103は、制御基板104、電源供給基板105および不図示のインクタンクに対して着脱可能であり、交換することができる。
図2に、第1実施形態にかかる記録装置の制御ブロックを示す。記録装置100は、記録装置100全体の制御を司る画像コントローラ200、エンジン制御部202、記録制御部203および搬送制御部204を含む。画像コントローラ200、エンジン制御部202、記録制御部203および搬送制御部204の各々は、CPU、記憶部および通信部を含み、通信I/F201を介して相互に接続されている。記憶部には、システム起動に必要なブートプログラム、CPUが実行するアプリケーションプログラムなどが格納され、CPUでプログラムを実行するために必要な記憶領域としても用いられる。
画像コントローラ200は、外部のホスト装置から、記録材に記録する画像の元となるデータを受取り、記録制御部203で扱うことができる画像データに変換し、通信I/F201を介して記録制御部203に送信する。エンジン制御部202は、インクの水分を乾かすための乾燥制御、記録ヘッドの表面を洗浄するためのヘッドメンテナンス制御、インクタンクから記録ヘッドにインクを供給するためのインク循環制御などを実行する。搬送制御部204は、図1に示した第一搬送部101、第二搬送部102を含むアクチュエータの制御を行う。また、搬送制御部204は、センサ類205により検出した情報に基づいて、アクチュエータ等のタイミング制御を行うことができる。記録制御部203は、画像コントローラ200から受信した画像データを、記録材に画像形成するためのデータに展開し、記録ヘッド106のノズル列に適したデータに変換して、記録ヘッド106へ送信する。また、記録制御部203は、複数の記録ヘッド106の間のタイミングの調整なども行う。
記録ヘッド106は、電源装置207と交換ヘッド103で構成され、電源装置207は、図1に示した制御基板104と電源供給基板105とが搭載されている。制御基板104は、CPUが搭載されたヘッド内制御部206を含み、画像処理だけでなく、電源供給基板105の電源ブロックを制御して交換ヘッド103への電源供給も行う。このような記録ヘッド106が、各色ごとに、第1実施形態では4つ存在する。
図3に、第1実施形態にかかる記録装置の記録ヘッドの電気ブロックを示す。ブロック間を接続する実線は電源の接続を示し、点線は信号の接続を示している。鎖線は、各ブロックのまとまりを示している。交流電源300からAC/DCコンバータ301により直流電圧V0に変換され、制御基板104と電源供給基板105とにより構成される電源装置207に供給される。AC/DCコンバータ301は、エンジン制御部202により、電圧生成動作のオンとオフとを切り替えることができる。
<電源供給基板105>
記録ヘッド106の電源装置207に供給された直流電圧V0は、DC/DCコンバータ303により、ヒータ312用の直流電圧VHに変換され、DC/DCコンバータ304により、直流電圧12Vに変換される。電源コントローラ309は、DC/DCコンバータ303のオンオフを制御するとともに、直流電圧VHの出力電圧値を変更することができる。また、電源コントローラ309は、直流電源V0を監視し、停電時、記録装置100の電源が落とされたことを検知している。
DC/DCコンバータ304で生成された直流電圧12Vの出力は、後段のDC/DCコンバータ305、DC/DCコンバータ306およびDC/DCコンバータ307に供給される。DC/DCコンバータ305は、直流電圧12Vを、交換ヘッド103におけるヒータ駆動回路311に供給するための直流電圧VHTに変換している。DC/DCコンバータ306は、直流電圧12Vを、交換ヘッド103のロジック回路310に供給するための直流電圧HVDDに変換している。電源VHT(以降、DC/DCコンバータの出力電圧を電源の名称としても用いる)と電源HVDDの供給経路には、それぞれ継電回路313,315が挿入されている。制御基板104の制御回路308は、インクの吐出動作シーケンスに応じて、継電回路313,315をオンオフ制御することができる。
<制御基板104>
制御基板104は、DC/DCコンバータ307と、ヘッド内制御部206である制御回路308とが搭載されている。DC/DCコンバータ307は、DC/DCコンバータ304から出力された直流電圧12Vを、制御回路308に供給するための直流電圧VCに変換している。各電源の出力電圧は、V0>VH>VHT>HVDD≒VCの大小関係になっている。なお、DC/DCコンバータ307は、制御回路308で使用されるデバイスによっては、電圧VC以外に異なる電圧として、例えば、ロジック用電圧とアナログ用電圧とを生成する場合がある。
制御回路308は、電源供給基板105および交換ヘッド103を制御する。具体的には、電源コントローラ309を介してDC/DCコンバータ303を制御する。また、制御回路308は、記録ヘッド106の外部から入力される不図示の画像データに応じて、インクの吐出動作シーケンスに適したタイミング信号に変換する。このタイミング信号に応じて、ロジック回路310は、交換ヘッド103において駆動するヒータを選択することにより、記録ヘッド106のインクの吐出動作の制御を行う。
<交換ヘッド103>
記録ヘッド106には、複数のインクノズルが搭載されており、各々のインクノズルに対して、ヒータ312およびヒータ駆動回路311が設けられるが、図3においては、説明の都合上1つのみ図示している。ロジック回路310は、制御基板104の制御回路308からのタイミング信号を受けて、複数のヒータ312から駆動するヒータを選択する回路である。ヒータ駆動回路311は、ロジック回路310からオンオフ信号を受け取り、電源VHからヒータ312に流す電流量を調整するためのスイッチング動作を行う。電源VHからの電力供給によりヒータ312が発熱し、インクが吐出される。なお、交換ヘッド103は、劣化等により、電源装置207から着脱交換できる構成になっている。
<コンデンサ316>
インクを吐出するタイミングでヒータ312に流れる電流は、インクの吐出動作シーケンスに応じて、急峻な立ち上がり波形となるとともに、短時間に大電流が流れる。そこで、DC/DCコンバータ303から出力される電圧VHが、電流変動により変動しないように、DC/DCコンバータ303とヒータ駆動回路311との間にコンデンサ316が接続されている。ヒータ312で消費する電流が大きいほど、コンデンサ316の容量は大きいことが望ましく、負荷であるヒータ312により近い部分に接続されることが好ましい。第1実施形態では、交換ヘッド103内に、コンデンサ316を配置している。
図4に、第1実施形態にかかる記録装置のDC/DCコンバータの構成を示す。同期整流方式のDC/DCコンバータ303の構成と、電圧設定を変更する方法について説明する。同期整流方式のDC/DCコンバータは、一般的な回路方式であり、本実施形態の構成に関わる部分のみを説明する。
<同期整流スイッチ部>
コンデンサ401は、AC/DCコンバータ301から出力された直流電源V0の電荷をチャージする入力コンデンサである。スイッチングFET402と同期整流FET403(以降、FET402、FET403と称する)は、スイッチングパルスを生成するスイッチング制御部404からの駆動信号によってON/OFFするスイッチング素子である。スイッチング制御部404は、FET402とFET403を排他的にON/OFFを繰り返す。FET402がONする時には、インダクタ405に直流電源V0を供給源とする電流を流すことによりエネルギーが蓄えられる。次に、FET402のOFFの時に、FET403がONされるため、インダクタ405のエネルギーが起電力として働き、出力コンデンサ406とFET403とに、電流を流す。このようにして、インダクタ405に電流を流すことにより、DC/DCコンバータ303の出力である電源VHの電源ラインに電力を供給し続けている。
<電圧フィードバック部>
FET402は、電圧フィードバック部による電圧に応じて、ONされる期間が調整され、電圧VHを維持できるように制御される。具体的には、抵抗R1と抵抗R2により分圧された電圧VFBが、エラーアンプ407に入力され、基準電源として固定された電圧Vrefと比較される。エラーアンプ407から出力される差分電圧と、発振器408から出力される鋸波がコンパレータ409に入力され、差分電圧に応じたONデューティーを有するパルスが生成され、スイッチング制御部404をフィードバック制御する。フィードバック制御されたONデューティーによって、再びFET402がONとなり、所望の直流電圧VHになるように、ON/OFF制御がなされる。所望の直流電圧VHとは、基準電圧VrefとR1、R2の抵抗値によって決まる。つまり、DC/DCコンバータ303の出力電圧が所望の直流電圧VHになるように、エラーアンプ407を介して、スイッチング制御部404に帰還がかかるようになっている。
<電圧設定変更部>
所望の直流電圧VHは、基準電圧VrefとR1、R2の抵抗値によって決まるが、さらに抵抗R3に流す電流を変更することにより、可変することができる。具体的には、電圧検知部410によって、検出された電圧VSENが電源コントローラ309に入力される。電圧検知部410は、例えば、2つの抵抗による抵抗分圧を出力する。電圧VSENと電圧設定部411の電圧Vvolとが、エラーアンプ412に入力され、差分電圧Voが出力される。
差分電圧Voは、抵抗R3と基準電圧Vrefとにより電流I3を増減させる。電圧VFBは、基準電圧Vrefと等しくなるように回路動作するため、電流I2は、増減しない固定値の電流である。一方で、電流I2は、電流I1とI3の和であるため、電流I3が増えると、自ずと電流I1がその分減り、所望の直流電圧VHが下がる。このようにして、電源コントローラ309において、電圧設定部411の設定電圧Vvolを変更することにより、電流I3および電流I1が調整され、DC/DCコンバータ303による電源VHの出力電圧を変更することができる。
なお、電源供給基板105の電源コントローラ309は、制御基板104の制御回路308に搭載されたCPUにより制御されるため、電源VHの出力電圧の変更は、制御回路308のCPUからの指示で行われる。
<電流制御モード切替え部>
電流制御モード切替え部414は、制御回路308からの、電流制御モード切替え信号によって、スイッチング素子の動作モードとして実行可能な電流連続モードと電流不連続モードとを切り替える。電流制御モード切替え信号は、High/Lowの2値の信号であり、所定の閾値電圧を基準にして、2値のいずれかが判別される。第1実施形態では、信号の電圧レベルがHighのとき電流連続モード、Lowのとき電流不連続モードである。なお、電流制御モードを切り替える為の判別方法は、High/Lowの信号に限定されるものではなく、例えばI2C通信のようにクロックと同期した通信でもあってもよい。
図5を参照して、DC/DCコンバータの動作モードを説明する。図5(a)、(b)、(c)は、電流連続モードにおけるFET402,403の動作と、インダクタ405の電流動作を示している。図5(d)、(e)、(f)は、電流不連続モードにおけるFET402、403の動作と、インダクタ405の電流動作を示している。インダクタ405の電流は、図4に示した電流I1の方向に流れる場合を正として波形を図示する。
電流連続モードは、同期整流スイッチ部の項で前述べたように、FET402、FET403を交互にONさせることにより、インダクタ405からの電流を連続して出力する制御方式である。なお、FET402とFET403とが同時にONしないように、両方をOFFするデッドバンドタイムT1を設けている。
図5(c)は、負荷の大きさの違いによって変わる電流波形501~503を3つ例示している。波形503のように、極端に負荷が小さい場合であっても、一定の周期でFET402、403をON/OFF動作させている。このとき、領域504は、コンデンサ406に蓄えられた電荷が、図4で示した電流I4の向きで放電していることを示している。この電流I4は、インダクタ405の抵抗成分およびFET403のオン抵抗などにより電力が消費される。
電流不連続モードでは、FET403のONとFET402のONとの間のデッドバンドタイムT1に代えて、より長い時間のオフ期間T2を設けている。すなわち、電源VHを供給するDC/DCコンバータ303をオフにする期間を設けている。このようにして、FET402、403のONの繰り返しを間欠的に動作させている。電流不連続モードによれば、電流連続モードで生じていた領域504において消費していた電力損失を減らすことができる。従って、負荷が小さい場合、電流不連続モードは、電力を負荷に供給する効率が電流連続モードと比較して高いという利点がある。
第1実施形態における動作モードである電流連続モードと電流不連続モードの使い分けについて説明する。記録ヘッド106においてインクの吐出をおこなうときは、ヒータ312に電流を供給しており、電流連続モードで制御している。次に、インクの吐出を終え、ヒータ駆動回路311をオフすると、電源VHの負荷はヒータ312への電流供給が無くなるために、軽負荷になる。軽負荷時には、消費電力を節減するために、電流不連続モードに切り替える。しかしながら、軽負荷になると同時に、電源VHを供給するDC/DCコンバータ303をオフにすると、出力コンデンサ406と交換ヘッド103のコンデンサ316に蓄えられた電荷が放電する時間が長くなってしまう。
そこで、第1実施形態においては、軽負荷になり、電圧を下降する電圧設定切り替えを行った後の所定時間は、電流連続モードを維持する。これにより、電流I4の経路で放電動作が行われ、より早く電源VHを下げることができる。なお、所定時間、すなわち放電時間はコンデンサ406、316の容量で増減するため、接続するコンデンサの容量に応じて設定する。
図6は、記録ヘッドの電源をオフするための処理を示すフローチャートであり、図7を参照して、DC/DCコンバータの動作を説明する。この処理は、例えば、交換ヘッド103を交換する際に、記録ヘッド106の電源をオフするために、制御基板104の制御回路308が行う。
時刻t0において、記録制御部203から記録ヘッド106の電源をオフするための指令が制御回路308に送出される。制御回路308は、所定の時間経過後の時刻t1において、ステップS600から処理を開始する。なお、所定時間t1は、制御回路308の内部処理時間に応じて任意に設定される。
時刻t1において、制御回路308のCPUは、インクの吐出を終えたヒータ駆動回路311をオフにする指示を、ロジック回路310に送信する(ステップS600)。オフされたヒータ駆動回路311と電源VHのラインを介して接続されたDC/DCコンバータ303は軽負荷となる。制御回路308は、ヒータ駆動回路311をオフにする指示を出すことにより、DC/DCコンバータ303の負荷の大小が判るため、負荷検知手段にもなり得る。なお、制御回路308は、記録ヘッド106の電源をオフするための指令に限らず、所定の負荷よりも低い軽負荷となることが明らかな指令を受けた場合にも、負荷検知手段として動作することができる。
軽負荷時には消費電力を節減するために、制御回路308は、軽負荷となったDC/DCコンバータ303を電流不連続モードに切り替える。すなわち、電流制御モード切替え部414に送出される電流制御モード切替え信号の出力をLowに切り替える。
時刻t2において、制御回路308は、電源コントローラ309の電圧設定部411における設定電圧Vvolを、電圧V1より低い電圧V2に切り替える(ステップS601)。これにより電源VHは、設定電圧V2に応じたDC/DCコンバータ303の出力電圧VH’に向けて下降を始める。電圧VH’は0Vとなるように設定されてもよい。
時刻t3において、所定時間T5を測るためのタイマーのカウントを開始する(ステップS602)。さらに、制御回路308は、T5の時間が経過するまでの間、DC/DCコンバータ303が軽負荷であっても、電流制御モード切替え信号の出力をHighにして、電流連続モードにする(ステップS603)。上述した通り、軽負荷となった場合でも電流連続モードにすると、所定時間T5の間、電源の効率が下がってしまう。一方、電源VHの電源ラインを介したコンデンサ406、316からの放電は、電流不連続モードにした時よりも速く放電することができる。なお、ステップS602のタイマーのカウント開始と、ステップS603の電流連続モードへの切り替えとは、ステップS601の電圧の切り替え直後に実行してもよい。
所定時間T5が経過すると(ステップS604)、時刻t4において、制御回路308は、電源コントローラ309を介してDC/DCコンバータ303をオフする。制御回路308は、記録制御部203を介して、エンジン制御部202に、記録ヘッド106への電源供給をオフしたことを通知する。この通知により、エンジン制御部202のCPUは、AC/DCコンバータ301の動作をオフする(ステップS605)。
以上のように、電源VHを落とす過程で、一時的に強制的に電流連続モードに切り替えることにより、コンデンサ406、316に貯まった電荷の放電を促し、より速く直流電圧VHを0Vまで落とすことができる。これにより、記録ヘッド106への電源をオフしてから、交換ヘッド103の着脱の作業までの時間を短くすることができる。また、DC/DCコンバータ303の同期整流FET403を介して放電するため、放電抵抗などの追加の放電回路を設ける必要がなく、低コストで放電させるための構成を実現することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態で説明したコンデンサの放電方法を用いて、電源VHの出力電圧を短時間で下方に制御する方法を説明する。インクを吐出するための交換ヘッド103のヒータ312は、ヒータ抵抗値に固有のばらつきを有している。所望のインク量を安定して吐出するためには、ヒータに与えるエネルギーのばらつきを少なくする必要がある。しかしながら、ヒータ抵抗値自体のばらつきは補正できないため、電源VHの出力電圧を変えることによって、ばらつきを補償する場合がある。
図3に示した交換ヘッド103に搭載された不揮発メモリ317は、ヒータ抵抗値の固有のばらつきに関係する数値を保存したメモリである。例えば、交換ヘッドを製造する過程で、この数値を不揮発メモリ317に書き込みを行うことができる。制御回路308は、不揮発メモリ317の保存内容を読み取り、電源コントローラ309を介して、VH電圧値を変更する。
第2実施形態においても、図1~4に示した記録装置、電源装置およびDC/DCコンバータの構成は同じであるため、説明は省略する。
図8は、記録ヘッドの電源電圧を変更するための処理を示すフローチャートであり、図9を参照して、DC/DCコンバータの動作を説明する。この処理では、電源VHをオンするシーケンスおよび電源VHの出力電圧を補正するシーケンスを示す。
時刻t6において、記録制御部203から記録ヘッド106の電源をオンするための指令が制御回路308に送出される。制御回路308のCPUは、電源コントローラ309を介してDC/DCコンバータ303をオンする(ステップS700)。このとき電源コントローラ309における電圧設定部411の設定電圧Vvolを電圧V3に設定する。電圧V3は、DC/DCコンバータ303の出力電圧を電圧VH3に設定する。電圧VH3は、電源VHの出力を補正しない場合のデフォルト値に相当する。
また、制御回路308は、インクの吐出動作を行っていないことが判っているため、DC/DCコンバータ303は軽負荷であると判断し、電流制御モード切替え信号をLowにして、電流不連続モードに設定しておく(ステップS701)。
時刻t7において、制御回路308は、不揮発メモリ317の保存内容を読み取り、ヒータ抵抗値の固有のばらつきに関係する数値を取得する(ステップS702)。次に、制御回路308は、読み取った数値から、変更すべき電源VHの出力電圧値を算出する(ステップS703)。
時刻t8において、制御回路308は、電圧設定部411の設定電圧Vvolを電圧V4に設定する(ステップS704)。これにより、電源VHの出力電圧は、電圧VH4に変更される。ここでは、VH3>VH4として出力電圧を下方に遷移する例として説明する。このとき、DC/DCコンバータ303は電流不連続モードに設定されているため、出力電圧の降下に伴って、コンデンサ406、316に蓄えられた電荷が放電する時間が長くなり、電圧VH4への遷移に時間を要してしまう。
そこで、時刻t9において、所定時間T10を測るためのタイマーのカウントを開始する(ステップS705)。さらに、制御回路308は、T10の時間が経過するまでの間、電流制御モード切替え信号の出力をHighにして、電流連続モードにする(ステップS706)。これにより、第1実施形態と同様に、電源VHの電源ラインを介したコンデンサ406、316からの放電は、電流不連続モードにした時よりも速く放電することができ、電圧VH4へ速やかに変更することができる。なお、ステップS705のタイマーのカウント開始と、ステップS706の電流連続モードへの切り替えとは、ステップS704の電圧の切り替え直後に実行してもよい。
所定時間T10が経過すると(ステップS707)、時刻t11において、制御回路308は、電流制御モード切替え信号をLowにして、DC/DCコンバータ303を電流不連続モードに設定する(ステップS708)。インクの吐出動作を行っておらず、DC/DCコンバータ303は軽負荷であることから、電力損失を減らし、電源の効率を上げるためである。
なお、時間T10が経過した時刻t11よりも前に、電源VHはVH4に到達している。このように、時間T10は確実に電圧VH4に到達するまでの時間を設定してもよいし、電圧VH4に到達する時間より短くしてもよい。DC/DCコンバータ303の出力電圧は電圧VH4に達し、負荷が増えるまで間、電流不連続モードが維持される。
このようにして、電源VHの出力電圧を下げる動作を行う過程においても、一時的に電流連続モードに切り替えることにより、コンデンサ406、316に貯まった電荷の放電を促し、より速く設定された出力電圧に遷移させることができる。また、電源VHをオンしてから、インクの吐出動作による印刷までの待機時間を短くすることができる。
(その他の実施形態)
本実施形態においては、記録装置の記録ヘッドに電力を供給する電源装置として説明したが、電力を供給する対象はこれに限られない。例えば、プリンタであれば、インクジェットプリンタに限らず、フルカラーレーザービームプリンタ、モノクロプリンタ等に適用することができ、特に、平滑用の容量の大きなコンデンサを含む装置により好適である。さらに、本開示は、電流連続モードと電流不連続モードの切り替えを行う同期整流方式のDC/DCコンバータを含む電源装置であって、負荷の変動が大きな容量性の負荷を接続する電源装置に好適である。
また、本実施形態の開示は、以下の構成を含む。
構成1)
同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値と、当該第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値とを切り替える電圧設定変更部、および前記スイッチング素子の動作モードとして、電流連続モードと電流不連続モードとを切り替える電流制御モード切替え部を制御する制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、少なくとも所定時間の間、前記電流連続モードに設定することを特徴とする電源装置。
構成2)
前記DC/DCコンバータの出力は、インダクタを介して負荷に接続されることを特徴とする構成1に記載の電源装置。
構成3)
前記電流連続モードは、前記インダクタからの電流を連続して出力するモードであり、前記電流不連続モードは、前記インダクタからの電流の出力をオフする期間を有するモードであることを特徴とする構成2に記載の電源装置。
構成4)
前記制御回路は、前記負荷が、所定の負荷よりも低い軽負荷となる場合に、前記電流不連続モードに切り替え、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、少なくとも前記所定時間の間、前記電流連続モードに設定することを特徴とする構成2または3に記載の電源装置。
構成5)
前記制御回路は、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、前記電流連続モードに設定することを特徴とする構成1ないし4のいずれか1つに記載の電源装置。
構成6)
前記DC/DCコンバータの出力をオンまたはオフする電源コントローラを備え、
前記制御回路は、前記所定時間の経過後に、前記電源コントローラを制御して、前記DC/DCコンバータをオフすることを特徴とする構成1ないし4のいずれか1つに記載の電源装置。
構成7)
前記電圧設定変更部は、前記出力電圧を検知する電圧検知部を含み、前記電圧検知部で検知された電圧値に基づいて前記スイッチング素子がフィードバック制御されることを特徴とする構成1ないし4のいずれか1つに記載の電源装置。
構成8)
構成1ないし7のいずれか1つに記載の電源装置と、
液体を記録材に吐出して画像を形成する記録ヘッドであって、前記電源装置からの電力供給により前記液体を吐出する記録ヘッドと
を備えたことを特徴する記録装置。
構成9)
同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータを含む電源装置の制御方法において、
前記DC/DCコンバータの出力に接続された負荷が、所定の負荷よりも低い軽負荷となる場合に、前記スイッチング素子の動作モードを電流不連続モードに切り替えるステップと、
前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値から、当該第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値に切り替えるステップと、
前記DC/DCコンバータの前記動作モードを、少なくとも所定時間の間、電流連続モードに設定するステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
構成10)
前記所定時間の経過後に、前記DC/DCコンバータをオフするステップをさらに備えたことを特徴とする構成9に記載の制御方法。
構成11)
同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータを含む電源装置の制御方法において、
前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値に設定し、前記スイッチング素子の動作モードを電流不連続モードに切り替えるステップと、
前記DC/DCコンバータの出力電圧を、前記第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値に切り替えるステップと、
前記DC/DCコンバータの前記動作モードを、少なくとも所定時間の間、電流連続モードに設定するステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
構成12)
前記所定時間の経過後に、前記DC/DCコンバータの前記動作モードを、前記電流不連続モードに切り替えるステップをさらに備えたことを特徴とする構成11に記載の制御方法。
100 記録装置
103 交換ヘッド
104 制御基板
105 電源供給基板
106 記録ヘッド
207 電源装置

Claims (12)

  1. 同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータと、
    前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値と、当該第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値とを切り替える電圧設定変更部、および前記スイッチング素子の動作モードとして、電流連続モードと電流不連続モードとを切り替える電流制御モード切替え部を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、少なくとも所定時間の間、前記電流連続モードに設定することを特徴とする電源装置。
  2. 前記DC/DCコンバータの出力は、インダクタを介して負荷に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記電流連続モードは、前記インダクタからの電流を連続して出力するモードであり、前記電流不連続モードは、前記インダクタからの電流の出力をオフする期間を有するモードであることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記制御回路は、前記負荷が、所定の負荷よりも低い軽負荷となる場合に、前記電流不連続モードに切り替え、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、少なくとも前記所定時間の間、前記電流連続モードに設定することを特徴とする請求項2または3に記載の電源装置。
  5. 前記制御回路は、前記出力電圧を前記第1の出力電圧値から前記第2の出力電圧値に切り替えた後に、前記電流連続モードに設定することを特徴とする請求項1、2または3に記載の電源装置。
  6. 前記DC/DCコンバータの出力をオンまたはオフする電源コントローラを備え、
    前記制御回路は、前記所定時間の経過後に、前記電源コントローラを制御して、前記DC/DCコンバータをオフすることを特徴とする請求項1、2または3に記載の電源装置。
  7. 前記電圧設定変更部は、前記出力電圧を検知する電圧検知部を含み、前記電圧検知部で検知された電圧値に基づいて前記スイッチング素子がフィードバック制御されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の電源装置。
  8. 請求項1、2または3に記載の電源装置と、
    液体を記録材に吐出して画像を形成する記録ヘッドであって、前記電源装置からの電力供給により前記液体を吐出する記録ヘッドと
    を備えたことを特徴する記録装置。
  9. 同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータを含む電源装置の制御方法において、
    前記DC/DCコンバータの出力に接続された負荷が、所定の負荷よりも低い軽負荷となる場合に、前記スイッチング素子の動作モードを電流不連続モードに切り替えるステップと、
    前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値から、当該第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値に切り替えるステップと、
    前記DC/DCコンバータの前記動作モードを、少なくとも所定時間の間、電流連続モードに設定するステップと
    を備えたことを特徴とする制御方法。
  10. 前記所定時間の経過後に、前記DC/DCコンバータをオフするステップをさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
  11. 同期整流方式によってスイッチング素子をスイッチングして電圧を出力するDC/DCコンバータを含む電源装置の制御方法において、
    前記DC/DCコンバータの出力電圧を第1の出力電圧値に設定し、前記スイッチング素子の動作モードを電流不連続モードに切り替えるステップと、
    前記DC/DCコンバータの出力電圧を、前記第1の出力電圧値より低い第2の出力電圧値に切り替えるステップと、
    前記DC/DCコンバータの前記動作モードを、少なくとも所定時間の間、電流連続モードに設定するステップと
    を備えたことを特徴とする制御方法。
  12. 前記所定時間の経過後に、前記DC/DCコンバータの前記動作モードを、前記電流不連続モードに切り替えるステップをさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
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