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JP2024078457A - 搬送システム、搬送制御方法、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

搬送システム、搬送制御方法、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

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JP2024078457A
JP2024078457A JP2023201709A JP2023201709A JP2024078457A JP 2024078457 A JP2024078457 A JP 2024078457A JP 2023201709 A JP2023201709 A JP 2023201709A JP 2023201709 A JP2023201709 A JP 2023201709A JP 2024078457 A JP2024078457 A JP 2024078457A
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恭矢 林
Kyoya Hayashi
匠 土屋
Takumi Tsuchiya
知己 頓所
Tomoki Tonsho
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Toyo Kanetsu KK
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Toyo Kanetsu KK
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Abstract

【課題】出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな搬送システムを幹線として、従来のコンベヤに代わり、AGV及びAMR等の無人搬送車等(自律搬送体)を適用して構築し、自律搬送体を効率的に利用して、運用効率向上を可能する。【解決手段】物流による被搬送体としてオーダ指定されたオーダ品を収容する第1搬送収容体を、自律搬送により搬送可能な複数の自律搬送体と、オーダ品を配送先に配送する際に、配送対象となる第1搬送収容体を第2搬送収容体に集品して収容する集品収容部と、自律搬送体と集品収容部を制御する制御部を備え、集品収容部は、規定の範囲の第1配送先範囲内にオーダ品を収容した第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成する第1集合部と、第1配送先範囲を第1配送先範囲の第2配送先範囲内にオーダ品を収容した第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する第2集合部を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、搬送システム、搬送制御方法、プログラムおよび記憶媒体に関する。
従来のスーパーマーケット、ホームセンター、生活協同組合、及び、電子商取引ショップ等では、出荷件数が多い上、出荷件数当たりのSKU数も多い傾向にあったため、これらの物流センター等の仕分け作業では、作業効率向上及び人員削減を図ることが可能であるDPS(Digital Picking System)及びGTP(Goods To Person System)が導入されてきた(非特許文献1及び2)。
例えば、DPS10は、空集品容器1011を搬送する集品コンベヤ102を挟むように、注文される物品を保管されるフローラック103と、注文される物品を状況に応じて一時待機させる仮置台104が配置される図1に示すような設備が用いられ、これらに備えられたピッキング指示器105、オーダ表示器106、及び、投入指示器107等の指示に従って、作業員Pが、フローラック103の物品を、又は、フローラック103から仮置台104に一時待機されている物品を、集品コンベヤ102で次々と搬送されてくる空集品容器1011へ次々に仕分けして、物品収納済み集品容器1012を送出するシステムである(特許文献1及び2)。
このDPSでは、上位情報システムに保存されている莫大な物品情報に基づいてコンピュータでプログラミングし制御されることによって、コンベア等の物流機器と機能的に連動するピッキング指示器105、オーダ表示器106、及び、投入指示器107に従って、作業員Pが、集品コンベヤ102で次々と搬送されてくる配送先等に紐づけられた空集品容器1011へ、フローラック103及び仮置台104の物品を次々に投入するだけでよいため、物品の処理速度が高い上、作業員の熟練度によらないミスが防止され、出荷件数及びSKU数が多い物流センター等の作業効率を高めるために導入されてきた。
また、GTP20としては、格納棚2031、仮置台2032、リフター2033、(図示されていない)物品搬送車、及び、その搬送車の走行空間2034等から構成される立体自動倉庫203、並びに、その倉庫203に物品を送出入する物品入出庫コンベヤ2051、2052、及び、物品を移載する物品提示コンベヤ2053等から構成される物品搬送コンベヤ205、並びに、これらの物品搬送コンベヤ205に隣接して備えられる、空集品容器2011を各仕分けゾーンに搬送する空集品容器搬送コンベヤ2021、仕分けゾーンに空集品容器2011を供給する空集品容器供給コンベヤ2022、仕分けゾーンで物品が空集品容器2011に投入される物品投入部2023、物品が投入された物品収納済み集品容器2012を搬出する物品収納済み集品容器搬出コンベヤ2024、物品収納済み集品容器2012を次の工程に移動させる物品収納済み集品容器搬送コンベヤ2025等から構成される集品コンベヤ202等、DPSと比較して大規模な設備を要するシステムを例示しているが、基本的には、DPS20同様、立体自動倉庫203から物品搬送コンベヤ205を経由して次々と送出される物品を、集品コンベヤ202から次々と搬送されてくる空集品容器2011へ次々に仕分けして、物品収納済み集品容器2012を送出するシステムである(特許文献3及び4)。
これは、GTPの場合、上位情報システムに保存されている莫大な物品情報に基づいてコンピュータでプログラミングし制御される立体自動倉庫203から注文された物品が搬出され、その立体倉庫203と連携されている作業表示器206に従って、作業員Pが、物品提示コンベヤ2053に搬送されてくる物品収納容器204の物品を、空集品容器供給コンベヤ2022から次々と搬送されてくる配送先等に紐づけられた空集品容器2011へ投入するだけでよく、DPSと同等以上の効果を発現することができ、より出荷件数及びSKU数が多い大規模物流センター等の作業効率を高めるために導入されてきた。
従って、DPS、更には、GTPの導入によって、これらが開発される前に行われてきた受注伝票やピッキング指示書等から作成、印刷されたピッキングリストに基づいたピッキング業務と比較すれば、出荷件数及びSKU数が多い物流センター等において、作業員の削減、作業能率及び処理速度の向上、誤操作の低減、作業員の研修期間短縮、ペーパーレス化によるコスト削減等、総合的な生産性が飛躍的に改善された。
しかしながら、例えば、図3に示す、スーパーマーケットの2019年~2021年における商品カテゴリー別SKU(Stock Keeping Unit)数増減率(=「前年からSKU数の増加した割合」-「前年からSKU数の減少した割合」)から明らかなように、非食品については、顕著なSKU数の減少が認められる(非特許文献1)。このような市場の需要動向は、スーパーマーケットだけでなく、ホームセンター、生活協同組合、及び、電子商取引ショップ等でも生じており、社会状況や消費者心理等が複雑に絡み合い、時と共に変化し、予測することが困難である。そのため、市場の需要変動に対応可能な集配システムが、常に求められている。
特に、出荷件数当たりのSKU数が少ない商品カテゴリーを扱う、又は、出荷件数当たりのSKU数が減少及び変動する傾向にある商品カテゴリーを扱う物流センターにおいて、ピッキングプロセスとして従来のDPSやGTPを適用すると、図4から明らかなように、例えば、ゾーン3で作業員Pが空集品容器1011に注文された物品を投入した物品収納済み集品容器1012は、出荷当たりのSKU数が多い場合(a)と出荷当たりのSKU数が少ない場合(b)とを比較すれば、3/8に激減しており、作業者Pを通過するだけの未処理集品容器が約60%以上もある。すなわち、作業員Pのピッキングを行う作業時間が短く、無駄な集品容器が多いため、生産性が著しく低下する。従って、従来の市場動向に対しては適切な集配システムであったDTP及びGTPが、最近及び今後の出荷件数及びSKU数が変動する市場の需要動向に対応できる集配システムとは必ずしも言えなくなってきており、新たな集配システムが要請されている。
このようなDPS及びGTPが変化する市場の需要動向に対応困難な原因は、集配システムの根幹となる幹線がコンベヤであり、物品及びその収納容器が、予め設置された連続的に連結された搬送路を移動することにあると考えられる。勿論、コンベヤを幹線とする集配システムは、集荷数及びSKU数が多く、扱う物品量の変動が少ない場合には、極めて有効な最適なシステムであることに変わりない。
ところで、近年、無人搬送車又は無人搬送ロボットと和訳されているAGV(Automatic Guided Vehicle)、及び、自律走行搬送ロボットと和訳されているAMR(Autonomous Mobile Robot)を集配システムに導入する動きが活発化しつつある(特許文献5及び6、並びに、非特許文献4~8)。両者の差異は、AGVが、レール、磁気テープ、ライン等の何らかの搬送車を誘導し、案内するハードウェアを必要とするが、AMRは、AGVで必要とされる搬送車を誘導し、案内するハードウェアを必要としないことにあると認められるが、近年の目覚ましいシステム制御技術の進展により、両者の区別は不明確となってきている。いずれにしろ、コンベヤとの相違点は、物流センター等の路面上を自由自在に移動可能に制御でき、物品及びその収納容器並びに格納棚等の移載が可能で、不連続的な物品の取り扱いができるという点にある。
従って、このようなコンベヤの機構及び機能とは根本的に異なるAGV及びAMRの集配システムへの採用は、作業員の負荷軽減や作業効率向上させると共に、集配システムに組み込み、作業員と物品及びその収納容器の保管棚とに介在し、作業員を補完するロボットとしての役割を担わせ、集配システム全体の生産性向上を図ること等を目的としているものと考えられる。
しかしながら、コンベヤを幹線としてきた従来の集配システムに、AGV及びAMRを単純に導入するだけでは、作業員の負担軽減及び作業効率向上を実現し、更には、集配システムの効率改善、AGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を図ることは、膨大な出荷数及びSKU数を扱う場合を除けば極めて困難であり、AGV及びAMRに適合するハードウェア及びシステムを新たに構築する必要があることが分かってきた。
特開2000-1203号公報 特開2005-247554号公報 特開2018-8775号公報 特開2019-172446号公報 特表2018-502388号公報 特表2018-513817号公報
株式会社タカハタ電子,「デジタルピッキングシステムの5つの導入効果!」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://www.takahata-denshi.co.jp/trivia/2538/> 株式会社ナノシード,「GTP(Goods to person)」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://nanoxeed.co.jp/application/gtp/?gclid=CjOKCQiAieWOBhCYARIsANcOw0xitHDNHjze6JT6lap-POzK4J3QN6XDhnFTdFZ3bp6Ak6oUxg7eKWAaAvmtEALw_wcB> 一般社団法人全国スーパーマーケット協会,一般社団法人日本スーパーマーケット協会,及び,オール日本スーパーマーケット協会,「2021年スーパーマーケット年次統計調査報告書」,第一版,2021年10月19日,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<URL:http://www.super.or.jp/wp-content/uploads/2021/10/2021nenji-tokei1.pdf> 株式会社関通,「AGV(無人搬送車)とは|物流で使われるロボットの重要性やそのメリット」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://www.kantsu.com/case/2019-10-11/> 株式会社関通,「AMR(自律走行搬送ロボット)とは|物流でのAGVとの違いや運用や重要性」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://www.kantsu.com/case/amr(自律走行搬送ロボット)とは|agvとの違いや運/> Zhejiang LiBiao Robot Co.,Ltd,「Sorting robots」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<http://libiaorobot.com/en/product> 物流倉庫プランナーズ,「(AMR)自動自律走行型搬送ロボットОTTO」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/otto/> 物流倉庫プランナーズ,「協働型自律搬送ロボットAMR ForwardX」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/forwardx-amr/> 株式会社マクニカ,「SLAM(スラム)とは?」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.macnica.co.jp/business/maas/colums/134751/> THK株式会社,「THKのピッキングロボットハンドシステム(PS)が、鴻池運輸株式会社様の「鴻池技術研究所イノベーションセンター」で実験導入されました」,2021年3月3日,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.thk.com/?q=jp/node/21661> 株式会社エスアンドエフ,「GUDEL-グーデル ロボット走行軸TMF~垂直多関節ロボットの走行軸モジュールTMF~」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.sandfinc.co.jp/gudel/5537.html> 森田幹,「空港手荷物用X線検査装置 IXI100/140 シリーズ」,IIC Review,36号,pp.59-62,2006年10月,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.iic-hq.co.jp/library/pdf/036_11.pdf> 株式会社なんつね,「ABOT M1」,[on line],[2022年1月29日検索],インターネット<file:///C:/Users/Owner/Downloads/210929_rev13_ABOT-M1.pdf> 株式会社安川電機,「より使いやすく!より身近な領域へのロボット展開!-新世代双腕形ロボットを活用した自動開梱システムを開発-」,2011年5月18日,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/product/5906> 物流倉庫プランナーズ,「自動追従機能搭載物流支援ロボットCarriRо」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/carriro/> トーヨーカネツ株式会社,「マルチシャトル」,[on line],[2022年1月25日検索],インターネット<https://www.tksl.co.jp/products-info/Keeping-sys/mshuttle.html> トーヨーカネツ株式会社,「マルチシャトルAutоStоre」,[on line],[2022年1月25日検索],インターネット<https://www.tksl.co.jp/products-info/keeping-sys/autostore.html> 物流倉庫プランナーズ,「自動棚搬送ロボットGeeK+EVE」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/eve/> シーオス株式会社,「第13回 国際物流総合展2018に出展しました~SEAOS Rоbоtics Lоgiler」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.seaos.co.jp/press/exhibition2018.html>
背景技術で説明したように、多量の出荷数及びSKU数を扱う集配システムではその生産性に効果的であったDPSやGTPが、変化する市場の需要動向、特に、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動に必ずしも適したシステムではないため、新たなシステムの構築の必要性に迫られている。また一方では、集配システムの幹線として存在してきたコンベヤに代わり、物流センター等の路面上を自由自在に移動可能に制御でき、物品及びその収納容器並びに格納棚等の移載が可能で、不連続的な物品の取り扱いができる、機構及び機能共にコンベヤとは全く相違するAGV及びAMRの集配システムへの導入が積極的に進められつつある。
しかしながら、AGV及びAMRの集配システムへの適用を検討した結果、これらを従来の集配システムに単純に導入するだけでは、作業員の負担軽減及び作業効率向上を実現し、更には、集配システムの効率改善、AGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を図ることは、膨大な出荷数及びSKU数を扱う場合を除けば極めて困難であることが分かった。特に、多量の出荷数及びSKU数を扱う集配システムではその生産性に効果的であったDPSやGTPにとって代わり、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たなシステムにAGV及びAMRを適用する場合、作業員の負担軽減及び作業効率向上、並びに、集配システムの効率改善及びAGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を実現するためには、作業員の作業内容及び配置、並びに、AGV及びAMRに適合するハードウェア及びシステムを新たに構築する必要があることが分かってきた。
そこで、本発明は、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな搬送システムを、搬送システムの幹線として、従来のコンベヤに代わり、AGV及びAMR等の無人搬送車等(自律搬送体)を適用して構築することを目的とし、特に自律搬送体(AGV及びAMR等の無人搬送車等)を効率的に利用して、運用効率向上を可能とすることを目的としている。
本発明者は、上記課題の解決手段を構築するに当たり、より考察を深めた結果、特に自律搬送体(AGV及びAMR等の無人搬送車等)を効率的に利用して、物流におけるいわゆる順立て作業を自動化することで運用効率向上が可能となる点を発案した。すなわち、AGV及びAMRを導入するとした場合、どのようにすれば、作業員の負担軽減及び作業効率向上を実現でき、限られた数量のAGV及びAMRの効率的な稼働により、搬送システムの効率改善、AGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を図ることが可能となるかについて考えを深め、作業員とAGV及びAMRとに介在して、物品又はその収納容器が効率良く正確に移載される仕分けステーション及びそれが組み込まれた新たな搬送システムを提供することが可能であることを見出した。
本発明者は、さらに無人移送車による集品の高生産性を実現するために無人移送車による集品順を崩し、出荷時の最終的な配順に合わせて順立を行う仕組みに着目し、本発明の完成に至った。すなわち、時と共に変化する市場の需要動向に対応する集品ステーション及びそれを備える搬送システム、特に、出荷件数当たりのSKU(Stock Keeping Unit)数が少ない商品カテゴリーを扱う物流センターにおいて、物品処理速度を高め、設備、作業、及び、人員の無駄及びコストを削減し、作業員の熟練度によらないミスによる作業効率低下を防止することによって、総合的な生産性を向上すると共に、SKU数の変動にも対応可能な仕分けステーションが実現される点を見出した。
そこで、上記課題を解決するために、本願の第1の態様に係る搬送システムは、物流による被搬送体としてオーダ指定されたオーダ品を1以上収容する第1搬送収容体を、自律搬送によりそれぞれ1以上搬送可能な複数の自律搬送体と、前記物流により前記オーダ品を配送先に配送する際に、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の第2搬送収容体に集品して収容する集品収容部と、前記複数の自律搬送体と前記集品収容部とを制御する制御部と、を備え、前記集品収容部は、規定の範囲の第1配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成する第1集合部と、前記第1配送先範囲を1以上含み前記第1配送先範囲以上の広域の第2配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する第2集合部と、を有する。
また、第1の態様に対応する第18の態様の搬送制御方法は、物流による被搬送体としてオーダ指定されたオーダ品を1以上収容する第1搬送収容体をそれぞれ1以上搬送可能な複数の自律搬送体の自律搬送を実行する自律搬送工程と、前記物流により前記オーダ品を配送先に配送する際に、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の第2搬送収容体に集品して収容する集品収容を実行する集品収容工程と、前記自律搬送工程と前記集品収容工程とを制御する制御工程と、を備え、前記集品収容工程は、規定の範囲の第1配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成する第1集合工程と、前記第1配送先範囲を1以上含み前記第1配送先範囲以上の広域の第2配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する第2集合工程と、を有する。
また、第1の態様に対応する第19の態様のプログラムは、上述の搬送システムとして、コンピュータを機能させる。
また、第1の態様に対応する第20の態様の記憶媒体は、上述のプログラムを記憶する。
これらの態様の搬送システム若しくは搬送制御方法では、またはこれらの態様のプログラム若しくは記憶媒体によれば、物流による被搬送体としてオーダ指定されたオーダ品を1以上収容する第1搬送収容体をそれぞれ1以上搬送可能な複数の自律搬送体の自律搬送を実行し、前記物流により前記オーダ品を配送先に配送する際に、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の第2搬送収容体に集品して収容する集品収容を実行し、前記自律搬送工程と前記集品収容工程とを制御するに際して、前記集品収容の実行においては、規定の範囲の第1配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成し、前記第1配送先範囲を1以上含み前記第1配送先範囲以上の広域の第2配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する。
従来のコンベア式においては、オーダ品を1以上収容する第1搬送収容体を、配送先対応の第2搬送収容体に集品して収容するためには、コンベアを利用して第2搬送収容体に集品して収容する順で、完全に順序良く搬送する必要があったが、ここでは、自律搬送によりそれぞれ1以上の第1搬送収容体を搬送可能な複数の自律搬送体を備えるため、後段の作業の都合に合わせて、順不同で任意のタイミングで集品して供給できる。
これにより、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向などに対応して、柔軟な運用が可能になっている。すなわち、従来のコンベヤに代わり、自律搬送体(AGV及びAMR等の無人搬送車等)を効率的に利用して、物流におけるいわゆる順立て作業を自動化することにより、運用効率向上を可能にできる。
また、ここでは、第1集合部において、第1配送先範囲内を指定の配送先とする第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成し、第2集合部において、第2配送先範囲内を指定の配送先とする第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する。第1集合群を先に形成した場合、原理的に、同一の第1集合群に含まれる第1搬送収容体のそれぞれは、その第1集合群の一員のまま、同一の第2集合群に含まれることになる。一方、第2集合群を先に形成した場合、各第1集合群は、第2集合群の部分集合群の一つとして形成される。
この結果、第2搬送収容体を第2配送先範囲の配送先に配送すると、その第2搬送収容体には、より狭域の第1搬送収容体が収容されているので、その後、各第1搬送収容体を対応の第1配送先範囲で配送することができる。すなわち、階層的にグループ化(集合群化)したオーダ品のそれぞれを指定の配送先に配送することができ、このようにして、新たな搬送システムを構築できる。
なお、上記において、第1搬送収容体とは、オーダ品を1以上収容することができる機能を持つものであればよく、好適には、一定の形状を備えたボックス体、搬送箱、段ボール箱等により、さらに好適には、いわゆる折りコンとして知られる、折り畳み式コンテナとして実現される。
また、上記において、自律搬送体とは、自律的に走行でき、走行中に第1搬送収容体を保持しつつ搬送できるものであればよく、好適には、たとえば天板部に第1搬送収容体が載置され得る載置部を備えたAMR(Autonomously Moving Robot)、AGV(Automatic Guided Viehcle)、ANR(Autonomously Navigating Robot)として実現される。この場合、オーダ品はいわゆる物流で取り扱われるあらゆる物品であってよく、たとえば冷凍食品であってもよい。
また、第2の態様に係る搬送システムとして、第1の態様において、前記第2集合群の形成は、前記第1集合群として形成して収容した第1搬送収容体をさらに1以上集合することにより行われるようにしても良い。
この場合、第2集合群の形成は、前記第1集合群として形成して収容した第1搬送収容体をさらに1以上集合することにより行われる。すなわち、第1集合群を先に形成するので、原理的に、同一の第1集合群に含まれる第1搬送収容体のそれぞれは、第2集合群を収容する配送先対応の第2搬送収容体に、その第1集合群の一員のまま収容できる。このため、第2集合群の形成の前に、その第1集合群のまま纏めて収容する第1集合群収容体のような中間収容体として、出荷のための準備の収容を進めておくことも出来るようになり、階層的にグループ化(集合群化)した中間収容体を採用した新たな搬送システムを構築できる。
また、第3の態様に係る搬送システムとして、第1の態様において、前記第1集合群の形成は、前記第2集合群の形成で集合した第1搬送収容体を、前記第1配送先範囲毎に分類して集合させることにより行われるようにしても良い。
この場合、第1集合群の形成は、第2集合群の形成で集合した第1搬送収容体を、第1配送先範囲毎に分類して集合させることにより行われる。この場合、上位階層の第2集合群の形成を、下位階層の第1集合群の形成より先に行うことになるので、第2集合群を収容する配送先対応の第2搬送収容体に第2集合群の全体を収容する作業は、その後の第1収容群の全体を収容する作業の終了を待つことになる。その代り、最終的に配送先への配送を行うための配送運輸体(配送トラック等)に積載される第2集合群の形成を先に行うことになるので、配送運輸体の搬送出発順に合わせて第2搬送収容体への収容を進めやすくなり、搬送出発を促進可能な新たな搬送システムを構築できる。
また、第4の態様に係る搬送システムとして、第1の態様において、前記集品収容部は、前記第1搬送収容体を、複数の分岐路のうちのいずれかに振り分けて搬送する第1分岐搬送手段と、前記第1分岐搬送手段により搬送された第1搬送収容体を、行き先ごとに振り分けて搬送する第2分岐搬送手段と、をさらに有するようにしても良い。
上記において、複数の分岐路とは、好適には、ローラコンベヤ装置、ベルトコンベヤ装置として実現されるが、これらに限定されるものではなく、対象物を搬送できる能力があるものであればよい。
また、上記において、制御部は、典型的には、いわゆる物流を司るWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システムもしくは在庫管理システム)によって実現され、オーダごとに、どこに収容されているどのアイテムをどのタイミングで取り出すか等が定められる。WMSによって実現しても、或いは、別途、WMSの管理下にあるシステムとしての、本件搬送システムを情報処理面から制御する機構として実現してもよい。
上記構成を備えることで、WMSによって規定・決定されるオーダに応じた被収容物の収用計画集品袋のもので、制御部が、前記自律搬送体、前記第1分岐搬送手段、前記第2分岐搬送手段の動作タイミングを制御するので、出荷パックに投入するに当たる前作業でのいわゆる順立て作業が自動化されることになる。
また、第5の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記集品収容部は、前記第1分岐搬送手段と前記第2分岐搬送手段との間に、前記複数の分岐路のうちの別の分岐路を搬送された前記第1搬送収容体を合流させる合流部をさらに有するようにしても良い。
また、第6の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記複数の分岐路のうちの少なくともいずれか2つが互いに略立体的に配置されたようにしても良い。
また、第7の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記第2分岐搬送手段は少なくともいずれかが互いに略平面的に配置される複数の略平面的分岐路を備えるようにしても良い。
また、第8の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記第1搬送収容体に被搬送物識別子が付与されるようにしても良い。
また、第9の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記自律搬送体には自律搬送体識別子が付与されるようにしても良い。
また、第10の態様に係る搬送システムとして、第1の態様において、前記集品収容部は、前記自律搬送体から移載された前記第1搬送収容体を搬送する第1搬送手段をさらに有し、前記第1搬送手段は、前記自律搬送体から移載された前記第1搬送収容体を受容し、前記第1分岐搬送手段に移載するようにしても良い。
また、第11の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記集品収容部は、前記第1分岐搬送手段から搬送された前記第1搬送収容体を移載されて搬送する第2搬送手段をさらに有し、前記第2搬送手段は、前記第1の分岐搬送手段から移載された前記第1搬送収容体を受容し、前記第2分岐搬送手段に移載するようにしても良い。
また、第12の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記集品収容部は、前記オーダ品を1以上含む収納品が収納された収納棚と、前記収納棚から取り出された前記収納品を前記自律搬送体が搬送する前記第1搬送収容体に移載するための中継部である第3搬送手段と、をさらに有するようにしても良い。
また、第13の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記集品収容部は、前記第3搬送手段から前記収納品を移載された前記自律搬送体が待機するパーキングエリアをさらに有するようにしても良い。
また、第14の態様に係る搬送システムとして、第4の態様において、前記集品収容部は、前記第2分岐搬送手段によって搬送された前記第1搬送収容体をピックアップして前記第2搬送収容体に収容するピックアップ機構をさらに有するようにしても良い。
また、第15の態様に係る搬送システムとして、第14の態様において、前記ピックアップ機構は前記第1搬送収容体を把持し、もしくは持ち上げることの可能なロボットであるようにしても良い。
また、第16の態様に係る搬送システムとして、第1の態様において、前記複数の自律搬送体は、搬送する前記第1搬送収容体に収容する前記オーダ品を集品するために自律搬送する自律集品搬送体と、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の前記第2搬送収容体に収容する際の順立を行うために自律搬送する自律順立搬送体と、の2種類のいずれかとして分類使用されるようにしても良い。
また、第17の態様に係る搬送システムとして、第16の態様において、前記第2集合部は、前記自律順立搬送体が自律搬送する自律順立搬送エリアを有するようにしても良い。
本発明の各態様によれば、搬送システムの幹線として、従来のコンベヤに代わり、自律搬送体(AGV及びAMR等の無人搬送車等)を効率的に利用して、物流におけるいわゆる順立て作業を自動化することにより、搬送システムとしての運用効率向上が可能になる。
本発明の一実施形態に係る、物流センター全体の概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、フィルムインサータを使用してオーダ箱に集品袋をかぶせる前工程エリア、AMR(自律搬送体:無人移送車等)によるオーダ品を集品するエリア、出荷時の集品袋をZパックに寄せるエリアの概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、背景技術と本発明の特徴であるAMR(無人移送車による)による配列崩しの集品との比較の概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、AMRによる配列崩しの集品の流れの概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立を説明するための概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのレイアウトについての概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムの各機能についての概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのロボットパーキング機能についての概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムの垂直仕分け機能についての概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのシュート仕分け機能についての概要を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのオーダ順立機能についての概要を示す図である。 AMRを順立てにも適用した運用のためのシステム構成の概要を示す説明図である。 AMRによる集品等の上流部構成から出荷パックのグループ整列の上位側システム構成の説明図である。 出荷パックのグループ整列の下位側からAMR順立て運用のシステム構成の説明図である。
本発明の概念は、本発明の概念の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、この発明の概念は、多くの異なる形態で具体化でき、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。同様の番号は、説明全体で同様の要素を指す。
以下、[1.システム構成例]、[2.課題解決ポイントの例示]、[3.その他の適用・応用例]、[4.まとめ]について、順に説明する。
[1.システム構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係る、物流センター全体の概要を示す図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る、フィルムインサータを使用してオーダ箱に集品袋をかぶせる前工程エリア、AMR(自律搬送体:無人移送車等)によるオーダ品を集品するエリア、出荷時に集品袋をZパックに寄せるエリアの概要を示す図である。
作業は、全体制御コンピュータにより制御されている。
全体制御コンピュータは、CPU61(Central Processing Unit)と、CPU上で動作する制御プログラム等を格納したROM(Read- only Memory)と、各種データを一時的に格納するためのRAM、記憶装置を備えて構成されている。
全体制御コンピュータは、識別子検知部と、リセット部と、エラー検知部とを備えている。全体制御コンピュータにより、Zパックに詰める集品袋の数は、予めスケジュールされている。
全体制御コンピュータの制御により、ピッキングエリアで、オーダに合わせて、無人移送車は、オーダ箱を積載し、個配先単位ごとに1個から複数個のオーダ品を集品袋に集品する。オーダ箱には、一つの集品袋が入れられており、識別子(ICタグ、RFID等)が貼符され、識別子で管理されている。識別子は、オーダ箱および/または集品袋に貼符されている。
全体制御コンピュータは、出荷パックに投入される集品袋のグルーピングと個数を識別子により管理する。
[2.課題解決ポイントの例示]
ここで、まず、本発明の目的を再確認しておく。本発明の目的は、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな搬送システムを、搬送システムの幹線として、従来のコンベヤに代わり、AGV及びAMR等の無人搬送車等を適用して構築することであり、特にAMR(自律搬送体)を効率的に利用して、物流におけるいわゆる順立て作業を自動化することにより、運用効率向上を可能にすることである。
なお、自律搬送体は、基本的に、以下代表して「AMR」または「自律搬送体」と称することにするが、一般に「搬送ロボット」等とも称されるので、適宜「ロボット」の表現も採用する。
図3は、本発明の一実施形態に係る、背景技術と本発明の特徴であるAMR(自律搬送体)による配列崩しの集品との比較の概要を示す図である。図3に示すように、従来のライン型集品システムのDPSやGTPでは、オーダに合わせて、個配先単位ごとの集品袋に、1個から複数個のオーダ品が入れられる。
さらに、出荷時に集品袋を地域単位(例えば、同じマンション内)でグループ化するので、従来では、集品袋がオーダ箱に入れられて、コンベヤ上を丸1,丸2,丸3,丸4,丸5と、出荷パック(Zパック)に投入する順に従って搬送されてくる。これに対し、本発明では、投入されるZパック単位に合わせることなく、AMR(自律搬送体)による配順を崩した集品システム(搬送システム)を採用する。
図4は、本発明の一実施形態に係る、AMR(無人移送車:自律搬送体)による配列崩しの集品の流れの概要を示す図である。
図4に示すように、オーダ品を投入可能に袋掛機により集品袋がオーダ箱にかぶせられ、次にAMRが、オーダ箱をアイテムヒットする商品棚(収納棚)のあるピッキングステーションに搬送(供給)し、作業員によりアイテムヒットした商品(収納品)が投入されると、AMRは、次のアイテムヒットする商品棚(収納棚)のあるピッキングステーションにオーダ箱を搬送(供給)し、作業員によりアイテムヒットした収納品を投入し、一つの集品袋にオーダ品の集品が完成するまで繰り返す。完成したオーダ箱は、AMRにより順立エリア(配膳エリア)に移送される。
図4では、従来、作業員により、Zパック寄せエリアにおいて、全体制御コンピュータの制御による表示器の指示に合わせて、積み付け出荷用のドーリにZパックを移し替える作業が行われていた、と言うことを示している。
図5は、本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立を説明するための概要を示す図である。
図5に示すように、[1]Zパック寄せのドーリ単位整列は、ドーリ1には、オーダ1から64のオーダ箱が積載されている。ドーリ2には、オーダ65から128のオーダ箱が積載されている。ドーリ3には、オーダ129から192のオーダ箱が積載されている。
[2]Zパックグループ整列は、グループAとしてZパック2箱分(オーダ1~16)と、グループBとしてZパック3箱分(オーダ17~40)と、グループCとしてZパック3箱分(オーダ41~64)が、1ドーリ分をグループ単位に整列させる機能により積載されている。また、経験値からZパック1箱当たり8.6オーダ数の集品袋が投入されている。このことから1ドーリ当たり64.3オーダ数の集品袋を積載する計算が成立する。
[3]Zパック単位整列は、例えばZパック2箱で構成されるグループAは、1箱にオーダ1~4とオーダ5~8の集品袋が、もう一箱に、オーダ9~12とオーダ13~16の集品袋が投入されるZパック単位に整列させる機能である。
[4]Zパック内オーダ整列は、オーダ箱に投入する集品袋内のオーダ品特性、たとえば壊れやすい物と硬いものの投入順などに合わせて、オーダ箱に投入する順番に整列させる機能である。
図6は、本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのレイアウトについての概要を示す図である。図6に示すように、出荷時の順立システムのレイアウトは、[1]から[4]のエリアで構成されている。
4つのエリアの機能は、
[1]がAMR(無人移送車)用のドーリ単位整列のためのロボットパーキング、
[2]がZパックグループ整列のための垂直仕分け、
[3]がZパック単位整列のためのシュート仕分け、
[4]Zパック内オーダ仕分けのためのオーダ順立て
である。
図7は、本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムの各機能についての概要を示す図である。
図7に示すように、
[1]ロボットパーキングは、集品(ピッキング)が完了したオーダ箱を積載したAMR(無人移送車(ロボット)が、待機することによりドーリ順番の追い越しを制御する。
[2]垂直仕分けは、3段にグループ仕分けを行う装置になり、上段にグループA、中断にグループB、下段にグループCをプールすることでドーリ内のグループ単位に仕分ける機能となる。
[3]シュート仕分けは、1シュート4オーダ(2シュートでZパック1箱)のZパック単位の仕分け及びZパック内の集品袋を上下に整列させる機能となる。4のオーダ順立ては、4オーダ単位に順立てし、Zパック内をオーダ順番に整列させる機能となる。
[2]垂直仕分けに使用する装置は、列が3列程度設けられる動的バッファ設備とその設備に仕分けできる装置があればどんな設備でもよい。たとえば、縦型仕分け装置(スパイラルコンベヤ方式)を使用して、オーダ箱をコンベヤで最上層に移送し、そこからスパイラルコンベヤにより3列に仕分けされ、仕分け後は、オーダ箱の自重で下層に移動させる装置である。縦型の装置なので、フロア面積が狭い場合は縦方向を利用することで設置可能となる。あるいは、スパイラルコンベヤに直線コンベヤと踊り場にエコロベヤを設けることで、途中の分岐が可能となり、アキュムレーションも可能となる。また、途中の踊り場部分を仕分けポイントと考え、踊り場数を増やすことにより、シュート仕分けの機能を省くことが可能となる。
図8は、本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのロボットパーキング機能についての概要を示す図である。
図8に示すように、ロボットパーキングの機能は、集品(ピッキング)が完了したオーダ箱を積載したAMR(ロボット:無人移送車)が、1ドーリ分のオーダをZパック単位で順立てするため、順立て中の対象ドーリ内のオーダ以降のオーダ箱は無人移送車に積載され一時待機エリア(ロボットパーキング)にて一時待機する機能である。待機後、オーダ箱は、完成オーダシュートを使用して、無人移送車からコンベヤに移載され、2の垂直仕分けによる順立てエリアへ搬送される。
図9は、本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムの垂直仕分け機能についての概要を示す図である。
図9に示すように、垂直仕分けは、Zパックのグループごとに仕分ける機能であり、完成オーダシュートより搬送されたオーダ箱は、リフトコンベヤにより、1ドーリ分のオーダをドーリ積み込み順で3グループに分け、上段にグループA、中段にグループB、下段にグループCに仕分けられ、3段のコンベヤでオーダ箱がバッファされ、1段あたり、Zパック2箱または3箱分のコンベヤストレージを行い1ドーリ分揃ったらグループAから一斉にシュート仕分けに払い出す機能である。
グループAの次にグループBを一斉に払い出し、最後に、グループCを一斉に払い出す。1ドーリ当たり、8Zパックが積載される。図9の一実施例は、グループAはZパック2箱分(オーダ1~16)、グループBはZパック3箱分(オーダ17~40)、グループCはZパック3箱分(オーダ41~64)である。また、経験値からZパック1箱当たり8.6オーダ数の集品袋が投入されている。このことから1ドーリ当たり64.3オーダ数の集品袋を積載する計算が成立する。
図10は、本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのシュート仕分け機能についての概要を示す図である。
図10に示すように、[3]シュート仕分けは、グループごとに払い出し、Zパック単位及びZパック内の上段(4オーダ)と下段(4オーダ)に仕分けを行い、1シュート4オーダ分のバッファを確保する。グループAのZパック2箱分(オーダ1~16)に対して、オーダ3、オーダ4、オーダ1、オーダ2が順に1箱目のZパックの下段に投入されるように払い出される。次にオーダ5、オーダ6,オーダ8、オーダ7が2箱目に投入されるように払い出される。
図11は、本発明の一実施形態に係る、出荷時の順立システムのオーダ順立機能についての概要を示す図である。
図11に示すように、オーダ順立ては、シュート仕分け後、1ラインごと(4ケース)を一斉に払い出し、4つの分岐装置で配送順に並び替える。オーダ箱3を丸3へ分岐させ、オーダ箱4を丸4へ分岐させ、オーダ箱1を丸1へ分岐させ、オーダ箱2を丸2へ分岐させる。
[3.その他の適用・応用例]
図12は、AMRを順立てにも適用した運用(AMR順立て運用)のためのシステム構成の概要[(0)集品エリア+(1)順立てバッファラインエリア+(2)順立て仕分けエリア+(3)AMR順立てエリア]を示す説明図であり、図13は、自律搬送体(AMR)による集品等の上流部構成から出荷パックのグループ整列の上位側システム構成[(0)集品エリア+(1)順立てバッファラインエリア]の説明図であり、図14は、出荷パックのグループ整列の下位側からAMR順立て運用のシステム構成[(1)順立てバッファラインエリア+(2)順立て仕分けエリア+(3)AMR順立てエリア]の説明図である。
図12に図示のように、AMR順立て運用のためのシステムは、大きく4つのエリア
(0)集品エリア
(1)順立てバッファラインエリア
(2)順立て仕分けエリア
(3)AMR順立てエリア
を備える。
本実施形態(以下「実施形態2」と称する)での順立てシステムでの順立ての運用は、図5等で前述した実施形態(以下「実施形態1」と称する)での順立ての運用と基本的には同様の運用となる。その構成上の対比は、下記のようになる。
[0]ドーリ単位整列のためのAMR集品[(0)集品エリア]
[1]ドーリ単位整列~Zパックグループ整列その1[(0)集品エリア~(1)順立てバッファライン]
[2]Zパックグループ整列その2[(1)順立てバッファライン~(2)順立て仕分けエリア]
[3]Zパック単位整列[(2)順立て仕分けエリア~(3)AMR順立てエリア]
[4]Zパック内オーダ整列[(3)AMR順立てエリア~払い出しシュート]
以下、上記の構成および運用について、個別に説明する。
『[0]ドーリ単位整列のためのAMR集品[(0)集品エリア]』~
『[1]ドーリ単位整列~Zパックグループ整列その1[(0)集品エリア~(1)順立てバッファライン]』
[(0)集品エリア]までの構成および運用により、実施形態1と同様にAMRによる集品を終了後、次の[(1)順立てバッファライン]において、最終的な払い出しシュート数×最小グループのオーダ数=オーダ単位グループとなるオーダ単位グループ毎の運用を行うために、全体制御の制御部からのタイミング制御に従って、AMR集品後の出荷パック(Zパック)のうちの必要とされるZパックを、[(1)順立てバッファライン]に順に割付して供給し(グループ内オーダ順不同)、保管されたグループのうちの最初(先頭)のグループが揃ったら、[(2)順立て仕分けエリア]へ払い出し、該当グループの全てのオーダを払い出したら(グループ内オーダ順不同)、次グループの受入れを開始する。[(0)集品エリア]では、この受け入れ開始のタイミングに合わせて、該当する次グループの供給を開始する。
具体例として、ここでは、[(1)順立てバッファライン]からの出荷順に、最終的な払い出しシュート数(=5)×最小グループのオーダ数(=6)のオーダ単位グループ(オーダ数=5×6=30)の単位のグループ毎の運用を行うために、30オーダ単位の最初のグループG1~4グループ分(最初はグループG1~G4)を供給し(グループ内オーダ順不同)、[(1)順立てバッファライン]では、各グループG1~G4のそれぞれを、4本のラインに割付して保管し(図13参照)、保管されたグループのうちの最初(先頭)のグループG1が揃ったら、[(2)順立て仕分けエリア]へ払い出し、該当グループG1の全てのオーダ(30オーダ)を払い出したら(グループ内オーダ順不同)、次グループG5の受入れを開始する。[(0)集品エリア]では、この受け入れ開始のタイミングに合わせて、該当する次グループG5の供給を開始する。
『[2]Zパックグループ整列その2[(1)順立てバッファライン~(2)順立て仕分けエリア]』~
『[3]Zパック単位整列[(2)順立て仕分けエリア~(3)AMR順立てエリア]』
[(1)順立てバッファライン]から払い出された1グループ分のオーダ数の出荷パック(Zパック)を、最小グループのオーダ数(=6)単位でシュート数(=5)分に分割して分枝し、[(3)AMR順立てエリア]に仕分ける(グループ内オーダ順不同)。1グループ分のオーダ数(=30)の出荷パック(Zパック)の分枝が全て終了したら、次グループ分のオーダ数の出荷パック(Zパック)の受入れを開始する。[(1)順立てバッファライン]では、この受け入れ開始のタイミングに合わせて、該当する次グループの供給を開始する。
『[4]Zパック内オーダ整列[(3)AMR順立てエリア~払い出しシュート]』
[(3)AMR順立てエリア]内で、最小グループのオーダ数(=6)数の出荷パック(Zパック)を、AMR(自律搬送体)によりオーダ順に並べて払い出しシュートにセットして、オーダ数(=6)分の最小グループのオーダ単位グループ(オーダ数=5×6=30)出荷パック(Zパック)のセットが全て揃ったら、グループ内のオーダ順に下流に払い出し、ドーリに積み付けて出荷となる。
なお、この下流への払い出しは、オーダ単位グループ(オーダ数=5×6=30)のグループの出荷パック(Zパック)が全て揃ってからでも良いし、下流にドーリ積み付け前の待機エリアを用意して、小グループ(オーダ数=6)単位で払い出しても良い。
[4.まとめ]
図3で前述のように、従来のコンベア式(ライン型集品)においては、オーダ品を1以上収容する集品袋(第1搬送収容体)を、配送先対応の出荷パック(Zパック:第2搬送収容体)に集品して収容するためには、ライン(コンベア)を利用して、出荷パック(Zパック)に投入する順(第2搬送収容体に集品して収容する順)で、完全に順序良く搬送する必要があった。
これに対して、本発明では、自律搬送によりそれぞれ1以上の集品袋(第1搬送収容体)を搬送可能な複数のAMR(自律搬送体)を備えるため、後段の作業の都合に合わせて、順不同で任意のタイミングで集品して供給できるので、投入されるZパック単位に合わせて搬送する必要は無く、AMR(自律搬送体)による配順を崩した集品システム(搬送システム)を採用できる。
これにより、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向などに対応して、柔軟な運用が可能になっている。すなわち、従来のコンベヤに代わり、自律搬送体(AGV及びAMR等の無人搬送車等)を効率的に利用して、物流におけるいわゆる順立て作業を自動化することにより、運用効率向上を可能にできる。
なお、上記において、第1搬送収容体とは、オーダ品を1以上収容することができる機能を持つものであればよく、好適には、一定の形状を備えたボックス体、搬送箱、段ボール箱等により、さらに好適には、いわゆる折りコンとして知られる、折り畳み式コンテナっとして実現される。
また、上記において、自律搬送体とは、自律的に走行でき、走行中に第1搬送収容体を保持しつつ搬送できるものであればよく、好適には、たとえば天板部に第1搬送収容体が載置され得る載置部を備えたAMR(Autonomously Moving Robot)、AGV(Automatic Guided Viehcle)、ANR(Autonomously Navigating Robot)として実現される。この場合、オーダ品はいわゆる物流で取り扱われるあらゆる物品であってよく、たとえば冷凍食品であってもよい。
また、本実施形態では、集品収容部は、規定の範囲の第1配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成する第1集合部と、第1配送先範囲を1以上含み第1配送先範囲以上の広域の第2配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する第2集合部と、を有する。
具体的には、図5を参照して、第1搬送収容体(第1集合群の構成要素)がオーダ箱なら、第2搬送収容体は、Zパック、Zパックのグループの収容体、ドーリなど、オーダ箱より上位の収容体であり、同様に、第1搬送収容体がZパックなら、第2搬送収容体は、Zパックのグループの収容体、ドーリなど、Zパックより上位の収容体であり、同様に、第1搬送収容体がZパックのグループの収容体なら、第2搬送収容体は、ドーリなど、Zパックのグループの収容体より上位の収容体が該当する。
また、図6を参照して、第1集合群を形成する第1集合部が、[4]オーダ順立てなら、第2集合群を形成する第2集合部は、[4]オーダ順立、[3]シュート仕分け、[2]垂直仕分け、[1]ロボットパーキング、などの[4]オーダ順立以上の階層の集合群を形成する機能部が該当する。
同様に、第1集合群を形成する第1集合部が、[3]シュート仕分けなら、第2集合群を形成する第2集合部は、[3]シュート仕分け、[2]垂直仕分け、[1]ロボットパーキング、などの[3]シュート仕分け以上の階層の集合群を形成する機能部が該当する。
同様に、第1集合群を形成する第1集合部が、[2]垂直仕分けなら、第2集合群を形成する第2集合部は、[2]垂直仕分け、[1]ロボットパーキング、などの[2]垂直仕分け以上の階層の集合群を形成する機能部が該当する。
また、同様に、実施形態2では、図12を参照して、第1集合群を形成する第1集合部が、『[4]Zパック内オーダ整列[(3)AMR順立てエリア~払い出しシュート]』なら、第2集合群を形成する第2集合部は、『[4]Zパック内オーダ整列[(3)AMR順立てエリア~払い出しシュート]』、『[3]Zパック単位整列[(2)順立て仕分けエリア~(3)AMR順立てエリア]』、『[2]Zパックグループ整列その2[(1)順立てバッファライン~(2)順立て仕分けエリア]』、『[1]ドーリ単位整列~Zパックグループ整列その1[(0)集品エリア~(1)順立てバッファライン]』、などの『[4]Zパック内オーダ整列[(3)AMR順立てエリア~払い出しシュート]』以上の階層の集合群を形成する機能部が該当する。
また、同様に、第1集合群を形成する第1集合部が、『[3]Zパック単位整列[(2)順立て仕分けエリア~(3)AMR順立てエリア]』なら、第2集合群を形成する第2集合部は、『[3]Zパック単位整列[(2)順立て仕分けエリア~(3)AMR順立てエリア]』、『[2]Zパックグループ整列その2[(1)順立てバッファライン~(2)順立て仕分けエリア]』、『[1]ドーリ単位整列~Zパックグループ整列その1[(0)集品エリア~(1)順立てバッファライン]』、などの『[3]Zパック単位整列[(2)順立て仕分けエリア~(3)AMR順立てエリア]』以上の階層の集合群を形成する機能部が該当する。
また、同様に、第1集合群を形成する第1集合部が、『[2]Zパックグループ整列その2[(1)順立てバッファライン~(2)順立て仕分けエリア]』なら、第2集合群を形成する第2集合部は、『[2]Zパックグループ整列その2[(1)順立てバッファライン~(2)順立て仕分けエリア]』、『[1]ドーリ単位整列~Zパックグループ整列その1[(0)集品エリア~(1)順立てバッファライン]』、などの『[2]Zパックグループ整列その2[(1)順立てバッファライン~(2)順立て仕分けエリア]』以上の階層の集合群を形成する機能部が該当する。
ところで、本実施形態について図5~図11で前述の順立ての順であるが、
[1]ドーリ単位整列のためのAMRによるロボットパーキング、
[2]Zパックグループ整列のための垂直仕分け、
[3]Zパック単位整列のためのシュート仕分け、
[4]Zパック内オーダ仕分けのためのオーダ順立て、
の順になっている。
ここで、この順について、検討してみる。例えば個人家庭等での引っ越しを考えてみる。荷物の収容の順のみを考えれば、図5の順番は、一般常識とは逆順である。
すなわち、階層的に考えれば、いわゆるボトムアップの考え方で、引っ越し先で最終的に荷物を取り出すのに便利なように、まず、荷物を小分けした最下位のまとまり毎に段ボール等に詰めるように、最下位層の[4]オーダ順立てを最初に行って、各段ボール(Zパックに相当)の準備(収容)を済ませ、引っ越し先でのダンボール等からの取出し順に並べ([3]に相当)、それを例えば各階ごとにまとめておいて([2]に相当)、引っ越し業者には、引っ越し先で便利なように、例えば2階の荷物を先に取り出せるように、1階分を先に積んで、2階分を後に積んでもらう([1]に相当)方が便利な場合が多い。
それと同様に、図5~図11で前述の順立ての順を、図5の順とは逆に[4]→[3]→[2]→[1]の順にすれば、第1集合群を先に形成することになる。この場合、原理的に、同一の第1集合群に含まれる第1搬送収容体のそれぞれは、その第1集合群の一員のまま、同一の第2集合群に含まれることになる。
この場合、第2集合群の形成は、第1集合群として形成して収容した第1搬送収容体をさらに1以上集合することにより行われる。すなわち、第1集合群を先に形成するので、原理的に、同一の第1集合群に含まれる第1搬送収容体のそれぞれは、第2集合群を収容する配送先対応の第2搬送収容体に、その第1集合群の一員のまま収容できる。このため、第2集合群の形成の前に、その第1集合群のまま纏めて収容する第1集合群収容体のような中間収容体として、出荷のための準備の収容を進めておくことも出来るようになり、階層的にグループ化(集合群化)した中間収容体を採用した新たな搬送システムを構築できる。
一方、図5~図11で前述の順立ての順と同様に、[1]→[2]→[3]→[4]の順にすれば、第2集合群を先に形成することになる。この場合、原理的に、各第1集合群は、第2集合群の部分集合群の一つとして形成される。
この場合、第1集合群の形成は、第2集合群の形成で集合した第1搬送収容体を、第1配送先範囲毎に分類して集合させることにより行われる。この場合、上位階層の第2集合群の形成を、下位階層の第1集合群の形成より先に行うことになるので、第2集合群を収容する配送先対応の第2搬送収容体に第2集合群の全体を収容する作業は、その後の第1収容群の全体を収容する作業の終了を待つことになる。
その代り、最終的に配送先への配送を行うための配送運輸体(配送トラック等)に積載される第2集合群の形成を先に行うことになるので、配送運輸体の搬送出発順に合わせて第2搬送収容体への収容を進めやすくなり、搬送出発を促進可能な新たな搬送システムを構築できる。
上記の集合群の形成順はいずれにせよ、これらの結果、第2搬送収容体を第2配送先範囲の配送先に配送すると、その第2搬送収容体には、より狭域の第1搬送収容体が収容されているので、その後、各第1搬送収容体を対応の第1配送先範囲で配送することができる。すなわち、階層的にグループ化(集合群化)したオーダ品のそれぞれを指定の配送先に配送することができ、このようにして、新たな搬送システムを構築できる。
なお、集品収容部は、第1搬送収容体を、複数の分岐路のうちのいずれかに振り分けて搬送する第1分岐搬送手段と、第1分岐搬送手段により搬送された第1搬送収容体を、行き先ごとに振り分けて搬送する第2分岐搬送手段と、をさらに有するようにしても良い。
上記において、複数の分岐路とは、好適には、ローラコンベヤ装置、ベルトコンベヤ装置として実現されるが、これらに限定されるものではなく、対象物を搬送できる能力があるものであればよい。
また、上記において、制御部は、典型的には、いわゆる物流を司るWMS(Warehouse Management System:倉庫管理システムもしくは在庫管理システム)によって実現され、オーダごとに、どこに収容されているどのアイテムをどのタイミングで取り出すか等が定められる。WMSによって実現しても、或いは、別途、WMSの管理下にあるシステムとしての、本件搬送システムを情報処理面から制御する機構として実現してもよい。
上記構成を備えることで、WMSによって規定・決定されるオーダに応じた被収容物の収用計画集品袋のもので、制御部が、前記自律搬送体、前記第1分岐搬送手段、前記第2分岐搬送手段の動作タイミングを制御するので、出荷パックに投入するに当たる前作業でのいわゆる順立て作業が自動化されることになる。
また、集品収容部は、第1分岐搬送手段と第2分岐搬送手段との間に、複数の分岐路のうちの別の分岐路を搬送された第1搬送収容体を合流させる合流部をさらに有するようにしても良い。
また、前記複数の分岐路のうちの少なくともいずれか2つが互いに略立体的に配置されたようにしても良い。
また、第2分岐搬送手段は少なくともいずれかが互いに略平面的に配置される複数の略平面的分岐路を備えるようにしても良い。
また、第1搬送収容体に被搬送物識別子が付与されるようにしても良い。
また、自律搬送体には自律搬送体識別子が付与されるようにしても良い。
また、集品収容部は、自律搬送体から移載された第1搬送収容体を搬送する第1搬送手段をさらに有し、第1搬送手段は、自律搬送体から移載された第1搬送収容体を受容し、前1分岐搬送手段に移載するようにしても良い。
また、集品収容部は、第1分岐搬送手段から搬送された第1搬送収容体を移載されて搬送する第2搬送手段をさらに有し、第2搬送手段は、第1の分岐搬送手段から移載された第1搬送収容体を受容し、第2分岐搬送手段に移載するようにしても良い。
また、集品収容部は、オーダ品を1以上含む収納品が収納された収納棚と、収納棚から取り出された収納品を自律搬送体が搬送する第1搬送収容体に移載するための中継部である第3搬送手段と、をさらに有するようにしても良い。
また、集品収容部は、第3搬送手段から収納品を移載された自律搬送体が待機するパーキングエリアをさらに有するようにしても良い。
また、集品収容部は、第2分岐搬送手段によって搬送された第1搬送収容体をピックアップして第2搬送収容体に収容するピックアップ機構をさらに有するようにしても良い。
また、前記ピックアップ機構は前記第1搬送収容体を把持し、もしくは持ち上げることの可能なロボットであるようにしても良い。
また、複数の自律搬送体は、搬送する第1搬送収容体に収容する前記オーダ品を集品するために自律搬送する自律集品搬送体と、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、配送先対応の第2搬送収容体に収容する際の順立を行うために自律搬送する自律順立搬送体と、の2種類のいずれかとして分類使用されるようにしても良い。
また、第2集合部は、自律順立搬送体が自律搬送する自律順立搬送エリアを有するようにしても良い。
上述のように、本発明によれば、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな搬送システムを、搬送システムの幹線として、従来のコンベヤに代わり、AGV及びAMR等の無人搬送車等(自律搬送体)を適用して構築でき、特に自律搬送体を効率的に利用して、物流におけるいわゆる順立て作業を自動化することにより、運用効率向上が可能になる。
本発明の概念は、主に、いくつかの実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上述のもの以外の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
本発明の各態様に係る搬送システムおよび各種制御は、入荷・集品・出荷・搬送の対象となるアイテムをデータベース管理するシステムについてのものであり、その意味で自然法則を利用しており、プログラム制御でハードウェアを作動させる点で工業的価値を有し、また、搬送の行為(役務)やアイテム自体は商取引の対象である点で経済的価値を有しており、これらの技術分野において、幅広い産業上の利用可能性を有する。

Claims (20)

  1. 物流による被搬送体としてオーダ指定されたオーダ品を1以上収容する第1搬送収容体を、自律搬送によりそれぞれ1以上搬送可能な複数の自律搬送体と、
    前記物流により前記オーダ品を配送先に配送する際に、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の第2搬送収容体に集品して収容する集品収容部と、
    前記複数の自律搬送体と前記集品収容部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記集品収容部は、
    規定の範囲の第1配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成する第1集合部と、
    前記第1配送先範囲を1以上含み前記第1配送先範囲以上の広域の第2配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する第2集合部と、
    を有する搬送システム。
  2. 前記第2集合群の形成は、前記第1集合群として形成して収容した第1搬送収容体をさらに1以上集合することにより行われる、請求項1に記載の搬送システム。
  3. 前記第1集合群の形成は、前記第2集合群の形成で集合した第1搬送収容体を、前記第1配送先範囲毎に分類して集合させることにより行われる、請求項1に記載の搬送システム。
  4. 前記集品収容部は、
    前記第1搬送収容体を、複数の分岐路のうちのいずれかに振り分けて搬送する第1分岐搬送手段と、
    前記第1分岐搬送手段により搬送された第1搬送収容体を、行き先ごとに振り分けて搬送する第2分岐搬送手段と、
    をさらに有する、請求項1に記載の搬送システム。
  5. 前記集品収容部は、
    前記第1分岐搬送手段と前記第2分岐搬送手段との間に、前記複数の分岐路のうちの別の分岐路を搬送された前記第1搬送収容体を合流させる合流部
    をさらに有する、請求項4に記載の搬送システム。
  6. 前記複数の分岐路のうちの少なくともいずれか2つが互いに略立体的に配置された、請求項4に記載の搬送システム。
  7. 前記第2分岐搬送手段は少なくともいずれかが互いに略平面的に配置される複数の略平面的分岐路を備える、請求項4に記載の搬送システム。
  8. 前記第1搬送収容体に被搬送物識別子が付与される、請求項4に記載の搬送システム。
  9. 前記自律搬送体には自律搬送体識別子が付与される、請求項4に記載の搬送システム。
  10. 前記集品収容部は、
    前記自律搬送体から移載された前記第1搬送収容体を搬送する第1搬送手段をさらに有し、
    前記第1搬送手段は、前記自律搬送体から移載された前記第1搬送収容体を受容し、前記第1分岐搬送手段に移載する、請求項4に記載の搬送システム。
  11. 前記集品収容部は、
    前記第1分岐搬送手段から搬送された前記第1搬送収容体を移載されて搬送する第2搬送手段をさらに有し、
    前記第2搬送手段は、
    前記第1の分岐搬送手段から移載された前記第1搬送収容体を受容し、前記第2分岐搬送手段に移載する、請求項4に記載の搬送システム。
  12. 前記集品収容部は、
    前記オーダ品を1以上含む収納品が収納された収納棚と、
    前記収納棚から取り出された前記収納品を前記自律搬送体が搬送する前記第1搬送収容体に移載するための中継部である第3搬送手段と、
    をさらに有する、請求項4に記載の搬送システム。
  13. 前記集品収容部は、
    前記第3搬送手段から前記収納品を移載された前記自律搬送体が待機するパーキングエリアをさらに有する、請求項12に記載の搬送システム。
  14. 前記集品収容部は、
    前記第2分岐搬送手段によって搬送された前記第1搬送収容体をピックアップして前記第2搬送収容体に収容するピックアップ機構
    をさらに有する、請求項4に記載の搬送システム。
  15. 前記ピックアップ機構は前記第1搬送収容体を把持し、もしくは持ち上げることの可能なロボットである、請求項14に記載の搬送システム。
  16. 前記複数の自律搬送体は、
    搬送する前記第1搬送収容体に収容する前記オーダ品を集品するために自律搬送する自律集品搬送体と、
    配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の前記第2搬送収容体に収容する際の順立を行うために自律搬送する自律順立搬送体と、
    の2種類のいずれかとして分類使用される、請求項1に記載の搬送システム。
  17. 前記第2集合部は、
    前記自律順立搬送体が自律搬送する自律順立搬送エリア
    を有する、請求項16に記載の搬送システム。
  18. 物流による被搬送体としてオーダ指定されたオーダ品を1以上収容する第1搬送収容体をそれぞれ1以上搬送可能な複数の自律搬送体の自律搬送を実行する自律搬送工程と、
    前記物流により前記オーダ品を配送先に配送する際に、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の第2搬送収容体に集品して収容する集品収容を実行する集品収容工程と、
    前記自律搬送工程と前記集品収容工程とを制御する制御工程と、
    を備え、
    前記集品収容工程は、
    規定の範囲の第1配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成する第1集合工程と、
    前記第1配送先範囲を1以上含み前記第1配送先範囲以上の広域の第2配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する第2集合工程と、
    を有する搬送制御方法。
  19. 物流による被搬送体としてオーダ指定されたオーダ品を1以上収容する第1搬送収容体を、自律搬送によりそれぞれ1以上搬送可能な複数の自律搬送体と、
    前記物流により前記オーダ品を配送先に配送する際に、配送対象となる1以上の前記第1搬送収容体を、前記配送先対応の第2搬送収容体に集品して収容する集品収容部と、
    前記複数の自律搬送体と前記集品収容部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記集品収容部は、
    規定の範囲の第1配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第1集合群を形成する第1集合部と、
    前記第1配送先範囲を1以上含み前記第1配送先範囲以上の広域の第2配送先範囲内に指定の配送先が存在するオーダ品を収容した前記第1搬送収容体を集合して第2集合群を形成する第2集合部と、
    を有する搬送システムとして、コンピュータを機能させるプログラム。
  20. 請求項19に記載のプログラムが記憶された記録媒体。
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