JP2024066453A - 出力バッファ回路、表示ドライバ及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、電流駆動能力の調整機能を備え、多出力構成とした場合に省面積化を図ることが可能な出力バッファ回路、表示ドライバ及び表示装置を提供する。【構成】本発明は、ゲートで受けた入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第1の高圧電源電圧を出力端子に供給する第1のトランジスタと、ゲートで受けた入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第2の高圧電源電圧を出力端子に供給する第2のトランジスタと、入力信号の電圧変化時に、第1及び第2のトランジスタのうちでオン状態にあるトランジスタのゲート電圧を変化させることでオフ状態に遷移させると共に、オフ状態にあるトランジスタのゲート電圧をバイアス電圧で制御される電流値に基づく変化速度で変化させることでオン状態に至らせる出力制御部と、上記バイアス電圧の電圧値を指定された電圧値に設定するバイアス変調部と、を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、負荷を駆動する出力バッファ回路、この出力バッファ回路を含む表示ドライバ及び表示装置に関する。
外部接続されている負荷を駆動する半導体集積装置には、当該負荷を駆動するための駆動信号を出力する出力バッファが設けられている。出力バッファは、例えば2値(論理レベル0、1)の入力信号を夫々のゲート端で受け、夫々のドレイン端同士が出力ノードに接続されているPチャネルMOS(metal oxide semiconductor)型のトランジスタ及びNチャネルMOS型のトランジスタを含む。かかる構成により、出力バッファは、上記した両トランジスタを2値の入力信号によって相補的にオン状態に設定することで、出力ノードから、2値の駆動信号を出力する。
ところで、駆動対象とする負荷が、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の比較的大きな容量を有し且つ高電圧のパルス駆動が要求される大容量負荷である場合、出力バッファとしては高駆動型の出力バッファが用いられる。
このような高駆動型の出力バッファでは、両トランジスタのうちの一方のトランジスタがオフ状態からオン状態へ切り替わるタイミングよりも、他方のトランジスタがオン状態からオフ状態へ切り替わるタイミングが遅れることで、一時的に両トランジスタが同時にオン状態となる場合が生じる。これにより、両トランジスタ間に比較的大きな貫通電流が流れ、当該貫通電流に起因するEMI(electro magnetic interference)の発生及び消費電力の増加を招くという問題があった。また、負荷駆動時の充放電電流に伴う電流変動に起因して発生するEMIの発生の問題もあった。
そこで、かかる問題を解決するために、上記したPチャネルMOSトランジスタ及びNチャネルMOSトランジスタからなるバッファ部の前段に、プリバッファ部を設けた出力バッファ回路が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の出力バッファ回路に含まれるプリバッファ部は、入力信号を受けその反転信号を上記したPチャネルMOSトランジスタのゲートに供給する第1のインバータと、入力信号を受けその反転信号を上記したNチャネルMOSトランジスタのゲートに供給する第2のインバータと、を有する。この際、第1のインバータのNチャネルMOSトランジスタのソースには電流源が接続されており、第2のインバータのPチャネルMOSトランジスタのソースには電流源が接続されている。特許文献1に記載の出力バッファ回路では、プリバッファ部の電流源の各々で流す電流を個別に調整することで、バッファ部の両トランジスタのオン状態からオフ状態への遷移をオフ状態からオン状態への遷移よりも早くさせる。これにより、当該出力バッファ回路では、バッファ部の両トランジスタが同時にオン状態となる状態が回避され、貫通電流を防止し、出力信号の電圧変化を遅くしている。
ところで、特許文献1に記載の出力バッファ回路は、プリバッファ部の電流源で流す電流を減らすほど、バッファ部の両トランジスタをオフ状態からオン状態に遷移させる時間が長くなる。
これにより、出力信号の電圧変化が緩やかになるので、確実に貫通電流が抑えられ、EMIの低減を図ることができる。しかしながら、出力バッファ回路の電流駆動能力が低下し、出力信号のパルス電圧波形の鈍りが大きくなるため、高速な負荷駆動ができなくなる。
このように、EMIの低減と電流駆動能力とはトレードオフの関係にあり、その最適な調整値は駆動対象となる負荷毎に異なる。そこで、電流駆動能力を調整する調整回路を内蔵した出力バッファ回路が望まれている。
尚、高駆動型の出力バッファ回路の場合、電流駆動能力の調整回路自体も高電圧に対応した比較的サイズの大きなトランジスタを用いて構築する必要がある。よって、特に、複数の負荷を駆動するため、上記したような出力バッファ回路を複数個含む多出力構成とした場合、出力バッファ回路の数に比例して回路面積が増加するという問題があった。
そこで、本願発明は、電流駆動能力の調整機能を備え、多出力構成とした場合に省面積化を図ることが可能な出力バッファ回路、この出力バッファ回路を含む表示ドライバ及び表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る出力バッファ回路は、入力信号を増幅した出力信号を出力端子から出力する出力バッファ回路であって、自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第1の高圧電源電圧を前記出力端子に供給する第1導電型の第1のトランジスタと、自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に前記第1の高圧電源電圧より低い第2の高圧電源電圧を前記出力端子に供給する第2導電型の第2のトランジスタと、バイアス電圧を生成するバイアス部と、前記入力信号の電圧変化時に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオン状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記入力信号の電圧変化に応じた変化速度で変化させることで前記オン状態にあるトランジスタをオフ状態に遷移させると共に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオフ状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記バイアス電圧により制御される電流値に基づく変化速度で変化させることで前記オフ状態にあるトランジスタをオン状態に至らせる出力制御部と、前記バイアス電圧の電圧値を指定しその電圧値に設定するための設定信号を生成する駆動設定部と、を含み、前記バイアス部は、前記第1の高圧電源電圧以下の電圧値を有する第1の低圧電源電圧、及び前記第2の高圧電源電圧以上の電圧値を有する第2の低圧電源電圧を受けて動作し、前記バイアス電圧の電圧値を前記設定信号に基づく電圧値に設定するバイアス変調部を含む。
また、本発明に係る出力バッファ回路は、第1~第M(Mは2以上の整数)の入力信号を増幅した第1~第Mの出力信号を出力する出力バッファ回路であって、バイアス電圧を生成するバイアス部と、前記バイアス電圧の電圧値を指定しその電圧値に設定するための設定信号を生成する駆動設定部と、前記第1~第Mの入力信号を個別に受け、夫々の出力端子を介して前記第1~第Mの出力信号を出力する第1~第Mのバッファ部と、を含み、前記第1~第Mのバッファ部の各々は、自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第1の高圧電源電圧を自身の前記出力端子に供給する第1導電型の第1のトランジスタと、自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に前記第1の高圧電源電圧より低い第2の高圧電源電圧を自身の前記出力端子に供給する第2導電型の第2のトランジスタと、前記入力信号の電圧変化時に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオン状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記入力信号の電圧変化に応じた変化速度で変化させることで前記オン状態にあるトランジスタをオフ状態に遷移させると共に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオフ状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記バイアス電圧により制御される電流値に基づく変化速度で変化させることで前記オフ状態にあるトランジスタをオン状態に至らせる出力制御部と、を含み、前記バイアス部は、前記第1~第Mのバッファ部の各々に対して共有されて設けられ、前記第1の高圧電源電圧未満又は前記第1の高圧電源電圧以下の電圧値を有する第1の低圧電源電圧、及び前記第2の高圧電源電圧より高い又は前記第2の高圧電源電圧以上の電圧値を有する第2の低圧電源電圧を受けて動作し、前記バイアス電圧の電圧値を前記設定信号に基づく電圧値に設定するバイアス変調部を含み、前記バイアス変調部で設定された電圧値を有する前記バイアス電圧を前記第1~第Mのバッファ部の各々へ供給する。
本発明に係る表示ドライバは、画面の水平方向に沿って配置されている複数の走査線、前記複数の走査線に交叉して配置されている複数のデータ線を含む表示パネルを映像信号に応じて駆動する表示ドライバであって、前記映像信号に基づき複数の駆動信号を生成して前記複数のデータ線に供給するデータドライバと、前記複数の走査線を複数の走査タイミング信号に応じたタイミングで駆動する走査ドライバと、を有し、前記データドライバは、前記複数の走査タイミング信号を出力する走査制御信号出力回路を含み、前記走査制御信号出力回路は上記した多出力構成の出力バッファ回路からなる。
また、本発明に係る表示ドライバは、画面の水平方向に沿って配置されている複数の走査線、及び前記複数の走査線に交叉して配置されている複数のデータ線を含むパッシブマトリクス型の表示パネルを映像信号に応じて駆動する表示ドライバであって、前記映像信号にて示される各画素の輝度レベルに対応したパルス幅を有する複数の駆動パルス信号を複数のデータ線に出力する第1の出力バッファ部を含むデータドライバと、複数の走査パルス信号を前記複数の走査線に出力する第2の出力バッファ部を含む走査ドライバと、を含み、前記第1の出力バッファ部及び前記第2の出力バッファ部は上記した多出力構成の出力バッファ回路からなる。
本発明に係る表示装置は、画面の水平方向に沿って配置されている複数の走査線、前記複数の走査線に交叉して配置されている複数のデータ線を含む表示パネルと、映像信号に応じて前記表示パネルを駆動する表示ドライバと、を有する表示装置であって、前記表示ドライバは、前記複数の走査線を複数の走査タイミング信号に応じたタイミングで駆動する走査ドライバと、前記映像信号に基づき複数の駆動信号を生成して前記複数のデータ線に供給し、前記複数の走査タイミング信号を出力する走査制御信号出力回路を含むデータドライバと、を有し、前記走査制御信号出力回路は、上記した多出力構成の出力バッファ回路からなる。
本発明に係る出力バッファ回路では、出力制御部が出力段の第1及び第2のトランジスタ各々のゲート電圧を入力信号に基づき制御することで、第1及び第2のトランジスタを夫々相補的にオン状態及びオフ状態に設定する。この際、出力制御部は、入力信号の電圧変化時において、以下のように第1及び第2のトランジスタを制御する。すなわち、第1及び第2のトランジスタのうちでオン状態にある方のトランジスタのゲート電圧を入力信号の電圧変化に応じた変化速度で変化させることで、このトランジスタをオフ状態に遷移させる。更に、第1及び第2のトランジスタのうちでオフ状態にある方のトランジスタのゲート電圧を、設定信号によって設定されたバイアス電圧により制御される電流値に基づく変化速度で変化させるという電流駆動能力の調整を行うことで、このトランジスタをオン状態に至らせる。なお出力バッファ部に供給するバイアス電圧を生成するバイアス部は、出力制御部及び出力段で用いる電源電圧以下の低電源電圧で動作するバイアス変調部を含み、バイアス変調部においてバイアス電圧の電圧値を可変に設定する。
これにより、本発明の出力バッファ回路は、入力信号の電圧変化時において、出力段の第1及び第2のトランジスタの同時オンを回避することが可能となる。その結果、第1及び第2のトランジスタ間に流れる瞬時的な貫通電流が防止され、当該貫通電流に伴うEMIの発生が抑止される。また、本発明の出力バッファ回路の電流駆動能力を設定するバイアス電圧を生成するバイアス変調部が低電圧回路で構成できるので、面積増加が少ない省面積構成でバイアス電圧の調整幅を増やすことができる。これにより、負荷駆動時の充放電電流の変動に起因して発生するEMIを低減するとともに、出力信号の電圧波形の歪みを最小限に抑えた最適な調整が可能となる。
また、上記した出力段及び出力制御部からなるバッファ部を複数個設けて出力バッファ回路を多出力化した場合、上記した電流駆動能力の調整を担うバイアス電圧を生成するバイアス部は複数個のバッファ部に対して共有された1系統での構成が可能である。したがって、バッファ部を多数有する出力バッファ回路を備える場合でも、装置全体の省面積化を図ることが可能となる。
よって、本発明によれば、出力信号の電圧波形の歪み低減とEMI低減とを最適化するための電流駆動能力の調整機能を備え、且つ多出力化とした場合に省面積化を図ることが可能な出力バッファ回路を提供することができる。
図1は、本発明に係る出力バッファ回路の一例としての出力バッファ回路100の構成を示す回路図である。
図1に示すように、出力バッファ回路100は、バッファ部10A、駆動設定部20、バイアス部30A、及びレベルシフタ90を含む。
レベルシフタ90は、入力端子TIを介して、低電圧の振幅(電源電圧VSS~VDD)で電圧が変化する2値(論理レベル0又は1)の入力信号Si0Lを受ける。レベルシフタ90は、当該入力信号Si0Lを、その振幅を高電圧の範囲(電源電圧VGL~VGH)までレベルシフトした高圧入力信号Si0に変換する。尚、電源電圧VSS、VDD、VGL及びVGHは、
VGH>VDD>VSS≧VGL
又は、
VGH≧VDD>VSS>VGL
なる大小関係を有する。
VGH>VDD>VSS≧VGL
又は、
VGH≧VDD>VSS>VGL
なる大小関係を有する。
そして、レベルシフタ90は、かかる高圧入力信号Si0をノードTi0を介してバッファ部10Aに供給する。
バッファ部10Aは、高電圧素子で構成され、高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)で動作する以下の高電圧素子から構成される。
すなわち、バッファ部10Aは、Pチャネル型のトランジスタ11及びNチャネル型のトランジスタ12からなる出力段と、これらトランジスタ11及び12各々のゲート電圧を制御する出力制御部19Aと、を備える。
トランジスタ11のソースには電源電圧VGHが印加されており、トランジスタ12のソースには電源電圧VGLが印加されている。トランジスタ11及び12各々のドレインは出力端子TOに接続されており、当該出力端子TOに生じた電圧を有する2値(論理レベル0又は1)の信号が出力信号Soとして出力される。
出力制御部19Aは、インバータ13、14、Nチャネル型のトランジスタ15及びPチャネル型のトランジスタ16を含む。
インバータ13は、Nチャネル型のトランジスタ13n及びPチャネル型のトランジスタ13pで構成され、夫々のゲート同士が共通接続されてインバータ13の入力端を成しノードTi0に接続され、夫々のドレイン同士が共通接続されてインバータ13の出力端を成しノードn1に接続される。トランジスタ13pのソースは正側電源端子に接続されて電源電圧VGHを受け、トランジスタ13nのソースはトランジスタ15を介して負側電源端子に接続されて電源電圧VGLを受ける。つまり、インバータ13は、ノードTi0を介して受けた高圧入力信号Si0の位相を反転させた信号の電圧をノードn1を介してトランジスタ11のゲートに供給する。
インバータ14は、Nチャネル型のトランジスタ14n及びPチャネル型のトランジスタ14pで構成され、夫々のゲート同士が共通接続されてインバータ14の入力端を成しノードTi0に接続され、夫々のドレイン同士が共通接続されてインバータ14の出力端を成しノードn2に接続される。トランジスタ14pのソースはトランジスタ16を介して正側電源端子に接続されて電源電圧VGHを受け、トランジスタ14nのソースは負側電源端子に接続されて電源電圧VGLを受ける。つまり、インバータ14は、ノードTi0を介して受けた高圧入力信号Si0の位相を反転させた信号の電圧をノードn2を介してトランジスタ12のゲートに供給する。
トランジスタ15は、自身のドレインがインバータ13の負側電源端子に接続されており、電源電圧VGLをソースで受けると共に、バイアス部30Aからノードn3を介して供給されたバイアス電圧VBNをゲートで受ける。
トランジスタ16は、自身のドレインがインバータ14の正側電源端子に接続されており、電源電圧VGHをソースで受けると共に、バイアス部30Aからノードn4を介して供給されたバイアス電圧VBPをゲートで受ける。
駆動設定部20は、バイアス電圧VBN及びVBPの電圧値を示し、その電圧値に設定するための設定データを記憶する記憶部(図示せず)を有する。駆動設定部20は、当該記憶部に記憶されている設定データに示されている電圧値を示す設定信号Csを生成しこれをバイアス部30Aに供給する。なお、駆動設定部20は、外部から供給される設定データを受けて、その設定データに示されている電圧値を示す設定信号Csを生成しこれをバイアス部30Aに供給するようにしてもよい。
バイアス部30Aは、バイアス変調部40A、耐圧保護部50A及び電流電圧変換部60Aを含む。
バイアス変調部40Aは、電源電圧VDD及びVSSを受け、バッファ部10Aにおける高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)内の低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)で動作する。バイアス変調部40Aは、設定信号Csに対応した電流値を有する一対の電流I1A及びI2Aを生成し、耐圧保護部50Aに供給する。
耐圧保護部50Aは、電流I1A及びI2Aを電流電圧変換部60Aに中継しつつ、高圧の電源電圧VGH及びVGLの影響を排除して、バイアス変調部40Aの出力に掛かる電圧が低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)に収まるように制御する。
電流電圧変換部60Aは、電源電圧VGH及びVGLを受け、電流I1A及びI2Aを夫々、高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)内の電圧値を有するバイアス電圧VBN及びVBPに変換する。そして、電流電圧変換部60Aは、バイアス電圧VBNを、ノードn3を介してトランジスタ15のゲートに供給すると共に、バイアス電圧VBPをノードn4を介してトランジスタ16のゲートに供給する。
以下に、図1に示す出力バッファ回路100の動作について説明する。
まず、論理レベル0に対応した電源電圧VSSを有する入力信号Si0Lを受けた場合、レベルシフタ90は、当該入力信号Si0Lの電圧(VSS)を電源電圧VGLにレベルシフトした論理レベル0の高圧入力信号Si0を生成し、インバータ13及び14に供給する。これにより、インバータ13が論理レベル1に対応した電源電圧VGHを有する信号をトランジスタ11のゲートに供給し、インバータ14が論理レベル1に対応した電源電圧VGHを有する信号をトランジスタ12のゲートに供給する。したがって、この際、トランジスタ11がオフ状態、トランジスタ12がオン状態となり、電源電圧VGLを有する論理レベル0の出力信号Soが出力端子TOを介して出力される。
次に、論理レベル1に対応した電源電圧VDDを有する入力信号Si0Lを受けた場合、レベルシフタ90は、当該入力信号Si0Lの電圧(VDD)を電源電圧VGHにレベルシフトした論理レベル1の高圧入力信号Si0を生成し、インバータ13及び14に供給する。これにより、インバータ13が論理レベル0に対応した電源電圧VGLを有する信号をトランジスタ11のゲートに供給し、インバータ14が論理レベル0に対応した電源電圧VGLを有する信号をトランジスタ12のゲートに供給する。したがって、この際、トランジスタ11がオン状態、トランジスタ12がオフ状態となり、電源電圧VGHを有する論理レベル1の出力信号Soが出力端子TOを介して出力される。
このように、出力バッファ回路100では、出力制御部19Aが、高圧入力信号Si0に基づき、出力段のトランジスタ11及び12各々のゲート電圧を制御することで、これらトランジスタ11及び12を相補的にオン状態又はオフ状態に設定する。この際、出力制御部19Aは、高圧入力信号Si0の電圧変化時において、以下のように出力段のトランジスタ11及び12を制御する。すなわち、トランジスタ11及び12のうちでオン状態にある方のトランジスタのゲート電圧を入力信号の電圧変化に応じた変化速度で変化させてこのトランジスタをオフ状態に遷移させる。更に、トランジスタ11及び12のうちでオフ状態にある方のトランジスタのゲート電圧を、設定信号Csにて示される電圧値を有するバイアス電圧(VBN、VBP)により制御される電流値に基づく変化速度で変化させるという電流駆動能力の調整を行うことで、このトランジスタをオン状態に至らせる。
具体的には、高圧入力信号Si0が論理レベル0の電源電圧VGLから論理レベル1の電源電圧VGHに変化するとき、インバータ14のトランジスタ14nが高圧入力信号Si0の電圧変化に応じたスイッチング動作でオフ状態からオン状態へ変化し、トランジスタ12のゲートが電源電圧VGHから電源電圧VGLへ速やかに変化することでトランジスタ12がオン状態からオフ状態に速やかに変化する。また、このとき、インバータ13のトランジスタ13nがオン状態となり、トランジスタ11のゲートはバイアス電圧VBNにより制御される電流値に応じた変化速度で電源電圧VGHから電源電圧VGLへ変化し、それに応じた変化速度でトランジスタ11がオフ状態からオン状態に変化する。一方、高圧入力信号Si0が論理レベル1の電源電圧VGHから論理レベル0の電源電圧VGLに変化するとき、インバータ13のトランジスタ13pが高圧入力信号Si0の電圧変化に応じたスイッチング動作でオフ状態からオン状態へ変化し、トランジスタ11のゲートが電源電圧VGLから電源電圧VGHへ速やかに変化することでトランジスタ11がオン状態からオフ状態に速やかに変化する。また、このとき、インバータ14のトランジスタ14pがオン状態となり、トランジスタ12のゲートはバイアス電圧VBPにより制御される電流値に応じた変化速度で電源電圧VGLから電源電圧VGHへ変化し、それに応じた変化速度でトランジスタ12がオフ状態からオン状態に変化する。
これにより、入力信号の電圧変化時において、出力段のトランジスタ11及び12の同時オンを回避することが可能となる。その結果、トランジスタ11及び12間に流れる瞬時的な貫通電流が防止され、当該貫通電流に伴うEMIの発生及び消費電力の増加が抑止される。また、出力信号Soの電圧の変化速度を制御することにより、負荷駆動時の充放電電流の変化速度も制御され、EMIの低減が可能となる。
また、上記した出力段(11、12)及び出力制御部19Aを複数個設けて出力バッファ回路100を多出力化した場合、上記した電流駆動能力の調整を担うバイアス電圧を生成するバイアス部30Aは多出力化に対して共有された1系統だけの構成で済む。更に、バイアス部30Aに含まれる、バイアス電圧(VBN、VBP)の電圧値を任意の大きさに設定するバイアス変調部40Aについては、出力段(11、12)及び出力制御部19Aで用いられる電源電圧(VGH、VGL)以下の電源電圧(VDD、VSS)で動作する低圧素子で構成することができるので、高圧素子の追加を減らして省面積化することが可能となる。低圧素子で構成されるバイアス変調部40Aは、回路面積の増加を抑えて、バイアス電圧の調整ステップ数を増やすことができる。
よって、本発明に係る出力バッファ回路100によれば、バイアス電圧VBN及びVBPによる電流駆動能力の調整手段を備えることで、負荷駆動に必要な電流駆動能力(歪みの少ない出力波形)を維持したまま、貫通電流に伴うEMIや消費電力増加を防止するとともに、負荷駆動に伴う充放電電流により発生するEMIも低減することが可能となり、且つ多出力化とした場合に省面積化を図ることが可能となる。
尚、図1では、出力バッファ回路の構成の一例として出力バッファ回路100の構成を示しているが、かかる構成に限定されない。
要するに、本発明に係る出力バッファ回路としては、以下のような、出力段を担う第1及び第2のトランジスタ、バイアス部、出力制御部、及び駆動設定部を備えたものであれば良い。
第1のトランジスタ(11)は、自身のゲートで受けた入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第1の高圧電源電圧(VGH)を出力端子(TO)に供給する。第2のトランジスタ(12)は、自身のゲートで受けた入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第2の高圧電源電圧(VGL)を出力端子(TO)に供給する。バイアス部(30A)はバイアス電圧(VBN、VBP)を生成する。出力制御部(19A)は、入力信号(Si0)の電圧変化時に、第1及び第2のトランジスタのうちでオン状態にあるトランジスタのゲートの電圧を入力信号の電圧変化に応じた変化速度で変化させることで、このオン状態にあるトランジスタをオフ状態に遷移させる。更に、当該出力制御部は、第1及び第2のトランジスタのうちでオフ状態にあるトランジスタのゲートの電圧をバイアス電圧(VBN、VBP)により制御される電流値に基づく変化速度で変化させることで、このオフ状態にあるトランジスタをオン状態に至らせる。駆動設定部は、バイアス電圧の電圧値を指定しその電圧値に設定するための設定信号(Cs)を生成する。
尚、バイアス部(30A)は、以下のバイアス変調部を含む。
バイアス変調部(40A)は、第1の高圧電源電圧(VGH)未満又はこれ以下の電圧値を有する第1の低圧電源電圧(VDD)、及び第2の高圧電源電圧(VGL)より高い又はこれ以上の電圧値を有する第2の低圧電源電圧(VSS)を受けて動作し、バイアス電圧(VBN、VBP)の電圧値を設定信号(Cs)に基づく電圧値に設定する。
図2は、図1に示すバイアス部30Aの一例としてのバイアス部30A1の構成を示す回路図である。
バイアス部30A1は、バイアス変調部40A1、耐圧保護部50A1及び電流電圧変換部60A1を含み、高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)内において設定信号Csに基づく電圧値を有するバイアス電圧VBN及びVBPを生成する。
バイアス変調部40A1は、低電圧素子で構成され、夫々が低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内で動作し、駆動設定部20から供給された設定信号Csに基づく電流値を有する電流I1A及びI2Aを生成する可変電流源41A及び42Aを含む。可変電流源41Aは電源電圧VDDを受けて上記電流I1Aを送出し、可変電流源42Aは電源電圧VSSを受けて上記電流I2Aを送出する。
耐圧保護部50A1は、高電圧素子のPチャネル型のトランジスタ51A及びNチャネル型のトランジスタ52Aを含む。トランジスタ51Aは、自身のゲートに電源電圧VSSが印加されており、可変電流源41Aが生成した電流I1Aを自身のソースで受ける。トランジスタ52Aは、自身のゲートに電源電圧VDDが印加されており、自身のドレインに可変電流源42Aが接続されている。
電流電圧変換部60A1は、高電圧素子のNチャネル型のトランジスタ61A及びPチャネル型のトランジスタ62Aを含む。トランジスタ61Aは、自身のゲート及びドレインがトランジスタ51Aのドレインに接続されており、自身のソースには電源電圧VGLが印加されている。トランジスタ62Aは、自身のゲート及びドレインがトランジスタ52Aのドレインに接続されており、自身のソースには電源電圧VGHが印加されている。
ここで、トランジスタ61Aのゲート及びドレインに生じた電圧がバイアス電圧VBNとして、ノードn3を介して出力されると共に、トランジスタ62Aのゲート及びドレインに生じた電圧がバイアス電圧VBPとして、ノードn4を介して出力される。
上記した図2に示す構成により、バイアス変調部40A1から出力された電流I1A及びI2Aは、それぞれ耐圧保護部50A1のトランジスタ51A及び52Aを介して電流電圧変換部60A1に供給される。
耐圧保護部50A1のトランジスタ51Aは、自身のゲートで電源電圧VSSを受けると共に、電源電圧VDDを基準とする可変電流源41Aが生成した電流I1Aを自身のソースで受け、これを自身のドレインから出力する。これにより、トランジスタ51Aのソース電圧はゲート印加電圧VSSからゲート・ソース間電圧差分だけ高い電圧に保持されるため、トランジスタ51Aは、可変電流源41Aに掛かる電圧を低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内にクランプしつつ、上記した電流I1Aを電流電圧変換部60A1のトランジスタ61Aに流す。なお、トランジスタ51Aのゲートに印加する電圧は、可変電流源41Aが低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内から逸脱しない範囲で電源電圧VSSからずれた電圧に変更してもよい。
また、耐圧保護部50A1のトランジスタ52Aは、自身のゲートで電源電圧VDDを受けると共に、電源電圧VSSを基準とする可変電流源42Aが生成した電流I2Aを自身のソースで受け、これを自身のドレインから出力する。これにより、トランジスタ52Aのソース電圧はゲート印加電圧VDDからゲート・ソース間電圧差分だけ低い電圧に保持されるため、トランジスタ52Aは、可変電流源41Aに掛かる電圧を低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内にクランプしつつ、上記した電流I2Aを電流電圧変換部60A1のトランジスタ62Aに流す。なお、トランジスタ52Aのゲートに印加する電圧は、可変電流源42Aが低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内から逸脱しない範囲で電源電圧VDDからずれた電圧に変更してもよい。
電流電圧変換部60A1では、図2に示すようにダイオード接続されたトランジスタ61Aが、電流I1Aを自身のドレイン及びゲートで受けることで、当該電流I1Aを電圧に変換し、その電圧を示すバイアス電圧VBNをバッファ部10Aに供給する。更に、電流電圧変換部60A1では、図2に示すようにダイオード接続されたトランジスタ62Aが、電流I2Aを自身のドレイン及びゲートで受けることで、当該電流I2Aを電圧に変換し、その電圧を示すバイアス電圧VBPをバッファ部10Aに供給する。
尚、図1及び図2に示すように、バイアス部30A1に含まれるトランジスタ61Aとバッファ部10Aに含まれるトランジスタ15とで第1のカレントミラー回路を構成し、バイアス部30A1に含まれるトランジスタ62Aとバッファ部10Aに含まれるトランジスタ16とで第2のカレントミラー回路を構成しても良い。
また、図2に示す構成において、トランジスタ61A及び62Aの各々を、縦積みした複数個のダイオード接続トランジスタで構成することで、バッファ部10Aのトランジスタ15及び16に流れる電流の増加を図るようにしても良い。
尚、図2に示す耐圧保護部50A1において、電源電圧VGLとVSSとが等しい場合には、トランジスタ51Aが削除可能であり、また、電源電圧VGHとVDDとが等しい場合にはトランジスタ52Aが削除可能となる。
図3Aは、図2に示す可変電流源41Aの一例としての可変電流源41A1の構成を示す回路図である。
可変電流源41A1は、低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内で動作する、以下の低電圧素子で構成される。
すなわち、可変電流源41A1は、例えば電源電圧VDDが印加されている電源端子と、トランジスタ51Aのソースに接続されているノードn41Aとの間に並列形態で接続された複数の定電流源43A、43A_1~43A_k(kは2以上の整数)を備える。更に、可変電流源41A1は、定電流源43A_1~43A_kの各々と直列形態で接続され、設定信号Csに含まれるデジタル設定信号Csp1~Cspkにより、ノードn41Aに対する電流供給又は電流遮断が制御されるスイッチ44A_1~44A_kを備える。
図3Aに示す構成により、可変電流源41A1では、定電流源43A、43A_1~43A_kのうちで、デジタル設定信号Ccp1~Cspkによって電流供給可能な状態にある定電流源の合計電流が電流I1Aとして生成される。つまり、可変電流源41A1は、デジタル設定信号Ccp1~Cspkにより、電流I1Aの電流値を可変に設定できる。
図3Bは、図2に示す可変電流源42Aの一例としての可変電流源42A1の構成を示す回路図である。
可変電流源42A1は、低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内で動作する、以下の低電圧素子で構成される。
すなわち、可変電流源42A1は、例えば電源電圧VSSが印加されている電源端子と、トランジスタ52Aのソースに接続されているノードn42Aとの間に並列形態で接続された複数の定電流源45A、45A_1~45A_k(kは2以上の整数)を備える。更に、可変電流源42A1は、定電流源45A_1~45A_kの各々と直列形態で接続され、設定信号Csに含まれるデジタル設定信号Csn1~Csnkにより、ノードn42Aに対する電流供給又は電流遮断が制御されるスイッチ46A_1~46A_kを備える。
図3Bに示す構成により、可変電流源42A1では、定電流源45A、45A_1~45A_kのうちで、デジタル設定信号Ccn1~Csnkによって電流供給可能な状態にある定電流源の合計電流が電流I2Aとして生成される。つまり、可変電流源42A1は、デジタル設定信号Ccn1~Csnkにより、電流I2Aの電流値を可変に設定できる。
図4は、図1に示す出力バッファ回路100の変形例としての出力バッファ回路100Aの構成を示す回路図である。
尚、図4に示す構成では、図1に示すバイアス部30Aをバイアス部30Bに変更した点を除く他の構成は図1に示すものと同一である。よって、以下にバイアス部30Bについてのみ、その構成を詳細に説明する。
バイアス部30Bは、バイアス変調部40B及び耐圧保護部50Bを含み、設定信号Csに対応した電圧値を有するバイアス電圧VBN及びVBPをノードn3及びn4を介してバッファ部10Aのトランジスタ15及び16各々のゲートに供給する。
バイアス変調部40Bは、電源電圧VDD及びVSSを受け、バッファ部10Aにおける高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)内の低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)で動作する。バイアス変調部40Bは、設定信号Csに対応した電圧値を有する一対の電圧V1B及びV2Bを生成し、耐圧保護部50Bに供給する。
耐圧保護部50Bは、これら電圧V1B及びV2Bをバイアス電圧VBN及びVBPとし、夫々をノードn3及びn4を介してバッファ部10Aに中継しつつ、電圧V1B及びV2Bが低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)を逸脱しないように制御する。
図5は、図4に示すバイアス部30Bの構成の一例としてのバイアス部30B1の構成を示す回路図である。
図5に示すように、バイアス部30B1は、バイアス変調部40B1及び耐圧保護部50B1を含み、バッファ部10Aが動作する高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)に対し、低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内のバイアス電圧VBN及びVBPを出力する。
バイアス変調部40B1は、参照電圧生成部41B及びD/A変換部42Bを含む。
参照電圧生成部41Bは、電源電圧VDD及びVSS間の電圧を分圧することで複数の参照電圧を生成する例えばラダー抵抗で構成され、生成した複数の参照電圧をD/A変換部42Bに供給する。
D/A変換部42Bは、駆動設定部20の設定信号Csに基づき、複数の参照電圧のうちから2つの電圧を選択し、夫々を電圧V1B及びV2Bとしてノードn3及びn4を介して耐圧保護部50B1に供給する。
耐圧保護部50B1は、Nチャネル型のトランジスタ51N及び52Nと、Pチャネル型のトランジスタ51P及び52Pを含む。
図5に示すように、トランジスタ51P及び52P各々のドレインには電源電圧VSSが共通に印加されており、夫々のゲートには所定の制御電圧Vclpが共通に印加されている。トランジスタ51Pのソースは、上記した電圧V1Bを受けるノードn3に接続されており、トランジスタ52Pのソースは、上記した電圧V2Bを受けるノードn4に接続されている。
尚、上記した制御電圧Vclpは、
Vclp<VDD-|Vtp|
Vtp:トランジスタ51P及び52Pの閾値電圧
に設定される。
Vclp<VDD-|Vtp|
Vtp:トランジスタ51P及び52Pの閾値電圧
に設定される。
かかる構成により、ノードn3(n4)の電圧が、制御電圧Vclpにより制御される電源電圧VDD近傍の所定電圧(Vclp+|Vtp|)よりも高くなるとトランジスタ51P(52P)がオン状態となり、ノードn3(n4)の電圧が電源電圧VDDを超過しないようにする。
また、図5に示すように、トランジスタ51N及び52N各々のドレインには電源電圧VDDが共通に印加されており、夫々のゲートには所定の制御電圧Vclnが共通に印加されている。トランジスタ51Nのソースは、ノードn3に接続されており、トランジスタ52Nのソースは、ノードn4に接続されている。
尚、上記した制御電圧Vclnは、
Vcln>VSS+Vtn
Vtn:トランジスタ51N及び52Nの閾値電圧
に設定される。
Vcln>VSS+Vtn
Vtn:トランジスタ51N及び52Nの閾値電圧
に設定される。
かかる構成により、ノードn3(n4)の電圧が、制御電圧Vclnにより制御される電源電圧VSS近傍の所定電圧(Vcln-Vtn)よりも低くなるとトランジスタ51N(52N)がオン状態となり、ノードn3(n4)の電圧が電源電圧VSSより低くならないようにする。
耐圧保護部50B1は、ノードn3及びn4の電圧を夫々バイアス電圧VBN及びVBPとしてバッファ部10Aに共有する。
すなわち、図5に示す耐圧保護部50B1は、バイアス電圧VBN及びVBPが、例えばバッファ部10Aの動作時における容量カップリング等により変動しても、夫々の電圧値が低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)を逸脱しないように動作する。
このように、高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)で動作するバッファ部10Aの駆動能力を設定するにあたり、図4に示すようなバッファ部10Aの回路構成によれば、バイアス電圧VBN及びVBP各々の電圧を低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)内にすることが可能となる。これにより、バイアス変調部40B1及び耐圧保護部50B1を共に図5に示すような低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)で動作する低電圧回路で実現することができ、省面積化を図ることが可能となる。
図6は、図4に示すバイアス部30Bの変形例としてのバイアス部30Cの構成を示す回路図である。
図6に示すように、バイアス部30Cは、図4又は図5に示すバイアス変調部40B及び耐圧保護部50Bに、増幅部70Cを追加したものである。
尚、図6に示す耐圧保護部50Bは、バイアス変調部40Bから供給された電圧V1B及びV2Bを増幅部70Cに中継しつつ、電圧V1B及びV2Bが低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)を逸脱しないように制御する。
増幅部70Cは、電源電圧VGH及びVGLで動作するアンプ71C_N及び71C_Pを含む。アンプ71C_Nは、耐圧保護部50Bを介してバイアス変調部40Bから供給された電圧V1Bの振幅を高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)まで拡張したものを、バイアス電圧VBNとして出力する。アンプ71C_Pは、耐圧保護部50Bを介してバイアス変調部40Bから供給された電圧V2Bの振幅を高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)まで拡張したものを、バイアス電圧VBPとして出力する。
図7は、アンプ71C_Pの内部構成の一例を示す回路図である。
尚、図7に示す構成からなるアンプ71C_Pは、低圧電源電圧範囲(VSS~VDD)の電圧V2Bを受け、その振幅を電源電圧VGH側へ拡張した電圧をバイアス電圧VBPとして出力する。
図7に示すように、アンプ71C_Pは、定電流源72C、Nチャネル型のトランジスタ73C及び74C、Pチャネル型のトランジスタ75C~77C、負荷抵抗78C、及び定電流源79を含むオペアンプである。
図7において、差動対を為すトランジスタ73C及び74C各々のソースに、定電流源72の一端が接続されている。定電流源72Cの他端には電源電圧VGLが印加されている。トランジスタ73Cのゲートには電圧V2Bが供給され、ソースにはトランジスタ75Cのドレイン及びトランジスタ77Cのゲートが接続されている。トランジスタ74Cのドレインには、トランジスタ76Cのドレイン及びゲートとトランジスタ75Cのゲートが接続されている。トランジスタ75C及び76C各々のソースには電源電圧VGHが印加されている。トランジスタ77Cのソースには電源電圧VGHが印加されており、ドレインには負荷抵抗78Cの一端が接続されている。負荷抵抗78Cの他端にはトランジスタ74Cのゲート及び定電流源79の一端が接続されている。定電流源79の他端には電源電圧VGLが印加されている。尚、定電流源72C及び79各々の他端には電源電圧VGLに代えてVSSが印加されても良い。
図7に示す構成によれば、トランジスタ77Cのドレインに、
VBP=V2B+Ic・Rc
Ic:定電流源79の電流
Rc:負荷抵抗の抵抗値
にて表される電圧値を有するバイアス電圧VBPが生成される。すなわち図7に示すアンプ71C_Pは、入力される電圧V2Bを電源電圧VGH側へ拡張したバイアス電圧VBPを生成する。
VBP=V2B+Ic・Rc
Ic:定電流源79の電流
Rc:負荷抵抗の抵抗値
にて表される電圧値を有するバイアス電圧VBPが生成される。すなわち図7に示すアンプ71C_Pは、入力される電圧V2Bを電源電圧VGH側へ拡張したバイアス電圧VBPを生成する。
尚、アンプ71C_Nとしては、図7と同様な構成により、入力される電圧V1Bを電源電圧VGL側へ拡張したバイアス電圧VBNを生成するようにしても良い。
図8は、図1に示す出力バッファ回路100の変更例としての出力バッファ回路100Bの構成を示す回路図である。
尚、図8に示す構成では、図1に示すバッファ部10Aに代えてバッファ部10Bを採用したものであり、その他の構成(20、30A~30C、90)については、図1~図7に示されるものと同一である。
バッファ部10Bは、高電圧素子で構成され、高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)で動作する以下の高電圧素子から構成される。
すなわち、バッファ部10Bは、Pチャネル型のトランジスタ11及びNチャネル型のトランジスタ12からなる出力段と、これらトランジスタ11及び12各々のゲート電圧を制御する出力制御部19Bと、を備える。
トランジスタ11のソースには電源電圧VGHが印加されており、トランジスタ12のソースには電源電圧VGLが印加されている。
トランジスタ11及び12各々のドレインは出力端子TOに接続されており、当該出力端子TOに生じた電圧(VGL、VGH)を有する2値(論理レベル0又は1)の信号が出力信号Soとして出力される。
トランジスタ11及び12各々のドレインは出力端子TOに接続されており、当該出力端子TOに生じた電圧(VGL、VGH)を有する2値(論理レベル0又は1)の信号が出力信号Soとして出力される。
出力制御部19Bは、図1に示す出力制御部19Aと構成が異なるが、高圧入力信号Si0とバイアス電圧VBN及びVBPに基づき、出力段のトランジスタ11及び12のそれぞれのゲート電圧を制御する作用は同様である。
図8に示すように、出力制御部19Bは、Nチャネル型のトランジスタ14B及び15Bと、Pチャネル型のトランジスタ13B及び16Bと、を含む。
トランジスタ13B及び14B各々のゲートには高圧入力信号Si0が供給されている。トランジスタ13Bのソースには電源電圧VGHが印加されており、そのドレインは、ノードn1を介してトランジスタ16Bのソース、トランジスタ15Bのドレイン、及びトランジスタ11のゲートに夫々接続されている。トランジスタ14Bのソースには電源電圧VGLが印加されており、そのドレインは、ノードn2を介してトランジスタ16Bのドレイン、トランジスタ15Bのソース、及びトランジスタ12のゲートに夫々接続されている。
トランジスタ15Bのゲートには、バイアス部30A(30B、30C)で生成されたバイアス電圧VBNが供給されており、トランジスタ16Bのゲートには、バイアス部30A(30B、30C)で生成されたバイアス電圧VBPが供給されている。
なお、トランジスタ13B及び14Bとしては、電流駆動能力がトランジスタ15B及び16Bよりも大きなものが用いられる。
以下に、バッファ部10Bの動作について説明する。以下では、高圧入力信号SiOが論理レベル0(VGL)の状態から、論理レベル1(VGH)の状態へ変化し、再び論理レベル0(VGL)の状態へ変化する場合の動作を説明する。
先ず、高圧入力信号SiOが論理レベル0(VGL)の状態にある間は、トランジスタ13Bがオン状態となり、電源電圧VGHをノードn1に供給する。これによりトランジスタ11がオフ状態となる。またトランジスタ14Bがオフ状態となり、ノードn2は電源電圧VGLから遮断される。これにより、ノードn1の電圧が電源電圧VGHとなってトランジスタ16Bのゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超えることで、当該トランジスタ16Bがオン状態となる。よって、トランジスタ16Bを介してノードn1の電圧(VGH)がノードn2に供給され、当該ノードn2の電圧が電源電圧VGHとなる。その結果、トランジスタ12のゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超えるので、トランジスタ12がオン状態となり、論理レベル0(VGL)の出力信号Soが出力端子TOから出力される。なお、トランジスタ15Bはノードn2の電圧が上昇することでゲート・ソース間電圧が閾値電圧未満となるためオフ状態となる。
その後、高圧入力信号SiOの電圧が上昇を開始し、トランジスタ14Bの閾値電圧を超えると、トランジスタ14Bがオン状態となり、電源電圧VGLをノードn2に供給する。また、高圧入力信号SiOの電圧が上昇するにつれ、トランジスタ14Bの電流駆動能力が増加する一方、トランジスタ13Bの電流駆動能力は低下して行き、トランジスタ13Bはオフ状態に遷移する。この際、トランジスタ14Bの電流駆動能力がトランジスタ16Bの電流駆動能力よりも高いことから、ノードn2の電圧は、電源電圧VGHの状態から比較的急峻に低下して電源電圧VGLに至る。これにより、トランジスタ12はオフ状態に遷移する。また、トランジスタ15Bのゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超えて、当該トランジスタ15Bがオン状態となる。その結果、トランジスタ15Bは、バイアス電圧VBNにより制御される電流値に応じた電流駆動能力でノードn2の電圧をノードn1に供給し、当該ノードn1の電圧を緩やかに低下させる。また、これにより、トランジスタ16Bのゲート・ソース間電圧が閾値電圧を下回り、トランジスタ16Bはオフ状態に遷移する。
そして、トランジスタ11のゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超えると、トランジスタ11がオン状態となり、電源電圧VGHが出力端子TOに供給される。その結果、出力信号Soの電圧は緩やかに上昇して論理レベル0(VGL)の状態から論理レベル1(VGH)の状態に遷移する。
その後、高圧入力信号SiOの電圧が低下を開始し、トランジスタ13Bの閾値電圧を超えると、トランジスタ13Bがオン状態となり、電源電圧VGHがノードn1に供給される。また、高圧入力信号SiOの電圧が低下するにつれ、トランジスタ13Bの電流駆動能力が増加する一方、トランジスタ14Bの電流駆動能力が低下して行きオフ状態に遷移する。この際、トランジスタ13Bの電流駆動能力がトランジスタ15Bの電流駆動能力よりも高いことから、ノードn1の電圧は電源電圧VGLの状態から比較的急峻に上昇し、電源電圧VGHに至る。これにより、トランジスタ11はオフ状態に遷移する。また、トランジスタ16Bのゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超えて、当該トランジスタ16Bがオン状態となる。その結果、トランジスタ16Bは、バイアス電圧VBPにより制御される電流値に応じた電流駆動能力でノードn1の電圧(VGH)をノードn2に供給し、当該ノードn2の電圧を緩やかに上昇させる。また、これにより、トランジスタ15Bのゲート・ソース間電圧が閾値電圧を下回り、トランジスタ15Bはオフ状態に遷移する。
そして、トランジスタ12のゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超えると、トランジスタ12がオン状態となり、電源電圧VGLが出力端子TOに供給される。その結果、出力信号Soの電圧は緩やかに低下して論理レベル1(VGH)の状態から論理レベル0(VGL)の状態に遷移する。
以上、詳述したように、バッファ部10Bでは、出力段のトランジスタ(11、12)をオン状態からオフ状態に遷移させる場合には電流駆動能力の高いトランジスタ(13B、14B)で当該出力段のトランジスタのゲート電圧を制御する。一方、出力段のトランジスタ(11、12)をオフ状態からオン状態に遷移させる場合には、バイアス電圧(VBN、VBP)により制御される電流値に応じた電流駆動能力のトランジスタ(15B、16B)を介して出力段のトランジスタのゲート電圧を緩やかに変動させる。
これにより、高圧入力信号SiOに応じて、出力段の一方のトランジスタ11(12)がオフ状態に遷移した後に、他方のトランジスタ12(11)がオン状態に遷移するので、両者の同時オンが回避され、貫通電流が抑制される。
ここで、図8に示す出力制御部19Bを構成する素子数(トランジスタ6個)は、図1に示す出力制御部19Aの素子数(トランジスタ8個)よりも少ないので、更なる省面積化を図ることが可能となる。また、出力制御部19Bは出力制御部19Aに比べて入力端子TIからみた入力容量も小さいので高速応答化を図ることが可能となる。更に、図8に示す出力制御部19Bの方が図1に示す出力制御部19Aよりも、高圧入力信号SiOの電圧変化時に生じる過渡的な貫通電流を確実に抑えることができる。
図9Aは、図1に示す出力バッファ回路100の更に他の変更例としての出力バッファ回路100Cの構成を示す回路図である。
出力バッファ回路100Cは、互いの位相が僅かにずれている2系統の低電圧の入力信号Si1L及びSi2Lを受けて1系統の高電圧の出力信号Soを出力する非反転バッファである。ここで、入力信号Si1Lは、電源電圧VSSの状態(論理レベル0)及び電源電圧VDDの状態(論理レベル1)を交互に繰り返す2値信号であり、入力信号Si2Lは、入力信号Si1Lに対して、電圧の立上りタイミングが僅かに早く且つ立下りタイミングが僅かに遅い2値信号である。
尚、図9Aに示す構成は、図1に示すバッファ部10Aをバッファ部10Cに変更すると共に、図1に示す1系統のレベルシフタ90を2系統のレベルシフタ91及び92に変更することで2系統の入力信号Si1L及びSi2Lの入力に対応した点を除く他の構成(20、30A~30C、90)は、図1~図7に示されるものと同一である。
また、図9Aに示すバッファ部10Cでは、図1に示すインバータ13及び14をインバータ13C及び14Cに変更した点を除く他の構成(11、12、15、16)は、図1に示されるものと同一である。
インバータ13Cは、ノードTi1を介して高圧入力信号Si1を受ける。高圧入力信号Si1が、論理レベル0(VGL)のとき、電源電圧VGHをノードn1に供給し、論理レベル1(VGH)のとき、トランジスタ15を介して電源電圧VGLをノードn1に供給する。すなわちインバータ13Cは、位相を反転させた信号の電圧をノードn1を介してトランジスタ11のゲートに供給する。インバータ13Cは、入力信号以外は図1のインバータ13と同一である。
インバータ14Cは、ノードTi2を介して高圧入力信号Si2を受ける。高圧入力信号Si2が、論理レベル0(VGL)のとき、トランジスタ16を介して電源電圧VGHをノードn2に供給し、論理レベル1(VGH)のとき、電源電圧VGLをノードn2に供給する。すなわちインバータ14Cは、位相を反転させた信号の電圧をノードn2を介してトランジスタ12のゲートに供給する。インバータ14Cは、入力信号以外は図1のインバータ14と同一である。
レベルシフタ91は、入力端子TI1を介して上記した入力信号Si1Lを受け、当該入力信号Si1Lを、その振幅を高電圧の範囲(VGL~VGH)までレベルシフトした高圧入力信号Si1に変換する。レベルシフタ91は、高圧入力信号Si1をノードTi1を介して、インバータ13Cに供給する。
レベルシフタ92は、入力端子TI2を介して上記した入力信号Si2Lを受け、当該入力信号Si2Lを、その振幅を高電圧の範囲(VGL~VGH)までレベルシフトした高圧入力信号Si2に変換する。レベルシフタ92は、高圧入力信号Si2をノードTi2を介して、インバータ14Cに供給する。
図9Bは、高圧入力信号Si1及びSi2を受けた場合にバッファ部10Cのノードn1及びn2に夫々生じる電圧V1及びV2、出力信号Soの波形を表すタイムチャートである。
先ず、高圧入力信号Si1及びSi2が論理レベル0(VGL)の状態にある間は、インバータ13C、14Cは夫々位相を反転させた論理レベル1(VGH)の信号をノードn1、n2に供給する。よって、ノードn1の電圧V1及びノードn2の電圧V2が共に電源電圧VGHとなってトランジスタ11がオフ状態、トランジスタ12がオン状態になることから、論理レベル0(VGL)の出力信号Soが出力端子TOから出力される。
その後、図9Bに示す時点tr0にて、高圧入力信号Si2の電圧が論理レベル0(VGL)の状態から論理レベル1(VGH)の状態に遷移する。これにより、インバータ14Cは電源電圧VGLをノードn2に供給し、ノードn2の電圧V2が電源電圧VGLに遷移し、トランジスタ12がオフ状態となる。
そして、当該時点tr0より遅れた時点tr1にて、高圧入力信号Si1の電圧が論理レベル0(VGL)の状態から論理レベル1(VGH)の状態に遷移する。これにより、インバータ13Cは、トランジスタ15を介して電源電圧VGLをノードn1に供給する。このとき、当該ノードn1の電圧V1は、トランジスタ15のゲートに印加されるバイアス電圧VBNで制御される電流値に応じた変化速度で電源電圧VGLに向けて緩やかに低下してゆく。この間、電圧V1に基づくトランジスタ11のゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超える時点tr2にて、トランジスタ11がオン状態となり、電源電圧VGHが出力端子TOに供給される。その結果、出力信号Soの電圧は緩やかに上昇して論理レベル0(VGL)の状態から論理レベル1(VGH)の状態に遷移する。
その後、図9Bに示す時点tf0で、先ず高圧入力信号Si1が論理レベル1(VGH)の状態から論理レベル0(VGL)に遷移する。これにより、インバータ13Cは電源電圧VGHをノードn1に供給し、ノードn1の電圧V1が電源電圧VGHに遷移し、トランジスタ11がオフ状態となる。そして、当該時点tf0より遅れた時点tf1にて、高圧入力信号Si2が論理レベル1(VGH)の状態から論理レベル0(VGL)に遷移する。これにより、インバータ14Cは、トランジスタ16を介して電源電圧VGHをノードn2に供給する。このとき、当該ノードn2の電圧V2は、トランジスタ16のゲートに印加されるバイアス電圧VBPで制御される電流値に応じた変化速度で電源電圧VGHに向けて緩やかに上昇してゆく。この間、電圧V2に基づくトランジスタ12のゲート・ソース間電圧が閾値電圧を超える時点tf2にて、トランジスタ12がオン状態となり、電源電圧VGLが出力端子TOに供給される。その結果、出力信号Soの電圧は緩やかに低下して論理レベル1(VGH)の状態から論理レベル0(VGL)の状態に遷移する。
このように、出力バッファ回路100Cでは、インバータ(13C、14C)を2つの入力信号(Si1L、Si2L、Si1、Si2)を用いて個別に制御している。この際、図9Bに示すように、両入力信号の位相を僅かにずらすことで、入力信号の電圧変化時に、出力段を構成するトランジスタ11、12が共にオフ状態となる期間を設けている。
よって、図9Aに示す出力バッファ回路100Cによれば、出力段のトランジスタ11及び12間で生じる貫通電流を完全に遮断することが可能となる。
なお、図8の出力バッファ回路100Bに対しても、図9Aと同様の構成を適用することで、図9Bに示すような出力段のトランジスタ11及び12間で生じる貫通電流を完全に遮断する作用を実現することができる。具体的には、図9Aの高圧入力信号Si1、Si2を図8の出力バッファ回路100Bのトランジスタ13B、14Bの夫々のゲートに供給するように変更することで容易に実現できる。
図10は、M(Mは2以上の整数)個の出力チャネルを有する多出力バッファ装置200の構成を示すブロック図である。
多出力バッファ装置200は、夫々が低電圧の振幅(VSS~VDD)で電圧が変化する2値(論理レベル0又は1)の入力信号Si0L_1~Si0L_Mを夫々入力端子Ti0_1~Ti0_Mで受け、夫々を高電圧の振幅(VGL~VGH)に拡張して増幅したものを出力信号So_1~So_Mとして出力端子T0_1~T0_Mから出力する。
尚、多出力バッファ装置200は、図1、図4又は図6に示すバイアス部30A、30B又は30C及び駆動設定部20と共に、図1(図8)に示すバッファ部10A(10B)及びレベルシフタ90をM(Mは2以上の整数)系統設けることで、出力バッファ回路を多チャネル化したものである。
すなわち、多出力バッファ装置200は、入力信号Si0L_1~Si0L_Mを、夫々が図1又は図8に示すレベルシフタと同一構成のレベルシフタ90_1~90_Mで受ける。
レベルシフタ90_1~90_Mは生成したM個の高圧入力信号Si0を、夫々が図1に示すバッファ部10A又は図8に示すバッファ部10Bからなるバッファ部10_1~10_Mに供給する。
バッファ部10_1~10_Mは、夫々から出力された出力信号So_1~So_Mを、出力端子T0_1~T0_Mを介して出力する。
バイアス部30A(30B、30C)は、駆動設定部20から供給された設定信号Csに基づくバイアス電圧VBNを、ノードn3を介してバッファ部10_1~10_M各々のトランジスタ15(15B)のゲートに供給する。更に、バイアス部30A(30B、30C)は、駆動設定部20から供給された設定信号Csに基づくバイアス電圧VBPをノードn4を介してバッファ部10_1~10_M各々のトランジスタ16(16B)のゲートに供給する。
尚、ノードn3及びn4には、バイアス電圧VBN及びVBPの変動を抑えて安定化させる為のバイパスコンデンサを接続しても良い。
このように、多出力バッファ装置200では、M個の出力チャネルに対して、夫々が図1又は図8に示すバッファ部10A又は図8に示すバッファ部10Bと同一構成を有するM系統のバッファ部10_1~10_M及びレベルシフタ90_1~90_Mが必要になる。
しかしながら、駆動設定部20及びバイアス部30A(30B、30C)は、M系統のバッファ部10_1~10_Mに対して共有化できるので、出力チャネル数に拘わらず1系統だけで済むので、装置全体の省面積化を図ることが可能となる。
図11は、M個の出力チャネルを有する多出力バッファ装置の他の構成としての多出力バッファ装置200Aの構成を示すブロック図である。
多出力バッファ装置200Aは、図9Aに示すバイアス部30A、30B又は30C及び駆動設定部20と共に、図9Aに示すバッファ部10C及びレベルシフタ91及び92をM(Mは2以上の整数)系統設けることで、出力バッファ回路を多チャネル化したものである。
すなわち、夫々がレベルシフタ91と同一構成を有するレベルシフタ91_1~91_Mは、入力信号Si1L_1~Si1L_Mを個別にレベルシフトして得られたM個の高圧入力信号Si1を、夫々が図9Aに示すバッファ部10Cと同一構成を有するバッファ部10A_1~10A_Mに供給する。また、夫々がレベルシフタ92と同一構成を有するレベルシフタ92_1~92_Mは、入力信号Si2L_1~Si2L_Mを個別にレベルシフトして得られたM個の高圧入力信号Si2をバッファ部10A_1~10A_Mに供給する。
バッファ部10A_1~10A_Mは、夫々から出力された出力信号So_1~So_Mを、出力端子T0_1~T0_Mを介して出力する。
バイアス部30A(30B、30C)は、駆動設定部20から供給された設定信号Csに基づくバイアス電圧VBNを、ノードn3を介してバッファ部10A_1~10A_M各々のトランジスタ15のゲートに供給する。更に、バイアス部30A(30B、30C)は、駆動設定部20から供給された設定信号Csに基づくバイアス電圧VBPを、ノードn4を介してバッファ部10A_1~10A_M各々のトランジスタ16のゲートに供給する。
尚、ノードn3及びn4には、バイアス電圧VBN及びVBPの変動を抑えて安定化させる為のバイパスコンデンサを接続しても良い。
このように、多出力バッファ装置200Aでは、M個の出力チャネルに対して、夫々が図9Aに示すバッファ部10Cと同一構成を有するM系統のバッファ部10A_1~10A_M、レベルシフタ91_1~91_M及びレベルシフタ92_1~92_Mが必要になる。しかしながら、駆動設定部20及びバイアス部30A(30B、30C)は、M系統のバッファ部10A_1~10A_Mに対して共有化できるので、出力チャネル数に拘わらず1系統だけで済むので、装置全体の省面積化を図ることが可能となる。
図12は、アクティブマトリクス型の表示装置300の概略構成を示すブロック図である。
図12に示すように、表示装置300は、表示コントローラ130、データドライバ120及び表示パネル150を含む。
表示パネル150は、夫々が画面の水平方向に沿って配置されているゲート線GL1~GLr(rは2以上の整数)、及び各ゲート線に交叉して配置されているデータ線DL1~DLk(kは2以上の整数)が形成されている。ゲート線GL1~GLrの各々とデータ線DL1~DLk各々との各交叉部には画素を担う表示セル154が形成されている。
更に、表示パネル150上には、表示パネル150と一体で形成されている走査ドライバ110_1及び110_2が配置されている。尚、走査ドライバ110_1及び110_2は、ガラスやプラスチック等の絶縁基板上に画素や配線と一体形成される薄膜トランジスタ回路にて構築されている。
データドライバ120は、表示コントローラ130から送出された映像データ信号VDSを受け、当該映像データ信号VDSに基づき夫々が輝度レベルに対応した電圧値を有する駆動信号G1~Gkを生成して、データ線DL1~DLkに供給する。更に、データドライバ120は、映像データ信号VDSに含まれる各水平同期信号に同期したr個のゲートタイミング信号GSa、及びr個のゲートタイミング信号GSbを夫々走査ドライバ110_1及び110_2に供給する。ゲートタイミング信号GSa及びGSbの各々は、例えば振幅30~40ボルトの高電圧のパルス信号である。
尚、データドライバ120は通常シリコンICで形成され、COG(chip on glass)やCOF(chip on film)等で表示パネル150に実装される。ここで、データドライバ120が複数個のICチップで構成される場合、夫々の駆動を担うデータ線に対応した映像データ信号VDS及び各種制御信号が表示コントローラ130から各ICチップに供給される。この際、表示装置300の画面サイズが比較的小型である場合、表示コントローラ130はデータドライバ120に内蔵されていても良い。その場合、映像データ信号VDSはシステム側からデータドライバ120へ供給される。
走査ドライバ110_1は、ゲート線GL1~GLr各々の一端に接続されており、走査ドライバ110_2は、ゲート線GL1~GLr各々の他端に接続されている。走査ドライバ110_1は、データドライバ120から供給されたゲートタイミング信号GSa各々のタイミングでゲート選択信号を順次生成し、夫々をゲート線GLr~GL1各々の一端に供給する。走査ドライバ110_2は、データドライバ120から供給されたゲートタイミング信号GSb各々のタイミングでゲート選択信号を順次生成し、夫々をゲート線GLr~GL1各々の他端に供給する。
ところで、データドライバ120には、上記したr個のゲートタイミング信号GSaを出力するゲート制御信号出力回路122_1と、r個のゲートタイミング信号GSbを出力するゲート制御信号出力回路及び122_2と、が含まれている。
この際、ゲート制御信号出力回路122_1(122_2)には、図10又は図11に示す多出力バッファ装置200又は200Aが含まれており、当該多出力バッファ装置200又は200Aから、r個のゲートタイミング信号GSa(GSb)が出力される。
なお、図12では、表示パネル150のk個のデータ線DL1~DLkをk個の出力端子を有するデータドライバ120で駆動する構成を示しているが、データドライバの1出力の駆動信号を複数のデータ線に時分割で切り替える切替スイッチを含むマルチプレクサ回路を備えてもよい(不図示)。この場合、データ線の出力数は、k個のデータ線を時分割数で割った個数となる。また、表示パネル上のマルチプレクサ回路の切り替えスイッチを順次選択するためのマルチプレクサ選択信号をパネルへ供給するマルチプレクサ選択信号出力回路をデータドライバに備える。このマルチプレクサ選択信号出力回路は、ゲート制御信号出力回路と同様の高電圧パルス信号であり、ゲート制御信号出力回路122_1(122_2)と同様の回路をマルチプレクサ選択信号出力回路としてデータドライバに備えてもよい。
よって、駆動設定部20の設定信号Csにより、バイアス電圧VBN及びVBPを調整して、出力バッファ回路から出力される出力信号Soの電圧変化速度を最適化することで、貫通電流に伴うEMIや消費電力増加を抑制し、負荷駆動に伴う充放電電流により発生するEMIも低減し、低消費電力にて必要な電流駆動能力(歪みの少ない出力波形)を有するゲートタイミング信号GSa(GSb)を省面積な構成で得ることが可能となる。
図13は、パッシブマトリクス型の表示装置300Aの概略構成を示すブロック図である。
図13に示すように、表示装置300Aは、表示コントローラ130、走査ドライバ110_1、データドライバ120A及び表示パネル150を含む。
表示パネル150は、夫々が画面の水平方向に沿って配置されている走査線GL1~GLr(rは2以上の整数)、及び各走査線に交叉して配置されているデータ線DL1~DLk(kは2以上の整数)が形成されている。走査線GL1~GLrの各々とデータ線DL1~DLk各々との各交叉部には画素を担う表示セル154が形成されている。
表示コントローラ130は、水平及び垂直同期信号、各種の制御信号、及び各画素の輝度レベルを表す画素データ片の系列を含む映像データ信号VDSをデータドライバ120Aに供給する。更に、表示コントローラ130は、映像データ信号VDSに含まれる各水平同期信号に同期したr個のゲートタイミング信号GSを、走査ドライバ110_1に供給する。
データドライバ120Aは、映像データ信号VDSに基づき、夫々が輝度レベルに対応したパルス幅を有する駆動パルス信号G1~Gkを生成して、データ線DL1~DLkに供給する。
走査ドライバ110_1は、ゲート線GL1~GLr各々の一端に接続されており、上記した走査タイミング信号GSa各々のタイミングでr個の走査選択パルス信号を順次生成し、夫々を走査線GLr~GL1各々の一端に供給する。
ところで、データドライバ120には、上記した駆動パルス信号G1~Gkを出力する出力バッファ部125が含まれており、走査ドライバ110_1には上記したr個のゲート選択パルス信号を出力する出力バッファ部115が含まれている。
この際、出力バッファ部115は、図10又は図11に示す多出力バッファ装置200又は200Aからなり、当該多出力バッファ装置200又は200Aからr個の走査選択パルス信号が出力される。また、出力バッファ部125も、図10又は図11に示す多出力バッファ装置200又は200Aからなり、当該多出力バッファ装置200又は200Aから駆動パルス信号G1~Gkが出力される。
これにより、バイアス電圧VBN及びVBPを調整して、出力バッファ回路から出力される出力信号Soの電圧変化速度を最適化することで、貫通電流に伴うEMIや消費電力増加を抑制し、負荷駆動に伴う充放電電流により発生するEMIも低減し、低消費電力にて必要な電流駆動能力(歪みの少ない出力波形)を有するr個の走査選択パルス信号、並びに駆動パルス信号G1~Gkを省面積な構成で出力することが可能となる。
図14は、互いに異なる電流駆動能力が要求される2つの負荷X及びYを夫々駆動する一対のバッファ部10Ax及び10Ayを有する多出力バッファ装置200Bの構成を示すブロック図である。
図14に示すように、多出力バッファ装置200Bは、出力端子TOxに接続されている負荷Xを駆動するバッファ部10Ax、出力端子TOyに接続されている負荷Yを駆動するバッファ部10Ay、バイアス部30A、駆動設定部20A、レベルシフタ90x_1、90y_1、97y_1及び97y_2を含む。
尚、図14において、バイアス部30Aは例えば図1に示すバイアス部30Aと同一であり、バッファ部10Axは例えば図1に示すバッファ部10Aと同一の内部構成を有するものであるので、両者の詳細な説明については省略する。
レベルシフタ90x_1は、負荷Xを駆動するための入力信号として低電圧の振幅(VSS~VDD)で電圧が変化する2値(論理レベル0又は1)の入力信号Si0Lx1を受ける。レベルシフタ90x_1は、入力信号Si0Lx1の振幅を高電圧の振幅(VGL~VGH)にレベルシフトした高電圧入力信号をバッファ部10Axに供給する。
バッファ部10Axは、当該高電圧入力信号に応じて、例えば図9Bに示す出力信号Soのような波形を有する出力信号を、出力端子TOxを介して負荷Xに供給する。
駆動設定部20Aは、例えば図1に示す駆動設定部20と同様に設定信号Csを生成し、これをバイアス部30Aに供給する。更に、駆動設定部20Aは、バッファ部10Ayの駆動能力を設定する、夫々が例えば2ビットからなる駆動能力制御信号Pctl1及びPctl2を夫々レベルシフタ97y_1及び97y_2に供給する。
レベルシフタ97y_1は、当該駆動能力制御信号Pctl1の振幅を高電圧の振幅(VGL~VGH)にレベルシフトした2ビットの駆動能力制御信号Pc1を生成し、これをバッファ部10Ayに供給する。
レベルシフタ97y_2は、駆動能力制御信号Pctl2の振幅を高電圧の振幅(VGL~VGH)にレベルシフトした2ビットの駆動能力制御信号Pc2を生成し、これをバッファ部10Ayに供給する。
レベルシフタ90y_1は、負荷Yを駆動するための入力信号として低電圧の振幅(VSS~VDD)で電圧が変化する2値(論理レベル0又は1)の入力信号Si0Ly1を受ける。レベルシフタ90x_1は、入力信号Si0Ly1の振幅を高電圧の振幅(VGL~VGH)にレベルシフトした高電圧入力信号をバッファ部10Axに供給する。
バッファ部10Ayは、当該高電圧入力信号に応じて、例えば図9Bに示す出力信号Soのような波形を有する出力信号を、出力端子TOyを介して負荷Yに供給する。
尚、バッファ部10Ayは、高電圧素子で構成され、高圧電源電圧範囲(VGL~VGH)で動作する以下の高電圧素子から構成される。
すなわち、バッファ部10Ayは、Pチャネル型のトランジスタ11y及びNチャネル型のトランジスタ12yからなる出力段と、これらトランジスタ11y及び12y各々のゲート電圧を制御する出力制御部19Ayと、を備える。なお、出力制御部19Ayは、インバータ13Ay及び14Ay、放電速度制御部19Ay1及び充電速度制御部19Ay2を含む。
インバータ13Ayは、Nチャネル型のトランジスタ13yn及びPチャネル型のトランジスタ13ypで構成され、インバータ14Ayは、Nチャネル型のトランジスタ14yn及びPチャネル型のトランジスタ14ypで構成される。インバータ13Ay及び14Ayは共に、レベルシフタ90y_1によって高圧電源電圧の振幅VGL~VGHにレベルシフトされた高圧の入力信号を夫々のゲートで受ける。インバータ13Ayのトランジスタ13ypのソースは正側電源端子に接続されて電源電圧VGHを受け、トランジスタ13ynのソースは充電速度制御部19Ay2に接続されている。インバータ14Ayのトランジスタ14ynのソースは負側電源端子に接続されて電源電圧VGLを受け、トランジスタ14ypのソースは放電速度制御部19Ay1に接続されている。
放電速度制御部19Ay1は、駆動能力制御信号Pc1に応じて、出力端子TOyに接続されている負荷Yに対する放電速度を制御する。放電速度制御部19Ay1は、スイッチ素子84、85及びPチャネル型のトランジスタ81~83を含む。
トランジスタ81~83各々のソースには電源電圧VGHが印加されており、それぞれのゲートにはバイアス電圧VBPが印加されている。トランジスタ81のドレインがインバータ14のトランジスタ14pのソースに接続されており、トランジスタ82及び83のドレインは、それぞれスイッチ素子84及び85を介してこのトランジスタ14pのソースに接続されている。
なお、トランジスタ81~83各々のサイズ(W/L)比は、例えばトランジスタ81及び82の大きさを1とした場合、
1:1:2
である。
1:1:2
である。
スイッチ素子84は、駆動能力制御信号Pc1の第1ビットに応じてオン状態またはオフ状態に設定され、オン状態時にはトランジスタ82のドレインをインバータ14Ayのトランジスタ14ypのソースに接続する。
スイッチ素子85は、駆動能力制御信号Pc1の第2ビットに応じてオン状態またはオフ状態に設定され、オン状態時にはトランジスタ83のドレインをインバータ14Ayのトランジスタ14ypのソースに接続する。
図15Aは、駆動能力制御信号Pc1に応じたスイッチ素子84及び85の状態と、放電速度制御部19Ay1が流す電流の大きさ(比率)を表す図である。
放電速度制御部19Ay1は、図15Aに示すような駆動能力制御信号Pc1に基づくスイッチ素子84及び85のオン及びオフ状態の組み合わせによって、トランジスタ12yがオン状態遷移時にノードn2yへ供給する電流の大きさを4段階(設定1~4)で切替可能にしている。この際、当該電流が大きいほど、負荷Yに対する放電速度が速くなる。一方、当該電流が小さいほど、負荷Yに対する放電速度が遅くなる。
上記した構成により、放電速度制御部19Ay1は、バイアス電圧VBPを受けてノードn2yへ供給する電流値を、駆動能力制御信号Pc1により切り替えることができる。これにより、バッファ部10Ayは、トランジスタ12yを介して行われる負荷Yの放電時の速度を調整し、EMI低減と負荷Yへの出力波形とを最適化することができる。
充電速度制御部19Ay2は、駆動能力制御信号Pc2に応じて、出力端子TOyに接続されている負荷Yに対する充電速度を制御する。充電速度制御部19Ay2は、スイッチ素子95、96及びPチャネル型のトランジスタ91~93を含む。
トランジスタ91~93各々のソースには電源電圧VGLが印加されており、それぞれのゲートにはバイアス電圧VBNが印加されている。トランジスタ91のドレインがインバータ13Ayのトランジスタ13ynのソースに接続されており、トランジスタ92及び93のドレインは、それぞれスイッチ素子95及び96を介してこのトランジスタ13ynのソースに接続されている。
なお、トランジスタ91~93各々のサイズ(W/L)比は、例えばトランジスタ91及び92の大きさを1とした場合、
1:1:2
である。
1:1:2
である。
スイッチ素子95は、駆動能力制御信号Pc2の第1ビットに応じてオン状態またはオフ状態に設定され、オン状態時にはトランジスタ92のドレインをインバータ13Ayのトランジスタ13ynのソースに接続する。
スイッチ素子96は、駆動能力制御信号Pc2の第2ビットに応じてオン状態またはオフ状態に設定され、オン状態時にはトランジスタ93のドレインをインバータ13Ayのトランジスタ13ynのソースに接続する。
図15Bは、駆動能力制御信号Pc2に応じたスイッチ素子95及び96の状態と、この状態に伴い充電速度制御部19Ay2が流す電流の大きさ(比率)を表す図である。
充電速度制御部19Ay2は、図15Bに示すような駆動能力制御信号Pc2に基づくスイッチ素子95及び96のオン及びオフ状態の組み合わせによって、トランジスタ11yがオン状態遷移時にノードn1yから引き抜く電流の大きさを4段階(設定1~4)に切替可能にしている。この際、当該電流が大きいほど、負荷Yに対する充電速度が速くなる。一方、当該電流が小さいほど、負荷Yに対する充電速度が遅くなる。
上記した構成により、充電速度制御部19Ay2は、バイアス電圧VBNを受けてノードn1yから引き抜く電流値を、駆動能力制御信号Pc2により切り替えることができる。これにより、バッファ部10Ayは、トランジスタ11yを介して行われる負荷Yの充電時の速度を調整し、EMI低減と負荷Yへの出力波形とを最適化することができる。
よって、放電速度制御部19Ay1及び充電速度制御部19Ay2を備えたバッファ部10Ayでは、駆動能力制御信号(Pctl1、Pctl2)によって自身の電流駆動能力を調整することで、バイアス部30Aを共有しつつも、負荷Xとは異なる電流駆動能力が要求される負荷Yに対しても適切な駆動を行うことが可能となる。
なお、図14に示す一例では、一対のバッファ部10Ax及び10Ayを1系統のバイアス部30Aで共有しているが、複数のバッファ部10Ax及び複数のバッファ部10Ayを1系統のバイアス部30Aで共有しても良い。
図16は、かかる点に鑑みて為された多出力バッファ装置の更に他の一例としての多出力バッファ装置200Cの構成を示すブロック図である。
図16に示すように、多出力バッファ装置200Bは、夫々が図14に示すバッファ部10Axと同一構成からなるバッファ部10x_1~10x_M(Mは2以上の整数)と、図14に示すバッファ部10Ayと同一構成からなるバッファ部10y_1~10y_F(Fは2以上の整数)と、を含む。
更に、多出力バッファ装置200Bは、入力信号Si0Lx_1~Si0Lx_Mを個別に受ける入力端子Ti0x_1~Ti0x_Mと、入力信号Si0Ly_1~Si0Ly_Fを個別に受ける入力端子Ti0y_1~Ti0y_Fと、レベルシフタ90x_1~90x_Mと、レベルシフタ90y_1~90y_Fと、を有する。
レベルシフタ90x_1~90x_Mは、入力信号Si0Lx_1~Si0Lx_Mに対して個別に夫々の振幅を高電圧の振幅(VGL~VGH)にレベルシフトした高電圧の入力信号を生成し、夫々をバッファ部10x_1~10x_Mに供給する。レベルシフタ90y_1~90y_Fは、入力信号Si0Ly_1~Si0Ly_Fに対して個別に夫々の振幅を高電圧の振幅(VGL~VGH)にレベルシフトした高電圧の入力信号を生成し、夫々をバッファ部10y_1~10y_Fに供給する。
尚、図16に示す駆動設定部20A、レベルシフタ97y_1及び97y_2、及びバイアス部30A(30B、30C)については、前述したものと同一であるので、その動作説明については省略する。
ただし、多出力バッファ装置200Bでは、バイアス部30A(30B、30C)が生成したバイアス電圧VBP及びVBNを全てのバッファ部10x_1~10x_M、バッファ部10y_1~10y_Fに供給する。また、レベルシフタ97y_1は、生成した駆動能力制御信号Pc1をバッファ部10y_1~10y_Fに供給し、レベルシフタ97y_2は、生成した駆動能力制御信号Pc2をバッファ部10y_1~10y_Fに供給する。
図17は、図14に示す多出力バッファ装置200Bを含む時分割駆動型の表示装置600の概略構成を示すブロック図である。
表示装置600は、データドライバ120Bと、画面の水平方向に沿って配置されているゲート線GL1~GLr(rは2以上の整数)及び各ゲート線に交叉して配置されているデータ線DL1~DLm(mは2以上の整数)を有する表示パネル150Aと、を含む。尚、表示装置600は、データ線DL1~DLmを例えば3本毎にグループ化し、そのグループの各々内で1水平走査期間内で3つのデータ線を1つずつ時分割にて駆動する時分割駆動方式を採用している。また、表示パネル150Aには、ゲート線GL1~GLrの各々とデータ線DL1~DLm各々との交叉部に、各画素を担う表示セル154が形成されている。
更に、表示パネル150A上には、走査ドライバ110_1及び110_2と、マルチプレクサMX1~MXk(kは2以上の整数)と、が配置されている。
走査ドライバ110_1は、ゲート線GL1~GLr各々の一端に接続されており、走査ドライバ110_2は、ゲート線GL1~GLr各々の他端に接続されている。走査ドライバ110_1は、データドライバ120Bから供給されたゲート線タイミング信号群GSにて示されるタイミングでゲート選択信号を生成し、ゲート線GL1~GLr各々の一端に順に供給する。走査ドライバ110_2は、データドライバ120Bから供給されたゲート線タイミング信号群GSにて示されるタイミングでゲート選択信号を生成し、ゲート線GL1~GLr各々の他端に順に供給する。
マルチプレクサMX1~MXkの各々は、データドライバ120Bから各画素に対応した階調電圧信号Ds1~Dskを個別に受ける1つの入力端と、データ線DL1~DLmのうちの同一グループの3つのデータ線に接続されている3つの出力端と、この入力端と3つの出力端各々との間を個別に接続又は遮断するスイッチSW1~SW3を含む。スイッチSW1~SW3は、データドライバ120Bから供給されたデータ線選択信号Sa、Sb、Scによって、順次択一的にオン状態に設定される。
データドライバ120Bは、半導体ICチップからなり、駆動設定部20A、電源電圧生成部90、階調電圧出力部125、制御バッファ部BU1及びBU2を含む。データドライバ120Bは、例えば単一又は複数の半導体チップからなり、その外部から、映像データ信号VDS及び各種制御信号を受ける。
図18は、表示装置600のデータドライバ120B内の駆動設定部20A、制御バッファ部BU1及びBU2の配置位置の一例を表す図である。
図18に示すように、データドライバ120Bは、表示パネル150Aのゲート線の伸張方向に沿った長辺を有する矩形状の平面領域を有し、その中央部に駆動設定部20Aが配置されており、当該駆動設定部20Aを挟む長手方向の一端及び他端には夫々制御バッファ部BU1及びBU2が配置されている。
駆動設定部20Aは、映像データ信号VDSに基づき各画素の輝度レベルを表す映像データ片の系列を取得して階調電圧出力部125(図18では記載省略)に供給する。
また、駆動設定部20Aは、マルチプレクサMX1~MXk各々のスイッチSW1~SW3を順に択一的にオン状態に設定する第1~第3のデータ線切替信号、及びゲート線を選択するタイミングを示すゲート線タイミング信号の基となる制御信号群を、制御バッファ部BU1及びBU2に供給する。
更に、駆動設定部20Aは、駆動能力制御部、基準電流生成部及び活性・不活性制御部を含む。
駆動能力制御部は、夫々が、上記した設定信号Csと共に駆動能力制御信号Pctl1及びPctl2を含む設定信号Cs_L及びCs_Rを生成し、この設定信号Cs_Lを制御バッファ部BU1に供給し且つ設定信号Cs_Rを制御バッファ部BU2に供給する。
基準電流生成部は、2系統の基準電流Is_L及びIs_Rを生成し、基準電流Is_Lを制御バッファ部BU1に供給すると共に基準電流Is_Rを制御バッファ部BU2に供給する。
活性・不活性制御部は、制御バッファ部BU1、BU2を個別に活性化又は不活性化のいずれの状態に設定するのかを示す活性・非活性制御信号En_L及びEn_Rを生成し、活性・非活性制御信号En_Lを制御バッファ部BU1に供給すると共に、活性・非活性制御信号En_Rを制御バッファ部BU2に供給する。図17に示すように、表示パネル150Aを1つのデータドライバ120Bで駆動する場合、活性・不活性制御部は、制御バッファ部BU1、BU2を共に活性とする活性・非活性制御信号En_L及びEn_Rを出力する。一方、表示パネル150Aを複数個のデータドライバ120Bを用いて駆動する場合、表示パネル150Aの走査ドライバ110_1に最も近いデータドライバの活性・不活性制御部は、制御バッファ部BU1、BU2をそれぞれ活性、非活性とする活性・非活性制御信号En_L及びEn_Rを出力する。また、表示パネル150Aの走査ドライバ110_2に最も近いデータドライバの活性・不活性制御部は、制御バッファ部BU1、BU2をそれぞれ非活性、活性とする活性・非活性制御信号En_L及びEn_Rを出力する。更に、表示パネル150Aを駆動するデータドライバが3個以上の場合、両端以外のデータドライバの両端活性・不活性制御部は、制御バッファ部BU1、BU2を共に非活性とする活性・非活性制御信号En_L及びEn_Rを出力する。
電源電圧生成部90は、外部電源電圧を受け、当該外部電源電圧に基づき各モジュールを動作させる各種の電源電圧を生成し、駆動設定部20A、階調電圧出力部125、制御バッファ部BU1及びBU2に供給する。
階調電圧出力部125は、駆動設定部20Aから供給された映像データの系列によって表される各画素の輝度レベルに対応した電圧値を有する階調電圧信号Ds1~Dskを生成し、夫々をマルチプレクサMX1~MXk各々の入力端に供給する。
制御バッファ部BU1及びBU2の各々は、図14に示すバイアス部30Aと、夫々が図14に示すバッファ部10Axの複数からなる多出力バッファ10Nxと、夫々が図14に示すバッファ部10Ayの複数からなる多出力バッファ10Nyと、を含む。
制御バッファ部BU1及びBU2各々のバイアス部30Aは、電流駆動能力を設定するための共通のバイアス電圧VBP及びVBNを多出力バッファ10Nx及び10Nyに供給する。
制御バッファ部BU1及びBU2各々の多出力バッファ10Nxは、バイアス電圧VBP及びVBNに基づく電流駆動能力に設定される。この際、制御バッファ部BU1の多出力バッファ10Nxは、ゲート線を選択するタイミングを示すゲート線タイミング信号群GSを生成し、負荷としての走査ドライバ110_1に供給する。また、制御バッファ部BU2の多出力バッファ10Nxは、ゲート線を選択するタイミングを示すゲート線タイミング信号群GSを生成し、負荷としての走査ドライバ110_2に供給する。
制御バッファ部BU1及びBU2各々の多出力バッファ10Nyは、バイアス電圧VBP及びVBN、及び駆動能力制御信号(Pctl1、Pctl2)に基づく電流駆動能力に設定される。制御バッファ部BU1の多出力バッファ10Nyは、マルチプレクサMX1~MXkの各々に対して、夫々に接続されている3つのデータ線を順に択一的に選択させるデータ線選択信号Sa、Sb、Scを生成する。
尚、制御バッファ部BU1の多出力バッファ10Nyは、図17に示すように、表示パネル150Aの水平走査方向に夫々伸張して配置されている3つの配線各々の左端部側から、データ線選択信号Sa、Sb、Scを、負荷としてのマルチプレクサMX1~MXkに供給する。制御バッファ部BU2の多出力バッファ10Nyは、図17に示すように、表示パネル150Aの水平走査方向に夫々伸張して配置されている3つの配線各々の右端部側から、データ線選択信号Sa、Sb、Scを、負荷としてのマルチプレクサMX1~MXkに供給する。
このように、図17に示すような時分割駆動型の表示装置では、図14に示す多出力バッファ装置200Bを適用することで、互いに異なる電流駆動能力が要求される2系統の負荷(走査ドライバ、マルチプレクサ)の駆動を行うことが可能となる。
10A、10B、10C バッファ部
11、12、15、16 トランジスタ
13、14 インバータ
20 駆動設定部
30A、30B、30C バイアス部
90~92 レベルシフタ
11、12、15、16 トランジスタ
13、14 インバータ
20 駆動設定部
30A、30B、30C バイアス部
90~92 レベルシフタ
Claims (19)
- 入力信号を増幅した出力信号を出力端子から出力する出力バッファ回路であって、
自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第1の高圧電源電圧を前記出力端子に供給する第1導電型の第1のトランジスタと、
自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に前記第1の高圧電源電圧より低い第2の高圧電源電圧を前記出力端子に供給する第2導電型の第2のトランジスタと、
バイアス電圧を生成するバイアス部と、
前記入力信号の電圧変化時に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオン状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記入力信号の電圧変化に応じた変化速度で変化させることで前記オン状態にあるトランジスタをオフ状態に遷移させると共に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオフ状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記バイアス電圧により制御される電流値に基づく変化速度で変化させることで前記オフ状態にあるトランジスタをオン状態に至らせる出力制御部と、
前記バイアス電圧の電圧値を指定しその電圧値に設定するための設定信号を生成する駆動設定部と、を含み、
前記バイアス部は、
前記第1の高圧電源電圧以下の電圧値を有する第1の低圧電源電圧、及び前記第2の高圧電源電圧以上の電圧値を有する第2の低圧電源電圧を受けて動作し、前記バイアス電圧の電圧値を前記設定信号に基づく電圧値に設定するバイアス変調部を含むことを特徴とする出力バッファ回路。 - 前記バイアス部は、前記第1の高圧電源電圧及び前記第2の高圧電源電圧の影響を排除して前記バイアス変調部の出力に掛かる電圧が前記第2の低圧電源電圧から前記第1の低圧電源電圧までの低圧電源電圧範囲に収まるように制御する耐圧保護部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の出力バッファ回路。
- 前記バイアス変調部は、前記設定信号に対応した電流値を有する電流を生成する電流源を含み、
前記バイアス部は、前記電流を電圧に変換し、変換した電圧を前記バイアス電圧として出力する電流電圧変換部を含むことを特徴とする請求項1に記載の出力バッファ回路。 - 前記バイアス変調部は、前記設定信号に基づき前記低圧電源電圧範囲内の電圧値を有する電圧を生成しこれを前記バイアス電圧として出力することを特徴とする請求項1に記載の出力バッファ回路。
- 前記バイアス変調部は、
複数の参照電圧を生成する参照電圧生成部と、
前記複数の参照電圧のうちから前記設定信号に基づく参照電圧を選択し、この選択した参照電圧を前記バイアス電圧として出力するDA変換部と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の出力バッファ回路。 - 前記バイアス変調部は、前記設定信号に基づき前記低圧電源電圧範囲内の電圧値を有する電圧を生成し、
前記バイアス部は、
前記バイアス変調部で生成された前記電圧を、前記第2の高圧電源電圧から前記第1の高圧電源電圧までの高圧電源電圧範囲内の電圧に増幅した増幅電圧を前記バイアス電圧として出力するアンプを含むことを特徴とする請求項1に記載の出力バッファ回路。 - 前記第1の低圧電源電圧が前記第1の高圧電源電圧より小さく且つ前記第2の低圧電源電圧が前記第2の高圧電源電圧以上である、又は、前記第1の低圧電源電圧が前記第1の高圧電源電圧以下であり且つ前記第2の低圧電源電圧が前記第2の高圧電源電圧より大きいことを特徴とする請求項1に記載の出力バッファ回路。
- 前記バイアス部は、前記バイアス電圧として一対の第1のバイアス電圧及び第2のバイアス電圧を生成し、
前記出力制御部は、
前記第1のトランジスタのゲートに第1の電圧を供給する第1のノードと、
前記第2のトランジスタのゲートに第2の電圧を供給する第2のノードと、
前記入力信号をゲートで受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第1の電源電圧を前記第1のノードに供給し、前記第1のトランジスタをオフ状態に遷移させる第1導電型の第3のトランジスタと、
前記入力信号をゲートで受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に第2の電源電圧を前記第2のノードに供給し、前記第2のトランジスタをオフ状態に遷移させる第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第1のバイアス電圧をゲートで受け、前記入力信号の電圧変化に応じて活性化された場合に、前記第1のバイアス電圧により制御される電流値に基づく変化速度で前記第1のノードの前記第1の電圧を前記第2の電源電圧側へ変化させて前記第1のトランジスタをオン状態に遷移させる、第2導電型の第5のトランジスタと、
前記第2のバイアス電圧をゲートで受け、前記入力信号の電圧変化に応じて活性化された場合に、前記第2のバイアス電圧により制御される電流値に基づく変化速度で前記第2のノードの前記第2の電圧を前記第1の電源電圧側へ変化させて前記第2のトランジスタをオン状態に遷移させる、第1導電型の第6のトランジスタと、を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1に記載の出力バッファ回路。 - 前記バイアス部は、前記バイアス電圧として一対の第1のバイアス電圧及び第2のバイアス電圧を生成し、
前記出力制御部は、
自身の正側電源端子で前記第1の高圧電源電圧を受け、前記入力信号の位相を反転させた信号の電圧を前記第1のトランジスタのゲートに供給する第1のインバータと、
前記第1のインバータの負側電源端子にドレインが接続されており、前記第2の高圧電源電圧をソースで受けると共に前記第1のバイアス電圧をゲートで受ける第2導電型の第3のトランジスタと、
自身の負側電源端子で前記第2の高圧電源電圧を受け、前記入力信号の位相を反転させた信号の電圧を前記第2のトランジスタのゲートに供給する第2のインバータと、
前記第2のインバータの正側電源端子にドレインが接続されており、前記第1の高圧電源電圧をソースで受けると共に前記第2のバイアス電圧をゲートで受ける第1導電型の第4のトランジスタと、を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1に記載の出力バッファ回路。 - 前記バイアス部は、前記バイアス電圧として一対の第1のバイアス電圧及び第2のバイアス電圧を生成し、
前記出力制御部は、
前記入力信号をゲートで受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に前記第1の高圧電源電圧を、前記第1のトランジスタのゲートに接続されている第1のノードに供給する第1導電型の第3のトランジスタと、
前記入力信号をゲートで受け、前記入力信号に応じてオン状態となった場合に前記第2の高圧電源電圧を、前記第2のトランジスタのゲートに接続されている第2のノードに供給する第2導電型の第4のトランジスタと、
前記第1のバイアス電圧をゲートで受け、ソースが前記第2のノードに接続されておりドレインが前記第1のノードに接続されている第2導電型の第5のトランジスタと、
前記第2のバイアス電圧をゲートで受け、ソースが前記第1のノードに接続されておりドレインが前記第2のノードに接続されている第1導電型の第6のトランジスタと、を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1に記載の出力バッファ回路。 - 前記バイアス部は、前記バイアス電圧として一対の第1のバイアス電圧及び第2のバイアス電圧を生成し、
前記入力信号は、第1の入力信号、及び前記第1の入力信号に対して電圧の立上りタイミングが早く且つ立下りタイミングが遅い第2の入力信号であり、
前記出力制御部は、
自身の正側電源端子で前記第1の高圧電源電圧を受け、前記第1の入力信号の位相を反転させた信号の電圧を前記第1のトランジスタのゲートに供給する第1のインバータと、
前記第1のインバータの負側電源端子にドレインが接続されており、前記第2の高圧電源電圧をソースで受けると共に前記第1のバイアス電圧をゲートで受ける第2導電型の第3のトランジスタと、
自身の負側電源端子で前記第2の高圧電源電圧を受け、前記第2の入力信号の位相を反転させた信号の電圧を前記第2のトランジスタのゲートに供給する第2のインバータと、
前記第2のインバータの正側電源端子にドレインが接続されており、前記第1の高圧電源電圧をソースで受けると共に前記第2のバイアス電圧をゲートで受ける第1導電型の第4のトランジスタと、を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか1に記載の出力バッファ回路。 - 第1~第M(Mは2以上の整数)の入力信号を増幅した第1~第Mの出力信号を出力する出力バッファ回路であって、
バイアス電圧を生成するバイアス部と、
前記バイアス電圧の電圧値を指定しその電圧値に設定するための設定信号を生成する駆動設定部と、
前記第1~第Mの入力信号を個別に受け、夫々の出力端子を介して前記第1~第Mの出力信号を出力する第1~第Mのバッファ部と、を含み、
前記第1~第Mのバッファ部の各々は、
自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に第1の高圧電源電圧を自身の前記出力端子に供給する第1導電型の第1のトランジスタと、
自身のゲートで受けた前記入力信号の電圧に応じてオン状態となった場合に前記第1の高圧電源電圧より低い第2の高圧電源電圧を自身の前記出力端子に供給する第2導電型の第2のトランジスタと、
前記入力信号の電圧変化時に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオン状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記入力信号の電圧変化に応じた変化速度で変化させることで前記オン状態にあるトランジスタをオフ状態に遷移させると共に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタのうちでオフ状態にあるトランジスタのゲートの電圧を前記バイアス電圧により制御される電流値に基づく変化速度で変化させることで前記オフ状態にあるトランジスタをオン状態に至らせる出力制御部と、を含み、
前記バイアス部は、
前記第1~第Mのバッファ部の各々に対して共有されて設けられ、
前記第1の高圧電源電圧未満又は前記第1の高圧電源電圧以下の電圧値を有する第1の低圧電源電圧、及び前記第2の高圧電源電圧より高い又は前記第2の高圧電源電圧以上の電圧値を有する第2の低圧電源電圧を受けて動作し、前記バイアス電圧の電圧値を前記設定信号に基づく電圧値に設定するバイアス変調部を含み、前記バイアス変調部で設定された電圧値を有する前記バイアス電圧を前記第1~第Mのバッファ部の各々へ供給することを特徴とする出力バッファ回路。 - 画面の水平方向に沿って配置されている複数の走査線、前記複数の走査線に交叉して配置されている複数のデータ線を含む表示パネルを映像信号に応じて駆動する表示ドライバであって、
前記映像信号に基づき複数の駆動信号を生成して前記複数のデータ線に供給するデータドライバと、
前記複数の走査線を複数の走査タイミング信号に応じたタイミングで駆動する走査ドライバと、を有し、
前記データドライバは、前記複数の走査タイミング信号を出力する走査制御信号出力回路を含み、
前記走査制御信号出力回路は、請求項12に記載の出力バッファ回路からなることを特徴とする表示ドライバ。 - 画面の水平方向に沿って配置されている複数の走査線、及び前記複数の走査線に交叉して配置されている複数のデータ線を含むパッシブマトリクス型の表示パネルを映像信号に応じて駆動する表示ドライバであって、
前記映像信号にて示される各画素の輝度レベルに対応したパルス幅を有する複数の駆動パルス信号を複数のデータ線に出力する第1の出力バッファ部を含むデータドライバと、
複数の走査パルス信号を前記複数の走査線に出力する第2の出力バッファ部を含む走査ドライバと、を含み、
前記第1の出力バッファ部及び前記第2の出力バッファ部は、請求項12に記載の出力バッファ回路からなることを特徴とする表示ドライバ。 - 画面の水平方向に沿って配置されている複数の走査線、前記複数の走査線に交叉して配置されている複数のデータ線を含む表示パネルと、映像信号に応じて前記表示パネルを駆動する表示ドライバと、を有する表示装置であって、
前記表示ドライバは、
前記複数の走査線を複数の走査タイミング信号に応じたタイミングで駆動する走査ドライバと、
前記映像信号に基づき複数の駆動信号を生成して前記複数のデータ線に供給し、前記複数の走査タイミング信号を出力する走査制御信号出力回路を含むデータドライバと、を有し、
前記走査制御信号出力回路は、請求項12に記載の出力バッファ回路からなることを特徴とする表示装置。 - 前記第1~第Mのバッファ部のうちの少なくとも1のバッファ部の前記出力制御部は、互いに並列に接続されており且つ夫々のゲートで前記バイアス電圧を受けて前記バイアス電圧に対応した電流の合成電流により前記電流値を生成する複数のトランジスタを含む充放電速度制御部を有し、
前記充放電速度制御部は、駆動能力制御信号を受け、前記駆動能力制御信号に従って前記複数のトランジスタの各々を個別に活性化又は非活性化させることで前記合成電流の前記電流値を変化させることを特徴とする請求項12に記載の出力バッファ回路。 - 前記出力制御部は、
前記入力信号に対応した電圧を第1の電圧として前記第1のトランジスタのゲートに供給する第1のノードと、
前記入力信号に対応した電圧を第2の電圧として前記第2のトランジスタのゲートに供給する第2のノードと、を含み、
前記充放電速度制御部は、前記第1のトランジスタのオン状態時に前記バイアス電圧に対応した前記合成電流を前記第1のノードから引き抜く一方、前記第2のトランジスタのオン状態時には前記バイアス電圧に対応した前記合成電流を前記第2のノードに供給することを特徴とする請求項16に記載の出力バッファ回路。 - 表示画面の水平方向に沿って伸張する第1~第m(mは2以上の整数)のデータ線及び前記表示画面の垂直方向に沿って伸張する複数のゲート線と、ゲートタイミング信号を受け前記ゲートタイミング信号に応じたタイミングでゲート選択信号を前記複数のゲート線の各々に供給する走査ドライバと、前記第1~第mのデータ線のj(jは2以上の整数)個毎に設けられており、夫々が1つの入力端を有し、データ線選択信号に応じて前記j個のデータ線の各々を順次択一的に前記1つの入力端に接続する(m/j)個のマルチプレクサと、を含む表示パネルを、映像データ信号に応じて駆動するデータドライバであって、
前記映像データ信号に基づき各画素の輝度レベルに対応した電圧値を有する(m/j)個の階調電圧信号を生成し、夫々を前記(m/j)個のマルチプレクサ各々の前記入力端に供給する階調電圧出力部と、
前記駆動能力制御信号を生成する駆動設定部と、
請求項16に記載の前記出力バッファ回路と、を含み、
前記出力バッファ回路は、前記第1~第Mの出力信号のうちの所定個の出力信号を前記ゲートタイミング信号として前記出力端子から出力すると共に、前記第1~第Mの出力信号のうちの前記所定個の出力信号を除く他の出力信号を前記データ線選択信号として前記出力端子から出力し、
前記データドライバを構成する半導体ICチップ内にける、前記半導体ICチップの長手方向における一端及び他端の各々に前記バイアス部及び複数の前記バッファ部が配置されており、半導体ICチップ内の中央部に前記駆動設定部が配置されていることを特徴とするデータドライバ。 - 表示画面の水平方向に沿って伸張する第1~第m(mは2以上の整数)のデータ線及び前記表示画面の垂直方向に沿って伸張する複数のゲート線と、ゲートタイミング信号を受け前記ゲートタイミング信号に応じたタイミングでゲート選択信号を前記複数のゲート線の各々に供給する走査ドライバと、前記第1~第mのデータ線のj(jは2以上の整数)個毎に設けられており、夫々が1つの入力端を有し、データ線選択信号に応じて前記j個のデータ線の各々を順次択一的に前記1つの入力端に接続する(m/j)個のマルチプレクサと、を含む表示パネルと、
映像データ信号に応じて前記表示パネルを駆動するデータドライバと、を有する表示装置であって、
前記データドライバは、
前記映像データ信号に基づき各画素の輝度レベルに対応した電圧値を有する(m/j)個の階調電圧信号を生成し、夫々を前記(m/j)個のマルチプレクサ各々の前記入力端に供給する階調電圧出力部と、
前記駆動能力制御信号を生成する駆動設定部と、
請求項16に記載の前記出力バッファ回路と、を含み、
前記出力バッファ回路は、前記第1~第Mの出力信号のうちの所定個の出力信号を前記ゲートタイミング信号として前記出力端子から出力すると共に、前記第1~第Mの出力信号のうちの前記所定個の出力信号を除く他の出力信号を前記データ線選択信号として前記出力端子から出力し、
前記データドライバを構成する半導体ICチップ内にける、前記半導体ICチップの長手方向における一端及び他端の各々に前記バイアス部及び複数の前記バッファ部が配置されており、半導体ICチップ内の中央部に前記駆動設定部が配置されていることを特徴とする表示装置。
Priority Applications (2)
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2023
- 2023-09-29 JP JP2023169999A patent/JP2024066453A/ja active Pending
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