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JP2023531503A - 抗腫瘍薬物における芳香族化合物及びその用途 - Google Patents

抗腫瘍薬物における芳香族化合物及びその用途 Download PDF

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JP2023531503A JP2022579084A JP2022579084A JP2023531503A JP 2023531503 A JP2023531503 A JP 2023531503A JP 2022579084 A JP2022579084 A JP 2022579084A JP 2022579084 A JP2022579084 A JP 2022579084A JP 2023531503 A JP2023531503 A JP 2023531503A
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Abstract

芳香族化合物タンパク質阻害剤、その立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、調製に関係した方法及び化合物の使用、化合物を含む医薬組成物、並びに関連するがん処置方法。芳香族化合物は、タンパク質に対して選択的及び著しい阻害活性を有し、腫瘍処置の分野において幅広い用途の可能性を有する。

Description

本発明は、芳香族化合物、その調製方法、及び疾患を処置するための薬物における芳香族化合物の用途に関する。
芳香族環は、共役された平面環系を有し、これは非局在化したπ電子雲により覆われている。医薬品の化学設計に共通して使用されている構造単位として、芳香族環は薬物の分子構造に広く存在し、薬物分子の親水性及び疎水性の特性の改善に重要な役割を果たす。
薬物分子の設計において、他の官能基を芳香族環に導入して、大きなπ結合を形成することによって、芳香族環の豊富な電子雲の密度を効果的に調節し、芳香族環及び薬剤標的タンパク質のアミノ酸残基との間の有効なキメラ現象に影響を与え、薬物分子及び標的タンパク質の作用効率を改善し、標的タンパク質を励起させる又は阻害する薬物分子の能力を調節することができる。
芳香族環へと共通して導入される他の官能基として、カルボニル化合物(アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類及びカルボン酸誘導体基など)及び不飽和アルカン(オレフィン類、アルキン類など)が挙げられる。例えば、他の官能基(例えば、カルボニル類、不飽和アルカン類など)を、臨床的段階において、以下に列挙された薬物又は候補薬物の分子構造の芳香族環に導入することは、薬物分子の薬らしさを改善させ、薬物効果を増強し、有毒性及び副作用を減少させることにおいて理想的結果を達成している。
米国特許第20190374542号 国際公開特許第2020050890号 国際公開特許第2020102730号 国際公開特許第2018217651号 カナダ特許第103265498号 国際公開特許第2019051291号 日本特許第61282089号 米国特許第20030148480号
Journal of American. Chemistry. Society.1999, 121, 326~334頁 Tetrahedron Letter, 1976, 3013~3016頁 The New England Journal of Medicine, 2020; 383: 1207~1217頁; DOI:10.1056/NEJMoa1917239 Organic Letters(2018)、20(7)、1712~1715頁 Synlett(2020)、31(7)、699~702頁 Organic Letters(2019)、21(7)、2231~2235頁 Organometallics(2019)、38(1)、119~128頁 Journal of the American Chemical Society(2021)、143(1)、53~59頁 Organic Process Research & Development (2017)、21(11)、1741~1744頁 Journal of Biosciences(Bangalore、India)(2009)、34(1)、21~26頁
近年では、芳香族構造を有する一連の化合物が開示され、これらの化合物はRASタンパク質の活性を阻害することにより、腫瘍細胞の成長を阻害することができる。しかし、より良い薬物効果及び薬理学的特性を有する新規化合物を発見し、開発するさらなる必要性が存在する。本発明は、芳香族構造を有する化合物を設計し、このような芳香族構造を有する化合物が優れた抗腫瘍作用を示すことを見出している。
本発明は、式(I)
(式中、Uは窒素原子又はCRUであり、RUは水素又は重水素であり、
Mは酸素原子又は硫黄原子であり、
Xは窒素原子又はCR1であり、Yは窒素原子又はCR2であり、Zは窒素原子又はCR3であり、
Eは窒素原子又はCR11であり、Wは窒素原子又はCR12であり、Gは窒素原子又はCR13であり、Jは窒素原子又はCR14であり、
Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、重水素又はハロゲンであり、
Rd及びReは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、重水素化アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、スルフリル、スルホンアミド、炭素アミド、アルケニル又はアルキニルであり、
環Aは、5~7員窒素含有ヘテロシクリルであり、
R1、R2、R3、R11、R12、R13、R14、R17a、R17b、R17c、R17d、R17e、R17f、R17g、及びR17hは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
R15aは水素又は重水素であり、
Qは-C(O)-、-C(S)-、-S(O)-、又は-S(O)2-であり、
Tは酸素原子又は硫黄原子であり、
Lはアルキニル、アルケニル、重水素化アルキニル、重水素化アルケニル、クロロアルケニル、又はハロアルキルである)
で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、
以下の構造セグメント:
は、以下の基:
から選択され、
環Aは、以下の基:
から選択され、
は、以下の基:
から選択され、
は、以下の基:
から選択される、式(I)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩が提供される。
本発明は、式(II)
(式中、Xは窒素原子又はCR4であり、Yは窒素原子又はCR5であり、
Uは窒素原子又はCRUであり、RUは水素又は重水素であり、
R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
R15aは水素又は重水素であり、
R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
R7はフッ素又は塩素であり、
R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、式(III)
(式中、Xは窒素原子又はCR4であり、Yは窒素原子又はCR5であり、
R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
R15aは水素又は重水素であり、
R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
R7はフッ素又は塩素であり、
R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、以下の化合物、
又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、以下の化合物、
又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、以下の化合物、
又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、以下の化合物、
又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は式(IIIM)
(式中、環Eの1位の窒素原子を、環Fの1'位の炭素原子に結合することにより形成される軸性キラル立体配置は光学的に純粋であり、
Xは窒素原子又はCR4であり、Yは窒素原子又はCR5であり、
R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
R15aは水素又は重水素であり、
R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
R7はフッ素又は塩素であり、
R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、式(IIIM-1)
(式中、
R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
R15aは水素又は重水素であり、
R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
R7は、フッ素又は塩素であり、
R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
R17は、水素、重水素、メチル、エチル、重水素化メチル又は重水素化エチルであり、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択され、
構造セグメント
は、以下の構造:
から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、以下の化合物、
又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、軸性キラル立体配置をR立体配置として有する以下の化合物、
又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、軸性キラル立体配置をR立体配置として有する以下の化合物、
又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、以下の化合物、
又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、有効用量の本発明による化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩のいずれか、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明は、KRAS G12C、HRAS又はNRASの突然変異により媒介されるがんに関係した疾患を予防及び/又は処置するための医薬の調製における、本発明による化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は本発明による医薬組成物の使用であって、本発明による化合物若しくはその薬学的に許容される塩のいずれか1つ、又は本発明による医薬組成物が、単独で、又はKRAS G12C、HRAS若しくはNRASの突然変異により媒介されるがんに関係した疾患を予防及び/若しくは処置するための免疫療法を含む他の治療方法と組み合わせて使用されることが可能であることを含む使用を提供する。
本発明による使用において、KRAS機能に関係した様々ながん疾患は、肝臓がん、食道がん、胃がん、腎細胞がん、肉腫、胆管がん、結腸がん、前立腺がん、卵巣がん、乳がん、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリープがん、直腸結腸がん又は肺がんである。
中間体3Mの単結晶の回折結果を示す図である。
本明細書で使用されているすべての技術的及び科学的用語は、当業者により理解されている一般用語と同じ意味を有する。
「水素」という用語は、本明細書で-Hを指す。
「重水素」という用語は、本明細書で-Dを指す。
「ハロゲン」という用語は、本明細書で-F、-Cl、-Br及び-Iを指す。
「フッ素」という用語は、本明細書で-Fを指す。
「塩素」という用語は、本明細書で-Clを指す。
「臭素」という用語は、本明細書で-Brを指す。
「ヨウ素」という用語は、本明細書で-Iを指す。
「シアノ」という用語は、本明細書で-CNを指す。
「アミノ」という用語は、本明細書で-NH2を指す。
「ヒドロキシル」という用語は、本明細書で-OHを指す。
「アルキル」という用語は、本明細書で1~10個の炭素原子を有する飽和した脂肪族炭化水素基を指し、この用語は直鎖及び分枝鎖ヒドロカルビルを含む。アルキルの非限定的例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどが挙げられる。本明細書でアルキルは、以下の置換基:重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、オキソ、アシルアミノ、エステル、アミド、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルキニル、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリール又はヘテロアリール、のうちの1種又は複数により任意選択で置換されていてもよい。
「アリール」という用語は、本明細書で、6~10員全炭素単環式又は縮合多環式の基(すなわち、隣接する対の炭素原子を共有する環)、共役されたπ電子系を有する多環式基(すなわち、隣接する対の炭素原子を有する環)を指す。アリールは、安定した構造を生成する、任意の炭素原子上の定義された化学構造に共有結合していてもよい。本明細書でアリールは、以下の置換基:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルアミノ、エステル、アミド、スルホニル、スルフィニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルコキシ、のうちの1種又は複数により任意選択で置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で、5~10個の原子からなり、N、O又はSなどから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する芳香族基を指す。この用語は、単環(非限定的例として、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられる)又は多重縮合環(非限定的例として、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、イソインドールなどが挙げられる)を有してもよく、縮合環は、接続点が芳香族ヘテロアリール基を介した原子であると仮定して、ヘテロ原子を含有する芳香族基であってもなくてもよい。本明細書でのヘテロアリールは、以下の置換基:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、エステル、アミド、スルホニル、スルフィニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルコキシ、のうちの1種又は複数により任意選択で置換されていてもよい。
「アルケニル」という用語は、本明細書で、2~8個の炭素原子及び少なくとも1個のアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を指す。アルケニルの非限定的例として、エテニル、プロペニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニルなどが挙げられる。アルケニルは、本明細書で、以下の置換基:重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルアミノ、エステル、アミド、スルホニル、スルフィニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルコキシ、スルフヒドリル(sulfydryl)、アルキルメルカプト、重水素化アルキルメルカプト、スルフリル、スルホキシド、アミノ、シリル、ホスホリル、重水素化アルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキニル、アルケニル、アリールアルキル、及びエステル、のうちの1種又は複数により任意選択で置換されていてもよい。
「アルキニル」という用語は、本明細書で、2個の隣接する炭素原子が三重結合で連結しているアルキルを指し、アルキルは本明細書で定義された通りである。アルキニルは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる、上で定義されたような不飽和アルキル、例えば、エチニル、1-プロピニル(propinyl)、2-プロピニル、1-、2-又は3-ブチニルなどを指す。アルキニルは置換若しくは非置換であってよく、アルキニルが置換されている場合、置換基は好ましくは以下の基のうちの1種又は複数であり、置換基は、独立して、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルアミノ、エステル、アミド、スルホニル、スルフィニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルコキシ、スルフヒドリル、アルキルメルカプト、重水素化アルキルメルカプト、スルフリル、スルホキシド、アミノ、シリル、ホスホリル、重水素化アルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキニル、アルケニル、アリールアルキル、及びエステルから選択される。
「ヘテロシクリル」という用語は、N、O又はSから選択される少なくとも1~5個のヘテロ原子を含有する置換又は非置換及び飽和又は不飽和の芳香族環、並びに非芳香族環を指す。芳香族環及び非芳香族環は、3~10員単環、4~20員スピロ環、縮合環又は架橋環であってよく、ヘテロシクリル環の中の任意選択で置換されているN及びSは様々な酸化状態へと酸化されていてもよい。3~12員の複素環が好ましい。非限定的例として、オキシラニル、オキセタニル、オキシラニル、オキサシクロヘキシル、オキサシクロヘキシル、オキセカニル(oxecanyl)、アジリジン、アゼチジニル、アザシクロペンチル(azacyclopcnty1)、アザシクロヘキシル、アジリジニル、1,3-ジオキソラニル(dioxolany)、1,4-ジオキソラニル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジオキサニル、1,3-ジチアニル、アゼピニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラニル、N-アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピペリジニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラン、チアジアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、1,4-ジオキサジエニルなどが挙げられる。
「ハロアルキル」という用語は、上で定義された「アルキル」をハロゲンで置換することにより得られるアルキルを指す。ハロゲンとして以下:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など、が挙げられる。
「アルケニルアルキル」という用語は、上で定義された「アルキル」を、上で定義された「アルケニル」で置換することにより得られるアルキルを指す。
「アルキニルアルキル」という用語は、上で定義された「アルキル」を、上で定義された「アルキニル」で置換することにより得られるアルキルを指す。
「窒素含有ヘテロシクリル」という用語は、窒素原子を含有する環系を指し、これは、「縮合された」芳香族及び非芳香族環系であってもよいし、又は「スピロ炭素原子」、例えば、以下の構造:
を介して他の環系に連結していてもよい。
「アミド」(又は「アシルアミノ」)という用語は、C-アミド基及びN-アミド基、すなわち-C(O)NRARB及び-NRAC(O)RB基をそれぞれ含む。RA及びRBは、独立して、水素であるか、又は置換若しくは非置換の、本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル若しくはヘテロシクリルである。したがって、アシルアミノとして、これらに限定されないが、カルバモイル(-C(O)NH2)及びホルムアミド(-NHC(O)H)が挙げられる。一部の実施形態では、アミドは-NRAC(O)-(C1~5アルキル)であり、これは、「カルボニルアミノ」と呼ばれ、一部の他の実施形態では、アミドは-NHC(O)-アルキルであり、これは「アルカノイルアミノ」と呼ばれる。
「スルホンアミド」という用語は、S-スルホンアミド基及びN-スルホンアミド基、すなわち、-SO2NRCRD及び-NRCSO2RD基をそれぞれ含む。RC及びRDは、独立して、水素であるか、又は置換若しくは非置換の、本明細書で定義されたようなアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクリルである。したがって、スルホンアミド基として、これらに限定されないが、スルホニル(-SO2NH2)が挙げられる。本明細書の一部の実施形態では、スルホンアミドは-NHSO2-アルキルであり、これは「アルキルスルホニルアミノ」と呼ばれる。
本発明は、本発明の同位体標識化合物、すなわち、上記に開示された構造と同じ構造を有するが、1個又は複数の原子が、同じプロトン数を有するが、中性子数の異なる原子で置き換えられている化合物をさらに含む。本発明の化合物の同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えば、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、36Cl、及び131Iなどが挙げられる。本発明による化合物、その立体異性体、互変異性体、又は薬学的に許容される塩、並びに上記同位体及び/又は他の原子の同位体を含有する上記形態の化合物はすべて本発明の範囲内である。本発明の一部の同位体標識化合物、例えば、3H又は14Cで標識した化合物は、薬物組織分布試験に使用することができ、よって、3H又は14C同位体は、特にその調製及び検出の容易さにより好ましい。
より重い同位体、例えば、2H及び18Oで置換されている一部の本発明の化合物は、そのより良い代謝安定性、例えば、in vivoでの半減期の増加及び用量の減少によりいくつかの治療上の利点を有する。したがって、2H及び18Oもまた、ある場合には好ましい。
化合物3-6B、3-16Mなどの分子構造において、「重水素化ホルミル」はその構造的特徴である。文献(Journal of American. Chemistry. Society.1999, 121, 326~334頁; Tetrahedron Letter, 1976, 3013~3016頁)では、有機化学反応(水素化ホウ素ナトリウムによりベンズアルデヒドカルボニルをアルコールヒドロキシルに還元する反応)において、「重水素化ホルミル」の「2次的重水素速度論的同位体効果」(すなわち、SDKIE)は、kH/kD=1/1.13の値を有することが報告されている。したがって、「重水素化ホルミル」の構造的特徴を有する化合物3-6B、3-16Mなどは、in vitro及びin vivoでの代謝及び生物学的活性において潜在的利点を有することが推測される。
実施形態
本発明は以下の実施形態を参照して詳細にさらに説明されるが、本発明はこれに限定されない。本出願全体にわたり、本発明の化合物及び方法の様々な実施形態が本明細書に記述されている。本発明はこれらの実施例に限定されない。以下の実施例は、本発明を実施するための方法を提供するのみであり、いかなる方式でも本発明の範囲を限定することはない。
本発明により提供される化合物は、当技術分野で公知の標準的合成法により調製することができる。本明細書は、本発明の化合物を調製するための一般的な方法を提供する。出発材料は普通、商業的に入手してもよいし又は当業者に周知の方法により調製してもよい。
本プロセスは以下の通りである:
第1に、SM-1を出発材料として使用して、SM2と求核置換反応を行い、M1を得、次いで、これSM-3とを反応させて、M2を得、次いで保護基を除去して、M3を得、次いでM3をさらに反応させて、化合物IIを得た。
本発明の化合物及び対応する調製方法は、以下の実施例及び調製において、さらに説明され、列挙されている。典型的な又は好ましい反応条件が具体例において付与されているが、当業者はまた他の反応条件を使用することもできるということも理解されるべきである。最適反応条件は、使用される特定の反応基質又は溶媒と共に変動し得るが、条件は、所定の最適化を介して当業者により決定することができる。
中間体の調製
中間体1:
ステップ1
2,4-ジクロロ-5-フルオロニコチン酸(61.0g)、ジクロロメタン(600ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)を2000mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、塩化オキサリル(36.9ml)を含むジクロロメタン溶液(30ml)を滴下添加し、次いで滴下添加後、室温に徐々に加熱して撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、0℃に冷却し、1,4-ジオキサン(600ml)を加え、次いでアンモニア水溶液(120ml)を滴下添加し、滴下添加後、0℃で連続的に撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、濃縮物を酢酸エチル及びn-ヘキサンで泥状にし、静置し、濾過し、濾過ケーキをn-ヘキサンで洗浄し、乾燥した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体合計38gを得た。
ステップ2
前ステップの生成物を1000mlの3ツ口フラスコに加え、塩化オキサリル(18.5ml)を含むジクロロメタン溶液(20ml)を0℃で滴下添加し、次いで滴下添加後、75℃に加熱して撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、0℃に冷却し、テトラヒドロフラン(300ml)を加え、次いで2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-アミン(28.7g)を含むテトラヒドロフラン溶液(150ml)を滴下添加し、0℃で維持し、連続的に撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、固体が沈殿するまで減圧下で濃縮し、0℃に冷却し、15分間維持し、次いで濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル及び石油エーテルで洗浄し、乾燥した。濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体合計51gを得た。
ステップ3
2,6-ジクロロ-5-フルオロ-N-((2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)カルバモイル)ニコチンアミド(51.0g)及びテトラヒドロフラン(500ml)を1000mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(278ml)を滴下添加し、滴下添加後、室温に徐々に加熱し、撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、固体が沈殿するまで減圧下で濃縮し、0℃に冷却し、30分間維持し、次いで濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル及び石油エーテルで洗浄し、乾燥した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体合計38gを得た。
ステップ4
前ステップの生成物(24.0g)、アセトニトリル(240ml)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(68.2ml)を500mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、オキシ塩化リン(38.5ml)を滴下添加し、次いで滴下添加後、80℃に加熱し、撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、トルエンで2回共沸し、次いでアセトニトリル(240ml)を残渣中に加え、0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(68.2ml)を加え、次いで(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(20.7g)を数回に分けて加え、添加後、室温で撹拌した。反応溶液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液中に注ぎ入れて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、固体が沈殿するまで減圧下で濃縮し、0℃に冷却し、次いで濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル及び石油エーテルで洗浄し、乾燥した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体合計18gを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.50 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 4.27-4.10 (m, 1H), 4.03-3.88 (m, 1H), 3.88-3.76 (m, 1H), 3.75-3.58 (m, 2H), 3.38-3.24 (m, 1H), 2.70-2.56 (m, 1H), 1.96 (s, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.36-1.29 (m, 3H), 1.07 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.04-0.97 (m, 3H); MS: m/z 531.2, [M+H]+.
中間体2:
7-クロロ-6-フルオロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(2.0g)、アセトニトリル(20ml)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.8ml)を、50mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、オキシ塩化リン(3.2ml)を滴下添加し、次いで滴下添加後、80℃に加熱し、撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、トルエンで2回共沸し、次いでアセトニトリル(20ml)を残渣中に加え、0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.8ml)を加え、次いで(3S,5S)-tert-ブチル3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(1.3g)を数回に分けて加え、添加後、室温に徐々に加熱し、撹拌した。反応溶液を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液中に注ぎ入れて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体2gを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.50 (dd, J = 4.8, 1.7 Hz, 1H), 8.45 (dd, J = 8.6, 6.4 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.43-4.27 (m, 2H), 3.74 (br s, 2H), 3.48 (br s, 2H), 2.70-2.55 (m, 1H), 1.94 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.30-1.21 (m, 6H), 1.08-1.04 (m, 3H), 1.02 (t, J = 6.4 Hz, 3H); MS: m/z 545.3, [M+H]+.
中間体3:
ステップ1
2,5,6-トリクロロニコチン酸(50.0g)及びテトラヒドロフラン(500ml)を2000mlの1ツ口フラスコ中に加え、N,N'-カルボニルジイミダゾール(39.4g)を数回に分けて加え、添加後、50℃に徐々に加熱し、撹拌した。反応溶液を室温に冷却し、トルエン(100ml)を加え、減圧下で蒸留に供して溶媒の半量を除去し、次いで0℃に冷却し、アンモニア水溶液(60ml)を滴下添加し、滴下添加後、0℃で維持し、連続的に撹拌した。反応溶液に水を加えて液を分離し、水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体36gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.36 (s, 1H), 6.76 (br s, 1H), 6.47 (br s, 1H).
ステップ2
2,5,6-トリクロロニコチンアミド(15.4g)及びテトラヒドロフラン(150ml)を500mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、塩化オキサリル(7.0ml)を含むジクロロメタン溶液(7ml)を滴下添加し、次いで滴下添加後、75℃に加熱し、撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、0℃に冷却し、テトラヒドロフラン(150ml)を加え、次いで2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-アミン(10.8g)を含むテトラヒドロフラン溶液(70ml)を滴下添加し、滴下添加後、0℃で維持し、連続的に撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体12gを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.34 (s, 1H), 9.58 (br s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.34 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.33-3.23 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 1.17 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
ステップ3
前ステップの生成物(12.0g)及びテトラヒドロフラン(150ml)を500mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(74.8ml)を滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体9.6gを得た。
ステップ4
前ステップの生成物(26.0g)、アセトニトリル(250ml)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(16.4g)を500mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、オキシ塩化リン(11.9ml)を滴下添加し、次いで滴下添加後、80℃に加熱し、撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、トルエンで2回共沸し、次いでアセトニトリル(250ml)を残渣中に加え、0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(16.4g)を加え、次いで(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(15.0g)を数回に分けて加え、添加後、室温で1時間撹拌した。反応溶液を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液中に注ぎ入れて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体23.5gを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.55-8.43 (m, 2H), 7.26 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.88 (br s, 1H), 4.26-4.09 (m, 1H), 4.02-3.88 (m, 1H), 3.88-3.77 (m, 1H), 3.77-3.61 (m, 1H), 3.33-2.92 (m, 2H), 2.72-2.55 (m, 1H), 1.98-1.90 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.36-1.28 (m, 3H), 1.06 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H); MS: m/z 547.2, [M+H]+.
中間体4:
6,7-ジクロロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリド[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(3.0g)、アセトニトリル(30ml)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(8.1ml)を100mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、オキシ塩化リン(4.6ml)を滴下添加し、次いで滴下添加後、80℃に加熱し、撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、トルエンで2回共沸し、次いでアセトニトリル(30ml)を残渣中に加え、0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.8ml)を加え、次いで(3S,5S)-tert-ブチル3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(1.8g)を数回に分けて加え、添加後、室温で1時間撹拌した。反応溶液を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液中に注ぎ入れて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体2.2gを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.53 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 8.50 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.47-4.31 (m, 2H), 3.73 (br s, 2H), 3.52 (br s, 2H), 2.71-2.54 (m, 1H), 1.95 (d, J = 7.3 Hz, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.31-1.24 (m, 6H), 1.08-0.99 (m, 6H); MS: m/z 561.2, [M+H]+.
中間体5:
ステップ1
2,6-ジクロロ-5-フルオロニコチンアミド(1.2g)及びテトラヒドロフラン(40ml)を250mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、塩化オキサリル(860mg)を滴下添加し、次いで滴下添加後、70℃に加熱し、撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、0℃に冷却し、テトラヒドロフラン(40ml)を加え、次いで2-イソプロピル-4-(メチル-d3)ピリジン-3-アミン(783mg)を含むテトラヒドロフラン溶液(10ml)を滴下添加し、5分後トリエチルアミン(580mg)を滴下添加し、次いで添加後、連続的に撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、灰白色固体1.45gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.38 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 8.45 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 3.33-3.19 (m, 1H), 1.25 (d, J = 6.8 Hz, 6H); MS: m/z 388.1, [M+H]+.
ステップ2
前ステップの生成物(1.45g)及びテトラヒドロフラン(20ml)を250mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(8.3ml)を滴下添加し、滴下添加後、室温に徐々に加熱し、1時間撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、灰白色固体1.15gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.64 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.28 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 6.64 (br s, 1H), 2.80-2.65 (m, 1H), 1.24 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.15 (d, J = 6.7 Hz, 3H); MS: m/z 352.1, [M+H]+.
ステップ3
前ステップの生成物(1.1g)、アセトニトリル(20ml)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.0g)を250mlの1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、オキシ塩化リン(970mg)を滴下添加し、次いで2滴のN-メチルモルホリンを滴下添加し、室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮乾固し、トルエンで2回共沸し、次いでアセトニトリル(20ml)を残渣中に加え、0℃に冷却し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.0g)を加え、次いで(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(632mg)を加え、添加後、室温で1時間撹拌した。反応溶液を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液中に注ぎ入れて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体1.2gを得た。MS:m/z 534.2、[M+H]+
中間体6:
ステップ1
2-クロロ-4-メチル-3-ニトロピリジン(19g)、炭酸カリウム(14g)、1,4-ジオキサン(100ml)及び重水酸化物(60ml)を反応フラスコに加え、添加後、100℃で還流させた。反応溶液を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮乾固した。上記方法に従って操作を3回繰り返して、生成物を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.40 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 5.0 Hz, 1H). MS: m/z 176.0, [M+H]+.
ステップ2
前ステップの生成物(15g)、炭酸セシウム(85.3g)、1,2-ジメトキシエタン(240ml)、重水酸化物(60ml)、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(17.6g)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(6.2g)を500mlの1ツ口フラスコに加え、窒素置換に供し、次いで80℃に加熱して還流反応させた。反応溶液を冷却し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色油状物質14gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.54 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 5.37-5.31 (m, 1H), 5.20 (s, 1H), 2.20 (t, J = 1.2 Hz, 3H).
ステップ3
前ステップの生成物(14g)、無水エチルアルコール(200ml)及び炭素担持5%パラジウム(7g)を500mlの1ツ口フラスコ中に加え、水素置換に供し、水素バッグの圧力下室温で終夜反応させた。反応溶液を珪藻土で充填して炭素担持パラジウムを除去し、次いで濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色油状物質8gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.96 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.63 (br s, 2H), 3.12-2.97 (m, 1H), 1.31 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
中間体7:
ステップ1
2-ブロモ-3-フルオロベンズアルデヒド(20.0g)、メタノール(40ml)及び濃硫酸(0.5ml)を100mlの1ツ口フラスコ中に加え、次いでオルトギ酸トリメチル(13.6g)を滴下添加し、次いで滴下添加後、70℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を0℃に冷却し、ナトリウムメチレートをゆっくり加えてpHを8~9に調節し、次いで水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、白色固体21gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.42 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.36-7.27 (m, 1H), 7.12 (td, J = 8.2, 1.3 Hz, 1H), 5.58 (s, 1H), 3.40 (s, 6H).
ステップ2
前ステップの生成物(10.0g)及びテトラヒドロフラン(100ml)を500mlの3ツ口フラスコ中に加え、-78℃に冷却し、n-ブチルリチウムを含むn-ヘキサン溶液(2.5M、24ml)を滴下添加し、滴下添加後、1時間連続的に撹拌し、次いでトリイソプロピルボレート(9.8g)を滴下添加し、滴下添加後、2時間連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を3N希薄塩酸をゆっくり加えてpHを2~3に調節し、次いで酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体5.3gを得た。1H NMR (400 MHz, アセトン-d6): δ 10.06 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.65-7.57 (m, 1H), 7.44 (s, 2H), 7.38 (td, J = 8.2, 0.7 Hz, 1H).
中間体9:
AL-1Dを出発物質として使用し、化学反応により変換して、AL-BDを得た。(文献Organic Letters(2018)、20(7)、1712~1715頁; Synlett(2020)、31(7)、699~702頁; Organic Letters(2019)、21(7)、2231~2235頁; Organometallics(2019)、38(1)、119~128頁; Journal of the American Chemical Society(2021)、143(1)、53~59頁を参照)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1:
191-4(4.75kg)、オルトギ酸トリメチル(5.5kg)、p-トルエンスルホン酸(0.45kg)及びメタノール(19L)を50Lの二重ガラス反応器中に加え、50℃にゆっくり加熱して反応させ、40℃以下になるように冷却し、次いで温度を40℃で制御し、少量になるまで濃縮した。温度を20℃以下になるように冷却し、トリエチルアミン(0.34kg)を加えてpHを7~8に調節した。反応溶液に重炭酸ナトリウムの10%水溶液(6L)及びメチルtert-ブチルエーテル6Lを加え、次いで静置し、液分離に供し、水性相をメチルtert-ブチルエーテル(4L×2)で2回抽出し、有機相を合わせ、飽和塩溶液でそれぞれ2回洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥した。温度を45℃で制御し、濃縮乾固して、191-5生成物5.6kgを得た。
ステップ2:
191-5(3.75kg)及びテトラヒドロフラン(37.5L)を50Lの丸底ガラス製反応器中に加え、窒素置換に供し、次いで-90℃になるまで冷却し、2.5Mブチルリチウム(6.5L)をゆっくり滴下添加し、次いで滴下添加後、温度を-90℃で制御し、撹拌して反応させた。トリエチルボレート(2.6kg)をゆっくり連続的に滴下添加し、次いで滴下添加後、温度を-80℃で制御し、撹拌して反応させた。物質は完全に反応した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム溶液に加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を合わせた。有機相を冷却し、0.5M塩酸水溶液(8L)を最初にゆっくり加え、次いで1.0M塩酸水溶液(2L)を加え、温度を維持しながら混合物を撹拌した。液体を分離し、飽和塩溶液で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで30分間乾燥し、濃縮乾固し、石油エーテル(3.75L)を加え、冷却し、撹拌し、濾過し、次いで濾過ケーキを石油エーテルで濯ぎ、40℃で静置して空気乾燥させて、生成物1.9kgを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.35-8.33 (m, 1H), 7.96-7.93 (m, 1H), 7.75-7.73 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ198.3, 139.7, 138.7, 138.4, 134.4, 131.1.
他の同様のホウ素含有中間体(芳香族カリウムフルオロボレート)の具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
メチル2-ブロモベンゾエート(8.5g)及びテトラヒドロフラン(50ml)を250mlの3ツ口フラスコに加え、窒素置換に供し、氷浴中重水素化した水素化アルミニウムリチウム(3.3g)をゆっくり加え、室温で2時間撹拌した。反応が完結した後、重水酸化物(3.3ml)、水酸化ナトリウムの15%水溶液(3.3ml)、水道水(10ml)及び無水硫酸ナトリウム(5g)を氷浴中でゆっくり加え、20分間撹拌し、次いで濾過した。濾液を濃縮して、白色固体7.45gを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.57 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 7.6, 1.7 Hz, 1H), 7.36 (td, J = 7.5, 1.3 Hz, 1H), 7.19 (td, J = 7.7, 1.8 Hz, 1H).
ステップ2
前ステップの生成物(7.4g)、ジクロロメタン(50ml)及びシリカゲル(15g)を100mlの1ツ口フラスコに加え、窒素置換に供し、氷浴中PCC(10.1g)をゆっくり加え、室温で2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色油状物質6.2gを得た。
ステップ3
前ステップの生成物(6.1g)、ジオキサン(50ml)、酢酸カリウム(9.5g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.8g)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムとジクロロメタンとの錯体(790.8mg)を、100mlの1ツ口フラスコに加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、3時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色油状物質6.1gを得た。1HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.94-7.90 (m, 1H), 7.76-7.73 (m, 1H), 7.72-7.63 (m, 2H), 1.35 (s, 12H).
ステップ4
前ステップの生成物(2g)、メタノール(20ml)及びフッ化水素カリウム(3.4g)を100mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、70℃に加熱し、2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過し、濾液を濃縮乾固し、アセトン(6ml)を加えて溶解し、氷水浴中n-ヘキサン(20ml)をゆっくり滴下添加し、1時間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを乾燥して、灰白色固体1.3gを得た。1HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.69 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.41 (br s, 1H), 7.24 (br s, 1H).
中間体10:
P1を原料として使用し、重水素化置換を行ってP2を得、最終的にP7を調製した。(Organic Process Research & Development (2017)、21(11)、1741~1744頁;カナダ特許第103265498号参照)。
中間体11(X2):
X1を原料として使用し、化学反応によりX2を得た(文献米国特許第20190374542号参照)。
代替として、他の調製方法を採用し、ここで具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
2-ブロモ-4-クロロピリジン-3-アミン(9.2g)、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(11.9g)、炭酸カリウム(7.6g)、PdCl2(dppf)(5.5g)、1,4-ジオキサン(85ml)及び水(17ml)を250mlのフラスコ中に加え、窒素置換に供し、105℃に加熱し、3時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液に水を加え、次いで酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、赤黄色固体9.3gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.92 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 5.54-5.51 (m, 1H), 5.36-5.34 (m, 1H), 4.37 (s, 2H), 2.18 (t, J = 1.3 Hz, 3H).
ステップ2
前ステップの生成物(10.0g)、ビニルボロン酸ピナコール環状エステル(13.8g)、Pcy3(1.0g)、酢酸パラジウム(0.5g)、炭酸セシウム(38.8g)及びトルエン(200ml)を500mlのフラスコ中に加え、窒素置換に供し、120℃に加熱し、12時間撹拌して反応させた。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、水を加え、次いで酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色油状物質7.1gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 8.01 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 6.76 (dd, J = 17.4, 11.1 Hz, 1H), 5.80 (dd, J = 17.4, 1.2 Hz, 1H), 5.54-5.48 (m, 2H), 5.30-5.28 (m, 1H), 4.05 (s, 2H), 2.18 (t, J = 1.2 Hz, 3H). MS: m/z 161.1, [M+H]+.
ステップ3
前ステップの生成物(7.1g)、エタノール(150ml)及び炭素担持パラジウム(0.7g)を250mlの1ツ口フラスコ中に加え、水素置換に供し、室温で終夜撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過し、次いで濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、紫色油状物質5.5gを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.02 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 3.66 (s, 2H), 3.12-3.01 (m, 1H), 2.52 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.32 (d, J = 6.7 Hz, 6H), 1.28 (t, J = 7.5 Hz, 3H). MS: m/z 165.1, [M+H]+.
次いで、中間体1、中間体2、中間体3及び中間体4の調製溶液を参考にして、以下の中間体が調製できる:
具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
テトラヒドロフラン(50ml)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、系を窒素置換に供し、-5℃に冷却し、塩化オキサリル(2.9g)をゆっくり滴下添加し、10分間撹拌し、2,5,6-トリクロロニコチンアミド(4.4g)を数回に分けて加え、45℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、テトラヒドロフラン(25ml)を加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、2-イソプロピル-4-エチルピリジン-3-アミン(2.1g)を含むテトラヒドロフラン溶液(18ml)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、水及び適切な量の炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えてpHが7~8になるよう調節し、次いでジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して、ピンク色固体の粗生成物を得た。石油エーテルと酢酸エチル(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)との混合溶媒(110ml)を加え、室温で1時間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥して、灰白色固体6.3gを得た。MS:m/z 415.1、[M+H]+
ステップ2
前ステップの生成物(6.3g)及びテトラヒドロフラン(160ml)を500mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、10~15℃に冷却し、LiHMDS(THF中1M、33.5ml)を滴下添加し、室温で2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。多量の固体が沈殿するまで濾液を濃縮し、MTBE(10ml)を加え、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥して、白色固体3.8gを得た。MS:m/z 379.1、[M+H]+
ステップ3
前ステップの生成物(3.8g)、テトラヒドロフラン(95ml)、DIPEA(7.8g)及び(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(2.0g)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中オキシ塩化リン(3.1g)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、15分間撹拌し、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(1.0g)を加え、30分間撹拌して反応させた。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮して、茶褐色固体5.7gを得た。MS:m/z 561.2、[M+H]+
国際公開特許第2019051291号に記載された超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)の分離方法を参考にし、以下の中間体を調製し、分離できた。
中間体8:
化合物A(国際公開特許第2020050890号及び国際公開特許第2019051291号に従って調製した)5.00gを秤量し、250mLの丸底フラスコに入れ、メチルテトラヒドロフラン50mLを加え、温度を75℃で維持しながら窒素保護下30分間撹拌し、混合物が透明溶液中に完全に溶解した後、(+)-DBTA(10g)を溶解したメチルテトラヒドロフラン20mLを加え、上記2種のメチルテトラヒドロフラン溶液を混合した後、ノルマルヘプタン50mLを75℃で連続的に滴下添加し、次いで上記混合物を25℃で8時間連続的に撹拌し、次いで濾過して固体を得た。固体を50℃で5時間空気乾燥に供して、標的錯体4g(>99%ee)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ12.31 (br.s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.53-8.52 (m, 1H), 7.99-7-96 (m, 2H), 7.71-7-67 (m, 1H), 7.57 -7.53 (m, 2H), 7.29 -7.28 (m, 1H), 5.77 (s, 1H), 3.86-3.72 (m, 2H), 3.58 -3.52 (m, 1H), 2.94 -2.84 (m, 1H), 2.05 (s, 3H), 1.97 -1.90 (m, 1H), 1.85 -1.74 (m, 1H), 1.36-1.24 (m, 1H), 1.13-1.12 (m, 3H), 1.09-1.07 (m, 3H), 1.02-1.00 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ168.0, 165.2, 164.6, 160.5, 151.7, 150.1, 149.9, 149.7, 146.3, 139.7, 134.1, 129.8, 129.6, 129.3, 128.7, 124.4, 124.1, 112.8, 74.8, 72.0, 67.2, 33.2, 30.0, 25.9, 22.7, 22.3, 21.4, 17.5.
中間体3の調製溶液に従って、以下の中間体3Mを調製した(この単結晶構造を特定した図1参照):
中間体8の調製溶液を参考にし、(-)-DBTAを分割試薬として使用して、以下の中間体20を調製した:
以下の中間体3Pが調製できる:
中間体4の調製溶液を参考にし、中間体8及び中間体20を使用して、以下の中間体が調製できる:
中間体22:
シアン化ビニルを出発物質として使用し、重水酸化物を同位体源として使用し、文献中の方法を参照して、中間体22を調製した。(文献Journal of Biosciences(Bangalore、India)(2009)、34(1)、21~26頁; 日本特許第61282089号 米国特許第20030148480号等参照)。
具体的な調製方法は以下の通りであった:
pH7.2であるH2 18O(25ml)、アクリロニトリル約2ml及びニトリラーゼ10mgを反応フラスコ中に加え、添加後、28℃で終夜反応させた。HClのジオキサン溶液をゆっくり加えてpHが2~3になるよう調節し、次いでジクロロメタンを加えて2回抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固して、薄黄色油状物質を得た。次いで油状物質をジクロロメタン溶液に溶解し、塩化チオニルを加え、2時間還流させた。反応溶液を減圧下で濃縮して塩化アシル生成物を得、これを反応に直接使用した。
中間体23:
ステップ1
tert-ブチル(R)-3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(12g)、N,N-ジメチルホルムアミド(120ml)及び炭酸カリウム(23g)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中臭化ベンジル(14.2g)をゆっくり滴下添加し、0℃で2時間撹拌した。反応が完結した後、吸引濾過を行い、濾液に飽和塩溶液を加え、メチルtert-ブチルエーテルで抽出し、有機相を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濃縮乾固した。適切な量のノルマルヘキサンを加えて結晶化させ、室温で20分間撹拌し、濾過し、乾燥して、白色固体13.8gを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.37-7.26 (m, 5H), 4.05 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 3.88 (dd, J = 11.4, 5.4 Hz, 1H), 3.76-3.50 (m, 3H), 3.49-3.05 (m, 3H), 2.86-2.42 (m, 3H), 2.33-2.24 (m, 1H), 1.47 (s, 9H). MS: m/z 307.2, [M+H]+.
ステップ2
前ステップの生成物(6.2g)及びジクロロメタン(150ml)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、-20℃に冷却し、Deoxo-F(9.0g)を含むジクロロメタン溶液(81ml)をゆっくり滴下添加し、温度を-20℃で維持しながら2時間撹拌し、次いで室温に加熱し、室温で2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えて、水性相のpHが7~8になるよう調節し、ジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色油状液体5.9gを得た。MS:m/z 309.2、[M+H]+
ステップ3
前ステップの生成物(2.8g)、メタノール(40ml)、ギ酸(3g)及び5%Pd/C(3.5g)を100mlの1ツ口フラスコ中に加え、水素置換に供し、室温で10時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を珪藻土で充填して濾過し、濾液に重炭酸ナトリウムの水溶液を加えて水性相のpHが7~8になるように調節し、次いでジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、無色油状液体1.1gを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ 4.52-4.24 (m, 2H), 4.05-3.76 (m, 2H), 3.07-2.83 (m, 3H), 2.82-2.48 (m, 2H), 2.03 (s, 1H), 1.47 (s, 9H). MS: m/z 219.2, [M+H]+.
化合物の調製
(実施例1)
ステップ1
出発物質tert-ブチル(S)-4-(6,7-ジクロロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(中間体3M)(100.0g)、2-ホルミルフェニルボロン酸(29.6g)、酢酸カリウム(53.8g)、1,4-ジオキサン(1000ml)、水(100ml)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムとジクロロメタンとの錯体(7.5g)を2000mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に3回供し、次いで80℃に徐々に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮してほとんどの1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチルで希釈し、次いで炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、液分離に供し、水性相を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体101.5gを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.78 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.35 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 7.6, 1.1 Hz, 1H), 7.75 (td, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H), 7.68 (td, J = 7.5, 1.1 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6, 1.0 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.27 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.09-3.92 (m, 1H), 3.86 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 3.73 (t, J = 11.1 Hz, 1H), 3.35-3.03 (m, 2H), 2.77-2.65 (m, 1H), 1.91 (s, 3H), 1.46 (s, 9H), 1.38 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
ステップ2
前ステップの生成物(3.0g)及びジクロロメタン(30ml)を100mlの1ツ口フラスコに加え、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(12ml)をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色固体1.6gを得た。生成物をジクロロメタン(15ml)に溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(598mg)を加え、窒素保護下0℃に冷却し、次いで塩化アクリロイル(336mg)を含むジクロロメタン溶液(1ml)をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で30分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体1.2gを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.79 (s, 1H), 8.45 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 7.6, 0.8 Hz, 1H), 7.75 (td, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.67 (td, J = 7.5, 0.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 6.97-6.79 (m, 1H), 6.22 (dd, J = 16.6, 4.8 Hz, 1H), 5.78 (dd, J = 10.3, 2.2 Hz, 1H), 4.95 (s, 1H), 4.49-4.03 (m, 3H), 3.88-3.44 (m, 2H), 3.33-3.07 (m, 1H), 2.80-2.64 (m, 1H), 1.92 (s, 3H), 1.36 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.89 (d, J = 6.6 Hz, 3H); MS: m/z 571.2229, [M+H]+.
(実施例1-1)
実施例1の方法を参考にし、中間体3M及び中間体22を出発物質として使用して、化合物3-1MISを調製した。Rf:0.52(DCM:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質の中間体3M、2-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を珪藻土で濾過し、濾液を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、次いで液分離に供した。水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色固体を得、次の反応に使用した。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、氷点に冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して黄色固体を得、次の反応に使用した。上記生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下で冷却し、次いで18O-塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、塩化アンモニウムの水溶液を反応溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標的化合物を得た。
(実施例1-2)
実施例1の方法を参考にし、中間体4M及び中間体22を出発物質として使用して、化合物3-4MISを調製した。Rf:0.53(DCM:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質の中間体4M、2-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで徐々に加熱した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、次いで液分離に供した。水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色固体を得、これを次の反応に直接使用した。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、低温に冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水中にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固して、黄色固体を得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下低温に冷却し、次いで18O-塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標的生成物分子を得た。
(実施例1-3)
実施例1の方法を参考にし、中間体5M及び中間体22を出発物質として使用して、化合物3-2MISを調製した。Rf:0.51(DCM:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質の中間体、2-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に3回供し、次いで徐々に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮してほとんどの1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチルで希釈し、次いで炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、液分離に供し、水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して生成物を得、次の反応に使用した。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、低温に冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色固体を得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下で冷却し、次いで18O-塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液に注ぎ入れ、抽出し、酢酸エチルと合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物を得た。
(実施例1P)
実施例1の調製溶液を参考にし、中間体3Pを出発物質として使用して、化合物3-2Pを調製した。Rf:0.51(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質の中間体3P、2-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、次いで徐々に加熱し、窒素保護下で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮してほとんどの1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチルで希釈し、次いで炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、液分離に供し、水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色固体を得、次の反応に使用した。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固して、黄色固体を得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下で冷却し、次いで18O-塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
(実施例2)
ステップ1
tert-ブチル(S)-4-(6,7-ジクロロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(中間体3M)(4.0g)、2-フルオロ-6-ホルミルフェニルボロン酸(1.8g)、酢酸カリウム(2.2g)、1,4-ジオキサン(40ml)、水(4ml)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムとジクロロメタンとの錯体(596mg)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで90℃に徐々に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体3.4gを得た。
ステップ2
前ステップの生成物(700mg)及びジクロロメタン(7ml)を100mlの1ツ口フラスコに加え、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(3ml)をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固した。ジクロロメタン(7ml)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(882mg)を残渣中に加え、窒素保護下0℃に冷却し、次いで塩化アクリロイル(124mg)を含むジクロロメタン溶液(0.5ml)をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体600mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ (9.79, 9.76 (s, 1H)), 8.50 (s, 1H), 8.34 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 7.91-7.80 (m, 1H), 7.80-7.71 (m, 1H), 7.71-7.62 (m, 1H), 7.20-7.07 (m, 1H), 6.97-6.78 (m, 1H), 6.23 (d, J = 16.6 Hz, 1H), 5.78 (dd, J = 10.4, 1.8 Hz, 1H), 4.94 (s, 1H), 4.49-4.03 (m, 3H), 3.90-3.46 (m, 2H), 3.33-3.10 (m, 1H), 2.82-2.62 (m, 1H), (1.89, 1.88 (s, 3H)), 1.43-1.32 (m, 3H), 1.12-1.01 (m, 3H), 0.93-0.78 (m, 3H); MS: m/z 589.2127, [M+H]+.
(実施例2-1)
実施例2の調製溶液を参考にし、中間体3Mを出発物質として使用して、化合物3-3MISを調製した。Rf:0.53(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-フルオロ-6-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固した。ジクロロメタン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンを残渣中に加え、窒素保護下で冷却し、次いで18O-塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
(実施例2-2)
実施例2の調製溶液を参考にし、中間体3Mを出発物質として使用して、化合物3-7MISを調製した。Rf:0.50(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-フルオロ-6-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固した。ジクロロメタン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンを残渣中に加え、窒素保護下で冷却し、次いで18O-塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
(実施例2P)
実施例1の調製溶液を参考にし、中間体3Pを出発物質として使用して、化合物3-6Pを調製した。Rf:0.52(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-フルオロ-6-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固した。ジクロロメタン及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンを残渣中に加え、窒素保護下で冷却し、次いで塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。
(実施例3)
実施例1の調製溶液を参考にし、中間体8を出発物質として使用して、化合物3-17Mを調製した。Rf:0.50(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムとジクロロメタンとの錯体を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで徐々に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮してほとんどの1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチルで希釈し、次いで炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、液分離に供し、水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色固体を得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下0℃に冷却し、次いで塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
(実施例4)
実施例1の調製溶液を参考にし、中間体8を出発物質として使用して、化合物3-19Mを調製した。Rf:0.49(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムとジクロロメタンとの錯体を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで徐々に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮してほとんどの1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチルで希釈し、次いで炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、液分離に供し、水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色固体を得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下0℃に冷却し、次いで塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体生成物を得た。
(実施例5)
実施例1の調製溶液を参考にし、中間体3を出発物質として使用して、化合物3-2を調製した。Rf:0.48(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-ホルミルフェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで徐々に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮してほとんどの1,4-ジオキサンを除去し、酢酸エチルで希釈し、次いで炭酸カリウムの飽和水溶液を加え、液分離に供し、水性相を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固して、黄色固体を得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下で冷却し、次いで塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液中に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出し、合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
(実施例6)
実施例1の調製溶液を参考にし、中間体3を出発物質として使用して、化合物3-6を調製した。Rf:0.51(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を50mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタンを加え、窒素保護に供し、DIPEA及び塩化アクリロイルを滴下添加し、次いで室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、合わせ、塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムにより精製して、黄色固体を得た。
(具体例7)
実施例1の調製溶液を参考にし、化合物3-16Mを調製した。Rf:0.43(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
tert-ブチル(R)-(S)-4-(6,7-ジクロロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリド[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(550mg)、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸(240mg)、酢酸カリウム(296mg)、1,4-ジオキサン(5.5ml)、水(0.55ml)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムとジクロロメタンとの錯体(41mg)を50mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体235mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.41 (s, 1H), 8.35 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 7.6, 1.4 Hz, 1H), 7.75 (td, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H), 7.68 (td, J = 7.6, 1.4 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 7.6, 1.2 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.27 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.04-3.92 (m, 1H), 3.86 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.73 (t, J = 12.2 Hz, 1H), 3.31-3.08 (m, 2H), 2.76-2.67 (m, 1H), 1.91 (s, 3H), 1.46 (s, 9H), 1.38 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.7 Hz, 3H). MS: m/z 618.3, [M+H]+.
ステップ2
前ステップの生成物(220mg)及びジクロロメタン(2.2ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸(1.2g)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタン(2.2ml)を加え、窒素置換に供し、氷浴中DIPEA(276mg)及び塩化アクリロイル(49mg)をゆっくり滴下添加し、室温で0.5時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体165mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.44 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 7.6, 1.4 Hz, 1H), 7.75 (td, J = 7.6, 1.5 Hz, 1H), 7.68 (td, J = 7.6, 1.3 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 6.95-6.82 (m, 1H), 6.27-6.17 (m, 1H), 5.78 (dd, J = 10.4, 2.4 Hz, 1H), 4.94 (s, 1H), 4.48-4.02 (m, 3H), 3.85-3.45 (m, 2H), 3.32-3.10 (m, 1H), 2.76-2.66 (m, 1H), 1.92 (s, 3H), 1.36 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.7 Hz, 3H). MS: m/z 572.2310, [M+H]+.
(実施例7-1)
実施例1の方法を参考にし、中間体3M及び中間体22を出発物質として使用して、化合物3-5MISを調製した。Rf:0.51(DCM:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムとジクロロメタンとの錯体を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸をゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタンを加え、窒素置換に供し、氷浴中DIPEA及び18O-塩化アクリロイルをゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
(実施例7-2)
実施例1の方法を参考にし、中間体4M及び中間体22を出発物質として使用して、化合物3-8MISを調製した。Rf:0.50(DCM:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸をゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮し、ジクロロメタンを加え、窒素置換に供し、DIPEA及び18O-塩化アクリロイルをゆっくり滴下添加し、次いで撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
(実施例7-3)
実施例1の方法を参考にし、中間体5M及び中間体22を出発物質として使用して、化合物3-6MISを調製した。Rf:0.49(DCM:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
中間体、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、次いで加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、固体生成物を得た。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸をゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタンを加え、窒素置換に供し、氷浴中N,N-ジイソプロピルエチルアミン及び18O-塩化アクリロイルをゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標的生成物を得た。
(実施例8)
実施例1の調製溶液を参考にし、化合物3-28Mを調製した。Rf:0.42(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して薄色固体を得、次の反応に使用した。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸をゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタンを加え、窒素置換に供し、氷浴中DIPEA及び塩化アクリロイルをゆっくり滴下添加し、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物を得た。
(実施例9)
実施例1の調製溶液を参考にし、中間体4を出発物質として使用して、化合物3-14を調製した。Rf:0.43(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
出発物質、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を50mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して薄黄色固体を得、次の反応に使用した。
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、トリフルオロ酢酸をゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタンを加え、窒素置換に供し、氷浴中DIPEA及び塩化アクリロイルをゆっくり滴下添加し、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、標的生成物を得た。
(実施例10)
実施例1の調製溶液を参考にし、化合物3-6Bを調製した。Rf:0.42(CH2Cl2:MeOH=10:1)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ1
テトラヒドロフラン(50ml)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、塩化オキサリル(2.9g)をゆっくり滴下添加し、10分間撹拌し、2,5,6-トリクロロニコチンアミド(4.4g)を数回に分けて加え、45℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、テトラヒドロフラン(25ml)を加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、2-イソプロピル-4-エチルピリジン-3-アミン(2.1g)を含むテトラヒドロフラン溶液(18ml)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、水及び適切な量の炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えてpHが7~8になるよう調節し、次いでジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮して、ピンク色固体の粗生成物を得た。粗生成物を溶媒(110ml)と混合し、室温で1時間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥して、灰白色固体6.3gを得た。MS:m/z 415.1、[M+H]+
ステップ2
前ステップの生成物(6.3g)及びテトラヒドロフラン(160ml)を500mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、10~15℃に冷却し、LiHMDS(THF中1M、33.5ml)を滴下添加し、室温で2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。多量の固体が沈殿するまで濾液を濃縮し、MTBE(10ml)を加え、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥して、白色固体3.8gを得た。MS:m/z 379.1、[M+H]+
ステップ3
前ステップの生成物(3.8g)、テトラヒドロフラン(95ml)、DIPEA(7.8g)及び(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(2.0g)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中オキシ塩化リン(3.1g)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、15分間撹拌し、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(1.0g)を加え、30分間撹拌して反応させた。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮して、茶褐色固体5.7gを得た。MS:m/z 561.2、[M+H]+
ステップ4
前ステップの生成物(1.0g)、重水素化2-ホルミルフェニルボロン酸(0.3g)、酢酸カリウム(0.5g)、PdCl2(dppf)CH2Cl2(0.1g)、ジオキサン(10ml)及び水(1ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体876mgを得た。MS:m/z 632.3、[M+H]+
ステップ5
前ステップの生成物(876mg)及びジクロロメタン(10ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸(4.7g)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、30分間撹拌した。反応が完結した後、流動性が無くなるまで反応溶液を濃縮し、ジクロロメタン(10mL)を加え、氷浴中DIPEA(1.1g)及び塩化アクリロイル(188mg)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、20分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体535mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.49-8.43 (m, 1H), 8.41 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.75 (td, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H), 7.67 (td, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.18 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 6.95-6.82 (m, 1H), 6.28-6.17 (m, 1H), 5.78 (dd, J = 10.4, 2.3 Hz, 1H), 4.97 (s, 1H), 4.48-4.04 (m, 3H), 3.90-3.44 (m, 2H), 3.33-3.08 (m, 1H), 2.75-2.61 (m, 1H), 2.31-2.15 (m, 2H), 1.35 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 5.0 Hz, 3H), 0.98 (t, J = 7.6, 3H), 0.88 (d, J = 6.4 Hz, 3H). MS: m/z 586.2, [M+H]+.
(実施例11)
ステップ1
テトラヒドロフラン(50ml)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、塩化オキサリル(1.6g)をゆっくり滴下添加し、10分間撹拌し、2,5,6-トリクロロニコチンアミド(2.4g)を数回に分けて加え、45℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、流動性が無くなるまで反応溶液を濃縮し、テトラヒドロフラン(50ml)を加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、(3-アミノ-2-イソプロピルピリジン-4-イル)メタノール(1.5g)を含むテトラヒドロフラン溶液(10ml)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、水及び適切な量の炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えて水性相のpHが7~8になるよう調節し、10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥して、灰白色固体1.6gを得た。MS:m/z 417.0、[M+H]+
ステップ2
前ステップの生成物(1.1g)、イミダゾール(4.5g)、TBSCl(5.0g)及びDMF(30ml)を、250mlの3ツ口フラスコ中に加え、室温で10分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体1.2gを得た。
ステップ3
前ステップの生成物(1.2g)及びテトラヒドロフラン(50ml)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、10~15℃に冷却し、LiHMDS(1M THF、4.5ml)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体950mgを得た。
ステップ4
前ステップの生成物(950mg)、ジオキサン(20ml)、フッ化カリウム(5.0g)及び塩酸(1.5ml)を100mlの1ツ口フラスコ中に加え、室温で2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に水を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮乾固して、白色固体790mgを得た。
ステップ5
前ステップの生成物(790mg)及びジクロロメタン(20ml)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中DAST(617mg)をゆっくり滴下添加し、0℃で30分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮乾固して、白色固体680mgを得た。
ステップ6
前ステップの生成物(680mg)、DIPEA(1.4g)、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(355mg)及びテトラヒドロフラン(20ml)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中オキシ塩化リン(544mg)をゆっくり滴下添加し、常温で30分間撹拌し、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(177mg)を加え、常温で30分間連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体600mgを得た。MS:m/z 565.1、[M+H]+
ステップ7
前ステップの生成物(600mg)、2-ホルミルフェニルボロン酸(181mg)、酢酸カリウム(323mg)、Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(44mg)、ジオキサン(15ml)及び水(1.5ml)を、50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体520mgを得た。
ステップ8
前ステップの生成物(520mg)及びジクロロメタン(10ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸(2ml)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、30分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタン(10ml)を加えて溶解し、氷浴中DIPEA(2ml)及び塩化アクリロイル(111mg)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、20分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体350mgを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.82 (s, 1H), 8.65 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.91-7.84 (m, 1H), 7.68-7.59 (m, 2H), 7.32-7.29 (m, 1H), 7.24-7.17 (m, 1H), 6.74-6.56 (m, 1H), 6.44 (dd, J = 16.8, 1.9 Hz, 1H), 5.84 (dd, J = 10.4, 1.8 Hz, 1H), 5.43-4.28 (m, 5H), 4.08-3.56 (m, 3H), 3.38-3.02 (m, 1H), 2.88-2.64 (m, 1H), 1.64-1.44 (m, 3H), 1.22 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H). MS: m/z 589.2, [M+H]+.
(実施例12)
ステップ1
テトラヒドロフラン(50ml)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、塩化オキサリル(2.5g)をゆっくり滴下添加し、10分間撹拌し、2,5,6-トリクロロニコチンアミド(4.0g)を数回に分けて加え、45℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、流動性が無くなるまで反応溶液を濃縮し、テトラヒドロフラン(50ml)を加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、2,6-ジエチルアニリン(2.3g)を含むテトラヒドロフラン溶液(10ml)をゆっくり滴下添加し、室温で3時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、水及び適切な量の炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えて水性相のpHが7~8になるよう調節し、10分間撹拌し、濾過した。濾過ケーキを乾燥して、灰白色固体3.3gを得た。
ステップ2
前ステップの生成物(3.3g)及びテトラヒドロフラン(100ml)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、10~15℃に冷却し、LiHMDS(1M THF、18.1ml)を滴下添加し、室温で3時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮乾固して、茶褐色固体3.3gを得た。MS:m/z 364.0、[M+H]+
ステップ3
前ステップの生成物(3.3g)、DIPEA(9.3g)、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(1.8g)及びテトラヒドロフラン(20ml)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中オキシ塩化リン(5.5g)をゆっくり滴下添加し、常温で30分間撹拌し、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(900mg)を加え、常温で30分間連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体1.3gを得た。MS:m/z 546.2、[M+H]+
ステップ4
前ステップの生成物(1.3g)、2-ホルミルフェニルボロン酸(392mg)、酢酸カリウム(700mg)、Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(97mg)、ジオキサン(30ml)及び水(3ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体860mgを得た。
ステップ5
前ステップの生成物(860mg)及びジクロロメタン(10ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸(2ml)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、30分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタン(10ml)を加えて溶解し、水及び適切な量の炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えて水性相のpHが7~8になるよう調節し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮乾固して、茶褐色固体707mgを得た。反応溶液にジクロロメタン(10ml)を加えて溶解し、窒素置換に供し、氷浴中DIPEA(267mg)及び塩化アクリロイル(144mg)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、20分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に水を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体416mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 9.76 (s, 1H), 8.44 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 7.7, 1.4 Hz, 1H), 7.78-7.71 (m, 1H), 7.70-7.63 (m, 1H), 7.36-7.31 (m, 1H), 7.24 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.96-6.81 (m, 1H), 6.27-6.17 (m, 1H), 5.78 (dd, J = 10.4, 2.4 Hz, 1H), 4.99-4.86 (m, 1H), 4.48-4.00 (m, 3H), 3.84-3.43 (m, 2H), 3.32-3.04 (m, 1H), 2.29-2.11 (m, 4H), 1.34 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 0.97 (td, J = 7.6, 3.2 Hz, 6H). MS: m/z 570.2, [M+H]+.
(実施例13)
ステップ1
(R)-6,7-ジクロロ-1-(2-イソプロピル-4-メチルピリジン-3-イル)ピリジン[2,3-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(3g)、2-ホルミルフェニルボロン酸(1.9g)、酢酸カリウム(2.4g)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(709mg)及びジオキサン(30ml)を100mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、85℃に加熱し、4時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過し、濾液に飽和塩溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体3.6gを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.81 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.51 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.87-7.91 (m, 1H), 7.68-7.60 (m, 2H), 7.24-7.19 (m, 1H), 7.09 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.89-2.76 (m, 1H), 2.11 (s, 3H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.04 (d, J = 6.7 Hz, 3H). MS: m/z 435.1, [M+H]+.
ステップ2
前ステップの生成物(1.0g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.4g)、tert-ブチル(R)-3-(フルオロメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(753mg)及びテトラヒドロフラン(40ml)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中オキシ塩化リン(705mg)をゆっくり滴下添加し、室温に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体340mgを得た。1HNMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.82 (s, 1H), 8.47 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.25 (br s, 1H), 7.93-7.84 (m, 1H), 7.68-7.59 (m, 2H), 7.25-7.19 (m, 1H), 7.07 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 5.25-4.65 (m, 3H), 4.45-4.18 (m, 3H), 3.91-3.67 (m, 1H), 3.52-3.12 (m, 2H), 2.78-2.64 (m, 1H), 2.05 (s, 3H), 1.53 (s, 9H), 1.24 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.03 (d, J = 6.7 Hz, 3H). MS: m/z 635.3, [M+H]+.
ステップ3
前ステップの生成物(340mg)及びジクロロメタン(5ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸(1.2ml)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、ジクロロメタン(20ml)を加え、窒素置換に供し、適切な量のDIPEAを滴下添加してpHが7~8になるよう調節し、塩化アクリロイル(54mg)を氷浴中でゆっくり加え、0℃で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に飽和塩化アンモニウムの水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体291mgを得た。MS:m/z 589.2、[M+H]+
(実施例14)
ステップ1
テトラヒドロフラン(20ml)を50mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、塩化オキサリル(1.3g)をゆっくり滴下添加し、10分間撹拌し、2,5,6-トリクロロニコチンアミド(2.0g)を数回に分けて加え、45℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、流動性が無くなるまで反応溶液を濃縮し、テトラヒドロフラン(15ml)を加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、4,6-ジイソプロピルピリジン-5-アミン(1.1g)を含むテトラヒドロフラン溶液(10ml)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を水でクエンチし、濃縮してテトラヒドロフランを除去し、炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えて水性相のpHが7~8になるよう調節し、常温で10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥して、灰白色固体2.6gを得た。MS:m/z 430.1、[M+H]+
ステップ2
前ステップの生成物(2.6g)及びテトラヒドロフラン(100ml)を250mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、10~15℃に冷却し、LiHMDS(1M THF、13.6ml)をゆっくり滴下添加し、室温で3時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。多量の固体が沈殿するまで濾液を濃縮し、メチルtert-ブチルエーテル(3ml)を加え、常温で10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥して、白色固体1.7gを得た。MS:m/z 394.1、[M+H]+
ステップ3
前ステップの生成物(1.7g)、テトラヒドロフラン(45ml)、DIPEA(3.3g)及び(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(861mg)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中オキシ塩化リン(1.3g)をゆっくり滴下添加し、常温で30分間撹拌し、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(430mg)を加え、30分間撹拌し、次いで塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮して、茶褐色固体2.5gを得た。MS:m/z 576.2、[M+H]+
ステップ4
前ステップの生成物(1.5g)、2-ホルミルフェニルボロン酸(435mg)、酢酸カリウム(765mg)、Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(245mg)、1,4-ジオキサン(15ml)及び水(1.5ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体1.3gを得た。MS:m/z 646.3、[M+H]+
ステップ5
前ステップの生成物(800mg)及びジクロロメタン(10ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸(4.1g)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、30分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、NaHCO3の飽和水溶液を加えて水性相のpHが7~8になるよう調節し、次いで酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。多量の固体が沈殿するまで濾液を濃縮し、MTBE(5ml)を加え、常温で10分間撹拌し、次いで濾過した。濾過ケーキを乾燥した。乾燥した濾過ケーキ及びジクロロメタン(10ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、氷浴中DIPEA(930mg)及び塩化アクリロイル(163mg)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、20分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体470mgを得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 9.78 (s, 1H), 9.01 (s, 1H), 8.48 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.97 (dd, J = 7.6, 1.0 Hz, 1H), 7.77 (td, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.69 (td, J = 7.5, 0.9 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.2, 1H), 6.96-6.81 (m, 1H), 6.27-6.17 (m, 1H), 5.78 (dd, J = 10.4, 2.2 Hz, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.46-4.07 (m, 3H), 3.92-3.46 (m, 2H), 3.33-3.10 (m, 1H), 2.81-2.65 (m, 2H), 1.36 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.7 Hz, 6H), 0.92-0.86 (m, 6H). MS: m/z 600.3, [M+H]+.
(実施例15)
ステップ1
テトラヒドロフラン(20ml)を50mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、塩化オキサリル(1.3g)をゆっくり滴下添加し、10分間撹拌し、2,5,6-トリクロロニコチンアミド(2.0g)を数回に分けて加え、55℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、流動性が無くなるまで反応溶液を濃縮し、テトラヒドロフラン(15ml)を加え、窒素置換に供し、-5℃に冷却し、4-((ジメチルアミノ(メチル)-2-イソプロピルピリジン-3-アミン(1.5g)を含むテトラヒドロフラン溶液(8ml)をゆっくり滴下添加し、室温で1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、白色固体2.2gを得た。MS:m/z 444.1、[M+H]+
ステップ2
前ステップの生成物(1.8g)及びテトラヒドロフラン(50ml)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、10℃に冷却し、LiHMDS(THF中1M)を滴下添加し、室温で2時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、灰白色固体1.2gを得た。MS:m/z 408.1、[M+H]+
ステップ3
前ステップの生成物(1.2g)、テトラヒドロフラン(30ml)、DIPEA(2.3g)及び(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(588mg)を100mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中オキシ塩化リン(901mg)をゆっくり滴下添加し、室温で30分間撹拌し、(S)-4-N-t-Boc-2-メチルピペラジン(294mg)を加え、30分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、灰白色固体1.7gを得た。MS:m/z 590.2、[M+H]+
ステップ4
前記の生成物(1.6g)、2-ホルミルフェニルボロン酸(455mg)、酢酸カリウム(813mg)、Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(112mg)、1,4-ジオキサン(20ml)及び水(2ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、1時間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体1.1gを得た。MS:m/z 660.3、[M+H]+
ステップ5
前ステップの生成物(1.1g)及びジクロロメタン(20ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、氷浴中トリフルオロ酢酸(5.7g)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、20分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を濃縮乾固し、炭酸ナトリウムの飽和水溶液を加えて水性相のpHが7~8になるよう調節し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、灰白色固体800mgを得た。灰白色固体をジクロロメタン(10ml)に溶解し、氷浴中DIPEA(1.1g)及び塩化アクリロイル(190mg)をゆっくり滴下添加し、30℃に加熱し、20分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、茶褐色固体465mgを得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.83 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.91-7.85 (m, 1H), 7.66-7.60 (m, 2H), 7.44-7.31 (m, 1H), 7.19-7.13 (m, 1H), 6.74-6.55 (m, 1H), 6.44 (dd, J = 16.6, 1.0 Hz, 1H), 5.84 (dd, J = 10.4, 1.4 Hz, 1H), 5.22-4.28 (m, 3H), 4.12-3.55 (m, 3H), 3.35-3.06 (m, 3H), 2.82-2.64 (m, 1H), 2.17-1.96 (m, 6H), 1.61-1.46 (m, 3H), 1.22 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.04 (d, J = 6.4 Hz, 3H). MS: m/z 614.3, [M+H]+.
対照化合物TM-1の調製:
ステップ1
中間体3M(2.23g)、2-アセトノフェニルボロン酸(1.2g)、酢酸カリウム(2.3g)、1,4-ジオキサン(50ml)、水(2.5ml)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(307mg)を100mlの1ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、90℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄色固体830mgを得た。MS:m/z 631.3、[M+H]+
ステップ2
前ステップの生成物(830mg)、ジクロロメタン(20ml)及びトリフルオロ酢酸(5ml)を50mlの1ツ口フラスコ中に加え、滴下添加後、室温で撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を0℃に冷却し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液をゆっくり加えてpHを弱アルカリ性に調節し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固した。ジクロロメタン(30ml)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(476mg)を濃縮物中に加え、窒素保護下0℃に冷却し、塩化アクリロイル(121mg)を含むジクロロメタン溶液(5ml)をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、30分間撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせ、飽和塩溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体TM-1(420mg)を得た。MS:m/z 585.4、[M+H]+
以下の化合物を、文献米国特許第20190374542号及び国際公開特許第2020050890号に従い調製した:
AMG510と比較して、合成及び調製における本発明の化合物の利点は以下の通り要約される:
特許文献国際公開特許第2020102730号の65頁において、AMG510の工業的生産方法が記載されており、ここでは主要な「炭素-炭素結合構築」反応が以下の方式で行われている。
「炭素-炭素結合構築」のSuzuki反応は、AMG510製造のコアステップであり、その反応効率及び特異性は、AMG510不純物の生成及び制御戦略に関係している。Suzuki反応には3つのキーテクニカルポイントが存在する:(1)Suzuki反応は触媒を使用する;(2)Suzuki反応の温度;及び(3)Suzuki反応に使用される出発材料。
本発明の化合物(例えば、化合物3-2M)の調製のために使用されるSuzuki反応の出発材料は、芳香族ホウ酸出発材料(すなわち、化合物BOH)であり、その一方で使用されるAMG510の出発材料は芳香族ホウフッ化カリウム出発材料(すなわち、化合物BFK)である。
化合物BFKは、以下の方法(国際公開特許第2020102730号の72頁に記録)を使用して、事前に調製する必要がある:
AMG510を調製し、Suzuki反応に対してBFKを使用するプロセスにおいて、フッ化水素が生成され得るが、これは腐食性及び毒性があり、ガラス及びカーボンスチール装置を腐蝕し、周辺環境に重大な影響を引き起こす可能性がある。一方では、生産コストは増加する。他方では、不純物、例えば、腐食装置により生成される重金属により、予測できない危険性が、AMG510バルク薬物製品の品質管理にもたらされる。
しかし、本発明の化合物の調製の主要ステップであるSuzuki反応は、BOHを原料として使用し、「ホウ酸中間体」を「ホウフッ化カリウム(potassiu fluoborate)」中間体に変換する必要がなく、これによって、装置の腐食により引き起こされるコストの増加、及び重金属などの不純物により引き起こされる品質管理の危険性を回避することができる。したがって、AMG510の類似の調製ステップと比較して、本発明の化合物の合成のSuzuki反応ステップは産業上の利用可能性においてより多くの利点を有する。
生物学的試験
1.細胞増殖阻害活性
細胞増殖阻害活性IC50値の決定:
急激な成長期のMIA PaCa-2細胞をトリプシン-EDTAで消化し、ウェル1個当たり2000~3000個の細胞を96ウェルプレートにプレーティングし、37℃で、5%CO2と共に一晩インキュベートした。試験化合物をDMSOと共に母液として調製し、DMEM成長培地を用いて、濃度勾配で希釈し、96-ウェルプレートに加え、5%CO2インキュベーター内で、37℃で72時間インキュベートした。インキュベーション後、等量の細胞Titer-Glo検出試薬を各ウェルに加え、振盪後にインキュベートし、化学発光値をマイクロプレートリーダーにより測定し、GraphPad Prismソフトウエアにより、MIA PaCa-2細胞増殖の阻害に対するIC50値をフィットさせ、計算した。
「A」は、IC50値(nM)が50未満であることを表す;「B」は、IC50値(nM)が50~150(150は除く)の間であることを表す;「C」はIC50値(nM)が150~300の間であることを表す;「D」はIC50値(nM)が300を超えることを表す。
いくつかの代表的な本発明の化合物の細胞阻害活性は以下の通りである。
3-2、3-6、3-2M、3-6M、3-17M、及び3-19Mは、KRAS G12C突然変異体細胞MIA PaCa-2に対して有意な細胞増殖阻害活性を示した。
2.細胞増殖阻害活性
細胞増殖阻害活性IC50値の決定:
急激な成長期のNCI-H358細胞をトリプシン-EDTAで消化し、ウェル1個当たり2000~3000個の細胞で96ウェルプレートにプレーティングし、37℃で、5%CO2と共に一晩インキュベートした。試験化合物をDMSOと共に母液として調製し、RPMI 1640成長培地を用いて、濃度勾配で希釈し、96ウェルプレートに加え、5%CO2インキュベーター内で、37℃で72時間インキュベートした。インキュベーション後、等量の細胞Titer-Glo検出試薬を各ウェルに加え、振盪後にインキュベートし、化学発光値をマイクロプレートリーダーにより測定し、GraphPad Prismソフトウエアにより、NCI-H358細胞増殖の阻害に対するIC50値をフィットさせ、計算した。
「A」は、IC50値(nM)が50以下であることを表す;「B」はIC50値(nM)が50を超えることを表す。
実験結果は以下を示した:化合物3-2、化合物3-6、化合物3-16M、化合物3-28M、化合物3-14、化合物3-6B、化合物3-2M、及び化合物3-6Mは、KRAS G12C突然変異体細胞NCI-H358に対する有意な細胞増殖阻害活性を示した。
軸性キラルR-立体配置を有する化合物3-2MのH358に対する細胞増殖阻害活性は、軸性キラルS-立体配置を有するその対応する化合物3-2Pの阻害活性よりも有意に良く、R-立体配置を有する化合物3-2Mの細胞増殖阻害活性は、軸性キラルS-立体配置を有するその対応する化合物3-2Pの阻害活性より5倍良かった。
軸性キラルR-立体配置を有する化合物3-6Mの細胞増殖阻害活性は、軸性キラルS-立体配置を有する対応する化合物3-6Pの阻害活性より有意に良かった。
3.細胞増殖阻害活性
H358細胞の増殖活性に対する化合物の阻害作用を生物学的試験2の方法を参照して試験し、結果は以下の通りであった:
「A」はIC50値(nM)が50未満であることを表す;「B」はIC50値(nM)が50を超えることを表す。
実験結果は以下を示した:化合物3-1MIS、化合物3-2MIS、化合物3-3MIS、化合物3-4MIS、化合物3-5MIS、化合物3-6MIS、化合物3-7MIS、及び化合物3-8MISは、KRAS G12C突然変異体細胞H358に対して有意な細胞増殖阻害活性を示した。
4.化合物の予備安全性試験
試験用試料:化合物3-2M及び化合物3-6M。
動物の種及び数:Balb/c;1グループ当たり動物3匹。
投与モード:強制経口投与。
動物のグループ分け及び投与用量:溶媒ブランクグループ及び化合物3-2Mグループ(400mg/kg、800mg/kg);化合物3-6Mグループ(400mg/kg、800mg/kg)。
投与頻度:1日1回、及び3日間の投与。
試験手順:
試験結果:化合物3-2M及び化合物3-6Mの投与期間の間、すべての用量グループの動物は正常に水及び餌を摂取し、正常な活動及び正常な体重を有し、明らかな異常な行動はなかった。化合物3-2M及び化合物3-6Mの最大耐用量は800mg/kgを超えることが仮に示唆された。
5.ヌードマウスにおけるCDXモデルの薬力学的試験
モデルの確立及び投薬溶液:
動物の種及び数:Balb/cヌード。
試験用試料:化合物3-2M及び化合物3-6M。
試験グループ:ブランク溶媒対照群;化合物3-2M(10mg/kg、QD×15日)、及び化合物3-6M(10mg/kg、QD×15日)。
動物モデルの確立:MIA-paca-2細胞をin vitroで培養し、ヌードマウスの背中の右側に皮下接種し、腫瘍保持ヌードマウスをランダムにグループ分けした。続いて、動物の各グループに投与し、最初の投与の日を試験の1日目と定義した。
投与経路及び頻度:強制経口投与;及び1日1回。
全般的状態観察:観察時間及び頻度:1日1回;観察指標又は内容:局所的投与、動物の外観及び徴候、全般的な挙動活性、精神的状態、死亡及び他の異常な所見を含むが、これらに限定されない。動物は試験の終わりに安楽死させた。
腫瘍容積の計算:V=1/2×長い直径×短い直径2(mm3)。腫瘍成長阻害比TGI(%)を使用して、化合物の腫瘍抑制有効性を評価した。TGI(%)=[1-(処置グループの投与終了時の平均腫瘍容積-処置グループの投与開始時の平均腫瘍容積)/(対照群の投与終了時の平均腫瘍容積-対照群の投与開始時の平均腫瘍容積)]×100%。
「+」は腫瘍抑制比が60%未満であることを表す;「++」は腫瘍抑制比が60%~80%の間であることを表す;「++++」は腫瘍抑制比が80%を超えることを表す。
試験結果:
(1)化合物3-2M及び化合物3-6Mは、ヌードマウスにおいて膵臓がんMIA-paca-2細胞の皮下移植した腫瘍成長の有意な阻害を示した、並びに
(2)投与試験期間において、実験動物は正常に食物及び水を摂取し、正常な活動、及び正常な体重を有し、毒性は示さなかった。
6.in vitroでの単離された心臓潅流試験
試験方法:ランゲンドルフ単離された灌流心臓試験化合物の、心電図に対する影響、本試験で使用した試験方法は以下の通りであった:
試験化合物:化合物3-2M及び特許国際公開特許第2018217651号の実施例41の化合物(すなわち、AMG510)。
試験結果:
「A」は心拍数が5%未満低減していることを表す;
「B」は心拍数が5%以上、ただし15%未満低減していることを表す;及び
「C」は心拍数が15%以上低減していることを表す。
本試験は以下を示した:本発明の化合物3-2Mは、単離した心臓の心拍数に対して明らかな作用はなく、AMG510は、心拍数の減少に有意な作用があった。本発明の化合物3-2Mは、心臓安全性の点からAMG510より優れた利点を有する。
7.NCI-H358細胞の増殖活動阻害に対する化合物の試験
生物学的試験2の方法を参照して、NCI-H358細胞の増殖活動に対する化合物の阻害作用を試験し、結果は以下の通りであった。
「A」はIC50値(nM)が50未満であることを表す;「B」はIC50値(nM)が50~150の間であることを表す;及び「C」はIC50値(nM)が150を超えることを表す。
実験結果は以下を示した:化合物3-6B、化合物3-28、化合物3-29、化合物3-31、及び化合物3-32は、KRAS G12C突然変異体細胞NCI-H358に対する有意な細胞増殖阻害活性を示した。
8.ヌードマウスにおける腫瘍細胞NCI-H358の異種移植片腫瘍モデルの薬力学試験
モデルの確立及び投薬溶液:
動物種及び数:Balb/cヌード;1グループ当たり動物6匹。
試験用試料:化合物3-2M、化合物3-16M、TM-1、TM-3、及びAMG510(購入により入手)。
試験グループ:ブランク溶媒対照群;化合物3-2M(100mg/kg、QD×15日)、化合物3-16M(100mg/kg、QD×15日)、TM-1(100mg/kg、QD×15日)、TM-3(100mg/kg、QD×15日);及びAMG510(100mg/kg、QD×15日)。
動物モデルの確立:対数増殖期のNCI-H358腫瘍細胞を培養し、in vitroで収集し、ヌードマウスの背中の右側に5×106細胞/各マウスの量を皮下接種し、腫瘍容積が150~300mm3に増大した時点で腫瘍保持するヌードマウスをランダムにグループ分けした。続いて、動物の各グループに投与し、最初の投与の日を試験の1日目と定義した。
投与経路及び頻度:強制経口投与;及び1日1回。
全般的状態観察:観察時間及び頻度:1日1回;観察指標又は内容:これらに限定されないが、局所的投与、動物の外観及び徴候、全般的な挙動活動、精神的な状態、死亡及び他の異常な所見を含む。試験の終了時に動物は安楽死させた。
腫瘍容積計算:V=1/2×長い直径×短い直径2(mm3)。腫瘍成長阻害比TGI(%)を使用して、化合物の腫瘍抑制の有効性を評価した。TGI(%)=[1-(処置グループの投与終了時の平均腫瘍容積-処置グループの投与開始時の平均腫瘍容積)/(対照群の投与終了時の平均腫瘍容積-対照群の投与開始時の平均腫瘍容積)]×100%。
「+」は腫瘍抑制比が60%未満であることを表す;「++」は腫瘍抑制比が60%~100%の間であることを表す;「+++」は腫瘍抑制比が101%~140%の間であることを表す;及び「++++」は、腫瘍抑制比が140%を超えることを表す。
試験結果:化合物3-2M及び化合物3-16Mは、ヌードマウスにおける肺がんNCI-H358細胞の皮下移植された腫瘍成長に対して有意な阻害作用を示し、化合物3-2M及び化合物3-16Mは、投与用量100mg/kgにおいて、AMG510、TM-1及びTM-3より良い腫瘍阻害作用を示した。
9.NCI-H358の細胞増殖阻害活性IC50値[3Dモデル試験]:
100μlの高濃度アガロースゲルを、底部アガロースゲル層として96ウェルプレート内に拡散した;低濃度アガロース及び細胞を含有する成長培地を混合し、底部アガロースゲル層上に拡散し、冷却し、固化し、37℃で一晩インキュベートした。試験化合物を、DMSOを有する母液へと調製し、RPMI 1640成長培地を用いて、濃度勾配で希釈し、異なる濃度を有する試験化合物の勾配希釈溶液を上側のアガロースゲル細胞を含有する96ウェルに加え、溶媒対照ウェルをセットし、培養用の二酸化炭素インキュベーター内に配置した。その期間の間、薬物含有培地は細胞成長を観察するように変えた。培養後、細胞をNBTで染色し、コロニー形成の数をカウントし、化合物が細胞増殖を阻害するIC50値を得た。
化合物3-2M及び化合物3-16Mは、KRAS G12C突然変異体細胞NCI-H358に対して有意な細胞増殖阻害活性を示し、阻害活性はAMG510より良かった。
10.電気生理学的マニュアルパッチクランプによる、hERGカリウムチャネルに対する化合物の検出作用
試験溶液の調製:試験化合物3-16Mの溶液を、従来の超音波及び振動に供して、化合物の完全な溶解を確実にした。
細胞培養物:細胞株は、hERGカリウムチャネルに過剰発現したHEK-293細胞から誘導した。細胞を5%CO2インキュベーター内、37℃で培養した。細胞密度がペトリ皿の80%に到達したら、細胞をリン酸緩衝液(PBS)で予め洗浄し、次いでトリプシン/EDTAで消化し、細胞培養培地を加えて、消化を停止した。細胞をピペットで穏やかにブローし、遠心管に移し、1000rpmで遠心分離し、上澄み液を注ぎ出し、次いで細胞培養培地を加えた。細胞を穏やかにブローし、均一に混合し、次いでペトリ皿に移して、継代培養するか、又は細胞をラウンドスライド上に滴下し、ペトリ皿に配置して、試験のために細胞を壁に接着させた。
電気生理マニュアルパッチクランプシステム試験により計算した化合物のhERG IC50値は以下の通りであった:
化合物3-16Mは、試験濃度範囲(IC50>100μM)においてhERGカリウムチャネルに対する遮断作用を有さなかった。しかし、化合物3-16Mは、文献(The New England Journal of Medicine, 2020; 383: 1207~1217頁; DOI:10.1056/NEJMoa1917239)の付録の支援情報資料(23頁)において、hERGに対するAMG510のIC50値が54.8μMであることが記録されていた。化合物3-16MはAMG510より良い潜在的心臓安全性を有した。
11.治療上の安全窓の分析
化合物3-2M及び3-6M、用量400mg/kg~800mg/kgに対する、3日間の連続的投薬試験において、すべての用量グループの動物は、有意な異常なしで、餌及び水を正常に摂取し、正常に活動し、正常な体重を有したことが連続的な投薬安全性試験により明らかとなった。
他方では、in vivoでの薬力学的試験により、化合物3-2M及び3-6Mの腫瘍抑制開始用量は10mg/kg未満であり、これらの化合物は幅広い治療上の安全窓(有毒性用量の開始用量に対する比は80倍を超えた)を有し、用途に対して、有意な可能性を有することが明らかとなった。
12.2週間繰り返した投薬安全性試験
試験用試料:化合物3-29;化合物3-16M;及び化合物3-32。
動物の種及び数:SDラット;1グループ当たりラット6匹(半分は雄、半分は雌)。
投与モード:強制経口投与。
動物グループ分け及び投与用量:溶媒ブランクグループ及び化合物3-29グループ(400mg/kg);化合物3-16Mグループ(400mg/kg);並びに化合物3-32グループ(400mg/kg)。
投与頻度:1日1回及び14日間の投与。
試験手順:
投与後に、有毒性反応をケージにより4時間観察し、明らかな異常な行動を有する動物に対して、詳細な臨床所見を行った。試験期間の間、1日2回の全般的臨床所見を含んだ(朝1回及び午後1回)。死亡、病的状態、呼吸、分泌物、排泄物、食事、飲み水の摂取、及び他の状態を観察し、投与の間のラットの体重変化を記録した。詳細な臨床所見には、挙動活動、皮膚、被膜、眼、耳、鼻、腹部、外部の生殖器、肛門、四肢、足、及び呼吸が含まれたがこれらに限定されなかった。投与後、各グループの動物を安楽死させ、すべての動物を解剖し、肉眼で観察した。
試験結果:化合物3-29、化合物3-16M、及び化合物3-32の投与期間(14日)の間、すべての用量グループの動物は正常に水及び餌を摂取し、正常な活動及び正常な体重を有し、明らかに異常な行動はなかった。
13.化合物3-2Mのカプセル剤製品に対する予備研究
製剤組成:
カプセル剤の調製方法:
秤量した化合物3-2M、マンニトール及びカルボキシメチルナトリウムデンプンを混合のために湿式ミキサー造粒機に加えた;精製水との撹拌状態下で、適正な量のデンプンをゆっくりと加え、撹拌し、均一に分散して、結合剤-デンプンスラリーを調製した。湿式ミキサー造粒機を使用して、撹拌スピード及び剪断スピードを制御し、デンプンスラリーをゆっくりと加え、撹拌し、剪断して、軟質材料を調製した。振動造粒機内で24-メッシュ篩を使用して、調製した軟質材料を粒状化して、湿った粒剤を得た。湿った粒剤を流動床造粒機に加えて、乾燥粒剤を得た。造粒のため、乾燥粒剤をスイング造粒機で篩い分けし、粒状化した粒剤を秤量した。粒状化した粒剤を三次元マルチ方向モーションミキサーに加え、次いで、混合後、ステアリン酸マグネシウムを加え、ブレンドして、ブレンドした粒剤を得た。ブレンドした全部の粒剤を、ストウワーを使用してNo.1ゼラチン中空カプセル剤に充填し、条件を満たしたカプセル剤をスクリーニングして、パッケージされることになるカプセル剤を調製した。
きちんとした外観のカプセル剤試料が得られ、カプセル剤製品の含有量の均一性は必要条件(A+2.2S≦15)を満たした;カプセル剤製品の累積的溶解度は、2.0pHを有する溶解媒体内で、1時間以内で75%を超えた。
(式中、Xは窒素原子又はCR4であり、Yは窒素原子又はCR5であり、
R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
R15aは水素又は重水素であり、
R6a、R6b、R6c及びR6d 、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
R7はフッ素又は塩素であり、
R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
構造セグメント
191-4を出発物質として使用し、化学反応により変換して、AL-BDを得た。(文献Organic Letters(2018)、20(7)、1712~1715頁; Synlett(2020)、31(7)、699~702頁; Organic Letters(2019)、21(7)、2231~2235頁; Organometallics(2019)、38(1)、119~128頁; Journal of the American Chemical Society(2021)、143(1)、53~59頁を参照)。具体的な調製方法は以下の通りであった:
ステップ2
前ステップの生成物及びジクロロメタンを1ツ口フラスコ中に加え、冷却し、トリフルオロ酢酸をゆっくり加え、添加後、室温で連続的に撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を氷水にゆっくり加え、酢酸エチルで1回抽出した。有機相を廃棄し、水性相を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpHが7~8になるまで調節し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせ、塩化ナトリウムの飽和水溶液で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮乾固して、黄色固体を得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え、窒素保護下で冷却し、次いで塩化アクリロイルを含むジクロロメタン溶液をゆっくり滴下添加し、滴下添加後、室温で撹拌した。反応溶液を塩化アンモニウムの飽和水溶液に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
ステップ1
出発物質、(2-フルオロ-6-ホルミルフェニル)ボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を50mlの3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、薄黄色固体を得た。
ステップ1
出発物質、2-(重水素化アルデヒド)フェニルボロン酸、酢酸カリウム、1,4-ジオキサン、水及びパラジウム触媒を3ツ口フラスコ中に加え、窒素置換に供し、80℃に加熱し、撹拌した。反応が完結した後、反応溶液を室温に冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して固体を得、次の反応に使用した。

Claims (17)

  1. 式(I)
    (式中、Uは窒素原子又はCRUであり、RUは水素又は重水素であり、
    Mは酸素原子又は硫黄原子であり、
    Xは窒素原子又はCR1であり、Yは窒素原子又はCR2であり、Zは窒素原子又はCR3であり、
    Eは窒素原子又はCR11であり、Wは窒素原子又はCR12であり、Gは窒素原子又はCR13であり、Jは窒素原子又はCR14であり、
    Ra及びRbは、それぞれ独立して、水素、重水素又はハロゲンであり、
    Rd及びReは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル、重水素化アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、スルフリル、スルホンアミド、炭素アミド、アルケニル又はアルキニルであり、
    環Aは5~7員窒素含有ヘテロシクリルであり、
    R1、R2、R3、R11、R12、R13、R14、R17a、R17b、R17c、R17d、R17e、R17f、R17g、及びR17hは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
    R15aは水素又は重水素であり、
    Qは-C(O)-、-C(S)-、-S(O)-、又は-S(O)2-であり、
    Tは酸素原子又は硫黄原子であり、
    Lはアルキニル、アルケニル、重水素化アルキニル、重水素化アルケニル、クロロアルケニル、又はハロアルキルである)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  2. 以下の構造セグメント:
    が、以下の基:
    から選択され、
    環Aが、以下の基:
    から選択され、
    が、以下の基:
    から選択され、
    が、以下の基:
    から選択される、請求項1に記載の式(I)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  3. 式(II)
    (式中、Xは窒素原子又はCR4であり、Yは窒素原子又はCR5であり、
    Uは窒素原子又はCRUであり、RUは水素又は重水素であり、
    R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
    R15aは水素又は重水素であり、
    R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
    R7はフッ素又は塩素であり、
    R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  4. 式(III)
    (式中、Xは窒素原子又はCR4であり、及びYは窒素原子又はCR5であり;
    R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
    R15aは水素又は重水素であり、
    R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
    R7はフッ素又は塩素であり、
    R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  5. 以下の化合物、
    又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  6. 以下の化合物、
    又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  7. 以下の化合物、
    又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  8. 以下の化合物、
    又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  9. 式(IIIM)
    (式中、環Eの1位の窒素原子を、環Fの1'位の炭素原子に結合することにより形成される軸性キラル立体配置は光学的に純粋であり、
    Xは窒素原子又はCR4であり、Yは窒素原子又はCR5であり、
    R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R3a、R3b、R3c、R4、R5、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
    R15aは水素又は重水素であり、
    R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
    R7はフッ素又は塩素であり、
    R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  10. 式(IIIM-1)
    (式中、
    R1、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R11、R12、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素、重水素、アルキル又は重水素化アルキルから選択され、
    R15aは、水素又は重水素であり、
    R6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R6f、R6g、及びR6hは、それぞれ独立して、水素、重水素、メチル又はトリ重水素化メチルから選択され、
    R7は、フッ素又は塩素であり、
    R8、R9、及びR10は、それぞれ独立して、水素、重水素又はフッ素から選択され、
    R17は、水素、重水素、メチル、エチル、重水素化メチル又は重水素化エチルであり、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択され、
    構造セグメント
    は、以下の構造:
    から選択される)で表される化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  11. 以下の化合物、
    又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  12. 軸性キラル立体配置をR立体配置として有する以下の化合物、
    又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩。
  13. 軸性キラル立体配置をR立体配置として有する以下の化合物、
    又はその互変異性体若しくは薬学的に許容される塩。
  14. 以下の化合物、
    又はその立体異性体、互変異性体、若しくは薬学的に許容される塩。
  15. 有効用量の、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、若しくはその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  16. KRAS G12C、HRAS又はNRASの突然変異により媒介されるがんに関係した疾患を予防及び/又は処置するための医薬の調製における、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項15に記載の医薬組成物の使用であって、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項15に記載の医薬組成物が、単独で、又はKRAS G12C、HRAS若しくはNRASの突然変異により媒介されるがんに関係した疾患を予防及び/若しくは処置するための免疫療法を含む他の治療方法と組み合わせて使用されることが可能であることを含む、使用。
  17. KRAS機能に関係した様々ながん疾患が、肝臓がん、食道がん、胃がん、腎細胞がん、肉腫、胆管がん、結腸がん、前立腺がん、卵巣がん、乳がん、血液がん、膵臓がん、MYH関連ポリープがん、直腸結腸がん又は肺がんである、請求項16に記載の使用。
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