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JP2023502531A - 多形カルバゾール誘導体およびその使用 - Google Patents

多形カルバゾール誘導体およびその使用 Download PDF

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JP2023502531A JP2022530741A JP2022530741A JP2023502531A JP 2023502531 A JP2023502531 A JP 2023502531A JP 2022530741 A JP2022530741 A JP 2022530741A JP 2022530741 A JP2022530741 A JP 2022530741A JP 2023502531 A JP2023502531 A JP 2023502531A
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イケナ オンコロジー, インコーポレイテッド
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Abstract

本発明は、アリール炭化水素受容体(AHR)の阻害剤として作用する小分子治療薬の投与によって、AHRが関係する様々な状態を処置するのに有用な遊離塩基および塩形態、ならびにその組成物および方法を提供する。本発明によって提供される化合物はまた、生物学的および病理学的現象におけるAHRの研究、細胞内シグナル伝達経路の研究、および新しいAHR阻害剤のin vitroまたはin vivoでの比較評価のために有用である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法§119(e)の下で、2019年11月26日出願の米国仮特許出願第62/940,481号の利益を主張するものであり、この米国仮特許出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本出願は、アリール炭化水素受容体(AHR)の阻害剤として作用する小分子治療薬の投与によって、AHRが関係する様々な状態を処置するのに有用な様々な形態および組成物、ならびに方法に関する。
発明の背景
アリール炭化水素受容体(AHR)は、リガンドを伴わずに、HSP90に結合して、細胞質において不活性状態で存在する転写因子である。AHRは、リガンドと結合すると核に移行し、そこでARNTと二量体化して機能的転写因子を形成する。AHR/ARNTは、多くの遺伝子のプロモーターにおけるダイオキシン応答エレメント(DRE)と結合し、そこで遺伝子転写をモジュレートする。最もよく報告されている、AHRによって調節される遺伝子は、チトクロムP450遺伝子Cyp1b1およびCyp1a1であり、AHRが活性化されると、これらの遺伝子の発現が大幅に増大する。したがって、Cyp1b1およびCyp1a1のmRNAレベルは、AHR活性化の選択的な読み出し情報である(Murray et al., 2014に総説されている)。
受容体を活性化する、AHRの多くの外因性および内因性アゴニストが存在する。最もよく特徴付けられた外因性リガンドクラスは、ダイオキシンである。最初に特徴付けられた内因性リガンドの1つは、TDO(Opitz 2011)またはIDO(Mezrich 2010)によって産生されたキヌレニンである。キヌレニンは、IDO/TDO経路において安定な代謝産物であり、トリプトファン分解の生成物である。キヌレニンは、他のDRE誘導遺伝子と共に、複数の細胞型におけるCyp1a1および/またはCyp1b1のmRNAレベルの増大によって測定される通り、AHRを活性化することが示されている。
AHRの活性化は、腫瘍細胞に直接的に作用し、かつ免疫抑制を引き起こすことによって間接的に作用し、したがって、身体自体の免疫系が腫瘍を攻撃できなくなるようにすることによって、腫瘍促進作用を有する。例えば、複数のリガンドを介するAHRの活性化は、FoxP3の発現を増大させ、Foxp3+調節性T細胞(Treg)と呼ばれる抑制性サブセットへとCD4+T細胞を偏らせる。これらのTreg細胞は、活性化T細胞の増殖を阻害する(Funatake 2005、他の参考文献)。興味深いことに、キヌレニンは、AHRを介して免疫抑制Tregを誘導することが示されている。キヌレニンは、AHR-ヌルT細胞において、またはAHRアンタゴニストが添加される場合、Tregの産生に影響を及ぼさない(Mezrich)。AHRの活性化は、Tregに加えて、抑制性Tr1 T細胞も増殖させる(Gandhi 2010)。IDOの発現は、腫瘍細胞およびT細胞の両方におけるAHR活性化によって調節されて、免疫抑制の増大をもたらすことも示されている(Vogel)。免疫抑制性骨髄系細胞において、AHRの役割が存在する可能性も高い(Nguyen 2013)。免疫抑制は、しばしば、高レベルの抗炎症性サイトカインと関連しており、AHRが、IL-10などのこれらのサイトカインの多くの活性化に関与するという証拠がある(Gandhi 2010、Wagage 2014)。
AHRと関連する疾患、障害および状態を処置するためのAHRの阻害剤を開発する必要性は、まだ満たされていない。
発明の概要
ここで、本発明の化合物およびその組成物は、アルデヒド毒性が病変形成に関係する疾患、障害、または状態を処置し、防止し、かつ/またはそのリスクを低減するのに有用であることが見出された。一般に、塩形態または遊離塩基形態、および薬学的に許容されるその組成物は、本明細書において詳説される通り、様々な疾患または障害を処置し、またはその重症度を低減するのに有用である。このような化合物は、化合物Aと示される以下の化学構造によって表される。
Figure 2023502531000001
本発明の化合物、および薬学的に許容されるその組成物は、AHRと関連する様々な疾患、障害または状態を処置するのに有用である。このような疾患、障害、または状態には、本明細書に記載されるものが含まれる。
本発明によって提供される化合物はまた、生物学的および病理学的現象におけるAHRの研究、細胞内シグナル伝達経路の研究、および新しいAHR阻害剤のin vitroまたはin vivoでの比較評価のために有用である。
図1は、化合物Aの形態BのXRPDパターンを示す。
図2は、化合物Aの形態BのTG/DTAトレースを示す。
図3は、化合物Aの形態CのXRPDパターンを示す。
図4は、化合物Aの形態CのTG/DTAトレースを示す。
図5は、化合物1の形態AのXRPDパターンを示す。
図6は、化合物1の形態AのTG/DTAトレースを示す。
図7は、化合物1の形態BのXRPDパターンを示す。
図8は、化合物2の形態AのXRPDパターンを示す。
図9は、化合物2の形態AのTG/DTAトレースを示す。
図10は、化合物3の形態AのXRPDパターンを示す。
図11は、化合物3の形態AのTG/DTAトレースを示す。
図12は、化合物3の形態BのXRPDパターンを示す。
図13は、化合物3の形態BのTG/DTAトレースを示す。
図14は、化合物4の形態AのXRPDパターンを示す。
図15は、化合物4の形態AのTG/DTAトレースを示す。
図16は、化合物5の形態AのXRPDパターンを示す。
図17は、化合物5の形態AのTG/DTAトレースを示す。
図18は、化合物6の形態AのXRPDパターンを示す。
図19は、化合物6の形態AのTG/DTAトレースを示す。
図20は、化合物6の形態BのXRPDパターンを示す。
図21は、化合物6の形態BのTG/DTAトレースを示す。
図22は、化合物7の形態AのXRPDパターンを示す。
図23は、化合物7の形態AのTG/DTAトレースを示す。
図24は、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物のXRPDパターンを示す。
図25は、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物のTGA/DSCを示す。
発明の詳細な説明
発明の特定の態様の概要
2018年4月20日に出願され、2018年11月15日に米国公開特許出願第2018-0327411号(「’411公開」、その全体はこれにより参照により本明細書に組み込まれる)として公開された米国特許出願第15/958,586号は、ある特定のAHR阻害化合物を記載する。このような化合物は、化合物A
Figure 2023502531000002
を含む。
化合物A、(3R)-N-[2-(5-フルオロ-3-ピリジル)-8-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン-4-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-3-アミンは、’411公開において化合物I-40と指定され、化合物Aの合成は、’411公開の実施例39に詳説されており、参照を容易にするために本明細書において再掲される。
改善された水溶性、安定性および製剤化の容易さなどの特徴を付与する、化合物A(例えば、その遊離塩基またはその塩として)の固体形態を提供することが望ましい。したがって、本発明は、化合物A
Figure 2023502531000003
の遊離塩基形態および塩形態の両方を提供する。
化合物Aの遊離塩基形態
化合物Aが様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物Aは、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物Aは、固体形態である。化合物Aが固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない、ある形態の化合物Aを提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、様々な形態の化合物A、残留溶媒、または化合物Aの調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%のある形態の化合物Aが存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%のある形態の化合物Aが存在する。
一実施形態によれば、ある形態の化合物Aは、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、ある形態の化合物Aは、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有し、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、ある形態の化合物Aは、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
ある形態の化合物Aについて図示される構造はまた、化合物Aのすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物Aは、様々な固体形態で存在できることが見出された。このような例示的な形態には、本明細書に記載されるものなどの多形が含まれる。
本明細書で使用される場合、「多形」という用語は、化合物、またはその塩もしくは溶媒和物が結晶化することができる様々な結晶構造を指す。
ある特定の実施形態では、化合物Aは、結晶固体である。他の実施形態では、化合物Aは、非晶質化合物Aを実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物Aを実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物Aを含有しないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物Aが存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物Aが存在する。
化合物Aは、少なくとも3つの別個の多形形態で存在できることが見出された。ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物Aの多形形態を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Bと呼ばれる化合物Aの多形形態を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物を提供する。ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Cと呼ばれる化合物Aの多形形態を提供する。
一部の実施形態では、化合物Aは、非晶質である。一部の実施形態では、化合物Aは、非晶質であり、結晶化合物Aを実質的に含まない。
化合物Aの形態B
一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、以下の表Bに列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表B-化合物Aの形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000004

Figure 2023502531000005
一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約9.5、約9.8および約14.7度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約9.5、約9.8および約14.7度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約9.5、約9.8および約14.7度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、化合物Aの形態BのX線粉末回折パターンは、図1に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物Aの形態Bを調製するための方法は、以下に記載される。
化合物Aの形態C
一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、以下の表Cに列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表C-化合物Aの形態CについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000006

Figure 2023502531000007
一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.02、約8.61および約10.29度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.02、約8.61および約10.29度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物Aの形態Cは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.02、約8.61および約10.29度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、化合物Aの形態CのX線粉末回折パターンは、図3に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物Aの形態Cを調製するための方法は、以下に記載される。
化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物
一部の実施形態では、本発明は、図24に提供されるXRPDに実質的に類似のX線粉末回折パターンを有する、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物を提供する。
一部の実施形態では、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物は、図25に提供されるTGAに実質的に類似のTGAを有する。一部の実施形態では、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物は、図25に提供されるDSCに実質的に類似のDSCを有する。
化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物を調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物A
Figure 2023502531000008
を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aを提供し、前記化合物は、非晶質化合物Aを実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aを提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aを提供し、前記化合物は、図1に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aを提供し、前記化合物は、図3に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aを提供し、前記化合物は、図24に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aおよび薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物Aまたはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物Aまたはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物Aまたはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物Aまたはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
化合物Aの塩形態
一部の実施形態では、酸および化合物Aは、イオン結合して下記の化合物1~7の1つを形成する。化合物1~7は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物1~7は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物1~7は、固体形態である。化合物1~7が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。このような例示的な化合物1~7の固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
化合物1(化合物Aのエシル酸塩)
一実施形態によれば、本発明は、化合物1
Figure 2023502531000009
によって表される化合物Aのエシル酸塩を提供する。
エタンスルホン酸および化合物Aは、イオン結合して化合物1を形成することが、当業者によって認識される。化合物1は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物1は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物1は、固体形態である。化合物1が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物1を提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、過剰のメタンスルホン酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物1の調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の化合物1が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の化合物1が存在する。
一実施形態によれば、化合物1は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、化合物1は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有し、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物1は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
化合物1について図示される構造はまた、化合物1のすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物1は、様々な固体形態で存在できることが見出された。このような例示的な形態には、本明細書に記載されるものなどの多形が含まれる。
ある特定の実施形態では、化合物1は、結晶固体である。他の実施形態では、化合物1は、非晶質化合物1を実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物1を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物1を含有しないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物1が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物1が存在する。
化合物1は、少なくとも1つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物1の多形形態を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Bと呼ばれる化合物1の多形形態を提供する。
一部の実施形態では、化合物1は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物1は非晶質であり、結晶化合物1を実質的に含まない。
化合物1の形態A
一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、以下の表1に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表1-化合物1の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000010
Figure 2023502531000011
一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.8、約11.6および約18.8度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.8、約11.6および約18.8度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物1の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.8、約11.6および約18.8度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図5に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物1の形態Aを調製するための方法は、以下に記載される。
化合物1の形態B
一部の実施形態では、化合物1の形態Bは、以下の表2に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表2-化合物1の形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000012
Figure 2023502531000013
一部の実施形態では、化合物1の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物1の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物1の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図7に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物1の形態Bを調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1
Figure 2023502531000014
を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、非晶質化合物1を実質的に含まない結晶固体である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、5.8、約11.6および約18.8度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.8、約11.6および約18.8度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、形態Aの化合物である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、図5に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、形態Bを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1を提供し、前記化合物は、図7に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物1および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物1またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物1またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物1またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物1またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
化合物2(化合物Aのマレイン酸塩)
一実施形態によれば、本発明は、化合物2
Figure 2023502531000015
[ここで、約1≦x≦約2である]によって表される化合物Aのマレイン酸塩を提供する。
マレイン酸および化合物Aは、イオン結合して化合物2を形成することが、当業者によって認識される。一部の実施形態では、化合物Aおよびマレイン酸は、約1:1の比で存在する。一部の実施形態では、化合物Aおよびマレイン酸は、約2:1の比で存在する。化合物2は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物2は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物2は、固体形態である。化合物2が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物2を提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、過剰のベンゼンスルホン酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物2の調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の化合物2が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の化合物2が存在する。
一実施形態によれば、化合物2は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、化合物2は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有し、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物2は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
化合物2について図示される構造はまた、化合物2のすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物2は、少なくとも1つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物2の多形形態を提供する。一部の実施形態では、化合物2の形態Aは、化合物Aおよびマレイン酸を約2:1の比で含む。
ある特定の実施形態では、化合物2は、結晶固体である。他の実施形態では、化合物2は、非晶質化合物2を実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物2を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物2を含有していないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物2が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物2が存在する。
化合物2は、少なくとも1つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物2の多形形態を提供する。
一部の実施形態では、化合物2は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物2は非晶質であり、結晶化合物2を実質的に含まない。
化合物2の形態A
一部の実施形態では、化合物2の形態Aは、以下の表3に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表3-化合物2の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000016
Figure 2023502531000017
一部の実施形態では、化合物2の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.3、約11.3および約16.0度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物2の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.3、約11.3および約16.0度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物2の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.3、約11.3および約16.0度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図9に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物2の形態Aを調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物2
Figure 2023502531000018
[ここで、約1≦x≦約2である]を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物2を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物2を提供し、前記化合物は、非晶質化合物2を実質的に含まない結晶固体である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物2を提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物2を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.3、約11.3および約16.0度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物2を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.3、約11.3および約16.0度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物2を提供し、前記化合物は、形態Aの化合物である。一部の実施形態では、化合物2の形態Aは、化合物Aおよびマレイン酸を約2:1の比で含む。
一部の実施形態では、本発明は、化合物2を提供し、前記化合物は、図9に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物2および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物2またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物2またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物2またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物2またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
化合物3(化合物Aのメシル酸塩)
一実施形態によれば、本発明は、化合物3
Figure 2023502531000019
によって表される化合物Aのメシル酸塩を提供する。
メタンスルホン酸および化合物Aは、イオン結合して化合物3を形成することが、当業者によって認識される。化合物3は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物3は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物3は、固体形態である。化合物3が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物3を提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、過剰の硫酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物3の調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の化合物3が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の化合物3が存在する。
一実施形態によれば、化合物3は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、化合物3は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の全有機不純物、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物3は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
化合物3について図示される構造はまた、化合物3のすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物3は、少なくとも2つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物3の多形形態を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Bと呼ばれる化合物3の多形形態を提供する。
ある特定の実施形態では、化合物3は、結晶固体である。他の実施形態では、化合物3は、非晶質化合物3を実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物3を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物3を含有していないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物3が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物3が存在する。
一部の実施形態では、化合物3は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物3は非晶質であり、結晶化合物3を実質的に含まない。
化合物3の形態A
一部の実施形態では、化合物3の形態Aは、以下の表4に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表4-化合物3の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000020
Figure 2023502531000021
一部の実施形態では、化合物3の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物3の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物3の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図11に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物3の形態Aを調製するための方法は、以下に記載される。
化合物3の形態B
一部の実施形態では、化合物3の形態Bは、以下の表5に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表5-化合物3の形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000022
一部の実施形態では、化合物3の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.0、約12.1および約18.1度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物3の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.0、約12.1および約18.1度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物3の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.0、約12.1および約18.1度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図13に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物3の形態Bを調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3
Figure 2023502531000023
を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、非晶質化合物3を実質的に含まない結晶固体である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.6、約11.2および約16.9度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、形態Aの化合物である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、図11に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.0、約12.1および約18.1度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.0、約12.1および約18.1度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、形態Bを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3を提供し、前記化合物は、図13に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物3および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物3またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物3またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物3またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物3またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
化合物4(化合物Aのナプシル酸塩)
一実施形態によれば、本発明は、化合物4
Figure 2023502531000024
によって表される化合物Aのナプシル酸塩を提供する。
ナフタレンスルホン酸および化合物Aは、イオン結合して化合物4を形成することが、当業者によって認識される。化合物4は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物4は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物4は、固体形態である。化合物4が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物4を提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、過剰のp-トルエンスルホン酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物4の調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の化合物4が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の化合物4が存在する。
一実施形態によれば、化合物4は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、化合物4は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC未満の全有機不純物、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物4は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
化合物4について図示される構造はまた、化合物4のすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物4は、少なくとも別個の固体形態で存在できることが見出された。このような例示的な形態には、本明細書に記載されるものなどの多形が含まれる。
化合物4は、少なくとも1つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物4の多形形態を提供する。
ある特定の実施形態では、化合物4は、結晶固体である。他の実施形態では、化合物4は、非晶質化合物4を実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物4を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物4を含有していないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物4が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物4が存在する。
一部の実施形態では、化合物4は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物4は非晶質であり、結晶化合物4を実質的に含まない。
化合物4の形態A
一部の実施形態では、化合物4の形態Aは、以下の表6に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表6-化合物4の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000025
Figure 2023502531000026
一部の実施形態では、化合物4の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約7.5、約8.4および約20.1度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物4の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約7.5、約8.4および約20.1度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物4の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約7.5、約8.4および約20.1度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図15に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物4の形態Aを調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物4
Figure 2023502531000027
を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物4を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物4を提供し、前記化合物は、非晶質化合物4を実質的に含まない結晶固体である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物4を提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物4を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約7.5、約8.4および約20.1度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物4を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約7.5、約8.4および約20.1度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物4を提供し、前記化合物は、形態Aの化合物である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物4を提供し、前記化合物は、図15に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物4および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物4またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物4またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物4またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物4またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
化合物5(化合物Aのシュウ酸塩)
一実施形態によれば、本発明は、化合物5
Figure 2023502531000028
によって表される化合物Aのシュウ酸塩を提供する。
シュウ酸および化合物Aは、イオン結合して化合物5を形成することが、当業者によって認識される。化合物5は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物5は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物5は、固体形態である。化合物5が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物5を提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、過剰の塩酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物5の調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の化合物5が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の化合物5が存在する。
一実施形態によれば、化合物5は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、化合物5は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の全有機不純物、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物5は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
化合物5について図示される構造はまた、化合物5のすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物5は、少なくとも1つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物5の多形形態を提供する。
ある特定の実施形態では、化合物5は、結晶固体である。他の実施形態では、化合物5は、非晶質化合物5を実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物5を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物5を含有していないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物5が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物5が存在する。
一部の実施形態では、化合物5は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物5は非晶質であり、結晶化合物5を実質的に含まない。
化合物5の形態A
一部の実施形態では、化合物5の形態Aは、以下の表7に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表7-化合物5の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000029
一部の実施形態では、化合物5の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.4、約7.1および約12.7度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物5の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.4、約7.1および約12.7度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物5の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.4、約7.1および約12.7度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図17に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物5の形態Aを調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物5
Figure 2023502531000030
を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物5を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物5を提供し、前記化合物は、非晶質化合物5を実質的に含まない結晶固体である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物5を提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物5を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.4、約7.1および約12.7度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物5を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.4、約7.1および約12.7度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物5を提供し、前記化合物は、形態Aの化合物である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物5を提供し、前記化合物は、図17に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物5および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物5またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物5またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物5またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物5またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
化合物6(化合物Aの酒石酸塩)
一実施形態によれば、本発明は、化合物6
Figure 2023502531000031
[ここで、約1≦x≦約2である]によって表される化合物Aの酒石酸塩を提供する。
酒石酸および化合物Aは、イオン結合して化合物6を形成することが、当業者によって認識される。一部の実施形態では、化合物Aおよび酒石酸は、約1:1の比で存在する。一部の実施形態では、化合物Aおよび酒石酸は、約2:1の比で存在する。化合物6は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物6は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物6は、固体形態である。化合物6が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物6を提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、過剰のシュウ酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物6の調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の化合物6が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の化合物6が存在する。
一実施形態によれば、化合物6は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、化合物6は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の全有機不純物、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物6は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
化合物6について図示される構造はまた、化合物6のすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物6は、少なくとも2つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物6の多形形態を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Bと呼ばれる化合物6の多形形態を提供する。一部の実施形態では、化合物6の形態Aは、化合物Aおよび酒石酸を約1:1の比で含む。一部の実施形態では、化合物6の形態Bは、化合物Aおよび酒石酸を約2:1の比で含む。
ある特定の実施形態では、化合物6は、結晶固体である。他の実施形態では、化合物6は、非晶質化合物6を実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物6を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物6を含有していないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物6が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物6が存在する。
一部の実施形態では、化合物6は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物6は非晶質であり、結晶化合物6を実質的に含まない。
化合物6の形態A
一部の実施形態では、化合物6の形態Aは、以下の表8に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表8-化合物6の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000032
Figure 2023502531000033
一部の実施形態では、化合物6の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.5、約11.1および約18.9度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物6の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.5、約11.1および約18.9度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物6の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約5.5、約11.1および約18.9度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図19に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物6の形態Aを調製するための方法は、以下に記載される。
化合物6の形態B
一部の実施形態では、化合物6の形態Bは、以下の表9に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表9-化合物6の形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000034
Figure 2023502531000035
一部の実施形態では、化合物6の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.2、約6.8および約13.5度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物6の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.2、約6.8および約13.5度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物6の形態Bは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.2、約6.8および約13.5度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図21に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物6の形態Bを調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6
Figure 2023502531000036
[ここで、約1≦x≦約2である]を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、非晶質化合物6を実質的に含まない結晶固体である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.5、約11.1および約18.9度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約5.5、約11.1および約18.9度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、形態Aの化合物である。一部の実施形態では、化合物6の形態Aは、化合物Aおよび酒石酸を約1:1の比で含む。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、図19に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.2、約6.8および約13.5度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.2、約6.8および約13.5度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、形態Bを有する。一部の実施形態では、化合物6の形態Bは、化合物Aおよび酒石酸を約2:1の比で含む。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6を提供し、前記化合物は、図21に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物6および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物6またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物6またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物6またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物6またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
化合物7(化合物Aのエジシル酸塩)
一実施形態によれば、本発明は、化合物7
Figure 2023502531000037
[ここで、約1≦x≦約2である]によって表される化合物Aのエジシル酸塩を提供する。
エタンジスルホン酸および化合物Aは、イオン結合して化合物7を形成することが、当業者によって認識される。一部の実施形態では、化合物Aおよびエタンジスルホン酸は、約1:1の比で存在する。一部の実施形態では、化合物Aおよびエタンジスルホン酸は、約2:1の比で存在する。化合物7は、様々な物理的形態で存在できることが企図される。例えば、化合物7は、溶液、懸濁液、または固体形態であり得る。ある特定の実施形態では、化合物7は、固体形態である。化合物7が固体形態である場合、前記化合物は、非晶質、結晶性、またはそれらの混合物であり得る。例示的な固体形態を、以下に、より詳細に記載する。
一部の実施形態では、本発明は、不純物を実質的に含まない化合物7を提供する。本明細書で使用される場合、「不純物を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の異物を含有していないことを意味する。このような異物には、過剰のリン酸、過剰の化合物A、残留溶媒、または化合物7の調製および/もしくは単離から生じ得る他の任意の不純物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の化合物7が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の化合物7が存在する。
一実施形態によれば、化合物7は、少なくとも約97、97.5、98.0、98.5、99、99.5、99.8重量パーセントの量で存在し、ここでパーセンテージは、組成物の総重量に基づく。別の実施形態によれば、化合物7は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約3.0面積パーセントHPLC以下の全有機不純物、ある特定の実施形態では、約1.5面積パーセントHPLC以下の全有機不純物を含有する。他の実施形態では、化合物7は、HPLCクロマトグラムの総面積に対して、約1.0%面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、約0.6面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物、ある特定の実施形態では、約0.5面積パーセントHPLC以下の任意の単一の不純物を含有する。
化合物7について図示される構造はまた、化合物7のすべての互変異性形態を含むことを意味する。加えて、ここで図示される構造はまた、1種または複数種の同位体が富化された原子が存在することだけが異なっている化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換え、または13Cもしくは14C濃縮炭素による炭素の置換えを除き、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
化合物7は、少なくとも1つの別個の多形形態で存在できることが見出された。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で形態Aと呼ばれる化合物7の多形形態を提供する。一部の実施形態では、化合物7の形態Aは、化合物Aおよびエタンジスルホン酸を約2:1の比で含む。
ある特定の実施形態では、化合物7は、結晶固体である。他の実施形態では、化合物7は、非晶質化合物7を実質的に含まない結晶固体である。本明細書で使用される場合、「非晶質化合物7を実質的に含まない」という用語は、化合物が、著しい量の非晶質化合物7を含有していないことを意味する。ある特定の実施形態では、少なくとも約95重量%の結晶化合物7が存在する。本発明のさらに他の実施形態では、少なくとも約99重量%の結晶化合物7が存在する。
一部の実施形態では、化合物7は、非晶質である。一部の実施形態では、化合物7は非晶質であり、結晶化合物7を実質的に含まない。
化合物7の形態A
一部の実施形態では、化合物7の形態Aは、以下の表10に列挙されるピークから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのスペクトルピークを有する。
表10-化合物7の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000038
一部の実施形態では、化合物7の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.6、約10.4および約13.2度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物7の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.6、約10.4および約13.2度2シータにおけるピークから選択される2つまたはそれよりも多くのピークを有することを特徴とする。一部の実施形態では、化合物7の形態Aは、そのX線粉末回折パターンにおいて、約6.6、約10.4および約13.2度2シータにおけるピークから選択されるすべての3つのピークを有することを特徴とする。
ある特定の実施形態では、X線粉末回折パターンは、図23に提供されるXRPDに実質的に類似している。
化合物7の形態Aを調製するための方法は、以下に記載される。
一部の実施形態では、本発明は、化合物7
Figure 2023502531000039
[ここで、約1≦x≦約2である]を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物7を提供し、前記化合物は、結晶性である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物7を提供し、前記化合物は、非晶質化合物7を実質的に含まない結晶固体である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物7を提供し、前記化合物は、不純物を実質的に含まない。
一部の実施形態では、本発明は、化合物7を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.6、約10.4および約13.2度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物7を提供し、前記化合物は、そのXRPDにおいて、約6.6、約10.4および約13.2度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する。このような一部の実施形態では、本発明は、化合物7を提供し、前記化合物は、形態Aの化合物である。一部の実施形態では、化合物7の形態Aは、化合物Aおよびエタンジスルホン酸を約2:1の比で含む。
一部の実施形態では、本発明は、化合物7を提供し、前記化合物は、図23に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する。
一部の実施形態では、本発明は、化合物7および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物7またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、化合物7またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、化合物7またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、化合物7またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
一部の実施形態では、本発明は、化合物Aの形態B、化合物Aの形態C、化合物1の形態A、化合物1の形態B、化合物2の形態A、化合物3の形態A、化合物3の形態B、化合物4の形態A、化合物5の形態A、化合物6の形態A、化合物6の形態B、および化合物7の形態Aから選択される化合物を提供する。このような一部の実施形態では、本発明は、先の化合物の形態の1つおよび薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。
このような一部の実施形態では、本発明は、AHRを阻害する方法であって、前記患者に、本発明の化合物またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。このような一部の実施形態では、本発明は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、本発明の化合物またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。このような一部の実施形態では、本発明は、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置する方法であって、前記患者に、本発明の化合物またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。
このような一部の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、本発明の化合物またはその組成物を投与することを含む方法を提供する。このような一部の実施形態では、AHR媒介性障害は、増殖性疾患、例えば、がんまたは炎症性障害である。
塩化合物を提供する一般法
化合物Aは、’411公開に詳説される方法に従って調製され、その全体は、これにより参照により本明細書に組み込まれる。とりわけ、塩化合物1~7および/またはその特定の形態を包含する一般式Xの塩化合物は、以下の一般的スキームに従って、化合物Aから調製される。
Figure 2023502531000040
例えば、化合物1~7のそれぞれおよびその形態は、化合物Aを、酸の塩を形成するのに適した酸と合わせることによって、化合物Aから調製される。したがって、本発明の別の態様は、化合物1~7およびその形態を調製するための方法を提供する。
一般に前述される通り、一部の実施形態では、本発明は、一般式Xの塩化合物
Figure 2023502531000041
を調製するための方法であって、化合物A
Figure 2023502531000042
を、一般式Xの塩化合物を形成するのに適した条件下で、適切な酸および必要に応じて適切な溶媒と合わせるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、適切な酸は、エタンスルホン酸である。一部の実施形態では、本発明は、化合物Aのエシル酸塩を作製する方法を提供する。ある特定の実施形態では、化合物Aのエシル酸塩は、化合物1である。ある特定の実施形態では、化合物Aのエシル酸塩は、化合物1の形態Aである。ある特定の実施形態では、化合物Aのエシル酸塩は、化合物1の形態Bである。
一部の実施形態では、適切な酸は、マレイン酸である。一部の実施形態では、本発明は、化合物Aのマレイン酸塩を作製する方法を提供する。ある特定の実施形態では、化合物Aのマレイン酸塩は、化合物2である。ある特定の実施形態では、化合物Aのマレイン酸塩は、化合物2の形態Aである。
一部の実施形態では、適切な酸は、メタンスルホン酸である。一部の実施形態では、本発明は、化合物Aのメシル酸塩を作製する方法を提供する。ある特定の実施形態では、化合物Aのメシル酸塩は、化合物3である。ある特定の実施形態では、化合物Aのメシル酸塩は、化合物3の形態Aである。ある特定の実施形態では、化合物Aのメシル酸塩は、化合物3の形態Bである。
一部の実施形態では、適切な酸は、ナフタレンスルホン酸である。一部の実施形態では、本発明は、化合物Aのナプシル酸塩を作製する方法を提供する。ある特定の実施形態では、化合物Aのナプシル酸塩は、化合物4である。ある特定の実施形態では、化合物Aのナプシル酸塩は、化合物4の形態Aである。
一部の実施形態では、適切な酸は、シュウ酸である。一部の実施形態では、本発明は、化合物Aのシュウ酸塩を作製する方法を提供する。ある特定の実施形態では、化合物Aのシュウ酸塩は、化合物5である。ある特定の実施形態では、化合物Aのシュウ酸塩は、化合物5の形態Aである。
一部の実施形態では、適切な酸は、酒石酸である。一部の実施形態では、本発明は、化合物Aの酒石酸塩を作製する方法を提供する。ある特定の実施形態では、化合物Aの酒石酸塩は、化合物6である。ある特定の実施形態では、化合物Aの酒石酸塩は、化合物6の形態Aである。ある特定の実施形態では、化合物Aの酒石酸塩は、化合物6の形態Bである。
一部の実施形態では、適切な酸は、エタンジスルホン酸である。一部の実施形態では、本発明は、化合物Aのエジシル酸塩を作製する方法を提供する。ある特定の実施形態では、化合物Aのエジシル酸塩は、化合物7である。ある特定の実施形態では、化合物Aのエジシル酸塩は、化合物7の形態Aである。
適切な溶媒は、化合物Aおよび/または酸が可溶性であるか、または少なくとも部分的に可溶性である、任意の溶媒系(例えば、1種の溶媒または溶媒混合物)であり得る。
本発明において有用な適切な溶媒の例として、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒、極性非プロトン性溶媒、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、適切な溶媒には、エーテル、エステル、アルコール、ケトン、またはそれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、溶媒は、1つまたは複数の有機アルコールである。一部の実施形態では、溶媒は、塩素化されている。一部の実施形態では、溶媒は、芳香族溶媒である。
ある特定の実施形態では、適切な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはアセトンであり、前記溶媒は、無水であるか、または水もしくはヘプタンと組み合わされる。一部の実施形態では、適切な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、グリム、ジグリム、メチルt-ブチルエーテル、t-ブタノール、n-ブタノール、およびアセトニトリルが含まれる。一部の実施形態では、適切な溶媒は、エタノールである。一部の実施形態では、適切な溶媒は、無水エタノールである。一部の実施形態では、適切な溶媒は、MTBEである。
一部の実施形態では、適切な溶媒は、酢酸エチルである。一部の実施形態では、適切な溶媒は、メタノールと塩化メチレンの混合物である。一部の実施形態では、適切な溶媒は、アセトニトリルと水の混合物である。ある特定の実施形態では、適切な溶媒は、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、アセトン、またはテトラヒドロフランである。ある特定の実施形態では、適切な溶媒は、ジエチルエーテルである。ある特定の実施形態では、適切な溶媒は、水である。ある特定の実施形態では、適切な溶媒は、メチルエチルケトンである。ある特定の実施形態では、適切な溶媒は、トルエンである。
一部の実施形態では、本発明は、一般式Xの塩化合物を調製するための方法であって、溶媒を除去し、溶媒を添加する、1つまたは複数のステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、添加された溶媒は、除去された溶媒と同じである。一部の実施形態では、添加された溶媒は、除去された溶媒とは異なる。溶媒除去手段は、合成および化学当技術分野で公知であり、それには、本明細書および実施例に記載されるもののいずれかが含まれるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、一般式Xの塩化合物を調製するための方法は、調製物を加熱または冷却する、1つまたは複数のステップを含む。
一部の実施形態では、一般式Xの塩化合物を調製するための方法は、調製物をかき混ぜるまたは撹拌する、1つまたは複数のステップを含む。
一部の実施形態では、一般式Xの塩化合物を調製するための方法は、化合物Aの溶液またはスラリーに適切な酸を添加するステップを含む。
一部の実施形態では、一般式Xの塩化合物を調製するための方法は、加熱するステップを含む。
ある特定の実施形態では、式Xの塩化合物は、混合物から沈殿する。別の実施形態では、式Xの塩化合物は、混合物から結晶化する。他の実施形態では、式Xの塩化合物は、溶液の播種(すなわち、溶液への式Xの塩化合物の結晶の添加)後に、溶液から結晶化する。
式Xの塩化合物は、反応混合物から沈殿することができ、または蒸発、蒸留、濾過(例えば、ナノろ過、限外濾過)、逆浸透法、吸収および反応などの方法によって、貧溶媒(antisolvent)、例えばヘプタンを添加することによって、冷却によって、もしくはこれらの方法の様々な組合せによって、溶媒の一部もしくはすべてを除去することによって産生される。
一般に前述される通り、式Xの塩化合物は、必要に応じて単離される。式Xの塩化合物は、当業者に公知の任意の適切な物理的手段によって単離され得ることを認識される。ある特定の実施形態では、沈殿した式Xの固体塩化合物は、濾過によって上清から分離される。他の実施形態では、沈殿した式Xの固体塩化合物は、上清をデカントすることによって、上清から分離される。
ある特定の実施形態では、式Xの塩化合物は、濾過によって上清から分離される。
ある特定の実施形態では、単離された式Xの塩化合物は、風乾される。他の実施形態では、単離された式Xの塩化合物は、減圧下で、必要に応じて高温で乾燥される。
使用、製剤および投与および薬学的に許容される組成物
別の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、エステルもしくはエステルの塩、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。本発明の組成物における化合物の量は、生物学的試料においてまたは患者においてAHRを測定できるほどに阻害するのに有効な量である。ある特定の実施形態では、本発明の組成物における化合物の量は、生物学的試料においてまたは患者においてAHRを測定できるほどに阻害するのに有効な量である。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、このような組成物を必要とする患者に投与するために製剤化される。一部の実施形態では、本発明の組成物は、患者に経口投与するために製剤化される。
「患者」という用語は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
「薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、それと共に製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。本発明の組成物において使用され得る薬学的に許容される担体、アジュバントまたはビヒクルには、以下に限定されるものではないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
「薬学的に許容される誘導体」は、レシピエントの投与時に、本発明の化合物または阻害活性のあるその代謝産物もしくは残基を直接的または間接的に提供することができる、本発明の化合物の任意の非毒性の塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体を意味する。
本発明の組成物は、経口で、非経口で、吸入スプレーにより、局所に、直腸内に、経鼻で、口腔内頬側により、膣内により、または埋め込み型リザーバーを介して投与され得る。「非経口」という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内への注射または注入技術を含む。好ましくは、組成物は、経口、腹腔内または静脈内投与される。本発明の組成物の注射可能な滅菌形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、当技術分野で公知の技術に従って、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して製剤化され得る。また注射可能な滅菌調製物は、非毒性の非経口に許容される賦形剤または溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオール溶液として注射可能な滅菌溶液または懸濁液であり得る。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに、滅菌固定油は、従来的に、溶媒または懸濁化媒体として用いられている。
この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を用いることができる。脂肪酸、例えばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体、特にそれらのポリオキシエチレン化されたものは、天然の薬学的に許容される油、例えばオリーブ油またはヒマシ油と同様に、注射剤の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、エマルジョンおよび懸濁液を含む、薬学的に許容される剤形の製剤化に一般に使用される長鎖アルコール賦形剤または分散剤、例えばカルボキシメチルセルロースまたは類似の分散化剤を含有し得る。薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造において一般に使用される、他の一般に使用される界面活性剤、例えばTween(登録商標)、Span(登録商標)および他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ増強剤も、製剤化の目的のために使用することができる。
本発明の薬学的に許容される組成物は、以下に限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液または溶液を含む任意の経口に許容される剤形で経口投与され得る。経口で使用するための錠剤の場合、一般に使用される担体には、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、典型的に添加される。カプセル剤の形態で経口投与するのに有用な賦形剤には、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。経口で使用するために水性懸濁液が必要な場合、活性成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。所望される場合、ある特定の甘味剤、香味剤または着色剤を添加することもできる。
あるいは、本発明の薬学的に許容される組成物は、直腸投与のために坐剤の形態で投与され得る。これらは、室温では固体であるが直腸温度で液体であり、したがって直腸で溶けて薬物を放出する、適切な非刺激性の添加剤と、薬剤を混合することによって調製することができる。このような材料には、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、特に処置の標的が、目、皮膚または下部腸管の疾患を含む、局所適用によって容易に到達可能な領域または器官を含む場合、局所投与され得る。適切な局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれに合わせて容易に調製される。
下部腸管のための局所適用は、直腸坐剤製剤(上記を参照)で、または適切な浣腸製剤で行うことができる。局所経皮パッチを使用することもできる。
局所適用では、提供される薬学的に許容される組成物は、1種または複数種の担体に懸濁または溶解させた活性な成分を含有する適切な軟膏に製剤化することができる。本発明の化合物の局所投与のための担体には、以下に限定されるものではないが、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化蝋および水が含まれる。あるいは、提供される薬学的に許容される組成物は、1種または複数種の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解させた活性な成分を含有する適切なローションまたはクリームに製剤化され得る。適切な担体には、以下に限定されるものではないが、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
眼への使用では、提供される薬学的に許容される組成物は、等張の、pH調整した滅菌生理食塩水中で微粒子化懸濁液として、または好ましくは防腐剤、例えば塩化ベンジルアルコニウムを伴ってまたは伴わずに、等張の、pH調整した滅菌生理食塩水中の溶液として製剤化され得る。あるいは、眼への使用では、薬学的に許容される組成物は、軟膏、例えばワセリンに製剤化され得る。
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。このような組成物は、医薬製剤分野で周知の技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを増強するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散化剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
最も好ましくは、本発明の薬学的に許容される組成物は、経口投与に合わせて製剤化される。このような製剤は、食品を伴ってまたは伴わずに投与され得る。一部の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、食品を伴わずに投与される。他の実施形態では、本発明の 薬学的に許容される組成物は、食品を伴って投与される。
単一剤形の組成物を生成するために担体材料と組み合わせることができる本発明の化合物の量は、処置されるホスト、特定の投与方法に応じて変わる。好ましくは、提供される組成物は、0.01~100mg/kg(体重)/日の間の投与量の阻害剤が、これらの組成物を与えられる患者に投与され得るように製剤化されるべきである。
また、任意の特定の患者のための具体的な投与量および処置レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、ならびに処置に当たる医師の判断および処置を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な因子に応じて変わることを理解されたい。また、組成物における本発明の化合物の量は、組成物における特定の化合物に応じて変わる。
化合物および薬学的に許容される組成物の使用
AHRの阻害剤として本発明において利用される化合物の活性は、in vitroまたはin vivoでアッセイされ得る。本発明の化合物の有効性のin vivoアセスメントは、肥満またはメタボリック症候群の動物モデル、例えばげっ歯類または霊長類モデルを使用して行うことができる。細胞ベースのアッセイは、例えば、AHRを発現する組織から単離された細胞株を使用して実施することができる。さらに、精製タンパク質、ノーザンブロット、RT-PCR等を使用して、生化学的アッセイまたは機序ベースのアッセイ、例えば転写アッセイを実施することができる。in vitroアッセイには、細胞形態、タンパク質発現および/もしくは細胞傷害性、酵素阻害活性を決定するアッセイ、ならびに/またはその後、細胞を本発明の化合物で処理した機能的帰結が含まれる。代替のin vitroアッセイでは、細胞内のタンパク質または核酸分子への阻害剤の結合能を定量化する。阻害剤の結合は、結合前に阻害剤を放射標識化し、阻害剤/標的分子の複合体を単離し、結合した放射標識の量を決定することによって測定することができる。あるいは阻害剤の結合は、新しい阻害剤を、公知の放射性リガンドに結合した精製タンパク質または核酸と共にインキュベートする競合実験を行うことによって決定され得る。AHRの阻害剤として本発明において利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例に記載されている。前述のアッセイは、例示的なものであり、本発明の範囲を制限することを企図しない。技術者には、従来のアッセイを改変して、同じ結果をもたらす等価なアッセイを開発し得ることが認識され得る。
本明細書で使用される場合、「処置」、「処置する」および「処置すること」という用語は、本明細書に記載される疾患もしくは障害、または1つもしくは複数のその症状を逆行させ、軽減し、発症を遅らせ、または進行を阻害することを指す。一部の実施形態では、処置は、1つまたは複数の症状が生じた後に施され得る。他の実施形態では、処置は、症状がない状態で施され得る。例えば、処置は、症状の発症の前に(例えば、症状の病歴に照らして、かつ/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)、影響を受けやすい個体に施され得る。処置はまた、症状が解消した後に、例えばそれらの再発を防止または遅らせるために継続することもできる。
本発明の方法による化合物および組成物は、代謝障害もしくは状態、がん、細菌感染、真菌感染、寄生虫感染(例えば、マラリア)、自己免疫性障害、神経変性障害もしくは神経学的障害、統合失調症、骨関連障害、肝疾患、または心臓障害を処置する、またはその重症度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。
一部の実施形態では、本発明の方法による化合物および組成物は、AHRと関連する疾患を処置する、またはその重症度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を使用して投与され得る。
必要な正確な量は、対象の種、年齢、および全体的な状態、感染の重症度、特定の薬剤、その投与方法等に応じて、対象ごとに変わる。本発明の化合物は、投与を容易にし、かつ投与量を均一にするために、好ましくは単位剤形に製剤化される。本明細書で使用される「単位剤形」という表現は、処置される患者に適した薬剤の物理的に別個の単位を指す。しかし、本発明の化合物および組成物の毎日の使用のすべては、担当医によって良好な医学的判断の範囲内で決定されることを理解される。任意の特定の患者または生物の具体的な有効用量レベルは、処置を受ける障害および障害の重症度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別および食事;用いられる具体的な化合物の投与時間、投与経路、および排出速度;処置期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせて、または同時に使用される薬物、ならびに医療分野で周知の類似の因子を含む様々な因子に応じて決まる。「患者」という用語は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
本発明の薬学的に許容される組成物は、処置を受ける感染の重症度に応じて、ヒトおよび他の動物に、経口で、直腸内に、非経口で、大槽内に、腟内に、腹腔内に、局所に(散剤、軟膏、またはドロップによるものとして)、口腔内頬側に、経口または鼻腔用スプレー等として投与され得る。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日につき対象の体重1kg当たり約0.01mg~約50mg、好ましくは約1mg~約25mgの投与量レベルで、1日1回または複数回、経口または非経口投与され得る。
経口投与のための液体剤形には、以下に限定されるものではないが、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが含まれる。液体剤形は、活性化合物に加えて、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物などの、当技術分野で一般に使用される不活性賦形剤を含有することができる。経口組成物はまた、不活性賦形剤に加えて、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、ならびに賦香剤を含むことができる。
注射可能な調製物、例えば、注射可能な水性または油性の滅菌懸濁液は、公知の技術に従って、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して製剤化され得る。また、注射可能な滅菌調製物は、非毒性の非経口に許容される賦形剤または溶媒中の、例えば1,3-ブタンジオール溶液として注射可能な滅菌溶液、懸濁液またはエマルジョンであり得る。用いることができる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。さらに、滅菌固定油は、従来、溶媒または懸濁化媒体として用いられている。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性の固定油を用いることができる。さらに、注射剤の調製において、脂肪酸、例えばオレイン酸が使用される。
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用前に滅菌水もしくは他の注射可能な滅菌媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態に滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
本発明の化合物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を緩徐することがしばしば望ましい。このことは、水への溶解度が低い結晶性または非晶質材料の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。そして、化合物の吸収速度は、その溶解速度に応じて変わり、次に溶解速度は、結晶の大きさおよび結晶形態に応じて変わり得る。あるいは、非経口投与される化合物形態の遅延吸収は、化合物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。注射可能なデポー形態は、生分解性ポリマー、例えばポリラクチド-ポリグリコリドにおける化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。化合物のポリマーに対する比および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポー製剤は、身体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョンに化合物を捕捉することによっても調製される。
直腸または膣内投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、周囲温度で固体であるが体温で液体である、したがって直腸または膣腔内で溶け、活性化合物を放出する、適切な非刺激性の添加剤または担体、例えばカカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することによって調製することができる坐剤である。
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な薬学的に許容される添加剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、ならびに/またはa)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなど、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、バレイショもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなど、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびにi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。
類似のタイプの固体組成物を、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような添加剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒の固体剤形は、医薬製剤技術分野で周知のコーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティングおよび他のコーティングを用いて調製することができる。剤形は、必要に応じて乳白剤を含有することができ、必要に応じて腸管のある特定の部分において遅延方式で、活性成分だけを放出する、または活性成分を優先的に放出する組成物の剤形であってもよい。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。類似のタイプの固体組成物を、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような添加剤を使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることもできる。
活性化合物はまた、先に記載される1種または複数種の添加剤を用いるマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒の固体剤形は、医薬製剤技術分野で周知のコーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび他のコーティングを用いて調製することができる。このような固体剤形において、活性化合物は、少なくとも1種の不活性賦形剤、例えばスクロース、ラクトースまたはデンプンと混合することができる。このような剤形は、通常の慣行通り、不活性賦形剤以外の追加の物質、例えば、打錠用滑沢剤および他の打錠用助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースを含むこともできる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。剤形は、必要に応じて乳白剤を含有することができ、そして、腸管のある特定の部分だけでまたは優先的に腸管のある特定の部分において、必要に応じて遅延方式で、活性成分を放出する組成物の剤形であってもよい。使用することができる包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
本発明の化合物の局所投与または経皮投与のための剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、散剤、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが含まれる。活性な成分は、薬学的に許容される担体、および必要とされ得る場合には、任意の必要とされる防腐剤または緩衝液と、滅菌条件下で混合される。眼科用製剤、点耳薬、および点眼薬も、本発明の範囲内に含まれることが企図される。さらに、本発明は、経皮パッチの使用を企図し、経皮パッチは、化合物の身体への制御送達をもたらすというさらなる利点を有する。このような剤形は、化合物を適切な媒体に溶解または分散させることによって作製され得る。皮膚を通る化合物の流動を増大させるために、吸収促進剤を使用することもできる。その速度は、律速膜を提供することによって、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに化合物を分散させることによってのいずれかで制御することができる。
使用および処置方法
一実施形態によれば、本発明は、生物学的試料におけるAHRを阻害する方法であって、前記生物学的試料を、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む、方法に関する。
「生物学的試料」という用語は、本明細書で使用される場合、以下に限定されるものではないが、細胞培養物またはその抽出物、哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物、および血液、唾液、尿、糞、精液、涙もしくは他の体液、またはその抽出物を含む。
生物学的試料における酵素の阻害は、当業者に公知の様々な目的に有用である。このような目的の例として、以下に限定されるものではないが、生物学的アッセイ、遺伝子発現研究、および生物学的標的の特定が挙げられる。
本発明の別の実施形態は、患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、本発明の化合物または前記化合物を含む組成物を投与するステップを含む、方法に関する。
提供される化合物は、AHRの阻害剤であり、したがって、AHRの活性と関連する1つまたは複数の障害を処置するのに有用である。したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、AHR媒介性障害を処置する方法であって、それを必要とする患者に、本発明の化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載される疾患、障害、または状態の処置のための、本発明の化合物もしくは固体形態、または薬学的に許容されるその組成物の使用を提供する。
本明細書で使用される場合、「AHR媒介性」障害、疾患、および/または状態という用語は、本明細書で使用される場合、AHRまたはその変異体が、ある役割を果たすことが公知である、任意の疾患または他の有害な状態を意味する。したがって、本発明の別の実施形態は、AHRまたはその変異体が、ある役割を果たすことが公知である、1つまたは複数の疾患を処置する、またはその重症度を軽減することに関する。
AHR媒介性障害は、当技術分野で十分に確立されている。本明細書において列挙される通り、AHRと、AHR媒介性障害 疾患および/または状態との結び付きは、関連技術分野において十分に確立されている。例えば、以下を参照されたい:Uyttenhove et al., "Evidence for a tumoral immune resistance mechanism based on tryptophan degradation by indoleamine 2,3-dioxygenase" Nature Medicine, 2003 vol. 9(10), 1038;Murray et al., "AH RECEPTOR LIGANDS IN CANCER: FRIEND AND FOE" Nat. Rev. Cancer December 2014, vol. 14(12), pages 801-814;Moon et al., "Targeting the indoleamine 2,3-dioxygenase pathway in cancer" J. ImmunoTherapy of Cancer, 2015 vol 3, page 51;Ishida et al., "Activation of aryl hydrocarbon receptor promotes invasion of clear cell renal cell carcinoma and is associated with poor prognosis and cigarette smoke" Int. J. Cancer July 2015 vol. 15, no.137(2), pages 299-310;Ishida et al., "Activation of the aryl hydrocarbon receptor pathway enhances cancer cell invasion by upregulating the MMP expression and is associated with poor prognosis in upper urinary tract urothelial cancer" Carcinogenesis February 2010 vol. 31(2), pages 287-295。Su et al., "Prognostic value of nuclear translocation of aryl hydrocarbon receptor for non-small cell lung cancer" Anticancer Res. September 2013, vol. 33(9), pages 3953-3961;Peng et al., "Aryl hydrocarbon receptor pathway activation enhances gastric cancer cell invasiveness likely through a c-Jun-dependent induction of matrix metalloproteinase-9" BMC Cell Biol. April 2009 vol. 16; pages 10-27;Jin et al., "Aryl Hydrocarbon Receptor Activation Reduces Dendritic Cell Function during Influenza Virus Infection" Toxicol Sci. August 2010, vol. 116(2), pages 514-522;Head et al., "The aryl hydrocarbon receptor is a modulator of anti-viral immunity" Biochem. Pharmacol. February 2009 vol. 15; no. 77(4), pages 642-53;Jin et al., "New insights into the role of the aryl hydrocarbon receptor in the function of CD11c+ cells during respiratory viral infection" Eur. J. Immunol. June 2014, vol. 44(6), pages 1685-98;Nguyen et al., "Aryl hydrocarbon receptor and kynurenine: recent advances in autoimmune disease research" Front Immunol. October 2014, vol. 29, no. 5, page 551;Esser et al., "The aryl hydrocarbon receptor in immunity" Trends in Immunology, Vol.30, No.9。
一部の実施形態では、本発明は、1つまたは複数の障害、疾患、および/または状態を処置するための方法であって、障害、疾患、または状態が、増殖性疾患、例えばがん、炎症性障害、またはウイルス感染である、方法を提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、がんまたは別の増殖性障害を処置する方法であって、本発明の化合物または組成物を、がんまたは別の増殖性障害を有する患者に投与するステップを含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、がんまたは別の増殖性障害を処置する方法は、本発明の化合物および組成物を哺乳動物に投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、「がんの阻害」および「がん細胞増殖の阻害」という用語は、がん細胞の成長、分化、成熟もしくは生存を阻害し、かつ/または細胞傷害性、栄養枯渇もしくはアポトーシスの誘導によって、がん細胞を個々にもしくは他のがん細胞と一緒に死滅させることを指す。
がん細胞の増殖が本明細書に記載される化合物および組成物によって阻害され、本明細書に記載される方法ががん細胞に対して有用となるがん細胞を含有する組織の例として、以下に限定されるものではないが、乳房、前立腺、脳、血液、骨髄、肝臓、膵臓、皮膚、腎臓、結腸、卵巣、肺、精巣、陰茎、甲状腺、副甲状腺、下垂体、胸腺、網膜、ブドウ膜、結膜、脾臓、頭部、頸部、気管、胆嚢、直腸、唾液腺、副腎、喉、食道、リンパ節、汗腺、皮脂腺、筋肉、心臓、および胃が挙げられる。
一部の実施形態では、本発明の化合物または組成物によって処置されるがんは、メラノーマ、脂肪肉腫、肺がん、乳がん、前立腺がん、白血病、腎臓がん、食道がん、脳がん、リンパ腫または結腸がんである。ある特定の実施形態では、がんは、原発性滲出性リンパ腫(PEL)である。
本発明の化合物は、良性もしくは悪性腫瘍、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、胃腫瘍、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、頸部、精巣、泌尿生殖器、食道、喉頭、皮膚、骨もしくは甲状腺の癌腫、肉腫、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、多発性骨髄腫、または消化管がん、特に結腸癌もしくは結腸直腸腺腫、または頭頸部の腫瘍、上皮過剰増殖、乾癬、前立腺肥大、新生物、上皮特徴の新生物、腺腫、腺癌、角化棘細胞腫、類表皮癌腫、大細胞癌腫、非小細胞肺癌、リンパ腫、ホジキンおよび非ホジキン、ワルデンストレームマクログロブリン血症、乳癌、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭状癌、精上皮腫、メラノーマ、MYD88誘導障害、DLBCL、ABC DLBCL、IL-1誘導障害、くすぶり型の緩徐進行性多発性骨髄腫、または白血病から選択される増殖性疾患の処置において有用である。
がんには、一部の実施形態では、以下に限定されるものではないが、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病または非ホジキン病)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、重鎖病、ならびに固形腫瘍、例えば肉腫および癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄質癌、気管支癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、子宮がん、精巣がん、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、多形神経膠芽腫(GBM、膠芽腫としても公知)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、シュワン腫、神経線維肉腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫)が含まれる。
一部の実施形態では、がんは、神経膠腫、星状細胞腫、多形神経膠芽腫(GBM、膠芽腫としても公知)、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、シュワン腫、神経線維肉腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、または網膜芽細胞腫である。
一部の実施形態では、がんは、聴神経腫、星状細胞腫(例えば、グレードIの毛様細胞星状細胞腫、グレードIIの低悪性度星状細胞腫、グレードIIIの未分化星状細胞腫、またはグレードIVの膠芽腫(GBM))、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合神経膠腫、視神経膠腫、上衣下腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性(PNET)腫瘍、またはシュワン腫である。一部の実施形態では、がんは、成人よりも子供により一般に見出されるタイプ、例えば、脳幹神経膠腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、若年性毛様細胞星状細胞腫(JPA)、髄芽腫、視神経膠腫、松果体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)、またはラブドイド腫瘍である。一部の実施形態では、患者は、成人である。一部の実施形態では、患者は、子供または小児患者である。
がんには、別の実施形態では、以下に限定されるものではないが、中皮腫、肝胆道(hepatobilliary)(肝臓および胆管(billiary duct))、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頸部のがん、皮膚または眼内メラノーマ、卵巣がん、結腸がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、胃腸管(胃、結腸直腸、および十二指腸)、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、頸部癌、膣癌、外陰部癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、前立腺がん、精巣がん、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓または尿管のがん、腎細胞癌、腎盂癌、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、副腎皮質がん、胆嚢がん、多発性骨髄腫、胆管細胞癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、または先のがんの1つもしくは複数の組合せが含まれる。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌、卵巣がん、卵巣上皮がんもしくは卵管がん;乳頭漿液性嚢胞腺癌もしくは子宮乳頭漿液性癌腫(UPSC);前立腺がん;精巣がん;胆嚢がん;肝臓胆管癌;軟組織および骨滑液肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺がん;副腎皮質腺腫;膵臓がん;膵臓管癌もしくは膵臓腺癌;胃腸管/胃(GIST)がん;リンパ腫;頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN);唾液腺がん;神経膠腫もしくは脳がん;神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫(MPNST);ワルデンストレームマクログロブリン血症;または髄芽腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵管がん、乳頭漿液性嚢胞腺癌、子宮乳頭漿液性癌腫(UPSC)、肝臓胆管癌、軟組織および骨滑液肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質腺腫、膵臓がん、膵臓管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、または髄芽腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍、例えば肉腫、癌腫、またはリンパ腫である。固形腫瘍は、一般に、典型的に嚢胞または液体領域を含まない異常な組織塊を含む。一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌もしくは腎臓がん;肝細胞癌(HCC)もしくは肝芽腫もしくは肝臓がん;メラノーマ;乳がん;結腸直腸癌もしくは結腸直腸がん;結腸がん;直腸がん;肛門がん;肺がん、例えば非小細胞肺がん(NSCLC)もしくは小細胞肺がん(SCLC);卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌もしくは卵管がん;乳頭漿液性嚢胞腺癌もしくは子宮乳頭漿液性癌腫(UPSC);前立腺がん;精巣がん;胆嚢がん;肝臓胆管癌;軟組織および骨滑液肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺がん;副腎皮質癌;膵臓がん;膵臓管癌もしくは膵臓腺癌;胃腸管/胃(GIST)がん;リンパ腫;頭頸部の扁平上皮細胞癌(SCCHN);唾液腺がん;神経膠腫もしくは脳がん;神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫(MPNST);ワルデンストレームマクログロブリン血症;または髄芽腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸直腸癌、結腸直腸がん、結腸がん、直腸がん、肛門がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌、卵管がん、乳頭漿液性嚢胞腺癌、子宮乳頭漿液性癌腫(UPSC)、肝臓胆管癌、軟組織および骨滑液肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質癌、膵臓がん、膵臓管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、脳がん、神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、または髄芽腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸がん、直腸がん、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣癌、卵管がん、乳頭漿液性嚢胞腺癌、子宮乳頭漿液性癌腫(UPSC)、肝臓胆管癌、軟組織および骨滑液肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺がん、副腎皮質癌、膵臓がん、膵臓管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、ワルデンストレームマクログロブリン血症、または髄芽腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)である。一部の実施形態では、がんは、肝芽腫である。一部の実施形態では、がんは、結腸がんである。一部の実施形態では、がんは、直腸がんである。一部の実施形態では、がんは、卵巣がんまたは卵巣癌である。一部の実施形態では、がんは、卵巣上皮がんである。一部の実施形態では、がんは、卵管がんである。一部の実施形態では、がんは、乳頭漿液性嚢胞腺癌である。一部の実施形態では、がんは、子宮乳頭漿液性癌腫(UPSC)である。一部の実施形態では、がんは、肝臓胆管癌である。一部の実施形態では、がんは、軟組織および骨滑液肉腫である。一部の実施形態では、がんは、横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、がんは、骨肉腫である。一部の実施形態では、がんは、未分化甲状腺がんである。一部の実施形態では、がんは、副腎皮質癌である。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんまたは膵臓管癌である。一部の実施形態では、がんは、膵臓腺癌である。一部の実施形態では、がんは、神経膠腫である。一部の実施形態では、がんは、悪性末梢神経鞘腫(MPNST)である。一部の実施形態では、がんは、神経線維腫症-1関連MPNSTである。一部の実施形態では、がんは、ワルデンストレームマクログロブリン血症である。一部の実施形態では、がんは、髄芽腫である。
一部の実施形態では、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、肛門がん、虫垂がん、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、星状細胞腫、脳および脊髄の腫瘍、脳幹神経膠腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚性腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、未知の原発性癌、中枢神経系がん、子宮頸がん、小児がん、脊索腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性疾患、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚性腫瘍、子宮内膜がん、上衣芽腫、上衣腫、食道がん、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん、骨の線維性組織球腫、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質性腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞がん、組織球増殖症、ランゲルハンス細胞がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内メラノーマ、膵島腫瘍、カポジ肉腫、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭がん、白血病、唇および口腔のがん、肝臓がん、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺がん、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、マクログロブリン血症、男性乳がん、髄芽腫、髄上皮腫、メラノーマ、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、原発不明の転移性扁平上皮頸部がん、NUT遺伝子を伴う正中管(Midline Tract)癌、口のがん、多発性内分泌腺腫症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成性/骨髄増殖性の新生物、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、鼻腔がん、副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔のがん、口腔がん、唇がん、口腔咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵臓がん、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔がん、鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、中間型松果体実質性腫瘍、松果体芽腫、下垂体腫瘍、形質細胞新生物、胸膜肺の芽細胞腫、乳がん、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞がん、明細胞腎細胞癌、腎盂がん、尿管がん、移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟組織肉腫、扁平上皮細胞癌、原発不明の扁平上皮頸部がん、頭頸部の扁平上皮細胞癌(HNSCC)、胃がん、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽喉がん、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺がん、腎盂および尿管の移行細胞がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、妊娠性絨毛腫瘍、小児期の未知の異常な原発性がん、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍である。
本発明による化合物は、炎症性または閉塞性気道疾患を処置して、例えば、組織損傷、気道炎症、気管支過敏性、再構築または疾患の進行を低減するのに有用である。本発明を適用できる炎症性または閉塞性気道疾患には、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息の両方、軽度の喘息、中程度の喘息、重度の喘息、気管支喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息、ならびに細菌感染後に誘導された喘息を含む、いかなるタイプまたは起源の喘息も含まれる。また喘息の処置は、喘鳴症状を示しており、主な医学的関心の確立された患者分類である「喘鳴する乳児」と診断された、または診断可能であり、現在しばしば初発または初期相喘息患者と特定されている、例えば4歳または5歳未満の対象の処置を包含すると理解されるべきである。
喘息の処置における予防的有効性は、症候性発作、例えば急性喘息もしくは気管支収縮発作の頻度もしくは重症度の低下、肺機能の改善、または気道過敏性の改善によって証拠付けられる。予防的有効性はさらに、他の対症療法、例えば症候性発作が生じる場合にそれを制限または中断させるためのまたはそれを企図された、例えば抗炎症的または気管支拡張的治療の要件の低減によって証拠付けることができる。喘息の予防上の利益は、特に「モーニングディップ」を起こす傾向がある対象において明らかとなり得る。「モーニングディップ」は、実質的な割合の喘息患者に共通しており、例えば午前約4時~6時の間、すなわち既に投与された喘息の対症療法から普通は実質的に隔たった時間における喘息発作によって特徴付けられる、認識されている喘息症候群である。
本発明の化合物は、本発明を適用できる、急性肺傷害(ALI)、成人/急性呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺、気道または肺疾患(COPD、COADまたはCOLD)(それと関連する慢性気管支炎または呼吸困難を含む)、気腫、ならびに他の薬物治療、特に他の吸入薬物治療の結果生じる気道過敏性の増悪を含む他の炎症性または閉塞性気道疾患および状態のために使用することができる。本発明は、以下に限定されるものではないが、急性、アラキジン酸性(arachidic)、カタル性、クループ性(croupus)、慢性または結核性(phthinoid)気管支炎を含む、いかなるタイプまたは起源の気管支炎の処置にも適用できる。本発明を適用できるさらなる炎症性または閉塞性気道疾患には、例えば、アルミニウム肺症、炭粉症、石綿肺、石肺症、睫毛脱落症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ肺症および綿肺症を含む、いかなるタイプまたは起源の塵肺症(慢性であろうと急性であろうと気道閉塞をしばしば伴い、粉塵を繰り返し吸入することによって引き起こされる、炎症性、一般に職業性の肺の疾患)も含まれる。
本発明の化合物は、それらの抗炎症活性に関して、特に好酸球活性化の阻害に関して、好酸球関連障害、例えば好酸球増加症、特に気道および/または肺に影響を及ぼすような場合における過好酸球増加症を含む、気道の好酸球関連障害(例えば、肺組織の病的好酸球性浸潤を伴う)、ならびに例えばレフレル症候群の結果としてまたは同時に生じる気道の好酸球関連障害、好酸球性肺炎、寄生虫(特に後生動物)の寄生(熱帯性好酸球増加症を含む)、気管支肺アスペルギルス症、結節性多発動脈炎(チャーグ-ストラウス症候群を含む)、好酸球性肉芽腫および薬物反応によって引き起こされた気道に影響を及ぼす好酸球関連障害の処置にも有用である。
本発明の化合物は、皮膚の炎症状態またはアレルギー状態、例えば乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑(erythema multiforma)、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏性血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、紅斑性狼瘡、全身性エリテマトーデス、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、尋常性座瘡、および皮膚の他の炎症状態またはアレルギー状態の処置にも有用である。
本発明の化合物は、他の疾患または状態、例えば炎症性成分を有する疾患または状態の処置、例えば、目の疾患および状態、例えば眼のアレルギー、結膜炎、乾性角結膜炎、および春季結膜炎、アレルギー性鼻炎を含む鼻に影響を及ぼす疾患、ならびに自己免疫性反応が関与する、または自己免疫性血液学的障害(例えば、溶血性貧血、再生不良性貧血、赤芽球ろうおよび特発性血小板減少症)を含む自己免疫性成分もしくは病因を有する炎症性疾患、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、多発性軟骨炎、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症(granulamatosis)、皮膚筋炎、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、スティーブンス-ジョンソン症候群、特発性スプルー、自己免疫性炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、過敏性腸症候群、セリアック病、歯周炎、肺硝子膜症、腎疾患、糸球体疾患、アルコール性肝疾患、多発性硬化症、内分泌性眼疾患(opthalmopathy)、グレーブス病、サルコイドーシス、肺胞炎、慢性過敏性肺炎、多発性硬化症、原発性胆汁性肝硬変、ぶどう膜炎(前部および後部)、シェーグレン症候群、乾性角結膜炎および春季角結膜炎、間質性肺線維症、乾癬性関節炎、全身性若年性特発性関節炎、クリオピリン関連周期性症候群、腎炎、血管炎、憩室炎、間質性膀胱炎、糸球体腎炎(例えば、特発性ネフローゼ症候群または微小変化腎症を含むネフローゼ症候群を伴うものおよび伴わないもの)、慢性肉芽腫性疾患、子宮内膜症、レプトスピラ症(leptospiriosis)腎疾患、緑内障、網膜疾患、加齢、頭痛、疼痛、複合性局所疼痛症候群、心肥大、筋消耗、異化障害、肥満、胎児成長遅滞、高コレステロール血症(hyperchlolesterolemia)、心疾患、慢性心不全、中皮腫、無汗性外胚葉(anhidrotic ecodermal)形成異常症、ベーチェット病、色素失調症、パジェット病、膵炎、遺伝性周期性発熱症候群、喘息(アレルギー性および非アレルギー性、軽度、中程度、重度、気管支炎性、および運動誘発性)、急性肺傷害、急性呼吸促迫症候群、好酸球増加症、過敏症、アナフィラキシー、副鼻腔炎、眼のアレルギー、シリカ誘発性疾患、COPD(損傷の低減、気道炎症、気管支過敏性、再構築または疾患の進行)、肺疾患、嚢胞性線維症、酸誘発性肺傷害、肺高血圧症、多発ニューロパチー、白内障、全身性硬化症と関連する筋肉の炎症、皮膚筋炎、多発性筋炎、封入体筋炎、重症筋無力症、甲状腺炎、アジソン病、扁平苔癬、1型糖尿病または2型糖尿病の処置に使用することもできる。
一部の実施形態では、本発明の方法に従って処置され得る炎症性疾患は、急性および慢性痛風、慢性痛風性関節炎、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性若年性特発性関節炎(SJIA)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、または変形性関節症から選択される。
一部の実施形態では、本発明の方法に従って処置され得る炎症性疾患は、TH17媒介性疾患から選択される。一部の実施形態では、TH17媒介性疾患は、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、クローン病または潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患から選択される。
一部の実施形態では、本発明の方法に従って処置され得る炎症性疾患は、シェーグレン症候群 アレルギー障害、変形性関節症から選択される。目の状態、例えば眼のアレルギー、結膜炎、乾性角結膜炎、および春季結膜炎、アレルギー性鼻炎を含む鼻に影響を及ぼす疾患。
一部の実施形態では、本発明の方法に従って処置され得る炎症性疾患は、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形性紅斑、疱疹状皮膚炎、強皮症、白斑、過敏症血管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、後天性表皮水疱症、および皮膚の他の炎症状態またはアレルギー状態から選択される。
ある特定の実施形態では、提供される化合物は、ウイルス感染、疾患、または状態を処置するのに有用である。一部の実施形態では、本発明は、レトロウイルス疾患、例えばHIV-1、HIV-2、ヒトT細胞白血病ウイルス-I(HTLV-I)、HTLV-II、HTLV-III、サル免疫不全ウイルス(SIV)、リンパ節症関連ウイルス(LAV-2)、サルT-リンパ増殖性ウイルス-I(STLV-I)、STLV-II、STLV-III、サルB-リンパ増殖性(SBL)ウイルス、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、ウシ白血病ウイルス(BLV)、ウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)、ネコ白血病ウイルス(FELV)、マウス白血病ウイルス(MuLV)、トリ白血病ウイルス(ALV);他のウイルス感染、例えばヘパドナウイルス科(B型肝炎);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスI、単純ヘルペスII、水痘帯状疱疹、エプスタイン-バーウイルスおよびサイトメガロウイルス);パルボウイルス科(ヒトパルボウイルスB-19);パポバウイルス科(ヒトパピローマウイルスタイプ1~60、JCおよびBKウイルス);ポックスウイルス(大痘瘡、小痘瘡、ワクチニア、サル痘、牛痘、パラワクシニアまたは搾乳者結節ウイルス、パラポックスまたはオーフウイルス、伝染性軟属腫)から選択されるウイルス疾患、ならびにがん、リンパ腫および他の白血病を処置する方法を提供する。
併用治療
処置を受ける特定の状態または疾患に応じて、その状態を処置するために通常は投与される追加の治療剤を、本発明の化合物および組成物と組み合わせて投与することができる。本明細書で使用される場合、特定の疾患または状態を処置するために通常は投与される追加の治療剤は、「処置を受ける疾患または状態に適している」ことが公知である。
ある特定の実施形態では、提供される化合物またはその組成物は、別の抗がん剤、細胞毒、または化学療法剤と組み合わせて、それを必要とする患者に投与される。
ある特定の実施形態では、本発明の化合物または組成物と組み合わせて使用される抗がん剤または化学療法剤には、以下に限定されるものではないが、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン、イマチニブ、ニロチニブ、ゲフィチニブ、スニチニブ、カルフィルゾミブ、サリノスポラミドA、レチノイン酸、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、イホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メトトレキセート、チオグアニン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、エトポシド、テニポシド、タフルポシド、パクリタキセル、ドセタキセル、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、アクチノマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、バルルビシン、イダルビシン、エピルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、メルファラン、ブスルファン、カペシタビン、ペメトレキセド、エポチロン、13-cis-レチノイン酸、2-CdA、2-クロロデオキシアデノシン、5-アザシチジン、5-フルオロウラシル、5-FU、6-メルカプトプリン、6-MP、6-TG、6-チオグアニン、アブラキサン、Accutane(登録商標)、アクチノマイシン-D、Adriamycin(登録商標)、Adrucil(登録商標)、Afinitor(登録商標)、Agrylin(登録商標)、Ala-Cort(登録商標)、アルデスロイキン、アレムツズマブ、ALIMTA、アリトレチノイン、Alkaban-AQ(登録商標)、Alkeran(登録商標)、All-トランスレチノイン酸、アルファインターフェロン、アルトレタミン、アメトプテリン、アミホスチン、アミノグルテチミド、アナグレリド、Anandron(登録商標)、アナストロゾール、アラビノシルシトシン、Ara-C、Aranesp(登録商標)、Aredia(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Aromasin(登録商標)、Arranon(登録商標)、三酸化ヒ素、Arzerra(商標)、アスパラギナーゼ、ATRA、Avastin(登録商標)、アザシチジン、BCG、BCNU、ベンダムスチン、ベバシツマブ、ベキサロテン、BEXXAR(登録商標)、ビカルタミド、BiCNU、Blenoxane(登録商標)、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、Busulfex(登録商標)、C225、ロイコボリンカルシウム、Campath(登録商標)、Camptosar(登録商標)、カンプトテシン-11、カペシタビン、Carac(商標)、カルボプラチン、カルムスチン、カルムスチンウェーハ、Casodex(登録商標)、CC-5013、CCI-779、CCNU、CDDP、CeeNU、Cerubidine(登録商標)、セツキシマブ、クロラムブシル、シトロボラム因子、クラドリビン、コルチゾン、Cosmegen(登録商標)、CPT-11、Cytadren(登録商標)、Cytosar-U(登録商標)、Cytoxan(登録商標)、ダカルバジン、ダコゲン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダサチニブ、ダウノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リポソームダウノルビシン、DaunoXome(登録商標)、デカドロン、デシタビン、Delta-Cortef(登録商標)、Deltasone(登録商標)、デニロイキン、ディフティトックス、DepoCyt(商標)、デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサゾン、デクスラゾキサン、DHAD、DIC、ジオデックス、ドセタキセル、Doxil(登録商標)、ドキソルビシン、リポソームドキソルビシン、Droxia(商標)、DTIC、DTIC-Dome(登録商標)、Duralone(登録商標)、Efudex(登録商標)、Eligard(商標)、Ellence(商標)、Eloxatin(商標)、Elspar(登録商標)、Emcyt(登録商標)、エピルビシン、エポエチンアルファ、アービタックス、エルロチニブ、エルウィニアL-アスパラギナーゼ、エストラムスチン、エチオール、Etopophos(登録商標)、エトポシド、リン酸エトポシド、Eulexin(登録商標)、エベロリムス、Evista(登録商標)、エキセメスタン、Fareston(登録商標)、Faslodex(登録商標)、Femara(登録商標)、フィルグラスチム、フロクスウリジン、Fludara(登録商標)、フルダラビン、Fluoroplex(登録商標)、フルオロウラシル、フルオロウラシル(クリーム)、フルオキシメステロン、フルタミド、フォリン酸、FUDR(登録商標)、フルベストラント、G-CSF、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、Gemzar Gleevec(商標)、Gliadel(登録商標)ウェーハ、GM-CSF、ゴセレリン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、Halotestin(登録商標)、Herceptin(登録商標)、Hexadrol、Hexalen(登録商標)、ヘキサメチルメラミン、HMM、Hycamtin(登録商標)、Hydrea(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)、ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸ハイドロコートン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブ、イブリツモマブ、チウキセタン、Idamycin(登録商標)、Idarubicin Ifex(登録商標)、IFN-アルファ、イホスファミド、IL-11、IL-2、メシル酸イマチニブ、イミダゾールカルボキサミド、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ-2b(PEGコンジュゲート)、インターロイキン-2、インターロイキン-11、Intron A(登録商標)(インターフェロンアルファ-2b)、Iressa(登録商標)、イリノテカン、イソトレチノイン、イクサベピロン、Ixempra(商標)、Kidrolase(登録商標)、Lanacort(登録商標)、ラパチニブ、L-アスパラギナーゼ、LCR、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、リューケラン、Leukine(商標)、ロイプロリド、ロイロクリスチン、Leustatin(商標)、リポソームAra-C、Liquid Pred(登録商標)、ロムスチン、L-PAM、L-サルコリシン、Lupron(登録商標)、Lupron Depot(登録商標)、Matulane(登録商標)、マキシデックス、メクロレタミン、塩酸メクロレタミン、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、Megace(登録商標)、メゲストロール、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、Mesnex(商標)、メトトレキセート、メトトレキセートナトリウム、メチルプレドニゾロン、Meticorten(登録商標)、マイトマイシン、マイトマイシン-C、ミトキサントロン、M-Prednisol(登録商標)、MTC、MTX、Mustargen(登録商標)、Mustine、Mutamycin(登録商標)、Myleran(登録商標)、Mylocel(商標)、Mylotarg(登録商標)、Navelbine(登録商標)、ネララビン、Neosar(登録商標)、Neulasta(商標)、Neumega(登録商標)、Neupogen(登録商標)、Nexavar(登録商標)、Nilandron(登録商標)、ニロチニブ、ニルタミド、Nipent(登録商標)、ナイトロジェンマスタード、Novaldex(登録商標)、Novantrone(登録商標)、Nplate、オクトレオチド、酢酸オクトレオチド、オファツムマブ、Oncospar(登録商標)、Oncovin(登録商標)、Ontak(登録商標)、Onxal(商標)、オプレルベキン、Orapred(登録商標)、Orasone(登録商標)、オキサリプラチン、パクリタキセル、タンパク質結合パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、Panretin(登録商標)、Paraplatin(登録商標)、パゾパニブ、Pediapred(登録商標)、PEGインターフェロン、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、PEG-INTRON(商標)、PEG-L-アスパラギナーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、フェニルアラニンマスタード、Platinol(登録商標)、Platinol-AQ(登録商標)、プレドニゾロン、プレドニゾン、Prelone(登録商標)、プロカルバジン、PROCRIT(登録商標)、Proleukin(登録商標)、カルムスチンインプラントを伴うProlifeprospan 20、Purinethol(登録商標)、ラロキシフェン、Revlimid(登録商標)、Rheumatrex(登録商標)、Rituxan(登録商標)、リツキシマブ、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンアルファ-2a)、Romiplostim、Rubex(登録商標)、塩酸ルビドマイシン、Sandostatin(登録商標)、Sandostatin LAR(登録商標)、サルグラモスチム、Solu-Cortef(登録商標)、Solu-Medrol(登録商標)、ソラフェニブ、SPRYCEL(商標)、STI-571、ストレプトゾシン、SU11248、スニチニブ、Sutent(登録商標)、タモキシフェン、Tarceva(登録商標)、Targretin(登録商標)、Tasigna(登録商標)、Taxol(登録商標)、Taxotere(登録商標)、Temodar(登録商標)、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、TESPA、サリドマイド、Thalomid(登録商標)、TheraCys(登録商標)、チオグアニン、Thioguanine Tabloid(登録商標)、チオホスホアミド、Thioplex(登録商標)、チオテパ、TICE(登録商標)、Toposar(登録商標)、トポテカン、トレミフェン、Torisel(登録商標)、トシツモマブ、トラスツズマブ、Treanda(登録商標)、トレチノイン、Trexall(商標)、Trisenox(登録商標)、TSPA、TYKERB(登録商標)、VCR、Vectibix(商標)、Velban(登録商標)、Velcade(登録商標)、VePesid(登録商標)、Vesanoid(登録商標)、Viadur(商標)、Vidaza(登録商標)、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、Vincasar Pfs(登録商標)、ビンクリスチン、ビノレルビン、酒石酸ビノレルビン、VLB、VM-26、ボリノスタット、Votrient、VP-16、Vumon(登録商標)、Xeloda(登録商標)、Zanosar(登録商標)、Zevalin(商標)、Zinecard(登録商標)、Zoladex(登録商標)、ゾレドロン酸、Zolinza、Zometa(登録商標)、または先のいずれかの組合せが含まれる。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される増殖性障害の処置のために、免疫腫瘍学的薬剤を、本明細書に記載される化合物と共に投与することができる。本明細書で使用される場合、「免疫腫瘍学的薬剤」という用語は、対象における免疫応答を増強し、刺激し、かつ/または上方調節するのに有効な薬剤を指す。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤を本明細書に記載される化合物と共に投与することは、がんの処置において相乗効果を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、免疫腫瘍学的薬剤の投与の前に、順次投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、免疫腫瘍学的薬剤と同時に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、免疫腫瘍学的薬剤の投与後に、順次投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、免疫腫瘍学的薬剤と共に製剤化され得る。
免疫腫瘍学的薬剤は、例えば、小分子薬物、抗体、または生体分子もしくは小分子であり得る。生物学的免疫腫瘍学的薬剤の例として、以下に限定されるものではないが、がんワクチン、抗体、およびサイトカインが挙げられる。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、モノクローナル抗体は、ヒト化モノクローナル抗体またはヒトモノクローナル抗体である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、(i)刺激性(同時刺激性を含む)受容体のアゴニスト、または(ii)T細胞上の阻害性(同時阻害性を含む)シグナルのアンタゴニストであり、それらの両方が、抗原に特異的なT細胞応答の増幅をもたらす。
ある特定の刺激性および阻害性分子は、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。同時刺激性または同時阻害性受容体に結合する膜結合リガンドの1つの重要なファミリーは、B7ファミリーであり、それには、B7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)、およびB7-H6が含まれる。同時刺激性または同時阻害性受容体に結合する膜結合リガンドの別のファミリーは、同族TNF受容体ファミリーメンバーに結合するTNFファミリーの分子であり、それには、CD40およびCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137(4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRが含まれる。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、T細胞の活性化を阻害するサイトカイン(例えば、IL-6、IL-10、TGF-β、VEGF、および他の免疫抑制サイトカイン)、または免疫応答を刺激するためにT細胞の活性化を刺激するサイトカインである。
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物および免疫腫瘍学的薬剤の組合せは、T細胞応答を刺激することができる。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、(i)T細胞の活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)、例えばCTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、およびTIM-4、または(ii)T細胞の活性化を刺激するタンパク質のアゴニスト、例えばB7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3およびCD28Hである。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、NK細胞上の阻害性受容体のアンタゴニストまたはNK細胞上の活性化受容体のアゴニストである。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、KIRのアンタゴニスト、例えばリリルマブである。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、以下に限定されるものではないが、CSF-1Rアンタゴニスト、例えばRG7155(WO11/70024、WO11/107553、WO11/131407、WO13/87699、WO13/119716、WO13/132044)またはFPA-008(WO11/140249;WO13169264;WO14/036357)を含むCSF-1Rアンタゴニスト抗体を含む、マクロファージまたは単球を阻害する、または枯渇させる薬剤である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、陽性共刺激性受容体を連結するアゴニスト剤、阻害性受容体を介するシグナル伝達を減弱する遮断剤、アンタゴニスト、ならびに抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増大する1種または複数種の薬剤、腫瘍微小環境内の別個の免疫抑制性経路を克服する(例えば、阻害性受容体の関与(例えば、PD-L1/PD-1相互反応)を遮断し、Tregを枯渇もしくは阻害し(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ)を使用して、またはex vivo抗CD25ビーズ枯渇によって)、IDOなどの代謝酵素を阻害する、またはT細胞エネルギーもしくは消耗を逆行/防止する)薬剤、ならびに先天性免疫活性化および/または腫瘍部位における炎症を引き起こす薬剤から選択される。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、CTLA-4アンタゴニストである。一部の実施形態では、CTLA-4アンタゴニストは、アンタゴニストCTLA-4抗体である。一部の実施形態では、アンタゴニストCTLA-4抗体は、YERVOY(イピリムマブ)またはトレメリムマブである。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、PD-1アンタゴニストである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、注入によって投与される。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、プログラム死-1(PD-1)受容体に特異的に結合し、PD-1活性を阻害する抗体またはその抗原結合部分である。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、アンタゴニストPD-1抗体である。一部の実施形態では、アンタゴニストPD-1抗体は、OPDIVO(ニボルマブ)、KEYTRUDA(ペンブロリズマブ)、またはMEDI-0680(AMP-514;WO2012/145493)である。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、ピディリズマブ(CT-011)であり得る。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、IgG1のFc部分に融合したPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインから構成された、AMP-224と呼ばれる組換えタンパク質である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、PD-L1アンタゴニストである。一部の実施形態では、PD-L1アンタゴニストは、アンタゴニストPD-L1抗体である。一部の実施形態では、PD-L1抗体は、MPDL3280A(RG7446;WO2010/077634)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559(WO2007/005874)、およびMSB0010718C(WO2013/79174)である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、LAG-3アンタゴニストである。一部の実施形態では、LAG-3アンタゴニストは、アンタゴニストLAG-3抗体である。一部の実施形態では、LAG3抗体は、BMS-986016(WO10/19570、WO14/08218)、またはIMP-731もしくはIMP-321(WO08/132601、WO009/44273)である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、CD137(4-1BB)アゴニストである。一部の実施形態では、CD137(4-1BB)アゴニストは、アゴニストCD137抗体である。一部の実施形態では、CD137抗体は、ウレルマブまたはPF-05082566(WO12/32433)である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、GITRアゴニストである。一部の実施形態では、GITRアゴニストは、アゴニストGITR抗体である。一部の実施形態では、GITR抗体は、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(WO006/105021、WO009/009116)、またはMK-4166(WO11/028683)である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、IDOアンタゴニストである。一部の実施形態では、IDOアンタゴニストは、INCB-024360(WO2006/122150、WO07/75598、WO08/36653、WO08/36642)、インドキシモド、またはNLG-919(WO09/73620、WO009/1156652、WO11/56652、WO12/142237)である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、OX40アゴニストである。一部の実施形態では、OX40アゴニストは、アゴニストOX40抗体である。一部の実施形態では、OX40抗体は、MEDI-6383またはMEDI-6469である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、OX40Lアンタゴニストである。一部の実施形態では、OX40Lアンタゴニストは、アンタゴニストOX40抗体である。一部の実施形態では、OX40Lアンタゴニストは、RG-7888(WO06/029879)である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、CD40アゴニストである。一部の実施形態では、CD40アゴニストは、アゴニストCD40抗体である。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、CD40アンタゴニストである。一部の実施形態では、CD40アンタゴニストは、アンタゴニストCD40抗体である。一部の実施形態では、CD40抗体は、ルカツムマブまたはダセツズマブである。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、CD27アゴニストである。一部の実施形態では、CD27アゴニストは、アゴニストCD27抗体である。一部の実施形態では、CD27抗体は、バルリルマブである。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、MGA271(B7H3に対する)(WO11/109400)である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アレムツズマブ、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アポリズマブ、アテゾリズマブ(atezolimab)、アベルマブ、ブリナツモマブ、BMS-936559、カツマキソマブ、デュルバルマブ、エパカドスタット、エピラツズマブ、インドキシモド、イノツズマブオゾガマイシン、インテツムマブ(intelumumab)、イピリムマブ、イサツキシマブ、ランブロリズマブ、MED14736、MPDL3280A、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ(olatatumab)、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ、サマリズマブ、またはトレメリムマブである。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、免疫賦活剤である。例えば、PD-1およびPD-L1阻害性軸を遮断する抗体は、活性化された腫瘍反応性T細胞を解き放つことができ、臨床治験において、従来、免疫療法に感受性であるとみなされていない一部の腫瘍型を含む腫瘍組織の数を増大させる持続的抗腫瘍応答を誘導することが示されている。例えば、Okazaki, T. et al. (2013) Nat. Immunol. 14, 1212-1218;Zou et al. (2016) Sci. Transl. Med. 8を参照されたい。抗PD-1抗体ニボルマブ(ONO-4538、MDX1106およびBMS-936558としても公知のOpdivo(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)は、過去の抗血管新生治療中またはその後に疾患の進行を経験したRCCを有する患者における全体的生存を、潜在的に改善することが示されている。
一部の実施形態では、免疫調節治療薬は、腫瘍細胞のアポトーシスを特異的に誘導する。本発明において使用され得る、承認されている免疫調節治療薬には、ポマリドミド(Pomalyst(登録商標)、Celgene)、レナリドミド(Revlimid(登録商標)、Celgene)、インゲノールメブテート(Picato(登録商標)、LEO Pharma)が含まれる。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、がんワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、無症候性または最小限に症候性の転移性去勢抵抗性(ホルモン不応性)前立腺がんの処置に承認されているシプロイセル-T(Provenge(登録商標)、Dendreon/Valeant Pharmaceuticals)、ならびにメラノーマにおける切除不能な皮膚、皮下および結節の病変の処置のために承認されている遺伝的に改変された腫瘍溶解性ウイルス治療であるタリモジンラヘルパレプベク(Imlygic(登録商標)、BioVex/Amgen、既にT-VECとして公知)から選択される。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、腫瘍溶解性ウイルス治療、例えば肝細胞癌(NCT02562755)およびメラノーマ(NCT00429312)のための、GM-CSFを発現するように操作されたチミジンキナーゼ-(TK-)欠損ワクチニアウイルスであるペキサスチモジンデバシレプベク(PexaVec/JX-594、SillaJen/以前はJennerex Biotherapeutics);結腸直腸がん(NCT01622543)、前立腺がん(NCT01619813)、頭頸部の扁平上皮細胞がん(NCT01166542)、膵臓腺癌(NCT00998322)、および非小細胞肺がん(NSCLC)(NCT00861627)を含む数々のがんにおける、RASによって活性化されていない細胞では複製しない呼吸器腸溶オーファンウイルス(レオウイルス)の変異体である、ペラレオレップ(pelareorep)(Reolysin(登録商標)、Oncolytics Biotech);卵巣がん(NCT02028117)、転移性もしくは進行性上皮性腫瘍、例えば結腸直腸がん、膀胱がん、頭頸部の扁平上皮細胞癌および唾液腺がん(NCT02636036)における、T細胞受容体CD3タンパク質に特異的な全長CD80および抗体断片を発現するように操作されたアデノウイルスであるエナデノツシレブ(enadenotucirev)(NG-348、PsiOxus、以前はColoAd1として公知);メラノーマ(NCT03003676)、および腹膜の疾患、結腸直腸がんもしくは卵巣がん(NCT02963831)における、GM-CSFを発現するように操作されたアデノウイルスであるONCOS-102(Targovax/以前はOncos);腹膜癌腫症(NCT01443260);卵管がん、卵巣がん(NCT02759588)においてそれぞれ研究されている、ベータ-ガラクトシダーゼ(ベータ-gal)/ベータ-グルクロニダーゼ(glucoronidase)もしくはベータ-gal/ヒトヨウ化ナトリウム共輸送体(hNIS)を発現するように操作されたワクチニアウイルスであるGL-ONC1(GLV-1h68/GLV-1h153、Genelux GmbH);または膀胱がん(NCT02365818)における、GM-CSFを発現するように操作されたアデノウイルスであるCG0070(Cold Genesys)から選択される。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、プロドラッグである5-フルオロシトシンを細胞傷害性薬物である5-フルオロウラシルに変換することができる、シトシン脱アミノ酵素を発現するように操作されたTK-およびワクチニア成長因子-欠損ワクチニアウイルスである、JX-929(SillaJen/以前はJennerex Biotherapeutics);難治性RAS突然変異を標的としたペプチドベースの免疫療法剤である、TG01およびTG02(Targovax/以前はOncos);ならびにAd5/3-E2F-デルタ24-hTNFα-IRES-hIL20と指定される操作されたアデノウイルスであるTILT-123(TILT Biotherapeutics);ならびにリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)の糖タンパク質(GP)を発現するように操作されており、それによって、抗原に特異的なCD8T細胞応答を向上させるように設計された抗原を発現するようにさらに操作され得る水疱性口内炎ウイルス(VSV)である、VSV-GP(ViraTherapeutics)から選択される。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、キメラ抗原受容体またはCARを発現するように操作されたT細胞である。このようなキメラ抗原受容体を発現するように操作されたT細胞は、CAR-T細胞と呼ばれる。
結合ドメインからなるCARが構築され、このドメインは、Tリンパ球において活性化シグナルを発生することができる、TCR由来のCD3-ゼータシグナル伝達ドメインなどのT細胞受容体(TCR)の機能的端部であるエンドドメインに融合している、細胞表面抗原に特異的なモノクローナル抗体に由来する天然リガンドである単鎖可変断片(scFv)に由来し得る。このようなCARは、抗原に結合すると、エフェクター細胞における内因性シグナル伝達経路に連結し、TCR複合体によって開始されるものと類似の活性化シグナルを発生する。
例えば、一部の実施形態では、CAR-T細胞は、米国特許第8,906,682号(June;その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているものの1つであり、その特許は、T細胞抗原受容体複合体ゼータ鎖(CD3ゼータなど)の細胞内シグナル伝達ドメインに融合している、抗原結合ドメイン(CD19に結合するドメインなど)を有する細胞外ドメインを含むように操作されたCAR-T細胞を開示している。CARは、T細胞において発現される場合、抗原結合特異性に基づいて抗原認識の対象を変えることができる。CD19の場合、抗原は、悪性B細胞上に発現する。現在、200を超える臨床治験が、広範な適応症において、CAR-Tを用いて進行中である。[https://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=chimeric+antigen+receptors&pg=1]。
一部の実施形態では、免疫賦活剤は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γ(RORγt)の活性化因子である。RORγtは、CD4+(Th17)およびCD8+(Tc17)T細胞のタイプ17エフェクターサブセットの分化および維持、ならびにNK細胞などのIL-17を発現する自然免疫細胞部分集合の分化において、非常に重要な役割を有する転写因子である。一部の実施形態では、RORγtの活性化因子は、現在、固形腫瘍(NCT02929862)の処置のための臨床治験において評価されているLYC-55716(Lycera)である。
一部の実施形態では、免疫賦活剤は、toll様受容体(TLR)のアゴニストまたは活性化因子である。TLRの適切な活性化因子には、TLR9のアゴニストまたは活性化因子、例えばSD-101(Dynavax)が含まれる。SD-101は、濾胞性B細胞および他のリンパ腫(NCT02254772)について研究されている免疫賦活性CpGである。本発明において使用され得るTLR8のアゴニストまたは活性化因子には、頭頸部の扁平上皮細胞がん(NCT02124850)および卵巣がん(NCT02431559)について研究されているモトリモド(VTX-2337、VentiRx Pharmaceuticals)が含まれる。
本発明において使用され得る他の免疫腫瘍学的薬剤には、ウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)、抗CD137モノクローナル抗体;バリルマブ(CDX-1127、Celldex Therapeutics)、抗CD27モノクローナル抗体;BMS-986178(Bristol-Myers Squibb)、抗OX40モノクローナル抗体;リリルマブ(IPH2102/BMS-986015、Innate Pharma、Bristol-Myers Squibb)、抗KIRモノクローナル抗体;モナリズマブ(IPH2201、Innate Pharma、AstraZeneca) 抗NKG2Aモノクローナル抗体;およびエカリキシマブ(ecaliximab)(GS-5745、Gilead Sciences)、抗MMP9抗体;MK-4166(Merck&Co.)、抗GITRモノクローナル抗体が含まれる。
一部の実施形態では、免疫賦活剤は、エロツズマブ、ミファムルチド、toll様受容体のアゴニストまたは活性化因子、およびRORγtの活性化因子から選択される。
一部の実施形態では、免疫賦活治療薬は、組換えヒトインターロイキン15(rhIL-15)である。rhIL-15は、メラノーマおよび腎細胞癌(NCT01021059およびNCT01369888)ならびに白血病(NCT02689453)のための治療として臨床試験されている。一部の実施形態では、免疫賦活剤は、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)である。一部の実施形態では、IL-15をベースとする免疫療法薬は、メラノーマ、腎細胞癌、非小細胞肺がんおよび頭頸部の扁平上皮細胞癌のための第1相臨床治験において試験されている(NCT02452268)、可溶性IL-15結合タンパク質IL-15受容体アルファ鎖(IL15:sIL-15RA)と複合体を形成した内因性IL-15の合成形態から構成された融合複合体であるヘテロ二量体IL-15(hetIL-15、Novartis/Admune)である。一部の実施形態では、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)は、NM-IL-12(Neumedicines,Inc.)、NCT02544724、またはNCT02542124である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれるJerry L. Adams ET. AL., "Big opportunities for small molecules in immuno-oncology," Cancer Therapy 2015, Vol. 14, pages 603-622に記載されるものから選択される。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、Jerry L. Adams ET. AL.の表1に記載されている例から選択される。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、Jerry L. Adams ET. AL.の表2に列挙されているものから選択される免疫腫瘍学的標的を標的とする小分子である。一部の実施形態では、がん免疫剤は、Jerry L. Adams ET. AL.の表2に列挙されているものから選択される小分子薬剤である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれるPeter L. Toogood, "Small molecule immuno-oncology therapeutic agents," Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2018, Vol. 28, pages 319-329に記載されている小分子免疫腫瘍学的薬剤から選択される。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、Peter L. Toogoodに記載されている経路を標的化する薬剤である。
一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれるSandra L. Ross et al., "Bispecific T cell engager (BiTE(R)) antibody constructs can mediate bystander tumor cell killing", PLoS ONE 12(8): e0183390に記載されているものから選択される。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物である。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、CD19/CD3二重特異性抗体構築物である。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、EGFR/CD3二重特異性抗体構築物である。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化する。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化し、それによって、バイスタンダー細胞上の細胞間接着分子1(ICAM-1)およびFASの上方調節を誘導するサイトカインを放出する。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化し、それによって、バイスタンダー細胞の溶解の誘導をもたらす。一部の実施形態では、バイスタンダー細胞は、固形腫瘍中に存在する。一部の実施形態では、溶解されるバイスタンダー細胞は、BiTE(登録商標)で活性化されたT細胞に近接して存在する。一部の実施形態では、バイスタンダー細胞は、腫瘍関連抗原(TAA)陰性がん細胞を含む。一部の実施形態では、バイスタンダー細胞は、EGFR陰性がん細胞を含む。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、PD-L1/PD1軸および/またはCTLA4を遮断する抗体である。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、ex-vivoで広がる腫瘍浸潤性T細胞である。一部の実施形態では、免疫腫瘍学的薬剤は、T細胞を腫瘍関連表面抗原(TAA)と直接連結させる二重特異性抗体構築物またはキメラ抗原受容体(CAR)である。
ある特定の実施形態では、2種またはそれよりも多種の治療剤の組合せを、本発明の化合物と一緒に投与することができる。ある特定の実施形態では、3種またはそれよりも多種の治療剤の組合せを、本発明の化合物と一緒に投与することができる。
本発明の阻害剤と組み合わせることができる薬剤の他の例として、以下に限定されるものではないが、ビタミンおよび栄養補助剤、がんワクチン、好中球減少症のための処置(例えば、G-CSF、フィルグラスチム、レノグラスチム)、血小板減少症のための処置(例えば、輸血、エリスロポエチン)、PI3キナーゼ(PI3K)阻害剤、MEK阻害剤、mTOR阻害剤、CPT1阻害剤、AMPK活性化因子、PCSK9阻害剤、SREBPサイト1プロテアーゼ阻害剤、HMG CoA-還元酵素阻害剤、制吐薬(例えば、5-HT受容体アンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、NK1受容体アンタゴニスト、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、カンナビノイド、ベンゾジアゼピン、または抗コリン作用薬)、アルツハイマー病のための処置、例えばAricept(登録商標)およびExcelon(登録商標);パーキンソン病のための処置、例えばL-DOPA/カルビドパ、エンタカポン、ロピニロール(ropinrole)、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキシフェニジル(trihexephendyl)、およびアマンタジン;多発性硬化症(MS)を処置するための薬剤、例えばベータインターフェロン(例えば、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標))、Copaxone(登録商標)、およびミトキサントロン;喘息のための処置、例えばアルブテロールおよびSingulair(登録商標);統合失調症を処置するための薬剤、例えばジプレキサ、リスパダール、セロクエル、およびハロペリドール;抗炎症剤、例えばコルチコステロイド、TNF遮断薬、IL-1RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびスルファサラジン;免疫調節剤および免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド(cyclophophamide)、アザチオプリン、およびスルファサラジン;神経栄養因子、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗けいれん薬、イオンチャネル遮断薬、リルゾール、および抗パーキンソン病剤;心血管疾患を処置するための薬剤、例えばベータ遮断薬、ACE阻害剤、利尿剤、硝酸塩、カルシウムチャネル遮断薬、およびスタチン、フィブレート系薬剤、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸捕捉剤、およびナイアシン;肝疾患を処置するための薬剤、例えばコルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、および抗ウイルス剤;血液障害を処置するための薬剤、例えばコルチコステロイド、抗白血病剤、および成長因子;免疫不全障害を処置するための薬剤、例えばガンマグロブリン;ならびに抗糖尿病剤、例えばビグアニド(メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン)、チアゾリジンジオン(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン)、スルホニル尿素(トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド)、メグリチニド(レパグリニド、ナテグリニド)、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤(ミグリトール、アカルボース)、インクレチン模倣薬(エキセナチド、リラグルチド、タスポグルチド)、胃抑制ペプチド類似体、DPP-4阻害剤(ビルダグリプチン、シタグリプチン、サクサグリプチン、リナグリプチン、アログリプチン)、アミリン類似体(プラムリンチド)、ならびにインスリンおよびインスリン類似体
が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本発明の化合物または薬学的に許容されるその組成物は、アンチセンス剤、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体またはsiRNA治療薬と組み合わせて投与される。
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に、本発明の化合物および1種または複数種の追加の治療剤を投与することによって、炎症性疾患、障害または状態を処置する方法を提供する。このような追加の治療剤は、小分子または組換え生物学的薬剤であり得、それには、例えば、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬物(NSAID)、例えばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク(Lodine(登録商標))およびセレコキシブ、コルヒチン(Colcrys(登録商標))、コルチコステロイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等、プロベネシド、アロプリノール、フェブキソスタット(Uloric(登録商標))、スルファサラジン(Azulfidine(登録商標))、抗マラリア薬、例えばヒドロキシクロロキン(Plaquenil(登録商標))およびクロロキン(Aralen(登録商標))、メトトレキセート(Rheumatrex(登録商標))、金塩、例えば金チオグルコース(Solganal(登録商標))、金チオリンゴ酸塩(Myochrysine(登録商標))およびオーラノフィン(Ridaura(登録商標))、D-ペニシラミン(Depen(登録商標)またはCuprimine(登録商標))、アザチオプリン(Imuran(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))、レフルノミド(Arava(登録商標))および「抗TNF」剤、例えばエタネルセプト(Enbrel(登録商標))、インフリキシマブ(Remicade(登録商標))、ゴリムマブ(Simponi(登録商標))、セルトリズマブペゴル(Cimzia(登録商標))およびアダリムマブ(Humira(登録商標))、「抗IL-1」剤、例えばアナキンラ(Kineret(登録商標))およびリロナセプト(Arcalyst(登録商標))、カナキヌマブ(Ilaris(登録商標))、抗Jak阻害剤、例えばトファシチニブ、抗体、例えばリツキシマブ(Rituxan(登録商標))、「抗T細胞」剤、例えばアバタセプト(Orencia(登録商標))、「抗IL-6」剤、例えばトシリズマブ(Actemra(登録商標))、ジクロフェナク、コルチゾン、ヒアルロン酸(Synvisc(登録商標)またはHyalgan(登録商標))、モノクローナル抗体、例えばタネズマブ、抗凝固剤、例えばヘパリン(Calcinparine(登録商標)またはLiquaemin(登録商標))およびワルファリン(Coumadin(登録商標))、止瀉薬、例えばジフェノキシレート(Lomotil(登録商標))およびロペラミド(Imodium(登録商標))、胆汁酸結合剤、例えばコレスチラミン、アロセトロン(Lotronex(登録商標))、ルビプロストン(Amitiza(登録商標))、緩下剤、例えばマグネシア乳、ポリエチレングリコール(MiraLax(登録商標))、Dulcolax(登録商標)、Correctol(登録商標)およびSenokot(登録商標)、抗コリン作用薬もしくは鎮痙薬、例えばジサイクロミン(Bentyl(登録商標))、Singulair(登録商標)、ベータ-2アゴニスト、例えばアルブテロール(Ventolin(登録商標)HFA、Proventil(登録商標)HFA)、レバルブテロール(Xopenex(登録商標))、メタプロテレノール(Alupent(登録商標))、酢酸ピルブテロール(Maxair(登録商標))、硫酸テルブタリン(Brethaire(登録商標))、キシナホ酸サルメテロール(Serevent(登録商標))およびホルモテロール(Foradil(登録商標))、抗コリン剤、例えばイプラトロピウム臭化物(Atrovent(登録商標))およびチオトロピウム(Spiriva(登録商標))、吸入コルチコステロイド、例えばジプロピオン酸ベクロメタゾン(Beclovent(登録商標)、Qvar(登録商標)、およびVanceril(登録商標))、トリアムシノロンアセトニド(Azmacort(登録商標))、モメタゾン(Asthmanex(登録商標))、ブデソニド(Pulmocort(登録商標))、およびフルニソリド(Aerobid(登録商標))、Afviar(登録商標)、Symbicort(登録商標)、Dulera(登録商標)、クロモグリク酸ナトリウム(Intal(登録商標))、メチルキサンチン、例えばテオフィリン(Theo-Dur(登録商標)、Theolair(登録商標)、Slo-bid(登録商標)、Uniphyl(登録商標)、Theo-24(登録商標))およびアミノフィリン、IgE抗体、例えばオマリズマブ(Xolair(登録商標))、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、例えばジドブジン(Retrovir(登録商標))、アバカビル(Ziagen(登録商標))、アバカビル/ラミブジン(Epzicom(登録商標))、アバカビル/ラミブジン/ジドブジン(Trizivir(登録商標))、ジダノシン(Videx(登録商標))、エムトリシタビン(Emtriva(登録商標))、ラミブジン(Epivir(登録商標))、ラミブジン/ジドブジン(Combivir(登録商標))、スタブジン(Zerit(登録商標))、およびザルシタビン(Hivid(登録商標))、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えばデラビルジン(Rescriptor(登録商標))、エファビレンツ(Sustiva(登録商標))、ネビラピン(nevairapine)(Viramune(登録商標))およびエトラビリン(Intelence(登録商標))、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、例えばテノホビル(Viread(登録商標))、プロテアーゼ阻害剤、例えばアンプレナビル(Agenerase(登録商標))、アタザナビル(Reyataz(登録商標))、ダルナビル(Prezista(登録商標))、ホスアンプレナビル(Lexiva(登録商標))、インジナビル(Crixivan(登録商標))、ロピナビルおよびリトナビル(Kaletra(登録商標))、ネルフィナビル(Viracept(登録商標))、リトナビル(Norvir(登録商標))、サキナビル(Fortovase(登録商標)またはInvirase(登録商標))、およびチプラナビル(Aptivus(登録商標))、侵入阻害剤、例えばエンフビルチド(Fuzeon(登録商標))およびマラビロク(Selzentry(登録商標))、インテグラーゼ阻害剤、例えばラルテグラビル(Isentress(登録商標))、ドキソルビシン(Hydrodaunorubicin(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、および、レナリドミド(Revlimid(登録商標))と組み合わせたデキサメタゾン(Decadron(登録商標))、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
一部の実施形態では、提供される化合物は、例えば、アシクロビル、ペンシクロビル(pencyclovir)、シドフォビル、イドクスウリジン、ジドブジン、リバビリン(ribavarin)、アマンタジン、ホスカルネット、ジダノシン、アシクロビル、ガンシクロビル、シドフォビル、ザルシタビン、リマンタジン、バラシクロビル(calacyclovir)、ファムシクロビル(famiciclovir)、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビル、ザルシタビン、ジドブジン、ジドブジン-ラミブジン、トリジビル(ジドブジン、ラミブジン、アバカビル)、エプジコム(アバカビルラミブジン)、ツルバダ(テノホビル-エムトリシタビン)、エファビレンツ、ネビラピン、およびデラビルジン、アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル-リトナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、およびチプラナビルを含む抗ウイルス剤と組み合わせて投与される。一部の実施形態では、抗ウイルス剤は、例えば、リマンタジン、アマンタジン、オセルタミビル、およびザナミビルを含む抗インフルエンザ剤である。
それらの追加の薬剤は、複数の投与レジメンの一部として、本発明の化合物を含有する組成物とは別々に投与され得る。あるいはそれらの薬剤は、単一組成物において本発明の化合物と一緒に混合された、単一剤形の一部であり得る。複数の投与レジメンの一部として投与される場合、2種の活性剤は、同時、順次、または互いにある時間以内に、通常は互いに5時間以内に提出され(submitted)得る。
本明細書で使用される場合、「組合せ」、「組み合わされた」という用語および関連用語は、本発明に従って治療剤を同時または順次に投与することを指す。例えば、本発明の化合物は、別の治療剤と、同時または順次に、別々の単位剤形で、または単一の単位剤形で一緒に投与され得る。したがって、本発明は、本発明の化合物、追加の治療剤、および薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルを含む単一の単位剤形を提供する。
単一剤形を生成するために担体材料と組み合わせることができる、提供される化合物および追加の治療剤の両方の量(前述の通り追加の治療剤を含むそれらの組成物における)は、処置を受けるホストおよび特定の投与方法に応じて変わる。好ましくは、本発明の組成物は、0.01~100mg/kg(体重)/日の間の投与量の本発明のものが投与され得るように製剤化されるべきである。
追加の治療剤を含むそれらの組成物において、その追加の治療剤および本発明の化合物は、相乗的に作用し得る。したがって、このような組成物における追加の治療剤の量は、その治療剤だけを利用する単剤治療において必要とされる量未満である。このような組成物では、0.01~100μg/kg(体重)/日の間の投与量の追加の治療剤が投与され得る。
本発明の組成物に存在する追加の治療剤の量は、唯一の活性薬剤としてその治療剤を含む組成物で通常は投与されるはずの量以下である。好ましくは、本開示の組成物における追加の治療剤の量は、唯一の治療的に活性のある薬剤としてその薬剤を含む組成物において通常存在する量の約50%~100%の範囲である。
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物、および1種または複数種の追加の治療剤を含む組成物を提供する。治療剤は、本発明の化合物と一緒に投与することができ、または本発明の化合物の投与前もしくは投与後に投与することができる。適切な治療剤は、以下でさらに詳説される。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、治療剤の5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、または18時間前までに投与され得る。他の実施形態では、本発明の化合物は、治療剤の5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、または18時間後までに投与され得る。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の少なくとも1つの化合物または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬品を提供する。
本発明の態様のそれぞれのすべての特色は、他のすべての態様に準用される。
本明細書に記載される本発明がより完全に理解され得るように、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、単に例示目的であり、いかなる方式でも本発明を制限すると解釈されるべきでないことが理解されるべきである。
以下の実施例に示される通り、ある特定の例示的な実施形態では、化合物は、以下の一般手順に従って調製される。一般法は、本発明のある特定の化合物の合成を示しているが、以下の一般法、および当業者に公知の他の方法は、本明細書に記載されるすべての化合物、ならびにこれらの化合物のそれぞれのサブクラスおよび種に適用され得ることを理解される。
一般手順
X線粉末回折(XRPD)
X線回折システムを、線源X線ビームを使用する反射型Bragg-Brentano幾何配置に合わせて構成する。その線源は、試料において、高角度で狭い線から低角度で幅広い矩形に変化する入射ビームプロファイルを提供する。ビーム調整スリットをX線源上に使用して、最大ビームサイズが、線に沿っておよび線に対して垂直の両方で10mm未満になるようにする。Bragg-Brentano幾何配置は、受動発散スリットおよび受光スリットによって制御されるパラ集束(para-focusing)幾何配置であり、試料それ自体が、光学素子に対する集束構成成分として作用する。Bragg-Brentano幾何配置の固有の解像度は、使用される回折計の半径および受光スリットの幅によって部分的に決まる。典型的に、X線回折システムは、0.1°2θまたはそれ未満のピーク幅が得られるように操作される。X線ビームの軸方向発散は、入射および回折ビーム経路の両方において5.0度のSollerスリットによって制御される。
粉末試料を、試料表面を平坦にし、試料ホルダーの参照表面と同じレベルに保つように、手による軽い圧力を使用して、低バックグラウンドのSiホルダー内で調製する。各試料を、1分当たり6°2θの連続スキャンを使用して、2°2θから40°2θまで有効ステップサイズ0.02°2θで分析する。
示差走査熱量測定(DSC)
DSC分析を、TA機器を使用して行う。機器温度較正は、インジウムを使用して実施する。DSCセルは、各分析中、1分当たり約50mLの窒素パージ下に維持する。試料を、標準圧着アルミニウム皿に入れ、1分当たり10℃の速度で25℃から350℃に加熱する。
熱重量(TG)分析
TG分析を、TA機器を使用して行う。クラスMの重りを使用して機器の天秤を較正し、アルメルを使用して温度較正を実施する。窒素パージは、天秤では1分当たり約40mLであり、炉では1分当たり約60mLである。各試料を、予め風袋引きした白金皿に入れ、1分当たり10℃の速度で20℃から350℃に加熱する。
核磁気共鳴(NMR)分光法
材料を溶媒に溶解させることによって、試料を調製する。溶液を濾過し、その後のスペクトル取得のために、個々の5mmのNMR管に入れる。
一次的な塩スクリーニング
塩スクリーニング実験を、様々な結晶化技術(冷却、スラリー化、蒸発、および蒸気拡散)を用いて、12種の酸塩形成剤を使用して実施した。塩形成試行ごとの実験の詳細を、表11に記載する。
表11. 塩スクリーニング実験
Figure 2023502531000043
Figure 2023502531000044
Figure 2023502531000045
二次的な塩スクリーニング
化合物1の形態A、化合物2の形態A、化合物3の形態B、および化合物4の形態Aを、スケールアップし、実験の詳細を、以下の表12に記載する。
表12. 二次性な塩スクリーニング実験
Figure 2023502531000046
実施例A-化合物Aの一般調製
Figure 2023502531000047
標題化合物を、以下および’411公開(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されるステップおよび中間体に従って調製した(例えば、スキーム1)。
スキーム1-化合物Aの合成
Figure 2023502531000048
ステップ1:(3R)-N-[2-(5-フルオロ-3-ピリジル)-8-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン-4-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-3-アミン(化合物A)
Figure 2023502531000049
i-PrOH(4mL)中、4-クロロ-2-(5-フルオロ-3-ピリジル)-8-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン(60.00mg、205.68μmol、1当量)、(3R)-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-3-アミン(42.14mg、226.25μmol、1.1当量)、DIEA(79.75mg、617.05μmol、107.48μL、3当量)の混合物を脱気し、Nで3回パージした。混合物を、N雰囲気下で55℃において3時間撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮して残留物を得、それを分取HPLCにより精製し(カラム:Phenomenex Gemini 150*25mm*10um;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN];B%:70%~100%、10分)、続いて凍結乾燥して、(3R)-N-[2-(5-フルオロ-3-ピリジル)-8-イソプロピル-ピラゾロ[1,5-a][1,3,5]トリアジン-4-イル]-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-カルバゾール-3-アミン(42.07mg、75.45μmol、収率36.7%、純度98.8%、3HCl)を黄色固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 9.46 (s, 1H), 8.81 ( d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.76 ( s, 1H), 8.12-7.92 (m, 1H), 7.37 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.08-7.00 (m, 1H), 6.99-6.90 (m, 1H), 3.34 ( s, 1H), 3.31-3.25 (m, 2H), 3.18-2.79 (m, 3H), 2.44-2.21 (m, 2H), 1.42 (d, J = 7.1 Hz, 6H);ES-LCMS m/z 442.2[M+H]
実施例1 - 化合物Aの遊離塩基形態A、BおよびCの調製
Figure 2023502531000050
化合物Aの形態B
化合物Aの形態Bを、前述の通り調製した。
上記の表Bを以下に再掲し、化合物Aの形態Bについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表B-化合物Aの形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000051
Figure 2023502531000052
図1は、化合物Aの形態BのXRPDパターンを示す。
図2は、化合物Aの形態BのTG/DTAトレースを示す。
化合物Aの形態C
化合物Aの形態Cを、前述の通り調製した。
上記の表Cを以下に再掲し、化合物Aの形態Cについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表C-化合物Aの形態CについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000053
Figure 2023502531000054
Figure 2023502531000055
図3は、化合物Aの形態CのXRPDパターンを示す。
図4は、化合物Aの形態CのTG/DTAトレースを示す。
化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物
化合物Aの塩酸塩(7.0g)を、EtOAc(150mL)および飽和NaHCO溶液(200mL)の混合物に溶解させ、28℃において30分間撹拌した。混合物をEtOAc(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(200mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して残留物を得、それをMeOH(150mL)に添加し、30分間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキを濃縮して、所望の生成物を得、それを凍結乾燥して、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物(6.7g)を固体として得た。
図24は、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物のXRPDパターンを示す。
図25は、化合物Aの形態Aおよび形態Bの混合物のTGA/DSCを示す。
実施例2 - 化合物1の形態Aの調製
Figure 2023502531000056
化合物1の形態A
化合物1の形態Aを、前述の通り調製した。
上記の表1を以下に再掲し、化合物1の形態Aについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表1-化合物1の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000057
Figure 2023502531000058
図5は、化合物1の形態AのXRPDパターンを示す。
図6は、化合物1の形態AのTG/DTAトレースを示す。
化合物1の形態B
化合物1の形態Bを、前述の通り調製した。
上記の表2を以下に再掲し、化合物1の形態Bについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表2-化合物1の形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000059
Figure 2023502531000060
図7は、化合物1の形態BのXRPDパターンを示す。
実施例3 - 化合物2の形態Aの調製
Figure 2023502531000061
化合物2の形態A
化合物2の形態Aを、前述の通り調製した。
上記の表3を以下に再掲し、化合物2の形態Aについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表3-化合物2の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000062
Figure 2023502531000063
図8は、化合物2の形態AのXRPDパターンを示す。
図9は、化合物2の形態AのTG/DTAトレースを示す。
実施例4 - 化合物3の形態Aの調製
Figure 2023502531000064
化合物3の形態A
化合物3の形態Aを、前述の通り調製した。
上記の表4を以下に再掲し、化合物3の形態Aについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表4-化合物3の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000065
Figure 2023502531000066
図10は、化合物3の形態AのXRPDパターンを示す。
図11は、化合物3の形態AのTG/DTAトレースを示す。
化合物3の形態B
化合物3の形態Bを、前述の通り調製した。
上記の表5を以下に再掲し、化合物3の形態Bについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表5-化合物3の形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000067
図12は、化合物3の形態BのXRPDパターンを示す。
図13は、化合物3の形態BのTG/DTAトレースを示す。
実施例5 - 化合物4の形態Aの調製
Figure 2023502531000068
化合物4の形態A
化合物4の形態Aを、前述の通り調製した。
上記の表6を以下に再掲し、化合物4の形態Aについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表6-化合物4の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000069
Figure 2023502531000070
図14は、化合物4の形態AのXRPDパターンを示す。
図15は、化合物4の形態AのTG/DTAトレースを示す。
実施例6 - 化合物5の形態Aの調製
Figure 2023502531000071
化合物5の形態A
化合物5の形態Aを、前述の通り調製した。
上記の表7を以下に再掲し、化合物5の形態Aについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表7-化合物5の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000072
図16は、化合物5の形態AのXRPDパターンを示す。
図17は、化合物5の形態AのTG/DTAトレースを示す。
実施例7 - 化合物6の形態AおよびBの調製
Figure 2023502531000073
ここで、Xは、約1または2である。
化合物6の形態A
化合物6の形態Aを、前述の通り調製した。化合物6の形態Aは、化合物Aおよびエタンジスルホン酸を約1:1の比で含むことが決定された。
上記の表8を以下に再掲し、化合物6の形態Aについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表8-化合物6の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000074
図18は、化合物6の形態AのXRPDパターンを示す。
図19は、化合物6の形態AのTG/DTAトレースを示す。
化合物6の形態B
化合物6の形態Bを、前述の通り調製した。化合物6の形態Bは、化合物Aおよびエタンジスルホン酸を約2:1の比で含むことが決定された。
上記の表9を以下に再掲し、化合物6の形態Bについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表9-化合物6の形態BについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000075
図20は、化合物6の形態BのXRPDパターンを示す。
図21は、化合物6の形態BのTG/DTAトレースを示す。
実施例8 - 化合物7の形態Aの調製
Figure 2023502531000076
化合物7の形態A
化合物7の形態Aを、前述の通り調製した。
上記の表10を以下に再掲し、化合物7の形態Aについて観察されたX線回折ピークを記載する。
表10-化合物7の形態AについてのXRPDピーク位置
Figure 2023502531000077
図22は、化合物7の形態AのXRPDパターンを示す。
図23は、化合物7の形態AのTG/DTAトレースを示す。
実施例9 - 溶解度研究
化合物Aの形態B、化合物1の形態B、化合物2の形態A、化合物3の形態B、および化合物4の形態Aの溶解度研究を、水、絶食時模擬腸液(FaSSIF)、摂食時模擬腸液(FeSSIF)、および絶食時模擬胃液(FaSSGF)中で決定した。模擬液をbiorelevant.comから得、biorelevant.comに従ってbiorelevant.comのFaSSIF/FeSSIF/FaSSGF粉末(v1、以前はSIF粉末として公知)を使用して調製した。試料を、37℃において過剰の固体を媒体5mLに添加することによって調製した。試料を引き出し、30分目、120分目、および24時間目に濾過し、以下の表13に記載されるHPLCパラメーターを使用して、溶液濃度について試験した。
表13-HPLCパラメーター
Figure 2023502531000078
各時点における試料のpHも測定した。試料サイズが小さいので、pH紙を30分目および120分目に使用し、pHメーターを24時間目に使用した。すべての試験からの残りの材料を、24時間後にXRPDによって分析して、任意の多形形態の変化が生じたかどうかを決定した。水中での試験からの残りの材料を、24時間後にNMRによって分析して、解離が生じたかどうかを決定した。化合物1の形態Bは、材料利用性が低いので、24時間にNMRによって分析しなかった。結果を、以下の表14に示す。
表14-溶解度研究
Figure 2023502531000079
Figure 2023502531000080
以上のように、化合物2の形態Aおよび化合物3の形態Bは、24時間目にFeSSIFにおいて最も高い溶解度を示した。
実施例10 - 安定性研究
化合物Aの形態B、化合物1の形態B、化合物2の形態A、化合物3の形態B、および化合物4の形態Aの安定性研究を、40℃/75%RHで行った。チャンバ内におよそ75%RHを達成するために、飽和NaCl溶液を含有するチャンバ内で、ゆるくキャップをしたバイアル内にて試料を保存した。チャンバを、40℃のオーブン内で保存した。試料を、0時点、1週目、2週目、および4週目に、表13に記載されるHPLCパラメーターを使用して分析した。結果を、以下の表15に示す。
表15-安定性研究
Figure 2023502531000081
Figure 2023502531000082
全体的に、著しい分解が、化合物3の形態Bについて経時的に観察された。研究の最後に、固体は、すべて結晶化度を喪失していたことが確認され、X線非晶質になった。化合物Aの形態Bおよび化合物1の形態Bは、40℃/75%RHで等しく安定に見える。化合物4の形態Aは、1週目および2週目に分解を示したが、分解物のピークは、4週目にはもはや存在しておらず、主ピークの面積パーセントが改善された。化合物2の形態Aは、これらの加速条件でかなり安定であり、4週間にわたって約1.5%面積しか喪失しない。
本発明者らは、多数の本発明の実施形態を記載してきたが、本発明者らの基本的な実施例は、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するために改変することができると認識される。したがって、本発明の範囲は、例示によって提示されている具体的な実施形態によってではなく、本出願および特許請求の範囲によって規定されるべきであることを理解される。

Claims (26)

  1. 固体形態の化合物2であって、
    Figure 2023502531000083
    ここで、約1≦x≦約2である、固体形態の化合物2。
  2. 前記化合物が結晶性である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物が非晶質化合物2を実質的に含まない結晶固体である、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記化合物が不純物を実質的に含まない、請求項1に記載の化合物。
  5. そのXRPDにおいて、約5.3、約11.3および約16.0度2シータにおけるピークから選択される1つまたは複数のピークを有する、請求項1に記載の化合物。
  6. そのXRPDにおいて、約5.3、約11.3および約16.0度2シータにおけるピークから選択される少なくとも2つのピークを有する、請求項5に記載の化合物。
  7. 前記化合物が形態Aの化合物であり、xが約2である、請求項6に記載の化合物。
  8. 図9に図示されるものに実質的に類似のXRPDを有する、請求項1に記載の化合物。
  9. 請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む組成物。
  10. AHRを阻害することを必要とする患者におけるAHRを阻害する方法であって、前記患者に、請求項1に記載の化合物またはその組成物を投与することを含む、方法。
  11. 生物学的試料におけるAHRを阻害する方法であって、前記生物学的試料を、請求項1に記載の化合物またはその組成物と接触させることを含む、方法。
  12. AHR媒介性障害を処置することを必要とする患者におけるAHR媒介性障害を処置するための方法であって、前記患者に、請求項1に記載の化合物またはその組成物を投与することを含む、方法。
  13. 前記AHR媒介性障害が、がんである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記AHR媒介性障害が、炎症性障害である、請求項12に記載の方法。
  15. 前記化合物またはその組成物が、経口投与される、請求項12に記載の方法。
  16. 前記化合物またはその組成物が、前記患者の体重当たり0.01~100mg/kgの範囲で投与される、請求項12に記載の方法。
  17. 前記患者に、追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  18. 形態A、形態Bもしくは形態Cの化合物A
    Figure 2023502531000084
    形態Aもしくは形態Bの化合物1
    Figure 2023502531000085
    形態Aもしくは形態Bの化合物3
    Figure 2023502531000086
    形態Aの化合物4
    Figure 2023502531000087
    形態Aの化合物5
    Figure 2023502531000088
    形態Aもしくは形態Bの化合物6
    Figure 2023502531000089
    [ここで、約1≦x≦約2である]、または
    形態Aの化合物7
    Figure 2023502531000090
    [ここで、約1≦x≦約2である]
    から選択される、化合物。
  19. 請求項18に記載の化合物、および薬学的に許容される担体、賦形剤またはビヒクルを含む、薬学的に許容される組成物。
  20. AHR媒介性障害を処置することを必要とする患者におけるAHR媒介性障害を処置するための方法であって、前記患者に、請求項18に記載の化合物またはその組成物を投与することを含む、方法。
  21. 前記AHR媒介性障害が、がんまたは炎症性障害である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記化合物またはその組成物が、経口投与される、請求項20に記載の方法。
  23. 前記化合物またはその組成物が、前記患者の体重当たり0.01~100mg/kgの範囲で投与される、請求項20に記載の方法。
  24. 前記患者に、追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  25. 式X
    Figure 2023502531000091
    の塩化合物を調製するための方法であって、

    Figure 2023502531000092
    を、式Xの塩化合物を形成するための条件下で、酸および必要に応じて溶媒と合わせるステップを含む、方法。
  26. (a)前記適切な酸が、メタンスルホン酸であり、それによって化合物Aのメシル酸塩を形成し、必要に応じて前記メシル酸塩を結晶化して、形態Aもしくは形態Bを形成する、
    (b)前記適切な酸が、エタンスルホン酸であり、それによって化合物Aのエシル酸塩を形成し、必要に応じて前記エシル酸塩を結晶化して、形態Aもしくは形態Bを形成する、
    (c)前記適切な酸が、ナフタレンスルホン酸であり、それによって化合物Aのナプシル酸塩を形成し、必要に応じて前記ナプシル酸塩を結晶化して、形態Aを形成する、
    (d)前記適切な酸が、酒石酸であり、それによって化合物Aの酒石酸塩を形成し、必要に応じて前記酒石酸塩を結晶化して、形態Aもしくは形態Bを形成する、
    (e)前記適切な酸が、シュウ酸であり、それによって化合物Aのシュウ酸塩を形成し、必要に応じて前記シュウ酸塩を結晶化して、形態Aを形成する、または
    (f)前記適切な酸が、エタンジスルホン酸であり、それによって化合物Aのエジシル酸塩を形成し、必要に応じて前記エジシル酸塩を結晶化して、形態Aを形成する、
    請求項25に記載の方法。
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