本出願は、2019年11月22日に出願された「Tissue Treatment Systems, Devices, and Methods」と題する米国仮特許出願第62/939,412号、及び、2020年9月7日に出願された「Tissue Treatment Systems, Devices, and Methods」と題する米国仮特許出願第63/075,280号に対する優先権を主張し、その各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2019年3月22日に出願された「Ablation System with Force Control」と題する米国出願第16/335,893号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2017年10月11日出願の「Ablation System with Force Control」と題する特許協力条約出願PCT/US2017/056064号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2018/071490号として公開され、2016年10月11日出願の「Ablation System with Force Control」と題する米国仮出願第62/406,748号、及び、2017年5月20日出願の「Ablation System with Force Control」と題する米国仮出願第62/504,139号への優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2018年10月31日出願の「Cardiac Information Dynamic Display System and Method」と題する米国出願第16/097,955号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2017年5月3日出願の「Cardiac Information Dynamic Display System and Method」と題する特許協力条約出願PCT/US2017/030915号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2017/192769号として公開されており、2016年5月3日出願の「Cardiac Information Dynamic Display System and Method」と題する米国仮出願第62/331,351号への優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2020年4月29日に出願された「Catheter, System and Methods of Medical Uses of Same, including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題する米国特許出願第16/861,814号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2018年6月19日出願の「Catheter, System and Methods of Medical Uses of Same, Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題する米国特許第10,667,753号の継続出願であり、これは、2015年2月20日出願の「Catheter, System and Methods of Medical Uses of Same, Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題する米国特許第10,004,459号の継続出願であり、これは、2013年8月30日出願の「Catheter System and Methods of Medical Uses of Same, Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題する特許協力条約出願PCT/US2013/057579号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2014/036439号として公開されており、2012年8月31日出願の「System and Method for Diagnosing and Treating Heart Tissue」と題する米国特許仮出願第61/695,535号への優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2019年1月8日に出願された「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board (PCB) Electrical Pathways」と題する米国特許出願第16/242,810号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2015年7月23日に出願された「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board (PCB) Electrical Pathways」と題する米国特許出願第14/762,944号の継続であり、この出願は、2014年2月7日出願の「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board (PCB) Electrical Pathways」と題する、特許協力条約出願PCT/US2014/015261号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2014/124231号として公開されており、2013年2月8日出願の「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board (PCB) Electrical Pathways」と題する米国特許仮出願第61/762,363号への優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2019年8月6日に出願された「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する米国特許出願第16/533,028号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2018年6月21日に出願された「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と称する米国特許出願第16/014,370号の継続出願であり、この出願は、2017年2月17日出願の「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する米国特許出願第15/435,763号の継続出願であり、これは、2015年9月25日出願の「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する米国特許第9,610,024号の継続出願であり、これは、2014年11月19日出願の「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する米国特許第9,167,982号の継続出願であり、これは、2014年12月23日発行の「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する米国特許第8,918,158号(本文以下、'158特許)の継続出願であり、これは、2014年4月15日発行の「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する米国特許第8,700,119号(本文以下、'119特許)の継続出願であり、これは、2013年4月9日発行の「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する米国特許第8,417,313号(本文以下、'313特許)の継続出願であり、これは、2007年8月3日出願の「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題する特許協力条約出願PCT/CH2007/000380号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2008/014629号として公開されており、2006年8月3日出願のスイス特許出願第1251/06号の優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2019年9月12日に出願された「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許出願第16/568,768号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2018年1月29日出願の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許出願第15/882,097号の継続出願であり、これは、2016年12月25日出願の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許第9,913,589号の継続出願であり、これは、2015年10月19日出願の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許第9,504,395号の継続出願であり、これは、2013年7月19日出願の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許第9,192,318号の継続出願であり、これは、2013年8月20日発行の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許第8,512,255号の継続出願であり、US2010/0298690号(本文以下、'690公開)として公開されており、これは、2009年1月16日出願の「A Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する特許協力条約出願PCT/IB2009/000071号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2009/090547号として公開されており、2008年1月17日出願のスイス特許出願00068/08号への優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2019年4月19日に出願された「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許出願第16/389,006号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2018年3月20日出願の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国出願第15/926,187号の継続出願であり、これは、2017年8月8日出願の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許第9,968,268号の継続出願であり、これは、2013年9月6日出願の「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する米国特許第9,757,044号の継続出願であり、これは、国際公開第2012/122517号(本文以下、'517公開)として公開された「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する特許協力条約出願PCT/US2012/1212517号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、米国特許仮出願第61/451,357号への優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本書に組み込む。
本出願は、2019年2月28日に出願された「Set of Transducer-Electrode Pairs for a Catheter」と題する米国意匠特許出願第29/681,827の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2017年2月6日出願の「Set of Transducer-Electrode Pairs for a Catheter」と題する米国意匠特許出願第29/593,043号の分割出願であり、これは、2013年12月2日出願の「Transducer-Electrode Pair For a Catheter」と題する米国意匠特許第D782,686号の分割出願であり、これは、2013年8月30日出願の「Catheter System and Methods of Medical Uses of Same, Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題する特許協力条約出願PCT/US2013/057579号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2012年8月31日出願の「System and Method for Diagnosing and Treating Heart Tissue」と題する米国特許仮出願第61/695,535号への優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2018年8月24日に出願された「Gas-Elimination Patient Access Device」と題する米国特許出願第16/111,538号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2016年7月14日に出願された「Gas-Elimination Patient Access Device」と題する米国特許第10,071,227号の継続出願であり、これは、2015年1月14日出願の「Gas-Elimination Patient Access Device」と題する特許協力条約出願PCT/US2015/11312号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2014年1月17日出願の「Gas-Elimination Patient Access Device」と題する米国特許仮出願第61/928,704号に対する優先権を主張している。これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2016年9月23日に出願された「Cardiac Analysis User Interface System and Method」と題する米国特許出願第15/128,563号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。これは、2015年3月24日出願の「Cardiac Analysis User Interface System and Method」と題する特許協力条約出願PCT/US2015/22187号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、2014年3月28日出願の「Cardiac Analysis User Interface System and Method」と題する米国特許仮出願第61/970,027号に対する優先権を主張しており、この出願を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2020年10月6日に出願された「Devices and Methods for Determination of Electrical Dipole Densities on a Cardiac Surface」と題する米国特許出願第17/063,901号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。これは、2016年3月2日に出願された「Devices and Methods for Determination of Electrical Dipole Densities on a Cardiac Surface」と題する米国特許第10,828,011号の継続出願であり、これは、2014年9月10日に出願された「Devices and Methods for Determination of Electrical Dipole Densities on a Cardiac Surface」と題する特許協力条約出願PCT/US2014/54942号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、2013年9月13日出願の「Devices and Methods for Determination of Electrical Dipole Densities on a Cardiac Surface」と題する米国特許仮出願第61/877,617号に対する優先権を主張しており、この出願を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2020年4月15日に出願された「Localization System and Method Useful in Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題する米国特許出願第16/849,045号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2017年10月26日に出願された「Localization System and Method Useful in the Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題する米国特許第10,653,318号の継続出願であり、2016年5月13日出願の「Localization System and Method Useful in the Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題する特許協力条約出願PCT/US2016/032420号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2015年5月13日出願の「Localization System and Method Useful in the Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題する米国特許仮出願62/161,213号に対する優先権を主張しており、この出願を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2017年10月25日に出願された「Cardiac Virtualization Test Tank and Testing System and Method」と題する米国特許出願第15/569,231号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2016年5月11日に出願された特許協力条約出願PCT/US2016/031823号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2015年5月12日に出願された「Cardiac Virtualization Test Tank and Testing System and Method」と題する米国特許仮出願第62/160,501号に対する優先権を主張しており、この出願を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2017年10月25日に出願された「Cardiac Virtualization Test Tank and Testing System and Method」と題する米国特許出願第15/569,185号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2016年5月12日に出願された特許協力条約出願PCT/US2016/032017号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2015年5月12日に出願された「Ultrasound Sequencing System and Method」と題する米国特許仮出願第62/160,529号に対する優先権を主張しており、この出願を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2018年10月31日に出願された「Cardiac Mapping System with Efficiency Algorithm」と題する米国特許出願第16/097,959号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2017年5月3日に出願された「Cardiac Mapping System with Efficiency Algorithm」と題する特許協力条約出願PCT/US2017/030922号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2016年10月26日出願の「Cardiac Mapping System with Efficiency Algorithm」と題する米国特許仮出願第62/413,104号への優先権を主張しており、この出願を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2020年7月13日に出願された「System for Identifying Cardiac Conduction Patterns」と題する米国特許出願第16/961,809号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2019年1月22日出願の「System for Identifying Cardiac Conduction Patterns」と題する特許協力条約出願PCT/US2019/014498号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2018年1月21日出願の「System for Recognizing Cardiac Conduction Patterns」と題する米国特許仮出願第62/619,897号、及び、2018年5月8日出願の「System for Identifying Cardiac Conduction Patterns」と題する米国特許仮出願第62/668,647号への優先権を主張しており、これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2020年10月16日に出願された「Cardiac Information Processing System」と題する米国特許出願第17/048,151号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2019年5月7日出願の「Cardiac Information Processing System」と題する特許協力条約出願PCT/US2019/031131号の、米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、これは、2018年5月8日出願の「Cardiac Information Processing System」と題する米国仮出願第62/668,659号、及び、2019年2月28日出願の「Cardiac Information Processing System」と題する米国特許仮出願第62/811,735号への優先権を主張しており、これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2019年11月8日に出願された「Systems and Methods for Calculating Patient Information」と題する特許協力条約出願PCT/US2019/060433号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2018年11月9日に出願された「Systems and Methods for Calculating Patient Information」と題する米国仮出願第62/757,961号への優先権を主張しており、これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2020年4月17日に出願された「System for Creating a Composite Map」と題する特許協力条約出願PCT/US2020/028779号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2019年4月18日に出願された「System for Creating a Composite Map」と題する米国仮出願第62/835,538号、及び、2019年10月23日に出願された「System for Creating a Composite Map」と題する米国仮出願第62/925,030号への優先権を主張しており、これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本出願は、2020年6月4日に出願された「Systems and Methods for Performing Localization Within a Body」と題する特許協力条約出願第PCT/US2020/036110号の優先権を主張するものではないが、この出願に関連し得る。この出願は、2019年6月4日に出願された「Systems and Methods for Performing Localization Within a Body」と題する米国仮出願第62/857,055号への優先権を主張しており、これらの出願の各々を参照により本明細書に組み込む。
本発明の概念は、概して、組織をアブレーション(切除)するための、特には患者の心臓の組織をアブレーションするためのシステム、装置、及び方法に関する。
ここで、次に、添付図面にその例が示されている技術の本実施形態を詳細に参照する。類似の参照番号は類似の構成要素を示すために使用され得る。しかし、この説明は、本開示を特定の実施形態に限定することが意図されておらず、本明細書に記載する実施形態の様々な変更、等価物、及び/又は代替物を含むものとして解釈されるべきである。
用語「備えている」(comprising)(並びに「備えている」の任意の形態、例えば「備える」(comprise)及び「備える」(comprises))、「有している」(having)(並びに「有している」の任意の形態、例えば「有する」(have)及び「有する」(has))、「含んでいる」(including)(並びに「含んでいる」の任意の形態、例えば「含む」(includes)及び「含む」(include))、又は、「含有している」(containing)(並びに「含有している」の任意の形態、例えば「含有する」(contains)及び「含有する」(contain))は、本明細書で使用する場合、記載される特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するものであり、1以上のその他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことが理解されよう。
用語「第1」(first)、「第2」(second)、「第3」(third)などが、本明細書において、様々な限定、要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用されるが、これらの限定、要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションがこれらの用語により限定されるべきではないことがさらに理解されよう。これらの用語は、1つの限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションを、別の限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションから区別するためにのみ使用される。従って、以下に論じる第1の限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションを、第2の限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションと用語付けすることも可能であり、それは本発明の範囲から逸脱しない。
或る要素が別の要素の「上に」ある(on)か、これに「取り付けられ」(attached)、「接続され」(connected)、又は「連結され」(coupled)ているように言及される場合、それは、別の要素の直接上に若しくはより上にあるか、又はこれに接続若しくは連結されることができ、又は、1以上の介在要素が存在し得る。これとは反対に、要素が別の要素の「直接上にある」(directly on)か、別の要素に「直接取り付けられる」(directly attached)、「直接接続される」(directly connected)又は「直接連結される」(directly coupled)ように言及される場合、介在要素は存在しない。要素間の関係を説明するのに使用されるその他の単語も同様に解釈されるべきである(例えば「~の間に」(between)に対して「~の間に直接」(directly between)、「隣接して」(adjacent)に対して「直接隣接して」(directly connected)など)。
第1の要素が第2の要素の「内」(in)、「上」(on)及び/又は「内側」(within)であるように言及される場合、第1の要素は、第2の要素の内部空間の内側、第2の要素の一部分の内側(例えば、第2の要素の壁の内側)に配置され得、第2の要素の外面及び/又は内面に配置され得、また、これらのうちの1以上の組合せで配置され得ることがさらに理解されよう。
本明細書で使用される場合、用語「近接」(proximate)は、第1の構成要素又は位置の、第2の構成要素又は位置への近接を説明するために使用される場合、第2の構成要素又は位置に近い1以上の位置、並びに、第2の構成要素又は位置の内部、上、及び/又は内側の位置を含むと解釈されるべきである。例えば、解剖学的部位(例えば、ターゲット組織の位置)に近接して配置された構成要素は、解剖学的部位の近くに配置された構成要素、並びに、解剖学的部位の内部、上、及び/又は内側に配置された構成要素を含む。
空間に関する用語、例えば、「~の真下」(beneath)、「~より下」(below)、「下方」(lower)、「~より上」(above)、「上方」(upper)などは、要素及び/又は特徴の、例えば、図面に示されているような、別の要素(複数可)及び/又は特徴(複数可)に対する関係を説明するために使用され得る。空間に関する用語が、図面に示されている向きに加えて、使用中及び/又は動作中の装置の様々な向きを含むよう意図されていることがさらに理解されよう。例えば、図面中の装置が反転された場合、他の要素又は特徴「より下」及び/又は「真下」と説明されている要素は、別の要素又は特徴「より上」に配向されることになる。装置は、これ以外に配向される(例えば、90度又はその他の向きに回転される)場合があり、本明細書で使用される、空間に関する記載はそれに応じて解釈される。
用語「減少する」(reduce)、「減少している」(reducing)、「減少」(reduction)などは、本明細書で使用される場合、ゼロへの減少を含む、量の低減を含むことになる。発生の可能性を減少することは、発生の防止を含むものとする。同様に、用語「防止する」(prevent)、「防止している」(preventing)、及び「防止」(prevention)は、それぞれ、「減少する」、「減少している」、及び「減少」行為を含むものとする。
用語「及び/又は」(and/or)は、本明細書で使用される場合、他方の有無にかかわらず、2つの特定の特徴又は構成要素の各々の特定の開示として解釈されるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、(i)A、(ii)B、そして、(iii)A及びBの各々の特定の開示として、各々が本明細書に個別に記載されているかのように解釈されるべきである。
用語「1以上」(one or more)は、本明細書で使用される場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上の任意の数までを意味し得る。
用語「及びそれらの組合せ」(and combination thereof)、「及びこれらの組み合わせ」(and combination of these)は、各々、本明細書において、単独で又は集合的に含まれるべき項目の列挙の後に使用され得る。例えば、A、B、C、及びそれらの組合せから成る群から選択される構成要素、プロセス、及び/又はその他の項目は、1つ、2つ、3つ以上の項目A、1つ、2つ、3つ以上の項目B、及び/又は、1つ、2つ、3つ以上の項目Cを含む1以上の構成要素のセットを含むものとする。
本明細書において、特に明記しない限り、「及び」(and)は「又は」(or)を意味することができ、「又は」(or)は「及び」(and)を意味し得る。例えば、特徴がA、B、又はCを有すると記載されている場合、その特徴は、A、B及びC、又は、A、B及びCの任意の組合せを有し得る。同様に、特徴がA、B、及びCを有すると記載されている場合、その特徴はA、B、又はCの1つ又は2つのみを有し得る。
本明細書で使用する場合、定量化可能なパラメータが第1の値Xと第2の値Yとの「間」(between)の値を有するように説明されている場合、それは、少なくともX、Y以下、及び/又は、少なくともX且つY以下の値を有するパラメータを含むものとする。例えば、1と10との間の長さは、少なくとも1(10よりも大きい値を含む)、10未満の長さ(1よりも小さい値を含む)、及び/又は、1よりも大きく且つ10よりも小さい値を含むものとする。
本開示で使用する「~するように構成された(又は設定された)」(configured)(or set) to)という表現は、例えば、「~に適した」(suitable for)、「~する能力を有する」(having the capacity to)、「~するように設計された」(designed to)、「~するように適合された(adapted to)、「~するように作られた」(made to)及び「~することが可能な」(capable of)などの表現と、状況に応じて交換可能に使用され得る。「~するように構成された(又は設定された)」という表現は、ハードウェアにおいて「特別に設計された」(specifically designed to)を意味するだけではない。代替的に、状況によっては、「~するように構成された装置」( a device configured to)という表現は、その装置が別の装置又は構成要素と共に動作「できる」(can)ことを意味し得る。
本明細書で使用される場合、用語「閾値」は、所望の状態又は望ましくない状態に相関する値の最大レベル、最小レベル、及び/又は範囲を意味する。幾つかの実施形態において、システムパラメータは、最小閾値より上、最大閾値より下、値の閾値範囲内及び/又は値の閾値範囲外に維持され、所望の効果(例えば、有効な治療)を生じさせ、且つ/又は、望ましくない事象(例えば、装置(デバイス)及び/又は臨床上の有害事象)を防止又はその他の方法で減少(本文以下、「防止」)する。幾つかの実施形態において、システムパラメータは、第1の閾値より上(例えば、組織に所望の治療効果を生じさせるために第1の温度閾値より上)、及び、第2の閾値より下(例えば、望ましくない組織損傷を防止するために第2の温度閾値より下)に維持される。幾つかの実施形態において、閾値は、安全マージンを含むように、例えば、患者の変動性、システムの変動性、許容誤差などを考慮するように決定される。本明細書で使用される場合、「閾値を超えている」(exceeding a threshold)は、最大閾値より上、最小閾値を下回る、閾値の範囲内及び/又は閾値の範囲外にあるパラメータに関する。
本明細書に記載される場合、「室圧」(room pressure)とは、本発明の概念のシステム及び装置を取り巻く環境の圧力を意味するものとする。正圧は、室圧より高い圧力、又は、単に別の圧力よりも大きい圧力を含み、例えば、バルブなどの流体経路構成要素を横切る正差圧である。負圧は、室圧よりも低い圧力、又は、別の圧力よりも小さい圧力を含み、例えば、バルブなどの流体構成要素経路を横切る負の差圧である。負圧は、真空を含むことができるが、真空よりも低い圧力を意味するものではない。本明細書で使用する場合、用語「真空」(vacuum)は、完全真空若しくは部分真空、又は、上述のような任意の負圧を示すために用いられ得る。
非円形の形状を説明するために本明細書で使用される用語「直径」(diameter)は、説明されている形状に近似する仮想の円の直径と見なされるべきである。例えば、構成要素の断面などの断面を説明する場合、用語「直径」は、説明されている構成要素の断面と同一の断面積を有する仮想の円の直径を表すと解釈されるものとする。
本明細書で使用される構成要素の用語「長軸」(major axis)及び「短軸」(minor axis)は、それぞれ、構成要素を完全に取り囲むことができる最小容積の仮想円筒状物の長さ及び直径である。
本明細書で使用される場合、用語「機能的要素」(functional element)は、或る機能を実行するように構成及び配置された1以上の要素を含むと解釈されるべきである。機能的要素は、センサ及び/又はトランスデューサを含み得る。幾つかの実施形態において、機能的要素は、エネルギーを送達する、且つ/又はその他の方法で組織を治療するように構成される(例えば、治療要素として構成された機能的要素)。代替的又は追加的に、機能的要素(例えば、センサを含む機能的要素)は、1以上のパラメータ、例えば患者の生理学的パラメータ、患者の解剖学的パラメータ(例えば、組織形状のパラメータ)、患者の環境パラメータ、及び/又はシステムパラメータを記録するように構成され得る。幾つかの実施形態において、センサ又は別の機能的要素は、診断機能を実行するように(例えば、診断を実行するために使用されるデータを収集するように)構成される。幾つかの実施形態において、機能的要素は、治療機能を実行するように(例えば、治療エネルギー及び/又は治療薬を送達するように)構成される。幾つかの実施形態において、機能的要素は、機能を実行するように構成及び配置された1以上の要素を含み、機能は、以下から成る群から選択される。すなわち、エネルギーを送達する、エネルギーを抽出する(例えば構成要素を冷却するために)、薬物又はその他の薬剤を送達する、システム構成要素又は患者組織を操作する、患者の生理学的パラメータ又はシステムパラメータなどのパラメータを記録又はその他の方法で感知する、及びこれらの1以上の組合せである。機能的要素は流体及び/又は流体送達システムを含み得る。機能的要素は拡張可能なバルーン又は他の流体保持リザーバなどのリザーバを含み得る。「機能的アセンブリ」(functional assembly)は、診断及び/又は治療機能などの機能を実行するように構築及び配置されたアセンブリを含み得る。機能的アセンブリは、拡張可能なアセンブリを含み得る。機能的アセンブリは、1以上の機能的要素を含み得る。
用語「トランスデューサ」(transducer)は、本明細書で使用される場合、エネルギー又は任意の入力を受け取り、出力を生成する任意の構成要素又は構成要素の組合せを含むと解釈されるべきである。例えば、トランスデューサは電極を含み得、電極は、電気エネルギーを受け取り、電気エネルギーを組織に分配する(例えば電極のサイズに基づいて)。幾つかの構成において、トランスデューサは、電気信号を任意の出力に変換する。これらの出力は、例えば、光(例えば、発光ダイオード又は電球を含むトランスデューサ)、音(例えば、超音波エネルギーを送達するように構成された圧電結晶を含むトランスデューサ)、圧力(例えば、印加される圧力又は力)、熱エネルギー、極低温エネルギー、化学エネルギー、機械エネルギー(例えば、モータ又はソレノイドを含むトランスデューサ)、磁気エネルギー、及び/又は、異なる電気信号(例えば、トランスデューサへの入力信号とは異なる)である。代替的又は追加的に、トランスデューサは、物理量(例えば、物理量の変動)を電気信号に変換し得る。トランスデューサは、エネルギー及び/又は薬剤を組織に送達する任意の構成要素を含むことができ、例えばトランスデューサは、以下のうちの1以上を送達するように構成される。すなわち、組織への電気エネルギー(例えば、1以上の電極を含むトランスデューサ)、組織への光エネルギー(例えば、レーザ、発光ダイオード、及び/又はレンズ若しくはプリズムなどの光学部品を含むトランスデューサ)、組織への機械エネルギー(例えば、組織操作要素を含むトランスデューサ)、組織への音響エネルギー(例えば、ピエゾ結晶を含むトランスデューサ)、化学エネルギー、電磁エネルギー、磁気エネルギー、及び、これらの1以上の組合せである。
本明細書で使用する場合、用語「流体」(fluid)は、液体、気体、ゲル又は任意の流動性材料、例えば、管腔及び/又は開口部を通して推進され得る材料を示し得る。
本明細書で使用する場合、用語「材料」(material)は、単一の材料、又は、2つ、3つ、4つ、又はそれより多数の材料の組合せを示し得る。
明確化のために、別個の実施形態に関して記載される本発明の何らかの特徴が、単一の実施形態においても組み合わせて提供され得ることが理解されよう。また逆に、簡潔化のために、単一の実施形態に関して記載される本発明の様々な特徴が、別個に又は任意の適切なサブコンビネーションにおいても提供され得る。例えば、請求項のいずれかに記載される全ての特徴(独立しているか従属しているかに関わらず)が、任意の所与の方法で組み合わせられ得ることが理解されよう。
本発明の図面及び説明の少なくとも幾つかを、本発明の概念の明確な理解に関する要素に焦点を合わせるために簡略化したが、別の要素、すなわち、本発明の概念の一部をまた含み得ることが当業者は理解するであろう要素を、明瞭化のために排除したことが理解されよう。しかし、そのような要素は当技術分野で公知であり、それらが必ずしも本発明の概念のより良好な理解を促進するわけではないため、そのような要素の説明は本明細書では提供されない。
本開示において定義される用語は、本開示の特定の実施形態を説明するためにのみ使用されるのであり、本開示の範囲を限定することは意図されていない。単数形で提供される用語は、文脈が明確にそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用する全ての用語は、技術用語又は科学用語を含め、本明細書で別段の定義がない限り、関連技術の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義される用語は、関連する技術の文脈上の意味と同一又は類似の意味を持つものとして解釈されるべきであり、本明細書で明確に定義されない限り、理想的又は誇張された意味を有するものとして解釈されるべきではない。場合によっては、本開示で定義される用語は、本開示の実施形態を除外するように解釈されるべきではない。
本明細書で提供されるのは、患者の組織を治療するためのシステム、装置、及び方法である。エネルギー送達コンソールが、1以上のエネルギー送達装置、例えば、電極若しくはその他のエネルギー送達要素を含むカテーテル又は外科用ツールにより送達されるべきエネルギーの様々な「ドーズ」(dose)を送達するように構成されることが可能である。幾つかの実施形態において、複数の相互依存的なエネルギードーズが、例えば改善された治療上の利益を患者に提供するように、共通の組織位置に送達される。初期ドーズが、高周波(RF)、熱、及び/又はその他のエネルギーの送達など、組織を温めるように構成され得る。後続のドーズが、既に以前に温められている組織を、例えばその組織が高温(例えば体温よりも高温度)状態にある間に不可逆的に電気穿孔するように構成されたエネルギーのドーズを含み得る。
ここで図1を参照すると、本発明の概念と一致する、患者(例えば、人間又はその他の生きている哺乳類)に医療処置を行うためのシステムの概略図が示されている。この医療処置は、診断処置、治療処置、又は、診断と治療とを組み合わせた処置を含み得る。システム10は、1以上のアブレーションカテーテル及び/又はその他のエネルギー送達装置、EDD100、1以上のマッピング装置、マッピングカテーテル200、1以上のシース、シース12、1以上の患者パッチ、パッチ60、及び/又は、エネルギー送達用コンソール、EDC300を含み得る。EDC300は、1以上の装置100,200(例えば、2つ、3つ又はそれより多数の装置100,200)、及び/又は1以上の患者パッチ60に動作可能に取り付けられる(例えば、電気的、機械的、流体的、音波的、及び/又は光学的に取り付けられる)。
EDC300は、1以上の形態のエネルギーを送達する(例えば、システム10のカテーテル又はその他のエネルギー送達装置を介して組織にエネルギーを送達する)ように構成されたコンソール又はその他の装置を含み得る。本明細書で使用される場合、組織へのエネルギーの送達は、組織へのエネルギーの伝達(例えば、組織を加熱、アブレーション、及び/又はその他の方法で組織に作用するために)だけでなく、組織からのエネルギーの抽出(例えば、組織を冷却、冷凍、及び/又は極低温でアブレーションするために)も含むものとする。EDC300は、組織内に病変部を形成するために組織にエネルギーを(例えばEDD100を介して)送達するように構成され得る。これは、例えば、患者の心房細動(AF)、及び/又はその他の不整脈を治療するために心臓組織に1以上の治療用病変部を形成するためである。
EDC300は、1以上の形態のエネルギーを、EDD100の1以上の電極及び/又はその他のエネルギー送達要素130(本明細書では電極130とも称する)に送達できる。図1において、EDD100は、4つのエネルギー送達要素130、EDD100の遠位端にある要素(例えば「先端電極」)、及び、より近位に取り付けられた3つの要素130、要素130b~130d(例えば「リング電極」)を含む。幾つかの実施形態において、EDD100は、1個~64個のエネルギー送達要素130、例えば、線形又は曲線状の構成で配置された1個~12個の要素130を含む。
幾つかの実施形態において、EDC300は、第1ドーズのエネルギーであるドーズDOE1、及び、第2ドーズのエネルギーであるドーズDOE2を送達するように構成されることができ、ドーズDOE2はドーズDOE1とは異なる(例えば、ドーズDOE1とDOE2とは、異なるタイプのエネルギー、エネルギーのレベル、エネルギー送達の波形、エネルギー送達の持続時間、及び/又は、その他の異なるエネルギーパラメータを含む)。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1とDOE2とは、エネルギー送達パラメータにおいて複数の差異を有する。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1は組織の第1部分に送達され、ドーズDOE2は、組織の第2部分に送達される。組織の第1部分と第2部分とは組織の同一部分であってもよい。組織の第1部分の少なくとも一部が組織の第2部分に含まれてもよい。
ドーズDOE1は、ターゲット組織(例えば、ドーズDOE1により可逆的に変化されることが意図されている組織の体積)を可逆的に変化させるエネルギーの送達を含むことができ、一方、ドーズDOE2は、ターゲット組織(例えば、ドーズDOE2により不可逆的に変化することが意図されている組織の体積)を不可逆的に変化させるエネルギーの送達を含むことができる。組織(例えば、ターゲット組織)に対する変化、又は変化の欠如は、本明細書において、ターゲット組織の、全てとは限らないが大多数が遭遇する作用の観点から説明されるものとする。例えば、本明細書で使用される「組織を可逆的に変化させる」などは、組織の全て、又は単に組織の大部分(例えば、ターゲット組織の大部分)の可逆的変化を指すことができ、言い換えれば、ターゲット組織(例えば、ドーズDOE1により可逆的に変化されることが意図された組織)のごく一部(例えば、30%、20%、又は10%未満)が、エネルギーの送達により不可逆的に変化され得るか又は全く変化されず、一方、ターゲット組織の大部分(例えば、それぞれ少なくとも70%、80%、又は90%)は可逆的に変化され得る。同様に、本明細書で使用される「組織を不可逆的に変化させる」などは、ターゲット組織の全て、又は単に大部分(例えば、ドーズDOE2により変化されることが意図された組織の大部分)の不可逆的変化を指し得る。言い換えれば、ターゲット組織のごく一部(例えば30%、20%、又は10%未満)が、エネルギーの送達により可逆的に変化されることができ、又は全く変化されず、一方、ターゲット組織の大部分(例えば、それぞれ少なくとも70%、80%、又は90%)が不可逆的に変化され得る。
ドーズDOE1は、本明細書に記載されるように、ドーズDOE2により引き起こされる効果(例えば、組織効果)を増強するように構成され得る(例えば、ドーズDOE2の少なくとも一部が、ドーズDOE1の送達の完了後に送達される場合)。
ドーズDOE1は、送達されるエネルギーの閾値などの閾値を下回るエネルギーの送達を含むことができる。この送達エネルギーの閾値は、ターゲット組織(例えば、エネルギーを受ける組織、及び、潜在的に幾らかの隣接する組織)を初期状態(例えば、初期の温度、圧力、細胞膜透過性のレベル、生存率レベル、健康状態、及び/又はその他の組織状態)から変化させ、その後その初期状態に経時的に(例えば、10分以内、1時間以内、又は1日以内)復帰させる値である。例えば、ドーズDOE1は、ターゲット組織を、単に体温からの冷却又は温めさせるエネルギー送達を含むことができ、この場合、ターゲット組織は、エネルギー送達停止後、比較的短い時間内に体温に戻る。これは、例えば、ドーズDOE1が、ターゲット組織をアブレーションするには不十分であり、壊死させるには不十分であり、且つ/又は、その他の方法でターゲット組織を永久的に変化させるには不十分なエネルギー送達(例えば、ターゲット組織をアブレーション、壊死、及び/又はその他の方法で永久的に変化させるのに不十分な振幅、周波数、持続時間、及び/又はその他のパラメータを有するRFエネルギー送達)を含む場合である。ドーズDOE1は、単極モード(例えば、EDD100のエネルギー送達要素130a及び/又は別のエネルギー送達要素130と戻り電極130’との間)で送達されるRFエネルギーの送達、及び/又は、双極モード(例えば、EDD100の2つの送達要素130の間)で送達されるRFエネルギーを含み得る。ドーズDOE1は、ドーズDOE1を受ける組織(例えば、ドーズDOE2を受ける組織と同じ組織)の温度の上昇を引き起こす非電気的エネルギー(例えば、光エネルギー、超音波エネルギー、及び/又は熱エネルギー)の送達を含むことができる。
ドーズDOE2は、送達されるエネルギーの閾値などの閾値を上回るエネルギーの送達を含むことができる。この送達エネルギーの閾値は、ターゲット組織(例えば、エネルギーを受ける組織、及び、潜在的に幾らかの隣接する組織)を初期状態(例えば、初期の圧力、細胞膜透過性のレベル、生存率レベル、健康状態、及び/又はその他の組織状態)から変化させ、その後時間が経過しても、ターゲット組織はその初期状態に戻ることはない(例えば、4時間、1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、又は2年の時間内では戻らない)。例えば、ドーズDOE2は、不可逆的変化及び/又はその他の望ましい長期効果をターゲット組織にもたらすエネルギーの送達を含み得る。これらは、例えば、ドーズDOE2が、ターゲット組織をアブレーションするのに十分な、ターゲット組織を壊死させるのに十分な、及び/又はその他の方法で永久的に変化させるのに十分なエネルギーレベルを含む場合である(例えば、後述するIEPドーズの形態で送達されるエネルギーであり、例えば、患者のAF又はその他の不整脈を治療するために、組織内に所望の病変部を作り出すのに十分な振幅、周波数、持続時間、及び/又はその他のパラメータを有するエネルギー)。
ドーズDOE1とDOE2は、例えばドーズDOE2がドーズDOE1の送達完了の直後又は少なくとも直後に送達される場合など、連続的に送達され得る。幾つかの実施形態において、ドーズDOE2の送達の少なくとも一部(例えば、ドーズDOE2の初期部分)は、ドーズDOE1の送達の少なくとも一部(例えば、ドーズDOE1の最終部分)中に、例えば重複及び/又は交互構成で送達される。
幾つかの実施形態において、ドーズDOE2は、ターゲット組織の不可逆的な電気穿孔を引き起こすエネルギーの送達を含む。例えば、ドーズDOE2は、「IEP」ドーズの送達を含むことができる。本明細書で使用されるIEPドーズは、2つ以上の電極間に送達される1以上の電気パルスを含むことができ、パルスは、2つの電極に近接する組織内に電界を発生させるように構成される。電気パルスのパラメータは、例えば組織への重大な熱損傷が回避される(例えば組織への過剰な熱の送達が回避される)場合に、得られる電界が組織の不可逆的な電気穿孔を生じさせるように選択され得る。例えば、IEPドーズは、ドーズを受ける組織が50℃の温度を超えることを防止するように構成され得る。幾つかの実施形態において、IEPドーズは、組織(例えば、IEPドーズを受ける組織)で生じる温度上昇を、13℃、11℃、9℃、又は7℃を超えない温度上昇に制限するように構成される。
幾つかの実施形態において、IEPドーズは、電極ベースのエネルギー送達要素130を有するEDD100により送達され、送達要素130は、少なくとも1.46mmの長さ、及び/又は、8mm以下の長さである。幾つかの実施形態において、IEPドーズは、2つの電極ベースのエネルギー送達要素130を有するEDD100により送達され、これらの送達要素130は、互いに少なくとも1mm離隔され、且つ/又は、11mm以下離隔されている。幾つかの実施形態において、IEPドーズは、少なくとも500V、及び/又は5000V以下の提供電圧(例えば、EDC300により提供される)に基づいて送達される。幾つかの実施形態において、IEPドーズは、少なくとも200V/cm、及び/又は1000V/cm以下の電界強度を含む。幾つかの実施形態において、IEPドーズは、少なくとも0.1μsec、及び/又は200μsec以下のパルス幅を含む。幾つかの実施形態において、IEPドーズは、少なくとも1μsecのパルス繰り返し間隔を有する一連のパルスを含む。
幾つかの実施形態において、本発明の概念のIEPドーズは、以下から成る群から選択されるエネルギー送達パラメータレベルを含む。すなわち、少なくとも50V/cm、少なくとも100V/cm、少なくとも300V/cm、又は少なくとも400V/cmの電圧勾配;8000V/cm以下、又は800V/cm以下の電圧勾配;5000V以下の振幅、2000V以下の振幅、1000V以下の振幅;少なくとも2個のパルスのセット:15個以下のパルスのセット、各々が少なくとも1マイクロ秒の持続時間のパルスのセット;少なくとも5マイクロ秒のIEP持続時間、30秒以下のIEP持続時間、及びこれらの組合せである。幾つかの実施形態において、ドーズDOE2は、少なくとも2mm、5mm、7mm、又は10mm離れて配置された2つの電極ベースのエネルギー送達要素130の間に送達されるIEPドーズを含む。幾つかの実施形態において、IEPドーズを受け取り且つ/又は送達する送達要素130のうちの1つが、EDD100の遠位端(先端)に配置される(例えば、要素130aが図示されている)。幾つかの実施形態において、IEPドーズを受け取り且つ/又は送達する送達要素130の一方又は両方が、円形状の電極(例えば、リング電極)を含む。
幾つかの実施形態において、ドーズDOE2はIEPドーズを含み、ドーズDOE1は、ターゲット組織を温める(例えば、ドーズDOE2の送達よりも前に行われる、組織温め)エネルギー(例えばRFエネルギー)の送達を含む。ドーズDOE1により引き起こされる加温は、1以上の利益をもたらし得る。これらは、例えば、エネルギー送達を成功させる(病変部形成を成功させる)ための、ドーズDOE2のIEPドーズの必要な振幅の低減、IEPドーズの持続時間の減少、IEPドーズの周波数の修正、IEPドーズの波形形状の修正、及び/又は、IEPドーズの効力(アブレーション効果)の改善である。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1は、ドーズを受ける組織が、少なくとも2℃、例えば少なくとも3℃、又は少なくとも4℃上昇されるように構成される。
幾つかの実施形態において、ドーズDOE2は、一対以上の電極ベースのエネルギー送達要素130により送達されるIEPドーズを含み、これは、例えば、各対の要素130の一方がカソードとして構成され、他方がアノードとして構成される場合である。システム10(例えばEDC300)は、(例えば本明細書に記載するアルゴリズム335を介して)、どの要素130がIEPドーズを送達すべきか(例えば要素130の3つ以上のセットのどの対か)、及び、どの要素130がカソードでどれがアノードであるべきかを選択するように構成されることができる。幾つかの実施形態において、先端に配置された要素130(例えば、シャフト110の遠位端に配置された図1の要素130a)がカソードとして構成され、より近位の要素130(例えばリング電極、例えば、図1の要素130b~130dの1以上)がアノードとして構成される。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1及び/又はDOE2は、アノードとして構成された1以上の要素130と、カソードとして構成された1以上の要素130とを含む一対の電極の間で電気エネルギーを送達することを含む。例えば、システム10(例えば、1以上のEDD100)は、アノード、カソード、又はその両方として機能するように構成された複数のエネルギー送達要素130を含み得る。
ドーズDOE2は、ドーズを受けている組織のインピーダンスがシステム10により監視されている間に送達されるIEPドーズを含み得る。これは、例えば、システム10がIEPドーズを閉ループ方式で送達する場合、及び/又は、組織の不可逆的電気穿孔の成功がインピーダンス測定を介して確認された場合(例えば、システム10が確認時にIEPドーズを自動的に停止する)場合である。
ドーズDOE1及び/又はDOE2は、1以上のエネルギー送達要素130により、1以上のタイプのターゲット組織に送達され得る。これらのターゲット組織は、例えば、心臓組織、神経組織、血管壁組織、及び/又は器官組織である。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1及び/又はDOE2は、心臓組織、神経組織、血管壁組織、器官組織、脳組織、肺組織、腎臓組織、肝臓組織、胃組織、筋肉組織、及びこれらの組織の組合せから成る群から選択される組織に送達されるように構成され得る。ドーズDOE1及び/又はDOE2は、器官の表面(例えば、心臓の心内膜表面及び/若しくは心外膜表面)、並びに/又は、器官の組織内(例えば、心臓壁組織内及び/又は別のタイプの器官組織内)に送達され得る。
EDC300はエネルギー送達モジュールを含むことができ、図面にはエネルギー送達モジュール360が示されている。エネルギー送達モジュール360は、アブレーションエネルギーをEDD100に提供する(例えば、ドーズDOE1及びDOE2のエネルギー及び/又はその他のエネルギーを、1以上の電極及び/又はその他のエネルギー送達要素を含む1以上のエネルギー送達要素130に提供する)ように構成されている。エネルギー送達モジュール360は、エネルギーをEDD100に、患者インターフェースユニット、PIU310(本明細書に示され、説明されるように)を介して、又はその他の方法で提供できる。本明細書で説明するように、モジュール360により提供されるエネルギーは、熱エネルギー又は極低温エネルギーなどのサーマルエネルギー、無線周波(RF)エネルギー及び/又はマイクロ波エネルギーなどの電磁エネルギー、レーザにより提供される光エネルギーなどの光エネルギー、亜音速エネルギー又は超音波エネルギーなどの音エネルギー、化学エネルギー(例えば、医薬薬剤又はその他の薬剤により送達されるような)、及びこれらのエネルギーの組合せから成る群から選択されるエネルギーを含み得る。エネルギー送達モジュール360は、RF発生器、光エネルギー送達ユニット、極低温エネルギー送達ユニット、超音波エネルギー送達ユニット、マイクロ波エネルギー送達ユニット、電気穿孔エネルギー送達ユニット、及びこれらのユニットの組合せから成る群から選択されるエネルギー送達モジュールを含み得る。幾つかの実施形態において、エネルギー送達モジュール360は、RFアブレーションエネルギーを1以上のエネルギー送達要素130に提供するように構成されたRF発生器を含む(すなわち、各エネルギー送達要素130が電極を含む場合)。ドーズDOE1及びDOE2は、類似又は非類似の形態のエネルギー(例えば、RFエネルギー及び別の形態のエネルギー)を含み得る。
幾つかの実施形態において、EDC300は1以上の機能的要素を含み、これらは、例えば、本明細書に示され説明される機能的要素309である。
EDD100は、エネルギーを送達するように構成された1以上の装置を含むことができ、これらは、例えばカテーテル、外科用ツール、腹腔鏡ツール、及び/又は内視鏡ツールを含むエネルギー送達装置である。EDD100は、一般的に可撓性シャフトであるシャフト110を含むことができ、シャフト110は近位端111を含む。EDD100は、図示の遠位部分102を含む。操作者把持可能部分であるハンドル120が、シャフト110の近位端111上に配置され得る。ハンドル120は、1以上のコントロール(例えば、1以上のボタン、スイッチ、レバーなど)を含むことができ、例えば、図にコントロール121が示されている。幾つかの実施形態において、EDD100の遠位部分102は、本明細書に記載する図8のEDD100と同様の構成及び配置である。
EDD100は、図1にエネルギー送達要素130a~130dとして示されているような、エネルギーを組織に送達するように構成された1以上の要素を含む。幾つかの実施形態において、1以上のエネルギー送達要素130は、第1ドーズのエネルギーであるドーズDOE1(例えば、EDC300により提供され本明細書に記載されるような、単極又は双極配置で送達されるRFエネルギーなど)を送達するように構成され、一対のエネルギー送達要素130が、第2ドーズのエネルギーであるドーズDOE2(例えば、これもEDC300により提供され本明細書に記載されるような)を送達するように構成される。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1及びドーズDOE2は、構成要素の同じセット(例えば、要素130の同じ対)により送達される。代替的に、ドーズDOE1を送達するために用いられるエネルギー送達要素130は、ドーズDOE2を送達するために用いられる要素130のセットに含まれず、また、その逆もあり得る。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1は、1以上のエネルギー送達要素130(例えば、少なくとも要素130a)により送達され、ドーズDOE2は、少なくとも2つのエネルギー送達要素130(例えば、少なくとも要素130a、及び、要素130b~130dの1以上)により送達される。
各エネルギー送達要素130は、以下から成る群から選択される、1つ、2つ又はそれより多数の形態のエネルギーを送達するように構成された1以上の要素を含み得る。この群は、熱エネルギー又は極低温エネルギーなどのサーマルエネルギー、高周波(RF)エネルギー及び/又はマイクロ波エネルギーなどの電磁エネルギー、レーザにより提供される光エネルギーなどの光エネルギー、亜音速エネルギー又は超音波エネルギーなどの音エネルギー、化学エネルギー、及びこれらの組合せから成る。幾つかの実施形態において、エネルギー送達要素130は、少なくとも2つの形態のエネルギーを送達し、これらのエネルギーは、熱エネルギー又は極低温エネルギーなどのサーマルエネルギー、高周波(RF)エネルギー及び/又はマイクロ波エネルギーなどの電磁エネルギー、レーザにより提供される光エネルギーなどの光エネルギー、亜音速エネルギー又は超音波エネルギーなどの音エネルギー、化学エネルギー、及びこれらの組合せからなる群から選択される。エネルギー送達要素130は、EDD100の遠位部分、例えば図示の装置遠位部分102の上に配置された1以上のエネルギー送達要素を含むことができる。エネルギー送達要素130は、少なくとも1つのエネルギー送達要素(例えば、少なくとも1つの電極、光エネルギーを送達するように構成された少なくとも1つの光学要素、及び/又は、少なくとも1つの極低温流体送達要素)を含むことができ、これらは、EDD100の遠位端上に「先端電極」構成で配置されている。幾つかの実施形態において、EDD100は、2つ、3つ、又はそれより多数のエネルギー送達要素130を含むことができ、これらは、例えば、単極及び/又は双極電磁(例えばRF)エネルギーを送達して、組織に加熱、アブレーション、及び/又はその他の方法で作用する(例えば、所望の病変部を組織内に形成する)ように構成された複数の電極である。1以上のエネルギー送達要素130は、各々、電極、例えば、高周波(RF)及び/又はその他の電磁エネルギーを送達するように構成された電極を含み得る。2つ以上のエネルギー送達要素130は、不可逆的電気穿孔のエネルギーのパルス(例えば、EDC300によりドーズDOE2として提供されるような)を送達する一対の電極として構成され得る。エネルギー送達要素130は、EDD100の端部に配置された1以上の電極(例えば、図1に示す要素130a)を含み得る。エネルギー送達要素130は、図1及び図8に示されているようなエネルギー送達要素のアレイ(例えば電極のアレイ)を含み得る。幾つかの実施形態において、エネルギー送達要素130は、図1に示されている戻り電極パッドである電極130’を含む。要素130’は、EDD100の1以上の要素130間のエネルギー送達のための(例えば、EDD100による単極RFエネルギーの送達のための)戻り電極として構成された電極を含み得る。
幾つかの実施形態において、EDD100は、エネルギーを組織に送達するための2つ以上の装置を含み、これらは、例えば、1以上のエネルギー送達要素130を含む第1EDD100’、及び、1以上のエネルギー送達要素130を含む第2EDD100”である(EDD100’及びEDD100”は図示されていないが、各々が1以上の送達要素130を含む、類似又は非類似のエネルギー送達装置である)。これらの実施形態において、ドーズDOE1及び/又はドーズDOE2は、EDD100’の要素130とEDD100”の要素130との間で送達されるドーズを含み得る。例えば、RFエネルギードーズ及び/又はIEPドーズは、心臓の心内膜表面上の部位に配置されたEDD100’の要素130と、心臓の心外膜表面上の部位(例えば、EDD100’の要素130の心内膜表面位置に比較的近い心外膜表面部位)に配置されたEDD100”の要素130の間で送達され得る。
EDD100は、力(例えば、組織とEDD100の1以上の部分との間の力)を測定、監視、反応、及び/又は維持するように構成されたアセンブリを含むことができ、これは例えば、力維持アセンブリ150として図示されている。力維持アセンブリ150は、ハンドル120内、シャフト110の一部内(例えば、EDD100の遠位部分102内)、及び/又は、シャフト110の遠位端上(例えば、図示されているようにEDD100の遠位部分102内)に配置され得る。力維持アセンブリ150は、力を提供又は維持するように構成された1以上の要素、すなわち、図示され、本明細書で説明されるような力維持要素160を含み得る。例として、このような力維持要素160は、油圧要素、バネ、磁石、圧縮性流体、記憶材料などのうちの1以上であり得、又はそれらを含むことができる。力維持要素160は、EDD100の遠位端、近位端、もしくは中間部分、又はそれらの2つ以上の組合せに配置され得る。また、力維持アセンブリ150は、1以上の感知要素、図示されている感知要素158を含むことができ、これは、1以上のセンサの形態を有することができ、且つ/又は1以上のセンサを含み得る。幾つかの実施形態において、力維持アセンブリ150は、2019年3月22日に出願された「Ablation System with Force Control」と題する、本出願人の同時係属中の米国特許出願第16/335,893号に記載されているものと類似の構造及び配置、並びに類似の構成要素を含み得る。
力維持アセンブリ150は、アセンブリ150が遠位部分102と位置合わせされているときなどにシャフト110と軸方向に位置合わせされることができる(例えば、力維持アセンブリ150の主要軸が遠位部分102の中心軸と位置合わせされる)。力維持アセンブリ150は機械的衝撃を吸収するように構成され得、且つ/又は、心臓壁又はその他の心臓組織の運動に動的に(例えば、動的且つ自動的に)反応するように構成され得る(例えば、心臓アブレーション処置における心内膜表面の動きに手動で反応する臨床医への依存を回避する)。力維持アセンブリ150は、高周波数運動及び/又は低周波数運動、様々な運動範囲などを許容及び/又は補償できる。力維持アセンブリ150は、「移動距離」(「圧縮距離」とも称され、力が加えられたときに力維持アセンブリ150が圧縮する距離に等しい)にわたり、予め決められた最大距離(「最大圧縮距離」又は「最大移動距離」)まで圧縮するように構成されることが可能である。「最大圧縮距離」は、例えば、0.1mm~10mmの長さを含む最大距離、0.1mm~5mmの長さを含む最大距離、及び/又は、その他の何らかの予め決められた距離範囲及び/又は限界である。
力維持アセンブリ150は、移動距離の全て又は一部にわたって、予め決められた力範囲を提供するように構成され得る。この力範囲は、例えば、予め決められた一定の及び/又は可変の力(例えば、0.1gmf~100gmf、5gmf~30gmf、及び/又は10gm~30gmfの力)である。幾つかの実施形態において、力維持アセンブリ150は、移動距離の全て又は一部にわたって比較的一定の力を提供するように構成され得る。この力は、例えば、0.1gmf~100gmf、例えば5gmf~30gmf、又は、10gm~30gmfの予め決められた一定の力である。追加的又は代替的に、幾つかの実施形態において、力維持アセンブリ150は、移動距離の全て又は一部にわたって可変の力を提供するように構成され、これは、例えば、力の予め定められた範囲(例えば、圧縮量に比例する力の範囲)内で変化する可変の力である。例えば、力維持アセンブリ150は、5gmf~30gmfで変化する力、例えば、10gm~30gmfで変化する力を加えるように構成され得る。
以上に説明したように、力維持アセンブリ150は、1以上の感知要素又はセンサ、例えば、図示されている感知要素158を含み得、これらは、力維持アセンブリ150の圧縮の量に相関する信号を生成するように構成され得る。追加的又は代替的に、感知要素158は、力維持アセンブリ150の最大圧縮(例えば、圧縮中に達成された最大力)に相関する信号を生成するように構成され得る。
エネルギー送達要素130は、力維持アセンブリ150がシャフト110内に配置されるときなどに、シャフト110の遠位端上に配置され得る。或いは、エネルギー送達要素130は、力維持アセンブリ150の遠位端上に配置され得る。
EDD100は、心臓の心房のアブレーション(例えば、心房細動又は右心房粗動の治療のために1以上の病変部を形成する)及び/又は、心臓の心室のアブレーション(例えば、心室頻拍の治療)のために構成され得る。心房のアブレーションのために、力維持アセンブリ150は、第1最大圧縮距離、例えば、10mm以下、5mm以下、又は3mm以下の距離を有するように構成され得る。代替的に、心室のアブレーションのために、力維持アセンブリ150は、第2最大圧縮距離を有するように構成され得る。第2最大圧縮距離は、例えば、第1最大圧縮距離よりも大きい距離、例えば、第1最大圧縮距離より少なくとも1mm大きい距離であり、例えば、第2(心室)最大圧縮距離は、少なくとも3mm又は少なくとも6mmである。幾つかの実施形態において、第1(心房)最大圧縮距離は、約2mm~3mmの距離を含む。幾つかの実施形態において、第2(心室)最大圧縮距離は、約4mm~6mmの距離を含む。
システム10は、少なくとも第2エネルギー送達装置、EDD100’、例えば、心臓の心房及び/又は心室での使用のために構成された第2EDD100’を含むことができる(例えば、EDD100’は、患者の血管系及び患者の心臓の心室への挿入用のカテーテルを含む)。幾つかの実施形態において、第1EDD100は、心房(例えば、心室ではない)での使用のために構成され、第2EDD100’は、心室(例えば、心房ではない)での使用のために構成される。これらの実施形態において、第1EDD100は、第2EDD100’内に配置された力維持アセンブリ150の最大圧縮距離と比較して、より短い最大圧縮距離を含む力維持アセンブリ150を含むことができる。幾つかの実施形態において、ドーズDOE2は、例えばIEPドーズが5kV以下の電圧に基づいている場合に、患者の心臓の心室内に有効な病変部を形成するように構成されたIEPパルスを含む。幾つかの実施形態において、ドーズDOE2は、例えばIEPドーズが2kV以下の電圧に基づいている場合に、患者の心臓の心房に有効な病変部を形成するように構成されたIEPパルスを含む。
EDD100は、1以上の電極である図示のマッピング電極135を含むことができ、これは、生体電位情報(例えば、心臓電気活動データ等)及び/又は位置情報(例えば、患者の解剖学的構造内のEDD100位置に関するデータ)を記録するように構成され得る。マッピング電極135は、図示のように、EDD100の遠位部分102上に配置された1以上の電極を含み得る。マッピング電極135はリング電極を含み得る。幾つかの実施形態において、マッピング電極135は、少なくとも1つのセンサ又は感知要素(本明細書では「センサ」)を含み、これらは、例えば、電極ベースのセンサ、及び/又は、非電極ベースのセンサ(例えば、光センサ、温度センサ、pHセンサ、生理学的センサ、例えば、血液センサ、血液ガスセンサなど)である。幾つかの実施形態において、1以上のマッピング電極135及び1以上のエネルギー送達要素130は、同一の構成要素を含む。
EDD100は、EDC300に動作可能に取り付けられるように構成されている。EDD100は、1以上のワイヤ、フィラメント、及び/又はその他の導管である導管125、並びに、1以上の付属コネクタであるコネクタ126を含む。コネクタ126は、EDC300の相手側コネクタであるコネクタ301bに動作可能に取り付けられる。導管125は、1以上のワイヤ又は導電性トレース(本明細書では「ワイヤ」)、光ファイバ、チューブ(例えば、油圧、空気圧、灌注又はその他の流体送達チューブ)、導波管、及び/又は機械的連結(例えば、平行移動フィラメント(translating filament))を含み、それらの各々が、EDC300の1以上の構成要素をEDD100の1以上の構成要素に動作可能に取り付けるために使用され得る。
システム10は、1以上の機能的要素、例えば、図1に示され、本明細書で詳細に説明される機能的要素119,129,219,229,及び/又は309を含むことができる。機能的要素119,129,219,229,及び/又は309は、各々、本明細書で説明するように、1以上のセンサ及び/又は1以上のトランスデューサを含み得る。幾つかの実施形態において、機能的要素119,129,219,229,及び/又は309は、以下からなる群から選択されるトランスデューサを含んでいる。すなわち、加熱要素、冷却要素、振動トランスデューサ、超音波トランスデューサ、電極、光送達要素、薬剤又はその他の薬物送達要素、及びこれらの1以上の組合せである。幾つかの実施形態において、機能的要素119,129,219,229,及び/又は309は、以下から成る群から選択されるセンサを含む。すなわち、生理学的センサ、血圧センサ、血液ガスセンサ、圧力センサ、歪みゲージ、力センサ、化学センサ、インピーダンスセンサ、磁気センサ、電極、変位センサ(例えば、力維持アセンブリ150が圧縮される距離を決定するように構成されたセンサ)、流れセンサ、及びこれらの1以上の組合せである。幾つかの実施形態において、機能的要素129及び/又は229は、フィードバックを提供するように構成された機能的要素、及び/又は、それ以外にユーザにシステム10の1以上の構成要素の状態(例えば、望ましくない状態が存在するとき)を警告するように構成された機能的要素を含む。機能的要素129及び/又は229は、触覚トランスデューサ、LED光源などの光源、スピーカーなどの音声トランスデューサ、及びこれらの1以上の組合せから成る群から選択される要素を含み得る。
システム10のマッピングカテーテル200はシャフト210を含み、典型的には、1以上の管腔を含む可撓性シャフトである。バスケットアセンブリ230が、図示のように遠位端213上に配置され、又はシャフト210の少なくとも遠位部分上に配置されている。操作者が把持可能な部分であるハンドル220が、シャフト210の近位端211上に配置されている。ハンドル220は、図示されている制御部221のような、1以上の制御部を含み得る。
バスケットアセンブリ230は、拡張可能なアセンブリを含み得る。このアセンブリは、例えば、半径方向に拡張された又は圧縮された状態に弾性的に付勢され、それにそれぞれ対応して圧縮又は拡張されるように構成されている。この圧縮又は拡張は、制御221を介して、シースの遠位端から前進することにより(半径方向に拡張)、及び/又は、シース12などのシース内に引き込まれることにより(半径方向に圧縮)行われる。バスケットアセンブリ230は、フィラメントのアレイ、スプライン231を含み、これは、弾性的に付勢される(例えば、拡張状態及び/又は圧縮状態で付勢される)金属(例えば、ステンレス鋼及び/若しくはニッケルチタン合金)並びに/又はプラスチックフィラメントを含み得る。バスケットアセンブリ230は、スプライン231に接続される複数の電極である電極232を含み得る。追加的又は代替的に、バスケットアセンブリ230は、複数の超音波トランスデューサであるトランスデューサ233を含むことができ、これらもまたスプライン231に接続され得る。幾つかの実施形態において、バスケットアセンブリ230及び/又はマッピングカテーテル200は、本発明の出願人による、2019年4月19日に出願された「Device and Method For the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題する同時係属中の米国特許出願第16/389,006号、及び/又は、本発明の出願人による、2019年1月8日に出願された「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board (PCB) Electrical Pathways」と題する同時係属中の米国特許出願第16/242,810号に記載の類似の構成要素と同様の構造及び配置を有する。幾つかの実施形態において、1以上の電極232及び/又は超音波トランスデューサ233は、追加的又は代替的に、本明細書に記載されるような生理学的センサ及び/又は別のセンサなどのセンサを含む。
システム10のマッピングカテーテル200は、図示されて本明細書に記載される機能的要素219,229のような1以上の機能的要素を含み得る。幾つかの実施形態において、1以上の機能的要素219及び/又は229は、バスケットアセンブリ230上に(例えば、1以上のスプライン231上に)配置される。
マッピングカテーテル200は、EDC300に動作可能に取り付けられるように構成され得る。マッピングカテーテル200は、1以上のワイヤ、フィラメント、及び/又はその他の導管、導管225、並びに1以上の付属コネクタ、コネクタ226を、各々図示されているように含む。コネクタ226は、EDC300の相手側コネクタであるコネクタ301aに動作可能に取り付けられる。導管225は、1以上のワイヤ、光ファイバ、チューブ(例えば、油圧、空気圧、灌注又はその他の流体送達チューブ)、導波管、及び/又は機械的連結(例えば平行移動フィラメント)を含み得、これらの各々が、EDC300の1以上の構成要素をマッピングカテーテル200の1以上の構成要素に動作可能に取り付けるために使用され得る。
システム10は、1以上のパッチ電極である図示のパッチ電極60を含むことができ、これは、患者の皮膚に付着し、患者を通じて電気信号を送信し、且つ/又は、患者から電気信号を受信するように構成された標準的な皮膚電極及び/又は別の電極を含み得る。幾つかの実施形態において、パッチ電極60は、患者の心電図(ECG)を記録するように、且つ/又は、システム10の局所化信号を送信及び/又は受信するように構成される。パッチ電極60は、EDC300に動作可能に取り付けられる(例えば、電気的に取り付けられる)ように構成され得る。各パッチ電極60は、1以上の導管、導管65(例えば、1以上の電気ワイヤ)、及び1以上の付属コネクタであるコネクタ66を含み得る。コネクタ66は、EDC300の相手側コネクタであるコネクタ301cに動作可能に取り付けられる。
EDC300は、1以上のエネルギー送達装置、EDD100、1以上のマッピングカテーテル200、及び/又は1以上の患者パッチ60を制御及び/又はその他の方法でインターフェースするように構成された1以上の内部構成要素を含む。EDC300は、1以上のワイヤ、フィラメント、及び/又はその他の導管である導管302、例えば導管302a、302b,302cを含み、これらは、コネクタ301a,301b,及び/又は301cを介して、1以上のEDD100、1以上のマッピングカテーテル200、及び/又は1以上の患者パッチ60にそれぞれ動作可能に接続する。導管302は、1以上のワイヤ、光ファイバ、チューブ(例えば、油圧、空気圧、灌注又はその他の流体供給チューブ)、導波管、及び/又は機械的連結(例えば、平行移動フィラメント)を含み得る。
EDC300は、患者インターフェースユニットであるPIU310を含み得る。PIU310は、本明細書で各々を詳細に説明するユニット320,330,340,350,360、及び/又は370のうちの1以上に、バス305を介して、接続(例えば電気的に接続)され得る。バス305は、電力を供給し、データを送信し、且つ/又はデータを受信するように構成された1以上のワイヤ、光ファイバ、及び/又はその他の導管を含み得る。幾つかの実施形態において、バス305は、本明細書に記載するように、油圧液、灌注液、及び/又はその他の流体を提供するように構成された1以上の流体送達チューブを含む。PIU310は、電力、データ、流体、及び/又は機械的連結が、PIU310と、EDD100、マッピングカテーテル200、及び/又はパッチ60のうちの1以上との間を通過できるように、ユニット340,350,360,330及び/又は320に動作可能に取り付けられ得る。幾つかの実施形態において、PIU310は、EDC300の2つ以上のモジュール間の望ましくない電気的相互作用を低減できる。例えば、PIU310は、マッピングモジュールとRF発生器との間の電気的干渉、例えば、患者に送信され、患者から受信される信号からの干渉を低減するように構成された1以上のフィルタ(例えば、1つ、2つ又はそれより多数の並列LCノッチフィルタ及び/又はローパスフィルタ)を含み得る。PIU310は、以下から成る群から選択される1以上の構成要素を含み得る。この群は、フィルタ、変圧器、バッファ、増幅器、パススルー(例えば、PIU310によりフィルタリングされず、又はそれ以外で変更されない導管、例えば流体導管)及びこれらの1以上の組合せである。幾つかの実施形態において、PIU310は電気保護回路を含み、この電気保護回路は、EDC300を、患者に送達される除細動パルス及び/又はRFアブレーションエネルギーなどの高エネルギー信号による損傷から保護するように構成されている。
EDC300は、臨床医又はその他のユーザインターフェースである図示のユーザインターフェースユニット320を含むことができ、これは、1以上のユーザ入力及び/又はユーザ出力コンポーネントを含む。幾つかの実施形態において、ユーザインターフェースユニット320は、ジョイスティック、キーボード、マウス、タッチスクリーン、及び/又はその他のヒューマンインターフェースデバイス、例えば図示のHID321を含む。幾つかの実施形態において、ユーザインターフェースユニット320は、これもまた図示されているディスプレイ322などのディスプレイを含む。
EDC300は、信号処理アセンブリであるプロセッサ330を含み得る。幾つかの実施形態において、プロセッサ330は、図示されているアルゴリズム335のような1以上のアルゴリズムを含む。プロセッサ330は、信号、例えば、EDD100及び/又はマッピングカテーテル200の1以上のセンサ(本明細書に記載されているような)からの信号を受信できる。プロセッサ330は、以下のように構成され得る。すなわち、受信された信号に対して1以上の数学的演算を実行し、EDD100が組織に加える力、力維持アセンブリ150の圧縮量、EDD100の向き、EDD100の一部の心臓組織への近接、及び/又は、EDD100の一部と心臓組織との接触のレベル若しくは質の、量的又は質的測定に相関する結果を導出する。1以上の数学的演算は、算術演算、統計演算、線形及び/又は非線形関数、時間の関数としての演算、空間又は距離の関数としての演算、閾値との比較、範囲との比較、及びこれらの1以上の組合せから成る群から選択される関数の演算を含み得る。幾つかの実施形態において、アルゴリズム335は、機械学習又はその他の人工知能(AI)アルゴリズムを含む。幾つかの実施形態において、アルゴリズム335は、力維持アセンブリ150を監視、評価及び/又は制御(本明細書では「制御」)する(例えば、力維持アセンブリの1以上のパラメータを閉ループ又は半閉ループ様式で調節する)ように、例えば、センサ信号に基づく制御をするように構成される。幾つかの実施形態において、アルゴリズム335は、EDD100により組織に加えられる接触、力、又は圧力の少なくとも1つを決定及び/又は評価するように構成される。幾つかの実施形態において、アルゴリズム335は、システム10の1以上のセンサから受け取った1以上の信号、例えば、以下に相関する信号を処理する。すなわち、エネルギー送達要素の温度、エネルギー送達要素周囲の組織の温度、組織へのエネルギー送達の持続時間、組織に送達されるエネルギーのレベル、組織に加えられる力及び/又は圧力、並びにこれらの1以上の組合せである。アルゴリズム335は、これらの信号に基づいてエネルギー送達を修正するように構成されることができ、例えば、十分なパラメータレベルの組合せに到達したとき、例えば、十分な時間にわたり十分な圧力で十分なエネルギー送達に到達したとき、エネルギー送達を停止させるように構成され得る。幾つかの実施形態において、システム10は、組織へのエネルギー送達の持続時間を減少させるために、増大されたエネルギーレベルを送達するように構成される。代替的に又は追加的に、システム10は、エネルギーレベルを減少させるために、組織へのエネルギー送達の持続時間を増大させるように構成され得る。幾つかの実施形態において、システム10は、1以上のエネルギー送達要素130と組織との間の力を、エネルギー送達の持続時間及び/又はエネルギー送達のレベル(例えば、電圧レベル、電流レベル及び/又は電力レベル)のうちの1以上を調整するように制御する。幾つかの実施形態において、システム10は、エネルギー送達の持続時間及び/又はエネルギー送達のレベルを、1以上のエネルギー送達要素130と組織との間の力の、測定及び/又は制御されたレベルに基づいて調整する。
幾つかの実施形態において、アルゴリズム335(例えばAIアルゴリズム)は、EDC300によるEDD100へのエネルギーの送達を、ドーズDOE1及び/又はDOE2を制御するように、定義、調整、及び/又はその他の方法で制御するように構成される。幾つかの実施形態において、アルゴリズム335は、ドーズDOE1及び/又はDOE2の送達を(例えば、閉ループ構成で)修正するように構成される。この修正は、例えば、患者の組織インピーダンス及び/又はその他の生理学的パラメータに基づく修正である。幾つかの実施形態において、アルゴリズム335は、ドーズDOE2を、以前に送達されたドーズDOE1に関連するパラメータ(例えば、測定されたパラメータ)に基づいて修正するように構成される。
アルゴリズム335は、図10~図11を参照して本明細書で説明するように、EDD100の配向角度を決定するために使用することができ、この決定は、例えば、システム10のセンサ及び/又は別の撮像装置により提供されるデータに基づく決定である。
アルゴリズム335は、電界強度、例えば、図10~図13を参照して本明細書に記載するようなパルス電界アブレーションを行うために使用される電界強度を測定するために使用され得る。
アルゴリズム335は、病変部の情報、例えば、図10~図13を参照して本明細書に記載するような、作成される病変部の予測サイズ(例えば、長さ、幅、深さ、及び/又は体積)を提供するために使用され得る。
EDC300は、流体送達モジュールである図示のモジュール370を含むことができ、このモジュールは、図示のように、流体(例えば、本明細書に記載の油圧流体及び/又は灌注流体)をEDD100及び/又はマッピングカテーテル200に、例えばPIU310を介して送達するよう構成され得る。代替の実施形態において、流体送達モジュール370は、EDD100及び/又はマッピングカテーテル200に、PIU310を通さずに接続される。流体送達モジュール370は、1以上の流体送達装置(例えば、蠕動ポンプ、シリンジポンプ、重力送り流量コントローラ及び/又はその他の流体送達装置)を含み得、これらは、生理食塩水及び/又はその他の流体である図示の流体70の1以上の供給源に取り付けられ得る。
流体70は、既知の導電性(例えば、比較的低い導電性及び/又は血液の導電性よりも少なくとも低い導電性)の流体を含み得る。これらは、例えば、電流の操作及び/又は電磁場の操作のために(例えば、ターゲット組織のパルス電界アブレーションを生じさせるためのエネルギーの送達中などに1以上の電極を取り囲むために)送達される流体である。
EDC300は、力維持モジュールである図示のモジュール340を含み得る。力維持モジュール340は、EDD100により組織に加えられる力をシステム10が調整することを可能にする信号を提供するように、例えば、力維持アセンブリ150に制御信号を提供するように構成され得る。幾つかの実施形態において、力維持モジュール340は、EDD100に(例えば、流体送達モジュール370を介して)油圧流体の供給を送達及び/又は少なくとも制御(例えば、その圧力を制御)するように構成される。
幾つかの実施形態において、力維持モジュール340は、電極130と組織との間の力を、ターゲット組織のパルス電界アブレーション中に所望の電界を形成するように、自動的に調整するように構成される。
EDC300は、マッピングモジュールである図示のモジュール350を含み得る。幾つかの実施形態において、マッピングモジュール350は、超音波情報を記録及び/又は処理するように構成されたモジュール、例えば、図示の超音波モジュール351を含む。幾つかの実施形態において、マッピングモジュール350は、生体電位情報を記録及び処理するように構成されたモジュール、例えば、図示の生体電位モジュール352を含む。マッピングモジュール350は、エネルギー及び/又は信号を、EDD100、マッピングカテーテル200、及び/又はパッチ60に、PIU310(図示されているように)を介して、又はそれ以外の方法で送信できる。マッピングモジュール350は、患者内に局所化フィールドを形成するように1以上の信号を患者内に(例えば、1以上のパッチ60を介して)送信するように構成され得る。さらに、マッピングモジュール350は、EDD100及び/又はマッピングカテーテル200の1以上の電極(又はその他のセンサ)から信号を受信できる。これらの信号は、例えば、局所化信号に相関する信号であり、例えば、局所化フィールド内の1以上の電極の局所化を決定するため(例えば、患者内の関連するカテーテル(複数可)の位置及び/又は向きを決定するため)の信号である。幾つかの実施形態において、2つ以上の局所化フィールドが同時に使用され得る。局所化フィールドを発生及び/又は感知するために使用される構成要素(例えば、パッチ60及び/又はEDD100若しくはマッピングカテーテル200の1以上の電極)が、局所化信号を送信し(本明細書では「ソース」)、局所化信号を受信し(本明細書では「シンク」)、且つ/又は、局所化信号を交換可能に送信及び受信するように構成され得る。例えば、構成要素は、局所化信号を互いの間で、マッピングモジュール350により受信される局所化情報を増強するように構成されたパターンでソース及びシンクするように多重化され得る。局所化情報とは、例えば、システム10の構成要素と、心室内の心臓組織若しくはその他の構造物及び/又はシステム10の別の構成要素との間の相対位置に関する情報である。
例えば、局所化測定を行うために使用される2つ以上の構成要素間の電流の流れの方向を逆にすることができる。例えば、インピーダンスベースのシステムでは、複数の周波数範囲を使用して、複数(例えば、3つ又は4つ)の局所化フィールドを同時に発生させることができる。フィールド内の全ての電極及び/又はセンサを使用して、局所化フィールドを感知できる。局所化フィールドのソース(例えば、局所化信号の送信)及びシンク(例えば、局所化信号の感知)に用いられる構成要素は固定及び静的であり得、これらは例えば、局所化フィールドのソースに用いられる、身体表面上に配置されたパッチ60、並びに、局所化信号のシンクに用いられる、システム10の1以上の構成要素上に配置された電極、及び、患者内に配置された電極である。代替的に、構成要素は、時間多重化及び/又は周波数多重化されることが可能であり、これは、例えば、異なる構成要素のセットからの電流を様々な周波数及び/又は様々な時間でソース及びシンクすることにより行われる。時間多重局所化方法の一例として、システムは、3つのソース/シンク構成要素A~Cを含むことができる。第1の構成では、構成要素Aはソースに使用され、構成要素Bはシンクに使用される。第2の構成では、Bをソースに使用し、Aをシンクに使用できる。第3の構成では、Cをソースに使用し、Bをシンクに使用する。これらの3つの構成を多重化することで、強化された局所化方法を提供できる。全ての可能な順列を使用すると、ソース-シンク構成を介して利用可能な情報の完全な補完を提供できるであろう。これらの構成のサブセットを、電子的及びアルゴリズム的複雑性を低減するように選択でき、尚且つ、必要とされる条件及び/又は状態の個数を決定するのに十分な情報を提供できる。幾つかの実施形態において、電子機器は、周波数範囲(例えば10kHz~100kHz)内の電流漏れ(例えば接地経路)を最小限にするように構成され、これは、局所化フィールド内に存在する、及び/又は局所化フィールドを測定するために使用されるセンサ及び/又は電極を介して行われる。例えば、電流漏れは、対象となる局所化周波数範囲において十分に高い入力インピーダンスを設計することにより最小化され得る。
幾つかの実施形態において、マッピングモジュール350の超音波モジュール351は、超音波信号を、マッピングカテーテル200の1以上の超音波トランスデューサ233を介して送受信して、超音波トランスデューサ233と心臓組織との間の距離を決定し、例えば、局所化データと連携して、心臓組織の解剖学的モデルを生成するように構成される。マッピングモジュール350の生体電位モジュール352は、1以上の生体電位信号を、例えばマッピングカテーテル200の電極232を介して記録し、それにより心室の電気活動マップを作成するように構成され得る。幾つかの実施形態において、超音波モジュール351及び生体電位モジュール352を含むマッピングモジュール350は、2017年10月25日に出願された「Ultrasound Sequencing System and Method」と題する本出願人の同時係属中の米国特許出願第15/569,185号、及び/又は、2020年4月15日出願の「Localization System and Method Useful in the Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題する本出願人の同時係属中の米国特許出願第16/849,045号に記載の類似の構成要素に類似の構成及び配置のものである。
EDD100の1以上のセンサ(例えば、1以上のセンサとして構成された機能的要素119又は129の1以上、及び/又は、本明細書に記載のその他のセンサ)が、1以上のエネルギー送達要素130と組織(例えば心臓組織)との間の接触レベルに関連する信号を生成するように構成され得る。提供される信号は、最小(十分)レベルの接触対不十分なレベルの接触(例えば、接触の欠如)を簡単に区別でき、且つ/又は、様々なレベルの接触を区別するデータ(例えば、1以上のエネルギー送達要素130と組織との間の力の量的評価)を提供できる。EDC300は、質的及び/又は量的な接触情報を、ユーザ(例えば臨床医)に、例えばディスプレイ322を介して提供でき、この情報は、1以上のエネルギー送達要素130と組織(例えば、心室壁及び/又はその他の心臓組織)との間の接触のレベルを示す。幾つかの実施形態において、システム10は、以下を含む情報を(ディスプレイ322を通して)提供するように構成される。これらの情報は、達成された十分な接触(例えば、組織へのエネルギーの有効な送達を実行するのに十分な接触)、達成された不十分な接触、達成された力のレベル、達成された圧力のレベル、境界までの距離又は近接、境界又はその他の組織の位置に対する向き又は迎角、近接した境界のトポロジー、接触効率、及びこれらの1以上の組合せである。
図2~図7を参照して以下に記載する組織治療方法を、カテーテル、例えば、本明細書に記載の2つの形態のエネルギーを患者のターゲット組織に送達するエネルギー送達装置EDD100に関して説明する。別のタイプのエネルギー送達装置、例えば、外科用ツール、腹腔鏡ツール、内視鏡ツール、及び/又はその他のエネルギー送達ツールも使用され得ることが本出願の精神及び範囲内にあるとみなされるべきである。図2~図7を参照して以下に記載する方法を、心臓組織、例えば、エネルギーが心臓の心内膜表面に送達される心室組織を含むターゲット組織に関して説明する。エネルギーが、代替的に心臓壁内及び/又は心外膜表面に送達され得ること、及び、患者のその他の組織が、本発明の概念のシステム、装置、及び方法を用いて治療され得ることが、本出願の精神及び範囲内で考慮されるべきである。図2~7を参照して説明したエネルギードーズであるドーズDOE1及びドーズDOE2は、類似の形態のエネルギー(例えば、両方がRFエネルギー送達を含む場合)、又は、異なる形態のエネルギー(例えば、ドーズDOE2がRF又はその他の電磁エネルギー送達を含み、ドーズDOE1が非電磁エネルギー送達を含む場合)を含み得る。ドーズDOE1は、ターゲット組織を可逆的に温めるように構成されたエネルギーの送達を含むことができ、ドーズDOE2は、ターゲット組織を不可逆的に電気穿孔するように構成されたエネルギーの送達を含むことができる。この電気穿孔は、例えば、本明細書に記載するIEPの送達を介して、例えば、組織内に所望の病変部を形成するために(例えば、患者のAF又はその他の不整脈を治療するために)行われる。組織のこの事前加温は、本明細書に記載するように、多数の利点を提供し得る。例えば、ドーズDOE2が、ターゲット組織が体温であった(例えば、ドーズDOE1により事前加温されていない)場合にターゲット組織を不可逆的に電気穿孔するのに必要であったであろう振幅よりも低い振幅のエネルギー(例えば、RFエネルギー)の送達を含む場合である。
幾つかの実施形態において、EDC300は、例えばシステム10の1以上のセンサが患者の生理学的情報及び/又は患者の環境に関連する情報を提供する場合に、監視装置として構成される。幾つかの実施形態において、EDC300は、この情報に基づいてドーズDOE1及び/又はドーズDOE2を構成する。例えば、EDC300は、以下から成る群から選択される患者の生理学的情報に基づいてドーズDOE1及び/又はドーズDOE2を提供するよう構成され得る。すなわち、心臓サイクル、心拍数、血圧、血流速度、呼吸速度、脳活動、エレクトログラム振幅(例えば、単極及び/又は双極モードで測定される)、組織インピーダンス、及びこれらの組合せである。
ここで図2を参照すると、本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達する方法のフローチャートが示されている。方法2000を、本明細書に記載するシステム10及びその構成要素を用いて説明する。
ステップ2010において、EDD100の遠位部分が患者の心室内に挿入される。幾つかの実施形態において、カテーテル200の遠位部分もまた患者の心室内に、生体電位、解剖学的可視化、及び/又はその他の心臓マッピング機能を提供するように挿入される。
ステップ2020において、EDD100の1以上のエネルギー送達要素130が、治療のための組織部位(本明細書では「ターゲット組織」)の付近(近接)に移動される。
ステップ2030において、第1ドーズのエネルギーである本明細書に記載のドーズDOE1が、EDC300によりEDD100に提供され、1以上のエネルギー送達要素130によりターゲット組織に送達される。
ステップ2040において、第2ドーズのエネルギーである本明細書に記載のドーズDOE2が、EDC300によりEDD100に提供され、そして、ターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130(例えば、ステップ2030においてドーズDOE1を送達したのと同一の及び/又は異なるエネルギー送達要素130)により送達される。
ステップ2050において、処置の完全性のチェックが行われる。処置が完了していない場合、例えば、追加の組織(例えば追加のターゲット組織)が処置されるべき場合、方法はステップ2020に戻る。処置が完了している場合、処置はステップ2070で終了する。
ここで図3を参照すると、本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達する方法のフローチャートが示されている。方法3000を、本明細書に記載するシステム10及びその構成要素を用いて説明する。
ステップ3010において、EDD100の遠位部分が患者の心室に挿入される。幾つかの実施形態において、カテーテル200の遠位部分もまた患者の心室内に、生体電位、解剖学的可視化、及び/又はその他の心臓マッピング機能を提供するように挿入される。
ステップ3020において、EDD100の1以上のエネルギー送達要素130がターゲット組織の付近に移動される。
ステップ3030において、第1ドーズのエネルギーである本明細書に記載のドーズDOE1が、EDC300によりEDD100に提供され、1以上のエネルギー送達要素130によりターゲット組織に送達される。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1は、一定時間期間にわたるエネルギー(例えばRFエネルギー)の送達を含む。
ステップ3032にて、患者の心臓サイクルがEDC300又はシステム10のその他の構成要素などにより監視される。
ステップ3033において、「タイムアウト」に到達すること、例えば、ドーズDOE1の送達が終了してからの時間を含むタイムアウト期間のチェックが実行される。タイムアウト期間に到達している場合、ステップ3060が実行され、システム10は警告モードに入り、方法3000は、後述するステップ3050へと継続する。タイムアウト期間に達していない場合、ステップ3035が実行される。
ステップ3035において、患者の心臓サイクルが、所望のサイクルポイントであるサイクルポイントCPDにあるかどうかを判断するチェックが行われる。患者の心臓サイクルがポイントCPDにない場合、方法3000はステップ3033に戻る。患者の心臓サイクルがポイントCPDにある場合、ステップ3040が実行される。
ステップ3040において、第2ドーズのエネルギーである本明細書に記載のドーズDOE2が、EDC300によりEDD100に提供され、そして、ターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130(例えば、ステップ3030においてドーズDOE1を送達したのと同一の及び/又は異なるエネルギー送達要素130)により送達される。
幾つかの実施形態において、サイクルポイントCPDはステップ3035において選択され、この選択は、ステップ3040においてドーズDOE2が、R波が発生してから50ミリ秒~200ミリ秒の時間に送達されるように行われる(図3Aを参照)。
ステップ3050において、処置の完全性のチェックが行われる。処置が完了していない場合、例えば、追加の組織(例えば追加のターゲット組織)が処置されるべき場合、方法はステップ3020に戻る。処置が完了している場合、処置はステップ3070で終了する。
ここで図4を参照すると、本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達する方法のフローチャートが示されている。方法4000を、本明細書に記載するシステム10及びその構成要素を用いて説明する。
ステップ4010において、EDD100の遠位部分が患者の心室に挿入される。幾つかの実施形態において、カテーテル200の遠位部分もまた患者の心室内に、例えば、生体電位、解剖学的可視化、及び/又はその他の心臓マッピング機能を提供するように挿入される。
ステップ4020において、EDD100の1以上のエネルギー送達要素130がターゲット組織の付近に移動される。
ステップ4030において、第1ドーズのエネルギーである本明細書に記載するドーズDOE1の送達が開始される。エネルギーは、EDC300によりEDD100に送達され、そしてターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130により送達される。
ステップ4032にて、患者の心臓サイクルが、EDC300又はシステム10のその他の構成要素などにより監視される。
ステップ4033において、「タイムアウト」に到達すること、例えば、ドーズDOE1の送達が終了してからの時間を含むタイムアウト期間のチェックが実行される。タイムアウト期間に到達している場合、ステップ4060が実行され、システム10は警告モードに入り、ドーズDOE1の送達が停止され、方法4000は、後述するステップ4050へと継続する。タイムアウト期間に達していない場合、ステップ4035が実行される。
ステップ4035において、患者の心臓サイクルが、所望のサイクルポイントであるサイクルポイントCPDにあるかどうかを判断するチェックが行われる。患者の心臓サイクルがポイントCPDにない場合、方法4000はステップ4033に戻る。患者の心臓サイクルがポイントCPDにある場合、ステップ4040が実行される。
ステップ4040において、ドーズDOE1の送達が停止され、第2ドーズのエネルギーである本明細書に記載のドーズDOE2が、EDC300によりEDD100に提供され、そして、ターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130(例えば、ステップ4030にてドーズDOE1を送達したものと同一の及び/又は異なるエネルギー送達要素130)により送達される。
ステップ4050にて、処置の完全性のチェックが行われる。処置が完全でない場合、例えば、追加の組織(例えば追加のターゲット組織)が処置されるべき場合など、方法はステップ4020に戻る。処置が完全である場合、処置はステップ4070にて終了する。
ここで図5を参照すると、本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達する方法のフローチャートが示されている。方法5000を、本明細書に記載するシステム10及びその構成要素を用いて説明する。
ステップ5010において、EDD100の遠位部分が患者の心室に挿入される。幾つかの実施形態において、カテーテル200の遠位部分もまた患者の心室内に、例えば、生体電位、解剖学的可視化、及び/又はその他の心臓マッピング機能を提供するように挿入される。
ステップ5020において、EDD100の1以上のエネルギー送達要素130がターゲット組織の付近に移動される。
ステップ5022において、患者の心臓サイクルが、EDC300又はシステム10のその他の構成要素などにより監視される。
ステップ5024において、将来の所望の心臓サイクルポイントCPDの時間T1がシステム10により(例えばアルゴリズム335を介して)予測される。
ステップ5030において、第1ドーズのエネルギーである本明細書に記載のドーズDOE1を送達するオプションのステップが、EDC300によりEDD100に提供されることができ、ターゲット組織に1以上のエネルギー送達要素130により送達され得る。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1は、一定時間期間(例えば、時間T1より前に終了する一定時間期間)にわたるエネルギー(例えば、RFエネルギー)の送達を含む。
ステップ5035において、時間T1における患者の心臓サイクルが所望のサイクルポイント、サイクルポイントCPDにあるかどうかを判断するためのチェックが(例えば、時間T1又はその直前に)実行される。患者の心臓サイクルがポイントCPDにある場合、ステップ5040が実行される。患者の心臓サイクルがポイントCPDにない場合、ステップ5060が実行され、システム10は警告モードに入り、ドーズDOE1の送達が停止され(オプションのステップ5030を介して送達されている場合)、方法5000は、後述するステップ5050へと継続される。
ステップ5040において、或るドーズのエネルギー(例えば第1ドーズのエネルギー又は第2ドーズのエネルギー)である本明細書に記載のドーズDOE2が、EDC300によりEDD100に提供され、そして、ターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130(例えば、オプションのステップ5030においてドーズDOE1を送達した可能性があるものと同一の及び/又は異なるエネルギー送達要素130)により送達される。
ステップ5050において、処置の完全性のチェックが行われる。処置が完全でない場合、例えば、追加の組織(例えば追加のターゲット組織)が処置されるべき場合など、方法はステップ5020に戻る。処置が完了している場合、処置はステップ5070で終了する。
ここで図6を参照すると、本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達する方法のフローチャートが示されている。方法6000を、本明細書に記載するシステム10及びその構成要素を用いて説明する。
ステップ6010において、EDD100の遠位部分が患者の心室に挿入される。幾つかの実施形態において、カテーテル200の遠位部分もまた、患者の心室内に、例えば、生体電位、解剖学的可視化、及び/又はその他の心臓マッピング機能を提供するように挿入される。
ステップ6020において、EDD100の1以上のエネルギー送達要素130がターゲット組織の付近に移動される。
ステップ6022にて、患者の心臓サイクルが、EDC300又はシステム10のその他の構成要素などにより監視される。
ステップ6024’において、「ゴー」(go)信号(例えば、開始要求)を、システム10の操作者(例えば、EDC300のユーザインターフェース320を介して提供される患者の臨床医)から受信した後、将来の所望の心臓サイクルポイントCPDの時間T1が、システム10により(例えば、アルゴリズム335を介して)予測される。
ステップ6026において、時間T1までに送達される(例えば、時間T1まで連続的に送達される、及び/又は、時間T1まで断続的なパルスで送達される)べきエネルギーの目標量(例えば、ジュールの目標量)を達成するために、第1ドーズのエネルギーであるドーズDOE1が決定される。このエネルギーの目標量は、システム10及び/又は患者の臨床医により決定され得る。
ステップ6030において、本明細書に記載し、ステップ6026で定義したようなドーズDOE1が、EDC300によりEDD100に提供され、そして、1以上のエネルギー送達要素130によりターゲット組織に送達される。
ステップ6035にて、時間T1における患者の心臓サイクルが所望のサイクルポイント、サイクルポイントCPDにあるかどうかを判断するためのチェックが(例えば、時間T1に又はその直前に)実行される。患者の心臓サイクルがポイントCPDにある場合、ステップ6040が実行される。患者の心臓サイクルがポイントCPDにない場合、ステップ6060が実行され、システム10は警告モードに入り、ドーズDOE1の送達が停止され、方法6000は、後述するステップ6050へと継続される。
ステップ6040において、第2ドーズのエネルギーである本明細書に記載のドーズDOE2が、EDC300によりEDD100に提供され、そして、ターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130(例えば、ステップ6030にてドーズDOE1を送達したのと同一の及び/又は異なるエネルギー送達要素130)により送達される。
ステップ6050において、処置の完全性のチェックが行われる。処置が完全でない場合、例えば追加の組織(例えば追加のターゲット組織)が処置されるべき場合など、方法はステップ6020に戻る。処置が完了している場合、処置はステップ6070で終了する。
ここで図7を参照すると、本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達する方法のフローチャートが示されている。方法7000を、本明細書に記載するシステム10及びその構成要素を用いて説明する。
ステップ7010において、EDD100の遠位部分が患者の心室に挿入される。幾つかの実施形態において、カテーテル200の遠位部分もまた患者の心室内に、例えば、生体電位、解剖学的可視化、及び/又はその他の心臓マッピング機能を提供するように挿入される。
ステップ7020において、EDD100の1以上のエネルギー送達要素130がターゲット組織の付近に移動される。
ステップ7030において、本明細書に記載するようなドーズDOE1が、EDC300によりEDD100に提供され、そして、ターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130により送達される。
ステップ7040において、第2ドーズのエネルギーである本明細書に記載するドーズDOE2がEDC300によりEDD100に提供され、そして、ターゲット組織に、1以上のエネルギー送達要素130(例えば、ステップ7030においてドーズDOE1を送達したのと同一の及び/又は異なるエネルギー送達要素130)により送達される。
ステップ7045において、追加のエネルギーを現在のターゲット組織に送達するべきかどうかのチェックが実行される。追加のエネルギー送達を送達するべきであれば(例えば、システム10の操作者により手動で決定されるように、及び/又はアルゴリズム335により自動的に、例えばアルゴリズム335がAIアルゴリズムを含む場合)、方法7000は、戻ってステップ7030を繰り返す。そうでなければステップ7050が実行される。
ステップ7050において、処置の完全性のチェックが行われる。処置が完全でない場合、例えば、追加の組織(例えば追加のターゲット組織)が処置されるべき場合、方法はステップ7020に戻る。処置が完了している場合、処置はステップ7070で終了する。
図7の方法7000において、ステップ7030及びステップ7040におけるエネルギーの送達は、ドーズDOE1とドーズDOE2との交互構成の送達(例えば、ドーズDOE1の少なくとも一部がステップ7040中に送達され、且つ/又は、ドーズDOE2の少なくとも一部がステップ7030中に送達される)を含み得る。例えば、ドーズDOE1の一部をドーズDOE2の一部の間に送達でき、又はその逆もあり得る。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1は、パルス構成で送達されるエネルギー(例えばRFエネルギー)を含み、これは、例えば、ドーズDOE1が、「オフ時間」期間(DOE1TPOFF)により分離された1以上の「オン時間」(DOE1TPON)の期間を含む場合であり、この場合、エネルギーは、DOE1TPON期間中には送達され、DOE1TPOFF期間中には送達されない(例えば、パルス幅変調構成)。これらの実施形態において、ドーズDOE2は、ドーズDOE1のDOE1TPOFF期間中に送達され得る。幾つかの実施形態において、ドーズDOE2は、パルス構成で送達されるエネルギー(例えばIEPドーズ)を含む。これは、例えば、ドーズDOE2が、「オフタイム」期間(DOE2TPOFF)により分離された1以上の「オンタイム」期間(DOE2TPON)を含む場合である。この場合、エネルギーは、DOE2TPON期間中には送達され、DOE2TPOFF期間中には送達されない(例えば、パルス幅変調構成)。これらの実施形態において、ドーズDOE1は、ドーズDOE2のDOE2TPOFF期間中に送達され得る。幾つかの実施形態において、ドーズDOE1及びドーズDOE2は、各々、パルス構成で送達されるエネルギーを含み得る。これらの実施形態において、ドーズDOE1中及びドーズDOE2中に送達されるエネルギーは交互構成で送達されることができる。例えば、ドーズDOE1のエネルギー送達がドーズDOE2のDOE2TPOFF期間中に送達され、ドーズDOE2のエネルギー送達がドーズDOE1のDOE1TPOFF期間中に送達される場合である。
ここで図8を参照すると、本発明の概念と一致するエネルギー送達装置の遠位部分の側面図が示されている。図8A及び図8Bは、本発明の概念と一致する、図8の装置を用いた電気穿孔実験中の病変部深さ対電極対の2つのグラフである。さらに図9A~図9Dを参照すると、図8の装置を用いた電気穿孔実験中の病変部体積対電極対を表す4つのグラフが示されており、これも本発明の概念と一致する。本出願人はインシリコ実験を行った。この実験において、図8に示したEDD100などのEDD100が、本明細書で定義するIEPを含むエネルギーのドーズ(図1を参照して本明細書に記載するEDC300により提供されるIEPのドーズ)を組織に送達する。図8のEDD100は、遠位部分102に配置された4つの電極130(例えば、4つの電極ベースのエネルギー送達要素130)を含む。EDD100は、シャフト110の遠位端上に配置された電極130aと、シャフト110のより近位に配置された3つの電極とを、連続的な線形配置で含む。電極130bは先端電極130aに最も近接して配置され、電極130cは電極130bの遠位に配置され、電極130dは電極130cの遠位に配置され、これらは全て図8に示されている。インシリコ実験の結果は、組織内の病変部の形状及び寸法の制御が、電極130の特定の対(ペア)を選択してその対にIEPを送達させることにより行われ得ることを示した。図8A~図8Bは、3対の電極130による試験を示し、対「1-2」は電極130aと電極130b、対「1-3」は電極130aと電極130c、そして、対「1-4」は電極130aと電極130dであった。シミュレーションでは、EDD100の遠位部は、エネルギーを受ける組織表面に対してほぼ直交(90度)に配置され、電極130aは3.46mmの長さを有し、電界の振幅は一定に保たれた。試験は、3対の各々について、図に付されているように、500V、1000V、1500V、2000Vの異なる電圧で繰り返された。図8Aは、各電極130の対の病変深度を示すグラフであり、図8Bは、各電極130の対の病変部表面積を示すグラフである。図9A~図9Cは、EDD100の遠位部を組織上に(例えば約0度の角度で)配置して、対1-2、対1-3、及び対1-4をそれぞれ用いて作成した病変部の体積のグラフである。図9Dは、図9A~図9Cの病変部を組み合わせた(重ね合わせた)グラフである。
実験により示されるように、システム10は、IEPを受信及び/又は送達する電極130の対間で(振幅を修正せずに)切り替え、それにより病変部深度を修正し、且つ/又は、所望の幾何学的体積を有する病変部を作成するように構成され得る。例えば、図8Aに示されているように、1000VのIEPで作成された病変部は、対1-3により送達されたときに、対1-2により送達されたときよりも深い病変部を作成する。図9A~図9Dに示されているように、より長い病変部(図示のように約1.5cm)は、(例えばEDD100の遠位部分を再配置せずに)複数対の電極間でIEPドーズを送達することにより作成できる。
ここで図10A~図10Bを参照すると、本発明の概念と一致する、異なる配向角度で組織表面に接触するエネルギー送達装置の遠位部分の2つの解剖学的断面図が示されている。本明細書に記載するように、システム10は、EDD100を介して1以上の電気パルスを、2つ以上の電極130(例えば、電流を供給するように構成された1以上の電極130、及び、電流をシンクするように構成された1以上の電極130)間で送達するように構成され得る。パルスの各々のパラメータ(例えば、電圧、電流、周波数、パルス幅など)は、組織をアブレーションするための「パルス電界アブレーション」(“pulsed field ablation”)を行うように、2つ以上の電極に近接した組織内に高電圧電界を生成するように選択され得る。エネルギーは、本明細書に記載するように、EDC300によりEDD100に提供される。電気パルスのパラメータは、さらに、結果として生じる電界が組織の可逆的又は不可逆的な電気穿孔を生じるように選択され得る。アブレーションされる組織の空間的範囲(例えば完全な体積)及びパルス電界アブレーションの有効性は、ターゲット位置(例えば、本明細書に記載するように患者に治療的利益を提供するアブレーションのために選択されたターゲット位置)における電界の強度に依存する。電界の強度は、電極(例えば、図示のようにEDD100のシャフト110に取り付けられた電極130)からの距離に関連しており、電界強度は、電極からの距離の増大に従って指数関数的に減少する。システム10は、アブレーションされるべき全てのターゲット組織(例えば、ターゲット組織の全ての意図された幅、長さ、及び深さ)に対して十分なレベルの電界強度を提供するように構成される。
システム10(例えば本明細書に記載のアルゴリズム335)は、病変部サイズのパラメータ(例えば病変部の長さ、幅、深さ、及び/又は体積)、LP(ここでLPは、パルス電界アブレーション(PFA)のピーク電圧であるパルスVPEAK)、配向角度α、及び/又は、1以上の電気物理的パラメータEPPの関数である)を決定するように構成され得る。角度αは、EDD100の遠位部分102の軸と、EDD100の遠位部分102に近接する組織表面の平面との間の角度である。図10Aでは、角度αは90度であり(すなわち、EDD100の遠位部分102は、隣接する組織表面に直交している)、図10Bでは、角度αは0度である(すなわち、EDD100の遠位部分102は、隣接する組織表面に対して平行で且つ接触している)。パラメータEPPは、接触力、パルス振幅、パルス持続時間、パルスの数、電流をソース及び/又はシンクする電極の個数、組織温度、及び/又は組織インピーダンスのうちの1つ、2つ、又はそれ以上を含み得る。
幾つかの実施形態において、EDD100は、上述したように病変部サイズを決定するための計算で使用されるような、配向角度αを決定するように構成されたセンサ又はその他の構成要素を備える。例えば、力維持アセンブリ150(例えば、本明細書に記載されている)の1以上のセンサ(例えば感知要素158)が、角度αを(例えば、アルゴリズム335により)決定し得る信号を提供するように構成されることが可能であり、これは、例えば、力維持アセンブリ150が、光ファイバ、磁気センサ、インピーダンス測定センサ、及び/又は、角度αに関連する信号を提供するように構成されたその他の感知要素を含む場合である。代替的又は追加的に、角度αが、システム10のマッピング及び/又はナビゲーションセンサにより提供される信号を介して決定され得る。これは、例えば、アルゴリズム335がインピーダンス及び/又は磁気ベースの位置特定を実行して角度αを決定する場合である。代替的又は追加的に、システム10は、図示されていないが、撮像装置を備え得る。これらは、例えば、心臓内超音波画像、X線、フルオロスコープ、磁気共鳴イメージャ、コンピュータ断層撮影イメージャ、可視光カメラ、赤外カメラ、及びこれらの組合せからなる群から選択される。アルゴリズム335は、角度αを決定するために撮像装置により提供される情報を利用できる。
幾つかの実施形態において、電気パルスは、先端電極130aと、1以上の隣接する電極130(例えば、電極130b、電極130c、及び/又は電極130dが示されている)との間に印加される。角度αのみに関連することであるが、組織内の電界強度は、図10Aに示されているように角度αが90度のときに最小であり、角度αが90度から減少するにつれて電界強度は増大し、最終的には図10Bに示すように角度αが0度のときに最大になる。言い換えれば、1以上のPFAパルスがEDD100により組織に送達されるとき、結果として生じる病変部の空間的範囲(例えば、結果として生じる病変部の深さ)は、各PFAパルスに関連する電極130(例えば、電流をソース及び/又はシンクする電極)が組織表面に近づけられるにつれて増大する。
ここで図11A~図11Bを参照すると、エネルギー送達装置の異なる配向角度に関する情報を表示するグラフィカルユーザインターフェースの2つのユーザビューが示されており、本発明の概念と一致する。システム10は、EDC300のユーザインターフェースユニット320を介して、グラフィカルユーザインターフェース、図示のGUI3200を含むことができる。GUI3200は、本明細書に記載する、図示の配向角度表示部3250により提供されるような配向角度αに関する情報を提供するように構成され得る。GUI3200は、EDD100に関連する(例えばEDD100の遠位部分102に関連する)現在の(例えば、リアルタイムの)位置情報を表示できる。GUI3200は、遠位部分102の位置を表すカテーテル表示部3210、及び/又は、アブレーションされるべき組織表面(例えば、遠位部分102に近接した組織表面)の位置を表す組織表示部3220を含むことができ、これらは各々図示されている。
GUI3200は、さらに、操作者に電界強度フィードバックを提供できるインジケータグラフ3230を含み得る。電界強度フィードバックは、例えば、電極130に近接する組織内の電界強度の推定値のグラフ表示などである。インジケータグラフ3230は、エネルギーの電界強度(例えば、現在送達されているPFAパルス、又は操作者がエネルギー送達を開始すると存在することになる電界強度)を示すことができる。インジケータグラフ3230により提供される情報、及び、GUI3200により提供される別の情報は、操作者により(例えば、反復的又はその他の調整可能な様式で)、所望のサイズ(例えば、所望の長さ、幅、及び/又は深さ寸法)の病変部を作成するために使用され得る。インジケータグラフ3230は、第1マーカ3231及び第2マーカ3232を含むことができ、これらは各々図示されている。マーカ3231とマーカ3232との相対位置は、組織内の電界強度に相関することができ、電界強度が増大するにつれてマーカ3231がマーカ3232に近づくようになっている(例えば、図11Aのカテーテル表示部3210に描かれた直交カテーテルの向きから、角度αが5度である図11Bのカテーテル表示部3210に描かれたカテーテルの向きへ移行していることに示されているように)。システム10が、様々なその他の形態の視覚的フィードバックを操作者に、現在の(例えばリアルタイムの)又は将来の(現在の状態に基づいて送達される)パルス電界アブレーションエネルギー送達の電界強度及び/又はその他のアブレーションパラメータに関して提供できることが理解されよう。
幾つかの実施形態において、GUI3200は、図示の接触力表示部3260により提供されるような接触力に関する情報を提供するように構成され得る。接触力表示部3260は、加えられている現在の接触力(図11A及び図11Bの各々において同じレベルで示されている)を示す力インジケータ3261を含む。接触力表示部3260は、さらに、閾値インジケータ3262を含むことができ、閾値インジケータ3262は、加えられている接触力に対する要求又は推奨限界(例えば、利用可能な最大接触力よりも小さい量)を示すことができる。提供される接触力情報は、力の絶対測定値(例えば、グラム、若しくは、接触力を示すその他のメトリックで表される測定値)、及び/又は、相対測定値(例えば、接触力の最大量の百分率)を提供できる。幾つかの実施形態において、GUI3200は、さらに、第1マーカ3231と第2マーカ3232との間の距離を、接触力の変化に応じて変更するように構成され、例えば、接触力が増大すると距離が減少し得る(例えば、組織内の電界の増大を示す)。幾つかの実施形態において、2つのマーカ間の距離は、角度α及び接触力の両方に基づいており、操作者は、これらのいずれか又は両方を変更することで、組織内の電界強度を変更できる。幾つかの実施形態において、GUI3200は、2つのマーカ間の距離を、角度α、接触力、及び/又は1以上の電気物理的パラメータEPPのうちの全て又は幾つかに基づいて変更する。
ここで図12を参照すると、本発明の概念と一致する、灌注流体を送達するための複数のポートを含むエネルギー送達装置の遠位部分の斜視図が示されている。図12のEDD100は、遠位部分102上に示された電極130aを含む。EDD100の遠位部分102は、潅水流体70を送達するための1以上のポート、ポート1305(6つ示されている)を含むことができる。潅水流体70は、例えば、本明細書に記載するEDC300の流体送達モジュール370により提供される1以上の類似の又は異種の潅水流体70である。2つ以上のポート1305は、所望のパターンで、例えば、電極130を含む遠位部分102の一部又は大部分を覆うパターンで空間的に分布され得る。2つ以上のポート1305は、異なる灌注流体70(例えば、本明細書に記載されるような異種導電性の流体などの異なる流体70a,70bなど)を送達するための独立した管腔に接続され得る。代替的に又は追加的に、2つ以上のポート1305は、同一の潅注流体70を送達するために共通の管腔に接続され得る。
図13をさらに参照すると、本発明の概念と一致する、組織表面と接触して灌注流体を送達するエネルギー送達装置の遠位部分の解剖学的側断面図が示されている。EDD100の遠位部分102は、電極130a,130b,130c及び130dの各々が、アブレーションされるべき組織表面に接触しているように、0度に等しい配向角度αで示されている。潅注流体70は、ポート1305(8つ示されている)により送達されており、送達された流体70は、図示のように電極130a及び130bを囲んでいる(例えば、比較的導電性の物質である血液が、それらの電極を囲むことを防止している)。
EDD100は、組織をアブレーションするために(例えば、本明細書に記載のように組織の可逆的又は不可逆的な電気穿孔を生じさせるために)電磁場を形成するPFAパルスを送達するように構成され得る。1以上の潅注流体70が、ポート1305を介して送達されて、パルス電界に影響を与え得る。例えば、送達された電界は、導電性媒体を通過するときに「束になり」(bunch)、より抵抗の大きい媒体を通過するときには、電流が、最小抵抗の経路(すなわち、最高導電率の経路)を通ることにより「広がる」(spread)であろう。システム10は、既知の導電率の1以上の灌注流体70を電極130の周囲の領域に送達し、そして、送達された電流と、従って生成された電界とを積極的に「ステアリング」(steer)するように構成され得る。
幾つかの実施形態において、EDD100の遠位部分102は、少なくとも6つのポート1305(例えば12個のポート1305)を備え、これらは、少なくとも2つのポート1305(例えば、4つのポート1305)が前方を向き(例えば、シャフト110の遠位端から遠位に向いている)、少なくとも2つのポート1305(例えば4つのポート1305)が先端電極130aの遠位端に位置し、そして、少なくとも2つのポート1305(例えば、4つのポート1305)が先端電極130の近位端に位置する。システム10は、血液の導電率とは異なる導電率(例えば、より低い導電率)を有する灌注流体70を含み得る。パルス電界エネルギーを与える前に、EDD100は、1以上のポート1305が組織との接触を介してブロックされる(例えば、左心房又は心臓のその他の部屋の組織表面によりブロックされる)ように配向され得る。残りのポート1305を介した灌注流体70の送達は、所望の電界に対してステアリング効果を有するであろう。例えば、血液の導電率よりも低い導電率を有する灌注流体70の送達は、電極130により送達される電流を、接触している組織に集中させて、組織への電界を増大するであろう(例えば、電流を送達している電極130の周囲の流体が、比較的低い導電率の灌注流体70に包囲されるため)。
PFAパルス送達の前、及び/又は送達中に、配向角度αは本明細書に記載されるように(例えば、システム10の1以上のセンサを介して、及び/又は、別の撮像装置により)監視されることができ、それにより、送達されるべき及び/又は送達されている電界に関連するフィードバック情報を提供できる。システム10(例えばアルゴリズム335、例えばアルゴリズム335がAIアルゴリズムを含む場合)が、低導電性の灌注流体70の送達による電界強度の増大(例えば電界のステアリング)を把握し得る。
上述した実施形態は、例示的な例としてのみ役立つと理解されるべきであり、さらなる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して本明細書に記載された任意の特徴は、単独で使用されても、或いは、記載された別の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、別の任意の実施形態の1以上の特徴、又は、実施形態の任意の組合せと組み合わせて使用されてもよい。さらに、上記に記載されていない等価物及び変更も、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の概念の範囲から逸脱せずに採用され得る。