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JP2023551949A - 巣状分節性糸球体硬化症(fsgs)の治療における使用のためのサログリタザールおよびミリスチン酸 - Google Patents

巣状分節性糸球体硬化症(fsgs)の治療における使用のためのサログリタザールおよびミリスチン酸 Download PDF

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JP2023551949A JP2023533915A JP2023533915A JP2023551949A JP 2023551949 A JP2023551949 A JP 2023551949A JP 2023533915 A JP2023533915 A JP 2023533915A JP 2023533915 A JP2023533915 A JP 2023533915A JP 2023551949 A JP2023551949 A JP 2023551949A
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saroglitazar
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Abstract

本発明は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療における使用のための、サログリタザールおよびミリスチン酸、またはそれらの塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤に関する。

Description

本発明は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療における使用のための、サログリタザールおよびミリスチン酸、またはそれらの塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤に関する。
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は、しばしば末期腎臓病を引き起こす重度の糸球体症である。FSGSは、原発性のポドサイト傷害を特徴とする疾患、および慢性腎臓病(CKD)のいずれかのタイプにおいて続発する病変の両方を指すのに用いられる。FSGSは、光学顕微鏡検査による部分的な(分節性)または一部の糸球体(巣状)における硬化の存在によって定義される。FSGSは、特定し得る原因なしに(「原発性」または「特発性」FSGSは症例の80%を占める)、または高血圧もしくは肥満などの先行する糸球体傷害に応答して(「続発性」FSGSは症例の20%を占める)見出され得る。
FSGSの最もよくある徴候は、ネフローゼ以下のレベルからネフローゼレベル(重度タンパク尿、低アルブミン血症および高脂血症)に及ぶタンパク尿である。重度タンパク尿は、腎臓機能の進行性喪失(糸球体硬化症)および腎不全を引き起こす。それは、末期腎疾患(ESRD)の約15%を占める。大量のタンパク尿(>10~15g/日)は、2~3年以内に腎機能の急速な悪化およびESRDへの進行を引き起こす。大量のタンパク尿を有するFSGS患者の生存率は、わずか45%である。
FSGSに対する承認された薬物はない。FSGSを有する患者のための現在の標準治療は、ステロイド、ACE阻害剤またはARB、免疫抑制薬、例えばグルココルチコイドと、グルココルチコイドに対する不耐性もしくは不十分な応答について必要とされる場合はそれに続くカルシニューリン阻害剤;利尿薬、血漿交換法、食事の変更およびスタチンを含む。
WO2017/089979A1は、糖尿病性腎臓の異常に関連する疾患または状態の治療のためのサログリタザールの使用を開示する。
Kanjanabuch T.ら(2007)は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体-γ(PPAR-γ)アゴニストであるピオグリタゾンによる、傷害からのポドサイトの保護を調査した。
Monserrat A.J.ら(2000)は、メチル欠乏食を与えられたラットで生じる腎臓壊死に対するミリスチン酸の保護効果を記載した。
Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.(2017)は、疾患機構および遺伝学の理解の文脈における臨床的および組織病理学的根拠に基づくFSGS評価に対する実際的アプローチに焦点を当てた巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の概説について言及する。
しかし、不十分な奏功率しかない。レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAAS)遮断薬はまた、FSGSの重要な特徴であるタンパク尿を制御するために使用される。しかし、既存の治療は、限定的成功を達成したにすぎなかった。
米国では毎年約5400人の患者がFSGSと診断されるが、症例数はネフローゼ症候群のどの他の原因よりも多く増加している。毎年約1,000人のFSGS患者が、腎臓移植を受ける。しかし、腎臓移植後、数時間から数週間以内に、FSGSは、患者の約30~40%において再発する。しかし、患者のわずか20%が、治療の5年後に完全な寛解を達成し、患者の40%が、寛解を示さない(Troyanov S.ら、2005)。
最善のケアにもかかわらず、治療の失敗はよく起こり、FSGSは、末期腎疾患の著しい割合において原因となっている。したがって、FSGSに対する新規疾患修飾治療のための満たされていない必要性が存在する。
該目的は、本特許請求の範囲の対象、および本明細書にさらに記載される対象によって解決される。驚くべきことに、本発明の化合物が、動物研究において尿タンパク質/クレアチニン比(UPCR)および尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)を著しく低下させ、したがって、このことが、著しい機能的改善および低下したタンパク尿を実証したことが見出された。
本発明は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療における使用のための、サログリタザールおよびミリスチン酸、またはそれらの塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤を提供する。
具体的には、FSGSは、再発性巣状分節性糸球体硬化症、原発性FSGSまたは自然FSGSであり、具体的には、重度タンパク尿、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、IgA糸球体腎炎、進行性腎不全、または組織病理学における糸球体病変のいずれか1つを特徴とする糸球体症である。具体的には、FSGSは、糖尿病に関連せず、かつ糖尿病によって引き起こされない。
本発明のある実施形態によれば、医薬製剤は、サログリタザールおよびミリスチン酸、ならびに薬学的に許容される担体を含む、医薬品または薬物製品である。
具体的には、本明細書に記載される医薬製剤は、全身的に投与される。さらなる実施形態によれば、本明細書に記載される製剤中にミリスチン酸とともに存在するサログリタザールは、構造:
を含む。
具体的には、製剤は、約1mg~100mgのサログリタザールおよび約1mg~1gのミリスチン酸を含む。
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載される医薬製剤は、全身投与用、好ましくは静脈内、筋肉内、皮下、皮内、経皮、または経口投与用に製剤化されている。
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載される医薬製剤は、スプレー剤、散剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、または溶液剤、ローション剤、うがい液、エアロゾル化された粉末、エアロゾル化された液体製剤、顆粒剤、カプセル剤、ドロップ剤、錠剤、シロップ剤、ロゼンジ剤、または注入もしくは注射用の製剤として対象に投与される。
本発明によれば、医薬製剤は、FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある治療される対象において使用するためのものである。
さらなる実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤は、FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある対象に有効量で適用される。
具体的には、製剤は、単独の物質として投与されるか、または治療もしくは製剤は、1つもしくは複数の活性物質を有するさらなる治療もしくは製剤と組み合わされる。
より具体的には、製剤は、抗ウイルス薬、抗凝固薬、免疫調節剤、ヒト供給源に由来する抗体製剤、モノクローナル抗体、集中治療薬、抗高血圧剤、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞毒性薬、利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コレステロールまたはトリグリセリド低下剤からなる群から選択される活性薬剤と組み合わせて投与される。
FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価された。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;白色の箱(サログリタザール+ミリスチン酸)=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。 FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価された。UACR=尿アルブミンクレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;白色の箱(サログリタザール+ミリスチン酸)=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。 FSGSが、miR-193aの過剰発現、および結果として生じたウィルムス腫瘍1(WT1)遺伝子の抑制(Gebeshuberら、2013)によって誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価された。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;箱(Saro+ミリスチン酸と表示される)=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。 FSGSが、miR-193aの過剰発現、および結果として生じたウィルムス腫瘍1(WT1)遺伝子の抑制(Gebeshuberら、2013)によって誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価された。UACR=尿アルブミンクレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(「ctrl2」と表示される)=FSGSを有する対照マウス;Saro+ミリスチン酸と表示される箱=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。 実験1。尾静脈注射後の対照(Ctrl)ならびにSaro、Myr、もしくはSaro+Myr処置動物のすべての個々の尿のUPCR。p値は、スチューデントのt検定によって計算され、Saro+Myrについて複数の時点で有意な改善を明らかにする。 実験2。尾静脈注射後の対照(Ctrl)およびSaro+Myr処置動物のすべての個々の尿のUPCR。p値は、スチューデントのt検定によって計算された。 実験3。miR-193の誘導後の対照(Ctrl)およびSaro+Myr処置動物のすべての個々の尿のUPCR。p値は、スチューデントのt検定によって計算され、複数の時点で有意な改善を明らかにする。 Saro+Myr処置によるUPCRの平均低下が、経時的に示される。すべての時点にわたる平均UPCR低下が、点線によって示される。 20×倍率を用いた組織学的評価。アドリアマイシン腎症対照(左上パネル)、アドリアマイシン腎症Saro+Myr処置(右上パネル)、miR-193a対照(左下パネル)およびアドリアマイシン腎症Saro+Myr処置(右下パネル)の代表的なPAS染色。黒色の矢印は、硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張を表すタンパク質円柱を示す。 療法の組織病理学的効果。アドリアマイシン腎症モデルにおける硬化性糸球体(左)および尿細管拡張段階(右)のパーセンテージの平均値が表される。エラーバーは、SEM(平均の標準誤差)を表す。尿細管拡張スコア:0:なし、1:軽度、2:中程度、3:強度 療法の組織病理学的効果。miR-193a FSGSモデルにおける硬化性糸球体(左)および尿細管拡張段階(右)のパーセンテージの平均値が表される。エラーバーは、SEM(平均の標準誤差)を表す。尿細管拡張スコア:0:なし、1:軽度、2:中程度、3:強度
用語「含む(comprise)」、「含有する」、「有する」および「含む(include)」は、本明細書で使用される場合、同義的に使用可能であり、さらなるメンバーまたは部分または要素を許容する、オープンな定義と理解されるものとする。「からなる」は、構成される定義の特徴のさらなる要素を伴わない、最もクローズな定義と考えられる。したがって、「含む」は、より広く、「からなる」の定義を含有する。
用語「約」は、本明細書で使用される場合、同じ値、または所与の値の+/-10%または+/-5%異なる値を指す。
サログリタザールは、本明細書に記載される場合、「生理学的に許容される塩」として使用され得る。塩の選択は、化学物質がどれほど酸性または塩基性であるか(pH)、イオン化形態の安全性、薬物の意図される用途、どのように薬物が与えられるか(例えば、口、注射によって、または皮膚上で)、および剤形のタイプ(例えば錠剤、カプセル剤、または液剤)によって主に決定される。
生理学的に許容される例示的な塩は、ナトリウム塩である。しかし、ナトリウム塩の代わりに、他の生理学的に許容される塩、例えば、他のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩を用いることも可能である。薬学的に許容される塩は、有機または無機塩から選択され得る。無機塩は、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、アンモニウムおよびリチウムから選択される。有機塩は、L-アルギニン、トロメタミン、L-リジン、メグルミン、ベネタミン、ピペラジン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジフェニルアミン、α-ナフチルアミン、O-フェニレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、(S)-a-ナフチルエチルアミン、(S)-3-メトキシフェニルエチルアミン、(S)-4-メトキシフェニルエチルアミン、(S)-4-クロロフェニルエチルアミン、(S)-4-メチルフェニルエチルアミン、シンコニン、シンコニジン、(-)-キニン、ベンザチン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、ジエチルアミン、エチレンジアミン、コリン、エポラミン、モルホリン4-(2-ヒドロキシエチル)、N-N-ジエチルエタノールアミン、デアノール、ヒドラバミン、ベタイン、アダマンタンアミン、L-アダマンタンメチルアミンおよびトリチルアミンから選択される。好ましい置換アンモニウム塩は、例えば、低級モノ、ジ、またはトリアルキルアミン、またはモノ、ジおよびトリアルカノールアミンに由来するものである。遊離アミノ酸自体も使用され得る。具体的な例は、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、またはトリエチルアミン塩である。
用語「対象」または「患者」は、本明細書で使用される場合、FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある、ヒト、または非ヒト哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ラクダ、ウシまたはブタを指す。具体的には、それは、ヒトである。
用語「非糖尿病性対象」は、真性糖尿病に罹患していない対象を指す。
FSGSを発症する「危険性がある」対象は、検出可能な疾患または疾患の症状を有していてもまたは有していなくてもよく、本明細書に記載される治療方法の前に、検出可能な疾患または疾患の症状を示していてもまたは示していなくてもよい。「危険性がある」とは、対象が1つまたは複数の危険因子を有することを意味し、危険因子は、本明細書に記載され、かつ当技術分野で公知のように、FSGSの発症と相関する測定可能なパラメータである。これらの危険因子の1つまたは複数を有する対象は、これらの危険因子の1つまたは複数のない対象よりも高い、FSGSを発症する確率を有する。
「対象」は、「患者」であり得る。「患者」は、治療する医師のケアの下にある「対象」を指す。別の実施形態では、患者は、FSGSと診断されていない対象である。さらに他の実施形態では、患者は、FSGSと診断されているが、FSGSに対処するための治療を受けていない対象である。
「薬理学的に許容される」とも称される用語「薬学的に許容される」とは、動物、特に、ヒトの治療と適合性のあることを意味する。薬理学的に許容される塩という用語はまた、薬理学的に許容される酸付加塩および薬理学的に許容される塩基付加塩の両方を含む。
用語「薬理学的に許容される酸付加塩」は、本明細書で使用される場合、本開示の任意の塩基化合物の任意の非毒性有機もしくは無機塩、または任意のその中間体を意味する。酸付加塩を形成し得る本開示の塩基性化合物としては、例えば、塩基性窒素原子を含有する化合物が挙げられる。適切な塩を形成する例示的な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸、ならびに金属塩、例えばオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムが挙げられる。適切な塩を形成する例示的な有機酸としては、モノ、ジ、およびトリカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸およびサリチル酸、ならびにスルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸が挙げられる。一、二、または三酸塩のいずれも形成可能であり、このような塩は、水和形態、溶媒和形態または実質的に無水の形態のいずれで存在してもよい。一般的に、本開示の化合物の酸付加塩は、水および様々な親水性有機溶媒中でより可溶性であり、一般的に、それらの遊離塩基形態と比較して、より高い融点を示す。適切な塩の選択は、当業者に公知である。例えば、本開示の化合物の単離において、実験室使用のため、またはその後の薬理学的に許容される酸付加塩への変換のため、他の薬理学的に許容されない酸付加塩、例えばオキサレートが使用され得る。
具体的には、サログリタザールは、サログリタザールマグネシウム塩として存在し得る。
サログリタザール(S)-2-エトキシ-3-(4-(2-(2-メチル-5-(4-(メチルチオ)フェニル)-1H-ピロール-1-イル)エトキシ)フェニル)プロパン酸、(S)-アルファ-エトキシ-4-[2-[-メチル-5-[4-(メチルチオ)フェニル]-1H-ピロール-1-イル]エトキシ]ベンゼン-プロパン酸。製剤中にミリスチン酸とともに存在する((2S)-2-エトキシ-3-[4-(2-{2-メチル-5-[4-(メチルスルファニル)フェニル]-1H-ピロール-1-イル}エトキシ)フェニル]プロパン酸)は、構造
を有する。
サログリタザールは、名称リパグリンで販売され、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の亜型α(アルファ)およびγ(ガンマ)における二重のPPARアゴニストとして作用する新規ファーストインクラス薬物である。PPARαにおけるアゴニスト作用は、高い血中トリグリセリドを低下させ、PPARγに対するアゴニスト作用は、インスリン抵抗性を改善し、その結果、血糖を低下させる。
サログリタザールは、2型真性糖尿病および脂質異常症の治療のためにインドで承認されている。サログリタザールは、スタチン療法によって制御されない2型真性糖尿病を伴う糖尿病性脂質異常症および高トリグリセリド血症の治療に適応がある。
PPAR-αおよびPPAR-γの活性化に次いで、サログリタザールは、TGFB1/SMAD3シグナル伝達に対するその調節効果を介して抗炎症および抗線維化効果を有することが報告された(Makled M.N.ら、2020)。それはまた、NFKB1およびMMP9の腎臓レベルを減少させる(Makled M.N.ら、2020)。加えて、サログリタザールは、Toll様受容体4活性化を抑制することが示された(Hassan N.F.ら、2019)。
ミリスチン酸は、14個の炭素原子を含有する長鎖脂肪酸である。ミリスチン酸は、分子式CH(CH12COOHを有する一般的な飽和脂肪酸である。その塩およびエステルは、一般的に、ミリステートまたはテトラデカノエートと呼ばれる。それが最初に単離されたナツメグの二語名にちなんで、それは命名されたものである。ミリスチン酸は、多くの真核生物およびウイルスタンパク質のN末端グリシン残基のアルファアミノ基に特異的な同時翻訳的脂質修飾である、タンパク質N-ミリストイル化において重要な役割を果たす。遍在する真核生物酵素であるN-ミリストイルトランスフェラーゼは、ミリストイル化プロセスを触媒する。正確には、ミリストイル基の結合は、特異的なタンパク質-タンパク質相互作用を増加させ、ミリストイル化タンパク質の、そのシグナル伝達パートナーとの細胞内局在化を引き起こす(Udenwobele D.I.ら、2017)。
本発明によれば、ミリスチン酸は、N-ミリストイルトランスフェラーゼを介して、カルシニューリン活性化のカルシウム感受性を調節し、構成的カルシニューリン活性を妨げるミリストイル化において役割を果たすため、カルシニューリン阻害剤の群に属する。
代替の実施形態によれば、ミリスチン酸は、1つまたは複数の他のカルシニューリン阻害剤、例えば以下に限定されないが、タクロリムス、ピメクロリムス、およびシクロスポリンに取って代わられてもよい。
さらなる実施形態によれば、サログリタザールおよびミリスチン酸はまた、当技術分野で公知の1つまたは複数のカルシニューリン阻害剤と組み合わされ得る。
サログリタザールは、用量あたり約1~100mgのサログリタザールを含む。具体的には、それは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100mgのサログリタザールを含み得る。それは、同じ用量で連続的に、または高用量で、およびさらに、低下したもしくは低い維持用量として、ボーラス投与(bolar administration)として、投与されてもよい。
ミリスチン酸は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1000mgの量でサログリタザールと組み合わせて存在する。
FSGSは、腎臓糸球体における巣状かつ分節性の硬化、およびポドサイト足突起消失を特徴とする特異な臨床病理学的な医学的状態である(D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。FSGSの病態生理学は、糸球体内で生じ得るか(「原発性FSGS」)または他の理由に続発し得る(例えば高血圧;D’Agati V.、2003、Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。原発性FSGSは、しばしば、タンパク尿、低アルブミン尿、高脂血症および浮腫を特徴とするネフローゼ症候群を引き起こす(D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。多数の症例について、FSGSの正確な原因は、まだ理解し難い(特発性;D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。FSGSの公知の病因は、雑多であり、遺伝子変異、薬物、ウイルス、高血圧、および循環因子を含む-しかし、糖尿病によるものではない(D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。糖尿病性腎症-糖尿病性糸球体硬化症を含む-は、真性糖尿病の病態生理学の結果としての、腎臓機能の慢性喪失を表す(Qiら、2017)。
ポドサイトは、糸球体の毛細血管を包む、腎臓中のボーマン嚢における非定型性上皮細胞である。
本明細書で使用される場合、FSGSは、具体的にはポドサイトをその標的として認識する内因性因子によって誘発されるか(ポドサイトパチー、特発性または原発性FSGS)、またはポドサイトを間接的に傷つける特定し得る原因、例えば遺伝的障害、高血圧、炎症、増殖の脱調節、または機械的負荷によって引き起こされる(続発性FSGS)、糸球体の瘢痕化(硬化)およびポドサイトへの損傷である。
原発性FSGSの特有の形態学的像は、びまん性ポドサイトパチー(+少なくとも1つのFSGS病変)であり、臨床的にはネフローゼ症候群がより多数を占める。びまん性ポドサイト毒性は、ほとんどすべてのポドサイトを巻き込み、電子顕微鏡検査で50%を超える足突起消失を有する。尿中のアルブミンの大量の喪失だけでなく、低アルブミン血症も、よく観察されるが、たとえネフローゼ域のタンパク尿が存在したとしても、続発性形態においては珍しい。微絨毛変化、細胞質脱落、消失した足突起におけるアクチン細胞骨格の密度の増加、リソソームおよびオートファゴサイト体(auto-phagocytic body)の数の増加は、よくある特徴である。構造の再編成に起因して、糸球体基底膜(GBM)からのポドサイトの脱離の危険性が増加し、むき出しのGBMの幅広い領域を残す。これらの「粘着性」領域は、付着を生じさせる可能性があり、その後、影響を受けた区域が塞がれ、硬化するまで、硝子様物質の沈着およびメサンギウム基質の拡大が、毛細血管腔を徐々に狭める。近位尿細管への可逆的な糸球体脱出は、時々観察され、房の急な拡大の表れであり、「尖端病変」の前兆となる(Angioi A.、およびPani、A.、2016):原発性FSGSは、微小変化疾患(MCD)を含むポドサイトパチーの全範囲の一部である。
FSGSの遺伝的形態は、原発性FSGSについて記載されるのと類似した変化を示す。
高血圧および適応機構は、続発性FSGSに対する主な原因である可能性があり、両方とも、肥大し伸びたポドサイトを伴う糸球体高血圧を引き起こす。ポドサイトの足場である足突起に対する機械的負荷に起因して、細胞骨格の構造的再編成が生じ、限局性消失を引き起こす。
FSGSの最も悪性の形態は、虚脱性糸球体症であり、これは、組織学的に、足突起消失、過形成性ポドサイトの冠によって包囲された、毛細血管叢の分節性から全体的な崩壊によって示される(Angioi A.、およびPani,A.、2016)。
FSGSの症状は、糸球体硬化症、糸球体腎炎(例えば膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、IgA糸球体腎炎)、ネフローゼ症候群(低アルブミン尿、高脂血症、浮腫)、進行性腎不全、組織病理学における、具体的にはHaas M.ら、2013に従って分類される糸球体病変、ならびにポドサイト融合および傷害を伴うFSGSの任意選択の生検確認を伴う、重度タンパク尿によって定義される。
FSGSは、当技術分野で周知の方法、例えば以下に限定されないが、尿タンパク質/クレアチニン比(UPCR)、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)の決定、腎臓生検の光学顕微鏡検査、例えば糸球体サイズ、FSGSの組織学的バリアント、小嚢胞性尿細管変化、および尿細管肥大;例えば他の原発性糸球体症を除外するための、免疫蛍光;および電子顕微鏡検査、例えばポドサイト足突起消失の程度、ポドサイト微絨毛変化、および管状細網封入体によって診断され得る。
具体的には、FSGSは、本明細書で使用される場合、非糖尿病性腎疾患を指す。具体的には、真性糖尿病によって引き起こされる糖尿病性腎症は、FSGSの治療のためのサログリタザールの使用から除外される。非糖尿病性腎疾患および糖尿病性腎疾患は、生検などの当技術分野で公知の方法によって確認され、識別され得る。
糖尿病患者において、結節性病変およびびまん性病変が、しばしば観察される。糖尿病性腎症についての分類法は、当業者に周知であり、Qi C.ら、2017、Tervaert T.W.C.ら、2010、およびFioretto P.ら、1996によって記載される。Fiorettoの分類は、尿細管、間質および血管の病変を含み、光学顕微鏡下での病理学的変化に従って糖尿病性腎症を3つのカテゴリーに分けた:C1、正常/ほぼ正常;C2、大部分は糸球体変化を伴う、典型的な糖尿病性腎症;およびC3、不釣り合いに、損傷、例えば尿細管間質性または細動脈硝子化に関連し、かつ糖尿病性糸球体変化がない、または軽度の糖尿病性糸球体変化のみを伴う、傷害の非定型パターン。Tervaertの病理学的分類は、尿細管、間質および血管の病変についての別個のスコア化システムとともに、糸球体病変に従って、糖尿病性腎症を4つの分類に分ける。
具体的には、糖尿病に罹患している患者、具体的には2年を超えて糖尿病に罹患している患者は、本明細書に記載されるようにサログリタザールによって治療されることから除外される。
糖尿病関連の腎症は、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、および糖尿病関連の糸球体硬化症を含む。
「FSGS」の使用は、自然FSGS、原発性FSGSだけでなく再発性FSGSにも及ぶが、具体的には糖尿病性FSGSを除外する。
糸球体腎炎は、血液から老廃物および余分な液体を分離する、フィルターとして機能する腎臓における膜組織の炎症の表れである。
MPGNは、異常な免疫応答によって引き起こされる糸球体腎炎の一形態である。抗体の沈着物が、糸球体基底膜と呼ばれる腎臓の一部に積み重なる。
糸球体硬化症は、腎臓内の小さな血管の瘢痕化および硬化の表れである。糸球体腎炎および糸球体硬化症は、異なる原因を有するが、それらは両方とも腎不全を引き起こし得る。
ネフローゼ症候群は、体に、尿中に過度のタンパク質を通過させる腎臓障害である。ネフローゼ症候群は、通常、腎臓における小さな血管のクラスターに対する損傷によって引き起こされる。
本明細書で使用される場合、再発性FSGS(rFSGS)、またはFSGSの再発は、急性拒絶、糸球体炎または同種移植糸球体症の証拠のない、糸球体硬化ならびにポドサイト融合および傷害を伴うFSGSの任意選択の生検確認を伴う、重度タンパク尿によって定義される。本明細書で使用される場合、再発性FSGS(rFSGS)の対象または患者は、腎臓移植前にFSGSを有しており、かつその後、腎臓移植後にFSGSの再発(rFSGS)を発症したものと定義される。
本明細書で使用される場合、非再発性FSGS(nrFSGS)の対象または患者は、腎臓移植前にFSGSを有しているが、腎臓移植後にFSGSを発症しないものと定義される。
本明細書で使用される場合、自然FSGS(nFSGS)の対象または患者は、移植前に自身の腎臓においてFSGS(糸球体硬化ならびにポドサイト融合および傷害を伴うFSGSの任意選択の生検確認を伴う、重度タンパク尿)を有するものと定義される。
医薬製剤は、サログリタザールおよびミリスチン酸、ならびに薬学的に許容される担体を含む、医薬品または薬物製品であり得る。本明細書に記載される製剤はまた、栄養補助食品として使用され得る。
医薬製剤が有効量でサログリタザールおよびミリスチン酸を含む、FSGSの治療方法も本明細書に提供される。
用語「有効量」または「薬学的有効量」は、化合物が投与される目的の所望の効果(例えば、FSGSの症状の改善、FSGSまたはFSGSの症状の重症度の低下、および/またはFSGSまたはFSGSの症状の進行の低減)を生じる化合物の量を指す。有効な用量の正確な量は、治療の目的に依存し、公知技術を使用して当業者によって確認可能である(例えば、Lloyd V.A.、2016を参照)。
本明細書で使用される場合、用語「治療」およびその同根語は、疾患進行を遅らせるかまたは停止させることを指す。「治療」およびその同根語は、本明細書で使用される場合、限定されないが以下を含む:完全なまたは部分的な寛解、腎不全(例えばESRD)、および疾患関連の合併症(例えば浮腫、感染症へのかかりやすさ、または血栓塞栓性事象)のより低い危険性。これらの症状のいずれかの改善またはその重症度の低下は、当技術分野で公知のまたは後に開発される方法および技術に従って容易に評価され得る。治療の所望の効果は、FSGS、具体的には非糖尿病性FSGS、またはその状態もしくは症状の発生または再発を予防すること、FSGSの状態または症状を緩和すること、FSGSの任意の直接的または間接的病理学的結果を小さくすること、FSGS進行の速度または重症度を減らすこと、および/またはFSGSを改善するかまたは和らげることを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、FSGSを発症する危険性があると特定された患者亜集団に対して使用される。いくつかの場合には、本発明の方法および組成物は、FSGSの発症を遅延させようとする試みにおいて有用である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤の化合物(すなわちサログリタザールのミリスチン酸との組み合わせ)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、任意の他の治療化合物とともに投与されない。いくつかの実施形態では、化合物は、同時にまたは逐次的に、任意の他の治療化合物とともに投与されない。いくつかの実施形態では、化合物は、単独で投与される。
いくつかの実施形態では、方法は、1つまたは複数の追加の治療化合物を患者に投与するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加の治療化合物は、抗ウイルス薬、抗凝固薬、免疫調節剤、ヒト供給源に由来する抗体製剤、モノクローナル抗体、集中治療薬、抗高血圧剤、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞毒性薬、利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コレステロールもしくはトリグリセリド低下剤、PPARアゴニストのうちの1つまたは複数から選択される。
少なくとも1つの薬学的に許容される担体は、本明細書で使用される場合、所望の特定の剤形に適した、あらゆる溶媒、希釈剤、他の液体ビヒクル、分散助剤、懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤、乳化剤、保存剤、固体結合剤、および滑沢剤を含む。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd edition, 2013, Pharmaceutical Press、およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, 2004, Taylor & Francisは、医薬組成物を製剤化するのに使用される様々な担体およびその調製のための公知技術を開示する。任意の従来の担体が、例えば何らかの望ましくない生物学的効果を生じること、またはそうでなければ医薬製剤の他のいずれかの成分と有害な様式で相互作用することによって、本開示の化合物と適合しない場合を除き、その使用は、本開示の範囲内にあることが企図される。好適な薬学的に許容される担体の非限定的な例としては、以下に限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えばヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、およびソルビン酸カリウム)、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、および電解質(例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、および亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、羊毛脂、糖(例えばラクトース、グルコースおよびスクロース)、デンプン(例えばコーンスターチおよびバレイショデンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ラクトース、デキストリン、マンニトール、白糖、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、沈降炭酸カルシウムおよびリン酸水素カルシウム、トラガント末、モルト、ゼラチン、タルク、賦形剤(例えばカカオバターおよび坐剤ワックス)、油(例えばピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、グリコール(例えばプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、エステル(例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル)、寒天、緩衝剤(例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム)、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張生理食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール、リン酸塩緩衝溶液、非毒性適合性滑沢剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、保存剤、および抗酸化剤またはそれらの任意の混合物および組み合わせが挙げられる。
前述の記載は、以下の実施例を参照してより完全に理解される。しかし、該実施例は、本発明の1つまたは複数の実施形態を実施する方法を代表するものにすぎず、発明の範囲を限定するものとして読まれるべきではない。
実施例1
インビボ試験
最終候補化合物の生物学的試験のために、本発明者らは、アドリアマイシン誘導性腎症、またはウィルムス腫瘍1(WT1)遺伝子の抑制に起因してFSGSに罹患しているmiR-193a過剰発現マウス(Gebeshuberら、2013)などの、FSGSの受け入れられているマウスモデルを選択した。すべての動物実験および取り扱いは、動物の保護に関するオーストリアの法律に従い、オーストリア科学研究省の動物倫理委員会によって承認された。
アドリアマイシン依存性腎症(活性化合物:ドキソルビシン)は、10週齢のBALB/cマウスにおいてマウス1kgあたり約9mgの用量を受ける、尾静脈注射によって誘導した。対照マウスには、0.9%生理食塩水を注射した。1群あたり少なくとも6匹のマウスを分析した。マウスを、痛み、変わった動き、または低下した食物摂取の徴候について毎日モニターし、頸椎脱臼によって犠牲にした。文献調査に基づく薬物用量で事前に混合された飼料を介して、試験される薬物を、経口投与により投与した。
結果
尿アルブミンレベルを、ELISAによって評価し、尿総タンパク質および尿クレアチニンレベルを、日常的な実験室キットを使用して、Roche Cobasシステムで測定した。尿タンパク質/クレアチニン(UPCR)比および尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)を、様々な時点で評価した。重量および身体フィットネススコアを、毎日モニターした。実験の終了時に、組織切片、血漿および尿サンプルを収集し、さらなる分析まで保管した。成功した薬物候補について、著しく低下したUPCRおよびUACR値が見出され、このことは、機能的改善および低下したタンパク尿を実証した。
アドリアマイシンモデルにおいて、尿タンパク質クレアチニン比(UPCR)を評価し、薬物投与(サログリタザール+ミリスチン酸)および時点(日数における)についての効果は、それぞれ0.004(薬物)および0.025(時点)のp値を伴って有意であった。相互作用(薬物:時点)についてのp値は、0.291であった(図1を参照)。
図1では、FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価されたことが示される。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;白色の箱(サログリタザール+ミリスチン酸)=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。時点にわたる反復測定ANOVAについての結果は、上に記載される。
アドリアマイシンモデルにおいて、尿アルブミンクレアチニン比(UACR)を評価し、薬物投与(サログリタザール+ミリスチン酸)についての効果は、0.017(薬物)のp値を伴って有意であった。時点(日数における)および相互作用についてのp値は、それぞれ0.088(時点)および0.090(薬物:時点)であった(図2を参照)。
図2では、FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価されたことが示される。UACR=尿アルブミンクレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;白色の箱(サログリタザール+ミリスチン酸)=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。時点にわたる反復測定ANOVAについての結果は、上に記載される。
miR193モデルにおいて、尿タンパク質クレアチニン比(UPCR)を評価し、薬物投与(サログリタザール+ミリスチン酸)および時点(日数における)についての効果は、それぞれ2.21e-11(薬物)および1.21e-07(時点)のp値を伴って有意であった。相互作用(薬物:時点)についてのp値は、0.121であった(図3を参照)。
図3では、FSGSが、miR-193aの過剰発現、および結果として生じたウィルムス腫瘍1(WT1)遺伝子の抑制(Gebeshuberら、2013)によって誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価されたことが示される。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;箱(Saro+ミリスチン酸と表示される)=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。時点にわたる反復測定ANOVAについての結果は、上に記載される。
アドリアマイシンモデルにおいて、尿アルブミンクレアチニン比(UACR)を評価し、薬物投与(サログリタザール+ミリスチン酸)および時点(日数における)についての効果は、それぞれ0.0001(薬物)および0.0003(時点)のp値を伴って有意であった。相互作用(薬物:時点)についてのp値は、0.821であった(図4を参照)。
図4では、FSGSが、miR-193aの過剰発現、および結果として生じたウィルムス腫瘍1(WT1)遺伝子の抑制(Gebeshuberら、2013)によって誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価されたことが示される。UACR=尿アルブミンクレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(「ctrl2」と表示される)=FSGSを有する対照マウス;箱(Saro+ミリスチン酸と表示される)=サログリタザール+ミリスチン酸で処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。時点にわたる反復測定ANOVAについての結果は、上に記載される。
実施例2
インビボ試験
最終候補化合物の生物学的試験のために、本発明者らは、アドリアマイシン誘導性腎症、およびウィルムス腫瘍1(WT1)遺伝子の抑制に起因してFSGSに罹患しているmiR-193a過剰発現マウス(Gebeshuberら、2013)などの、FSGSの受け入れられているマウスモデルを選択した。すべての動物実験および取り扱いは、動物の保護に関するオーストリアの法律に従い、オーストリア科学研究省の動物倫理委員会によって承認された。
材料および方法
アドリアマイシン(ドキソルビシン、Sigma、D1515-10mg)をddHOに希釈した。FSGSを誘導するために、マウス1kgあたり10.5mgの用量、すなわち、マウス25gあたり200μl体積の総体積を、27G注射針を使用して尾静脈に静脈内注射した。
尾静脈注射のために、ケタネスト(Pfizer、25mg/mlバイアル)およびロンプン(Bayer、20mg/ml注射溶液)を使用してマウスに麻酔をした。0.9%NaCl溶液中の12.5mg/mlケタネストおよび0.25%ロンプンの最終混合物を調製し、マウス25gあたり200μlを注射した。miR-193a過剰発現の誘導のため、マウスに、5%スクロース溶液中の1mg/mlのドキシサイクリンハイクレート(Sigma、D9891-10G)を自由に与えた。サログリタザール(Sigma経由で、Aldrichパートナーから、ADVH7F37A3EA-100MG)およびミリスチン酸(Sigma、M3128-10G)の組み合わせを、療法実験のために使用した。
動物/動物管理
マウスおよびFSGSモデル
雄性Balb/cマウスを、医科大学(Abteilung fur Labortierkunde、Himberg、Austria)の動物飼育施設から入手した。Balb/cバックグラウンドにおけるMiR-193を過剰発現する雄性マウスを、医科大学動物小屋で飼育した。重量>18gを有する16~22週齢の動物を、実験のために使用し、重量および週齢について調整した。動物を、少なくとも7日間、順化させた。動物を、特定を可能にするために、耳またはつま先のクリップコードによって印付けした。
食餌
ssniff(ssniff Spezialdiaten GmbH、Soest、Germany)からの標準的な市販の飼料は、粗タンパク質(19%)、粗脂肪(3.3%)、粗繊維(4.9%)、粗灰分(6.4%)、デンプン(36.5%)、糖(4.7%)を含有した。対照群の動物に、標準的飼料を与え、試験群の動物に、ssniffによって生産された標準的飼料+サログリタザール(25mg/kg)+ミリスチン酸(625mg/kg)を与えた。すべての動物に、自由に食べることを許容し、約4グラム/マウスの1日平均摂取(Johns Hopkins University、Baltimore、MD、USAの動物ケアガイドラインによる;http://web.jhu.edu/animalcare/procedures/mouse.html)、すなわち1日あたりマウス1kgあたり約4mgのサログリタザール(Jainら2015)および1日あたりマウス1kgあたり約100mgのミリスチン酸(Takatoら2017)を想定した。
住居
動物を、マクロロンケージ375mm×215mm×150mm中で標準的条件(23±1℃、55±10%湿度、12時間の昼夜サイクル)にて維持し、毎日確認した。飼料および水は、自由に提供された。
尿の収集および測定
スポット尿を毎週収集し、クレアチニンおよびタンパク質レベルを測定した。
尿アルブミンを、ELISAによって測定した。96ウェルプレートを、コーティング緩衝液(3.7g NaHCO、0.64g NaCO、1L蒸留水)中の100μlの抗体溶液抗マウス血清アルブミン抗体(Abcam ab34807、ロットGR3242102-4、1:2,000希釈)を用いて、4℃で一晩コーティングした。残りの手順は、室温で行った。ウェルを、HBSS(Sigma H8264-500ML)+0.05%Tween-20(Bio-Rad、#1706531)を用いて3回洗浄し、ELISA/ELISPOT希釈剤(eBioscience、00-4202-56)中でブロッキングし、再度3回洗浄した。サンプルおよび標準曲線を、両方とも、ELISA/ELISPOT希釈剤中で希釈し、2時間インキュベートし、その後、HBSS+0.05%Tween-20を用いた3回の洗浄ステップが続き、HRP抗体である抗マウス血清アルブミン抗体(Abcam ab19195、ロットGR3242102-4、1:100,000希釈)とともに1時間インキュベートし、その後、5回の洗浄ステップが続いた。反応を、TMB One Solution(Promega、G7431)を用いて顕色し、2N HSOを用いて停止した。標準曲線を、マウスアルブミン(Merck/Sigma、126674-25MG)を用いて生成した。450nm吸光度を、Gen5 1.10ソフトウェアを使用して、Epochマイクロプレートリーダー(BioTek)で測定した。
組織学
実験の終了時に、腎臓を取り出し、パラフィン中に包埋し、PAS(過ヨウ素酸-シッフ)染色を行った。組織学を徹底的に評価し、硬化性糸球体およびタンパク質円柱の量を定量化した。
統計学
Rバージョン4.0.2を、統計分析のために使用した。それぞれ個々の時点についての処置および対照マウスからのサンプル間のUPCRおよびUACR値を比較するために、かつ組織学的パラメータにおける差を評価するために、スチューデントのt検定を使用した。rstatixパッケージ(V0.6.0)におけるそれぞれの機能を使用して、経時的なUPCRおよびUACRに対する薬物の影響を分析するために、反復測定ANOVAを行った。グラフによる可視化を生じるために、ggplot2(V3.3.2)およびggpubr(V0.4.0)パッケージを使用した。
実験セットアップ
3つの独立した実験において、51匹のBalb/cマウスに、10.5mg/kgのアドリアマイシンを尾静脈に注射するか、またはドキシサイクリンによってmiR-193aを過剰発現するように誘導した。それぞれ実験開始から2日後(アドリアマイシン腎症)または14日後(miR-193)、活性群は、25mg/kgのサログリタザールおよび/または625mg/kgのミリスチン酸を補充した標準的飼料を受け、一方、対照マウスは、標準的飼料のままであった。スポット尿を週ごとに少なくとも1回収集し、腎臓を犠牲時に回収した。
10.5mg/kgのアドリアマイシンを、尾静脈に注射した。2日後、Saro+Myr飼料療法を開始した。毎週、尿を収集し、重量を測定した。実験は4週続いた。
miR-193過剰発現を、1mg/mlのドキシサイクリンによって誘導した。14日後、Saro+Myr飼料療法を開始した。24日目に、Dox処置を停止した。週ごとに少なくとも1回、尿を収集し、重量を測定した。実験は5週続いた。
表1では、実験に使用されたマウスの概要が提供される(1匹の動物は、ADR注射直後に死んでいることが分かった)。
結果
Saro+Myr療法は、アルブミン尿およびタンパク尿を有意に低下させる
アドリアマイシン腎症モデルにおけるFSGSに対するサログリタザールおよびミリスチン酸の影響を、個々に、または組み合わせてのいずれかで決定した(図5)。FSGSの診断および療法に対する中心的臨床パラメータであるタンパク尿のレベルを、尿のクレアチニンに対するタンパク質の比(UPCR)によって決定した。
図5に見られるように、サログリタザール単独は、特により遅い2つの時点において、タンパク尿をある程度まで改善することができる。ミリスチン酸単独は、UPCRを低下させなかった。しかし、タンパク尿に対する最も強いプラスの効果は、2つの化合物の組み合わせで得られ、すべての時点にわたってUPCR値における有意な低下を引き起こした。
反復測定ANOVAはまた、この実験においてUPCRに基づいて決定されたアウトカムに対する経時的なSaro+Myr処置の有益な影響を示した(p=6.97e-10)。
ANOVA表(タイプIII試験) - UPCR
Saro+Myr療法は、最も関係のある臨床的読み出しパラメータ、すなわちタンパク尿を強く、かつ有意に改善した。アドリアマイシン腎症モデルにおいて(実験2、図6)およびmiR-193aモデルにおいても(実験3、図7)、Saro+Myrのプラスの影響によって、確認および分析がより詳細に示された。
図6は、実験2のすべての個々の収集された尿の箱ひげ図およびp値を表す。
反復測定ANOVAは、実験2においても、UPCRに基づいて決定されたアウトカムに対する経時的なSaro+Myr処置の有意な有益な影響を明らかにした(p=0.004)。
ANOVA表(タイプIII試験) - UPCR
図7は、実験3のすべての個々の収集された尿の箱ひげ図およびp値を表す。
反復測定ANOVAはまた、実験3においても、UPCRに基づいて決定されたアウトカムに対する経時的なSaro+Myr処置の有益な影響を示した(p=2.23e-11)。
ANOVA表(タイプII試験) - UPCR
したがって、Saro+Myr療法の有益な影響が、3つの独立した実験において確認された。図8は、実験1~3の効果の概要を示し、UPCRの平均パーセント低下を表す。
すべての実験をまとめると、Saro+Myr療法は、目立った、かつ有意な腎機能の保護を明らかにし、すべての時点にわたって平均で49.9%UPCRを低下させた(反復測定ANOVA p=5.00e-20)。UPCRの改善は、臨床試験における主要なアウトカムゴールであり、FSGS進行を遅らせるため、これは非常に有利である。
ANOVA表(タイプIII試験) - UPCR
重量変化
本発明者らは、実験の過程で毎週、重量変化を評価した。開始重量と比較した、すべての時点および実験にわたる対照群における平均重量低下は、対照について10.2%であり、サログリタザールおよびミリスチン酸について11.8%であった。
組織病理学的評価
タンパク尿の強い改善に随伴するパラメータとしてのFSGSにおける病理学的病変に対するSaro+Myrの影響を評価した(図9~11)。
図9は、アドリアマイシン腎症モデルおよびmiR-193aモデルの最も強い影響を受けたサンプルを表し、週齢を合わせたサンプルを選択した。両モデルについて、Saro+Myr処置は、重度の疾患を改善し、硬化性糸球体および尿細管拡張の量を低下させた。画像中の均一な領域として観察されるPAS染色におけるタンパク質円柱によって決定される尿細管拡張は、腎臓ろ過プロセスにおける不全を特定するための代替尺度である。
図10は、アドリアマイシン腎症モデルにおける組織病理学に対するSaro+Myr療法の影響をグラフで表す(実験2)。
図11は、miR-193a FSGSモデルにおける組織病理学に対するSaro+Myr療法の影響をグラフで表す(実験3)。
重要なことに、Saro+Myr療法は、組織病理学的レベルにおいて重度FSGSを完全に予防した;いずれのアドリアマイシン腎症サンプルにおいても、病理学的病変は見出されなかった。はるかに強い疾患を引き起こすmiR-193aモデルでは、いずれのサンプルも、25%を超える罹患した糸球体、または1より高い尿細管拡張段階を有さなかった。
タンパク尿低下は、FSGSの進行性の経過を遅らせると考えられるため、タンパク尿は、FSGSにおける治療をモニターするための主要なバイオマーカーと広く見なされている。臨床開発における次のステップとして、FSGS患者における探索的臨床試験は、UPCRを評価するためにタンパク尿およびクレアチニン排出について時間を決めた尿試料においてだけでなく、推算糸球体ろ過量(eGFR)を評価するために血清クレアチニンについて血液においても、腎臓機能を繰り返し評価する。
まとめると、Saro+Myr処置は、2つの異なるモデルにおいてFSGSについての中心的読み出しパラメータであるタンパク尿/UPCRを強く、かつ有意に改善し、組織病理学的病変も改善した。
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Claims (11)

  1. 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)に罹患している非糖尿病性対象の治療における使用のための、サログリタザールおよびミリスチン酸、またはそれらの塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤。
  2. FSGSが、再発性FSGS、原発性FSGSまたは自然FSGSであり、具体的には、重度タンパク尿、ネフローゼ症候群、糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、IgA糸球体腎炎、進行性腎不全、または組織病理学における糸球体病変のいずれか1つを特徴とする糸球体症である、請求項1に記載の使用のための医薬製剤。
  3. サログリタザールおよびミリスチン酸、ならびに薬学的に許容される担体を含む、医薬品または薬物製品である、請求項1または2に記載の使用のための医薬製剤。
  4. 全身的に投与される、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  5. サログリタザールが、以下に示す構造
    を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  6. 約1mg~100mgのサログリタザールおよび1mg~1gのミリスチン酸を含む、請求項5に記載の使用のための医薬製剤。
  7. 全身投与用、好ましくは静脈内、筋肉内、皮下、皮内、経皮、または経口投与用に製剤化されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  8. スプレー剤、散剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、または溶液剤、ローション剤、うがい液、エアロゾル化された粉末、エアロゾル化された液体製剤、顆粒剤、カプセル剤、ドロップ剤、錠剤、シロップ剤、ロゼンジ剤、または注入もしくは注射用の製剤として対象に投与される、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  9. FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある対象に有効量で適用される、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  10. 前記製剤が、単独の物質として投与されるか、または1つもしくは複数の活性物質を用いたさらなる治療と組み合わされる、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  11. 抗ウイルス薬、抗凝固薬、免疫調節剤、ヒト供給源に由来する抗体製剤、モノクローナル抗体、集中治療薬、抗高血圧剤、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞毒性薬、利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コレステロールもしくはトリグリセリド低下剤、PPARアゴニストからなる群から選択される活性薬剤と組み合わせて投与される、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
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