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JP2023544184A - 接着細胞からのウイルスのバイオリアクター生成 - Google Patents

接着細胞からのウイルスのバイオリアクター生成 Download PDF

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JP2023544184A
JP2023544184A JP2023520419A JP2023520419A JP2023544184A JP 2023544184 A JP2023544184 A JP 2023544184A JP 2023520419 A JP2023520419 A JP 2023520419A JP 2023520419 A JP2023520419 A JP 2023520419A JP 2023544184 A JP2023544184 A JP 2023544184A
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Abstract

ウイルスを接着細胞から生成する方法が提供される。前記方法には、バイオリアクターで増殖させた接着宿主細胞からウイルスを放出させ、放出されたウイルスを限外濾過および/または透析濾過により精製することが含まれる。前記方法は、従来のウイルス製造方法と比較して低いコストで臨床用途を含むウイルスの製造のために用いることができる。
【選択図】なし

Description

関連出願
本出願の事項は、許可された2018年6月27日提出の米国出願番号第16/020,850号(発明者Joseph CappelloおよびRichard J.Aguilarの名称「接着細胞からのウイルスのバイオリアクター生成」)に関する。可能であれば、本発明の事項は、参照によりその全体が取り込まれる。
技術分野
接着細胞からのウイルスの生成方法が提供される。
背景
ウイルスは、治療薬として用いられる。このような用途は、ワクチン、遺伝子治療ベクター、およびウイルス治療薬などである。これらを目的とするウイルスの製造は、適切な宿主細胞におけるウイルス複製、次いで前記宿主細胞からの前記ウイルスの精製に関する。ウイルス複製に用いられる宿主細胞は、足場依存的に接着培養条件または懸濁培養条件のいずれかで増殖される。懸濁培養の利点は、細胞を単一のバイオリアクター中で大量に培養することができる点である。しかしながら、ある一定のウイルスは、懸濁培養された細胞中で十分に複製しない。
ウイルスが十分に複製する足場依存性細胞は、一般に、十分な量を得るために多くのボトルが必要とされるローラーボトルで培養される。それゆえ、これらの方法は、規模に関して困難で高コストである。接着または懸濁培養条件を用いるいずれの場合においても、ウイルスを感染させた細胞は、バイオリアクターまたはローラーボトルの1つまたはそれ以上の培養管から収集され、次いで溶解されてウイルスが放出される。ウイルスは、ホモジナイズ、超音波処理、遠心分離、濾過、アフィニティー精製、クロマトグラフィー、および密度勾配超遠心のうちの数種類またはそれ以上を含む多くの様々なステップを用いて、全体の宿主細胞由来の構成成分から精製される。ウイルスの製造に関連する培養条件および精製工程は、製造プロセスに複雑さとコストを付け加え、結果として低収率となりうる。よって、単純で大規模化が可能なウイルスの製造方法が必要とされている。
概要
高収率かつ単純で大規模化可能なウイルスの製造が提供される。前記方法は、ウイルスに感染させた足場依存性細胞を用いる。前記方法によれば、ウイルスは、宿主細胞の構成成分が培養表面に実質的に接着したままで宿主細胞から放出される。宿主細胞由来の構成成分が細胞に残存しつつ、ウイルスが細胞培養培地に放出され、前記ウイルスは、単純でコスト効率が良い濾過または透析濾過の単一ステッププロセスまたは限外濾過および透析濾過の2ステッププロセスによって精製される。精製プロセスは、高収率であり、1日またはそれ以下で実施することができる。前記プロセスは、足場依存性細胞を培養するのに適切なバイオリアクターで増殖させた細胞で行い、それによりバイオリアクターの大規模化の利点を有する単純化された精製方法を組み合わせることができる。接着形態で増殖させることができる細胞中で感染させ、増殖させることができるいずれかのウイルス、特に、外被ウイルスがこれらの方法によって製造することができる。
前記方法/プロセスは、バイオリアクターで培養した接着細胞からウイルスを生成する方法/プロセスである。前記方法は、バイオリアクター中の接着した宿主細胞からウイルスを放出させ、次いで放出されたウイルスを限外濾過および/または透析濾過によって精製することが含まれる。このような方法の様々な例と態様が本明細書に記載される。
ウイルスを生成する方法(プロセス)が提供される。前記方法には、a)ウイルスを含む宿主細胞をバイオリアクター中で培養するステップであって、前記バイオリアクターが、接着細胞またはそこに捕捉された細胞を増殖させるためのマトリックスを含み、前記マトリックスが、生体適合性であり;前記マトリックスに捕捉されるか、および/または接着し;ならびに前記マトリックスの密度が、細胞が溶解され、処理されて前記ウイルスを放出する条件下において、接着されたままであり、前記マトリックスを通過する細胞培養培地のフローが細胞増殖に十分である、ステップ;b)前記細胞を処理して溶解させ、ウイルスをバイオリアクター中の前記培地に放出させるステップ;次いでc)さらに処理することなく、1または2ステップのみにおいて、放出されたウイルスを前記細胞培養培地から精製するステップを含む。前記1ステップは、限外濾過または透析濾過であり;前記2ステップは、限外濾過および透析濾過である。他の精製ステップは用いられない。よって、ウイルスを前記細胞から溶解し、放出させた後の精製は、限外濾過および/または透析濾過のみによって達成される。前記精製は、前記1または2ステップのみで行われる。前記精製は、1日またはそれ以下で達成することができる。
バイオリアクターは、接着細胞が接着し、懸濁細胞が捕捉されうるマトリックスまたは表面を含む。前記マトリックス(またはマクロキャリア、基質もしくは表面)は、固定されていない接着表面でありうる。マトリックスまたは表面は、以下に限定されないが、懸濁液中のマクロキャリアビーズ、繊維、または織布メッシュの中から選択されうる。マトリックスまたは表面は、固定された接着表面であってもよい。バイオリアクターは、例えば、充填床型バイオリアクターであってもよい。他の配置は、バイオリアクターが、増殖および溶解中に細胞を保持するためのマトリックスまたは表面を含む限り、当業者によって選択することができる。
前記宿主細胞は、通常、懸濁液中で増殖される細胞を含む、マトリックスに接着するか、またはマトリックスに捕捉される細胞であり、細胞および培地を処理することにより、前記細胞が遊離されないものである。一般に、宿主細胞は、接着細胞である。前記細胞は、霊長類細胞、または細胞株でありうる。前記特定の細胞は、特定のウイルスを増殖させるために適する細胞である。前記細胞株は、公知の細胞株、例えば、CV-1細胞、KB細胞、ベロ細胞、CHO細胞などである。細胞には、以下に限定されないが、ヒトおよび他の霊長類細胞を含む哺乳類細胞が含まれ、ヒト細胞には、例えば、ヒト線維芽細胞、上皮細胞、および内皮細胞が含まれる。
本明細書で例示されるように、例示される細胞は、CV-1細胞であり、ウイルスは、ワクシニアウイルス、例えば、治療用ワクシニアウイルスである。精製前、細胞処理培地が収集されうる。必要に応じて、前記培地は保存されうる。ウイルスを生成する方法には、精製前に、上記のステップa)、b)、およびc)のみが含まれ得るか、またはさらなるステップが含まれ得、前記精製には、限外濾過および/または透析濾過の1または2ステップのみが含まれる。
ウイルスの放出には、細胞を溶解させるために、処理、例えば、凍結/融解、および/または低浸透圧培地による処理、および/または界面活性剤による処理が含まれる。前記ウイルスは、プロテアーゼおよび/またはヌクレアーゼで処理することによって溶解させた細胞から培地に放出させる。前記プロテアーゼは、一般に、非特異的なプロテアーゼ、例えば、消化酵素、例えば、トリプシンである。前記ヌクレアーゼは、DNアーゼまたはRNアーゼ、例えば、商品名ベンゾナーゼ(登録商標)で販売されているSerratia marcescens由来のエンドヌクレアーゼである。ヌクレアーゼによる処理は任意である。溶解および酵素処理は、連続して、または一緒に行うことができる。溶解は、プロテアーゼまたはヌクレアーゼ処理より先に行われるか、または一緒に行われる必要がある。前記プロテアーゼおよびヌクレアーゼ処理は、一緒に、またはいずれかの順番で行うことができる。
ウイルスは、いずれの目的のウイルス、例えば、治療用ウイルス(腫瘍溶解性ウイルスを含む)、およびワクチン、ならびに遺伝子治療ベクター、および遺伝子産物の送達のためのウイルスであってもよい。一般に、精製は、放出されたウイルスで行われ、放出には、ヌクレアーゼ処理が含まれうるため、ウイルスは、外被ウイルスである。ウイルスには、以下に限定されないが、ポックスウイルス、例えば、ワクシニアウイルス、粘液腫ウイルス、麻疹ウイルス、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ポリオウイルス、ヘルペスウイルス、シンドビスウイルス、およびセネカバレーウイルス、ならびに異種性遺伝子産物をコードする核酸を含むよう改変されたこれらの誘導物質などが含まれる。前記ウイルスは、腫瘍溶解性ウイルス、例えば、ワクシニアウイルス(例えば、GL-ONC1、Pexa-Vec、vvDD、JX-929、およびWO-12)、水疱性口内炎ウイルス(例えば、VSV-IFNbeta-NIS、VSV-E6/7、VSV-GFP)、麻疹ウイルス(例えば、MV-NIS、MV-Edm、MV-NPL)、セネカバレーウイルス(例えば、SVV-001およびNTX-010)、レオウイルス(例えば、レオリシン)、アデノウイルス(例えば、CGTG-102、Oncos-102、NG-348、NG-350、NG-347、NGaFAB、NG-aEpCAM、ONYX-015、CG7870、VCN-01、LOAd703、Ad5、Ad3/5、CRAd-CXCR4-5/3、OvAd1、dI1520)、パルボウイルス(例えば、H1-PV)、マラバウイルス(marabavirus)(例えば、MG1MA3、MG1-HPV、およびMB1-ネオ抗原)、ニューカッスル病ウイルス(例えば、NDV-HUJ)、レトロウイルス(例えば、Toca511)、コクサッキーウイルス(例えば、CAVATAK)、およびヘルペスウイルス(例えば、HSV-1716、NV1020、イムリジック(T-Vec)、ONCR-1/-2、およびHSV-1716)でありうる。ウイルスは、弱毒化され、および/または改変されていてもよい。腫瘍溶解性ワクシニアウイルスには、以下に限定されないが、リスター(例えば、LIVP株およびそのクローン株)、ウエスタンリザーブ(WR)、コペンハーゲン(Cop)、ベルン、パリ、タシュケント、天壇、ワイス(DRYVAX)、IHD-J、IHD-W、ブライトン、アンカラ、CVA382、改変ワクシニアアンカラ(MVA)、大連I、LC16m8、LC16M0、LIVP、ACAM2000、WR65-16、コンナート、ニューヨーク市保健局(NYCBH)、EM-63、およびNYVAC株、ならびに改変ワイス株であるJX-594が含まれる。ウイルスの腫瘍溶解性LIVP株の例は、GLV-1h68と称される(GL-ONC1とも称される)株である。ウイルスには、治療用生成物、ならびにレポーター遺伝子および他の検出可能なマーカーを含む異種性遺伝子産物をコードした改変ウイルスが含まれる。
ウイルスは、限外濾過および/または透析濾過によって精製される。当業者は、適切な膜の形態および限外濾過の型を選択することができる。例えば、限外濾過は、例えば、300~750キロダルトンの公称分画分子量または0.05~0.2μmの公称多孔度を有する膜を用いることができる。これとして、ポリエーテルスルホンを含む膜を用いることができる。前記膜は、平膜または中空糸膜であってもよい。前記限外濾過は、タンジェンシャルフロー型、クロスフロー型、または当業者によって選択される他の型で行うことができる。限外濾過は、透析濾過に続いて行われるか、または透析濾過は、限外濾過を行わずに行われてもよい。処理されて放出されたウイルスの回収率は、50%以上であり、90%以上、95%またはそれ以上であってもよい。
本願には、色付きの少なくとも1つの図が含まれる。色付きの図と共に本出願に基づくいずれの特許または公開のコピーは、必要な料金の請求と支払いに応じて特許庁に提供される。
図1は、ATMI iCellis(登録商標)ナノバイオリアクターおよび制御/データ管理システムである例示のバイオリアクターを示す。 図2は、下記のiCellis(登録商標)ナノバイオリアクター実験6からのクリスタルバイオレットで染色した担体の顕微鏡画像を示す。 図3は、GLV-1h68と称される(GL-ONC1とも称される)治療用LIVP株ワクシニアウイルスによる感染前後のiCellis(登録商標)ナノバイオリアクター担体の蛍光顕微鏡画像を示す。 図4は、Cellis(登録商標)バイオリアクター実験1およびローラーボトル対照のCV-1細胞(広く利用可能な周知の細胞株)、例えば、ATCC(登録商標)CCL-70増殖プロファイルおよびウイルス増幅を示す。 図5は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験2およびローラーボトル対照のCV-1増殖プロファイルおよびウイルス増幅を示す。 図6は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験3およびローラーボトル対照のCV-1増殖プロファイルおよびウイルス増幅を示す。 図7は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験4およびローラーボトル対照のCV-1増殖プロファイルおよびウイルス増幅を示す。 図8は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験5およびローラーボトル対照のCV-1増殖プロファイルおよびウイルス増幅を示す。 図9は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験6およびローラーボトル対照のCV-1増殖プロファイルおよびウイルス増幅を示す。 図10は、iCellis(登録商標)バイオリアクターナノ実験2~6の各増殖曲線を示す。 図11は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験2~6においてCV-1細胞の増殖相を通して収集された増殖データを示す。 図12は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験2~6においてCV-1細胞の増殖相の150時間を通して収集された増殖データを示す。 図13は、実験1~6のローラーボトル対照においてCV-1細胞の増殖相の300時間を通して収集された細胞密度データを示す。 図14は、実験1~6のローラーボトル対照においてCV-1細胞の増殖相の150時間を通して収集された細胞密度データを示す。 図15は、GLV-1h68による感染後のCellis(登録商標)バイオリアクターナノ実験1および3~6の各増殖曲線を示す。 図16は、ナノ実験1および3~6からのウイルス増幅データを示す。 図17は、iCellis(登録商標)バイオリアクター実験7、8、および9のCV-1増殖プロファイルを示す。 図18は、バイオリアクター担体からのウイルス抽出条件の評価(トライアル4)を示す。 図19は、TrypLEにおけるウイルス安定性の評価(トライアル8)を示す。 図20は、バイオリアクターからの収集ステップ間のウイルスの回収を示す。バイオリアクターは、様々な溶液および処理培地の循環により連続して処理する。ウイルスの回収率は、収集した循環溶液をウイルスプラークアッセイにより試験することによって定量化する。前記結果は、ウイルスの大半が、1XTrypLEによる処理、次いで10mM Tris-Clによる洗浄後にバイオリアクターから放出されることを示す。PBSおよび1M NaClによる洗浄により、実質的にさらなるウイルス回収を生じない。収集後のバイオリアクターマクロキャリア(マトリックス)の抽出により、収集方法の効率化を示す実質に残存するウイルスが存在しないことが示された。
上記の図は、例示のために供されており、限定のためではない。
概略
A.定義
B.概略
C.バイオリアクターおよびマトリックス
D.細胞および増殖
E.ウイルスおよび播種
F.処理培地へのウイルスの細胞溶解および放出
G.ウイルスを精製するための処理培地の透析濾過および限外濾過
H.実施例
詳細な説明
A.定義
他で定義されていない限り、本明細書で用いられる全ての技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解される意味と同一の意味を有する。全ての特許、特許出願、公開された出願および刊行物、Genbank(登録商標)配列、データベース、ウェブサイト、および本明細書全体の開示を通して参照される他の公開された文献は、他で示されていない限り、参照によりそれらの全体が取り込まれる。本明細書において複数の用語の定義が存在する場合、この項目のものが優先される。URLまたは他のこのような識別もしくはアドレスが参照される場合、このような識別は、変化し得、インターネット上の特定の情報は、変更し得るが、同等の情報は、インターネットを検索することによって見出すことができるものと理解される。これらの参照は、このような情報の利用可能性および公への普及性を示す。
本明細書で用いられるように、バイオリアクターは、細胞培養装置を意味する。本明細書の方法における使用において、バイオリアクターは、接着細胞を培養するためのマトリックスを含む。マトリックスは、細胞を保持するものであり、それらは、溶解されても細胞培養培地に放出されないものである。典型的なバイオリアクターは、商品名iCellis(登録商標)バイオリアクターで販売されるものである。このバイオリアクターは、ATMI Life Sciencesにより開発され、PALL Biosciencesから利用可能となっている。
本明細書で用いられるように、「担体」または「基質」は、接着細胞が培養中に接着する生体適合表面を供する固体物質のいずれかを意味する。
本明細書で用いられるように、マトリックス型担体は、ポリエステル繊維(前記繊維を固定するために(例えば、ポリプロピレンの)ケージ内に保持されていてもよい)を含む。
本明細書で用いられるように、処理培地は、細胞が培養され、ウイルスが生成されるバイオリアクター中の培地であって、細胞を処理し、ウイルスを生成する際に用いられる培地を意味する。
本明細書で用いられるように、大規模製造は、単一の患者用量および年間の必要用量によって定義される。ウイルスおよび治療によって異なるが、各大規模製造は、年間用量の約1/6~1/12、例えば、約1/10を供する。よって、例えば、GLV-1h68(GL-ONC1)と称されるワクシニアウイルスについては、大規模製造は、1回の治療用量あたり約6x10プラーク形成単位(pfu)の用量で約10,000回の治療分または年間合計6x1013pfuの年間製造を供する。1年あたり8~12個、例えば、10個の製造バッチと推定すると、各大規模バッチは、1,000回の治療用量または約1011~1013、例えば、約5~6x1012pfuを生成しうる。
例示のウイルスであるGLV1h-68(GLV-ONC1)のpfuおよび用量の例:
Figure 2023544184000001
本明細書で用いられるように、「ウイルス力価」または「ウイルスの力価」は、ウイルス濃度を意味し、プラーク形成単位(pfu)/mLなどの一定体積あたりの感染ウイルス単位の所定数である。ウイルス力価は、サンプル中の感染または活性ウイルスの数を定量化するために、標的細胞が感染したサンプルの連続希釈によって決定することができる。例えば、ウイルス力価は、プラークアッセイを用いて決定することができる。
本明細書で用いられるように、「ウイルス」またはウイルスベクターは、宿主細胞なしで増殖し、または複製することができない感染性物質の大きなグループのいずれかを意味する。ウイルスは、典型的に、遺伝物質のRNAまたはDNAコアを取り囲むタンパク質外被を含むが、半透性膜を含まず、生存する細胞でのみ増殖と増大することができる。本明細書で用いられるように、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍の対象中の腫瘍細胞において選択的に複製するウイルスを意味する。腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍細胞への感染後に腫瘍細胞を死滅させることができる。例えば、腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍細胞を溶解し、または腫瘍細胞の細胞死を誘導することによって腫瘍細胞の死を引き起こすことができる。
本明細書で用いられるように、治療用ウイルス、例えば、治療用腫瘍溶解性ウイルスは、疾患または病気を治療するために用いられるウイルスである。典型的に、それらは、病原性ではないか、または非病原性の状態である。
本明細書で用いられるように、用語「ワクシニアウイルス」、「VACV」、または「VV」は、ポックスウイルスファミリーに属する大きく複雑な外被ウイルスを意味する。これは、約190kbp長の線状二重鎖DNAゲノムを有し、約200個のタンパク質をコードする。ワクシニアウイルス株には、以下に限定されないが、ウエスタンリザーブ(WR)、コペンハーゲン、タシュケント、天壇、リスター、ワイス、IHD-J、IHD-W、ブライトン、アンカラ、MVA、大連I、LIPV、LC16M8、LC16MO、LIVP、WR65-16、コンナート、およびニューヨーク市保健局ワクシニアウイルス株の株、これらに由来し、またはこれらの改変型が含まれる。
本明細書で用いられるように、ウイルス製造研究所のリスター株(Lister strain of the Institute of Viral Preparations)(LIVP)またはLIVPウイルス株は、ロシアのモスクワにあるウイルス製造研究所で子牛の皮膚に適用することによって生成された弱毒化リスター株(ATCCカタログ番号VR-1549)であるウイルス株を意味する(Altshteyn et al. (1985) Dokl. Akad. Nauk USSR 285:696-699)。LIVP株は、例えば、ロシアのモスクワにあるウイルス製造研究所(例えば、Kutinova et al. (1995) Vaccine 13:487-493を参照のこと);FSRI SRC VBベクターの微生物コレクション(Kozlova et al. (2010) Environ. Sci. Technol. 44:5121-5126);またはモスクワイワノフスキーウイルス研究所(C0355 K0602;Agranovski et al. (2006) Atmospheric Environment 40:3924-3929)から入手することができる。これはまた、当業者に周知であり;USSR、アジアおよびインドでワクチン化のために用いられるワクチン株であった。前記株は周知である(例えば、Altshteyn et al. (1985) Dokl. Akad. Nauk USSR 285:696-699; Kutinova et al. (1994) Arch. Virol. 134:1-15; Kutinova et al. (1995) Vaccine 13:487-493; Shchelkunov et al. (1993) Virus Research 28:273-283; Sroller et al. (1998) Archives Virology 143:1311-1320; Zinoviev et al., (1994) Gene 147:209-214;および Chkheidze et al. (1993) FEBS 336:340-342を参照のこと)。
本明細書で用いられるように、LIVP GLV-1h68(GL-ONC1とも称される;例えば、米国特許第7,588,767号および米国特許公開番号US-2016-0339066-A1を参照)は、F14.5L、J2R(チミジンキナーゼ)、およびA56R(ヘマグルチニン)遺伝子座にそれぞれ挿入されたruc-gfp(ルシフェラーゼおよび緑色蛍光タンパク質融合遺伝子(例えば、米国特許第5,976,796号を参照))、ベータガラクトシダーゼ(LacZ)、およびベータグルクロニダーゼ(gusA)レポーター遺伝子を含むLIVPウイルスである。GLV-1h68のゲノムは、同時係属する公開された出願US-2016-0339066-A1の配列番号3で示されるヌクレオチド配列、または配列番号3で示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも97%、98%、または99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を有する。
本明細書で用いられるように、交換可能に用いられる用語「改変ウイルス」または「組換えウイルス」は、そのウイルスの親株と比較して変化しているウイルスを意味する。典型的に、改変ウイルスは、ウイルスのゲノムにおける1つまたはそれ以上の短縮、変異、挿入、または欠失を有する。改変ウイルスは、1つまたはそれ以上の改変された内在性ウイルス遺伝子および/または1つまたはそれ以上の改変された遺伝子間領域を有しうる。典型的な改変ウイルスとして、ウイルスのゲノムに挿入された1つまたはそれ以上の異種性核酸配列を有していてもよい。改変ウイルスは、異種性遺伝子の発現のための遺伝子発現カセットの形で1つまたはそれ以上の異種性核酸配列を含むことができる。
本明細書で用いられるように、改変LIVPウイルス株は、LIVPに含まれないゲノムを有するLIVPウイルスであるが、LIVPに由来する株のゲノムの改変によって生成されるウイルスを意味する。典型的には、前記ウイルスのゲノムは、ヌクレオチドの置換(代替)、挿入(付加)、または欠失(短縮)によって改変される。改変は、遺伝学的改変および組換えDNA法などの当業者に公知のいずれかの方法によって行うことができる。よって、改変ウイルスは、親ウイルスのゲノムと比較してそのゲノムにおいて変化されているウイルスである。典型的な改変ウイルスは、ウイルスのゲノムに挿入された1つまたはそれ以上の異種性核酸配列を有する。典型的には、異種性核酸は、異種性タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む。例えば、本明細書における改変ウイルスは、異種性遺伝子の発現のための遺伝子発現カセットの形で1つまたはそれ以上の異種性核酸配列を含むことができる。
本明細書で用いられるように、対象の重量kgに基づいてプラーク形成単位(pfu)/kgなどの用量を参照する場合、平均的なヒト対象は、約70kg~75kg、例えば、70kgの重量を有すると考えられる。
開示のわかりやすさであって限定のためではなく、詳細な説明は、以下のとおり部分項目に分けられる。
B.概略
2つの段階を含む方法/プロセスが提供される。第1の段階は、ウイルスが、ウイルスが複製できる細胞に取り込まれ、前記細胞が、ウイルスが生成される条件下で培養される生成段階である。前記ウイルスは、以下に限定されないが、ポックスウイルス、例えば、ワクシニアウイルスなどが挙げられる外被ウイルスを含む、適切なウイルスのいずれかでありうる。続いて、細胞が溶解されてウイルスが放出され、ヌクレアーゼおよび/またはプロテアーゼである1つまたはそれ以上の酵素で処理されうる。第2の段階では、処理培地が収集され、ウイルスが、限外濾過または透析濾過あるいはその両方によってのみ精製される。よって、第2の段階は、精製されたウイルスを生じる限外濾過および/または透析濾過のみを含む1または2ステップ工程のみである。
よって、前記工程は、充填された生体適合性織布もしくは繊維性マトリックス物質、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートを含むバイオリアクター中で接着した宿主細胞、一般に、細胞株を増殖させるステップを含む。前記マトリックスは、細胞が溶解された場合に細胞および細胞破片の接着および/または捕捉による保持に十分な密度のものである。
宿主細胞は、適当な密度で培養され、次いでウイルスが播種され、培養されてウイルスが生成される。前記細胞は、例えば、凍結および融解または低浸透圧培地への曝露またはこれらの両方、続いて、酵素、例えば、プロテアーゼ、特に、非特異的に切断するもの、例えば、トリプシンによる処理によって溶解される。細胞は、必要に応じて、プロテアーゼの前、プロテアーゼと一緒に、またはプロテアーゼの後にヌクレアーゼで処理される。溶解された細胞は、マトリックス物質によって保持される。
ウイルスは、1または2ステップのみで培地から精製され、1ステップは、限外濾過または透析濾過である。2ステップが用いられる場合、それらは、限外濾過および透析濾過である。限外濾過および/または透析濾過以外のさらなる精製ステップは用いられない。
よって、精製されたウイルス、特に、治療用ウイルス、例えば、腫瘍溶解性ウイルス、ワクチン、および遺伝子治療ベクターなどを生成(製造とも称される)するための大規模化可能なプロセス(方法とも称される)が提供される。前記方法はバイオリアクター中で実施できるため、容易に大規模化される。精製は、ウイルスの高収率を供し、1日またはそれ以下で達成することができる。結果として生じたウイルスは、95%またはそれ以上、一般に、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%の回収率において高収率で生成される。
C.バイオリアクターおよびマトリックス
バイオリアクターは、細胞を増殖させるために適当な管であり、織布もしくは不織布繊維、布または布地の充填されたマトリックス基質を含み、それらの繊維もしくは繊維性メッシュが細胞の接着(または捕捉)と増殖を可能にする。マトリックスは、固定され、もしくは充填された床、または流動床でありうる。
バイオリアクターは、マクロキャリアビーズ、織布もしくは不織布繊維、布または布地の充填されたマトリックスを含み、それらの繊維もしくは繊維性メッシュが細胞の接着および増殖を可能にする。前記マトリックスは、細胞が、酵素消化、例えば、トリプシン消化によって布から剥離されたり、除去されたりしないものである。前記細胞は、細胞が、酵素消化、例えば、トリプシンによって布から剥離されたり、除去されたりしないものである。中空糸バイオリアクターは、中空糸の内部表面に接着した細胞が、マトリックスに捕捉されず、前記細胞が酵素消化、例えば、トリプシンによって剥離することができるため、機能しない。中空糸バイオリアクターは、中空糸の内部表面に接着した細胞が、マトリックスに捕捉されず、前記細胞が酵素消化、例えば、トリプシンによって剥離することができるため、意図されていない。本明細書のプロセスによれば、足場依存性(「接着した」)宿主細胞などのマトリックスによって保持されている細胞は、バイオリアクターで増殖され;前記細胞は、マトリックス基質上においてバイオリアクター中においてウイルスで感染され、増殖される。
バイオリアクターの例は、商品名iCellis(登録商標)(Pall Life Sciences)として販売されているバイオリアクターである。米国特許第8,597,939および8,986,979号は、このようなバイオリアクターを記載している。iCellis(登録商標)バイオリアクターは、バイオリアクタープラットフォームの例示であり、単一用途の高い細胞密度バイオリアクターの大規模化可能なラインを含み、これらは、小規模(下記で「ナノ」とも称される)から大規模の製造が可能である。このバイオリアクターは、医薬グレードのポリエステルマイクロファイバーの予め充填され固定された床を含み、これは、コンパクトなバイオリアクター容量における増殖のために大きな表面積を供する。主なバイオリアクターは、培地を、底から先端まで固定された床を通して循環させ、低いせん断応力と高い細胞生存率を確保する内蔵の磁気駆動型羽根車(magnetic drive impeller)を備える。固定された床の先端では、培地は、薄膜として、バイオリアクター中の溶解された酸素レベルを維持するためにOを取り込む外部の壁に落ちる。
マトリックス物質
マトリックス物質の例は、本明細書に記載されるように、細胞が接着することができる物質であって、細胞を培養するために用いることができる生体適合性の接着物質である。このような物質には、以下に限定されないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアルキレン、ポリフルオロクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ガラス繊維、セラミック粒子、および不活性金属繊維が含まれる。これらの物質の繊維は、織布または不織布の形態で用いることができる。例えば、商品名iCellis(登録商標)で市販され、本明細書の実施例で用いられているバイオリアクターにおいて、マトリックス物質は、ポリエステルのポリエチレンテレフタレート(PET)である。前記マトリックスは、その生体適合性、その細胞接着性、またはその細胞保持性を改善するために、マトリゲル(登録商標)細胞培養基質、細胞外マトリックス構成物質(例えば、フィブロネクチン、コンドロネクチン、ラミニン、ProNectin(登録商標)F)、コラーゲン、またはポリL乳酸などの細胞接着を促進する物質でコーティングすることができる。
マトリックスの密度は、細胞、溶解後の細胞破片が捕捉された状態であるのに十分であるが、細胞が増殖するために必要となるマトリックスおよびバイオリアクターを通した細胞培地フローを妨げるほど高くない。マトリックスの密度は、マトリックス中に捕捉された状態であるが、密度は、マトリックスを通して流動フローを妨げるほど高くない。
前記マトリックスは、メッシュ、例えば、ポリエステル繊維からなるものであってもよい。前記繊維の直径は、典型的に、約10~40マイクロメーターである。前記メッシュは、バルク繊維の不織布メッシュとして、または織布として繊維製造業者から購入することができる。ある製造業者は、特に医薬目的のための繊維を生成し、生体適合性に適切である。この医薬グレードのメッシュまたは繊維は、医薬品製造に用いられるバイオリアクター中の細胞の接着と増殖に適合するため、本明細書のプロセスおよび方法に特に有用である。
このような物質を充填する密度は、マトリックス中に捕捉される状態の細胞に影響を及ぼす因子である。繊維密度が高いほど、充填する濾過効果は大きくなり、それゆえ、細胞はマトリックスに捕捉されたままになる可能性が高い。しかしながら、充填密度が高いほど、培地のフローがより制限され、同一の培地フローを達成するためにより大きい攪拌の力が必要となる。密度の例としては、約80~160g/L、例えば、90~150g/L、例えば、96g/L~144g/Lである。この範囲は細胞を保持し;充填密度が高いほど、培地のフローがより制限され、同一の培地フローを達成するためにより大きい攪拌の力が必要となる。
iCellis(登録商標)バイオリアクター系(例えば、図1を参照のこと)は、500mの増殖面積まで供給可能である。25Lの固定された床容量を用いて大規模化のために計画されたウイルス(例えば、ワクシニアウイルス)収率は、以下のとおりである:
Figure 2023544184000002
iCellis(登録商標)バイオリアクターにおいて、2種類のPET充填密度:96g/Lおよび144g/Lが例示される。
D.細胞および増殖
バイオリアクターを用いて接着宿主細胞からウイルスを生成するプロセス(方法)が本明細書で提供される。前記方法は、バイオリアクター中で接着宿主細胞からウイルスを放出させ、次いで放出されたウイルスを、限外濾過および/または透析濾過の1または2ステップによって精製することを含む。前記方法は、従来のウイルス製造方法と比較して低いコストで臨床用途を含むウイルスを製造するために用いられる。精製方法は、限外濾過および/または透析濾過のみを必要とし、精製のための時間を減らし、ウイルスのより高い収率を供する。精製は、1日またはそれ以下で達成することができる。
接着細胞である細胞、またはマトリックス支持中もしくは上で増殖させるために用いられる細胞は、バイオリアクター中で培養される。宿主細胞は、ウイルスを増殖させるのに適する細胞のいずれであってもよく、細胞の選択は、具体的なウイルスによりうる。一般に、宿主細胞は、接着細胞である。細胞には、以下に限定されないが、霊長類起源の哺乳類細胞;形質転換させ、または不死化させた細胞;および細胞株が含まれる。このような細胞の典型例は、ヒト線維芽細胞;ヒト上皮細胞;およびヒト内皮細胞である。細胞株には、以下に限定されないが、CV-1細胞;ベロ細胞;およびCHO細胞が挙げられる。前記細胞は、組換えおよび/または遺伝子改変されていてもよい。
細胞は、適当な量でリアクターに播種される。例えば、このような量は、約3~6x10細胞/cm、例えば、約4~5x10細胞/cm、例えば、4.5x10細胞/cmでありうる。前記細胞は、増殖条件に応じて、十分な時間、一般に、8日~20日増殖させて、ウイルスによる感染に最適な密度、例えば、約1~3x10細胞/cm、例えば、約1.5x10細胞/cmに達する。当業者は、具体的な細胞の増殖および感染のための最適な密度を知っているか、または経験的に決定することができる。
例示的な方法において、細胞は、リアクターに4.5E3細胞/cmで播種され、1.5E5細胞/cmの最適な感染密度まで増殖させ、これには、増殖条件に応じて約8日~20日間かかりうる。前記細胞は、特定のMOI(0.2~0.002、例えば、0.02~0.1)で感染させ、ウイルス生成は、約96時間進行する。精製は、単一ステップ(限外濾過および/または透析濾過)のみであるため、典型的に、長期間行われる5~7ステップである従来の精製と比較して、1日で行うことができる。
ある実施態様において、バイオリアクターは、接着細胞の増殖に用いることができ;iCellis(登録商標)バイオリアクターは、米国特許第8,597,939および8,986,979号に開示される構成要素を含み;接着細胞が接着しうるマトリックスまたは表面を含み;懸濁液中のマクロキャリアビーズ、繊維、または織布メッシュなどの固定されていない接着表面を含み;および/または充填床型バイオリアクター中などの固定された接着表面を含む。
ある実施態様において、接着宿主細胞は、制御された条件下において;細胞培養培地および細胞の栄養要件をサポートする培地添加物の存在下で;細胞の最適な増殖に適する温度(例えば、哺乳類細胞については、37±3℃)において;細胞の最適な増殖に適するpH(例えば、哺乳類細胞については、pH7.3±3)にて;細胞の最適な増殖に適する培地の攪拌もしくは循環または培養を用いて;約0.5~5cm/秒の培地の直線流速で固定された床リアクター中で;細胞の最適な増殖に適する溶解された酸素レベル(例えば、哺乳類細胞については、50±25%)において;ならびに/あるいはバイオリアクターの培地体積と比較して高い細胞密度(例えば、≧2x10E6細胞/mL、または≧1x10E7細胞/mL)にてバイオリアクター中で培養される。
E.ウイルスおよび播種
本明細書に含まれるウイルスには、以下に限定されないが、治療用ウイルス、例えば、腫瘍溶解性ウイルス、ワクチンのためのウイルス、およびコードされた産物の組換え生成を含むいずれかの目的のためのウイルスが含まれる。ウイルスは、一般に、細胞培養培地に放出させることができる外被ウイルスである。
ウイルスは、細胞に取り込まれ、次いで培養されて、ウイルスが複製される。前記細胞は、ウイルスに応じて特定の感染多重度(MOI)で感染させる。例示の実施態様において、ウイルスは、ワクシニアウイルスであり、そのMOIは、約0.002である。ウイルス生成は、ウイルスの最大量を生じる時間、例えば、ワクシニア、例えば、GL-ONC1(GLV1h-68)と称されるウイルスについては、約72~120時間、例えば、90~120時間、例えば、96時間で進行される。
宿主細胞は、バイオリアクターに取り込まれる前にウイルスで感染させることができるか、あるいは接着宿主細胞は、バイオリアクター中で増殖させながらウイルスで感染させることができる。バイオリアクター培地および/または他の培養条件は、ウイルスの感染効率および/または複製を最適化するために、感染され、または感染されていない宿主細胞を取り込む前または後に調整することができる。
ウイルスには、以下に限定されないが、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、レトロウイルス、ラブドウイルス、パピローマウイルス、水疱性口内炎ウイルス、麻疹ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ピコルナウイルス、シンドビスウイルス、パピローマウイルス、パルボウイルス、レオウイルス、コクサッキーウイルス、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、ポリオウイルス、およびセムリキ森林ウイルスが含まれる。
ウイルスは、内在性;野生型;組換え;または遺伝子改変されたものであってもよい。ウイルスは、ニューカッスル病ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、粘液腫ウイルス、麻疹ウイルス、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、腫瘍溶解性アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ポリオウイルス、ヘルペスウイルス、シンドビスウイルス、およびセネカバレーウイルス、あるいは異種性遺伝子産物をコードする核酸を含むように改変されているこれらの誘導物の中から選択することができる。ウイルスは、腫瘍溶解性ウイルスでありうる。腫瘍溶解性ウイルスは、ワクシニアウイルスであって、前記ワクシニアウイルスは、リスター、ウエスタンリザーブ(WR)、コペンハーゲン(Cop)、ベルン、パリ、タシュケント、天壇、ワイス(DRYVAX)、IHD-J、IHD-W、ブライトン、アンカラ、CVA382、改変ワクシニアアンカラ (MVA)、大連I、LC16m8、LC16M0、LIVP、ACAM2000、WR65-16、コンナート、ニューヨーク市保健局(NYCBH)、EM-63、およびNYVAC株の中から選択されてもよい。ワクシニアウイルスは、リスター株ウイルス:LIVPウイルスまたはLIVPウイルスのクローン株に由来しうる。
ウイルスは、ワクシニアウイルス、例えば、組換えワクシニアウイルスでありうる。治療用ワクシニアウイルスの代表例は、改変されたLIVP株ウイルス、例えば、米国特許第7,588,767、8,857,927、9,005,602、8,323,959、および7,754,221号に開示されるもの、特に、GLV-1h68(GL-ONC1)と称されるウイルス、および米国公開第US-2012-0308484-A1号に記載のクローン株、ならびに改変されたワイス株ワクシニアウイルス、例えば、JX-594と称されるウイルス(Pexa-Vecとも称される、Sillajen Biotherapeutics)であって、チミジンキナーゼ遺伝子が不活性化され、ウイルスがヒトGM-CSFおよびLacZ遺伝子をコードし、発現するように改変されている複製能を有するワイス株ワクシニアウイルスであるウイルスが挙げられる。
ウイルスは、異種性遺伝子産物をコードする核酸を含む改変された形態であって、前記異種性遺伝子産物は、治療用またはレポーター遺伝子産物である形態でありうる。異種性遺伝子産物は、抗癌剤、抗転移薬、抗血管新生薬、免疫調節分子、抗原、細胞マトリックス分解遺伝子、組織再生およびヒト体細胞を万能性に再プログラム化するための遺伝子、検出可能な生成物もしくはシグナルを生成するために基質を修飾するか、または抗体によって検出可能である酵素、造影剤に結合することができるタンパク質、光学的画像化または検出のための遺伝子、PET画像化のための遺伝子、およびMRI画像化のための遺伝子の中から選択される。異種性遺伝子産物は、ホルモン、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、共刺激分子、リボザイム、輸送体タンパク質、単鎖抗体、アンチセンスRNA、プロドラッグ変換酵素、siRNA、マイクロRNA、毒素、抗腫瘍オリゴペプチド、有糸分裂阻害因子タンパク質、有糸分裂阻害因子オリゴペプチド、抗癌ポリペプチド抗菌薬、血管新生抑制薬、腫瘍抑制因子、細胞毒性タンパク質、細胞分裂抑制タンパク質、および組織因子の中から選択される治療剤でありうる。ウイルスは、異種性遺伝子産物をコードし、必要に応じて発現しうる。かかる産物には、ウイルスによって送達することができる治療用産物が含まれる。このような産物の代表的な例は、抗癌剤、抗転移薬、抗血管新生薬、免疫調節分子、および抗原である。他の例示の産物には、以下に限定されないが、ホルモン、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、共刺激分子、リボザイム、輸送体タンパク質、単鎖抗体、アンチセンスRNA、プロドラッグ変換酵素、siRNA、マイクロRNA、毒素、抗腫瘍オリゴペプチド、有糸分裂阻害因子タンパク質、有糸分裂阻害因子オリゴペプチド、抗癌ポリペプチド抗菌薬、血管新生抑制薬、腫瘍抑制因子、細胞毒性タンパク質、細胞分裂抑制タンパク質、および組織因子の中から選択される治療剤が含まれる。ウイルスはまた、遺伝子、例えば、細胞マトリックス分解遺伝子、組織再生およびヒト体細胞を万能性に再プログラム化するための遺伝子をコードする核酸を送達することができる。ウイルスは、検出可能なレポーター産物、例えば、以下に限定されないが、検出可能な産物もしくはシグナルを生成するために基質を修飾するか、または抗体によって検出可能である酵素、造影剤に結合することができるタンパク質、光学的画像または検出のための遺伝子、PET画像化のための遺伝子、およびMRI画像化のための遺伝子をコードすることができる。
F.処理培地へのウイルスの細胞溶解および放出
方法の生成段階において、バイオリアクター中の細胞は、溶解され、処理されてウイルスが放出される。本明細書の方法に従って、ウイルスは、実質的に機械的にホモジェナイズすることなく宿主細胞から放出させることができる。
これは、細胞を溶解させるために適する方法によって達成することができる。前記溶解方法は、細胞がマトリックスに接着したままか、またはマトリックスに捕捉されたままである必要がある。例えば、細胞は、凍結および融解によって溶解される。必要に応じて、ウイルスの放出および回収は、低浸透圧ショックによって高まることができる。これは、例えば、約0.05M以下、例えば、0.01Mまたはそれ以下、あるいは例えば、0.001Mの合計イオン強度で水溶液を凍結/融解されたバイオリアクターに加えることによって行うことができる。
選択されたマトリックスに基づいて、細胞および溶解された細胞破片は、マトリックス中で接着/捕捉されたままの状態であり、ウイルスとともに細胞培養培地に放出されていないか、または実質的に放出されていない。捕捉/接着された細胞からのウイルスの放出は、溶解を達成するために適する方法、例えば、バイオリアクターの凍結/融解および/または低浸透圧培地への曝露、次いで酵素、例えば、プロテアーゼ、必要に応じて、ヌクレアーゼによる酵素消化によって達成される。プロテアーゼには、トリプシン、および、通常、細胞を剥離するが、マトリックスにより細胞が剥離されない他のかかるプロテアーゼが含まれる。このようなプロテアーゼの例は、トリプシン(ブタ膵臓由来)、TrypLE(トリプシン様酵素活性を有する組換え細菌産生酵素)、Accutase(登録商標)溶液(Sigma Aldrich;タンパク分解性およびコラーゲン分解性酵素活性の混合物)、プロテイナーゼK、パパインおよびスブチリシン、タンパク質を消化する非特異的な切断部位を有する他のこのようなプロテアーゼ、ブロメライン、フィカインなどである。
ウイルスは、凍結/融解を含むプロセスによって宿主細胞から放出させることができる。例えば、ウイルスは、培養培地が除去されるプロセスにおいて固定された床リアクター中で細胞から放出させることができ、バイオリアクターは、≦約10℃で≧60分間、<-60℃で≧15分間、<-120℃で≧1分間、または他の適する温度の組み合わせで凍結される。バイオリアクターは、例えば、それを冷凍庫に静置すること、ジャケット付冷凍、ドライアイスに浸すこと、液体窒素に浸すこと、液体窒素ガスの注入、または他のかかる方法によって凍結させることができる。バイオリアクターは、適切な方法、例えば、室温の空気への曝露、液体培地、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の添加、または当業者に公知の他のかかる方法によって融解させることができる。例えば、液体培地は、ウイルスの安定性を最適化しつつ細胞溶解を最大にするために選択される温度(例えば、≦50℃または37±3℃)でバイオリアクターに加えることができる。
必要に応じて、凍結/融解が用いられる場合、ウイルスの放出および回収は、低浸透圧ショックによって高めることができる。低浸透圧ショックは、例えば、合計イオン強度が、約0.05M以下、例えば、0.01Mまたはそれ以下、または0.001Mとなるように水溶液を、凍結/融解されたバイオリアクターに加えることによって行うことができる。ウイルスは、低浸透圧培地への曝露によって宿主細胞から放出させることができる。ある実施態様において、低浸透圧培地は、イオン強度≦50mMの水または緩衝溶液でありうる。低浸透圧条件は、バイオリアクター培地を水などの低浸透圧溶液で希釈して、最終イオン強度≦50mMとすることによって達成することができる。例えば、固定された床バイオリアクターにおいて、培地は、除去され、イオン強度≦50mMの低浸透圧培地で置換されうる。ある実施態様において、低浸透圧培地は、攪拌されるか、または循環されうる。
必要に応じて、ウイルスの放出および回収は、凍結/融解および/または低浸透圧ショックの間もしくは後、あるいは適切な緩衝液中の後に、DNアーゼおよび/またはRNアーゼ活性を有する酵素による処理によって高めることができる。ヌクレアーゼの例は、商品名ベンゾナーゼ(登録商標)エンドヌクレアーゼとして販売されているエンドヌクレアーゼ、またはDNアーゼおよび/またはRNアーゼ活性を有する他の酵素である。内在性または熱変性DNAおよびRNAを消化するベンゾナーゼ(登録商標)ヌクレアーゼ(Milliporeから販売;例えば、Franke et al., (1998) FEBS Letters 425: 517-522を参照のこと)は、Serratia marcescensに由来する遺伝学的に操作されたエンドヌクレアーゼである。これは、Serratiaヌクレアーゼとして当業者に公知であり、2つの必要なジスルフィド結合を有する30kDaサブユニットのタンパク質二量体である。
宿主細胞からウイルスを放出させるための条件は、ウイルスの安定性を最適化しつつ細胞溶解を最大にするように選択することができる。例えば、温度は、≦50℃であり;pHは、≧4および≦10であり;および/または充填床型バイオリアクターによる直線流速は、≧2cm/秒でありうる。
ウイルスは、界面活性剤を含む培地への曝露により宿主細胞から放出させることができる。界面活性剤は、イオン性、陽イオン性、または陰イオン性でありうる。界面活性剤の濃度は、例えば、≦1%でありうる。
凍結/融解による処理、適宜、低浸透圧培地による処理、および他のこのような処理の後、細胞は、上記に記載されるようなプロテアーゼで処理される。ウイルスは、1つまたはそれ以上の酵素による消化によって宿主細胞から放出させることができる。細胞は、選択される消化酵素に最適なイオン強度およびpHを有する消化培地に曝露される。例示の消化培地として、pH≦8、例えば、7~8の中性pH、例えば、pH4で緩衝化され、例えば、PBSでありうる。消化培地は、ナトリウム塩;および/またはマグネシウム塩を含む。消化酵素は、上記に記載されるプロテアーゼ、例えば、トリプシンまたは組換えトリプシン(TrypLE)でありうる。プロテアーゼ処理は、ベンゾナーゼ(登録商標)として販売されるSerratia marcescensに由来するエンドヌクレアーゼなどのヌクレアーゼと組み合わせて、または置換されて有効でありうる。消化は、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼを連続して、または組み合わせて用いることができる。消化温度は、酵素消化を最適化し、ウイルスの安定性を最適化するように設定することができる(例えば、37℃)。消化時間は、酵素消化を最適化し、ウイルスの安定性を最適化するように設定することができる(例えば、≧1時間)。ウイルスは、消化培地を除去し、そこから得られるウイルスを精製することによって収集することができる。
放出されたウイルスは、ウイルス回収および/またはウイルス安定性を最適化するために選択される培地ですすぐことができる。例えば、培地をすすぐのは、水であり;低いイオン強度の緩衝液であり;高いイオン強度の緩衝液であり;pH≧9を有し;および/または10mM Tris-Cl、pH9.0でありうる。
G.ウイルスを精製するための処理培地の透析濾過および限外濾過
細胞および酵素消化からのウイルスの放出後の精製プロセスは、限外濾過もしくは透析濾過またはその両方の単一(または2回)ステップである。他の精製ステップは、用いられず、または必要とされない。精製は、1日で行うことができる。従来の先行技術の精製は、典型的に、長期間にわたり行われる5~7ステップを用いる。本明細書で供される精製方法により時間およびコストの減少、ならびに高い収率のみならず、ステップの減少と時間の短縮は、処理期間の長時間で生じるウイルスの分解と不活性を減少させる。
培養培地中に放出されたウイルスは、限外濾過もしくは透析濾過またはそれらの両方によって精製される。他の精製ステップは用いられない。放出されたウイルスは、限外濾過によって精製することができる。当業者は、適当な濾過膜およびプロトコールを選択することができる。ある実施態様において、濾過培地は、不純物の除去を最適化し、ウイルスの安定性を最適化するように選択することができ;水であってもよく;緩衝溶液であってもよく;高いイオン強度であり;低いイオン強度であり;生理的なイオン強度であり;および/または動物またはヒトへの投与に適切でありうる。処理される放出されたウイルスの回収は、50%以上;70%以上;80%以上;90%以上;または95%以上でありうる。
限外濾過
ウイルスは、生物学的調製物から混入したウイルスを除去するために一般的に用いられる大きい多孔度の限外濾過膜を用いて精製することができる。このような膜は、典型的に、300,000ダルトンまたはそれ以上の分画分子量の多孔度を有し、タンパク質生成物は膜を通過する一方、ウイルスは保持される。これらの「ウイルスクリアランス」膜を反対モード(シングルパススルーモードよりむしろタンジェンシャルフローまたはクロスフロー濾過モード)で用いることにより、タンパク質、核酸、および他の不純物が除去される一方で、ウイルスを保持し、精製することができる。
例えば、限外濾過膜は、ウイルス結合を最小にし、ウイルス保持を最大にするように選択することができる。限外濾過膜は、孔を通したウイルス通過を阻止する透過カットオフの多孔度を有するものでありうる。例えば、限外濾過膜は、300~750キロダルトンの公称分画分子量または0.05~0.2μmの公称多孔度を有し;限外濾過膜には、ポリエーテルスルホン(PES)が含まれ;限外濾過膜は、例えば、平膜または中空糸膜であってもよく;限外濾過は、タンジェンシャルフローまたはクロスフロー式で行うことができ;限外濾過は、ウイルス保持を最適化し、かつウイルス安定性を最適化する条件下で行うことができ、および/または限外濾過は、≦10℃で行うことができる。
平膜フィルターおよび中空糸フィルターは、限外濾過に用いることができる。低いウイルス結合を示す物質から構成される膜は、高いウイルス回収率のために適当である。このような膜の例として、下記に限定されないが、Centramate T-シリーズカセット平膜(300kd mwco,PALL Life Sciences,Inc.)およびMidiKros中空糸膜カートリッジ(500または750kd mwco,Spectrum LaboratoriesInc.)が挙げられ、これらは全て、ポリエーテルスルホン(PES)から構成される。
透析濾過
限外濾過の後に、高いイオン強度、中和pHおよび/または低いイオン強度、高いpH濾過溶液による透析濾過を行うことができる。本明細書に記載されるように、このような方法は、溶解された細胞からウイルスの90%以上を高い純度で回収することができる。
ある実施態様において、放出されたウイルスは、透析濾過によって精製することができる。ある実施態様において、透析濾過は、ウイルス結合を最小にし、ウイルス保持を最大にするために選択される膜を用いて行うことができ;透析濾過膜は、限外濾過で用いられるものと同一であってもよく;透析濾過は、濾過培地を限外濾過の保持分に加えることによって行うことができ;ならびに/あるいは透析濾過は、保持分の体積と同様である≧5の濾過体積を加えることによって行うことができる。
ウイルスの95%が回収されうる。生じたウイルスは、目的のウイルスのいずれか、特に、ワクシニアウイルスである。ウイルスは、生物学的に活性であってもよく、細胞を感染させるために用いることができ、同種もしくは異種性遺伝子またはタンパク質を発現させるために用いることができ、および/または免疫反応を誘導するために用いることができる。
当業者は、本開示の発明の範囲と精神の範囲内において多くの改変と他の実施態様を考え出すことができる。実際、記載される材料、方法、図、実験例における変更は、開示された発明の基本的な態様を変化させることなく当業者によってなされうる。開示された実施態様のいずれもが他の開示された実施態様のいずれとも組み合わせて使用することが可能である。
H.実施例
下記の実施例は、本開示または特許請求の範囲の範囲を限定することを意図するものではなく、下記の実験が全てまたは実施した実験のみを示すものではない。用いられた数値(例えば、量、温度、および他のパラメータ)に関して正確性を確保しようとされているが、ある程度の実験誤差や偏りは考慮されるべきである。記載される方法における変更は、実験や実施例が示す基本的な態様を変更することなくなされることが理解されるべきである。
実施例1
一般的な方法
CV-1細胞の培養
これらの実験で用いられる全てのCV-1細胞は、CV-1ワーキングセルバンク(WuXi Apptec Acc#09-002346、Lot#090170885、1.0mL中で6.0x10細胞/ウイルス、凍結日2009年12月9日、継代45回)に由来した。これらの細胞をさらに増殖させ、継代55回目で凍結保存させた。これらの細胞の一定分量を、iCellis(登録商標)バイオリアクターナノ実験で用いた。CV-1細胞を、37℃の5% COインキュベーター内にてT-フラスコおよびローラーボトル中のDMEM(10% FBSを添加)で培養した。
GLV-1h68による感染
iCellis(登録商標)バイオリアクターナノ実験培養物を、LIVP株に由来する組換えワクシニアウイルスであるGLV-1h68に感染させた。GLV-1h68 P3 2-28-14を、ナノ実験1~6の感染に用い、GLV-1h68 P3 8-28-14を、ナノ実験7~11の感染に用いた。用いられた播種ウイルスの量は、感染時の細胞数、播種ウイルスの力価、および特定したMOIに基づいて算出した。
iCellis(登録商標)バイオリアクターナノバイオリアクター法
iCellis(登録商標)バイオリアクターナノバイオリアクターは、製造業者の推奨手順(「Integrity iCellis(登録商標) bioreactor Nano Bioreactor with Control System User Guide」-Document reference USG_nano_mycontrol_01, version 01, February 2014.)に従って設定し、操作した。
解析
ウイルスプラークアッセイ(VPA)をバイオリアクターで実施し、精製サンプルをGLV-1h68に感染させた。リアクター培地のサンプルを取り出し、-20℃で凍結させた。1または2個の担体を含むバイオリアクター中のマクロキャリア(マトリックス)のサンプルをバイオリアクターから取り出し、1mLの新鮮なDMEM-10% FBS培地を含む微小遠心管に入れ、-20℃で凍結させた。試験前に、培地および担体サンプルを室温または37℃で融解し、DMEM-2% FBSで希釈し、プラーク形成のためにCV-1細胞をプレーティングした。担体のトリプシン処理は、1つの担体を0.5mLの0.05% トリプシン/0.53mM EDTAまたはPBS中の1xTrypLEに入れ、37℃で60分間まで途中でボルテックスで混合しながらインキュベートすることによって行った。サンプルを、1.0mLのDMEM-10% FBSを加えて希釈した。精製サンプルを氷上で保存し、凍結することなく試験した。VPAは、24ウェルマルチウェルプレート内でCV-1細胞を用いて行った。ウイルスプラークをクリスタルバイオレット染色により視覚化した。
β-グルクロニダーゼアッセイ(GUS-A)を、リアクター培地およびマクロキャリアのサンプルを用いて行い、DMEM-2% FBSで希釈し、試験した。蛍光発生基質Cl-MUGlcU(保存溶液:DMSO中で36.5mM)を、2% FBSを含むリン酸緩衝生理食塩水溶液からなるアッセイ緩衝液中で用いた。アッセイを96ウェルマルチウェルプレート内で行い、SoftMaxPro v5.4.4ソフトウェアを用いてSpectraMax(登録商標)M5プレートリーダーで読み取った。
タンパク質およびDNA含有量は、それぞれ、Quant-iT タンパク質アッセイキット(インビトロジェン)およびQuant-iT dsDNAアッセイキット(高感受性、インビトロジェン)を用いて測定した。アッセイを96ウェルマルチウェルプレートで行い、SoftMaxPro v5.4.4ソフトウェアを用いてSpectraMax(登録商標)M5プレートリーダーで読み取った。
実施例2
iCellis(登録商標)バイオリアクターナノバイオリアクターにおけるCV-1細胞培養プロセスの開発
全ての実験の播種密度は、4.5x10細胞/cmであり、ローラーボトル中のCV-1細胞の播種密度と一致した。感染のための目標細胞密度は、1.0~2.0x10細胞/cmであった。
培養の進行は、バイオリアクターを無菌的に開け、担体を培養プロセス間の異なる時点で取り出すことによって測定した。担体に接着した細胞を溶解し、細胞核を、血球計数器を用いてカウントした。細胞はまた、クリスタルバイオレット染色によって担体を顕微鏡で視覚化した。実験6の染色された担体の顕微鏡画像を図2に示す。細胞播種前、担体繊維は、直径が均一に見え、評価可能な染色がなかった。担体の播種後、各繊維および繊維束間の空間内に接着した染色物質が蓄積しているように見えた。染色物質は、細胞が増殖したため、繊維に接着した細胞および相互に接着した細胞を構成した。GLV-1h68による感染後、担体を微小蛍光顕微鏡で画像化して、GFP発現の量と分布を評価した。図3は、感染前、感染24時間後、および収集後における担体を示す。感染24時間後に繊維に均一に結合した強い緑色GFP蛍光が明確に示された。より高い拡大図において、各蛍光中心は、細胞の位置に相当する繊維上で観察された。蛍光は大きく減少した。
感染中と感染後において、ウイルス増幅の量および細胞と培養培地間との間のウイルスの分布を調べるためにウイルス力価を評価した。担体をリアクターからサンプル採取し、VPAによるアッセイのために新鮮な培養培地中で凍結/融解を行った。リアクターからの培養培地を同時にサンプル採取し、そのままVPAによりアッセイした。ウイルス量は、PFU/表面積cm、PFU/細胞(感染時に調べた細胞数)、またはリアクター中の総PFU(担体結合または培地中のいずれか)として表した。
ナノ実験1
リアクターに、CV-1細胞を4.5x10細胞/cmで継代71にて24時間播種し、3.4x10細胞/cmでバイオリアクターに接着させた(76%)。培養の攪拌速度は、細胞播種中に1.6cm/秒の直線流速を作り出すように設定し、10日間で2.5cm/秒まで上げた。流速を10日目で1.6cm/秒、14日目で1.0cm/秒、および16日目で0.5cm/秒まで減少させた。培養培地体積は、播種後に600mLから762mL、3日目に2286mLまで増加させた。前記培地を3、6、10、14、および16日目に交換した。21日目、前記培地に、GLV-1h68を600mLのDMEM-2% FBS培地中で0.07のMOI(1.12x10pfu)にて感染させた。流速を0.5cm/秒で維持した。前記培地を感染72時間後に収集した。同時に、CV-1細胞をローラーボトルに播種し、定期的に細胞をカウントした。ローラーボトルは、培養培地を交換することなく標準的な研究室条件下で培養した。図6は、培養の細胞密度プロファイルを示す。
前記結果により、iCellis(登録商標)バイオリアクターに播種したCV-1細胞は、ローラーボトル対照と適正な同等の増殖相を通して増殖したことが示された。リアクター中のCV-1培養は、目標の1.6x10細胞/cm(約2倍の集団細胞倍加)に達し、このことは、前記バイオリアクターが、この密度までの細胞の増殖を支持できたことを示す。攪拌速度の変化や培養培地の変化は、細胞の全体の増殖速度にあまり影響を与えなかった。増殖相の間、培養培地が濁ってきたことが観察され、このことは、リアクターから細胞が剥離した可能性を示す。攪拌を小さくするとこれが減少した。
21日目におけるGLV-1h68による培養物の感染は、感染後1日目で明らかなウイルス力価の迅速な増加を生じ、2日目で最大に達した。72時間の増殖相を通して、ウイルスは、担体(すなわち、細胞)に接着し、培地中の遊離をほとんど検出されなかった。感染後の一定期間に担体上の細胞数の減少があったが、この減少は、培地中のウイルス力価の増加に対応するものではなかった。感染後1日目、培養物はpH6.2に酸性になり、培地は濁り、細胞密度は減少した。これに対抗するために、アルカリポンプを用いて水酸化ナトリウム溶液をバイオリアクターに送達させた。これは、全ての後のバイオリアクター実験で使用した。
ナノ実験2
ナノ実験2は、細胞播種直後の流速を減少させることによって行った。リアクターに、継代76のCV-1細胞を、600mLの培地中に1.6cm/秒の直線流速にて4.5x10細胞/cmで播種した。1時間後、培養培地の体積を1342mLに増加させ、直線流速を2.5cm/秒まで上げた。24時間後、接着した細胞密度は、3.5x10細胞/cmであった(78%)。1日目、培養培地の体積を2286mLに増加させ、流速を0.5cm/秒に減少させ、維持した。培養培地は、5日目に交換した。
10日目、1.7x10細胞/cmに達した(2倍以上の集団細胞倍加)。培養物を、0.1のMOI(1.48x10pfu)にてGLV-1h68で感染させ、流速を感染後3日間で0まで減少させた。ウイルスレベルは、担体上および培地中の両方においてバイオリアクター内で最初の感染レベル以下に急速に減少した。直線流速を、感染後4~8日目で戻し、栄養を細胞に循環させるために非常に低いレベル(0.3cm/秒まで)までとしたが、バイオリアクター中のウイルスレベルは低いままであった。バイオリアクター中での効率的なウイルス感染と拡散は、培地の循環により攪拌させることにより達成され、それゆえ、後の実験では、0.5~2.5cm/秒の直線流速で行った。
ナノ実験3
ナノ実験3は、1日目の後の直線流速を0.44cm/秒に減少させたことを除いて、実験2を繰り返した。リアクターに、継代78のCV-1細胞を4.5x10細胞/cmで播種し、24時間後、3.9x10細胞/cmで接着させた(87%の播種効率)。
10日目、細胞密度は、1.7x10細胞/cmに達した。11日目、培養物を0.1のMOI(1.74x10pfu)にてGLV-1h68で感染させた。流速を0.5cm/秒に増加させ、維持した。ウイルスは担体上ですぐに増加したが、培養培地中のウイルスは低いままだった。ウイルス増幅を感染後8日目まで意図的に拡大させて、全体の増幅ファイルを試験した。ウイルスは感染後2日目で増加し、6日目まで比較的安定したままであり、7日目と8日目に顕著に減少した。前記減少は、培養培地におけるウイルスの増加に対応していなかった。
ナノ実験4
ナノ実験4では、リアクターに、継代81のCV-1細胞を4.5x10細胞/cmで24時間播種し、細胞密度は4.5x10細胞/cm(100%の播種効率)であった。24時間後、流速を0.44cm/秒に設定し、培地体積を2286mLに増加させた。7日目に1回培地を交換した。10日目、流速を1.5cm/秒に増加させ、維持した。
この実験では、細胞密度は、バイオリアクター中で8~10日目まで着実に増加した。11日目、直線流速を1.5cm/秒に増加させ、細胞増殖を再開させ、12日目に1.9x10細胞/cmの最大細胞密度に達した(2倍以上の集団細胞倍加)。
14日目におけるバイオリアクターの感染(MOI=0.13、1.72x10pfu)は、感染後1日目において最大ウイルス増幅を生じた。ウイルスは、ほぼ独占的に担体に結合した。ウイルスは、培養培地中のウイルスにおける上昇に対応して感染後4日目および5日目に担体上で減少した。
ナノ実験5
ナノ実験5では、継代58のCV-1細胞を凍結保存からそのまま使用した。細胞は、以前の実験で使用したCV-1細胞と同一のワーキングセルバンクから増殖させた。
ナノ実験5では、4.5x10細胞/cmで24時間播種し、4.7x10細胞/cmを接着させた(104%の播種効率)。培養培地の体積を2286mLまで増加させ、直線流速を0.44cm/秒に設定した。4日目で1回培養培地を交換し、9日目に流速を0.9cm/秒に上げた。
この実験では、細胞密度は、7日目に最大1.0x10細胞/cm(約1.5倍の集団細胞倍加)に達し、その後減少した。9日目での流速の増加は、増殖速度を高めると認識できなかった。培養物を、12日目に0.1のMOI(8.26x10pfu)にてGLV-1h68で感染させ、流速を2.5cm/秒に上げた。ウイルスは感染後1日目に蓄積したが、その後減少した。ウイルスは、ほぼ独占的に担体に結合し、培養培地中のウイルスの増加は認識できなかった。
ナノ実験6
ナノ実験6は、継代62のCV-1細胞で行い、実験5で用いた細胞の継代を続けた。流速を播種24時間後に0.44cm/秒まで減少させた後、増殖相の間変化させず、6日目まで培養培地を1回交換しなかったことを除き、実験5の方法を繰り返した。前記リアクターに、4.5x10細胞/cmで24時間播種し、5.3x10細胞/cmをリアクターに接着させた(118%の播種効率)。
この実験では、1.5x10細胞/cmを11日目で達成した(2倍の集団細胞倍加)。培養物を12日目にGLV-1h68で感染させ(MOI=0.1、1.40x10pfu)、わずかなウイルス増幅が感染後3日目までに検出され、さらなるピークが感染後6日目で生じた。再度、非常に少ないウイルスが培養培地で検出された。
ナノ実験1~6におけるCV-1細胞増殖相の解析
CV-1細胞の増殖をナノ実験2~6について試験した。各増殖曲線を図12に示す。
5つの実験についての増殖データを合わせ、全体の増殖曲線を作成した。図13は、0.005の時間依存性係数を用いて指数方程式に当てはめたデータを示す。バイオリアクター中で増殖させたCV-1細胞の増殖曲線方程式から算出した集団倍加時間(PDT)は、140時間であった。
実験2~6からの増殖データが播種150時間後で切れている場合、PDTは99時間であった。
ナノ実験1~6におけるGLV-1h68感染相の解析
感染後24~48時間以内において、バイオリアクター中の細胞密度は、減少し、感染期間を通して減少し続けた。感染後24時間で培養物の突然の酸化が生じた実験1を除いて、pHを適正に調節したバイオリアクター実験のいずれにおいても大規模な細胞溶解は示されなかった。実験6を除いて、感染後24時間で減少は示されなかった。
iCellis(登録商標)バイオリアクターにおけるウイルス生成は、感染後24時間ごとにリアクターから担体および培地をサンプル採取することによって評価した。培地のウイルス力価は、ウイルスプラークアッセイ(VPA)によって直接測定したが、担体は、新たな培地中で凍結/融解にかけ、次いで滴定した。前記結果により、ウイルスは、感染後72時間までにバイオリアクターに蓄積し、その後減少したことが示された。この解析に基づくと、バイオリアクターからのウイルス収集の標的とする時間は、感染後72時間であった。
iCellis(登録商標)バイオリアクターにおけるGLV-1h68生成
3つの連続バイオリアクターを実施した(ナノ実験7、8、および9)。実験7および8では、後の直線継代(linear passage)であるが同一のワーキングセルバンク(WCB)ストックバイアルから連続増殖させたCV-1細胞に由来した。実験9では、同一のWCBであるが異なるバイアルから増殖させた。実験7、8、および9はまた、増殖相中の直線流速(それぞれ、0.44、0.56、および0.67cm/秒)がわずかに異なった。実験7、8、および9の細胞増殖は、感染前のわずかに異なる終点(それぞれ、1.6x10、1.8x10、1.5x10細胞/cm)で進めた。実験7、8、および9は、GLV-1h68感染をMOI0.2で行い(ナノ実験7、8、および9について、それぞれ3.1x10、3.7x10、および3.1x10pfu)、感染後72時間増殖させた点で以前のナノ実験1~6とは異なった。最終的に、担体のサンプル採取は、培養の妨げを最小とし、バイオリアクターからの担体の欠乏を減らすために最小とした。
バイオリアクター実験7、8、および9におけるCV-1細胞の増殖特徴を図28に示す。前記リアクターにそれぞれ4.5x10細胞/cmで播種した。実験7、8、および9の細胞は、それぞれ継代65、77、および59であった。24時間後、実験7は、4.6x10細胞/cm(102%の播種効率)となり、実験8は、5.8x10細胞/cm(127%の播種効率)となり、実験9は、4.4x10細胞/cm(98%の播種効率)となった。実験8の増殖速度は、実験7および9より高かった。実験8は、計画していた培地交換より前の8日目に1.8x10細胞/cmの感染密度に達し、それゆえ培養培地を交換しなかった。実験7および9の培養培地は、それぞれ10日目と12日目に交換した。実験7および9では、それぞれ、13日目に1.6x10細胞/cmおよび15日目に1.5x10細胞/cmの感染密度を達成した。実験8の算出した集団倍加時間(PDT)は、87時間であった。
実施例3
バイオリアクター担体からウイルスを抽出するための方法の開発
様々なウイルス抽出方法の収集された結果から、前記方法が結果に大きく影響を及ぼしたことが示された(図24)。抽出方法を変えることによりウイルス収集効率にほぼ60倍の差異が生じた。担体からのウイルス抽出における時間、温度、および攪拌の効果を評価した。細胞を1mM Tris(pH9.0)を用いて低浸透圧ショックおよび凍結/融解により溶解させた場合、ウイルス収率は、約3PFU/細胞程度だった。担体上の細胞の顕微鏡検査により、細胞は溶解されたが、ウイルスは放出されなかったことが示された。ウイルスは、担体の表面に結合したことにより直接的に、または細胞構成物質に結合したことにより間接的に担体に結合したままであった。処理後の染色された担体の顕微鏡検査により、大半の細胞破片が担体上に残存したことが示された。
トリプシン処理を、低浸透圧ショックによる溶解を経たバイオリアクター担体(溶解後担体)からのウイルスの抽出について検証した。トライアル1は、PBS、トリプシン/EDTA(ブタトリプシン)、TrypLE(組換えトリプシン)、または水のいずれかの抽出培地の効果を比較した。さらに、凍結/融解および超音波処理の効果を評価した。前記結果により、各抽出方法は成功し、最も効率的な抽出は、TrypLEで得られ、凍結/融解のみまたは凍結/融解および超音波処理を加えるとさらに利益的であることが示された。ウイルス抽出は、7.2PFU/細胞であった。凍結/融解および超音波処理を用いて3.3PFU/細胞をPBS中に抽出させた。トライアル2では、TrypLEと凍結/融解および超音波処理の有無で比較を繰り返した。TrypLEと凍結/融解および超音波処理とでは、7.0PFU/細胞が抽出された。
トライアル3では、溶解前の溶解なしのバイオリアクター担体(溶解前担体)の抽出について、トリプシン/EDTA、TrypLE、および1mm Tris(pH9.0)を、凍結/融解および超音波処理の有無で比較した。TrypLEと凍結/融解および超音波処理とでは、9.1PFU/細胞が抽出された。
溶解させなかったが、凍結させ、融解させた感染後24、48、および72時間(hpi)でバイオリアクターから得られた担体で評価を繰り返した。トライアル4は、PBS、トリプシン/EDTA、およびTrypLEと凍結/融解と超音波処理の有無で72hpi担体の抽出を比較した(図25)。トリプシン/EDTAでは、19PFU/細胞が生じ、TrypLEでは、60PFU/細胞が生じた。これらの結果全ては、抽出後の担体の凍結/融解および超音波処理で得た。凍結/融解のみとともに、PBSでは、2.7PFU/細胞が生じ、トリプシン/EDTAでは、17.5PFU/細胞が生じ、TrypLEでは、40.4PFU/細胞が生じた。トライアル4で用いた担体を同一条件で2回抽出した。この場合、TrypLE、TrypLEと凍結/融解、およびTrypLEと凍結/融解と超音波処理とのそれぞれで1.3PFU/細胞未満が抽出された。
48hpiでサンプル採取した担体の抽出では、72hpi担体より少ないウイルスが生じた。TrypLEのみ、TrypLEと凍結/融解、およびTrypLEと凍結/融解と超音波処理では、それぞれ12.2、25.1、および22.1PFU/細胞が抽出された。24時間でサンプル採取した担体では、3つの方法において、それぞれ13.7、18.3、および19.8PFU/細胞が抽出された。
公知の力価のウイルス一定分量を、TrypLE中において21℃または37℃で5、10、15、30、45、または60分間インキュベートした。いずれの温度でもウイルス力価の大幅な減少はなかった。いずれの場合でも、ウイルス力価は、TrypLEによるインキュベーションで増加した。
実施例4
ウイルス感染、増幅、および収集
リアクター担体と収集溶液との接触の増加は、時間または体積の増加によって達成した。
実験7、8、および9では、細胞の迅速で効率的な感染を達成するために、GLV-1h68を0.2のMOIで600mLの感染培地に感染させた。増殖期を3つ全ての実験について72時間に設定した。その結果として、感染直後の細胞密度の急速な減少によって示されるように達成された(図27)。感染72時間後、リアクターから培地を流し出し、PBSですすぐことによって収集した。実験7のバイオリアクターはすぐに収集した。実験8および9のバイオリアクターは凍結し、後に処理した。TrypLE溶液をPBS中で前記リアクターに加え、攪拌により循環させた。収集体積を採取し、該リアクターをさらなる量ですすいだ。収集した体積とすすいだ体積をサンプル採取し、VPAによりウイルス含量を分析した。
実験7では、300mLの1xTrypLEで21℃にて45分間処理し、次いで300または500mLの10mM Tris-HCL(pH9.0)で9回連続すすぐことによって収集した。該リアクターは収集前に凍結しなかった。収集およびすすいだフラクションのウイルス含量の分析により、ウイルスが前記プロセスを通して連続してバイオリアクターから収集されたことが示された。3回目にすすいだフラクションが最大ウイルス含量であり、収集された総ウイルスの16%のみであった。実際、最後にすすいだフラクションでも、収集された総ウイルスの4%もあった。1.3x1010pfuのGLV-1h68を回収した。
表1:ナノ実験7のウイルス収集
Figure 2023544184000003
実験8は、バイオリアクターの凍結/融解後に収集した。TrypLE(10xTrypLEをPBS中で300mLまで希釈することにより調製)で21℃にて45分間処理し、続いて各300mLの10mM Tris-HCL(pH9.0)で10回連続してすすいだ。最初の5回のすすぎは、連続した最大攪拌で行い、残りのすすぎは、複数回の断続したバースト攪拌を用いた。実験7と比較して、2回目にすすいだフラクションは最大ウイルス含量であり、収集した総ウイルスの20%であった。連続してすすいだフラクションは評価可能なウイルスであり、最後にすすいだフラクションでもまだ収集した総ウイルスの5%であった。収集した総ウイルスは、1.7x1010pfuのGLV-1h68であった。
表2:ナノ実験8のウイルス収集
Figure 2023544184000004
実験9では、収集は、500mLのTrypLE(10xTrypLEをPBS中で希釈することにより調製)で37℃にて60分間による凍結/融解、続いて各500mLの10mM Tris-HCL(pH9.0)による2回のすすぎ、PBSによる2回のすすぎ、最後に1M NaClを含むPBSによる2回のすすぎ後に行った。全体を通して最大の連続攪拌を用いた。10mM Tris-HCl(pH9.0)による2回目にすすいだフラクションは再び最大ウイルス含量を含んでいたが、その合計収集物の相対収率は以前の収集率より高かった(32%)。また、TrypLE収集フラクションおよび1回目のすすいだフラクションは、ウイルスを顕著に含んでいた(それぞれ27および29%)。その後のPBSによるすすぎでは、ウイルス含量が低く(9.4および1.9%)、1M NaClを含むPBSによる最後のすすぎでは、ウイルス含量が顕著に低かった(0.5および0.2%)。実験9から収集した総ウイルスは、7.3x1010PFUであった。
ウイルス収集の合計体積を減少させることは、下流の処理工程を容易にしうる。よって、各ステップにおけるウイルス放出の効率を改善することは、有益である。
担体は、収集後にバイオリアクターからサンプル採取し、抽出し、VPAにより試験した。担体には、4.9x10PFU/担体が含まれ、914個の担体を含む収集時におけるバイオリアクター全体については、4.5x10PFUまたは収集した総ウイルスの6%の残存する収集後のウイルス含量が示された。よって、収集工程中のウイルスの回収率は、少なくとも94%と評価した。1.5x10細胞が感染時のバイオリアクターに含まれていた。それゆえ、具体的なウイルス生産性は、[7.3x1010+(7.3x1010x0.06)]PFU/1.5x10細胞=52PFU/細胞であった
表3:ナノ実験9のウイルス収集
Figure 2023544184000005
実施例5
iCellis(登録商標)バイオリアクター収集からのGLV-1h68の精製
5つのバイオリアクター(ナノ実験7、8、9、10、および11)を、タンジェンシャルフロー(すなわち、クロスフロー)式の限外濾過を用いたウイルス精製プロセスを評価するために稼働した。ナノ実験7のウイルス収集物(合計3,500mL)を一定分量において-20℃で凍結した。各実験について、ウイルス収集物の一定分量を使用直前に4℃および/または室温で溶解させた。他の実験においては、ウイルス収集物を凍結前に凍結することなくUF/DFによりそのまま精製した。
Centramate LV300キロダルトンカットオフ(kdco)フィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験8ウイルス収集物
ウイルスは、ナノ実験8バイオリアクター中の3.5Lから収集した。限外濾過は、保持体積が900mLに減少するまで、Centramate LV300kdcoフィルターを9.1L/分/Mの開始流速で用いて行った。保持物を-20℃で終夜保存した。UFを保持体積が500mLに減少するまで再開した。透析濾過は、7連続透析体積のPBSを加えて行った。最終的な保持物とフィルター洗浄物を合わせて合計300mLであった。サンプルのウイルス力価をVPAによって調べ、タンパク質およびDNA含有量をタンパク質およびDNAアッセイによって調べた。
前記結果により、限外濾過後のウイルス回収率が80%であり、透析濾過後は36%であることが示された。UF保持物のタンパク質含有量は、21.3mg/10pfuであり、DNA含有量は、455μg/10pfuであった。透析濾過後、DF保持物のタンパク質含有量は、9.0mg/10pfuに減少し(2.4倍の減少)、DNA含有量は、17μg/10pfuに減少した(26倍)。
表4:Centramate LV300kdcoフィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験8ウイルス収集物
Figure 2023544184000006
表5:Centramate LV300kdcoフィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験8ウイルス収集物のタンパク質およびDNA分析
Figure 2023544184000007
Centramate LV300kdcoフィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験7ウイルス取集物
ナノ実験7バイオリアクターのウイルス収集物の一定分量(1000mL)を、Centramate LV300kdcoフィルターを用いて濃縮した。次いで、UF保持物(200mL)を、10倍体積(2000mL)のPBSに対して最初に透析濾過し、続いて、低イオン強度および高pH緩衝液(10mM Tris-CL(pH9.0))の10倍体積(2000mL)に対して行った。
1000mL~200mLのウイルス収集物の最初の濃縮後のウイルス回収率は、67%であった。PBSに対する透析濾過後、ウイルス回収率は、16%であった。10mM Tris-CL(pH9.0)に対する次の透析濾過後、ウイルス回収率は、81%となった。
表6:Centramate LV300kdcoフィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験7ウイルス収集物
Figure 2023544184000008
検出されなかった。
Centramate LV300kdcoフィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験9ウイルス収集物
ウイルスは、3.5Lでナノ実験9バイオリアクターから収集した。限外濾過は、Centramate LV300kdcoフィルターを最初の流速4.4L/分/Mで用いて保持体積が200mLに減少するまで行った。透析濾過を、5連続透析体積のPBS(各200mL)を加えて行い、続いて5連続透析体積の10mM Tris-CL(pH9.0)(各200mL)を加えて行った。UFおよびDF保持および透過フラクションのサンプルを、VPAによりウイルス力価、ならびにタンパク質およびDNAアッセイによりタンパク質およびDNA含有量について試験した。
前記結果は、限外濾過後の保持物中のウイルス回収率が88%であり、PBSに対する透析濾過後が67%であったことを示す。10mM Tris-Cl(pH9.0)に対する透析濾過後、保持フラクション中の回収率は、107%であった。UF保持物中のタンパク質含有量は、1.3mg/10pfuであり、DNA含有量は、20μg/10pfuであった。透析濾過後、DF保持物のタンパク質含有量は0.6mg/10pfuに減少し(1.4倍の減少)、DNA含有量は16μg/10pfuに減少した(0.8倍)。
表7:Centramate LV300kdcoフィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験9ウイルス収集
Figure 2023544184000009
表8:Centramate LV300kdcoフィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験9ウイルスのタンパク質およびDNA分析
Figure 2023544184000010
MidiKros中空糸フィルターカートリッジを用いたUF/DFによるウイルス収集精製
Centramate LVは、平膜フィルターを用いる。MidiKrosフィルターは、500kdcoおよび750kdcoの多孔度を有する中空糸から構成されたカートリッジである。ウイルス収集物のUF/DF精製をこれらのフィルターカートリッジを用いて測定してフィルター幾何学と多孔度の増加の効果を調べた。-20℃で保存していたナノ実験7からのウイルス収集物の一定分量を融解し、UF/DF精製に用いた。MidiKros 500kdco中空糸フィルターを用いて500mLのウイルス収集物を100mLの体積まで濃縮し、次いで10透析体積の10mM Tris-Cl(pH9.0)(CFF12)に対して透析濾過を行った。出発物質のサンプル、UFおよびDF透過および保持フラクションを、VPAによる力価ならびにタンパク質およびDNA含有量について試験した。前記結果は、UF後に79%およびDF後に68%のウイルス回収率を示した。ウイルスは、UFまたはDF中のいずれの透過フラクションでも検出されなかった。同様に、500mLのウイルス収集物を、MidiKros 750kdco中空糸フィルター(CFF13)を用いてUF/DFにより精製した。ウイルス回収率は、UF後に66%であり、DF後に43%であった。出発物質のタンパク質およびDNA含有量は、それぞれ5.1mg/10pfuおよび400μg/10pfuであった。UF/DF後、MidiKros 500kdcoフィルターの保持物のタンパク質およびDNA含有量は、それぞれ1.3mg/10pfuおよび90μg/10pfuであった(それぞれ4.0倍および4.5倍の減少)。UF/DF後、MidiKros 750kdcoフィルターの保持物のタンパク質およびDNA含有量は、それぞれ1.9mg/10pfuおよび63μg/10pfuであった(それぞれ2.7倍および6.4倍の減少)。
表9:MidiKros500kdco中空糸フィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験7ウイルス収集物
Figure 2023544184000011
検出されなかった。
表10:MidiKros 750kdco中空糸フィルターを用いてUF/DF精製したナノ実験7ウイルス収集物
Figure 2023544184000012
検出されなかった。
表11:MidiKros 500kdcoおよび750kdco中空糸フィルターをUF/DF精製したナノ実験7ウイルス収集物のタンパク質およびDNA分析
Figure 2023544184000013
MidiKros 750kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験10ウイルス収集物
ナノ実験10からのウイルス収集物を、MidiKros 750kdco中空糸フィルターカートリッジを用いてUF/DFにより精製した。3.5Lのウイルス収集物を限外濾過により200mLまで濃縮し、続いて10透析体積の10mM Tris-Cl(pH9.0)(各200mL)に対して透析濾過を行った。透過および保持フラクションのサンプルを、VPAによるウイルス力価ならびにタンパク質およびDNA含有量について試験した。UF濃縮後のウイルス回収率は、112%であり、透析濾過後は、97%であった。UF出発物質のタンパク質含有量は、4.0mg/10pfuであり、DNA含有量は、166μg/10pfuであった。透析濾過後、保持物は、1.0mg/10pfu(出発物質に対して4倍の減少)であり、DNA含有量は、15μg/10pfu(出発物質に対して11.1倍の減少)であった。
表12:MidiKros 750kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験10ウイルス収集物
Figure 2023544184000014
検出されなかった。
表13:MidiKros 750kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験10ウイルス収集物のタンパク質およびDNA分析
Figure 2023544184000015
MidiKros 500kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験11ウイルス収集物
ナノ実験11からのウイルス収集物を、MidiKros 500kdco中空糸フィルターカートリッジを用いてUF/DFにより精製した。2.5Lのウイルス収集物を、限外濾過により200mLまで濃縮し、続いて10透析体積の10mM Tris-Cl(pH9.0)(各200mL)に対して透析濾過を行った。透過および保持フラクションのサンプルを、VPAによるウイルス力価ならびにタンパク質およびDNA含有量について試験した。UF濃縮後のウイルス回収率は、147%であり、透析濾過後は、105%であった。UF出発物質のタンパク質含有量は、5.1mg/10pfuであり、DNA含有量は、166μg/10pfuであった。限外濾過濃縮後、保持物は、1.1mg/10pfu(出発物質に対して4.9倍の減少)であり、DNA含有量は、22μg/10pfu(出発物質に対して7.4倍の減少)であった。透析濾過後、保持物は、1.4mg/10pfu(出発物質に対して3.8倍の減少)であり、DNA含有量は、25μg/10pfu(出発物質に対して6.5倍の減少)であった。
表14:MidiKros 500kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験11ウイルス収集物
Figure 2023544184000016
検出されなかった。
表15:MidiKros 500kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験11ウイルス収集物のタンパク質およびDNA分析
Figure 2023544184000017
MidiKros 500kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験12ウイルス収集物
ウイルスは、500mLの10mM Tris-HCl、2mM MgCl(pH9.0)を加えることにより凍結させたバイオリアクターを融解させることによってナノ実験12から収集した。ベンゾナーゼ(登録商標)(組換えベンゾナーゼ(登録商標)、Speed BioSystems,Inc.)を100U/mLで加え、攪拌しながら37℃で60分間インキュベートした。ベンゾナーゼ(登録商標)ヌクレアーゼ消化培地を除去し、500mLのPBS(1xTrypLEを含有する)で置き換え、攪拌しながら37℃で60分間さらにインキュベートした。TrypLE収集培地を除去し、該バイオリアクターを、500mLの10mM Tris-HCl(pH9.0)で37℃にて10分間攪拌しながら流出をそれぞれ2回行った。該TrypLE収集物および2回の流出物をウイルス収集物として合わせた(1.5L)。VPAによるウイルス力価の分析により、TrypLEウイルス収集フラクションがウイルスの80.1%を含み、最初の10mM Tris-HCl流出物が16.3%を含み、2回目の流出物が2.4%を含むことが示された。よって、ウイルスの98.8%が、バイオリアクターから放出され、ウイルス収集物中に採取された。ベンゾナーゼ(登録商標)ヌクレアーゼ消化フラクションは、ウイルスの0.4%を含有し、収集後のマクロキャリアは、0.1%未満を含有した。
ウイルス収集物を、MidiKros 500kdco中空糸フィルターカートリッジを用いてUF/DFにより精製した。1.5Lのウイルス収集物を、限外濾過により200mLまで濃縮し、続いて10透析体積の10mM Tris-Cl(pH9.0)(各200mL)に対して透析濾過を行った。透過および保持フラクションのサンプルを、VPAによるウイルス力価ならびにタンパク質およびDNA含有量について試験した。UF濃縮後のウイルス回収率は、45%であり、透析濾過後は、123%であった。UF出発物質のタンパク質含有量は、4.3mg/10pfuであり、DNA含有量は、38μg/10pfuであった。限外濾過濃縮後、保持物は、4.0mg/10pfu(出発物質に対して1.1倍の減少)であり、DNA含有量は、5μg/10pfu(出発物質に対して8.7倍の減少)であった。透析濾過後、保持物は、1.6mg/10pfu(出発物質に対して2.7倍の減少)であり、DNA含有量は、1μg/10pfu(出発物質に対して42倍の減少)であった。
表16:MidiKros 500kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験12ウイルス収集物
Figure 2023544184000018
検出されなかった。
表17:MidiKros 500kdco中空糸フィルターを用いてUF/DFにより精製したナノ実験12ウイルス収集物のタンパク質およびDNA分析
Figure 2023544184000019
実施例6
従来の方法との比較
ウイルスを、当該技術分野で用いられるいくつかの方法によって精製し、結果を比較した。「CEF」プロセスと称される1つのプロセスは、ニワトリの卵から取得し、懸濁培養で増殖させ、ウイルスに感染させた初代細胞からウイルスを生成する。前記細胞を、遠心分離により収集し、ホモジェナイズにより溶解し、濾過により精製し、次いで2回のショ糖勾配遠心、続いて製剤化、充填/最終化する。
「プロセスA」は、ローラーボトルで増殖させ(接着培養)、ウイルスに感染させ、細胞をトリプシンで基質から解離させ、遠心分離により回収することによる連続継代性細胞株のCV-1でウイルスを生成する。細胞を凍結/融解により溶解させ、総細胞からアフィニティークロマトグラフィーによりウイルスを生成し、次いで遠心分離により濃縮し、製剤化緩衝液中に再懸濁し、充填し/最終化する。
「プロセスB」は、本明細書に記載されるプロセスである。CV-1細胞を固定床バイオリアクター中で増殖させ(接着培養)、ウイルスに感染させ、リアクターから培地を排出し、凍結させる。バイオリアクター中の溶解させた接着細胞をベンゾナーゼ(登録商標)ヌクレアーゼ、続いてトリプシンで処理してウイルスを放出させ、バイオリアクター中のマトリックスに接着した細胞破片を解離させる。ウイルスを生成し、限外濾過および透析濾過により精製し、製剤化し、充填し/最終化する。
下記の表は、様々な従来のプロセスと本明細書に記載のプロセス(「プロセスB」と称される)とのステップごとの比較を供する。本明細書で供されるプロセスは、極めて少ないステップが必要とされ、より高いウイルス収率を生じる。
表18
Figure 2023544184000020
表19(本明細書のプロセスと従来技術のプロセスAとの溶解後ステップを比較)
Figure 2023544184000021
表20(本明細書のプロセスによるより高い収率を示す)
Figure 2023544184000022
実施例7
本明細書の方法による333m iCellis(登録商標)500バイオリアクターなどのバイオリアクターにおいてワクシニアウイルスを生成するための例示の大規模プロセス
表21:
Figure 2023544184000023
***
改変は当業者にとって明らかであるため、本発明は特許請求の範囲のみによって限定されるものとされる。

Claims (49)

  1. ウイルスを生成する方法であって、
    a)ウイルスを含む宿主細胞をバイオリアクター中で培養するステップであって、前記バイオリアクターが、接着細胞を増殖させるためのマトリックスを含み:
    前記マトリックスが、生体適合性であり、細胞を捕捉する密度であるか、または細胞が接着する密度であり、これにより細胞が前記マトリックスに捕捉され、および/または接着し;
    前記マトリックスの密度が、細胞が溶解され、処理されて前記ウイルスを放出する条件下において、前記細胞が捕捉されたままであり、および/または前記マトリックスが接着したままであり、前記マトリックスを通過する処理培養培地のフローが細胞増殖に十分である、ステップ;
    b)前記マトリックスに捕捉され、および/または接着している細胞を処理して溶解させ、前記ウイルスを前記バイオリアクター中の前記処理培養培地に放出させるステップであって、前記溶解された細胞は、前記マトリックスに接着され、および/または捕捉されたままである、ステップ;次いで
    c)細胞または細胞破片を除去するために前記処理培養培地をさらに処理するなく、1または2ステップのみにおいて、放出されたウイルスを前記処理培養培地から精製するステップであって、
    前記1ステップが、限外濾過または透析濾過であり;ならびに
    前記2ステップが、限外濾過および透析濾過である、ステップ
    を含む、方法。
  2. 前記宿主細胞が、接着細胞である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バイオリアクター中の培地が、前記ウイルスを精製する前に収集され;次いで適宜保存される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ウイルスのステップc)の精製が、1日またはそれ以下で達成される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. ステップa)、b)、およびc)から必須としてなる、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. ステップa)、b)、およびc)からなる、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  7. ステップa)、b)、およびc)から必須としてなり、溶解ステップb)が、プロテアーゼおよび/またはヌクレアーゼで処理して、前記ウイルスを捕捉され、および/または接着された細胞から放出させることを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  8. ステップa)、b)、およびc)からなり、溶解ステップb)が、プロテアーゼおよび/またはヌクレアーゼで処理して、前記ウイルスを捕捉され、および/または接着された細胞から放出させることを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  9. 前記細胞が、細胞株である、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記細胞が、細胞株の接着細胞である、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記ウイルスが、治療用ウイルスである、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記ウイルスが、外被ウイルスである、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記ウイルスが、ニューカッスル病ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、粘液腫ウイルス、麻疹ウイルス、レオウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ポリオウイルス、ヘルペスウイルス、シンドビスウイルス、およびセネカバレーウイルス、ならびに異種性遺伝子産物をコードする核酸を含むように改変されたこれらの誘導物質の中から選択される、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  14. 前記ウイルスが、腫瘍溶解性ウイルスである、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記腫瘍溶解性ウイルスが、ワクシニアウイルスである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記腫瘍溶解性ワクシニアウイルスが、リスター、ウエスタンリザーブ(WR)、コペンハーゲン(Cop)、ベルン、パリ、タシュケント、天壇、ワイス(DRYVAX)、IHD-J、IHD-W、ブライトン、アンカラ、CVA382、JX-594、改変ワクシニアアンカラ(MVA)、大連I、LC16m8、LC16m0、LIVP、ACAM2000、WR65-16、コンナート、ニューヨーク市保健局(NYCBH)、EM-63、およびNYVAC株の中から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ワクシニアウイルスが、リスター株ウイルスである、請求項15に記載の方法。
  18. 前記ワクシニアウイルスが、LIVPウイルスまたはLIVPウイルスのクローン株である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ウイルスが、GLV-1h68と称されるLIVPウイルスである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記ウイルスが、異種性遺伝子産物をコードする核酸を含む改変された形態である、請求項1~19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記異種性遺伝子産物が、治療用またはレポーター遺伝子産物である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記細胞が、哺乳類細胞である、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記哺乳類細胞が、CV-1細胞である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記哺乳類細胞が、ベロ細胞である、請求項22に記載の方法。
  25. 前記哺乳類細胞が、ヒト細胞である、請求項22に記載の方法。
  26. 前記哺乳類細胞が、ヒト線維芽細胞である、請求項22に記載の方法。
  27. 前記哺乳類細胞が、ヒト上皮細胞である、請求項22に記載の方法。
  28. 前記哺乳類細胞が、ヒト内皮細胞である、請求項22に記載の方法。
  29. 前記バイオリアクターが、接着細胞が接着するマトリックスまたは表面を含む、請求項1~28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記バイオリアクター中のマトリックスが、固定されていない接着表面を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記表面が、懸濁液中のマクロキャリアビーズ、繊維、または織布メッシュである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記バイオリアクターが、固定された接着表面を含む、請求項29に記載の方法。
  33. 前記バイオリアクターが、充填床型バイオリアクターである、請求項32に記載の方法。
  34. 前記細胞を溶解させ、前記ウイルスを放出させることが、前記バイオリアクターを凍結/融解に曝露することを含む、請求項1~33のいずれかに記載の方法。
  35. 前記細胞を溶解させ、前記ウイルスを放出させることが、前記細胞を低浸透圧培地に曝露することを含む、請求項1~33のいずれかに記載の方法。
  36. 前記細胞を溶解させ、前記ウイルスを放出させることが、前記細胞を界面活性剤に曝露することを含む、請求項1~33のいずれかに記載の方法。
  37. 前記細胞を溶解させ、前記ウイルスを放出させることが、前記細胞を酵素に曝露することを含む、請求項1~33のいずれかに記載の方法。
  38. 前記酵素が、プロテアーゼである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記酵素が、ヌクレアーゼである、請求項37に記載の方法。
  40. 前記細胞を溶解させ、前記ウイルスを放出させることが、前記細胞をヌクレアーゼおよびプロテアーゼに連続して、または組み合わせて曝露することを含む、請求項37に記載の方法。
  41. 限外濾過が、300~750キロダルトンの公称分画分子量または0.05~0.2μmの公称多孔度を有する膜を用いる、請求項1~40のいずれかに記載の方法。
  42. 限外濾過が、ポリエーテルスルホンを含む膜を用いる、請求項1~41のいずれかに記載の方法。
  43. 限外濾過が、平膜を用いる、請求項1~42のいずれかに記載の方法。
  44. 限外濾過が、中空糸膜を用いる、請求項1~42のいずれかに記載の方法。
  45. 限外濾過が、タンジェンシャルフロー型で行われる、請求項1~44のいずれかに記載の方法。
  46. 限外濾過が、クロスフロー型で行われる、請求項1~44のいずれかに記載の方法。
  47. 限外濾過が、透析濾過に続いて行われる、請求項1~46のいずれかに記載の方法。
  48. 前記処理されて放出されたウイルスが、生物学的に活性である、請求項1~47のいずれかに記載の方法。
  49. 前記処理されて放出されたウイルスの回収率が、50%以上である、請求項1~48のいずれかに記載の方法。
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