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JP2023135845A - 積層型電子部品 - Google Patents

積層型電子部品 Download PDF

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JP2023135845A
JP2023135845A JP2022041141A JP2022041141A JP2023135845A JP 2023135845 A JP2023135845 A JP 2023135845A JP 2022041141 A JP2022041141 A JP 2022041141A JP 2022041141 A JP2022041141 A JP 2022041141A JP 2023135845 A JP2023135845 A JP 2023135845A
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inductor
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capacitor
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功 松本
Isao Matsumoto
祐輝 松本
Yuki Matsumoto
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Abstract

【課題】低背化が可能な積層型電子部品を実現する。【解決手段】電子部品1は、グランド用導体層611と、インダクタL11,L12と、コンデンサC11,C12と、積層体50とを備えている。インダクタL11,L12とコンデンサC11,C12は、LC共振器11,12を構成するために用いられている。LC共振器11,12は、積層方向Tにおいて、積層体50の底面50Aとグランド用導体層611との間には存在するが、積層体50の上面50Bとグランド用導体層611との間には存在しない。インダクタL11,L12は、積層方向Tにおいて、底面50AとコンデンサC11,C12との間に配置されている。【選択図】図7

Description

本発明は、LC共振器を覆うグランド用導体層を備えた積層型電子部品に関する。
近年、携帯電話機やスマートフォンに代表される小型移動体通信機器では、多機能化、小型化が進み、それに伴い、電子部品の実装の高密度化が進んでいる。その結果、小型移動体通信機器では、実装基板に実装される複数の電子部品の間隔が小さくなってきている。
複数の電子部品の間隔が小さくなると、複数の電子部品間における電磁干渉が生じやすくなる。これに対し、例えば、特許文献1には、上面側にグランド電極を設けることによって、外部からのノイズを遮断するバンドパスフィルタが開示されている。特許文献1に開示されたバンドパスフィルタは、インダクタの線路電極がグランド電極に対向するLC共振器を備えている。
特開2013-128232号公報
小型移動体通信機器に用いられる電子部品には、小型化および低背化も求められている。ここで、特許文献1に開示されたバンドパスフィルタのように、インダクタを構成するインダクタ用導体層が、グランドに接続されるグランド用導体層に対向する構造を有する電子部品を低背化する場合について考える。この場合、インダクタ用導体層とグランド用導体層との間隔を小さくすると、インダクタ用導体層とグランド用導体層との間に浮遊容量が生じ、所望の特性を得られなくなるおそれがある。そのため、上記の構造を有する電子部品では、インダクタ用導体層とグランド用導体層との間隔を小さくすることが難しく、その結果、電子部品を低背化することが難しかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、LC共振器を覆うグランド用導体層を備えた積層型電子部品であって、低背化が可能な積層型電子部品を提供することにある。
本発明の積層型電子部品は、グランドに接続されるグランド用導体層と、少なくとも1つのインダクタと、複数のコンデンサと、積層体とを備えている。積層体は、積層された複数の誘電体層を含み、被実装体に対向する第1の面と第1の面とは反対側の第2の面とを有している。積層体は、グランド用導体層、少なくとも1つのインダクタおよび複数のコンデンサを一体化するためのものである。少なくとも1つのインダクタと複数のコンデンサは、少なくとも1つのLC共振器を構成するために用いられている。少なくとも1つのLC共振器は、複数の誘電体層の積層方向において、第1の面とグランド用導体層との間には存在するが、第2の面とグランド用導体層との間には存在しない。少なくとも1つのインダクタは、積層方向において、第1の面と複数のコンデンサとの間に配置されている。
本発明の積層型電子部品において、グランド用導体層は、積層体内において第1の面よりも第2の面により近い位置に配置されていてもよい。
また、本発明の積層型電子部品は、更に、それぞれ積層体に一体化され且つグランド用導体層に対向する複数のコンデンサ用導体層を備えていてもよい。この場合、複数の誘電体層は、グランド用導体層と複数のコンデンサ用導体層との間に介在する少なくとも1つの誘電体層を含んでいてもよい。複数のコンデンサは、グランド用導体層、複数のコンデンサ用導体層および少なくとも1つの誘電体層によって構成されていてもよい。
また、本発明の積層型電子部品において、少なくとも1つのLC共振器は、複数のLC共振器であってもよい。この場合、少なくとも1つのインダクタは、複数のインダクタであってもよい。また、この場合、複数のLC共振器の各々は、複数のインダクタのうちの少なくとも1つのインダクタと、複数のコンデンサのうちの少なくとも1つのコンデンサとによって構成されていてもよい。
また、本発明の積層型電子部品において、少なくとも1つのインダクタは、第1のスルーホール列と、第2のスルーホール列と、第1のスルーホール列と第2のスルーホール列とを接続するインダクタ用導体層とを含んでいてもよい。第1のスルーホール列と第2のスルーホール列の各々は、2つ以上のスルーホールが直列に接続されることによって構成されていてもよい。この場合、インダクタ用導体層は、積層方向において、第1の面と第1および第2のスルーホール列との間に配置されていてもよい。また、この場合、インダクタ用導体層は、複数の誘電体層の各々の短手方向および長手方向の両方と非平行になるように延在する部分を含んでいてもよい。また、インダクタ用導体層は、積層方向に直交する第1の方向に延在する部分と、積層方向に直交し且つ第1の方向と交差する第2の方向に延在する部分とを含んでいてもよい。
また、本発明の積層型電子部品は、更に、第1の面に配置されたグランド端子と、積層体内においてグランド用導体層とグランドとを接続する複数のスルーホールとを備えていてもよい。
また、本発明の積層型電子部品において、第1の面と少なくとも1つのインダクタとの間には、少なくとも1つのインダクタに接続されたコンデンサが存在しなくてもよい。
本発明の積層型電子部品では、少なくとも1つのLC共振器は、複数の誘電体層の積層方向において、第1の面とグランド用導体層との間には存在するが、第2の面とグランド用導体層との間には存在しない。少なくとも1つのインダクタは、積層方向において、第1の面と複数のコンデンサとの間に配置されている。これにより、本発明によれば、低背化が可能な積層型電子部品を実現することができるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品の回路構成を示す回路図である。 本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品の積層体における1層目ないし3層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品の積層体における4層目ないし6層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品の積層体における7層目ないし9層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品の積層体における10層目ないし12層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品の積層体の内部を示す斜視図である。 比較例の積層型電子部品の積層体における1層目ないし3層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 比較例の積層型電子部品の積層体における4層目ないし6層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 比較例の積層型電子部品の積層体における7層目ないし9層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 比較例の積層型電子部品の積層体における10層目ないし12層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。 比較例の積層型電子部品の積層体の内部を示す斜視図である。 比較例のモデルの通過減衰特性および反射減衰特性を示す特性図である。 実施例のモデルの通過減衰特性および反射減衰特性を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る積層型電子部品(以下、単に電子部品と記す。)1の構成の概略について説明する。図1には、電子部品1の例として、バンドパスフィルタを示している。電子部品1は、少なくとも1つのインダクタと、複数のコンデンサとを備えている。少なくとも1つのインダクタと複数のコンデンサは、少なくとも1つのLC共振器を構成するために用いられている。
少なくとも1つのLC共振器は、複数のLC共振器であってもよい。この場合、少なくとも1つのインダクタは、複数のインダクタである。複数のLC共振器の各々は、複数のインダクタのうちの少なくとも1つのインダクタと、複数のコンデンサのうちの少なくとも1つのコンデンサとによって構成されている。
本実施の形態では特に、電子部品1は、第1のポート2と、第2のポート3と、回路構成上第1のポート2と第2のポート3の間に設けられた2つのLC共振器11,12とを備えている。2つのLC共振器11,12は、電磁結合するように構成されている。第1およびポート2,3の各々は、信号の入力または出力のためのポートである。なお、本出願において、「回路構成上」という表現は、物理的な構成における配置ではなく、回路図上での配置を指すために用いている。
電子部品1は、少なくとも1つのインダクタとして、2つのインダクタL11,L12を備えている。また、電子部品1は、複数のコンデンサとして、2つのコンデンサC11,C12を備えている。コンデンサC11,C12は、それぞれインダクタL11,L12に接続されている。LC共振器11は、インダクタL11とコンデンサC11によって構成されている。LC共振器12は、インダクタL12とコンデンサC12によって構成されている。
インダクタL11,L12は、互いに磁気結合する。電子部品1は、更に、インダクタL11とインダクタL12とを容量結合させるコンデンサC10を備えている。
以下、図1を参照して、電子部品1のその他の回路構成の一例について説明する。電子部品1は、更に、インダクタL1,L2,L3,L4と、コンデンサC1,C2,C3とを備えている。インダクタL1の一端は、第1のポート2に接続されている。コンデンサC1の一端は、インダクタL1の他端に接続されている。コンデンサC10の一端は、コンデンサC1の他端に接続されている。
コンデンサC2の一端は、コンデンサC10の他端に接続されている。インダクタL2の一端は、コンデンサC2の他端に接続されている。インダクタL2の他端は、第2のポート3に接続されている。
コンデンサC3の一端は、第1のポート2に接続されている。コンデンサC3の他端は、第2のポート3に接続されている。
インダクタL11とコンデンサC11の各一端は、コンデンサC1とコンデンサC10の接続点に接続されている。インダクタL12とコンデンサC12の各一端は、コンデンサC2とコンデンサC10の接続点に接続されている。インダクタL11,L12の各他端は、インダクタL3の一端に接続されている。コンデンサC11,C12の各他端は、インダクタL4の一端に接続されている。インダクタL3,L4の各他端は、グランドに接続されている。
なお、インダクタL1とコンデンサC1は、接続の順序が図1に示した例とは反対であってもよい。すなわち、コンデンサC1の一端が第1のポート2に接続され、インダクタL1の一端がコンデンサC1の他端に接続され、コンデンサC10の一端がインダクタL1の他端に接続されていてもよい。この場合にも、図1に示した構成と同じ特性を得ることができる。
同様に、インダクタL2とコンデンサC2は、接続の順序が図1に示した例とは反対であってもよい。すなわち、インダクタL2の一端がコンデンサC10の他端に接続され、コンデンサC2の一端がインダクタL2の他端に接続され、コンデンサC2の他端が第2のポート3に接続されていてもよい。この場合にも、図1に示した構成と同じ特性を得ることができる。
次に、図2を参照して、電子部品1のその他の構成について説明する。図2は、電子部品1の外観を示す斜視図である。
電子部品1は、更に、積層された複数の誘電体層と複数の導体層とを含む積層体50を備えている。第1のポート2、第2のポート3、LC共振器11,12、インダクタL1~L4およびコンデンサC1~C3,C10は、積層体50に一体化されている。
積層体50は、複数の誘電体層の積層方向Tの両端に位置する底面50Aおよび上面50Bと、底面50Aと上面50Bを接続する4つの側面50C~50Fとを有している。側面50C,50Dは互いに反対側を向き、側面50E,50Fも互いに反対側を向いている。側面50C~50Fは、上面50Bおよび底面50Aに対して垂直になっている。
ここで、図2に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、積層方向Tに平行な一方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。
図2に示したように、底面50Aは、積層体50における-Z方向の端に位置する。上面50Bは、積層体50におけるZ方向の端に位置する。底面50Aおよび上面50Bの各々の形状は、X方向に長い矩形形状である。側面50Cは、積層体50における-X方向の端に位置する。側面50Dは、積層体50におけるX方向の端に位置する。側面50Eは、積層体50における-Y方向の端に位置する。側面50Fは、積層体50におけるY方向の端に位置する。
底面50Aは、基板等の図示しない被実装体に対向する。底面50Aは、本発明における「第1の面」に対応する。積層体50において、上面50Bは、底面50Aとは反対側に位置する。上面50Bは、本発明における「第2の面」に対応する。
電子部品1は、更に、積層体50の底面50Aに設けられた端子111,112,113,114,115,116を備えている。端子111,112,113は、側面50Fよりも側面50Eにより近い位置において、X方向にこの順に並んでいる。端子114,115,116は、側面50Eよりも側面50Fにより近い位置において、-X方向にこの順に並んでいる。
端子114は第2のポート3に対応し、端子116は第1のポート2に対応している。従って、第1および第2のポート2,3は、積層体50の底面50Aに設けられている。端子111~113,115の各々は、グランドに接続される。端子111~113,115の各々は、本発明における「グランド端子」に対応する。
電子部品1は、更に、積層体50に一体化され且つグランドに接続されるグランド用導体層611を備えている。グランド用導体層611は、底面50Aよりも上面50Bにより近い位置に配置されている。後述するように、LC共振器11,12は、積層方向Tにおいて、底面50Aとグランド用導体層611との間には存在するが、上面50Bとグランド用導体層611との間には存在しない。
次に、図3(a)ないし図6(c)を参照して、積層体50を構成する複数の誘電体層および複数の導体層の一例について説明する。この例では、積層体50は、積層された12層の誘電体層を有している。以下、この12層の誘電体層を、下から順に1層目ないし12層目の誘電体層と呼ぶ。また、1層目ないし12層目の誘電体層を符号51~62で表す。
図3(a)ないし図6(a)において、複数の円は複数のスルーホールを表している。誘電体層51~60の各々には、複数のスルーホールが形成されている。複数のスルーホールは、それぞれ、スルーホール用の孔に導体ペーストを充填することによって形成される。複数のスルーホールの各々は、端子、導体層または他のスルーホールに接続されている。
図3(a)は、1層目の誘電体層51のパターン形成面を示している。誘電体層51のパターン形成面には、端子111~116が形成されている。また、図3(a)では、端子114に接続された特定のスルーホールを符号51T7で示し、端子116に接続された特定のスルーホールを符号51T6で示している。
図3(b)は、2層目の誘電体層52のパターン形成面を示している。誘電体層52のパターン形成面には、導体層521,522が形成されている。また、図3(b)では、誘電体層51に形成された2つの特定のスルーホール51T6,51T7に接続される2つの特定のスルーホールを、それぞれ符号52T6,52T7で示している。
図3(c)は、3層目の誘電体層53のパターン形成面を示している。誘電体層53のパターン形成面には、導体層531,532が形成されている。誘電体層52に形成された特定のスルーホール52T6は、導体層531に接続されている。誘電体層52に形成された特定のスルーホール52T7は、導体層532に接続されている。
また、図3(c)では、導体層531に接続された2つの特定のスルーホールを符号53T6で示し、導体層532に接続された2つの特定のスルーホールを符号53T7で示している。
図4(a)は、4層目の誘電体層54のパターン形成面を示している。図4(a)では、誘電体層53に形成された2つの特定のスルーホール53T6に接続される2つの特定のスルーホールを、符号54T6で示し、誘電体層53に形成された2つの特定のスルーホール53T7に接続される2つの特定のスルーホールを、符号54T7で示している。
図4(b)は、5層目の誘電体層55のパターン形成面を示している。誘電体層55のパターン形成面には、インダクタ用導体層551,552が形成されている。導体層551,552の各々は、互いに反対側に位置する第1端および第2端を有している。
また、図4(b)では、導体層551の第1端に接続された特定のスルーホールを符号55T1で示し、導体層551の第2端に接続された特定のスルーホールを符号55T2で示し、導体層552の第1端に接続された特定のスルーホールを符号55T3で示し、導体層552の第2端に接続された特定のスルーホールを符号55T4で示している。また、誘電体層54に形成された2つの特定のスルーホール54T6に接続される2つの特定のスルーホールを符号55T6で示し、誘電体層54に形成された2つの特定のスルーホール54T7に接続される2つの特定のスルーホールを符号55T7で示している。
図4(c)は、6層目の誘電体層56のパターン形成面を示している。図4(c)では、誘電体層55に形成された4つの特定のスルーホール55T1,55T2,55T3,55T4に接続される4つの特定のスルーホールを、それぞれ符号56T1,56T2,56T3,56T4で示している。また、誘電体層55に形成された2つの特定のスルーホール55T6に接続される2つの特定のスルーホールを符号56T6で示し、誘電体層55に形成された2つの特定のスルーホール55T7に接続される2つの特定のスルーホールを符号56T7で示している。
図5(a)は、7層目の誘電体層57のパターン形成面を示している。誘電体層57のパターン形成面には、導体層571が形成されている。誘電体層56に形成された特定のスルーホール56T2,56T4は、導体層571に接続されている。
また、図5(a)では、誘電体層56に形成された2つの特定のスルーホール56T1,56T3に接続される2つの特定のスルーホールを、それぞれ符号57T1,57T3で示している。また、導体層571に接続された特定のスルーホールを符号57T5で示している。また、誘電体層56に形成された2つの特定のスルーホール56T6に接続される2つの特定のスルーホールを符号57T6で示し、誘電体層56に形成された2つの特定のスルーホール56T7に接続される2つの特定のスルーホールを符号57T7で示している。
図5(b)は、8層目の誘電体層58のパターン形成面を示している。誘電体層58のパターン形成面には、導体層581,582が形成されている。誘電体層57に形成された2つの特定のスルーホール57T6は、導体層581に接続されている。誘電体層57に形成された2つの特定のスルーホール57T7は、導体層582に接続されている。
また、図5(b)では、誘電体層57に形成された3つの特定のスルーホール57T1,57T3,57T5に接続される3つの特定のスルーホールを、それぞれ符号58T1,58T3,58T5で示している。また、導体層581に接続された特定のスルーホールを符号58T6で示し、導体層582に接続された特定のスルーホールを符号58T7で示している。
図5(c)は、9層目の誘電体層59のパターン形成面を示している。誘電体層59のパターン形成面には、コンデンサ用導体層591,592,593と、導体層594,595とが形成されている。誘電体層58に形成された2つの特定のスルーホール58T1,58T3は、それぞれ導体層594,595に接続されている。誘電体層58に形成された2つの特定のスルーホール58T6,58T7は、それぞれ導体層591,592に接続されている。
また、図5(c)では、導体層594に接続された特定のスルーホールを符号59T1で示し、導体層595に接続された特定のスルーホールを符号59T3で示し、誘電体層58に形成された特定のスルーホール58T5に接続される特定のスルーホールを符号59T5で示している。
図6(a)は、10層目の誘電体層60のパターン形成面を示している。誘電体層60のパターン形成面には、コンデンサ用導体層601,602が形成されている。誘電体層59に形成された2つの特定のスルーホール59T1,59T3は、それぞれ導体層601,602に接続されている。また、図6(a)では、誘電体層59に形成された特定のスルーホール59T5に接続される特定のスルーホールを符号60T5で示している。
図6(b)は、11層目の誘電体層61のパターン形成面を示している。誘電体層61のパターン形成面には、グランド用導体層611が形成されている。誘電体層60に形成された特定のスルーホール60T5は、グランド用導体層611に接続されている。
図6(c)は、12層目の誘電体層62のパターン形成面を示している。誘電体層62のパターン形成面には、導体層よりなるマーク621が形成されている。
図2に示した積層体50は、1層目の誘電体層51のパターン形成面が積層体50の底面50Aになり、12層目の誘電体層62のパターン形成面とは反対側の面が積層体50の上面50Bになるように、1層目ないし12層目の誘電体層51~62が積層されて構成される。
符号を付した複数の特定のスルーホールを除く図3(a)ないし図6(a)に示した複数のスルーホールの各々は、1層目ないし12層目の誘電体層51~62を積層したときに、積層方向Tにおいて重なる導体層または積層方向Tにおいて重なる他のスルーホールに接続されている。また、複数の特定のスルーホールを除く図3(a)ないし図6(a)に示した複数のスルーホールのうち、端子内または導体層内に位置するスルーホールは、その端子またはその導体層に接続されている。
図7は、1層目ないし12層目の誘電体層51~62が積層されて構成された積層体50の内部を示している。図7に示したように、積層体50の内部では、図3(a)ないし図6(c)に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。なお、図7では、マーク621を省略している。
以下、図1に示した電子部品1の回路の構成要素と、図3(a)ないし図6(c)に示した積層体50の内部の構成要素との対応関係について説明する。LC共振器11のインダクタL11は、インダクタ用導体層551と、特定のスルーホール55T1,55T2,56T1,56T2,57T1,58T1とによって構成されている。LC共振器11のコンデンサC11は、コンデンサ用導体層601と、グランド用導体層611と、これらの導体層の間の誘電体層60とによって構成されている。コンデンサ用導体層601は、導体層594と特定のスルーホール59T1を介して、インダクタL11を構成する特定のスルーホール58T1に接続されている。
LC共振器12のインダクタL12は、インダクタ用導体層552と、特定のスルーホール55T3,55T4,56T3,56T4,57T3,58T3とによって構成されている。LC共振器11のコンデンサC12は、コンデンサ用導体層602と、グランド用導体層611と、これらの導体層の間の誘電体層60とによって構成されている。コンデンサ用導体層602は、導体層595と特定のスルーホール59T3を介して、インダクタL12を構成する特定のスルーホール58T3に接続されている。
コンデンサC10は、コンデンサ用導体層593,601,602と、これらの導体層の間の誘電体層59とによって構成されている。
インダクタL1は、特定のスルーホール53T6,54T6,55T6,56T6,57T6によって構成されている。インダクタL2は、特定のスルーホール53T7,54T7,55T7,56T7,57T7によって構成されている。
コンデンサC1は、コンデンサ用導体層591,601と、これらの導体層の間の誘電体層59とによって構成されている。コンデンサC2は、コンデンサ用導体層592,602と、これらの導体層の間の誘電体層59とによって構成されている。コンデンサC3は、導体層521,531,532と、これらの導体層の間の誘電体層52とによって構成されている。
次に、図2ないし図7を参照して、本実施の形態に係る電子部品1の構造上の特徴について説明する。LC共振器11,12は、積層方向Tにおいて、底面50Aとグランド用導体層611との間には存在するが、上面50Bとグランド用導体層611との間には存在しない。すなわち、インダクタL11,L12およびコンデンサC11,C12は、積層方向Tにおいて、底面50Aとグランド用導体層611との間には存在するが、上面50Bとグランド用導体層611との間には存在しない。積層体50に対してZ方向の先にある位置から積層体50を見たときに、グランド用導体層611は、LC共振器11,12を覆っている。
インダクタL11,L12は、積層方向Tにおいて、底面50AとコンデンサC11,C12との間に配置されている。すなわち、インダクタL11,L12は、コンデンサC11,C12の-Z方向の先に配置されている。-Z方向は、グランド用導体層611から底面50Aに向かう方向でもある。
コンデンサC1,C2,C10は、積層方向Tにおいて、インダクタL11,L12とコンデンサC11,C12との間に配置されている。
底面50AとインダクタL11,L12との間には、インダクタL11,L12に接続されていないコンデンサC3は存在するが、インダクタL11,L12に接続されたコンデンサは存在しない。
コンデンサ用導体層601は、グランド用導体層611に対向している。誘電体層60は、コンデンサ用導体層601とグランド用導体層611との間に介在する。前述のように、コンデンサC11は、コンデンサ用導体層601、グランド用導体層611および誘電体層60によって構成されている。
コンデンサ用導体層602は、グランド用導体層611に対向している。誘電体層60は、コンデンサ用導体層602とグランド用導体層611との間に介在する。前述のように、コンデンサC12は、コンデンサ用導体層602、グランド用導体層611および誘電体層60によって構成されている。
グランド用導体層611は、符号を付した複数の特定のスルーホールを除く複数のスルーホールの一部を介して、端子115に接続されていると共に、複数の特定のスルーホールを除く複数のスルーホールの他の一部と導体層522を介して、端子111~113に接続されている。本実施の形態では、積層体50の側面50C~50Fには、グランド用導体層611と端子111~113,115とを接続するための導体層は設けられていない。
ここで、2つ以上のスルーホールが直列に接続されることによって構成された構造物を、スルーホール列と言う。積層体50は、スルーホール55T1,56T1,57T1,58T1によって構成されたスルーホール列T1と、スルーホール55T2,56T2によって構成されたスルーホール列T2と、スルーホール55T3,56T3,57T3,58T3によって構成されたスルーホール列T3と、スルーホール55T4,56T4によって構成されたスルーホール列T4とを含んでいる。スルーホール列T1,T3は、本発明における「第1のスルーホール列」に対応し、スルーホール列T2,T4は、本発明における「第2のスルーホール列」に対応する。
インダクタ用導体層551は、スルーホール列T1とスルーホール列T2とを接続している。インダクタ用導体層551は、積層方向Tにおいて、底面50Aとスルーホール列T1,T2との間に配置されている。インダクタL11は、スルーホール列T1,T2およびインダクタ用導体層551を含んでいる。
インダクタ用導体層551は、複数の誘電体層51~62の各々の短手方向(底面50Aおよび上面50Bの短手方向と同じ)と複数の誘電体層51~62の各々の長手方向(底面50Aおよび上面50Bの長手方向と同じ)と非平行になるように延在する部分551Aを含んでいる。インダクタ用導体層551は、更に、複数の誘電体層51~62の各々の短手方向(底面50Aおよび上面50Bの短手方向と同じ)に延在する部分551Bを含んでいる。本実施の形態では特に、部分551Aは、Y方向から-X方向に向かって傾いた方向に平行な方向に延在している。部分551Bは、Y方向に平行な方向に延在している。
インダクタ用導体層552は、スルーホール列T3とスルーホール列T4とを接続している。インダクタ用導体層552は、積層方向Tにおいて、底面50Aとスルーホール列T3,T4との間に配置されている。インダクタL12は、スルーホール列T3,T4およびインダクタ用導体層552を含んでいる。
インダクタ用導体層552は、複数の誘電体層51~62の各々の短手方向(底面50Aおよび上面50Bの短手方向と同じ)と複数の誘電体層51~62の各々の長手方向(底面50Aおよび上面50Bの長手方向と同じ)と非平行になるように延在する部分552Aを含んでいる。インダクタ用導体層552は、更に、複数の誘電体層51~62の各々の短手方向(底面50Aおよび上面50Bの短手方向と同じ)に延在する部分552Bを含んでいる。本実施の形態では特に、部分552Aは、Y方向からX方向に向かって傾いた方向に平行な方向に延在している。部分552Bは、Y方向に平行な方向に延在している。
次に、本実施の形態に係る電子部品1の作用および効果について説明する。本実施の形態では、グランド用導体層611は、LC共振器11,12すなわちインダクタL11,L12およびコンデンサC11,C12を覆っている。もし、積層方向Tにおいて、インダクタがコンデンサとグランド用導体層との間に配置されている場合、インダクタとグランド用導体層との間隔が小さくなると、インダクタとグランド用導体層との間に浮遊容量が生じ、所望の特性を得られなくなるおそれがある。これを防止するためには、インダクタとグランド用導体層との間隔を意図的に大きくする必要がある。
これに対し、本実施の形態では、インダクタL11,L12は、積層方向Tにおいて、底面50AとコンデンサC11,C12との間に配置されている。これにより、本実施の形態によれば、前記の場合に比べて、グランド用導体層611とインダクタL11,L12との間隔を大きくすることができる。これにより、本実施の形態によれば、グランド用導体層611とインダクタL11,L12との間隔を意図的に大きくすることが不要になる。その結果、本実施の形態によれば、電子部品1を低背化することができる。
また、本実施の形態では、上面50Bとグランド用導体層611との間には、LC共振器11,12に限らず、電子部品1の回路の構成要素は存在しない。そのため、本実施の形態では、グランド用導体層611が形成された誘電体層61には、スルーホールが存在しない。これにより、本実施の形態によれば、グランド用導体層611が、スルーホールが存在する他の誘電体層に形成される場合に比べて、グランド用導体層611の面積を大きくすることができる。
また、本実施の形態では、コンデンサ用導体層601,602がグランド用導体層611に対向することによって、コンデンサC11,C12が構成されている。前述のように、グランド用導体層611の面積を大きくすることができることから、コンデンサ用導体層601,602の各々の面積も大きくすることができる。これにより、本実施の形態によれば、設計可能なコンデンサC11,C12のキャパシタンスの範囲を大きくすることができ、電子部品1の設計の自由度を高めることができる。
また、後述する比較例の電子部品のように、キャパシタンスを大きくするために、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置された3つ以上のコンデンサ用導体層を設ける場合がある。これに対し、本実施の形態では、コンデンサ用導体層601,602の面積を大きくすることによって、コンデンサC11,C12のキャパシタンスを大きくすることができる範囲が、従来よりも大きくなる。これによっても、本実施の形態によれば、電子部品1を低背化することができる。
また、本実施の形態では、インダクタL11のインダクタ用導体層551とインダクタL12のインダクタ用導体層552は、グランド用導体層611から比較的離れた位置に配置されているため、グランド用導体層611との間で浮遊容量を生じさせにくい。そのため、本実施の形態によれば、浮遊容量を生じさせたり浮遊容量を大きくさせたりすることなく、インダクタ用導体層551,552の幅や長さを大きくすることができる。このように、本実施の形態によれば、インダクタL11,L12の設計の自由度を高めるすることができる。例えば、インダクタ用導体層551を長くすることによって、インダクタ用導体層551とスルーホール列T1とスルーホール列T2とによって囲まれた空間、すなわちインダクタL11の開口を大きくすることができる。同様に、インダクタ用導体層552を長くすることによって、インダクタ用導体層552とスルーホール列T3とスルーホール列T4とによって囲まれた空間、すなわちインダクタL12の開口を大きくすることができる。
本実施の形態では特に、インダクタ用導体層551,552の各々は、Y方向から傾いた方向に延在する部分を含んでいる。これにより、本実施の形態によれば、インダクタ用導体層551,552の各々がY方向に平行な方向(誘電体層55の短手方向)に延在する部分のみからなる場合に比べて、インダクタ用導体層551,552の長さを大きくすることができる。
次に、シミュレーションの結果を参照して、本実施の形態の効果について説明する。シミュレーションでは、実施例のモデルと比較例のモデルを用いた。実施例のモデルは、本実施の形態に係る電子部品1のモデルである。比較例のモデルは、比較例の電子部品のモデルである。比較例の電子部品の回路構成は、図1に示した本実施の形態に係る電子部品1の回路構成と同じである。
始めに、図8(a)ないし図12を参照して、比較例の電子部品101の構成について説明する。電子部品101は、積層された1層目ないし12層目の誘電体層71~82を含む積層体70を備えている。電子部品101の回路の構成要素は、積層体70に一体化されている。図8(a)ないし図11(a)において、複数の円は複数のスルーホールを表している。誘電体層71~80の各々には、複数のスルーホールが形成されている。
図8(a)は、1層目の誘電体層71のパターン形成面を示している。誘電体層71のパターン形成面には、端子211,212,213,214,215,216が形成されている。端子214は第2のポート3に対応し、端子216は第1のポート2に対応している。
図8(b)は、2層目の誘電体層72のパターン形成面を示している。誘電体層72のパターン形成面には、コンデンサ用導体層721,722が形成されている。図8(c)は、3層目の誘電体層73のパターン形成面を示している。誘電体層73のパターン形成面には、コンデンサ用導体層731,732が形成されている。
図9(a)は、4層目の誘電体層74のパターン形成面を示している。誘電体層74のパターン形成面には、コンデンサ用導体層741,742が形成されている。図9(b)は、5層目の誘電体層75のパターン形成面を示している。誘電体層75のパターン形成面には、コンデンサ用導体層751,752,753と、導体層754,755,756,757が形成されている。図9(c)は、6層目の誘電体層76のパターン形成面を示している。誘電体層76のパターン形成面には、コンデンサ用導体層761が形成されている。
図10(a)は、7層目の誘電体層77のパターン形成面を示している。誘電体層77のパターン形成面には、導体層771が形成されている。図10(b)は、8層目の誘電体層78のパターン形成面を示している。誘電体層78のパターン形成面には、導体層は形成されていない。
図10(c)は、9層目の誘電体層79のパターン形成面を示している。誘電体層79のパターン形成面には、インダクタ用導体層791,792が形成されている。インダクタ用導体層791,792の各々の形状は、本実施の形態におけるインダクタ用導体層551,552の各々の形状とほぼ同じである。
図11(a)は、10層目の誘電体層80のパターン形成面を示している。誘電体層80のパターン形成面には、導体層は形成されていない。図11(b)は、11層目の誘電体層81のパターン形成面を示している。誘電体層81のパターン形成面には、グランド用導体層811が形成されている。図11(c)は、12層目の誘電体層82のパターン形成面を示している。誘電体層82のパターン形成面には、導体層よりなるマーク821が形成されている。
比較例の電子部品101の積層体70は、1層目の誘電体層71のパターン形成面が積層体70の底面になり、12層目の誘電体層82のパターン形成面とは反対側の面が積層体70の上面になるように、1層目ないし12層目の誘電体層71~82が積層されて構成される。
複数のスルーホールの各々は、1層目ないし12層目の誘電体層71~82を積層したときに、積層方向Tにおいて重なる導体層または積層方向Tにおいて重なる他のスルーホールに接続されている。また、複数のスルーホールのうち、端子内または導体層内に位置するスルーホールは、その端子またはその導体層に接続されている。
図12は、1層目ないし12層目の誘電体層71~82が積層されて構成された積層体70の内部を示している。図12に示したように、積層体70の内部では、図8(a)ないし図11(c)に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。なお、図12では、マーク821を省略している。
以下、電子部品101の回路の構成要素(図1に示した電子部品1の回路の構成要素と同じ)と、図8(a)ないし図11(c)に示した積層体70の内部の構成要素との対応関係について説明する。LC共振器11のインダクタL11は、インダクタ用導体層791と、インダクタ用導体層791と導体層756とを接続する複数のスルーホールと、インダクタ用導体層791と導体層771とを接続する複数のスルーホールとによって構成されている。LC共振器11のコンデンサC11は、コンデンサ用導体層721,731,741と、これらの導体層の間の誘電体層72,73とによって構成されている。
LC共振器12のインダクタL12は、インダクタ用導体層792と、インダクタ用導体層792と導体層757とを接続する複数のスルーホールと、インダクタ用導体層792と導体層771とを接続する複数のスルーホールとによって構成されている。LC共振器11のコンデンサC12は、コンデンサ用導体層722,732,742と、これらの導体層の間の誘電体層72,73とによって構成されている。
コンデンサC10は、コンデンサ用導体層741,742,753と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。
インダクタL1は、端子216とコンデンサ用導体層751とを接続する複数のスルーホールによって構成されている。インダクタL2は、端子214とコンデンサ用導体層752とを接続する複数のスルーホールによって構成されている。
コンデンサC1は、コンデンサ用導体層741,751と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。コンデンサC2は、コンデンサ用導体層742,752と、これらの導体層の間の誘電体層74とによって構成されている。コンデンサC3は、コンデンサ用導体層751,752,761と、これらの導体層の間の誘電体層75とによって構成されている。
比較例の電子部品101では、インダクタL11,L12は、積層方向Tにおいて、コンデンサC11,C12とグランド用導体層811との間に配置されている。また、インダクタ用導体層791,792は、グランド用導体層811に対向している。インダクタ用導体層791,792とグランド用導体層811との間には、いかなるコンデンサも存在しない。
次に、シミュレーションの結果について説明する。シミュレーションでは、電子部品1と電子部品101の各々の通過帯域がほぼ一致し、電子部品1と電子部品101の各々の通過帯域の低域側の周波数領域における減衰特性がほぼ一致するように、実施例のモデルと比較例のモデルを設計した。
図13は、比較例のモデルの通過減衰特性および反射減衰特性を示す特性図である。図13において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。また、図13において、符号91を付した曲線は、電子部品101の通過減衰特性を示している。また、符号92を付した曲線は、電子部品101の第1のポート2における反射減衰特性を示している。
図14は、比較例のモデルの通過減衰特性および反射減衰特性を示す特性図である。図14において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。また、図14において、符号93を付した曲線は、電子部品1の通過減衰特性を示している。また、符号94を付した曲線は、電子部品1の第1のポート2における反射減衰特性を示している。
バンドパスフィルタでは、通過帯域の高域側の周波数領域において、減衰量の絶対値で表される通過減衰量を大きくすることが求められる場合がある。図13および図14から、実施例のモデルでは、比較例のモデルに比べて、通過帯域よりも高域側の広い周波数領域において、通過減衰量が大きくなることが分かる。シミュレーションの結果から理解されるように、本実施の形態によれば、インダクタL11,L12を底面50AとコンデンサC11,C12との間に配置することにより、通過帯域よりも高域側の広い周波数領域において、通過減衰量を大きくすることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明の電子部品は、1つのLC共振器のみを含んでいてもよいし、3つ以上のLC共振器を含んでいてもよい。
1…電子部品、2…第1のポート、3…第2のポート、11,12…共振器、50…積層体、50A…底面、50B…上面、50C~50F…側面、611…のグランド用導体層、C1~C3,C10~C12…コンデンサ、L1~L4,L11,L12…インダクタ。

Claims (11)

  1. グランドに接続されるグランド用導体層と、
    少なくとも1つのインダクタと、
    複数のコンデンサと、
    積層された複数の誘電体層を含み、被実装体に対向する第1の面と前記第1の面とは反対側の第2の面とを有し、前記グランド用導体層、前記少なくとも1つのインダクタおよび前記複数のコンデンサを一体化するための積層体とを備え、
    前記少なくとも1つのインダクタと前記複数のコンデンサは、少なくとも1つのLC共振器を構成するために用いられ、
    前記少なくとも1つのLC共振器は、前記複数の誘電体層の積層方向において、前記第1の面と前記グランド用導体層との間には存在するが、前記第2の面と前記グランド用導体層との間には存在せず、
    前記少なくとも1つのインダクタは、前記積層方向において、前記第1の面と前記複数のコンデンサとの間に配置されていることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 前記グランド用導体層は、前記積層体内において前記第1の面よりも前記第2の面により近い位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
  3. 更に、それぞれ前記積層体に一体化され且つ前記グランド用導体層に対向する複数のコンデンサ用導体層を備え、
    前記複数の誘電体層は、前記グランド用導体層と前記複数のコンデンサ用導体層との間に介在する少なくとも1つの誘電体層を含み、
    前記複数のコンデンサは、前記グランド用導体層、前記複数のコンデンサ用導体層および前記少なくとも1つの誘電体層によって構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の積層型電子部品。
  4. 前記少なくとも1つのLC共振器は、複数のLC共振器であり、
    前記少なくとも1つのインダクタは、複数のインダクタであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層型電子部品。
  5. 前記複数のLC共振器の各々は、前記複数のインダクタのうちの少なくとも1つのインダクタと、前記複数のコンデンサのうちの少なくとも1つのコンデンサとによって構成されていることを特徴とする請求項4記載の積層型電子部品。
  6. 前記少なくとも1つのインダクタは、第1のスルーホール列と、第2のスルーホール列と、前記第1のスルーホール列と前記第2のスルーホール列とを接続するインダクタ用導体層とを含み、
    前記第1のスルーホール列と前記第2のスルーホール列の各々は、2つ以上のスルーホールが直列に接続されることによって構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の積層型電子部品。
  7. 前記インダクタ用導体層は、前記積層方向において、前記第1の面と前記第1および第2のスルーホール列との間に配置されていることを特徴とする請求項6記載の積層型電子部品。
  8. 前記インダクタ用導体層は、前記複数の誘電体層の各々の短手方向および長手方向の両方と非平行になるように延在する部分を含むことを特徴とする請求項6または7記載の積層型電子部品。
  9. 前記インダクタ用導体層は、前記積層方向に直交する第1の方向に延在する部分と、前記積層方向に直交し且つ前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する部分とを含むことを特徴とする請求項8記載の積層型電子部品。
  10. 更に、前記第1の面に配置されたグランド端子と、
    前記積層体内において前記グランド用導体層と前記グランドとを接続する複数のスルーホールとを備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の積層型電子部品。
  11. 前記第1の面と前記少なくとも1つのインダクタとの間には、前記少なくとも1つのインダクタに接続されたコンデンサが存在しないことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の積層型電子部品。
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