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JP2023131269A - 被加工物の加工方法及び加工装置 - Google Patents

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JP2023131269A
JP2023131269A JP2022035908A JP2022035908A JP2023131269A JP 2023131269 A JP2023131269 A JP 2023131269A JP 2022035908 A JP2022035908 A JP 2022035908A JP 2022035908 A JP2022035908 A JP 2022035908A JP 2023131269 A JP2023131269 A JP 2023131269A
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光伸 杉本
Mitsunobu Sugimoto
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Disco Abrasive Systems Ltd
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Abstract

Figure 2023131269000001
【課題】切削加工の完了までに要する時間を短くできる新たな被加工物の加工方法を提供する。
【解決手段】チャックテーブルと第1切削ユニット及び第2切削ユニットとを加工送り軸に沿う第1方向に相対的に移動させながら、第2切削ブレードを被加工物に切り込ませることなく、回転させた第1切削ブレードを被加工物に切り込ませることにより、被加工物を第1加工予定ラインで切削加工する第1加工ステップと、第1加工ステップの後に、チャックテーブルと第1切削ユニット及び第2切削ユニットとを第1方向とは反対の第2方向に相対的に移動させながら、第1切削ブレードを被加工物に切り込ませることなく、回転させた第2切削ブレードを被加工物に切り込ませることにより、被加工物を第2加工予定ラインで切削加工する第2加工ステップと、を含む。
【選択図】図9

Description

本発明は、被加工物を切削加工する際に適用される被加工物の加工方法及び加工装置に関する。
CSP(Chip Size Package)やQFN(Quad Flat Non-leaded Package)等の半導体パッケージ技術では、電子回路等のデバイスがそれぞれに設けられた複数のデバイスチップを樹脂で封止することにより、パッケージ基板が製造される。各デバイスチップは、直線状の加工予定ラインで区画されるパッケージ基板の複数の領域のそれぞれに配置されており、この加工予定ラインでパッケージ基板を切断することにより、デバイスチップが樹脂で封止された状態のパッケージデバイスが得られる。
ところで、パッケージ基板に使用される封止用の樹脂は、熱等で収縮し易く、この樹脂の収縮によってパッケージ基板が変形すると、実際の加工予定ラインの位置や向きが、パッケージ基板の設計時に想定されていた位置や向きからずれてしまう。例えば、互いに平行に設計された複数の加工予定ラインが、実際には互いに平行ではない場合に、これらが互いに平行であるという前提の下でパッケージ基板を切断すると、デバイスチップが破損する可能性が高くなる。
このような問題を防ぐために、全ての加工予定ラインの位置や向きに関する情報をカメラ等で取得し、この情報に基づいてパッケージ基板の各加工予定ラインに切削ブレードを切り込ませる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、パッケージ基板の両端に位置する2本の加工予定ラインの位置や向きから、残りの加工予定ラインの位置や向きを推定して切削ブレードを切り込ませる方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9-52227号公報 特開2002-33295号公報
ところが、特許文献1の方法では、対象の加工予定ラインに切削ブレードを切り込ませる度に、取得された情報に基づきパッケージ基板を回転させて、対象の加工予定ラインの向きを調整しなくてはならない。そのため、複数の切削ブレードを使用して複数の加工予定ラインを同時に切削加工することができず、1つの切削ブレードでパッケージ基板が切削加工されることになるので、切削加工の完了までに長い時間を要してしまうという問題があった。
これに対して、特許文献2の方法では、2本の加工予定ラインの位置や向きから他の加工予定ラインの位置や向きを推定するので、全ての加工予定ラインの位置や向きに関する情報をカメラ等で取得する方法に比べて、切削加工の完了までに要する時間は短くなる。しかしながら、推定された位置や向きが実際の加工予定ラインの位置や向きからずれることがあり、必ずしも高い切削加工の精度を実現できなかった。
よって、本発明の目的は、切削加工の完了までに要する時間を短くできる新たな被加工物の加工方法、及びこの被加工物の加工方法に使用される新たな加工装置を提供することである。
本発明の一側面によれば、被加工物を保持する保持面を有し該保持面に対して交差する回転軸の周りに回転可能なチャックテーブルと、環状の第1切削ブレードが装着され軸心の周りに回転可能な第1スピンドルを有する第1切削ユニットと、環状の第2切削ブレードが該第1切削ブレードと対向する位置に装着され軸心の周りに回転可能な第2スピンドルを有する第2切削ユニットと、該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを加工送り軸に沿って相対的に移動させる加工送り機構と、を含む加工装置を用いて、該被加工物に設定された第1加工予定ラインと第2加工予定ラインとで該被加工物を切削加工する被加工物の加工方法であって、該被加工物を該チャックテーブルで保持する保持ステップと、該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを該加工送り軸に沿う第1方向に相対的に移動させながら、該第2切削ブレードを該被加工物に切り込ませることなく、回転させた該第1切削ブレードを該被加工物に切り込ませることにより、該被加工物を該第1加工予定ラインで切削加工する第1加工ステップと、該第1加工ステップの後に、該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを該第1方向とは反対の第2方向に相対的に移動させながら、該第1切削ブレードを該被加工物に切り込ませることなく、回転させた該第2切削ブレードを該被加工物に切り込ませることにより、該被加工物を該第2加工予定ラインで切削加工する第2加工ステップと、を含み、該第1切削ブレードが該被加工物に切り込む第1加工点での該第1方向に対する該第1切削ブレードの回転方向の関係と、該第2切削ブレードが該被加工物に切り込む第2加工点での該第2方向に対する該第2切削ブレードの回転方向の関係と、が等しくなるように該第1切削ブレードと該第2切削ブレードとを回転させる被加工物の加工方法が提供される。
好ましくは、該保持ステップの後に、該加工送り軸に対して該第1加工予定ラインのなす角度に関する第1情報と、該加工送り軸に対して該第2加工予定ラインのなす角度に関する第2情報と、を取得する角度情報取得ステップと、該角度情報取得ステップの後、該第1加工ステップの前に、該第1加工予定ラインが該加工送り軸に対して平行になるように該第1情報に基づき該チャックテーブルの該回転軸の周りの向きを制御する第1向き制御ステップと、該第1加工ステップの後、該第2加工ステップの前に、該第2加工予定ラインが該加工送り軸に対して平行になるように該第2情報に基づき該チャックテーブルの該回転軸の周りの向きを制御する第2向き制御ステップと、を更に含む。
また、好ましくは、該加工装置は、該第1切削ブレードに対して液体を吐出する第1吐出口を有する第1ノズルと、該第2切削ブレードに対して液体を吐出する第2吐出口を有する第2ノズルと、を更に含み、該第1加工ステップでは、該第1切削ブレードに対して該第1吐出口から液体が吐出されている状態で、回転させた該第1切削ブレードを該被加工物に切り込ませ、該第2加工ステップでは、該第2切削ブレードに対して該第2吐出口から液体が吐出されている状態で、回転させた該第2切削ブレードを該被加工物に切り込ませ、該第1方向を基準とした該第1吐出口の向きと、該第2方向を基準とした該第2吐出口の向きと、が等しい状態で該第1吐出口と該第2吐出口とから液体を吐出する。
本発明の別の一側面によれば、被加工物を保持する保持面を有し該保持面に対して交差する回転軸の周りに回転可能なチャックテーブルと、環状の第1切削ブレードが装着され軸心の周りに回転可能な第1スピンドルを有する第1切削ユニットと、環状の第2切削ブレードが該第1切削ブレードと対向する位置に装着され軸心の周りに回転可能な第2スピンドルを有する第2切削ユニットと、該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを加工送り軸に沿って相対的に移動させる加工送り機構と、処理部と記憶部とを有し、該記憶部に記憶されたプログラムに従い該第1切削ユニットと該第2切削ユニットと該加工送り機構とを制御する制御ユニットと、を含み、該制御ユニットは、該プログラムに従い、該第1切削ブレードが装着される該第1スピンドルと該第2切削ブレードが装着される該第2スピンドルとを、同じ側から見て互いに逆の方向に回転させる加工装置が提供される。
好ましくは、該第1切削ブレードに対して液体を吐出する第1吐出口を有する第1ノズルと、該第2切削ブレードに対して液体を吐出する第2吐出口を有する第2ノズルと、を更に含み、該第1ノズルと該第2ノズルとは、該加工送り軸に沿う第1方向を基準とした該第1吐出口の向きと、該第1方向とは反対の第2方向を基準とした該第2吐出口の向きと、が等しくなるように配置されている。
本発明の一側面にかかる被加工物の加工方法では、チャックテーブルと第1切削ユニット及び第2切削ユニットとを加工送り軸に沿う第1方向に相対的に移動させながら第1切削ブレードを被加工物に切り込ませることにより、被加工物を第1加工予定ラインで切削加工し(往路)、その後、チャックテーブルと第1切削ユニット及び第2切削ユニットとを第1方向とは反対の第2方向に相対的に移動させながら第2切削ブレードを被加工物に切り込ませることにより、被加工物を第2加工予定ラインで切削加工する(復路)ので、第1方向への相対的な移動(往路)による切削加工だけを繰り返す従来の加工方法とは異なり、第2方向への相対的な移動(復路)の時間が有効に活用され、切削加工の完了までに要する時間が短くなる。
また、本発明の一側面にかかる被加工物の加工方法では、第1方向に対する第1切削ブレードの回転方向の関係と、第2方向に対する第2切削ブレードの回転方向の関係と、が等しくなっており、第1加工予定ラインの切削加工の条件と、第2加工予定ラインの切削加工の条件とが、同等になるので、切削加工の品質のばらつきが小さく抑えられて、高い切削加工の精度が実現される。
更に、本発明の一側面にかかる被加工物の加工方法では、相対的な移動の往路と復路とで被加工物を連続的に切削加工することにより、切削加工の完了までに要する時間を短くしているので、例えば、より高い切削加工の精度を実現するために全ての加工予定ラインの位置や向きに関する情報をカメラ等で取得する場合にも、往路だけで被加工物を切削加工する従来の方法に比べて切削加工の完了までに要する時間は短くなる。したがって、切削加工の完了までに要する時間を短くしながら、高い切削加工の精度を実現することが可能になる。
加えて、第1方向を基準とした第1吐出口の向きと、第2方向を基準とした第2吐出口の向きと、が等しい状態で第1吐出口と第2吐出口とから液体を吐出することにより第1切削ブレードと第2切削ブレードとに対して液体を供給する場合には、切削加工の品質のばらつきが更に小さく抑えられ、更に高い切削加工の精度が実現される。
図1は、切削装置を示す斜視図である。 図2は、パッケージ基板を示す平面図である。 図3は、パッケージ基板を示す底面図である。 図4は、ダイシングテープを介して環状のフレームに支持された状態のパッケージ基板を示す平面図である。 図5は、X軸に対して第1加工予定ラインのなす角度を示す平面図である。 図6は、X軸に対して第2加工予定ラインのなす角度を示す平面図である。 図7は、パッケージ基板が第1加工予定ラインで切削加工される様子を示す平面図である。 図8は、パッケージ基板が第1加工予定ラインで切削加工される様子を示す側面図である。 図9は、パッケージ基板が第2加工予定ラインで切削加工される様子を示す平面図である。 図10は、パッケージ基板が第2加工予定ラインで切削加工される様子を示す側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる切削装置(加工装置)2を示す斜視図である。なお、図1では、一部の構成要素が機能ブロックで表現されている。また、以下の説明で用いられるX軸(加工送り軸)、Y軸(割り出し送り軸)、及びZ軸(鉛直軸)は、互いに垂直である。
図1に示されるように、切削装置2は、種々の構成要素を支持する基台4を備える。基台4の上面の角部には、開口部4aが形成されており、この開口部4a内には、昇降機構(不図示)によって昇降するカセットテーブル6が配置されている。カセットテーブル6の上面には、板状の被加工物を収容できるカセット8が載せられる。なお、図1では、説明の便宜上、カセット8の輪郭のみが示されている。
図2は、板状の被加工物の一例としてのパッケージ基板11を示す平面図であり、図3は、パッケージ基板11を示す底面図である。図2及び図3に示されるように、パッケージ基板11は、矩形状の表面13aと、表面13aとは反対側の矩形状の裏面13bと、を有する基板13を含んでいる。
基板13は、例えば、42アロイ(鉄とニッケルとの合金)や銅等の金属で構成されており、表面13a側は、複数(本実施形態では、3個)のデバイス領域15と、各デバイス領域15を囲む余剰領域17と、に分けられている。各デバイス領域15は、複数の加工予定ライン(ストリート)19で更に複数の小領域に区画されており、各小領域には、ステージ21が配置されている。
各ステージ21の裏面(基板13の裏面13b側)には、IC(Integrated Circuit)やLED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等のデバイスを含むデバイスチップ23が配置されている。基板13の裏面13b側の各デバイス領域15に対応する領域は、封止用の樹脂を硬化させた封止樹脂層(モールド樹脂層)25で覆われており、各ステージ21の裏面に配置されたデバイスチップ23は、この封止樹脂層25により封止されている。
各ステージ21の周囲には、導電性を持つ金属等の材料でなり互いに絶縁された複数の構造体27が、加工予定ライン19と重なるように配置されている。この構造体27は、基板13の表面13a側に露出しているとともに、金属ワイヤー(不図示)等を介してデバイスチップ23の電極に接続されている。例えば、1個の構造体27には、この構造体27を挟んで隣接する2個のステージ21にそれぞれ配置されたデバイスチップ23の電極が接続される。
このパッケージ基板11を加工予定ライン19で切断し、デバイスチップ23が封止されたパッケージデバイスを形成する際には、構造体27も加工予定ライン19で分断される。分断後の構造体27は、各パッケージデバイスの電極(端子)となる。基板13の余剰領域17(表面13a)には、加工予定ライン19の位置を示すためのマーク29が形成されている。
なお、本実施形態では、矩形状の表面13aと裏面13bとを有する基板13の裏面13b側の一部が封止樹脂層25によって覆われたパッケージ基板11を被加工物としているが、被加工物の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。同様に、デバイスチップや構造体の種類、数量、材質、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
図4は、ダイシングテープ31を介して環状のフレーム33に支持された状態のパッケージ基板11を示す平面図である。図4に示されるように、パッケージ基板11を切削装置2で切削加工する際には、例えば、パッケージ基板11よりも大きな円形のダイシングテープ31がパッケージ基板11の封止樹脂層25側に貼付される。
また、ダイシングテープ31の外周部には、パッケージ基板11を囲むように環状のフレーム33が固定される。このように、パッケージ基板11は、例えば、ダイシングテープ31を介して環状のフレーム33に支持された状態でカセット8に収容され、切削装置2により切削加工される。
図1に示されるように、Y軸に沿ってカセットテーブル6に隣接する位置には、X軸に沿う方向に長い開口部4bが形成されている。開口部4b内には、ボールねじ式のチャックテーブル移動機構(加工送り機構)10が配置されている。チャックテーブル移動機構10は、ボールねじに接続されるモーター等の回転駆動源(不図示)と、X軸移動テーブル(不図示)と、を含んでおり、X軸移動テーブルをX軸に沿って移動させる。
X軸移動テーブルの上方は、テーブルカバー10aによって覆われている。また、テーブルカバー10aのX軸に沿う方向の両端部には、X軸移動テーブル(テーブルカバー10a)の移動に応じて伸縮する蛇腹状の防塵防滴カバー10bが取り付けられている。X軸移動テーブルの上部には、被加工物であるパッケージ基板11を保持するチャックテーブル12が、テーブルカバー10aから露出する態様で配置されている。
チャックテーブル12は、モーター等の回転駆動源(不図示)に接続されており、Z軸に対して概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル12は、上述したチャックテーブル移動機構10によって、X軸移動テーブルとともにX軸に沿って移動する(加工送り)。
チャックテーブル12は、例えば、ステンレス鋼に代表される金属で形成された円盤状の枠体14を含む。枠体14の上面側には、上端が円形状に開口した凹部14a(図8等参照)が形成されている。この凹部14aには、凹部14aの形状に合致した円盤状の保持板16が嵌め込まれている。また、枠体14の周囲には、パッケージ基板11を支持する環状のフレーム33を固定するための4個のクランプ18が配置されている。
保持板16は、例えば、セラミックス等の材料を用いて多孔質の板状に形成され、その上面(保持面)16aでパッケージ基板11を保持する。なお、保持板16の上面16aは、保持板16が凹部14aに嵌め込まれた状態で、X軸及びY軸に対して概ね平行になるように形成されている。つまり、チャックテーブル12は、保持板16の上面16aに対して概ね垂直に交差する回転軸の周りに回転することになる。
枠体14の凹部14aの底には、枠体14の内部に設けられた流路14b(図8等参照)や、枠体14の外部に配置されたバルブ(不図示)等を介して、吸引源(不図示)が接続されている。よって、バルブが開かれると、流路14b等を通じて保持板16の上面16aに吸引源の負圧が作用する。吸引源としては、例えば、エアーの供給源とエジェクタとを組み合わせた真空ポンプ等が用いられる。ただし、吸引源として、ロータリーポンプ等が用いられてもよい。
開口部4bの上方には、上述したパッケージ基板11(フレーム33)をチャックテーブル12等へと搬送できる一又は複数の搬送機構(不図示)が配置されている。搬送機構で搬送されたパッケージ基板11は、例えば、基板13の表面13a側が上方に露出するようにチャックテーブル12の上面16aに載せられる。
基台4の上面には、Y軸に沿って開口部4bを跨ぐ門型の支持構造20が設けられている。支持構造20の上部には、一対の切削ユニット移動機構(割り出し送り機構、切り込み送り機構)22が配置されている。なお、各切削ユニット移動機構22の構造は、X軸及びZ軸の双方と平行な面に関して互いに対称になるように構成されている点を除き、実質的に同じである。
各切削ユニット移動機構22は、支持構造20の正面(表面)に固定されY軸に対して概ね平行な一対のY軸ガイドレール24を共有している。Y軸ガイドレール24には、各切削ユニット移動機構22を構成するY軸移動プレート26がスライドできる態様で取り付けられている。各Y軸移動プレート26の背面側(裏面側)には、ボールねじを構成するナット部(不図示)が設けられており、各ナット部には、Y軸ガイドレール24に対して概ね平行なねじ軸28が、回転できる態様で連結されている。
各ねじ軸28の一端部には、モーター等の回転駆動源30が接続されている。各回転駆動源30によってねじ軸28を回転させることで、対象のY軸移動プレート26は、Y軸ガイドレール24に沿って移動する。各Y軸移動プレート26の正面(表面)には、Z軸に対して概ね平行な一対のZ軸ガイドレール32が固定されている。各Y軸移動プレート26に固定されてたZ軸ガイドレール32には、Z軸移動プレート34がスライドできる態様で取り付けられている。
各Z軸移動プレート34の背面側(裏面側)には、ボールねじを構成するナット部(不図示)が設けられており、各ナット部には、Z軸ガイドレール32に対して概ね平行なねじ軸36が、回転できる態様で連結されている。各ねじ軸36の一端部には、モーター等の回転駆動源38が接続されている。各回転駆動源38によってねじ軸36を回転させることで、対象のZ軸移動プレート34は、Z軸ガイドレール32に沿って移動する。
一方の切削ユニット移動機構22を構成するZ軸移動プレート34の下部には、第1切削ユニット40aを構成する筒状の第1スピンドルハウジング42aが固定されている。この第1スピンドルハウジング42aには、Y軸に対して概ね平行な回転軸となる第1スピンドル44a(図7等参照)が収容されている。
切削装置2の内寄りの領域に位置する第1スピンドル44aの先端部は、第1スピンドルハウジング42aの内側の端から外部に露出している。この第1スピンドル44aの先端部には、結合材に砥粒が分散されてなる円盤状(環状)の第1切削ブレード46a(図7等参照)が装着される。また、切削装置2の外寄りの領域に位置する第1スピンドル44aの基端側には、第1スピンドル44aをその軸心の周りに回転させことができるモーター等の回転駆動源(不図示)が接続されている。
第1スピンドルハウジング42aの内側の端部には、第1スピンドル44aに装着された第1切削ブレード46aを部分的に覆うことができる第1カバー48a(図8等参照)が設けられている。第1カバー48aの下部には、純水に代表される切削用の液体(切削液)を第1切削ブレード46aへと供給できる一対の第1下部ノズル50a(図8等参照)が、第1切削ブレード46aを挟むように配置されている。
また、第1カバー48aのX軸に沿う2つの異なる方向のうちの一方側の部分には、切削用の液体を第1切削ブレード46aへと供給できる第1上部ノズル(第1ノズル)52a(図8等参照)が配置されている。第1上部ノズル52aの先端部には、例えば、X軸に沿う2つの異なる方向のうちの他方側(図8の第1方向X1)に向かって液体を吐出できるように開口する第1吐出口54aが設けられている。よって、第1上部ノズル52aは、X軸に沿う2つの異なる方向のうちの他方側(第1方向X1)に位置する第1切削ブレード46aに液体を吐出できる。
第1切削ユニット40aに隣接する位置には、チャックテーブル12に保持されたパッケージ基板11等を撮像できるカメラ56が設けられている。一方の切削ユニット移動機構22で一方のY軸移動プレート26をY軸に沿って移動させれば、第1切削ユニット40a及びカメラ56がY軸に沿って移動する(割り出し送り)。また、一方の切削ユニット移動機構22で一方のZ軸移動プレート34をZ軸に沿って移動させれば、第1切削ユニット40a及びカメラ56がZ軸に沿って移動する(切り込み送り)。
他方の切削ユニット移動機構22を構成するZ軸移動プレート34の下部には、第2切削ユニット40bを構成する筒状の第2スピンドルハウジング42bが固定されている。この第2スピンドルハウジング42bには、Y軸に対して概ね平行な回転軸となる第2スピンドル44b(図7等参照)が収容されている。
切削装置2の内寄りの領域に位置する第2スピンドル44bの先端部は、第2スピンドルハウジング42bの内側の端から外部に露出している。この第2スピンドル44bの先端部には、結合材に砥粒が分散されてなる円盤状(環状)の第2切削ブレード46b(図7等参照)が装着される。また、切削装置2の外寄りの領域に位置する第2スピンドル44bの基端側には、第2スピンドル44bをその軸心の周りに回転させことができるモーター等の回転駆動源(不図示)が接続されている。
第2スピンドルハウジング42bの内側の端部には、第2スピンドル44bに装着された第2切削ブレード46bを部分的に覆うことができる第2カバー48b(図10等参照)が設けられている。第2カバー48bの下部には、純水に代表される切削用の液体を第2切削ブレード46bへと供給できる一対の第2下部ノズル50b(図10等参照)が、第2切削ブレード46bを挟むように配置されている。
また、第2カバー48bのX軸に沿う2つの異なる方向のうちの他方側の部分には、切削用の液体を第2切削ブレード46bへと供給できる第2上部ノズル(第2ノズル)52b(図10等参照)が配置されている。第2上部ノズル52bの先端部には、例えば、X軸に沿う2つの異なる方向のうちの一方側(図10の第2方向X2)に向かって液体を吐出できるように開口する第2吐出口54bが設けられている。よって、第2上部ノズル52bは、X軸に沿う2つの異なる方向のうちの一方側(第2方向X2)に位置する第2切削ブレード46bに液体を吐出できる。
第2切削ユニット40bに隣接する位置にも、チャックテーブル12に保持されたパッケージ基板11等を撮像できるカメラ56が設けられている。他方の切削ユニット移動機構22で他方のY軸移動プレート26をY軸に沿って移動させれば、第2切削ユニット40b及びカメラ56がY軸に沿って移動する(割り出し送り)。また、他方の切削ユニット移動機構22で他方のZ軸移動プレート34をZ軸に沿って移動させれば、第2切削ユニット40b及びカメラ56がZ軸に沿って移動する(切り込み送り)。
このように、本実施形態の切削装置2は、第1切削ブレード46aが装着され軸心の周りに回転可能な第1スピンドル44aを有する第1切削ユニット40aに加えて、第2切削ブレード46bが第1切削ブレード46aと対向する位置に装着され軸心の周りに回転可能な第2スピンドル44bを有する第2切削ユニット40bを備えている。
ただし、2組の切削ユニットを備えた一般的なデュアルダイサーとは異なり、本実施形態にかかる第1切削ユニット40a及び第2切削ユニット40bでは、X軸及びZ軸の双方と平行な面に関して、一部の構成要素が対称に配置されていない。例えば、上述のように、第1上部ノズル52aと第2上部ノズル52bとは、X軸及びZ軸の双方と平行な面に関して対称に配置されておらず、第1上部ノズル52aの第1吐出口54aは、第2上部ノズル52bの第2吐出口54bとは逆の方向を向いている。
図1に示されるように、開口部4bに対して開口部4aと反対側の位置には、開口部4cが形成されている。開口部4c内には、切削加工後のパッケージ基板11等を洗浄するための洗浄ユニット58が配置されている。チャックテーブル移動機構10、チャックテーブル12に接続された回転駆動源、搬送機構、切削ユニット移動機構22、第1切削ユニット40a、第2切削ユニット40b、カメラ56、洗浄ユニット58等の構成要素には、制御ユニット60が接続されている。各構成要素の動作は、この制御ユニット60によって制御される。
制御ユニット60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置でなる処理部60aと、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の主記憶装置、又はハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の補助記憶装置でなる記憶部60bと、を含むコンピュータによって構成される。記憶部60bに記憶されるプログラム(ソフトウェア)に従い処理部60aが動作することによって、制御ユニット60の機能が実現される。ただし、制御ユニット60は、ハードウェアのみによって実現されてもよい。
なお、本実施形態では、第1切削ブレード46aが装着される第1スピンドル44aと第2切削ブレード46bが装着される第2スピンドル44bとを、Y軸に沿う2つの異なる方向のうちの一方側(つまり、同じ側)から見て互いに逆の方向に回転させるプログラムが、記憶部60bに記憶(記録)されている。これにより、後述するように、切削加工の品質のばらつきが小さく抑えられる。
次に、被加工物であるパッケージ基板11が、任意の2本の加工予定ライン19に沿って連続的に切削加工される被加工物の加工方法について説明する。ただし、本発明にかかる被加工物の加工方法は、3本以上の加工予定ライン19を連続的に切削加工する際にも、同様に適用され得る。
本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、まず、制御ユニット60が、パッケージ基板11をチャックテーブル12に保持させる(保持ステップ)。制御ユニット60は、例えば、搬送機構を動作させて、カセット8からパッケージ基板11を搬出し、基板13の表面13a側が上方に露出するように、このパッケージ基板11をチャックテーブル12の上面16aに載せる。
そして、制御ユニット60は、バルブを開いて、パッケージ基板11が載せられた保持板16の上面16aに吸引源の負圧を作用させる。また、制御ユニット60は、パッケージ基板11を支持する環状のフレーム33をクランプ18で固定する。これにより、パッケージ基板11は、チャックテーブル12により保持される。
パッケージ基板11がチャックテーブル12により保持された後には、制御ユニット60は、各加工予定ライン19がX軸(加工送り軸)に対してなす角度に関する情報(第1情報、第2情報)を取得する(角度情報取得ステップ)。図5は、X軸に対して第1加工予定ライン19aのなす角度θ(θ>0)を示す平面図であり、図6は、X軸に対して第2加工予定ライン19bのなす角度θ(θ<0)を示す平面図である。なお、図5及び図6では、説明の便宜上、角度θと角度θとが現実よりも誇張されている。
制御ユニット60は、例えば、チャックテーブル移動機構10と切削ユニット移動機構22とを動作させて、第1加工予定ライン19aの両端に対応した2個のマーク29を含むパッケージ基板11の2つの領域をカメラ56で撮像する。そして、制御ユニット60は、得られた2つの画像から、各マーク29のX軸座標及びY軸座標(第1情報)を抽出する。制御ユニット60は、各マーク29のX軸座標及びY軸座標から、X軸に対して第1加工予定ライン19aのなす角度θを認識できる。
同様に、制御ユニット60は、例えば、チャックテーブル移動機構10と切削ユニット移動機構22とを動作させて、第2加工予定ライン19bの両端に対応した2個のマーク29を含む2つの領域をカメラ56で撮像する。そして、制御ユニット60は、得られた2つの画像から、各マーク29のX軸座標及びY軸座標(第2情報)を抽出する。制御ユニット60は、各マーク29のX軸座標及びY軸座標から、X軸に対して第2加工予定ライン19bのなす角度θを認識できる。
なお、本実施形態では、第1加工予定ライン19aの両端に対応した2個のマーク29のX軸座標及びY軸座標を、第1加工予定ライン19aがX軸に対してなす角度θに関する第1情報としているが、第1情報は、第1加工予定ライン19aがX軸に対してなす角度θを制御ユニット60に認識させることができる情報であればよい。
同様に、本実施形態では、第2加工予定ライン19bの両端に対応した2個のマーク29のX軸座標及びY軸座標を、第2加工予定ライン19bがX軸に対してなす角度θに関する第2情報としているが、第2情報は、第2加工予定ライン19bがX軸に対してなす角度θを制御ユニット60に認識させることができる情報であればよい。
第1情報と第2情報とが取得された後には、制御ユニット60は、例えば、第1加工予定ライン19aがX軸に対して平行になるように、第1情報に基づきチャックテーブル12の回転軸の周りの向きを制御する(第1向き制御ステップ)。すなわち、制御ユニット60は、チャックテーブル12に接続された回転駆動源を動作させて、チャックテーブル12を上方から見て時計回りに角度θだけ回転させる。
第1加工予定ライン19aをX軸に対して平行にした後には、制御ユニット60は、回転させた第1切削ブレード46aをパッケージ基板11に切り込ませることで、パッケージ基板11を第1加工予定ライン19aで切削加工する(第1加工ステップ)。図7は、パッケージ基板11が第1加工予定ライン19aで切削加工される様子を示す平面図であり、図8は、パッケージ基板11が第1加工予定ライン19aで切削加工される様子を示す側面図である。なお、図8では、Y軸に沿う2つの異なる方向のうちの一方側から第1切削ユニット40aを見た様子が示されている。
具体的には、制御ユニット60は、例えば、、チャックテーブル移動機構10と切削ユニット移動機構22とを動作させて、図7に示されるように、第1切削ブレード46aを第1加工予定ライン19aの第1方向X1側の延長線の直上まで移動させる。また、制御ユニット60は、例えば、切削ユニット移動機構22を動作させて、第1切削ブレード46aの下端を、パッケージ基板11の下端よりも僅かに低い位置まで移動させる。ここで、制御ユニット60は、第2切削ブレード46bがパッケージ基板11に切り込まないように、第2切削ブレード46bの下端を、パッケージ基板11の上端よりも高い位置に維持しておく。
そして、制御ユニット60は、図8に示されるように、例えば、第1切削ブレード46aを回転方向R1に回転させながら、チャックテーブル移動機構10を動作させて、チャックテーブル12をパッケージ基板11とともに第1方向X1に移動させる。この際に、制御ユニット60は、第1下部ノズル50a及び第1上部ノズル52aから第1切削ブレード46aに対して液体を吐出させる。
その結果、回転させた第1切削ブレード46aがパッケージ基板11に切り込まれ、パッケージ基板11は、第1加工予定ライン19aで切削加工される。本実施形態では、第1切削ブレード46aの下端の位置がパッケージ基板11の下端の位置よりも低いので、パッケージ基板11は、第1加工予定ライン19aで切断される。パッケージ基板11が第1加工予定ライン19aで切断された後に、制御ユニット60は、チャックテーブル12の第1方向X1への移動を停止する。
このように、制御ユニット60は、チャックテーブル12と第1切削ユニット40a及び第2切削ユニット40bとをX軸に沿う第1方向X1に相対的に移動させながら、第2切削ブレード46bをパッケージ基板11に切り込ませることなく、回転させた第1切削ブレード46aをパッケージ基板11に切り込ませることにより、パッケージ基板11を第1加工予定ライン19aで切削加工する。
パッケージ基板11が第1加工予定ライン19aで切削加工された後には、制御ユニット60は、例えば、第2加工予定ライン19bがX軸に対して平行になるように、第2情報に基づきチャックテーブル12の回転軸の周りの向きを制御する(第2向き制御ステップ)。すなわち、制御ユニット60は、チャックテーブル12に接続された回転駆動源を動作させて、チャックテーブル12を上方から見て時計回りに角度θ-θだけ回転させる。
第2加工予定ライン19bをX軸に対して平行にした後には、制御ユニット60は、回転させた第2切削ブレード46bをパッケージ基板11に切り込ませることで、パッケージ基板11を第2加工予定ライン19bで切削加工する(第2加工ステップ)。図9は、パッケージ基板11が第2加工予定ライン19bで切削加工される様子を示す平面図であり、図10は、パッケージ基板11が第2加工予定ライン19bで切削加工される様子を示す側面図である。
なお、図9には、第1切削ブレード46aをパッケージ基板11に切り込ませることで形成されたカーフ(切り口)19cが示されている。また、図10では、Y軸に沿う2つの方向のうちの他方側(つまり、図8とは反対側)から第2切削ユニット40bを見た様子が示されている。
具体的には、制御ユニット60は、例えば、切削ユニット移動機構22を動作させて、図9に示されるように、第2切削ブレード46bを第2加工予定ライン19bの第2方向X2側の延長線の直上まで移動させる。また、制御ユニット60は、例えば、切削ユニット移動機構22を動作させて、第2切削ブレード46bの下端を、パッケージ基板11の下端よりも僅かに低い位置まで移動させる。ここで、制御ユニット60は、第1切削ブレード46aがパッケージ基板11に切り込まないように、第1切削ブレード46aの下端を、パッケージ基板11の上端よりも高い位置まで移動させる。
そして、制御ユニット60は、図10に示されるように、例えば、第2切削ブレード46bを回転方向R2に回転させながら、チャックテーブル移動機構10を動作させて、チャックテーブル12をパッケージ基板11とともに第2方向X2に移動させる。また、この際に、制御ユニット60は、第2下部ノズル50b及び第2上部ノズル52bから第2切削ブレード46bに対して液体を吐出させる。
その結果、回転させた第2切削ブレード46bがパッケージ基板11に切り込まれ、パッケージ基板11は、第2加工予定ライン19bで切削加工される。本実施形態では、第2切削ブレード46bの下端の位置がパッケージ基板11の下端の位置よりも低いので、パッケージ基板11は、第2加工予定ライン19bで切断される。パッケージ基板11が第2加工予定ライン19bで切断された後に、制御ユニット60は、チャックテーブル12の第2方向X2への移動を停止する。
このように、制御ユニット60は、チャックテーブル12と第1切削ユニット40a及び第2切削ユニット40bとを第1方向X1とは反対の第2方向X2に相対的に移動させながら、第1切削ブレード46aをパッケージ基板11に切り込ませることなく、回転させた第2切削ブレード46bをパッケージ基板11に切り込ませることにより、パッケージ基板11を第2加工予定ライン19bで切削加工する。
本実施形態では、制御ユニット60が、第2切削ブレード46bを、Y軸に沿う2つの異なる方向のうちの一方側(同じ側)から見て第1切削ブレード46aとは逆の方向に回転させている。つまり、第1方向X1に対する第1切削ブレード46aの回転方向R1の関係と、第1方向X1とは反対の第2方向X2に対する第2切削ブレード46bの回転方向R2の関係と、が等しくなっている。
より詳細には、第1切削ブレード46aがパッケージ基板11に切り込む第1加工点での第1方向X1に対する第1切削ブレード46aの回転方向R1の関係と、第2切削ブレード46bがパッケージ基板11に切り込む第2加工点での第2方向X2に対する第2切削ブレード46bの回転方向R2の関係と、が等しくなっている。そのため、第1切削ブレード46aによる切削加工と第2切削ブレード46bによる切削加工とで、切削加工の品質のばらつきが小さく抑えられて、高い切削加工の精度が実現される。
また、本実施形態では、制御ユニット60が、第1方向X1に開口した第1上部ノズル52aの第1吐出口54aから液体を吐出することにより、第1切削ブレード46aに対して液体を供給し、第2方向X2に開口した第2上部ノズル52bの第2吐出口54bから液体を吐出することにより、第2切削ブレード46bに対して液体を供給している。
つまり、制御ユニット60は、第1方向X1を基準とした第1吐出口54aの向きと、第2方向X2を基準とした第2吐出口54bの向きと、が等しい状態で第1吐出口54aと第2吐出口54bとから液体を吐出することにより、第1切削ブレード46aと第2切削ブレード46bとに対して液体を供給している。そのため、切削加工の品質のばらつきが更に小さく抑えられて、更に高い切削加工の精度が実現される。
以上のように、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、チャックテーブル12と第1切削ユニット40a及び第2切削ユニット40bとをX軸(加工送り軸)に沿う第1方向X1に相対的に移動させながら第1切削ブレード46aをパッケージ基板(被加工物)11に切り込ませることにより、パッケージ基板11を第1加工予定ライン19aで切削加工し(往路)、その後、チャックテーブル12と第1切削ユニット40a及び第2切削ユニット40bとを第1方向X1とは反対の第2方向X2に相対的に移動させながら第2切削ブレード46bをパッケージ基板11に切り込ませることにより、パッケージ基板11を第2加工予定ライン19bで切削加工する(復路)ので、第1方向X1への相対的な移動(往路)による切削加工だけを繰り返す従来の加工方法とは異なり、第2方向X2への相対的な移動(復路)の時間が有効に活用され、切削加工の完了までに要する時間が短くなる。
また、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、第1方向X1に対する第1切削ブレード46aの回転方向R1の関係と、第2方向X2に対する第2切削ブレード46bの回転方向R2の関係と、が等しくなっており、第1加工予定ライン19aの切削加工の条件と、第2加工予定ライン19bの切削加工の条件とが、同等になるので、切削加工の品質のばらつきが小さく抑えられて、高い切削加工の精度が実現される。
更に、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、相対的な移動の往路と復路とでパッケージ基板11を連続的に切削加工することにより、切削加工の完了までに要する時間を短くしているので、例えば、より高い切削加工の精度を実現するために全ての加工予定ライン19の位置や向きに関する情報をカメラ56等で取得する場合にも、往路だけでパッケージ基板11を切削加工する従来の方法に比べて切削加工の完了までに要する時間は短くなる。したがって、切削加工の完了までに要する時間を短くしながら、高い切削加工の精度を実現することが可能になる。
加えて、本実施形態にかかる被加工物の加工方法では、第1方向X1を基準とした第1吐出口54aの向きと、第2方向X2を基準とした第2吐出口54bの向きと、が等しい状態で第1吐出口54aと第2吐出口54bとから液体を吐出することにより、第1切削ブレード46aと第2切削ブレード46bとに対して液体を供給しているので、切削加工の品質のばらつきが更に小さく抑えられ、更に高い切削加工の精度が実現される。
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上述した実施形態では、X軸(加工送り軸)に対して各加工予定ライン19のなす角度に関する情報(第1情報、第2情報)が取得されているが、変形の可能性が低い被加工物が切削加工される場合には、少なくとも、X軸に対して任意の1本の加工予定ライン19のなす角度に関する情報が取得され、この情報に基づきチャックテーブル12の回転軸の周りの向きが制御されれば足りる。
また、上述した実施形態では、第1方向X1を基準とした第1吐出口54aの向きと、第2方向X2を基準とした第2吐出口54bの向きと、が等しい状態で第1吐出口54aと第2吐出口54bとから液体が吐出されているが、切削加工の精度に余裕がある場合等には、第1方向X1を基準とした第1吐出口54aの向きと、第2方向X2を基準とした第2吐出口54bの向きと、が異なる状態で第1吐出口54aと第2吐出口54bとから液体が吐出されてもよい。
また、上述した実施形態では、切削加工を実現するプログラムが制御ユニット60内の記憶部60bに記憶(記録)されているが、このプログラムは、例えば、コンピュータ等による読み取りが可能な任意の非一時的な記録媒体に記録されてもよい。例えば、低コストの頒布が可能なCD(Compact Disc)等の光ディスクに、このプログラムが記録されることがある。
その他、上述の実施形態及び変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 :パッケージ基板(被加工物)
13 :基板
13a :表面
13b :裏面
15 :デバイス領域
17 :余剰領域
19 :加工予定ライン(ストリート)
19a :第1加工予定ライン
19b :第2加工予定ライン
19c :カーフ(切り口)
21 :ステージ
23 :デバイスチップ
25 :封止樹脂層(モールド樹脂層)
27 :構造体
29 :マーク
31 :ダイシングテープ
33 :フレーム
2 :切削装置(加工装置)
4 :基台
4a :開口部
4b :開口部
4c :開口部
6 :カセットテーブル
8 :カセット
10 :チャックテーブル移動機構(加工送り機構)
10a :テーブルカバー
10b :防塵防滴カバー
12 :チャックテーブル
14 :枠体
14a :凹部
14b :流路
16 :保持板
16a :上面(保持面)
18 :クランプ
20 :支持構造
22 :切削ユニット移動機構(割り出し送り機構、切り込み送り機構)
24 :Y軸ガイドレール
26 :Y軸移動プレート
28 :ねじ軸
30 :回転駆動源
32 :Z軸ガイドレール
34 :Z軸移動プレート
36 :ねじ軸
38 :回転駆動源
40a :第1切削ユニット
40b :第2切削ユニット
42a :第1スピンドルハウジング
42b :第2スピンドルハウジング
44a :第1スピンドル
44b :第2スピンドル
46a :第1切削ブレード
46b :第2切削ブレード
48a :第1カバー
48b :第2カバー
50a :第1下部ノズル
50b :第2下部ノズル
52a :第1上部ノズル
52b :第2上部ノズル
54a :第1吐出口
54b :第2吐出口
56 :カメラ
58 :洗浄ユニット
60 :制御ユニット
60a :処理部
60b :記憶部

Claims (5)

  1. 被加工物を保持する保持面を有し該保持面に対して交差する回転軸の周りに回転可能なチャックテーブルと、環状の第1切削ブレードが装着され軸心の周りに回転可能な第1スピンドルを有する第1切削ユニットと、環状の第2切削ブレードが該第1切削ブレードと対向する位置に装着され軸心の周りに回転可能な第2スピンドルを有する第2切削ユニットと、該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを加工送り軸に沿って相対的に移動させる加工送り機構と、を含む加工装置を用いて、該被加工物に設定された第1加工予定ラインと第2加工予定ラインとで該被加工物を切削加工する被加工物の加工方法であって、
    該被加工物を該チャックテーブルで保持する保持ステップと、
    該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを該加工送り軸に沿う第1方向に相対的に移動させながら、該第2切削ブレードを該被加工物に切り込ませることなく、回転させた該第1切削ブレードを該被加工物に切り込ませることにより、該被加工物を該第1加工予定ラインで切削加工する第1加工ステップと、
    該第1加工ステップの後に、該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを該第1方向とは反対の第2方向に相対的に移動させながら、該第1切削ブレードを該被加工物に切り込ませることなく、回転させた該第2切削ブレードを該被加工物に切り込ませることにより、該被加工物を該第2加工予定ラインで切削加工する第2加工ステップと、を含み、
    該第1切削ブレードが該被加工物に切り込む第1加工点での該第1方向に対する該第1切削ブレードの回転方向の関係と、該第2切削ブレードが該被加工物に切り込む第2加工点での該第2方向に対する該第2切削ブレードの回転方向の関係と、が等しくなるように該第1切削ブレードと該第2切削ブレードとを回転させる被加工物の加工方法。
  2. 該保持ステップの後に、該加工送り軸に対して該第1加工予定ラインのなす角度に関する第1情報と、該加工送り軸に対して該第2加工予定ラインのなす角度に関する第2情報と、を取得する角度情報取得ステップと、
    該角度情報取得ステップの後、該第1加工ステップの前に、該第1加工予定ラインが該加工送り軸に対して平行になるように該第1情報に基づき該チャックテーブルの該回転軸の周りの向きを制御する第1向き制御ステップと、
    該第1加工ステップの後、該第2加工ステップの前に、該第2加工予定ラインが該加工送り軸に対して平行になるように該第2情報に基づき該チャックテーブルの該回転軸の周りの向きを制御する第2向き制御ステップと、を更に含む請求項1に記載の被加工物の加工方法。
  3. 該加工装置は、該第1切削ブレードに対して液体を吐出する第1吐出口を有する第1ノズルと、該第2切削ブレードに対して液体を吐出する第2吐出口を有する第2ノズルと、を更に含み、
    該第1加工ステップでは、該第1切削ブレードに対して該第1吐出口から液体が吐出されている状態で、回転させた該第1切削ブレードを該被加工物に切り込ませ、
    該第2加工ステップでは、該第2切削ブレードに対して該第2吐出口から液体が吐出されている状態で、回転させた該第2切削ブレードを該被加工物に切り込ませ、
    該第1方向を基準とした該第1吐出口が液体を吐出する向きと、該第2方向を基準とした該第2吐出口が液体を吐出する向きと、が等しい状態で該第1吐出口と該第2吐出口とから液体を吐出する請求項1又は請求項2に記載の被加工物の加工方法。
  4. 被加工物を保持する保持面を有し該保持面に対して交差する回転軸の周りに回転可能なチャックテーブルと、
    環状の第1切削ブレードが装着され軸心の周りに回転可能な第1スピンドルを有する第1切削ユニットと、
    環状の第2切削ブレードが該第1切削ブレードと対向する位置に装着され軸心の周りに回転可能な第2スピンドルを有する第2切削ユニットと、
    該チャックテーブルと該第1切削ユニット及び該第2切削ユニットとを加工送り軸に沿って相対的に移動させる加工送り機構と、
    処理部と記憶部とを有し、該記憶部に記憶されたプログラムに従い該第1切削ユニットと該第2切削ユニットと該加工送り機構とを制御する制御ユニットと、を含み、
    該制御ユニットは、該プログラムに従い、
    該第1切削ブレードが装着される該第1スピンドルと該第2切削ブレードが装着される該第2スピンドルとを、同じ側から見て互いに逆の方向に回転させる加工装置。
  5. 該第1切削ブレードに対して液体を吐出する第1吐出口を有する第1ノズルと、
    該第2切削ブレードに対して液体を吐出する第2吐出口を有する第2ノズルと、を更に含み、
    該第1ノズルと該第2ノズルとは、該加工送り軸に沿う第1方向を基準とした該第1吐出口の向きと、該第1方向とは反対の第2方向を基準とした該第2吐出口の向きと、が等しくなるように配置されている請求項4に記載の加工装置。
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