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JP2023104069A - 遮光膜、光学素子、遮光塗料 - Google Patents

遮光膜、光学素子、遮光塗料 Download PDF

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JP2023104069A JP2022004838A JP2022004838A JP2023104069A JP 2023104069 A JP2023104069 A JP 2023104069A JP 2022004838 A JP2022004838 A JP 2022004838A JP 2022004838 A JP2022004838 A JP 2022004838A JP 2023104069 A JP2023104069 A JP 2023104069A
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怜子 久保田
Reiko Kubota
美和 高地
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Abstract

【課題】応力がかかりやすい基材構成で過酷な熱衝撃においてもレンズの割れが発生せず、且つ高温高湿下でのブリードアウトが発生せず、さらに内面反射防止性能が高い遮光膜及を提供する。【解決手段】d線屈折率が2.0以上の無機粒子の凝集体と、着色剤と、樹脂と、可塑剤とを有し、凝集体の平均粒子径は250nm以下であり、可塑剤は、流動点が-50℃以下、かつ沸点が200℃以上450℃以下である遮光膜。【選択図】なし

Description

本発明は、遮光膜、遮光膜を有する光学素子、遮光塗料に関する。
遮光膜は、主に光学素子の構成部材であるガラスやプラスチック等の基材の表面に形成される膜である。遮光膜を設けることにより画像に悪影響を与える内面反射光が減少し、フレアやゴーストを防止することが可能である。
基材と遮光膜との界面で生じる反射光は、遮光膜の屈折率を基材の屈折率に近づけるか、基材の屈折率より遮光膜の屈折率を高くすることで低減することが可能であるが、ガラス等の基材の高屈折率化に伴い、遮光膜も高屈折率化することが求められている。
特許文献1には、遮光膜の屈折率を向上させるために酸化チタンナノ粒子を用い、可塑剤を含有する遮光膜が開示されている。
特開2013-054349号公報
しかし、近年、接合レンズの貼り合わせ部分、レンズ端面の薄肉部分、軟らかいガラス部分等の応力がかかりやすい基材構成の増加に伴い、遮光膜を基材の外周部分に形成した場合、基材への応力がかかりやすい傾向にある。また、寒冷地や灼熱下など大きな熱衝撃が加わる状況下で使用されることも多い。よって、遮光膜による基材への応力を軽減することが求められている。さらに、高温高湿下において、可塑剤のブリードアウトの発生を低減すること求められている。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、応力がかかりやすい基材構成で過酷な熱衝撃においてもレンズの割れが発生せず、且つ高温高湿下でのブリードアウトが発生せず、さらに内面反射防止性能が高い遮光膜を提供するものである。
本発明の遮光膜は、d線屈折率が2.0以上の無機粒子の凝集体と、着色剤と、樹脂と、可塑剤とを有する遮光膜であって、
前記凝集体の平均粒子径は250nm以下であり、
前記可塑剤は、流動点が-50℃以下、かつ沸点が200℃以上450℃以下であることを特徴とする。
また、本発明の遮光塗料は、d線屈折率が2.0以上の無機粒子の凝集体と、着色剤と、樹脂と、可塑剤とを有する遮光塗料であって、
前記凝集体の平均粒子径は250nm以下であり、
前記可塑剤は、流動点が-50℃以下、かつ沸点が200℃以上450℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、過酷な熱衝撃においてもレンズの割れが発生せず、且つ高温高湿下でのブリードアウトが発生せず、さらに内面反射防止性能が高い遮光膜、光学素子、遮光塗料を提供することが出来る。
本発明の光学素子の一例を示す断面模式図である。 遮光膜とレンズの界面状態を示す断面模式図である。 内面反射率の測定方法を示す模式図である。 耐熱衝撃性の評価に用いる試験片の断面模式図である。 本発明の光学素子である接合レンズの一例を示す断面模式図である。 本発明にかかる接合レンズを用いた撮像装置の断面模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
[遮光膜の役割]
遮光膜は、主に光学素子の構成部材であるガラスやプラスチック等の基材の表面に形成される膜である。ここで、基材はレンズであってもよいしプリズムであってもよい。またその他の光学用ガラスもしくは光学用プリズムであってもよい。
まず、光学素子用の遮光膜の役割について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の光学素子の一例を示す断面模式図である。図1に示されるように、遮光膜1は基材2としてのレンズの任意の光学有効面外である外周部分に形成されている。尚、図1では、説明の便宜上、外周部分の一部に遮光膜1を有さないが、遮光膜1を基材2の外周部分の全てに形成するのが好ましい。
ここで、基材2に入射する光のうち基材2の外周部分に当たらない光(入射光3)は、透過光4として透過する。一方、基材2に入射する光のうち基材2の外周部分に当たる光(入射光5)は、基材2の外周部分に設けられている遮光膜1に当たる。仮に、遮光膜1が形成されていない場合では、基材2の外周部分に当たった光は内面反射して画像に関係のない内面反射光6として基材2の外に出ていく。この内面反射光6は、画像を悪くする要素であるフレアやゴースト等の原因になる。このためフレアやゴースト等の発生を防ぐ目的で基材2の外周に遮光膜1を設ける必要がある。遮光膜1を設けることにより画像に悪影響を与える内面反射光6が減少するのでフレアやゴーストを防止することが可能である。
内面反射が減少する原理について詳しく述べる。図2は、遮光膜を形成した基材の遮光膜と基材の界面状態を示す断面模式図であり、内面反射光の進行方向を示す模式図である。尚、図2は、遮光膜1が基材2の外周表面に塗布されている様態を示すものである。図2に示されるように、内面反射は主に2つの界面、即ち基材2と遮光膜1との界面(界面7)及び遮光膜1と空気との界面(界面8)で起こる。即ち、基材2内を通る入射光5が界面7に当たると、入射光5はこの界面7において反射する光(第一の反射光9)と遮光膜1を透過する光(透過光10)とに分かれる。また透過光10は、界面8において反射する。このときの反射光が第二の反射光11となる。
ここで第一の反射光9については、遮光膜1の屈折率を基材2の屈折率に近づけるか、基材2の屈折率より遮光膜1の屈折率を高くすることで低減することが可能である。基材2の高屈折率化に伴い遮光膜1も高屈折率化することが求められている。また、第二の反射光11については、透過光10を吸収することで低減できる。遮光膜1内部への透過光10を効率よく吸収するために、着色剤などが用いられる。
[本発明の特徴]
内面反射を抑制するためには、遮光膜をレンズの屈折率と同等もしくはそれ以上の屈折率とすることが好ましい。屈折率を大きく向上するためには、樹脂中にナノ分散した高屈折無機微粒子を多量に添加する方法がある。しかし、無機微粒子は弾性率が高いため、無機微粒子を多量に添加すると膜自体が硬く、熱衝撃が加わるとレンズに大きな応力がかかる可能性がある。
熱衝撃がかかってもレンズへの応力がかかりにくい構成として高屈折無機微粒子に加えて柔軟成分である可塑剤を添加することが行われる。しかしながら可塑剤を添加しても、応力がかかりやすいレンズ構成では過酷な熱衝撃によってレンズに微細なクラックが発生する場合がある。また、微細なクラックを防止するために可塑剤の添加量を増加させると高温高湿下において可塑剤のブリードアウトが発生する可能性がある。
本発明者は、高い耐熱衝撃性、高温高湿性能、内面反射防止性能を両立するための方法を鋭意検討したところ、流動点が-50℃以下であり、沸点が200℃以上450℃以下である可塑剤を添加することでこれらの両立が可能であることを見出した。
本発明で用いる可塑剤は、流動点が-50℃以下と低いため、弾性率が高くなる低温領域でも応力がたまりにくい。また、可塑剤の沸点は200℃以上450℃以下であるため、硬化時に可塑剤が表面から若干量蒸発すると想定される。そのため、遮光膜表面には樹脂成分が多く存在し、架橋密度が高くなるため、可塑剤のブリードアウトを抑制していると推測される。また、遮光膜と基材との界面には可塑剤が多く存在するので低温での柔軟性が高く耐熱衝撃性が高いと推測される。
[遮光塗料]
本発明の遮光塗料は、d線屈折率が2.0以上の無機粒子の凝集体と、着色剤と、樹脂と、可塑剤とを有する。以下に、本発明の遮光塗料の材料構成および製造方法について説明する。
≪材料構成≫
(無機粒子)
無機粒子のd線屈折率は、2.0以上であり、好ましくは2.0以上3.1以下、より好ましくは2.2以上3.01以下である。ここで、d線屈折率は、d線(波長587.56nm)に対する室温での屈折率である。d線屈折率が2.0未満になると、遮光膜の屈折率を上げるために大量の粒子を添加する必要があり、遮光膜の弾性率が高くなって耐熱衝撃性が悪化する。
無機粒子は、一部が無機粒子の一次粒子が凝集した状態(凝集体)で遮光塗料に含まれており、凝集体の平均粒子径は、250nm以下であり、好ましくは2nm以上250nm以下、より好ましくは50nm以上200nm以下である。無機粒子の凝集体の平均粒子径が250nmを超えると遮光膜の散乱が大きくなり外観が悪化する。
無機粒子の凝集体の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定することができる。具体的には、遮光膜の断面を切り出し、TEMで画像を撮影する。撮影した画像をImage Jで解析し、粒度分布を算出する。粒子径の測定には最低評価画面に10個以上の粒子(凝集体)が入るようにして、その平均径を計算する。
無機粒子としては、d線屈折率が2.0以上であれば、任意の金属、金属酸化物、金属窒化物、ダイアモンド等の粒子を用いてよい。無機粒子の一例としては、例えば、ベンガラ(d線屈折率=3.01)、マグネタイト(d線屈折率=2.42)ルチル型酸化チタン(d線屈折率=2.72)、アナターゼ型酸化チタン(d線屈折率=2.52)、酸化ジルコニウム(d線屈折率=2.05)、酸化セリウム(d線屈折率=2.2)、酸化亜鉛(d線屈折率=2.1)、五酸化タンタル(d線屈折率=2.16)、酸化タングステン(d線屈折率=2.2)、五酸化ニオブ(d線屈折率=2.33)、酸化インジウムスズ(d線屈折率=2.06)、酸化クロム(d線屈折率=2.24)、ダイアモンド(d線屈折率=2.42)等が挙げられる。
酸化チタンとしては、例えば、TTO-51(A)(石原産業)、TTO-51(C)(石原産業)、TTO-55(A)(石原産業)、TTO-55(B)(石原産業)、TTO-55(C)(石原産業)、TTO-55(D)(石原産業)、STR-100N(堺化学)、STR-100A-LP(堺化学)、STR-100C-LP(堺化学)、STR-100W-LP(堺化学)、STR-100C-LF(堺化学)、STR-100W-OTS(堺化学)、STR-100W(G)(堺化学)、STR-40OTS(堺化学)、MT-01(テイカ)、MT-10EX(テイカ)、MT-05(テイカ)、MT-100S(テイカ)、MT-100TV(テイカ)、MT-100Z(テイカ)、MT-150EX(テイカ)、MT-150W(テイカ)、MT-100AQ(テイカ)、MT-100WP(テイカ)、MT-100SA(テイカ)、MT-100HD(テイカ)等が挙げられる。
これらの無機粒子は、1種類を用いてもいいし、複数の種類を含んで複合物になっていても構わない。
無機粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。無機粒子の形状の一例としては、球形、不定形、板状、針状、星形、鎖状、板状粒子が積み重なった多層構成等が挙げられる。また、無機粒子は他の材料でコーティングされていても構わない。また、無機粒子の形状は、1種類を用いても複数の種類を含んでも構わない。
無機粒子の含有量は、不揮発分の5質量%以上40質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。なお、本発明における不揮発分とは、遮光塗料を200℃にて2時間保持した時の残存物を指すものとする。従って、遮光膜における濃度は、遮光塗料の有機溶媒を除いた、無機粒子、着色剤、樹脂、可塑剤等からなる樹脂組成物に対する濃度とほぼ等しくなる。無機粒子の含有量が5質量%未満の場合は遮光膜の屈折率があまり上がらず、内面反射防止性能の向上が不十分である可能性がある。また、無機粒子の含有量が40質量%を超える場合は遮光膜の弾性率が高くなりすぎて可塑剤を添加しても耐熱衝撃性の向上が不十分である可能性がある。
(着色剤)
着色剤は着色できる材料であれば任意の材料を用いることが出来る。着色剤の一例としては染料、顔料が挙げられ、単一のものを用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
染料の一例としては、例えば、アゾ色素、キノン系色素、シアニン系色素、カチオン系色素、二ロシアニン系色素、インジゴ系、フルギド系色素などが挙げられる。また、色味は任意のものを用いることができるが、一例として、黒系、茶色系、黄色系、赤系、青系、緑系などが挙げられ、これらを単一で用いてもよいし混合して用いてもよい。
顔料の一例としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラックなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、#2650(三菱ケミカル)、#2600(三菱ケミカル)、#2350(三菱ケミカル)、#2300(三菱ケミカル)、#1000(三菱ケミカル)、#980(三菱ケミカル)、#970(三菱ケミカル)、#960(三菱ケミカル)、#950(三菱ケミカル)、#850(三菱ケミカル)、MCF88(三菱ケミカル)、MA600(三菱ケミカル)、#750B(三菱ケミカル)、#650B(三菱ケミカル)、MA100(三菱ケミカル)、MA220(三菱ケミカル)等が挙げられる。
顔料の形状は任意のものを用いることが出来る。顔料の形状の一例としては、球形、不定形、板状、針状、星形、鎖状、板状粒子が積み重なった多層構成等が挙げられる。また、顔料は他の材料でコーティングされていても構わない。顔料は凝集体として塗料に含まれており、顔料の凝集体の平均粒径は、1nm以上250nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは5nm以上50nm以下である。顔料の凝集体の平均粒径が1nm未満になると塗料が増粘する恐れがある。また、顔料の凝集体の平均粒径が250nmを超えると膜の散乱が大きくなる恐れがある。顔料の凝集体の平均粒径は、無機粒子の凝集体の平均粒径と同様の方法で測定することができる。
着色剤の含有量は、不揮発分の1質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上20質量%以下である。着色剤の含有量が1質量%未満であると膜に入ってきた光を吸収しきれず内面反射特性の向上が不十分である可能性がある。また、着色剤の含有量が30質量%を超えると膜が硬くなりすぎる恐れがある。
(樹脂)
樹脂は、遮光膜を形成できる樹脂であれば任意の材料を用いることが出来る。樹脂の一例としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリイミドなどが挙げられる。
樹脂の含有量は、不揮発分の5質量%以上70質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以上50質量%以下である。樹脂が5質量%未満になると遮光膜が硬くなりすぎて膜割れが生じる恐れがある。樹脂が70質量%を超えると膜の屈折率を上げることが困難になる恐れがある。
(可塑剤)
可塑剤の流動点は、-50℃以下であり、好ましくは-70℃以上-50℃以下である。可塑剤の流動点が-50℃を超えると、遮光膜の弾性率が高くなり耐熱衝撃性が悪化する。
可塑剤の沸点は、200℃以上450℃以下であり、好ましくは200℃以上420℃以下である。可塑剤の沸点が200℃未満になると、成膜後の硬化時以外にも蒸発して遮光膜の弾性率が高くなり耐熱衝撃性が悪化する。可塑剤の沸点が450℃を超えると、硬化時に可塑剤が表面から蒸発しにくく、遮光膜表面の架橋密度が向上せず、可塑剤のブリードアウトを生じる。
可塑剤は、流動点が-50℃以下で沸点が200℃以上450℃以下であれば任意の材料を用いることができる。可塑剤の一例としては、ベンジルトルエン、ソフトアルキルベンゼン、フェニルキシリルエタン、フェニルエチルフェニルエタン、ジアルキルベンゼン、フタル酸ビス(2-エチルへキシル)、フタル酸ジイソデシル、ポリアルキルベンゼン、飽和ジイソノニルエステル、ビス(2-エチルへキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、(2-エチルへキシル)アゼレート、ビス(2-エチルへキシル)セバケートなどが挙げられる。これらの可塑剤は1種類を用いてもよいし、複数の可塑剤を混合して用いてもよい。
可塑剤のd線屈折率は、1.40以上1.80以下であることが好ましく、より好ましくは1.51以上1.70以下である。d線屈折率が1.40未満になると遮光膜の屈折率が下がり内面反射率が悪化する恐れがある。d線屈折率が1.80を超えると可塑剤の粘度が上がり弾性率が高くなる恐れがある。
可塑剤の含有量は、不揮発分の3質量%以上60質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以上40質量%以下である。可塑剤が3質量%未満になると遮光膜が硬くなりすぎて膜割れが生じる恐れがある。可塑剤が60質量%を超えると高温高湿下に放置するとブリードアウトする恐れがある。
(溶媒)
遮光塗料は、溶媒を含んでもいい。溶媒としては、任意の材料を用いてよい。また、遮光塗料の粘度が十分に低く、そのまま使用できる場合は溶媒を添加する必要がない。溶媒の一例としては、水、シンナー、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールものメチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、アセトン、セロソルブ類、グリコールエーテル類、エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、1-ブタノール、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、イソヘキサン、ベンジルアルコール、2-エチル-1-ヘキサノール、ブチルセロソルブ、1-ブトキシ-2-プロパノール、ネオぺンタン、ソルベッソ、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、メタノール、セロソルブアセテート、ミネラルスピリット、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N-メチル-2-ピロリドン、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種類を用いても複数の種類を含んでも構わない。
遮光塗料の好ましい粘度は、10mPa・s以上10,000mPa・s以下であり、より好ましくは30mPa・s以上500mPa・s以下である。遮光塗料の粘度が10mPa・s未満になると塗布後の膜厚が薄くなる箇所が生じる場合がある。また、10,000mPa・sを超えると、遮光塗料の塗布性が低下する恐れがある。
(その他の添加剤)
遮光塗料は、その他の任意の添加材を含んでいてもよい。その一例としては、分散剤、硬化剤、硬化触媒、消泡剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、艶消し剤、防腐剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カップリング剤、上記以外の色味を調整するための無機微粒子および有機微粒子等が挙げられる。
硬化剤としては、樹脂を硬化できるものであれば任意の材料を用いることが出来る。耐熱衝撃性を向上させるためには、柔軟性の高い硬化剤が望ましい。硬化剤としては、例えばアミン系硬化剤等が挙げられる。アミン系硬化剤としては、例えば、アデカハードナーEH-6019(アデカ)、アデカハードナーEH-6024(アデカ)、アデカハードナーEH-6028(アデカ)、アデカハードナーEH-479(アデカ)、アデカハードナーEH-451N(アデカ)、アデカハードナーEH-4602(アデカ)、アデカハードナーEH2300(アデカ)、アデカハードナーEH3427A(アデカ)、アデカハードナーEH-4024W(アデカ)、ST1(三菱化学)1、ST12(三菱化学)、ST14(三菱化学)、ST15(三菱化学)、H3(三菱化学)、H30(三菱化学)、FL11(三菱化学)、FL11W(三菱化学)、SA1(三菱化学)等が挙げられる。
硬化剤の含有量としては、不揮発分の0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以上10質量%以下である。硬化剤を添加する場合、硬化剤の含有量が0.1質量%未満になると硬化不良を起こす可能性がある。また、硬化剤の含有量が30質量%を超えると内面反射率が悪化する恐れがある。
≪製造方法≫
本発明の遮光塗料の製造方法としては、無機粒子を、顔料を添加する場合は、好ましくは更に顔料を、遮光塗料中に分散できれば任意の方法を用いることが出来る。一例としては、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、三本ローラー、遊星回転装置、ミキサー、超音波分散機、ホモジナイザー等を用いて撹拌する方法等が挙げられる。
[遮光膜]
本発明の遮光膜は、d線屈折率が2.0以上であり凝集体の平均粒子径が250nm以下である無機粒子と、着色剤と、樹脂と、可塑剤とを有する。以下に、本発明の遮光膜の材料構成および形成方法について説明する。
≪材料構成≫
(無機粒子)
無機粒子の詳細については、遮光塗料に関して説明した通りである。
無機粒子の含有量は、遮光膜に対して2体積%以上40体積%以下が好ましく、より好ましい範囲としては10体積%以上30体積%以下である。無機粒子の含有量が2体積%未満の場合は遮光膜の屈折率があまり上がらず、内面反射防止性能の向上が不十分である可能性がある。また、無機粒子の含有量が40体積%を超えると遮光膜の弾性率が高くなりすぎて可塑剤を添加しても耐熱衝撃性の向上が不十分である可能性がある。
(着色剤)
着色剤無の詳細については、遮光塗料に関して説明した通りである。
着色剤の含有量は、遮光膜に対して1体積%以上30体積%以下が好ましく、より好ましくは2体積%以上20体積%以下である。着色剤の含有量が1体積%未満になると膜に入ってきた光を吸収しきれず内面反射特性の向上が不十分である可能性がある。また、着色剤の含有量が30体積%を超えると膜が硬くなりすぎる恐れがある。
(樹脂)
樹脂の詳細については、遮光塗料に関して説明した通りである。
樹脂の含有量は、遮光膜に対して5体積%以上70体積%以下が好ましく、より好ましくは20体積%以上50体積%以下である。樹脂が5体積%未満になると遮光膜が硬くなりすぎて膜割れが生じる恐れがある。樹脂が70体積%を超えると膜の屈折率を上げることが困難になる恐れがある。
(可塑剤)
可塑剤の詳細については、遮光塗料に関して説明した通りである。
可塑剤の含有量は、遮光膜に対して5体積%以上40体積%以下が好ましく、より好ましくは15体積%以上35体積%以下である。可塑剤が5体積%未満になると遮光膜が硬くなりすぎて膜割れが生じる恐れがある。可塑剤が40体積%を超えると高温高湿下に放置するとブリードアウトする恐れがある。
(その他の添加剤)
遮光膜は、その他の任意の添加材を含んでいてもよい。その他の任意の添加材の詳細については、遮光塗料に関して説明した通りである。
硬化剤の含有量としては、遮光膜に対して0.1体積%以上50体積%以下が好ましく、より好ましくは5体積%以上20体積%以下である。硬化剤を添加する場合、硬化剤の含有量が0.1体積%未満になると硬化不良を起こす可能性がある。また硬化剤の含有量が50体積%を超えると内面反射率が悪化する恐れがある。
≪形成方法≫
本発明の遮光膜は、上記本発明の遮光塗料を塗布し、硬化することにより、形成することができる。
本発明の遮光膜は、好ましくは1μm以上40μm以下、より好ましくは2μm以上30μm以下の平均膜厚で形成されることが好ましく、遮光塗料を均一に塗布出来れば任意の塗布方法をおよび硬化方法を用いることが出来る。
遮光塗料の塗布方法の一例としては、筆塗り、スプレー塗布、ディップコーディング、スピンコート、転写、インクジェットなどが挙げられる。また、遮光膜は、1層塗りであっても、多層塗であってもかまわない。また、ガラス面をUVオゾンやプラズマ、エキシマ等で乾式表面処理してもよいし、カップリング剤等で湿式表面処理を行ってもかまわない。
また、遮光膜の硬化方法としては室温放置してもよいし、任意の熱により加熱を促進してもかまわない。熱を与えて硬化させる方法としては、加熱炉、ヒーター、赤外線加熱などを用いる方法等が挙げられる。硬化温度としては、室温から200℃が好ましくさらに好ましくは室温から150℃である。また、遮光膜をUV硬化してもかまわない。
[光学素子]
本発明の光学素子は、例えば、カメラやビデオ、放送機器などの光学機器のレンズ鏡筒や、その他の屋外で使用される可能性があるカメラ本体、ビデオ本体、監視カメラ、車載カメラ、お天気カメラ等の光学機器等に用いられる光学素子である。本発明の光学素子は、ガラスやプラスチック等の基材の表面に、本発明の遮光膜を有する。図1は、本発明の光学素子の一例を示す断面模式図である。図1の光学素子は、基材2としてのレンズの光学有効面外である任意の外周部分に遮光膜1を有する。遮光膜1は、基材2の外周部分の全てに形成してもいいし、基材2の外周部分の一部に形成してもいい。
レンズ等の基材は、任意の形状のものを用いることが出来る。一例を挙げると凹面であっても凸面であってもその組み合わせであっても構わない。また、外周部が平坦であっても複数の段がついていても溝がついていても構わない。また、複数のレンズ等の基材を貼り合わせた形状であっても構わない。また、レンズ等の基材の構成成分としては任意の材料を用いることが出来る。一例を挙げると、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y23、La23、Nd23、Gd23、B23、Al23、TiO2、ZrO2、HfO2、SiO2、GeO、Nb25、Ta25、P25、Sb23、WO3、F2等が挙げられる。構成成分は1種類であっても複数の材料が組み合わされていても構わない。
図5は、本発明にかかる光学素子の一例である接合レンズを示す。本発明の接合レンズ100は、第1のレンズ(第1の光学要素)101と、第2のレンズ(第2の光学要素)102と、第1のレンズと第2のレンズとを接合する接合樹脂層(第3の光学要素)103と、を有している。第1乃至第3の光学要素の側面に遮光膜1が設けられている。本発明の遮光膜1を用いることで、熱が加わった際に生じる応力を低減することができ、接合レンズ100を構成する光学要素にクラックが発生するのを抑制することができる。
第1のレンズ101、第2のレンズ102は、接合レンズ100に求められる光学特性に応じた形状の光学ガラスを選定して組み合わせることができる。
接合樹脂層103は、ガラス製のレンズの貼り合せに用いられる接着剤が硬化した層である。接着剤には、光学的に透明であることに加えて、接着力が高く、硬化速度が速いことが求められ、アクリル系、エポキシ系、ポリエン・ポリチオール系の硬化接着剤を好適に用いることができる。これらの接着剤には硬化開始剤が添加され、熱あるいは紫外線によって硬化させることができるが、熱による硬化には界面剥離や面形状の変形が生じる恐れがある。従って、接合樹脂層33となる接着剤には紫外線硬化型のものを用いることが望ましい。また、接着剤の硬化収縮の低減や光学特性の調整の観点から、接着剤に無機の微粒子等を混合分散して用いるのも好ましい。
第1のレンズ101の主面101aおよび101b、第2のレンズ102の主面102aおよび102bは、屈折率が異なる材料との界面であり、屈折面である。これらの界面で互いに接する材料の屈折率差が大きい場合には、光の反射が生じるため、必要に応じて屈折率差を緩和するための反射防止膜(不図示)をけるとよい。
接合レンズ100は、撮像装置(カメラ、ビデオなどを含む)・望遠鏡・双眼鏡・複写機・プロジェクター等の光学機器の光学系として、又は光学系の一部に用いられる。一例として、レンズユニット(光学系)20が撮像ユニット30にマウントされた状態の撮像装置200の概略断面を図6に示す。接合レンズ21(100)は、レンズユニット20の筐筒22の内部に配置されており、マウント23によって撮像ユニット30に固定されている。撮像ユニット30は、筐体31内には、レンズユニット20を通過した光を受光する撮像素子33と、シャッタ32とを備えている。撮像素子33は、接合レンズ21の光軸40がその中心を通るように配置されている。さらに、シャッタ32を開閉させる駆動部34と、駆動部34や撮像素子33からのデータ読み出しなどを制御する制御部35を備えている。
以下に、本発明における好適な実施例について説明する。
[評価方法]
(1)無機粒子の凝集体の平均粒子径の測定
無機粒子の凝集体の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で測定した。作製した遮光膜の断面を切り出し、TEMで画像を撮影した。撮影した画像をImage Jで解析し、粒度分布を算出した。粒子径の測定には最低評価画面に10個以上の粒子(凝集体)が入るようにして、その平均径を計算した。平均粒子径が250nm以下の場合、散乱が少なく優れた遮光膜と言える。平均粒子径が250nmを超える場合、遮光膜の散乱が大きく良好な膜とは言えない。
(2)内面反射率の測定方法
内面反射率は図3に示すように、分光光度計(U-4100:日立ハイテク)を用い測定を行った。測定用のサンプルには三角プリズム12を用いた。三角プリズム12の形状は、直角を挟む1辺の長さが30mm、厚み10mmで材質がS-LAH53(nd=1.8;オハラ製)である。
図3に三角プリズム12に対する入射角bが90°の測定方法を示す。分光光度計より出た光は三角プリズム12に対して、入射角b=90°で入射する。このとき、空気の屈折率と三角プリズム12の屈折率の差により、光の屈折が起こる。屈折後の入射角はc=68.13°である。入射角dに対する屈折後の角度eは下記の計算式(1)より算出した。また、屈折後の角度eより入射角cを算出した。
n=sin d/sin e・・・式(1)
続いて、三角プリズム12で屈折した光は三角プリズム12の底面に当たり、反射して三角プリズム12の外に出る。この反射光の強度を波長400nから700nmの可視光領域について検出器で検出した。尚、バックグラウンドは底面および入射面、出射面の3面が鏡面で三角プリズム12の底面に何も塗布しないサンプルとし、底面および入射面、出射面の3面が鏡面の三角プリズム12の底面に遮光膜1を形成した時の内面反射率を計測した。また、内面反射率は400nmから700nmの可視光の内面反射を1nm間隔で測定し、その結果の平均値を記載した。
尚、内面反射率は下記の基準で評価した。Aは内面反射率が40%未満で優れた膜であり、Bは40%以上60%未満で内面反射率がやや劣るが問題のない膜であり、Cは内面反射率が60%以上で光学特性が悪い膜であると言える。
A:内面反射率が40%未満。
B:内面反射率が40%以上60%未満。
C:内面反射率が60%以上。
(3)耐熱衝撃性の評価方法
図4に耐熱衝撃性の評価に用いる試験片の断面模式図を示す。耐熱衝撃性の評価には、図4に示すように、2枚の円形モニタガラス13を接着剤14で貼り合わせ、その外周面に約4μmの厚みなるように遮光膜1を形成した試験片を用いた。円形モニタガラス13の形状は直径が100mmで厚みが10mmであり、外周部が#1200でスリ面加工されている。また、2枚の円形モニタガラス13の材質はそれぞれS-LAH53(nd=1.8;オハラ製)とS-FPL55(nd=1.4;オハラ製)である。
作製した試験片を-50℃の環境に30分放置後、60℃の環境に30分放置し、これを1セットとして10回のサイクルを繰り返し、熱衝撃を加えた。
尚、耐熱衝撃性は下記の基準で評価した。Aは耐熱衝撃性に問題のない遮光膜であり、Bは割れや外観不良が発生し耐熱衝撃性に問題のある遮光膜である。
A:ガラスに変化なし。
B:ガラスに割れや外観不良が発生。
(4)耐高温高湿性の評価方法
高温高湿試験には、片面がスリ面で、片面が鏡面に研磨された直径が30mmで厚みが1mmのモニタガラスのスリ面側に厚み5μmで遮光膜を形成して試験片を作製した。モニタガラスにはS-LAH53(nd=1.8;オハラ製)を用いた。
作製した試験片を60℃90%の雰囲気に200時間放置して、表面からのブリードアウト発生有無を確認した。
尚、耐高温高湿性は下記の基準で評価した。Aはブリードアウトがなく良好な遮光膜であり、Bはブリードアウトが発生し、問題のある遮光膜と言える。
A:ブリードアウトなし。
B:ブリードアウト発生。
[原材料]
(1)無機粒子
Figure 2023104069000001
(2)着色剤
A:カーボンブラック
B:染料(VALIFAST BLACK 1821;オリエント化学)
C:染料(VALIFAST BLACK 3810;オリエント化学)
(3)樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828;三菱化学)
(4)カップリング剤
エポキシ系シランカップリング剤(KBM403;信越シリコーン)
(5)分散剤
DISPERBYK2155(ビックケミージャパン)
(6)可塑剤
Figure 2023104069000002
<実施例1>
1.遮光塗料用樹脂組成物の調整
表3に示す様に、溶媒(トルエン)700g、無機粒子A200g、着色剤A50g、樹脂200g、カップリング剤10g、分散剤50g、可塑剤A120gを秤量した。秤量した原材料を全て容器に入れて20分間、攪拌羽根で攪拌し、プレ分散液を得た。プレ分散液をビーズミルで180分間攪拌し、遮光塗料用樹脂組成物を得た。
2.遮光膜の作製
表3に示す様に、得られた遮光塗料用樹脂組成物全量に対して150gのアミン系硬化剤を添加し、ロールコーターで30分間攪拌を行った。得られた遮光塗料用樹脂組成物と硬化剤の混合液(遮光塗料)を評価用のガラスもしくはプリズムに所定の厚みで塗布し室温で60分間乾燥させた。膜を乾燥させた後に40℃の恒温炉で8時間硬化させ遮光膜を得た。
尚、表3,4において、「含有量(wt%)」は、塗料の不揮発分に対する質量基準の含有量を示し、「含有量(vol%)」は、膜における体積基準の含有量を示す。
3.評価
得られた遮光膜について、無機粒子の凝集体の平均粒子径、内面反射率、耐熱衝撃性、耐高温高湿性を評価した。結果を表3に示す。
<実施例2乃至18、比較例1乃至4>
表3,4の材料および条件にする以外は実施例1と同様にして、遮光膜を作製し、評価した。結果を表3,4に示す。
<比較例5>
プレ分散液をビーズミルで攪拌せず、プレ分散液を遮光塗料用樹脂組成物として用いた以外は、実施例1と同様にして、遮光膜を作製し、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2023104069000003
Figure 2023104069000004
表3,4に示す様に、実施例1乃至18は、無機粒子の凝集体の平均粒子径は250nm以下であり良好であった。また、内面反射率は60%未満であり良好であった。また、耐熱衝撃性についても外観に割れなどの変化はなく良好であった。また、耐高温高湿性についてもブリードアウトの発生がなく良好であった。尚、実施例15は、耐高温高湿性について、ガラスと膜の界面に問題のない程度のごく微小な剥がれが発生した。また、実施例17は、耐高温高湿性について、ガラスと膜の界面に若干の問題のない剥がれが発生した。
比較例1は、実施例1に対し、可塑剤を、流動点が-30℃と高い可塑剤Kに変更したところ、耐熱衝撃性でガラスの割れが発生した。
比較例2は、実施例1に対し、可塑剤を、沸点が176℃と低い可塑剤Lに変更したところ、耐熱衝撃性でガラスの割れが発生した。
比較例3は、比較例1に対し、耐熱衝撃性を向上するために可塑剤Kの含有量を増加したところ、耐高温高湿性については、ブリードアウトの発生が見られた。
比較例4は、実施例1に対し、無機粒子を、d線屈折率が2.0未満である無機粒子Dに変更したところ、内面反射率は60%以上であり悪かった。
比較例5は、実施例1に対し、プレ分散のみでビーズミル分散工程を省いたところ、無機粒子の凝集体の平均粒子径は250nmを越え悪かった。また、内面反射率は60%以上であり悪かった。
1.遮光膜、2.基材、3.入射光、4.透過光、5.入射光、6.内面反射光、7.界面、8.界面、9.第一の反射光、10.透過光、11.第二の反射光、12.三角プリズム、13.モニタガラス、14.接着剤

Claims (11)

  1. d線屈折率が2.0以上の無機粒子の凝集体と、着色剤と、樹脂と、可塑剤とを有する遮光膜であって、
    前記凝集体の平均粒子径は250nm以下であり、
    前記可塑剤は、流動点が-50℃以下、かつ沸点が200℃以上450℃以下であることを特徴とする遮光膜。
  2. 前記可塑剤のd線屈折率は、1.51以上1.70以下であることを特徴とする請求項1に記載の遮光膜。
  3. 前記可塑剤は、ベンジルトルエン、ソフトアルキルベンゼン、フェニルキシリルエタン・フェニルエチルフェニルエタン混合物、ジアルキルベンゼン、フタル酸ビス(2-エチルへキシル)、フタル酸ジイソデシル、ポリアルキルベンゼン、飽和ジイソノニルエステル、ビス(2-エチルへキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、(2-エチルへキシル)アゼレート及びビス(2-エチルへキシル)セバケートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の遮光膜。
  4. 基材の側面に、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遮光膜を有することを特徴とする光学素子。
  5. 第1の光学要素と、第2の光学要素と、前記第1の光学要素と前記第2の光学要素とに挟まれた、樹脂を含む第3光学要素と、を備える接合レンズであって、
    前記第1乃至第3の光学要素の側面に請求項1乃至3のいずれか一項に記載の遮光膜を有することを特徴とする接合レンズ。
  6. 筐筒と、
    前記筐筒の内部に配置された請求項5に記載の接合レンズと、
    を有することを特徴とする光学系。
  7. 請求項6に記載の光学系と、前記光学系を介して入射する光を受光する撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
  8. d線屈折率が2.0以上の無機粒子の凝集体と、着色剤と、樹脂と、可塑剤とを有する遮光塗料であって、
    前記凝集体の平均粒子径は250nm以下であり、
    前記可塑剤は、流動点が-50℃以下、かつ沸点が200℃以上450℃以下であることを特徴とする遮光塗料。
  9. 前記可塑剤のd線屈折率は、1.51以上1.70以下であることを特徴とする請求項8に記載の遮光塗料。
  10. 前記可塑剤は、ベンジルトルエン、ソフトアルキルベンゼン、フェニルキシリルエタン・フェニルエチルフェニルエタン混合物、ジアルキルベンゼン、フタル酸ビス(2-エチルへキシル)、フタル酸ジイソデシル、ポリアルキルベンゼン、飽和ジイソノニルエステル、ビス(2-エチルへキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、(2-エチルへキシル)アゼレート及びビス(2-エチルへキシル)セバケートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項8または9に記載の遮光塗料。
  11. 前記可塑剤の含有量は、不揮発分の3質量%以上60質量%以下であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の遮光塗料。
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