JP2023101434A - ガス濃度検出装置 - Google Patents
ガス濃度検出装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023101434A JP2023101434A JP2022001991A JP2022001991A JP2023101434A JP 2023101434 A JP2023101434 A JP 2023101434A JP 2022001991 A JP2022001991 A JP 2022001991A JP 2022001991 A JP2022001991 A JP 2022001991A JP 2023101434 A JP2023101434 A JP 2023101434A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- voltage
- electrode
- hydrogen
- current
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
Abstract
Description
本発明は、ガス濃度検出装置に関する。
ガス濃度検出装置は、酸素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素等の種々のガスの濃度を検出するために用いられる。水素は、例えば酸素と反応して発電を行うことが可能であり、水素を利用する技術は、エネルギー循環型の社会を形成するために注目される。そして、水素を利用する設備に用いられるガス濃度検出装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1のH2センサにおいては、触媒層及び拡散抵抗層が設けられた第1電極を有する第1セルの出力値と、拡散抵抗層が設けられた第2電極を有する第2セルの出力値との差に基づいて、水素の濃度を検出する。第1セル及び第2セルにおける大気側電極は、大気が導入される大気室内に配置されている。
特許文献1等の水素を検出するガス濃度検出装置は、水素、一酸化炭素、炭化水素等の可燃性ガスを含む検出対象ガスと、酸素が含まれる大気とが共存する状態で使用される。そのため、ガス濃度検出装置のセンサ素子が何らかの要因によって損傷した場合には、水素と大気中の酸素による燃焼が生じるおそれがある。従って、大気中の酸素を利用せず、センサ素子が損傷した場合においても安全性をより確実に確保できる防爆構造のガス濃度検出装置の開発が望まれる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、大気中の酸素を利用せずに水素の濃度を検出できる防爆構造のガス濃度検出装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
検出対象ガス(G)が拡散抵抗部(23)を介して導入されるガス室(24)と、前記検出対象ガスが導入されるガスダクト(25)と、前記ガス室と前記ガスダクトとを仕切る固体電解質体(21)とを有し、前記固体電解質体の第1表面(201)に前記ガス室に収容された状態で検出電極(211)が設けられ、前記固体電解質体の、前記第1表面とは反対側の第2表面(202)に前記ガスダクトに収容された状態でポンプ電極(213)が設けられ、かつ前記固体電解質体の内部に基準電極(212)が設けられたセンサ素子(2)と、
前記検出電極と前記基準電極との間に、前記基準電極が高電位側になる状態で電圧を印加する第1電圧印加部(31A)と、
前記固体電解質体を介して前記検出電極と前記基準電極との間に流れる電流(I)を測定する電流測定部(32)と、
前記ポンプ電極と前記基準電極との間に、前記基準電極が高電位側になる状態で電圧を印加する第2電圧印加部(31B)と、
前記第1電圧印加部による電圧の印加及び前記第2電圧印加部による電圧の印加を受けて、前記ガス室内の前記検出対象ガスに含まれる水素が、前記ガスダクト内の前記検出対象ガスに含まれる酸化性ガスを用いて電気化学的に酸化される際に、前記電流測定部によって測定される前記電流に基づいて前記水素の濃度を検出するガス濃度検出部(33)と、を備えるガス濃度検出装置(1)にある。
検出対象ガス(G)が拡散抵抗部(23)を介して導入されるガス室(24)と、前記検出対象ガスが導入されるガスダクト(25)と、前記ガス室と前記ガスダクトとを仕切る固体電解質体(21)とを有し、前記固体電解質体の第1表面(201)に前記ガス室に収容された状態で検出電極(211)が設けられ、前記固体電解質体の、前記第1表面とは反対側の第2表面(202)に前記ガスダクトに収容された状態でポンプ電極(213)が設けられ、かつ前記固体電解質体の内部に基準電極(212)が設けられたセンサ素子(2)と、
前記検出電極と前記基準電極との間に、前記基準電極が高電位側になる状態で電圧を印加する第1電圧印加部(31A)と、
前記固体電解質体を介して前記検出電極と前記基準電極との間に流れる電流(I)を測定する電流測定部(32)と、
前記ポンプ電極と前記基準電極との間に、前記基準電極が高電位側になる状態で電圧を印加する第2電圧印加部(31B)と、
前記第1電圧印加部による電圧の印加及び前記第2電圧印加部による電圧の印加を受けて、前記ガス室内の前記検出対象ガスに含まれる水素が、前記ガスダクト内の前記検出対象ガスに含まれる酸化性ガスを用いて電気化学的に酸化される際に、前記電流測定部によって測定される前記電流に基づいて前記水素の濃度を検出するガス濃度検出部(33)と、を備えるガス濃度検出装置(1)にある。
前記ガス濃度検出装置においては、大気を利用せずに水素の濃度を検出する工夫をしている。具体的には、センサ素子の固体電解質体には、ガス室に収容された検出電極及びガスダクトに収容されたポンプ電極が設けられており、基準電極が埋設されている。そして、ガス濃度検出装置は、検出対象ガスに含まれる水素の濃度を検出するために、大気の代わりに、検出対象ガスに含まれる酸化性ガスを利用する。
前記ガス濃度検出装置においては、第1電圧印加部による検出電極と基準電極との間への電圧の印加、及び第2電圧印加部によるポンプ電極と基準電極との間への電圧の印加によって、ガス室内の検出対象ガスに含まれる水素が、ガスダクト内の検出対象ガスに含まれる酸化性ガスが電気化学的に還元されて生じる酸素を用いて、電気化学的に酸化される。この構成により、大気中の酸素を利用しなくても、検出対象ガスに含まれる水素を電気化学的に酸化させることができる。そして、ガス濃度検出部によって、電流測定部によって測定される、検出電極と基準電極との間に流れる電流に基づいて、水素の濃度が検出される。
それ故、前記本発明の一態様によれば、大気中の酸素を利用せずに水素の濃度を検出できる防爆構造のガス濃度検出装置を提供することができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
前述したガス濃度検出装置にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガス濃度検出装置1は、図1~図3に示すように、センサ素子2、第1電圧印加部31A、電流測定部32、第2電圧印加部31B及びガス濃度検出部33を備える。センサ素子2は、検出対象ガスGが拡散抵抗部23を介して導入されるガス室24と、検出対象ガスGが導入されるガスダクト25と、ガス室24とガスダクト25とを仕切る固体電解質体21とを有する。固体電解質体21の第1表面201には、ガス室24に収容された状態で検出電極211が設けられている。固体電解質体21の、第1表面201とは反対側の第2表面202には、ガスダクト25に収容された状態でポンプ電極213が設けられている。固体電解質体21の内部には、基準電極212が設けられている。
<実施形態1>
本形態のガス濃度検出装置1は、図1~図3に示すように、センサ素子2、第1電圧印加部31A、電流測定部32、第2電圧印加部31B及びガス濃度検出部33を備える。センサ素子2は、検出対象ガスGが拡散抵抗部23を介して導入されるガス室24と、検出対象ガスGが導入されるガスダクト25と、ガス室24とガスダクト25とを仕切る固体電解質体21とを有する。固体電解質体21の第1表面201には、ガス室24に収容された状態で検出電極211が設けられている。固体電解質体21の、第1表面201とは反対側の第2表面202には、ガスダクト25に収容された状態でポンプ電極213が設けられている。固体電解質体21の内部には、基準電極212が設けられている。
第1電圧印加部31Aは、検出電極211と基準電極212との間に、基準電極212が高電位側になる状態で電圧を印加するよう構成されている。電流測定部32は、固体電解質体21を介して検出電極211と基準電極212との間に流れる電流Iを測定するよう構成されている。第2電圧印加部31Bは、ポンプ電極213と基準電極212との間に、基準電極212が高電位側になる状態で電圧を印加するよう構成されている。
ガス濃度検出部33は、第1電圧印加部31Aによる電圧の印加及び第2電圧印加部31Bによる電圧の印加を受けて、ガス室24内の検出対象ガスGに含まれる水素が、ガスダクト25内の検出対象ガスGに含まれる酸化性ガスを用いて電気化学的に酸化される際に、電流測定部32によって測定される電流Iに基づいて水素の濃度を検出するよう構成されている。
以下に、本形態のガス濃度検出装置1について詳説する。
(ガス濃度検出装置1)
図4に示すように、本形態のガス濃度検出装置1は、水素を活用してエネルギーを発生させる種々の水素活用システムのうち、水素を用いて発電を行う燃料電池システム5において使用される。本形態の燃料電池システム5は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)によって構成されて水素と酸素とを固体電解質体21を介して反応させるセルスタック51、空気を加熱してセルスタック51へ供給する空気予熱器53、燃料Fを改質した水素をセルスタック51へ供給する改質器52等を備える。セルスタック51においては、固体電解質体21に設けられた大気極から酸素がイオン化して、固体電解質体21に設けられた燃料極へ移動し、燃料極においては、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が電気化学的に酸化反応して、水(水蒸気,H2O)、二酸化炭素(CO2)等が生成される。
(ガス濃度検出装置1)
図4に示すように、本形態のガス濃度検出装置1は、水素を活用してエネルギーを発生させる種々の水素活用システムのうち、水素を用いて発電を行う燃料電池システム5において使用される。本形態の燃料電池システム5は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)によって構成されて水素と酸素とを固体電解質体21を介して反応させるセルスタック51、空気を加熱してセルスタック51へ供給する空気予熱器53、燃料Fを改質した水素をセルスタック51へ供給する改質器52等を備える。セルスタック51においては、固体電解質体21に設けられた大気極から酸素がイオン化して、固体電解質体21に設けられた燃料極へ移動し、燃料極においては、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が電気化学的に酸化反応して、水(水蒸気,H2O)、二酸化炭素(CO2)等が生成される。
セルスタック51における、燃料極が収容された燃料室512から排出されるオフガスOには、発電に使用されなかった水素以外に、水蒸気、二酸化炭素等が含まれる。このオフガスOの一部は、エジェクタ54を経由して燃料Fに混合されて改質器52に再循環され、改質器52においてはオフガスOに含まれる水素等が再利用される。セルスタック51における、大気極が収容された大気室513から排出されるオフガス、及び燃料室512から排出されるオフガスOの残部は、オフガスバーナ55の燃焼に利用され、オフガスバーナ55から排出される加熱後の燃焼ガスCは、改質器52及び空気予熱器53を加熱するために利用される。本形態のガス濃度検出装置1は、燃料室512から排出されるオフガスOに含まれる水素の濃度を検出するために用いられる。
ガス濃度検出装置1は、水素を含むオフガスOが流れる配管に配置されるセンサ本体10と、センサ本体10に電気的に接続されたセンサ制御ユニット3とを備える。センサ本体10は、センサ素子2と、センサ素子2を配管に配置するためのハウジング部とを有する。第1電圧印加部31A、第2電圧印加部31B、電流測定部32及びガス濃度検出部33はセンサ制御ユニット3に構築されている。センサ制御ユニット3は、燃料電池システム5の制御装置に構築されていてもよい。
(センサ素子2)
図1~図3に示すように、センサ素子2は、固体電解質体21と、固体電解質体21に設けられた検出電極211、ポンプ電極213及び基準電極212と、固体電解質体21の両側に積層された第1絶縁体22A及び第2絶縁体22Bと、第1絶縁体22Aに設けられた拡散抵抗部23と、第2絶縁体22Bに埋設された発熱体26とを有する。センサ素子2の固体電解質体21、第1絶縁体22A及び第2絶縁体22Bは、長尺の長方形状に形成されている。
図1~図3に示すように、センサ素子2は、固体電解質体21と、固体電解質体21に設けられた検出電極211、ポンプ電極213及び基準電極212と、固体電解質体21の両側に積層された第1絶縁体22A及び第2絶縁体22Bと、第1絶縁体22Aに設けられた拡散抵抗部23と、第2絶縁体22Bに埋設された発熱体26とを有する。センサ素子2の固体電解質体21、第1絶縁体22A及び第2絶縁体22Bは、長尺の長方形状に形成されている。
固体電解質体21は、所定の活性温度において、酸化物イオン(O2-)の伝導性を有するものである。検出電極211は、固体電解質体21の第1表面201に設けられており、ポンプ電極213は、固体電解質体21の第2表面202に設けられている。検出電極211とポンプ電極213とは、固体電解質体21の長手方向Lの先端部における互いに対向する位置に配置されている。図1及び図3において、長手方向Lの先端側を符号L1によって示し、長手方向Lの基端側を符号L2によって示す。
基準電極212は、固体電解質体21における、検出電極211とポンプ電極213とによって挟まれる位置に埋設されている。換言すれば、検出電極211、ポンプ電極213及び基準電極212は、固体電解質体21及び第1絶縁体22A及び第2絶縁体22Bの積層方向において互いに重なる位置に配置されている。基準電極212は、固体電解質体21を構成するシートの間に挟み込まれて、固体電解質体21に埋設されている。基準電極212は、検出電極211及びポンプ電極213に比べて長手方向Lの基端側に長く形成されている。
固体電解質体21の第1表面201に積層された第1絶縁体22Aによって、検出電極211を収容するガス室24が形成されている。ガス室24は、センサ素子2の長手方向Lの先端部に形成されている。また、第1絶縁体22Aには、ガス室24に検出対象ガスGを所定の拡散速度で導入するための拡散抵抗部23が設けられている。検出対象ガスGは、拡散抵抗部23を介してガス室24内の検出電極211に導かれる。
固体電解質体21の第2表面202に積層された第2絶縁体22Bによって、ポンプ電極213を囲むガスダクト25が形成されている。ガスダクト25は、センサ素子2の長手方向Lの先端側に開口して、ガス室24と同様の先端部に形成されている。また、第2絶縁体22Bには、通電によって発熱して固体電解質体21を加熱するための発熱体26が埋設されている。なお、発熱体26は、第1絶縁体22Aに埋設されていてもよい。検出対象ガスGは、センサ素子2の長手方向Lの先端からガスダクト25内のポンプ電極213に導かれる。
固体電解質体21は、固体電解質としてのジルコニア系酸化物からなり、ジルコニアを主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体21を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換される。検出電極211及び基準電極212は、酸素に対する触媒活性を示す白金等の貴金属、及び固体電解質体21との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。
第1絶縁体22A、第2絶縁体22B及び拡散抵抗部23は、酸化アルミニウム等の金属酸化物によって構成されている。第1絶縁体22A及び第2絶縁体22Bは、検出対象ガスGを透過させない緻密な金属酸化物によって形成されており、拡散抵抗部23は、検出対象ガスGを透過させる多孔質状の金属酸化物によって形成されている。
(第1電圧印加部31A)
図1に示すように、第1電圧印加部31Aは、基準電極212がプラス側になるとともに検出電極211がマイナス側になる状態で、検出電極211と基準電極212との間に直流電圧を印加する。第1電圧印加部31Aによって印加する直流電圧は、検出電極211に接触する水素を電気化学的に酸化させるために、基準電極212から検出電極211へ酸化物イオンの移動が生じる電圧とする。
図1に示すように、第1電圧印加部31Aは、基準電極212がプラス側になるとともに検出電極211がマイナス側になる状態で、検出電極211と基準電極212との間に直流電圧を印加する。第1電圧印加部31Aによって印加する直流電圧は、検出電極211に接触する水素を電気化学的に酸化させるために、基準電極212から検出電極211へ酸化物イオンの移動が生じる電圧とする。
(第2電圧印加部31B)
図1に示すように、第2電圧印加部31Bは、基準電極212がプラス側になるとともにポンプ電極213がマイナス側になる状態で、ポンプ電極213と基準電極212との間に直流電圧を印加する。第2電圧印加部31Bは、基準電極212へ酸化物イオンを供給するために、ポンプ電極213と基準電極212との間に電圧を印加する。
図1に示すように、第2電圧印加部31Bは、基準電極212がプラス側になるとともにポンプ電極213がマイナス側になる状態で、ポンプ電極213と基準電極212との間に直流電圧を印加する。第2電圧印加部31Bは、基準電極212へ酸化物イオンを供給するために、ポンプ電極213と基準電極212との間に電圧を印加する。
より具体的には、第2電圧印加部31Bによって印加する直流電圧は、ガスダクト25内の検出対象ガスGに含まれる、水蒸気、二酸化炭素等の酸化性ガスが電気化学的に還元されて酸素を発生させる大きさとする。この構成により、検出対象ガスGに含まれる水素の濃度の検出が可能になる。また、第2電圧印加部31Bによって印加する直流電圧は、ポンプ電極213から基準電極212へ、ガス室24における水素の電気化学的な酸化反応に必要とされる酸化物イオンの移動が生じる電圧とする。
(電流測定部32)
図1に示すように、電流測定部32は、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に直流電圧が印加されるとともに、第2電圧印加部31Bによってポンプ電極213と基準電極212との間に直流電圧が印加されるときに、検出電極211と基準電極212との間に流れる直流電流Iを検出するよう構成されている。この直流電流Iは、検出電極211から基準電極212へ流れる電流Iとして検出される。
図1に示すように、電流測定部32は、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に直流電圧が印加されるとともに、第2電圧印加部31Bによってポンプ電極213と基準電極212との間に直流電圧が印加されるときに、検出電極211と基準電極212との間に流れる直流電流Iを検出するよう構成されている。この直流電流Iは、検出電極211から基準電極212へ流れる電流Iとして検出される。
本形態において、電気化学的な酸化反応を単に酸化反応といい、電気化学的な還元反応を単に還元反応ということがある。
(ガス濃度検出部33)
図1及び図5に示すように、ガス濃度検出部33は、第1電圧印加部31Aによって、第1電圧印加部31Aによる電圧の変化に対して水素による電流Iの値が平衡する限界電流特性を示すとともに、かつ水素を除く還元性ガスによる電流Iが過電圧状態によって測定されない、酸化用電圧Voが印加されたときに、水素の濃度を検出するよう構成されている。この構成により、水素の濃度を検出する精度が向上する。
図1及び図5に示すように、ガス濃度検出部33は、第1電圧印加部31Aによって、第1電圧印加部31Aによる電圧の変化に対して水素による電流Iの値が平衡する限界電流特性を示すとともに、かつ水素を除く還元性ガスによる電流Iが過電圧状態によって測定されない、酸化用電圧Voが印加されたときに、水素の濃度を検出するよう構成されている。この構成により、水素の濃度を検出する精度が向上する。
図5には、検出対象ガスGに水素、炭化水素、一酸化炭素、水蒸気、二酸化炭素が含まれる場合において、第2電圧印加部31Bによってポンプ電極213と基準電極212との間に電圧[V]を印加するとともに、第1電圧印加部31Aによる検出電極211と基準電極212との間への印加電圧[V]を変化させたときに、第1電圧印加部31Aによる印加電圧[V]と、電流測定部32によって測定される直流電流I[mA]との関係を示す。
第2電圧印加部31Bによる電圧の印加によって、ガスダクト25内の検出対象ガスGに含まれる水蒸気、二酸化炭素等の酸化性ガスが電気化学的に還元されて、酸素を発生させる。また、第1電圧印加部31Aによって、1[V]程度よりも低い電圧が印加されるときには、検出対象ガスGに含まれる一酸化炭素、炭化水素又は水素を電気化学的に酸化反応させるために、ガスダクト25内の酸素が、ポンプ電極213と固体電解質との界面において酸化物イオンとなって固体電解質体21及び基準電極212を伝導する。そして、検出電極211と固体電解質との界面において、一酸化炭素、炭化水素又は水素が酸化物イオンによって酸化反応する。このとき、ポンプ電極213から基準電極212へ、さらに基準電極212から検出電極211へ電子が移動する一方、検出電極211から基準電極212へ、さらに基準電極212からポンプ電極213へ電流Iが流れる。
また、ポンプ電極213から基準電極212を介して検出電極211へ酸化物イオンが供給されるときに、ガス室24内に導入される一酸化炭素、炭化水素又は水素の流量は、拡散抵抗部23によって制限される。そのため、拡散抵抗部23によって一酸化炭素、炭化水素又は水素の酸化反応が律速され、第1電圧印加部31Aによる電圧が大きくなるよう変化しても、電流測定部32によって測定される電流Iが変化しない限界電流特性を示す電圧の範囲が存在する。
図5に示すように、一酸化炭素、炭化水素又は水素による電流Iが生じる印加電圧は適宜異なっている。第1電圧印加部31Aによって、より低い印加電圧が印加されるときには、一酸化炭素又は炭化水素による電流Iの限界電流特性が生じる電圧の範囲が存在する。そして、水素による電流Iの限界電流特性が生じる電圧の範囲は、一酸化炭素又は炭化水素による電流Iが生じる電圧の範囲よりも高い範囲まで存在する。換言すれば、水素による電流Iの限界電流特性が生じる電圧の範囲であって、一酸化炭素、炭化水素等の、水素を除く還元性ガスによる電流Iが過電圧状態によって測定されない電圧の範囲が、水素検出範囲Vhとして存在する。
水素を検出するときに第1電圧印加部31Aによって印加される酸化用電圧Voは、この水素検出範囲Vh内の電圧として印加される。そして、検出対象ガスGに水素が含まれる場合に、第1電圧印加部31Aによって酸化用電圧Voが印加されるときには、水素の濃度に応じて、電流測定部32によって測定される電流Iの大きさが変化する。これにより、ガス濃度検出部33によって水素の濃度が検出される。
第1電圧印加部31Aによって1[V]付近の電圧が検出電極211と基準電極212との間に印加されるときには、水素を含む還元性ガスの電気化学的な酸化反応、及び水蒸気、二酸化炭素等の酸化性ガスの電気化学的な還元反応のいずれも生じず、基準電極212を介して検出電極211とポンプ電極213との間に電流Iが流れない状態になる。なお、検出対象ガスGに水素が含まれる場合には、基準電極212を介して検出電極211とポンプ電極213との間には、約1[V]の開回路電圧(OCV,自然電位又は起電力とも呼ばれる。)が生じる。そして、約1[V]の付近においては、開回路電圧と、第1電圧印加部31Aによって印加される電圧とが平衡して、検出電極211と基準電極212との間に電流Iが流れない状態が生じる。
(ガス濃度検出装置1のガス濃度測定方法)
次に、ガス濃度検出装置1を用いたガス濃度測定方法の一例について、図6を参照して説明する。
ガス濃度検出装置1が起動されたときには、センサ素子2の発熱体26に通電が行われ、センサ素子2の固体電解質体21、検出電極211、ポンプ電極213及び基準電極212が活性温度に加熱される(ステップS101)。次いで、固体電解質体21、検出電極211、ポンプ電極213及び基準電極212が活性温度になった後には、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に酸化用電圧Voが印加されるとともに、第2電圧印加部31Bによってポンプ電極213と基準電極212との間に電圧が印加される(ステップS102)。次いで、所定のサンプリング時間が経過したか否かが判定される(ステップS103)。所定のサンプリング時間が経過したときには、電流測定部32によって検出電極211と基準電極212との間に流れる電流Iが測定される(ステップS104)。そして、ガス濃度検出部33によって、電流Iの大きさに応じて検出対象ガスGに含まれる水素の濃度が検出される(ステップS105)。
次に、ガス濃度検出装置1を用いたガス濃度測定方法の一例について、図6を参照して説明する。
ガス濃度検出装置1が起動されたときには、センサ素子2の発熱体26に通電が行われ、センサ素子2の固体電解質体21、検出電極211、ポンプ電極213及び基準電極212が活性温度に加熱される(ステップS101)。次いで、固体電解質体21、検出電極211、ポンプ電極213及び基準電極212が活性温度になった後には、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に酸化用電圧Voが印加されるとともに、第2電圧印加部31Bによってポンプ電極213と基準電極212との間に電圧が印加される(ステップS102)。次いで、所定のサンプリング時間が経過したか否かが判定される(ステップS103)。所定のサンプリング時間が経過したときには、電流測定部32によって検出電極211と基準電極212との間に流れる電流Iが測定される(ステップS104)。そして、ガス濃度検出部33によって、電流Iの大きさに応じて検出対象ガスGに含まれる水素の濃度が検出される(ステップS105)。
その後、検出終了の指令があるまでは(ステップS106)、ステップS103の所定のサンプリング時間が経過するごとに、ステップS104及びS105が繰り返し実行される。
(作用効果)
本形態のガス濃度検出装置1においては、大気を利用せずに水素の濃度を検出する工夫をしている。具体的には、センサ素子2の固体電解質体21には、ガス室24に収容された検出電極211及びガスダクト25に収容されたポンプ電極213が設けられており、基準電極212が埋設されている。そして、ガス濃度検出装置1は、検出対象ガスGに含まれる水素の濃度を検出するために、大気の代わりに、検出対象ガスGに含まれる酸化性ガスを利用する。
本形態のガス濃度検出装置1においては、大気を利用せずに水素の濃度を検出する工夫をしている。具体的には、センサ素子2の固体電解質体21には、ガス室24に収容された検出電極211及びガスダクト25に収容されたポンプ電極213が設けられており、基準電極212が埋設されている。そして、ガス濃度検出装置1は、検出対象ガスGに含まれる水素の濃度を検出するために、大気の代わりに、検出対象ガスGに含まれる酸化性ガスを利用する。
ガス濃度検出装置1においては、第1電圧印加部31Aによる検出電極211と基準電極212との間への酸化用電圧Voの印加、及び第2電圧印加部31Bによるポンプ電極213と基準電極212との間への電圧の印加によって、ガス室24内の検出対象ガスGに含まれる水素が、ガスダクト25内の検出対象ガスGに含まれる、水蒸気、二酸化炭素等の酸化性ガスが電気化学的に還元されて生じる酸素を用いて、電気化学的に酸化される。この構成により、大気中の酸素を利用しなくても、検出対象ガスGに含まれる水素を電気化学的に酸化させることができる。そして、ガス濃度検出部33によって、電流測定部32によって測定される、検出電極211と基準電極212との間に流れる電流Iに基づいて、水素の濃度が検出される。
それ故、本形態のガス濃度検出装置1によれば、大気中の酸素を利用せずに水素の濃度を検出することができ、防爆構造のガス濃度検出装置1を形成することができる。
<実施形態2>
本形態は、図7に示すように、第2電圧印加部31Bによるポンプ電極213と基準電極212との間への電圧の印加を、ポンプ電極213と基準電極212との間に一定の電流Iが流れる状態で行うガス濃度検出装置1について示す。ポンプ電極213から基準電極212へ供給される酸素(酸化物イオン)の量は、ガスダクト25における検出対象ガスGに含まれる水蒸気、二酸化炭素等の酸化性ガスが還元される際に生じる酸素の量に依存することがある。また、センサ素子2の固体電解質体21等の温度の変化により、固体電解質体21等の抵抗値が変化し、ポンプ電極213から基準電極212へ移動できる酸化物イオンの量が変化する可能性がある。
本形態は、図7に示すように、第2電圧印加部31Bによるポンプ電極213と基準電極212との間への電圧の印加を、ポンプ電極213と基準電極212との間に一定の電流Iが流れる状態で行うガス濃度検出装置1について示す。ポンプ電極213から基準電極212へ供給される酸素(酸化物イオン)の量は、ガスダクト25における検出対象ガスGに含まれる水蒸気、二酸化炭素等の酸化性ガスが還元される際に生じる酸素の量に依存することがある。また、センサ素子2の固体電解質体21等の温度の変化により、固体電解質体21等の抵抗値が変化し、ポンプ電極213から基準電極212へ移動できる酸化物イオンの量が変化する可能性がある。
そのため、第2電圧印加部31Bによる電圧を調整することのみによっては、ポンプ電極213から基準電極212へ供給される酸素の量を調整できない可能性がある。そこで、第2電圧印加部31Bによって電圧の印加を行う際には、基準電極212からポンプ電極213へ一定の電流Iが流れるようにする。具体的には、ポンプ電極213と基準電極212との間には定電流回路34を設ける。定電流回路34は、定電流ダイオード、トランジスタ、OPアンプ等を用いた種々の構成とすればよい。
本形態のガス濃度検出装置1においては、第2電圧印加部31Bによって基準電極212からポンプ電極213へ一定の電流Iが流れるようにしたことにより、基準電極212の電位がばらつきにくくすることができる。また、ポンプ電極213から基準電極212へ供給される酸素の量を適切に調整することができる。
本形態のガス濃度検出装置1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<実施形態3>
本形態は、図1及び図5に示すように、ガス濃度検出部33が、検出対象ガスGに含まれる水素の他に、水素を除く還元性ガスを検出するガス濃度検出装置1について示す。本形態のガス濃度検出部33は、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第1酸化用電圧Vo1が印加されたときに、電流測定部32によって測定される電流Iに基づいて水素の濃度を検出する。第1酸化用電圧Vo1は、検出対象ガスGに含まれる水素が大気に含まれる酸素を用いて電気化学的に酸化されるとともに、電圧の変化に対して水素による電流Iの値が平衡する限界電流特性を示し、かつ水素を除く還元性ガスによる電流Iが過電圧状態によって測定されない電圧とする。
本形態は、図1及び図5に示すように、ガス濃度検出部33が、検出対象ガスGに含まれる水素の他に、水素を除く還元性ガスを検出するガス濃度検出装置1について示す。本形態のガス濃度検出部33は、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第1酸化用電圧Vo1が印加されたときに、電流測定部32によって測定される電流Iに基づいて水素の濃度を検出する。第1酸化用電圧Vo1は、検出対象ガスGに含まれる水素が大気に含まれる酸素を用いて電気化学的に酸化されるとともに、電圧の変化に対して水素による電流Iの値が平衡する限界電流特性を示し、かつ水素を除く還元性ガスによる電流Iが過電圧状態によって測定されない電圧とする。
また、本形態のガス濃度検出部33は、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第1酸化用電圧Vo1よりも低い第2酸化用電圧Vo2が印加されたときに、電流測定部32によって測定される電流Iを利用して水素を除く還元性ガスの濃度を検出する。第2酸化用電圧Vo2は、検出対象ガスGに含まれる、水素を除く還元性ガスが、大気に含まれる酸素を用いて電気化学的に酸化されるとともに、電圧の変化に対して還元性ガスによる電流Iの値が平衡する限界電流特性を示し、かつ水素による電流Iが限界電流特性を示す電圧とする。図1及び図5において、第1酸化用電圧Vo1及び第2酸化用電圧Vo2を括弧書きによって示す。
本形態のガス濃度検出装置1も、水素を用いて発電を行う燃料電池システム5において使用される。燃料電池システム5のセルスタック51の燃料室512から排出されるオフガスOにおいては、発電に使用されなかった水素以外に、改質器52から燃料極へ供給された一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等の還元性ガスが含まれる。本形態のガス濃度検出装置1においては、水素と、水素以外の還元性ガスとしての一酸化炭素とを検出する。
本形態の第1電圧印加部31Aは、検出電極211と基準電極212との間に印加する電圧を、第1酸化用電圧Vo1と第2酸化用電圧Vo2との間で瞬時に切り替えるよう構成されている。第2酸化用電圧Vo2は、還元性ガスとしての一酸化炭素が酸化される電圧として設定されている。本形態のガス濃度検出部33は、第2酸化用電圧Vo2が印加されたときに電流測定部32によって測定される電流Iから、第1酸化用電圧Vo1が印加されたときに電流測定部32によって測定される電流Iを差し引いた値に基づいて一酸化炭素の濃度を検出するよう構成されている。
図5には、検出対象ガスGに水素、一酸化炭素、炭化水素(メタン等)が含まれる場合において、第1電圧印加部31Aによる検出電極211と基準電極212との間への印加電圧を変化させたときに、印加電圧[V]と、電流測定部32によって測定される直流電流I[mA]との関係を示す。図5においては、印加電圧が1[V]以下である場合に、水素、一酸化炭素又はメタンが検出されるときの電流Iの違いについて示す。
実施形態1の場合と同様に、水素による限界電流特性が生じる電圧の範囲は、一酸化炭素による限界電流特性が生じる電圧の範囲よりも高い範囲まで存在する。そして、水素による電流Iの限界電流特性が生じる電圧の範囲であって、一酸化炭素による電流Iが生じなくなる範囲が、水素検出範囲Vhとして存在する。第1酸化用電圧Vo1は、水素検出範囲Vh内の電圧として印加される。電流測定部32によって測定される電流Iの大きさに応じて、ガス濃度検出部33によって水素の濃度が検出される。
一方、一酸化炭素による電流Iの限界電流特性が生じる電圧の範囲には、水素による電流Iの限界電流特性が生じる電圧の範囲と重複している部分と、炭化水素による電流Iの限界電流特性が生じる電圧の範囲と重複している部分とが、一酸化炭素検出範囲Vcとして存在する。また、一酸化炭素検出範囲Vcは、メタン等の炭化水素による電流Iがほとんど生じない範囲とする。第2酸化用電圧Vo2は、一酸化炭素検出範囲Vc内の電圧として印加される。
第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第2酸化用電圧Vo2が印加されるときには、電流測定部32によって測定される電流Iには、一酸化炭素による電流Iと水素による電流Iとが含まれている。そのため、第2酸化用電圧Vo2を印加して一酸化炭素の濃度を検出するときには、同時期に時間をずらして第1酸化用電圧Vo1を印加し、水素の濃度も検出する。
具体的には、第1電圧印加部31Aは、第1酸化用電圧Vo1を印加する状態と第2酸化用電圧Vo2を印加する状態とを瞬時に切り替え、電流測定部32によって、水素の酸化反応によって生じる電流Iと、水素及び一酸化炭素の酸化反応によって生じる電流Iとの双方を測定する。そして、ガス濃度検出部33は、水素及び一酸化炭素の酸化反応によって生じる電流Iから、水素の酸化反応によって生じる電流Iを差し引くことによって、一酸化炭素の濃度を検出する。
(ガス濃度検出装置1のガス濃度測定方法)
次に、本形態のガス濃度検出装置1を用いたガス濃度測定方法の一例について、図8を参照して説明する。
本形態のガス濃度測定方法においても、実施形態1の図6のステップS101と同様にステップS201が実行され、固体電解質体21、検出電極211及び基準電極212が活性温度になった後には、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第1酸化用電圧Vo1が印加される(ステップS202)。次いで、所定のサンプリング時間が経過したか否かが判定される(ステップS203)。所定のサンプリング時間が経過したときには、電流測定部32によって検出電極211と基準電極212との間に流れる電流Iが測定される(ステップS204)。そして、ガス濃度検出部33によって、第1酸化用電圧Vo1が印加されたときの電流Iに基づいて、検出対象ガスGに含まれる水素の濃度が検出される(ステップS205)。
次に、本形態のガス濃度検出装置1を用いたガス濃度測定方法の一例について、図8を参照して説明する。
本形態のガス濃度測定方法においても、実施形態1の図6のステップS101と同様にステップS201が実行され、固体電解質体21、検出電極211及び基準電極212が活性温度になった後には、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第1酸化用電圧Vo1が印加される(ステップS202)。次いで、所定のサンプリング時間が経過したか否かが判定される(ステップS203)。所定のサンプリング時間が経過したときには、電流測定部32によって検出電極211と基準電極212との間に流れる電流Iが測定される(ステップS204)。そして、ガス濃度検出部33によって、第1酸化用電圧Vo1が印加されたときの電流Iに基づいて、検出対象ガスGに含まれる水素の濃度が検出される(ステップS205)。
次いで、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第2酸化用電圧Vo2が印加される(ステップS206)。次いで、電流測定部32によって検出電極211と基準電極212との間に流れる電流Iが測定される(ステップS207)。そして、ガス濃度検出部33によって、第2酸化用電圧Vo2が印加されたときの電流Iから、第1酸化用電圧Vo1が印加されたときの電流Iを差し引いた値に基づいて、検出対象ガスGに含まれる一酸化炭素の濃度が検出される(ステップS208)。次いで、第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に第1酸化用電圧Vo1が印加される(ステップS209)。
その後、検出終了の指令があるまでは(ステップS210)、ステップS203の所定のサンプリング時間が経過するごとに、ステップS204~S209が繰り返し実行される。
(作用効果)
本形態のガス濃度検出装置1は、第1電圧印加部31Aによって、固体電解質体21を介して検出電極211と基準電極212との間に印加する電圧を変更することにより、検出対象ガスGに含まれる水素と一酸化炭素との検出を可能にしたものである。第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に印加される電圧が、第1酸化用電圧Vo1よりもさらに低い第2酸化用電圧Vo2に変化したときには、水素及び一酸化炭素が電気化学的に酸化される状態に変化する。そして、水素による電流Iと一酸化炭素による電流Iの双方が限界電流特性を示す電圧の範囲が存在し、この電圧の範囲内に第2酸化用電圧Vo2を設定する。本形態のガス濃度検出装置1においては、この印加する電圧によって電気化学的な酸化反応の状態が異なることを利用して、第1酸化用電圧Vo1が印加されるときには水素を検出し、第2酸化用電圧Vo2が印加されるときには一酸化炭素を検出する。
本形態のガス濃度検出装置1は、第1電圧印加部31Aによって、固体電解質体21を介して検出電極211と基準電極212との間に印加する電圧を変更することにより、検出対象ガスGに含まれる水素と一酸化炭素との検出を可能にしたものである。第1電圧印加部31Aによって検出電極211と基準電極212との間に印加される電圧が、第1酸化用電圧Vo1よりもさらに低い第2酸化用電圧Vo2に変化したときには、水素及び一酸化炭素が電気化学的に酸化される状態に変化する。そして、水素による電流Iと一酸化炭素による電流Iの双方が限界電流特性を示す電圧の範囲が存在し、この電圧の範囲内に第2酸化用電圧Vo2を設定する。本形態のガス濃度検出装置1においては、この印加する電圧によって電気化学的な酸化反応の状態が異なることを利用して、第1酸化用電圧Vo1が印加されるときには水素を検出し、第2酸化用電圧Vo2が印加されるときには一酸化炭素を検出する。
それ故、本形態のガス濃度検出装置1によれば、センサ素子2の検出電極211と基準電極212との間に印加する電圧を変更することにより、水素及び一酸化炭素の検出を可能にすることができる。
本形態のガス濃度検出装置1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1,2の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1,2に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1,2の構成要素と同様である。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガス濃度検出装置
2 センサ素子
21 固体電解質体
23 拡散抵抗部
24 ガス室
25 ガスダクト
31A 第1電圧印加部
31B 第2電圧印加部
32 電流測定部
33 ガス濃度検出部
2 センサ素子
21 固体電解質体
23 拡散抵抗部
24 ガス室
25 ガスダクト
31A 第1電圧印加部
31B 第2電圧印加部
32 電流測定部
33 ガス濃度検出部
Claims (4)
- 検出対象ガス(G)が拡散抵抗部(23)を介して導入されるガス室(24)と、前記検出対象ガスが導入されるガスダクト(25)と、前記ガス室と前記ガスダクトとを仕切る固体電解質体(21)とを有し、前記固体電解質体の第1表面(201)に前記ガス室に収容された状態で検出電極(211)が設けられ、前記固体電解質体の、前記第1表面とは反対側の第2表面(202)に前記ガスダクトに収容された状態でポンプ電極(213)が設けられ、かつ前記固体電解質体の内部に基準電極(212)が設けられたセンサ素子(2)と、
前記検出電極と前記基準電極との間に、前記基準電極が高電位側になる状態で電圧を印加する第1電圧印加部(31A)と、
前記固体電解質体を介して前記検出電極と前記基準電極との間に流れる電流(I)を測定する電流測定部(32)と、
前記ポンプ電極と前記基準電極との間に、前記基準電極が高電位側になる状態で電圧を印加する第2電圧印加部(31B)と、
前記第1電圧印加部による電圧の印加及び前記第2電圧印加部による電圧の印加を受けて、前記ガス室内の前記検出対象ガスに含まれる水素が、前記ガスダクト内の前記検出対象ガスに含まれる酸化性ガスを用いて電気化学的に酸化される際に、前記電流測定部によって測定される前記電流に基づいて前記水素の濃度を検出するガス濃度検出部(33)と、を備えるガス濃度検出装置(1)。 - 前記ガス濃度検出部は、前記第1電圧印加部によって、前記第1電圧印加部による電圧の変化に対して前記水素による前記電流の値が平衡する限界電流特性を示すとともに、かつ前記水素を除く還元性ガスによる前記電流が過電圧状態によって測定されない、酸化用電圧が印加されたときに、前記水素の濃度を検出するよう構成されている、請求項1に記載のガス濃度検出装置。
- 前記第2電圧印加部による電圧の印加は、前記ポンプ電極と前記基準電極との間に一定の電流が流れる状態で行われる、請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置。
- 前記第2電圧印加部による電圧は、前記ガスダクト内の前記検出対象ガスに含まれる酸化性ガスが電気化学的に還元される大きさとする、請求項1~3のいずれか1項に記載のガス濃度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022001991A JP2023101434A (ja) | 2022-01-10 | 2022-01-10 | ガス濃度検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022001991A JP2023101434A (ja) | 2022-01-10 | 2022-01-10 | ガス濃度検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023101434A true JP2023101434A (ja) | 2023-07-21 |
Family
ID=87202351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022001991A Pending JP2023101434A (ja) | 2022-01-10 | 2022-01-10 | ガス濃度検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023101434A (ja) |
-
2022
- 2022-01-10 JP JP2022001991A patent/JP2023101434A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101851281B1 (ko) | 암모니아 센서 | |
JP3571494B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP3953677B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP5788926B2 (ja) | 炭化水素ガスセンサ | |
JP2011002308A (ja) | 着失火検出装置および着失火検出方法 | |
KR102015757B1 (ko) | 연료전지 시스템 및 그 작동 방법 | |
JP3664558B2 (ja) | ガスセンサ | |
JP2006153598A (ja) | ガス検出装置およびガス検出素子の制御方法 | |
JP2020067432A (ja) | 二酸化炭素検出装置 | |
US20120270124A1 (en) | Fuel cell system and operating method for fuel cell system | |
JP2002139468A (ja) | ガスセンサ | |
JP2023101434A (ja) | ガス濃度検出装置 | |
JP3771569B2 (ja) | NOxセンサ | |
JP2023101433A (ja) | ガス濃度検出装置 | |
JP4568140B2 (ja) | ガス検出装置 | |
JP5785583B2 (ja) | 炭化水素ガスセンサ | |
JP5103754B2 (ja) | 燃料電池装置 | |
JP3798412B2 (ja) | NOxセンサ | |
JP3972822B2 (ja) | ガスセンサ及びこれを用いた燃料電池システム | |
JP4100984B2 (ja) | 水素センサー及び水素濃度の検出方法 | |
JP2007101201A (ja) | 空燃比センサ及び空燃比検出装置 | |
JP3571039B2 (ja) | 被測定ガス中のNOx濃度の測定装置 | |
WO2024232128A1 (ja) | ガスセンサ | |
JP5352301B2 (ja) | 燃料電池システムおよび燃料電池の状態検知方法 | |
JP2001153837A (ja) | ガス濃度検出器及びガス濃度測定方法 |