JP2023147785A - サポートプログラムおよび印刷システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 OS標準の汎用印刷プログラムからプリンタに蓄積印刷を行わせる場合に、プリンタで扱えない印刷ジョブをプリンタに蓄積する可能性を低減すること。【解決手段】汎用印刷プログラム41と補助プログラム42が組み込まれたPC1は、蓄積印刷が有効な場合、補助プログラム42がプリンタ2で扱うことができるユーザ識別情報を決定する。補助プログラム42は、蓄積印刷が有効な状態で印刷指示により汎用印刷プログラム41から起動された際に、その決定されたユーザ識別情報を印刷ジョブに付与し、プリンタ2に送信する。【選択図】 図1
Description
本明細書に開示される技術分野は、プリンタの制御をサポートするサポートプログラムおよび印刷システムに関する。
近年、プリンタドライバを利用せず、オペレーティングシステム(OS)に標準に組み込まれている汎用印刷プログラムによってプリンタを制御する技術が実用化されている。この技術では、OSがプリンタを検知するとOS標準の汎用印刷プログラムとの関連付けを行い、以後、そのプリンタに対する印刷指示を受け付けた場合に、プリンタドライバを用いずに、OS標準の汎用印刷プログラムによる印刷が可能になる。
また、受信した印刷ジョブに基づく印刷を直ぐには開始せずにその印刷データに基づくデータをメモリに一旦保持し、ユーザインタフェースを介したユーザの操作によって、そのデータに基づく印刷を開始する蓄積印刷機能を有するプリンタが知られている。蓄積印刷機能を開示した文献としては、例えば特許文献1がある。
OS標準の汎用印刷プログラムが印刷ジョブを生成する際、必ずしもプリンタが扱えるユーザ識別情報を印刷ジョブに付与するとは限らない。一方で、プリンタがメモリに蓄積された印刷ジョブの実行をその印刷ジョブに付与されたユーザ識別情報に基づいて決定する場合、プリンタが扱えないユーザ識別情報が付与された印刷ジョブを実行できない場合がある。そのため、OS標準の汎用印刷プログラムを用いて蓄積印刷を実現するには、改善の余地がある。
上述した課題の解決を目的としてなされたサポートプログラムは、情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応し、前記情報処理装置のオペレーティングシステムにあらかじめ組み込まれた汎用印刷プログラムをサポートするサポートプログラムであって、前記プリンタは、蓄積印刷を行う機能を有し、前記蓄積印刷が有効な場合、印刷ジョブを受信した後、印刷を開始せずに受信した前記印刷ジョブを前記プリンタのメモリに保持し、前記印刷ジョブに付与されたユーザ識別情報と前記プリンタに受け付けられたユーザ識別情報とが一致したことを条件として、前記印刷ジョブに基づく印刷を開始し、前記コンピュータに、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、前記プリンタで扱うことができるユーザ識別情報を決定する決定処理を実行させ、さらに前記コンピュータに、前記情報処理装置に組み込まれているアプリケーションプログラムから出力された印刷指示であって、前記汎用印刷プログラムに対して画像の印刷を前記プリンタに行わせる前記印刷指示があったことによって、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、前記決定処理にて決定された前記ユーザ識別情報がある場合に、前記ユーザ識別情報が付与された印刷ジョブを前記プリンタに送信するための送信処理を実行させる、ように構成される。
上記構成のサポートプログラムは、蓄積印刷が有効な状態で汎用印刷プログラムから処理を要求された場合、プリンタで扱うことができるユーザ識別情報を決定する。サポートプログラムは、蓄積印刷が有効な状態で印刷指示があり、汎用印刷プログラムから処理を要求された際、その決定されたユーザ識別情報が付与された印刷ジョブをプリンタに送信する。これにより、プリンタで扱えないユーザ識別情報が付与された印刷ジョブがプリンタに蓄積される可能性を低減でき、その結果として、プリンタでの蓄積印刷の実行可能性を高めることができる。
上記サポートプログラムの機能を実現するための装置、システム、および当該サポートプログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
本明細書に開示される技術によれば、OS標準の汎用印刷プログラムからプリンタに蓄積印刷を行わせる場合に、プリンタで扱えない印刷ジョブをプリンタに蓄積する可能性を低減できる技術が実現される。
以下、本形態のサポートプログラムを利用するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」とする)について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本明細書は、本明細書は、PCにて実行されるサポートプログラムを開示する。
(第1実施形態)
本形態のPC1は、図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。PC1は、情報処理装置の一例である。CPU11は、コンピュータの一例である。また、PC1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。なお、図1中のコントローラ10は、PC1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にPC1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
本形態のPC1は、図1に示すように、CPU11と、メモリ12と、を含むコントローラ10を備えている。PC1は、情報処理装置の一例である。CPU11は、コンピュータの一例である。また、PC1は、ユーザインタフェース(以下、「ユーザIF」とする)13と、通信インタフェース(以下、「通信IF」とする)14と、を備え、これらがコントローラ10に電気的に接続されている。なお、図1中のコントローラ10は、PC1の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際にPC1に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。
CPU11は、メモリ12から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの操作に基づいて、各種の処理を実行する。メモリ12には、各種のプログラムや各種のデータが記憶されている。メモリ12は、各種の処理が実行される際の作業領域としても利用される。CPU11が備えるバッファも、メモリ12の一例である。なお、メモリ12の一例は、PC1に内蔵されるROM、RAM、HDD等に限らず、CPU11が読み取り可能かつ書き込み可能なストレージ媒体、例えば、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体であっても良い。
ユーザIF13は、ユーザに情報を報知するための画面を表示するハードウェアと、ユーザによる操作を受け付けるハードウェアと、を含む。なお、ユーザIF13は、情報を表示可能なディスプレイ13aと、入力受付機能を有するマウスやキーボード等と、の組であっても良いし、ディスプレイ13aと入力受付機能とを備えるタッチパネルであっても良い。
通信IF14は、プリンタ2等の外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF14の通信規格は、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、USBなどである。PC1は、通信IF14を介して、インターネットに接続可能であっても良い。PC1は、複数の通信規格に対応する複数の通信IF14を備えていてもよい。
PC1のメモリ12には、図1に示すように、汎用印刷プログラム41を含むオペレーティングシステム(以下、「OS」とする)40と、補助プログラム42と、各種のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」とする)と、が記憶されている。OS40は、例えば、Windows(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)である。補助プログラム42は、サポートプログラムの一例である。
OS40は、例えば、英語や中国語や日本語などの複数の言語に対応可能である。OS40は、例えばPC1のセットアップ時に、対応可能な複数の言語から使用言語が1つ選択される。OS40は、PC1にログインする際に使用するログインユーザ名が登録されている。ログインユーザ名は、OS40で選択された言語によって構成されている。
本形態のPC1には、各種のアプリとして、例えば、情報アプリ43が組み込まれている。情報アプリ43は、例えば、地図アプリ、カレンダアプリ、ブラウザ、であり、ユーザの要求に応じて各種の情報をディスプレイ13aに表示させる機能を備えている。情報アプリ43は、アプリケーションプログラムの一例である。なお、情報アプリ43自身は、表示させた情報を印刷させる機能を備えていなくても良い。
汎用印刷プログラム41は、OS40とともに提供されるOS標準のプログラムであり、情報アプリ43等によってディスプレイ13aに表示されている情報を、プリンタ2等に印刷させるための機能を有する。本形態の汎用印刷プログラム41は、印刷対象の画像データに基づいて、中間データを生成する機能を含むプログラムである。汎用印刷プログラム41は、各種のプリンタのベンダによって提供される複数種類のモデルのプリンタが共通に利用できる機能をサポートしている。汎用印刷プログラム41は、各種のプリンタに固有のプリンタドライバとは異なり、各種のプリンタが固有に備える機能の全てに対応するものではなく、サポートする機能は汎用的なものに限られる。
汎用印刷プログラム41は、自身がサポートする機能について汎用印刷設定画面を介して印刷設定を受け付けることができる。また、汎用印刷プログラム41は、汎用印刷設定画面にて選択されたプリンタに印刷ジョブを送信する場合に、その印刷ジョブに付与するユーザ識別情報を設定することができる。汎用印刷プログラム41は、例えば、OS40に登録されているログインユーザ名を用いてユーザ識別情報を設定することができる。ログインユーザ名は、ユーザを識別するユーザ名のみで構成されていてもよいし、ユーザ名にデバイス情報等の付加情報を付加して構成されていてもよい。
補助プログラム42は、汎用印刷プログラム41の処理に付随してOS40からの指示に基づいて処理を実行するプログラムまたはプログラム群であり、対象のハードウェアの制御をサポートするプログラムである。本形態の補助プログラム42は、PC1に接続されているプリンタ2のモデルに対応するものであり、例えば、汎用印刷プログラム41を使用してプリンタ2に印刷を実行させる指示を受け付けた場合に、汎用印刷プログラム41から起動される。補助プログラム42は、例えば、印刷サポートアプリ(略称、PSA)、またはハードウェアサポートアプリ(略称、HSA)と呼ばれるものである。
なお、補助プログラム42は、それぞれが実行命令を受け付ける複数のプログラムの組み合わせであっても良いし、1つのプログラムであって命令に応じてそれぞれ異なる処理を実行できるプログラムであっても良い。また、補助プログラム42は、プリンタのベンダによってプリンタのタイプごとに用意されるプログラムであっても良い。例えば、インクジェットプリンタ用の補助プログラムやレーザプリンタ用の補助プログラムが、それぞれ用意されても良い。プリンタのタイプごとに限らず、プリンタのモデルごとやプリンタのモデルのシリーズごとに用意される補助プログラムが有っても良い。
本形態のPC1は、図1に示すように、プリンタ2に接続されている。プリンタ2は、少なくとも印刷機能と通信機能とを有する装置である。プリンタ2は、操作パネル21とメモリ22とを備えている。操作パネル21は、各種の入力操作を受け付ける操作機能と、情報を表示する表示機能とを備えている。メモリ22は、プリンタ2の動作を制御する制御プログラムや、各種のデータを記憶している。メモリ22には、例えば、自身がサポートする機能に応じて印刷設定の設定値が記憶されている。
メモリ22に記憶される印刷設定の一例としては、用紙サイズ、両面印刷、カラー/モノクロ印刷、割り付け印刷(Nin1)、着色剤の使用量を抑制する節約印刷がある。本実施形態のプリンタ2は、蓄積印刷機能を有する。蓄積印刷機能は、ユーザ識別情報が付与された印刷ジョブをPC1などの外部装置から受信した後、その印刷ジョブの印刷を開始せずにメモリ22に記憶し、印刷ジョブに付与されたユーザ識別情報と操作パネル21を介して受け付けたユーザ識別情報とが一致することを条件に、印刷ジョブに基づく印刷を実行する機能である。メモリ22に記憶される印刷設定には、蓄積印刷を有効または無効にする設定も含まれる。
補助プログラム42は、インストール時に、プリンタ2の選択に基づいて起動されるプログラムとして、汎用印刷プログラム41あるいはOS40に登録される。本実施形態の補助プログラム42は、選択されたプリンタの蓄積印刷が有効である場合に、汎用印刷プログラム41が設定したユーザ識別情報を、プリンタ2が扱うことができるユーザ識別情報に変更することができる。ユーザ識別情報の変更については後述する。本実施形態の補助プログラム42は、対応するプリンタ2に固有の機能について印刷設定を受け付ける詳細設定画面を表示する機能を有する。
次に、本形態の補助プログラム42の動作を含む印刷の手順であって、情報アプリ43にて印刷が選択された場合の各プログラムによる手順について、図2のシーケンス図を参照して説明する。なお、図2および後述する他のシーケンス図では、プリンタ2に対応する補助プログラム42がPC1に組み込まれている場合の動作について示している。
なお、以下の説明における処理およびフローチャート、シーケンス図の各処理ステップは、基本的に、補助プログラム42などのプログラムに記述された命令に従ったCPU11の処理を示す。CPU11による処理は、OS40のAPIを用いたハードウェア制御も含む。本明細書では、OS40の詳細な記載を省略して各プログラムの動作を説明する。また、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。
手順の最初に、ユーザが情報アプリ43を起動する(A01)。情報アプリ43は、ユーザの指示に応じて、各種の情報を含む情報画面をディスプレイ13aに表示させる(A02)。情報アプリ43は、情報画面の表示中、印刷の選択を受け付け(A03)、印刷が選択されると、OS40の汎用印刷プログラム41に表示要求と情報画面のデータを送る(A04)。情報アプリ43は、自身の能力に応じたファイル形式で情報画面のデータを送信する。よって、汎用印刷プログラム41は、情報アプリ43などのデータ送信元の能力に応じたファイル形式で情報画面のデータを受け取る。
汎用印刷プログラム41は、表示要求がされたことに応じて、汎用印刷設定画面をディスプレイ13aに表示させる(A06)。汎用印刷設定画面は、印刷設定の指示や印刷実行の指示を受け付ける画面である。汎用印刷設定画面は、A04にて情報アプリ43から受け取ったデータをプレビュー表示してもよい。汎用印刷設定画面は、印刷を実行する対象となるプリンタの選択を受け付けることができる。
汎用印刷プログラム41は、汎用印刷設定画面の表示中、プリンタの選択を受け付けることができる(A07)。例えば、選択されたプリンタがプリンタ2である場合、汎用印刷プログラム41は、補助プログラム42を起動して、プリンタ2の選択に対応する処理を要求する(A08)。A08では、汎用印刷プログラム41は、選択されたプリンタの情報や、プリンタの選択時に設定されていた印刷設定の情報を、補助プログラム42に渡す。
なお、汎用印刷プログラム41は、OS40にて通常使用するプリンタとしてプリンタ2が設定されている場合には、プリンタ2が選択された状態で汎用印刷設定画面を表示し(A06)、補助プログラム42を起動する(A08)。すなわち、OS40によってプリンタ2が自動的に選択され、汎用印刷プログラム41は、選択されたプリンタ2の情報に基づいて、A08を実行する。この場合、ユーザによるA07の操作は不要である。
また、汎用印刷プログラム41が汎用印刷設定画面を表示する代わりに、情報アプリ43が汎用印刷設定画面を表示させる構成でも良い。その場合、情報アプリ43は、A03で印刷が選択されたことに応じて汎用印刷プログラム41を起動し、汎用印刷設定画面に表示させるためのデータを汎用印刷プログラム41から取得して、汎用印刷設定画面をディスプレイ13aに表示させる。そして、情報アプリ43は、プリンタ2が選択されていることに応じて、選択されたプリンタ2の情報を汎用印刷プログラム41に渡す。これにより、汎用印刷プログラム41は、A08にて、補助プログラム42を起動する。
補助プログラム42は、起動されたことに応じて、OS40に対して選択されたプリンタの能力情報を要求する(A11)。OS40は、例えば、A07にてプリンタ2が選択された場合、補助プログラム42からの要求を受けて、プリンタ2に能力情報を要求する取得要求を送信し、プリンタ2から能力情報を取得する(A12)。OS40は、プリンタ2から取得した能力情報を補助プログラム42に渡す(A13)。補助プログラム42は、受け取った能力情報をメモリ12に記憶し(A14)、A08によって要求された処理の終了通知を汎用印刷プログラム41に対して行う(A21)。汎用印刷プログラム41は、補助プログラム42から能力情報を受け取り、汎用印刷設定画面に反映させてもよい。
OS40は、例えば、IPP(internet printing protocolの略)に応じた通信によって、プリンタ2との通信を行う。なお、補助プログラム42は、OS40に要求する代わりに、例えば、MIB(Management Information Baseの略)を使って、プリンタ2から直接、能力情報を取得しても良い。
実プリンタであるプリンタ2から取得する能力情報には、印刷設定として設定可能なパラメータの情報が含まれる。能力情報には、例えば、蓄積印刷が有効か無効かを示す情報が含まれている。
次に、汎用印刷設定画面を介して印刷実行の指示を受け付けた場合の各プログラムによる手順について、図3を参照して説明する。図3に示すシーケンス図では、プリンタ2が選択された状態で印刷実行の指示を受け付けた場合の動作について示している。例えば、汎用印刷設定画面では、印刷実行ボタンが設けられており、その印刷実行ボタンへの操作によって印刷実行の指示を受け付ける。汎用印刷設定画面は、情報アプリ43からの要求によって表示されていることから、汎用印刷設定画面への操作は、情報アプリ43が受け付けることを意味する。そのため、本形態では、印刷実行の指示は、情報アプリ43によって受け付けられ、その指示に応じて情報アプリ43から汎用印刷プログラム41に対して印刷指示が出力されることになる。なお、情報アプリ43が汎用印刷設定画面とは別に印刷実行の指示を直接受け付けてもよく、その場合も、その指示に応じて情報アプリ43から汎用印刷プログラム41に対して印刷指示が出力される。
図3に示すように、汎用印刷プログラム41は、印刷を行うプリンタとしてプリンタ2が選択されている汎用印刷設定画面を介して、ユーザによる印刷実行の指示があって、情報アプリ43から印刷指示を受け付けた場合、印刷対象となる画像を示す画像データを印刷指示とともに情報アプリ43から受け取る(D01)。汎用印刷プログラム41は、その受け取った画像データの形式を中間データの形式に変換することで中間データを生成する(D03)。中間データは、例えば、XPSデータである。
汎用印刷プログラム41は、補助プログラム42を起動し、その生成した中間データと、汎用印刷設定画面にて受け付けた印刷設定とを、印刷指示とともに補助プログラム42に渡す(D11)。つまり、補助プログラム42は、プリンタ2を送信先とする印刷指示があったことにより、汎用印刷プログラム41から処理が要求され、起動される。汎用印刷プログラム41は、D11にて補助プログラム42を起動する前に、OS40に登録されているログインユーザ名に基づいて印刷ジョブに付与するユーザ識別情報を設定している。汎用印刷プログラム41は、そのユーザ識別情報を中間データ等とともに補助プログラム42に渡す(D11)。
起動された補助プログラム42は、中間データに基づく印刷データを生成する(D12)。すなわち、補助プログラム42は、汎用印刷プログラム41によって加工された中間データにラスタライズを実行し、印刷対象の画像を示す印刷データを生成する。D12にて生成される印刷データは、例えば、プリンタ2に専用のPDLデータである。プリンタ2に対応する補助プログラム42にてラスタライズすることで、汎用印刷プログラム41にてラスタライズする場合に比較して自由度が大きく、プリンタ2での印刷に適した印刷データが生成される可能性が高い。
印刷データを生成した補助プログラム42は、選択されたプリンタが蓄積印刷を実行可能か否かについて判断する蓄積印刷有効性判定処理を実行する(D13)。メモリ12に記憶されているプリンタ2の能力情報には、蓄積印刷が有効か無効かを示す情報が含まれている。補助プログラム42は、メモリ12からプリンタ2の能力情報を読み出し、読み出した能力情報に含まれる情報に基づいて、プリンタ2が蓄積印刷を実行可能か否かについて判断する。
補助プログラム42は、メモリ12の能力情報が、蓄積印刷が有効であることを示す情報を含む場合、蓄積印刷が有効であると判断する(alt:有効)。この場合、補助プログラム42は、OS40で選択されている言語を取得する(D14)。例えば、補助プログラム42は、D11にて汎用印刷プログラム41から受け取ったユーザ識別情報を読み込むことで、OS40で選択されている言語を取得する。また、補助プログラム42は、OS40に問い合わせて、OS40で選択されている言語を取得してもよい。補助プログラム42は、D14にて取得した言語が、選択されたプリンタ2が扱うことができない文字を含む言語に該当するか否かを判断する文字判定処理を実行する(D15)。
例えば、選択されたプリンタ2は、英語に対応し、漢字を扱うことができないとする。この場合、補助プログラム42は、D14にて取得した言語が漢字を使用する中国語や日本語である場合、D14にて取得した言語が選択されたプリンタ2が扱うことができない文字を含む言語に該当すると判断する。一方、補助プログラム42は、D14にて取得した言語が英語である場合、D14にて取得した言語が選択されたプリンタ2が扱うことができない文字を含む言語に該当しないと判断する。
補助プログラム42は、文字判定処理にて、D14にて取得した言語が、選択されたプリンタ2が扱うことができない文字を含む言語に該当すると判断した場合(alt:該当)、例えば図4に示すユーザ名入力画面D1をPC1のディスプレイ13aに表示する(D21)。
図4に示すように、ユーザ名入力画面D1は、ユーザ識別情報を入力するためのユーザ識別情報入力欄SA11と、ユーザ識別情報を変更する変更指示を受け付ける変更ボタンSW11とを備えている。ユーザ名入力画面D1では、プリンタ2で扱うことができる言語(例えば、英語)を通知し、ユーザ識別情報入力欄SA11は、プリンタ2が扱うことができる文字の入力のみ受け付ける。例えば、OS40で選択されている言語が漢字を含む中国語あるいは日本語であるのに対して、プリンタ2が英語やフランス語の欧米言語しか対応しない場合、ユーザ識別情報入力欄SA11は、漢字の入力を受け付けず、欧米言語の文字入力のみを受け付けることができる。また、ユーザ名入力画面D1には、ユーザ識別情報の入力を省略する指示を受け付けるためのチェックボックスCH1が設けられている。チェックボックスCH1にチェックが入れられた場合、補助プログラム42は、次回から言語不一致の場合でもユーザ名入力画面D1を表示しなくなる。一方、チェックボックスCH1にチェックが入れられていない場合、補助プログラム42は、次回、言語不一致である場合に、ユーザ名入力画面D1を再表示する。
図3に示すように、補助プログラム42は、ユーザIF13を介して変更ボタンSW11を操作され、変更指示を受け付けると(D22)、ユーザ識別情報入力欄SA11に入力されたユーザ識別情報を、D11にて受け取ったユーザ識別情報に関連付けてメモリ12に記憶する(D23)。これにより、次回、ユーザ名入力画面D1を表示する際に、D23にて記憶したユーザ識別情報を、ユーザ識別情報入力欄SA11にデフォルト表示することで、ユーザ識別情報の入力の手間を省くことができる。また、以降、汎用印刷プログラム41が付与したユーザ識別情報は、ユーザ名入力画面D1をディスプレイ13aに表示してユーザにユーザ識別情報を入力させなくても、メモリ12からユーザ識別情報を読み出すことで、プリンタ2が扱うことができない文字を含まないユーザ識別情報に自動的に変更されてもよい。なお、メモリ12に記憶されているユーザ識別情報に変更する際、補助プログラム42は、ユーザにそのユーザ識別情報を利用するか否かを確認してもよい。D22およびD23は決定処理の一例である。
一方、補助プログラム42は、文字判定処理にて、D14にて取得した言語が、選択されたプリンタ2が扱うことができない文字を含む言語に該当しないと判断した場合(alt:非該当)、ログインユーザ名を取得する(D31)。補助プログラム42は、取得したログインユーザ名がユーザ名以外に付加情報を付加されているか否かを判断する付加判定処理を行う(D32)。
例えば、汎用印刷プログラム41がログインユーザ名を「[デバイス名]¥ユーザ名」として持つ場合、補助プログラム42は、そのユーザ名により構成されたユーザ識別情報を、D11にて取得している。補助プログラム42は、「¥」により「デバイス名」が「ユーザ名」に付加された付加情報であることを認識できる。この場合、補助プログラム42は、ログインユーザ名がユーザ名以外に付加情報を付加したものであると判断する(alt:付加情報あり)。
この場合、補助プログラム42は、D11にて取得したユーザ識別情報から付加情報を除去する(D33)。補助プログラム42は、D11にて取得したユーザ識別情報を、付加情報を除去したユーザ識別情報に変更して、メモリ12に記憶する(D34)。例えば、補助プログラム42は、D11にて取得したユーザ識別情報が「[デバイス名]¥ユーザ名」である場合、「¥」から前の文字を削除し、「ユーザ名」のみで構成されるユーザ識別情報をメモリ12に記憶する。つまり、補助プログラム42は、ユーザ名に基づいてユーザ識別情報を決定することができる。D33およびD34は決定処理の一例である。
上記に対して、補助プログラム42は、D13にて、蓄積印刷が有効でないと判断した場合、D11にて受け取ったユーザ識別情報を変更しない。また、補助プログラム42は、D13にて蓄積印刷が有効であると判断したが、D15の文字判定処理の判定結果が非該当であり、D11にて取得したユーザ識別情報が付加情報を含まない場合も、D11にて受け取ったユーザ識別情報を変更しない。
ユーザ識別情報を決定した補助プログラム42は、ユーザ識別情報を印刷ジョブに付与して、選択されているプリンタ2に送信する(D41)。D41は送信処理の一例である。補助プログラム42は、蓄積印刷が有効であり、メモリ12にユーザ識別情報が記憶されている場合には、そのユーザ識別情報を印刷ジョブに付与する。一方、補助プログラム42は、蓄積印刷が無効である場合、あるいは、蓄積印刷が有効であるが、ユーザ識別情報がメモリ12に記憶されていない場合、D11にて汎用印刷プログラム41から受け取ったユーザ識別情報を印刷ジョブに付与する。印刷ジョブには、ユーザ識別情報の他、印刷データと、印刷設定と、印刷コマンドも含まれる。プリンタ2は、蓄積印刷が有効の場合、その印刷ジョブを受信すると、メモリ22に蓄積して記憶する(D42)。なお、プリンタ2は、蓄積印刷が無効の場合、印刷ジョブを受信すると、直ぐに印刷を実行する。
印刷ジョブをプリンタ2に送信した補助プログラム42は、D11によって要求された処理の終了通知を汎用印刷プログラム41に対して返す(D43)。汎用印刷プログラム41は、印刷が終了したことを情報アプリ43に通知する(D44)。
なお、プリンタ2への印刷データや印刷コマンドの送信は、汎用印刷プログラム41が行っても良い。つまり、補助プログラム42は、決定したユーザ識別情報と生成した印刷データとを、プリンタ2を送信先としてPC1から送信されるように、汎用印刷プログラム41に渡しても良い。その場合、汎用印刷プログラム41は、補助プログラム42から受け取ったユーザ識別情報や印刷データ等をプリンタ2に送信する。この場合、補助プログラム42が汎用印刷プログラム41にユーザ識別情報や印刷データ等を渡す処理が送信処理の一例となる。
次に、プリンタ2における蓄積印刷の手順について図5(a)のフローチャートを参照して説明する。プリンタ2は、操作パネル21を介して蓄積印刷機能が選択されると、図5(a)に示す処理を実行する。
すなわち、プリンタ2は、例えば図5(b)に示す受付画面D2を操作パネル21に表示する(S1)。受付画面D2は、入力欄SA21と、完了ボタンSW21とを備えている。入力欄SA21は、ユーザ識別情報の入力を受け付ける。完了ボタンSW21は、ユーザ識別情報の入力完了の指示を受け付ける。
図5(a)に示すように、受付画面D2を表示したプリンタ2は、ユーザ識別情報の入力が完了したか否かを判断する(S2)。プリンタ2は、完了ボタンSW21が操作されない場合、入力が完了していないので(S2:NO)、受付画面D2を表示したまま待機する。
一方、プリンタ2は、完了ボタンSW21が操作パネル21を介して操作された場合、入力が完了したと判断し(S2:YES)、入力欄SA21に入力されたユーザ識別情報に対応する印刷ジョブをメモリ22から読み出す(S3)。プリンタ2は、対応する印刷ジョブがあるか否かを判断する(S4)。プリンタ2は、入力欄SA21に入力されたユーザ識別情報に対応する印刷ジョブがメモリ22にある場合(S4:YES)、その印刷ジョブの印刷を実行し(S5)、処理を終了する。一方、プリンタ2は、入力欄SA21に入力されたユーザ識別情報に対応する印刷ジョブがメモリ22にない場合(S4:NO)、印刷対象となる印刷ジョブがないことを通知し(S6)、処理を終了する。
例えば、OS40で選択された言語が日本語である場合、汎用印刷プログラム41が設定するユーザ識別情報には、漢字が含まれることがある。これに対して、プリンタ2は、英語に対応し、日本語に対応できないとする。補助プログラム42は、プリンタ2の蓄積印刷が有効である場合、日本語を含むユーザ識別情報を、英語で構成したユーザ識別情報に変更し、変更後のユーザ識別情報を印刷ジョブに付与してプリンタ2に送信している。つまり、OS40で日本語が選択されている場合でも、プリンタ2に蓄積される印刷ジョブにはプリンタ2が対応可能な英語で構成されたユーザ識別情報が付与されている。よって、プリンタ2は、印刷ジョブに付与されたユーザ識別情報の言語と、受付画面D2に入力されたユーザ識別情報の言語とが不一致であるために、印刷ジョブをメモリ22から読み出せず、印刷を実行できないという事態が回避される。
また、例えば、蓄積印刷機能を有するプリンタ2は、受付画面D2の入力欄SA21にユーザ名のみからなるユーザ識別情報が入力される。これに対して、印刷ジョブに付与されたユーザ識別情報が、デバイス名等の付加情報をユーザ名に付加して構成されている場合、プリンタ2は、受付画面D2に入力されたユーザ名と、印刷ジョブに付与されたユーザ識別情報とが完全に一致しないため、その印刷ジョブをメモリ22から読み出すことができず、印刷を実行できない。これに対して、補助プログラム42は、蓄積印刷が有効の場合、デバイス名などの付加情報を除去したユーザ名のみで構成されるユーザ識別情報を印刷ジョブに付与し、プリンタ2に送信している。そのため、プリンタ2は、付加情報に起因して、受付画面D2の入力欄SA21に入力されたユーザ識別情報に対応する印刷ジョブをメモリ22から読み出せず、印刷を実行できないという事態が回避される。
なお、S5の処理において、プリンタ2は、メモリ22に蓄積された印刷ジョブの中から、受付画面D2に入力されたユーザ識別情報に対応する印刷ジョブの一覧を操作パネル21に表示し、選択された印刷ジョブについて印刷の実行を開始してもよい。また、プリンタ2は、ユーザが受付画面D2を介してプリンタ2にユーザ識別情報を使ってログインした際に、メモリ22に蓄積されている印刷ジョブのうち、そのユーザ識別情報を付与された印刷ジョブの実行を自動的に全て開始してもよい。
以上説明したように、本実施形態の補助プログラム42は、蓄積印刷が有効な状態で汎用印刷プログラム41から処理を要求された場合、プリンタ2で扱うことができるユーザ識別情報を決定する。補助プログラム42は、蓄積印刷が有効な状態で印刷指示があり、汎用印刷プログラム41から処理を要求された際、その決定されたユーザ識別情報が付与された印刷ジョブをプリンタ2に送信する。これにより、プリンタ2で扱えないユーザ識別情報が付与された印刷ジョブがプリンタ2に蓄積される可能性を低減でき、その結果として、蓄積印刷の実行可能性を高めることができる。
また、本形態の補助プログラム42は、ユーザ名入力画面D1を介して、ユーザ識別情報を変更する入力を受け付ける。これにより、印刷ジョブに付与されるユーザ識別情報が、プリンタ2で対応不可の文字により構成されるユーザ識別情報から、プリンタ2で対応可能な文字で構成されたユーザ識別情報に変更されることが期待できる。その結果、ユーザ識別情報の言語に起因して蓄積印刷に失敗する可能性が低くなる。
また例えば、OS40は、例えば、{(デバイス名)¥(ユーザ名)}のように、デバイス名をユーザ名に付加した情報を、ログインユーザ名として持つことがある。これに対して、プリンタの多くは、デバイス名を付加したユーザ名を、ユーザ識別情報として認識できないことが多い。しかし、本形態の補助プログラム42は、{(デバイス名)¥(ユーザ名)}で構成されるユーザ識別情報について、付加情報である「デバイス名」を削除し、ユーザ名のみで構成されるユーザ識別情報に変更する。そのため、印刷ジョブに付与されるユーザ識別情報が、プリンタ2で扱い易いユーザ識別情報になり得る。その結果、ユーザ識別情報がデバイス名等の付加情報を含むことにより、プリンタ2が印刷を実行できないことを回避できる。
また、本形態の補助プログラム42は、印刷指示があり、蓄積印刷が有効であった場合に、ユーザ識別情報を変更し、変更したユーザ識別情報を印刷ジョブに付与してプリンタ2に送信する。これにより、補助プログラム42は、各印刷ジョブについて、プリンタ2で扱うことができるユーザ識別情報を付与することができる。
(第2実施形態)
続いて、本明細書において開示する技術の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。図6は、詳細設定画面を表示する表示指示を受け付けた場合の手順の例を示すシーケンス図である。本実施形態では、詳細設定画面を表示する場合に印刷ジョブに付与するユーザ識別情報を変更可能にする。この点が、蓄積印刷が有効な状態で印刷指示を受け付けた場合に、ユーザ識別情報を変更する第1実施形態と相違する。ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成および処理には、第1実施形態と同じ符号を使用する。
続いて、本明細書において開示する技術の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。図6は、詳細設定画面を表示する表示指示を受け付けた場合の手順の例を示すシーケンス図である。本実施形態では、詳細設定画面を表示する場合に印刷ジョブに付与するユーザ識別情報を変更可能にする。この点が、蓄積印刷が有効な状態で印刷指示を受け付けた場合に、ユーザ識別情報を変更する第1実施形態と相違する。ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成および処理には、第1実施形態と同じ符号を使用する。
例えば、汎用印刷プログラム41が表示する汎用印刷設定画面には、詳細設定画面を表示する表示指示を受け付けるための詳細設定ボタンが設けられている。図6に示すように、汎用印刷プログラム41は、この詳細設定ボタンのユーザ操作により、表示指示を受け付ける(B01)。汎用印刷プログラム41は、補助プログラム42を起動して、詳細設定画面の表示を指示する(B02)。このとき、汎用印刷プログラム41は、汎用印刷設定画面にて受け付けた印刷設定や、OS40に登録されているログインユーザ名をユーザ識別情報として、補助プログラム42に渡す。
補助プログラム42は、例えば詳細設定画面をディスプレイ13aに表示させる(B03)。詳細設定画面は、詳細設定画面にて受け付けた各項目の設定値を印刷設定に適用することを指示する適用ボタンを備えている。補助プログラム42は、適用ボタンの操作を受け付けると(B04)、メモリ12に記憶されている能力情報を読み出す(B05)。
補助プログラム42は、読み出した能力情報に含まれる蓄積印刷の有効または無効を示す情報に基づいて、蓄積印刷有効性判定処理を行う(B06)。なお、補助プログラム42は、プリンタ選択時に能力情報を取得してメモリ12に記憶せず、詳細設定画面を表示するタイミングで能力情報をプリンタ2から取得し、取得した能力情報に基づいて蓄積印刷有効性判定処理を行ってもよい。能力情報は、詳細設定画面を表示する度に取得してもよいし、一度取得した能力情報をプリンタの情報に関連付けてメモリ12に記憶してもよい。
補助プログラム42は、蓄積印刷が有効である場合(alt:有効)、OS40で選択されている言語を取得し(B14)、文字判定処理を実行する(B15)。B06、B14、B15の処理は、上述した図3のD13、D14、D15の処理と同様であるので、説明を割愛する。
文字判定処理にて、取得した言語がプリンタ2で扱うことができない文字を含む言語に該当する場合(alt:該当)、補助プログラム42は、ユーザ名入力画面を表示して、ユーザ識別情報を受け付け、メモリ12に記憶する(B21~B23)。B21~B23の処理は、上述した図3のD21~D23の処理と同様であるので、説明を割愛する。B23は記憶処理の一例である。
一方、文字判定処理にて、取得した言語がプリンタ2で扱うことができない文字を含む言語に該当しない場合(alt:非該当)、補助プログラム42は、ログインユーザ名を取得して(B31)、付加判定処理を実行する(B32)。補助プログラム42は、付加判定処理にて、ログインユーザ名に付加情報が付加されていると判断した場合(alt:付加情報あり)、付加情報を除去し(B33)、ログインユーザ名のみで構成されるユーザ識別情報をメモリ12に記憶する(B34)。B31~B34は、上述した図3のD31~D34の処理と同様であるので、説明を割愛する。B34は記憶処理の一例である。
補助プログラム42は、詳細設定画面を介して受け付けた印刷設定に基づいて、B02にて受け取った印刷設定を変更する(B41)。補助プログラム42は、変更後の印刷設定を汎用印刷プログラム41に渡す(B42)。汎用印刷プログラム41は、補助プログラム42から受け取った印刷設定を、汎用印刷設定画面の設定値に反映させる(B43)。
情報アプリ43から出力される印刷指示であって、プリンタ2に印刷を行わせる印刷指示があった場合(D01)、補助プログラム42は汎用印刷プログラム41によって起動される(D11)。補助プログラム42は、汎用印刷プログラム41から受け取った中間データに基づいて印刷データを生成すると(D12)、メモリ12からユーザ識別情報を読み出す(D101)。補助プログラム42は、メモリ12から読み出したユーザ識別情報を印刷ジョブに付与し、プリンタ2に送信する(D41)。つまり、本形態のように、詳細設定画面を表示するタイミングでユーザ識別情報を変更するための処理を行う場合、補助プログラム42は、印刷指示を受け付けたタイミングで、ユーザ識別情報を変更するための処理を行わない。D42以降の処理は上述したので説明を割愛する。
以上説明したように、本形態の補助プログラム42は、蓄積印刷が有効な場合、詳細設定画面を介してユーザ識別情報を受け付けることで、プリンタ2で扱うことができるユーザ識別情報を決定し、メモリ12に記憶する。補助プログラム42は、印刷指示があった際、そのメモリ12に記憶されたユーザ識別情報を印刷ジョブに付与し、その印刷ジョブをプリンタ2に送信する。これにより、プリンタ2で扱えないユーザ識別情報が付与された印刷ジョブをプリンタ2に蓄積する可能性を低減でき、その結果として、プリンタ2での蓄積印刷の実行可能性を高めることができる。
本明細書に開示される実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本明細書に開示される技術は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、PC1に接続される装置は、プリンタに限らず、複合機、複写機、FAX装置、等印刷機能を有する装置であればよい。また、PC1に接続されるプリンタ数は、図示の例に限らない。
また、図3のD23、D34の処理では、変更するユーザ識別情報を決定するだけで、メモリ12に決定したユーザ識別情報を記憶しなくてもよい。ただし、変更されたユーザ識別情報がメモリ12に記憶されることで、以降、ユーザがユーザ名入力画面D1にユーザ識別情報を入力する手間が軽減される。また、付加情報を削除する処理が不要になる。
また、図3のD13にて蓄積印刷が有効でないと判断した場合でも、ユーザ識別情報を変更するようにしてもよい。例えば、蓄積印刷が有効か無効かにかかわらず、ユーザ識別情報をヘッダないしフッタに含めて印刷する設定が有効であれば、蓄積印刷が有効である場合と同様に、ユーザ識別情報を変更してもよい。これにより、プリンタ2は、プリンタ2が扱えない文字で構成されたユーザ識別情報を、ヘッダまたはフッタに印刷できないために、印刷に失敗することを回避できる。
また、プリンタが蓄積印刷機能を有していても、蓄積印刷の有効または無効の設定がプリンタ側で設定されず、PC1側で設定されることがある。PC1側で設定する場合、例えば、図8に示す詳細設定画面D3にて蓄積印刷の設定が行われる。この場合、例えば、詳細設定画面D3の蓄積印刷の設定が「無効」から「有効」に切り替えられると、ユーザ名入力画面DL3が表示される。ユーザ名入力画面DL3は、図4に示すユーザ名入力画面D1と同様、ユーザ識別情報入力欄SA11とチェックボックスCH1とを備え、ユーザ識別情報の入力を受け付ける。ユーザ名入力画面DL3は、OKボタンSW33が操作されると閉じられて、詳細設定画面D3にて他の詳細な印刷設定について設定値を設定できるようになる。この場合、補助プログラム42は、蓄積印刷の設定が「無効」から「有効」に切り替えられたタイミングで、図6のB06~B34の処理を実行してもよい。このように、補助プログラム42は、蓄積印刷を有効にする設定変更があった場合に、ユーザ識別情報を決定してメモリ12に記憶し、印刷ジョブを送信する際にその記憶されたユーザ識別情報をメモリ12から読み出して印刷ジョブに付与することで、各印刷ジョブについて、プリンタ2で扱うことができるユーザ識別情報を付与できる。なお、汎用印刷プログラム41が汎用印刷設定画面を介して蓄積印刷の設定を受け付けることができる場合も同様に、蓄積印刷の設定が切り替えられるタイミングでユーザ識別情報を変更してもよい。
上記実施形態では、印刷を実行するプリンタ2が印刷ジョブを蓄積したが、インターネットを介してPC1に接続する仮想プリンタや、PC1とプリンタ2を接続するネットワーク上に配置される外部サーバが印刷ジョブを蓄積してもよい。この場合、プリンタ2は、仮想プリンタやネットワーク上の外部サーバにユーザ識別情報に対応する印刷ジョブの送信を要求し、仮想プリンタやサーバから印刷ジョブを受信して印刷ジョブに基づく印刷を実行してもよい。
また、実施の形態では、補助プログラム42の動作として、印刷動作のみを詳細に記載しているが、補助プログラム42は、さらに他の役割を有していても良い。また、本形態の処理を実行するプログラムは、補助プログラム42に限らず、汎用印刷プログラム41を用いた印刷を行う際に、OS40または汎用印刷プログラム41から指示を受け付けるプログラムであればよい。例えば、マイクロソフト社が仕様公開した印刷ワークフローアプリ(Print workflow)でも良い。
また、補助プログラム42の実行タイミングは、実施の形態の例に限らない。例えば、OS40から直接実行指示されて実行されても良く、または、常駐される補助プログラム42であっても良い。常駐される場合には、補助プログラム42は、実行命令を受けて前述した動作を行うとすれば良い。
また、実施の形態に開示されている任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
また、実施の形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
1……PC、2……プリンタ、11……CPU、40……OS、41……汎用印刷プログラム、42……補助プログラム
Claims (8)
- 情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、前記情報処理装置と接続するプリンタに対応し、前記情報処理装置のオペレーティングシステムにあらかじめ組み込まれた汎用印刷プログラムをサポートするサポートプログラムであって、前記プリンタは、蓄積印刷を行う機能を有し、前記蓄積印刷が有効な場合、印刷ジョブを受信した後、印刷を開始せずに受信した前記印刷ジョブを前記プリンタのメモリに保持し、前記印刷ジョブに付与されたユーザ識別情報と前記プリンタに受け付けられたユーザ識別情報とが一致したことを条件として、前記印刷ジョブに基づく印刷を開始し、
前記コンピュータに、
前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記プリンタで扱うことができるユーザ識別情報を決定する決定処理を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記情報処理装置に組み込まれているアプリケーションプログラムから出力された印刷指示であって、前記汎用印刷プログラムに対して画像の印刷を前記プリンタに行わせる前記印刷指示があったことによって、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記決定処理にて決定された前記ユーザ識別情報がある場合に、前記ユーザ識別情報が付与された印刷ジョブを前記プリンタに送信するための送信処理を実行させる、
ように構成されるサポートプログラム。 - 請求項1に記載するサポートプログラムにおいて、
前記決定処理では、
前記オペレーティングシステムで選択されている言語が、前記プリンタで扱うことができない文字を含む言語でなければ、前記オペレーティングシステムから前記情報処理装置にログインしているユーザのログインユーザ名を取得し、取得された前記ログインユーザ名に基づいて前記ユーザ識別情報を決定し、
前記オペレーティングシステムで選択されている言語が、前記プリンタで扱うことができない文字を含む言語であれば、ユーザ名の入力を受け付けるユーザ名入力画面を前記情報処理装置のユーザインタフェースに表示させ、前記ユーザ名入力画面にて受け付けられたユーザ名に基づいて前記ユーザ識別情報を決定する、
ように構成されるサポートプログラム。 - 請求項1に記載するサポートプログラムにおいて、
前記決定処理では、
前記オペレーティングシステムから前記情報処理装置にログインしているユーザのログインユーザ名を取得し、取得された前記ログインユーザ名にユーザ名を示す情報以外の付加情報が付与されている場合、前記付加情報を除去した前記ユーザ名に基づいて前記ユーザ識別情報を決定する、
ように構成されるサポートプログラム。 - 請求項3に記載するサポートプログラムにおいて、
前記決定処理では、
前記オペレーティングシステムから前記ログインユーザ名を取得し、取得された前記ログインユーザ名に、前記付加情報としてデバイス名を示す情報が付与されている場合、前記デバイス名を示す情報を除去した前記ユーザ名に基づいて前記ユーザ識別情報に決定する、
ように構成されるサポートプログラム。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載するサポートプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記情報処理装置に組み込まれている前記アプリケーションプログラムから出力された印刷指示であって、前記汎用印刷プログラムに対して画像の印刷を前記プリンタに行わせる前記印刷指示があったことによって、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記決定処理と、
前記決定処理にて決定された前記ユーザ識別情報が付与された印刷ジョブを前記プリンタに送信するための前記送信処理と、
を実行させる、
ように構成されるサポートプログラム。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載するサポートプログラムにおいて、
前記サポートプログラムは、前記プリンタで対応可能な印刷設定を受け付ける詳細設定画面を、前記情報処理装置のディスプレイに表示させる機能を有し、前記汎用印刷プログラムは、前記詳細設定画面の表示指示を受け付けることが可能であり、
前記コンピュータに、
前記表示指示を受け付けたことによって、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記決定処理と、
前記決定処理にて決定された前記ユーザ識別情報を前記情報処理装置のメモリに記憶する記憶処理と、
を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記情報処理装置に組み込まれている前記アプリケーションプログラムから出力された印刷指示であって、前記汎用印刷プログラムに対して画像の印刷を前記プリンタに行わせる前記印刷指示があったことによって、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記記憶処理によって前記メモリに記憶されている前記ユーザ識別情報がある場合に、前記メモリから前記ユーザ識別情報を読み出し、読み出された前記ユーザ識別情報が付与された前記印刷ジョブを前記プリンタに送信するための前記送信処理を実行させる、
ように構成されるサポートプログラム。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載するサポートプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷を有効にする設定変更があった場合に、
前記決定処理と、
前記決定処理にて決定された前記ユーザ識別情報を前記情報処理装置のメモリに記憶する記憶処理と、
を実行させ、
さらに前記コンピュータに、
前記情報処理装置に組み込まれている前記アプリケーションプログラムから出力された印刷指示であって、前記汎用印刷プログラムに対して画像の印刷を前記プリンタに行わせる前記印刷指示があったことによって、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記記憶処理によって前記メモリに記憶されている前記ユーザ識別情報がある場合に、前記メモリから前記ユーザ識別情報を読み出し、読み出された前記ユーザ識別情報が付与された前記印刷ジョブを前記プリンタに送信するための前記送信処理を実行させる、
ように構成されるサポートプログラム。 - 情報処理装置に組み込まれたサポートプログラムと、前記情報処理装置に接続されたプリンタと、を有する印刷システムであって、
前記サポートプログラムは、前記情報処理装置のコンピュータによって実行可能であり、前記プリンタに対応し、前記情報処理装置のオペレーティングシステムにあらかじめ組み込まれた汎用印刷プログラムをサポートするプログラムであり、
前記プリンタは、蓄積印刷を行う機能を有し、前記蓄積印刷が有効な場合、印刷ジョブを受信した後、印刷を開始せずに受信した前記印刷ジョブを前記プリンタのメモリに保持し、
前記サポートプログラムは、前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記プリンタで扱うことができるユーザ識別情報を決定する決定処理を実行させ、
さらに前記サポートプログラムは、前記情報処理装置の前記コンピュータに、
前記情報処理装置に組み込まれているアプリケーションプログラムから出力された印刷指示であって、前記汎用印刷プログラムに対して画像の印刷を前記プリンタに行わせる前記印刷指示があったことによって、前記汎用印刷プログラムから処理が要求され、前記蓄積印刷が有効な場合に、
前記決定処理にて決定された前記ユーザ識別情報が付与された印刷ジョブを前記プリンタに送信するための送信処理を実行させ、
前記プリンタは、
ユーザ識別情報の入力を受け付け、前記メモリに保持されている前記印刷ジョブに付与されている前記ユーザ識別情報が、受け付けられた前記ユーザ識別情報と一致したことを条件として、前記印刷ジョブに基づく印刷を開始する、
ように構成される印刷システム。
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JP2022055497A JP2023147785A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | サポートプログラムおよび印刷システム |
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